衆議院

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第12号 平成24年7月27日(金曜日)

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平成二十四年七月二十七日(金曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 伴野  豊君

   理事 阿知波吉信君 理事 川村秀三郎君

   理事 辻元 清美君 理事 若井 康彦君

   理事 金子 恭之君 理事 山本 公一君

   理事 小宮山泰子君 理事 畑  浩治君

   理事 富田 茂之君

      奥田  建君    沓掛 哲男君

      熊田 篤嗣君    小泉 俊明君

      古賀 一成君    坂口 岳洋君

      高木 義明君    高橋 英行君

      津島 恭一君    筒井 信隆君

      中川  治君    橋本 清仁君

      初鹿 明博君    福田 昭夫君

      向山 好一君    谷田川 元君

      柳田 和己君    吉田おさむ君

      赤澤 亮正君    秋葉 賢也君

      小渕 優子君    金田 勝年君

      北村 茂男君    佐田玄一郎君

      徳田  毅君    林  幹雄君

      福井  照君    望月 義夫君

      古賀 敬章君    竹内  譲君

      穀田 恵二君    中島 隆利君

      柿澤 未途君    中島 正純君

      中島 政希君

    …………………………………

   国土交通大臣       羽田雄一郎君

   内閣府副大臣       中塚 一宏君

   経済産業副大臣      柳澤 光美君

   国土交通副大臣      奥田  建君

   国土交通副大臣      吉田おさむ君

   環境副大臣        横光 克彦君

   国土交通大臣政務官    津島 恭一君

   国土交通大臣政務官    室井 邦彦君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 土屋 知省君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            中島 正弘君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  加藤 利男君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        関  克己君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  川本正一郎君

   国土交通委員会専門員   関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月二十七日

 辞任         補欠選任

  佐田玄一郎君     秋葉 賢也君

  二階 俊博君     金田 勝年君

  柿澤 未途君     山内 康一君

同日

 辞任         補欠選任

  秋葉 賢也君     佐田玄一郎君

  金田 勝年君     二階 俊博君

同日

 理事小宮山泰子君同日理事辞任につき、その補欠として畑浩治君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

七月二十六日

 海上保安庁法及び領海等における外国船舶の航行に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四五号)

 雨水の利用の促進に関する法律案(国土交通委員長提出、参法第二九号)(予)

同月二十七日

 雨水の利用の促進に関する法律案(参議院提出、参法第二九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 委員派遣承認申請に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 都市の低炭素化の促進に関する法律案(内閣提出第四三号)

 海上保安庁法及び領海等における外国船舶の航行に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四五号)


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     ――――◇―――――

伴野委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事小宮山泰子君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う理事の補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に畑浩治君を指名いたします。

     ――――◇―――――

伴野委員長 内閣提出、都市の低炭素化の促進に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長中島正弘君、都市局長加藤利男君、水管理・国土保全局長関克己君、住宅局長川本正一郎君及び警察庁長官官房審議官土屋知省君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿知波吉信君。

阿知波委員 民主党の阿知波吉信です。

 それでは、都市の低炭素化促進の法律につきまして御質問いたします。

 福島の原発事故以来、我が国は、化石燃料への依存度が高まり、それに伴って二酸化炭素の排出量がふえております。ですから、この法案に対する必要性は高まっておりますが、改めまして、大臣、本法案の目標、そして目標達成時の効果についてお答えいただきたいと思います。

羽田国務大臣 本法案は、地球環境に優しい暮らし等の新しい視点からまちづくりに取り組んでいくための第一歩を築いていくものと考えております。

 このため、本法案においては、一つでも多くの市町村に取り組んでいただけるよう、各市町村に対して二酸化炭素の削減目標の定量的な設定を課すのではなくて、まずは、身近な成功事例を一つでも多く形成し、その普及を図ることを目指しております。

阿知波委員 この法案は、都市部ないし市街地において非常に特例措置が講じられます。例えば、駐車場の整備とか公共機関に対しては規制緩和のようなもの、それから、民間事業者が建てるビルも、店舗とか病院とか保育所とか共同住宅が集約されますと社会資本整備交付金がおります。補助金のようなものがおりていくわけです。また、低炭素の住宅については税制の特例措置がございます。都市部ないし市街地です。

 そうしますと、やはり都市部に経済的な恩恵が集まり、民間の投資が集まり、結局、人口集中がもたらされるのではないかという懸念がございます。一方では、農村ですとか中山間地、離島といった条件不利地域、こういうものも必要だというふうに思います。

 ですから、地域の格差とこういうエネルギー使用の効率ということについて、私、懸念を持っておるんですが、その辺につきまして大臣の御見解を伺いたいと思います。

羽田国務大臣 本法案に基づきまして、都市機能の集約化をどのように進めていくかについて、各地域の実情に応じ、市町村が判断することとなりますけれども、地域の活力にかかわる機能を全て都市部に集約することを狙いとするものではなくて、地域全体として都市の経済活力や地域の活力が維持されるような持続可能なまちづくりに取り組んでまいりたいと考えているところであります。

 中山間地域等につきましては、二酸化炭素の吸収源となる豊富な森林資源を有するなど、地球環境面で都市とは異なる特性もあり、木材生産と木造住宅振興を一体的に図るなど、その特性に応じた取り組みが重要であると考えております。

 また、先般改正が行われました過疎地域自立促進特別措置法や離島振興法等に基づいて、これらの地域の振興に万全を期してまいりたいと考えております。

阿知波委員 ありがとうございました。終わります。

伴野委員長 次に、北村茂男君。

北村(茂)委員 自由民主党の北村茂男でございます。

 まず、冒頭、このたびの九州地方集中豪雨災害の被災地及び被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 我々自由民主党は七月六日に、直ちに九州地方豪雨災害対策本部を設置いたしました。その後、七月九日には現地災害視察団を派遣し、私もその対策本部の一員として現地の惨状を見てまいりました。記録的な集中豪雨による現地の災害は非常に甚大でありました。この現地調査を踏まえ、七月十一日には、激甚災害指定の早期決定、激甚災害対策特別緊急事業の早急な実施、さらには河川などの整備水準の見直しなどについて政府へ申し入れを行ったところであります。

 今回の九州地方豪雨災害に対する国土交通省の現在の取り組みについて、まず伺いたいと思います。

羽田国務大臣 お答えをさせていただきます。

 私も、福岡県、大分県、熊本県の被害状況を調査してまいりましたけれども、今回の豪雨に伴う被害の甚大さを改めて認識したところであります。

 国土交通省といたしましては、災害直後からヘリコプター等により被害状況を迅速に把握するとともに、所管施設である河川や道路の応急復旧対応に全力を挙げ、河川の堤防決壊箇所の締め切りなど、緊急的に対応すべき箇所についてはおおむね完了したところであります。また、全国の地方整備局等の職員から成るTEC―FORCE等を派遣し、浸水地域の排水作業や応急復旧に当たっての技術指導を行うとともに、被災自治体にリエゾンを派遣して、首長の右腕としてきめ細やかな支援をしてきたところであります。

 今後実施される本格復旧に当たっては、災害復旧事業に加えて、再度災害を防止するためにも、河川激甚災害対策特別緊急事業、いわゆる激特事業も含め、どのような事業であればより速やかな対応ができるか等、早急に検討を進め、対策を実施してまいります。

北村(茂)委員 東日本大震災を教訓にするまでもなく、今回の災害においても、何よりもスピードがまずは肝心だと思うのです。同時に、政府のこのことに対する取り組みの姿勢が、被災地の皆さん方にとって安心して政府を信頼できるのかどうか、こういうことにもつながっていくわけでありますし、緊急な対策をぜひお願いをしておきたいと思います。

 それでは、本日議題となりました都市の低炭素化の促進に関する法律案につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 都市活動から排出されるCO2は、我が国のCO2排出量全体の約半分程度だというふうに伺っているわけでありますが、本法律案の施行により、一体どのくらいの都市活動によるCO2の抑制効果につながるのか、そのことが期待できるのかということであります。今想定されているものがあるとすれば、それはどれほどなのかを伺いたいと思います。

 また、都市の低炭素化について、具体的にどのような状態を目標としているのか、何を基準とした低炭素化なのか。排出削減量についての明確な目標が必要ではないかと考えるわけでありますが、これに対する所見を伺いたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案は、これまでの都市機能の高度化に重点を置いてきましたまちづくりに、地球環境に優しい暮らしですとか、少子高齢化社会におけます暮らし等の新しい視点を持ち込みまして、これらの視点から、住民や民間事業者と一体となってまちづくりに取り組んでいくための第一歩として位置づけられるものだというふうに考えております。

 このため、法案におきましては、一つでも多くの市町村にこうした低炭素のまちづくりに取り組んでいただけるように、各市町村に対して今お尋ねのような削減目標の定量的な設定を課するということではなくて、まずは身近な成功事例を一つでも多く形成していき、その普及を図りたいという考え方に立っております。

 しかし一方で、今申し上げた計画の実効性を高めるためには、計画に位置づけられた施策の効果について適切にこれを評価いたしまして、その結果を計画に反映させるプロセスというのは大切であるというふうに考えております。こうした観点から、国といたしましても、市町村が計画の達成状況を適切に評価できるように、低炭素都市づくりガイドライン等を参考にしながら、施策の低炭素化効果を評価するための手法などを示していきたいというふうに考えておるところでございます。

北村(茂)委員 それでは、順次伺っていきます。

 次に、都市機能の集約化に伴う懸案事項等についてお伺いをいたします。

 本法律案では、コンパクトなまちづくりの促進のため、都市機能を集約する集約都市開発事業計画の認定制度とその支援措置が設けられております。しかしながら、このような制度によって都市の中心部に諸施設が集約されていった場合において、都市郊外の住民はかえって不便を強いられるのではないか、特に、すぐに居住地をかわることの難しい高齢者等が医療施設や公共施設などに通うことが困難になるのではないかという懸念も一方であるわけでありますが、これについてはどうお考えでしょうか。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 本法案は、公共交通網と一体となって、住まいの身近なところに医療や福祉、公共施設などがある、いわゆるコンパクトなまちづくりの形成を目指すものでございます。

 具体的に都市機能の集約化をどのように進めていくかということにつきましては、各地域の実情に応じまして市町村がお決めいただくということになるわけでございますが、お尋ねのように、都市の郊外で日常生活に必要な診療所ですとか保育園等の施設まで、これらを一律に市街地の中心部に集約するということを狙っているものではございません。

 都市機能の集約化とあわせて、公共交通機関の利便の確保を図りまして、地域全体として持続可能なまちづくりに取り組んでいきたいというふうに考えております。

北村(茂)委員 さらに、本法律案による都市機能の集約化によって、活発な都市活動が行われる市街地が縮小し、都市の経済活力が衰退するのではないか、また、都市の集約によって人口の都市集中が生じ、都市郊外や周辺地域の人口減少から、それら地域の活力の減退も懸念されるという意見もあるわけでありますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほども御答弁を申し上げたところでございますが、この法案では、公共交通網と一体となって、いわゆるコンパクトな町をつくっていこうということでございますけれども、その集約化の際に、例えば生産施設だとか商業施設などの、都市の経済活力ですとか地域の活力にかかわる機能を、先ほども申し上げましたけれども、全てが全て市街地の中心部に集約していこうということを狙いとするものではございません。

 都市機能の集約化とあわせて、ただいま御質問いただきましたような御懸念があるような場合には、どうすれば地域全体としての都市の経済活力とか地域の活力が維持されて持続可能なまちづくりができるかどうか、そういうことを計画の策定の中でも十分に地域で議論していただいて、実効性のある計画としていただくということが一番肝要ではないかというふうに考えております。

北村(茂)委員 重ねて都市機能の集約ということについて伺いますと、いわゆる中心部の地価が集約によって高騰をする、逆に言うなら郊外が下落をするという流れになるのではないかという懸念も指摘されているわけであります。すなわち、これによって、都市機能の集約がかえってより困難になるのではないかという考え方に対してはどう反論されますか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 これまで、コンパクトシティーを進めようということで先進的に各種の施策展開を図っている例として、例えば富山市の例が挙げられようかと思います。

 今御質問ございました地価との関係について、コンパクトシティーの形成を図るとどういう影響があるかということにつきまして富山市の例で見てみますと、富山市の中心商業地、最高価格地点をとりますと、ここ数年の地価動向を見てみましても、それは年によりもちろん変動はございますけれども、おおむね安定的に推移いたしておるというのが実情であろうと受けとめております。

 したがいまして、このようなことから、都市機能の集約を困難にするような地価の高騰が起こるという可能性は低いんじゃないかなというふうには考えておりますが、そうした地価との関係にも当然十分に留意をしながら、本法案により都市機能の集約化を図り、都市の低炭素化を図っていきたいというふうに考えております。

北村(茂)委員 それでは、現在は、百貨店など一定以上の規模の建物にはそれぞれ駐車場を設けなければならないということを条例で定めることができるというふうになっているわけでありますが、本法律案によれば、駐車場の集約により、不要な交通量の低減を図るため、条例により駐車場の共同設置を認めることといたしております。

