衆議院

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第13号 平成25年5月22日(水曜日)

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平成二十五年五月二十二日(水曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 金子 恭之君

   理事 大塚 高司君 理事 土井  亨君

   理事 西村 明宏君 理事 松本 文明君

   理事 望月 義夫君 理事 三日月大造君

   理事 井上 英孝君 理事 高木 陽介君

      赤澤 亮正君    井林 辰憲君

      石川 昭政君    岩田 和親君

      大西 英男君    勝俣 孝明君

      門  博文君    後藤田正純君

      國場幸之助君    斎藤 洋明君

      坂井  学君    桜井  宏君

      白須賀貴樹君    中村 裕之君

      長坂 康正君    林  幹雄君

      原田 憲治君    平口  洋君

      ふくだ峰之君    前田 一男君

      宮澤 博行君    務台 俊介君

      若宮 健嗣君    泉  健太君

      大畠 章宏君    寺島 義幸君

      若井 康彦君    上野ひろし君

      坂元 大輔君    西岡  新君

      三宅  博君    佐藤 茂樹君

      樋口 尚也君    柿沢 未途君

      杉本かずみ君    穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣      梶山 弘志君

   国土交通副大臣      鶴保 庸介君

   国土交通大臣政務官    赤澤 亮正君

   国土交通大臣政務官    松下 新平君

   国土交通大臣政務官    坂井  学君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         佐々木 基君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  川本正一郎君

   国土交通委員会専門員   宮部  光君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十二日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     勝俣 孝明君

  國場幸之助君     石川 昭政君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     國場幸之助君

  勝俣 孝明君     秋本 真利君

    ―――――――――――――

五月二十一日

 民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案(内閣提出第四六号)

同月二十日

 一般乗用旅客自動車運送事業法の早期制定に関する請願(玉木雄一郎君紹介)(第六六三号)

 建設産業の再生に関する請願(穀田恵二君紹介)(第六六八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)

 民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案(内閣提出第四六号)


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     ――――◇―――――

金子委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省土地・建設産業局長佐々木基君及び都市局長川本正一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。寺島義幸君。

寺島委員 おはようございます。民主党の寺島義幸でございます。

 順次質問をさせていただきます。

 早速ですが、不動産投資市場は年々拡大を続けているわけでございます。不動産特定共同事業の実績は低いレベルにとどまっております。

 今回の法改正の背景として、不動産証券化事業において一般的に倒産隔離のために設置されるSPCが、業務管理者や資本金等の不動産特定事業に必要とされる要件を満たすことが困難であり、事実上、不動産特定共同事業法に基づく許可を得ることができないことが、不動産特定共同事業のスキームが利用されにくい理由と考えられているようであります。

 まず、今回の法改正により、不動産特定共同事業の実施に関してどのような効果が期待されるのか、お伺いをいたします。

 また、これまで、不動産特定共同事業において倒産隔離が図られていないために、事業者の経営破綻が投資家の債権回収に影響を与えてきた事例が実際あったのかどうか。あれば、その事例をお示しいただきたいと思います。

 そして、不動産投資市場全体に与える影響及び他のJ―REITやGK―TKスキーム等の不動産証券化のスキームへの影響について、どのような見込みを持っておられるのかということであります。

 特に、法改正によりまして、今後十年間で約五兆円の新たな投資が行われ、約八兆円の生産波及効果があり、約四十四万人の雇用誘発が見込まれているわけであります。その根拠はどこにあるのか、初めに、太田大臣にお伺いをいたします。

太田国務大臣 投資家から出資を受けまして、不動産取引を行って、その収益を投資家に分配する、こうした事業は、一九八七年、昭和六十二年ごろから行われていたようでありますが、平成三年ごろ、九一年になりますけれども、経営基盤の脆弱な事業者が倒産をしまして、投資家の資金が回収できないというような被害が多数発生いたしました。

 そのために、投資家の保護をするんだということで、平成六年に不動産特定共同事業法が制定をされまして、しっかりした事業者ということを制限するために許可制というものが導入されたのが、この不動産特定共同事業法でございます。

 しかし、その後の運用状況を見ますと、現行の仕組みでは、事業自体が優良であっても、ほかの事業にいろいろ手を出したりするということで倒産をしてしまうというようなことがありまして、倒産隔離ということをしていかなければならないのではないか、投資家からの資金をそうしたことから受けられない、投資家からは不安があるということがあります。

 そこで、それが大きな原因であってなかなか進まなかったわけですが、今回、個別の不動産の保有に特化したSPCをつくりまして、投資家からの資金を集めやすくなるようにという法改正をさせていただいたものでございます。

 このSPCにつきましては、許可を受けた不動産特定共同事業者に業務を委託する等の要件を満たすことを前提にしまして届け出にしたわけでありますけれども、これでかなり動いていくのではないかというふうに思っているところです。

 この法改正によりまして、約五兆円の新たな投資が行われ、全体的にはこの共同事業によりまして七兆円ぐらい、従来のものがそのままであったら二兆円、全体でいいますと、新しく五兆円ぐらいふえるという見込みを持っておりまして、そういう意味では五足す二の七兆円、そして、産業連関表によりますと、八兆円の生産波及効果と四十四万人の雇用誘発効果が見込まれる。また、地域の駅前を初めとして活性化というものが何とか図られるようにスタートが切れるのではないかというような期待を持っているところでございます。

佐々木政府参考人 まず、経営破綻の実例について御説明申し上げます。

 過去には、許可を受けました不動産特定共同事業者が民事再生手続を開始したという例がございます。平成十九年ごろでございましたが、これは、不動産特定事業本体というよりも、リゾート事業の失敗がその原因であった、そういうものでございました。

 それから、先ほど委員おっしゃいました経済効果の根拠でございますけれども、不動産証券化実績につきましては、リーマン・ショック前は八・九兆円の実績がございました。それが、リーマン・ショック後は二・三兆円ということになっております。

 したがいまして、これがリーマン・ショック前の水準に戻ったと仮定した場合に、今回の法改正による新たなスキームによる増額が大体五兆円というふうに考えております。これを産業連関表によって推計いたしますと、約八兆円の生産波及効果、約四十四万人の雇用誘発効果ということで推計したものでございます。

寺島委員 新たな投資が十年で五兆円、単年度で約五千億円ということであります。

 特例事業は公募されない私募ファンドでありまして、事業参加をプロの投資家に限定しているため、裾野の広い投資を見込むことは困難であると考えています。

 収益性の高い物件であれば、既に他の方法で、例えば、他の不動産証券化スキーム事業化がされたり、大手のディベロッパーなどが金融機関から融資を受けて調達をして事業化をしたりしていることがあるわけでありましょう。収益性のほとんど高くない不動産再生を中心とする特例事業に、思うように投資家の資金が集まらないことも逆に想定されるわけであります。この点について、政府はどのように考えておられますか。

 また、どの都市におけるこのようなプロジェクトといった事業化されそうな具体的なプロジェクトがおわかりであれば、お示しをいただきたいと思います。

 そして、創設される特例事業に対する不動産証券化に関与する事業者や投資家からの評価、期待感はどのようなものであるか、お聞かせをいただきたいと思います。

松下大臣政務官 お答えいたします。

 私からは、まず、思うように資金が集まらないということに対する考えですけれども、例えば、耐震性能を持たないなどの理由によりまして収益性が高くない不動産でありましても、駅前や中心市街地などの好立地に位置しているものであれば、まさに今回の改正法による仕組みを活用することによりまして、収益性の高い不動産に再生されることが期待されるところでございます。

 また、これまでも、長野県長野市や愛媛県松山市などの地方部におきまして、不動産証券化手法を活用いたしました地域活性化の事例がございまして、本改正スキームにより、このような地方の駅前や中心市街地などにおいて老朽不動産の再生を図る事業が促進されると考えております。

 以上です。

寺島委員 利便性の問題だろうというふうに思うわけであります。

 本改正案により創設される特例事業が建築物の耐震化や介護施設の整備等優良な不動産ストックの形成につながるものであるとすれば、積極的に事業化されることに対する国の支援策は重要であると思っています。そこで、具体的にどのような支援策を講じられようとしているのか。

 使い勝手のよい制度とするためには、ガイドライン、これをしっかりせないかぬと思うわけですが、きちんと定めて事業者や投資家に情報提供することが重要と考えるわけであります。どのような取り組みを想定しておられるのか。

 そして、官民ファンドを通じた出資など、民間投資の拡大に向けた支援が必要と考えられますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、この事業の積極的な活用を推進したいというふうに考えておりまして、そのために、ただいま御指摘ありましたように、法令等の解釈、運用を示したガイドラインを整備することでございますとか、あるいはその運用に係るQアンドA、いわゆる問答集、こういったものを作成しますとか、あるいはモデル約款の作成、こういったことによって、事業者団体とも協力しつつ、その普及に努めてまいりたいと考えております。

 また、新しい仕組みが普及しますように、特別目的会社、いわゆるSPCが不動産特定共同事業において取得する不動産につきまして、不動産流通税の軽減措置等も講じたところでございます。

 さらに、ファンドのお話がございましたけれども、平成二十四年度補正予算で耐震・環境性能にすぐれた建物を整備するためのファンド事業を創設いたしました。この事業と、それから今回の制度改正とは軌を一にするものでございますので、不動産特定共同事業法の新しい仕組みの活用について、このファンドの活用ということも十分考えていきたいと思っております。

寺島委員 今度の改正により、地方の中心部のビルや商業施設などをSPCが取得して、耐震の違反建築物や老朽施設の再生を事業化することによる都市機能の更新への民間資金の導入というのは、地域の活性に大いに役立つものと考えています。

 政府は、どのようにこれを評価しているんでしょうか。

 また、特例事業において、地方公共団体、地域の金融機関、地域再生ファンドなどについて、どのような役割を果たすことが可能と考えておられるのか伺います。

 また、地方の再生案件は、地域のNPOや住民などがプロジェクトに関与することが期待されるところであります。本改正案の特例事業において、事業参加者はプロの投資家に限定されているわけであります。地域のNPO、まちづくりファンド、あるいはまた住民などの一般投資家向けのスキームも検討されるべきではないかと考えるわけでありますが、どのようなお考えがおありになるのか伺います。

松下大臣政務官 では、お答えいたします。

 私からは地域の活力につきましてお答えいたします。

 我が国の不動産は、成熟社会を迎える中で、老朽化、遊休化が進行しておりまして、これら不動産の再生への民間資金の導入促進を通じて、地域経済の活性化や資産デフレからの脱却を図ることが期待されてございます。

 委員御指摘ございましたとおり、今回の法改正は、地方の駅前や中心市街地などの老朽、遊休不動産の再生を図る事業の促進を図ろうとするものでありまして、今後、民間事業者等に対して制度の普及啓発に努めてまいりたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 今回の法改正によりまして、実際に事業を実施する者は誰になるかということでございますけれども、現在、特別目的会社へ出資することができるプロ投資家の範囲につきまして検討しているところでございまして、今後、省令で定めていくということになるわけでございますけれども、地域経済の発展のために、地方公共団体でございますとか地方銀行等の地域の自主的な出資を集めて設立される、いわゆる地域経済活性化ファンド、こういったものにつきましても対象となるように検討してまいりたいと考えております。

 今御指摘のありましたNPOあるいは住民の関与ということでございますけれども、確かに、地方の再生事業におきましては、NPOや住民というものが大きな役割を果たしているということは事実でございます。

 ただ一方、今回の仕組みにおきましては、特にリスクの判断の難しい耐震改修、建てかえといったもの、あるいは開発事業、こういったものにこの制度が活用されるということが想定されますものですから、一般投資家にとりましては、その投資判断というのはちょっと難しいのではないかというふうに思っておりまして、そういう趣旨でプロ投資家に限定をしているということでございます。

寺島委員 ちょっと考え方を変えるというか、地産地消ではありませんけれども、中央のプロのディベロッパーが来てやると、確かにスピーディーに運んで目標値も達成されやすいんでしょうけれども、一方では、利益は中央に持って帰られて、地方は不動産の材料を出すだけということで、地域の活性化にはなかなかつながりにくいのではないかというふうに疑問を持つわけであります。

 やはり地方では、やる気のある人が多いんですけれども、なかなかノウハウが、そういうことを言っちゃいかぬのかもしれないけれども、余りない部分があろうと思うわけですね。そうしたところに行政がしっかり支援するということが大事なことではないかというふうに指摘をしておきたいと思います。

 次に、特例事業が地方の老朽化建築物や違反建築物を対象とすることも考えると、先ほど言ったように、ある程度のノウハウや専門的知識を有する人材が求められていると思います。

 ノウハウの蓄積や人材の育成、確保について、政府はどのように支援していくおつもりなんでしょうか。

松下大臣政務官 お答えいたします。

 人材育成の観点は大変重要だと考えております。本法案により創設されます仕組みを積極的に活用するため、制度の普及啓発とともに、不動産証券化手法に精通した人材の育成、活用が必要不可欠であると考えております。

 人材の育成、活用につきましては、例えば、不動産証券化にノウハウを有する人材を交えて不動産再生事業に関するケーススタディーを実施するなどにより取り組んでまいりたいと考えております。

 また、制度の普及啓発につきましては、例えば、地方整備局の活用や関係団体の協力によって広報に努めるなど、効果的な方法で進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

寺島委員 太田大臣、この事業推進というのは、一方では国家の安心、安全にもつながってくることだろうというふうに私は思っています。

 都市部であるとか、地方でも大きな都市の商店街等は進むのでありましょうけれども、利益の見込めないような地域ではなかなか進みにくい部分もあろうと思うわけです。特に、地方のノウハウを蓄積されていないような部分において、なかなか進みにくいというふうに思うわけです。

 しかし、それでは国土の均衡ある発展ということにはつながらないわけでありまして、そうした弱いところに行政としてしっかり支援をしていく、これがやはり一方では大切なことではないのか、そのことによって国土全体の安心や安全を確保していくということにつながってくるのではないかと思うわけでありますが、御所見があればお聞かせをいただきたいと思います。

太田国務大臣 私も全く同じ考えです。

 それで、先ほど、中央の大手ディベロッパーが入っていって全部持っていってしまうんじゃないかというお話がありました。

 東京のそうしたことでは、いわゆるJ―REITや、そうしたことについて大手が手がける。ところが、ここはもう、例えば、イメージ的には、地方の第二ぐらいの駅前というのはもう大変な疲弊した状況であって、そこに入っていた店がばっと出てしまって、老朽化もしているし、入る予定もないというようなところを、地域活性化ということ、耐震、老朽化対策ということを施し、そして地域の駅前を初めとする大きなところの活性化を図る。あわせて、むしろ行政がそこをバックアップしながら、地域の銀行等がそこに出資をして、みんなで駅前を初めとするそういうところを立ち直らせていくという中で、若干の収益が投資家にも得られる、こういうことだと思うんですね。

 ですから、バラ色みたいなことというよりは、何とかそういう方向に手が打てないか。ですから、ディベロッパーも、私は、地元の中小のディベロッパーが一緒に入っていただいて、行政と地域の銀行等と地域の中小ディベロッパーが入っていただいて、SPCをつくって、投資が行われて、耐震化が図られてというような、かなりそこに狙いが定められたものだというふうに思っています。

 そういう意味では、耐震改修促進法、先般もここで審議をしていただいたわけですが、そういうこともあわせて、不動産の再生に適した不動産証券化の一つのスキームとして導入する、非常に大事な役割を果たすべきものだというふうに思っておりまして、何とかこの後、法律が成立をさせていただいた後、具体的にどういうふうにそれを組んでいくかというところにも政府としては関与していかなくてはいけない、こういうふうに思っているところです。

