衆議院

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第17号 平成25年6月18日(火曜日)

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平成二十五年六月十八日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 金子 恭之君

   理事 大塚 高司君 理事 土井  亨君

   理事 西村 明宏君 理事 松本 文明君

   理事 望月 義夫君 理事 三日月大造君

   理事 井上 英孝君 理事 高木 陽介君

      赤澤 亮正君    秋本 真利君

      井林 辰憲君    井上 貴博君

      岩田 和親君    門  博文君

      後藤田正純君    國場幸之助君

      佐々木 紀君    斎藤 洋明君

      坂井  学君    桜井  宏君

      白須賀貴樹君    土屋 正忠君

      中村 裕之君    長坂 康正君

      林  幹雄君    原田 憲治君

      平口  洋君    ふくだ峰之君

      前田 一男君    宮澤 博行君

      務台 俊介君    村井 英樹君

      若宮 健嗣君    泉  健太君

      大畠 章宏君    後藤 祐一君

      寺島 義幸君    若井 康彦君

      上野ひろし君    坂元 大輔君

      西岡  新君    三宅  博君

      佐藤 茂樹君    樋口 尚也君

      佐藤 正夫君    杉本かずみ君

      穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   国土交通副大臣      鶴保 庸介君

   国土交通大臣政務官    赤澤 亮正君

   国土交通大臣政務官    坂井  学君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 金杉 憲治君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           後藤  収君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            西脇 隆俊君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         佐々木 基君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  川本正一郎君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        足立 敏之君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局水資源部長)    小池  剛君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  前川 秀和君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  井上 俊之君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  滝口 敬二君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    北村 隆志君

   国土交通委員会専門員   宮部  光君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十八日

 辞任         補欠選任

  大西 英男君     佐々木 紀君

  後藤田正純君     村井 英樹君

  林  幹雄君     土屋 正忠君

  泉  健太君     後藤 祐一君

  柿沢 未途君     佐藤 正夫君

同日

 辞任         補欠選任

  佐々木 紀君     井上 貴博君

  土屋 正忠君     林  幹雄君

  村井 英樹君     後藤田正純君

  後藤 祐一君     泉  健太君

  佐藤 正夫君     柿沢 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     大西 英男君

    ―――――――――――――

六月七日

 気象事業の整備拡充に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九四二号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第九四三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第九四四号)

同月十一日

 気象事業の整備拡充に関する請願(岩田和親君紹介)(第九八四号)

 同(ふくだ峰之君紹介)(第九八五号)

 同(望月義夫君紹介)(第九八六号)

 同(黄川田徹君紹介)(第一一二〇号)

同月十八日

 気象事業の整備拡充に関する請願(大畠章宏君紹介)(第一二二六号)

 同(高橋みほ君紹介)(第一二二七号)

 同(高橋みほ君紹介)(第一二七七号)

 同(中村裕之君紹介)(第一二七八号)

 同(吉田泉君紹介)(第一二七九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件

 水循環基本法案起草の件

 雨水の利用の推進に関する法律案起草の件

 雨水の利用の推進に関する件


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     ――――◇―――――

金子委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長西脇隆俊君、土地・建設産業局長佐々木基君、都市局長川本正一郎君、水管理・国土保全局長足立敏之君、水管理・国土保全局水資源部長小池剛君、道路局長前川秀和君、住宅局長井上俊之君、鉄道局長滝口敬二君、海上保安庁長官北村隆志君、外務省大臣官房参事官金杉憲治君及び経済産業省大臣官房審議官後藤収君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。穀田恵二君。

穀田委員 前回に続いて、鉄道問題を大臣に一つだけ聞きたいと思います。

 JR岩泉線について聞きます。

 二〇一〇年七月の水害以降、不通になっています。JR東日本は、昨年三月に、復旧断念、廃線を正式発表しています。もし廃線となれば、国鉄再建法に伴う特定地方交通線以外のJR東日本線では初めての廃線となります。

 岩泉線に並行するのは、片側一車線の国道四百五十五号線のみであります。山岳区間の急勾配でカーブが続き、冬場はとても通れる状態ではありません。ところが、国鉄再建法によっても存続させるべき路線をJRは一方的に廃止を明言しています。

 JRの責任を考える上で、国鉄から分割・民営化されたときの経緯を確認しておくことが大切であります。分割・民営化の際には、赤字ローカル線はJRから切り離されました。莫大な借金は国民の税金で穴埋めされ、最終的には二十四兆円にも上りました。こういう手厚い保護のもとで、現在、黒字経営となっているわけです。

 赤字路線で、復旧費用が多額ということがJR岩泉線の廃線の理由のようですが、JR東日本では、この小さな路線、一日三往復の路線を存続させることができないほどの経営危機の状況にあるのか。東日本大震災に便乗したかのような廃止を許してはならないと思いますが、一点だけ大臣の見解をお聞きします。

太田国務大臣 御指摘の岩泉線につきましては、二十二年七月の土砂災害によって全線で運休中となっているものであります。東日本大震災とは別個の問題でありますし、また、この特定地方交通線というのは、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法に基づいて、国鉄が運営の改善のために適切な措置を講じてもなお収支の均衡を確保することが困難なものとして、運輸大臣の承認を受けて、バス輸送への転換や第三セクター化等を図ることとされているという状況にございます。

 この中で、旅客輸送密度四千人未満という基準が定められておりましたが、当該線を利用する旅客量を勘案して必要と認められるバスの走行が可能である代替輸送道路がない路線については、除外されているということでございます。

 そこのところが、ちょっと道路が狭いというような状況で、大型バスには道が狭いというようなことがあったりというようなこともお聞きしているわけでありますけれども、五十七年当時五百人あった旅客が、JR発足時に百八十人、被災直前には四十六人にまで減少するなどということで、事情の変更が生じているというふうに承知をしています。

 そこで、今の御質問ですが、JR東日本においては、国鉄改革の経緯から、鉄道路線を廃止するときには、国鉄改革後の事情の変化等について地元に十分に説明することが求められております。このため、本件についても、JR東日本が、沿線自治体等に対し、必要な説明を進めていると私は承知をしているところでございます。

 地域の鉄道の取り扱いにつきましては、鉄道事業者が地元との間で話し合いをしていただくことが必要であるということはそのとおりでありますので、岩泉線につきましても、JR東日本と地元の間でよく話し合っていただく必要がある。この話し合いについては、これからも話し合う必要があるというふうに私は考えております。

穀田委員 話し合いの必要があるのは当然なんですね。廃止しようとするときには、自治体などに十分説明することということで、国の指針がある。その前の方の文章はこう書いていまして、「現に営業する路線の適切な維持に努める」ことともあるわけですよね。

 つまり、災害で崩れたことによって復旧がなかなかしんどいという状況を一つてこにして、この際やってしまおう、こういうやり方は、いかにもひどい。地元の住民を挙げて、やはりこれを何とかしようじゃないかということでやっています。

 地元の自治体では、議会の中でも、そういう復旧を希望しているということで、首長がおっしゃっていますし、この七月にも、岩泉線存続強化促進期成同盟総会も開催の予定であります。

 私は、この問題を考えるときに、大臣、先ほど変更があると、変化はあるわけです、事情の変更があるという、事情が変化していることは事実ですよ。でも、地元のことでいいますと、岩手県のこっち側の三陸方面はやっていて、これは岩泉線とまたつながっているわけですよね。結局、そういう一つ一つをやはりJR東日本では潰していこうという気じゃないかとみんなが思っているわけですよね。

 ですから、私は、そういう意味からいっても、国民の移動を、自由という保障をする、その基盤となる国鉄分割・民営化という問題が改めて問われているんじゃないかと思っています。

 今回のJR岩泉線の問題は、赤字を口実にすれば不採算路線を自由に廃線できるという前例をつくりかねない問題なんですね。さらに、先ほど述べましたように、被災地のJR復旧の問題についても、もうけ第一から復旧を先延ばしし、あわよくば廃線ということを許してよいのかという問題だと私は考えます。

 したがって、不採算路線が切り捨てられるということをこういう形でやることは許されない、ましてや、地元の納得、理解なしでこんなことを勝手にやることは許されないということを言っておきたいと思います。

 次に、本来先週質問するはずだったんですが、延びましたが、住宅のセーフティーネットの問題について、特に聞きたいと思います。

 アベノミクスということで取り沙汰されていますけれども、これを見る一つの指標として、住宅の問題、すなわち、住民の居住の安定が確保されているかどうかというのを、アベノミクスが国民生活にどんな影響を及ぼしているかということで見る必要があると思います。

 特に、住宅セーフティーネット法もつくり、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を育成する家庭、外国人、ホームレス等の住宅の確保に特に配慮を要する者、これは住宅確保要配慮者といいますが、への住宅確保は、住生活基本計画にも明記されていることであります。

 その中で、憲法も保障する、健康で文化的な住生活を営む基盤として必要不可欠な住宅の面積に関する水準として、最低居住面積水準が定められております。これは極めて大事なことであります。住宅確保要配慮者世帯を推計する際にも、著しい低年収未満かつ最低居住面積水準未満の世帯などのように、収入だけでなくて居住面積が根拠、基本になっています。

 まず、居住面積の最低水準はどう規定されているか、それから、住生活基本計画では最低居住面積水準未満の住宅を解消する目標を掲げているが、その取り組みや進捗状況はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 住生活基本法第十五条におきまして、御指摘のように、住生活基本計画に定める事項として、いわゆる最低居住水準というのが定められてございます。

 これにつきましては、単身者の場合でお答えさせていただきますけれども、住宅面積二十五平米、これが最低居住面積だというふうに規定をされておるところでございます。

 一つお断りをしておかなければいけませんが、注書きのところに、単身学生、単身赴任者等であって比較的短期間の居住を前提とした面積が確保されている場合には除外だと書いていまして、確保されているかどうかは別問題でございますけれども、実務上は、実は、住宅・土地統計調査におきましても、寄宿舎、それに類するものにつきましては面積の調査をこれまでしていないということで、事実上除外ということになってございます。これはお断りしておかなければいけないと思います。

 その上で、平成二十年の統計調査で、最低居住水準の未満率が四・三%、計画上はこれにつきまして早期に解消することというふうにされております。

 以上でございます。

穀田委員 答弁がありましたように、単身者であっても二十五平米が最低基準だということは明らかであります。公営住宅はもちろん、民間賃貸住宅でもこの最低基準をクリアすべきであることは当然であります。

 そこで、きょうは、明らかに最低水準を下回る賃貸住宅が出回っている問題について質問します。

 毎日新聞が五月下旬から報道している脱法ハウスについてであります。

 それによると、東京都中野区や練馬区、千代田区、墨田区などで賃貸されている部屋の面積は、わずか一・六畳、一・七畳、面積では二・五から二・六平米しかありません。東京都の条例では、居住は七平米、四・三畳以上としているけれども、その三分の一であります。

 中野区の施設は、木造二階建て、床面積二百五十平米に三十七の個室が設けてあります。練馬区の施設は、鉄骨三階建て事務所・店舗用ビルで、二階に五十八室もあります。しかし、どこも窓がない、あっても塞がれている、部屋を仕切る壁は薄く、せき払いや寝返り、鼻をかむ音が聞こえるし、上の天井との間があいたままになっている、トイレ、キッチンは共同だけれども、浴室はなく、シャワー、ランドリーは有料だと言われています。

 大臣に聞きますが、こういう最低居住面積水準をも大きく下回る賃貸住宅で、居住者が住生活基本計画で言うところの健康で文化的な住生活を営むことができると思いますか。

太田国務大臣 報道されている事例を見ますと、御指摘のとおりの平米数であったりということだと思います。これで健康で文化的な生活を営めるかということからいえば、これは難しいのではないかという印象を正直持ちます。