 しかしながら、都市の駐車場の集約化により、駐車場を待つための渋滞が生じるという懸念もあり、かえって低炭素化に逆行するおそれがあるのではないかという指摘についてはどのように答えられますか。

加藤政府参考人 ただいま御指摘のように、現在、駐車場法に基づきまして、一定規模以上の建築物を建築する際には、その駐車需要に対応するために、各建築物に駐車施設の附置を求めているところでございますが、その結果として、特に中心市街地等におきましては、各建築物に向かう自動車によりまして道路交通のふくそうなどが生じております。

 このような場合に、駐車場法の特例を本法案で用意しておりますが、駐車場法の特例を活用いたしまして、例えば中心市街地の周辺部に駐車施設を集約することも可能としておりますので、中心市街地内の自動車交通がこれによって整理をされて、都市の低炭素化に貢献できるものと考えております。

 しかし一方で、御指摘のように、駐車施設の集約化によって、部分的あるいは局所的には渋滞が発生するということがあるかもしれませんが、今回、集約化する駐車施設の設置の検討に当たりましては、道路ネットワークの状況ですとか沿道の土地利用の状況等を勘案いたしまして、その設置位置ですとか駐車台数等を適切に設定することによって、全体として都市の低炭素化の推進に資するものというふうに考えておるところでございます。

北村(茂)委員 簡単に言って、三つの出入り口があるのと一つの出入り口があるのと、どれがどのように素早くはけたり、入ったり、出入りができるのかということを考えれば、私の言う懸念も、また一方、意見としてはあるわけでありまして、駐車場の集約化について、その辺の配置状況、道路との接続状況等を十分勘案してやっていただきたいというふうに思うわけであります。

 次に、都市の低炭素化の促進のための支援措置についてお伺いをいたしたいと思います。

 都市の低炭素化の促進のためには、公共施設、オフィス、工場、住宅、公共交通機関、自動車、エネルギーなどさまざまな分野での低炭素化、省エネ化が求められることとなりますが、その普及のためには一定の支援措置が必要不可欠であると考えます。また、各分野での支援措置を設けることで、総合的に都市全体の低炭素化を図ることが期待できるものであります。

 そこで、政府においては、都市の低炭素化を総合的に進めていく上で、予算措置、税制措置も含め、どのような支援措置を検討しているのか伺いたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 低炭素建築物につきましては、蓄電池や蓄熱槽など低炭素化に資する設備について容積率の特例を講じるとともに、新築住宅について住宅ローン減税の最大減税額の上乗せを行うなどの措置を講じておるところでございます。

 また、低炭素まちづくり計画制度についてでございますが、これについては何点かございます。

 まず、本法案において、太陽光パネルなどを設置するための公共施設の活用に関する措置等の特例措置を講ずるとともに、予算面でも、低炭素まちづくり計画の策定等に対しまして、平成二十四年度予算、今年度予算からでございますが、この策定支援を積極的に行うこととしております。

 また、病院・福祉施設、事務所、共同住宅などの集約整備を図る集約都市開発事業につきましては、社会資本整備総合交付金等によって支援をしていきたいというふうに考えておるところでございます。

 今申し上げた各種の支援措置に加えまして、地区、街区レベルでの効率的な熱の共同利用、先導的な省CO2の住宅・建築物の整備、地域公共交通の確保、維持、電気自動車など環境対応車の導入等々に関する助成措置を、低炭素まちづくり計画の地域に重点的に支援をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

北村(茂)委員 次に、低炭素まちづくりに資する省エネ住宅の普及のためには、省エネ住宅の新築よりもむしろ、数からいっても既存住宅の省エネ改修に、より重点的に支援を行うべきであるとの意見もあります。

 省エネ改修を支援する住宅エコポイントについては、既に、被災地以外の地域の予約申し込みも七月四日をもって受け付け終了との報道もありましたけれども、本法律案では既存住宅の省エネ化についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 住宅のCO2の排出量の削減ということを考えますと、今御指摘がございましたように、新築住宅のみならず、圧倒的にボリュームの多い既存住宅のCO2の排出量を減らしていくというのは大変重要な課題だと思っております。

 この法律案は、一般的な省エネ住宅というものよりもグレードの高い、それよりもCO2排出量のすごく小さい住宅について認定をいたしまして、それに対して税制上の措置などによって応援をしていくという組み立てをいたしております。

 既存住宅のいわゆる省エネ改修、リフォームでございますと、リフォームだけで認定基準に達するというのは、躯体部分もございますので、なかなか大変だと思っておりますが、既存住宅については、こういった認定基準に達しないものであっても、例えば開口部をいじって省エネ性能を高めるといったようなことも含めて、応援することが大事であると思っております。既に省エネリフォームについての税制上の措置等を講じておりまして、こういったものを使って省エネ住宅を、既存住宅の改修面でもふやしていくという取り組みも必要だと思っております。

 ただ、いずれにしましても、今エコポイントのお話もございました。限られた財源を有効に使いながら、既存住宅の省エネ改修をどう進めていくのかという点につきましては、今後もその充実について検討してまいりたいと考えております。

北村(茂)委員 積極的に取り組んでいただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。

 次に、木造建築物を長期間活用することにより、CO2の排出抑制を長期に、効果的に固定できると考えるものでありますが、本法律案では木造建築物の普及についてどのような考慮がされているのか、伺いたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のように、木材の利用を促進するということは、二酸化炭素を固定するという意味で大変意義があるというふうに考えております。その意味で、都市の低炭素化を進める上で、住宅や建築物について木材利用を促進するということは重要な課題であると思っております。

 今回、私ども、低炭素建築物の認定をすることといたしておりますが、この基準におきましては、例えば一定量以上の木材を利用しているということを認定基準の評価の中に入れるというようなことで検討を進めているところでございます。

 また、あわせまして、木造建築物の主たる供給者は中小の工務店ということになりますので、こういった工務店などを対象にしまして、省エネ施工の技術の習得をしていただく講習をやるといったようなことで、こういった工務店の方で技術習得して、習熟をしていただくということを考えております。

 こういったことを通じまして、木造住宅、そして木造建築物の供給の促進ということに努めてまいりたいと考えております。

北村(茂)委員 都市の低炭素化は、地球温暖化対策や、太陽光など再生可能エネルギーの活用や、電気自動車の普及促進など、国土交通省以外の各省庁とも総合的に連携をしてやらなければ実現できるものではありません。したがって、都市の低炭素化への取り組みとして、本法律案も三省の所管法律でありますが、各省庁との連携をどのように図っていくのか、大臣の所信を伺いたいと思います。

羽田国務大臣 本法案は、今言われたように、国土交通省のみならず、環境省及び経済産業省の三省共管によるものでありますけれども、都市の低炭素化の促進を図るためには、それ以外の関係省庁も含めて、政府が一体となって施策を推進していくことが重要であると認識をさせていただいております。

 このため、再生可能エネルギーの活用や電気自動車の普及促進を初めとする省庁横断的な施策については、適切な役割分担のもと、各省庁と十分に連携を図りながら推進していくこととしており、本法案に基づく基本方針においてもその旨を盛り込んでまいります。

北村(茂)委員 次に、いわゆるコンパクトシティーの実現に向けた取り組みを行うに当たって、青森市などで実施されたように、いわゆるまちづくり交付金などの活用が考えられるわけでありますが、地方自治体から、あのまちづくり交付金が始められた時点での自治体の反応でありましたが、規制や手続が多く使いづらいというような話も各方面から聞きました。

 その後、交付金の手続等も簡略化され、あるいは見直しをされたというふうに伺っているわけでありますが、このようないわゆるコンパクトシティーの実現に向けての交付金等のあり方について、使いづらいというような指摘には具体的にどのような検討をされ、使いやすいものにするためにはどのような対応をされているのかを伺っておきたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆるまちづくり交付金の使い勝手についてでございます。

 この交付金は、平成十六年度に、地域の課題、実情に対応できる総合性、自由度の高い制度として創設をされまして、これまでに全国の市町村の約半分に当たります九百三十二市町村、二千百九十四地区において実施されてきておりまして、御質問のように、まちづくりの主要な事業手法として広く活用が図られているところでございます。

 使いづらいという点からどうかというお尋ねでございますが、いわゆるまちづくり交付金につきましては、制度創設以降、交付対象メニューの拡充ですとか、申請書類の削減による手続の簡素化に努めてきたところでございますけれども、今後さらに改善すべき点があれば、私どもとしても適切に対応することによりまして、地方公共団体にとって活用しやすい制度となるよう努めてまいりたいというふうに考えております。

北村(茂)委員 次に、公共交通の利用促進について伺いたいと思います。

 都市内の自動車から排出されるCO2の削減のためには、電気自動車などの環境対応車を普及させるとともに、自動車利用から公共交通機関の利用に交通手段を変換していくことが重要だと考えます。本法律案においても、公共交通機関の利用を促すような施策も盛り込まれておりますが、人口が減少している地方では公共交通機関の存続そのものが困難になるなどの問題が生じております。

 今後、一層の人口減少社会の到来が予測される我が国において、政府はどのように公共交通機関の利用促進を図っていく考えをお持ちなのか、伺いたいと思います。

吉田(お)副大臣 地域の公共交通をめぐる環境が厳しさを増しているということは、委員御指摘のとおりでございます。しかしながら、地域の生活交通の確保は極めて重要な課題でございます。とりわけ二酸化炭素の排出削減、また高齢者の移動手段の確保を図る観点からも、公共交通を維持し、利用促進を図ることが必要であるということを認識しております。

 このため、公共交通の存続が危機に瀕している地域等におきましては、ディマンド交通など地域の特性、実情に最適な移動手段の提供、バリアフリー化など移動に当たってのさまざまな障害の解消を図るべく、国土交通省としても、財政上の措置などの必要な支援を現に行っているところでございます。

 今後、人口減少、高齢化が進展していくことを踏まえてまいりますと、日常生活に必要不可欠な移動手段を確保するための施策はますます重要になってきております。なお、本国会に提出している交通基本法案は、こうした課題に対する取り組みを推進するものであり、本法案に加えて、交通基本法につきましてもぜひ早期に成立させていただきたいと考えているところでございます。

北村(茂)委員 時間も迫ってまいりましたので、最後に、緑地の保全について伺っておきたいと思います。

 都市の緑はCO2の貴重な吸収源であり、都市における緑地や樹木の拡大は一層の促進が必要であります。

 変化が激しく、人口減少や高齢化がますます進展している我が国において、都市内にある既存の貴重な緑地を適切に保全し、管理し続けていくことは極めて難しくなりつつあります。

 本法律案においても、緑地の管理保全のための措置が盛り込まれている一方、都市内において新たに緑地を生み出すための仕組みも必要ではないかと考えるものでありますが、都市における緑地の創出に向けた政府の取り組みについて伺いたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、都市の緑は二酸化炭素の吸収源となりますことから、緑地の保全とあわせて緑化の推進を図り、都市における緑の量をふやしていくということは非常に重要なものであるというふうに私どもも認識をいたしております。

 こうした考え方から、本法案におきましても、市町村が作成いたします低炭素まちづくり計画に記載できる事項といたしまして、緑地の保全及び緑化の推進に関する事項を位置づけるほか、計画を策定した市町村が、都市内の身近な緑化に取り組むNPO法人等を特定緑地管理機構として指定できるようにしたところでございます。

 これまでも、都市における緑化の推進については、都市公園等の整備を推進する一方、大規模な建築物の敷地ですとか屋上等の緑化を推進する緑化地域制度など各種の制度の充実を図ることで、民有地も含めた都市の緑化を総合的に推進し、新たに緑を生み出してきたところでございます。

 引き続き、都市の緑化等に関する施策の有効活用を図りまして、緑地の保全とあわせて、御質問いただきましたように新たな緑を創出する、そして都市の緑の総量をふやしていくということを通じまして、都市の低炭素化を促進してまいりたいというふうに考えております。

北村(茂)委員 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

伴野委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山(泰)委員 国民の生活が第一として初めて質問に立たせていただきます小宮山泰子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、九州で広範囲にわたり豪雨が降り、被災された皆様へお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 昨今、自然災害は日本だけでなく、北京の豪雨、アメリカの大干ばつ、また氷河が崩落したなどさまざまなことが起きておりまして、地球温暖化の影響とも言われますけれども、今回、この都市の低炭素化の促進に関する法律案というのは、こういった環境の中において大変重要な意味を持っていると思っております。また、都市化が進んでいく中で、スプレッド化を集約していくコンパクトシティー、そういった観念につきましても、新しい画期的な思いがこもっているのではないかと思っております。

 また、これに関しましては、私も民主党時代に大変勉強させていただきましたが、前田前国交大臣は低炭素化というものが非常に重要であるということをいつも言っておりました。その思いを酌みますと、本当に重要で、これが転換点になる法律なのではないかという思いを持たせていただき、これは推進しなければいけないという観点から本日は質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、都市の低炭素化を進める上で、モータリゼーションの中においては、バスの路線や鉄道を地域の足として維持していくということはやはり重要かと思います。法律上の特例措置だけでなく、維持発展させていくということも重要だと考えております。しかし、地方のバス路線は事業運営が大変厳しい状況にあり、また、人口減少という中においても高齢化ということで、免許証の返還であったりさまざまなことで、交通弱者の移動というものが重要視されるかと思っております。

