衆議院

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第3号 平成25年3月19日(火曜日)

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平成二十五年三月十九日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 金子 恭之君

   理事 大塚 高司君 理事 土井  亨君

   理事 西村 明宏君 理事 松本 文明君

   理事 望月 義夫君 理事 三日月大造君

   理事 井上 英孝君 理事 高木 陽介君

      赤澤 亮正君    秋本 真利君

      井林 辰憲君    大西 英男君

      門  博文君    熊田 裕通君

      後藤田正純君    國場幸之助君

      斎藤 洋明君    坂井  学君

      桜井  宏君    白須賀貴樹君

      新開 裕司君    末吉 光徳君

      中村 裕之君    林  幹雄君

      原田 憲治君    平口  洋君

      ふくだ峰之君    前田 一男君

      宮内 秀樹君    宮澤 博行君

      務台 俊介君    若宮 健嗣君

      泉  健太君    大畠 章宏君

      寺島 義幸君    松原  仁君

      若井 康彦君    鷲尾英一郎君

      上野ひろし君    坂元 大輔君

      西岡  新君    三宅  博君

      佐藤 茂樹君    樋口 尚也君

      柿沢 未途君    杉本かずみ君

      穀田 恵二君    亀井 静香君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   内閣官房副長官      加藤 勝信君

   外務副大臣        松山 政司君

   国土交通副大臣      梶山 弘志君

   外務大臣政務官      城内  実君

   国土交通大臣政務官    赤澤 亮正君

   国土交通大臣政務官    坂井  学君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  海部  篤君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 新美  潤君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 金杉 憲治君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 石原 一彦君

   政府参考人

   (経済産業省貿易経済協力局長)          北川 慎介君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官)            大須賀英郎君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    北村 隆志君

   国土交通委員会専門員   宮部  光君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十九日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     宮内 秀樹君

  長坂 康正君     熊田 裕通君

  寺島 義幸君     鷲尾英一郎君

  若井 康彦君     松原  仁君

同日

 辞任         補欠選任

  熊田 裕通君     長坂 康正君

  宮内 秀樹君     新開 裕司君

  松原  仁君     若井 康彦君

  鷲尾英一郎君     寺島 義幸君

同日

 辞任         補欠選任

  新開 裕司君     末吉 光徳君

同日

 辞任         補欠選任

  末吉 光徳君     岩田 和親君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)


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     ――――◇―――――

金子委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本件審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官大須賀英郎君、海上保安庁長官北村隆志君、内閣官房内閣参事官海部篤君、外務省大臣官房参事官新美潤君、外務省大臣官房参事官金杉憲治君、財務省大臣官房審議官石原一彦君及び経済産業省貿易経済協力局長北川慎介君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鷲尾英一郎君。

鷲尾委員 おはようございます。

 国土交通委員会で貴重な質問の機会をお与えいただきまして感謝を申し上げたいと思います。与党のときに余り質問できなかったものですから、久しぶりでございますが、思い切ってやらせていただきたいと思います。

 きょうは安倍内閣の、それこそ安倍総理の側近であります官房副長官や城内外務政務官にもお見えになっていただきましたので、しっかりと答弁をいただけたらというふうに思っているところでございます。

 まず、安倍内閣の所信表明で、冒頭、安倍総理もなかなかいいことを言うなあと、私の立場から言うのは生意気ですけれども、そう思いました。

 強い日本をつくる、一身独立して一国独立する、私たちが、誰かに寄りかかる心を捨てて、それぞれの持ち場で、みずから運命を切り開こうという意思を持つ、こんなことをおっしゃっていまして、大変いいなあというふうに思ったんですけれども、個人的には、日米首脳会談のくだりに至って、これは本当に大丈夫かなと思いました。

 それはどういうことかといいますと、今回のオバマ大統領との会談によって、緊密な日米関係は完全に復活しましたと。この完全に復活しましたというところで、議場から物すごい拍手が起こったわけです。私は、そんな完全に復活するということが日本の国益にとってどんな価値があるのかというところが、余り主体的な視点が見えないなということを強く感じました。日本とアメリカはそもそも利害が対立しますから。

 その後にも、共通の戦略意識、共通の目的を共有しているとまで言っているわけです。そんな簡単に持てるものかねと私は思います。

 そこで、ちょっと本題に入る前に、例えば、安倍総理はたしか総理就任前に、慰安婦問題について河野談話を修正するとおっしゃっていたんですよね。ところが、この話がどうも出てこないですね、何も。

 そもそも、これも、歴史認識においてはアメリカと日本で強烈に見解の相違がある問題ですから、そのことについて、何かトーンダウンしたというか何もしないというのは、これはちょっと、やるやると言っておきながら、やらないというのはいかがなものか。もしかしたらこの先やるかもしれませんから、それを私は期待したいというふうに思っているところであります。

 それからTPPの話も、最近、参加表明という話になりましたけれども、これも、日本とアメリカでは随分と利益の衝突があるんじゃないかな、緊密な日米関係を維持するために、我々はどれだけの犠牲を払わなきゃいけないんだろうかということを思わず思ってしまったところであります。

 それから、きょうの本題であります拉致問題についても、二〇〇八年に、アメリカはテロ支援国家指定から北朝鮮を排除したわけです。除外したわけですね。このときも我々は、北朝鮮はそんな甘い国じゃないから、テロ支援国家指定を解除するなんていうのはあり得ない、やめてくれということを何度も言ったつもりであります。しかし、六者協議の中において、核開発計画について放棄をし、そして検証可能なレベルでの計画を提出すれば解除するということに同意をしてしまった。

 今はどうか。その後も二〇一〇年に、オバマ大統領になって、再指定はしないんだということをわざわざ明言されましたけれども、結局、この二月にも核実験をしているわけですよ。こんな国に対して、共通の目標を持って当たるというときに、我々が二〇〇八年当時言っていたことがある意味正しかったわけですから、では、この問題について、アメリカに対して、日本の立場やこれまでの経緯を含めて理解させる努力というのを本当にどれほどしているのかということを私は疑問に思うわけであります。

 そこで、一問目、質問をさせていただきたいと思いますが、城内政務官に質問したいと思っています。

 累次にわたる日米首脳会談で、日本政府は首脳の口からアメリカ大統領に対して、日本の立場を支持することに感謝をする、そういうことはおっしゃっているはずです。日本の立場を理解してもらうのはいいですけれども、そもそも、同じ戦略意識を持っているというならば、日本が、拉致、核、ミサイル、包括的解決をすると言っている、その筆頭に挙げられている拉致問題について、アメリカとどんな共通の認識を持っているのかということをお答えいただきたいと思います。

城内大臣政務官 拉致問題につきましては、従来から、米国の大統領に対しまして直接、理解と支持を求めるとともに、政府関係者等とのさまざまな接触の機会を捉えまして、拉致問題の現状や我が国の考え方を浸透させる努力を行ってきているところであります。

 先般の日米首脳会談におきましても、北朝鮮問題についてしっかりと議論をした次第でございます。首脳間のやりとりの詳細については、明らかにすることは差し控えざるを得ない側面がある点をぜひ御理解いただきたいと思いますが、いずれにしましても、拉致問題につきましては、安倍総理から、自分の政権のうちに完全に解決するとの決意を表明し、これまでの米国の理解と支持に謝意を述べた次第であります。

 今後とも、拉致問題の解決に向けて、日米間の緊密な連携に努めてまいりたいというふうに考えております。

鷲尾委員 単なるおつき合いでは困るんですね。日本の立場はわかったよ、それに対してありがとう、これだけではやはり困るわけです。一緒に行動してもらわないといけない。テロ支援国家指定の解除の問題でもそうですけれども、これから先、当然、核実験もやられたわけですから再指定をすることで、やはりこれは一つの圧力につながるというふうに思います。

 そこで、そういったことを促すような努力をやるつもりがあるのかどうか。

 それに続けて、私、これはたしか二〇〇八年でしたか、拉致議連の皆さんと救う会の皆さんと一緒にアメリカに行きましたときに、在米大使館の議会担当者が余りにも人員配置として少ないんじゃないかという印象を覚えました。その後、国会の質問でも、慰安婦の下院決議の話もありましたし、テロ支援国家指定の話も議会からさほどの反対はなかったと聞きましたので、こういった議会対策というのをしっかりやってほしいということを何度か質問させていただいたんですね。

 このことについて、今の現状を教えていただきたいと思います。

城内大臣政務官 現在、我が方米国大使館に議会班というのがございまして、公使をヘッドに五名の課員で構成されております。そこの議会班が大使館による議会対策の中核を担っているわけであります。

 その上で、在米国大使館におきましては、米議会関係者との人脈構築について、議会班のみならず、大使、公使を初め全館態勢で日常的に、積極的に取り組んでいるところであります。

 今後とも、このような努力を積み重ねていく考えであります。

鷲尾委員 私が最初聞いたときはたしか三名と言っていましたから、ちょっとふえたのかもしれないけれども、その人員で本当に足りるのかどうか。さまざまな問題がありますから、ぜひ議会工作も頑張っていただきたいと思うし、安倍総理は、自分の政権中に完全に解決すると話をしているわけですから、ぜひ、その意気込みを城内政務官からも、在米大使館にも徹底してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。

 次の質問に移りたいと思います。

 そもそも、二〇〇六年から経済制裁を行っていますけれども、この効果はいかほどかという議論をさせてもらいたいと思います。

 北朝鮮との貿易額はどういうふうに推移しているんでしょうか。

北川政府参考人 北朝鮮との貿易についてのお尋ねでございます。

 北朝鮮制裁の一環といたしまして、外為法に基づきまして、輸入につきましては平成十八年から全面禁輸、輸出につきましては平成二十一年から禁輸といたしてございます。

 貿易を見ますと、平成十五年ぐらいまでは大体二百億円を超える輸入、十七年にも約百五十億円の輸入がございました。一方、輸出につきましては、平成十五年ぐらいまでは大体百億円を超える輸出。また、減少傾向にございましたけれども、平成十七年にも七十億円の輸出でございました。

 これが、現在はそれぞれゼロになっているということでございます。

鷲尾委員 日本とのやりとりはなくなっている。

 そんな中で、我々は看過できない数字を知っているわけでありますが、北朝鮮と中国の貿易額というのはどうなっていますか。

城内大臣政務官 鷲尾委員にお答えいたします。

 中朝間の経済的関係や規模については必ずしもその全体像が明らかになっているわけではありませんが、中国の対北朝鮮輸出額は、中国政府の発表によりますと、二〇一〇年が二十二億七千八百万米ドル、二〇一一年が三十一億六千五百万米ドル、二〇一二年が三十五億三千二百万米ドルと、年々増加していると承知しております。

鷲尾委員 増加しているんです。

 手元のデータですと、輸出入の総額でいきますと、二〇〇〇年当初から十二倍以上になっているんです。日本が幾ら経済制裁しようとも、中朝間でこれだけの貿易額があるということは、北朝鮮の経済にとっては間違いなくプラスになっているんですね。直接投資額も、これはジェトロさんの資料で見ましたけれども、二〇〇三年を基準にしますと、最大で四十倍ほどになっている年もあります。一人当たりの国民所得も、二〇〇一年から一・五倍ほどになっているわけです。