穀田委員 誰が考えてもこんなことは無理なんですよね。

 ところが、事業者というのは、倉庫だとかレンタルオフィスだと言って、利用契約であり、借家契約、賃貸契約ではないと主張しているようですが、実は、管理人まで置いているという現実があるんですね。現にそこに寝起きし、中には住民登録をしていることなどが明らかであって、誰が見ても、また多くの方々も証言しているわけですけれども、明らかに居住している。実際に、中野区や墨田区の施設では、東京消防庁が共同住宅と認定して指導もしている。避難誘導灯の設置などを要請し、事業者も一定改善したと言われています。

 こういう倉庫、レンタルルームを装いながら住居として劣悪な部屋を賃貸している事業が出てきている現実です。入居者も、派遣切りに遭った労働者や、年金暮らしの高齢者、生活保護の受給者もいるようであります。

 この十二日に院内で開催されたハウジングプアの集会で、居住者からの証言がありました。千代田区に行って相談した、区の職員が一緒に行って、宿泊所みたいに紹介し、部屋を確認の上、立ち会いのもと、契約書にサインした、こういうことを言っておられます。区の職員も、居住用の物件として扱っていたと、環境が極めて悪いことは把握している。また、ある女性は、事業者に何を最初に言われたか。布団はそちらで用意してくださいねと言われたと述べ、明らかに居住を当然の前提としてのことだったと証言しておられます。

 新たな形態だけれども、いわゆる貧困ビジネスの一種ではないかとの懸念の声も上がっています。住居であれば建築基準法違反となる窓がないことなど、まだ是正されていません。事業者は、ネットカフェなどを展開する事業者が各地に店舗を広げる形式で営業しており、拡大しています。一刻の猶予もできません。直ちに、実態調査、把握し、法令違反等を是正すべきではないかと私は考える。

 これは急を要していますから、いつまでにこれをやり切るのか、大臣に答弁を求めます。

太田国務大臣 私も、この件は、早く実態調査をして、建築基準法に違反するものについては是正を徹底して、建築物の安全確保をしていかなくてはいけないというふうに思っています。

 建物の外観だけでは違反かどうかの判断が難しくて、まずは、実態調査をするということが大事だというふうに思っておりまして、六月十日に情報受付窓口を設置いたしました。

 この六月十日に、都道府県に対しまして通知をして、都道府県等においても情報受付窓口を設けること、そして、情報提供のあった物件については、特定行政庁において消防部局等と連携し調査すること、そして、建築基準法令に違反する物件が確認された場合には、特定行政庁において是正指導を行うことを要請し、通知をさせていただきました。

 危険な状態の建築物を放置しておくということは、もとより許されるものではありません。建築基準法違反の建築物については、是正を徹底し、建築物の安全確保を図ってまいりたいと思います。

穀田委員 通知を行って取り組みを開始したのは、当然いいことだと思います。問題は、期限を切ってやらなければ事態がどんどん悪くなるという意味で、指摘しておきたいと思うんです。

 ただ、六月四日に、住まいの貧困に取り組むネットワークや、国民の住まいを守る全国連絡会、それから全国追い出し屋対策会議、この三者が、「一部の「シェアハウス」に見られる不安全な「脱法ハウス」の緊急対応策に関する申し入れ」を行っているんですね。これは六月四日なんです。それを受けてようやく動き出したということなんだろうと思うんですけれども、そういう方々が努力をされておられるということについても述べておきたいと思うんです。

 そこで、黙過できないトラブルが起こっていること、これを提起したいと思います。

 消防法違反が指摘された中野区の施設を運営しているネットカフェ大手マンボーが、千代田区の類似施設を突然閉鎖するとして、利用者に立ち退きを迫る事態が発生しています。五月二十四日に、突然、六月三十日に閉鎖するという張り紙を出しています。七月一日から解体工事の予定ということが理由らしいです。

 八十室ある利用者の多くが困惑しており、実際には普通のアパート契約と変わらない、それを急に出ていけと言われても、転居資金もないし、時間的猶予が欲しいと困っていると、私どもにも相談があります。

 事業者は、部屋を貸す際の利用規約にこのように書いています。「当社が即時解約が妥当だと判断した場合、解約できる」、このように記載していることを盾にとっているようですけれども、実態として、賃貸契約ならば借地借家法が適用されるし、私的な強制排除は許されないはずであります。

 このようなやり方は認められないと思うけれども、問題は、急を要するわけだから、立ち退きだとか閉鎖をやめさせるべきじゃないか、このことについてお聞きします。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 多くの方が居住しており、寄宿舎、基準法上はこういう用途になりますけれども、これに該当する可能性が高いにもかかわらず、貸しオフィスとか倉庫とかと称し、契約上もそういうことになっているケースもあるように伺っておりますけれども、事実上は建築基準法の防火基準等に違反をしている、こういう物件について、まずは実態をちゃんとつかまなければいけないと思います。

 と申しますのは、個々の案件で契約書がどう書かれているか、これは契約書の記載にかかわらず、実は居住の実態があって一定期間お住まいになれば、居住用の借家権が発生する場合も当然あるんだと思います。これは契約書の書きぶりにかかわらずでございます。

 ということでございますけれども、実は、こういう話につきましては、役所の方であらかじめ型をはめて、これはこうだということを決めていくのは非常に困難でございます。今回、特にいろいろな形のものがあると思いますので、一般論で言えば、まずは個別に司法の場で判断されるということになろうかと思いますけれども、あわせて、しっかり実情把握に努めてまいり、必要な対策があれば打っていけるようにやっていきたいというふうに思っております。

穀田委員 実態はもう言っているし、そんなのは聞けばすぐわかるんですよ。司法の判断なんて待っている余裕はないんですよ。相手は六月三十日までに出ろと言っているわけやから、六月三十日までに手を打たなきゃならぬと言っているんですよ。

 実際に、例えばそういう指導をしますわね。そうしたら、コストがかかるから、それは出ていけと言うに決まっているんですよ。窓をつくったり、いろいろやったりする金はないから、そんな金かけるんやったら出てくれ、こうなるわけです。

 だから、今、それを阻止しなくちゃならぬということなんですよ。行き先がないわけですよね。受け皿がないとだめだ。では、結局どこが受けるのか。まずは司法などと言っている暇はないんですよ、自治体しかない。

 ですから、この際、行く先を決めるための相談、そして適切な住環境のアパート等への移転など、追い出される方にセーフティーネットを用意し、援助をしっかり行うということについて私は求めたいと思いますが、どうですか。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、実態は明らかだというお話がございましたけれども、契約書にどう書かれているか、そして居住の実態がどうか。これは、同じ貸しルームでも、同じビルでも、いろいろなケースがあると思います。これは役所が手を出して、結果的にそれが実態と合わないということになれば、逆に、出した方がおかしいということになりますので、これはあくまでも、司法上どうなるかということについてはしっかり見きわめる必要があるというふうに考えております。

 その上で、建築部局だけの対応では足りないことは事実だと思いますので、実は昨日、東京都と、問題になっている四区、それから、とりあえず消防部局、建築部局に集まっていただきまして、打ち合わせをさせていただきました。

 この延長線上で、御指摘のような生活福祉部局とか就労関係部局、こういうところの区の中でのネットワークも大事になってまいると思いますので、次は、そういう観点も含めて、何ができるのか、しっかり他省庁とも連携してやってまいりたいというふうに思っております。

穀田委員 後半の方はええのやけれども、実態をと言うんだけれども、千代田区に行ったらすぐわかるんですよ。そんな大仰な話と違うんですよね。大体、千代田区の職員が一緒に行って、見ていて、契約して、サインしているところまでやっておるのやから、その人に聞いたらしまいなんやて。そんな悠長なことを言って、追い出されたらどないしますねん。人を路頭に迷わせるなということを言っているんですよ。

 だから、まず言うとしたら、いろいろあるけれども、路頭に迷わせませんと言うのが大事なんですよ。それが役所であり、国家と違うのかということを私は言いたいと思います。

 問題は、しかも、一つ敷衍して言っておくと、これらの事業者が、先ほども言ったように、倉庫だとかレンタルルームなどと言いながら、ホームページなどの入居募集ではシェアハウス等として募集、勧誘しているわけですよね。

 そもそも、このシェアハウスとは何か。一般的な賃貸住宅や寄宿舎とは違った新たな形態なのだろうと思われます。

 東京都は、住生活基本計画で、「居住者が共同利用できるダイニングやリビング、浴室などを設けることにより、賃貸住宅居住者間のコミュニティ増進を図ろうとする取組が見られます。賃貸住宅における共用部分のあり方などについて検討します。あわせて、ルームシェアやホームシェアなどの新たな住まい方に関し、トラブル防止の観点から、ルールづくりについて検討し、取り組みます。」と明記しているんですね。

 日本シェアハウス・ゲストハウス連盟の専務理事は、定義も曖昧で、何をシェアハウスとするかは言った者勝ちの状態、多くは真面目にやっているが、モラルや遵法意識に欠ける業者が少なからず出てきているのも事実だ、業界として統一的な安全基準をつくることも考えるべき時期に来ていると話しています。

 シェアハウスに関して、東京都でも検討するとしているのだから、国としても、モラルや遵法意識に欠ける業者に対する規制、取り締まりを含めたルールづくりを検討、実施すべきではないか、このことを質問します。

金子委員長 井上住宅局長、持ち時間が終わっておりますので、簡潔に答弁をお願いします。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 もともと、このシェアハウスというのは、知り合い同士で一緒に住むルームシェアということから始まって、いわゆるシェアハウス、ゲストハウス、これは業者さんが間に入って部屋貸しをするというものに広がっていったんだと思います。

 私どもも、通常、シェアハウスというと、そういうものを想定したところでございますけれども、今回報じられている物件等は、それとは似て非なるものかなというふうに思っております。

 結果的にどういうことが今できるというふうにまで申し上げられませんけれども、しっかり調べた上で、御指摘のようなことも十分踏まえながら、やれることが何かということを見定めて、対応してまいりたいというふうに思っております。

穀田委員 終わります。

金子委員長 次に、佐藤正夫君。

佐藤(正)委員 おはようございます。みんなの党の佐藤正夫でございます。(発言する者あり)

 誠意ある答弁、そしてまた的確なる答弁を求めて、質問に入りたいと思いますが、今、声がかかりましたように、またエレベーターをさせていただきたい。

 今回で、予算委員会を初め、この国交委員会では二度目、通算三度目になろうかと思います。

 これまでの議論の中で、エレベーターについて、予定価格、それから落札価格、一者応札、一〇〇%応札などなど、いろいろ御指摘をしてまいりました。私本人も、現地を見させていただいたり、それから、国交省の皆さんからエレベーターの仕様書の図面も全部いただきました。図面もチェックをさせていただきました。

 それぞれ、これまでの答弁の中で、仕様が違う云々言っておりますけれども、現実には、仕様を決めるのは国交省でありまして、別段、そのエレベーターメーカーが仕様を決めるわけでも何でもありません。ですから、例えば法務局等であれば、当然、三階建てであれば、どの程度のエレベーターが必要であるか、こういうことも理解をした中で、国土交通省の方が仕様を決めるということであります。それが前提です。

 そして、これまでいろいろな取り組みをなされてきたんだろうと思います。先ほど私が申し上げましたように、予定価格自体が、同じ性能で三割も四割も予定価格が高いものもありますよ、そして、落札価格についても疑義がありますよ、これに対して、鶴保副大臣の方からも、真摯に検討させていただきたいという旨の答弁もいただきました。さらには、太田大臣の方からも、調査をいたしますということを何度も答弁をいただきました。