寺島委員 ありがとうございます。

 できるだけ地元のことは地元でできるようなきめ細かな支援をどうぞよろしくお願いします。

 時間がありませんのでやめますけれども、先般の本委員会で審査しました耐震改修促進法の改正、先ほど大臣がお話しのとおりでありまして、条件不利、不特定多数の行く学校とか老人ホーム、こういうのもあるわけですけれども、なかなか旅館なんかは建てかえにくい。耐震がだめだと言われて公表されても、風評被害につながってなかなか大変だ。そういう皆さんのためにも、このケースは非常にいいのではないかというふうに思っています。

 そうした観点からも、この法改正がなされて、本当に都市も地方も含めて再生がされることによって、国家の、国土の均衡ある発展が図られるように希望いたしますと同時に、千五百億から約五千億ぐらいの規模になるということであれば、相当の事業の皆様方が入ってこられるんであろう。中には非常識な業者もおられるわけでありましょう。そういうときにも、しっかりと金融機関や警察等と連携を図られまして、不利益をこうむる方ができるだけ少ないような御手配をお願い申し上げまして、残余の質問、大変時間がなくて失礼をいたしましたけれども、おわびを申し上げまして、終わります。

 ありがとうございました。

金子委員長 次に、若井康彦君。

若井委員 おはようございます。民主党の若井康彦でございます。

 本日は、この不動産特定共同事業法の改正について三十分ほど質疑の時間をいただきました。よろしくお願いいたします。

 まず、この改正SPCの事業の法案を読ませていただきましたときに、そのイメージが国民の皆様にしっかり伝わるようにというふうに最初に感じたわけですけれども、この事業自身、恐らく既に何らかのビジネスモデルがあるのではないかというふうに思います。私は、この法案から連想いたしましたことは、最近、全国各地で実現をしてきております古いホテルや旅館の再生を連想しました。

 全国を回っておりますと、なぜこの旅館が閉館をしなきゃいけないかというような事例によくぶつかるわけでございます。経営状況もそんなに悪くなさそうだし、特に問題もないんじゃないかというようなところが、いよいよ来月で閉館をいたしますのでよろしくお願いしますというような話によくぶつかります。お話を聞いておりますと、後継者もいないし、ここから新たに大げさな投資をして次につないでいくという展望が開けないから、そろそろ潮どきだということで閉めてしまう。

 しかし、全国的にそれなりに名の通った山奥の一軒宿みたいなところがそのようにして失われてしまうことは、私もその一人でありますけれども、多くの国民の皆様にとっても大変な損失じゃないかというふうに思うんです。

 そこで、こうしたホテルや旅館を再生しようというような方々、事業者も出てきているようでして、いつの間にか全く違う形でそれが再生をして、次に行ったときには、本当にえっと思うようなものになっているというケースがよくございます。

 もともとの経営者の皆さんが次の時代につなげないものをそのようにして生かしていくということは大変に意義のあることだと思いますし、私も、みずからはまことにかなわない希望ですが、お金とノウハウがあれば、本当にそういうふうにしたいというようなものを次の時代につなげていく、そんな世の中の必要といいますか需要が恐らくこうしたSPCの改正等の背景にあるんじゃないかなというふうに思っております。

 先般のリーマン・ショックで派手に倒産をしたというようなホテルもたくさんあるやに聞いておりますが、そうしたものも含めて、しっかり生かしていく、そういう一つのスキームとしてこの事業が生きていくことを期待する者の一人であります。

 私はそのように考えるものでありますけれども、この事業によって、例えばどんな事業を具体化しようと考えられているのか、その事例があれば、幾つか挙げていただければと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、我が国の不動産につきましては、老朽化とか遊休化が進行しておりまして、これに民間資金を導入いたしまして、地域経済の活性化や資産デフレからの脱却を図っていくということが大きな課題であろうというふうに思っております。

 まさに、本改正法案の狙いは、旧耐震基準の建築物の耐震改修でございますとか、あるいは環境性能を有したすぐれた不動産への建てかえ、あるいは老朽、低未利用不動産の高齢者向け施設への建てかえ、こういった老朽不動産を再生する事業を促進するということでございます。

 具体的な例でございますけれども、これは不動産特定共同事業の例ではございませんけれども、これまで、地方部におきましても、例えば長野県の長野市では、オフィスの跡地に店舗やマンションを建設する事業、こういうものが、これは資産流動化法に基づく特定目的会社方式で行われております。また、愛媛県の松山市では、地元商店街と協力いたしまして、立体駐車場ビルを建設する事業、こういったものも行われているところでございまして、本改正案が成立した暁には、必ずしも大規模な物件でないものについても、投資を呼びやすく、事業がしやすくなるということでございますので、老朽不動産の再生が促進されるものではないかと期待しているところでございます。

若井委員 先般成立をいたしました改正耐震改修の促進法、あの議論がありました折に、ある地方のホテルの経営者の方が、五千平米以上の営業面積を持っているものについてはこれを進めなければいけないけれども、資金がとてもめどが立たないというような議論がございました。

 私は、その議論をお聞きしながら、それぞれの施設についての状況について想像をめぐらしておったんです。旧の建築基準法で建ったホテルの中には、確かに一発でどんと五千平米以上の面積を構築したような施設もありますが、実は、行ってみますと、古い旅館が継ぎ足し継ぎ足しで、時代の要請に合わせて、例えばカラオケボックスをつくったとか、売店のところを増築したとか、そして全体とすると五千平米を超えたような、そういう施設も数多くあり、私は、だから、その五千平米という要件をクリアするのであれば、幾つかそれを外してしまえばいいんじゃないかとすら思ったわけでございます。

 いずれにしても、時代の要請に合わせて継ぎはぎをしてきたような施設というものを、もう一度、次の時代にふさわしいものに変えていくということであれば、新しいものをどんとつくるよりも、昔をもう一度よみがえらせるようなものにしていくとか、そうしたいろいろな工夫や知恵が必要だと思っております。そうしたものがこのSPC事業をうまく活用して、新しい開発をどんとするような事業手法は幾つもあるわけでございますが、うまく使っていただけるようになるということを期待するものであります。

 いずれにしても、大変に多くのストックを擁しております我が国でありますから、それをうまく生かしていくということ、あるいはスキームを変えることによって未来に生きていくというような、一言で言うと、要らないものを取り去っていきさえすればしっかり本物が残っていくんじゃないかというふうに考える者の一人であります。

 それについてはお答えは結構ですが、今度は少しざっくりした話を今の話との関連でお聞きをさせていただきたいと思います。

 話は飛びますけれども、先般、経済財政諮問会議が二十一世紀型の社会資本について論じておられて、その中で三つの原則を上げていらっしゃる。

 選択と集中の課題提起からこれを徹底的に実行すべき段階じゃないか、選択と集中を徹底実行すべきだということを第一の原則に。そして二番目は、新しくつくるということから賢く使うことへということをおっしゃっている。今、もうこれからはつくる時代じゃなくて使うことだということを言っていらっしゃるんです。それからもう一つは、経済成長や財政健全化の両立、短期的な需要創出ばかり力を入れるんじゃなくてそちらにシフトすべきだ。私、本当にもっともだと思います。

 この議論は、社会資本だけじゃなくて、我が国に今既に存在している民間の固有資産、建物あるいは住宅、そしていろいろな構築物、みんなそうですけれども、これら全てについて言えることだと思うんです。我が国の状況は今やそこにシフトしてきている。そういう膨大な資産の集積を、選択と集中の原則に基づいて、賢く使っていくことが必要じゃないかということだと思うんです。

 社会資本は税によって賄われていくわけですけれども、民間の膨大な資産集積、これを更新していくには、当然、それなりの民間の資金が活用されることが必要だということではないかと思うんですが、よく言われます、我が国の家計の金融資産が千五百兆円を超えている、これがうまく生きていないから経済が活性しないんだという議論がございます。

 さて、社会資本の方は全体で五百兆円ぐらいあるだろうと言われておりますけれども、これからの時代、正面から向き合っていかなきゃいけない古びていく膨大な民間の固定資産というのは大体どんな状況か、把握しておられれば、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと、私ども、建築物について調べてみたところでございます。

 昭和五十六年以前の旧耐震の建築物、これは住宅とかオフィスとか全部含めたものでございますけれども、これが、仮に耐用年数五十年で、二十年間で全てが順次更新されていく、こういうことを仮定いたしますと、単純計算でいいますと、年二十七・二兆円という非常に大きな額の潜在的な更新需要がある、こういう推計をしているところでございます。

若井委員 私もちょっと調べてみたんですが、内閣府が毎年発表している国民経済計算でありますと、有形の固定資産が千五百三兆円と、まさに、たまたま家計の資産と大体オーダーが合っているというのが、偶然なんでしょうけれども、例えば住宅と建物を合わせると四百八十九兆円ある、これも膨大な額になりますし、その他の構築物が二百十六兆円あるそうです。

 これらを、例えば五十年間ぐらいで更新をしていくとかなりの額になります。やはり、十数兆円必要になる。これをどこから調達するのかということが経済が回るとすれば大事な話ですけれども、一方で、先ほども申し上げたとおり、家計の金融資産の方がどうも動いてくれないんだという話になっているというのが今現状じゃないか。

 そうした中で、これからこのお金をどのように回していくかというスキームの一つとして、恐らく今回のSPCの改正等が位置づけられるんじゃないかというふうに思います。

 そのためのスキームとして、この十年ぐらい不動産の証券化の手法が導入をされてきたんだと思いますけれども、先ほどの金額のオーダーに対して、現在、これまで不動産の証券化というのがどの程度寄与してきたのか、ちょっとそのボリューム感について教えていただければと思いますが、いかがでしょう。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 不動産証券化市場の規模についてでございますけれども、我が国におきます不動産証券化市場は、リーマン・ショック前の平成十九年度には、年間の不動産証券化実績が約八・九兆円ということで最高を記録していたわけでございますけれども、その後、そのリーマン・ショックによりまして、投資家が投資を一斉に控えたということがございまして、平成二十一年度には、年間の不動産証券化実績が約一・八兆円ということで激減いたしました。

 その後、平成二十二年度に約二・二兆円、平成二十三年度に約二・三兆円ということで、少しずつ回復が進んできております。平成二十四年度につきましては、J―REIT市場に新たに六銘柄が上場する、こういったこともございまして、回復傾向がより鮮明になってきたのではないかというふうに考えているところでございます。

若井委員 そういう意味で、リーマン・ショックはありましたけれども、それなりに順調に証券化の市場は拡大をしてきている、その分野で資金の調達がかなりできてきているというふうに私も認識はしております。

 議員会館の窓から見ておりますと、周りじゅうで新しい超高層のオフィスビルが今も建設をされているわけですが、ディベロッパーの皆さんに聞くと、あれは、今や、自己資金あるいは所有者がそのまま建設資金を調達しているわけではなくて、工事が始まったときからほとんど全部J―REITだよというような話さえ聞くわけであります。

 その意味で、このスキームがさらに大きなボリュームになっていくんだろうというふうに私は想像はさせていただいております。今、既に総額にして三十一兆円程度の累積があるというふうに聞いておりますが、先ほどの住宅、建物の累積で五百八十九兆円ですから、既に一割に及ぼうというような流れでして、それなりに有力な手法として期待をしていいのではないかと思っております。

 ただ、先ほど、前の寺島委員からもお話がありましたけれども、証券というものはやはりそれなりにリターンを期待してお金が集まってくるという仕組みでありますから、そのリターンが余り期待ができないというような状況の部分、例えば、現在でも、率直に言って、J―REITを初めとする不動産証券は大都市、それも東京にほとんど集まっているという状況だと思うんです。

 これを地方に波及させていくという意味で、今回の改正はそれなりの意図はとても感じられるわけですけれども、本当にこれが全国津々浦々、至るところに波及をしていくというような、そうした工夫がもう一工夫要ると思うんですけれども、それについてはどのようなお考えをお持ちなのか。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法改正の趣旨、目的からいいましても、地方都市において、この制度が適用されて、地域の活性化なり都市の再生につながるということは極めて重要であるというふうに思っているところでございます。

 このため、やはり、地域の金融機関でございますとか、あるいは行政も関与した地域ファンドでございますとか、こういったところと連携をとりまして、金融的に、あるいは財政的、あるいは人材的にも、それぞれがそれぞれの提供をし、そしてまた知恵を出し合う、こういうことで進めていくことが必要ではないかと考えているところでございます。

若井委員 まことに抽象的なお答えだというふうに私は思うんですけれども、いずれにしても、そうした部分について一つ一つこれから具体化をし、それが全国津々浦々に波及するような工夫を重ねていただきたいと重ねてお願いを申し上げる次第です。

 それで、それに関して幾つか、今回の改正スキームについてお伺いをしたいと思うんです。

 今お話がありましたとおり、全国のいろいろなところに、先ほどの家計金融資産じゃありませんけれども、そうしたものが眠っている。これらを掘り起こして地元での投資に使っていく、そうした点から考えますと、今回のこの改正SPCにおいては、例えば倒産隔離の問題、あるいは出資者をプロ投資家に限定するスキーム、これらがそれに対してプラスに働くのか、マイナスに働くのか。

 私が考えますに、やはり、地方にいらっしゃる、ある程度資産を持っておられる方が地元のために投資をしようという場合に、これらのスキームをどのようにプラスの方向に働かせていくのかという点について、何かお考えがおありでしょうか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 本改正法案によりまして、投資家をプロ投資家に限ってと申し上げましたのは、これは事業の性質上、特に、例えば老朽化した建築物を再生していくということで、投資にかなうものであるかどうかという判断が一般の投資家にはなかなか難しいということで、そういう趣旨から、例えば金融機関でございますとか保険会社でございますとか大きな会社でございますとか、そういうところに投資家を限るということにしたわけでございます。

 一方、地方において、地域を活性化していくという命題もございます。そのためには、やはり、地方のことに精通して、地域のことを真剣に考えている、こういった方にお金を出していただくことが非常に重要でございますので、そういう意味で、地域活性化ファンド、こういったものも活用するような仕組みにしていきたいと考えているところでございます。

若井委員 地域活性化ファンドを生かしていくという意味では、これまでもさまざまな試みがあったというふうには思うんですけれども、その点について幾つか、今度は都市局の方に質問させていただきたいと思います。

 先般、五月十八日の日経に「「商店街」を守るべきなのか」という記事がございまして、御存じのとおり、全国の地方の商店街は、押しなべて衰退がとまっていないというのは現実だろうと思います。

 国を挙げて、二〇〇六年には中心市街地活性化法も改正をいたしましたし、力は入っているわけですけれども、実際のところ、歩行者数や人口、小売販売額、空き店舗の減少など、目標値の達成率は三割にとどまっている、こういう記事もございます。

 今の地域活性化ファンド等もこうしたスキームの中ではかなり役割を果たしてきたんだろうとは思うんですが、それにもかかわらず、このような状況にとどまっている、その一番の理由はどこにあるとお考えでしょうか。

 今、我々が議論しております不動産の証券化というスキームで、これを大きく変えることができるのかどうか。これまで進めてこられた中心市街地活性化の事業等の経過も振り返りながら、その点について御所見を聞かせていただきますようにお願いいたします。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘のございました中心市街地の活性化、これまでに、百十五市で計画を策定され、認定が行われております。

 国土交通省におきましても、公益施設を含む建築物の新築やコンバージョンに対する助成でありますとか、旧まちづくり交付金によります面的なまちづくり支援などを行ってまいりました。

 二十三年度末までに、当初五年間の計画が満了した市、十四市ございますが、そこで設定をいたしました五十指標の目標については、今御指摘のとおり、達成率は大体三割ぐらいというふうにされております。とりわけ、商業関係では、小売の販売額の回復ということについての目標については、達成率は二〇%程度という状況でございます。

 どういう課題があるのかという点についてでございますが、これは、内閣官房あるいは経産省とともに、施策の問題点の洗い直しというようなことをやっておりまして、中では、圏域の設定がよかったのかどうかという議論、それから、担い手の機能強化がもっと必要なのではないかというような議論、あるいは、議論になっております地方都市での資金供給について課題があるのではないかというような指摘がされておるわけでございます。