 この支援をする上でも、コミュニティーバス等生活交通の支援というものは着実に実施すべきだと考えておりますが、この点に関しまして国土交通省のお考えをお聞かせください。

吉田(お)副大臣 委員の御質問にお答えいたします。

 本法案におきましても、公共交通機関の利用促進を通じて都市の低炭素化を推進することといたしております。今お話ございましたように、大変環境は厳しい状況を増しておりますが、生活交通の確保という部分は極めて重要な課題であり、二酸化炭素の排出削減、それから高齢者の移動手段の確保の観点からも、公共交通の確保、維持を図ることが必要であるということは認識を共有するところであります。

 このため、高齢者を初めとした交通弱者の移動を支援するため、平成二十三年度に地域公共交通確保維持改善事業を創設いたしました。予算におきましても、平成二十四年度におきましては約三百三十二億円を確保するなど、必要な措置を国土交通省として行っている途中でございます。

 今後とも、公共交通の確保、維持を図るため、自治体、交通事業者、地域住民等の関係者と協力連携を図りつつ、適切な支援が可能となるよう、しっかり取り組んでまいります。

小宮山(泰)委員 また、本法案におきましては、新築の低炭素建築物について、住宅ローンの減税額の引き上げ、登録免許税の引き下げによる税制上の特例が平成二十四年度税制改正に盛り込まれているところであります。

 税制上の特例は、住宅取得希望者にとっては大きな動機づけとなるものと考えられますが、新築住宅においてどの程度利用されるのか、これを期待するところではありますが、その点に関しまして、国交省としてどう考えていらっしゃるかお聞かせください。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘のとおり、低炭素型のまちづくりを進める上では、住宅・建築物の低炭素化というのは大変重要であるというふうに考えております。今回の法案、市街化区域などを対象として先進的な住宅を認定して、御指摘のような税制上の支援措置を講ずることとしたわけでございます。

 ここ数年の税財政上の措置などによりまして、住宅の省エネ化がかなり進んでまいりました。この認定基準に恐らく該当すると考えられます、トップランナー基準といったような基準の住宅もかなりふえてきておりますが、そういった状況を見ますと、この法律の施行後数年ぐらいの間に、都市部で建つ住宅の新築着工の約二割程度が認定の対象になる、そのレベルを達成できるといったことを期待している、そういう状況でございます。

小宮山(泰)委員 今お話がありましたけれども、トップランナー制度に関しましては、経産省の方が窓枠とか各部材でやっていらっしゃいますけれども、これに関しては、今、断熱材のこととかもされている中では、木材というものも、ぜひ国交省の方からも働きかけていただき、認定をしていただくことは重要かと思っております。また、これに関しては国交省の一体的な面整備というものが、本来の低炭素にする部材というものに関しては非常に重要かと思いますので、ぜひこの点を、あわせてこれから進めていただければと思います。

 また、各地でそういう低炭素の住宅等をつくっていくとなれば、地場の中小または零細工務店というものは大変大きな役割を担うと考えております。しかし、認定を受け、税制上の特例を受けられることを実際に営業上活用できるかというと、大手ハウスメーカーでないと設計対応や書類対応などが難しいという現実があるのではないでしょうか。

 しかし、九七%以上を中小零細企業が占めるこの国の経済をしっかりと支えるためにも、やはり中古住宅や既存住宅の低炭素化を進めるという効果は大きい上に、それを実施する地場の産業というものは守っていき、また育てていかなければならないと考えております。

 この点に関しまして、国交省としてはどのような対応をとっていかれるのか、御見解をお聞かせください。

吉田(お)副大臣 委員御指摘のように、中小工務店というのは、地場で顔が見える工務店として頑張っていられるということにつきまして、今御質問ございましたように、大手だけがよければいいという法のたてつけであってはならない、そういうふうに考えているところでございます。

 省エネ基準に比べ、エネルギー消費量を一〇%以上削減すること等をこの認定基準に盛り込む方向を持っております。また、省エネ性能というものは、省エネ基準に適合した断熱施工を行い、設備を組み合わせて設置することで満たすことが可能で、できる限り中小の工務店の皆様方ができ得るものをしていきたいな、こういうふうに考えているところでございます。

 もちろん、中小工務店自身に対しましても、省エネ設計等の習得のための講習を行ってまいりますし、また、申請書類の簡素化等を通じて、認定取得を支援していきたいと思っております。できる限り難しくない形、負担にならない形を考えているところでございます。

小宮山(泰)委員 ぜひ、そういった認定基準、また書類手続の簡素化等をしていただき、地元で頑張っていらっしゃる多くの工務店さんや職人さんが頑張れる、そういった地域づくりにもこの法案が寄与することを願ってやみません。

 また、その中においては、こういう法律ができると今度は高断熱がいいんだという考え方になり、しかしその一方で、リフォーム詐欺というものにつながってしまうのではないかという懸念をいたします。私の選挙区におきまして高齢者の方がリフォーム詐欺に遭い、身ぐるみ剥がされ、結局そのままになってしまうという大変悲しい事件が起きました。また、断熱材など、きちんと施工をしなければ効果がないという現実もございます。

 そういう意味においては、断熱などのリフォーム工事に関係する資格や講習を受けた者をやはり優先させる制度や仕組みというものも必要ではないかと考えますが、この点についてお聞かせください。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 住宅の省エネ化というものを進めるに当たって、既存住宅のリフォームも非常に大事だということは御指摘のとおりでございます。その際には、かねてもございましたような悪質なリフォーム工事を行う者などを排除して、さらには、より質の高い施工ができるようにしていくといったことは大きな課題であるというふうに思っております。

 まず、リフォームの工事の質ということにつきましては、中心になります木造住宅といったものにつきまして、省エネ施工の技術でありますとかリフォーム技術につきまして、御指摘のような知識、ノウハウを持っている人材を育成していくということが大事でございまして、事業者の能力の向上のための、例えば講習といったような形での支援を行ってまいりたいと考えております。

 一方で、悪質な業者の排除ということにつきましては、リフォームを行いたいという国民の皆様のアンケート調査等でも非常に大きな課題に挙がっているところでございまして、私ども、リフォームを行ったときに瑕疵が発生した場合について保証を受ける、リフォームの瑕疵保証保険というものの充実、普及を図っているところでございます。その中で、保険に加入可能な事業者を登録事業者というような形にいたしまして、それを既にネット上でも公表しておりまして、事業者を選ぶ際の消費者の参考に付する、それを見て、大丈夫かどうか見ていただくといったようなこともスタートをさせていただいております。

 こういった、研修をやって質を上げていくということと、それから保険制度による最後のセーフティーネット、さらにはその保険制度とリンクした形で事業者の質というものを公表していく、そういった形で取り組んでまいりたいと考えております。

小宮山(泰)委員 良質な、そして努力をしている工務店や職人の方々をクローズアップすることで、その方々をきちんと見ることができる、アクセスができれば、基本的にはやはり悪質なところには行かないという考え方もあるかと思います。真面目に勉強されたり、また資格を取られたり技術を重ねた方にちゃんとアクセスできる、そういった手法も改めてぜひお願いしたいと思います。

 特に中古住宅、今、大都市でもそうでしょうけれども、古いところ、空き家率、その撤去の問題なども含めて、新たな問題がさまざま起きております。撤去することによって建築廃棄物が出る、これも低炭素社会に大変影響があることでもあります。ここをなくすということ、つまり、建物を長寿命にすることによって、低炭素化というこの法案の趣旨というものが大変大きく生かされると考えております。

 本法案においては、どちらかというと新築に関してのものが多く見受けられますので、中古住宅、また中古の建物、マンションやオフィスビルなどに対しても、ぜひ法案の趣旨を生かしてしっかりと対応していただき、また活用していただくこと、この点もぜひお願いしたいと思います。

 本法案において、住宅に関しての取り組みを重視することを要望しております。この点に関しまして大臣の御所見をお聞かせください。

羽田国務大臣 お答えをさせていただきます。

 東日本大震災に伴う電力供給力の低下も踏まえて、増加の著しい民生部門のエネルギー消費を削減するためには、住宅の低炭素化を促進することが重要であると思っております。

 このため、経済産業省、環境省と共同で、低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議を設置し、二〇二〇年に向けての、省エネ基準の段階的な義務づけ措置を含めて幅広い検討を重ね、本年七月に具体的な工程表を示したところであります。

 本法案においても、こうした趣旨を踏まえ、省エネ性能のすぐれた、かつ、屋上緑化や木材の利用など低炭素化の取り組みを行う先進的な住宅を認定し、税制上の支援を行うなどの制度を創設することとしております。

 今後とも、持続可能な社会の実現に向けて、住宅の低炭素化の推進と既存住宅の省エネ改修の促進など、民生部門のエネルギー消費量の削減に向けた取り組みの強化を図ってまいりたいと考えております。

小宮山(泰)委員 ぜひ大臣のイニシアチブで頑張っていただきたいと思います。

 さて、この法案、低炭素を進めていくまちづくりについては、地方公共団体の役割というのは今回大変大きいかと思います。しかし、御承知のとおり、地方自治団体におきましては大変予算的にも厳しいという現実もございます。

 この法律において、認定集約都市開発事業に対する財政支援が可能とされておりますけれども、具体的にどのようなものに、どのような内容の支援をすることができるのかお聞かせください。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案では、低炭素まちづくりを促進するため、今御質問をいただきました集約都市開発事業を新たに規定しております。

 この事業を実施するに当たりましては、まずは計画段階から始まるわけですが、その計画段階における支援措置といたしましては、市町村に対しまして、集約都市開発事業を含めた低炭素まちづくり計画の策定等について、平成二十四年度予算で積極的に支援をしていきたいというふうに考えております。

 さらに、整備の段階に移るわけでございますが、整備の段階では、社会資本整備総合交付金等によりまして、権利者で構成される組合や、民間ディベロッパーなど認定を受けて事業を施行する者に対し、調査設計、土地整備、空地や共用通行部分の整備などに要する費用の一部について支援をしていくこととしております。

 今後とも、本法案に基づく集約都市開発事業の円滑な実施に向けて、引き続き支援に努めてまいりたいというふうに考えております。

小宮山(泰)委員 日本国、北から南まで、さまざまな地形であったり、また気候風土、さまざまな違いがあります。ぜひ、画一的なまちづくりにならないよう、地域の特性を生かす、そしてコンパクトで効率的で低炭素の社会、まちづくりというものを目指すような御支援を引き続きお願いしたいと思います。

 さて、法二十条にございます駐車場の特例について質問させていただきます。

 この中において、集約駐車施設内に駐車施設を設けなければならない旨等を定めることができるとすることは、駐車場入り口での渋滞による二酸化炭素排出を削減する効果などが目的とされております。

 都市部に車の流入をさせず、郊外に駐車して、公共交通機関等で移動するパーク・アンド・バスライドの大胆な導入や、自転車や二輪車、また徒歩での移動を可能にすることというのも、環境整備、低炭素化には大変寄与するものだと考えております。また大きな効果を上げられるのではないかと思います。

 私も過去にウィーンやまたペルージャなどを見させていただくと、町の中を人が歩き、自転車は走っておりましたけれども、車が入らないようなエリアにする、しかし緊急車両などは当然入れるようにもつくり込む、こういうまちづくりというのも、非常に美しく、そして安全で、また豊かな気持ちにもなりました。

 こういう意味においては、この駐車場法の特例措置というのは、都市の低炭素化に大変大きな影響もあります。しかし現実的には、それが本当にできるのかというのも、日本の場合は難しい点もあるかと思います。また、二輪車のバイクというものも、今、家族構成が変わり、またスクーターやシルバーカーなども多く走るようになり、複数の人間が乗らなくてもいい形というのも低炭素に寄与すると考えております。実際には、自転車の利用がふえても、二輪車の利用がふえても、現在ですと違法の駐輪というような形をとらざるを得ない方もいらっしゃいます。

 この点に関しまして、もちろん二輪車の専用道路も重要かと思いますが、バイクなどの駐車場が足りないという点におきまして、この整備についてお伺いしたいと思います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 二輪車、バイクの駐車場が足りないという御指摘と受けとめて御答弁をさせていただきたいと思います。

 確かに、自動二輪車の駐車場というのは少のうございます。平成二十三年三月末現在で約六万台ということになっておりますけれども、四輪自動車に比べますと、保有台数当たりで見ても少ないということで、御指摘のとおりだと受けとめております。

 そうした中で、私どもとしては、自動車駐車場や自転車駐車場を整備する際には、自動二輪車の駐車場の確保を図ること、また、既存の自動車駐車場ですとか自転車駐車場への自動二輪車の受け入れを進めることなどにつきまして、地方公共団体や民間の駐車場経営者等へ働きかけを行っております。そうした効果もあってだというふうに私どもとしては思っておりますけれども、徐々にではありますが、自動二輪車の駐車場台数は増加傾向にあります。

 しかし、冒頭御答弁させていただきましたように、まだまだ保有台数から見ても少ないと認識しておりますので、今後とも、自動二輪車駐車場の供給が促進されますように、関係者に広く周知する等、引き続き適切な働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。

