衆議院

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第2号 平成27年3月20日(金曜日)

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平成二十七年三月二十日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 今村 雅弘君

   理事 大西 英男君 理事 金子 恭之君

   理事 小島 敏文君 理事 坂井  学君

   理事 中村 裕之君 理事 伴野  豊君

   理事 井上 英孝君 理事 赤羽 一嘉君

      秋本 真利君    岩田 和親君

      うえの賢一郎君    勝沼 栄明君

      門  博文君    神谷  昇君

      神田 憲次君    木内  均君

      工藤 彰三君    古賀  篤君

      國場幸之助君    今野 智博君

      佐田玄一郎君    斎藤 洋明君

      鈴木 馨祐君    鈴木 憲和君

      高木 宏壽君    津島  淳君

      野田 聖子君    星野 剛士君

      堀井  学君    前田 一男君

      宮内 秀樹君    宮澤 博行君

      山田 美樹君    山本 公一君

      荒井  聰君    神山 洋介君

      小宮山泰子君    松原  仁君

      宮崎 岳志君    本村賢太郎君

      足立 康史君    下地 幹郎君

      横山 博幸君    北側 一雄君

      角田 秀穂君    中川 康洋君

      樋口 尚也君    穀田 恵二君

      本村 伸子君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣     北川イッセイ君

   国土交通副大臣      西村 明宏君

   国土交通大臣政務官   うえの賢一郎君

   国土交通大臣政務官    青木 一彦君

   国土交通大臣政務官    鈴木 馨祐君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 兵谷 芳康君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)           若井 英二君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            小野  尚君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 金子  修君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   飯塚  厚君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局雇用開発部長)       広畑 義久君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  本郷 浩二君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     井上 宏司君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 西脇 隆俊君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            滝口 敬二君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            本東  信君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         毛利 信二君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  小関 正彦君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        池内 幸司君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  深澤 淳志君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  橋本 公博君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  藤田 耕三君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  森重 俊也君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  田村明比古君

   政府参考人

   (観光庁長官)      久保 成人君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 小川 晃範君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     星野 剛士君

  今野 智博君     神田 憲次君

  高木 宏壽君     勝沼 栄明君

  樋口 尚也君     角田 秀穂君

同日

 辞任         補欠選任

  勝沼 栄明君     山田 美樹君

  神田 憲次君     今野 智博君

  星野 剛士君     秋本 真利君

  角田 秀穂君     樋口 尚也君

同日

 辞任         補欠選任

  山田 美樹君     高木 宏壽君

    ―――――――――――――

三月十九日

 タクシー関連法を一部改正する法律並びにその附帯決議の早期履行に関する請願(大西健介君紹介)(第四〇九号)

 同(黒岩宇洋君紹介)(第四一〇号)

 同(辻元清美君紹介)(第四一一号)

 同(泉健太君紹介)(第四三五号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第四三六号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第四三七号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第四三八号)

 同(高木義明君紹介)(第四三九号)

 同(横路孝弘君紹介)(第四四〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件

 半島振興法の一部を改正する法律案起草の件


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     ――――◇―――――

今村委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長西脇隆俊君、総合政策局長滝口敬二君、国土政策局長本東信君、土地・建設産業局長毛利信二君、都市局長小関正彦君、水管理・国土保全局長池内幸司君、道路局長深澤淳志君、住宅局長橋本公博君、鉄道局長藤田耕三君、海事局長森重俊也君、航空局長田村明比古君、観光庁長官久保成人君、内閣府大臣官房審議官兵谷芳康君、内閣府地方創生推進室次長若井英二君、金融庁総務企画局審議官小野尚君、法務省大臣官房審議官金子修君、財務省理財局次長飯塚厚君、厚生労働省職業安定局雇用開発部長広畑義久君、林野庁森林整備部長本郷浩二君、経済産業省大臣官房地域経済産業審議官井上宏司君、環境省大臣官房審議官小川晃範君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。神山洋介君。

神山(洋)委員 おはようございます。神山洋介でございます。

 きょうはトップバッターを務めさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。

 きょうは、先日頂戴をしました大臣所信に関しての質疑ということでございますが、きょうは、後段、半島振興法に関する採決も行われるということでございますので、まず冒頭、半島振興法に関して一点質問をさせていただきたいと思っております。

 半島地域における制約条件というものを考えたときに、さまざまな形で国がバックアップをしていくということは引き続き私も大事だと思っておりますし、我が会派も賛同しているところでございます。

 もちろん、定住促進ということを考えたときに、道路だけあればいいという話でもありませんし、インフラが何か欠けていれば、やはりそこに定住は図ることができないわけでありまして、それは例えば医療であるとか教育関係、さまざまな、文化面も含めた形での広く一般的な生活を支えていくというベースが、インフラが必要なのではないかというふうに考えているところでございます。

 その観点から、本日、後段でもまた議論になろうかと思いますが、半島振興法に関して、大臣、どうお考えか、まずは御所見をお伺いさせていただきたいと思います。

太田国務大臣 半島地域は、三方を海に囲まれ、平地にも恵まれず、全国を上回る人口減少、高齢化が進行して、地域経済が厳しさを増している状況にあるというふうに認識をしています。

 私は、半島地域をふるさととして愛する国民が、その地域に住み続けたい、親しい人とともに生きていきたいということを大事にしていくことが大事だというふうに思います。

 人はその地域と文化を背負って生きる存在である、私はこのような哲学を持っておりまして、そういう意味からいきまして、その人たちを大事にしていくということが大事だと思います。

 そのため、御指摘のように、医療や福祉の確保、地域ならではの産品づくりや観光交流の促進、生活環境の整備等を進めることにより、ユニバーサルサービスを確保し、半島地域における定住の促進を図っていくことが重要であると考えております。

 関係省庁とも連携をしながら、安全で安心して生活できるようにすることで、その地域に住み続けられることを大事にする半島振興に取り組んでいきたい、このように考えているところでございます。

神山(洋)委員 ありがとうございました。大臣の力強い御答弁をいただきまして感謝を申し上げます。

 半島地域のみならず、ある意味では、これは我が国全域において、人口減少というこれからのトレンドが前提として想定をされております。加えて、経済の関係を含めて、どうやってこれからの我が国を形成していくのかという問題意識は、こちらにいらっしゃる、大臣のみならず、全て委員の皆様方にも共有をされているものではないかと私も考えております。

 その意味で、きょうはこの後、次に、国土のグランドデザイン、要は、これからの我が国の国づくりをどういう形で持っていくのかということに関して少し議論をさせていただきたいと思っております。

 今少しだけ申し上げましたが、これから人口が我が国全域において減少していく。加えて言えば、これは、都市において、一方ではそれぞれの周辺地域において、その減少の仕方も違っていく、人口構成のあり方も変わっていくという中で、ではどうやって、それぞれの地域であり、一方では都市を存続させ、そこに豊かで実りある生活を形成していくのかという問題は、ひとしく全ての国民に共有をされている問題ではないかなというふうに私は考えておりますので、このグランドデザインを重視されているという大臣の御見解、そして基本認識は共有をさせていただいております。

 その上で、では、具体的にどのぐらいの時間軸の中で、どういう具体的な姿をもって目指していくのかというこれからの実行が、これから極めて大事になっていく、今その段階であろうと私は考えております。

 今回、大臣の肝いりだと思われますが、提示いただきました国土のグランドデザインに関連をして、今さまざまこういうことを考えているのだという御説明もいただきました。問題意識は確かに共有をさせていただきました。

 しかし、その中で、いろいろ御説明をいただく中で言葉がやたらとたくさん出てくる。町のあり方、定義づけ、圏域のあり方、全てを挙げられるわけではありませんが、連携中枢都市圏、小さな拠点、高次地方都市連合、スーパーメガリージョン、地方都市圏、地方広域ブロック、これで全てではないと思いますが、たくさん言葉が出てくる。

 一体、それぞれがどう定義をされていて、どう関連をしていて、それぞれがどういう方向で具体的に実現に向かっていくのかということが、少しこれはイメージがつきづらいなという気がしているわけです。ストレートに申し上げれば、もうちょっと整理整頓をすべきじゃないかなと率直に私は思いました。

 つまりこれは、実際にそれを実行していくのは地域の自治体であったり、もっと言えば、その自治体の中での一つの地域の住民の方々であるわけです。そこに共通の意思、共通のビジョンというものが共有された中で、初めて具現化をしていくということであるとすれば、言葉がたくさんあって、なかなか判別もつきづらい、どれがどう違うのかもいまいちよくわからない、浸透していかないでは、物事は進んでいかないのではないのかなということを率直に感じております。

 まずはこの点、コンセプトがさまざまありますが、どれがどう違っていて、どれが重視をされていて、どういうふうに持っていこうとしているのかということに関して、大臣にまず冒頭お伺いをさせていただきたいと思います。

太田国務大臣 一番そういうふうに言われていたのは、我々国交省が出しました「国土のグランドデザイン二〇五〇 対流促進型国土の形成」という中に出てきます高次地方都市連合というものと、総務省が出しております地方中枢拠点都市圏というのが、地域の地方自治体にとってはどっちなんだろうという、そういうことが地方創生という中でよくわからないということが一番の問題だったと思います。

 ここのところは、結論的には、まち・ひと・しごと創生本部の中で、地方創生の中で、両方をあわせて連携中枢都市圏、こういうふうにこれから呼ぶことにしました。

 ここでまた、三つ出ましたから、よりわからなくなっちゃうということがあるかと思いますが、私は、地方消滅とかそういう中で、国交省が出しました国土のグランドデザイン二〇五〇というのが一番基本にベースとしてあって、そして今回の地方創生ということになったんだ、このように考えていまして、そのことも主張もし、そのことも理解をしていただいて、国土のグランドデザイン二〇五〇の中にあります、小さな拠点というようなこととか、あるいは高次地方都市連合ということ、そしてコンパクトシティー・プラス・ネットワーク、こうしたものは、政府の中では全く基本的な項目として入っているということでございます。

 二〇五〇対流促進型国土というのは、グランドデザインのコンセプトは、コンパクトシティーにしていく、そしてネットワークが大事だというコンパクト・プラス・ネットワークでありまして、そして、個性ある都市をつくっていこう。個性ある都市と隣の隣接する個性ある都市、それぞれが違う都市をつくることによって、そこに、いわゆる交流にとどまらないで、物理学で言うような対流現象が起きていく。その都市と都市との連携なくして、コンパクトにしましたからそこだけで生き抜いていくことはできないから、さまざまな、買い物とか診療とか介護とかいろいろなものを集めたコンパクトシティーをつくると同時に、隣接するあるいは三角形になるかと思いますが、そこでの高次地方都市連合という中でしかこれからは生き抜いていけないぞということを示したのが、国土交通省の国土のグランドデザイン二〇五〇ということでございます。

 そういう意味で、私たちはこれを基本にし、その中で、中山間部は小さな拠点で、もう少し大きいところはコンパクト・プラス・ネットワークで、そして大都市部は都市再生ということで、大都市から離れた郊外で、昔はサラリーマンが通っていたところはまたそこで、千葉でいうと柏の柏の葉とかというように、四つの典型的なものに分けながらつくっていこうという中の一つが小さな拠点という位置づけであるというのが私たちの示したことでありまして、それが地方創生ということについてはベースになって、今政府全体のものとして表現をされているということでございます。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 冒頭申し上げましたとおり、現状認識であり、今後持っていかなきゃいけない方向性の大きなところに関しては、問題意識を共有させていただいているつもりです。であるがゆえに、やはりそこはできるだけわかりやすい形でビジョンを示して、多くの方々に理解をされ、共有をされていく中で、よりスピーディーに新しい形に持っていくということが大事ではないかというその認識に基づいて、先ほど申し上げさせていただきました。

 今大臣からもお話がございましたが、地方中枢都市圏は総務省、高次地方都市連合は国交省という二つのわかりにくいような区別があって、それを今回、連携中枢都市圏という形で一まとめにしたんだというお話でございます。それは、一つの前進としては私は評価をすべきではないかなと思いますが、果たしてそれで足りるのかというと、もう少し追加がまだ必要なのではないかという思いでおります。

 端的に言えば、例えば学校はどうするのか、これは文科省の話だと思うんです。地域の福祉であり医療はどうするんだ、これは厚労省の分野になると思います。環境省等々含めても、もっと大きな、横幅を広げた中での一つのコンセプトの統一的な形が必要、連携が強化されるべきではないかなというふうに私は思います。

 それをやはり強く思いましたのは、こうして今私は改めて国会に戻ってこさせていただいて議論をさせていただいておりますが、直近二年ほど浪人をさせていただいて、地域を歩き回る中で、私は、神奈川県ではございますが、西の方の比較的田舎が多い地域でございます。そうすると、学校の統廃合という名前の、学校がなくなっちゃうという事例はもう数多く既に顕在化をしております。人口一万人ぐらいの町で、そこで今まであった学校を、もう生徒数が全部合わせても十人ちょっとしかいないので、町で一校にまとめるのだという話は全然珍しくなくなりました。

 地域の方々にお話を伺うと、学校は、それはまだ生徒数も少ないし、しようがないよねというのはわかると。ただ、では、その学校という場所は、子供たちの教育の場では当然あるんだけれども、地域の人が集まるという集会の場でもあったりするし、年に一回、二回、運動会だ何だという形で皆さんが集う場でもある。要は、教育とは別の機能もそこにあって、何とか残せないものかねという話になって、でも無理だろうなという話になります。

 この話をいろいろそこで議論をしていくと、事は学校の話だけじゃありませんよね。人口が減っていって、そこにある町としての機能がなかなか完備をすることができない。学校もなかなか存続が難しい。病院も経営が成り立たない。では、上水道、下水道を含めたインフラ、道路も含めて整備をどうやってやっていくのか等々含めたときに、根底にある問題は同じなわけで、学校だけどう再編しましょうか、道路だけどう再編しましょうか、医療をどういう形で組み立てましょうかという単品で議論をしていてもほとんど意味がない。というのは現地の方々も、それぞれの地域の方々がある意味では一番よくわかっているんだと思うんです。

 その意味で、大臣の示していただいたこのグランドデザインというものは、私は大事だと思っています。それが、国交省のみならず、こういった総務省も含めた形かもしれません。厚労省であり、文科省でありという、ありとあらゆる、これはもう、都市という、町という機能をどういう形で集約、再編していくのかという大きな議論、ビジョンを描かなければならないわけであって、先ほどの連携中枢都市圏の話はもちろん一歩前進ではあると思います。ですが、ここで終わりではなくて、もっと横幅の広い、横連携を強めていかなければ、地域における具体的な生活を先々までそれぞれの方々が思い描くことができないんじゃないか、私はそう考えて、今このことを質問させていただきました。

 大臣、どうお考えでしょうか。

太田国務大臣 全くそのとおりです。

 それで、それぞれの都市ということは、誰が我が町を、ある意味では生き残り競争に近い、そういうときだと思います。人口は減少する、高齢化は進んでいく、都市間競争は激化していく、巨大災害というものに見舞われる、ICTは相当加速度的に進んできている。

 こういう中で、我が町はどうやっていくかという、そこの集約は、まさに都市、もっと言えば、首長さんとそのチームということ。そして、そこに、若者とか、ばか者とか、よそ者という言葉があるそうでありますけれども、いろいろな人の意見が入っていって、我が都市の中で我が町をどうするか。その中で、学校はどうするか、医療はどうするか、福祉はどうするか、道路はどうするのか。

 そして、離れたところで合併したけれども、そこはどんどん沈滞していいのか。そこには小さな拠点というものが必要であろう。その真ん中のところには、コンパクトシティーというもので寄せていくことが大事だろう。

 そして、寄せて小さくなってコンパクトにしただけでは生きていけないから連携をとるという、連携革命というようなことが大事で、そこに対流促進型ということを我々は言わせていただいて、常に政府の中で私が言っているのは、今、地方創生で、こんな知恵があります、こんなビジネスがあります、若者が来てこんなになりましたと。単なる知恵だけではだめだよ、構造的にまちづくりというものをしていかなければ何ともならないよと。

 それを、例えば包括医療システムというものを厚生労働省がやろうとしていても、民間の現場に行くと、やはり土地の安いところにそういう施設が行くということが否めない。

 そこを、我が町はコンパクトでこうしていくぞという構想をそれぞれの都市がきちっと持っていく。その指揮官、司令塔は、まさに市そのものであるということを絶対忘れてはいけないということで、そこをバックアップしていこうというところに我々の考え方の基本がございます。

神山(洋)委員 ありがとうございます。この横連携をぜひ強めていただきたいと思うんです。

 国土交通省としては、この国土のグランドデザインというところの、このペーパーをつくるというところは、そののりを越えられないというのはわかるわけですが、やはり政府としてはこれではまずいわけであって、もっと横幅なパッケージをぜひスピーディーにつくっていただきたいなということをこの場で申し上げさせていただきたいと思います。