 そうしますと、我々がいかに経済制裁として拳を振り上げたとしても、それが、いわゆる拉致、核、ミサイルの包括的解決に当たっての対話と圧力の圧力に当たっているのか。私はそう思わざるを得ないわけでありまして、幾ら我々が圧力だ圧力だと言っていながら、しかし、実質、北朝鮮は痛くもかゆくもないとするならば、これはまともな交渉ができるんだろうかと思うわけです。

 そこを、きょうは官房副長官がお見えになっているので、官邸の雰囲気といいましょうか、認識をぜひお伝えいただきたいと思います。

加藤内閣官房副長官 鷲尾委員にお答えさせていただきたいと思います。

 我が国も、ことしの二月にも、北朝鮮に行かれて再入国禁止の対象範囲を拡大する独自制裁をこれまで実施してきたところでございまして、今お話がありましたように、輸出入も、そうした措置の影響もあってゼロということでございます。そういう意味では、それなりに効果もあったものというふうに考えるわけであります。

 ただ、今御指摘のような、全体として本当に効果があるのか、こういう観点に立てば、これは我が国だけではなくて、従前からも、中国あるいはロシアを初めとする関係国ときちっと連携をとりながら、まず何といっても関連する安保理決議を北朝鮮にしっかり履行してもらう、あるいは六者会合共同声明を完全に実施してもらう。こういったものをしっかり求めていかなければならない。

 こういう立場でこれからも取り組んでいきたい、こういうふうに思っております。

鷲尾委員 対話と圧力ということで、実は先週も、私、地元で特定失踪者の御家族の方の会に出てまいりましたけれども、大変時間がないという思いを強烈に持っております。そして、この十年以上何も事態が変わっていないということに大変な危機感を感じていらっしゃいます。

 時間がない中で、関係各国との連携というのも当然必要だと思いますし、アメリカの支持も当然大事なことでしょう。でも、やはり安倍総理が、冒頭、一身独立して一国独立するんだ、誰かに寄りかからずに、誰にも頼らずにやっていくんだという気概を国民に訴えているわけですから、政府としても、対話と圧力、この北朝鮮との難しい問題を二国間でも積極的に解決するんだ、今までとはまた違った方法を積極的に打ち出していくべきだと国民に訴えるならば、政府が率先してこの難しい問題に取り組んでいくべきだと私は思っているところでございます。

 時間がなくなってまいりましたので、次の質問に移りたいと思います。

 去年、海上警察権を強化しまして、この海上警察権の問題も、北朝鮮の不審船の事案やら、それから、特に去年は尖閣諸島の問題がありましたものですから、海上警察権の強化ができたわけですけれども、これは民間の船舶に対する取り締まり権の強化であって、政府公船に対してはなかなか対処しがたいと聞いております。

 ところが、今鋭意、海上保安官の皆さんには遠洋の中で頑張っていただいていると聞いておりますが、今、政府公船が出てきた場合、どんな対処をすることになっているのか。あらゆることを想定しながらやっておられると思いますが、その辺のところをお聞きしたいと思います。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 尖閣三島の取得、保有以降、尖閣諸島の周辺海域では中国公船による領海侵入が繰り返されますなど、情勢は厳しさを増しております。本日も、海監三隻でございますけれども、きょうは接続水域を今ぐるぐると航行しているという状況でございます。

 海上保安庁におきましては、これらの船舶に対しまして、領海には侵入しないように警告をする、領海に侵入した場合には退去要求をする、さらに、進路規制、相手方の船の進路に近づけていって、中国公船を外へ外へと出していくという規制でございますが、そういう規制を行いまして、領海外へ現在退去させているところでございます。

 これ以外の具体的な対処方法につきましては、国際法上許容される範囲内で必要な措置をとり得るよう、政府全体で検討してまいります。

 今後とも、海上保安庁による領海警備につきましては、関係省庁とも緊密に連携しながら万全を期してまいりたいと考えております。

鷲尾委員 時間がないので私が意見するだけになっちゃいますけれども、海上警備行動との関係が常に問題になってくるわけです。いわゆる物理的な力の衝突ということになったときに、そこの連携ですね、どういう線引きで海上警備行動を発令するのかを含めて、日本の法制度は大変難しい微妙な問題を抱えていますから、ぜひ、そこは丁寧に、そしてしっかりと対処していただきたいという旨だけ申し上げておきたいと思います。

 今、尖閣近海に随分と巡視船を集めているようでありますので、他の海域の警備が手薄にならないようにということもあわせて申し上げておきたいというふうに思います。

 最後ですけれども、ちょっとその尖閣の話になっちゃいますが、中国が国家海洋局のもとに何かいろいろ取り締まりの部署を統合したようでありまして、あわせて、かなりハイレベルな艦艇を尖閣近海にも出没させていると聞いております。

 そこで、我が国の方でも、退役の海自艦を海保の方で転用するということが検討されていると思いますが、大臣から、この件についての進捗状況と、今後の見通しについてお聞かせ願いたいと思います。

太田国務大臣 そうした検討が行われていることは事実です。

 どういうふうに領海を守っていくかということについて、退役の自衛艦というものをどういうふうに海保との連携の中で使わせていただくかというような検討でありますけれども、なかなか、護衛艦と巡視船とは機能も違っておりますし、それから防火構造や救命設備等の改修工事、さまざまなことがありまして、タービンエンジンの寿命ということもあるし、巡視船としてどれだけの長さ使うことができるかというようなこともありまして、まさに今、装備面と人員面で、どれだけ効果があるかということも含めて検討しているところでございます。

 本件は、政府全体として総合的に判断すべき問題だというふうに思っておりまして、なお検討をさせていただきたいという状況でございます。

鷲尾委員 千トン級のものも随分装備を拡充しているということは本当に評価をしたいと思いますし、さらに、現場の状況も厳しいですから、それを応援する意味でも、充実した装備のもとで警備に当たってもらいたいということを申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

金子委員長 次に、松原仁君。

松原委員 きょうは、特定船舶の入港の禁止に関するいわゆる承認を求めるということの案件にかかわって御質問したいと思っております。

 まず最初に、安保理決議二千九十四号というものが、極めて最近でありますが、安保理で決議をされたわけでありますが、この十六項の内容についてお伺いいたしたいと思います。

新美政府参考人 御答弁させていただきます。

 今先生から御指摘がありました安保理決議二〇九四号主文の十六につきましては、決議の第一七一八号を初めとする関連決議により供給、販売、移転または輸出が禁止されている品目を積載すると信じる合理的根拠があることを示す信頼できる情報がある場合に、北朝鮮を原産地、目的地とする貨物または北朝鮮及びその国民等が仲介、促進する貨物について、自国の領域内での貨物検査を実施することを加盟国に義務づけているというものでございます。

 これは、従来の決議の第一八七四号で要請にとどまっていた貨物検査を義務化する趣旨で設けられたものでございまして、かつ、検査を行う対象も、北朝鮮を原産地また目的地とする貨物から、北朝鮮及び北朝鮮人等が仲介、促進する貨物に拡大されているということでございます。

松原委員 今御指摘があったように、義務化をするということにおいて、かなりこれは北朝鮮のさまざまな活動に対しての制裁的な効果はある、このように考えているわけであります。

 日本のように、拉致問題といった日本固有の問題も含めて、北朝鮮に対して譲歩を迫っていかなければいけない国家としては、この二千九十四号というのは極めて重い国連決議であるというふうに認識をいたしております。

 次にお伺いしたいのは、この二千九十四号の十六項について、この義務を履行するのはどこの機関になるかということについてお伺いをいたしたいと思います。

海部政府参考人 松原議員にお答えをいたします。

 先ほど申し述べました安保理決議第二千九十四号第十六項の実施についてでございますけれども、現在、我が国が、安保理決議に関して我が国当局が実施する北朝鮮関連の貨物の検査等について定める貨物検査特別措置法を有しており、その法律のもとで、海上保安庁、税関といった我が国国内当局が実施をするということになってございますが、一方で、この二千九十四号の採択を受けた今後の対応ぶりにつきましては、御指摘の第十六項を含めまして、現在、関係省庁間で精査、検討を進めている状況にございます。

松原委員 精査、検討を進めているということでありますが、具体的に、いつごろをめどにそれが検討され、そして決定されるのか、この段階でわかっていることを知らせていただきたい。

海部政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、非常に重要な内容を含む安保理決議であるというふうに政府全体として認識をいたしております。したがいまして、今後、できるだけ速やかに、先ほど申し述べました精査、検討についての結論を得ていきたいというふうに考えております。

 現時点で申し述べさせていただくことはこの程度でございますが、何とぞ御了解を賜れば幸甚に存じます。

 以上でございます。

松原委員 これはスピード感が大事だと思っております。

 先ほどの鷲尾委員の発言の中にも、拉致被害者は大変な時間との闘いの中で、離された肉親との出会いを求めているということが指摘されているところであります。したがって、こういった二千九十四号のようなものが決議されたときに、やはりこれに対して即座に対応するという努力を、日本政府は、拉致問題解決という観点からも、どんなにやってもそれはやり過ぎることはない、このように私は思っているわけであります。

 外務省にもお伺いしたいんですが、そもそも、この二千九十四号の仮訳がまだ出ていない。もちろん、さまざまなプロセスというものは必要かもしれませんが、拉致問題を抱える我が国において、これがいまだに仮訳すら出ていないというのは極めて遺憾だと思っておりますが、ちょっと釈明か何かできればこの場でおっしゃっていただきたい。

新美政府参考人 お答え申し上げます。

 先生まさにおっしゃいましたとおり、この決議の二〇九四号、日本との関係でも大変大事な決議だと思っております。

 決議が通りましてから、外務省として鋭意、和訳、仮訳をつくってまいりました。もちろん、先生おっしゃるとおり、迅速にやる必要があるということはおっしゃるとおりでございますが、同時に、正確に訳する必要もあるということで努力してまいりました。

 それで、遅いというお叱りを受けて、そのとおりではございますけれども、ちょうど昨日、やっと仮訳が、正式に決裁もとり、できまして、外務省のホームページにきのうの夕方アップしたところでございまして、本日の官報に掲載する予定でございます。

松原委員 私がきのう質問通告を昼にしてから、鋭意仮訳をしたんだろうと思いますが、そういうことじゃいかぬわけですね、これは。そういうことではいけなくて、やはりきちっとやらないと。

 特に今回は、きょう、船舶入港禁止の、我々の北朝鮮に対する制裁のこれがもう一回審議されて延長されようとするときに、この二千九十四号というのは明らかに、内容的にその延長線上にある、ある種、追加制裁的な色彩まで持つわけですよ。それを、きのうの段階で仮訳がありませんでしたと私のところに来て、きょうになってできました。それは結構ですよ。しかし、それにしても、もうちょっとこの辺は外務省も真剣にやってもらいたいと思っております。