 こういった中心市街地そのものをどうするのかという議論とあわせまして、私ども、現在、中で検討を進めておりますのは、人口が減少していくという局面に多くの地方都市がもう入っておるわけでございますけれども、市街地自体は成長の過程でどんどん拡散をした、その形のままで人口が減少してきておりますから、かつてのような空き店舗という問題だけではなくて、住宅の空き家、それから空き地というものが都市の真ん中に非常にふえてきておる、そういった状況を考えれば、中心市街地の活性化という議論に加えて、都市構造そのものを変えて、中心部に人と産業というものをもう一度誘導し直すような仕組みが必要になるのではないかというふうに考えております。

 先ほど触れました中心市街地の活性化についての課題とあわせて、都市構造そのものを変えるための施策の検討ということが必要になると考えておりまして、今、内部で、有識者による委員会等もつくりまして、施策のあり方についての議論をスタートさせたところでございます。

若井委員 先ほどの記事の後段の方に、商店街の多くが商業の振興を柱にして、まちづくり、活性化を図ろうとしてきたことに問題があるんじゃないかというようなことが指摘をされております。かつては町の暮らしの中心だったこうした中心市街地、こうした部分をもう一度、そこで暮らす人たちの満足度や安心感が最大になるやり方、そっちの方向へ向けて変えていくべきじゃないかということが指摘されております。

 私は、やはり、それと同時に、町を変えていく主役になる人々、この方々が、自分で自分の資金を動かせるという仕組みをつくっていくことが必要だというふうに思っておりますし、また、その意味で今回の不特法の改正が寄与するということに期待する一人であるんですけれども、そちらの方向に向けて、より使いやすい制度改正というものをぜひ進めていっていただきたいと思います。

 それからもう一つ、最後に、まちづくりに関してお聞きをしたいんです。

 これまで民都機構で地方案件の事例についてかなり取り扱ってきておられると思いますが、今回の不特法の改正等との関連で、その仕事のやり方を変えていくというようなことを御検討になっていらっしゃるんでしょうか。

 民都機構さんからも資料を大分いただいておりますが、恐らく、今回の改正が志向しているそうしたプロジェクトを大変たくさん扱っていらっしゃると思うんですけれども、その辺のすみ分けとの関係も含めて御説明いただければと思います。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 地方の民間プロジェクトにつきましては、一般的に、大都市と比べますとリスクが大きい、それから収益性に乏しいということもございまして、民間都市開発推進機構が事業主体に対しまして、民間資金の誘導の呼び水という格好で出資等を行いまして、プロジェクトの立ち上げを支援しているという状況でございます。

 まち再生出資業務と呼んでおりますが、これまでに、平成十七年以降で三十一件、出資を行っておりますが、このうち二十四都市が地方都市ということでございます。

 例としましては、岩手県の紫波町におきます駅前の中心エリアにおける複合施設の整備でありますとか、熊本城桜の馬場における出資などを行っているところでございます。

 民都機構とのすみ分けということにつきましては、基本的には、プロジェクトについてのファイナンスというのは民間で行うというのが基本だというふうに考えておりまして、民間都市開発推進機構については、民でなかなか融資ができないような場合、あるいは民間の信用を補完して呼び水にする、そういった場合というのが中心になると考えておりまして、今回の不動産特定共同事業法の改正によりまして民の金が動きやすくなるということによりまして、民都機構についてはより補完的な役割というものを徹底してまいりたいと考えております。

若井委員 おっしゃるとおり、こうした制度改正にあわせて、関連をするシステム、民都機構も含めて、そうした既存のシステム、そして中心市街地の活性化の事業のあり方、こうしたものについてもしっかり見直しをしながら、より使いやすい形に大いに変えていく契機にしていただきたいと思います。

 最後に、証券化というのは、やはり一定の利益が上がるということが前提であると思います。

金子委員長 済みません。既に持ち時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。

若井委員 はい。

 条件不利地域、そうしたものが成立をしない地域について、ぜひ御配慮をいただきたいと思います。大臣にお願いをしておきます。よろしくお願いします。

 どうもありがとうございました。

金子委員長 次に、斎藤洋明君。

斎藤(洋)委員 おはようございます。自由民主党の斎藤洋明と申します。

 本日は、不動産特定共同事業法改正の内容につきまして質問を申し上げたいと思います。

 まず、大臣、これから参議院本会議に御出席の御予定ありと伺っておりますので、最初に大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

 本改正案の内容は、不動産の再生を促進するもの、特に建てかえやリノベーション、大規模改修の必要性が高い分野、例えば、耐震性の強化が必要な建築物、あるいは老朽建築物の他の用途への転用ということが目的ではないかと考えてございますが、大臣の御所見をまずお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 まさにそのとおりで、我が国は二千五百兆円という膨大な不動産ストックを有しておりますが、今後は、国民の防災、環境意識の向上、あるいは高齢社会への対応、そしてまた、きのう総理も横浜に行っておりますが、保育所を設置するとか、さまざまなそうした新しい需要に対応していく必要があると思います。

 御指摘のように、建築物の耐震改修や環境性能にすぐれている建物、高齢者向け施設への建てかえなど、不動産のバリューアップを促進していくことが必要だというふうに考えているところです。

 南海トラフの巨大地震、あるいはまた、それらに対して、耐震改修促進法の改正でも、不特定多数の人が使うという大規模建築物等についての耐震診断を義務づけたりするということとも相まって、そうした対応をすると同時に、地域の活性化ということにも寄与するというような意味合いを含めまして、この改正というものを行っていきたいというふうに思っているところでございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 ただいま御答弁いただきましたとおり、不動産の既存のストックマネジメントを有効に行っていくことによって、防災・減災、あるいは大規模災害への備え、さらには経済の活性化に備えていくという趣旨は非常に重要であるというふうに考えてございます。ありがとうございます。

 引き続き、質問申し上げたいと思います。

 お手元に資料を配付させていただいております。

 ちょっと予定が前後してございますが、不動産のストックの総額につきまして、ただいま大臣から約二千五百兆円という御答弁をいただいております。そのほかに、不動産の取引の件数、これが経済状況の推移に伴って変化をしていると考えますが、土地取引件数の推移について国土交通省から伺いたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 土地取引件数についてでございますけれども、バブル崩壊前の平成元年には二百二十六万件ございました。これが、バブル崩壊によりまして約四十万件減少、また、その後、リーマン・ショックによりまして約二十万件減少ということでございまして、平成二十四年は約百二十万件となっておりますけれども、バブル崩壊前に比べますと約五割減、こういう数字になっております。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 特に、リーマン・ショック以後、土地取引件数が大きく減少していることが、この推移からうかがえるというふうに思っております。

 先ほど、寺島委員からの御質問に対する答弁にもありましたとおり、この法改正の経済効果の試算は、リーマン・ショック以前の水準まで不動産の取引が活性化することを目指しているということですので、そのような趣旨になっているかという観点から、以降、質問を申し上げたいと思います。

 引き続きまして、この法改正の内容についてお伺いをしたいと思います。

 まず、前提といたしまして、本改正は、不動産をそのままの形で権利を保有し、あるいは取引を行うということではなくて、不動産を証券化して取引を行うスキームの一部改正でございます。

 そこで、そもそも不動産の保有や取引について証券化をすることの意義について、国土交通省にお伺いをしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 不動産の証券化についてでございますけれども、不動産の証券化とは、不動産が生み出す収益、例えば賃料、こういったものをもとに証券を発行いたしまして、幅広い投資家から資金を集め、不動産の取得、運用を行い、その収益を分配する、こういう仕組みでございます。

 この不動産証券化手法をとることによりまして、資金調達が必要な者につきましては、より多くの人から資金調達ができる、そういうメリットがございます。また、投資家につきましては、新たな投資対象が広がりまして、投資リスクを分散させることができる、こういうメリットがございます。

 こういうことで、募集を行う者と投資する者の両者にとって有効な手段であると考えておりまして、その結果、今回のような建築物の耐震化など老朽不動産の再生事業、あるいは都市開発、こういった多額の資金調達を必要とする事業には非常に有効であろうと考えているところでございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 不動産への民間資金の導入によって不動産の再生を促すということにつきましては、社会の広い理解が得られるというふうに考えております。ですので、あとは、本改正の内容がこの趣旨に即したものになっているかということが重要になってこようかと思っております。

 その関係でお伺いを申し上げたいと思うんですが、証券化の手法には、これまでさまざまな仕組みが導入をされてきております。例えば、J―REIT、特定目的会社、あるいは合同会社・匿名組合、それから、不動産特定共同事業法も改正前からも利用されてきているというふうに承知をしておりますが、それぞれの特徴についてお伺いをしたいのと、先ほど御指摘ございましたとおり、改正前の、現行の不動産特定共同事業法の利用実績が他のスキームに比べて必ずしも大きいとは言えないという現状があるかと認識しております。その理由について、認識をお伺いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 現行の不動産証券化の仕組みといたしましては、ただいま委員御指摘ありましたように、四つあるというふうに思っております。

 その一つの合同会社・匿名組合方式、これによりますと、これは信託受益権を対象としている、そういうものでございますので、老朽不動産のようなリスクの高い資産はこの信託の対象とならない、こういうことでございますので、なかなか不動産の再生には使いづらいだろうというふうに思っております。

 また、資産流動化法に基づく特定目的会社を使ったスキーム、こういうものもございますけれども、これは事業内容でございますとか資金調達方法、こういったものを詳細に記載した計画をあらかじめつくらなければならないということになっておりまして、極めて設立コストが高い、そういう課題がございます。

 また、J―REITにつきましては、これは不特定多数の一般の投資家の方から資金を集める、こういうものでございますので、投資家保護の観点から、テナントの退去を伴うような不動産の大規模な改修は制限される、こういう実態でございます。

 また、不動産特定共同事業についてでございますけれども、従来のものにつきましては、投資家の収益が、投資対象としている不動産のみならず、その事業者が行っている他の事業からも影響を受ける、こういう性質のものでございますので、投資家にとっては、投資するに際してちゅうちょするといいますか、なかなか使いづらい、こういうものになっているところでございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 お手元に配付させていただきました資料では五ページでございますが、ここに四つのスキームの仕組みを私どもの方でまとめさせていただきました。特に、現行の不動産特定共同事業法のスキームが使われにくい課題としまして、右下に書いてございます。「プロ投資家は、デベロッパー等の他事業による倒産リスクも負うことから投資を忌避する傾向」にあるということでございます。

 引き続き、お手元の資料の六ページでございますが、これは国土交通省からいただきました資料でございますが、不動産証券化の実績の推移。あのリーマン・ショック以降、やはり大きく落ち込んでいることがうかがえますが、この特に黄色い部分が不動産特定共同事業法の現行法令に基づくスキームでございます。この実績がやはり伸び悩んでいることがうかがえるというふうに思ってございます。

 引き続きまして、今次改正法案の趣旨でございますが、倒産隔離の内容につきましては、寺島委員からの御質問に対してお答えをいただきました。その中で、本来の不動産の保有取引に係る部分ではないリゾート事業の失敗が原因で破綻をした事例が見られたということをお伺いしました。この倒産隔離が導入されることによって不動産のストックマネジメントが進むという観点から、積極的に評価を申し上げたいと思います。

 その中で、倒産隔離のために今回導入される仕組みである特別目的会社に関してお伺いをしたいと思いますが、お手元の資料では七ページでございます。特別目的会社の設立を簡単な届け出制に緩和する、従来許可制であったものを届け出制に緩和をするという一方で、この業務委託を受けて不動産の取引、管理を行う事業者については引き続き許可制を維持するとされておりますが、このSPCの設立を緩和する一方で、不動産の取引、管理を行う会社については許可制を維持する理由を御答弁願いたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 特別目的会社、いわゆるSPCでございますが、これは一般的には、特定の事業目的のために設立される、いわば器のような会社でございまして、改正スキームにおきましても、投資家からの資金を受け入れて運用対象となる不動産の保有だけを行う、こういった会社でございます。そのような会社でございましても、現行法では不動産特定事業の許可が必要となっているわけでございまして、業務全てについて、みずからは行わず、許可を受けた不動産特定共同事業者に委託するということを要件として、今回は、簡易かつ迅速に事業を営めるよう、届け出制としたものでございます。

 なお、特別目的会社は、ほかにも再開発事業あるいはPFI事業など、いろいろな場面でこのSPCが活用されているわけでございますけれども、それらも届け出によって迅速に措置されているわけでございます。

 一方、SPCから業務委託を受ける不動産特定共同事業者につきましては、不動産取引や投資家との出資に係る契約の締結の勧誘、こういったものを行うことになるわけでございまして、投資家の保護の観点から、これにつきましては許可制を維持するということにしたところでございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 特別目的会社の設立を簡易なものにする一方で、不動産の実際の取引、管理、販売等については許可制を維持することで安全確保を図っていく趣旨というふうに理解をいたします。

 本改正の中でも、当然、プロ投資家に限定ということではありますが、取引安全の確保、それから監督規定の内容というのは重要になってくるというふうに考えてございますが、その観点から、若井委員からの御質問にもございましたが、改めて、事業参加者を一定の要件を満たすプロ投資家に限定をしたその内容を簡潔にお答えいただきたいのと、それから、監督規定及び罰則の本改正での強化内容についてお伺いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 今回の改正につきましては、建物の再生等に投資家からの資金を活用しやすくしよう、こういうものでございまして、投資に関しましては、不動産特定共同事業者の信用力ではなくて、不動産の収益性に着目する、こういう仕組みとしたところでございます。

 したがいまして、投資判断に際しましては、不動産投資に係る専門的な知識や経験、こういうものが必要だと考えております。こういうことから、事業参加者につきましては、不動産投資に係る専門的な知識、経験を有すると認められる、いわゆるプロ投資家に限定をさせていただいたところでございます。

 また、特にリスク判断の難しい耐震改修あるいは開発事業などに活用するということを想定あるいは期待をしておりますところから、こういう意味からも、一般投資家にとっては適切な投資判断がなかなか難しいのではないかということでございます。

 また、監督でございますけれども、SPCから受託をいたしまして、不動産の売買でございますとか、あるいは投資家の勧誘、こういったことを行います不動産特定共同事業者につきまして、立入検査等によりましてしっかり監督をするということでございますし、SPCにつきましても、必要に応じて立入検査等を行うということにしております。

 また、投資家への情報開示を徹底させるということで、契約締結の勧誘、書面交付等に係る法令違反について罰則を強化したところでございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 本改正のスキームでは、企業の信用力ではなくて、不動産の収益性を評価して投資をしていただくことを想定しているというふうにお伺いをいたしました。その中で、プロ投資家の方であれば、より収益性に関しては、ある意味シビアに、ビジネスライクに判断をされることになるというふうに伺っております。というふうに理解をいたします。

 ですので、その観点から、このスキームがより利用されやすくなるような税制特例措置の内容が重要になってくると思っております。ですので、この改正案による税制特例措置の内容と、期待している効果について御答弁をお願いします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 この不動産特定共同事業法が改正されますと、建物の更新に非常に有効に役立つというふうに思っております。非常に公益性が高い事業として展開されるということで、税制上も一定の特例措置が講じられたところでございます。

 内容につきまして申し上げますと、登録免許税につきまして、本則の税率が一千分の二十になっているところを一千分の十三、あるいは不動産取得税については、課税標準の二分の一控除というところでございます。

 こういった制度を活用していただきまして、ぜひこの不動産特定共同事業が、特に地方都市において活発に展開されますことを期待しているところでございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 お手元の配付資料ですと八ページに、税制特例措置の内容をいただきましたので、それをつけさせていただきました。

 この税制特例措置によってこのスキームがより活用されるようになれば、資産デフレの脱却、ひいては経済成長につながって、中長期的にはむしろ税収がふえるということになれば、この税制特例措置を導入した意義があったことになるというふうに理解をしております。ですので、これは二年間の特例措置とされておりますが、もし期待される効果が十全に発揮されるようであれば、例えばこの税制特例措置を延長していただくなど、ぜひ精力的な働きかけをお願いしたいというふうに思います。