小宮山(泰)委員 ぜひ、二輪の駐車場の促進というのは、これからも引き続きしていただきたいと思います。

 さて、そうなってくると、あちこちで連日のように自転車の事故なども多くなっております。この中で、やはり基本的認識が曖昧なままに自転車の走行などがされ、反対車線を走ったり、さまざまなことが起きております。

 こういうことは、専用道路をつくるのも当然大切ではありますが、どちらかというと交通教育や啓蒙活動というものが必要かと思います。警察で免許更新のときに資料等を、また参考書もいただいたり、啓蒙いただきますけれども、やはりもう少しわかりやすく、また多くの方に、安全な運転をする、その社会のルール、交通のルールというものを啓蒙する必要があるかと思いますが、この点についてどのような努力をされているのか、今後のことについても見解をお聞かせください。

土屋政府参考人 お答え申し上げます。

 自転車利用者の交通ルール遵守に向けた取り組みにつきましては、昨年十月に各都道府県警察に通達を発出し、その強化を図っているところでございます。

 具体的には、スタントマンによる交通事故の再現を含めた参加、体験、実践型交通安全教育、自転車の通行方法を示した映像資料による交通安全教育、年齢層に応じたポスターやチラシによる広報啓発活動などを実施しているところでございます。

 そのほか、街頭における指導、取り締まり活動としては、平成二十四年六月末現在の数字でございますけれども、交通切符などによる検挙二千八百十五件、前年同期比千二百四十八件増、指導警告票の交付百二十二万五千二件、前年同期比二十万六千四百二十九件増となっておりますけれども、そういったことを実施しているところでございます。

 今後とも、全ての自転車利用者に対して、自転車の正しいルールを周知するため、自治体、教育機関、交通ボランティア、その他関係機関、団体との連携を強化し、工夫を凝らした交通安全教育などの推進を図ってまいる所存でございます。

小宮山(泰)委員 警察におかれましても努力をされているということでもございます。子供や、自転車に乗られる方、二輪の方、巻き込み事故など、これは巻き込む方も巻き込まれた方も大変つらい事故でもございますので、こういうものが一日も早くなくなることを願っております。

 さて、四十七条から四十九条にございます下水道施設からの下水の取水等に係る特例について、最後にお伺いさせていただきたいと思います。

 本年、私自身、東京都の下水道処理センターを視察させていただきました。昨年改正された都市再生特別措置法により、特定都市再生緊急整備地域において、今般の法の内容と同様に下水を取水できる特例が認められており、また今回、中小規模の市町村にまで特例の対象地域が広がり、積極的に活用できると考えております。

 低炭素都市法における下水熱特例の活用の見込みはいかがなものか、ぜひお伺いしたいと思います。

関政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生御指摘のように、都市再生特措法におきましては、全国十一地域を指定し、この地域での下水熱利用の特例が措置されたところでございます。

 さらに、本法案におきましては、市街化区域等を有する市町村、おおむね千百九十ぐらいに上ると思っておりますが、こういった地域におきまして、低炭素まちづくり計画を策定し、下水熱利用を計画に位置づけた場合にこの特例が活用できることとされております。このため、私どもとしても、中小規模の市町村においても幅広く活用されることを期待しているところでございます。

 また、国交省といたしましても、昨年度よりこういった自治体と連携いたしまして、より推進されるべく、フィージビリティースタディー等を実施しまして、採算性あるいは低炭素化効果の高い事業モデル、こういった検討を進めております。こういった成果を活用することにより、より具体的な事業が実施され、一層の下水熱利用が進むよう努めてまいりたいと考えているところでございます。

小宮山(泰)委員 最後になりますけれども、今回の法案、バスや住宅、交通、インフラ、さまざまトータルな形で大変重要かと思っております。そして、今現在、水に関係することにおきましては、超党派で水循環基本法を準備したり、また下水道法の改正案も準備をさせていただいております。

 今、回答がありましたけれども、下水道というものも大きな利用の、また整備の仕方というものもこれから変わるべきかと思っておりますので、この点に関しまして、下水道のあり方についての大臣の御見解をお聞かせください。

羽田国務大臣 お答えをさせていただきます。

 都市の低炭素化を進めることは極めて重要であり、御指摘のとおり、下水道においては、下水熱利用だけではなくて、バイオマスである下水汚泥を利用したバイオガス発電や固形燃料化等によるエネルギー利用、また、下水道施設を活用した小水力発電等が可能であります。

 このように、下水道はエネルギー利用が可能な資源を豊富に有しており、既に地方公共団体において取り組みが進められております。国土交通省としても、こうした取り組みに対し、社会資本整備総合交付金による財政支援や技術的支援を行ってきたところであります。さらに、地方公共団体における一層の導入拡大が図られるよう、低コスト、高効率な技術を開発するための実証事業を昨年度より実施させていただいております。

 今後とも、都市の低炭素化に資するよう、下水道の有する、エネルギー利用が可能な資源の利用拡大に向け尽力してまいりたいと考えております。

小宮山(泰)委員 ありがとうございます。

 本法案の趣旨を生かし、自然との共生、そして自然を守り育む、そういうまちづくりにつながることを心から要望し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

伴野委員長 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之でございます。

 この法案に関しての個別の論点は、今、小宮山先生に全部聞かれちゃいました。

 もともとの立法趣旨のところで、目的等でいろいろ言われているんですが、東日本大震災を契機としてエネルギー需給が変化し、国民のエネルギーや地球温暖化に関する意識が高揚していることなどを背景として、民間投資の促進を通じて、都市や交通の低炭素化、エネルギー利用の合理化などの成功事例を蓄積し、その普及を図るとともに、住宅市場や地域経済の活性化を図ることを目的としておりますというふうに言われるんですが、どうも何か、すとんと落ちてこないんですね。

 調査室の方からいろいろ資料をいただいた中に、平成二十三年九月二十八日付で社会資本整備審議会環境部会・交通政策審議会交通体系分科会環境部会が、「東日本大震災からの復興に当たっての環境の視点 持続可能な社会の実現に向けて」という提言をされています。この提言の中で、「三つの視点からの提案」として、まず「低炭素社会」という提言をされているんです。ここの提言を受けての法案なんだろうなというふうに理解をしているんですが、こういうふうに書いてあります。

  低炭素社会を実現するには、これまでの大量エネルギー消費型の生活形態・経済社会構造から資源節約型へと本質的な転換を図ることが必要であり、人流、物流や情報の流れに着眼し、ハード・ソフト両面の幅広い政策を講ずる必要がある。この観点から、低炭素化につながる集約型都市構造や自家用車に過度に依存しない公共交通を活用した都市社会の実現に向けて取り組まねばならない。

  また、従来からの地球温暖化対策としての取組に加え、東日本大震災を契機に喚起された新たなエネルギー需給のあり方の議論においても、低炭素社会の実現に大きな期待が寄せられており、省エネルギー・再生可能エネルギーについて先進的な取組を展開していくことも重要である。とくに、省エネ対策はエネルギー消費の態様によって左右されるところが大きいため、ハード面の省エネ化と併せて、ライフスタイルやワークスタイルなどのソフト面のあり方についてもエネルギー使用量の削減につながる取組が実施されることを望む。

というふうになっています。

 こういう提言を受けての今回の法案の提案だというふうに理解してよろしいでしょうか。

羽田国務大臣 先般の東日本大震災を契機としてエネルギー需給が変化する中、低炭素・循環型社会の構築を図り、持続可能で活力ある国土・地域づくりを推進することは、非常に重要な課題というふうに思っております。

 特に、国内の二酸化炭素排出量の五割以上を占める民生、運輸部門の主たる活動の場である都市の低炭素化を促進していくことが急務となっております。

 このため、個々の建築物の低炭素化や、公共交通網と一体となって、住まいの身近に医療や福祉、公共施設などがあるコンパクトシティーの形成などにより都市の低酸素化を目指すこととし、本法案を提出させていただいたところであります。

富田委員 皆さんのお手元に資料を配らせていただいたんですが、資料の一が裏表と三面ありますが、これは実は、きのうの日経新聞に、住宅関連の広告なんですけれども、この法案の宣伝みたいな非常にいい広告が載っておりましたので、お手元に配らせていただきました。

 最初に、「スマートハウスからスマートコミュニティー、スマートシティーへ」というふうに、こういうふうに変わっていきますよということを言われ、「補助金を上手に活用して初期負担を大幅軽減」というふうに言われた後、最終的に、「スマートハウスなら各種税制が有利になる」と。

 この「各種税制が有利になる」の最後のところ、左側の方に、「低炭素住宅認定制度」ということで、住宅ローン減税よりもさらに百万円活用できますよということが書かれています。この最後の三ページ目の資料を見ますと、住宅ローン減税、一二年入居は最大三百万、一三年は最大二百万、これにプラス百万になりますよと。

 また、あわせてこの資料の下にあります贈与税の非課税枠も利用されると、低炭素の認定をされると税制上の優遇措置もかなり受けられる。

 そして、一枚前に返っていただきますと、初期投資についても、低炭素型の住宅をつくるといろいろな形で国や自治体の補助金も利用できますよということで、これから住宅を建てようという方にとっては大変有利な制度だと思いますし、ぜひこういった宣伝も国交省の方でもきちんとやっていくべきだと思うんですね。その点、どうでしょうか。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 住宅を建てられる方が省エネ性能の高い住宅を建てる、それによってどういうメリットがあるのかという点につきましては、御理解をいただき、それに対する助成制度、これはいろいろな助成制度を用意しておるわけでございますけれども、税、財政、金融、それらの措置についてどういった制度が利用できるのかといった点につきまして、できるだけ幅広く御理解を得るように、先生御指摘のように普及啓発活動というものは進めてまいりたいと考えております。

富田委員 先ほど小宮山先生も聞かれていて、吉田副大臣が答えられていたんですが、低炭素建築物の認定制度、この認定基準の定め方がちょっとわかりにくいなと。省エネ住宅の制度もありますし、それと制度が別だから新たに基準を決めるんだというふうに昨日も事務方から教えてもらったんですが、ここのところは、実際、具体的にどういうふうに認定基準というのは決まっていくんでしょうか。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回の低炭素建築物の認定基準でございますけれども、今先生お話ありましたように、もともと省エネ住宅、省エネ建築物については省エネ法に基づく基準というものがございますが、これよりより先進的にというのが基本的な考え方でございます。

 具体的には、一次エネルギーの消費量、これを省エネ法の省エネ基準に比べまして一〇%以上減らす、これがまず基本の、基準の考え方でございます。それにあわせまして、住宅の低炭素化に資するその他の措置が講じられていることということで、先ほどお話ございました、木材をできるだけ利用する、あるいは屋上緑化等によりまして全体にCO2を吸収する、さらには、HEMSというような形でエネルギー使用量というのをもっと見える格好にしてエネルギー節減についての取り組みを促す、そういった措置が講じられているということ、この二つを基準にしたいと思っております。

 とりわけ、第一の一〇%減らすということになりますと、いわゆる断熱性能を強化するというだけではなくて、設備面の手当てをいたしまして、エネルギーをつくる、それからためるといった措置と組み合わせて、現在の省エネ基準をさらに上回る削減をお願いするということにいたしたいと思っております。

 いずれにしましても、具体的な基準につきましては、基本的な考え方をお示した上で、各般の住宅建築に携わっておられる方々の意見などもいろいろ聞きながら、経産省、環境省とも連携して決めていきたい、このように考えております。

富田委員 それで、先ほど社会資本整備審議会等の提言の中身をお示ししましたけれども、そこにこういうふうに書いてあります。「なお、二〇一〇年に閣議決定された「新成長戦略 「元気な日本」復活のシナリオ」において選定された「環境未来都市」構想との連携も模索されるべきである。」

 環境未来都市というのも、やはり同じように低炭素型の都市を目指していろいろな仕組みを導入していると思うんですが、方向性としては同じなんだと思うんですけれども、環境未来都市との連携というのはどんなふうに考えていらっしゃるんですか。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 環境未来都市構想は、都市のエネルギーマネジメントシステムの構築ですとか、再生可能エネルギーの総合的な利用拡大等の施策を、環境モデル都市等から厳選された戦略的都市、地域に集中投入し、未来に向けた技術、仕組み、サービス、まちづくりで世界トップクラスの成功事例を生み出して、これの国内外への普及、展開を図るものです。いわば、水準的には世界トップクラスのものを目指そうというのが環境未来都市構想でございます。

 一方、本法案でございますが、これは環境未来都市構想と目指すべき方向性は共有するものでございますけれども、できるだけ多くの市町村に取り組んでいただこうということで、環境という新しい視点からまちづくりに取り組んでいただけるように、まずその第一歩を築いていくということを目指す。いわば、環境未来都市がトップランナーだとすると、今回の法案で提案させていただいている低炭素まちづくり計画による手法は、地域の発意をもとにしたボトムアップ型の制度であるというふうに考えております。

 そうした性格づけがあるわけでございますが、環境未来都市においても、例えば太陽光パネル等を設置するための公共施設の活用など、本法案の措置が必要な場合には低炭素まちづくり計画制度を活用することが考えられますが、一方で、環境未来都市としての高度な成功事例を、地域の実情等に応じて低炭素まちづくり計画の中に盛り込んでいく。そういう意味で、相互にうまく連携をとった形で、環境に優しい低CO2のまちづくりが広く普及されるということを期待しているものでございます。

