衆議院

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第13号 平成26年4月18日(金曜日)

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平成二十六年四月十八日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 梶山 弘志君

   理事 赤澤 亮正君 理事 秋元  司君

   理事 大塚 高司君 理事 西村 明宏君

   理事 望月 義夫君 理事 若井 康彦君

   理事 井上 英孝君 理事 伊藤  渉君

      秋本 真利君    井林 辰憲君

      泉原 保二君    加藤 寛治君

      門  博文君    國場幸之助君

      佐田玄一郎君    斎藤 洋明君

      坂井  学君    桜井  宏君

      白須賀貴樹君    末吉 光徳君

      谷川 弥一君    土井  亨君

      中谷 真一君    中村 裕之君

      長坂 康正君    林  幹雄君

      原田 憲治君    ふくだ峰之君

      前田 一男君    宮澤 博行君

      務台 俊介君    泉  健太君

      後藤 祐一君    寺島 義幸君

      三日月大造君    岩永 裕貴君

      坂元 大輔君    重徳 和彦君

      西岡  新君    松田  学君

      村岡 敏英君    北側 一雄君

      佐藤 英道君    杉本かずみ君

      穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣      野上浩太郎君

   国土交通大臣政務官    土井  亨君

   国土交通大臣政務官    中原 八一君

   国土交通大臣政務官    坂井  学君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 持永 秀毅君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            西脇 隆俊君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         毛利 信二君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  石井喜三郎君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        森北 佳昭君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  徳山日出男君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  田村明比古君

   国土交通委員会専門員   宮部  光君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十八日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     中谷 真一君

  大西 英男君     加藤 寛治君

  谷川 弥一君     末吉 光徳君

  松田  学君     重徳 和彦君

同日

 辞任         補欠選任

  加藤 寛治君     大西 英男君

  末吉 光徳君     谷川 弥一君

  中谷 真一君     岩田 和親君

  重徳 和彦君     松田  学君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 道路法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二七号)


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     ――――◇―――――

梶山委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、道路法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長西脇隆俊君、土地・建設産業局長毛利信二君、都市局長石井喜三郎君、水管理・国土保全局長森北佳昭君、道路局長徳山日出男君、航空局長田村明比古君及び内閣府大臣官房審議官持永秀毅君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梶山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

梶山委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐田玄一郎君。

佐田委員 久しぶりの質問でありますけれども、お耳をかしていただきたいと思います。自由民主党の佐田玄一郎でございます。

 道路法の改正に先立ちまして、八ツ場ダムにつきまして、私も四年間ずっとやってまいりましたので、一言させていただきます。

 八ツ場ダムにつきましては、平成二十一年に民主党政権が成立したときに、当時の前原大臣が突然中止の方針を表明し、地元の方々も大変に不安を感じたわけでありまして、その後に、平成二十二年九月に検証を開始しまして、平成二十三年十二月に事業継続が決定した次第でございます。

 事業継続と決定するに当たりましては、利根川流域のもっと高い災害リスク、要するに、二十二年には大水害がありました。そういうことも含めまして、八ツ場ダムの即効性と効果の大きさ、地域に対して重い責任を負う一都五県の知事の御意見を重く受けとめる必要があると考慮されたわけでございます。

 平成二十六年度予算では、八ツ場ダムにつきまして九十九億円の予算が確保され、生活再建事業、本体工事に取り組んでいくとの決意が示されたわけでございます。しっかりとダム工事の本体工事を進めていただくとともに、あわせて、下流域の受益のために何代にもわたって犠牲を強いられた水没地区の住民の方々の生活再建にもしっかりと取り組んでいただきたい、このように感じておるわけでございます。

 地元では、八ツ場ダムが完成し、ダム湖ができることを前提とした生活再建の取り組みも着々と進んでいるところでございます。地元八ツ場ダムの一日でも早い完成を願っており、平成三十二年には東京オリンピックも控えておるという現状を鑑みたときに、首都圏におけるしっかりとした治水、利水の確保のためにも、ぜひ早期完成をお願いしたいと思いますけれども、大変御尽力いただき、基本計画も変更していただきました太田大臣に、感謝も含めまして、決意をお願いいたします。

太田国務大臣 八ツ場ダムの建設事業につきましては、我が国の社会経済の中の中枢であります首都圏を支える利根川水系におきまして、洪水氾濫から流域の人命、財産を守るとともに、必要な都市用水を供給するために大きな役割を持つ、極めて重要な事業であるというふうに認識をしています。

 事業実施に当たりましては、今御指摘のありましたように、ダム検証のプロセスを経まして、平成二十三年十二月、当時の前田大臣でありますけれども、事業継続との判断がされました。その後、昨年五月、地方公共団体、関係住民、学識経験者等の意見を伺いながら、利根川水系利根川・江戸川河川整備計画を策定するなど、手続を丁寧に進めてきたところです。

 平成二十六年度はいよいよ本体工事に着手することとしておりまして、今後とも、関係の一都五県とも緊密に連携しながら、平成三十一年度までの完成に向けまして、水没地域の住民の皆様を初めとする地域の思いを重く受けとめながら、着実に取り組みを推進してまいりたいと強く決意をしております。

 私も、八ツ場ダムにはできるだけ早く現地訪問をしたいというふうに思っておりまして、具体的な時期について事務方に検討させているという状況にございます。

佐田委員 大臣の決意、本当にありがたく感じておるところでございます。

 今現在は、私も数度にわたりまして視察をさせていただきましたけれども、現地の方々は大変に不安を感じておりまして、まだまだ不安を払拭するところまではいっていない、こういうところが現状であります。

 その理由も、今回、本体工事に予算をつけていただきましたことは大変感謝をしておるところでありますけれども、現在の工事というのは、原石の運搬工事であるとか、要するに、仮設道路であるとかダムサイトの放流用の工事であるとか、そういうなかなか目に見えないところでありますので、大臣が視察をしていただくということが一番地元にとって大事なことであろうと思います。

 今もお言葉ありましたように、大臣が行って、早く本体工事をしっかりとやっていく、そしてダムサイトが立ち上がってくれば地元の方々も大変に安心してくると思いますので、そういう言質がいただければ大変ありがたいと思っております。早期の大臣の視察を心からお願い申し上げる次第でございます。前もって視察につきましても言っていただきましたこと、心から感謝申し上げる次第でございます。よろしく地元の方々に視察をし、そして安心をさせていただきたい、こういうふうに思っております。

 それでは、今回の道路法等の一部を改正する法律案につきまして議論をさせていただきます。

 水管理局長はもう結構ですので、どうもありがとうございました。済みません。

 管理局長、何か一言ありますか。管理局長、現状についてちょっと一言お願いいたします。

森北政府参考人 今委員から現状についてという御指摘でございますので、それについてお答えを申し上げたいというふうに思います。

 現在、つけかえ道路、つけかえ鉄道等の生活再建事業を行っておりますが、それのほか本体工事の準備に必要な関連工事といたしまして、ダム本体の左岸上部の掘削、また骨材プラントヤードの造成、そしてダムの仮締め切り工事、こういったものを鋭意進めているところでございます。

 また、委員御指摘のとおり、今年度の八ツ場ダムの予算でございますけれども約九十九億円ということで、その中で本体工事に必要な予算も計上いたしております。関東地方整備局におきましては、ダム本体建設工事の入札公告をことしの一月八日に行いました。八月六日には開札の予定ということでございます。

 このように、現地では平成三十一年までの完成に向けて着実に進めているところでございます。

 以上でございます。

佐田委員 どうもありがとうございます。

 いずれにいたしましても、これは四年間工事がおくれましたので、その間は地元の方々は大変にやはり不安がありました。局長、ぜひ大臣とともに一日でも早い完成をよろしくお願い申し上げます。

 では局長、結構です。どうもありがとうございました。

 本来の道路法の改正に移るわけでありますけれども、きょうおいでの委員の皆様方も、地元地元の道路づけであるとか、こういうことの陳情は相当あろうかと思いますけれども、うちの方も、今、大変、知事を中心に七道路軸というふうな形で県づくりに邁進をしておるところでございます。

 その理由というのは、私ごとで恐縮でありますけれども、うちの方も、道路づけによってただ道路が通ればいいということじゃなくて、道路によってその沿線、そして地域の活性化が図られる、そのためにしっかりとした道路をつくっていただきたいという陳情があるわけであります。

 道路で、ストロー現象のようにただ車が通る、BバイCが高くなる、それだけの問題じゃなくて、やはりその中に、道路にかかわる例えばインターチェンジであるとか、また道の駅であるとか、そして高速道路にかかわるジャンクションの問題であるとか、こういうことによって本当に地域の活性化の呼び水にこういう要素がなってくる、こういうことであります。

 実は、うちの方も駒寄パーキングエリアのところにスマートインターチェンジができまして、これは実験的につくられたのでありますけれども、現在では一日当たり六千台ほどの利用台数がありまして、これは全国で第二位であります。

 こういう中におきまして、実験的につくったんですけれども、このスマートインターチェンジの周りは、今もういろいろな商業施設であるとか娯楽施設であるとか、そしていろいろな工場を出そうとか、非常に地域が潤ってきている。こういうことでありますので、ぜひその辺のことをやはり並行して考えていかなくてはいけない、こういうふうに思っておるわけであります。

 この間で、私のところは前橋市というところなんですけれども、前橋市と吉岡町というのが一緒になって、このインターチェンジの、要するに、実験的にやっていましたから普通車しか入らなかったんですけれども、これを大型車も入れるようにしていただきたいということで相当陳情をしておる、こういうことであります。私ごとで恐縮ですけれども、今この現状はどうなっているか、ちょっとお聞きしたいと思います。局長、お願いします。

徳山政府参考人 先生御指摘の関越道の駒寄スマートインターチェンジでございます。平成十六年と、かなり早い段階で開通をいたしました。

 今お話のありましたように、一日の交通量が約六千台、開通済み七十カ所の中で全国二位、そして、周辺地域において大型商業施設が五件既に立地をし、今後も新たな立地が予定されているなど、非常に成功した例と申し上げてよろしいのではないかと思います。

 一方、この駒寄スマートインターチェンジは、既設の駒寄パーキングエリアに出入り口を設ける形で簡易に設置をしております。吉岡町が管理する高速道路の側道に直接接続をしておりまして、この側道が大型車の走行に支障がありますことから、利用を普通車以下のみに限定せざるを得なかったわけでございます。

 この状況を改善するために、本年二月に、地方公共団体、国、高速道路会社等で、全車種を対象とするインターチェンジに改良することと決定をいたしまして、平成二十九年度の完成を目指して事業を進めることといたしました。

 なお、料金徴収施設についても改良が必要となるわけでございますけれども、こちらにつきましては東日本高速道路株式会社の負担で設置をすることといたしております。

佐田委員 今お話ありましたように、これは実験的にやったわけでありますけれども、それに付随するところ、この道路の効果というものが相当にあらわれている。このインターチェンジの役割というのは大変なものがある。私も先日視察しましたけれども、やはり、こういうことを付随的にやって、地域を活性化していく大きな要素になってくるんじゃないかと私は思っております。

 その中で、インターチェンジの数ということなんでありますけれども、アメリカは五キロに一つ、ドイツは七キロに一つ、イギリスは四キロに一つ、日本は十キロに一つ、まだまだ少ない現状があるというわけでありまして、ただ道路をつくるということではなくて、そういう要素によって全体をよくしていく。今回の法律は、私は、そういう意味におきましては大変時宜にかなった内容ではないかと思っております。

 本来でしたらば、NEXCOが料金所から中を全額負担するという話になるわけでありましたけれども、今回の法案によりまして、予算を使って、緊急経済対策が終わった後でも、予算で二分の一の要するに国費を使ってどんどんこれをつくっていく、これはまさに時宜に合った法律であろうかと思います。

 この辺につきまして、局長の御感想をお聞かせいただきたいと思います。要するに、インターチェンジをこれからつくる方針にあるかどうかということをお聞きしたいと思います。

徳山政府参考人 スマートインターチェンジにつきましては、平成二十五年度末時点で七十カ所開通済み、そして、なお五十九カ所で事業中となっております。

 一方、先生御指摘のとおり、利便増進事業の財源がこれで終わりましたものですから、今回法律を出させていただいております。

 日本のインターチェンジ間隔は平均で約十キロ、一方、欧米諸国は、平地部で無料の高速道路では五キロというようなあんばいでございます。

 どうしても、有料道路であるがゆえに、料金徴収員を置いてその経費を払うということから、なかなかつくれなかったわけでございますけれども、スマートインターチェンジは技術をもってそこをクリアする施策でございまして、日本もぜひインターチェンジの平均間隔を、平地部については欧米諸国と同等の五キロの水準に改善することを念頭に置きながら、高速道路の有効活用あるいは地域活性化といったようなことを反映した必要性を、地元とも相談しながらこれからも進めてまいりたいと考えております。

佐田委員 これも一つの要素として、地域の活性化につなげていっていただきたい。まだまだアベノミクスの恩恵が地域まで届いていないという声が相当にありますから、こういう一つ一つによってその恩恵が届くように、ぜひお願いしたいと思います。

 これはちょっと各論的な話なんですけれども、これをこれから進めるときに、料金所施設の関係の整備がありますね。これにつきましては、やはりそれは地方自治体の負担というよりもNEXCOの負担になるんでしょうか、お願いいたします。

徳山政府参考人 スマートインターチェンジの整備のスキームでございますけれども、料金徴収施設そのものは引き続き高速道路会社の負担で整備をしたいと思います。内側については今回の法律で国が応援をすることができますし、外側については、取りつけの道路の側で御負担をいただき、そこに国も応援をする、こういう形になろうと思っております。

佐田委員 できるだけ地方自治体、外の方は県道に接すれば県が関係し、市道に接続すればそれは市が関係するわけでありますけれども、その辺をよく調整しながらやっていただきたいと思います。

 また、これは地域の活性化につながると私は申し上げましたけれども、それだけではなくて、この今回の駒寄インターにつきましても、近くに陸上自衛隊の相馬原の駐屯地もありまして、そういう意味におきましては、今後、大型車が通ることによって、防災面であるとか災害対応に非常にこれから使われていくんじゃないか、こういうふうに思っておるわけでございます。ぜひしっかりとやっていただきたいと思います。

 次に、道の駅なんですけれども、私の方の地元では要望が結構多い施設でありまして、これによって、地域の農産物であるとか、観光の誘致であるとか、そして地域の方々の娯楽であるとか、子供さん方、親子で行くとか、こういうことをどんどん進めていきたい、こういうふうな要望がありまして、道の駅の関係ではありますけれども、今後の整備方針につきましてちょっとお聞きしたいと思います。

徳山政府参考人 道の駅につきましては、平成五年に制度化をいたしまして、約二十年が経過したところでございます。

 当初は、通過する道路利用者へのサービスを中心に考えておりましたけれども、その後、地元の農水産品の加工販売あるいは観光案内、医療、福祉あるいは防災の拠点になっているなど、各地で独自の進化を遂げております。

 今後、このような進化をさらに促進するため、新規の登録をすることに加えて、既設の道の駅に対し、個性ある取り組みを重点的に支援する方針でございます。この方針については、昨年十一月に国土交通大臣から道の駅の第二ステージに入るという方針を発表したところでございます。

 これは、先ほど先生おっしゃいました、スマートインターチェンジも既存のものも改良することで地域活性化につなげるというものとまさに同じ方向を向いた施策であると思っております。

 今後とも、道の駅が通過する利用者へのサービスだけではなくて、さらに地域の魅力を高める拠点になるように支援をしてまいりたいと考えております。

佐田委員 どうもありがとうございます。

 積極的な道の駅の建設をお願いしたいと思います。というよりも、この道の駅において、やはり防災関係もありますし、これから農業関係も相当大規模農営が行われたり、民間委託による農業関係の仕事もふえてこようかと思います。