 今大臣からもお話がありましたコンパクトシティーの話でいえば、コンパクトシティーという言葉は別に真新しいものではなくて、ずっと昔から言われ続けているものなわけです。人口減少の中で、我が国の国土の中でどうやって人が居住していくのかということを考えていったときに、ある意味では、論理的帰結としては当然、このコンパクトシティーという発想にはなると思います。

 構想として、アイデアとしてはずっとありながら、余りそれが具体化をしてきたということは、幾つかの具体的事例はともかくとして、全国的には私はまだないのかなと思っています。これを実際どうやっていくのかというときに、やはりなかなかな困難が伴うんじゃないかなと思いまして、その一つのポイントは、やはり居住の一定区域への誘導をどう行うのか、ある意味では、やるのかやらないのか、そこだと私は思っています。ある意味では、これは政治的にも極めて大きな重たい課題だと思います。

 都市再生特別措置法の中では、居住誘導区域という形で居住誘導するということが書かれています。これから議論されて決定していくでありましょうけれども、国土形成計画の見直しの中で、幾つか御説明をいただきましたが、その中では、集落地域においては居住機能の集約までは本来的な目的とはしないという書かれ方をしています。一定地域への誘導を行うのか。しかし、国土形成計画の見直しの中では、誘導は余り目的とはしませんという書き方がなされています。これはどっちなんでしょうか。

 私、個人的に申し上げれば、ある程度はこれは誘導しなきゃいけないんじゃないかなと思いますが、しかし一方で、日本の憲法を考えたら、それは強制的になんてことは当然できないし、住民の方々の感情だって当然ある。そこはどういう形でこれから持っていこうとされているのか、基本的な方針をお伺いさせていただきたいと思います。

うえの大臣政務官 お答えいたします。

 居住区域の誘導については、非常に大事な観点で、国土形成計画の中でも今後議論を進めていくべき問題だというふうに思います。

 私どもの考えとしては、都市部とそれから集落地域についてはやはり若干考え方を異にするのではないかというふうに思いまして、都市部を対象とする立地適正化計画制度におきましては、居住誘導区域以外では住宅開発を抑制し、都市機能を集約した区域の周囲に居住を誘導することとしております。これは、今後の人口減少、高齢化を見据え、これ以上の市街地の拡大を防止し、都市のコンパクト化を図るためのものであります。

 一方、中山間地域等の集落地域におきましては、集落の拡大のおそれが余りないということに加えまして、農業、林業などのなりわいと住宅の立地の結びつきが強いことなどから、居住の誘導、集約の政策的必要性が高いとは言えないものと考えております。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 これ以上具体的なところは、それぞれの都市であるとか、集落という言葉の定義であるとか、ある意味数字も含めた精緻な議論をしていかないと余りいい議論にならないのかなと思いますので、これはまた今後の委員会での質疑を通じて深めさせていただきたいと思っております。

 ただ、今申し上げた居住の誘導ということは、極めてセンシティブな課題でありながら、しかし、これからのコンパクトシティーを形成するということに関しては非常に重要なポイントだと私は思っておりますので、ぜひここは、慎重でありながら力強い対応をしていただきたいなということを要望させていただきます。

 この関連で一つ申し上げたいのは、インフラの老朽化に対しての視点ということをかなり強調されておりました。私もそこは大事な話だと思っておりますし、ここまで議論させていただいた国土のグランドデザインということを考えたときには、当然その背景には、このインフラをどうやって維持管理、補修していくのか、場合によっては、これからの維持管理をある意味では放棄するということも含めていろいろ考えていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っております。

 その観点で、まず、事例としてこれは紹介をさせていただきたくてきょうは資料を提出させていただきましたが、私の地元の一つの自治体に、神奈川県に秦野市という市がありまして、実は最近、全国の自治体の議員の方々、また職員の方々がかなり視察に来られたり、メディアでも取り上げられているということです。

 公共施設再配置計画というふうに呼ばれていますが、ざっとだけ申し上げれば、この秦野市という町が一斉に、これは秦野だけの話じゃなくて全国的にそうだと思いますが、高度成長期にさまざまなインフラを建設しました。それの更新期がやってきていて、その更新をまともにやろうとするとべらぼうなお金がかかって、それは今後、今ある財政の中で考えればなかなか難しいですよねということが計算上出てきました。では、これからどうしましょうかということで、かれこれ四年、五年前のところでこのペーパーは実はつくられたものです。

 真ん中のあたりに少し箱があって、「方針1」と書いてありますが、基本方針1、2、3、4とあって、1、新しい箱物は建設しない(更新を除く)、2、現在の箱物は優先順位をつけて圧縮をする、3、優先度の低い箱物は売却、賃貸をする、4、箱物は一元的にマネジメントするということで、かなり大胆な政策がとられてきているのかなというふうに思っております。

 左の下の方に「シンボル事業1」というふうにありますが、要は、例えばここでは、公民館と中学校というものを複合化した施設をつくって一個にするんだけれども、そこに複合的な機能を持たせることによって存続を図っていきましょうということなどが行われているという事例です。

 もちろん、これは一自治体の話ですから、国として全体をどうマネジメントしていくのかという話とは若干の違いがあることは承知をしていますが、思考プロセスとして、このままいくと更新期にどれだけの金額がかかるであろうということが想定をされていて、今の財政的な余裕の中でそれが可能なのか不可能なのかということを算定して、可能な範囲の中でどうやってこれから存続可能性を引き出していくのかという観点の中で、いろいろな具体的なアイデアに落とし込んでいくというこのプロセスそのものは、私は非常にいい参考事例とすべきだなと思っていつも実は見ているところです。

 その観点の中から、では国のインフラの老朽化の対策を見ていくとどうなるかということを考えたときに、そもそも、これから我が国は、インフラのメンテナンスコストを恒常的にまたは暦年で幾らかかるときちっと見積もっていて、それに対してどのぐらいの過不足、まあ過はないと思いますが、不足があるということを想定しているのか。それがあって初めて、ではどのぐらい圧縮をしなければならないのかという思考プロセスなんだろうなと思っていて、いろいろお話を伺っているんですが、いまいち、ぱちんとはまる数字なり御説明をいまだにいただくことができていないという状況です。

 今年度予算の中で、インフラ老朽化対策が三千九百五十四億円、地域における対策支援は一兆九百四十七億円という数字も出ておりますが、それぞれがどう積算をされていて、今後どういう形で暦年メンテナンスコストを算定されているのかということに関して、この点を大臣にお伺いさせていただきたいと思います。

うえの大臣政務官 お答えします。

 さっき、最初におっしゃられました秦野市の例に関連してでございますが、御案内のとおり、現在、多くの自治体では、財政悪化あるいは公共施設の老朽化、維持更新コストの増加などの観点から、公共施設の再編に向けた取り組みが必要不可欠な状態となっております。

 この秦野市の例でございますが、この計画は、行財政改革の観点だけではなくて、御指摘のあったように、将来のまちづくりの観点を加味して、拠点に必要な公的不動産の集約、再配置を試みておりまして、具体的な数値目標や優先度も設けるなど、意欲的な取り組みだと考えています。私どもとしても、こうした先進事例が今後各自治体に広がっていくように努めていきたいというふうに思います。

 一方、インフラの老朽化対策でございますが、今後の社会資本の維持管理、更新のあり方につきましては、平成二十五年の十二月に、社会資本整備審議会あるいは交通政策審議会で審議を行い、その結果を取りまとめをしたものでございます。

 その中では、現在の技術で維持管理、更新を行うことなどを前提にして、国交省所管の社会資本の将来のメンテナンスコストについて推計を行っております。

 この推計では、国と地方を合わせて平成二十五年度には三・六兆円であったものが、十年後には年間四・三兆円から五・一兆円、二十年後には四・六兆円から五・五兆円程度になるものとしております。

 今後、技術開発による効率的な維持管理あるいは予防保全によるインフラの長寿命化を進めることで、トータルコストの縮減、平準化を図っていく必要があると思います。

 このため、平成二十六年の五月には国土交通省のインフラ長寿命化計画を策定したところでありまして、こうした考えをもとにして、平成二十七年度予算につきましても所要の予算を講じているわけでございます。

 御指摘のあった、インフラの老朽化対策は三千九百五十四億円、地域における対策支援一兆九百四十七億円のそれぞれの積算でございますが、三千九百五十四億円につきましては、直轄で管理をいたします道路、河川、公園等について行う施設の点検やその結果に基づく維持修繕、更新などの経費、また、維持管理のための新技術開発等の経費などでございます。一方、一兆九百四十七億円につきましては、地方公共団体の行う老朽化対策や防災・減災対策を支援する防災・安全交付金の予算額ということとなります。

神山(洋)委員 今御答弁をいただきましたが、将来の維持管理・更新費の推計結果というペーパーを私もいただいております。十年後、二十年後、それぞれ、四・三兆から五・一兆円、二十年後に関しては四・六兆から五・五兆円という数字があります。この十年後と二十年後ということを目がけて、二つのポイントでこのぐらいだろうという数字はいただいていますが、よくよくその注意書きのところなんかを見れば、「今後の新設、除却量は推定が困難であるため考慮していない。」等々ということで、別に信用しないとは申しませんが、どこまでこの数字が精緻に計算をされているものなのだろうということを少し思うわけです。

 先ほど申し上げた、事例として引き合いにさせていただいた秦野市の事例でいえば、いろいろな算定の仕方はあるんでしょうが、これから先々を見通したときに全体で幾らかかります、それに対してこのぐらい不足がありますという数字の議論も含めたかちっとした議論があって、その上で具体策におっことしていくというプロセスがあるわけですから、もう少し数字も含めた具体的な議論なり具体的な筋道に落としていかないと、インフラの老朽化対策をしなきゃいけない、長寿命化をさせなきゃいけないという総論は、それはそのとおりでしょうけれども、では、具体的に政策にどう落とし込んでいって、優先順位はどれで、裏を返せば、今あるものを全部それこそメンテナンスできるのか、そもそもできないのかという判断すら現段階ではこれじゃできないと思うんです。もう少しそこは精緻な議論をお願いさせていただきたいと思います。

 国土のグランドデザイン関連の話も含めて、このインフラの話というのは結局はパッケージで考えていかなければならない話だと思いますので、ぜひそういった大きな観点での政策判断をお願いしたいと思います。

 少しちょっと時間が超過をしましたので、別の議論をさせていただきたいと思います。

 所信にもありましたが、道路の話、ひとつこの点をお伺いしたいと思います。

 「道路を賢く使う取組」を行うのだというお話がありました。大事な話だと私も思います。資料をいただきまして、説明もいただきまして、ちょっと読んでみました。道路を賢く使うことは私も大事だと思うんですが、率直に言って、高速道路に何でこんなに偏重しているんだろうということを感じました。日本全体の市町村道まで含めたうちの高速道路が占める割合というのは、これはわずか〇・七%です。物流等を含めた、使用されるというところを含めても一割強だったかと思います。

 高速道路を賢く使うことは当然大事だと思いますが、高速道路だけ賢く使ってもしようがないわけで、何でこれは一般道まで含めて考えないのかなという素朴な疑問があります。この点、大臣、いかがでしょうか。

太田国務大臣 これは、賢く使うという概念自体が今までなかったんです。メンテナンスというような概念も私になりましてから始めた。老朽化対策なんというのもそういうものです。

 賢く使うという根っこには、これから道路をつくるにしても何にしましても、そんなに財政というのがふんだんにあるわけではないから、財政制約の中でどうやって賢く使っていくか、まず高速道路というのは道路でいえばどうなんだ、こういう問題意識の中で、社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線部会、これを中心にして、有識者の御意見をいただきながら検討を行ったところです。

 そういうことで、まず高速道路というものを賢く使っていく、どこに渋滞があるのかということを考える、料金体系ということが道路の混みぐあいにも影響するから、それを上手に使うことが大事であるということをまず答申をいただきまして、基本方針をまとめていただいた。それがこの一月のことでございます。第一弾、こういうふうに考えていただければいいと思います。

 国交省としましては、円滑で安全な交通の確保等のためには、一般道路においても道路を賢く使う取り組みを推進することが重要だというふうに考えておりまして、この賢いという中には、渋滞解消だけではなくて、学校の近く、事故多発地域、あるいは通学路というものに大型車が入らないようにとか、いろいろなそういう安全上の問題もあろうというふうに思いますが、一般道路において道路を賢く使う取り組みを推進することは重要だというふうに考えておりまして、今後、道路分科会の基本政策部会で御意見をいただきながら、さらに検討を深めたい、このように思っているところでございます。

神山(洋)委員 まずという御答弁がありましたが、そうすると、では、これはまずは高速道路について出されたが、その後は一般道についても出されてきて、最終的にはパッケージとして一本化をされるという理解でよろしいでしょうか。

太田国務大臣 まずそういうことで今進めているところでございます。

神山(洋)委員 そういうことであればやむを得ないのかなとは思いますが、本来は、そもそもこれはパッケージじゃないかと思うわけです。高速道路の渋滞を解消したり、または安全性を確保したり、料金政策をもって渋滞量をコントロールするということはもちろん大事なわけですが、あくまでもそれは高速道路の中の部分最適の話であって、高速道路の流量を調整するということは、結局は、それと並行して走っていたり、それとそれをつなぐ一般道にも影響するわけです。

 少しローカルに考えれば、高速道路の料金が少し変わったことによって、今までと車の流れが変わって、例えば渋滞が今までなかった一般道にできて、それを避けるためにいろいろな脇道、町中に車が入ってきて、安全性についてのいろいろな議論が起こるなんということは、これは日常茶飯事で、日本全国で起きているわけです。

 そういう意味で考えれば、そもそも、高速道路の流量を賢く使うことは大事ではありますが、高速道路と一般道とあわせて、それぞれの持つリソースを最大限有効に活用するという観点は私はあってしかるべきだと思いますし、その観点の中で、一般道の影響も配慮をしながら高速道路の料金を考えていく、そういうパッケージの発想がそもそもあってほしかったなというふうに思います。

 これは二段階でということではありますので、ぜひ、その後段の部分、一般道も含めたところを強く意識して進めていただきたいということを要望させていただきます。

 その上で、高速道路に関してということで今出ているわけです。三原則ということが出てきています。利用度合いに応じた公平な料金体系、管理主体を超えたシンプルでシームレスな料金体系、交通流動の最適化のための戦略的な料金体系。要は、高速道路の料金をどういう概念の中で調整していくのかという観点の中で、三つの観点が出されています。要は、対距離制を基本とするのか、発着地が同じであれば、違うルートを通っても同一料金ですという話にするのか、もしくは、混雑状況を考えて、混んでいるところは高くして、ちょっと通らないでくださいよという形へ誘導するのか。三つの原則だというふうに書いてあります。

 考え方のオプションとしては、私も三つだと思っています。しかし、これは三つ並列に並んでいるのだとすれば、料金は設定しようがないと思うんですね。対距離前提でありながら、ではどうやって、発着地が同じで、ルートが違って、同じところに帰着をするのであれば同じ料金なんだということが言えるのか。

 これは三原則とありますが、優先順位があるはずですし、なければ料金も設定できないと私は思うんですが、この点どうお考えでしょうか。

太田国務大臣 これは優先順位とかそういうことよりも、具体論で考えてもらえば、例えば首都圏で、神奈川の人から考えますと、全体的にはまず距離で判断しますよということです。

 それから、例えば相模原から首都の中を通って成田に行くというよりは、圏央道が通りますから、そちらで直接行った方がいいという場合があります。そこで、中へ入った方が料金が安ければ、当然そっちの方に行きがちになるから、そこの対距離制というものを基本としながらも、起終点を基本にした料金の実現というものをしていくという二番目の原則が掲げられる。

 その中で、さらに都心部の中の混雑緩和ということをどうすればいいのかということを考えながら、交通全体をコントロールしていくという三つの考え方をどう加味しながらやっていくかということでありますので、優先順位というか、三つを基本に考えながら、一番最適のところに合意を形成するということであります。

 そういう意味では、相模原の人が圏央道を通った場合の道路料金で成田なら成田に行くという場合と、どのルートをたどるかということが混雑の緩和にも寄与するということを加味しながらやっていくということでございます。

神山(洋)委員 ということは、混雑状況に応じた料金の考え方もあるし、対距離制で料金を考える場合もあるし、入り口と出口が同じであれば、ルートは違うけれども料金が同じという場合もあるしという、その三つの考え方をそれぞれ状況状況に応じて判断するということで理解をしておいてよろしいですか。

 もちろん、それは状況状況だとは私は思うんですが、先ほど冒頭申し上げた、道路を賢く使うという発想、私はそれはそうだと思っています。だとすれば、やはり、渋滞をどう緩和するかという三つ目のポイント、私はここは少し大事じゃないかなというふうに思うわけです。

 それを考えたときに、先ほど来申し上げた、高速道路だけの渋滞をどうコントロールするかという発想では、これは一般道にも必ず影響が出るわけであって、両方をパッケージで考えたときに、両方、並行して走っている一般道と高速道路を含めた全体最適をどうつくっていくかという大きな発想で料金設定をしていただきたいと思うんです。