 したがいまして、環境未来都市構想とも十分に連携を図りながら、都市の低炭素化の促進を図っていきたいというふうに考えております。

富田委員 加藤局長、今の御説明ですと、環境未来都市に指定されている都市の中で、低炭素まちづくり計画というのをうちの中でもやりたいということで、そういうものを一部分やって、一緒にやっていくということは可能なんですね。

加藤政府参考人 はい、そのように考えております。

富田委員 ありがとうございました。

 ちょっと法案から離れますが、都市再生機構の賃貸住宅について何点かお尋ねをしたいと思います。

 小宮山先生の御紹介で、きょう、この委員会が終わった後、大臣のところに超党派の議員でお訪ねをするんですが、全国公団自治協の皆さんが、独立行政法人都市再生機構の在り方に関する調査会の審議がずっと進んできて、そろそろ最終報告が出るのではないかと、民営化してしまうんじゃないかとか、居住の安定が守られないんじゃないかということで、大分御心配をされています。

 私も地元千葉の会合に出て、そういうことはないんだというお話をしても、そうはいっても、やはり調査会の状況が、ホームページ等でいろいろな議事録とかは見られますけれども、実際にその方向性がどっちに行っているのかというところまではわからないということで、やはり大分心配されているんだと思うんですね。

 そういう意味で、きょうは中塚副大臣が御答弁いただくそうですが、ちょっと何点かお尋ねをしたいと思います。

 二月九日から調査会の審議が始まって、ホームページ上で確認できる限りでは七月十七日まで十二回、いろいろ調査、議論等をされているようですが、最終報告というのはいつごろの予定なんでしょうか。

中塚副大臣 今先生御下問の調査会でありますが、これは二十四年一月二十日の閣議決定を受けて開催いたしまして、おととい第十三回目を開催したところであります。その際、調査会が設置をされまして、昨年度末に基本的な方針を出し、二十四年夏ごろまでに結論を得る、そういうことにさせていただいております。

富田委員 いや、その夏ごろというのはいつなのかと聞いているんですよ。具体的に、十三回やったということなら、十四回目なり十五回目で最終報告か何か出るんですか。

中塚副大臣 この委員会でもたびたび御指摘をいただいておりますが、今、それこそ居住の安定でありますとか住宅セーフティーネットということは最重要優先事項として、ただ、都市再生機構自身が多額の債務を抱えている、そういった問題もございます。機構自体の資産評価、あるいは第三者による資産評価の結果を、議論を重ねておるところでありまして、今後何回開催するといったようなことは今ちょっと予断を持って申し上げられるような状況ではありませんが、いずれにしても、夏までということでありますので、夏ということになると、八月、まあ九月の初めぐらいは夏になるのかどうかというところでありますけれども、そういったところを目指して議論を進めておるところでございます。

富田委員 今副大臣の方から居住の安定というお話もありましたけれども、居住者側からの意見聴取もきちんとやってもらいたいということをこの委員会でも各委員から何度も出ました。

 調査会の審議状況を見ますと、第二回に当時の事務局長の井上さんが呼ばれて、かなり大部な資料も出されて説明をされたようですが、井上さんから聞きましたら、説明時間が十五分しかなかったということで、なかなか意を尽くせなかったと。そのほかでは、居住者からの意見を聞いているようにはちょっと思えません。

 ただ、副総理とか副大臣等は現地調査もしていただいたというふうに伺っています。どういった団地に行かれてどんな調査をされたのか、差し支えない範囲で教えていただけますか。

中塚副大臣 公団自治協の事務局長さんからお話を伺いまして、実は私も、昨日なんですが、私の地元にも公団が三つほどございまして、県の自治協の皆さんから要望を聞かせていただいたところであります。

 先生お尋ねの現地視察でありますけれども、これは四月に行いました。まずは、品川シーサイドビュータワーという、築年数が浅くて比較的高額な物件という視点で、この空き部屋を視察させていただいたところであります。

 それから、ニュータウン事業といたしまして、木更津の金田東地区でありますが、ここは賃貸に出されて、非常に大規模なショッピングモールが開業直前でありましたけれども、それを外から見せていただきました。

 その後、花見川団地ですか、これは割と築年数の古目の団地であります。それから、補修前の住宅と補修後の住宅を見学させていただきました。

 その後、高根台にお伺いをいたしまして、ここは、それこそ高齢化が進んでいる中で、団地全体の再生ということで非常にユニークな取り組みがなされておりますが、そういったところを視察させていただいたところであります。

富田委員 現場をかなり細かく見ていただいたというのは、多分、自治協の皆さんも喜ぶと思うんですけれども、公団にお住まいの皆さんが一番心配しているのは、この調査会の最終報告なりで特殊会社化の方向性が打ち出されてしまうんじゃないかと、特殊会社化は民営化につながっていくということで大分心配されているんですが、議論の方向性としてそういったことが審議会の中であるのかないのか、もし答えられるのなら答えていただけませんか。

中塚副大臣 一月二十日の閣議決定では、「業務の見直しと併せ、分割・再編し、スリム化することを検討する。」ということを決めさせていただきましたが、さっきも申し上げました居住の安定というのは最優先事項でありまして、そのこともこの閣議決定の案文には盛り込ませていただいておるわけであります。

 また、さらには、地方都市も含めて高齢化が進み人口減少が進んでいる、そういった事態に対応するべく、さらには、先ほど申し上げましたが、機構が保有する多額の債務について今後どのようにそれを削減するのか、あるいは機構自体がサステーナブルであるのかという視点から検討をいたしております。

 ですので、それこそ、分割・再編、スリム化ということをこの閣議決定案文、さらには会社化の可能な部分ということも書かせていただいておるわけでありますけれども、先ほど申し上げたような機構の抱えるさまざまな問題を解決するのにどういった組織形態が一番ふさわしいのか、そういった視点で議論をいたしておりますので、そういう意味では、特殊会社化ということも当然ながらその議論の対象ではありますけれども、そのことを決め打ちして議論を行っているというわけではありません。政策的な目的をちゃんと明らかにした上でこれからも議論を進めていきたい、そう思っております。

富田委員 ありがとうございます。

 お手元に、「UR賃貸住宅居住者の実態」ということで、全国公団自治協がアンケート調査した集計結果を四枚お配りさせていただきました。これは、井上事務局長が第二回の調査会のときに提出した資料の一番最後に組み込まれていましたので、皆さんに見ていただきたいと思って提示したんです。

 これを見ますと、やはり、公団にお住まいの世帯主の年齢、六十歳以上が六九・四%、七割が六十歳以上だと。二枚目を見ますと、世帯収入二百五十一万円以下が全世帯の四九・一%、約半分。三百七十四万円未満で見ても七割になる。三枚目を見ますと、「年金世帯がますます増加」ということで、世帯収入が年金だけの方が三九・一%、四割。家賃負担は七割の方が重いと感じられている。その上で、最終的に、四枚目を見ますと、七八%の世帯の方が公団賃貸住宅に長く住み続けたいというふうに言われています。

 このアンケート結果を見る限り、本当に、ずっとこの公団で一生を終わりたいという思いを持たれている方がたくさんいらっしゃる。居住の安定についてもきちんと配慮するんだというふうにこれまでの各種文書に出ていますので、ぜひその方向性でこの調査会の結果も出していただきたいと思うんですが、大臣は、まずこの公団住宅における居住の安定ということについてどのようにお考えですか。

羽田国務大臣 URの賃貸住宅については、世帯主が六十五歳以上の世帯が約三五%、今言われたように六十歳以上だともっとふえるわけで、七割ぐらいいらっしゃるということであります。そういう意味では、高齢化が進んでいる、低所得の方も多く入居されているというのが実情であると、しっかりと認識をさせていただいております。

 UR賃貸住宅は、住宅セーフティーネット法において、住宅セーフティーネットの一翼を担う公的賃貸住宅として位置づけられており、その役割を果たしていくことが必要であると考えております。

 その上で、本年一月に閣議決定された独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針においても、居住者の居住の安定の維持等の必要性を踏まえることが定められていることから、国土交通省としても、内閣府に対し、居住者の居住の安定の確保の必要性を十分に踏まえるよう求めているところであります。

富田委員 局長で結構なんですが、第十回のこの調査会で報告されましたけれども、「高額家賃物件の譲渡等にかかる公募結果」という資料がホームページで見られました。この件についてちょっと御答弁いただきたいんです。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 高額家賃物件の譲渡ということにつきましては、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針、これは平成二十二年十二月に閣議決定されたものでございますが、それに基づきまして、本年三月に、まず一度やってみるということで、一物件、アクティ上池袋という物件でございましたが、これを公募いたしました。本年六月に開札をいたしまして、四者から応札がございましたが、いずれも最低落札価格を下回りました。そういったことから、落札者なしという結果になっております。

 今、落札に至らなかった要因などについて入札参加者からヒアリング等を行い、公募方法や対象物件についての課題等の見直しを行って、この後どうしていくのかということでの検討をしているところでございます。

富田委員 川本さん、ちょっとこの公募結果の資料を見ますと、四者から応札があったけれども、今言ったように、全部最低落札価格を下回っていたと。落札価格を下回っているだけじゃなくて、事業者からの応札価格は本物件の簿価も下回る価格だったというふうにあるんです。

 これは多分、この物件なら事業者が買ってくれるだろう、そういった意味で、きちんとした財源になるんじゃないかということでやられたんだと思うんですが、簿価も下回るような価格でしか一般の事業者が応募してこないということになると、今公団住宅が持っている売却可能な物件というのもなかなか売却できなくなるんじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘のとおり、落札価格については、簿価も下回るという状況でございました。

 先ほど申し上げました閣議決定におきましては、当然、URの財務内容の改善という観点からも、こういったことも含めて高額物件の譲渡を行うという方向が決められておりまして、閣議決定では、「機構の財務体質を悪化させないため、売却価格が将来にわたる収入を上回るようにする。」ということが決定されておるところでございます。

 当然、売買ということになりますと、市況などにも影響されることになりますし、その物件による将来収益というのを民間側から見て査定した上で応札価格を決めてきたものと思っております。その意味で、私ども、公募方法や物件の収益力の改善といったようなことも含めて、もし売るとしたらどういう売り方をすれば売れるようになるのかということについての検討をさせているところでございます。

富田委員 大臣、最後にちょっとお願いなんですが、今、中塚副大臣もいろいろ見てきてくださったということで、ぜひ公団住宅の実態を大臣にも見ていただきたい。前の前田大臣は、豊四季台団地、先進的なところを見てきてくれました。その先進的な取り組みを見ていただくのと一緒に、また、大変な中で暮らされている皆さんの実情をぜひ視察していただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

羽田国務大臣 就任させていただいて以来、現場主義ということを貫いてきているつもりでありまして、今、被災地等を見させていただいておりますが、しっかりと時間がとれるときに視察をさせていただきたいと考えております。

富田委員 終わります。ありがとうございました。

伴野委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 法案について質問します。

 本法案は、都市機能の集約化、いわゆるコンパクトシティー化や公共交通機関の利用促進を通じて、住宅、都市、交通の低炭素化や省エネ化を図ろうとするものであるということについて、この点では当然のことであり、私どもは賛成します。

 そこで、コンパクトシティー化を進めることで、自動車で郊外へ移動する機会が減ったり、さらに、公共交通機関の利用を促進すれば、全体として自動車利用が減り、地球温暖化防止にもつながる、高齢者などが徒歩圏内で生活できるというメリットも生まれる。問題は、この法律をつくることによってどれだけ実効性が確保できるかということであります。

 まちづくりといえば、二〇〇六年につくったまちづくり三法によるコンパクトなまちづくり、歩いて暮らせるまちづくりがあります。今回の法案もコンパクトシティー化などを推進することとなるが、その実現性を確保するには、公共施設や大型施設の郊外立地などを抑制する、こういった点の一定の強制力が必要となると私は考えます。

 その点で、まちづくり三法によるコンパクトシティーなどのまちづくりはどうなったのか、今回の法案でどれだけコンパクトシティー化が進むと考えているのか、お答えいただきたいと思います。

羽田国務大臣 都市機能が集約されたコンパクトなまちづくりを進める観点から、平成十八年に、都市計画法等を改正し、大規模集客施設の立地に当たって都市計画手続を経ることとする等の措置を講じたところであります。その結果、都市計画手続を経ることとされたエリアへの立地件数は減少している、こういうふうに考えております。

 一方、都市の低炭素化などのまちづくりは、都市計画による土地利用規制だけではなくて、誘導施策とセットで推進することが重要と考えております。

 このため、都市計画法等を適正に運用しつつ、民間等の諸活動を低炭素化へと向けるため、その投資活動にインセンティブを付与して誘導していくこととさせていただいております。

穀田委員 いい話をとんとんと二つほど言っていましたけれども、私、まちづくりというと、どうも、長年の自民党政権のもとで無秩序な開発が進む、その結果、郊外へのスプロール化が進むということなんかを目の当たりにしてまいりました。結局、そのため、自民党政権下でも、郊外立地の規制強化、今言ったような中心市街地活性化策など、コンパクトなまちづくりをさらに促進するために、今言った動きを進めてきたわけですね。