 引き続き、本改正について、期待される効果等について、いろいろお伺いをしたいと思います。

 まず、期待される経済効果の試算結果については既にお伺いをしたところでございますが、その期待される経済効果を超えて、すなわち、いわば不動産バブルが生じる、つまり、不動産価格が実態を超えて上昇する懸念がないかという観点から政府の見解をお伺いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正は、実体経済に裏づけされた不動産取引の活性化に資するものでございます。すなわち、老朽化した不動産を更新することによってその価値を高めていく、それによって投資家に配当していく、こういう性質のものでございまして、まさにこれは実体経済を反映したものであろうというふうに思っております。そういう意味では、不動産価格が実態を超えて上昇するような事態につながる性格のものではないだろうというふうに考えているところでございます。

 いずれにいたしましても、実態と乖離した不動産価格の上昇が生ずることのないように、引き続き市場動向については注視してまいらなければならないと考えております。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 私は、近年の資本主義経済下における政府の役割、マクロ経済に関しては、極言すれば二つしかないと思っておりまして、それは、経済はやはり経済循環、好況、不況の波はつきものでございますので、過度に経済が過熱する場合には引き締める、そして経済が低迷している場合にはてこ入れをするというこの二つ、アクセルとブレーキが政府の役割だと思っておりますので、ぜひ、バブルが発生するということのないように、現在の実体経済の堅調な回復に資するような仕組みとなるように、しっかり監視をお願いしたいというふうに思います。

 引き続きましてお伺いをしたいと思いますが、お手元の配付資料で九ページ目でございます。特に地方都市の不動産の再生に資するスキームを目指しているという御答弁をいただいております。その中で、国土交通省からいただきました資料の中に、各エリアの中で、不動産の投資姿勢に対するアンケートの調査の結果というのがございます。

 これを拝見していきますと、三大都市圏では不動産投資に意欲的な傾向が見られますが、地方圏では不動産投資の縮小あるいは不動産投資を行わないという姿勢が非常に多く見られます。ですので、特に地方都市再生に有効に活用していただきたいというふうに考えておりますが、その中で、地域活性化ファンドあるいは地方の金融機関等との連携について、どのようなものが考えられるか、お伺いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 改正後の仕組みにつきましては、大都市というよりも、比較的条件が厳しい地方都市において大いに活用していただくということが私どもの期待でございます。

 最近の地域経済の様子を見ておりますと、地方公共団体や地方銀行等が出資いたしますいわゆる地域活性化ファンド、こういったものの設立が各地で相次いでいる、こういう状況でございます。本案が改正されますと、こうした地域活性化ファンドにつきましても、新たに設立されます特別目的会社、SPCへの出資を通じまして不動産の再生事業に参画していただきまして、地域の活性化に貢献していただく、こういうことが期待されるのではないかというふうに考えているところでございます。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 いずれにしましても、地方の都市の不動産の再生ということに大きな力になりますように、これらの機関との連携強化につながるような取り組みを引き続きお願いしたいというふうに考えております。

 続きまして、お手元の資料、十ページ目でございますが、先ほど来御指摘ございますので、改めて質問はいたしませんで、一言、言及するにとどめますが、旅館、ホテルの耐震改修につきましては特段の配慮を願いたいという御要望をいただいているところでございます。

 当然、旅館、ホテルを含む不特定多数が利用する大規模施設の耐震改修、耐震性能の強化ということは、人間の生命身体の保護という観点から極めて重要ではございますが、耐震改修に当たってもこのスキームが有効に活用されるように、引き続き取り組みをお願いしたいというふうに考えております。

 引き続きまして、今までこのスキームに基づく取り組みについてお伺いをしてまいりましたが、先ほど中心市街地活性化についての御答弁もございました。

 そこで、このスキーム以外で、例えば個人による中古住宅の取得など、あらゆる不動産の既存ストックの有効活用について政府でいろいろ取り組んでいただいているところと思いますので、このスキーム以外の不動産の既存ストックの有効活用に向けた取り組みの状況について、簡単にお伺いしたいと思います。

鶴保副大臣 おっしゃるとおり、我が国の住宅ストックは既に世帯数を上回っておりまして、量的な充足は進んでおりますが、流通シェアは一三・五%と、欧米諸国に比べて著しく低いということでございます。

 このため、築年数で一律に減価するような中古住宅の評価手法を改め、建物の価値を適切に評価する手法の構築と活用を図ります。また、住宅取引の際にリフォームをワンパッケージで提供するビジネスモデルの育成支援、リフォームの促進策や高齢者の住宅資産の活用策など、さらなる市場活性化策について本年六月中にも取りまとめる予定とさせていただいております。

 また、法人保有の不動産、これは全体の不動産の二千五百兆円のうち約四百七十兆円を占めますが、平成二十四年度補正予算において、既存のオフィスビル等を耐震性や環境性能にすぐれた建物に改修、建てかえをするファンド事業を創設し、既存ストックの再生を図ることとさせていただいております。

 さらに公的不動産、これは約五百八十兆円ございますが、インフラの老朽化対策について、社会資本の老朽化対策会議において省を挙げて検討を進め、今後三年にわたるスケジュールを明確にした工程表を三月に取りまとめさせていただきました。

 これらのことを全て含めて、精力的に取り組みたいというふうに考えております。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 社会インフラのストックマネジメントという観点から、道路や橋、トンネルが今現在注目されておりますが、既存ストックの有効活用という観点では、不動産の再生ということも非常に重要と考えております。特に、冒頭お話しいただきましたとおり、既存ストック、約二千五百兆円ということでございますので、この二千五百兆円が有効活用されるということが重要と考えておりますので、引き続き取り組みをよろしくお願い申し上げます。

 続きまして、この改正が本来の目的を達成するには、法改正までの努力だけではなくて、制度の運用、普及啓発に十分な資源を投入していただくことが必要と考えておりますが、政府の認識をお伺いしたいと思います。

鶴保副大臣 御指摘のとおり、これらの人材の育成、そしてまた普及啓発は大変重要なものであるというふうに考えております。

 したがいまして、不動産証券化にノウハウを有する人材を交えて、不動産再生事業に関するケーススタディーを実施することなどにより取り組んでいきたいというふうに考えております。

 また、制度の普及啓発につきましては、地方支分部局の活用や、関係団体の協力について広報に努めるなど、効果的な方法で進めてまいりたいと考えております。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 引き続き不断の取り組みをすることによって、改正スキームによって器はできると思いますので、ぜひそこに中身が入っていくように、引き続き取り組みをよろしくお願い申し上げたいと思います。

 不動産再生ということにつきましては、このスキームだけではなくて、さまざまな既存ストックの有効活用ということを意識していただいているというふうに御答弁いただきましたが、最後に改めまして、簡潔で結構ですので、不動産再生に向けての政府全体の意気込みを御答弁お願いしたいと思います。

松下大臣政務官 お答えいたします。

 地域経済を再生するためには、委員御指摘のとおり、既存ストックを有効に活用して、コンパクトシティーの実現など、新たな課題に対応した不動産取引の活性化が必要不可欠でございます。

 今回の法改正は、このような観点からも、建築物の耐震化や、老朽不動産を高齢者向け住宅などニーズの高い施設に転用するなど、既存ストックを活用した不動産の再生に大きく寄与する極めて重要なものと考えております。

 加えまして、不動産の再生による地域経済の活性化に向けては、不動産への投資拡大を進めるとともに、既存ストックの流通の拡大、スマートシティーなど、新たなまちづくりに向けた官民の積極的な取り組みなどが必要不可欠でありまして、こうした課題に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。

 以上です。

斎藤(洋)委員 ありがとうございます。

 既存の不動産再生によって町並みの再生ということに取り組んでいただくことは非常に重要と考えておりますので、引き続き取り組みをお願いしたいと思います。

 最後、済みません、せっかく配付をしましたので、お手元の資料、四ページ目でございますが、全高齢者に対する介護施設の割合が、日本は諸外国に比べて少ないというデータがございました。その中で、我が国が決してニーズが低いというわけではなくて、その下半分にございますとおり、特別養護老人ホームの待機者数は、統計によれば四十二万人もいるというデータもございます。

 ですので、既存の老朽不動産を全て高齢者施設に変えるということではございませんが、例えば、こういうふうに現にニーズがあるわけでございますので、老朽不動産がございましたら、こういうふうにニーズのある他の目的に転用していただくなどして、私は、日本の町並みの美しさは機能美、機能性のある美しさだと思っておりますので、不動産が有効に活用されて、地方都市が再生され、日本の美しい町並みが後世に残っていきますように、ぜひ政府の取り組みをお願い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

金子委員長 次に、三宅博君。

三宅委員 日本維新の会の三宅博でございます。

 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 まず初めに、なぜ、今回、この不動産特定共同事業法の一部を改正する必要があったのか、お聞きしたいと思います。

 従前の法律では何が間尺に合わなくなったのか、新たにどういう部分が必要となってきたのか、この辺のところをお答えいただきたい。そしてまた、その目的は何なのかということもあわせて、その全体像をちょっとお聞きしたいんですね。

 趣旨説明の中には、都市機能の向上、そして不動産市場の活性化というふうなことも書かれております。確かに、社会資本全体が老朽化していく中で、その趣旨そのものもわかるんですけれども、その辺のところを詳しく御説明いただきたいと思います。

 この不動産の証券化というものについては、先ほどの質問にもございましたけれども、リーマン・ショック等もありまして、なぜ証券化をしてこのように投資を誘発するような仕組みが必要なのか、そういったところもわかりやすく御説明いただければありがたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 耐震化、こういった部分も必要、これは社会インフラ全体としてそういった部分が必要というふうな時代に突入してきている、この辺のところは理解はしているんですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

鶴保副大臣 先ほど来の御議論にもございますとおり、我が国の不動産は、駅前や中心市街地など好立地ではあるけれども老朽化した建物というのが多数存在してございます。これらの不動産に民間資金を投入しまして、地域経済の活性化や資産デフレからの脱却を図ることが期待されております。

 しかしながら、現行の不動産特定共同事業は、事業者の行っている他の事業の影響を受けるため、投資家が投資をためらうというような問題がございました。投資の対象となる建物の保有のみを行う特定目的会社を設置し、投資家はこのSPC、特定目的会社に投資をすることによって、他の事業の影響を排除することとさせていただきました。

 また、あわせて、このSPCは届け出で設置をさせていただくということにさせていただいておりますので、不動産の売買や投資家の勧誘などは、投資家保護の観点から、許可を受けた不動産特定共同事業者に委託しなければならないものとしております。

 本改正法案によりどういった効果を望めるかということでございますが、旧耐震基準の建物の耐震改修、あるいは、先ほど来御指摘がございましたが、老朽化、低未利用不動産の高齢者向け施設への建てかえ、あるいは環境性能を有したすぐれた不動産への建てかえといった、老朽不動産を再生する事業が期待されるというところでございます。

三宅委員 たしか、これは昨年の国会にも提出されたと思うんですね。そのときから、今回の提出された改正案、どの部分が変わったのか、この辺のところもちょっと詳しく教えていただきたいんですけれども。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 昨年と比べまして、今回提出させていただいております法案につきましては、投資家の保護という点により重きを置きまして、したがいまして、不動産特定事業者の取引先、こういったところにも必要に応じて立入検査等に入ることができるということにいたしましたし、また、罰則規定につきましても若干の負荷を加えまして、投資家の保護という観点に力点を置かせていただきました。

三宅委員 この全体像の中にある特別目的会社、SPC、それから不動産特定共同事業者、このおのおのの役割といいますか、それぞれの使命、こういったものをちょっと御説明いただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 SPCそれから不動産特定共同事業者というものでございますけれども、SPC、いわゆる特別目的会社につきましては、一般的に、特定の事業目的のために設立されるいわば器のような会社でございまして、今回の改正スキームにおきましても、投資家からの資金を受け入れて運用対象となる不動産の保有のみを行う、こういう役割を持つ会社でございます。

 このために、SPCは、その業務の全て、例えば不動産の売買等の取引でございますとかあるいは投資家の勧誘、こういった業務の全てを不動産特定共同事業者に委託するということになっております。

 SPCから委託を受けた不動産特定共同事業者におきましては、ただいま申し上げましたような不動産取引あるいは投資家との出資契約等々、業務の全般を行う、こういうことになっているわけでございます。

三宅委員 多くの投資を誘って市場全体の活性化を図りたいというふうな非常に大きな目的なんですけれども、であるならば、税制上の特例措置、こういったものはどういうふうになっているのか、ちょっとお聞きしたいんですね。登録免許税や取得税、こういった部分はどういうふうな取り扱いになっているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 税制につきましては、平成二十五年度の税制改正によりまして、SPCが一定の築年数の建築物の建てかえあるいは改修、こういったことを目的といたしました不動産を取得する場合に限りまして、ただいまお話がありましたように、登録免許税と不動産取得税を軽減する措置を講ずることとしたところでございます。

 具体的には、登録免許税につきましては、移転登記の場合には、本則税率一千分の二十のところが一千分の十三、また保存登記の場合には、本則税率一千分の四のところが一千分の三ということに軽減されております。また、不動産取得税につきましては、課税標準の二分の一が控除されているところでございます。

 なお、こうした特例措置の対象となる施設、どういったものに対してこういう特例措置を対象とするかということでございますけれども、これにつきましては政省令で定めるということになっておりまして、現在、その制定に向けて準備しているところでございます。

三宅委員 こういった税制、それから建築物の耐用年数、あるいは償却期間、これは税制と一体のものなんですね。

 老朽化した不動産に非常に多額の資金を投入して耐震化を図る、そういった耐震化を図って投資を誘って、これをまた再生し、市場の活性化に持っていくというふうなスタイルであると思うんです。

 してみると、そういった老朽化した、強固な建築物でしたら五十年ですか、そういった耐用年数、建築基準法上の耐用年数と税制上の償却期間、これが同一のものか若干相違があるのか、その辺のところを私も詳しくはちょっと覚えていないんですけれども、やはりその辺の償却期間というのは非常に大きな要素になるんですね。

 言ってみれば、五十年の耐用年数の建築物、既にもう四十年が経過した、残り、基本的には十年間ぐらいの耐用年数、そこに大きな費用を投下した。それでは、投下した費用の償却年数は、残存の耐用年数の十年間、これで割るのか、あるいはまた、耐用年数をまたある程度延長して、見込んで、償却をしていくのか。この部分は利回りの計算のもととなる非常に大切な部分、大きな要素ですね。この辺のところはちょっと詳しく御説明をいただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 償却期間の扱いについてでございますけれども、建物等の減価償却資産の耐用年数につきましては、法令、これは減価償却の耐用年数等に関する省令でございますけれども、これに定められておりまして、今委員お話がございましたけれども、構造や用途により異なっておりまして、例えば鉄骨鉄筋コンクリート造のオフィスであれば五十年ということになっているわけでございます。

 そこで、仮に耐用年数五十年のオフィスにつきまして、ただいまお話がありましたように、築四十年時に大規模改修を実施した、こういうことを想定いたしました場合、改修のための支出は減価償却資産を新たに取得したものとみなされるため、改修された部分につきましては原則として耐用年数が五十年ということで、戻るわけでございますけれども、未改修の部分につきましては従前どおり、残り十年で償却していく、このようになると認識しております。

三宅委員 今の御説明がちょっとわかりにくかったんですけれども、非常に大きな多額の費用を投下して、それの税制上の扱いですね、償却期間、もう一度ちょっと御説明いただきたいんです。ちょっと今のみ込めなかったんです。

金子委員長 佐々木土地・建設産業局長、明確にお願いします。

佐々木政府参考人 オフィスが耐用年数五十年ということで省令で決まっているわけでございますけれども、これに大規模改修を施した。オフィスの全部ではなく、例えばオフィスのある部分を改修して、ある部分を改修しなかったという場合を想定いたしますと、改修した部分につきましては、そこの部分につきましては、改修のために使いました支出というのは、そこで新たに減価償却資産を取得した、こういう整理になっておりますので、耐用年数はまた最初から五十年というふうに戻る。