 地域で暮らしている方々であり、物流を含めた事業で道路を利用している方々であり、この料金制度がここのところいろいろ変わってきましたが、やはりそれは生活にかなり大きな影響を及ぼす部分だと私は思います。原則はもちろん大事ですが、やはり渋滞があっちこっちで、また今までなかったときに起こるということは非常に大きな問題になると私は思っていますので、ここは慎重にぜひ御検討いただきたいということと、全体に対しての視野を加えていただきたいということ、この点、要請をさせていただきます。

 時間も限られましたので、最後に一点だけ、観光政策について触れて、終わりにさせていただきたいと思います。

 最近、インバウンドがどんどんふえてきてということは非常にいいことだと私も思っています。インバウンドの話もさることながら、消費額でいえば、インバウンドの方で消費をされる金額が国内を超えたなんという議論もありますが、一方で、国内での消費金額ということをやはりもう一回考えてもいいのかなと思っています。

 そう考えていったときに、これはずっとある議論なんですが、旅館であるとかホテルだとか観光地でいろいろな雇用がふえていくというのは大事なことだよねというふうに言われます。

 その一つの観点は、当然、週末にばかり出かけるわけですが、平日、なかなかお客さんが集まらなくて、平均稼働率が上がっていかない。そうすると、経営をする方々からすれば、なかなか平日の稼働率が上がらないから、どうしても正規で一気通貫で雇用することが難しくて、平日は正規雇用だけでやります、週末は少しアルバイトだとかパートさんを含めてやりますという形で、せっかく観光地で観光客がふえても、なかなか雇用がふえたという実績に至りにくいという観点の中で、平日のお客さんをふやしていくということは大事だよねということで、例えば休日を平準化しましょうという話であるとか、いろいろな取り組みが行われてきたかと思います。なかなかまだ結果まで至っていないと思います。

 この観点の中で、今どういうことをお考えで、現状どういう成果が出ているのかというあたりをお伺いさせていただきたいと思います。

うえの大臣政務官 御指摘のとおり、平日の稼働率の向上というのは非常に大事な観点だと思います。

 そのための施策といたしまして、一つはやはり曜日にかかわらない外国人旅行者の増加、これも一つ大事でありますし、また、御指摘をいただきました国内における休暇の取得促進あるいはその有効活用などが重要でありますので、そうした観点から施策を進めていく必要があると考えています。

 このうち、海外からの旅行者につきましては、昨年は一千三百四十一万人ということでございまして、ことしも非常に好調に推移をしておりますが、しかしながら、訪日外国人の多くは東京あるいはいわゆるゴールデンルートに集中をしておりますので、今後は、旅館が多く所在をする地方部を含め、全国津々浦々に呼び込んでいくということが大事だと思っております。

 このため、国土交通省におきましても、広域的な周遊ルートを形成していく、あるいは、日本の特色ある宿泊施設である旅館につきまして、きちんと情報発信を行って、外国人の認知度の向上を図ってまいりたいと思います。

 それから一方、国内需要の喚起につきましては、学校行事の振りかえ休業日に合わせて大人の有給休暇の取得促進を図る家族の時間づくりプロジェクトを推進して、平日の観光需要創出などに取り組んでいるところでございますが、引き続き、こうした観点からの施策につきまして十分検討を進めてまいりたいと思います。

神山(洋)委員 ありがとうございます。引き続き、またこの委員会の議論を通じて深めさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。終わります。

今村委員長 次に、足立康史君。

足立委員 維新の党の足立康史でございます。

 この国土交通委員会、昨年までも一、二度、何度か質問に立たせていただきました。当時は別の委員会に所属をしておりまして、交代をしていただいて太田大臣に質問をさせていただいたということでありましたが、この国会から国土交通委員会のメンバーにしていただきましたので、また、委員各位含めて御指導を賜りたいと存じます。

 太田大臣には今後もこの委員会でぜひ御指導を仰ぎたいと思っていますが、大学の後輩に当たりまして、京大の土木なんですね。私もそうなんです。きょうは、その辺も絡めてちょっと御質問申し上げたいと思います。大臣は相撲部を卒業されて、私は水泳部で、共通点は余り身にまとっていないということがあったわけですが、冗談はさておき。

 きょうは、北川副大臣もいらっしゃる中で、恐縮ですが、政令市の話をちょっと取り上げたいと思います。大臣、きょうは予算委員会も控えておられるということですので、ちょっと順番を変えまして、まず政令市の話を中心に、前半、質問をさせていただきたいと存じます。

 お配りをしています資料を一枚めくっていただきますと、政令市と都市圏の関係が図示をしてございます。これは、ある北海道の方がつくられたものをそのまま借用していますが、黄色いところが、言えば都市圏だというんですね。この数字は、経済産業省が都市雇用圏ということでデータを出されているものを借用しています。黄色いところが、言えば、この黄色い地域から都心部に、政令市に人々が通勤をしながら生活をし、仕事をされている。この圏域を大体示しているということでありまして、赤いところが政令市なんですね。

 まず、きょうは経産省においでいただいていますね。簡潔で結構ですから、この都市雇用圏ということを取り上げている心というか、ちょっと一言御紹介をいただければと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの都市雇用圏という概念でございますけれども、これは、地域経済の分析に用いられる学術的な概念あるいは分析手法でございますけれども、中心都市の人口とそれから中心都市への周辺地域からの通勤の率から圏域が設定されるものでございまして、経済あるいは産業振興等の施策をする際の参考の材料として用いているものでございます。

足立委員 井上審議官、ありがとうございます。

 私も経産省におりましたのでよくわかりますが、地域を考えるときに、政令市というとついつい、総務省が政令市制度というのをつくっているので、総務大臣と議論しがちなんですけれども、総務省は行政区画を整理しているだけで、産業、雇用、あるいはインフラ、さまざまな観点が大都市政策にはかかわるわけで、私は、実は今までこのテーマをここではやっていなかったんですが、国土交通委員会でこそこの議論をやるべきだ。特に大臣の所信質疑ということで、ふだんはなじみがないかもしれませんが、政令市というものが地域においてどういう位置づけなのかということは、ぜひこの国土交通委員会でも、また委員の皆様にも御承知おきをいただきたいということで、御紹介をさせていただいているわけであります。

 どうして今大阪で、大阪の前に、そもそも大都市特別区設置法というものが国会で成立をしていただいて、これは、自民党さんも、公明党さんも、民主党さんも含めて賛成をしていただいているわけですが、この法律ができたのは、政令市の中には、政令市をやめて特別区をつくって、東京都のような都制にすべき地域があるよなということでできた一般法であります。

 今大阪は、大阪府市の両議会で、その法律に基づいて法定協議会でつくられた協定書について、五月十七日をめどに住民投票で決するということになっておるわけでありまして、その背景には実はこういうことがあるんだということをぜひ再確認させていただきたいんです。

 次に、一枚めくっていただくと、主な政令市、主なというか、三大都市圏を除くと全部入れていますが、政令市ごとに、今、井上審議官の方から御紹介をいただいたいわゆる都市雇用圏、都市圏全体の人口規模に対して、その真ん中にある政令市の人口の割合が書いてあるんですね。

 例えば広島市とか札幌市、これは政令市長が八割をカバーしているわけですね。すなわち、政令市長の行政手腕で札幌都市圏、広島都市圏はほぼマネジメントできるということを意味しているわけです。大臣、御理解いただけますか。そういう中で、政令市をざっと眺めると、東京二十三区と大阪市が特別に低いんですね。

 要は、かつて七十二年前は、東京も東京府と東京市だったわけです。東条英機内閣でそれを東京都に、首都をもっと経済成長させようということで、七十二年前の東条英機内閣のときに東京市が廃止されて、特別区制度になって、東京都になったわけです。

 東京市も、これは今の数字ですが、二十三区だと二四%。これは、東京都が大東京として発展をしましたから今四割ぐらいになっていますけれども、多分七十二年前は、これが七割、八割だったんだと思うんです。それで経済成長していった。大都市東京が、東京都を中核として大東京が今関東平野の中で成長している、こういうことなわけであります。

 大阪市は、ここで見ていただいたように、二一・五%の住民が住んでおられるわけですが、大阪市の近接、豊中市とか東大阪市、そういうところも都市であります。都市住民になります。私は、実は私が住んでいる大阪の一番北側、一番北の端の選挙区なわけですが、大阪市と一体で今成長しているわけです。

 そういうふうに考えると、大阪市も、東京都と同じように、七十二年おくれてでありますが、都制をしいて、大大阪、大都市政策としてこれを推進していくことが重要じゃないかということで、今進んでいるわけであります。

 とうとうと御説明するつもりはなかったんですが、この図をぜひ御理解いただきたい。特に太田大臣には、実はこれから大阪でさまざまなインフラを整備していく、また御指導も仰がなあかんので、この点をぜひ御理解いただきたいと思って、きょうは御紹介をいたしました。

 この都市雇用圏、井上審議官が御紹介くださった都市雇用圏から見た大阪都構想、これを今御紹介したのは一つの視点でありますが、政令市のあり方、大都市政策のあり方、大都市のインフラのあり方を考えるときには大変重要だと思いまして、御紹介申し上げましたが、大臣、もし今、ちょっと聞いていただいて、お感じになるところがありましたら、お言葉をいただければと思います。

太田国務大臣 私は、大阪都構想というのは、去年のその前の選挙の直前に、堺屋太一さんを中心に、上山さんとおっしゃったのかが書いた本を読ませていただいて、活性化という角度が中心であったように思いますが、その本を読んで、最近はブログ等でいろいろ争い事なんかをちょっと目にすることがありますけれども、きょう、こういう角度でお話を聞いたのは初めてでございます。

 いろいろな角度で、このことは政治的にも非常に大事なことだと思いますので、よく勉強をさせていただきたい、このように思います。

足立委員 大阪でこれから政治的な展開になっていきますから、大臣のお立場としてお言葉には限界があるかもしれませんが、先ほど申し上げた大都市法に基づく法定協議会でつくられたいわゆる協定書について、大阪市議会、府議会で公明党さんが御協力、賛成をいただいた。これが五月十七日の住民投票につながりましたので、心からその点について御礼を申し上げたい。まあ、私が申し上げるのも変ですが、申し上げておきたいと思います。

 大臣、これは今申し上げた一つの視点なわけですが、これからカジノとかあるいは高速道路、鉄道網、また、きょう井上理事の方からもリニアの話等を取り上げさせていただくかと思いますが、大変重要な、まさにこの委員会で議論すべきことでございますので、引き続き御指導を賜りたいと存じます。

 資料をさらに二枚めくっていただくと、ちょっと字ばかりの紙が出てまいります。これは、先ほど申し上げた太田大臣と不肖私の同じ京大の土木の後輩で、後輩というのかな、同窓で、藤井さんという京大の大学院の教授の方がおられます。藤井氏が直近に出されているものの抜粋なんですね。彼いわく、自分は京大の都市計画の専門家だ、大阪都構想は絶対に大阪を衰退させる、自民党の大阪府連の方々と連携しながら、そういう御主張をされているわけであります。

 その理由として三つ、もうここを読んでいただいたらわかるので紹介しませんが、都市計画の権限が奪われるとか、手続が煩雑化するとか、都市計画の技術力が弱体化するとか、とんでもないデマを振りまいているわけであります。

 私も都市計画を専門にしている立場でありまして、もう到底許せない。特に、京大の都市計画の教授というような何か装いで、到底学術的に受け入れられないような、あるいは都市計画の専門の見地からいって受け入れることができないようなデマを拡散していることについては、本当に許しがたい思いなんです。

 きょうは都市局長がおいででございます。これはどんなふうに読まれましたでしょうか。十分でも二十分でも使っていただいて結構ですから、解説をお願いします。

小関政府参考人 藤井教授の御主張は拝見させていただきました。

 真に住みやすいまちづくりを実現するためには、現場に近い基礎自治体と広域自治体とが十分に協議と調整を図っていくことが重要であると考えております。したがいまして、大都市地域における特別区の設置に関する法律に基づき特別区が設置された場合におきましても、都と特別区において適切な協力関係が構築されることは必要であるというふうに考えているところでございます。

足立委員 都市局長、十分ぐらい期待していたんですけれども、十秒ぐらいで終わってしまいました。

 今、基礎自治体と広域ということをおっしゃいましたが、これは結局、政令市が特別区になると、いわゆる大阪市という政令市と大阪府という都道府県との調整が主だったわけですが、それが、今おっしゃっていただいたように、基礎自治体と広域とが連携しながらまちづくりをしていく、こういうことになるわけです。

 事前に御紹介していますこの三点それぞれについて、これは太田大臣にもゆったりと都市局長の解説を聞いていただきたいと思います。それぞれ三点ごとにお願いします。

小関政府参考人 まず、都市計画の決定に関することでございますけれども、例えば大阪で申し上げますと、都心部に関する都市計画決定を道府県と政令市のいずれが行う場合であっても、都心部を含めた地域全体として望ましい都市の姿を描くことが都市計画を運用する上で重要であるというふうに考えております。したがいまして、特別区が設置され、都が都市計画を決定することとなった場合におきましても、地域全体として望ましい都市計画を決定すべきものであるというふうに考えております。

 また、その手続でございますけれども、特別区が設置された場合は、東京都と特別区の関係と同様でございまして、都の都市計画決定に際して、関係する特別区への意見聴取が必要となります。しかしながら、現行でも、政令市が都市計画決定をする際には、道府県への協議または意見聴取が行われておりまして、両者でよく調整、連携して行われているものでございます。このような観点から、特別区が設置され、都市計画の決定主体が基礎自治体から広域自治体に移行したとしても、両者が調整、連携し合って都市計画を決定するものであることに変わりはないと考えております。

 それから、都心部の都市計画について申し上げれば、土地の高度利用あるいは都市機能の更新を図るという観点から、多数の関係者と調整する場面もございます。その意味で、技術力、ノウハウが必要だというのは、藤井教授の御指摘のとおりでございます。これまで政令市において行っていた都市計画に係る事務の一部を特別区設置後に都において行うこととなった場合は、事務の内容や分量に見合った適切な執行体制を整備すること等によって、適切な事務執行が継続されることが大変重要であるというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

足立委員 ありがとうございます。

 役所の御答弁なのでわかりにくいかもしれませんが、私が欲しい答えは基本的に御答弁いただきました。

 大臣、もう予算委員会の時間が迫っていますので、御退席をいただいても結構ですが、何か今のお話を聞かれてお感じになるところがあれば、もうやめておきましょうかね、一言お願いします。

太田国務大臣 大事な問題なので、よく勉強させていただきます。

足立委員 ありがとうございます。大臣、ぜひお願いします。お時間が来ましたら、もう結構です。

 都市局長、御答弁はわかりましたが、すると、今都市計画には技術力が大事である、これは教授の言うとおりだと。それは別に、教授に言われるまでもなく、当たり前のことでありまして、私が確認したいのは、都市住民というのが、何か政令市の住民だけが都市住民かのように喧伝し、その都市住民から都市計画の権限が奪われるかのような言説を振りまいている、一つ目は。それから二つ目は、今煩雑さは変わりないんだと局長はおっしゃっていただいたが、教授は、煩雑化するんだ、おくれるんだ、こうおっしゃっている。三つ目も、これは弱体化するんだと。いや、そんなことはないと私は思いますが。

 三つとも局長は、この教授の言っていることはいわれないことであるというふうに解釈しましたが、そういうことでよろしいですね。

小関政府参考人 お答えいたします。

 委員のお尋ねの御趣旨が、大都市地域における特別区の設置に関する法律に基づいて特別区が設置された場合、都市計画の観点からどのように制度が変わるのか、あるいは、それについて制度を所管する立場としてどう考えているかということについて申し上げたものでございます。

足立委員 いや、だから、局長、都市計画の観点が書いてあるんです、ここに。都市計画の観点から、国土交通省の都市局長なんだから、都市計画の担当局長として、この京大の教授の言っていることは間違いですね。ちょっと、これは確認です。

小関政府参考人 お答えいたします。

 都市計画の観点から、特別区の設置に関する幾つかの論点について、制度を所管する立場からその変更点などを申し上げたものでございます。それが答弁させていただく範囲でございます。

足立委員 いや、局長、ここに明確に紙を配っているんですよ。局長、ここに配っていますね。

 いわゆる政令市が特別区に変わるという可能性が大阪で出てきているわけです、五月の十七日に。そもそも、それは大都市法に基づくもので、自民党も、公明党も、民主党も、みんな賛成したんだ。そうですね。その法律に基づいて、手続にのっとって、五月の十七日に住民投票が行われるわけですよ。ところが、都市計画の専門家が、理由の一、理由の二、理由の三と言っているんですよ。

 都市局長、これはちゃんと言ってくださいよ。何を言っているかわからないんですよ。私が聞いているのは、理由の一、理由の二、理由の三というのは、都市計画の観点から、大阪が衰退する理由になっていると思いますかと言っているんですよ。思うか思わないか、どっちかですよ。お願いします。