 そういう中におきまして、若い方々、農家の方々が積極的に農産物をつくり、そして再生産して売っていく、その拠点にも今なっているところであります。

 それと同時に、先般、私の方は、群馬県も、そしてまた山梨の方も雪害で大変でありましたけれども、そういうときの対応にもこの道の駅を活用していただいたということで、大変に我々は感謝しているところであります。

 そしてまた、うちの方は、実は今度、上武国道という道路ができまして、この上武国道が二十八年に全線開通となるわけであります。これは東京と前橋市の直結の道路になって、それが新潟につながっていくという非常に重要な道路でありまして、そこに道の駅をつくっていただきたいということで、地域住民や地権者や自治会の方々が、かなり積極的にこれを推し進めようとしております。

 そういうふうな方向で、このスキームをちょっとお聞きしたいんですけれども、要するに、駐車場はどういうふうに資金的にやらなくてはいけないとか、建物の規制であるとか、そういうことがあるのかどうか、局長、よろしくお願いいたします。

徳山政府参考人 道の駅につきましては、市町村からの申請に基づきまして、国土交通省で登録する仕組みでございます。

 その際の応援の仕方といたしましては、当然、必要な駐車場あるいは情報提供の施設あるいはトイレなど、道路利用者にとって必要なものは道路の側で補助をいたします。

 あるいは、この道の駅のスキームは非常に柔軟にできておりまして、他省庁のいろいろな補助金あるいは民間のいろいろな投資、こういったものも集めて、合築もするなどして地元の活性化に寄与する、こういうものをつくっていただける、こういうスタイルになっております。

 前橋市の道の駅のことも伺っております。上武道路沿線に設置することを目指して、今年度、基本構想の策定に向けた基礎調査を前橋市において実施する予定と承知もしております。

 国交省といたしましても、前橋市が進める道の駅の基礎調査について協力をしてまいります。

佐田委員 地域の方々、自治会の方であるとか地権者の方、また地域の住民の方々、こういう方々はそういうスキームがよくおわかりにならない方もいらっしゃいますので、トイレであるとか駐車場、これは国土交通省でやって、建物の中のものにつきましては、箱物につきましてはその地域の予算でやっていただきたいという話なんですけれども、その辺の内容につきましても、ぜひその相談に乗っていただいて、円滑にこれを進められるように、協力をしてやっていただきたい、こういうふうに思います。

 次に、実はきょうは中村裕之先生もお見えなんでありますけれども、先日私は北海道の小樽に行ってまいりました。その小樽で、中村先生と私は、地域の住民の方やら財界の方やら、副市長さんも来られて、いろいろな議論をした。

 その中に、北海道横断自動車道の余市と小樽間に建設中の小樽ジャンクションについて、当初は東でも西でもおりられるようなフルジャンクションで計画されたところでありましたけれども、民営化の際の投資額削減のために、西側からの車両の乗りおりができないようなハーフジャンクション、全部じゃなくて片方しかおりられない、簡単に申し上げますと、私も図面を見たんですけれども、せっかく北海道横断自動車道が環状的にできるんですけれども、余市から小樽の方に行くときに、小樽に入れないわけですね。要するに、片方の、西の余市の方向から小樽の方には入れないようなジャンクションになっている。

 だから、せっかく環状道路ができても、小樽には入れないような状況になっておりまして、ニセコ周辺等の地域は小樽を中核とした二次医療地域であるにもかかわらず、そこに入れない。緊急的な、脳疾患やら心臓病、そしてまた救急の方々が、拠点地区の小樽の病院になかなか、相当な時間がかかってしまう、こういう状況があるわけであります。

 このたび、平成二十六年度には、本自動車道は二十七・六キロが新規事業化され西に延長されることになっておるんですけれども、現状のジャンクションでは救急車両が余市方面から小樽に入ることが今言ったとおりできない、こういうふうな状況でありまして、ぜひ改善を求めるとともに、地域の方々に、小樽が拠点地区になるように、ぜひお願いしたいと思います。

 先日は中村議員と懇談会に出席いたしまして、地域の財界、そして住んでいる市民の方々、そして小樽の市長、副市長の皆さん方も、緊急時に絶対必要なものであるから、何としてでもこれはフルジャンクションにしていただきたい。それほどまでにこのジャンクションというものが、やはり地域と、また防災、そしてまた医療関係に非常に大きな影響を及ぼしているということなので、せっかく投資をするならばフルジャンクションにしてほしいというふうな要望が非常に強いんですけれども、こういうことが日本全国に今いろいろあろうかと思うんですけれども、そういう検討はされておるんでしょうか。

徳山政府参考人 北海道横断自動車道につきましては、札幌から小樽まで昭和四十八年に開通をいたしました。先生おっしゃいましたとおり、小樽に行く手前のところで、T字形にといいますか、南に向けてジャンクションで分岐をいたしまして、その先、現在、余市インターチェンジまでの区間は平成三十年度の開通を目標に整備を進めておりますし、さらにその先の、余市インターチェンジから共和インターチェンジまでの区間を今年度新たに事業に着手した、こういうわけでございます。

 しかしながら、このつけ根に当たります小樽ジャンクション、当初はフルジャンクションで計画されておりましたけれども、御指摘のとおり、道路関係四公団民営化に際しまして、平成十五年の第一回国土開発幹線自動車道建設会議で決定をいたしましたコスト縮減の中で、余市方面、南側から来まして小樽方面に向かう部分を削除するような形の、ハーフジャンクションに変更したというところでございます。

 一方、小樽インターチェンジ付近に、昨年八月には北海道済生会病院が開院、あるいはことし十二月には小樽市立病院が開院予定となっているということで、地元の方からは、こういう緊急医療、緊急搬送という面からすると、ぜひフルジャンクション化をしてほしいという要望が高まってきておるわけでございます。小樽ジャンクションのフルジャンクション化によりまして医療アクセスが向上するという意義は、私どもも非常によく理解できます。

 一方、高速道路全体の債務償還への影響もあるわけでございまして、全国にも同じようなケースが幾つかあると思います。

 いずれにいたしましても、高速道路全体の債務の問題も検討しながら、地元の実情などもよく伺って、こうした問題に対応してまいりたいと考えております。

佐田委員 ここに図面があるんですけれども、最終的には環状道路にするんですけれども、まさに、小樽市がちょうど、一番人が多くて、この地域の医療の拠点地区になっているにもかかわらず、この環状道路から外れている、こういう現状でありますので、今も局長の方からお話ありましたように、予算の関係もありますけれども、ぜひ地元の方々と話し合ってやっていただきたい。

 せっかくお金をかけるのに地域のためにならないというのでは意味がありませんから、産業、観光、特に今、市民病院ができるという、高度医療の、そしてまた緊急の医療がこれから確立されるわけでありますから、その地域の方々が本当に早く恩恵にあずかれるようにジャンクションも考えていただきたい、こういうふうに思います。

 今申し上げましたように、繰り返しになりますけれども、道路というのはやはり地域の生命線であります。そういう中において、ただ道路で車が通ればいいんだ、物と人が通っていけばいいんだ、そういう問題ではなくて、やはり地域の活性化やら観光やら医療やら防災やら、そういうことを含めたまさに生命線に私はしていかなくてはいけない、それによって、要するにアベノミクスも地域に広がっていく、こういうことでありますので、予算もあろうかと思いますけれども、地域の方々とよく相談してやっていただきたい、こういうふうに思っております。

 今回は、債務の償還の期日も平成七十七年まで延ばすというふうな法律も入っております。これに安穏とするのではなくて、しっかりと地域づくりのために頑張っていただきたい、こういうふうに思っております。

 また、もう一つ。今までは、新しくつくった道路には、立体道路制度というのがありまして、言うまでもありませんけれども、今の環状二号線の、いわゆる森ビルという物すごいビルが、この間私も通りましたけれども、立体道路方式でやりまして、非常に高層で、そしてまた、まちづくりとしてはすばらしいものができております。

 本来そういうわけでありますけれども、今回の法律は私は非常に画期的で、はっきり言ってすばらしいなと思っているんです。よくここまで道路局が考えてやったなと感心しておるわけであります。

 というのは、新しく道路じゃなくて、今、既存の道路の中で、いわゆる既存の道路の上にふたをかける。今までは、道路の概念としては、天空から地下の底まで全部道路であって、使えなかった。それを、ふたをすることによってその上が使えるようになる、そしてまちづくりに大きな貢献をしていく。

 これはまさに、要するに、道路の上にふたをしますと、その上はいわゆる高速道路保有機構の土地になるわけであります。独立行政法人であります。そこのところの土地をいわゆる利用して、PFI、PPPもこれからできるわけであります。そういうふうな思惑があるのかどうかということを、局長にちょっとお伺いしたいと思います。

徳山政府参考人 道路区域を立体的に定める立体道路制度につきましては、これまで道路の新設または改築を行う場合に限られておりましたけれども、本法案によりまして、既存の高速道路に本制度を適用拡大すれば、道路の上部空間を活用することが可能となるわけでございます。

 これによりまして、道路区域でなくなった空間を活用し、それにより得られる収益を首都高速などの高速道路の維持管理、更新費用に充てることが可能になりますし、もう一つは、こうした民間資金を活用した高速道路の更新そして都市再生を一体的に進めやすくなる、こういうことでございまして、先生まさにおっしゃっておられます、PPPを呼び込む、こういう制度でございます。

 現在、首都高速の築地川区間をモデルケースといたしまして、平成二十五年七月に東京都、中央区等関係機関と検討会を設置いたしまして、議論を進めているところでございます。

 本法案の成立によりまして、立体道路制度の活用に努めてまいりたいと考えております。

佐田委員 局長、これはまさに画期的なことであって、ぜひこれを進めていっていただきたいと思います。

 というのも、ここに写真があるんですけれども、首都高は昭和三十八年にできましたものですから、しかもオリンピックに向けて本当に突貫工事でやった、そういうことの中で、本当に老朽化、五十年がたちますから、更新の時期が参っておりまして、相当に傷んでいる。

 こういう状況の中で、これを全部やることになると、首都高だけで更新費が六千三百億円かかる。NEXCOで日本全体だと三兆二百億、阪神高速が三千七百億。これを全て予算でやっておったら大変なことになります。しかも、オリンピックも二〇二〇年には来る。

 そういう中において、やはり少しでも費用に回すように持っていくということは、PPPを利用して、まちづくりを並行してやりながら、そして空中権を売ったお金を維持更新の費用にしていく、まさにすばらしい発想だと私は思います。

 局長も、前は東北で大変に活躍をされたと。今、時宜にかなってしっかりとやられているというのは、私はすばらしいことだと思います。

 そしてまた、なおかつ、今、安倍総理の第一の矢、第二の矢、それで、第三の矢の成長戦略の目玉がこのPFI、PPPであるわけであります。そういう中において、道路局がこういうふうな形で進めていくということは、まさに時宜に合ったことであろう、こういうふうに思うわけであります。

 そして、今、PPP、PFIの話がありましたけれども、実は私もPFIの調査会長をやっております。まさに、その方向で、少しでも民間投資の誘発を図っていかなくちゃいけない。

 その中におきまして、先日、実は、このPFIの画期的な事業が行われようとしておるわけであります。もう法律もできましたけれども、民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律というのが平成二十五年六月二十六日に公布になりました。これも画期的なんです。

 これはPFIを進めるための法律でありまして、今までは、例えば羽田も、建物、器は要するに民間でコンセッションを行っておりましたけれども、今回は、滑走路も全部コンセッションで行って負債を解消していこうという画期的なものであります。

 きょうは航空局長がお見えでありますけれども、この法律と進捗状況をお聞きしたいのであります。

 この間の新聞によりますと、四月十二日の日経でありますけれども、「関西国際空港と大阪国際空港を運営する新関西国際空港会社は今年度に実施を見込む事業運営権の売却(コンセッション)を巡り、運営期間を四十〜四十五年とする方針を固めた。」というふうに書いてあります。「買い手として関心を寄せる国内外の事業会社や投資家に伝えた。空港建設などで抱えた約一兆二千億円の債務を完済できる価格で売却したいとしている。」国内最大規模のPFI、民間資金を活用した社会資本の案件が具体的になりつつあると。

 これにつきましての進捗状況をお聞きしたいと思います。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 空港を初めとする公共施設へのコンセッションの導入促進、これは日本再興戦略にも位置づけられた重要な施策でございます。

 現在、今お尋ねの関西空港、伊丹空港につきましては、コンセッションの前段階にありまして、新関西国際空港株式会社、これが両空港の事業価値の増大を図り、できる限り速やかに、早ければ今年度中にもコンセッションを実現することを目指すということにしております。

 このため、新関空会社におきましては、このコンセッションの実施方針の策定に向けまして、金融、会計、税務、法務等の外部アドバイザーによります調査の実施等の準備作業を進めているところでございます。

 国土交通省におきましても、本年度の税制改正におきまして、関西空港、伊丹空港のコンセッションに係る所要の特例要望を行いまして、実現を図る等の対応をしておりますけれども、引き続き、新関空会社の経営判断を最大限尊重しつつ、その早期かつ円滑な実現のため、積極的に支援、協力してまいりたいと考えている次第でございます。

佐田委員 やはり、この関西国際空港は、非常にこれからも、ハブ空港になるかならないか、とにかく関西の中心になっていくわけでありますから、ぜひ、予算だけでやるんじゃなくて、これからは民間投資を誘発していく。民間の企業も経済指標が多少よくなってきた。それによって利益が増したら全てそれを内部留保にするなんという形では、地域やそしてまた国民のためにはならないわけでありますから。何としてでもインセンティブを与えて、そしてこのPFI、PPPのような、やはり、民間投資の誘発になるような、そういうふうな法律制度をつくっていかなくちゃいけない、こういうふうに思っております。

 今お話がありましたように、再興戦略の中にもあって、そして目玉にもなろうかとするこのPFI、PPPの問題でありますけれども、まさに同じベクトルで今進んでおるわけであります。そして、この法律も、いろいろ紆余曲折がありましたけれども通りました。そしてまた、なおかつ、それだけじゃなくて、いわゆるPFI推進機構、つまり官民ファンドもでき上がって、これによって相当な企業も参加をして、ファンドをつくって、これによって資金面で応援していこう、こういう流れも今大きく進んでおるわけであります。

 また、それだけじゃないんですね。それプラス、この間の税制改正の中におきましては、関西国際空港及び大阪国際空港の公共施設等運営権の設定にかかわる登録免許税を二年間課税免除する。もう一つは、公共施設等運営権の設定にかかわる対価について合理的な期間配分法で益金認識する。つまり、簡単に申し上げますと、法人税、幾ら一兆二千億、一兆三千億で、それで売れるかわかりませんけれども、売ったとしても法人税で取られたら何の意味もないわけでありますから、それを分割していこう。こういうふうな税制もあるわけで、もう通りました。まだ実施はされておりませんけれども。

 これにつきまして、税制につきましてどういうお考えを持っているか、航空局長にお伺いしたいと思います。

田村政府参考人 今先生御指摘のように、本年度の税制改正におきまして、法人税、法人住民税、事業税等につきまして、延べ払い基準の方法によりまして益金算入するという改正を認めていただいたわけでございます。

 おっしゃるとおり、一・二兆円の長期債務を早期に確実に償還するというのがこのコンセッションの目的の一つでありますので、そういう意味では、対価が一・二兆円に近くなるところで、法人税等が単純な試算でも三千億円を超えるような、そういう頭金にかかるその税金の徴収というものがなされますと、これは早期償還に支障を生じるということで、この税制改正は非常に重要なものであったというふうに考えております。

 また、これ以外でも引き続き必要な措置をとってまいりたいと考えております。

佐田委員 つまり、今申し上げましたように、民間投資といっても、簡単に投資が行われるわけではなくて、やはり、規制緩和であるとか、そしていろいろな税制面の問題であるとか、ある程度きちっとインセンティブを与えていかないと、これはうまくいかないという現状があります。