 ところで、この二千九十四号十六項について、履行する法的根拠は整っているのか、お伺いいたします。

海部政府参考人 お答えをいたします。

 先ほど私の答弁で申し上げたとおり、現在、我が国が、安保理決議に関して我が国当局が実施する北朝鮮関連の貨物の検査等につきましては、貨物検査特別措置法というものがございます。そのもとで、海上保安庁、税関といった国内当局が所要の措置を実施してきているということでございます。

 この二千九十四号を受けた措置ということにつきましては、先ほどの繰り返しになりますけれども、今後の対応ぶりにつきまして、関係省庁間での精査、検討作業を行っているということでございます。

松原委員 当然、そうすると、この履行する体制についても、今、整っているのではなくて検討中である、こういうことですか。

海部政府参考人 現行の貨物検査特別法のもとでは、申し述べましたように、国内の関係当局、法執行機関の緊密な連携によって、しっかりとした貨物検査の体制は整ってございます。

 二千九十四号のもとで、これが果たして適切なものとして引き続き実施できるものなのかどうかという点について現在検討を進めている、至急、この検討作業に結論を見出していきたいということを、関係省庁とも今確認をしてやっているところでございます。

松原委員 太田大臣、今このやりとりを聞いていただいて、時間との闘いの拉致問題の解決ということが言われております。そして同時に、この国連の二千九十四号が、今の議論で明らかなように、冒頭、その内容についての開陳がありましたが、まさにこれは特定船舶入港禁止法をさらに広げる形の、あえて言えば、追加制裁的な効果すら持つ国際的な取り決めであるということも、恐らく認識の中で明らかになっていくだろうと思います。

 しかし一方において、これに対して、履行する整備状況、法的根拠といったものについては、鋭意努めているということですが、鋭意努めているということでは、私は、例えば拉致被害者の皆さん、本当に一日一日が命との闘いの環境にある皆さんは、そんな安直なことでは納得できないと思っているわけであります。

 これに関して、やはり太田大臣としては、内閣の一員として、早い段階でというよりは、もうできればきょうこの段階で、この日ぐらいまでにはと期限を区切ってこういったものに対する日本の国内法を整備し、その体制をつくるんだ、こういった御決意を開陳していただきたいと思っております。その決意をお願いいたします。

太田国務大臣 私は、二〇九四号というものが決議されて、貨物の検査ということが義務化される、そして、あらゆる国がそこに集中して合意を形成するという態勢になったということは、極めて重要なことだというふうに思っています。

 そういう意味では、訳ができているとかいないという論議がここでされているということ自体が大変遅いし、拉致問題を抱えていて、そして非常に近接しているというところからいっても、また、松原先生がずっとこの問題に携わって、先頭を切ってやってこられたということからいっても、余りにも遅いし、その動きが、直ちに日本がまずこういうふうにしたという、体制を整えるということを発信するということ自体が極めて重要なことだというふうに私は思っています。

 答弁としては、関係省庁で法令等の改正の要否を含む検討を開始しているところですというのが答弁ですが、その中の気持ちとしては、しっかりした体制を早急に、いつ何どきとはきょうここで発言できませんけれども、急いで体制を整備するようにしたいということだけは申し上げたいと思います。

松原委員 この二千九十四号の十七項の内容についても、外務省から説明いただきたいと思います。

新美政府参考人 御答弁申し上げます。

 今先生から御指摘ありました安保理決議二〇九四号の主文十七でございますが、この主文十七は、旗国の同意があるにもかかわらず貨物検査を拒否する船舶や、そのような同意の得られる見込みのない北朝鮮の船舶に対して、当該船舶への貨物検査のために必要とされる場合や緊急事態の場合を除き、自国への入国を禁止する措置をとることを加盟国に義務づけております。

 これは、本来、決議で禁止された品目を運搬する疑いのある船舶につきましては、主文十六に基づき貨物検査を確実に実施することが重要でございますけれども、検査を拒否する船舶につきましては、これは自国への入港を拒否することにより同船舶のそれ以上の航行を困難にし、もって品目の移転禁止という貨物検査の主たる目的を達成することを狙いにしているものと考えております。

松原委員 これもまた当然、その法的根拠、入港を拒否する法的根拠を現在の特定船舶入港禁止法と別に考える、こういう認識でよろしいでしょうか。

海部政府参考人 御答弁いたします。

 二千九十四号の採択を受けた今後の対応ぶりにつきまして、既に存在するいわゆる特定船舶入港禁止法のもとで行われている措置、我が国がとり得る措置といったものとの関係といったことを整理しながら、二千九十四号のできるだけ速やかな実施に向けて、所要の措置をスピードを上げて検討してまいりたいというふうに考えております。

松原委員 昨年の八月に、貨物検査特措法で海保と税関が立ち入りをしたということが言われました。きのうも官房長官の午後の記者会見で、このことに触れた発言もあったようであります。

 私としては、この八月以来、なぜこれは長いことそのまま余り表に出てこなかったのかということも極めて疑問を感じていたわけでありますが、まず事実関係をお伺いしたいと思います。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年八月、東京港に寄港いたしましたシンガポール船籍の船から陸揚げされました貨物に、中国・大連経由で北朝鮮から輸送された核関連物質と疑われる貨物がございましたことから、貨物検査特別措置法による必要な検査に税関が着手をいたしまして、その結果、当該貨物が、これは五本ございましたが、同法により核関連物質として規制されておりますアルミニウム合金の棒であるということを確認いたしたものでございます。

松原委員 きのうの官房長官の記者会見もあったわけでありますが、昨年の八月ということは、八月は八月ということでよろしいですか。

石原政府参考人 はい。八月でございまして、正確に申し上げますと、入港いたしましたのが八月の二十二日、検査に着手いたしましたのが八月の二十三日からでございます。

松原委員 なぜ発表にこれだけの時間がかかったのかということに関して御説明いただきたいと思います。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 当該貨物が、貨物検査特別措置法の規制対象でございます核関連物質であるかどうかということにつきまして、具体的に申し上げますと、その規制対象の物質であるかどうかということと、それが北朝鮮を仕出し地とするものであるか、この二点につきまして慎重に検査を重ねてきたところでございまして、結果として相当な日数が経過したということでございまして、恐縮に感じておるところでございます。

松原委員 きょうは時間がないので、ここを余り突っ込んだ議論をするということにはなりませんが、八月で、今三月ですよね。半年以上というのは、先ほどの国連決議の二千九十四も含めてですが、やはりこういった制裁的なものはスピード感というのが大事なんですよ。

 今後も、こういった案件はどうしてもこれぐらいの日数がかかるということですか。ちょっとお伺いしたい。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 今後どのような案件が発生するか、具体的な中身によりけりと存じまして、我々といたしましては、その法律の該当要件を満たしているかどうかということにつきましてはこれからも慎重に検査してまいりますが、先生御指摘のとおり、当然、なるべく早く検査を済ませるということに努力してまいりたいと思います。

松原委員 これは太田大臣の所管になるのかどうかわかりませんが、こういったものもやはりスピード感を持ってやらないと、一方においては時間との闘いの拉致被害者御家族がいるという中で、法のさまざまな整備も、こういった調査、審査にしても、それは間違っちゃいけませんよ、しかし、半年、七カ月というのでは、これは制裁の効果そのものを疑われることにもなりかねないので、こういったものに内閣としてスピード感を持って取り組むということを、内閣の一員である太田大臣、この場でおっしゃっていただきたい。

太田国務大臣 昨年の八月二十三日ということからいきまして、これは、大変時間がかかり過ぎだというふうに思います。

 これは税関の方になって、私の直接ではありませんけれども、内閣としてこうしたことには敏感に対応して、それはしっかり調べることは調べなくてはいけませんが、こうしたことでも、迅速に事態を明確にしていくということ自体が、実は北朝鮮に対しての我々の姿勢を示す大事な点だというふうに思っています。

松原委員 それから、ちょっと話題が広がりますが、やはり拉致被害者御家族の中には、拉致を理由とした制裁というものが今まで発動されていなかったことに対して、拉致、核、ミサイルといいながら、拉致に対しての比重が小さいのではないか、こういった思いもあるわけであります。

 過去、拉致というものを理由にした制裁が行われなかったことに関してどのように考えるか、お伺いしたい。

海部政府参考人 お答えいたします。

 松原先生御案内のとおり、我が国としていかなる北朝鮮措置をとるかにつきまして、拉致、核、ミサイルといった諸懸案に対する北朝鮮の対応や、六者会合、国連安保理等における国際社会の動きを踏まえ、総合的に判断することを基本方針としてきております。

 そのような判断を行う際に、政府としては、北朝鮮が拉致問題について何ら誠実ある対応を見せてきていないということを、当然のことながら考慮に入れているわけでございます。その意味で、拉致問題並びに右に関する北朝鮮側の対応は、我が国が北朝鮮措置のあり方を判断するに当たって、従来から考慮に入れてきておる一つの極めて重要な要素であるというふうに位置づけております。

 この問題が解決されるまでの間、今後とも、そのような位置づけであるということについては変わりはございませんということを申し上げたいと思います。

松原委員 時間がなくなりましたから終わりますが、やはり、拉致を原因にしてやったということはかつてなかった。もちろん、理由に常に入れています。しかし、それは、ミサイル、核のときに制裁強化が行われている。この事実を踏まえたときに、北朝鮮に対して拉致を理由にした明快な制裁が行われないこと自体が、彼らに対して、日本政府は拉致問題に対して本気で解決しようとしているというメッセージを十分に伝えていないのではないか、こんな危惧すら持っております。

 このことを指摘して、私の質問を終わります。

金子委員長 次に、大西英男君。

大西(英)委員 自民党の大西英男でございます。

 私は、初めて国会での質問の場に立たせていただきました。顧みますと、六年前に参議院選挙に落ちて、さらに、三年ほど前の衆議院選挙の東京ブロックでも落選をして、三度目、六年ぶりに国会を踏ませていただいたわけでございまして、感無量でございます。初質問の機会をお与えいただいた諸先輩の御好意に心から感謝を申し上げて、質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど来から、北朝鮮問題についてのさまざまな角度からの質問がありました。これは、地球上にこんな無謀な国家が存在しているのかと、私どもも本当に心配でならない、そんな思いが募る昨今でございます。

 御承知のように、今、アメリカに対する核攻撃を呼号したり、日本に対する核攻撃さえ行うなんというような脅迫を続けているこの北朝鮮という国、これは、私たちは、日本の平和と安全、国際の平和と安全のためにも、正常な普通の国家にあらゆる角度から指導していかなければならないと思っている一人でございます。

 しかし、これは、圧力、そして、さまざまな世界各国からの制裁が加われば加わるほど、今、北朝鮮の人民は塗炭の苦しみを受けている。これがさまざまな報道機関から、閉ざされた社会ですけれども、ひしひしと伝わってくるわけでございまして、過日の産経新聞のニュースでは、餓死者も出ている、しかも、人肉を食べている人民もいる。