 そこで、お尋ねをさせていただきたいんですけれども、これまで、私の指摘に対して、調査それから検討をされるということでありましたが、今現在、どのような状況になっておりますでしょうか。

鶴保副大臣 過去のエレベーター設置工事の発注実績、他の発注機関の発注方法等の調査を行い、対応策を検討させていただきました。

 工事発注に当たっては、一層の競争性の確保が重要であり、また、予定価格の設定に当たっては、より一層の精度向上と客観性を高める必要があるというふうに考えております。

 このため、発注方式については、安全性や品質の確保を確実なものとする観点から分離発注が原則とは考えておりますが、他の公共発注機関の状況も踏まえ、国土交通省として、一括発注を採用した場合にどのように安全性や品質の確保を図るかについて具体的に検討してまいりたいと思っております。

 また、予定価格の方でありますが、各省各庁を構成員とする連絡調整会議、また地方公共団体等の他の公共発注機関の協力を得て、幅広い過去の工事の予定価格や落札価格に関するデータベースを構築し、共有、活用することを考えております。

 さらに、普及型エレベーターにつきましては、予定価格設定の指標となる標準的な単価、標準単価を作成することも検討してまいりたいと思います。

佐藤(正)委員 質問に入る前に、的確なる答弁をお願いしたいということでありました。ありがとうございました。随分前に進んだと思います。これまでなかなか入れなかったところに、今、副大臣の方から答弁をいただきました。

 そのような中で、実は、今言った一括発注、分離発注の件につきましても、この委員会でも指摘をさせていただいたところであります。その中で、全庁横断的な、横串を刺したような価格設定を検討されたらどうですかということも提案をさせていただきました。

 その分についても、今の答弁によれば、やっていくというふうに私は判断をしたんですけれども、それでよろしかったでしょうか。

鶴保副大臣 御指摘のとおり、横串的な措置を我々は漸進的に考えていかなければならないと考えております。

 このため、従来より、都道府県・政令市の公共団体については、全国営繕主管課長会議の場を活用いたしまして、連絡調整及び情報共有を図ってきたところでもございますし、これらの会議の場を活用して、他の公共発注機関の協力も得つつ、国土交通省として、主導的立場に立って検討、調整を進めてまいりたいと考えております。

佐藤(正)委員 全国的にもやっていただけるという御答弁でありました。本当にぜひ進めていただきたい、このように思います。

 私は福岡出身でありますけれども、実は福岡県は、もう副大臣も大臣も御承知だと思いますけれども、福岡県単独のエレベーターの価格表作成ということまで踏み込んで今やっております。当然、エレベーターの中にはいろいろな種類がありますから、まず一番やりやすいのは住宅用だと思います。

 そこで、県の方から聞き取りをさせていただいたところ、そういう県の住宅用の県単独単価表をつくった、その結果どうなったかというと、それをつくった段階でいろいろヒアリングをし、見積もりをとり、当然、民間の方にもお尋ねをし、いろいろな調査をやった結果、予定価格が何と、それだけで三割これまでよりも下がった、こういう実態があります。こういう実態は御存じでしょうか。

太田国務大臣 私としては、福岡県のその事例については承知しておりません。

 おりませんが、先般来、一者応札の問題、そして分離発注の問題、そして予定価格の問題、予定価格の中でも仕様との関係性の問題、そして標準価格の作成の問題、御指摘されたことについては、仕組みをつくって、先ほど鶴保副大臣の答弁の中に、検討という言葉の前に、具体的に検討させていただくということをあえて入れさせていただいたのは、そういうことをすれば必ず適正な価格というものが得られるであろうということで、今鋭意、いわゆる具体的に検討させていただいているという状況であります。

 福岡県でそうした例があるということであれば、より一層効果が出るようにということに努めたいと思います。

佐藤(正)委員 たまたま今、福岡県を取り上げさせていただきましたが、まだ公表はされていませんが、指定都市を含めて全国で六つないし七つの都市が一緒に連携しながら、実は検討をやっているんです。

 先ほど副大臣が言われた全国の政令市等も含めて、ぜひ一体となって、逆に言えば地方の方が先に進んでいたかもしれません、大臣、ぜひ執行部の方からも情報をしっかり聞いていただいて前向きにやっていただけたら、このように思います。ぜひよろしくお願いをします。ありがとうございました。

 それからまた、もう一点なんですけれども、天下りについてちょっとお尋ねをしたいなと思っております。

 それは、ベターリビングという団体があるんですけれども、どういう団体かというと、優良な住宅部品をBL部品として認定する一般財団法人ベターリビングというのがありますが、ここに国交省から天下り等はありませんか。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 一般財団法人ベターリビングにつきましては、国家公務員OBの常勤の理事が三名いるというふうに承知をいたしております。このうち一名は、つくばの方の研究所の御出身だということでございます。

佐藤(正)委員 どうしてお聞きしたかというと、実は前の住宅局長さんが行っていらっしゃるんですね。

 このベターリビングというのはエレベーターにも関連がありまして、品質管理等をしっかり見てやるところなんですね。

 僕がなぜこういうふうな問題提起をしたか。これまで、エレベーター、随分指摘をさせていただきました。なかなか進まなかった。地方の方が先に進んでいる。なぜ進まないんだろう。まさか、エレベーターに関連するところを調べていくと、こういうところが出てきて、そこに天下りが行っている、これが一つの要因だったら大変だなという思いで今お尋ねをしたんですね。

 ぜひ、そういうことがないだろうとは思いますが、これからまたしっかり調査を私どももさせていただきたいと思います。

 この問題はこれで結構です、事実確認ができましたので。

 もうエレベーターの問題はこれで一応終わりにさせていただきたいと思います。何度も申し上げますが、太田大臣、よろしくお願いをしたいと思います。

 続いて、お尋ねをしたいのは、平成二十四年度の補正予算関連事業についてであります。

 内閣府に進捗状況をお尋ねさせていただきました。今どういう状況なのか、六月末まででどういう状況なのかというのをお尋ねしたら、基本的に、国から独立行政法人、認可法人などを経由したものや、国から民間団体に直接したもの、国が直接民間企業と契約する、こういったものについては、六月末までに補正予算については約九五%進んでいます。しかし、国から地方公共団体を経由して、地方公共団体が発注するものについては、まだまだ六〇%足らずなんですね。

 とはいえ、今回の補正予算によって公共工事は四月の段階で一兆四千億を超える爆発的な伸びを示しています。この状況が、実際、被災地復興に悪影響を及ぼしているのではないかなと危惧をしておりますが、そういう懸念はありませんか。

太田国務大臣 補正予算でたくさんのものを出した、また、本予算でもたくさんの工事量が出る。したがって、それにいっぱいいっぱいになりまして、そして東北の復興というところからさまざまな形で、人を初めとして引き揚げるという形が悪影響を及ぼすのではないかということが指摘をされております。

 この問題につきましては、実は、今、莫大なというような表現を補正予算について先生からされたと思いますが、補正予算を見ますと、ことしの補正予算の公共事業関係分は一・八兆でございます。そして、本予算における公共事業、国交省の発注分は約四兆でございます。それを合わせますと五・八兆という形になるわけでございまして、これは十五カ月予算という形になりますが、毎年の、例年の公共事業関係予算というのは、昨今、急激に減っているということが言われておりますが、私たちが政権を担っている時代は、大体七兆円規模のものでございました。したがって、企業の体力が弱っているとはいえ、両方合わせて六兆に及ばない公共事業というものがこなせないということではないというマクロ的な判断をしております。

 なお、具体的に、そうした東北地方での職人不足であるとか、あるいは資材、生コン等の不足ということにそうした予算執行が影響を与えるのではないかということは十分懸念をしていたところでありまして、そこは目を届かせているということで、東北地方の特に震災復興ということに影響があってはならないというふうに思っているところでございます。

 先生の例えば九州ということからいきますと、昨年水害があったりいたしまして、大分等では生コンが高騰しているというような状況があったりいたします。

 私も、九州を初めとして、いろいろなところの業者と具体的に行って話をしておりますと、今までむしろ仕事がなかった、これからできるであろうということで、十分こなしていけるし、それはありがたいことだということで、東北に行っているという方たちは、ダンプの運転をする方たちであったり、生コンの若干のある部分の業者であったりというようなことでありまして、東京でもまた埼玉でも私は直接聞いておりますけれども、十分、この防災・減災、耐震そして老朽化対策という全国で展開される補正予算と本予算、これはこなしていけるし、東北の復興というのはむしろ加速できる状況にあるというふうに私は思っております。

佐藤(正)委員 予算委員会の中でもこの議論は随分ほかの党の方から大臣に御質問があって、今そういうような御答弁もいただいておるところなんですが、現実には、二十四年度の被災県における応札状況を見てみますと、これは二十四年度ですから、岩手県では、発注件数八百九十一に対して不調件数が百二十七件、不調率一四%、宮城県では、発注六百七十四件のうち不調が二百五十件、不調率三七%、福島県では、発注千四百十一件のうち不調が三百五十一件、不調率二五%という現実も実はあります。

 その後いろいろお尋ねをしたのですが、その後の調査をやっていないのでわからないということを執行部の方からお聞きしたんですけれども、今大臣の言われた答弁であれば、当然そこも注視しながら、被災県の入札、応札率、逐次やはり気にして、気をつけておかなきゃいけないと私は思いますが、どうなんでしょうか。その辺はどの程度までわかっているんでしょうか。

太田国務大臣 御指摘のとおり、私はずっとそこは気にしていまして、入札不調というものが東北三県で多い、そして、大きい規模のものはないけれども、一億円以下というようなちょっと小ぶりのものは不調が多いというようなことが、毎月どうなっているかということを調査はずっとさせていただいています。

 それで、正直申し上げまして、大体今までとそう変わらないで、そのままの高い状態でいっている。ところが、毎月毎月いろいろ変化がございまして、全体的には、ほぼ昨年と同様か、あるいは若干下がっているというところがあるという認識をしています。毎月毎月それについては調査をさせていただいているということでございます。

佐藤(正)委員 大臣、ありがとうございました。

 それで、実際、実は建設業というのは今非常に困惑をしているというのが現実だと思うんですね。公共工事がやはり削減をされてきて、先ほど大臣が体力がないと言われましたけれども、実は建設技能者の方々はもう転業をしている方が多いんです。例えば、型枠の大工さんなんかも随分もう職をかえられた方が多い。しかし、今回これだけ大型の公共工事が短期間に出た、集中したということです。そこで、人手不足が起きているというのが現実です。

 その中で、いわゆる建設業を営む方々からすると、公共工事が一遍にどんと出たってできないんですね。それは当然ですよ。要するに、十人規模の仕事しかできないものが、百人やれといったってできるわけないんですよね。

 だから、私が考えるには、公共工事の発注のあり方自体を少し検討されたらどうか。それは、単年度の復興以外の公共工事についても、予算化されて、調査をして、それから基本設計なり実施設計に入っていく。となると、実際に工事を発注できる期間というのがどっと重なっちゃうんですよ。集中するんです、これまでも。そういう公共工事のあり方自体を、非常に難しいとは思いますよ、難しいとは思いますが、国土交通省として、公共工事の、ある意味四月からでもできるような平準化した工事の発注ができるようなことを考えてみたらどうかなと思いますが、いかがでしょうか。