 一方、未改修の部分につきましては、これにつきましては、ただいま申し上げましたような減価償却資産を新たに取得したということにはみなされませんので、五十年マイナス、築年数が四十年たっておりますので、残り十年間が償却期間として存在する、こういう整理だと認識しております。

三宅委員 ちょっと、聞いていても、非常にわかりにくいんですね。確かに、改修した部分については五十年のまた償却期間を見込む、未改修の部分については従前からの延長で残存期間をするということなんですけれども、計算方法としてそれはわかるんですよ。計算方法として、そういうふうな計算をされる。しかし、建物、これは一体のものですよね、言ってみれば。これは部分として考えるのか、割合として捉えるのかで多少の違いがあると思うんです。

 これは税法上の取り扱いなんですけれども、その辺はもう既にはっきりと取り扱いについての方向性というのは、税法として、しっかりと決まったものを当てはめていくわけですか、その辺のところをちょっとお聞かせください。

佐々木政府参考人 お話のありましたとおり、税法上の扱いで、償却期間について、ただいま私が申し上げましたように、改修部分と未改修部分によって扱いを変えていくということで取り扱われているというふうに認識しております。

三宅委員 これは、何度聞いても、私自身の知識不足もあるのかもしれませんけれども、十分に理解はできておりませんので、次の方にちょっと移ります。

 では、そのようにして、耐震化もした、非常に多額の費用を投資して老朽化不動産を再生させた、これをSPCが買い取って、プロ投資家の投資を仰いでこれを再生して市場に出す、その際の利回りといいますか、どの程度、大体平均で見込まれるのか。この辺のところは、ある程度把握されているでしょうか。需要、そういった部分がどの程度見込まれるのか、この辺のところをわかる範囲で結構ですので。

 国が、不動産需要を喚起するために、こういうふうないろいろな法案を用意している。ところが、過去の例を見ましても、バブル時代でしたらリゾート法で、全国にリゾート地をずっとつくっていこうということで、多くのディベロッパーといいますかこういった会社が、それに非常に多額の資本を投下した。ところが、その結果は、思っていた以上の成果を得られないどころか、死屍累々に近いような状態になった、それはその後のバブルの崩壊というものを受けてのことなんですけれども。

 だから、今、そういうふうに、とらぬタヌキの皮算用といいますか、いろいろと机上の計算で、こうすればこれぐらいの需要があり、これぐらいの資本を集中し、景気刺激策にもなるとか、こういうふうなところを見込まれておるんですが、果たして、実際にどの程度それが実として実りのあるものになるかどうか。これは先々のことでわかりませんので、今考えていらっしゃる見込み、そういったものも含めてちょっと聞かせていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 ただいま御質問のありました利回り等につきましては、大変申しわけありませんが、今、資料を持ち合わせておりません。

 一般的には、不動産特定共同事業を行う際に、いろいろなタイプがございまして、老朽化した建物を更新するタイプでございますとか、あるいは、どちらかというと更地に建物を建てていく、そういうタイプもございます。利回りは、前者の方ですとたしか二、三%ではなかったか、後者の方だともう少し上ではなかったかと記憶しておりますけれども、申しわけございませんが、ただいま、詳細なデータを持ち合わせておりません。

三宅委員 不動産市場の活性化、景気刺激策の一環としてこういったものもあると思うんですけれども、その際、やはり、利回りというのは非常に大きな要素になりますよね。単に利回りだけではなしに、やはり、安全性とか換金性とか、いろいろな要素がトータルとして、こういったものに機関投資家、プロ投資家は投資対象として魅力があるかどうか、これを判断した上でこういったものをやっていくわけなんですね。

 してみると、その辺の事前の把握といいますか計算、これは非常に大事なものですので、しっかりとした計算に基づいて、やはり、そういった法案に反映していただけたらというふうに思います。

 そういう中で、今、日本全体の不動産市場は非常に冷え込んでいて、資産デフレというのが十数年間ほどずっと続いてまいりました。資産の評価額全体の減少というのは、もう二十年以上続いているような状態だと思うんですね。

 そういう中でも、いろいろな問題がある。これは、大都市間、特に東京といいますか首都圏と地方との格差であるとか、それから、事業用ビルの需要、稼働率、これも首都圏とその他の地域とは非常に大きな違いがあると思うんですね。

 特に、地方の駅前なんかは、シャッター通りとかいうふうに言うでしょう。してみれば、地方の事業用ビル、事務所ビルとか、こういったものも空室が非常に多いのではないかなと思うんですね。これが今回の改正法案のことによってどの程度刺激されるかというのは、ちょっと私も疑問を持つんですね。

 やはり、建物と土地の違いという部分もそこにはあると思うんですね。土地の価格については、首都圏の一等地の価格と田舎の駅前の価格、片田舎の人口減少傾向にある田舎の駅前の坪単価で、もう大変な違いがありますね。ところが建物は、言ってみれば、東京で建坪が五百坪のビルを建てる、あるいは片田舎で同じようなビルを建てる。価格はそんなに変わらないんですね、建物については。土地は大変な違いがあるけれども、建物についてはほとんど変わらない。同じような構造、同じような建物であれば、費用というのは、田舎だからといって格段安いというふうなことにはならないんですね。

 中には、田舎の事業用ビル、こういったものも、需要を見込んで建てた、ところが、こういった景気収縮の中で、思ったように需要がなくて、もう誰も借り手がいない。この不動産を維持するだけでも大変なことなんですね。建物の償却といいますか、それにかかる固定資産税、これを、とてもじゃないですけれども、需要がないんですから、入居者がなかったら、これは払っていけないでしょう。だから、固定資産税も払っていけない、あるいは、もちろんその建物の償却そのものの支払いに回すお金もない。

 こういう建物は買い手がつかない場合があるんですよ。立派なビルであるにもかかわらず、全く買い手がつかない。値段のつけようがないといいますか、それは、買ったところで、収益が全く上がらないんです。なおかつ、それを保持というか、持ち続けることによって、固定経費が非常に高額な、さっき言った固定資産税ですね。建物そのものの値打ちは首都圏も田舎もほとんど変わらない。かかった費用に対して、償却というものを計算し、なおかつ固定資産税の計算方法も一緒ですからね。だから、田舎の方のそういったものも、買い手がつかないようなビルもあるんですね。

 こういった中で、果たして、先ほど来御説明されているように、田舎の方の不動産市場の活性化、景気刺激というものまで見込めるかどうかというと、ちょっと私は果たしてそこまでいくのかなというふうな感じがするんですけれども、このあたり全体、私が今ずっと御説明させていただいた、この辺の話に対しまして、どのようなお考え、御感想、お答えをいただければ、ちょっと説明していただけますか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員から、空室率の話でございますとか、あるいは賃料の坪単価の話がございました。

 最近の事実関係をちょっと追ってみますと、これは、オフィスの仲介業者をやっておりますシービー・リチャードエリスという、それなりの調査機関でございますけれども、この調査によりますと、オフィスの空室率につきましては、一部の都市を除きまして、ほぼ全国的に改善の兆しを見せておりまして、例えば東京では、平成二十四年の第二・四半期に七・九%でございました空室率が、平成二十五年の第一・四半期には七・一%というふうに、空室が少なくなっている状況でございます。

 一方、賃料の坪単価につきましては、この数年、全国的に低下傾向が続いておりまして、最近、東京などの一部優良ビルでは、成約賃料の水準が反転する、こういう状況があるわけでございますけれども、全体とするとなかなか厳しい状況かなと思っております。

 委員御指摘のように、地域によっても差がございます。あるいは、地価でも全体に下げどまりの傾向が見られてきた中でも、やはり、都市部、地方部、それぞれ違いがあるわけでございまして、御指摘のとおり、特に地方部の活性化のために、地方部における土地を動かしていく、あるいは建物を動かしていく、こういう仕組みを考えるという一環として、今回の改正も考えたわけでございます。

 以上でございます。

三宅委員 今、東京の空室率が七・一%、東京でさえ七・一%の空室があるということですね。東京、首都圏というのは日本全体の中で極めて特殊な立場といいますか、東京には、人、あるいは情報、あるいは資金、こういったものが日本の首都として集中している。にもかかわらず、七・一%の空室率がある。あまつさえ、地方の場合は惨たんたる状況に近いのではないかなというふうに思うんですね。

 そこで、先ほど愛媛の例もちょっとお聞きしたんですけれども、具体的に、この法案、改正案でどのような事例が見込まれるのか、あるいは参考事例があればちょっと御紹介いただきたいんですけれども、よろしくお願いします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 不動産の証券化の手法を使いまして地域の活性化に努めている例、幾つかあるわけでございます。

 一つは長野県の長野市でございまして、これはオフィスの跡地を使いまして、そこに新たに店舗やマンションを建設する事業を行った。これは不動産特定共同事業法の活用ではございません。別途、資産流動化法に基づく特定目的会社という方式を活用したものでございますけれども、こんな例がございます。

 また、愛媛県の松山市では、これは地元の商店街と協力いたしまして、大きな立体駐車場ビルを建設する、こういった事業も行われてきているところでございます。

 今回の法改正によりまして、制度的には小規模な事業であっても使いやすくするというものになると思っておりますので、ただいま申し上げましたのは比較的大きな案件でございますけれども、必ずしもそういったものに限らず、各地で活用ができるのではないかと期待しているところでございます。

三宅委員 今ちょっと事例を紹介していただいた、しかし、余りにも少な過ぎるんじゃないかなと思うんですね。

 日本全国で、その地域の商工会議所の方々であるとか、あるいはまた資産家の方々、あるいは事業を経営している方が、こういった自分が住んでおる地域の活性化、これは本当に心から望んでいらっしゃるんですね。今回の改正案も、そういった方々の資金というものを、あるいは地域に対する愛着、これをこういう形の方に振り向けていただけたらということでこの改正案があるわけなんですけれども、それがどの程度実態として反映されるかというのは非常に心もとない部分があると思うんです。

 その辺の、地方都市の地域の方々の考え、あるいは地域再生にかける思い、こういった部分ももし代弁できるのであれば、ちょっとやっていただけたらと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 不動産特定事業法の今回の改正につきましては、まさに委員御指摘のとおり、地方で活用されることによって地域の活性化に大きく寄与するということを念頭に置いているものでございますけれども、この改正が認められて以降、実際に地域でどのように活用していただくかということが極めて重要であろうというふうに思っております。

 一つは、やはり、こういう制度というものを広く周知するということが必要であろうと思っております。

 それからまた、地域には、委員御指摘のとおり、まさに地域に愛着を持って、その地域のためにいろいろなことをしようとされている方がいらっしゃるわけでございます。そういう方々のお力をかりて、場合によっては、その地域にあります金融機関の力でございますとか、あるいは行政の力でございますとか、場合によっては、そういうところに参加しようとするNPO等の存在もあるかもしれません、そういった方の力を結集して、あるいは、そういうところをコーディネートする方の存在というのも大事であろうと思っております。そういったもろもろの工夫をいろいろ考えながら、私どもとしても取り組んでまいりたいというふうに考えております。

三宅委員 今度は、投資家の立場の方からの質問をさせていただきたいんですね。この制度の、投資家の有する権利、その辺のところをちょっとお聞かせください。

 不動産特定共同事業の投資家というのは匿名組合持ち分権を持つというふうなことになるんじゃないかなと思うんですけれども、具体的にそれはどういう権利であるのか、どういう形態でそれをするのかをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

 不動産の証券化、これはアメリカの住宅ローン債権なんかでもそうなんですけれども、やはり流動性もあったんですね、証券そのものを売買したりとか。今回のこれはそういったものも当てはまるのかどうか、それもちょっとお聞きしたいと思います。

 やはり、魅力ある投資対象として、今回の改正案がそれの樹立につながるかどうかなんですね。プロの投資家、そういった方々から見て非常に魅力を感じるようなものでないといかぬと思うんですけれども、その辺の投資家の権利あるいはその形態、こういった部分をちょっと詳しくお聞かせください。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 投資家の有する権利についてのお話でございますが、投資家は、不動産特定共同事業契約に基づきまして、不動産を所有していますSPCから、不動産の賃料収益あるいは売却益、こういったものを得る権利を有しているわけでございます。

 また、権利というものは流動性があるわけでございますけれども、この不動産特定共同事業につきましては、事業の安定性を確保するという観点から、省令で一定の譲渡規制、例えば契約の相手方を不動産特定共同事業者にする、そういった譲渡規制が現在もなされているところでございます。

 もっとも、この法律で想定しておりますいわゆるプロの投資家につきましては、不動産の建てかえや改修を行って再生事業を行う、その一連の流れを前提として投資判断を行っているというふうに考えているところでございまして、そういう意味で、例えば事業途中で解約するとか、そういったニーズはそれほど高くないのではないだろうかと認識しているところでございます。

三宅委員 今の御説明の中で、SPCが、単に運用利回りといいますか、それだけでなしに、売却益というふうに今ちょっとおっしゃったように思うんですけれども、SPCがこれを途中で売却したりということも想定されてのお話ですか。そこをちょっとお聞かせください。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 一般的には、SPCが建物を保有いたしまして、その賃料収入を投資家に返していく、配分していくというのが一般的であろうかと思いますけれども、場合によりましては、不動産につきまして、売却をいたしまして、その売却益を投資家に返していくということもあり得るのではないかと思っております。

三宅委員 ということは、今現在、不動産バブルがまた発生するということは余り考えられないんですけれども、キャピタルゲインといいますか、不動産の価値そのものが非常にまた高価になっていて、今売却をした方が非常に多額の利益が見込まれる、そういったときにはSPCはこれを売却する可能性もあって、投資家はその利益をまた受けることもできる、そういうふうに考えていいんですか。

佐々木政府参考人 失礼いたしました。若干言葉が足りなかったと思います。

 いずれにいたしましても、今回の不動産特定共同事業法につきましては、例えば、老朽化した建築物を取得いたしまして、投資家のお金によりましてそれを改修していい建物にする、そこから上がる賃料によって投資家に配分していくということでございましょうし、それから、価値の上がったものについてそれを売却する、そういうこともあろうと思っております。

 いずれにいたしましても、その建物の価値が上がるということは間違いないわけでございまして、そういう意味では、実体経済と連動したものになるというふうに思っておるところでございます。

三宅委員 そうですか。そんなことは私は全く考えておりませんでして、運用利回りのみ、SPCはこれをずっと持ち続けなくてはならないというふうな思いでおりまして、それは全くそうじゃないということが今わかりました。

 それと、先ほど来、話が出ておりますのは、投資家の方、説明をいただいた書類の中にはプロ投資家というふうなことが書かれているんですね。プロ投資家の概念といいますか、これはどういうふうなプロ投資家の内容であるか、そこら辺、ちょっと、わかりやすく説明していただけますか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 今お話のありましたプロ投資家でございますけれども、その範囲につきましては、具体的には施行までに省令において決めるということになりますので、今検討しているところでございますけれども、現行法によるプロ投資家ということでございますと、これは、銀行それから信託会社、保険会社、これは生命保険会社であったり損害保険会社であったりするわけでございますけれども、それと資本金が五億円以上の株式会社ということになっているわけでございます。

 それで、先ほど来出ておりますように、こういった方々に加えまして、今回の改正を機に、より広く地域に精通した民間資金を呼び込むという観点も必要であろうと思っておりまして、地域活性化ファンドなどの追加についても現在検討している、こういう状況でございます。

三宅委員 今こういうふうな景気の中でも、非常に多くの内部留保を抱えて、運用に腐心されている企業もあると思うんですね。そういった方々の資金というものがここに投下されたら、これにまさることはないんですね。