 北朝鮮の大半の人民たちは、核開発や軍事優先の国家方針に基づいて、大変な犠牲を強いられた生活をしている。こういった状況の中で、私たちは、逆に北朝鮮に対する制裁を強めることは、この人民を救うためである、金体制を打倒するということは、多くの人民を救うためにあるべきであると私は考えている一人でございます。

 振り返ってみると、ソウル・オリンピックがありました。あのときに、さまざまな事件が起きたんですね。これは、北朝鮮が、韓国の繁栄を許しがたい、何としてもソウル・オリンピックを阻止しなければいけないということで、ラングーン事件を起こしました。信じられないことです。ビルマのラングーン、今はミャンマーのヤンゴンでございますけれども、ここへ全斗煥大統領を初め韓国政府要人が行った折に、爆弾でテロを行う。三十人近い人たちが亡くなりました。これを行った、その国際的な多くの批判があるにもかかわらず、さらにその後に、大韓航空爆破事件というような衝撃的な事件も起こされて、これは北朝鮮によって行われたことが、その後のあらゆる調査によってわかっているわけでございますし、それに対しても、それは捏造である、北朝鮮はあずかり知らない、金賢姫なんという女性は韓国が捏造したものであるなんということを平然と言ってのける。

 こういう国家が現に存在をし、さらに、今回審議の対象になっております特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法が平成十六年に、これは議員立法で成立したんですね。これには、こうした背景に基づいて、北朝鮮の、国家に対する平和と安全に対する危機、これを何としても抑止しなければならないという、そうした世論の背景があったと思います。

 残念だったのは、これが政府によってつくられたものではなくて、議員立法によって、先人たちはさまざまな努力をなさったようであります。これは、北朝鮮の船舶の入港の禁止、こういった北朝鮮を目的にした名称をつけるべきであるという論議も行われていたわけでありますし、さらには、もっと強力な禁止措置、あるいは強制力を持った法の実効措置が盛り込まれていたにもかかわらず、なかなかそれは当時の論議の中で成立しなかった。こうした先見性のある、日本の安心、安全、平和を守るために御努力をいただいた先人の御努力に対して、議会の先輩たちの御努力に対して、この際、心から敬意を表したいと思います。

 その後、平成十八年に北朝鮮は弾道ミサイルを発射いたしました。これによって、船舶の禁止措置が初めて講じられることになったんですね。その後、皆様も御承知のように、ミサイルは撃つ、あるいは核実験を三度において行う、こうした経緯の中から、八回にわたって制裁措置が講じられることになり、今回は九回目になるわけでございます。私たちは、そうした今日までの北朝鮮、一向に変わろうとしない凶暴な姿勢といいましょうか、無謀国家とも思える行為に対して、この法律、どのような効果があったのか。これは、経済的な効果もあるでしょう、政治的な効果もあるでしょう、さまざまな角度から、先ほどの質問にも一部お答えがありましたけれども、詳細についてまずお聞かせをいただきたいと思います。

北川政府参考人 お答え申し上げます。

 貿易の禁止措置につきましては、委員御指摘のとおり禁止措置としてございますが、今、詳細にという御指摘がございましたので、品目につきまして申し上げたいと思います。

 輸入に関します制裁、これは平成十八年から実施しておるところでございますので、その直前の平成十七年の輸出、輸入の主な品目を申し上げたいと思います。

 輸入につきましては、平成十七年、輸入総額約百五十億円ございました。このうち、魚介類が約四十億円、石炭が二十億円、果実、野菜が約十七億円というところが主なところでございました。一方、輸出につきましては、輸出総額、日本から七十億円ほどでございましたけれども、このうち、輸送用機械が約三十億円、電気機械、一般機械、合わせまして約十億円、それから繊維が約九億円、このような状況になってございました。

 以上でございます。

大西(英)委員 先ほどの鷲尾委員の論議の中で、こうした制裁措置が講じられた、それによって日朝の貿易額はゼロになった、しかし、その分は中国からどんどん物資が入っているじゃないか、あるいはロシアからもしかりだ、何の制裁効果も上がっていないではないかというような御指摘がありましたけれども、それは、私どもは考え方をともにするものではありません。

 日本の北朝鮮に対する明確な姿勢をこの措置によって明らかにしたわけでありまして、仮に今、中国やロシアからの貿易量が増大をしているといっても、今回の核実験に伴う、先ほど来から論議がありました二〇九四、国連安全保障理事会で採択をされた制裁措置にとっては、これは、中国が主体的にあるいは主導的にこの決議に加わったと報道によって伝えられています。ロシアも拒否権を使わずにこの制裁決議に賛成をした。

 これは、今後、さらに制裁措置が中国、ロシアからも行われ、北朝鮮は本当に厳しい状況に追い込まれていくのではないかと私どもは期待をしているわけでございまして、今後、この措置法を実施していくことはもちろん大事ですけれども、さらに、先ほどの論議ではありませんけれども、新たな国連決議を受けて、この法律の名称を変える、北朝鮮をきちっとつける、もっと厳しい制裁措置を講じる、あるいは期限を、限定的なものではなくて、五年、そしてさらにその後延長できるような、そうした厳しい法律にしていく。

 今後、こうした厳しい措置が必要ではないかと私は考えるわけでございますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

大須賀政府参考人 お答え申し上げます。

 北朝鮮に対する現行措置以上の制裁措置についてのお尋ねでございますけれども、国土交通省といたしましては、これまでにも、北朝鮮籍船の入港禁止措置以外にチャーター便の乗り入れ禁止、あるいは旅行者に対する渡航自粛要請等の措置もあわせて講じてきております。

 入港禁止措置の強化につきましては、先生御指摘の期間の延長や対象船舶の拡大が考えられますが、対象船舶を見直して北朝鮮籍船以外のものに拡大するということにつきましては、船舶の旗国を初め、第三国との関係に十分配慮する必要がございまして、国際社会からの理解が得られるか等について慎重な対応が必要かと考えております。

 いずれにいたしましても、北朝鮮へのさらなる制裁措置につきましては、拉致、核、ミサイルといった問題への対応状況を勘案しながら、政府全体で真剣に考えていく課題であると承知しております。

大西(英)委員 私ども、こうした北朝鮮という危険な国家がすぐ近くにあります。ますます北朝鮮は、みずからの国家利益、あるいは一部の指導体制を守るために暴力的な行為を拡大しようとしているわけでございまして、これは、日本の平和と安全にとってもゆゆしき問題であるし、アジア、あるいは世界の平和にとっても大きな脅威になりつつあるわけでございます。

 私は、こうした中で、ちょうど、この法が制定される当時、また法が運用されている当時に、公明党の代表として我が日本のかじ取りを担っておられた太田大臣が、この機会に国土交通大臣に御就任をいただいたというのは大変心強いことだと思います。今日までの政治の第一線で日本のリーダーとして御活躍をなさってきた太田大臣が、一政治家として、この北朝鮮問題に対して今後どのように対処をしていくべきか、そしてまた、その決意と信念に基づいて、国土交通大臣としてどのような施策を展開されていく御決意なのかをお伺いさせていただきたいと思います。

太田国務大臣 北朝鮮につきましては、六者会合とか日朝協議の合意事項、あるいは累次にわたる国連決議等に反しまして、昨年の十二月十二日にはミサイルを発射する、ことしに至って二月十二日には核実験を実施するということで、すぐ、政府としては安保会議等を開いて対応を協議するということになりましたが、三月の七日、日本時間は三月八日になりますけれども、国連で二〇九四というのが決議された。

 先生おっしゃるとおり、中国そしてロシア、これが入って決議をするということになりまして、国交省担当の貨物検査等につきましても、決議の中で義務化するという強い措置がとられることが二〇九四で決議をされたということは、極めて私は大事なことだというふうに思っています。

 拉致、ミサイル、核、これらについて、政府としてずっと包括的な解決ということを言ってまいりましたが、私は、対話と圧力の方針をしっかり、ここで二○九四の決議も踏まえてやっていかなくてはならない、こう思っています。

 また、これは私の答弁の範囲外になるかと思いますけれども、日米関係を強化するということは極めて重要である上に、北東アジアということを考えますと、日韓の関係、特に、日中関係の連携強化というものは極めて重要なことだというふうに思いまして、私の立場としては、国交大臣という現在の立場になっているわけでありますけれども、できることは何でもやり、日中関係というものが、しっかり連携がさらにとられるようにという外交努力というものも、極めて重要な課題だというふうに心得ているところでございます。

 また、国交省としては、制裁の強化ということについて、大西先生から今お話がありましたように、これを、拉致ということも踏まえて、しっかり制裁が強化されるように、政府全体として連携をとり合って、法令等も含めてしっかり対応ができるようにということに努めたい、このように思っているところです。

大西(英)委員 ありがとうございました。

 太田大臣には、国土交通大臣でもありますし、国務大臣としても、これから日本のかじ取りに大きな影響力をお持ちでございますし、ましてや、自公政権のかなめとして、今後とも、日本の平和と安全のために一層の御努力を心からお願い申し上げます。

 最後になりますけれども、この特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法、まだまだ不十分なところもあると思いますけれども、こうした長年にわたる努力が日本の抑止力として大きな役割を果たしてきたということについては、私どもも高く評価するものであります。関係各位、御努力を心からお願い申し上げますとともに、命がけで頑張っている海上保安庁を初め、現場の方々にも御努力に心から感謝と敬意を表して、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

金子委員長 次に、三宅博君。

三宅委員 日本維新の会の三宅博でございます。

 特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件につきまして、北朝鮮に対しまして制裁をより一層強めなければならないというふうな立場から質問いたします。

 第一条におきまして「この法律は、近年における我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全を維持するため、特定船舶の入港を禁止する措置について定めるものとする。」と記されております。

 そもそも北朝鮮船舶の全てを入港禁止にしなければならないほど大きな脅威を北朝鮮は日本に与えているわけでございますが、北朝鮮という国家の存在を、これは非常に基本的な認識なんですけれども、日本政府はどのように捉えているのでしょうか。

 並びに、拉致、核、ミサイルといった北朝鮮の行動が日本に及ぼす影響というものは、どれほど深刻な脅威であり、日本の平和と安全を維持することを阻害しているのでしょうか。

 そしてまた、基本的に北朝鮮の国家戦略と目的というものはいかなるものとお考えになっていらっしゃるのか。日本政府の基本的な御認識を大臣に聞かせていただきたいと思います。

金杉政府参考人 お答えいたします。

 先生御承知のとおり、北朝鮮は、昨年の四月それから十二月に弾道ミサイルを発射し、さらに、ことしの二月には三回目となる核実験を行いました。こうした北朝鮮によるウラン濃縮活動を含む核、ミサイル活動の継続というものは、東アジアそして国際社会全体の平和と安全に対する脅威であるということがまず一点指摘できるかと思います。