 そういう中におきまして、このPFIの大きな流れの中での今度の道路法の改正なわけであります。こういうことによって、予算だけではなくて、まさに民間投資によって社会資本の充実を図っていく、こういうことにつきまして大臣の御感想をお聞きしたいと思います。

太田国務大臣 財政は厳しい。しかし、社会資本の整備あるいは維持管理、更新、かなりのお金がかかる。しかし、それはやっていかなくてはならないという中におきまして、民間の資金や知恵を活用していく。政府の中でも、去年からずっと、再興戦略もそうですし、経済財政諮問会議の中で、このPPP、PFIあるいはコンセッション、大いにそうしたことをやりながら、民間の活力をもっと入れていこうといういろいろな計画が出されて、それを担うのが我々であるというふうに自覚をしています。

 具体的に、先ほどからありましたように、首都高速道路の築地川区間のこれをモデルにして、上部空間、空中権を売るというようなこともありますし、あるいは、関空、伊丹、そしてまた、今、仙台空港についてのコンセッション方式の実現に向けて準備が進められているという状況にございます。また、下水道ということにつきましても、地方自治体におけるコンセッション方式の活用を支援するために、先月末にガイドラインを策定いたしました。

 今後とも、社会資本の整備等において、PPP、PFIの活用に向けた取り組みをさらに強化していきたいというふうに思っているところでございます。

佐田委員 大臣のそういうお考え、大変私はすばらしいことだと思います。今までのように何でも予算でやっていけばいいということではなくて、やはり民間の内部留保も相当ありますから、そういうことを使って、やはり社会資本の充実やら、そしてコンセッションを進めていく、こういうことが地域の活性化にもつながってくると思います。

 今大臣に温かいお言葉をいただきましたけれども、特に下水なんかは、イギリスなんかは、上下水、PFIで結構コンセッションでやっております。こういうことも一生懸命我々としても学びながら日本で活用していかなくちゃいけないと思っております。

 まだまだ地域の方では、PFIというものはどういうものなのかわからない方々も相当おりますので、ぜひそれは地方自治体と協力しながら、できる限り民間投資によって社会資本をつくっていくという方向で進めていっていただきたい、こういうふうに思っています。

 私としては、各役所、例えば、うちは前橋ですから前橋市役所であるとか群馬県庁であるとか、そういうところも、コンセッションは各地域地域で、地元の会社にコンセッションをやっていただく、企業体をつくってコンセッションをやっていただく、そういうことが地域の活性化にも大きく寄与していくんじゃないか、こういうふうに思っております。

 PFI推進室長がきょう来られておると思いますけれども、これからは、要するに、地方からこういうふうな書類、膨大な資料を出して、これでどうですか、PFIをこういうふうな形でやりたいんですけれどもと、こういうことについて認可をするというんじゃなくて、例えば地域で、うちの地域はこういう特徴があります、こういうものをやりたいと思います、PFIでどうでしょうかというときに、ぜひ、PFI室や国土交通省の方からむしろ出向いていって、地域と一緒になって地域の活性化のためのPFIを進めていく、そういう組織づくりをしていかなくちゃいけないんじゃないかと思いますけれども、室長、いかがですか。

持永政府参考人 お答え申し上げます。

 PPPそれからPFIにつきましては、佐田先生には自民党の調査会長として大変お世話になっております。ありがとうございます。

 昨年六月に政府の成長戦略の一環ということでアクションプランを決定させていただきまして、十年間十二兆円の事業規模ということを目指して進めておりますところ、先生もよく御存じのところでございます。

 その中で、昨年六月には事業を推進する資金面でサポートするということで、PFI推進機構のための法律改正がなされ、十月にはその機構が設立されております。

 今のお尋ねは、地域、県でありますとか市町村でありますとかがPPPないしはPFIを進めるときにどんどんサポートをすべきではないかという御指摘かと受けとめております。

 私ども、それからもちろん国土交通省を初め関係省庁も一緒でございますけれども、例えば、私どもでいえば、地域のそういうニーズ、御相談があれば専門家を当方から派遣していろいろな御相談に乗っておりますし、昨年十月にできたPFI推進機構につきましても、資金面のサポートをすることは当然ございますけれども、ノウハウを持った人間も職員として集めておりますので、こちらも、現在、今年度だけで百以上の市町村にたしか回っているはずですけれども、済みません、県も含めてでございますが、そういった形で、地域の皆様のニーズにちょっとでも応えられるように進めているところでございます。

 もちろん、まだまだアクションプランも実現に向けて道半ばでございますので、先生の御指導もいただきながら、地域の皆さんのサポートに努めていきたいと考えております。

佐田委員 地域で、実は、うちの群馬県も、高崎市の競馬場がなくなりまして、そこにコンベンションホールをつくるということで、今、PFIでやりたいと相談しているようであります。また、おとといは、浜松の市長さんの方から、下水のPFIによるコンセッションをやりたい、こういうふうな要望もあります。

 これからいろいろふえてこようかと思いますけれども、ぜひその辺は柔軟に対応していただきたいと思います。

 だんだん時間がなくなってまいりました。

 一番重要な部分なんですけれども、これから首都高を直すということでありますけれども、ふたをする。ふたをした上に、要するに、例えば、いわゆる容積率をアップして建物を建てたり、または、その地域で、ふたをした部分ができるわけでありますから、そこの容積率を周りに売る、こういうふうなことが考えられるわけであります。

 そうなってくると、一番大事なのは、道路だけではなくて、やはりその周りのまちづくりであります。首都高についていうならば、国、東京都、区、そして住民、そして民間ディベロッパー、こういうところの協力なくしてはこれはやれない、こういうふうに思っておりますけれども、きょうは都市局長がおいでですけれども、どうですか、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のPFIは、これから、財政事情が厳しい中で、その重要性がますます増してくると考えられます。そういう中で、インフラとあわせてまちづくりをしていくということは極めて大切な内容であるかと思います。

 その際、一番重要なことは、その事業者ですね、インフラの所有者、それから一番地元の区、そして、東京の場合でありますと、その上部機関である都等が一致協力をして、インフラの再生とあわせて、その地域に最もいい環境その他をどうやってつくり上げていくかということを、今後は民間の事業者の活力あるいは創意工夫も取り入れながらやっていくということが極めて大切だというふうに考えております。

佐田委員 国土交通省全体として、そういうPFIの方向でかなり進んできておるわけでありまして、道路局の総意、今回の法律、それに付随して、やはりまちづくりをしていかなくちゃいけない。非常に環境を改善していかなくちゃいけない。そういう中におきまして、いろいろな手法が今取り入れられておるわけであります。これも全部じっくりやりたかったんですけれども、もう時間がありませんから、私の方から申し上げたいと思います。

 例えば東京駅は、東京駅の容積率を周りに売ることによって東京駅を更新した、こういうことでありまして、これは特例容積率適用地区ということで指定をして、東京駅の上の、要するに伸びられる容積を周りの建物に売ることによって東京駅を更新した、こういう例もあるわけであります。

 また、先ほども出ましたけれども、虎ノ門ヒルズ、これはいわゆる立体道路制度を使ってやったわけでありますけれども、これも容積率が、大体この近辺は六〇〇から七〇〇のところを一一五〇%の容積率をやることによって、民間のディベロッパーに、この場合は森ビルでありますけれども、それをやろうというインセンティブを与えていった。そして、なおかつ、ビルの下には緑地帯もつくって、環境も整備している。そういう優良な計画ができたわけであります。

 そういうふうないろいろなインセンティブを与えることによって民間投資を誘発していく、そういうふうな形が私は重要なんじゃないか、こういうふうに思っております。

 それと、もう一点でありますけれども、都市再生制度というのがあるんですけれども、これは、指定をすることによって、かなりの容積率の緩和であるとか税制面の優遇措置であるとか、こういうことがあるんですけれども、都市局長、これはどういうふうな制度なんでしょうか。

石井政府参考人 先生御指摘の都市再生制度は、都市再生特別地区であろうかと思います。これは、都市再生の拠点として政令で定める都市再生緊急整備地域におきまして、都市再生に貢献し、土地の高度利用を図るため、プロジェクトに対応して容積率制限の緩和を行うものでございます。県あるいは政令市が都市計画の手続をもって決定いたしますが、現在、全国で六十六の地区でございます。

 例えば最近決定されたものですと、平成二十三年に東京都が決定をしております日本橋の高島屋の将来の建てかえということで、ここは指定容積率が七〇〇%と八〇〇%にまたがっておりますが、最大で一九九〇%への緩和ということでございます。

佐田委員 これからまさにそういう民間投資の誘発を図っていく、そのためにはあらゆるインセンティブを与えていく、それはやはり国の規制緩和であるとか税制面の優遇措置であるとか、そういうことをしっかりと進めていっていただきたい、こういうふうに思っておるわけであります。

 今お話がありました都市再生の制度でありますけれども、これも指定されているところがかなりの数がありまして、その中には、もう既に日本橋の二丁目のところに、この地域も容積率をかなりアップして一九九〇%、こういうふうな画期的なビルが建っておるわけであります。

 そしてまた、なおかつ、それだけじゃないんです。税制面の優遇措置もありまして、例えば法人税、不動産取得税、そしてまた登録免許税であるとか固定資産税、こういうものの減免も行うということで今やっておるわけであります。これだけの制度があるわけであります。そして今度、政府の方の肝いりの国家戦略特区、こういうこともあるわけであります。

 ぜひ、こういうことをフル活用することによって、できる限り民間と、そして、足りない部分につきましては予算でやらなくちゃいけませんけれども、その予算の範囲でしっかりとやっていただきたい、こういうふうに思うわけであります。

 繰り返しになりますけれども、今回の道路法の改正によりましてふたをかけて、そして、要するにこれが独立行政法人のものであって、それを周りのところに売ることによって、そしてまちづくりも並行して、そのお金で首都高速も更新の一部にしていく、まさに合理的なやり方でありますけれども、口で言うのはやすしで、実際にやるということははっきり言って大変なことであります。

 繰り返しになりますけれども、これはディベロッパーであるとか住民の方々、そして東京都、区、国、これがやはりしっかりとした要するにリスク分担をしてやっていかなかったらばやれることではないと私は思っております。それを主導していくのは、やはり国土交通省も中心になっていかなくちゃいけませんし、そして我々も、必要であるならば法律をつくって規制緩和を行ったり、税調において税制面の優遇措置をして、要するに企業のインセンティブを大きく湧かせていく、こういうことがこれから大事になってこようかと思います。そのためには、やはり一番大事なのは、住んでいる方々の優良ですばらしい環境を都市につくっていく、そしてまた低廉な住居が得られるようにしていかなくちゃいけない、こういうふうに思っておるわけであります。

 ぜひその辺をしっかりとPFIによって、これは都市部だけではなくて、これを一つの呼び水にして地方のあらゆる民間投資の誘発、では、地方はいいのか、都市だけなのか、そうじゃなくて、やはり地方にもこういうPFIが広がっていくような、そういう方策をこれからしっかりと練っていかなくちゃいけない、こういうふうに思っておりますけれども、最後に大臣のPFI、PPPに対する御所見をお願いいたしたいと思います。

太田国務大臣 虎ノ門ヒルズそして環二が、本当に不可能と思われていたものができるようになった。そして、本当にパリのシャンゼリゼに匹敵するような、トンネルの上を使ってそうしたものもでき上がる。

 あるいは、築地川の開発ということでも、空中権を売る。急いで高速道路をつくったものですから、土地買収が余りなくていいようにということで、川そのものを埋める形で高速道路ができて、いまだに橋桁があったりする。しかも、あそこを通ってみますと、全部町並みが裏になっていて、表玄関は外側になっていて、また、川を使うということを我々考えてみても、川を渡ってお台場の方に、隅田川に出るまでに全部ビルの裏側になっていますものですから、とても水辺空間ということではない。

 そういうことを、このPPP、PFI、そしてディベロッパー、住民理解ということを受けて、みんなが思い切って推進すればいい町ができる、そして快適にもなる、そして都市が再生される、そうしたことをやっていくという、いよいよそうしたときに来ているというふうに思っています。

 空港やあるいは下水道やあるいは道路、そうしたことを含めて、PPP、PFI、そうした都市再生ということへのいろいろな仕組みを整えることによって経済成長やまちづくりに寄与したいと思っておりまして、今はやっと次の時代を見ることができるという状況になったと思いますものですから、そのことを大いに進めていきたいというふうに決意をしているところでございます。

佐田委員 ありがとうございます。終わります。

梶山委員長 次に、泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。

 本会議でも、この道路法については質問をさせていただきましたけれども、道路は国民の財産であり基本的なインフラである、我々もそういう認識を持っているのは一緒でありますけれども、しかし、時代が変わってきた、人口も減少時代に入ってきたという中で、財政も赤字が膨らんできているというところでありますので、議員一人一人も、感情としては自分の地元にやはりいい道路をつくってほしい、これはもう永久的に変わらないものだと思います。地元の発展を願うわけであります。

 ただ、一方では、過去の歴史を振り返れば、道路を整備したから、地域の、交流人口はふえるかもしれないけれども、定住人口がふえたかといえば、そういうことを果たせてはいないという状況があるわけです。これは、ひとえに道路の影響だけというふうには言えないかもしれませんが、道路を整備すれば定住人口がふえるんだ、地方の人口がふえるんだということでは決してないということを考えると、交流人口はふえるかもしれないけれども、我々は、いかにして道路を使っていくのかということは吟味をしていかなければいけないというふうに思っております。

 そういった意味で、そもそも高速道路についても、将来的には償還が終われば路線ごとに無料化をしていくということであったにもかかわらず、それが延ばし延ばしのまま現在に至っていて、今回もさらに、大規模更新のためとはいえ、民営化の時点でこのことに思いをはせず、そして現在に至って、四十五年と約束をしていたものをさらに十五年延ばさなければいけないということについては、国民に申しわけないなという気持ちを私は持っているところであります。もちろん、賛否については、これから我々も考えていくわけですけれども。

 今後、質問に入っていくわけですけれども、やはり今回の大規模更新、我々は技官ではありませんので、一つ一つがどれほど必要性があって、他に代替措置がないのか、必ず全部大規模な更新と修繕をしなければいけないのかということについては、正直言うと、国会議員でわかる人は少ないというふうに思います。役所から出てきたものを、あるいは会社から出てきたものを、そういうことかということで、そのスキームをつくることしかできないのかもしれないわけです。

 今回、トータルで、全部の会社を合わせると約四兆円ぐらいですか、四兆円ぐらいの大規模更新・修繕計画が出てきたということでありますから、単純に言えば、四兆円の負担をどなたにお願いするのかということになるわけであります。四兆円の負担というのはかなり大きいですね、かなり大きい話です。

 その意味では、各道路会社から、いわゆるこの更新についての技術検討委員会というところから提言が出てきたのが、会社によりますが、例えばNEXCO三社であれば、平成二十六年の一月二十二日というふうに認識をしております。ことしの一月ですね。四兆円の負担について、果たしてどれぐらいの議論が行われたんだろうかということでいうと、大変短い間に法案になって出てきているのではないかというふうに思うわけであります。

 それまで、もちろん有識者による検討等々は行われていたのかもしれませんが、これだけ多大な額の更新、修繕ということについて、NEXCOなり首都高のそれぞれから提言が出てきたとすれば、国交省として独自にそれの内容を精査し、吟味をし、果たしてこの四兆円でよいのかということも検証した上で最終的な額が確定していく、そして償還計画になっていくというふうに認識をするわけですけれども、国交省の中では、こういった会社とのやりとりをどのように行ってきたのか。そしてさらには、その中で、各会社が出してきた計画の当初の額と、今回皆様に負担をお願いするその額とに違いがあるのかどうか、その確認をしたいと思います。