 国土交通省として、試算ですね、どの程度の経済効果があるか、これをちょっとお聞かせいただけるでしょうか。

太田国務大臣 御質問にありましたように、これがどういう展開をしていくかということについては、地域の活性化ということも、また、老朽化対策ということも、そして現在のこうした不動産の証券化の実績等を見ますと、本当に予測ということでうまくこれが回るようにしていかなくてはならないというのが本音のところです。

 ただ、全体的には、リーマン・ショックの前にまず戻そう。大体落ち込んでいまして、一気に減って、大体三分の一とかいう状況になりまして、それぞれ、REITも含めて下がっているということがありますから、それぞれがリーマン・ショックの前に戻るということを狙いとして、そこを仮定しますと、不動産特定共同事業の活用によって、今後十年間で大体七兆円ぐらいの投資が見込まれるのではないか。現在、千八百億円ぐらいですから、十年間、大体二兆円程度ということでいきますと、この法律がうまく展開した場合には、七兆円規模の投資が行われる。産業連関表によりますと、これが八兆円の生産波及効果と四十四万人の雇用の誘発効果が見込まれるというのが現状のところであります。

 先生、御心配をなさったりいろいろしていらっしゃる、そのことはよくわかります。今の段階で、急にバブルになるとかいうようなことではありませんで、本当にそうした地方の第二都市ぐらいの駅前ということを例えば仮定したりいたしますと、そこの老朽化対策ということを施し、そこに資金をどれだけ出す人が出るのか、そして利益がどれだけ得られるのかということについては、相当練り上げたスキームをつくり上げるということが大事ではないかというふうに思っていますものですから、全体の法律の仕組みを動くようにさせていただくということをやらせていただいた上で、国交省としても、その後の展開ということについて、さまざまなアドバイスとか研究とか連携というものを、地方整備局も含めてやっていかなければいけないというふうに思っているところでございます。

三宅委員 大臣が帰ってきていただきまして、御答弁、本当にありがとうございます。

 先ほど来、私がいろいろな、杞憂で済めばいいんですけれども、地方自治体であったり公的機関がいろいろな事業をやって、本当に多くの失敗を積み重ねてきたんですね。やはり、公務員の方々が実際に、事業あるいは商売、これは全く違う世界ですので、頭の中で考えても計算どおりになかなかいかないという部分が多いんですね。

 ただ、今回の改正案の趣旨そのものは非常によく理解できるんです。新たな魅力ある不動産市場をつくる、しかし、その前に、老朽不動産の再生であるとか、これは社会資本の充実ですよね、それから、民間資金の導入を通じて地域経済も活性化していかなくてはならない、この思いは非常にとうといものであると私は思うんですね。

 ただ、それに伴って、当初の考えどおりの結果が出るかどうかなんです。やはり、我々としましても、出てほしいんですよ。日本全体の景気動向を考えましても、あるいは、今後の先行きの社会全体のインフラの部分を考えましても、これは必要であると思うんですね。

 最後に大臣、せっかくまたお越しいただきましたので、今私が、これは杞憂で済めばいいんですけれども、従前のいろいろな失敗というものを繰り返していただきたくないので、その辺の覚悟等もあわせて御説明いただけたらと思います。

太田国務大臣 相当手痛い失敗をしてきたのがこの二十年間の歴史だったと思います。それだけに、プロの投資家といえども、そんな甘い考えでは投資はできない。それゆえに、相当考えた、どこの建物を再生させるのかということ、それ自体が、それには、その地域全体のまちづくりというようなことも、ある程度応援を環境整備ということでは地方によっては大事かということにもなると思います。

 したがって、甘いような、そうしたバブルの再燃みたいな話ではなく、しっかりと着実に、少しでも現状から打破できて、そして、地域のためにもこれが貢献できるというようなことをしっかり考えながら注視していきたいというふうに思っているところでございます。

三宅委員 ありがとうございました。

 私自身も、この改正案について非常に大きな期待を抱いております。

 これをもって質問とさせていただきます。ありがとうございました。

金子委員長 次に、杉本かずみ君。

杉本委員 ちょっと時間が押しているようでございますが、私の後、穀田委員の方は、時間を少し多目に欲しいというお話もあるので、簡潔に、柔軟に、臨機応変ですか、この委員会が運営されることを望みたいと私は思っております。

 ちょっと先走りますけれども、この後、附帯決議の話になるかと思うんですが、その案文に、三日月筆頭、望月筆頭の両筆頭の御苦労によって、非常にいいことが書いてあるなということで、先んじて、私は、本法案に賛成の方向できょうは質疑をさせていただきます。

 今、太田大臣がおっしゃられた地域の再生のためには、例えば、地域金融機関の本当に不動産のノウハウを持った方々が、しっかりとスキームを理解して、そして提案をしていっていただいて、まさしく、地方都市の中心市街地を活性化していただくというような方向感になるためにも、ガイドラインをしっかり整備するとか、あるいは専門家を育成するといったことについて、国交省を挙げて、人材養成、ガイドライン、あるいは周知徹底といったものに努めていただきたいなということを、ちょっと先走って大変恐縮なんですけれども、冒頭、申し上げたく存じます。

 と言いつつ、最初に、私の誤解であればなんですが、ちょっと残念なことがあったので、一応、あえて、相撲道であり、政治道であり、道をきわめていただいている太田大臣がいらっしゃるので質問します。

 その前に一言、言わせていただきたく存じますが、さきの五月十四日の道路に関する法案の審議で、私の方からは、高速道路に絞って質疑をさせていただきたいという文脈で質疑をさせていただきました。高速道路に限ってという前提の上で、私は、あえて読みますが、一体どのくらいの平均距離を皆さんが乗って走っているのですかという質問をしたところ、参考人の御答弁は、全車種平均で、平均トリップ長は七十六・五キロメートルとなってございますという御発言がありました。それで、私が、本当にそうですかといったような趣旨で質問し直したところ、御答弁は、平成二十二年の道路交通センサスの自動車起終点調査の結果ということで御答弁をいただきました。

 私は、トップリーダーとして大臣をしていただいているという認識でありますので、やはり、ここの国会の答弁というのは真摯にやりとりをさせていただきたいと思いますし、ある意味で専門家集団である官僚の皆さんに対して、庶民感覚で私は質問させていただいているという気持ちでありますので、そんな中で、一体高速道路で平均何キロ走っているんですかという文脈で皆さんは聞いていただいたと思っているんですけれども、御答弁は、家から車を走り出して、一般道を走って高速道路をおりるまでといったような回答であったやに私は関係筋から聞いておりまして、平均距離が四十キロとかいうことであったのにもかかわらず、七十キロという御回答をいただいたんですけれども、本当に真摯に回答を官僚の皆さんに心からお願いしたいですし、官僚の皆さんが日本をしょっていらっしゃるということも十分わかっておりますので、きょうは関係の部署の方はいらしていないと思いますけれども、私の誤解であればいいんですけれども、あえて高速道路の距離を聞いているにもかかわらず、高速道路に関係しない距離を含めた御答弁があったということは、委員長、ちょっと心にとめていただいて運営をしていただきたいなということを、僣越ながらお願い申し上げます。

太田国務大臣 私も、本当に、七十六キロでしたかね。(杉本委員「七十六・五です」と呼ぶ)そんなに乗っているのかというふうに答弁を聞いていて思いまして、これはどういう数字なんだということを確かめました。それで、私の実感では、高速道路はよく使いますけれども、私なんかはそんなに長くということがありましたものですから。そうしたら、首都高と阪高というのを除いて、東、中、西の高速道路の乗車というものの数字が七十六であるということを聞きました。

 その辺はもう一遍正確に、どういう場か、これはとにかく先生のところに正確に、きちっとした見解とか、いろいろな条件があっての答弁で、根拠のない話をしているわけではないものですから、正確に御返事をさせていただきたいと思いますし、また、全体にかかわることであれば、委員長の方に御報告をさせていただきたいというふうに思っております。

金子委員長 杉本委員に申し上げます。

 今、大臣からも御答弁ありましたように、委員の質問と趣旨の違うような答弁があったのであれば、これは大変なことでございますので、しっかりと内容をもう一回確認していただいて、理事会に報告をしていただくということでよろしゅうございますか。

杉本委員 はい、結構でございます。

 それでは、国土交通委員会における不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案に対する質疑ということで入らせていただきます。

 担当部局から御説明をいただいたところによりますと、狙いは耐震化や老朽化といったものを再生するという目的で、SPCを入れた形のこのスキームが活用できる法案という流れのようなのでございますけれども、具体的に、ちょっとなかなか条文で、どこで耐震化や老朽化に対する再生といったことを読み取れるのか。できましたら、比較表というんですか、改正案と現行というような中で指摘をしていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員からお話がありましたように、どうやって担保されるのかということで、新旧の比較というお話がございました。

 この法案につきましては、いわゆるSPCの制度を導入することによりまして、投資家の投資を促進するということを狙いとしたものでございます。そしてまた、ほかの不動産証券化事業に比べまして、この事業がより使いやすいものになるということから、耐震化等の老朽不動産の再生、こういったものに大いに活用をしていただけるのではないかというふうに思っているところでございます。

 条文との関係で申しますと、例えば、従前ですと不動産特定共同事業者は許可によって設立されるわけでございますけれども、今回新たに設けますSPCについては届け出でよい。これは、この法律の四十条の二でございます。また、このSPCから受託をして事業を行う不動産特定共同事業者につきましては、従前どおり許可制にするということで、これは三条でございます。

 こういったもろもろの条文の集合によりまして、本制度が従前よりははるかに投資家にとって投資しやすいものになっている、こういう認識でございます。

杉本委員 ということで、具体的に、なかなか法律というのは難しいもので、耐震化を補強するんだ、老朽化を改善するんだというところでは読み取れずに、全体の中で読み解いてそういう方向感を持っていくんだということではあると思うんですけれども、ここの部分は、むしろ政令、省令、あるいは細かい細則なのかわかりませんけれども、そういったところで方向づけをぜひしていただいて、むしろフレーフレーということで応援させていただきたいと思いますので、この法案が法律化されて、大いに活用されて、地域の再生に向かうように、冒頭申し上げたとおり、国交省さんにおいては、大いなる地域への指針づくり的なものをお願いしたく存じます。

 次に、国交省さんの資料によると、これは幾つか質問で出ているかと思いますけれども、あえてまた伺いますが、不動産証券化実績推移を見ますと、平成十九年度、八兆八千八百四十億円ということで、リーマン・ショック前はピークをつけた。さかのぼって、平成九年以降、ずっと右肩上がりの成長市場であった。リーマン・ショックがあって、それ以降、また回復が始まって、緩やかながらも右肩上がりの方向にある、こういう状況であります。

 私が見る限りは、これは少し自然に任せておいても、ある程度の時間をとれば、リーマン・ショック前の水準までは行くのではないかなとも見受けられるんですけれども、なぜあえて今なのか、なぜこの法案が今必要なのかという点を、改めて教えていただきたいと思います。

太田国務大臣 REITの市場等を見ましても、かなり上昇しているということは、この数カ月を見ましても明らかでございます。

 しかし、これは市場の話でありますので、意識してどの角度でそうした証券化をしていくのかということは、またちょっと位相の異なる問題だというふうに思っています。

 全体の中でも、不動産特定共同事業の中での割合というのは、実は、リーマン・ショックの前であって全体が八兆八千億というような事態でも、この部分だけはずっと一定なんですね。それは、そうした理由があって、なかなか縛りをかけて使いづらいというようなことがあったんだというふうに思っています。

 REITの場合は、既存の証券化のJ―REIT等の仕組みは、大規模修繕、改修等には使えないというふうにされておりましたり、あるいは事務コストが高いといった課題がありまして、十分対応できない部分がございます。環境性能にすぐれた建築物や高齢者、あるいは、きのうは総理が行っておりますが、横浜の保育所、こういうような施設への建てかえなどに大きなニーズがこれから出ていくし、また耐震化ということも、大きな地震ということで、非常に地域においても、各地方においても意識をしているということがあります。これは緊急のニーズだというふうに思います。

 そういう意味からいきまして、不動産の再生ということには多額な資金が必要となるために、投資家からの出資を受けて改修、建てかえという、REITとは違う、そうしたことについて運用するスキームが極めて有効だということを考えまして、この市場を拡大するということとともに、それ以上に、環境性能や建てかえ、あるいは耐震化というものを意識して、結果として地域が活性化するということを含めてこの改正を行う必要があり、こう考えているところでございます。

杉本委員 ありがとうございます。わかりやすかったです。

 次に、今回の法改正では許可制を届け出制にするということですが、素人目に見ると、不動産業界が健全であることを望みますけれども、やはり悪質業者が介在する余地を逆に増してしまうということがこの届け出制にはあると存じますけれども、この点の懸念はないのかどうか、教えていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 ただいまお話ありましたように、本法案につきましてはSPCを許可制から届け出制に緩和するということでございますが、このSPCというものは、あくまでも不動産の保有のみを目的とするものでございまして、実際に不動産を売買するような取引あるいは投資家の勧誘、こういったものはSPCから受託いたしました不動産特定共同事業者が行うということでございます。したがいまして、ただいまお話がありました御懸念に対して、まずは不動産特定共同事業者をどう監督していくかということであろうかと思っております。

 このため、不動産特定共同事業者については、これは従前どおり許可制にしているわけでございますし、また、不動産特定共同事業者が、例えば自己保有の不動産を不当に高い価格でSPCに売却するというような、事業参加者に不利益を与えるような行為、こういうものは禁止しておりますし、あるいは、不動産特定共同事業者が許可を受けていない業者に全て丸投げする、こういった行為についても禁止する、こういった規制を加えているところでございます。

 あわせまして、監督の実効性を高めるために、事業者から業務委託を受けた者等も立入検査の対象に追加するなどのことをやっておりまして、十分に不動産特定共同事業者の監視には努めてまいりたいと考えているところでございます。

杉本委員 済みません、局長、後で御答弁いただければと思うんですが、先ほど三宅委員からプロの投資家というお話があったんですが、プロの投資家に限定するというところは条文でどこに当たるかというのを追って質問しますので、また調べておいて教えていただければと思います。恐縮です。

 それでは次に、衆議院調査局国土交通調査室作成の、スキーム別の証券化された不動産の資産額、ストック額ベース、これは集計時点が異なっているので、一つのタイミングでという数字ではないんですけれども、J―REIT約八・六兆、特別目的会社は約十・六兆、GK―TKスキーム等約十二兆と、ストックベースで見ると活発な残高積み上がりを示しているというふうに理解できると思います。

 今回の法改正が必要だという点は大分伺ったんですけれども、実際に大臣がおっしゃられたとおり、今までの残高積み上げでも五千四百億と少ないということですけれども、本スキームによって新たに参入できる投資家だったり、組成の仕方だったりという点で、倒産隔離という点は一つあると思うんですけれども、それ以外の部分での特徴点を、投資家であるとか、案件組成だとか、あるいは地域だとか、そういった切り口からどういった違いがあるか、改めて教えていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 今回の法案につきましては、不動産証券化を活用している事業、四種類ほどあるわけでございますけれども、そのそれぞれの特徴がございまして、私どもが考えております、いわゆる老朽化した建物を更新していくものについては、投資家からお金を集めるのに必ずしも十分ではない、そういう認識のもとで今回の法改正を考えさせていただいたわけでございます。

 今回の法改正につきましては、ただいま委員御指摘がありましたように、一つは、SPCというものを設けまして倒産隔離をいたしまして、投資家に投資を促すようなものにしたいというふうに考えておりますのとあわせまして、先ほどこれもお話がありましたけれども、いわゆる投資家につきまして、例えばJ―REITのような一般投資家ではなくて、ある程度その事業に対して目ききができる、そういったプロの投資家についての参加を前提としているということでございます。

 また、SPCを導入することによりまして、いわゆる今までのような不動産特定共同事業を行う者、この企業が信頼性があるかどうかという判断ではなくて、その事業自体が収益性があるかどうか、こういう判断で投資をしてもらうということになりますので、そういう意味では、地方都市における例えば中小企業者、こういったものも投資の対象として考慮される余地がかなり出てくるというふうに思っておりまして、こういったもろもろの点において従前と変わったものになっているというふうに考えているところでございます。