 また、我が国との関係では、先生御指摘のとおり、拉致問題がございます。我が国の国家主権そして国民の生命と安全にかかわる大きな問題であるというふうに考えております。

 日本の基本的な戦略としましては、アメリカ、韓国、そして中国、ロシアを初めとする関係国と緊密に連携をしながら、北朝鮮に対して、こうした諸懸案の解決に向けた具体的な対応をとるように引き続き強く求めていく。今回の措置も、こうした我が国の意思表明の一環であるというふうに考えております。

 以上でございます。

太田国務大臣 六者会合やあるいは日朝協議の合意事項、国連決議、もう再三にわたるそうしたことにもかかわらず、全くこれらを無視して、昨年の十二月十二日あるいはことしの二月十二日、核実験やミサイル等々を発射するという挑発行為を繰り返してきているということに対しては、私たちは断固としてこれを阻止するということで、国際的に協調して対処しなくてはならない、これが基本的な考え方であるとともに、我が国としては、拉致、ミサイル、核の諸懸案について、総合的に、包括的に対応するという基本姿勢をさらに貫いていくというのが我が国の姿勢だと私も共有して考えております。

三宅委員 今、大臣から非常に厳しい御認識をお聞かせいただいたんですけれども、しかしながら、この六カ国協議の中で周辺五カ国全てが北朝鮮の崩壊を望んでいない、基本的にはですよ、こういう部分を北朝鮮はよく認識しておりますので、言ってみれば、非常に開き直って、各五カ国の動きをなめてかかっているというふうな部分があるんじゃないかなというふうに思います。

 今からいろいろと、時間の制約のある中でお話ししたいことが山ほどありますので、ちょっと早口になりますけれども、お聞きいただきたいと思います。

 私自身は、北朝鮮の究極の政治目的は朝鮮半島の赤化統一にあり、政治目的を達成するためには暴力を含むあらゆる手段を行使する、言ってみれば、目的のために手段を選ばないテロ国家であると断定しなければならないと思います。

 これは、今、自民党の大西委員の御質問にもありましたけれども、朝鮮戦争以降の重立ったテロ事件を挙げていきますと、一九六八年一月の青瓦台襲撃未遂事件があります。これは、当時の韓国の朴大統領暗殺を狙ったものであり、韓国軍の制服を着用した北朝鮮特殊部隊のテロ行為でございました。

 また、朴大統領に対しましては、一九七四年八月十五日、ソウルで開催されました光復節の祝賀行事でも朴大統領の暗殺を図り、その流れ弾によって、大統領夫人の陸英修夫人が射殺されました。これは文世光事件ですね。この事件に用いられた拳銃は、大阪市南区の高津派出所で盗まれました日本の警官の拳銃でございました。

 文世光に対する命令は、大阪の朝鮮総連の生野支部政治部長の金浩竜、キム・ホヨンによるものでしたが、彼はたしか逮捕も取り調べも受けていなかったというふうに存じます。しかも、このテロ事件は、最初には、万景峰号の船上におきまして、朝鮮労働党対外連絡部の工作指導員から指令を受けたものでございました。

 あるいはまた、今さっきの大西委員のお話にもございましたけれども、一九八八年に予定されていたソウル・オリンピックを阻止するために、一九八三年十月、ビルマのラングーンにおいてラングーン爆破テロ事件が実行されまして、ビルマ訪問中の韓国副首相あるいはまた外務部長官ら閣僚四名を含む十七名が爆殺された事件がございました。亡くなりましたのは全体で二十五名だったと思いますけれども、当時の全斗煥大統領は、到着が予定より二分ほどおくれまして、難を逃れました。もしもう少し後で爆破されておりましたら、全斗煥大統領も暗殺されていた可能性が高かったと思います。

 同じく、ソウル・オリンピックを阻止するために、一九八七年十一月二十九日に大韓航空機がインド洋上で爆破され、乗員乗客百十五名全員が死亡した大韓航空機爆破事件がございました。

 この事件は、日本人の蜂谷真一、真由美のパスポートを持つ北朝鮮工作員による爆破でございました。もし、青酸カリで自殺を図ったキム・ヒョンヒ、金賢姫、彼女が死んでいれば、後に残るのは東洋人の男女二人の遺体、そして日本人パスポートであったということなんですね。このことによって日本がこの事件に巻き込まれていた可能性が非常に高く、大きな外交問題に発展していたであろうというふうに思います。

 このように、北朝鮮国家によるテロ行為は、挙げていけば切りがないほどでございます。そしてまた、日本を巻き込んだ形でこういった行為をずっと続けてきたということ。そしてまた、日本に対しましては、長年にわたり、数百名の日本国民を、国家主権を侵害して、不法にも北朝鮮に連れていきました拉致事件、こういう許しがたい行為があり、いまだに大半の拉致被害者は、北朝鮮の地で、日本政府の救出の日を待ち続けております。

 このようなテロ国家に対しましては、我が国の平和及び安全を維持するために徹底的な制裁を科すべきであり、この法案のみならず、あらゆる方策を実施しなければならないと思います。北朝鮮に対して、特定船舶を含む、両国間におけるあらゆる人、物、金の動きを完全に遮断すべきであると思います。

 日朝間の人の出入りは、ほとんど正確に捕捉されておりません。また、再入国許可につきましても、極めて甘い運用がなされていると思います。人の動きに付随する現金の持ち出しも届け出制であり、正確には把握されていないということでございます。

 全体としては非常に甘いというふうな中で、第三国経由の日朝間の物品をもし把握されているのであれば、金額としてどの程度のものか、お答えいただきたいと思います。

金杉政府参考人 お答えいたします。

 北朝鮮の貿易のほぼ三分の二ぐらいは中国経由というふうに私ども承知しておりますけれども、先ほども別の政府委員からお答えがございましたが、中国側の発表によれば、二〇一〇年の対北朝鮮輸出額は約二十三億米ドル、二〇一一年が三十二億米ドル、そして二〇一二年が三十五億米ドルということで、年々増加しているというふうに承知しております。

 以上でございます。

三宅委員 日本からは人道援助の名のもとに米をだまし取り、その米のかなりの部分は、商社の仲介によって第三国に売られ、現金化されてまいりました。過去、百十八万トンでしたか、金額にしまして一千億以上の人道援助であったと思います。

 また、朝銀信用組合に対しましては、日本政府の公的資金導入による救済などによって多額の金が北朝鮮に奪われた。これは、前後するんですけれども、北朝鮮に送金されたおかげで朝銀が破綻しかけた、そのときに公的資金をもってこれを救済したということになるんですけれども、その資金をもとに核やミサイルの開発がされてきたのであります。まさに、日本の資金と技術及び部品によって、北朝鮮の核及びミサイル開発が実現できたのではないかというふうに思います。

 日本からは米をだまし取り、金を奪い、多くの国民を長期にわたり拉致してまいりました。翻って、北朝鮮から日本に入ってきておりますのは、覚醒剤、にせドル、にせたばこなどであり、また、核、ミサイルといった大量破壊兵器の照準が日本に向けられているのです。このような許しがたい行為が、長年にわたり日本に対し続けられてきたのであります。

 これは、言ってみれば、非常に漫画みたいな話なんですね。日本の金あるいは技術あるいは部品といったものを、人道援助のもとに、米なんかもそうなんですけれども、北朝鮮に送ってきた。それが日本に対して、やいばとなって返ってきているというような形で、非常に皮肉なといいますか、言ってみれば、恩をあだで返すようなことを彼らはずっとし続けてきたわけなんですね。

 今申し上げました両国間の関係と基本的な構図に対して、いかなる御感想をお持ちか。過去の日朝間の関係の中にあって、結果はこういうふうな結果になってきた、これをどのように御認識なのか、ちょっと御感想をお聞かせいただきたいと思います。

金杉政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、日朝間には、拉致問題、あるいは国際社会全体との兼ね合いで核、ミサイルの問題もございます。さらには、御指摘のようなさまざまな治安事案というのもあることは事実でございます。特にその中でも拉致問題というものは、日本にとって、この問題解決なくして北朝鮮との国交正常化はあり得ないという問題でございます。

 安倍政権のもとでは、全ての拉致被害者の安全確保そして即時帰国、拉致に関する真相の究明、さらには拉致実行犯の引き渡しという三点について全力を尽くしてまいりますし、その他もろもろの案件についても、国際社会と連携をしながら、解決を目指していきたいと思っております。

 以上でございます。

太田国務大臣 一言だけ。

 厳しく対処をしなくちゃならぬ、こう思っています。

三宅委員 拉致事件につきましても、今、全力を挙げてと。口では何とでも言えるんですよ。しかしながら、やってこられたことは、果たして言葉どおりのことと額面どおりに受け取れるかというと、決して私は受け取れないというふうに思いますね。口では、やるべきことを全てやっていますというふうに言いますけれども、非常に、これはアリバイ工作に近いような部分もあるんじゃないかなというふうに私は印象を持っております。

 次に、平成十三年に九州南西海域工作船事件がございました。これは鹿児島県の奄美大島沖の東シナ海であったものですね。日本の海上保安庁の船に対して銃撃をするとともにロケット砲を発射したりしましたが、最近、これに類似するような不審船の動き、こういったものがあるかどうかをお聞かせいただきたいと思います。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 海上保安庁では、これまで二十一隻の不審船を確認しております。お尋ねの、平成十三年の十二月の九州南西沖工作船事件以降の不審船は、確認をしておりません。

三宅委員 今この場で審議されております特定船舶の入港禁止を、現場においてその任務に当たっているのは海上保安官であり、そしてまた国土交通省海事局のPSC、ポートステートコントロールでございますが、日本の領土、領海、国益を守るために、非常に危険で重要な任務を真面目に遂行する職員に対して、どのような評価をなされているかをお聞きしたいと存じます。

 平成二十二年九月に起きました、中国漁船の海上保安庁の船に対する体当たり事件がございましたが、当時の民主党政権は、このビデオをなぜか公開しませんでした。そのような中で、中国は、アメリカのニューヨーク・タイムズ等で、中国の貧しい漁船が生活のために操業している、それを日本の海上保安庁の船に体当たりをされて操業を邪魔されているといったような、とんでもないうそをついてきたわけなんですね。

 しかも、そのプロパガンダが世界じゅうに広がろうとしたときに、義憤に駆られ、職を賭して日本の国益を守ろうとした海上保安庁職員、一色正春さんによりますビデオの流出がございました。このことによって、真実というものが世界じゅうに広まり、日本国民も知ることができたわけなんですね。

 これに対し、時の民主党政府は、海上保安庁に圧力をかけたのかどうかわかりませんけれども、海上保安庁をして警視庁と東京地検に対し、被疑者不詳で告発をさせました。その結果、一色正春さんは、神戸の第五管区海上保安本部において一週間缶詰にされ、警視庁と東京地検の取り調べを受けました。その後、海上保安本部を出てからも、四十日間にわたる連日の取り調べを受けさせられました。通算しますと、十一月十日から十二月二十六日までの約二百時間にわたり、犯罪行為の有無を厳しく取り調べられたのです。最終的に、一色正春さんは、職場の仲間に迷惑をかけたということで依願退職をされました。