徳山政府参考人 通常の維持修繕で行うものと、こうした大規模な更新を行うもの、この区別、通常の維持修繕でぎりぎり維持をしていけるのか、いよいよ土台からつくりかえなければならないのかどうかという、この判断というのは非常に難しいものがございまして、まずは国土交通省の中におきまして、これは平成二十三年の四月、ちょうど東日本大震災の直後ぐらいに当たりますけれども、高速道路のあり方検討有識者委員会というのを第一回開きまして、その年の十二月に中間取りまとめをいたしました。さらに翌年、平成二十四年には首都高速の再生に関する有識者会議、これも全六回、今度は首都高速側で勉強してくれております。さらに、国土幹線道路部会、これはまた平成二十四年十一月から国土交通省の正式な審議会として勉強して、この前、去年の六月に中間答申をいただいたわけでございます。

 そういうことで、確かに、最終の、これだけの更新計画が必要だというものが出てきましたのは、首都高、NEXCO等、昨年末からこの一月にかけてでございましたですけれども、少なくとも、集中的に検討した期間だけをとりましても、三年余の期間を費やしております。

 特に、先行して勉強を始めた首都高速におきましては、当初、平成二十五年一月に、ですから、ちょうど今から一年ちょっと前になりますけれども、有識者委員会の議論を経て、当初は、首都高は七千九百から九千百億円程度というような試算をまずしておりました。これを、私どもも専門家を交えて、中身を、本当に利用者に負担をお願いして大規模な更新でなければならないのかどうか、ぎりぎりとこれの吟味をいたしまして、最終的に、首都高については昨年末に六千三百億円、これで何とか料金徴収限度まで利用者の方に安全に使っていただこう、こういう計画に至った、このような経緯がございます。

泉委員 ぎりぎりとやったということでありますけれども、これだけ、四兆の負担について、計画が四兆まで積み上がったということになるわけですが、それを十五年延長する、償還を延長するという形で、国民に、利用者に負担をお願いするということについては、まだまだ多くの方々が知らない状況だというふうに思います。そういった意味では、ぜひ国交省としても、しっかりと説明を果たしていただきたいというふうに思います。

 もう一つは、今回、こうして大規模な点検を行いながら、この更新計画がつくられたわけですね。大規模更新に至るものはどこなのか、修繕に至るものはどこなのかということをつくっていただいたわけですけれども、更新でいうと二百四十キロ、そして修繕でいうと千八百七十キロということになります。今回の点検によってこの計画ができたということを考えた場合に、一定、現在の保有する道路の状況というものは把握ができて、そして大規模が必要なところも確定ができたというふうに言えると思います。

 さて、それはいつまでの、ある意味の保証となるものなのかというか、今回の更新計画をもって大規模更新は、当面いつぐらいまでは、今後何十年はないよということを言っていただけるのかということを御答弁ください。

中原大臣政務官 お答えをいたします。

 高速道路の中には、東京オリンピックや大阪万博などの開催に合わせまして緊急的に整備されたため、特殊な構造を採用せざるを得なかった箇所がございます。こうした箇所を中心に、老朽化の進展によりまして更新需要が明らかになっており、このような箇所につきまして、今回の更新計画において対応することといたしました。

 今回の更新計画につきましては、建設時に施工を急がなければならないなど無理した箇所や、あるいは古い基準で設計された箇所など、それぞれに理由がある箇所に対応するものでありまして、今回の対応した以降、また次々と更新需要が生じるということにはならないと考えております。

 委員から御質問がございました、安全の確保がどれくらいの期間かということでございますけれども、具体の期間につきましては、道路構造物の老朽化の予測には限界があるものですから、明確に申し上げることは困難でございますけれども、現在の私どもの考え方では、通常の維持管理、修繕によりまして、料金徴収期限において、構造物を健全な状態で本来道路管理者が引き継ぐよう努めてまいりたいと考えております。

泉委員 もう少しはっきりお答えいただきたいわけですけれども、次々とということはないと。例えば、来年もう一回検査してみたらまた出てきましたといったら、今回の検査は何だったんだという話になるわけですから、それはあり得ないわけですね。

 そうすると、例えば十年、新しい大規模更新、修繕等々は発生しませんと。不測の事態、災害等々は別ですよ。だけれども、今回の検査をもってして、その保証は少なくともないと、これは国会議員もどんどん入れかわりますよ。また十年後、十五年後に、次の大規模更新がこうこうこうなりました、さらに十五年延ばしますといったら、大臣、これは本当に逃げ水ですよね、逃げ水。かげろうのごとし、逃げ水ですね。やはり、こういう形で負担がどんどんふえていくということを許してはいけないということを、国交省側には持っていただかなきゃいけないと思うんです。

 そこは、では、今回の更新ということをもって六十二年までは大丈夫ですよという話なのか、それとも、十年後にはもう一度検査をさせていただいて、そしてそのときには恐らくまた発生するものもあるでしょうと言うのか。そこにはやはり大きな違いがあると思いますよ。これはまた今後、我々の仲間たちも皆さんに質問させていただくと思いますので、ぜひその辺をはっきりしていただきたいというふうに思います。

 続いてですけれども、高速道路の道路会社六社ございますけれども、きょう資料をお配りさせていただいています。

 資料の一というところなんですが、それぞれの決算で見させていただきますと、それぞれの会社、努力なのか、それとも国民が利用するからなのかですけれども、一生懸命お仕事をしていただいた結果、例えば平成二十四年の決算ということでいうと、六社合わせて、合計で二百三十三億三千九百万円の税引き前純利益という形になっております。そして、御丁寧にというか、決まりですから法人税等についても払っておりまして、六社合わせて百一億円も税金を納めておられるわけですね。

 いや、これはすばらしいというふうに言えるのかもしれませんが、いやいや、ちょっと待ってください。物すごく大きな債務を抱えて、そして公団から民営化にまでして、そして今、一生懸命債務の返済をしていただいている最中ですね。

 債務の返済をしていただいている最中のこういった各高速道路会社においては、確かに、機構と協定で全て決められて納めているということでありますから、残りの利益については、これは法人税もかかってくるし、純利益もこれだけ積み上がるのは仕方がないんだと言うかもしれないわけですが、やはり国民からすると、本業の道路利用料、料金収入、こちらの方で稼いでいる分もあるかもしれないけれども、よく詳しく見ていくと、サービスエリアやパーキングエリアでも相当一生懸命努力をされて稼いでいるというような状況もあります。

 しかし、全ては国民の資産というところからのスタートであると考えると、会社がもうけて、また次の投資をしてということに一生懸命になるべきなのか、それとも、前倒ししてでもちゃんと債務の返済を、スピードアップして前倒し返済をしていくべきではないかということについては、これは両論あるんだと思いますよ。やはり前倒しで償還をしていくということも、ぜひとも国交省に考えていただかなきゃいけないのではないのかなというふうに思います。

 質問時間の関係もあって、さらに言うと、現在のスキームでは、料金収入と連動した形で道路の賃借料というものが機構側に払われるということになっていて、サービスエリアやパーキングエリアでの収入、収益、利益は、そこには、計算の中に入っていないということになりますので、パーキングエリアでの収入、サービスエリアでの収入というのは、これは賃借料をふやすことにはならないわけなんですね。やはり、こういったところもちゃんと含めた形で、総合的にこの高速道路会社からの利益を償還に充てるべきではないかというふうに思いますが、国交省、いかがでしょうか。

徳山政府参考人 ただいま委員御指摘いただきました、高速道路会社六社合計で純利益で約百三十一億円、こういう数字がございますけれども、これは、御指摘にもありましたとおり、サービスエリアなどの関連事業の収入がほとんどでございます。

 これは少し説明が要るわけですけれども、平成十七年十月の道路公団民営化時に、どのようなスキームにするかという議論がございました。高速道路会社の、道路本体の事業で利潤を上げられることにいたしますと、その分が料金が少し上がるということがございますので、ユーザーにとっては、民営化の果実をユーザーにも配るということからいうと、料金は低い方がいいということがございまして、本体の道路事業には利潤を含めない仕組みにしよう、こういう考え方でございました。

 一方、それでは全然もうけが出ないということで、民営化会社としてはインセンティブがないということでございましたので、高速道路事業以外のサービスエリア等の関連事業からは利益を得てよろしい、こういう仕組みに整理をしたという経緯がございます。

 したがいまして、そのサービスエリア等の関連事業からは、こういう百三十一億という利益が今出ておる。これについては、さらに新規のサービスエリアの建設や、既存のサービスエリアの改良や老朽化対策に備えるためにとっているということでございます。

 一方、おっしゃるとおり、債務を確実に返済することも大事でございます。現在、平成二十五年期首で、六会社合計で約三十一・八兆の債務がございます。そういう意味では、サービスエリアで上がる純利益に比べると、三桁ぐらい大きな数字でございますけれども、こちらはこちらとして、料金収入をもって、民営化のときに決められた計画とほぼ同じような形で、順調に償還をしているということでございます。

 そのような民営化時の仕組みに沿って私ども運営をさせていっていただいている、こういう事情でございます。

泉委員 今、順調にとおっしゃいましたけれども、今回、考え方として大規模更新と修繕を切り分けて、あたかも別のように扱っているから当初の計画は変わっておりませんと言えるだけであって、国民からすれば、お金を払う期間が十五年延びたのは事実なわけで、決して、ただ順調にいっていますということにはならないんだと思います。

 こういった大規模修繕も含めて、この前、大臣も本会議でおっしゃっていたように、本来、無料化に最終的にはしていくというふうにおっしゃっている中で、今回十五年延びているということを我々は受けとめなければいけないとすれば、確かに経営のインセンティブは必要かもしれませんが、そのインセンティブは何のためのインセンティブなのかといえば、彼らが純粋な民間会社として待遇もどんどんよくしていきたいということは言っていいかもしれませんけれども、そういうためのインセンティブではなくて、国民の大きく抱えた負債を返済していく、そのためのインセンティブでもあると思うんですね。そういうところは決して忘れてはいけないというふうに私は思います。

 確かに、パーキングエリア、サービスエリアを整備すれば利用者もふえるかもしれませんから、そこは全くだめだということではありません。しかし、やはり利益をどんどん上げていって、内部留保がたまっていくというのは、これは確かにいかがなものかなというふうにも思いますし、民間会社といっても株はほとんど太田大臣がお持ちのわけですので、国土交通大臣がこの民営化会社の株は持っておりますので、大臣を悪く言っているわけじゃありませんので、そこはお許しいただきたいわけですが、そういう意味での民間会社ですから、やはり究極は債務を返していくためのものであるということは、ぜひ御認識をいただきたいというふうに思います。

 さて、ちょっと具体の話に入るわけですけれども、続いて、ETCの割引のことについて触れたいというふうに思います。

 全部質問すると、ちょっと時間がなくなりますので、あらかじめ国交省から伺った話でいきますと、現在の高速道路の、いわゆる料金決済におけるETCの利用率というのは、正確じゃないかもしれませんが、大体九〇%を超えるぐらいというふうに認識、九〇%ぐらいですかね、九割ということであります。

 一方で、車、日本全国にある車全体でETCをつけているのはどれぐらいですかというと、一家で二台も三台も車を持っているところもありますし、会社の営業車もありますから、そういった意味では半分ぐらい、五割の車にETCがついているということになっております。

 このETC割引というのは、当初は、私は、ETCそのものを促進するという意味合いがあったのではないのかな、利便性を高める、ETCそのものを促進していく、普及していくというための意味合いもあったのかなというふうに思うわけであります。

 そういう中で、ETC割引、あとは、国民に還元をしていくという意味で、財源も用意をしてやってきたわけですが、今回その財源がなくなったということで、四月一日から割引が大幅に縮小をされました。

 この割引が大幅に縮小されたわけですが、全部なくなったわけではない。では、残されている現在のETC割引は、何の目的で行っている割引と言えるのか、これをお答えください。

徳山政府参考人 お答えを申し上げます。

 高速道路料金につきましては、平成二十年十月から緊急経済対策として、平日昼間の割引などの料金割引を実施してきていたところでございます。

 昨年度末に、この緊急経済対策による料金割引の財源が終了いたしましたものですから、やむを得ず料金割引を縮小することになりました。この際、この影響を緩和するために、その他の割引の財源を活用し、また、会社の経営努力も加えまして、観光振興や物流対策などの実施目的を明確にして、新たな料金割引に再編したというところでございます。

 具体的には、ETC車を中心に、地域活性化のための休日割引、それから、高速道に並行する一般道路の通勤時間帯の混雑を緩和する平日の朝夕割引、そして、主に業務目的で高速道路を利用する機会の多い車の負担を軽減する大口・多頻度割引などの割引を四月から実施をいたしております。

泉委員 今のお話ですと、経済対策であって、影響緩和であるというお話でしたが、それはETCに限定する割引である理由は、今の中には少なくとも入っていなかったですね。ETCに限定する理由を教えてください。

徳山政府参考人 ETC車につきましては、先生御指摘のとおり、既に利用の率でいいますと、約九割というところまで普及をしてまいりました。結果といたしまして、ETC以前には、高速道路の渋滞のうちの三割は料金所で起こっておりましたけれども、そうした料金所渋滞が解消いたしました。これに伴いまして、エネルギー消費あるいはCO2の削減という効果も出てきております。

 また、ETCが普及したことで、会社にとりましても、料金収受員のコストの削減に寄与しているという、ETC車にとりましては非常に、社会的にも、会社の経営上もメリットがございました。一方で、この恩恵は現金利用車も享受をしている、こういうことでございます。そういった意味で、ETC車にそういうインセンティブを与える、普及のための割引をするというのは、一つの意味があると思います。

 また、今回の通勤時間帯などの割引あるいは頻度に応じた割引というのは、非常に複雑で高度な割引を確実に行うためにも、これはETCでなければなかなか難しい面がございまして、そういう賢い料金体系をつくるため、あるいはETC車の恩恵に、負担を公平にするという意味で、ETC車を対象に割引をしておる、こういうことでございます。

泉委員 料金所は、将来の姿として、全てETCの料金所になることはできるんでしょうか。それとも、いわゆる現金窓口は残っていくんでしょうか。

徳山政府参考人 全てがETC車になりますと、さらにメリットは拡大するということもございまして、いろいろな議論の中で、あるいは法的に義務づけるようなことをしてでもETC車を一〇〇%にしたらどうか、こういった議論もあるわけでございます。

 一方で、なかなかカードを持てない方の問題などがございまして、なかなか一〇〇%にするのは難しいのではないか。あるいは、全く高速道路を利用するつもりもない軽トラックなどで、なぜつけなきゃいけないのか、コストが上がる、こういった両方の議論がございまして、なかなか全てをETC車にしてしまえるという目算は今立っておりませんけれども、いずれにしましても、ETC車がふえていくことで、社会的にも経営的にも非常にメリットがあるということは事実でございます。

泉委員 ETCがふえていくことのメリット、それは私もあると思うんですね。

 きょう、資料二でお配りをしていますけれども、阪神高速京都圏、ちょうど私の地元のあたりなんですけれども、道路ができて、これは協定交通量という、もともと予想していた交通量と実績交通量でいうと、大体約半分しか走っていないという状況があります。右の方を見てみれば、料金収入も、実績料金収入というのは、ざっとで半分ですね。一方で、下道というか一般道は、そういう意味では渋滞をもっともっと緩和できる。本当は、もっと高速道路に移っていただいてもいいわけです。

 これは料金について、また次の資料三というところを見ていただくと、資料三の下の方ですね、「阪神高速八号京都線の料金体系」というところで見ますと、下の方の右側、現金車については普通四百六十円、大型九百三十円、しかし、ETC車については約半額ぐらい、半額強の値段になっているということでありまして、今お話があったように、大体、装着率だとか利用率というのは変わらない。