赤澤大臣政務官 工務店に二年以上お勤めになった佐藤委員の御指摘でありますので、重く受けとめさせていただきます。

 公共工事の執行に当たって、その工事が特定の時期に集中することのないように計画的に実施することも、御指摘のとおり、極めて重要であると認識をしております。

 二点ございまして、年度内の平準化とそれから年度をまたいだ平準化ということで、両方御指摘なので、一つ一つお答えさせていただきます。

 年度内の平準化という観点では、個々の工事の発注に当たって、可能な限り発注準備を早期に開始する、これは当然でございます。あわせて、入札契約手続期間の短縮などに取り組んでいるところでございまして、その点については、実は、二月二十六日、予算成立と同日に、地方整備局等の直轄工事発注機関に対して事務次官名の執行通達を発出し通知をいたしました。あわせて、地方公共団体に対しても参考送付して、地方単独事業などについても協力をお願いしております。

 加えて、今委員からも詳細お話がありました、年度をまたいだ平準化についても、ゼロ国債などの国庫債務負担行為の活用に取り組んでおります。

 端的に言えば、まだ工事に着手しないまでも、予算はもう既に確保をして、加えて契約等を終えておいて、次年度以降取りかかる、これはもう早急に年度初めから取りかかれる体制になりますので、こういったことも活用しながら工事の計画的発注を図るとともに、国庫債務負担行為の活用などにより、公共工事発注の平準化を推進してまいりたいと考えております。

佐藤(正)委員 すごく大事なところだと思うんですね。本当に、工事を受ける方は、例えば、公共工事をやる場合には、技術者をしっかり備えておかなきゃいけない。ところが、工事が集中する。しかし、やろうと思っても年間一物件ぐらいしかできない。じゃ、四月から大体九月ぐらいまでの間が発注がないものですから、そうするとどうなるかというと、やはり民間に走るんですね。民間に走っていきますと、民間は結構競争が厳しいですけれども、民間に走ってきたときに、じゃ、いざ公共工事といったときに、これまで、震災がある前でも不調が結構多かったんですね、現実は。そして、今回は一遍に材料費が上がり、人件費が上がり、そうすると、実際、受注するのにためらうんです。

 それについても国交省はいろいろな手だては行われていると思いますけれども、その場で物価スライド制にするのもあるんでしょう。しかし、それ以前に、私が申し上げた年度をまたぐ、もしくは年度内の工事の発注の平準化、これがやはり現場、実際の事業をやっている方からすると一番大きな問題点でありますので、そこはしっかりやっていただきたい、このように思います。

 時間があと一、二分になりましたけれども、もう一点は、これは通告していませんでしたが、いわゆる建設技能者、職人さんと言ったら悪い、差別用語と言われたので、建設技能者の方々、例えば左官業にしても、すばらしい伝統と文化を持った技術力を持っているんですね。ところが、なかなか公共工事の中ではそういう技術力を発揮するところが今なくなってきたんです、乾式化してきて。

 ぜひ、そういう技術を伝承する場を公共工事の中でも取り入れていくということは、通告していませんでしたけれども、最後に質問して終わりたいと思います。どうでしょうか、そういった点は何か考えられますか。どうぞ。

赤澤大臣政務官 私の地元でも、左官さんなどの集まり、あるいは大工さんの集まり等でお話を聞かせていただくと、本当にしっかりとそういう仕事をする場がないと若い人たちに技術をきちっと伝承していくことができないという部分も確かに現場で多く出てまいります。

 先生の御指摘も踏まえて、何ができるか等、検討をさせていただきたいというふうに思います。

佐藤(正)委員 ありがとうございました。

金子委員長 次に、三宅博君。

三宅委員 みんなの党の佐藤先生が繰り返しエレベーターのことを聞かれておりました。日本維新の会の三宅博は、拉致問題をまた繰り返し聞いていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 五月二十八日に、産経新聞の一面に非常に大きな記事が載っておりました。北朝鮮の軍関係者による海上での拉致、このことが報道されておりました。このことについてお聞きしたいんです。

 「脱北した朝鮮人民軍元幹部が軍の司令を受けて一九八〇年代に日本海で漁船の日本人乗組員を拉致した」「政府の拉致問題対策本部が元幹部から事情聴取したことが二十七日、分かった。政府当局が拉致実行犯を名乗る脱北者から聴取したのは初めて。」ということなんですけれども、この聴取した内容について御説明いただきたいと思います。

西村副大臣 お答えを申し上げます。

 御指摘の産経新聞の報道については承知をいたしております。

 政府としては、全ての拉致被害者の生存を前提にして、情報収集、分析、その他の取り組みを精力的に行っているところでございますけれども、今後の情報収集にも支障を来すおそれがありますことから、いつ、誰から、どういう内容を聴取したかについても含めて、情報収集の具体的な内容については、答弁を差し控えたいというふうに思います。

三宅委員 今後の事件の解明に支障を来すということなんですね。どの程度の情報を把握しているかどうかは公開できないということなんです。

 いつもそうなんですよ。把握した情報について、もう情報収集そのものが目的となっている。我々の、やはり政府の目的というのは、あくまで拉致された日本人を救出する、そのことが第一でなければならないのに、あくまで情報収集、情報収集といって、その情報収集のための阻害要因となってはならないということで、ほとんど情報の公開をされないということなんですけれども、ちょっとこれは本末転倒であるのじゃないかなというふうに思います。

 それでは、この中身についてまたお尋ねいたしますけれども、海上保安庁は、今回の証言に合致するような、海上における北朝鮮による拉致事件を過去どの程度把握していたのか。これは相当数あったと思われるんですけれども、それをどの程度把握していたのか、お聞かせいただきたいんです。

 今回、海上保安庁の長官宛てに、特定失踪者問題調査会の荒木さんの方から要請が行っているはずなんですね。

 荒木さんの方からは、海上での拉致というのは今回初めてわかったんですけれども、工作船との遭遇によって、証拠隠滅のためにしていたというふうな調査会の認識であったと。これは日本全国でそういうふうな認識だったんですね。ところが、全くそれと実態は異にする部分がありまして、結局、海上での拉致というのが頻繁に行われていた。

 今までは、陸上で多くの人間が拉致されていた、海というのは移送ルートといいますか、そういうふうな捉え方しかしていなかった。ところが、今回のこの脱北工作員といいますか、人民軍の軍人、彼の証言によって、海上そのものが拉致の主な舞台であったということが判明してきたんですね。

 だから、今までは、遭難事故で船が忽然といなくなった、あるいは亡くなった、あるいは船だけが残っていて乗組員がいなくなったというふうなことだったんですけれども、そうじゃないみたいだ。

 それで、調査会の方が、今回は、調査会の公開の名簿の中から六十五名の海に関する事故の調査の要請を保安庁にされた。また、それ以外にも非公開で十九名というふうなことで、調査会の方から長官の方に要請が行っております。

 このことに対しまして、海上保安庁は、過去いろいろな事案においてどのような認識でおられたのか、お聞かせいただきたいと思います。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 海上保安庁におきましては、まず、平成十四年、例のあの日朝首脳会談におきまして北朝鮮が拉致の事実を明らかにした年でございますが、その平成十四年から、日本海側を管轄します海上保安本部におきまして拉致容疑事案調査室を設置いたしまして、拉致の疑いのあるとされている事案などの事実関係の調査などを行ってまいりましたが、これまでのところ、新たな容疑事案と判断するに至る証拠には接しておりません。

 今先生がおっしゃいました、五月二十八日の産経新聞の一面に掲載された記事の関係で、海上保安庁では、朝鮮人民軍の元幹部が拉致に関与したという報道でございますので、それを受けまして、一九六二年から一九八五年の間に発生した海難事故、これが約六万九千隻ございまして、この海難事故を中心として、今、拉致との関連性について再調査に取り組んでいるところでございます。

 私ども宛てに要請文書を頂戴いたしました。その海難事故の調査に当たりましては、この六十五人プラス十九人の方について、まず関係を調べてみるということでございます。

 このリストを見ましても、区分のところで、今先生がおっしゃいました、海上だとか、あと海岸だとか、それから船員さん、フェリーだとか、そういう区分がございまして、特にその中でも海上というのが、この海難事故との関係の可能性があるのではないかと推測されるわけでございます。

 これにつきまして、我々としては、一件一件、我々が把握している海難事故との関係がありやなしや、そういうものについて、何せ古い話でもありますので、その調査表なり、過去におりました担当者にも事前にいろいろ聞いてみるなどして、今、事案の少しでも解明に努めているところでございます。

三宅委員 今回の脱北軍人工作員、軍の工作員ですね、彼が、特にその産経新聞の方では、一九八〇年代に、青森県沖で五人前後が乗った漁船を襲って三十代男性を連れ去った、残りの船員は船ごと沈めたというふうな証言をされているんですね。非常に残酷きわまりないといいますか、目的とする若い漁船員、彼らを拉致する、残りの年がいった人たちは船底に閉じ込めて、船の底に穴をあけて沈めたりしてずっとやってきた。

 元幹部は、こんなことは人間のすることじゃないというふうな思いもあったということなんですけれども、この青森沖で一九八〇年代、漁船を襲い三十代男性を拉致した、これに合致する事案があると思うんですけれども、その辺のところはどの程度把握されていらっしゃいますか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘の事案、いろいろ調べますと、昭和五十五年、一九八〇年に、青森県を出港した宮下丸という遊漁船がございました。これが一九八〇年の十月二十一日の午後四時ごろに青森県の奥平部港というのを出港しまして、そして消息不明となっております。

 それにつきまして、青森海上保安部の方におきまして捜索をいたしました結果、この宮下丸には、もともと船長と釣り客五名、したがって計六名の方が乗船されていましたが、そのうち一名については漂着遺体を発見しましたが、残り五名の方及び船体は発見できなかったという海難がございます。

 これ以外に、御指摘のようなものに類似する海難は認知しておりません。

三宅委員 当時、北朝鮮国内では、党の工作機関が主に多くの日本人を拉致していた。軍は軍で、やはり日本人拉致を目的に海上でいろいろな事件を起こしていた。党と軍が競争関係にあって、それぞれが張り合っていたんですね。そういった中で、多くの日本人が次から次とやられていったというふうなことなんです。

 さっき長官が、具体的に拉致であると推測されるような事案について過去把握していなかったというふうにおっしゃっていますけれども、いや、そんなことはないと思うんですよ。海上保安庁はそんな能力の低いような組織じゃないですよ。

 多くの現場の方々あるいは当時の方々、そういった方々は、これは恐らく北朝鮮による拉致事案であるということを把握されていたであろう。これは、単に現場の、前線の方だけじゃなしに、やはり海上保安庁、組織の中枢そのものも、そのぐらいのことは当然把握していた。ただ、対外的にそのことを公開されなかった、あるいは、そういうことを、自分たちの意見を口外されなかったというふうに私は認識しています。

 日本の警察もそうですよ。海上保安庁もそうなんですけれども、捜査能力、非常に高いものがあるんですよ。そういった組織が、知らなかった、そういうことはあり得ないんですよ。

 それはなぜかというと、次の件なんですけれども、昭和三十八年の寺越事件ですね。これは清丸という船でしたか、昭和三十八年の五月、寺越昭二さん、外雄さん、そして武志さんという三人の方が漁に出た。沖合七キロで、漁船だけが漂流しているのが発見された。三人の姿がいなくなったということなんですね。船には、他の船に衝突されてできたような損傷があったということなんです。それ以降、ずっと杳としてその三人の行方がわからなかった。

 ところが、それから二十四年後に、北朝鮮にいた寺越外雄さんからの家族に宛てた手紙で、北朝鮮に住んでいると。これは有本恵子さんの件も、そういうふうな非常に類似したケースだったんです。