 私は、現実を見ていて、さしてうまくいっていると思えないんですね。やはりその反省がないのがちょっと気になるなと。要するに、影の部分、負の部分といいますか、そういったことに対するちゃんとした見地がないとやはりうまくいかぬのじゃないかと私は率直に言って思います。

 その上で、法案では、集約都市開発事業の対象物を、病院や福祉施設、マンション等、多数の方が利用する建築物として規定していることから、同事業を実施する民間事業者は、結局のところ、大手不動産、それから大手ディベロッパーなどが中心になることが予想されます。そのため、実際の事業実施においては、大規模再開発事業となるケースが考えられる。その点はあり得るのかということが一つ。

 それから、これまでも、大規模の開発事業というのは、大手開発業者の言いなりで、住民の意向を軽視するなど、住民参加が徹底されない事例が多くありました。この点の懸念についてはどのような対策を考えておられるのか、お示しいただきたい。

羽田国務大臣 集約都市開発事業は、都市の拠点となる区域に病院、福祉施設、共同住宅などのさまざまな都市機能を集約する目的で、民間事業者が市町村長の認定を受け、多数の者が利用する建築物などを整備する事業であります。

 事業の認定に当たっては、整備される建築物の省エネルギー性能や都市機能の集約によるCO2の排出量削減効果などについて判断することとさせていただいております。

 したがいまして、事業規模ではなくて省エネルギー及び都市機能の集約という観点に着目して都市の低炭素化を図る事業であることから、大規模開発も排除されるものではないというふうに考えております。

穀田委員 要するに、大規模開発事業を排除するものではないと。

 問題は、今言いましたけれども、結局、二つ目の住民参加という問題なんですよね。省の説明でも、結局のところ、規模の大小と違って低炭素かどうかという話に着目するという。これだけと言ったら叱られちゃうけれども、そういうものだけでは進まない問題がある。それは、無秩序な開発が進められてきたこの間の一連の経過があって、現場では相変わらず住民の意思を反映しない実態が見受けられる。ですから、低炭素の誘導も必要だけれども、住民参加がポイントだ、見る角度がもう一つ要るんじゃないかということを私は言っているわけですよ。その点は答えはなかったけれども、そこは強調しておきたいと思います。

 それと、低炭素住宅という話が先ほどもしきりにありました。しかし、住宅取得が可能な所得以上の住民が結果としては対象になるわけですよね。今、どれほどあるかという問題があります。民間事業者が主導する開発事業であれば、低所得者を対象としないまちづくりになる可能性もある。先ほど規模の話はありました。私は、中身の問題でそういう点に懸念がある。したがって、低家賃の民間賃貸などは存在が困難になるという懸念もある。

 したがって、低炭素まちづくり計画においては、低所得者や高齢者、障害者の居住を可能とする施策もきちんと盛り込むべきではないかと思うが、いかがでしょうか。

羽田国務大臣 低炭素まちづくり計画は、まちづくりの主体となる市町村が創意工夫を生かし、地域の実情に応じて策定するものであります。

 このために、必要に応じて、公的住宅の省エネ水準を高めることや、公営住宅と保育所や高齢者施設などの合築を進めることなどについても、低炭素まちづくり計画に位置づけることは可能でございます。

 このように、住宅セーフティーネット施策とも連携をとりながら都市の低炭素化を図ることは重要と考えさせていただいております。

穀田委員 そう言うと必ず、セーフティーネットと、新しくつけ加えるわけじゃないけれども言うんですが、私は、それだったら、例えば民間の賃貸家主にそれこそ低炭素のリフォーム支援を行うことなどを具体化するという具体的な方策がなければそれはなかなかしんどいでっせということを一言言っておきますし、そういうこともきちんとやるべきだということを提案しておきたいと思います。

 次に、URの問題について私も質問します。

 やはり、まちづくりということを考えると、結局のところ、住民の住まいということを抜きには考えられない。とりわけ高齢者や低所得者等の住宅の確保については、憲法二十五条の生存権規定や、公営住宅法にこう書いています。「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、」「住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸すること」ということを書いていて、国や地方自治体に義務づけています。

 そこで、最近五年間、二〇〇五年から一〇年の公営住宅、UR住宅、公社住宅の管理戸数の推移、応募倍率はどうなっているか、報告いただきたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 二〇〇五年と二〇一〇年の二点ということでございます。

 まず、公営住宅につきましては、二〇〇五年時点での管理戸数が二百十九万千八百七十五戸、二〇一〇年が二百十七万六百四十九戸、UR賃貸住宅につきましては、二〇〇五年が七十六万七千三百六十二戸、二〇一〇年が七十六万百五十一戸、公社住宅につきましては、二〇〇五年が十八万三千三百二十九戸、二〇一〇年が十七万九千二百九十八戸でございます。

 応募倍率につきましては地域ごとにかなり差がございますが、公営住宅につきましては、全国的に見まして、二〇〇五年が九・九倍、二〇一〇年が八・九倍という数字となっております。

穀田委員 今報告がありましたように、最近五年間を見ますと、公営住宅、UR住宅の報告がありましたが、公営は二万一千余り、URが七千二百余、公社は四千戸減ということで、合計三万二千戸が減っているわけですよね。

 それで、地域別に見ると、大阪が多くて八千二百戸、兵庫県が五千七百戸、愛知県が二千六百戸というふうにそれぞれ削減されていて、今、応募倍率は、全体はありましたけれども、ちょっと問題なのは、公営住宅の応募倍率が高い大都市で、今言った住宅の戸数が減っている。倍率でいいますと、東京都の二十九・八倍を筆頭に、大阪府は十七・六倍、千葉は十三・五倍、神奈川は十三・二倍など、つまり、高齢化と貧困化が進む中で入居応募が増加しているわけであります。この実態をまず押さえなくちゃならぬ。

 そこで、やはり、公営住宅を初め公的賃貸住宅の提供戸数が減っていること自体が私は問題だと考えています。これは国や地方自治体の責任放棄になると私は考えているんですね。

 公営住宅を所管する地方自治体が、財政難を理由に新規建設をやめたり供給を抑制したりしている。それに対して国交省が何にも言わない。それどころか、所管するUR、都市再生機構についても、二〇〇七年に、十年間で約八万戸の既存住宅を削減するというUR賃貸住宅ストック再生・再編方針を策定して推進しています。そうなれば、当然これは減るわけですよね。

 だから、希望者や対象者がふえているにもかかわらずこういう公的賃貸住宅の供給が減っていること自体が問題だというふうに大臣は思いませんか。

羽田国務大臣 UR賃貸住宅ストック再生・再編方針は、少子高齢化、人口、世帯減少社会の到来といった社会構造の変化や、市場ニーズとのミスマッチによる需要の低下など事業環境の変化に対応しつつ、URの経営の健全性を確保する観点から、地域及び団地ごとの特性に応じて再生、再編を行っていくこととしております。

 その中では、入居者の方々の高齢化、低所得化が進んでいるという現状や、住宅セーフティーネットとしての役割を考慮し、居住者の居住の安定の確保に十分配慮しながら事業を進めていきたいというふうに考えております。

穀田委員 先ほど来、最後は居住の安定と言うんだけれども、方針の決定自体が、減らすということを決めていることが問題があるんですよね。

 先ほど中塚副大臣からお話ありましたように、このあり方の基本的な方向性については、夏と言うから、まあ、八月中なんでしょう。会長の会見は、八月中には大体そういう方向を出したいと言っているから、そういうふうに見ていいんですね。

中塚副大臣 夏までに結論を得るということになっております。

穀田委員 夏までにと。会長自身は八月中にと言っていますから、そういうことなんでしょう。夏というのはそういうことで理解する。

 そこで、三月に、「都市再生機構の在り方の基本的な方向性」という文書の中で、「政策的な対応が必要な分野と、収益改善が期待できる分野を区分」としています。

 まずここで聞きたいんですけれども、この「政策的な対応が必要な分野」というのはどういう分野かというのが一つ。

 時間がないので、まとめて聞きますから。

 二つ目に、「政策的な対応が必要な分野については、これに必要なコストを明確にしつつ、国や地方公共団体等の関係者との役割分担を踏まえ、機構が担うべき内容を整理する」としていますが、では、URの七十六万戸の賃貸住宅についていえばどういうことを指すのか。

 三つ目、「実態に即した居住の安定の確保」、これは一貫して言っているわけですけれども、「低所得者や高齢者をはじめとした居住者の居住の安定をどのように図っていくか、その実態を踏まえて丁寧に検討。」としているけれども、その検討内容はどんなふうになっているのかということ。

 以上、簡潔にお答えいただきたい。

中塚副大臣 まず、政策的に対応が必要な分野についてでありますけれども、低所得者の方やあるいは高齢者を初めとした皆さん方の居住の安定を図るということでございます。

 今、都市再生機構が抱えているいろいろな課題がございます。高齢化、人口減少、それと、多額の債務を今後どのように削減し、返済していくのかといった問題がございます。そのために、今申し上げた機構の役割、政策的に対応が必要な分野もございます。他方、企業的な経営手法を活用した事業運営によって収益が改善できる分野というのもございます。そういった機能を明確にした上で、さっき申し上げた、課題を解決するためにどのような制度と組織が望ましいのかということについて今議論をしているということであります。

穀田委員 組織のあり方論と違って、要するに、あなた方は、低所得者や高齢者を初めとした居住者の居住の安定をどのように図っていくかということを踏まえて、実態を踏まえて丁寧に検討すると言っているわけじゃないですか。その中身がさっぱり聞こえてけえへんわけやね、副大臣の話だと。

 だから、私は、本来、公的立場から運営する、住んでいる人たちの、住民の生活に配慮することを、いろいろな形はあったとしても引き継ぐということが基本でなければならないと思っているんですね。

 すぐ多額の債務というふうに必ず言うんだけれども、では聞きますけれども、機構は現時点で十四兆円に上る多額の負債を抱えておりと、必ずこう言うんですよね。そして、業務運営の透明性や効率性の向上を図るなど、経営改善の抜本的な取り組みが必要としているわけだけれども、では、現時点で機構は債務超過に陥っているんですか、その一点だけちょっと。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成二十三年度末時点での機構の財務ですが、資産が約十四兆七千億円、負債が約十三兆九千億円でございますので、資産が負債を上回っており、債務超過ではございません。

 ただ、繰越欠損金が別途二千六百億円あるということと、負債の規模を考えると、金利変動によるリスクを抱えていることは事実だと思っております。

穀田委員 要するに、債務超過に陥っていないということははっきりしているということなんですよ。

 もともとこの負債というのは、今すぐ返済することになっていないんですよ。借り入れ契約の内容自身が、長期の返済期限のもとでこつこつ返していけばいいという内容のはずなんです。したがって、私は、多額の負債を理由に賃貸住宅を削減、再編したり、大幅に縮減するという整理合理化計画の根本を直さなければならぬと思っています。

 そこでもう一つ、収益改善が期待できる分野は、賃貸住宅経営に限っていえば、高額家賃の住宅を指すと考えていいのか。そうすると、家賃が十五万円を超えるような高額家賃住宅は民間に売却あるいは民営化し、低所得者、高齢者が多く住む賃貸住宅についてはその実態に即して公営住宅にするということも一つの方法であるわけだけれども、そのようなことも視野に入れているということなのか。その点についてはどうなんですか。

中塚副大臣 まず、先ほども御答弁しましたが、大前提として、居住の安定ということは最優先留意事項であります。その上で、高額賃貸物件等について先生からのお尋ねですけれども、まさに今、そのための手法はどういったものがあるかということを検討しておるわけであります。

 私自身、調査会に出席をいたしておりますが、それこそ、これから企業的な手法で収益がたくさん期待できるようなところについては、それは、家賃が幾ら以上とか以下とかいうのはこれからいろいろ議論はしていかなきゃいかぬと思うんですけれども、そういった部分については企業的な手法を導入してはいかがかと。

 そして、先ほどお尋ねのありました政策的対応の必要な部分については、これは今までどおりしっかりとやっていかなきゃいかぬだろう。

 そういった議論が行われているということだけ申し上げておきます。

穀田委員 それでは余り方向性がはっきりしないんですよね。

 私は、ここの問題の根本に、確かに口を開けば居住の安定を最優先とは言うんですけれども、では、閣議決定であるところのそういう分割・再編、スリム化、会社化という方針があって、中塚副大臣は必ずそれが大前提だと言うんだけれども、その方針の前提になっている方向性については閣議決定なんですよ、そうはいっても。だから、閣議決定の中にある分割・再編、スリム化、そして再編方針での減らしていくという根本がやはり今問題になっているということをあえて言わせていただきたいと思います。

 それで、公団自治協が要望書を提出しています。超党派の国会議員も、きょうも要請するし、この間も要請しています。

 内容は、一、UR賃貸は、特殊会社化するのではなく、今後とも政府が直接関与する公共住宅として継続してください。二、UR賃貸は住宅セーフティーネット法で位置づけられており、都市機構法附帯決議などこれまでの国会決議を十分踏まえて、居住者の居住の安定策を講じてください。三、公共住宅の役割を明確にするとともに、民間、公共住宅の別なく最低限度の居住保障に関する住宅政策を確立してください。こういう要望が出されている。