 一方では、もうこれ以上、逆に言うと、ETCの車も、ある意味、ふえないというとおかしいですが、一定、ETCをつけていない人たちのためにも、現金窓口というかレーンはつくっておかなきゃいけないということを考えると、全部がETCになるわけではないわけですね。

 そういう意味では、ある程度状況は固定化されている中で、あとは、いかにどう一般道から高速道にお客さんを移していくのかということを考えていかなければいけない。その場合に、ETCの方々だけに割引を限定する必要性というのは、これはもはやないのではないかというふうに思うんですね。路線ごとによるかもしれませんが、現金車についても割引を導入していくことは、十分私は可能だというふうに思うわけです。

 国交省の中で、こういったETC割引というのは、これは全部路線ごとに協定で割引の仕方も決まっていますので、すぐに変えられるものはないわけですけれども、例えばこの阪神高速八号京都線の料金体系、ETCだけに限らなければ、本当はもっとお客さんは乗っていただくだろうなというふうに思います。乗っていただかなければ、収入もふえないというふうに思います。

 確かに、償還計画のことを考えれば、では、値上げをすればお金をもうけられるんじゃないかといいますが、値上げすればするほど下道を走るというのも国民の感情でもあるわけですから、そういった意味では、値上げをすればもうけられるということではないわけで、割引をすることによって収入が上がるということも十分あり得るし、私は、その可能性がこの阪神高速八号京都線については十分あるのではないかなというふうに思いますので、ぜひそのことを御検討いただきたいと思います。

 もう一つ言いますと、この資料三の上、大阪城から京都駅までの名神ルートと京都線ルートというものを比較して出していただいているんですね。これは阪神高速の方で出していただいているわけですが、確かに時間は十五分ほど、京都線ルートという方が早く走れるわけであります。ただ、ちょっと細かいんですが、右上を見ると料金が書いてありまして、名神を使うと千九百四十円で京都までは行けます。しかし、第二京阪を使って、さらに京都線を使うと二千五百六十円、五百円ぐらい値段が違いますよということですね。

 二十分早いから仕方がないじゃないかという話かもしれませんが、二つの路線で五百円、同じ場所に行くのに値段が違えば、これはやはりどっちを利用するかという話になるわけでして、こういった、どこどこからどこどこまで行くという場合に、やはりそこの平準化をしていただくことが大変重要ではないかな。ぜひ、そういった意味では、この京都線、第二京阪道路も含めて、値下げということに取り組んでいただきたいというふうに思います。

 いろいろと質問したいことがまだあったわけですが、ちょっと時間の関係がありまして、最後に大臣に、そういったことも含めて、今、京都線の利用状況を見ていただいたとおり、約半分であります。そういった意味では、協定というものが路線ごとで組まれている中でいうと、交通量が大幅に違う場合には協定の見直しもできるというふうに書いてあります。そういった路線ごとの状況をしっかり精査していただいて、協定を見直すということには柔軟であっていただきたいと思いますが、最後に大臣の御答弁をお願いします。

太田国務大臣 名神あるいは京都線ルート、値段がかなり違うとか、時間の関係とか、いろいろなことで目標どおりいっていないということが現実の問題だと思います。

 私は、利用増進、利用していただくということが何よりも大事で、そこで償還できる利益が得られることが大事であるということは、それが一番根幹であろうというふうに思います。

 そういう意味では、この阪神高速京都線も含めた、そのほかの道路も同じでありますけれども、その路線につきましても、利用状況や償還状況等に応じて、地域の意見をよく聞きながら取り組みを進めて、協定の見直しも含めて適時適切に対応する必要があるというふうに思っております。

泉委員 終わります。以上です。

梶山委員長 次に、寺島義幸君。

寺島委員 民主党の寺島義幸でございます。

 お時間をいただきまして、ありがとうございました。

 韓国では、何か大きな船舶事故等が発生しているようでございまして、大変心配をされるわけでございまして、お見舞いを申し上げなければならないというふうに思うわけでございます。

 法案審議に入る前に、若干、大変失礼とは存じますけれども、お許しをいただきまして、承ってまいりたいというふうに思います。

 まず最初に、空港ターミナルビル内の平面図がグーグル社において一般閲覧可能な状態になってしまった、この事件、事案についてであります。

 過日、部門会議におきまして御説明をいただきました。何か他人事のような説明で、人ごとのような説明であったわけでありまして、大変私は驚きました。こんなことでいいのかなと、本当にびっくりした次第であります。小さなことから大事に至るということもあるわけであります。

 国土交通省は、グーグル社から依頼を受けて、ビル会社の方に、そういう非開示の部分はセキュリティー上重要なのできちんと非開示にするようにという指導をしたということでありました。ところが、結果においては、どういうミスかはわかりませんけれども、それが開示されてしまった。

 こういうことは、今現在それは直っているというお話であったわけでありますが、一度外に出てしまうと、それがコピーからコピーへというふうになるだろうと思うんですね。もし悪用されるというようなことがあれば、これは本当に大変なことであるわけであります。そのことをおわかりになっていらっしゃるのかいらっしゃらないのかわからなかったんですが、何か他人事のような説明で、僕は正直申し上げまして憤慨をいたした次第であります。

 そこで、ちょっと失礼ですが、お伺いしますけれども、指導したということであるんですけれども、ちゃんと指導したのか、どのような指導をしたのか、その点だけ、まずお聞かせいただけますか。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問の件でございますけれども、セキュリティー上重要な情報を含む新千歳空港及び中部国際空港の空港ビルの図面がグーグル社のサイトで一般閲覧可能な状態にあったという事案が発生をしております。両空港とも、この事実が判明した後、直ちにグーグル社により閲覧が不可能な状態となっているところでございます。

 国交省といたしましては、この事案を受けまして、両空港の空港管理者に対し、原因究明を指示いたしました。その結果、新千歳空港につきましてはターミナルビル会社である北海道空港株式会社、また中部国際空港につきましては空港管理者である中部国際空港株式会社が、グーグル社の空港ビル内の地図提供サービスのため図面を提供した際に、セキュリティー上重要な箇所というものの十分な削除をせずに提供してしまった。提供を受けたグーグル社の社内において、この図面を共有する際に、誤って一般閲覧可能な状態に置かれていたということが判明をいたしています。

 国交省といたしましては、従前より空港会社及び空港ビル会社に対しまして、航空保安に係る情報というのを適切に管理することを求め、グーグル社への提供に当たりましても、セキュリティー上重要な情報を非開示にするよう指導してまいったところでございますけれども、今般の事案を踏まえまして、この事案が発生した両社に対しまして、再発防止のため、今後厳しく指導監督していくこととしております。また、我が国の全ての空港会社及び空港ビル会社に対しまして、改めて情報管理の徹底を指示したところでございます。

太田国務大臣 これは私、聞きまして、国交省の指示の仕方あるいは点検の仕方、空港会社に、どういう表現で、どういうことをやり、そしてどういう経過なのかと。国交省の出先、それと空港会社、グーグル、それぞれがきちっとそこをやらないといけないということで、厳しく調べるようにということで、やりました。

 そこには、これは最初グーグルに一番の責任があるという、専らそれであったわけですが、空港会社の方が非常に私は甘いというふうに思いまして、そして国交省も、もっときちっとそこを点検したり指示をしなくちゃいけないということを思いました。

 特にここは大事な問題でありますものですから、二度とそういうことがないようにということで、鉄道とかそういうことも含めまして、国交省も、そして各会社におきましても、きちっとそこをやるように、また、グーグルも取り決めということについては守ってもらわなくちゃならない、それぞれについてきちっとさせていただいたところでございます。

寺島委員 大臣からも答弁をいただきましたので、もうこれ以上申し上げませんけれども、やはり監督責任というのもあると思うんですね。それは、末端までの職員の皆様方の意識というのがやはり重要であろうというふうにも思います。

 そんな点を徹底されて、従前から指導してきた、徹底を再度指示した、こういうお話をいただいたので、では、前からちゃんと指示していたにもかかわらずうまくいかなかったのには、やはり指導の仕方にも問題があったのかな、こんなふうにも思いました。

 もうこれ以上申し上げませんけれども、もちろん、本当になければいい話でありますけれども、ちっちゃなところから大きなことが起きるということもあるわけでございまして、どうか御留意願いたいということを申し上げたわけでございます。

 次に、これもちょっと法案審査に入る前で失礼なんですけれども、上信越自動車道の佐久インターチェンジから碓氷軽井沢インターの上り線で通行どめとなっているわけでございます。

 NEXCO東日本管内の上信越道の八風山トンネルの長野県側入り口付近で、三月二十七日に盛り土ののり面に亀裂が見つかり、同社が監視していたところ、亀裂が広がるなどの変化が確認されたということで、四月の八日から佐久インターチェンジ―碓氷軽井沢インターの間で上り線の通行どめが行われ、十一日には下り線を利用して一車線の対面通行が確保された、東京方面の通行が確保された、こういうことであります。

 そこで、まず一点目。この区間で現在どのような状況になっているのかということであります。亀裂が発生したということでありますが、どういう経緯でそういうことが発見されたのか、その原因と、あるいは現在わかっている範囲で結構でございますので、御説明をいただきたいと思います。

徳山政府参考人 東日本高速道路会社におきましては、日常的に道路の点検を実施しております。三月二十七日に、上信越自動車道の佐久インターチェンジから碓氷軽井沢インターチェンジの間、八風山トンネルの長野県側坑口付近の上り線側で、盛り土部で変状を発見いたしました。

 このことから、この箇所を重点的に監視をしておりましたところ、さらに変状が大きくなってきましたものですから、利用者の安全確保を最優先に考えまして、四月八日の午前一時二十分から上り線側の通行どめを実施したわけでございます。

 四月九日に、専門家による現地調査をお願いいたしまして、下り線側は安全であるという確認がとれたことを受けまして、会社では、当面の対策として、四月十一日十七時から、下り二車線を使って、上り下りの対面通行を実施しているということでございます。

 これまでの専門家による調査を経まして、現時点では雪解け水による地下水位の上昇の影響が一因として考えられるようだということ、そして、変状はまだ進行しておりまして、これが進行している現在の状況で、なかなか盛り土の中に立ち入ってボーリングをするなどのことはまだ危険であるというような意見を受けております。

 会社では、今後、変状の進行を見ながら詳細調査を行いまして、原因を確定することとしております。

寺島委員 八風山トンネルの建設時、私は覚えているんですけれども、山が動いているんですね。いろいろな課題がかつてありました。八風山トンネルをつくるときにも、そんな話題があったのを記憶しているんですけれども、やはりその関係もあるのかなと大変心配をいたしておるわけです。

 と申しますのも、ゴールデンウイークがあります。御案内のように、私ども、この軽井沢インターから上がってきて、長野県の東の玄関口でございまして、ゴールデンウイークには、この高速を使って多くのお客様が長野県に来られるわけでありまするけれども、これが一車線の対面通行ということになりますと、そうじゃなくても結構渋滞があるわけであります。そこが心配でありまして、ゴールデンウイークまでに開通ができるのかどうか、その点だけちょっと確認をさせていただけますか。

徳山政府参考人 この上信越道の通行規制については、本当に御心配やら御迷惑をおかけいたしております。

 現在の状況でございますけれども、変状が生じました盛り土及び地盤内の水位を低下させるための水平方向のボーリングを何本か打っておりまして、この結果、当初に比べて変状の程度は小さくなっております。四月七日ごろには、一時間で十三ミリ動いておりましたけれども、昨日、四月十七日現在では、一時間当たりでは三ミリにまで縮小してきておるということでございますけれども、現在もまだ進行がとまっていないという報告を受けております。

 今後も専門家の意見を聞きつつ対応を進めてまいりますが、まことに申しわけないことでございますけれども、現時点で完全復旧に向けた見通しを申し上げる状況にはなく、引き続き会社に対して早期の復旧と利用者への情報提供を指示してまいりたいと思っております。

寺島委員 できるだけ早く開通できるように御努力をお願いいたします。

 続いて、大変恐縮です、もう一点だけお願いします。

 東日本大震災では、鉄道とか港湾施設が壊滅的な被害を受けたわけであります。しかし、高速道路が早期に回復をしました。きょう局長もおられますけれども、くしの歯作戦でございまして、多大な効果を発揮し、緊急輸送の基軸となったわけであります。この震災を教訓として、改めて災害に強い国土というのが求められ、特に日本海と太平洋を結ぶネットワークの強化の必要性が確認をされてまいりました。

 中部横断自動車道についてでありますが、東海地震等による重大な災害の発生が危惧される中であります。広域消防体制を強化し、必要な緊急輸送路としての役割を担うばかりでなく、現在、国道百四十一号線、これ一本しかないわけでありまして、これを利用して緊急医療機関へ搬送をされるのに一時間以上かかるというような状況であります。医療過疎への緊急搬送の提供など多様な住民への福祉の機能を兼ね備える、沿線住民の生活にとっても、この路線は命の道であるわけであります。

 また、本道は全線開通ということになりますと、静岡、山梨、長野、新潟の四県を結ぶとともに、東名、新東名、中央、関越、北陸の五つの高速道路に接続して、関東大環状連携軸を形成するものとなっている。物流体系の再編、あるいはまた交流圏の拡大、広域的観光ゾーンの形成などを促進し、交流人口創出にも大変大きく貢献する重要な路線であります。しかしながら、この中部横断道、基本計画に残されている部分がありまして、ミッシングリンクの解消が急務なのかなというふうに思っています。

 そこで、ちょっと大臣にお伺いしたいんですが、この中部横断自動車道の必要性についてどのような御見解をお持ちなのか、お伺いいたします。

太田国務大臣 極めて重要な路線であるというふうに思っています。静岡、山梨、長野、新潟ということは、これは災害ということでも大事ですし、そして物流がかなり、先生の長野からレタスなどの農産物や、あるいは救急医療という点でも大事だということがありまして、確かに、それぞれの横に走る道路が全部つながっていくという、これは画期的なことになろうというふうに思います。

 まだちょっと路線が最終的に決まっていないところが、地元との話し合いがありまして、山梨側のところにあるようでありますけれども、ほかは、ずっと南の方は通しましたし、そして長野側もそれが始まっているわけでありますが、この重要であるという認識のもとで、地元の協力を得ながら早期整備に取り組みたいと強く決意をしております。

寺島委員 ありがとうございます。

 君は太平洋を見たか、僕は日本海を見たい、この大スローガンで二十五年ぐらい、地域の経済界やJCの皆様や行政の皆様と一体となって進めてまいりました。一市二町四村がある地域なんですけれども、地方事務所に行くのに一時間半かかる。あるいはまた、救急搬送をしようと思っても、先ほど大臣からもお話をいただいたわけですけれども、国道が百四十一号線しかないという状況であります。一たび交通事故が起きますと、佐久警察署というのがあるんですけれども、そこから交通処理に行くにも一時間半以上かかるというような大変なところであります。

 かつて、先ほど大臣のお話にもありました、野菜等を運搬するのに有効な道路であろうということで、広域農道の検討もありました。しかし、高速道路の検討の中で、いろいろ御議論の中で、直轄で国の国道として、専用道路として、地元負担も伴うわけでありますがやっていただける、これはもう無料でありますので、大変地元にとってもありがたいというようなことで、広域農道が逆に頓挫しております。つまり、それだけこの路線はさらに重要度が高まった、こんなふうに思っているわけであります。

 それで、お伺いしますが、八千穂インターから先、長坂までの基本計画でありまして、この中部横断道はここだけが残されておりまして、残念なのでありますけれども、整備計画に格上げの状況を、局長で結構ですけれども、お願いします。

徳山政府参考人 御指摘の、中部横断自動車道の長坂―八千穂間でございますけれども、平成二十二年十二月から社会資本整備審議会道路分科会の関東地方小委員会の意見を聞きながら、現在、おおむねのルートを決めるための計画段階評価の手続を実施しております。