 この寺越事件について、海上保安庁はどのような認識を持っているか。さっきおっしゃった、我々はそういった事案を過去把握はしておりませんでしたと言っておりますけれども、どうでしょうか。

北村政府参考人 お答え申し上げます。

 寺越武志さんほか二名が乗り組まれた漁船清丸ですが、昭和三十八年の五月十一日に、午後五時半ごろから六時半ごろまでの間に石川県の福浦港というところに入港していることを確認されたのを最後に行方不明となっております。明くる日の十二日の午前八時ごろに、漁場に向けて航行中の他の漁船が福浦港の沖合において、船体の一部を破損して、ある意味では水船のような、水浸しの状態となって無人で漂流しております清丸を発見し、その後、十五日まで巡視艇、地元漁船の協力を得て捜索をいたしましたが、乗組員の発見には至りませんでした。

 我々は、当時、昭和三十八年でございますので、この事案は衝突加害逃走船事案として捜査をいたしました。いわば陸でいえば当て逃げ事案でございますが、そこで、疑いのある船舶はどれであるか、衝突跡というふうな捜査をしておりましたので、清丸の船体の一部が破損されていて、そして、船の塗料がどうだとか、当時どういう船がそのあたりを航行していた可能性があるか等々、いろいろ捜査をいたしましたが、被疑船舶の特定には至らず今日に至っております。

 そういう意味で、我々として、拉致容疑事案と判断するに至る証拠には接してはおりません。

三宅委員 寺越事件は昭和三十八年の非常に古い事件でもありましたし、当時、北朝鮮拉致というものが、当然、今ほど理解も進んでもおりませんでした。だから、北朝鮮工作船に遭遇して、その証拠隠滅のために沈められた、あるいは漁船員が拉致されたというふうな理解になると思います。ただ、普通に考えますと、単に証拠隠滅のためだけでしたら、乗っていた三人、三人とも殺害するならしたらいいんですけれども、二人は連れて帰ったんですね。だから、その辺のところにちょっとやはり矛盾があるといいますか、そういうことなんです。

 この寺越さん事件の事案については、政府は政府認定をしていないんですね。これは答えられるかどうかわからないんですけれども、十三件十七名の拉致事件における政府の認定被害者がいるんですけれども、この認定という制度といいますか、これは制度というのか何というのか、日本政府がお墨つきを与えるという、これは変な話なんですけれども、この制度自体も、どこで誰がこれを決めているのかなというようなことなんですよ。

 寺越さんの事件、寺越武志さんは、自分が事故に遭ったときに北朝鮮の船舶に助けられて自分は北朝鮮で今現在幸福に暮らしている、これはだから事件じゃないんだ、私は北朝鮮に助けられて今は朝鮮で幸せに暮らしていると。そのことをもって政府認定をしていないということなんですね。

 ところが、このときに同じ船に乗っておられた寺越昭二さん、武志さんのおじさんですよね、このおじさんの息子さんたちは、いや、これは拉致だということで、古屋さんの方にももう一度再捜査というのもやっているんですけれども、片方の武志さんの御家族、武志さんは拉致じゃない、ところが、昭二さんの方の御家族は拉致だと。だから、その認定について一貫性がないんですね。これはどなたかお答えできますか。

西村副大臣 政府としても、これまでも、拉致被害者と認定している十七名の方以外にも北朝鮮当局による拉致の可能性を否定できないものが存在しているという認識に基づいて、関係府省とも連携をとりながら情報収集や関連する捜査、調査を強力に推進しているところでありまして、その捜査や調査の結果、北朝鮮による拉致行為があったと判断される場合には速やかに当該者を拉致被害者として認定することといたしております。

 御指摘の寺越事案については、これまで、拉致の可能性を排除できない事案として関係府省が所要の捜査、調査を実施してきておりますけれども、現時点においても拉致事件として認定するだけの証拠がないということで、拉致事件として認定することは困難だというふうにしております。

三宅委員 断定するに至らないということなんですけれども、この認定制度そのものが非常に矛盾に満ちたものであって、基本的には、最初に警察が捜査をしまして、証拠をずっと固めていって、その上で断定する。その後、政府認定に至って、あとは外務省が交渉の席上で、北朝鮮で、政府認定被害者である、誰それさんは北朝鮮にいるだろう、返せとかいうふうに言っているのかどうかはわからないですけれども、そういうふうな形なんですけれども、こういうふうな手順そのものが非常に硬直した部分があって、我々からすると余りにも事実に即していないというか、あるいはまた反対に、認定被害者をふやしたくないという政府の基本的な姿勢というものがいつもかいま見られるんですね。このこと自体も非常におかしいと思いますよ。

 口先だけでは、政府認定被害者だけじゃない、特定失踪者の方々も我々は救出、調査の対象としてこれに取り組んでいるんだと言うんですけれども、それなら、もっと真剣にいけば、政府認定被害者はもっともっとふえて当たり前なんですね。その辺のところ、ちょっと矛盾しているということを私は指摘しておきたいと思います。

 それでは次に、今度は、昭和四十二年に圭運丸、これは北海道でなんですけれども、事件があった。これは船は沈んでいる。ところが、船そのものは見つかっているんですね、海底に。こういったものも、軍関係者による海上での拉致事件と断定してもいいというふうな我々の考えなんです。

 船がもし見つかっているのであれば、これは非常に費用はかかりますけれども、引き揚げるとかいうことはできないのか。その辺のところを含めてお聞きしたいと思います。

北村政府参考人 今先生御指摘の圭運丸でございます。

 圭運丸は、一九六七年、昭和四十二年の十一月に、北海道の紋別郡にあります元稲府港という港を午前七時ごろに出港しました。乗っていた人は船長ほか三名、総トン数六トン余りの小さな船でございます。午前七時ごろに出港した漁船が帰港しないという連絡を、紋別にございます我々の海上保安部が受けました。

 そして、紋別海上保安部では、巡視船なり航空機を発動しまして地元の漁船とともに捜索を実施しましたところ、元稲府の北四海里の付近におきまして、その圭運丸のものと思われるロープなどを発見しましたが、巡視船、航空機でさらに専従捜索を実施しましたけれども、行方不明となった四名の方を発見するには至りませんでした。

 今先生おっしゃいましたように、この圭運丸というのは、当時漁協手配の水中テレビによって、元稲府の北四マイル付近に転覆し、沈没状態の船を発見したということでございます。

 これを、今実は、水深が四十メーターあるところでございます。昭和四十二年、一九六七年ですから、四十六年前の話でございます。かつ、この船は木造船でありまして、今先生の御指摘のことを、我々も北朝鮮の工作船、平成十四年に引き揚げたことがございます。これは、水深九十メーターでありましたが、鋼の船でありましたので、お金もかかりましたけれども、そういうことができました。今回のものが、今御指摘の船、四十メーターで四十六年前で、果たしてどんな形になっているのか。また、鋼じゃないものですから、もろくなっていることも当然予測されるわけで、まず、どんなやり方があるのか……(三宅委員「大体わかりますから」と呼ぶ)はい。というようなことを、ちょっといろいろ今検討をしていきたいと思っているところでございます。

三宅委員 木造船ですから、原形をとどめていない、引き揚げも非常に困難をきわめるということはわかります。ただ、やはり軍による海上での拉致、これの全容を解明するためには、そういった努力も必要ではないかなということでお話をさせていただいているんです。

 今回のこの報道、六月一日付では、この脱北した軍の元幹部は、ちょうど一年前に韓国で、日本大使館の関係者に、もうこの証言を伝えていたということなんですけれども、それ以降、ほぼ一年間、たなざらしといいますか、何らこれは手つかずの状態になっていたんですけれども、なぜ一年も経過する時間が必要だったのか、その間なぜ放置されてきたのか、この辺のところをお聞かせいただけますか。

金杉政府参考人 お答えいたします。

 個別の事案についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、我々、日ごろからさまざまな情報に接する中で、それを放置するとか、たなざらしにするということはございません。我々として、当然評価をし、それからフォローアップをいたしますし、今後とも、政府全体の方針のもとで全力を尽くしてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

三宅委員 いや、放置していたから一年間ほったらかしていたんでしょう。していないとおっしゃいますけれども、実態はそうじゃないでしょう。

 もう時間もなくなりましたので、これ以上言いませんけれども、政府自体は、いまだに拉致事件の認定被害者十二件十七名、十三件ともいいますけれども、十七名、それ以上認定被害者をふやさない。

 ところが、拉致事件の全容といいますか、拉致被害者の数は相当数なので、今回の証言だけで、海上で三十数名やったと。これは日本海側ですよ、太平洋側は太平洋側である。あるいはまた赤軍派によるヨーロッパルート、こういったものもある。あるいは南米ルートといって、南米を旅行中の多くの行方不明者もいるんですね。それから、特定失踪者が把握している、過去の北朝鮮に拉致されたかもわからない、こういったものをずっと総合しますと、相当数をどうも北朝鮮にやられている。

 こういった全容解明といいますか、そういったものに全力を挙げて政府が本来はすべきであろう。今みたいに事件を矮小化するというのはいかがなものかということをお話し申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

金子委員長 次に、若井康彦君。

若井委員 前の質問者の皆さん、みんな継続的なテーマで御質問されているようですが、私は、公共事業の問題について、引き続き、継続的にきょうは質疑をさせていただきたいと思います。

 後半のテーマは水の問題になると思うんですが、この水の問題に関連をいたしまして、まず、ダムの計画の予断なき再検証の進捗状況についてお聞きしたいと思います。

 平成二十二年度から国交省で進めておられます、このダム計画の予断なき再検証、事実関係として今どのような状況になっているのか、御報告をお願いします。

足立政府参考人 ダムの検証についてお答えを申し上げます。

 ダム事業、これにつきましての検証については、平成二十一年九月に、国土交通省におきまして、全国のダムを検証するという方針が示されまして、その後の検討を踏まえ、御指摘のように、平成二十二年九月二十八日に、直轄事業につきましては地方整備局等に対しまして検証を実施するように指示を行うとともに、補助事業につきましては都道府県に対して検証を実施するように要請を行ったところでございます。

 検証に当たりましては、本体工事中のものなどを除きまして八十三の事業がその対象とされ、有識者会議で取りまとめました検証方法に沿いまして検証作業を進めてまいっております。現在までに、八十三事業のうち五十三事業について対応方針を決定し、三十五事業の継続と十八事業の中止を決定したところでございます。

 現太田大臣も、個別ダムの具体的な検証を継続することは重要であるというふうに見解を示されておりまして、八事業の対応方針を決定していただきましたが、残っております三十事業につきまして、国土交通省といたしまして、できるだけ早期に対応方針を決定することを目指して、現在検証作業を進めているところでございます。

 なお、検証の結果、継続というふうに対応方針を決定しましたダム事業につきましては、関係機関と連携しまして、早期完成に向けて努力をしていきたいというふうに考えてございます。

 以上です。

若井委員 計画をされております公共事業は、どれも当然必要性がないというものではないと私も思いますけれども、国交省みずからが、公共事業について、その必要性の度合いといいますか、それをランクづけする、あるいはみずから採点をするというと変ですが、今後の公共事業の優先度を決めるという上で大変価値のある作業だと思いますし、恐らくこうした作業は初めて行われているのではないかというふうに私は評価をさせていただいております。今後も鋭意作業を進めていただいて、しっかりとした成果を生んでいただきたいとお願いを申し上げる次第です。