小関政府参考人 繰り返しで恐縮でございますけれども、都市局として、国土交通省としてお答えできる範囲で申し上げると、大都市地域における特別区の設置に関する法律に基づき特別区が設置された場合に、都市計画にどういう変更がもたらされるか、どういうことが重要かということについて、お答えできる範囲でお答えをさせていただきました。

足立委員 役所から答えられないということであれば、政務からで結構ですよ。どうぞお願いします。政務三役、お願いします。

北川副大臣 これについては、藤井先生のいろいろな論文、コメントについて、正しいのかどうか、そういうコメントをするというのは差し控えたいと思いますが、これが正しいのかどうか、大阪にとってどうなのかということについては、大阪府議会、市議会、また協議会の中でしっかりと検討していただく、そういう性質のものではないのかなというように思っています。

足立委員 北川副大臣、御答弁いただいたことには敬意を表しますが、全く私は間違っていると思いますよ。(発言する者あり)ちょっと聞いてくださいよ。

 法定協議会でもう議決をしたんです、公明党さんの協力も得て。あとは、住民に情報提供することが求められているわけです。もちろん、基本的には大阪府市が情報提供するわけですよ、住民に。しかし、都市計画に係ることが、専門家という冠をつけながら振りまかれているわけですよ。これについて、大都市法を制定した国会として、正確に、こういう言説が、こういうものが一体そうなのか。それは私はデマだと言っているんですよ。

 都市局長がこういうことについて見識を述べないでどうするんですか。それから、国土交通省の三役も、一体何のためにそこに座っているんですか。副大臣は大阪だから答えにくいですよ。政務官、どうなんですか。(発言する者あり)そういう話でしょう。お願いします。

北川副大臣 ですから、これについては大阪の中で、大阪府議会、市議会、あるいは協議会、いろいろなところで議論をしていただいて、それを住民の方々にしっかり資料提供をしていただく、そして、住民の方々にどれが正しいのかという判断をしていただく、そのための住民投票ではないのかなというような思いをしております。

足立委員 本当にあれですね。要は、住民投票というのは十分な情報を有権者が持って初めて有意義になるんですよ。当たり前ですよね。どこかの政党に、余り言うと怒られますが、投票率が低い、有権者は何か投票に行かない方がいいとか言った党首もいらっしゃいましたが、とにかく大事なことは、できるだけの情報を有権者に提供することですよ。そうでしょう。そして、都市計画の観点から、京大教授がこういうことを言っているんですよ。

 都市局長、ちょっといいかげんにしてください。ちゃんと答弁してください。これについて、これは都市計画の観点から認められない、そう私は思うが、都市局長はどう思うんですかと言っているんですよ。どっちかですよ。いいかげんにしてくださいよ、ちょっと。

小関政府参考人 国土交通省といたしましては、先ほどの繰り返しでございますけれども、特別区が設置された場合における制度の変更、それについての重要な点について御説明できる範囲で御説明をさせていただきました。

足立委員 政令市が特別区、都制になったからといって、都市計画の観点からその地域が衰退するという主張は認められないですね。

小関政府参考人 特別区が設置されて、都市計画の決定主体が基礎自治体から広域自治体に移行する場合であっても、両者が調整、連携し合って都市計画を決定することに変わりはございません。

足立委員 変わりがないということでありますが、きょう冒頭申し上げたように、広域行政を進める上では、明らかにこれは大都市大阪の一体的なインフラ整備等が進めやすくなるという観点から、大都市法に基づいて今大阪で議論が行われているということだし、それから、先ほど、一部、私もこれからこの委員会で仕事をしていきたいので、余り乱暴なことを言うつもりは毛頭ありませんが、誤解があるといけないので申し上げておきますが、何か学問の自由とか、大学の自治とか、そういうことに私は文句を言っているんじゃないんですよ。大学人は大学人でどんどん発言してもらっていい。でも、議員も、また政府の人間も、しかるべきつかさつかさでその役割を果たしていくべきだと思うんですよ。

 大都市法を整備した政府は、その大都市法に基づいて今動いている中で、特に都市計画について議論され、そこで口をつぐむというのは、それは政府の責任を放棄しているということに等しいと私はやはり言わざるを得ないですね。

 今、この藤井教授に対しては、橋下市長、松井知事が公の場で討論をしたいということで言っていますが、なかなか実現をしていません。そういう中で、大都市法を制定したこの政府が、都市局長が、また国交省の政務三役が、しっかりとこの問題について専門的見地から発言をしないということは、都市局長、本当に禍根を残す、私は大変な問題になると思いますよ。都市局長、もう一度お願いします。

北川副大臣 これにつきましては、我々としては、大都市法あるいは地方自治法を改正するというところで、そこまで行ったわけですけれども、これをどう使うのかというのは、これはまさしく地方自治体の地方自治の範囲内でやっていただくべきものであるというように思っています。

 この藤井さんの論文が正しいのかどうか、これは、私たちはそういうのを論評する立場ではないと思うんですが、もしこれが違うというのであれば、別の先生が、学者がこれは違いますよということで論争があっていいはずだというように思っています。

 ですから、これは、大阪市、大阪府として、これからいろいろな議論、論争、そういうものを重ねて、そして住民投票において適正ないい結論を出していただきたいなというように思っております。

足立委員 副大臣、ありがとうございます。

 都市局長、私は、政治家の先輩方に実は御答弁を求めていないんです、もともと通告でも。北川副大臣、本当にありがとうございます。

 私は、これは行政が、政務じゃないですよ、国交省の都市局が専門的見地から言及すべきテーマだと言っているんですよ。都市局長が何か政治的な観点から口をつぐむというのは禍根を残すと思いますよ。都市局長。

小関政府参考人 副大臣からの御答弁のとおりでございまして、私どもとしては、都市計画法あるいは都市再生特別措置法等々の都市計画に関するさまざまな法制度を所管する立場から、この特別区設置に係るさまざまな論点につきまして御説明をさせていただいたものでございまして、いずれにいたしましても、地域で十分に話し合っていただくことが重要であるということに変わりはございません。

足立委員 冒頭、都市局長からいただいた話を私なりに簡単にそしゃくしておきます。

 一つ目、都市局長おっしゃっていただいたように、都市住民が都市計画の権限を奪われるという主張があるが、そもそも大都市というのは、中心部と郊外部がそれぞれシナジーで、中心部は中心部だけで発展しているわけではない、郊外も郊外だけで存立しているわけではない、相互に影響しながら大都市というものは発展していくんだという見地から、私は、全くのゆえなき論旨だと思う。

 それから、理由の二、煩雑化するということについては、都市局長から明言をいただいたように、これは制度が変わっても都市計画上の手続のいわゆる手間というものは変わらない、同じであるということは先ほど御答弁をいただいたとおりであります。

 それから、技術力をどういうふうに保持していくか。これはまさに行政がしっかりとその観点から体制をマネジメントしていけばいいだけの話であって、別に都制に問題があるわけではない。

 私はこう思いますが、都市局長、異論があれば補足してください。

小関政府参考人 重複する部分がございますけれども、都市計画決定を道府県、政令市、いずれが行う場合であっても、地域全体、都市構造全体を考えて適切な都市計画をするということが重要であるというのはそのとおりでございますし、都市計画手続につきましては、特別区が設置された場合は、さまざまな手続はもちろんございます。それに従ってやっていただくということになります。

 それから、事務の執行につきましても、ノウハウが必要だということは先ほども申し上げましたし、特別区設置後に都において行う場合であっても、それにふさわしい適切な事務執行体制を整備することは必要であるということでございます。

足立委員 時間がもう終わりに近づいていますので、用意した質問がなかなかできておりませんが、委員の皆様、まだきょうは政府への質問ということでありますが、所信質疑の中でこうした問題を取り上げたことについてはぜひ御理解をいただきたいし、冒頭申し上げた大都市圏の中の政令市のあり方というのは、単なる行政区画の問題ではなくて、産業、雇用、インフラ、さまざまな観点から検討していく必要があるということから、きょうこの場で取り上げさせていただいた旨、ぜひ御理解をいただきたい。

 学者の言っていることをどうこうここで、学問の自由みたいなものに対して何か申し上げるつもりは全くない。むしろ、その討論をしっかりとしかるべき場でやって、私は、その情報を大阪市民の皆さんに提供することは法律を制定した国会の責務であるという立場から、きょうは取り上げさせていただいた旨、確認をさせていただきます。

 最後に、半島振興の話だけ触れて終わりたいと思います。

 指定地域が全国にございますが、党内でいろいろな意見が出ました。総論としては異論ないものの、例えば、道路の整備等が進んでいる中で、半島振興の指定地域というのは時代に応じて、言えば、通信も発達する、道路も整備される、そういう中で見直しがされていってしかるべきじゃないかという議論がありましたが、これはどんな状況、御認識か、御答弁をいただきたいと思います。

本東政府参考人 御答弁申し上げます。

 昭和六十年に半島振興法が制定されまして三十年が経過したところでございます。

 御指摘の、半島振興対策実施地域の指定の後、高速道路の開通ですとか、あるいは新幹線の延伸、こういったことで半島地域の高速交通の利便性が向上している、そういう地域もあるということは承知いたしております。

 しかしながら、半島地域におきましては、全国平均を上回る人口減少ですとか、あるいは高齢化が進行しております。また、地域経済も厳しいなどの状況にございます。また、高速交通体系の整備というのは全国的にも進んでいるところでございますので、相対的にはやはり半島地域の格差というのは残っている。そういうことで、半島地域の振興の必要性は変わっていない。

 このため、地域指定の目的を達成したとはまだ言いがたい状況でございますので、地域指定の解除ということは行っていない、そういう状況でございます。

足立委員 この半島振興の話は党内でもいろいろな議論が出ました。二十年間、どれだけの費用が使われ、どれだけの効果があったかとか、今も若干触れていただきました。あるいは、離島振興法との比較においてその法目的をどう考えるかとか、あるいは、今申し上げた指定地域の問題とか、いろいろな議論がありましたが、大変大事なテーマでありますので、この制度の枠組みを踏まえながら、また引き続き議論はさせていただきたいと思います。

 もう終わりますが、北川副大臣、きょうは大臣が退席をされる中で御答弁をいただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。

 私がきょうこの問題を取り上げた理由をあと一言だけ申し上げておきたいんですが、きょうはこの国土交通委員会ですが、私、厚生労働委員会にも所属をしています。今、日本は、離島の話もそうだし、半島の話もそうですけれども、これから市町村が本当に存続をしていけるかという大変厳しい時代を迎えます。社会保障をどうやって守っていくか、財政をどういうふうに守っていくか。そうしたときに、やはり国土交通分野の施策をしっかりと講じて、三大都市圏もしかるべき成長をし、日本全国の農村も含めて豊かに発展をしていく、こういう姿をどういうふうに描いていくかということが実は最大のテーマなんですね。

 我々が若干むきになって皆様に若干不興を買ったかもしれませんが、今我々が取り組んでいるこの統治機構の見直しの問題というのは、実は、そういう日本全体が今直面している課題にどういうふうに向き合っていくかという思いから、大阪で、東京一極集中のあおりで一番大変苦労してきた、経済的に衰退してきたこの大都市大阪をもう一回再生させたい、こういう思いで今、政令市の問題をきょう紹介した、申し上げた。

 ぜひこの点を御理解いただいて、委員各位、同僚の皆さん、また政務三役の皆さん、また都市局長も、ちょっと言葉が過ぎましたが、お立場はわかっておりますので、また引き続き御指導いただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。

 大変ありがとうございました。

今村委員長 次に、小島敏文君。

小島委員 皆さん、おはようございます。御紹介いただきました自民党の小島敏文でございます。

 先般の大臣の所信におきまして、さまざま課題がありますけれども、幾つか取り上げまして質問申し上げたいと思っております。

 まず初めに、土砂災害防止対策についてお伺いしたいと考えますけれども、近年特に、非常に豪雨災害等で毎年毎年何人もの方々が亡くなって、大変残念に思っておりますけれども、ことしも、だんだんと水害もありまして、災害が起きなければいいがなというふうに思いながら、質問してみたいと思う次第でございます。

 昨年八月に広島におきまして土砂災害を受けて、そのときのいろいろな意見の中で、被害拡大の背景に基礎調査のおくれがあるのではないかと指摘がありました。これを受けまして、昨年の百八十七回国会におきまして土砂災害防止法が改正をされたわけであります。

 主な改正点を申し上げますと、基礎調査の結果の公表であります。都道府県に対し、基礎調査の結果について公表することを義務づけたこと、また、国土交通大臣は、基礎調査が適切に行われていない都道府県に対して是正要求ができること、さらに、土砂災害警戒情報の市町村への通知及び一般への周知などであります。

 また、平成二十七年度予算に、災害安全交付金に基礎調査のための優先配分枠制度が創設をされました。これらの措置によりまして、今後、基礎調査がさらに進むものと期待をしておるところでございます。

 そこで、調査完了の見込みと、早期完了へ向けた当局の決意をまずお伺いいたします。

北川副大臣 今、小島委員の方から、基礎調査の早期完了ということを目指してということでお話をいただきました。

 昨年の八月、お説のとおり、広島市の土砂災害を受けまして、臨時国会で土砂災害防止法の改正を成立させたところであります。改正法では、基礎調査結果の公表を義務づけるとともに、法に基づく基本指針では、おおむね五年程度で基礎調査を完了させることを目標とするなど、基礎調査の促進を図ることになっております。

 これまで都道府県からは、基礎調査を進める上で、その課題として予算の不足ということが挙げられてまいりました。このため、都道府県がこれまで以上に基礎調査を推進できるように、補正予算で防災・安全交付金を措置するとともに、平成二十七年度予算では、交付金を優先的に配分するための制度拡充を盛り込んでおります。

 また、今後の基礎調査の完了目標や進め方について、全国都道府県と打ち合わせを行ってきました。この中で、例えば土砂災害危険箇所が全国で一番多い広島県においても、平成三十年度までに基礎調査を完了する予定である、こういうことで御報告をいただいております。

 引き続き、基礎調査の早期完了に向けて、都道府県を強力に支援してまいりたいというように思っております。

小島委員 今、全国で基礎調査が行われておると思うんですけれども、先ほど副大臣もおっしゃいました広島県の例を挙げますと、先ほどお話があったように、基礎調査を平成三十年までに、また、土砂災害警戒区域の指定を平成三十一年度末までに完了させるという目標を発表いたしました。

 これは相当頑張らないと難しいかなと私は思いながら今の年度を見たわけでございますけれども、果たして国として各都道府県に対してどのような支援を行っていかれるのか、お考えをお伺いいたします。

池内政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、財政的支援につきましては、先ほど副大臣が答弁されたとおりでございまして、基礎調査の促進を図るために、防災・安全交付金により積極的に支援を行っているところでございます。

 また、技術的な支援につきましては、地方ブロックごとに会議を開催しておりまして、例えば、国が所有しております地形データの提供ですとか、あるいは、先進県での効果的な取り組み事例の紹介などを行っているところでございます。

 さらに、都道府県が基礎調査の実施マニュアルを作成する際に、地方整備局の職員を派遣して助言を行っているところでもございます。

 都道府県が実施されます基礎調査が促進されるよう、引き続きこれらの財政的、そして技術的な支援を行ってまいります。

小島委員 どうぞよろしくお願いいたします。

 今回の災害を見ていまして、砂防ダム、この効果、被害減少に大変効果があったわけでありますけれども、ハード面の対策というのは大変重要だというふうに思っております。

 先般は、所信におきまして大臣は、「水害、土砂災害に対しては、河川改修や砂防堰堤の計画的な整備、関係機関が事前にとるべき行動を時系列で示すタイムラインの策定など対策を総動員して取り組みます。」とおっしゃっております。

 これを踏まえまして、砂防ダムの整備を促進するということを私は支持する立場から、以下三点ほど質問をしてみたいと思います。

 まず、全国で国土交通省、林野庁が進めておられます砂防ダムや治山ダムの整備は、現在どのような状況なのかお伺いいたします。

池内政府参考人 お答え申し上げます。

 全国の土石流危険渓流のうち、砂防堰堤等の整備が必要な要対策箇所は約九万カ所となっております。このうち、対策済みの箇所は約二万カ所となっておりまして、整備率は平成二十五年度末時点で約二二%となっております。

 以上でございます。

小島委員 大変な数でありますけれども、住民の皆様が安心して生活できるために、未着工の工事、これは一刻も早い完成をお願いしたいと思うわけでございます。

 これに向けまして、決意もお伺いいたしたいし、同時に、県営ダムも国の予算も入っています。そこも含めて、ひとつ御支援のほどよろしくお願いしたいと思っていますけれども、御意見をお伺いします。