 このうち、長野県側のルートにつきましては、平成二十四年十月四日の地方小委員会の意見を踏まえて、おおむね取りまとまっております。一方、山梨県側につきましては、清里高原を通過するルートについて反対意見がございまして、現在、ルート案について、地域における意見集約を進めておるわけでございます。

 今後、地元自治体と連携をいたしまして、ルート案に対する意見の集約を図り、重要な路線でございますから、早期にルートを決定してまいりたいと考えております。

寺島委員 ありがとうございます。ぜひお願いいたします。

 もう一個質問があったんですけれども、ちょっと時間の関係で飛ばさせていただきまして、法案についてであります。

 これも時間の関係で、大変恐縮ですけれども、最初の、十五年の延長の理由をちょっと飛ばさせていただきまして、そもそも論というか、費用の扱いの問題についてお伺いします。

 平成十七年、道路関係四公団の民営化の際、先ほどもお話がありましたけれども、なぜ、通常の修繕程度を前提として償還計画を立てられることとなったのか。償還期限が四十五年と長期間になることを考えれば、当然、大規模修繕とか大規模更新というのは想定できたんだろうと素人的には思うわけでありますが、大臣は、四月四日の本会議の趣旨説明に対して、道路構造物の老朽化を予測するには限界があり、先ほども話がありましたけれども、民営化時においても更新需要の発生は想定していたが、具体的な箇所や対処方法が十分に明らかになっていませんでしたと答弁をされておられるわけでございます。

 しかし、なぜ今になってこれが可能になったかというのが素朴な疑問でもあるわけであります。民営化時点に、できるだけの範囲において、これは大規模修繕になるぞ、あるいはまた大規模更新をしなきゃいけないということを考慮して償還計画を作成しておくべきではなかったかと素人的には思うわけでございますが、どのようにお考えなんでしょうか。

中原大臣政務官 お答えをいたします。

 大臣の本会議の答弁と全く同じになりますけれども、道路構造物の老朽化の予測ということにつきましては限界がございまして、民営化時において、基礎からつくりかえる更新需要の発生は想定していたところでございますけれども、当時は、構造物が建設後四十年程度を経過し始めたところであり、更新の必要性について、具体の箇所や対処方法が十分に明らかになっていなかったところであります。

 その後、東日本大震災の発生や中央自動車道の笹子トンネルの天井板落下事故が起こりまして、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化といったものが一層必要であるという認識が共有されてきたところであります。

 このような認識の中で、建設から五十年が経過をいたしまして、老朽化の進展により、更新の必要な箇所が明らかになってきたこと、また、対処方法について検討が進んできたことから、具体的な更新事業に取り組むものと考えております。

寺島委員 調査によってわかったのでやりますというようなお話だろうと思うんですけれども、国、日本の国家ですから、私はある程度信頼をしているんですけれども、その国家が何でわからなかったのかなと、素人ながらも本当に疑問に思っているんです。

 だから、対症療法なのか、よくわからないんですけれども、やはりそれは、正論を申し上げることをお許しいただくのであれば、当初からちゃんと想定をするということが、国民にも説明責任につながったのかなというふうにも思うわけであります。

 次に行きます。

 今度は経費の確保の話ですけれども、大臣も答弁をされておりますが、高速道路を利用し続ける以上、維持管理のための経費というのは常について回るだろうと思うんですね。当然のことながら、大規模更新とか大規模修繕を行わなきゃならないのも十分想定されるわけであります。

 しかし、そこで、大臣でも結構なんですけれども、無料開放は五十年もの先の話でありますが、政府として、高速道路の無料開放後の維持管理、更新等の経費をこれからどのように確保されていこうとお考えになっておられるのか、お伺いをいたします。

中原大臣政務官 現行制度におきましては、債務の償還満了後、道路資産は本来の道路管理者に帰属することになります。高速自動車国道につきましては国が、首都高速や阪神高速などにつきましては地方自治体が管理することになっております。

 その後は、他の一般道路と同様、各道路管理者におきまして、税金により維持管理、更新を行うことになると考えております。

寺島委員 本会議において、法案説明に対する質疑において大臣が、高速道路を恒久的に有料にすることについては、利用者を初め広く理解を得られるかどうか課題もあり、今後慎重な検討が必要であると言っておられるわけであります。

 ただ、本法律案においても、平成七十七年、二〇六五年が到来すると、今回の大規模更新あるいは大規模修繕の財源確保と同様に、高速道路の維持管理、更新等の経費の財源確保が問題になることは明らかである。税負担では国民への理解が、永久有料化では高速道路利用者への理解がなかなか得にくい。両方の理解が必要になるわけでありますけれども、恒久有料化という話もあるわけでありまして、その課題及び可能性についてどう考えておられるのか。将来世代にその問題を先送りすることはすべきではないと考えているわけですが、お考えをお伺いします。

太田国務大臣 償還満了後の維持管理費の負担につきましてはいろいろ議論がありまして、審議会などにおきましてもさまざまな論議をいただいたところです。

 この中で、高速道路を恒久的に有料とすることについては、御指摘のとおり、利用者を初め広く理解を得られるかという課題があるとの議論がございました。また、税金による負担については、財政的な制約がある中で、ほかの施策との優先度について整理することが必要であるとの指摘もあったところです。

 そうしたさまざまな論議の中で、結論としましては、本法案では、建設債務の償還満了後、更新に必要な財源を確保するために、十五年間を上限として料金を継続して徴収し、その後、無料開放し、他の一般道路と同様、税金により維持管理を行うということとしているところでございます。

寺島委員 次に行きます。ちょっと質問を飛ばしていて、申しわけございません。

 既存の建設債務と新規更新に係る債務との区分についてであります。

 国土幹線道路部会の中間答申の中で、「料金徴収期間を延長する場合、民営化の趣旨を踏まえ、民営化時に想定した債務と、新たに追加される更新に関する債務を区分すべきである。」としておるんですが、既存の建設債務と新規の更新に係る債務の区分については、国土交通省としてはどのような措置をとるとお考えになっておられるのか。

 また、本法律案において、既存の建設債務と新規の更新に係る債務の区分については想定されていないわけでありますが、その理由についてお尋ねいたします。

徳山政府参考人 お答えを申し上げます。

 現在の償還計画に基づく新規建設などによる債務につきましては、民営化の趣旨を踏まえまして、将来世代に先送りせず、四十五年以内に償還する方針を今後も堅持してまいります。このため、本法案におきましては、機構の業務実施計画に、新規建設事業とは別に、更新事業を明記することといたしております。

 その上で、この法律に基づき作成している業務実施計画におきまして、現在の償還計画に基づく新規建設などによる債務と、新たに追加される更新に関する債務について、おのおのの残高を明確に区分して表示をすることにより、償還状況を国民にわかりやすく提示をすることといたしております。この点について、国による業務実施計画の認可時に、確実に実施されていることを確認をしてまいります。

寺島委員 最後になると思います。民営化の趣旨に反するのではないかということについてであります。

 本法律案で、大規模更新、大規模修繕費用の捻出のためとはいえ、料金徴収期間を延長することについて、さきの本会議における法律案の趣旨説明の質疑においても、大臣は、現在の償還計画に基づく建設債務については将来世代に先送りせず、四十五年以内に償還する方向を今後とも堅持してまいります、その上で、本法律案では、建設債務の償還満了後、更新に必要な財源を確保するため、十五年間を上限として料金を継続して徴収と答弁されておられます。

 このような答弁でありますと、国民や高速道路利用者はなかなか納得しにくいのではないかなというふうに私は感じるわけですが、結果的に十五年先送りするということは民営化の趣旨に反することにはならないのか、お伺いいたします。

徳山政府参考人 更新事業に対しまして、どのような負担が合理的であるかにつきましては、審議会などでも多くの議論がございました。

 更新によりまして、将来世代を含め、長期にわたり構造物の使用が可能になることを踏まえれば、各世代の利用者負担の平準化を求める観点から、将来世代に負担を求めることには理解が得られると考えております。

 また、高速道路建設の債務を確実に返済するという民営化の趣旨を踏まえ、現在の償還計画に基づく新規建設などによる債務については将来世代に先送りせず、四十五年以内に償還する方針を今後も堅持してまいります。

寺島委員 時間でありますので、全ての質問ができなかったことをお許しいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

梶山委員長 次に、坂元大輔君。

坂元委員 日本維新の会の坂元大輔でございます。

 私も、本会議での党を代表しての質問に引き続きまして、今回の道路法等の一部を改正する法律案について、四十分お時間をいただいておりますので、いろいろとお伺いをしてまいりたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 まず、本題に入ります前に、今月、四月十四日に出されました道路の老朽化対策の本格実施に関する提言、社会資本整備審議会の道路分科会が建議をしていただいたものですが、私もこれを詳細に読ませていただきました。

 一ページ目から「最後の警告」という形で、非常に強い書きぶりで、本格的なメンテナンス、道路に関してのメンテナンスにかじを切らなければ、もう取り返しのつかないことになってしまうという、私も驚きましたが、非常に強い表現をされております。

 当然、昨年から、太田大臣、メンテナンス元年ということで、私はこれはかじを既に切られているというふうに認識はしておるんですけれども、今回、社会資本整備審議会からの強い提言を受けて、改めて大臣の御決意をまずお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 この部会からずっと昨年も話を随時聞いてきまして、メンテナンス元年という言葉自体を使ったのも、そうした論議の中で行われたことについて、いち早く動かなくてはいけないということで打ち出した事項でございます。

 今回、道路の老朽化対策の本格実施に関する提言という中で、「最後の警告」という言葉を使って、今すぐ本格的なメンテナンスにかじを切らなければ、近い将来、致命的な事態を招くであろう、こういう表現がされています。

 そこで、この提言は、義務を課すと。一つは、老朽化した道路に対して、橋梁等は五年に一度、近接目視の点検など、道路管理者の義務を明確にするということで、省令を三月三十一日に公布しました。

 一方で、義務というだけでなくて、支援をするという角度も入れまして、特に、五十万橋を管理する市町村、ここでの人員の不足もございます。技術的な課題もございます。そしてまた、財政という点もございます。メンテナンスが困難な状況であるということを踏まえまして、支援をするということが大事だという提言を受けまして、昨年来、そうした支援体制をとってきたところでございます。

 危機感を持って事に当たりたいと決意をしているところでございます。

坂元委員 改めて、大臣からの強い御決意の答弁をいただきました。

 今回の社会資本整備審議会道路分科会からの提言、翌日の新聞何社かの社説にも取り上げられたりしておりまして、国民に対する告知というか理解も、以前に比べれば、特にやはり笹子トンネルの事故以降、広がってきたかというふうには考えておりますが、まだまだ、このメンテナンスに対する、維持管理、更新ということに対する重要性が国民に広く理解されていない現状があるんじゃないかなと私も感じております。

 さきの本会議での代表質問の内容を、私も地元でいろいろ支援者の方々に御説明をする中にあっても、例えば、先ほども数字が挙がっておりましたが、今回の大規模更新、大規模修繕に、全国的に高速道路でかかる費用は約四兆円ということで、その数字を申し上げると、四兆円もかかるのと。しかも、新しく道路ができるとかという、目に見えるわかりやすい形ではなかなかありませんので、そんなにかかるのということで、なかなか御理解いただけない点も正直ございます。

 今の現状というものを、先ほど大臣から危機感という言葉もありましたが、より危機感を持って、広く国民に理解をしていただく必要がもっとあるというふうに私は考えておりますが、この点について国土交通省として、どのように広く国民への理解を求めていくのかという点について、御答弁をお願いいたします。

太田国務大臣 あらゆる方策を用いて、今現状がどうなっているかということについて説明をする。国交省だけでなくて、いろいろな学者さんからも、なかなか、国土ということについて評論をしたり説明をするという学者自体が、実は今まで少なかったと思いますし、国交省出身のよくわかっている人たちも、国交省の人が言うならばといって、見ないとか聞かないというような風潮がありましたものですから、そうしたことの困難さを乗り越えて、この橋梁等の老朽化の状況、きのうも私はテレビで、一九六五年から一九八〇年までに毎年一万橋の橋をつくってきた、それがずっと減ってきて、そして今、一千ぐらいの状況になっている。

 こういう山を見ていただいて、そして、これから今度は同じ山が、メンテナンスの山が来るというような表現をしたり、いろいろな橋梁等の老朽化の状況、またその説明の仕方ということも、機会があれば伝えるということや、あるいは点検、診断の結果というものを、これはむしろ安心していただいたり危機感を持っていただくということは、調べてきたものを、地方自治体も含めて、こういう状況でしたということを、首都高速、いろいろなところを全部含めて発表するということもまた大事なことなので、私はそういう意味での見える化というか、今現状がどうなっているかということをあらゆる角度でお示しし、認識を共有するということが大事だというふうに思っています。

 最近、地域の住民や学生やマスコミとかそれぞれが、橋梁の現地見学会とか、あるいは小学生の方たちが担当の橋を決めたりして、愛着を持って見ていただくと同時に、橋というのは上からしか見ないんですけれども、下から橋を見るとか、いろいろなそういうことの工夫をしていきたいというふうに思っています。

 実は、目視ということは一番大事で、コンクリートは何百年ももつんです。ところが、それも案外誤解がありまして、中の鉄筋とか鉄骨がさびて、それによってクラックが生ずるというような、順番はそういうふうになっておりまして、そんなことも含めて、クラックが走っているかどうかというのを見てもらうことが大事なので、これは専門家だけでなくて、ここは危ないぞというような情報を言っていただけるシステムをつくるということ自体が、実は危機感を持っていただくということになるのではないかと思っています。

 あらゆることを通じて、危機感を共有する努力をしていきたいと思っているところです。

坂元委員 詳細な御答弁をありがとうございました。

 本当におっしゃるとおりで、やはり数字とか、あと、現地を見に行っていただくのが一番いいわけでありますが、せめて写真であったり、今現状こうなっているんですということを、私も首都高の様子とかを、私の選挙区は広島県の福山市なんですけれども、地元の方に見ていただいても、ここまで傷んでいるのかということも御理解をいただける部分もありますので、やはりそういう、大臣が先ほどおっしゃった見える化であるとか公表というところを、今後より一層力を入れて国交省としても取り組んでいっていただきたいなというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

 続いて、今回の提言の中で、十二ページ、最後のページになるんですが、道路の老朽化の一つの原因になる、道路が傷む一つの原因になる、やはり重量が非常に重い大型車両をどうしていくかという点に関しても提言が書かれておりまして、重量制限を超過する大型車両の取り締まり、指導については一層強化を図っていくべきだということ、一方で、やはり今の物流を担っているのも同じく大型車両でありますので、その大型車両が適正に通行しやすい環境を整備していくことも大事だというふうに書かれているわけでございます。

 この点に関して、国土交通省としてどのように考え、取り組んでいかれるおつもりであるか、御答弁をお願いいたします。

徳山政府参考人 道路の老朽化対策を進めていきます上で、重量制限を超過する大型車両が道路の劣化に与える影響につきましては、これは一般の方が考えておられるよりもはるかに大きなものでございます。

 国等が実施した実験結果によりますと、道路橋の劣化に与える影響につきましては、軸重が二十トンある車は、軸重十トンの車の約四千台に相当する。軸重が倍になりますと、橋に四千台分の影響を与えるということでございます。そういうことがございますものですから、全部の車の中の〇・三%にすぎない、重量を違法に超過した大型車両が、道路橋の床板の劣化の九割を引き起こしている、このような計算になるわけでございます。

 こういう重大な状況に鑑みまして、これ以上、重量を違法に超過した大型車両が、国民の重要な財産である道路ストックを傷めることがないように、現地の取り締まりの実施及び違反車の公表や告発を行っております。