 それと、この場で一つ一つのダムについてお話をいただくのは余りにも時間もありませんが、できれば、その中間の段階の資料について、後ほどで結構ですが、お示しをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 ダムの需要について、その社会的な背景も変わってきておりますし、また我が国の財政状況も大変に逼迫の度合いが強いということもございます。公共事業における選択と集中、そのよき事例として、これからも注目をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 では、話はかわりますが、水循環基本法が後ほど出てまいりますが、本来であればこれについて議論したいところでありますけれども、まだ法案が提案をされていないという段階ですので、少し一般的に議論をさせていただきたいと思います。

 水循環の大変に大きなスケールの話を一つの基本法としてまとめるというのはなかなかの作業だと思いますけれども、大変に多岐にわたっておりますこれらの問題を、国として一体的に取り組んでいくということは、大変に大きな価値があることだろうと私も賛意を表する次第でございます。

 年間六千四百億トン雨が降るそうですが、そのうち、我が国におきまして人間が使用している量は八百十五億トンということだそうです。雨になって降り、これが蒸発したり、表流水として河川となって海に注いでいく。これが洪水を引き起こしたりするということになれば大変ですから、治水の面でも大きな問題がございます。また、農業用水、工業用水、そして生活用水として、人間の活動全般に切って切り離せない、そうした問題だと。

 人間の存在や生命の活動そのものも、水循環の一環だと言えば言えるわけでございますから、これを全体を把握して、一体的な管理あるいは利用をしていくというのはなかなか難しい問題だと思うんですが、これまで、例えば、それは世界じゅう、地球の上であればどこでも起きている問題でございますので、こうした水循環に関する総合的な取り組みというようなものについて、諸外国においてはこうした問題意識でどんな調査研究が行われてきているのか、あるいはその成果が利活用されているのか、我が国の参考になるような法制度が定められている事例、そうしたものがあればぜひ御紹介をいただきたいと思います。

小池政府参考人 お答えさせていただきます。

 諸外国におきます水に関係いたします総合的な法制度の枠組みの例に関しましては、EUにおきまして、水の枠組み指令というものが二〇〇〇年に策定をされているところでございます。

 この水枠組み指令の中では、持続可能な水管理の構築、水に関係する生態系、またそれに関連する地域の生態系の保護、洪水及び渇水の影響の緩和、有害物質排出削減によります水環境の保全、改善等を、二〇一五年までに統一的な水管理によって実現することが目標とされているわけでございまして、このEUの枠組みに従いまして、EUの各国の中で、それぞれの国の水資源関連の法律の改正が今進められているというところでございます。

 今後とも、ほかの国も含めまして、水管理に関係いたします法制度については注視をしてまいりたいというふうに思っております。

若井委員 我が国のように、四方が海で囲まれているという国柄ですから、むしろ、この水循環系については、大陸のそれぞれの国よりはわかりやすいというか、比較的に把握をしやすいテーマではないかというふうに思うんですけれども、もしそうだとしても、この問題については大変に多様なフェーズの問題があることはどなたも御理解しておられることだと思いますし、また、行政のテーマとしても、この間、大変に各方面で御苦労があったことだろうというふうに考えております。

 治水は当然国交省の課題ですし、生活用水は厚生省、下水道は国交省が扱われておりますが、農業用の用排水は農水省、工業用水は経産省、そして水質は環境省と、まあ、そんなことで、大変に行政的な課題としても管轄が多岐にわたっているという、こうした状況。これを一つの法律でまとめるということになれば、大変な力仕事だと思いますけれども、同じ一つの水を扱うということであれば、なかなかばらばらな官庁では管理ができない。ある意味で総合的な、一元的な計画の管理が必要であることも事実だと思います。それに加えて、最近では海外の資本によって全国各地で水源地の買収というような問題も生じている、そうした状況も起きてきている。

 そこで今回、このような法案の提案がなされることになったんだろうというふうに思いますけれども、この間、既にさまざまな多様な官庁が、この問題を一元的に取り扱う、そうした視点から取り組んできておられると思います。

 聞くところによりますと、十四府省庁によって水問題に関する関係省庁連絡会というようなことも行われてきたと聞いておりますが、この連絡会はこれまでどのような役割を果たしてこられたのか、あるいは、今どのような課題を抱えておられるのか。そして、その幹事官庁であります国交省は、どうした立場からどんな役割を果たしておられるのか、そこら辺について御報告いただければと思います。よろしくお願いします。

小池政府参考人 ただいまの御指摘にございましたように、水に関係する行政は非常に多くの行政分野にかかわっているということでございまして、政府一体となって水問題に対応できるように、平成二十一年一月に、十四の府省庁から成ります水問題に関する関係省庁連絡会を設置してございます。

 この中では、例えば世界水フォーラムや国際会議、こういう機会を活用しまして、日本の取り組み、外国の取り組み、そういうような国内外の水問題に関する我が国の対応を発信していくというような取り組みにつきまして、関係する省庁で情報交換を行いまして、連携を図っているというような例もございます。

 なお、この連絡会につきましては、内閣審議官と国土交通省水資源部長が共同議長を務めるということで、関係省庁の連携に努めてきたところでございます。今後とも、関係省庁との一層の緊密な連携を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

若井委員 水循環の基本法がもし成立をした場合には、恐らく、今おっしゃられたような業務を一本化した上で、どこか責任、恐らく内閣官房になるかと思いますけれども、一元的に進めていくということになるかと思うんですが、その果たすべき課題を、もう少しブラッシュアップして重点的に取り組まれるように、私の方からは要望をさせていただきたいと思います。

 また、こうした、ある意味でいうと船頭がたくさん乗っている船みたいなものだと思いますが、しっかりとその船頭の役割が果たせるように、ぜひ体制の方も整えていただきたいというふうに御要望しておきたいと思います。

 話はちょっとかわりますけれども、この間の水管理の問題をいろいろ調べておりますと、河川については、国交省の河川局の皆さんを中心にかなり一生懸命力を入れて長年にわたって努力をされてきているわけですが、表流水は見えるものですから、管理の方法についてもそれなりのシナリオが書けると思います。一方、暮らしなり産業に非常に密接でありながら案外その全貌がわからない、あるいはそのコントロールの仕方に十分な方策が講じられているのかどうかよくわからないというものが地下水でございます。

 地下水については、河川などの表流水の場合と違って、管理の範囲が非常に限定されている。井戸でくみ上げるというような水については、その井戸の位置を持っておられる地権者が一元的にその権利を持っている。ある意味でいうと私的な財産として活用、利用がなされてきた、そういうことだと思うんです。

 水循環の上では大変に大きなボリュームがあるこの地下水の問題について、近年は各自治体において多様な条例も制定をされております。地盤沈下が起きたり、水位が低下をした結果塩水化が起きたり、あるいは地表の汚染が水質の汚染につながっていたりという多様な問題が起きていて、これについての個別の対応というのは行われてきていると思うんですけれども、これらの地方自治体を中心とした個別の条例では、なかなかもうこれ以上前へ進めないというような状況に来ているのではないかと思います。

 国として、地下水管理について総合的に取り組んでいく、そうした取り組みはないんでしょうか。おありになると思うんですが、そこについてお聞かせをいただきたいと思います。

小池政府参考人 地下水に関しましては、過剰な採取によりまして、地盤沈下が関東平野の南部では明治の中期から、大阪平野につきましては昭和の初期から認められてございまして、非常に大きな問題になっているということで、特に昭和三十年以降につきましては全国に拡大をしたということでございます。

 こういう地下水の採取に伴います地盤沈下に対しましては、工業用水法、建築物用地下水の採取の規制に関する法律、また各地方自治体等の条例等によりまして、地下水の採取の規制や表流水への水源転換等の措置も講じてまいったというところでございます。

 特に、地盤沈下の被害が広い地域にわたりまして、なおかつ深刻な地域でございました濃尾平野、筑後・佐賀平野、関東平野の北部の三地域につきましては、関係府省で要綱を策定いたしまして、地盤沈下を防止し、あわせて地下水の保全を図るため、地下水採取に係る目標量を定めまして、地方自治体とともに総合的な取り組みを図っているというところでございます。

 これらの取り組みによりまして、全国的には地盤沈下は近年鎮静化の傾向が見られているところでございますが、しかしながら、地盤沈下の進行がまだ認められている地域も残っているところでございますし、また、渇水時には、短期的ではございますけれども、地下水位の低下によりまして地盤沈下が進行するおそれもあるということでございまして、引き続き関係機関と連携の強化を図ってまいりたいというふうに思っております。

若井委員 時間の関係もございますので、ちょっと質問の順番を変えさせていただきますが、先般、五月八日の一般質疑におきまして、私は太田大臣に、社会資本ストックの台帳づくりについて質問をさせていただきました。

 非常にインフラ大国になった我が国において、これからこれを有効に活用したり、あるいは、限られた財源の中で最大限上手にこれをマネジメントしていく上で、どうしても台帳の整備が必要だというふうに私はかねてから皆様に申し上げている次第です。

 その質疑の際に、太田大臣からは、来年三月までに調査、点検を終える、そういう御答弁があったわけですけれども、どうも、全ての社会資本ストックについて来年三月までに調査、点検を行うというのはなかなか困難な、ボリューム等の問題もございますし、大変難しい問題ではないかと思うんですけれども、改めて、国交省の方で社会資本ストックについての現況の調査、どういうふうに進めておられるのか、どんな段階になっているのか、その点について御説明をいただきたい。

西脇政府参考人 お答えいたします。

 まず、先生、二点ございまして、現況を把握するということは、まず点検につきましては、トンネルの構造物等、緊急なものは至急やりました。それから、来年三月までというのは、集中点検ということで、できる限り全ての施設にと思っておりますけれども、確かに一部、市町村等の地方公共団体の管理につきましては、なるべくそれをするようにということで要請しておりますけれども、なかなか難しい面がございますが、これにつきましては我々も協力をいたしまして、何とか仕上げたいというふうに思っております。

 一方、施設の現況把握というところでは、いわゆるデータベースというか、社会資本ストックの情報がないということがございまして、これは、点検の方は老朽化とか危険度を判定するものでございますが、そもそも建設年度がわからないような橋梁が多いとか、そういう基礎的なデータにつきましても、老朽化対策の一環として、点検とは別にデータ整備を進めたいというふうに考えておりまして、この二つをあわせて、今後の老朽化対策なり維持管理・更新を効率的にやるもののベースとして活用してまいりたいというふうに考えております。

若井委員 平成二十五年五月二十九日に、社会資本メンテナンス戦略小委員会の方から、今後の社会資本の維持管理・更新のあり方についてという報告がなされておられるようですけれども、この中に、維持管理・更新費の推計等についての作業も含まれているというふうにお聞きをしております。

 この作業は、そうすると、今御説明いただきましたチェックとどのような関係にあるのか、そして、これをいつまでに、どのような形でまとめようとしておられるのか、その点についてお聞かせください。

西脇政府参考人 維持管理費の将来推計につきましては、今委員御指摘のとおり、メンテナンス戦略小委員会の先生方の意見も伺いながら、順次作業を進めております。

 今回の中間答申の中では、どういう課題があるかとか、どういう点に留意して推計すべきかというような、主に手法等についての御指摘をいただいておりまして、これをもとに作業を進めております。

 いわゆる点検とかデータ整備の関係について申し上げますと、現況を把握いたしませんと、どれぐらいの維持管理費の推計が必要なのか、厳密に全て把握する必要があるかどうかは別にいたしまして、今回の推計につきましては、なるべく施設の実態に合わせた推計にしたいというふうに考えております。

 最終的には審議会の委員の意見も踏まえてということで、至急作業しておりまして、今、いつまでとはなかなか申せないのですけれども、いずれにしても、施設の実態を把握した上でということでございますので、点検なりデータ整備と密接に関係して進めてまいりたいというふうに考えております。