 私は、これは、今お話がありましたけれども、ごく当たり前のことを言っていると。そして、居住の安定が最優先ということであれば、こういう声に応える必要があるんじゃないかと思うんですが、大臣の見解をお聞きしたい。

羽田国務大臣 先ほどとお答えは一緒になってしまうわけでありますけれども、要請をいただいていることは承知しております。

 UR賃貸住宅は、住宅セーフティーネット法において、住宅セーフティーネットの一翼を担う公的賃貸住宅として位置づけられており、その役割を果たしていくことが必要であると考えております。

 その上で、本年一月に閣議決定された独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針においても、居住者の居住の安定の維持等の必要性を踏まえることが定められていることから、国土交通省といたしましても、内閣府に対して、居住者の居住の安定の確保の必要性を十分踏まえるように求めているところであります。

穀田委員 何度も言いますように、居住の安定というのは最低限の話なんですよ。それは、誰だって今住んでいるところについて安定するのは当たり前なんですよ。

 その点では、先ほどもお話がありましたけれども、現実にどんな事態が起こっているか。低所得者がふえている、そして高年齢化が進んでいる。こういうもとで、本当にこの方針をつくるとすれば、わざわざ今大臣は、住宅セーフティーネット法で位置づけられている話もしたわけですよ。この位置づけられている内容をちゃんと実行してください、こう言っているわけなんです。何も違う話をしようというんじゃないんですよ。そこで位置づけられているんやないのと。しかも、やはり特殊会社化するとすれば、そういう方向性のいわば土台を突き崩すことになる。だから、やめておけとみんな言っているわけじゃないですか。

 しかも、そのことについて根拠となっている債務が多いという話も、それは別に債務超過じゃないじゃないか、もともと金を借りるときも、順番に返していったらいいという約束があったじゃないかと。

 そういう諸般の事情から見ておかしいじゃないかと言っているわけです。最後に一言。

羽田国務大臣 言われている趣旨はよく理解したというふうに思います。

穀田委員 終わります。

伴野委員長 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 提案されている都市の低炭素化促進法ですが、二酸化炭素の相当部分が都市部から発生している中、都市部におけるCO2削減や省エネを進めていくこと自体に異論はありませんが、疑問点の点を含めまして少し質問をさせていただきたいと思います。

 最初に、本法案における低炭素建築物の認定や低炭素まちづくりの対象となる地域ですが、市街化区域及び非線引き都市計画区域内と定められているものと承知いたします。そうしますと、人口でいうと約九千九百万人で、総人口の約七七%をカバーするわけでありますが、国土の面積ではわずか五%にすぎません。

 なぜ今回の法案に示された主要な施策の対象範囲を市街化区域と非線引き都市計画区域としたのか、この根拠を示していただきたいと思います。

加藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 我が国におきます二〇一〇年度のCO2の排出量を見てみますと、総排出量の五割以上を家庭部門やオフィス等の業務部門と運輸部門が占めております。そして、これらの部門の主たる活動の場は、ただいまも御指摘いただきましたが、総人口の約八割が居住いたします市街化区域等でございまして、市街化区域等はCO2の排出量の割合が高いエリアというふうに言えると思っております。

 このため、市街化区域等に関連して発生するCO2発生の抑制を図ろうということで、具体的には、郊外とのアクセスも含めた公共交通網と一体となった、市街化区域等への一定の都市機能の集約や、市街化区域等における未利用エネルギーの利用の促進などを進めるということから、今回この法案の提出をさせていただいておるところでございまして、今申し上げたような趣旨から、その対象区域も市街化区域等に限っておるところでございます。

中島(隆)委員 なぜこのような質問をしたのかといいますと、CO2が都市部で多く発生していることはわかるんですが、低炭素化という側面と同時に、市街地の中心部の活性化と開発、いわゆるコンパクトシティー化が大きな目的であるというふうに思いますが、大店舗が郊外に進出するなど都市部が間延びしたり、あるいは逆に、市街地が空洞化している現象が見られるのは事実であります。

 市街地の利便性を図る、いわゆるコンパクトシティー化が求められていること自体は否定しませんけれども、他方では、市街地を中心とした再開発は、都市郊外の利便性を低めたり、あるいは市街化区域に入らないような地方部との格差が拡大するのではないかという懸念があります。

 例えば、今回の法案で減税対象となる低炭素化住宅でも、同じ住宅をつくっても、市街化区域外であれば減税の対象にならない。低炭素化の促進で機能が集約をされ、利便性が高まる都市部と、郊外、さらには市街化区域にも入らない地方部との格差が拡大するのではないかという懸念があります。

 どのように対応するお考えなのか、この点についてお尋ねをいたします。

津島大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 この法案は、公共交通網と一体となりまして、住まいの身近なところに医療や福祉、公共施設などがあるコンパクトシティーの形成を目指すものであります。

 都市機能の集約化をどのように進めていくかにつきましては、各地域の実情に鑑みまして市町村が判断することとなります。市街地外の集落等で日常生活に必要な診療所や保育園等の施設まで一律に市街地の中心部に集約するということを狙ったものではありません。

 都市機能の集約化とあわせまして、公共交通機関の利便の確保を図り、地域全体として持続可能なまちづくりに取り組んでまいる所存であります。

中島(隆)委員 今回の低炭素化は税制を含めた対応でありまして、郊外に建てた住宅等は対象外と。これまで住宅エコポイントでは、昨年までは全地域的にあったわけですが、これがなくなるということですので、後ほどコンパクトシティー等についてはお尋ねいたしますが、郊外の仕組みづくり、郊外に対するそういう対応については、当然今後必要ではないかというふうに思っております。

 次の質問に移ります。

 今回の法案に盛り込まれた施策で、例えば所得税減税の対象となる民間の低炭素住宅ですが、どの程度の需要といいますか実績を見込んでおられるのか、あるいは低炭素まちづくり計画を策定するであろう自治体数がどの程度の見込みなのか、計画策定を促進するために国交省としてはどのような手だてを講じていかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。

川本政府参考人 まず、前段の低炭素建築物の見込みにつきまして、私の方からお答えをさせていただきます。

 低炭素建築物、これがあとどれくらい認定が見込まれるのかという御質問でございます。

 全体で見まして、省エネについての国民の理解というのはかなり進んでまいりまして、毎年建ちます住宅の中でも、いわゆるトップランナー基準に相当するような住宅の戸数もかなりふえてまいりました。

 私ども、今回の法案によります税制上の支援によりますインセンティブ、これによる効果も見込んでおりまして、法施行後数年ぐらいで大体都市部の住宅・建築物の新築着工の二割程度がこういった基準を満たすような住宅になってくるということを目指したいというふうに考えております。

加藤政府参考人 後段の低炭素まちづくり計画はどのくらい策定される見込みであるかというお尋ねでございますが、それにつきまして御答弁をさせていただきたいと思います。

 これは、今後、各地域においてどういう取り組みをされるかということにかかっておるわけでございますが、一つの指標として挙げられると思うので、それを申し述べたいと思います。

 現在、各市町村では、都市計画に関します基本的な方針というのを持ってございます。この基本的な方針を洗い出してみますと、全国のほぼ半数の市町村で、その方針の中にコンパクトシティーですとか集約型都市構造化といったことを位置づけております。あるいは、今後位置づけることを予定しているということでございます。

 一方、先進的に具体的な取り組みをされているところもございます。例えば、医療等と住宅が集約された再開発ですとか、都市におけるエネルギーの面的利用を進める事業ですとか、まちづくりと都市交通が一体となった取り組みといった、低炭素都市づくりに向けた新たな取り組みとして、全国のおおむね百都市ほどで進められるというふうに見込んでおるところでございます。

 こうした先進的な市町村を中心といたしまして、積極的にこの計画制度が活用されるように、国としても周知並びに支援に努めていきたいというふうに考えております。

中島(隆)委員 次にお伺いいたしますが、低炭素化を進めるということでいいますと、現状では電力エネルギー総量で四%を占めているわけでありますが、再生可能エネルギーをいかに普及させていくかが大変重要だと思います。既に二〇〇九年十一月から余剰電力の買い取り制度が実施をされ、七月から固定価格買い取り制度が実施をされました。

 そこで、所管の経済産業省にお伺いいたしますが、七月から実施された固定価格買い取り制度の申請状況はどのようになっているのか、わかる範囲でお答えいただきたいと思います。あわせて、今後、固定価格買い取り制度の利用はどのように推移をしていくのか、その見込みを含めてお尋ねをいたしたいと思います。

柳澤副大臣 お答えさせていただきます。

 御承知のように、今月一日より開始された固定価格買い取り制度で再生可能エネルギーによる電気を売電するためには、事前に、発電設備が本法で定める要件に適合しているか、経済産業大臣が認定をすることになっております。

 七月二十五日時点において、主として住宅に設置される十キロワット未満の太陽光発電を含めた総数は二万四千七百六十四件、十キロワット未満の太陽光発電を除いた数は八百六十四件、出力にして合計約四十一万キロワットの設備が認定をされているところでございます。

 こうした認定を受けた案件を含め、市場では、固定価格買い取り制度の導入を機にさまざまな事業化プランの検討が進んでいると承知をいたしております。政府の試算では、本年度だけでも、設備容量ベースで二百五十万キロワット程度の再生可能エネルギーの導入拡大が進むと見込んでおります。

 なお、経済産業省といたしましては、固定価格買い取り制度だけではなく、立地に関する規制の見直しや研究開発支援、再生可能エネルギー発電設備の設置に際しての税制優遇など、政策を総動員して再生可能エネルギーの導入拡大に全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。

中島(隆)委員 今の現状、申請数だけでも、太陽光十キロ未満でも四十一万キロ、今後の予想では二百五十万キロまで達すると。二百五十万キロというと原発三基分ぐらいに当たる数字で、法律が施行されただけでこんな申請が出ている、こういう状況です。

 そこで、私、これは希望で申し上げておきたいんですが、今、エネルギー基本政策の見直しが始まっています。国民的な議論が始まっているんですが、再生可能エネルギー促進法を具体的に進めるためには、やはり早く数値目標を出して具体的な推進をすべきだというふうに思っております。先ほど副大臣の決意もございましたので、ぜひそういう強い取り組みを進めていただきたいと思います。

 最後に、低炭素化という考えでございますが、民間の家庭を想定しますと太陽光パネルの普及が最も現実的と思いますが、補助金を充実させるなど再生可能エネルギーの利用を促進させていく一つの鍵は、スマートグリッドの利用を含めたスマートシティーあるいはスマートコミュニティーという新しいまちづくりが不可欠だというふうに思います。

 地域分散型の再生可能エネルギーや蓄電池の導入を促進していくことで、低炭素化の促進と同時に、エネルギーの効率的利用によって省エネ化を促進し、電力需給逼迫の懸念にも応えられる、こういうふうに思います。次世代に向けたこのスマートシティー等の促進を図ることについて、このことについてはどうでしょうか、お伺いいたします。

羽田国務大臣 再生可能エネルギーの利用促進は、低炭素・循環型社会を構築する上で重要な課題と考えており、本法案においても、太陽光パネルなどを設置するための公共施設の活用に関する措置を盛り込んでいるところであります。

 また、御指摘のスマートコミュニティーは、エネルギーの需給の管理と効率的利用を目的としたものであり、都市の低炭素化の促進を目的とする本法案と同じ方向を目指すものと考えております。

 本法案は、経済産業省と共管で提出しているものであり、本法案に基づく都市の低炭素化の促進に当たっては、再生可能エネルギーの利用促進やスマートコミュニティーの推進にも資するよう、引き続き、経済産業省など関係省庁と十分連携を図りながら、施策の推進を図ってまいりたいと考えております。

中島(隆)委員 時間が参りましたが、先ほど冒頭でも大臣の御答弁がありました。低炭素社会は、国土交通省だけじゃなくて、環境省、経済産業省、関係機関との十分な連携で実効ある促進をしていただきたいと思います。

 終わります。

伴野委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 都市の低炭素化の促進に関する法律案は、認定低炭素住宅に関する住宅ローン減税の優遇や、蓄電池や蓄熱槽の容積率不算入を定める、これにより、環境性能の高い、いわゆるエコ住宅等の普及を進めよう、こういう目的であります。

 同様の目的で行われた事業として、エコカー減税、エコカー補助金というのがあります。

 環境省から横光先生にお見えをいただいていますけれども、エコカー減税、エコカー補助金は、ハイブリッドカー等環境性能の高い自動車への買いかえに優遇措置を講じるものであります。物すごく人気があって、一兆円近くの予算枠が使い切られている。しかし、これは、大変人気があったのはいいんですけれども、CO2排出量の削減という政策目標に寄与したのか。そもそも、そのような観点からの調査はしているのか、お伺いをしたいと思います。

横光副大臣 お答えいたします。

 今お尋ねのエコカー減税、またエコカー補助金、これがほぼ同時期に実施されたわけですが、その時期が、平成二十一年度からでございました。この平成二十一年度以降、新車販売に占める次世代自動車の割合が約三%から約一一%へと四倍近く、大幅に向上いたしております。また、新車乗用車の平均燃費も向上率が上昇しておりまして、エコカー減税等により、環境性能にすぐれた自動車の普及が大きく促進されております。