 一方で、逆に、適正に道路を利用してくださっている、本当に遵法で、道路の規則に沿って使っていただいている大型車の方々にとりましては、物流の効率化や国際競争力に貢献をいただいているわけでございまして、こちらについては逆に通行許可の基準を柔軟に見直すなど、必要な措置を行っております。

 今回、このような提言もいただいたことも踏まえまして、今後、高速道路会社等の関係機関とも連携をしまして、重量を違法に超過した大型車両の取り締まり、指導の一層の強化を図るとともに、大型車両が適正に通行しやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えております。

坂元委員 明快な御答弁をありがとうございました。

 私も、これ、今回改めて調べさせていただいて、先ほど二十トンの車と十トンの車の違いを御説明いただきましたが、ここまで極端に負荷がかかるものなのかということを改めて認識をいたしました。やはり、この大型車両の重量超過に関しては、厳しく指導取り締まりしていただく一方で、先ほど御答弁の中にもありましたが、しっかり守ってくださっている、つまり、日本の物流に大きく貢献をしてくださっている大型車両については、適正に通行しやすい環境をより整えていっていただきたいなというふうに思います。

 それでは、本題の道路法等の一部を改正する法律案について伺ってまいりますが、本会議でも私お伺いをいたしました、いわゆる償還主義の見直しですね。道路無料開放の原則について、改めてお伺いをさせていただきます。

 本会議では、無料開放が原則であるというお答えでありましたが、日本の高速道路は、その歴史が始まって以降、常にこれは有料道路として、もちろん部分的に無料道路もありますけれども、基本的には常に有料の道路として通行料金を徴収してきたわけであります。本会議の御答弁の中でも、国民に対して恒久的に料金を取るということに対して、国民の理解が得られるのかどうかという点で検討が必要だという御答弁でありましたが、私がいろいろな有権者の方とお話をする中では、基本的に高速道路が有料であるという点に関しては、ずっとそうだったということも踏まえてのことではあるんですが、広く理解を得られているのではないかなというふうに私は捉えております。

 今までの質疑の中でもありましたが、やはり、国の厳しい財政状況の中で、無料開放した後に税金でメンテナンスをしていくということに関しての方が、逆に国民からの厳しい目にさらされるのではないか。高速道路というのは、私たち日本維新の会の考え方の基盤でもありますけれども、やはりこういったサービスについては受益者負担という点を重視してやっていくべきではないかというふうに考えております。

 この利用者や国民に広く理解を得るという点に関して、改めて国土交通省としての御見解をよろしくお願いいたします。

野上副大臣 我が国の道路は無料開放が原則でありまして、特別措置として有料道路制度を採用しているところでありますが、例えば昭和三十年代には、厳しい財政事情のもと、この制度を活用して、当時のGDPの約五%にも上る東名高速ですとか名神高速を建設するなど、同制度は大きな役割を果たしてきたと認識はいたしております。

 そのような中で、昨年六月でございますが、国土幹線道路部会の中間答申におきまして、償還満了後の適切な維持管理のためには、引き続き利用者に負担を求めることも検討すべきとされたところであります。

 一方、本法律案では、建設債務の償還満了後、更新に必要な財源を確保するため、十五年を上限として料金を継続して徴収をして、その後無料開放するという考え方になっております。

 高速道路を恒久的に有料にすることにつきましては、これは今お話もあったところでありますが、利用者を初め広く理解を得られるかどうかということが課題でもありまして、諸外国の状況も参考にしながら、今後も慎重な検討が必要であるというふうに考えております。

坂元委員 御答弁ありがとうございました。

 続いての質問で、ではどうやって無料開放後の維持管理、更新に係る経費を捻出していくのかという質問をしようと考えていたんですけれども、先ほど寺島委員からも同様の質問がありまして、税金でというお答えでございました。

 ただ一方で、やはり先ほどからの議論にもありますとおり、これから長い期間の話でありますので、これは必ずまた新たな大規模な更新であるとか修繕であるとかという問題が起きてくる可能性も十分考えられるわけで、そうなると無料開放の原則といいながら、また料金徴収年限を延ばしていくのか、そちらの方が国民に対してうそをついているんじゃないのという率直な御意見を私も有権者の方からいただいたりもしております。

 先ほど引き続き検討していくという御答弁がありましたが、やはり現実を見て、恒久的に料金を徴収するということに関して引き続き詳細な検討をぜひよろしくお願いしたいというふうに思っております。

 つまり、ちょっと一問飛ばして御質問をさせていただきますが、償還主義は今のところは見直さない、無料開放が原則だということであれば、これは本会議でも指摘をさせていただきましたが、せめて償還対象経費は見直して洗い直すべきではないかというふうに考えております。

 具体的に挙げますと、やはりその最たるものは用地費でありまして、償還されるということであれば、用地は償還後は国に帰属をするものになります。ただ、今現状はこの用地費も当然経費の中に組み込まれていて、つまり利用者からの料金の徴収の中に含まれているわけであります。

 これはある意味、償還後は国に返されるということなのであれば、利用者は過大負担させられているんじゃないかという考え方もできるわけであって、一部の識者の方の試算によれば、この用地費を経費の中から見直せば、三、四割ほど高速料金は安くできるんじゃないのかというような指摘もあります。

 この用地費に関して、利用者が過大負担させられているのではないかという点についての御見解をお伺いさせていただきます。

徳山政府参考人 御指摘のとおり、用地は償還満了後も現存し、そのまま道路施設として利用されるという考え方から、用地費を償還期間内の償還対象経費から除外するということについて、これは昭和四十七年の道路審議会において議論があり、それ以来引き続き検討課題とされているところでございます。

 用地費を償還対象経費から除外する、理屈の上ではこれにより料金を下げられるわけでございますけれども、現実に、最終的にそれに相当する借金とともに国が受け取る、こういうことになります。そうなりますと、その借金を返すためには用地を売らないと返せないということになりまして、現実の問題としては非常に難しい問題が残ります。

 道路としての機能を廃止しない限り、これは用地の売却が困難でございまして、簿価相当の債務を償還するために税金を投入するか、もしくは、債務を保有したまま、将来にわたる利払いのために料金徴収を継続するなどのことが必要になる、実務的にはこのようなことが生じて、なかなかこのような結論にならないで議論が続いておるという事情でございます。

 このような課題もあることから、今後も、有識者や利用者の御意見を伺いながら、幅広く検討を進めることが必要であると考えております。

坂元委員 そうなんですね。私も今回これを調べさせていただいて、これは昭和四十七年に既に検討が開始をされているというものであって、今御答弁があったように、結局、償還主義をどうしていくのか、恒久的に料金を徴収するのかどうかという点とも密接に絡んでくるわけであります。

 当然、無料開放するということであれば、無料開放後も国民にとっては非常に便利な道路として高速道路は使われるわけですので、負担の先送りというよりは、高速道路に係る費用を世代を超えて広く負担していただくという点において、例えば金額を下げていくとかというのは、その時代に応じて検討はされるべきだと思いますけれども、やはり、恒久的に料金を取るという点については、現状を考えたときに、そちらの方が理解も得られるし、現実的な答えなのではないかなと私は強く考えておりますので、引き続きの検討をよろしくお願いいたします。

 続いて、本法案の高架下空間の活用についてお伺いをさせていただきます。

 一点改めて確認をさせていただきたいんですが、今回、高架の道路の路面下の占用基準を緩和することとなっておりますが、これは高速道路だけではなくて一般国道や地方道の高架下についても同じく対象となるのでありましょうか。お願いいたします。

徳山政府参考人 お答えを申し上げます。

 今般の改正による道路の高架下の占用基準の緩和につきましては、店舗等の道路占用を認めることによる地域の活性化や、占用料収入の増加による道路の適正な管理のための財源の確保を図ることを目的といたしております。

 こうした地域の活性化等の効果を高速道路に限らず広く一般の道路に発揮させるため、本制度は、議員の御指摘の一般国道や地方道を含む全ての道路の高架下について対象といたしております。

坂元委員 全ての道路が対象ということで、これはぜひ、せっかくやるのであれば広く有効活用をしていただきたいなというところでありまして、今回の適用拡大を活用していただくための告知や広報、実際の地域の事業者の方であるとかに対しての告知、広報活動についてはどのような方法を御検討されておりますでしょうか。

徳山政府参考人 国土交通省といたしましても、制度が広く活用されるためには周知徹底を行うことが重要であると思っております。

 具体的には、これが成立いたしました暁には、国交省のホームページ等を通じて、制度改正の内容をまず周知いたすこと、これは当然でございます。さらに、利用可能な高架下の場所を地元の市町村等に広く紹介するなど、活用の促進を図ってまいります。

 また、今後、先行事例ができましたら、各道路管理者のみならず、民間事業者等へも事例紹介を行うなど、積極的に周知徹底を図ってまいります。

坂元委員 ホームページにアップしただけではなかなか見ていただけないと思います。先ほど、自治体への説明であるとか、先行事例ができれば紹介という話もありましたが、現実的には、例えば高架下の利用というところでいうと、コンビニエンスストアであるとか、もしくは地元のそういった商売をやっていらっしゃる方々というところが対象になると思いますので、広く告知をしないといけないという点は理解はしておりますけれども、現実的に活用していただけるようなやり方をぜひともお願いしたいなというふうに思っております。

 続いての質問でありますが、道路占用者を決める入札についてであります。

 占用者を入札により決定することが道路管理上適切でない場所については入札占用指針に定めないこととしているとありますが、こういう場所は国土交通省令で定めるというふうになっておるわけであります。この国土交通省令で定める例外の場所としては、具体的にどういう場所を想定しておられるのでありましょうか。

徳山政府参考人 今回、新たに入札制度を導入するわけでございますけれども、これは高架下の占用基準の緩和を受けた店舗等の高架下利用を想定しておりまして、占用料の多寡により占用予定者を選定するとともに、占用に係る事業の安定性を確保する観点から、占用の有効期間を二十年以内というふうに長く認めようとしております。

 一方で、高架下等におきましては、今後修繕や改修の工事が予定されている場所など、長期にわたる占用が道路管理上支障を生ずる場所を入札の対象から外しておかなければなりません。

 また、地元の市町村等からは公共的な利用が求められることも多いことから、こうした公共目的の占用が予定されている場所については対象から外し、公益性との調整を条文上明確にすることが必要だと考えております。

 こうした場合を省令で定め、道路管理者による適切な判断を確保しようとするものでございます。

坂元委員 今の御説明で例外とされるものについては理解はいたしましたが、一方で、広く有効活用していただくという点においては、できる限り入札で長く使っていただける方がよりいいのかなというふうに思いますので、例外はもちろん必要なことは理解はしましたけれども、できる限り例外は絞った形で、本当に必要な場所に関して使っていただきたいなというふうにお願いをいたします。

 続いて、立体道路制度の適用拡大についてであります。

 現時点で、既存道路において立体道路制度の活用を具体的に検討している箇所があれば、ぜひ例示をお願いいたします。

野上副大臣 立体道路制度はこれまで道路の新設または改築を行う場合に限られておりましたが、本法案によって既存の高速道路に本制度の適用を拡大すれば、道路の上部空間を活用することが可能となりました。

 この制度の活用については、現在、首都高速の築地川区間をモデルケースとしまして、昨年七月に東京都、中央区等関係機関と検討会を設置して、議論を進めているところであります。

 本法案の成立によりまして、立体道路制度の活用に努めてまいりたいというふうに思っております。

坂元委員 今、築地川区間だというお話がありました。ぜひこれは、最初のモデルケースとして成功をおさめていただきたいなというふうに思っております。

 この首都高速の築地川区間、たしか片側二車線の対面四車線だというふうに理解をしておりますが、現実的に、工事に当たって通行どめにすることは困難だというふうに考えておりますが、工事中の道路利用についてはどのように具体的にされるおつもりなのか、御答弁をお願いいたします。

徳山政府参考人 首都高速道路は、一日約百万台の交通が通行いたします首都圏の大動脈でございます。築地川区間につきましても一日約十万台の交通が流れておりまして、その社会的影響の大きさから、更新事業に際しては、現在利用している交通を確保しながら工事を行うことが必要であると考えております。

 築地川区間における工事の詳細に関しては、現在検討を進めているところでございますけれども、完全な通行どめはすることなく、車線規制により工事を進めていくことを想定しております。

 その際、さらに周辺のネットワークの有効活用も含め、車線規制による社会的影響が最小限となるような工夫についても、今後検討を進めてまいります。

坂元委員 ありがとうございました。

 私は、技術的な専門家ではありませんが、このお話を伺って、上部にふたをする工事でも、今の技術であれば全線通行どめにしなくてもやっていけるということで、改めて技術の進歩を感じたわけであります。

 先日の本会議の質問で、首都高速道路の大規模更新、修繕、オリンピックまでにはなかなか現実的には難しいというお話がありましたが、これは技術の進歩でそれをできる限りやっていくことは可能だというふうに思いますので、引き続き最新技術の活用ということも当然やっていただけると思っておりますが、改めてお願いをさせていただきたいなというふうに思います。

 最後のテーマでありますが、この大規模修繕、大規模更新に関して、やはり人材をどのように集めていくのかという点が大きな課題だというふうに思っております。そういう中で、これは四月の四日でしたでしょうか、閣僚会議において、建設分野における外国人材の活用に係る緊急措置というものが出されたわけであります。これは建設業界の方から非常に大きな関心を集めておりまして、私もいろいろな方から御質問やお問い合わせをいただいておりますが、改めて、今回のこの緊急措置の目的と、逆に、国内人材の確保、育成に関する阻害要因とならないかということについて御確認をさせていただきたいと思います。

太田国務大臣 復興事業のさらなる加速を図りながら、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに伴う一時的な建設需要の増大に的確に対応していくという必要があるという認識をまずしておりまして、そのためには、外国人技能実習の修了者に活躍いただくことも有効な対策である。このために、四月四日に閣僚会議を行いまして、今御指摘の緊急措置が決定しまして、二〇二〇年度までの時限措置ということで、若干の拡大ということがされました。

 これには前提がついておりまして、私自身強く思っておりますが、一番大事なのは国内人材の確保、育成であるというふうに思っています。

 この数年は、復興事業の本格化もありますし、一旦離職した人が再び戻ってくるということで、三百三十一万人の人が三百三十八万人という、七万人ふえるという現状がございます。こうした一旦離れた人が戻ってくるということ、それから若者が入ってくるということ、そして、さらに強く打ち出したいというふうに思っておりますが、建設業界というのは男の職場であったような状況がありますが、最近は現場監督も非常に的確にきちっと女性がやってくれるということもありまして、女性も入職していただきたいということを受けて、まず国内の人材の育成、確保ということが全ての前提であるというふうに思っております。

 そこで、今回の措置は、それによって例えば賃金が低下するんじゃないかとか、あるいは逆に、国内の人材が入りたがらなくなるんじゃないかとか、いろいろなことが言われます。しかし、今回の緊急措置は、技能実習の修了者を対象にして、限定された、しかも期間限定であります。そういう意味で、むしろ相応の賃金が支払われるということが大事であるというふうに思っています。

 そしてまた、賃金の不払いや不法就労とかいうことがいろいろ問題になりますものですから、その点もきちっと監理体制を構築するということをさせていただいているところです。

 そういう意味では、今回の緊急措置は国内人材の確保、育成に関する阻害要因とはならないと私は認識をしているところでございます。

坂元委員 今の明快な御答弁ありがとうございました。

 私も、改めて大臣の御答弁を聞いて、非常に安心をいたしました。対象者も限定、そして期限も限定をする、あくまでも緊急措置であって、国内人材の確保、育成が一番だという点を改めて確認させていただきました。

 それで、その国内人材の話でありますが、昨今ちょっとニュースになっておりまして、建設業界では、本当に今需要が高まってきている中で、国内人材の争奪戦が行われておりまして、建設会社から自治体へ人材が引き抜かれるケースなんかも結構ふえておるというふうに伺っております。