 しかしながら、このとうとい行為によって守られた日本の国益というものは、お金に換算したら天文学的な数字になるんじゃないかなと。換算できないほどの大きなものであったと思います。

 本来国益を守るべき日本政府が中国におもねり、日本の国益を大きく毀損し、逆に、日本の国益を守った公務員が職場を辞さなければならないという今の日本の状況というのは、非常に倒錯していると言わざるを得ないと思います。

 果たして、日本の国のために、全体の奉仕者たる公務員として、正義仁愛を標榜する海上保安庁の精神を胸に秘め、精いっぱい職務遂行及び国益追求した海上保安官に対し、国土交通省はどのような評価をしているのでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。

 この一色さんの行為に対する評価がない中では、現場の海上保安官やその他の公務員が、日本の国益を守ろうとする職務上の使命感が維持できなくなるというふうに思います。一色正春さんのかかる行為とこれらの点について、率直な評価をお聞かせいただきたいと思います。

太田国務大臣 海上保安庁が大変現場で苦労しているということを、委員から大変御理解いただいているというふうに思います。

 確かに、私もこういう立場になりまして、第二管区であれば、三月十一日以降、去年一年間もそうですが、十一日の日には海の中に潜って行方不明者を、なお今も捜索をしたりというような状況をほとんどの方が知らない中でやってくださっています。

 尖閣も、昨年の九月十一日以来、大変中国公船が領海の中に入ってくるということがありまして、昼夜分かたずという言葉がありますけれども、本当にそうしたことで努力をしていただいていますし、また、きょう審議いただいている北朝鮮籍船の確認や入港を阻止するということの警告を発するさまざまなことについて、しっかりやっていただいているというふうに、私は、そのことを本当に世の中の人に知っていただきたいなという思いでいっぱいです。

 あわせてまた、こうした尖閣等の警備等についてだけでなくて、本当に、海上保安庁の人たちがやっていることについて、もっと私としても応援をしていかなくちゃいけない、こういうふうに思っているところです。

 そして、今、警備体制を強化するということについても予算化をして、特に、船を増強するという以上に大事なのは人なんですね。人を大事にしてふやしていくということで、育てるということも含めて大事なことだというふうに思っているところです。

 ただ、先生おっしゃった当時の事案については、政治的な動きについては私は論評を避けたいと思いますけれども、海上保安庁は、領海警備や事件捜査などについて、秘匿性というものは極めて重要なことで、高い情報を持っていることを秘匿するということが私たちにとりましては極めて大事なことで、守秘義務に違反してはならないということもまた極めて重要なことだというふうに私は認識をしています。

 このために、元海上保安官の当時における行為は、守秘義務違反ということはもちろんのこと、海上保安庁というものの信頼という点においては、政治的ないろいろな動きは、当時、どういう気持ちかということはあったにしろ、海上保安庁に対する国民の信頼を損なう行為であったというふうに私は思っておりまして、海上保安庁の業務に悪影響を与えたという認識をしておりまして、許されない行為であるという認識を私自身はしているところでございます。

三宅委員 どうもありがとうございました。

 前半の大臣の御答弁、これは現場の海上保安官なんかは、本当に御理解を得て勇気が湧いてくるようなお話であったと思います。

 後半の、さっきの、一色さんの行為に対して守秘義務どうこうというふうなお話をされましたけれども、確かに、公務員として知り得た秘密というものは公開してはならない、それはもちろん法律もありますけれども、何よりもやはり国益という観点が最大のものであろうと思うんですね。

 このときに、先ほども申しましたように、中国は、プロパガンダ、うそをついてずっとそれを世界じゅうに広めようとしていた、そのことによって日本の国益が非常に大きく阻害され、毀損されようとしていたんですね。これに対して一色さんは、義憤に駆られてこのビデオの公開をされた。言ってみれば、彼はやはり公務員として、全体の奉仕者として国益を最優先に行動されたんじゃないかなと。彼自身も奥様や小さなお子さんお二人があって、なおかつ職を賭してまでこのような行為に駆られたという強い切迫感というものがあったんじゃないかなというふうに思います。その辺のところは、大臣もある程度は御理解はされていると思いますが、立場上、お話をできないというふうに理解をしております。

 さかのぼって、もう一度、拉致の方にお話をちょっと戻していきたいと思いますが、拉致事件につきましては、これは平成九年の予算委員会におきまして、当時、西村眞悟さんが横田めぐみさんの名前を出されまして、拉致事件の存在というものを世に出されたわけなんですね。

 ところが、それをさかのぼること九年前に、昭和六十三年に、共産党の橋本敦さんという参議院議員がいらっしゃいまして、この方が国会の方で連続アベックの拉致事件、こういったものを例に挙げて、これはどこのしわざかというふうなことをおっしゃったんですね。そのとき、たまたま国家公安委員長でありましたのが、梶山副大臣のお父様の梶山静六国家公安委員長が、これは北朝鮮という国名を出してやられたんですね。

 ところが、昭和六十三年にこうして表に出たにもかかわらず、その後ずっと鎮静化してしまったんです。共産党も、これは橋本さんの秘書の兵本達吉さんという方がいらっしゃったんですけれども、彼が非常に熱心にこの問題に取り組んでこられた。ところが、最終的にはその兵本達吉さんという秘書の方は共産党を除名されてしまったんですね。

 そういうふうなこともあったということなんですけれども、言ってみれば、共産党も最初この問題に踏み込むのかなと思ったら、一挙に後ろへ引いてしまった。それ以降、どの政党もこの問題について正面から向き合ってこなかったということなんですね。そういった中で、数百名の日本人が北朝鮮に拉致をされたというふうなことになったと思います。

 私は、平成十五年に、特定失踪者問題調査会という特定失踪者の調査、救出活動をやっております団体、これは発足直後からずっと役員をしておりまして、我々が把握しております特定失踪者、これは全国で四百八十名。二百八十名の公開、それから二百名の非公開の方々がいらっしゃいまして、昨年の十二月に警察の方は八百六十八名というふうな事案を把握しているということを発表いたしました。こういった中で、いまだに日本政府は十三件十七名しかこれを認定していないんですね、十三件十七名。

 認定制度そのものも非常に欺瞞に満ちたもので、過去、日本政府の怠慢によって数百名の日本国民が拉致をされた、それに対して日本政府が認定とかあるいは非認定とか、お墨つきを与えるようなことで得意になっているといいますか、反対にこの認定制度そのものが、かえって拉致事件の解決というものを阻害しているんじゃないかなというふうに思います。特に昭和五十三年に鹿児島から拉致をされました市川修一、増元るみ子さん、この人らは、言ってみれば創価学会の青年部の方でございまして、そういった方もいらっしゃる。

 数百名の日本人の拉致が、日本政府が真剣に向き合わない中で、さっき外務省の方も全力を挙げてというふうに言っておりましたが、これは口先ばかりなんですよ。今の日本政府もそうなんですよ。言ってみれば、口先だけで国民に向けて拉致問題の解決、早期解決、私の内閣でこれはやるんだというふうにいつもおっしゃるんですね、内閣がかわるたびに。ところが、実際にやるべきことをほとんどやっていない、なすべきことが山ほどあるにもかかわらず、これに着手しようとしない。ここに政府の拉致問題に対する非常に大きな欺瞞性というものを私は感ずるわけでございます。

 北朝鮮に対しまして、より一層の制裁を強めて、北朝鮮をしてみずから拉致問題の解決を日本に対して働きかけてくるような今後一層の圧力をかけていただきまして、さっき松原先生もおっしゃっておりましたように、時間との闘い、これは、日本政府からすると、時間の経過をいたずらに待って、家族が一人一人亡くなるのを待っているというふうに私らは理解しているんですね。そのことによって鎮静化を図っているんじゃないかなというふうに思っておりますけれども……(発言する者あり)それは私の認識なんですから別にいいじゃないですか。だから、そういうふうに思っております。

 何としても拉致事件の解決に向けて、全力を挙げて、政府、与野党を挙げてやっていくようにお願い申し上げまして、質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

金子委員長 次に、杉本かずみ君。

杉本委員 みんなの党の杉本かずみであります。

 きょうは北朝鮮船舶入港禁止に関する承認案件ということでございます。

 まず冒頭、よく言われています対話と圧力という表現がございます。これは前の自民党政権の段階から、あるいは前民主党政権でも言われてきたことでありますが、直近、実は超党派で、昨年のゴールデンウイーク明けぐらいなんですが、ワシントンで、日米韓で五十年近く議員交流で情報交換の会を行っております。あちらのあの額にある大野功統代議士が団長で、私も末席で行かせていただいたことがあるのですが、その際に、アメリカからというか韓国からというか、どちらからとは申し上げませんが、写真を見せていただきました。

 北朝鮮国内の写真でありますが、直近の北朝鮮の平壌の情勢だということで、中に入られた機会のあった方が撮ってきた写真でございました。それをあえて申し上げさせていただきますと、平壌市内は、有名なドイツ車がたくさん走って、渋滞ぎみになっている風景が載っておりました。それから、イタリア料理のピザ屋さんができていて、すてきなお嬢さんが経営をしているという話のようなんですけれども、大変にぎわっているという写真を見せられました。そういったことが現実として起きているということを目の当たりにして、この対話と圧力ということも本当に深く考えていかなければならないというふうに私は認識をいたしました。

 一方で、昨年だったか一昨年だったか、第一書記の幼なじみの調理人の方が、第三国の中国を経由して北朝鮮に入るということがあったかと思いますが、その中で対話が進むのかなという期待がありましたけれども、その後、二度目の朝鮮半島への入国というのはなされていないやに感じております。

 ちょっと僣越ですが、翻って、鎖国していた国を思い出していただきたいのですが、アドリア海沿岸のアルバニアという国がその昔ございました。アルバニアは完全に鎖国状態でありましたが、周辺国から情報の伝達が、ラジオをただで入手できるような形にするとかもろもろあって、内部瓦解をして、ついにこの鎖国状態がなくなり、最終的にはアルバニアという国家がなくなったということを記憶しております。

 そんな意味から、時間がないという議論が先ほどから拉致問題でもありましたけれども、やはり対話と圧力の中で、北朝鮮の国内での内部の変化というものを十分我々は認識した上で、この北朝鮮の船舶の問題も当たっていかなければならないと、僣越ですが、私は思っております。

 そこで、きょうは、時間も余りありませんけれども、そもそも、この承認案件の定義づけ、それから実効性、そしてもう一点は、議論をしたいんですけれども、国会承認が形骸化してしまっているのではないでしょうかという投げかけをさせていただきたい。この三点を質疑させていただきたいと思います。

 まず初めに、これは梶山副大臣に御回答いただければと思いますけれども、改めて、新政権になられて、この承認案件の目的及び効果についてわかりやすくお聞かせいただきたく存じます。お願いします。