 御答弁になっているかどうかわかりません。済みません、そのようなところで。

杉本委員 ありがとうございます。

 次に、イメージで、ちょっと私の理解が正しいかどうかわからないんですけれども、この法案で組成されたスキームの投資対象物が、リスク別にアセット、資産として分けられるのか。危険度が高いもの、低いもの、その中間とか、そういったスキーム組成というのはイメージされるかどうかを教えていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 先生の御指摘について、どうも私ども、必ずしも御理解していない部分もあるかもしれませんけれども、今回の改正スキームにおきましては、投資家がSPCに投資しやすくするために、SPCが保有する個々の不動産について、情報を投資家に提供するということが非常に大事だろうというふうに思っております。

 そのために、今先生がおっしゃいましたように、例えばリスク別にアセットを分けるというようなことは考えておりませんで、あくまでもSPCが保有する投資対象不動産、その一つ一つについてのリスクをしっかり投資家に開示していく、こういうことを考えているところでございます。

杉本委員 そういたしますと、結局、個々の不動産での投資というふうにおっしゃられたので、ひょっとすると、この投資対象物というのが、大規模な建造物を改修してということであればそれなりの額にはなると思うんですけれども、ちょっと小口の建物に対して改修をするとかという形の付加価値のつけ方だと、額としては知れているよということになってしまうと、J―REITじゃありませんけれども、やはり想定されるものというのは、それらの投資対象物を束ねてバルク化して売却していくというようなことが考えられるのかなと思うんですけれども、そういった想定はしてよろしいのか。むしろ、あくまでも小口でというか、個別で投資対象物ができるのか、この辺を教えていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 今回の法案につきましては、例えば老朽化した建築物を更新するというようなことで、それなりの投資判断が必要になるということでございますので、原則としては、一つのSPCが一つの物件を保有するということであろうと思っています。

 しかしながら、今お話ありましたように、例えば小規模賃貸マンションといったような、一つ一つが少額の案件につきまして、その属性が共通するものについては、これはあくまでも投資家との契約ということになると思いますけれども、投資家がいいということであれば、一つのSPCが保有するということはあり得るのではないかというふうに思っているところでございます。

杉本委員 では、組み合わせもあり得る、パッケージになるというか、二つセットにすることもあり得るということも考えられるということで承りました。

 次に、くっつける、くっつけないは別として、ちょっとイメージがどうしても湧きにくいんですけれども、今回の法案が通過することによってできるスキームによる投資対象物は、大体どのくらいの金額のイメージで、どのくらいの期間のものを投資対象物とし得るのか。平均的というのはなかなか難しいと思いますが、ただ、法案を通すに当たっては、やはりどういうものができるかというものも十分認識が必要だと思いますので、そういった点について、規模、金額、期間、こういったものを教えていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、運用期間でございますけれども、この改正法の仕組みにおける投資・運用期間は、もちろん投資対象不動産や投資家の投資目的によりさまざまではございますけれども、一般的には、事業による運用収益が安定化することによりまして対象不動産の価値が高まり、当該不動産の処分により投資した資金が回収できるまでの期間、こういうことであろうと思いますので、もちろん千差万別ではございますけれども、例えば五年から七年といったようなことになるのではないかというふうに思っております。

 それから、金額につきましては、これは本当に千差万別だというふうに思っておりまして、ここで平均像をお示しするということについてはなかなか難しかろうと思って、御容赦いただきたいと思っております。

杉本委員 金額はなかなか難しいということなんですけれども、億単位なのか、千万とか百万単位なのかとかというのは、本当に千差万別だと思いますけれども、やはりある程度の規模がないと投資ということになっていかないと思いますので、そういった意味では、御答弁いただけませんでしたけれども、そういった方向感も御検討いただければというふうに思います。

 次に、ちょっと私の理解がまた足りなかったら申しわけないんですが、J―REITとか、こういった特別目的会社によるところのスキームは、格付を取得することが間々あるかと思うんですけれども、実際、格付をとるというのも実はコストがかかったりというような世界でもあると思っていますが、この点については、格付取得をイメージされているのか、むしろ、そういったものはないというスキームが一般的と考えるのかを教えていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 議論としては、今委員御指摘のとおり、何がしかの格付が必要ではないかという議論も聞いているところではございますけれども、現時点では、そういった格付あるいは格付機関を活用するということについては考えていないところでございます。

杉本委員 それでは、またこのスキーム上の問題で、要は、リスク遮断は、倒産隔離という部分ではリスクは遮断されているんですけれども、改めて、リスクは絶対なくなることはない、リスクフリーというのはあり得ないわけでして、日本の国債もそうではあると思います。

 そういった意味で、リスクを、関係者がいろいろあって、例えばプロパティーマネジャー、アセットマネジャー、事務管理会社、サービサーとか、スキームによって登場人物は違うと思うんですが、アレンジャーだったり、あるいはオリジネーターだったり、こういった、もろもろの非常に難しい言葉が飛び交うんですけれども、倒産隔離という意味での倒産リスク以外にどんなリスクが引き続き存続するのか、この点を改めて国交省さんに確認しておきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、不動産証券化の事業を行っている場合にさまざまなリスクがあるわけでございます。一番よく知られておりますのは、例えば、天災が生じたことによるリスクでございますとか、あるいは、管理会社でございますとか運用会社、こういったところがしっかりとした管理運用を行わないことによるリスク、こういったものがあるわけでございまして、こういったものは、この不動産特定共同事業に限らず、投資対象不動産に備わっている固有のリスクだというふうに考えております。

 したがいまして、こういったリスクにつきましては、今回の改正スキームにおいても遮断されるということではないだろうというふうに認識しているところでございます。

杉本委員 どうも御答弁ありがとうございます。

 次に、改正案の概要という説明資料があったんですが、その中で、文章として、「法改正により、約五兆円の新たな投資が行われ、約八兆円の生産波及効果、約四十四万人の雇用誘発効果が見込まれる(今後十年間)」ということが書かれておるんですけれども、この算出根拠、特に、東日本でも町を訪ねれば、やはり行き着くところは復興復旧、町の再興のためには雇用が必要だということを月曜日にも聞いてまいりましたけれども、そういった意味で、この数字の算出根拠、殊に雇用の問題等について教えていただきたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 この経済効果、あるいは雇用に関する効果の試算の根拠でございますけれども、まずは、今回の法改正によりまして、どのくらい新しいスキームの不動産特定共同事業による事業がふえるかということについて試算をいたしました。

 これは、リーマン・ショック以前のレベルに不動産証券化事業全体が戻るということを前提とした場合に、例えば不動産証券化の事業につきましては、リーマン・ショック前は八・九兆円、それが今二・三兆円ということでございますので、その比較からいいまして、年間七千億円程度の投資になるであろう、そうしますと十年間で七兆円でございますが、そのうち今回のスキームによる増加分は五兆円だろうというふうに思っております。

 この新たな追加される投資額を前提といたしまして、産業連関表を用いましてその誘発効果と雇用をはじいた結果、約八兆円の生産波及効果、約四十四万人の雇用誘発効果ということになったわけでございます。

杉本委員 再度確認をします。四十四万人の算出根拠を、もう一度お願いできますでしょうか。

佐々木政府参考人 雇用の誘発効果四十四万人につきましては、先ほど申しましたように、新たに生み出される投資五兆円をもとに、よく使われておりますいわゆる雇用表というものを用いまして推計をさせていただいたものでございます。大変失礼いたしました。

杉本委員 どうもありがとうございます。

 それでは、もう最後の質問にさせていただこうかなと思います。

 今回、スキームが幾つかあって、J―REITがあり、TMKがあり、GK―TKがあり、今回の不動産特定共同事業法があるということでございますが、この言葉なんですけれども、ちょっと単語が、これはあえて提案でございまして、御答弁は感想で結構なんですけれども、正直、SPCが出てきたりSPビークルが出てきたり、あるいは、お役所の資料じゃないかもしれないんですが、関係機関の不動産証券化ガイドブックには、SPEという表現で特別目的事業体という表現があります。

 この言葉自体が極めて紛らわしい中で、スキームが、その根拠法が違ったりとか、あるいは倒産隔離の状況が違ったりとかいうことなのですが、少しここの部分であえて局長にお願いしたいんですけれども、この単語の交通整理をしていただくことが、ある意味で、今後、地域金融機関の専門家を育成するとか、そういった観点からすると、いや、そんなことはわかっているという方が多ければ結構なんですけれども、やはり新たに取り組もうという意味では、取り組みやすさという点でも、この単語の整理、SPC、SPV、SPE、TMK、特定と特別というような日本語の訳だったりというようなことがありますので、この辺の整理をお願いしたいと申し上げまして、感想だけで結構ですので、一言承れるでしょうか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のお話は、私自身としてはもっともだというふうに思うわけでございますけれども、金融市場とか不動産証券化市場では一般的に使われている言葉だということでございまして、この名称自体、なかなか私の一存でどうなるものでもないわけでございます。

 いずれにいたしましても、これからこの制度を普及させていくに当たりまして、わかりやすく説明して普及していくということが非常に大事だろうというふうに思っておりますので、そういう意味では、委員の御指摘を踏まえまして工夫をしていきたいというふうに思っております。

杉本委員 以上で終わります。佐々木局長、ありがとうございました。

金子委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 質問します。

 不動産特定共同事業法というのは、一九九四年に制定されました。当時、不動産流通や不動産投資をめぐってどのような問題があって法律を制定したのか、なぜ事業を許可制としているのか、この根本についてまず大臣にお話しいただきたいと思います。

太田国務大臣 投資家から出資を受けて不動産取引を行って、その収益を投資家に分配する事業というのは、昭和六十二年ごろ、一九八七年ごろから行われていたようでございます。これが平成三年ごろに、経営基盤の脆弱な事業者が倒産をしまして、投資家の資金が回収できなくなるといった深刻な被害が発生しました。九一年ということになります。そのため、投資家保護を図ることを目的に、平成六年に不動産特定共同事業法が制定されました。

 この法律では、投資家から出資を受けて不動産取引を行うような事業者につきまして、十分な財産的規模を有することや一定の資格者を配置することなどの要件を満たした者に限るということといたしました。このため、許可制を導入するということにしたものでございます。

穀田委員 なぜ九一年にそういうことが起こったのかというのがもう一つ言われませんでしたけれども、やはりあれはバブル崩壊で起こったということが一つの大きな事象でしたよね。ですから、私は、今の考え方の根本にもう一つ、多くの方々からも質問されましたけれども、不動産を投機の対象としていいのかという根本が今問われているんじゃないかと思うんですね。

 先ほどの話、説明を聞いていると、四十兆だ何十兆だといって、もうバラ色に描くわけですよね。大体、政府が物事を規制緩和してバラ色に描いたときは何が起こったかという、今までの歴史の反省をしなくちゃならぬというふうに私は特に思っているものですから、そういう角度で私が物を言っているということをまず知ってほしいと思います。

 現行法では、資本金一億円以上など、一定の厳しい許可要件を確かに設けています。それで、大手不動産会社に限って事業を認めている。許可を受けた不動産会社は、みずからの責任で開発を行い、利益を投資家に分配する。ところが、改正案ではこの規制を緩和し、一定の要件を満たす特別目的会社、SPCについては届け出のみで事業を行うことを認める。なぜ許可制から届け出制に規制を緩和するのか、この点についてもお聞きしたいと思います。

鶴保副大臣 先ほど来、御答弁申し上げておりますが、これまで、現行の不動産特定共同事業の仕組みでは、投資家の収益が投資対象不動産のみならず、他の事業からも影響を受けるため、投資家にとって使いづらくなっておりました。このことを避けるためということでございますが、具体的には、SPCにおきましても、委員御懸念のような、届け出制にしたという規制緩和ではありますけれども、これは器というふうに御理解をいただきたいと思います。

 そのSPCに対して、業務の全てを委託する不動産特定共同事業者におきましては、これらを許可制とさせていただき、御指摘の投機的取引の抑制等々についても、これらについては指導させていただくという方針で臨みたいというふうに考えております。

穀田委員 もう少しくっきり言ってください。聞こえないんです。マイクをうまく使っていただいてと思います。

 ただ、私、先ほど来ずっと話を聞いていると、このやり方の問題の中心は、何を目的にしているかというと、局長から答弁があったように、収益性に常に着目しているんですよね。それを何回言っても、常にそれはあるんですよ。だから、そこに大きな問題がある。

 そうすると、まちづくりなんかの場合に、収益性が目的でいいのかということになってしまうんですよね。だから、このようなやり方をしなければならないのかというのは疑問だと私は考えます。そして、公共的な部門が一定の予算を出して、住民の意思を入れてやれば済むことだと思います。ですから、このやり方でいけば、無責任な開発事業が進み、投資家被害が生じることになるんじゃないかと危惧せざるを得ません。

 SPCは、特例事業を行うといってもペーパーカンパニーで、実際の開発事業や不動産の取引、販売勧誘は委託する。倒産隔離されてプロ投資家にメリットがあるように言うけれども、事業をする側にとっては責任が軽くなり、リスクは投資家に負わせることができる。大手不動産やディベロッパーに非常に恩恵の大きい改正だと私は考えます。

 そこで、法改正によって耐震化や老朽不動産の再生へ民間資金が入ると言うけれども、今回導入される倒産隔離のスキームの対象になるのは中古不動産だけか、それとも新規建設も対象になるのか、簡単にお答えいただきたい。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 今回の改正スキームは、建築物の耐震化や、あるいは老朽化した建築物の再生、こういったこともございますし、あるいは遊休土地等の不動産の有効活用を図る、こういったこともございます。

 したがいまして、こういった法改正の趣旨に鑑みましても、この改正後の仕組みの対象となるのは、必ずしも中古の建築物の再生ということに限らず、遊休地などを活用した新規建設、こういったものも対象になるものと考えております。

穀田委員 先ほど来の話を聞いていても、何か、すぐ耐震化だとかそういう施設の話をするんだけれども、やはり新規事業も含めて対象になるということは明らかであって、やはり、その意味でいうと、大手不動産だとかディベロッパーが好き勝手できるようになるということ自身については私はあると思うんですね。

 といいますのは、今、法律の第一条、目的によれば、「この法律は、不動産特定共同事業を営む者について許可制度を実施して、その業務の遂行に当たっての責務等を明らかにし、及び事業参加者が受けることのある損害を防止するため必要な措置を講ずることにより、その業務の適正な運営を確保し、もって事業参加者の利益の保護を図るとともに、」となっているわけですから。現行の事業については、仕組みからして再生には向かないということだと思うんですけれども。

 そこで、今回新たに追加される特例事業というのは、リスクが高いから投資できるのはプロ投資家に限られるということになっています。プロの投資家といっても、はっきり言うと、大手の、大銀行や投資信託銀行だとかいって、それらがプロの投資家なわけです。

 二月に成立した補正予算によって、耐震や省エネ性能にすぐれたビル改修や建設に出資する官民ファンドが設立されました。このファンドの投資も受け入れることができるわけですね。

    〔委員長退席、西村(明)委員長代理着席〕

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 ただいまお話のありました、補正予算で創設いたしました耐震・環境不動産形成促進事業は、国が民間投資の呼び水となる資金供給を行うことによりまして、民間資金やノウハウを活用いたしまして、耐震・環境性能を有する良質な不動産の形成を促進し、地域の再生、活性化に資するまちづくりを推進しようというものでございまして、この事業の趣旨は、まさに今回の法改正の趣旨と軌を一にしていると考えております。

 したがいまして、今、委員御指摘がありましたように、改正後の不動産特定共同事業法による特例事業者、いわゆるSPCにこのファンドを位置づけるという方向で検討したいと考えております。