北川副大臣 砂防ダムや治水ダムについて、未着工のものを含めて一刻も早く完成せよ、こういうお話でございます。

 昨年の広島災害では、安佐南区の大町地区で砂防堰堤が土石流を完全にとめた、あの土石流があった直前に完成しておりまして、そのために人命を守る効果が発揮された、こういうようなことが現実にありました。

 このように、砂防堰堤というのは土砂災害の被害を軽減、防止する上で非常に有効であるというように考えております。財政制約というものがありますが、人命を守る効果が高い箇所などの優先順位をつけて、砂防堰堤の整備を計画的に進めてまいります。特に、災害が発生した箇所については、地域の安全の確保のため、緊急的に事業を進めてまいりたいというように考えております。

 また、治水を目的としたダムにつきましては、ダム検証などにより継続の方針となったものにつきましては早期の完成に向けて事業を進めてまいります。

 以上でございます。

小島委員 全国の状況等についてお聞きしましたけれども、私は広島県の出身でございます。そういう中で、特に広島県に限って質問をしてみたいと思うんですけれども、県におきましては、現在、砂防災害関連緊急事業を実施しております。

 これは一刻も早い完了が要ると思うんですけれども、現地へ行って聞いてみますと、いかにも地権関係が複雑である。特に、広島県というのは海外移住者が意外と多いんですよね。広島県の西部は、ハワイとかブラジルとか、そういう地権者が海外におられるケースがある。

 同時に、もう一点は、このいわゆる砂防堰堤をつくっていくのに、道路が狭隘なために、そこに入っていく重機を入れるために、道路敷の買収も要るわけですよ。そうすると、今の法律でいきますと、要するに、いわゆる危険地域の指定によって地価が下がる、下がった額で買収ということが起こるんじゃないかということで、大変地元で厳しい意見もありまして、不安もあるわけですね。

 そういうふうに状況が非常に厳しいことはわかっておるわけですけれども、皆様方が安心して一刻も早く現地へ帰れる、近くへ帰れるということを考えれば、やはり私は、皆さんの不安解消という意味におきましても、できるだけ完了時期を前倒しすべきじゃないかというふうに思うわけです。これは本気でやっていかないと金銭的にも人的にも大変厳しいなと思っておりますけれども、その辺のお考えをお伺いいたします。

北川副大臣 今、先生の御地元の広島県の砂防の災害緊急事業に関する御質問でございます。

 広島市の被災地では、農林水産省それから広島県とともに、四十七渓流において砂防堰堤などの緊急的な対策を実施いたしております。このうち、国土交通省では、特に被害の著しかった二十四渓流について対策を行います。

 まず、応急的な対策として、強靱ワイヤーネット工に着手しております。現在までに、この二十四渓流のうち二十三渓流で完成をさせております。残り一渓流についてもことしの出水期までに完成させたい、そういう予定でございます。

 また、抜本的な対策である砂防堰堤本体の工事についても、十八渓流で工事契約を進め、残りの六渓流についても、用地交渉がまとまり次第、工事に着手します。

 命と暮らしを守るため、引き続いて、水害、土砂災害対策をしっかりと推進してまいりたい、そういうふうに思っております。

 それから、用地の交渉その他、非常に難しいところがある、こういうお話でございます。これも、何とか地域の方の御理解をいただいて、しっかり進めていきたい、こういうふうに思っております。

小島委員 皆さん、一刻も早く自宅へ帰りたいと思っておられますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 続きまして、空き家対策につきましてお伺いしてみたいと存じます。

 昨年七月に総務省が公表しました二〇一三年住宅・土地統計調査によりますと、日本全国に八百二十万戸の空き家があるそうでございまして、全住宅に占める空き家割合は一三・五%と言われております。二〇三五年には三二%ということで、三軒に一軒が空き家。実は一千万戸が空き家ということで、本当に空き家地獄と言ってもいいぐらいな心配があるわけです。

 適切な管理が行われないで、周囲に悪影響を及ぼす空き家が増加していることを踏まえまして、昨年十一月に、議員立法によって空き家対策の推進に関する特別措置法が制定されました。本年二月の二十六日から施行されておりますけれども、この法律によりまして、空き家対策の基本的な枠組みができたわけでございます。

 また、危険または不衛生な状態になっております空き家につきまして、特に特定空き家につきましては、全国で約三十万戸あるというふうに言われていますけれども、市町村が固定資産税情報などによって所有者を特定し、指導助言、勧告、命令、さらには代執行を行い、空き家の除去を進めることができるようになりました。

 また一方で、平成二十七年度の税制改正によりまして、勧告を受けた特定空き家などの固定資産税の優遇措置の見直しが盛り込まれまして、法律と税制両面から措置が成ったわけでございます。これによって、危険な空き家の除去が進むだろうというふうに思うわけでございます。

 特に、用地につきましては、今まで六分の一の免税があったわけですけれども、優遇があったわけですけれども、これはもう六分の一はなくすよということまで決まったわけでございます。

 そういう中で、今後、世帯数が非常に減少していくということに伴って、放置空き家がますます加速していくんだろうというふうに思うんですね。行政の面から考えたときに、後追い、後追いで、モグラたたきのような格好になるんじゃないかというふうに思うわけですね。

 なかなか追いつかぬだろうというふうなことが推測をされるわけでありますけれども、私は空き家対策というのは同時に空き家をふやさないための施策も必要であるというふうに思うんですね。これをどうするか、このことについて行政はどう考えておられるか、御答弁をお願いいたします。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、空き家の活用や除却とともに、空き家をふやさない取り組みを進めることが、いわゆる放置空き家の増加を抑制するために極めて重要だと考えております。

 このため、先ほど御指摘をいただきました、空き家対策特別措置法の一部施行に合わせまして、二月二十六日に国が策定、公表した空き家対策の基本方針におきまして、市町村の取り組みとして、空き家の所有者からの相談などに迅速に対応できる体制を整備すること、空き家の所有者に対し、空き家を適切に管理するための専門業者に関する情報を提供すること、空き家に関する情報を、所有者の同意を得た上で、インターネットや宅地建物取引業者の流通ネットワークを通じて広く外部に提供することなどを例示としてお示ししておるところでございます。

 既に、公共団体においては空き家バンク等の取り組みが進められております。今、空き家バンクあるいはこれに類する取り組みをされている団体が五百九十、市町村の約三分の一は、既にこの空き家バンク等の取り組みをされております。また、業界団体等と連携をして、希望者とのマッチングを行う等の取り組みも進められておるところでございます。

 今後、各市町村において、空き家対策の基本指針に即して計画が策定されるなど、総合的な空き家対策が進められるものと考えております。

 私ども国土交通省といたしましても、総務省を初め関係省庁と連携をして、地域の実情に応じて、空き家対策に取り組む地方公共団体を支援してまいる所存でございます。

小島委員 空き家をふやさないための方策と同時に、私は、もう一方、流通を促進するという方策も要るんだろうと思うんですけれども、そのことはいかがですか。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、使える空き家を住宅として市場で流通させていくということは、空き家を減らす、あるいは発生させないという意味で、大変重要でございます。

 御指摘の、高齢者の持ち家の流通促進については、例えば高齢者がお持ちの戸建て住宅等を借り上げて、これを広い住宅を必要とされている子育て世帯等へ賃貸する取り組みというのをやっております。これは今、一般社団法人の移住・住みかえ支援機構というところが平成十八年十月から制度を開始しておりまして、既に六百二十七件、若い世帯にお貸しをしているという実績もございます。

 また、これまで中古住宅・リフォーム市場の活性化に向けて、ポイント制度や補助、税制、融資などの制度も整備をしてまいったところでございます。

 具体的には、税制におきまして、事業者が中古住宅を買い取ってリフォームし、それを消費者に再販売する場合に、事業者から中古住宅を購入した買い主に課される登録免許税、あるいは不動産取得税を軽減するという措置を既に盛り込んでおります。

 また、平成二十七年度予算案におきましては、中古住宅の購入と同時に行うリフォームに係る資金も、住宅金融支援機構のフラット35による融資の対象とする拡充を盛り込んでおるところでございます。

 今後とも、これらの施策を最大限活用いたしまして、中古住宅の流通の促進、そして空き家の減少に努めてまいりたいと考えております。

小島委員 もう一点、今、日本の住宅政策は新築重視であって、新築と中古のバランスがとれた住宅計画がないんじゃないかという意見もあるわけですね。

 例えば、現在は、景気対策としまして、住宅市場を活性化するため、住宅ローン減税、すまい給付金、省エネ住宅ポイント、住宅金融支援機構の金利引き下げなどが行われております。また、平成二十七年度税制改正におきまして、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置が拡大をされました。

 こういった施策は私は大変重要と思うわけですけれども、いわゆる中古住宅の取得、既存住宅の除去を伴う新築建てかえ、あるいは既成市街地の再開発によって整備されました住宅の取得を優遇する施策を検討してもいいんじゃないか、このように考えるわけであります。

 やはり、言われているように、新築と中古の流通、そうしたバランスですね。そういう観点から、どのようにお考えですか。見解をお伺いいたします。

北川副大臣 今先生からのお話のとおり、新築住宅市場と同時に中古住宅の流通をしっかり図っていくということは、日本の経済を伸展させていく上でも非常に重要なことであるというように思っています。

 先ほどもちょっとお話ありましたが、高齢者が安心して住めるようなバリアフリー化やヒートショック対策、省エネ化をしっかり進めていく、あるいはまた、子供の独立後にゆとりのある間取りへの変更をすることなど、そういうものを支援していくということが求められるというように思います。

 中古住宅、それからリフォーム市場を活性化するために、中古住宅を安心して取引できる環境づくりというものが必要である、このように思います。このために、これまで補助、税制、あるいは融資などの制度を整備してきました。

 最近の例でいいますと、省エネ住宅に関するポイント制度などにより、リフォームを推進しております。

 また、中古住宅の建物検査、それから性能表示の普及、定着を図ることにより、中古住宅を買う場合にも適切な判断基準を得ることができる、そういうような取り組みを進めておるところであります。

 空き家の増加を抑制する観点からも、引き続き、中古住宅の質への不安を取り除き、安心して取引できるよう、積極的に取り組んでまいりたいというように思っております。

小島委員 今全国で、空き家バンクということで、本当にいろいろ知恵を絞ってやっていらっしゃいます。

 私も尾道市なんですけれども、大林監督等、いろいろと映画にも出ていますけれども、非常に情緒のある町という中で、ところが一方で大変な空き家がありまして、実は、NPOが中心になって、市も入ってきまして、両々相まってリニューアルしまして、今、いわゆる入居したいという希望が何百人とあるんですよ。

 一方、長野県の佐久市、これも、わざわざ何か二名ぐらいいわゆる担当者を決めて、民家を回って、仏壇があるからだめよというのを、田舎の家というのは遺族の公民館というんですよね。普段はあいているけれども、盆暮れには帰るんよと言われて、田舎の公民館、一族の公民館というんですね。

 これもよくわかるんですけれども、しかし、余りにも集落が崩壊しそうな地域もあるわけですね。そういう中で、やはりそういう先例もあるわけでありますから、どうかひとつしっかりと内容を吟味して御指導をよろしくお願いしたい、このように思う次第でございます。

 それで、あと残り三分なんですけれども、ちょっと話をかえまして、私、以前から大変気になっています、国土交通省はいわゆる海運もあるわけですから、きょう来ていただいているかと思うんですけれども、実は先般の、昨年の税制調査会におきまして、税制改正において、日本の外航船舶が百五十九隻しかないのに、いわゆる特定減価償却、これを実は財務省が来年度からなくする、廃止と言ったんですよね。これについて、私は自民党の税調で申し上げました。

 というのは、要するに、十億円の船をつくろうと思えば、九億円は銀行融資がありますが、一割は自己資本なんですよね。要するに、船主は、いわゆる特定償却をためながら、貯金をしながら頭金をつくって実は船舶をつくっておるのでございますよ。実は今、日本の船主さんの九割は国内で船をつくっていますよ。ところが、これがなくなったら、ほとんど海外に行くでしょう。

 そうすると、私の町はいわゆる造船の町ですから、今治造船初めたくさんあるんですけれども、造船所の雇用がなくなるということなんですね。それに関係するいわゆる海事クラスターがなくなってくるという、大変心配しますものですから、これは二年延長になったんですけれども、どうぞ国土交通省はしっかり腰を置いて、これを延長できるように、ぜひとも恒久法に変えていただきたいということが一点と、先ほど言いました、百五十九隻しかない国際外航船、実はこれが何で固定資産税なんかあるのかということですね。十八分の一の減免はあるわけですけれども、海外は無税ですから、どうかこのことにつきましても、国土交通省はしっかり応援をいただきたいと思っております。

 御見解があればお聞きしまして、終わります。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年の税制改正大綱におきまして、船舶の特別償却など、委員の御支援も賜りまして延長が認められました。まことにありがとうございます。

 ただいま御指摘がございました、これからもしっかりやっていくという点でございますけれども、我が国商船隊の国際競争力の強化を図るために、国土交通省といたしましても、しっかりと知恵を絞りながら努力してまいりたいというふうに考えております。

小島委員 終わります。

今村委員長 次に、赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽でございます。

 きょうは、先日の大臣所信に対して、何点かにわたりまして質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、建設産業における技能労働者の担い手の確保について質問させていただきたいと思います。

 大臣も所信表明の中で、「現場力こそが日本の底力です。二月に公共工事設計労務単価を引き上げました。人材育成、女性も活躍できる環境づくり、外国人人材の活用など、建設業、運輸業、造船業等の現場を支える技能人材の確保を図ります。」このように特出しとして発言をされております。

 建設産業における技能労働者の現場は、皆さん御承知のように、長年続いておりましたデフレ不況、また建設投資の減少によりまして、低い賃金、劣悪な労働条件のために、将来の生活不安から働き盛りの若い技能労働者の離職が相次ぎ、同時に、若者のこの業界に入ってくる入職者数も激減をしているところでございます。

 全建総連が毎年、賃金実態調査というものを行っておりまして、これも十万人以上の調査で大変見事な調査だと思っておりますが、二〇一三年の賃金調査では、公共工事の設計労務単価の引き上げをされたにもかかわらず、一日の賃金の平均単価がほぼ同額、あるいは職種によっては減少と、なかなか上昇傾向が見られなかったという結果が出ております。二〇一四年、昨年の五月から七月に行われた賃金調査におきましては、職種によってその上げ幅は異なるものの、おおむね上昇傾向が見られたという明るい結果も出ているところでございます。

 しかしながら、他の業種と比較して適正な賃金であるかどうか、また適正な工期が守られているかどうか、また適正な労働環境がつくられているかどうか、そこは必ずしもそうとは言えない結果、若年技能労働者に魅力がある職場とは言えない状態がまだまだ続いていると言わざるを得ない状況でございます。

 現場からもいろいろな要望が出ておりますが、まず確認をさせていただきたいことは、過去三度にわたって、太田大臣のリーダーシップのもとで公共工事の設計労務単価が引き上げられたわけでありますが、そのことが建設労働者の賃金や下請事業主の契約単価引き上げに反映をされなければ意味がないわけでありまして、このことについての国土交通省の取り組みについてお答えをいただきたいと思います。

    〔委員長退席、大西(英)委員長代理着席〕

北川副大臣 今、建設労務単価と給料の関係、報酬の関係、こういうことで御質問ございました。

 建設産業の担い手を確保するためには、まずは処遇などの労働環境の向上というものが不可欠であるわけです。

 公共工事設計労務単価につきましては、平成二十五年四月の一五・一%、昨年二月の七・一%、そして本年二月の四・二%と三度にわたって引き上げを行いました。

 この三度にわたる労務単価の引き上げが現場の技能労働者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう対応していかなければいけないというふうに思うわけであります。建設業者の団体に対して、繰り返して適正な賃金水準の確保などについて要請をしてまいりました。

 また、昨年の担い手三法の改正により、発注者、受注者の双方に対してダンピング受注を防止するための対策が盛り込まれたことを受け、ダンピング対策の強化に取り組んできたところであります。

 こうした取り組みの結果、現場の技能労働者の賃金は上昇しております。型枠、とび、鉄筋などの現場従事者の年収額は、前年比八・九%の高い伸びというようになっております。

 建設業における現場の担い手を確保していくため、引き続いて賃金上昇の動きが下請も含めた技能労働者にも確実に行き届くよう取り組んでまいります。

 以上でございます。

赤羽委員 ありがとうございます。

 今おっしゃっていただいたように、この公共工事の設計労務単価の引き上げを初め、さまざまな御努力が実りつつあるというところだと思いますが、日本の景気、先行きもまだまだ不確かな面もありますし、現場がどうなるかということは、ぜひ現場との対話を国交省としても率先をしながらフォローアップしていただきたい、こう考えております。

 ちなみに、全建総連の皆さんのコメントの中には、先ほど申し上げましたように、上昇はしているものの、他の業種と比較するとまだまだ厳しい、特に四十歳から四十四歳、いわゆる子育てで一番お金がかかる世帯の所得の向上が求められるという声もありますし、そうしたことも踏まえながら取り組んでいただきたい、こう思います。