梶山副大臣 御質問ありがとうございます。

 政府といたしましては、北朝鮮籍船舶の入港禁止措置を講ずることによりまして、北朝鮮に対し、核、拉致、ミサイルといった諸懸案の解決に向けた具体的な行動を求めていくことが、我が国の平和及び安全の維持のために特に必要があると認めて、本措置を講じているところであります。

 また、本入港禁止措置は、北朝鮮との間の輸出入禁止措置等、これまで実施してきました各種措置と相まって、我が国と北朝鮮間の人、物、金の往来を相当程度縮小させてきており、北朝鮮の厳しい経済状況を踏まえれば、一定の効果を及ぼしているものだと思っております。

 委員から、平壌の状況、お話がありましたけれども、平壌のみならず北朝鮮全体の状況を踏まえて、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

杉本委員 御答弁どうもありがとうございます。改めて位置づけを確認させていただきました。

 次に、この承認案件の実効性についてお伺いしたいんです。

 そもそも今、サテライトの時代であり、GPSが盛んになり、我が国も衛星の打ち上げに成功したりといったことで、いわゆる物理的にいろいろと北朝鮮の情勢というのが宇宙空間から見てとれるやに感じております。

 そういうところから調べていただいているか、あるいは公安的な部分から調べていただいているかはわかりませんが、また、ちょっとこれは秘密会ではなくて公開の場ですので、答弁に限界があると思いますけれども、最近の北朝鮮国内への諸外国の船舶の往来状況はどのような形で把握しておられるか、開陳をいただきたく存じます。

金杉政府参考人 お答えいたします。

 先生からサテライトというようなお話もございましたけれども、北朝鮮が非常に閉鎖的な体制をしいているということから、その事情というのを正確に把握することは非常に難しゅうございます。

 ただ、先ほどもちょっと別な答弁で申し上げましたけれども、北朝鮮の貿易の三分の二ぐらいが、中国、そしてロシアとの間で行われている、それから陸も接しているということからすれば、北朝鮮との関係でいえば、特に中国、ロシアとの間で交通が比較的多く行われているというふうに認識しているところでございます。

杉本委員 ありがとうございます。

 次に、ちょっと船舶ということで考えさせていただきたいんです。

 実態上、北朝鮮の管理下にあるけれども、船籍は、きのうのNHKのニュースではありませんけれども、どちらかの国の船籍という形の便宜置籍船というものがあるかと思いますけれども、こういったものに対する入港禁止は措置できているのかどうか、確認させてください。

大須賀政府参考人 お答えを申し上げます。

 入港禁止措置の対象は、北朝鮮船籍の全ての船舶でございます。

 実態は北朝鮮管理下にあるが、船籍が第三国といういわゆる便宜置籍船は、入港禁止の対象にはなってございません。

杉本委員 ちょっと通告にはないんですけれども、きのうのニュースになった去年の八月の事案ですけれども、貨物検査特別措置法というのが効力を発揮した形で、国連の決議への連携という形になったかと思うんですけれども、こういった部分での実効性というのはいかがなのか。どなたか御答弁いただけますでしょうか。

太田国務大臣 昨年八月二十三日であったと思いますが、この事案につきましては、これは税関が対応するということで、現在、内容について詰めているということでございます。

杉本委員 通告がないのに、大臣、御答弁をありがとうございます。

 次に、船舶に限らず、ちょっと航空機についてもお伺いしたいんです。

 航空機のチャーター便の日本乗り入れというのを禁止しているやに伺っておりますけれども、航空機について、今申し上げた貨物検査特別措置法が該当していると思いますけれども、この事実関係を確認させていただきたく存じます。お願いいたします。

北村政府参考人 直接の担当ではございませんが、該当はしていないと思いますけれども、逆に、北朝鮮との間では、航空機の往来は今ずっと別に禁止をしておりますから、それで措置されているものだと思います。

 以上でございます。

杉本委員 質問の趣旨は、第三国経由ということで質問しているんですけれども、ちょっと御答弁、通告がなかったので、きょうのところはとどめさせていただきたく存じます。

 次に、国民的立場ということからまた質問させていただきたいんですが、今回の承認案件というのは、承認させていただいても本当に一カ月もつかもたないかで、また次の閣議決定があって承認という流れになるかと思うのですが、今度は、国会承認の形骸化ということについてお伺いしたく存じます。

 そもそも、今回の承認案件は、昨年四月に付議され、審議されないまま解散となって廃案となったということで聞いておりますが、この承認案件について、外交上、安全保障上、党派を超えて極めて重要であるという認識が必要であると思いますし、これは大変御無礼かもしれませんが、国権の最高機関である国会に対して、行政府はどういう御認識でこの承認案件をお持ちいただいているのか、確認をさせていただきたいと思います。

赤澤大臣政務官 事実関係については、今、杉本委員がおっしゃったとおりで、御案内のとおり、この特定船舶法五条一項において、入港禁止の決定または変更をした場合、その内容を直ちに告示をして、告示から二十日以内に国会に付議して、国会の承認を求めなければならないというのが法律の規定でございます。

 このため、昨年四月三日に入港禁止措置の延長を閣議決定し、その内容の告示は三日後の六日に行いました。それから二十日以内の四月十日に、延長措置の承認を求める件を国会に付議いたしましたが、御指摘のとおり、審議されないまま、十一月の衆議院解散により廃案になっているということで、政府としては、法令の求めに従ってしっかりと国会に付議をしたわけでありますけれども、国会の御判断で審議をされなかったというふうに理解をしております。

杉本委員 答弁ありがとうございます。

 せっかく政権交代というものがありまして、今後どういう形で政権が続いていくかはまだわからないわけでございますけれども、いずれにしても、こういった外交、安全保障上、共有される事案については、ぜひ、政争の具にしないでいただいて、まさしく早急に承認をするということが望ましいというふうに、大変僣越ですが、私は各会派の皆様にお願いを申し上げたく存じます。

 それで、あえて申し上げますけれども、安倍内閣の真骨頂のアベノミクス、十五カ月予算というお話がございまして、補正で公共事業をたくさん積み増されて、いわゆるフィスカルポリシー、マネタリーポリシー、プラス成長戦略、合わせて三本の矢ということになっているわけでありますし、一方で、二十五年度予算については財政制約をしっかり尊重するというような、二つの節を持ったような予算でございますけれども、いずれにしろ十五カ月予算ということで、実質十三カ月だったような気もいたしますが、そういった形をとられるにもかかわらず、また即刻……。その十三カ月、してもいいのではないかなという北朝鮮の情勢に今あると思っております。

 今までは六カ月ごとに、あるいは一年ごとにこの承認をしてきたわけでございますけれども、これだけいろいろな、核、ミサイル、そしていろいろな言動が目立つ北朝鮮国に対して、承認期間を十三カ月にして、その意思をむしろ明快にすべきであったかと思うんですけれども、なぜそういう措置をとられないのか。あるいは法的にそういう問題があるのか、あるいは何か慣行上そういう問題なのか。この点を行政府として御回答いただきたく存じます。お願いします。

金杉政府参考人 お答えいたします。

 今回の措置につきましては、昨年の四月に一年間の措置として決定をいたし、それを国会に付議をさせていただいたという事実関係は、先ほど御答弁のあったとおりでございます。

 先生御指摘のとおり、この措置の期間の長さにつきましては、いろいろな御意見がございますので、行政府の中でさらに検討させていただきたいと思っております。

 以上でございます。

杉本委員 恐縮なんですが、この条文を読みますと、第三条の三項に、「閣議決定後、前項各号に掲げる事項の変更の必要が生じたときは、閣議において、当該閣議決定の変更を決定することができる。」こう書いてございますが、まさしく、この変更すべきことであったのではないかと改めて申し上げたいのですが、答弁を改めて求めたく存じます。

金杉政府参考人 お答えいたします。

 昨年の四月に閣議決定をいたし、この法律のたてつけ上は、行政府としてこれを国会に付議することを義務づけられておりますので、行政府の役割として付議をさせていただいたということを御理解いただきたいと思います。

 以上でございます。

杉本委員 あと二つ質問できればと思います。

 ちょっと相前後するかもしれないんですが、別紙の七に「その他入港禁止の実施に関し必要な事項」ということで、なお書きで、「必要な人道上の配慮を行うとともに、法令の執行に支障を及ぼさないようにする。」こう書いてあります。

 両方とも大事なんですよという答えかとは思うんですけれども、このどちらに重きを置いてこの第七の項目があるのかを御指導いただきたいと思います。

梶山副大臣 本閣議決定における「必要な人道上の配慮」としましては、北朝鮮籍船舶の災害や事故等による、緊急に入港を必要とする場合を想定しております。

 一方、北朝鮮籍船舶に対して捜査を行う必要が生じた場合には、捜査上の観点から、本邦の港に入港させることも想定をされるため、本閣議決定においては「法令の執行に支障を及ぼさないようにする。」としております。

 今委員お尋ねの、いずれが大事かということでありますけれども、これらはいずれも入港禁止の実施に際して考慮すべき事項であり、相互に矛盾することではないことから、その双方を考慮し、入港を認めるかどうかを総合的に判断するものであります。

 なお、具体的な事例としまして、平成二十四年の十二月に、荒天下、非常に荒れた天候のもとで遭難していた、北朝鮮を出港した小型船を、「遭難又は人道上の配慮をする必要があることその他のやむを得ない特別の事情がある場合」に該当するものとして、境港に入港をさせた事例がございます。

杉本委員 次に、ノンプロリファレーション・トリーティー、核不拡散の条約でございますけれども、この理解として、よく言われる、もう亡くなられましたけれども、京都大学の高坂先生がよく言っておられたやに記憶しておりますけれども、いわゆる核保有国の優位性を堅持し続けたままのNPTというものの解釈を外務省さんがどうされて、そして国土交通省さんにどう伝わっているかということをちょっと確認させていただきたく存じます。

赤澤大臣政務官 御指摘の核兵器不拡散条約、NPTにつきましては、米、英、ロ、仏、中の五カ国を核兵器国と定めて、核兵器国以外への核兵器の拡散を防止する条約となっております。

 御指摘の、核保有国の優位性という点については、外務省から私どもは、核兵器不拡散条約、NPT上、核兵器国と非核兵器国という二つの範疇の国があるということは事実である、一方で、NPTは、非核兵器国が核兵器等を取得しないなどの義務を定めると同時に、核兵器国は核軍縮に向け誠実に交渉を行うことを約束する旨を規定しているとの説明を受けているところでございます。

杉本委員 御説明ありがとうございます。

 実際、核保有国は残念ながらふえていっているということで、このトリーティーの、条約の意味が本当にあるかどうかということも、我々はまた深く考えていかなければならないと思っています。

 あえて最後にもう一つ申し上げますが、先般、予算委員会集中審議で安倍総理に質問をさせていただきましたけれども、原子力発電所の警備の問題について、昨日ですか、政府・与党、自民党の政調会長が自衛隊法改正について触れられて、自衛隊による警備の必要性について言及されたかと思います。

 治安出動ということで、事後になって自衛隊が出ていっても、テロの人間に原子力発電所を占拠された後では手おくれでございますので、このことについても、各委員におかれましても御認識を深めていただければということをお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。