若井委員 先般から議論をさせていただいておりますが、それなりにしっかりしたものをつくるということは当然心がけてこられたこととは思うんですけれども、いずれにしても、いつかはこれは壊れるといいますか、寿命が来るものばかりですので、それがいつ、どれぐらいのボリュームで、どれぐらいのお金がかかるのかということは、今の作業を詰めていく中で、ある程度明らかになってくると思います。

 私は、そうしたものを、しっかり正確なものをつくった上でこのデータを公表して、公共事業の今後の進め方について国民的なコンセンサスをつくっていくということが大事じゃないかと思いますので、この作業については、ぜひしっかり進めていただければというふうに考えております。

 西村副大臣がお帰りになってしまいましたので、一方的に申し上げたいと思うんですが、先般、西村副大臣からは、強靱化というキーワードに関して、今の国交省が扱っておられるインフラだけではなくて、例えばエネルギーであるとか情報であるとか、あるいは医療等のソフトインフラについても調べさせているということでございます。

 ぜひこの作業をしっかりわかりやすいものにしていただきたいということと同時に、これから我が国で進めるべき公共事業の整備というのは、まさにこの強靱化という言葉の解釈の問題かと思うんですけれども、さらに上積みをするというよりも、今持っている社会的なインフラをどのように選択をし、よく言う言葉で言えば、集中をしていくか、そこにやはりテーマがあるんじゃないか、かかっているんじゃないかということを重ねて申し上げまして、時間が参りました、終わりにさせていただきます。

 大深度地下利用の問題については、また次の機会にぜひ御質疑をお願い申し上げます。どうもありがとうございました。

金子委員長 次に、白須賀貴樹君。

白須賀委員 自民党の白須賀貴樹でございます。

 このような質問の場をいただきまして、心から感謝を申し上げます。

 先ほど質問された若井先生と私は同じ選挙区でございまして、同じ選挙区であるということは、やはり気が合うということで、私も水の質問についてさせていただきたいと思います。

 二十世紀の戦争は石油をめぐって争うものであり、二十一世紀の戦争は水をめぐって戦うことになるだろうと、一九九五年、当時の世界銀行の副総裁でありましたイスマイルさんが警告した言葉でございますが、二十年たって、まさに今、現実になりました。

 今現在、世界において十一億人の方々が適切な飲料水を確保することができず、また、二十六億人の方々が、いわゆる下水処理、正確な、しっかりとしたそういったものができないために、工業排水や生活排水によって汚染をされていて、健康を害されている。そしてまた、そういった汚染が彼らの水源にまで達し、ますます適切な飲料水の確保ができなくなっている。その結果、十年後の二〇二五年には、いわゆる世界人口の約三分の二の方々が適正な水を確保できずに苦しむという推測のデータがあります。

 今現在、世界の人口は七十億人、二〇二五年には八十億人にも達すると言われております。その八十億人の方のうちの三分の二の方々が、水で苦労する時代があと十年後にやってくるという推測のデータがございます。

 また、日本の隣国でございます中国、この中国という国は、今現在、水不足が深刻でございます。いわゆる一人当たり年間使える水の量は、中国の国民の一人当たりにおいては二千七百立方メートルしかございません。これは、世界平均の四分の一の量しかありません。それが、二〇三〇年までに約十六億人まで達した場合には、千七百六十立方メートルの量しかない。世界的に水不足と言われているのは千七百からでございますから、限りなく水の足りない状況になっているのが、そしてまた、そうなるであろうというのが隣の大国の中国であります。

 そしてまた、水質を考えますと、中国の水質、都市の地下水の約九〇%は汚染されていて、また、七五%の河川、湖、沼が、もう既に汚染をされている状況でございます。つまり、中国は、これから自分の国の国民に水を飲ませるために、戦略的に、そして国を挙げて水を確保しなければなりません。そういった国が日本の隣にあるということを、皆様方、まず認識していただかなければいけません。

 そしてまた、二十三年末の林野庁のデータによりますと、今まで、外国企業による森林の買収、いわゆる水源である森林の買収は四十九件、そして、東京ドーム百六十個分、七百六十ヘクタールもの面積が、もう既に外国の企業によって買収が済んでおります。

 皆さん、冷静に考えてください。中国の水質、先ほど非常に悪いと言っておりました。インターネット等で、中国、水、汚染と入れてもらって調べていただきますと、赤い川、青い川、緑の沼、紫の川に、そして虹色に光っているような川、色彩豊かな川だらけでございます。中国という国、今やゆされているのは、南方の川は全て汚染されている、北方の川は全て枯渇していると言われる状況でございます。そして、今、外国の企業が買われている中には、もちろん中国系の企業もございます。

 では、日本の土地の取得に関して、外国人に対する規制はありますかということを考えますと、外国人土地法というものがあります。しかし、これは、一九二五年、大正十四年に制定されたものでございまして、防衛上大切な土地に関して、陸軍大臣と海軍大臣の承認を求めるというものでございます。

 冷静に考えますと、まず一点目、今の時代背景に合っておりません。二点目考えますと、先進国において、外国人だからという理由で土地の取得を規制しているところはほとんどございません。三つ目には、自由な経済活動に対して、どこまで規制していいのか。そういうことを考えますと、外国人土地法というのはほとんど形骸化しておりまして、これを活用するというのは、皆様方、本当に熟慮しなければいけない状況だと思っております。

 今話したことを鑑みた上で、質問させていただきます。

 世界銀行による中国の将来における安定的な水供給等についての厳しい予測など、安全な水についての諸外国の関心が高まる中、水源となる土地の外国人による取得が話題となるなど、水に関するリスクについて、関係する各省庁がより連携して取り組むことが必要となっております。

 水に関する省庁の横断的な取り組みについて御説明をお願いいたします。

小池政府参考人 水は、国民一人一人の毎日の生活はもちろんのことでございますけれども、我が国の社会経済活動の持続発展のためにも、安定的な確保が極めて重要であるというふうに認識しているところでございます。

 水に関係する行政につきましては、上水、工業用水、農業用水など水の利用に関しまして、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省など、多くの行政の分野にかかわっているということでございまして、十分に連携して諸問題に当たることが必要だというふうに考えてございます。

 このため、政府一体となりまして水問題に対応できるよう、平成二十一年一月に、内閣審議官と国土交通省水資源部長を共同議長としました、十四府省庁から成ります水問題に関する関係省庁連絡会を設置して、情報交換をしているところでございますし、また、渇水時等の対応につきましては、平成十七年に十一省庁から成ります渇水対策関係省庁会議等を設置いたしまして、情報交換等を行って連携に努めているところでございます。

 今後とも、関係省庁と一層の緊密な連携を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

白須賀委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、水の涵養能力というもの、水を保有する能力というものを考えますと、やはり田んぼや畑、もちろん森や林、そしてまた貯水槽や、さまざまな分野を考えますと、農林水産省や環境省や経産省や、さまざまな分野が責任を持って連携をとってやっていかなければいけない、そのための法律というものもこれから考えていかないとと思っております。

 ちょうどこの後に出ると思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 まず最初に、皆様方にそういった基本的な御理解をいただいた上で、ちょっと、三百選挙区の中の私の選挙区の、本当に日本の中のちっちゃな話になってしまいますけれども、少しお話をさせていただきます。国内の問題でございます。

 私の選挙区、柏の一部から始まりまして、鎌ケ谷、白井、印西、富里市、そして酒々井町と栄町、旧本埜村、印旛村、そして、〇増五減によってひょっとしたら船橋市がつくかもしれないという状況でございます。若井先生と同じ選挙区でございます。

 その選挙区には、手賀沼という沼と、印旛沼という大きな沼がございます。実は、この二つの沼は、今現在、二十五年の環境省のデータによりますと、COD、いわゆる水の汚れている度合いを調べるものにおきましては、印旛沼は十一ミリグラム・パー・リットル、そして、手賀沼に関しては九・三ミリグラム・パー・リットルという形で、恥ずかしいことに、日本の汚れている沼の一位と二位をいただいております。三位は宮城県の伊豆沼という形になっております。

 この手賀沼と印旛沼、これは順位がころころ変わっておりますが、それはなぜかというと、その横に大きな利根川があります。その利根川よりも高い位置に手賀沼がございまして、利根川から手賀沼まで水を揚げるときには、ポンプで上に揚げますが、結果的に、還流させた後にまた手賀沼から利根川の方に水が落ちてきますので、利根川に対する水の総量は変わりません。ですから、今現在、ポンプで水を揚げて循環させることができて、また水を戻すことができるので、手賀沼の水質というのは、昔の日本一の悪い状況から、かなり改善されてきました。

 しかし、印旛沼を考えますと、印旛沼に、もしも手賀沼から水を入れた場合には、千葉県を横断するようにして沼が続いて、川に続きますので、東京湾の方に流れてしまいます。つまり、利根川から印旛沼の方に水を流し込みますと、利根川水系の水の総量が変化してしまうので、下流の方の漁協の方々にも少し迷惑がかかるので、なかなか難しい状況ではありますが、印旛沼というのは、周辺のいわゆる市、私の選挙区も含めて、船橋もそうですし、佐倉もそうですし、千葉市まで生活用水を供給しているために、百万人以上の方々が生活用水として利用しております。ですから、どうしても印旛沼の水質を改善していくというのは、私の責務であり、急務であります。

 そしてまた、それとつながっている長門川というものを何とか一級河川にしたいというのが私の地元首長たちの願いでございますが、これはなかなか難しいと思いますので、そこのところは結構でございますが、質問に移らせていただきます。(発言する者あり)わかりました。では、やってください。ありがとうございます。

 では、質問に入らせていただきます。

 印旛沼の水質改善対策は国と地方が一体となって取り組むことが重要だと考えますが、その見解についてお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

足立政府参考人 印旛沼の水質対策についてお答えをさせていただきます。

 印旛沼につきましては、委員御指摘のとおり、千葉県が河川管理者として管理をしておる湖でございまして、千葉県の飲料水、農業用水、工業用水、こうしたものの貴重な水源となってございます。

 高度成長期に、周辺の開発や都市化の進展、こういったものが進みまして、アオコが発生するなど水質が悪化し、昭和五十九年には、委員からも御指摘のありました、CODで十三というような非常に悪い値を記録したことがございます。

 そうした状況を受けまして、昭和六十年には、湖沼水質保全特別措置法、いわゆる湖沼法でございますけれども、この指定湖沼に指定されてございます。

 これを踏まえまして、昭和六十一年度に、千葉県によりまして印旛沼に係ります湖沼水質保全計画が策定されてございまして、底泥、湖の底の泥でございますけれども、これのしゅんせつや、下水道、合併浄化槽の整備、畜産業におきます汚濁負荷の削減対策、工場からの排出規制の上乗せ基準の適用、下水道の未整備区域におきます家庭の生活雑排水汚濁負荷削減対策、こういったさまざまな取り組みが行われまして、そうしたことが功を奏しまして、ここ数年のCODは八程度のレベルで来ておるというふうに聞いてございます。

 しかしながら、依然として環境基準でありますCOD三という目標に対しましては大きく上回っておりまして、水質面で大きな課題を抱えておるという現状であるというふうに思っております。

 委員御指摘のとおり、こういったものにつきましては、流域の住民の皆さんも含めまして関係機関が総力を挙げて対応することが大事だというふうに考えておりまして、千葉県の方で関係機関と一体となって今取り組みを進めておるところと聞いております。

 私ども国土交通省といたしましては、そうした取り組みをしっかり支援していくように努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