 加えて、今賃金の話だけさせていただきましたが、同時に、私が思っておりますのは、社会保険の加入促進というのは大変重要だと考えております。なかなか社会保険の加入が進んでいない現実もあり、そうしたことが将来に対する不安、安定感のなさにつながっていると思っております。

 社会保険の加入促進について国交省としてどのように取り組んでいるのか、お答えをいただきたいと思います。

毛利政府参考人 建設業における担い手、とりわけ若者を確保、育成するためには、御指摘のとおり、賃金水準の確保とあわせまして、社会保険の加入促進が非常に重要でございます。

 私どもは、平成二十九年度に許可業者の社会保険加入率を一〇〇%にすることを目標に掲げまして、関係団体とともに対策を進めております。これによりまして社会保険の加入率は年々上昇しておりまして、企業単位では約九割、労働者単位では約七割までようやく参っております。

 今後、この先さらに加入を進めていくためには、これまで行ってきた行政や元請企業による加入指導だけではなくて、法定福利費が元請企業から下請、現場の労働者までしっかりと行き渡るようにすることが大事だと考えております。

 このため、本年一月に関係者を集めまして、社会保険未加入対策推進協議会、民間の発注者も入っておりますが、協議会を開催いたしまして、法定福利費の確保に向けて関係者がそれぞれ取り組みを強化する、この申し合わせを行いました。

 国交省としましても、これを受けまして、下請指導ガイドラインを改定いたしまして、この協議会における議論の内容も踏まえまして、法定福利費を内訳で明示した見積書の提出を元請から下請への見積もり条件に明示することを新たに盛り込むことといたしました。

 今後も、目標達成に向けまして、建設業における担い手確保のために、発注者、関係団体と一体となりまして社会保険の加入促進に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

赤羽委員 ありがとうございます。

 結局、先ほど副大臣の御答弁にもありましたが、ダンピングが横行してちゃんとした適正な利益がとれない、その結果、現場での従業員、労働者の社会保険の加入が進まない、この悪循環がずっと続いてきたのが最近の日本だったと思います。

 このことが、結局は現場力を失い、技能労働者が減少していく、そういう当然の結果がもたらされた。これを本当に変えていくためには、冒頭お答えいただきましたので結構ですけれども、ダンピングが行われないような、適正な価格で公共工事を初めとする建設投資が行われるように、これは官民合わせて頑張っていかなければいけないことだと思っておりますし、国交省としては、今局長の答弁もありましたように、やったことがどう反映されているかというフォローアップをしっかりして、トレースをしていただきたいと強く要望しておきたい、こう考えております。

 次に、安全対策ということで、ホテル、旅館の耐震診断のことについてちょっと質問を移らせていただきたいと思います。

 これは、実は、出席の委員の皆さんもほとんど関係があるところなので、よく聞いていただけたらと思うんですが、このこと自体は、平成二十五年の十一月に耐震改修促進法が改正され、それが施行されました。これは、昭和五十六年以前に建設された延べ床面積五千平米以上の旅館、ホテルは、本年の年末までに耐震診断を行って、その結果を自治体に報告することが義務づけられております。自治体は、その報告内容を取りまとめた上で公表することになっている。

 しかしながら、この耐震診断にしても耐震改修にしても、これは莫大な費用がかかるということから、国において、この法改正にあわせて、平成二十五年度から二十七年度までの三年間、時限措置として、耐震診断義務づけ対象となる建築物については補助率の引き上げ措置が講じられているということでございます。

 これだけで見ますと、大変しっかりとした制度設計になっているな、私もそう認識をしているんですが、これをよくよく見てみると、ちょっと質問で明らかになりますが、もう三年やっているという中でどれだけ現実に進んでいるか。

 これは、今既に耐震改修の工事が着手されているのは何件あるのか、対象が何件あるうちで何件が着手できているのかということをお答えいただけますか。

    〔大西(英)委員長代理退席、委員長着席〕

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十五年の耐震改修促進法の改正により、耐震診断の義務づけの対象となった大規模建築物は全国で約一万二千件あり、このうち、ホテル、旅館が七百七十件となっております。このうち、四百六十件は耐震診断に着手をしておりますが、国の補助制度を活用して耐震改修工事に着手したものは、現段階では十二件でございます。

赤羽委員 今お答えいただきましたように、七百七十件のうち、今年度で終わる特例の制度でありながら、まだ十二件しか着手できていない。これはいろいろな理由があると思うんですね。

 それで、私は、その対象のところがなかなか進まないという問題と同時に、では、非対象の中小の旅館、ホテルはそのままでいいのかというと、これはそうじゃないんですね。対象のところが改修工事をする、そうすると適正マークがつく。その適正マークがついていないところはどうなんだという話に当然なる。中小、小規模の旅館もやらざるを得なくなる。しかし、その中小・小規模事業者は義務づけがされていないので、補助金の上乗せの対象となっていない。このままのスキームでは絶対うまくいかない。いろいろ現場で話を聞いておりますと、そう感じているんです。

 まず、大前提として、耐震改修というのは国だけの補助制度じゃなくて、国も相当踏み込んでいるんだけれども、各都道府県もやってもらうということで初めて事業者が耐震診断ですと六分の一で済む、本当はそういうスキームなんですが、現実に見てみると、全国四十七都道府県のうち、平成二十七年年度当初で、県独自の補助制度の創設を予定していないのが十四県もあるんですね。これは出席の委員の皆さんの地元も必ずかかわっているので、そうすると、その十四の県の旅館、ホテルの対象の事業者においては、六分の一で済むという特段のその条件を受けられない。これは、ある意味では、ホテル、旅館というのは全国の地域間競争であるにもかかわらず、四十七都道府県のうちの十四の府県の中にあります旅館、ホテルは著しくハンディを背負う形になるわけです。

 私は、そういう状況が整備されない中で、本年末に自治体に報告が義務づけられていて、その報告を自治体が公表なんかすると大変な風評被害、これだけ景気が回復してくる、観光はそのトップリーダーである状況で、極めて大きな、深刻な影響がもたらされてしまう、こう考えているんです。

 まず、その十四の県、全く創設の予定がないというふうに報告を受けておりますが、こうした極めて不公平な状態に置かれることについて、その対策をどうとられているのか、また、どうとろうとされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

橋本政府参考人 御指摘のとおり、国の補助制度、特に補助金の上乗せをしておりますけれども、これは地方公共団体の補助制度があることが前提になっております。

 このため、一昨年から、住宅局の担当審議官が都道府県の副知事あるいは担当部長、それから市長さん、町長さんを直接訪問いたしまして、制度の創設を要請してまいりました。また、各ブロックごとに都道府県、政令市の担当課長を集めた会議を今まで八回開催してきております。

 この結果、昨年末時点では補助制度を設けられておった都府県が十八でございましたけれども、二十七年度当初予算において十五道府県が追加をされて、三十三都道府県となっておるところでございます。

 ただ、残り十四につきましてはまだ動きがないということでございまして、引き続き、なるべく高いレベルで、それぞれの府県あるいは市、町に働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。

赤羽委員 参考までに、委員の皆さんにも関係があるので、あえて私から申し上げますが、青森県、山形県、栃木県、群馬県、新潟県、富山県、石川県、福井県、千葉県、山梨県、滋賀県、広島県、鹿児島県、沖縄県。関係の委員の方も必ずいると思うので、御地元のホテル、旅館が著しく不利な状況に置かれる、これは全く人ごとではないはずで、ぜひ委員の皆さんも地元でどうなっているかと認識をしていただきたいと思います。

 これは、国交省としても情報公開をして、やはり県が知らぬ顔でいられなくするということはすごく大事だと思いますよ。耐震改修を進めるという意味では、ぜひこれはホームページ上に公開するような手段を考えるべきだと私は思いますが、どうですか。

橋本政府参考人 耐震改修を進める上で、国の補助制度が活用されることは大変重要でございます。

 そのための前提条件となる各地方公共団体の制度がどのような状況にあるか、広くホームページの活用等も含めて提供してまいりたいと考えております。

赤羽委員 駅のバリアフリー化、交通バリアフリー法を制定して、なかなか駅のバリアフリーが進まなかった状況がありましたけれども、あれも、ホームページに全部載せて、やはり常識として公共機関はバリアフリー化が当たり前だという、世の中の状況を変えていったということは大変大きな効果があったと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 また、耐震診断、耐震改修工事が進まない大きな理由は、この制度設計の単価が実勢の単価と相当乖離している。ですから、形は六分の一で済むといっても、現実には、値段を換算すると全くそういう状況にならない。特にホテル、旅館というのは、学校の耐震化なんかと比べると粗っぽいことができないんですね。やはり景観を壊さないとか、複雑な建物の耐震化ですから、どこまで補助金を出すかということはいろいろ議論があるかとも思いますけれども。

 この設定単価、改修工事は例えば四万八千七百円とか、耐震診断もそれぞれ設定がありますが、これは相当前の単価が使われているというふうに、私はそう認識しておりますが、この点について検討するべきだと思いますが、御回答をよろしくお願いしたいと思います。

橋本政府参考人 御指摘の耐震改修の補助金の単価でございますけれども、これは平成七年度の補助制度創設時に設定をしたものでございますが、昭和五十五年度から昭和六十三年度に行われた耐震改修工事の費用を踏まえて設定をしたものでございます。

 しかしながら、議員御指摘のとおり、直近の工事費の動向を踏まえて実勢と見合ったものにすることが重要と考えておりまして、平成二十八年度予算要求において単価の見直しを盛り込んでいきたいというふうに考えております。

赤羽委員 単価の見直しを来年度ということになりますと、今の制度が二十七年度で終了するわけですから、当然、もう少し中長期のスパンにしないと到底無理があるということを言っておきたい、こう思っております。

 また、ちょっと別の観点から、当然、この改修工事にかかるときには、旅館業ですから、棟を別にして、工事をしながら営業するというのも大変厳しい選択だと思います。特にロビーの耐震化を一番やらなければいけない。ロビーの耐震工事をやっているときに営業ができるわけではないわけですね。

 五百ぐらいの部屋があったときに、例えば二百減らすといったときに、最も頭を悩まされているまた別の点は、従業員をどうするかということなんですね。その従業員を、旅館業というのは本当に多くの人を雇いながら商売をしているという形態でありまして、今のこの時世ですから、耐震工事の期間に首を切ったりすれば、その旅館に対する信頼性というものを著しく欠くことになりますし、また、一度首を切ってしまったら、再雇用というか、人を集めることは極めて難しい状況であります。

 このことというのは非常に大きな問題であって、休業補償みたいなことをどうするか。まず、普通に考えれば、雇用調整助成金の活用ができないかと考えているんですけれども、なかなか難しいという話も厚労省から来ておりますが、きょう厚労省、来ていただいていると思いますので、なぜこれが適用できないのか、お答えをいただきたい、こう思います。

広畑政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員御指摘の雇用保険法に基づきます雇用調整助成金でございますが、この助成金は、この法律第六十二条第一項第一号に基づきまして、景気の変動、産業構造の変化などに伴う経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされました事業主が、一時的に休業等を行いまして、労働者の雇用の維持を図る場合に、休業手当、賃金などの一部を助成するものでございます。例えばリーマン・ショックの際には、製造業を中心としまして多くの支払いがなされました。

 今の御指摘の件でございますが、一般論として申し上げますと、経済的な理由ではない耐震改修工事を実施することによって生ずる事業活動の縮小、すなわち、売上高の減少を理由といたしまして従業員を休業させる場合には、この助成金の支給対象とするのは困難でございます。

 以上でございます。

赤羽委員 役人の理屈というのは、僕は余りよくわからないんですけれども、何の理由かは別にして、その結果として、これは、主な支給要件が、最近三カ月の生産量、売上高などの生産指標が前年同期と比べて一〇%以上減少していること、こうあります。これは厚労省が出された書類ですから、そのとおりだと思うんですね。経済上の理由というと、またリマークがあって、今のお答えにあるように、リーマン・ショックとか。

 しかし、経済上の理由云々ということよりも、理由はともあれ、結果として事業者が経営困難に陥るようなときに雇用の維持を図るために雇用調整助成金を出すというのは、この雇用調整助成金を制度設計したときの目的には今回みたいなことは合っているはずだと私は思うんですけれども、その趣旨はどうなんでしょうか。今、申しわけないけれども、先ほどいただいた答弁では、ああ、そうですかとはなかなか言えない話なんですけれども、どうでしょうか。

広畑政府参考人 今御指摘ございましたように、雇用調整助成金は経済上の理由による休業を対象としております。これは、この助成金が事業主が納めました雇用保険料を原資といたしまして、事業主の共同連帯によって対応する雇用保険二事業として実施していることによります。

 このため、災害あるいは法令、規制等によって休業する、こういった場合については、事業主の共同連帯により対応すべきものではないということで対象としておりません。

赤羽委員 事業主の共同連帯により対応すべきでないものについては従前から助成対象としておりませんという説明も見ているんだけれども、全然わからないんですよ、読んでいて。後で聞かせてもらえればいいんだけれども。

 こういうことですか。だから、雇用調整助成金では対象にできないので、そうしたことについては他のやり方で休業補償なりを考えるべきだ、こういう主張ですか。災害なんかでは、雇用調整助成金の対象にできなくても、災害に関するときの休業補償なり経営に対する補償というのがいろいろあると思うので、ありていに言えば、耐震改修をやるんだったら国交省でその間の休業補償を考えるべきだ、こういう主張ですか。

広畑政府参考人 繰り返しになりますけれども、雇用調整助成金の趣旨からいたしますと、ストレートには、耐震改修工事そのものによって休業するというふうに問われますと、なかなか対象にするのは難しいということでございます。

赤羽委員 では、ちょっと国交省の副大臣で、どなたでもいいですけれども答えてほしいんだけれども、やはり当然、人手を抱えているホテル、旅館業が耐震改修工事に入ると、相当長期間になるわけです。その期間、従業員の雇用を維持させたいと思っているときに、何らかの手を打たなければ現実にはできないんですよね。

 当然、義務を課したり、耐震化を進めるということは僕はいいと思うんだけれども、もちろんいいことなんだし、旅館業もやりたいと思っているんですけれども、やれる環境をつくるのは、やはり政府としては責任があるのではないかと思いますが、どうでしょうか。

北川副大臣 非常に重要な問題を指摘していただいておるというように思います。

 この問題につきましては、旅館業、そういうものを管轄しております我々国土交通省、それから厚生労働省、あるいはまたそれの営業をしておられる民間の方々と十分に意見交換をして、そして一定の方向をやはり見出していかなければいけないというような思いが、今、お話を聞きながら、そういう思いがいたしました。

赤羽委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 もう時間が限られています。最後に、この前、大臣の所信の中に、東日本大震災からの復興の欄で、「常磐自動車道が三月一日に全線開通するなど、道路、鉄道などの基幹インフラの復旧は着実に進んでいます。」こういう表現がございました。

 常磐道が三月一日に全線開通したというのは、大変すばらしい、被災地にとっては本当に大きな励みになったことだと思います。昨年、太田大臣が、ゴールデンウイーク明けまでには何とかするという宣言をされて、それが希望の光となって被災地の皆さんは頑張られてきた。それが図らずも三月一日という随分前倒しで全線開通されたというのは、すばらしいことだと思っております。

 片や、JR常磐線は全く着手できていない。この前、四つに分けて展望が見えて、総理からも全線開通の指示が出て、よく見ますと、いわゆる一番の福島県の被災地域の間は、いつどうなるかというのは全く具体的には明示されていない。

 私、現地対策本部長で一年八カ月間ずっと通いながら、とにかくJRの常磐線の復旧に対する足跡が全くないということは、被災地に大変大きな実はダメージを与えている。ですから、JRにも随分言いましたけれども、なかなか腰が重い。

 結局、いつ開通するかというのはまだ先の宿題としても、そのための準備として、例えば前田川にかかる橋脚が落下しているんですね。ここなんかは放射線量は極めて低くて、ここが、工事は三年ないし三年半かかると言っているんですよ。今から着手しても三年半後なんですよ。ということは、三・一一から七年とか八年後なんですよ。ですから、全線開通となるとその先になるという、極めてインフラが着実に前進しているとは言えない状況だと私は思っておるんです。

 この前田川の一番の橋脚の復旧工事について具体的な見通しがどうなのかということと同時に、時間もありませんので、今、被災十二市町村がこれからの将来像というのを復興庁のリードのもとでやっているんですけれども、この夏に取りまとめがあるんですけれども、その取りまとめの段階のときに、JR常磐線が今のままだと町の将来像を描けるわけがないんですよね。

 駅を中心に町を再開させていこうみたいな絵を描こうと思っているのに、常磐線がどうなるのか全くわからないという話では全くリアリティーのない将来像になってしまうので、この夏に向けて、ぜひJR常磐線としての復旧工事を含めた部分の見通しを出させるべきだと思いますが、最後の質問ですので、お答え、よろしくお願いします。