穀田委員 それで、今皆さんにお渡しした資料の一ページ目にそれが載っています。

 官民ファンドには、国交省から三百億円、環境省から五十億円、合計三百五十億円の税金がつぎ込まれました。民間投資の呼び水となるリスクマネーを供給するということで、改修、建てかえしたらぴかぴかになってREITに売却できる、これがその図ですよね。そして、大手不動産やディベロッパーや金融機関がもうけることができる。簡単に言えば、特定企業のもうけのためにこういう税金をつぎ込むことになるということは明らかであります。

 問題は、結局、誰のための規制緩和なのかということなんですよ。

 二〇一〇年四月、不動産証券化協会は、成長戦略としての大都市の再生・地域活性化に関する提言、民間資金等の活用促進策というものを行っています。その中で、不動産特定共同事業法に倒産隔離型のスキームを新たに創設することを求めています。提言の全体は、不動産投資市場を通じて、不動産二千三百兆円と民間資金、その中には個人金融資産千四百兆円と機関投資家等、いわゆる銀行、保険、さっき言った年金だとかありますよね、それを循環させる不動産証券化を一層強化することによって、大都市の再生と地域活性化、あわせて国際競争力の回復が実現し、我が国の成長を牽引していくもの、こう書いています。これが資料の二ページ目に書いているもので、ぐるっと回っていくということが書いているわけですよね。

 都市再生だとか地域活性化を掲げているけれども、結局、今回の改正で最も利益を得るのは誰か。同協会の主要メンバーである大手不動産、ディベロッパー、銀行や証券など金融機関、投資会社、ゼネコンなど、大企業じゃないのかということを私は考えるんですが、いかがですか。

太田国務大臣 これは、大企業だけがもうかるとか、そういうお話ではないという認識をしております。

 今回の改正は、遊休地の有効活用や老朽化した建築物の再生を促進することによって、建築物の耐震化、老朽化対策や都市の再生、地域活性化などに資するという極めて重要なものだと思いますが、それはそのまま大企業がもうかるというよりは、その町にとって重要であるということだと思います。

 また、事業者は、企業自体の信用力ではなくて、プロジェクトごとの優良性、収益性によって、建てかえ等を行うための資金調達を行うことが可能、こういうシステムになっているということからいきますと、投資家にとって、これはいいということにもなります。

 そして、自社の信用力だけでは資金調達の難しい場合が多い、これは大きいところというよりも、地方の中小ディベロッパーにとりましても、こうした建てかえ等については仕事ができるということも含めて、地方の中小ディベロッパーにとってもメリットがある。こう考えますから、そういう点では、これは大企業だけがもうかるんだとかいうお話ではないというふうに思っております。

    〔西村(明)委員長代理退席、委員長着席〕

穀田委員 この仕組みがなくても別に開発はできるということを言っているわけです。

 この仕掛けを提起したのは、今、四ページ目ですか、この資料にありますように、筆頭は不動産証券化協会の関係者、三井不動産からずらっと並んでいる、こういう人たちがこの内容を提起したということは事実であります。

 そして、法改正によって、国交省が資料で出しました不動産証券化実績の推移にありますように、年間千八百億円の事業実績が五千億円にふえると試算をしています。これほどの額の大幅増の中心になるのは、大企業であることは明らかであります。もちろん、地方で必要な耐震化や建てかえ事業を行うことに対して言うならば、私は、まちづくりの計画に位置づけて、国も地方自治体も協力して進めればよいと考えるわけであります。

 問題は、今言いましたように、不動産証券化協会の提言を受けて、当時の民主党政権は不動産投資市場戦略会議を設置し、八回にわたって、不動産ファイナンス協議会、不動産証券化協会、森ビル、三菱地所その他投信会社などからヒアリングをしています。同年十二月、報告書を取りまとめましたけれども、その内容は、今述べた、不動産証券化協会の提言に沿ったものになっています。そして、昨年、通常国会に不動産特定事業法改正案を提出した。衆議院解散で廃案になったけれども、政権復帰した自公政権が改めて今通常国会に改正案を提出した。こういう経過になっているんですね。

 だから、よくよく見ると、その中身がどういう内容で、しかもどういう形で行われてきたかという経過を見ますと、一目瞭然なんですよ。したがって、その内容、大臣は一生懸命、中小企業、中小企業と言っていますけれども、大手ディベロッパーの意見ばかり聞いていたんじゃないのか、こんなやり方でいいのかということについて、いかがですか。

鶴保副大臣 今回の法改正に当たっては、有識者や関連業界などから幅広く意見を聞かせていただいております。

 具体的には、平成十九年五月の社会資本整備審議会第二次答申において、不動産投資市場の今後のあり方につき、関係者との対話と自主的な取り組みを促す場を持つことが必要との認識が示されたことを受けて、行政、有識者、金融、不動産等の関係業界から成る不動産投資市場確立フォーラムというものを設立させていただきました。

 このフォーラムと、先ほど御指摘の不動産投資市場戦略会議の報告書を踏まえて、中小事業者に対するヒアリングを行いまして、その結果、本法案改正に対する要望が強く、今回の法案改正に至ったものと理解をさせていただいております。

穀田委員 おっしゃるように、不動産投資市場戦略会議におけるヒアリング関係者の御意見というのを見ましたけれども、一回から八回までやっていますよ。それを見ますと、少なくとも、東京海上アセットマネジメント投信会社、不動産証券化協会、大阪ガス、東京証券取引所等々、さくら綜合事務所、三菱地所、信託協会、これを見ても、それは少しはそういう方がいるというふうにおっしゃいますけれども、ほとんどはこういう内容になっていて、意見を述べているのはまさに大手事業者ばかりであることは、発行している資料からも明らかなんですよね。

 だから、経過を我々が言っているのは、どういう提案が出され、報告書が出されているか、その基礎になっているのは何か、その意見を聞いたのはどこか、この三つの点から私は言っているわけであります。

 そこで、経済成長のため不動産投資市場を拡大したら何が起こるか。特に問題なのは投機とバブルなんですよね。土地や建物等の不動産は人々の生活や地域経済の基盤であります。投機の対象とすべきではありません。

 ところが、今回の法改正により新たな資金が不動産投資市場に流入し、不動産の価格が投機によって乱高下し、市民生活や経済生活に悪影響を及ぼすおそれがある。今、安倍内閣の異常な金融緩和で、あふれ返ったマネーが不動産投資市場に流れ、不動産価格も上がり始めている。官製バブル、J―REITバブルと呼ばれる様相を呈している。これは「エコノミスト」や、その他の雑誌も報道しております。このようなときに国土交通省が、不動産証券化によるところの不動産投機、バブルに拍車をかけるべきではないと私は考えます。

 今回の法改正によって、一定の要件を満たせば誰でも不動産特定共同事業に参入できるということになりますから、投機目的のファンドが参入することも可能になるのではありませんか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 一般論でございますけれども、ファンドが事業に参加する方法として幾つかございまして、一つは、ファンド自身がSPCになるということが考えられます。また、そのファンドがSPCを設立する母体になるということが考えられます。しかし、こうした場合には、SPCはあくまでも不動産の保有のみを目的とするものでございまして、実際の売買等は行いません。そういう意味では、三番目に、ファンドが不動産特定共同事業の許可を得て、SPCから業務の委託を受けるという場合が実質的な意味を持つということになるわけでございます。

 不動産特定共同事業を行おうとする場合には、これは許可制になっております。また法律上も、投機的取引の抑制に配慮する義務が課せられております。したがいまして、疑わしい取引等があれば、立入検査など必要な監督を行ってまいりたいと思っております。

穀田委員 後で幾ら立入検査するなんて言ったって、参入できることは事実なんですよ。

 局長は先ほど、経済情勢について、実態があるから土地の値上がりというのはバブルにつながらないというような話をしていましたけれども、そんなことないですよ。今、南青山で長年塩漬けになっていた土地が超高値で落札され、話題になっています。土地の一部を持つ都市再生機構の入札で、落札した不動産会社は村上ファンドで有名な村上氏と関係が深い会社であります。虫食いの土地を異常な高値で購入したのは、周辺を地上げして再開発するつもりだろうとちまたでは言われているわけですね。大体、URがバブルを誘発させるような高額取引を行っていいのかという批判まで起こっているわけであります。

 そこで、バブルはなぜ起こったか。元国土庁次官で、その後、参議院議員を務めた清水達雄氏は、一九九四年の著書「バブル現象と土地・住宅政策」、これを持ってきました。ここでこう言っているんですね。国を挙げて民間活力、規制緩和、内需拡大を進め、余った金が土地、不動産に流れ込み、地価上昇、バブルが起こったと述べています。今、安倍政権の経済政策は、うり二つと言わなければなりません。

 大臣に聞きたいと思います。

 政府は、不動産インフラ投資市場の活性化を強力に進めています。今回の法改正にとどまりません。昨年、当時の民主党政権が日本再生戦略に位置づけ、昨年十二月の不動産・インフラ投資市場活性化方策に関する有識者会議報告で、PPP、PFIの活用、官民ファンドの創設、J―REITの市場の活性化、J―REIT運用資産の多様化などが提言されています。総選挙後、自公政権が復活して、これらの施策をさらに強力に進め、国を挙げて不動産投資市場を拡大しようとしている。

 私は、政府が投機やバブルを再燃させていいのか、本来、投機やバブルを抑えるのが政府の仕事じゃないのかというふうに思いますが、いかがですか。

太田国務大臣 かなり見解の相違というか誤解があろうかというふうに思いますが、不動産バブルは、実際の不動産の価値にかかわらず、不動産の売却益のみを狙った投機的取引によって資産価格が実体経済以上に高騰してしまうという、そうした状態であると認識しているわけです。

 本改正は、遊休地の有効利用や老朽化した建築物の再生を促進するということによって、これは大事なことです、建築物の耐震化、老朽化対策や都市の再生、地域活性化などを図るものである。これによって不動産の収益性を向上させ、それに見合う不動産の価値の向上分を投資家に配分をしていく仕組みでありまして、実体経済を反映した資産価格が実現するということが大事なことだと思っております。

 このため、今回の改正におきましては、御指摘のような不動産バブルを生じることはない、このように考えているところでございます。

穀田委員 誤解はありません。誤解があるとすると、経済界の多くの方々の半分の方々が、この問題について疑問を持っておられる方が全部誤解しているということになるわけですね。

 しかし、歴史はそうではなかったことがはっきりしています。あなた方がやった政策が見事にバブルをもたらし、それが破綻したという歴史的事実を想起しなければなりません。しかも、私は、この清水さんとは明らかに考え方が違いますよ。でも、バブルの時代に次官として行った施策とその反省という点では参考になります。

 この方は、我が国では土地の投機的取引が地価の高騰、土地利用の秩序の混乱等、国民生活に大きな弊害を及ぼしてきたことは否定し得ないと述べているんですね。そして、土地基本法、一九八九年ですけれども、「土地は、投機的取引の対象とされてはならない。」ということで、第四条にわざわざ書かれています。

 私は、国を挙げて異次元の金融緩和を行って、税金もつぎ込んで、さらに不動産証券化を行って不動産投資市場を拡大する、そして経済成長を図るというやり方を進めれば、必ず不動産投機、バブルが再燃することになるという可能性は否定できないと思っています。

 大都市への集中を進め、不動産価格の乱高下で、住民の生活や中小企業に悪影響をもたらすおそれがある。そして、結果として、大手不動産会社やディベロッパーの要求に応えて不動産証券化を拡大し、投機やバブルを再燃させる、そういう本改正案については反対だ。しかも、そのことは必ずや歴史が証明するだろうということを述べて、終わります。

金子委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

金子委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党を代表して、不動産特定共同事業法改正案に反対の理由を述べます。

 本改正案は、不動産特定共同事業の規制を緩和し、大手不動産会社の事業拡大と資金調達を助けるものです。

 現行の不動産特定共同事業は、許可を受けた大手不動産会社がみずからの責任で開発事業を行い、利益を投資家に配分するものですが、本改正案により導入される倒産隔離型のスキームを用いれば、事業に失敗した場合のリスクをみずから負うこともなく、損失が出ても投資家に負わせることができるようになります。

 しかも、現行では許可事業者に限り認めている不動産特定共同事業の規制を緩和し、一定の要件を満たす特別目的会社、SPCについては届け出のみで事業を行うことを認め、より容易に事業拡大と資金調達ができるようになります。

 本改正により、これまでリスクが高く、不動産証券化の対象となっていなかった既存不適格や老朽化不動産の再生事業まで事業の対象を拡大し、大手不動産会社に利益拡大をもたらすことになります。

 今、安倍内閣の異常な金融緩和で、あふれたマネーが不動産投資市場に流れ込み、不動産投機、バブルが再燃しようとしています。本改正により、新たな資金が不動産投資市場に流入すれば、市民生活、経済活動の基礎の一つであり、投機の対象とすべきでない不動産の価格が投機によって乱高下し、市民生活、経済活動に影響を及ぼしかねません。

 政府は、さらに官民ファンドなど税金もつぎ込み、国を挙げて不動産投資市場の拡大政策を進めていますが、今行うべきは不動産投機やバブルを抑えることであり、拍車をかけることではありません。このことを指摘し、反対の討論といたします。

金子委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

金子委員長 これより採決に入ります。

 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金子委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、望月義夫君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。三日月大造君。

三日月委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 一 まちの低炭素化、建築物の耐震化や高齢化への対応が喫緊の課題であることを踏まえ、本法により創設される特例事業がこれら建築物等の再生事業に有効に活用されるよう、ガイドラインの作成等の情報提供に努めるとともに、民間投資の拡大に向けた支援の実施に努めること。

 二 本法により創設される特例事業により地方都市の建築物等の再生事業が活発になることが期待されていることを踏まえ、地域の金融機関等が積極的に事業参加し、有効な不動産ストックの形成に資するよう、制度について周知するとともに、地域の不動産投資市場を担う専門知識を持った人材の育成に努めること。

 三 不動産特定共同事業者の増加が見込まれることに鑑み、その質や信用が低下することがないよう、また、本法により創設される特例事業の事業参加者となる投資家が、特例事業者の倒産リスク等の特例事業に係るリスクを過度に負うこととならないよう、金融庁等の関係省庁と連携し、不動産特定共同事業者及び特例事業者に対する監督に万全を期すこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

金子委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金子委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣太田昭宏君。

太田国務大臣 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 大変ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

金子委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

金子委員長 次に、内閣提出、民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣太田昭宏君。

    ―――――――――――――

 民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

太田国務大臣 ただいま議題となりました民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 空港は、国際・国内の航空ネットワークを構成する極めて重要な公共インフラであり、我が国経済社会の発展や地域の活性化に大きな役割を果たしております。

 こうした空港の持つ役割を最大限に発揮させるためには、航空会社等の利用者ニーズを踏まえた機動的な着陸料等の設定、空港ターミナルビル等との一体経営を通じた空港運営の効率化、航空会社の積極的な誘致等による就航路線や便数の拡大等を図っていく必要があります。

 その前提として空港の運営に民間のノウハウを取り入れていくことが有効であり、空港を地域振興のために活用したいという意欲ある地方公共団体からも、その実現に向けた御要望が寄せられているところです。

 このため、平成二十三年の民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法の改正により創設された公共施設等運営権制度を活用し、空港の所有権を国等が保有しつつ、その運営等を民間事業者に委託することを可能とするための関係法律の整備を行う必要があります。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、国土交通大臣は、地域の実情を踏まえ、関係者の相互の密接な連携及び協力のもとに、地域の活力の向上が図られるべきことを基本理念として民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する基本方針を定めることとしております。

 第二に、国管理空港の運営等を民間事業者に委託する場合において、対象空港や民間事業者等の選定の際には、国土交通大臣は、関係地方公共団体等から成る協議会の意見を聞くこととするとともに、安全及び利用者利便を確保するために必要な航空法や空港法の特例等について定めることとしております。

 第三に、地方管理空港についても、管理者である地方公共団体の判断により運営等を民間事業者に委託する場合における必要な措置について定めることとしております。

 そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由であります。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

金子委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十三分散会


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