白須賀委員 ありがとうございます。

 百万人以上の方々が利用しておりますので、日本国民のうちの百二十分の一の方々が使っている沼だということを何とか御理解の上、よろしくお願いを申し上げます。

 先ほど手賀沼の話をさせていただきました。手賀沼というものは、先ほど言ったように、利根川からポンプで上に水を揚げることによって循環させて水質をよくしたという話があります。

 実はこのポンプ、皆様方御存じのとおり、電力がない限りこれは動きません。そして、前回の震災の際、節電の要請によってポンプの稼働率を下げました。その結果、手賀沼の水質が一気に悪くなった上で、今、印旛沼が一番水質が悪いんですけれども、手賀沼の方が悪くなった結果、印旛沼が二位、手賀沼が一位、そういう不名誉な状況になりました。

 つまり、インフラを運営するに当たっては、どうしてもやはり電力というのは必要なんです。震災の後、いわゆる、水道が停電によってとまってしまったという事例もありますし、また、高速道路を初めさまざまな道路等において、もう全て、電気がなければ動くことができません。ですから、この夏、どういう状況になるのか。また節電によってポンプが動かなくなったりして水質が悪くなったりする可能性もありますので、質問に移らせていただきます。

 インフラの運用において電力は必要不可欠であると考えますが、ことしの夏の電力の見通しについてはいかがか、教えてください。

後藤政府参考人 お答え申し上げます。

 この夏の電気の需給見通しでございますが、経済産業省の中で、総合資源エネルギー調査会総合部会の下に設置しております電力需給検証小委員会というところで専門家の検証を行っておりまして、その結果を四月二十三日にまとめたところでございます。

 この中身を申し上げますと、二〇一三年度の夏季の電力需給につきましては、二〇一〇年度の夏季並みの猛暑になるという可能性のリスク、もしくは直近の経済成長の伸び、それから家庭や企業における節電の定着などを織り込んだ上で確認したところ、いずれの電力会社の管内におきましても、安定供給に最低限必要な予備率三%以上は確保できるという見通しになってございます。

 ただ、他方、大規模な電源の脱落等が起きた場合には電力の供給が逼迫する可能性も否定できませんので、ことしの夏は数値目標を伴わない節電ということを要請させていただきたいということで、四月の二十六日の電力需給に関する検討会議において決定させていただいてございます。この状況によりまして、ことしの七月一日から、数値目標を伴わない節電というのをお願いしたいというふうに考えてございます。

白須賀委員 ありがとうございます。

 私は、国民の方に理解していただきたいのが、日本の皆様方の日常生活を支えていくためにはどうしてもインフラが必要で、そのインフラを維持、運営するためにも電力が必要である。それでまた、水質の問題にまで電力が密接にかかわっていることを理解していただいてもらって、やはり安全性が確保されている原発に関しては早急に動かすべきだということをここで発言させていただきたいと思います。

 時間がないので、次の質問に移らせていただきます。

 私の選挙区が林幹雄先生の選挙区の隣でございまして、成田空港がすぐ隣にございます。万が一、首都圏において大規模な震災が起きた際、やはり成田空港等に自衛隊の部隊等が来て救援というか救護したり、物資を運んだりする必要が出てくると思います。

 しかし、東京から成田空港への大きな主要な道は、湾岸線等を使って、千葉県の海沿いを走る道路しかございません。震災のときには、ひょっとしたらこの道路、問題がある可能性がございますので、やはり内陸部の方にしっかりとした動脈のような道路をつくる必要があります。それがちょうど四六四号線、いわゆる北千葉道路というものが今、鎌ケ谷市の途中でとまっております。この道路ができることによって、いわゆる首都圏から成田空港への一般道のバイパスができる形になります。

 災害を考えて想定した場合にはこの道路は必要だと思いますが、今後の整備の仕方についての見識をお聞かせいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

前川政府参考人 お答え申し上げます。

 国道四百六十四号北千葉道路は、東京外郭環状道路と成田国際空港を最短ルートで結ぶとともに、沿線にございます鎌ケ谷市、千葉ニュータウン、成田ニュータウンを連絡する重要な幹線道路でございます。

 北千葉道路の全体延長は約四十三キロですが、このうち鎌ケ谷市から白井市を経て印西市に至る約二十キロが現在供用中となっております。また、印西市から成田市に至る十三・五キロについては、成田高速鉄道と一体となりまして、平成十七年度に事業着手し、先月、五月の三十一日に一部区間を供用するなど、早期供用に向けて千葉県並びに権限代行により国が協力して事業を進めております。

 委員御指摘のように、事業の見通しが立っていない区間は市川市から鎌ケ谷市に至る約十キロのみとなっております。市川市から鎌ケ谷市の区間につきましては、昭和四十四年に四十メートルの幅で都市計画決定をされておりますが、周辺の道路状況でありますとか、沿道の土地利用の変化を踏まえまして、現在、千葉県が中心となりまして、地元鎌ケ谷市、市川市、松戸市、さらに国も参加して調整会議を設置し、道路構造を含めた計画について検討をしているところでございます。

 当該道路は、市川市、松戸市、鎌ケ谷市周辺の渋滞箇所の混雑緩和の観点からも大変重要な区間と認識しております。国といたしましては、引き続き、千葉県に対して必要な支援をするなど、早期整備に向けて努力をしてまいりたいと考えております。

白須賀委員 これからも、北千葉道路と長門川の一級河川の方、よろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

金子委員長 引き続き、国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 まず、水循環基本法案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、理事会等での御協議を願い、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。

 本起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 水は生命の源であり、絶えず地球上を循環し、大気、土壌等の他の環境の自然的構成要素と相互に作用しながら、人を含む多様な生態系に多大な恩恵を与え続けてきました。また、水は循環する過程において、人の生活に潤いを与え、産業や文化の発展に重要な役割を果たしてまいりました。

 特に、我が国は、国土の多くが森林で覆われていること等により水循環の恩恵を大いに享受し、長い歴史を経て、豊かな社会と独自の文化をつくり上げることができました。

 しかし、近年、都市部への人口の集中、産業構造の変化、地球温暖化に伴う気候変動等のさまざまな要因が水循環に変化を生じさせ、それに伴い、渇水、洪水、水質汚濁、生態系への影響等さまざまな問題が顕著となってきております。

 本起草案は、このような現状に鑑み、水が人類共通の財産であることを再認識し、水が健全に循環し、そのもたらす恵沢を将来にわたり享受できるよう、健全な水循環を維持し、または回復するための施策を包括的に推進していくことが不可欠であることから、水循環に関する施策を総合的かつ一体的に推進するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、基本理念として、水循環の重要性及び健全な水循環の維持または回復のための取り組みの推進、水の公共性及び水の適正な利用、健全な水循環への配慮、流域の総合的かつ一体的な管理並びに水循環に関する国際的協調を定めることとしております。

 第二に、国は、基本理念にのっとり、水循環に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有することなど、水循環に関する施策について、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を定めることとしております。

 第三に、水の日を設け、これを八月一日とし、国及び地方公共団体は、水の日の趣旨にふさわしい事業を実施するように努めなければならないこととしております。

 第四に、政府は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上または財政上の措置その他の措置を講じなければならないこととしております。

 第五に、政府は、毎年、国会に、政府が水循環に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならないこととしております。

 第六に、政府は、水循環に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、水循環基本計画を定めなければならないこととしております。

 第七に、基本的施策として、国及び地方公共団体は、貯留・涵養機能の維持及び向上、水の適正かつ有効な利用の促進等の施策を講じるとともに、流域の総合的かつ一体的な管理を行うため、連携及び協力の推進に努めること、また、国は、健全な水循環に関する教育の推進、民間団体等の自発的な活動の促進、水循環施策の策定に必要な調査の実施、健全な水循環の維持または回復に関する科学技術の振興、国際的な連携の確保等に必要な措置を講じることとしております。

 第八に、水循環に関する施策を集中的かつ総合的に推進するため、内閣に、水循環政策本部を置くこととし、当該本部の長には、内閣総理大臣を充てることとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 水循環基本法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

金子委員長 これより採決いたします。

 水循環基本法案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金子委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

金子委員長 次に、雨水の利用の推進に関する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、理事会等での御協議を願い、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。

 本起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 近年、気候変動等に伴い、我が国において、一日の降雨量が百ミリメートル以上となる大雨の日数は、長期的にふえる傾向にあり、特に、最近は局地的な豪雨が多発する状況も見られます。市街化が進んだ都市部では、流域で行き場を失った雨水が下水道、河川等に集中し、それらの対応能力を超えて流れ込む結果、地表に水があふれ、都市機能を麻痺させたり地下空間が浸水したりする都市型水害が多発いたしております。一方、そうした雨水を貯留させることができれば、水洗便所での利用、消火や災害時のための備蓄等への活用も可能となるなど、雨水は、水資源として無限の潜在的価値を有しております。

 本起草案は、雨水は流せば洪水、受けてためれば資源との考えのもと、雨水の利用の推進に関し必要な事項を定めることにより、雨水の利用を推進し、もって水資源の有効な利用を図り、あわせて下水道、河川等への雨水の集中的な流出の抑制に寄与しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、国は、雨水の利用の推進に関する総合的な施策を策定し、及び実施することとしております。また、地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて、雨水の利用の推進に関する施策を策定し、及び実施するよう努めなければならないこととしております。

 第二に、国土交通大臣は、雨水の利用の推進に関する基本方針を定めなければならないこととしております。また、都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県の区域内における雨水の利用の推進に関する方針を定めることができることとしております。さらに、市町村は、基本方針及び都道府県方針に即して、当該市町村の区域内における雨水の利用の推進に関する計画を定めることができることとしております。

 第三に、国は、国及び独立行政法人等が建築物を整備する場合におけるみずからの雨水の利用のための施設の設置に関する目標を定めることとしております。

 第四に、地方公共団体及び地方独立行政法人は、国の目標に準じて、当該地方公共団体及び地方独立行政法人が建築物を整備する場合におけるみずからの雨水の利用のための施設の設置に関する目標を定めるよう努めることとしております。

 第五に、政府は、特に雨水の利用を推進すべき建築物における雨水の利用のための施設の設置を推進するため、税制上または金融上の措置その他の必要な措置を講じなければならないこととしております。

 第六に、地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて、雨水を一時的に貯留するための施設の新設、不要となった浄化槽の当該施設への転用その他の雨水の利用のための施設の整備について、助成を行うよう努めることとするとともに、国は、助成を行う地方公共団体に対し、財政上の援助をするよう努めなければならないこととしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 雨水の利用の推進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

金子委員長 これより採決いたします。

 雨水の利用の推進に関する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金子委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました両法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 この際、望月義夫君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、みんなの党及び日本共産党の六会派共同提案による雨水の利用の推進に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。井上英孝君。

井上(英)委員 ただいま議題となりました雨水の利用の推進に関する件につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    雨水の利用の推進に関する件(案)

  近年、気候変動等に伴い、局地的豪雨が多発し、特に市街化が進んだ都市部において、雨水が下水道、河川等の対応能力を超えて流れ込み、地表に水があふれて都市機能に重大な影響を与える「都市型水害」が深刻化しており、国の財政制約が厳しくなっている中で治水対策を効果的に実施することが重要な課題となっている。

  よって政府は、雨水の利用の推進に関する法律に基づき雨水の利用のための施設の設置を進めるに当たっては、財政への影響に十分配慮し、治水をはじめ関連する予算の効果的・効率的な使用に努めるべきである。

  右決議する。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

金子委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

金子委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。

 この際、ただいまの決議につきまして、鶴保国土交通副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通副大臣鶴保庸介君。

鶴保副大臣 ただいまの御決議につきまして、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。

金子委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時十七分散会


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