藤田政府参考人 御指摘の第一前田川橋梁でございますけれども、帰還困難区域内にございます。これまで、ほとんど手つかずでございました。ただ、本年一月二十日から被害状況調査をJR東日本において実施しております。

 また、先般の全線開通という方針を踏まえまして、来年度から設計調査に着手し、設計完了後は引き続き土木工事を進める予定になってございます。

 従来は帰還に合わせてという方針でございましたけれども、今般、区域の見直しあるいは帰還の動向と切り離して工事を進める、こういう方針で取り組んでいるところでございます。

 ただ、では、いつできるのか、いつ完了するのかということにつきましては、設計調査を進める中で決まってくるために現時点ではお示しできる状況にはございませんけれども、いずれにしましても、なるべく早くその時期を示せるように、引き続きJR東日本に対して指導してまいりたいと思っております。

赤羽委員 何となく、ずっと思うんですけれども、国交省はJRに非常に弱腰だという印象があるんです。そうなると、基幹のインフラというのは本当に民営化していいのかどうかという話にもつながっていってしまうんですよ。

 私は、危機対応なんかのときに融通性がきかないような民営化というのはよくない、その部分だけ思いますので、やはり復興というのは政権の一番の大きなテーマでありますから、そこにしっかり足並みをそろえるように、しっかりと指導してもらうということを強く求めて、質問を終わらせていただきたいと思います。

今村委員長 次に、宮崎岳志君。

宮崎(岳)委員 民主党・無所属クラブの宮崎岳志でございます。

 本日は、今、世間を大変騒がせて、不安感を多くの方に与えております免震の偽装事件についてお伺いをしたいと思います。

 質問は、一応二つのテーマを用意しましたが、もし時間があれば二つ目に行きたいと思いますけれども、まず免震のお話をさせていただきたいと思うんです。

 免震構造のビルに使われる免震装置のゴム部品、いわゆる免震ゴムに関してこのたび不正が発覚したということであります。かつて耐震偽装問題というのが大変世の中を大きく騒がせたわけでありますが、それに倣って免震偽装というふうにも呼ばれているわけであります。

 東洋ゴム工業株式会社が製造した免震ゴムについて、性能のデータが偽装され、基準を満たさない不良品が出荷されたり、また、偽装されたデータに基づいて製品の大臣認定が不正に取得をされていたということでありまして、ちょうど一週間前、先週の金曜日、三月十三日に東洋ゴム工業と国土交通省がそれぞれ発表をしております。それで、同社が大臣認定の取り下げを申請して、国交省が認定を取り消したというふうに発表されているわけであります。

 私も、昨日、直接東洋ゴム工業の方にお話を伺いまして、どういうことなんでしょうかということで内容も聞かせていただいたんですけれども、大変な問題だなという思いを一層強くしたところであります。

 現在までに国交省が把握している事案の概要、それから、このような場合、最悪の場合にどのような被害が想定されるのか、この二つについてまず伺いたいと思います。

橋本政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、東洋ゴム工業が、これまでに大臣認定を取得した十二件の高減衰ゴム系積層ゴム支承、積層ゴムを使った免震装置でございます、この五件の認定に係るものについて、大臣認定に示された地震の揺れを抑える能力を有しない製品を販売していたということでございます。

 具体的には、大臣認定の内容よりも減衰定数が小さく、剛性が大きい免震材料が販売されておりました。この場合、地震の揺れを抑える効果が小さくなり、建物の揺れが想定よりも大きくなるおそれがございます。

 大臣認定不適合が判明した棟数、建築物の数は全体で五十五棟。所在地は、高知県九棟、神奈川県六棟、宮城県、東京都及び愛知県にそれぞれ五棟、その他の府県で合わせて二十五棟となっております。

 また、御指摘のとおり、東洋ゴム工業が、さきに申し上げました不正な製品の出荷の実績をもとに平成十八年以降に免震材料の大臣認定を申請し、これを受けております。

 国土交通省におきましては、大臣認定を取り消すとともに、東洋ゴム工業に対し、建物所有者への早急な説明、それから構造安全性の検証、原因究明、その他必要な対策を講ずることを指示しております。

 それから、このことに伴う影響というか、最悪の場合ということでございますけれども、確かに地震の揺れを抑える効果が小さくなっておるのは事実でございます。ただし、対象建築物については、建築物全体の構造安全性が損なわれているというものではなくて、免震装置によって建築物の揺れを抑える機能が低下をしているというふうに考えております。

 個別の建物の強度等については、当然、構造計算を全てやり直してみなければ確定的なことは申し上げられませんが、これは、免震構造の有識者で、私どもがこの免震構造についていろいろ御指導いただいている東京理科大学の北村春幸教授にお伺いをしましたところ、免震建築物は、一般論として、極めてまれに発生するおそれがある大地震動に対して二割ないし三割程度は余裕を持って設計をしている、したがって、免震ゴムがかわったとしても、その余裕の範囲におさまると思われ、例えば倒壊まで至るようなことはまずないとの見解をいただいておるところでございます。

 今後、いずれにいたしましても、当該免震材料が設置された建築物の構造安全性について、東洋ゴム工業に対して速やかに検証するよう指示をしておるところでございます。

宮崎(岳)委員 ありがとうございます。

 今御説明にあったように、倒壊にまで至る可能性はまずないという話でした。もともとが万が一の地震に備えているものですから、まずないというのも当然でありますが、しかし、まずないということはゼロではないということでもあるわけです。実際に、この中にあるゴムの性能が実際の性能の半分程度、五〇%程度しかないものも紛れ込んでいたということでありまして、もちろん全てが不良品ではないんでしょうから、まずないであろうとは思いますけれども、しかし、倒壊ということも、これは万々が一ないわけでもないという、そのような状況であると思います。

 そんな中で、今回の免震偽装というのは非常にやはり重要な問題でして、なぜ重大かというと、今回の免震ゴムを使うような建物はどういう建物かということなんですね。免震構造をわざわざつくるような建物はどういう建物かというと、つまり、絶対に地震等で損害を受けては困るような建物が多いわけですよね。つまり、防災拠点に使われているということです。特に、災害発生時に避難や救援の司令塔になります県庁や市役所の庁舎、それから被災者の救援の主役となる警察署、消防本部庁舎、それから負傷者を受け入れて治療に当たる病院、さらには災害情報の提供や避難の呼びかけを行うNHKの放送局の建物、こういったものに使われているところで今回偽装が発覚をしているということなんですね。

 最悪の場合、倒壊まではしないにしても、そういう建物で性能が劣ったものが使われたというために、例えば県庁や市役所が機能しなかったとか、あるいは消防や警察の出動に差し支えたとか、病院が負傷者を受け入れられなかったとか、NHKがテレビ、ラジオが放送できなかったとか、こういったことになれば、本当に重大な、さらに二次、三次の被害にもつながりかねないという状況だと思うんですね。致命的な初動のおくれをもたらしかねない。

 この件について、国は現在どのような対応を行っておりますでしょうか。

 また、国交省へ会社から一報が入ったのがことしの二月九日というふうに聞いておりますが、この問題が対外的に公表されて、あるいはビルの居住者等に報告されるまでに一カ月以上たっております。この間、何でこんなに時間がかかっているのかなという疑問もあるわけでありますけれども、いかがでしょうか。

太田国務大臣 この間の約一カ月の経過については事務方からお話をしますが、宮崎先生おっしゃるとおり、免震、これは全国で今三千ございます。ここは、例えば、おっしゃったとおりでありますし、NHKもそうでありましょう。病院ということでいえば、手術をしていたといった場合でもきちっとできるというようなこと、あるいは、透析をしていた、そういうものが外れないように。そういうことですから、建物全体が倒壊するということについては、恐らくないということだと思います。

 しかし、それも、可能性があるかないかということも含めまして、今私が指示をしておりますのは、とにかく来週の中ごろまでに、震度五強に耐えられる、これは倒れないということです、耐えられる通常の建物かどうかということをデータに基づいてきちっと検証させる。当初、ずっとおくらせておりましたが、来週中ごろまでに、まずここは普通の地震では倒れないよということをお知らせするということをやりなさいと。

 それから、一カ月かかると言われておりましたが、今月末までに、震度六強から七程度という最大級の地震に対する安全性の検証。これは生データがありますから、それで全部、構造分析というのは、私も専門の端くれでありますけれども、耐震工学を専攻したのでよくわかるんですけれども、非常に複雑な計算をしなくてはなりませんが、おかげで生データが残っておりますものですから、コンピューターを回して、今月末までに、この建物はどこまで耐え得るかということについて、それぞれの建物ごとに、五十五棟全部調査を終えるように指示をいたしました。

 そうしたことで、その後これは取りかえ作業とかいろいろなことになると思いますが、まずそこまできちっとやって、その後は全部入れかえという、これは相当工事は時間が、バランスもありまして、一個だけ外してジャッキで上げてというわけにはいかない。そのまま住んだままということになりますと、バランスで、ちょっと崩れますとクラックが入りますから、これは三カ月とか普通はかかると言われていますけれども。

 そうした取りかえということについてはどうするかという三段階で、来週、まず安全なところ、そして、どこまで耐え得るかということについては今月末、その後の展開についてはそこでそれぞれの建物ごとと御相談ということになると思いますが、大体そういうスケジュール感で対応をするようにということで、今対応を急がせているところでございます。

 この一カ月の経過については、事務方からお話をさせていただきます。

橋本政府参考人 経過について御報告を申し上げます。

 本年二月九日月曜日に、東洋ゴム工業株式会社から、建築基準法第三十七条違反の疑いがあるという報告を受けました。

 これに対しまして、国土交通省から、事実関係を整理して早急に提出するよう指示をいたしましたが、東洋ゴム工業において正確な調査データを収集するのに時間を要してしまいました。

 その結果、東洋ゴム工業から正式に、三月十二日木曜日に、不正があった旨の報告を受けまして、翌十三日に大臣認定を取り消したところでございます。

 なお、所有者等の安全、安心の確保が最優先であるということから、三月十三日、東洋ゴム工業に対しましては、所有者に対する迅速かつ丁寧な説明、構造安全性の速やかな検証等について指示をいたしました。

 三月十七日火曜日に、庁舎と公立病院については、広く国民が利用することに鑑み、リストの公表を行ったところでございます。

 なお、三月十九日、昨日でございますが、所有者の同意がとれましたので、民間の病院一棟についても公表を行いました。

 三月十七日火曜日には、原因究明と責任の追及、さらなる再発防止策の検討のため、製造時のデータの確認、データの改ざんの状況の確認を目的といたしまして、東洋ゴム工業明石工場に対し、本省職員、それから近畿地方整備局の職員で立入検査を行ったところでございます。

 また、三月十七日火曜日には、北川副大臣をヘッドとする、不正免震材料を用いた建築物の安全対策に関する省内連絡会議を立ち上げ、利用者、居住者の安全の確認、原因究明、責任の追及、制度上の課題の総点検を実施することを決めたところでございます。

 さらに、三月十八日水曜日には、東洋ゴム工業の山本卓司代表取締役社長を国土交通省に呼び、北川副大臣から、会社を挙げて全力で取り組むよう指示書を交付したところでございます。

宮崎(岳)委員 ありがとうございます。

 大臣は、三段階にわたって調査、対応するというお話をされていました。

 私もその会社の方にお会いをして話を聞いたときに、当初自分たちが想定していたスケジュールより、国交省、大臣の指示で、相当早めていろいろな取り組みをやっているんだということになったという話も伺っておりまして、迅速に対応されているのかなというふうに感じております。

 もともと私は新聞記者をやっていたんですけれども、新潟県の中越地震のときに、地震後に現地に入って、現地で免震の装置がある病院を取材したことがございます。院長さんにたしか話を聞いたんだと思いますが、地上とは違って、船をこぐような大きな緩やかな揺れであったということを言われたというのを大変よく覚えているんですが、先ほど大臣がおっしゃったとおり、本当に命にかかわる施設でありますので、これはきちんと対応していただきたいというふうに思います。

 それで、偽装ゴムが使われたビルの情報について、居住者、そのほか使用者、そういう方に提供する、そしてそのビルの安全性を確認して安全を確保するというのが最大の必要なことだろうというふうに思っているわけですが、報道によりますと、まだ自分たちに連絡がないというふうに怒っている方も随分いるというふうなものもあります。

 また、危険だという結果がもし万が一出たならば使用中止にしなければならない。倒壊するほどの危険はないということだとは思うんですが、内部もいろいろなものもありましょうから、倒壊しなければいいというものでもないと思うんですね。

 この住民などへの周知徹底とか安全性の確保、先ほどお話ありましたけれども、こういったものをどうしていくのか。また、今後、例えば損害賠償の責任が生じたりということもあると思うんですが、こういうことについてはどのように対応されますか。

橋本政府参考人 所有者への説明についてでございますが、これにつきましては、三月十三日に、まず最初に、東洋ゴム工業株式会社に対して、所有者に早急に説明することなどを指示いたしました。

 東洋ゴム工業からは、大臣認定不適合が判明した五十五棟全ての所有者に対し、工事を施工したゼネコン等を通じて既に第一報の連絡を実施したとの報告は受けております。また、同じく同社から、所有者への直接の説明についても、所有者との日程調整ができたものから順次進めているとの報告を受けております。

 なお、三月十八日、先ほど申し上げましたけれども、北川副大臣から東洋ゴム工業社長に対して、所有者に対する迅速かつ丁寧な説明及びその状況の報告を指示しております。この所有者に対する説明が適切に実施されるよう、引き続き同社を指導してまいる所存でございます。

 また、先ほど、損害賠償請求なりあるいは修繕等の対応についての御質問があったかと思います。

 まず、建築基準法の基準を満たしていることと、本来、免震装置がついた免震ビルとして、より高次な機能を果たすことは別だというふうに考えております。

 仮に基準法の基準に適合していても、本来、お施主さんが東洋ゴム工業に対して求めた性能が出ていない、免震装置がついていない場合には、当然、不法行為責任で、全額を東洋ゴム工業が修復なり損害賠償請求の責任を負うというふうに考えておりまして、その点も誠実にお施主さんに対応するように同社を指導してまいりたいと考えております。

宮崎(岳)委員 もちろん、安全性を確保する、そして損害を賠償するというのは当然のことだと思います。

 そのゴムは大臣認定を受けていたけれども、性能を満たしていないということで取り消されたという状況ですから、もちろん安全性の問題は一つありますし、そして、大臣認定を受けたものが取り消されたわけですから、私は、これでこの建物は既存不適格になるんでしょうかというふうなことを質問しましたら、いや、違います、違法建築物ですということになります。

 違法建築物になったということは、これをやはり正常な建築物に戻さないと、資産価値そのほか大幅に毀損するということになりますので、これについてはぜひ国交省からもきちんと指導をして、住民の方に損害が行かないように、これは見守っていただきたいということを一言お願い申し上げます。

 そして、原因究明、これが非常に重要だと思うんですね。

 担当者がデータを改ざんしたということはわかったんですが、しかし、その動機がどうもわからない。納期を守るためなのかなというような発言が会社の幹部からあったんですが、それも本当のところよくわからないというような状況でありまして、私も、会社の方に聞いても、隔靴掻痒というか、靴の上から足をかいているような、ちょっともどかしさを感じたわけであります。

 十年以上、同じ課長補佐の方が一人でその分野を担当していて、その方が一人で不正を行った、そして、その方が異動して問題が発生した。何で異動して問題が発生した、気づいたんですかといったら、その方が引き継ぎをしたというんですね、後任の方に。引き継ぎをするときに、その不正のやり方を引き継いだというんですよ。ただ、不正のやり方を引き継いだんだけれども、これは不正だというふうには言わなかった。それで、その後任の方が計算していて、おかしい、何で入れる数字がそのたびに変わるんだろうというようなことで、上司に相談をして発覚をした。だから、本当によくわからないんですね。

 東洋ゴム工業は、二〇〇七年に、耐火パネルですか、この性能を偽装して、やはり当時の社長が辞任に追い込まれて、そのときも大臣認定の性能を満たしていないという問題だったんです。それが二〇〇七年なんですが、この課長補佐の方は、当時、それで中を見直して、監査をして厳しくするみたいな話をしていたんですけれども、この同じ方はその当時からいて、その当時からずっと不正をやっていたという、これが今回の話ですよね。

 だから、とにかく原因をまず究明しないと、このことに限らず、この会社に限らず、やはりまず原因を究明しないと再発防止はできないと思うんですが、原因究明についてはいかがでしょうか。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、東洋ゴム工業の説明によりますと、一人の担当者がデータの補正の部分をブラックボックス化して、改ざんをし続けていたと言っております。