 そして、今お尋ねのCO2の件でございますが、対象車種、今回は乗用車に限定したわけですが、この対象車種と走行距離など、一定の仮定を設定した上で環境省が試算をいたしました。その結果、エコカー減税等が実施されました平成二十一年度から二年間、二十一年、二十二年の二年間で、約百万トンのCO2削減効果があったと計上しています。

 以上です。

柿澤委員 先日、経産委員会で、我が党の山内康一議員が枝野経産大臣にお尋ねをしたときには、実はこれは、政策効果よりも経済的な、景気対策として行われたものなんだ、こういう答弁があって、余りにも率直な答弁だったので驚いてしまった、こういう経過があったんですが、きょうは試算の数字をお答えいただきました。

 何が言いたいかというと、やみくもに景気対策のような形で、例えば住宅投資をふやそうという目的でエコ住宅の推進をやると、結局、都市の低炭素化という政策目標そのものがどこかに行ってしまう。その意味で、認定低炭素住宅の環境性能をきちんと精査して認定することが私は大事だと思います。その認定を行うことになっている地方自治体なんですけれども、しかし、そのようなノウハウがあるとはとても思えません。

 認定低炭素住宅の認定基準というのは、一体どのようなプロセスを経てつくるんでしょうか。

 ドイツではパッシブハウス研究所が、一平米当たりの年間エネルギー量として、冷暖房負荷が各十五キロワットアワー以下、一次エネルギー消費量百二十キロワットアワー以下、気密性能として、五十パスカルの加圧時の漏気回数〇・六回以下、こういう基準をつくって、審査して認定証を出すという流れになっています。

 同様に、やはり日本でも、民間機関の知見を認定基準の作成や実際の認定に当たって活用する、地方自治体がやればいいということにはならないのではないかと思いますが、御答弁をお願いしたいと思います。

吉田(お)副大臣 委員御指摘のとおり、民間機関の知見も含め、さまざまな研究成果、御意見を賜りながら、認定基準の案の作成に取り組んでいきたいということでございます。

 また現状は、認定低炭素住宅の基準づくりにつきましては、本法案の成立後、国土交通省の社会資本整備審議会、経済産業省の総合資源エネルギー調査会、環境省の中央環境審議会におきまして、具体的な内容について御審議いただいた上で基準の案を作成し、パブリックコメントを実施した上で成案を得たいと考えております。

 これらの審議会には、建築環境の専門家、民間機関の方にも参画していただき、専門的な立場からの御意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

柿澤委員 当初のエコカー減税、エコカー補助金では、エコカーの認定基準が余りにも広くて、従来車とほとんど変わらない車でも補助金、減税の対象になってしまう、こういうことが言われて、結局、自動車購入を税金で補助しているだけじゃないか、こんなふうに言われた部分もあります。

 こうしたことがないように、真に都市の低炭素化に資する、こうした厳しい基準を設けて認定を行っていく、このようにお願いをしたいと思います。

 副大臣、どうもありがとうございました。

 次の質問に移ります。

 省エネ性能の向上と低炭素住宅の推進には、私は外断熱工法への転換が必要であると思います。躯体そのものを断熱材ですっぽり覆う外断熱工法は、ヨーロッパでは一般的でありますけれども、日本では、施工コストの高さ等から全く立ちおくれた状態が続いている。内張り断熱が主流の日本は、日本の常識は世界の非常識だ、こういうふうにも言われているわけであります。

 しかし、高気密、高断熱によるエネルギー効率の向上、断熱材で躯体を保護することによる建物の長寿命化のためには、日本も外断熱工法をスタンダードにしていく必要があると思います。折しも、二〇一一年十一月十五日の参議院の予算委員会で、前田前国交大臣は、これからは「外断熱という方向に行くべきであると私も考えております。」と、大変心強い答弁をされております。

 外断熱工法の推進が、都市の低炭素化や住宅の省エネ化にもたらす効果についてどのように考えておられるか、大臣、お願いします。

羽田国務大臣 御指摘の外断熱工法を含め、住宅の断熱化は、冷暖房エネルギーの削減を通じ、都市の低炭素化や住宅の省エネ化に資するものと考えております。

 外断熱工法は、断熱効果という点では内断熱工法と差があるわけではないというふうに思いますけれども、外気の温度変化による建物の劣化がしにくいという利点があると指摘をされているところであります。

 住宅の省エネ化の推進のためには、消費者、設計者及び施工者が各工法の特徴を十分に理解した上で、個々の建築物の設計条件等に応じて適切な工法を選択することが大切であると考えております。

 国土交通省としては、本法案に基づく諸制度を初め各般の施策を動員して、都市の低炭素化、住宅のエネルギー消費の削減及び良質な住宅ストックの形成を図ってまいりたいと考えております。

柿澤委員 羽田大臣のお地元の話をさせていただきます。

 長野県茅野市ですけれども、ある介護施設があります。二〇〇六年に新築をされました。全面外断熱工法です。この外断熱工法の介護施設は七百七十平米あるんですけれども、通常の建物であれば、茅野は寒いところですから、冷暖房費でいうと年間三百万ぐらいかかるのが普通だと言われている。しかし、この外断熱で新築された長野県茅野市の介護施設は、何と、初年度から、冷暖房費合わせて三十八万円だというんですね。

 三十八万円で驚くじゃないですか。三百万引く三十八万で、二百五十万ぐらい冷暖房費がコストダウンになるわけです。外断熱工法を導入したことによるコストアップ効果は千五百万ぐらいだということですので、大体五、六年でそのイニシャルコストを回収できてしまう、こういうことなわけです。びっくりしていたら、翌年は、何とこの三十八万の冷暖房費が十四万になったというんですよ。三年目は何と八万円ですよ、八万円。ほとんどかからないも同然ということです。省エネの取り組みがさらに進んだ結果なんですけれども、こうした形で、まさにエネルギー効率を飛躍的に高める効果があるわけです。

 先ほどの御答弁は、最後の部分は、都市の低炭素化を外断熱なども含めて全般的に進めてまいりたいと、何となくよろよろっとした答弁だったんですけれども、ぜひ前田国交大臣の、これからは「外断熱という方向に行くべきであると私も考えております。」この答弁を現国交大臣として、今の長野県の話を踏まえて引き継ぐ、踏襲する、こういう考え方に立っておられるのか、お伺いしたいと思います。

羽田国務大臣 今、党はかわってしまったわけですけれども、中村哲治議員もこのことについて大変研究されておりまして、実は私も一緒に勉強させていただいておりました。

 しっかりと国交省の中でも検討をさせていただきたいと思います。

柿澤委員 検討させていただきたいという言葉にもう一歩踏み込みたいところもあるんですが、あと二問ありますので、進みたいと思います。

 こういう大臣答弁が出ているにもかかわらず、しかも都市の低炭素化が重要な政策目標になっているにもかかわらず、それとは全く矛盾するようなことが、独立行政法人UR、都市再生機構において行われています。現在、築三十年を超えたURマンションの、例えば多摩ニュータウン、あるいは全国で建てかえが行われていますけれども、実はこのほとんどが従来どおりの、内張り断熱の工法で行われているんです。これは一体どういうわけですか。

 大規模修繕時に外断熱改修を行うとともに、建てかえ時に外断熱工法の採用を推進するための、そういう政策誘導を行っていくべきだと思いますし、また、こういうURのようなところは、やはりそうしたことを率先して取り入れていくべきだと思います。御見解をお願いしたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど大臣からもお答えを申し上げましたように、先生御指摘のように、外断熱工法は、一度暖まると冷めにくいという利点がございます。それから、外気の温度変化が躯体に伝わりにくいので、建物が劣化しにくいという利点もある。その一方で、これは先生も御指摘ありましたように、施工が複雑で割高になるという問題もございます。

 URの問題について言いますと、個別にどうなっているのか全て承知しておるわけではございませんが、建築コストが高くなるということになれば、その分を家賃という形で入居者にお支払いをいただかなきゃならぬ、恐らくは、そういった家賃負担が可能であるかどうかというようなことも含めて検討しているのではないかと思っております。

 ただ、いずれにしましても、断熱工法の利点、それからそれに伴う問題点というものも個別に踏まえまして、各施工者で適切に断熱工法の選択ができるように、私どもも検討してまいりたいと考えております。

柿澤委員 これは、言っていることとやっていることがやはり違うんじゃないかというふうに思うんです。

 もう一つ、マンション住民の多くは、十五年ぐらいに一度大規模修繕工事が訪れて、それに取り組みながら、住民の老いと建物の老い、老朽化に直面をしているわけです。建物の省エネ性能の向上と快適性を実現しようということで、外断熱改修に取り組む管理組合が民間でもふえています。

 外断熱改修に有用なのは、躯体の省エネ改修を補助する建築物省エネ改修補助金、こういうものがあります。しかし、これが、住宅エコポイントがあるからということで事務所ビルだけが対象になっていて、住宅が対象になっていない。この非住宅しか対象になっていない建築物省エネ改修補助金を、戸建て、共同住宅にかかわらず、住宅をも対象にすべきではないかと考えます。これが政策誘導の一つになると思いますけれども、御見解をお願いしたいと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生御指摘のように、建築物省エネ改修補助金、これは非住宅を対象にしたものでございます。

 この理由は、住宅につきましては、国民に住宅の省エネ化の推進についてできるだけ幅広く理解をしていただきたい、そういったことで、自主的な取り組みを促すという観点から、住宅エコポイントや税制等におきましては、例えば窓の改修のみでもある程度の効果は得られるだろうということで対象にして、エコポイントで補助をする、あるいは税制上の優遇措置を講ずるということで省エネ改修を促してまいったものでございます。

 一方で、非住宅の建築物、こちらは事業用の建物が大半になります。したがいまして、躯体の改修などによりまして一〇%以上の省エネ効果がある場合に限りという条件をつけて支援を行っているところでございます。住宅の場合には、そういった細かなといいましょうか厳しい要件というものをはめずに、いろいろやってまいったという差があるということでございます。

 ただ、いずれにしましても、住宅、非住宅、それぞれの特性に応じて省エネ改修を進めていただかなきゃいかぬというのは御指摘のとおりでございます。適切な支援措置を用意していかなきゃいかぬということで、今後も、住宅・建築物の改修についての支援措置は、その充実について検討してまいりたいと考えております。

吉田(お)副大臣 柿澤議員の御指摘等々を含めまして、私どもといたしましては省エネ改修を促進しているところでございます。

 今お話ございました税制、助成制度など、今後は外断熱工法による高断熱化を含めて、既存の建築物の省エネルギー性能の向上に対し、関係省庁とも連携して、引き続き支援制度の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 外断熱工法につきましては、その利点などについて国民に対する啓発を進め、適切な工法が選択されるよう努めてまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。

柿澤委員 時間が参りましたので終わりますが、躯体の断熱、省エネ改修、こうした点に着目したこの補助金を、住宅に対象を広げるからこそ意味合いが出てくるんだということを強調して、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

伴野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 都市の低炭素化の促進に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

伴野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

伴野委員長 次に、内閣提出、海上保安庁法及び領海等における外国船舶の航行に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣羽田雄一郎君。

    ―――――――――――――

 海上保安庁法及び領海等における外国船舶の航行に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

羽田国務大臣 ただいま議題となりました海上保安庁法及び領海等における外国船舶の航行に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 四方を海に囲まれ、諸外国と海を介して接している我が国にとりまして、周辺海域における海上の安全及び治安を確保することは極めて重要であります。

 このため、海上の安全及び治安の確保を任務とする海上保安庁においては、我が国の法令に違反する行為に対し、適切かつ厳正に対処すべく、従来より巡視船艇、航空機の整備や要員等の拡充に取り組んできているところでありますが、我が国周辺海域における外国船舶による領有権主張活動の活発化等、近年の情勢の変化に鑑み、海上保安官等の執行権限についても、その充実強化を図ることが必要となっております。

 このような趣旨から、このたび、この法律案を提案することとした次第であります。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、警察官が速やかに犯罪に対処することが困難である遠方離島における犯罪について、海上保安官等が対処することができるようにするとともに、そのために必要な職務執行権限を付与することとしております。

 第二に、現在、船舶の乗組員及び旅客に対して認められている海上保安官の質問権について、船舶の所有者等のほか、海上の安全及び治安の確保上重要な事項を知っていると認められる者もその対象者に加えることとしております。

 第三に、近年の情勢の変化に対応して、領海や排他的経済水域において海上保安庁が行っている警備業務について、海上保安庁の任務及び所掌事務として明確化することとしております。

 第四に、領海において停留等を行うやむを得ない理由が明らかにない外国船舶があるときは、海上保安庁長官は、立入検査を経ることなく、当該船舶の船長等に対し領海から退去することを命ずることができることとしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由です。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

伴野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

伴野委員長 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。

 本案審査の参考に資するため、来る三十一日火曜日から八月一日水曜日までの二日間、沖縄県に委員を派遣いたしたいと存じます。

 つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、派遣委員の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十五分散会


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