 以上であります。ありがとうございました。

金子委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 北朝鮮の核実験の強行は、核兵器のない平和な北東アジア、世界を求める国際世論への重大な挑戦です。核兵器、核計画放棄を求めた国連安保理決議に違反するものだと私は考えます。その意味で、唯一の被爆国の国民として断じて許すことのできない暴挙であり、私は厳しく糾弾したいと思っています。

 その立場から若干質問をいたします。

 北朝鮮が二月に強行した三回目の核実験に対し、国連安保理は、今月七日、制裁の追加、強化を盛り込んだ決議二〇九四号を全会一致で採択しました。この決議を主導したアメリカは、北朝鮮に相当な痛みを与える中身だと強調していますが、決議二〇九四号の主な特徴は何か、外務省、お答えいただきたいと思います。

松山副大臣 お答えをいたします。

 今回の安保理決議でございますが、北朝鮮による核実験が今までの累次の安保理決議違反であると非難をしまして、北朝鮮によるさらなる挑発行為を禁止しています。また、これまでの決議と比較をして、北朝鮮による核、ミサイル関連活動に関連する金、人、物の動きを強く規制する制裁が含まれています。

 我が国は、一貫して、安保理が断固たる対応をとるように、米国を初めとする関係国と緊密に連携をして、今回の決議の共同提案国というふうになっております。安保理が、このように強い内容の制裁を追加、強化する措置を決定したことを政府として歓迎し、高く評価をしております。

 北朝鮮が国際社会の強い警告と非難を真摯に受けとめて、今般の安保理決議を初めとする一連の安保理決議を誠実にかつ完全に実施して、さらなる核実験、発射を含む挑発行為を決して行わないように、改めて強く求めてまいります。

 また、我が国としても、国際社会が一層効果的に北朝鮮問題に対応していく観点から、米国、韓国、中国、ロシア等、関係国と引き続き緊密に連携強化をしてまいります。

穀田委員 強い措置ということで、歓迎するという旨が外務省からありましたけれども、改めて、国連安保理決議二〇九四号についての国交大臣の御意見を伺っておきたいと思います。

太田国務大臣 今般の安保理決議では、二月十二日の北朝鮮の核実験を安保理決議違反と認定して、これを非難するとともに、特に、人、金、物の流れの規制の強化や貨物検査の義務化等の追加的な制裁措置等の包括的かつ強い内容が含まれるものになりました。

 国連安保理において、このような北朝鮮の核実験を非難し、北朝鮮及び各国がとるべき措置の決定等を含めまして、全会一致で採択されたということは高く評価されるべきであるというふうに思っております。

 現在、今般の国連安保理決議二〇九四号への対応について、内閣官房、そして外務省、財務省等とよく連携して、政府全体として、法改正の要否も含めまして検討しているところであります。

 国交省としては、特に貨物検査の厳格な執行等、これらが大事だということで、これらについて具体的な措置の検討を急いでまいりたい、このように思っているところです。

穀田委員 私は、北朝鮮は、今回の国連安保理の全会一致で決議された内容、つまり、国際社会の総意をきちんと受けとめなきゃならぬと考えています。その点で、北朝鮮の軍事的挑発を抑えるには、北朝鮮に対して、国際社会からの孤立ではなく、累次にわたる国連安保理決議の義務の履行によって国際社会の総意を実行することが北朝鮮としても生きていく道なんだということを理解させなければならないと考えます。

 安保理決議二〇九四号の内容の問題ですが、今お話ありましたが、決議は、いずれの措置も国連憲章第七章四十一条に基づく非軍事で行うことを定めたということだと考えますが、外務省、それでよろしいですね。

松山副大臣 お答えいたします。

 安保理決議二〇九四号ですが、前文において、安保理が国連憲章第七章のもとに行動して、国連憲章第四十一条に基づく措置をとることが述べられています。国連憲章四十一条は、安全保障理事会が、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができる旨を定めています。

 よって、安保理決議二〇九四号の措置は、委員御指摘のとおり、国連憲章第四十一条に基づく兵力の使用を伴わない措置と位置づけられます。

穀田委員 私も、先ほど、外務省から決議の訳をようやく、五分ほど前にいただきましたけれども、その中に書いているんですが、三十三項に、「事態の平和的、外交的かつ政治的解決の約束を表明し、また、対話を通じた平和的かつ包括的な解決を容易に」する、こういうことを書いていまして、その前文のところでは、先ほどありましたように、一番最初の項目の中に、国連憲章第七章のもとで行動し、同憲章第四十一条に基づく措置をとって行うということを書かれています。ですから、そういうことなわけです。これは極めて重要でして、国際社会が北朝鮮のそういう挑発に対して、平和的、非軍事的措置で対応することを改めて明らかにしたものであります。

 これは私、一貫して言っているんですが、軍事に対して軍事で対応するというのは悪循環を生むだけで、国際社会の一致した対応を妨げるものだと考えるからであります。

 そこで、国連決議への対応についてお聞きしたいと思います。同決議二〇九四号に関連して世界各国はどのような対応をしているのか。特に、六カ国協議の関係国である韓国や中国の対応はどうなっているか、報告されたいと思います。

松山副大臣 お答えいたします。

 今般の決議の採択に対しまして、中国及び韓国ともに、これを支持する旨の反応を示していると承知をしています。

 中国については、例えば外交部報道官、安保理の北朝鮮による核実験に対する必要かつ適度な反応を支持する旨を発言しており、また、中国の国連常駐代表ですが、決議の完全な実施が重要であるという旨の発言をしております。

 韓国につきましても、例えば外交通商部スポークスマンが、今般の決議を全会一致で採択したことを歓迎、支持する、制裁の範囲と強度を一層強化したことを評価する旨の声明を発出しています。

 我が国として、国際社会が一層効果的に北朝鮮問題に対応していく観点から、今回の決議を踏まえて、中国、韓国を含めて関係国と引き続き緊密に連携をとり、協力をしていく考えでございます。

穀田委員 今、副大臣からありましたように、韓国と中国と、簡単に言えば、この二つの国と今我々いろいろなことでやっているわけですけれども、そういう、連携してやらなきゃならぬことが大事だということですね。

 そこで、北朝鮮のそういう挑発をやめさせるためには、対話のテーブルに着かせることが大事であります。北朝鮮を対話のテーブルに着かせようと思いますと、今お話があったように、国際社会が一致して、実効ある制裁をやっていくということですね。

 そうした制裁の強化というのは、制裁のための制裁ではなくて、国際社会が一旦到達した枠組みで北朝鮮が約束した内容、具体的に言えば、二〇〇五年の六カ国協議共同声明で北朝鮮は核兵器の放棄を合意しました。二〇〇二年の日朝平壌宣言、二〇〇〇年の南北共同声明など、これらの内容に復帰させ、先ほど三十三項を引用しましたけれども、問題を平和的、外交的に解決する立場に徹することが何よりも重要だと思いますが、その点をお伺いしたい。

松山副大臣 御指摘のとおり、我が国は、北朝鮮が累次の安保理決議、そして六者会合共同声明、また日朝平壌宣言等に基づく、みずからの国際的義務やコミットメントを誠実かつ完全に実施をすることが重要と考えています。

 我が国としては、関係国と連携をしながら、北朝鮮に対して、これらの国際的義務そしてコミットメントを誠実に、かつ完全に実施し、いかなる挑発行為も行わず、拉致問題の解決、非核化等に向けた具体的行動により、みずからの姿勢の根本的変化を示して、国際社会との関与を通じた前向きな対応をとる道を選択するよう求めてまいります。

穀田委員 私は、今お話ししましたが、北朝鮮自身が合意した内容の枠組みに戻すということが大事だと考えます。特に六カ国協議は、北東アジアの平和と安定に直接かかわる当事者が一堂に会する交渉の枠組みです。したがって、協議の再開、復帰を求めていく必要があると私は考えます。

 その点では、安保理決議の内容も、三十四項で「六者会合への支持を再確認し、その再開を要請し、すべての参加者に対して、朝鮮半島の検証可能な非核化を平和的な方法で達成し、かつ、」ということで呼びかけている。そういう点でも合致すると思うんですね。

 そこでもう一つ、私は、北朝鮮の核実験と核開発の正当化を許さないためにも、国際社会が本気になって核兵器のない世界をつくるための具体的な行動に出ることが必要かと思いますが、その点での国交大臣の御所見を承りたい。

太田国務大臣 国交大臣という立場を超えた話になるかと思いますが、全くおっしゃるとおり、核兵器のない世界ということの方向にしっかり歩みをしていくことが大事だというふうに思っています。

 北朝鮮が、穀田先生おっしゃるように、平壌宣言、あるいはまた二〇〇五年の六カ国協議、そうしたことで約束をして、また枠組みがあるというところ、そして、それを踏まえて、今回の二〇九四の中には、そうした連携をしっかりとるように、国際社会が一致して対応するということを言っていますから、その枠組みを本当に大事にしながら、そこを再構築していくという中でこの問題に対処していくということが、私は極めて重要なことだというふうに思っています。

 核兵器のない世界ということについては、これまでNPTあるいはCTBT、さまざまな取り決めがありますけれども、それらの、世界が一致して取り組もうということをもう一段と大事にして、枠組みを再構築しながら対処していくということに前進を果たすことが大事だというふうに認識をしています。

穀田委員 私は、今、北朝鮮が、何度か核実験をやることによって、核保有国であることの既成事実化を図ろうとしているんだと思うんですね。そこの最大の理論づけ、彼らがどんな理論で言っているかというと、核兵器は抑止力だ、こういう考え方なんですね。結局、核抑止力論ということを展開しています。私は、これは絶対に許されない態度だと思っています。私たちは、どんな国であれ、新しい核保有国になるのは反対であります。

 ここで考えなければならないのは、今述べた、国際社会が本気になって核兵器のない世界に向かっていくための具体的な行動に出る必要がある。今、大臣は、もう一段とということで、さまざまな取り組みをさらに進める必要があるということをおおむねおっしゃいました。その意味で、私は、国際社会が核兵器のない世界、その実現のための全面的な核兵器禁止条約、NWC交渉を開始するということが必要じゃないかと考えます。

 北朝鮮の核実験を受けて、被爆者団体は政府に申し入れを行っています。一つは、北朝鮮が直ちに核兵器の開発、核実験計画を放棄すること、二つに、全ての核保有国が核兵器禁止条約の交渉に積極的な役割を果たすこと、三つ目に、日本政府が被爆国として同条約の交渉開始へイニシアチブを発揮すること、この三つを要請しています。

 私は、今、日本が唯一の被爆国として、その被爆者の方々が、どうしても世界を、核兵器のない社会をつくっていこうということの切なる訴えがここに示されているんだと思うんです。したがって、以上の提起を真正面から受けとめて被爆国の政府としての役割を発揮するよう求めて、質問を終わります。

金子委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

金子委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金子委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

金子委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五分散会


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