 例えば、東京都は、二〇一三年度土木職の中途採用を、前年が四十五人だったものを六十七人に引き上げたりということで、民間の建設会社からすると、我々が将来を託そうとしている有能な社員ほど役所に持っていかれてしまうというようなお話も上がっておったりするわけであります。

 つまり、やはり優秀な国内人材をふやしていく、確保していく、育成していくという点が非常に大事であるというふうに私もこのニュースを読んで改めて思ったわけでありますが、この点について、政府として今後どのような具体的な取り組みを行っていくお考えであるか、最後に御質問させていただきます。

太田国務大臣 基本的には、本当に、私も建設業者と話をしますと、せっかく若者を入れて、入ってきたけれども、訓練したら、しばらくたったら地方自治体の役人にどんどんなってしまうということを聞きます。

 そこは、私は思うんですが、まず処遇の改善ということが非常に大事で、公務員がいいか民間がいいかという選択の中で、やはり処遇の改善ができるということが大事だというふうに思います。

 もう一つは、今度はこちら側の問題にもかかわるんですけれども、建設需要というものが非常に不安定である、企業が不安定、そうすると、安定した役人になる方がいい、こういう選択だと思います。

 そうした面では、私は、予算も含めて、この業界はこれから防災・減災、老朽化対策、そういうことを幅広く、また地域においては町医者のような役割を果たして、誇りもあるし、処遇も改善もされていくし、そして、ずっと安定的に持続的な仕事があるんですよということを民間の建設業が示せるかどうかということが一番大事だというふうに思っておりまして、そこをしっかりと環境整備するというのが我々の役割ではないかというふうに思っているところでございます。

坂元委員 ありがとうございました。

 時間になりましたので、終わります。

梶山委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 ありがとうございます。日本維新の会の重徳和彦です。

 きょうは、太田国土交通大臣に対しまして御質問させていただきますことを、心より感謝を申し上げます。

 早速ですが、高速道路について、無料開放の原則について質問させていただきます。

 本会議におきまして、坂元大輔議員からの質問に対しまして、太田大臣はこのように述べられました。「道路は、無料開放が原則であり、我が国では、厳しい財政状況のもと、特別措置として有料道路制度を採用しているところです。」ということでありまして、「償還満了後、無料開放する考え方になっています。 高速道路を恒久的に有料にすることについては、利用者を初め広く理解を得られるかという課題もあり、今後も慎重な検討が必要であると考えています。」ということでございました。

 坂元委員も先ほど言いましたけれども、無料開放が原則にしては、もう特別措置、有料というのが余りに長期化しておりまして、今度二〇六五年までやるわけですから、私自身が九十五歳になってやっと無料化するということでございます。もはや、そういう意味でも、国内的にもこの原則というものにとらわれる必要はないんじゃないかと思いますし、諸外国の状況に照らしますと、必ずしも無料開放が原則ではないとも言えると思います。日本の高速道路の無料開放というのは、そういう意味で、絶対の原則とまでは言えないのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

太田国務大臣 諸外国を見ますと、例えばフランスやイタリアでは有料道路制度を採用していますが、期間を区切って料金を徴収する仕組みとなっています。それは、つまり日本と一緒である。期間は若干短いようでありますけれども、そういうことです。

 一方、償還主義を基本とする有料道路制度とは異なりますが、近年、ドイツ、ロンドン、シンガポールなどでは、ロンドン、シンガポールは、むしろ都市ということにもなるんですけれども、環境負荷の軽減や混雑緩和ということで、都心部に入るところに有料を課すという、違う目的になりますが、そうしたことで、期限を定めずに料金を徴収するという、こうした考え方も導入されています。

 高速道路を恒久的に有料にすることにつきましては、利用者を初め広く理解を得られるかという、私は、ここは長くなっても、みんな、有料は当たり前だというふうに思っている方も大勢いらっしゃるかもしれませんが、しかし、これを恒久的に有料だということを今までの原則と違って決めるということは、なかなか、利用者を初め広く理解を得られるかというようなことについてはどうかという課題もありますし、諸外国のそうした状況も参考にしながら、今後も慎重な検討が必要であるというふうに考えているところです。

 そういう意味では、これまでの原則ということをまず貫いていくということをいたしたいというふうに思っているところでございます。

重徳委員 今回、無料開放の期限が、そうはいっても二〇五〇年からさらに十五年延びた。もともと四十五年間で無償にするというところが、十年たたないうちにさらに十五年延ばすということですから、これは、無料開放を早くやらなきゃという思いがあればあるほど、最初から余り先延ばしすることなく、まずは目標を定め、やはりできないから先延ばしでは、その都度その都度批判にさらされるということもこれまたあるのではないか、このように思いますので、これは相当な発想の転換をしていくべきではないか。

 そして、特にランニングコストについては、終局的、永久に利用者が負担するという考え方は、これはおかしなことではないと思いますし、そういうことで、少し償還計画も見直しながら、やや長期的に見ながらさまざまな資金計画を練っていく必要があるんじゃないかと思います。

 時間の都合もありますので一問飛ばしますけれども、私は、そういう永久有料に近い形の仕組みをとれば、余裕財源も生まれて、それによりまして、現時点、現世代におきます高速道路の利用者に対してもさまざまなサービスを提供できるようになると考えておりますので、これについても、引き続き国交省、事務方の方とも、その資金計画について、これから一緒になって検討をさせていただけないかということをお願い申し上げておきたいと思います。

 続きまして、定額料金制に仕組みを変えられないかという問題提起を前からさせていただいておりますけれども、これについて改めて議論をしてみたいと思います。

 まず、今回、これまた大臣の本会議の御答弁でありますけれども、料金の割引について、「これまでいろいろな割引を導入したことから、利用者から、複雑でわかりにくいという指摘があったところです。」このような御答弁がございました。今回は、実施目的を明確にして、高速道路利用の多い車に配慮するように再編をしたとか、それからもう一つは、料金水準についても、これまでは建設費による区間ごとの料金差があった、これを是正するために、あわせて整備重視の料金から利用重視の料金へと転換する、こういったことを大臣はおっしゃいました。

 確かに、戦後これまで、整備重視ということで、全国津々浦々に高速道路が整備をされてきました。だから、地方でも、うちの町にも新しくインターができるんだとやはり喜んでいる方は大勢おみえになります。私の地元の岡崎市も、今度、岡崎東インターというのができますので、これを、うちの町にもできた、まず整備されたということを皆さん喜んでおられますが、今度は、まさに利用重視ですよね。これによって何を人は期待するのかということになってくると思います。

 利用重視という言葉には、いろいろな意味があると思います。料金体系の話も、料金というか料金の水準の、料金差を是正するということで利用重視ということもおっしゃったわけでございますけれども、利用重視という意味では、これは都市部と田舎では違うかもしれませんが、地方が特に期待する利用のあり方というと、それはもう当然、田舎からも都会に出ていきやすくなる、一方で、都会の人たちが我々の田舎にも来てくれるんじゃないか、こういうことが高速道路をまさに利用するということであります。

 地方と都市との交流を進めるには、やはり地方というのは遠いですから、ここで、料金制度として、遠くに行けば行くほどお金がかかるという料金制度を改めて、一時期、麻生政権のころに行われました、あのときは千円でしたけれども、まあ千円がいいかどうか、これはいろいろあると思います。千円か二千円かわかりませんけれども、そういった定額料金、あるいは上限を設ける、こういう仕組みにつきまして、大臣、どのようにお考えでありましょうか。特に、地方からの観点でお願いします。

太田国務大臣 麻生政権のときは、土日千円というのは、まさにリーマン・ショックをどう乗り越えて、そして交流を促進するかという、ある意味では刺激的なことをやろうということだったというふうに、私もそこにおりまして承知をしています。

 現在、国交省として検討しております新たな国土のグランドデザインにおきましても、基本戦略の一つとしてコンパクトシティー・プラス・ネットワークということを掲げておりまして、地方と都市との交流増進というものは極めて重要であるというふうに思います。そのネットワークということで、まさに、道路の果たす役割というものは極めて大きいというふうに思っています。

 高速道路料金の定額制ということにつきましては、高速道路ネットワークを有効に活用し、地方と都市間の長距離の交流を進めるためには、これは確かに有効であるというふうに考えますが、逆に、短距離利用の方は高くなるということがありますので、負担のバランスの点などの課題があるというふうに思っています。

 高速道路の料金につきましては、さまざま意見があるわけでありますが、これまでも、社会資本整備審議会などにおいて丁寧な議論を進めてきているところです。今後とも、いただいた御提案も含めて幅広く議論を行って、その時代時代に即したものになるように、また先取りをしていけるように努めていきたいというふうに思っているところです。

重徳委員 ありがとうございます。

 こうした提案も含めて幅広く議論をしていただけるということでございますので、ぜひとも既存の発想にとらわれずに議論を政府においてもしていただきたいと思います。

 それから、今大臣、長距離の人にとっては定額制はもちろんいいことなんだけれども、いいというか、その利用が伸びる要因になると思いますけれども、短距離利用者にとっては、最初から一区間だけでも千円というのはいかにも高い、要すればそういうことをおっしゃったんだと思いますけれども、これについては、さまざまな方法で短距離利用者向けの割引をすることもできるのではないかと思っております。

 それで、確かに、料金、千円がいいのか、幾らがいいのかという設定の仕方によって、今の利用状況、それから料金の設定での採算と、そこから定額制に持っていくことによる収支、採算というものを、やはりよくよく考えていかなければならないことだと思うんです。

 去年、予算委員会の分科会の中で、私、短距離向けの方に割引をすればいいんじゃないかということを申し上げましたところ、当時の前川道路局長さんが、「短距離の皆さんが定額制の場合には値上げになる、それに対する対応として、」「割引制度を導入して激変緩和をするということも考えられるところでありますが、そういたしますと、かなり多くの方に割引を適用することになりまして、高速道路全体の料金収入が減少いたしまして、債務の確実な返済に影響が生じるという懸念もございます。」このような御答弁をいただきました。

 確かに、短距離利用者の方が全体的には現状は多いんですよね。だから、確かに、そこの部分を割り引くとそういう影響が出る。ここまではわかるんですが、ではその上限を、千円がまずかったら千五百円、二千円にしていくというような方法がまず一つあるということ。

 もう一つは、これは計算してみなきゃわからない、あるいはやってみなきゃわからないところなんですが、仮に短距離割引を導入した分だけ料金収入が減少したとしても、先ほどから申し上げています、償還期限を、どこかできるだけ近くを設定して、それでも二〇六五年なんですが、これをもっと先延ばしするとかというようなことによりまして、それでコストが下がる。

 それから、そもそも、高速道路の利用者の数が全体的にふえれば、それによって賄える部分も相当あると思うんですが、こういったあたりについての御認識を問うてみたいと思うんですが、いかがでしょうか。

徳山政府参考人 御提案のように、高速道路料金を定額化した上で短距離利用者に対する割引を導入する、これは、負担のバランス面に少し配慮できる案になりますし、料金徴収期間を延長することで償還にも影響を少なくする、改善された案にはなると思います。

 一方、御提案の内容は、ちょうど平成二十一年から約二年間実施をいたしました休日上限千円と同様のスタイルといいますか、いわゆる上限料金制になるわけでございます。これも、その二年間の経験で申し上げますと、休日上限千円は、地域活性化などの面から、これは一定の有効性は確認されました。一方、非常に激しい渋滞が発生する、あるいは高速バスなどの別の公共機関に影響が出るというような課題も指摘をされたわけでございます。

 いずれにいたしましても、高速道路料金には常にメリットとデメリットがあるわけでございますし、大変多くの方の利害が絡んでおりますし、こうした面について幅広く議論を行わせていただきながら、常に時代に即して見直していく必要があると考えております。

重徳委員 時代に即して議論していくということで、先ほど大臣からもおっしゃっていただきました。ぜひとも幅広な議論をお願いしたいと思います。

 最後になりますが、ETCについて、ちょっと一つ指摘をさせていただきたいと思います。

 ここ数年間、ETCがなければ高速道路の料金の割引が受けられないということで、悪く言えば、割引を餌にETCをたくさんの人に買ってもらおう、こういうことが、一面合理的であるように見えて、やはり批判もあったと思います。

 それから、これは見方によるのかもしれませんが、ETCは、純粋に利用者の利便性を図るというだけじゃなくて、いろいろ指摘がされてまいりました。

 国交省の外郭団体、一般財団法人道路システム高度化推進機構、ORSEと言われるんですけれども、そこに対しまして、車載器一台当たり百円、ETCカード一枚当たり百円、ETCを設置するたびに二千円ですか、それからETCゲートを整備するたびに五十三万円、こういうお金がその外郭団体にたくさん入るということで、こういうところと非常に利権癒着の関係にあるんじゃないか、こういうことが指摘をされておりましたし、これは重要な指摘でありますので、今からの質問はこれに対する質問じゃないんですけれども、こういったことも引き続き、消費増税の折、国民負担、国民からの政府への信頼を確保するために極めて重要なところであります。

 ですが、きょうは、そのETCをどういう政策目的で導入したのかということについて、改めて質問をしてみたいと思います。

 ETCというと、広い政策、ITSという政策がありますね。高度道路交通システム、インテリジェント・トランスポート・システムと言われますが、この政策、私も非常にITSフリークで、十年ほど前に青森県に住んでいたときに、仲間と一緒にNPO法人青森ITSクラブというのを結成したり、ITSには人並み以上に熱い思い入れがあるんですが、ETCも、そういう意味でITSのメニューの一つなんですよ。

 それで、ETCが何で必要かという議論があったときに、一つわかりやすいこととして、インター手前の渋滞緩和をする、これが目的の一つであることは認識をいたしております。それからもう一つは、ここはちょっと怪しいんですが、料金を自在にコントロールできますね、システムとして。これも一つの目的だったと思います。

 ですから、これまでずっと、必ず割引が受けられるので、元は取れるので、やはりETCを導入した方が得だよね、こういう感覚が皆さんドライバーにあったと思いますが、これも今回、まさにそういう料金体系がわかりにくいから見直したわけですね、料金割引システムを。今までは、普通の乗用車だったら、小型車だったら、ほとんど、いつ高速道路に乗っても三割から五割の割引が受けられたわけですから、これはもうETC、二万円ぐらいのものでも誰でも買いますよね。

 こういうことでありましたが、逆に言うと、こういうシステムがなければ、私が言っている定額制とか全く違う料金体系であれば、ETCは必要なかったわけなんですね。そういう意味で、ETCのそもそも本来の普及の目的というのは一体何だったのかということについて御答弁をお願いいたします。

野上副大臣 ETCにつきましては、平成十三年十二月より高速道路での利用が全国で始まりまして、平成二十五年三月時点で四千百五十三万台に普及をしました。また、高速道路でのETC利用率は、平成二十五年十一月時点で約八九%になっておりまして、委員御指摘のとおり、渋滞緩和等々の効果も非常に大きいということであります。

 一方で、ETC技術の開発に当たっては、高速道路以外の施設での利用も前提とされたところでありまして、今ITSの話もございましたが、これは技術的には利用可能になっております。現在、民間駐車場での決済ですとか、フェリーなどでの車両の入退場管理で活用されているところでありまして、国交省としては、民間事業者と連携しつつ、ICT技術を活用した技術開発もやりながら、高速道路以外への拡大に向けて引き続き取り組んでまいりたいというふうに思っております。

重徳委員 今副大臣がおっしゃった高速道路以外の利用が進まないものだから、私は不満があるんですよね。ガソリンスタンド、ドライブスルー、駐車場、そういうところでもどこでも使えるようにするというのが、本来のITS政策におけるETCの役割だったはずですので、ぜひともこれは、ここまで普及した以上は前を向いていこうというのが私の思いでございます。

 最後にここまで申し上げさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

梶山委員長 次回は、来る二十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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