 ただし、これにつきましては、同じ製品開発担当部門に四名から五名程度の職員がいるにもかかわらず、なぜ見抜けなかったのか。それから、同じ事業所内に品質保証部門もあり、なぜ見抜けなかったか。さらに、この事業所は、品質管理の国際規格でありますISO9000の認証もとっております。このISO9000の認証の中では、コンプライアンスあるいは品質管理については厳しく規定をされておるし、また、サーベイランス、工場の立ち入り等も何度も第三者がやっているはずにもかかわらず、なぜ見抜けなかったのか。それから、全ての製品の出荷時試験を行う際、これは出荷時試験を行うことは大臣認定で要件づけておりますけれども、なぜ試験により得られたデータへの補正のプロセスを確認する手だてがなかったのかという点について、これは東洋ゴム工業に対して原因を究明するよう強く求めておるところでございます。

 それから、御指摘がございました平成十九年、二〇〇七年の不正でございますけれども、硬質ウレタン製両面金属面材断熱パネルの不燃性能試験につきまして、試験結果に有利となるように、申請をした仕様と異なる試験体を使用して試験に合格し、不正に大臣認定を取得しておりまして、これにつきましては、翌平成二十年一月八日に、品質監査室による全出荷製品の品質検査の徹底、全従業員を対象としたコンプライアンス研修の実施、不祥事通報者制裁減免制度の新設等を同社がみずから発表して、実施をすると言っております。

 この点についても、正しくちゃんとやられたのかどうかについて今後厳しく追及してまいりたいと考えております。

宮崎(岳)委員 本当に、二〇〇七年に同様の問題を起こして、再発防止を誓って、全社員にコンプライアンス研修を行って、そして監査室みたいなものもつくって、絶対に同じ問題が起こらないようにとやっている間をまたいでこの不正が行われていたということなので、これはちょっと言いようがないところがあるんですね。

 そしてまた、やはり会社の善意だけに任せておいてはいけないと思うんです。これは国交省が、大臣が認定しているものです。性能評価機関に性能評価を行ってもらって、そして国交省が大臣認定を出すというものですが、会社側が今回のように何でもできてしまうというような状況になりますと、それも一担当者の個人的な不正でこれができてしまうということになると、一体大臣認定とは何なのかということになると思うんですね。

 ですから、何でこんなに長期間にわたる不正が国としてもチェックできなかったのか、そしてその再発防止、どうすれば再発を今後防止できるのか、これについて改めてお伺いできますか。

太田国務大臣 東洋ゴム工業が、昨年の二月に基準が適合しないとの疑いを持って、一年間放置して、そして、ことしの二月に、またおかしいということで、しばらくしてからこちらに報告をしてきた。私は、本当に、政治の言葉で遺憾というのだけれども、許しがたいことだと。

 結局、私らの立場で言ってはいけないのかもしれませんが、そういうきちっとした製品をつくることができなかったというところにまず根源があって、それを改ざんしてオーケーをとった、そういう経過の中、原因といっても、製品をつくる原因と、それを届け出していく因とか、いろいろなものを調べ上げなくてはなりません。

 私は、何で一年間調査に全力をこの会社は挙げなかったかと。危ないと思ったら、なぜそんな重大なことについて、調査をしています、調査をしていますみたいなことで終わっていたのかということが、悔しいほど許しがたいことだというふうに思っています。日本が世界に誇る免震技術というものに傷をつけたと私は強く憤りを感じているところであります。

 この大臣認定も、最近は全部、コンピューターで報告されたことについて計算をするということを各段階でやりながら来ているというところがあります。一番最初のデータ、今回の、例のSTAP細胞なんかもそうなんですけれども、その実験をしたり製品をつくっている人自体が悪意を持ってデータを改ざんした場合には、そこのところを見抜くというのが非常に難しいということは事実だと思います。この大臣認定ということについても、中間の指定性能評価機関の性能評価を受ける際に、試験データが正しいという前提のもとで、書面とそしてコンピューターを回すということでやってきているわけです。

 そこで、どういう形でさらに強いチェックを入れるかということについて、なかなか日本には、私は大学時代、昔でありますが、振動台で起振機というのを揺らしていて、それがどう揺れるかということが私の研究テーマで、それが修士論文になっているわけでありますけれども、そうした振動台もなかなかなかったり、あるいは、これは一定周期で揺らして、二秒間隔で揺れた場合ということをコンピューターで計算するということなんですが、余り速く、小さい実験台で揺らすと、誤差でめちゃくちゃなことになりますから。

 そういう機械とかいうこと自体をどこかきちっとしたものにするとか、数が少ないわけでありますものですから、高減衰ゴムという今回のものについては二社しかやっておりませんものですから、その辺、具体的に、この場合はここでしっかりした検査をするとか、いろいろなことの真ん中に何かチェックというものを働かすということを工夫しなければいけないな、このように思っているところです。具体的にこれだというものはまだ見当たらないんですが、私は今、そんな気持ちでいます。

宮崎(岳)委員 先ほどは二〇〇七年の防火パネルの不正があったということで、今回は免震ということで、この会社だけの問題で終わらせてもいけないし、性善説の話で終わらせてもいけないんだと思うんですね。やはり不正が行われることがあるという前提に立って、それはもちろん機械のこともありましょうし、やり方のこともありましょうし、いろいろ考え方はあるんでしょうけれども、やはりもう一度、不正ができない、あるいは不正が発生しても何らかの段階で見抜けるという状況をつくらなければいけないというふうに思います。

 今回の件ですと、現実に、社長さんがぶら下がり会見か何かで言われたのは、昨年の二月におかしいという話が出て、その年の七月に、社長に、問題ありませんでしたという報告が一回上がっているというんですよね。その後、またおかしいという話になって、ことしの二月に報告したんだけれども、国交省に一報が入った段階では、それも何が何やらよくわからないような、正確なことがわからないような情報であったというようなことですから、これは、もし会社の方が内部で、会社ぐるみじゃなかったにしても、ある部署とかが問題ありませんでしたよと閉じてしまったら発覚しなかったかもしれない問題ですよね。永遠に表に出なかったかもしれない。

 そういうことを考えると、やはりこの大臣認定の仕組み、中身自体を、免震ゴムに限らず、全体の仕組みの中を、何か、私もいい知恵ありませんけれども、見直さなきゃならないんじゃないかという思いがしているところであります。

 先ほど、事案の把握から発表までのタイムラグが非常に長かったということがあるんですけれども、何と一年間かかっているんですね、一報を国交省に入れるまでに。これはやはり不誠実だと言われても仕方がない期間だと思うんです。そして、その一年の間、実際にその商品の販売が続けられていた、これもゆゆしき問題です。

 しかも、その一年の間に、代表取締役会長は退任をしておりますし、社長は交代をしておりますし、責任の所在が明らかにならないまま、この問題について責任をとるべき、あるいは果たすべき方々が、意図してか知らぬか、それはわかりませんけれども、かわってしまっている。

 そして、取締役を退任された方もいるわけですから、もしかしたら、例えば退職慰労金がその段階で支払われていたりもするかもしれない。そういったときに、これは、本来であればそれを返上するとか、あるいは減額するとか、そういったことも、やれという話じゃないですが、検討はされるでしょうね、恐らく。何か不祥事が発覚すれば、その責任者であるわけですから。

 そういったこともないままに、一年間、これだけの時間がたってしまって、今の社長さんはこの問題が発生したときにはまだ就任していなかった方だ、こういう状況なわけなんですよね。

 だから、ちょっと考えると、このおくれ、これについても国交省として指摘されているんだと思うんですけれども、会社に対してどういうことをおっしゃっていますか。

橋本政府参考人 少し繰り返しになりますけれども、やはり、昨年二月に疑いがあった段階で当然私どもに一報があって、それから調査に入るべきであったところ、それが全くなされなかったというのはまことに遺憾でございます。

 さらに、先ほども申し上げましたけれども、社内の管理体制、品質管理の体制、それから実は、これは全数、出荷をするときに検査をすることを大臣認定の条件として義務づけているわけですね。その検査をしながら、ブラックボックスのところは見ていなかったということ等について、さらに厳しく東洋ゴム工業に対して、我々も直接入りながら調査をしてまいりたいというふうに考えております。

宮崎(岳)委員 あと、この発表の問題についてもう一点やはり論点があると思うんですが、これは上場株式を公開している企業でありますので、投資家、株主の方がたくさんいらっしゃるわけです。上場企業でありますから、当然、有価証券報告書を出し、そして年三回そのほかに四半期報告書を出し、また、損益に大きな変動があるということが予想されるならば、業績予想の修正、配当予想の修正、そういったものを行う、情報提供を行わなければならないということだと思うんですね。

 この問題を会社が最初に認知してから有価証券報告書は一回、四半期報告書は三回、これまでに出されております。これらの書類には「事業等のリスク」という欄もあるんですけれども、そういうところにも何の記載もない。そして、業績のところにも、免震ゴム事業については最近売り上げがよくありませんなんという記載もしてあるんですね。

 こういった会社の信用そのものにかかわるようなことを一年間伏せ続けていたということ、こういったことは株主代表訴訟にもつながりかねないような問題だと思いますし、情報提供がおくれたために投資家も損害をこうむった方もいるでしょうし、また、そういった金融的な観点からの問題点もあると思うんですが、これについて、株式市場を所管する金融庁の方ではどう捉えていて、また、今後どういう指導を行っていくというふうに考えられておりますでしょうか。

小野政府参考人 お答え申し上げます。

 まず一般論として申し上げますれば、上場会社につきましては、証券取引所の規則に基づきまして、上場会社自身あるいはその子会社などにおきまして投資者の投資判断に重要な影響を与える事実が発生した場合には、直ちにその内容を開示しなければならないとされております。

 本件に関しましては、三月十三日に、東洋ゴム工業株式会社より、子会社が製造、販売した建築材料の一部が国土交通大臣認定の性能評価基準に適合していないとの事実が判明したことや、過去の国土交通大臣認定の取得に際し、技術的な根拠のない申請により認定を受けていた事実が判明し、認定の取り消しを受けたことなどについて適時開示が行われているところでございます。

 適時開示が適切なタイミングで行われたかどうかにつきましては、個々の事案に応じまして、投資者の投資判断に重要な影響を与える事実がいつ発生したと認定されるかによること、さらに、その認定は一義的には取引所において行われるべきものでございますので、個々の事案について当てはめていくということになると存じます。

 ただ、一般論として申し上げますれば、取引所におきまして、上場会社の開示が不適切であったと判断した場合、取引所は、必要と認めるときには、例えば規則に違反した旨の公表を行う、あるいは改善報告書の提出を求める、さらには、会社の内部管理体制の状況等について改善の必要性が高いと認める場合には、特設注意市場銘柄に指定を行うなどの所要の措置を講ずることとなっているところでございます。

宮崎(岳)委員 これについては、個々の事案によるというのはそのとおりなんでしょうけれども、この事案は、私は一般的な感覚で捉えればやはり問題がかなりあるんじゃないかなというふうに思います。専門的なところになりますので、どの事案がどのタイミングが適切なのかというのはわかりませんけれども、それにしても長過ぎるんじゃないかなというのが感覚であります。

 そして、時間も余りありませんのでちょっと重要なことを伺いたいのですが、免震部品が使われているビルというのは大変たくさんありまして、東洋ゴム工業のものだけではありません。これまで明らかになったことは、誰でもやろうと思えば不正ができるという状況に今あるということなんですね。他の会社を信用しないわけではないですが、それでも、だから、ほかの会社なら安全なんだと言い切れるような状況でもないだろうというふうに思います。

 私は、一旦やはり全ての会社の部品について、今回、免震ビルが全国に三千棟程度ということでありますから、一回全て調べるべきだというふうに思います。調べ方についてはいろいろあるでしょうが、これは一旦全例検査をやっていただけないでしょうか。

橋本政府参考人 積層ゴムを使った免震装置を出しているところは、東洋ゴム工業のほかに二十六社ございます。認定の件数は百七十件ございます。

 全てを調査するかどうかは別といたしまして、能力の限界もございますけれども、例えばサンプリング調査とか、あるいは出荷時にちゃんとデータが残っていて、それを今検証してみたら大丈夫であるか等については、当然我々としては検証すべきだと思っています。

 また、三十七条認定に基づく製品というのが大体五千種類ぐらいございますけれども、これらについても、各社自主的にまず自分でチェックをしてみて、それをちゃんと報告していただくというところから始めて、さらに認定の信頼性を高めるように取り組みを進めてまいりたいと考えております。

宮崎(岳)委員 今のはちょっと中途半端なお答えだと思います。

 免震ゴム、こういった問題は、やはり発覚したときに大々的に調べないと、後から調べるというのは難しいんですよ。私は、いろいろな分野でいろいろな問題がこれまであったと思うけれども、そのときに幅広い調査を行って、それでいろいろな問題が明らかになったというケースは多いと思うんですね。

 今回はデータの改ざんですから、会社にデータが残っていれば、そのデータを照らし合わせることで調査はできるわけですよね。国交省が直接行うということじゃなくても、各メーカーに、免震ゴムの性能についてきちんと再度確認せよ、そしてそれを報告せよというようなことぐらいはやらせないと。これまで使っている全ての製品について、データが会社に残っているはずですから、それをやらせてくださいよ。

橋本政府参考人 失礼をいたしました。

 一応、昨日、積層ゴムを使った免震装置に関しましては、各社に再度点検をするように指示いたしました。申しわけございません、私が落としておりました。それ以外の認定品については、まずは各社で自主的に点検をして報告するようにということを求めます。

 繰り返しになりますけれども、積層ゴムを使った免震装置については、直ちに各社まず自己点検をするように、それを報告するようにということで、昨日指示をいたしております。

宮崎(岳)委員 時間になりましたので終わりますけれども、今言った検査については、きちんと数値の検証をさせて、そしてその結果、問題があったのかなかったのか。私は、全くないということはないと思いますよ。だから、必ず報告をさせて、安心できる免震ビルをこれからも使い続けられるようにしていただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

今村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時八分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

今村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。本村賢太郎君。

本村(賢)委員 民主党の本村賢太郎でございます。太田大臣を初め、どうぞ御指導よろしくお願いいたします。

 大臣の所信をお聞きしまして、景気・経済の再生、被災地の復興加速、防災・減災を初めとする危機管理の三本柱に加え、地方の創生といった課題について、施策の前進を実感いただけるようと述べていらっしゃいますけれども、この実感という言葉を、どのようなことを実感とされているのか、まず冒頭にお伺いいたします。

太田国務大臣 国民の皆様に景気・経済再生の実感ということで、地域や家計やあるいは中小企業においても景気がよくなったなと思っていただくというところに焦点を当てて取り組む必要があると思いますし、また、経済にかかわることといえば、国交省としては観光がございます。外国人旅行者を地方に呼び込んで消費の拡大を図るということで、地方の方々に地域経済の活性化を実感していただければと強く思っております。

 また、東日本大震災の復興の実感ということにつきましては、去年からずっと言っていたわけですが、やっと去年四月に三陸鉄道が開通しまして、三月一日、この間、常磐道が全通をしまして、道路を初めとして鉄道、そうしたことが一歩ずつ前進している姿が見えるということは大変な喜びであるということを私自身が感じておりましたものですから、いよいよ、住宅とかまちづくりがおくれているというふうに言われますが、そこを大きく進めていく、早く仮設から出られるような状態をつくるということが大事だと思います。

 防災・減災を初めとする危機管理ということにつきましては、首都直下やあるいは南海トラフの地震対策という、まちづくりが、津波防災地域づくり法がかなり各市町村で進んでおりまして、対応していくと同時に、昨今は土砂災害等も非常に多いものですから、少しずつ安心していただけるような、そうした対策を打っていくということが大事だと思いますし、危機管理という点では、尖閣諸島周辺の海域の領海を守るということや、あるいは、昨年は小笠原周辺での中国サンゴ漁船、こうしたことについても対応していく。

 目に見える形であって初めて実感だというふうに思いますので、目に見える成果というものを国民に示していきたい、このように強く思っているところでございます。

本村(賢)委員 太田大臣を初め党派を超えて、目で見える実感というものを国民の皆さんが体感できる国づくりに、またお力添えいただきたいと思っております。

 次に、大臣所信の中で、建設業の現場力こそが日本の底力とも大臣がおっしゃっていらっしゃいまして、昨今では現場の人手不足の問題もあります。平成九年を境に就業者数も百八十万人減少しているということもございますが、人材確保は重要な課題でありまして、そのためには魅力ある現場づくりが重要であると考えております。

 いかに魅力的な現場を実現し、日本の底力を見せるのか、大臣の所見をお伺いいたします。

太田国務大臣 現場で働く人がなかなか、建設産業から去っていく、少なくなっていくという傾向がありまして、国でいうと予算なんかが急にふえたり急に減ったり、両方とも建設業界では困るわけでありまして、平準化し、持続性のある予算組みをして、そして、企業からいきますと見通しがきく。そこで初めて設備投資をしたり、雇うことができるというふうに思います。

 今度は、雇われる方からいきますと、一つは処遇の改善が必要だと思います。処遇の改善というのは、やはり賃金ということになろうと思います。労務単価をこの二年間で、一五%、七%、四・二%と三回上げさせていただきましたが、それをさらに社会保険への加入という形により一層努力して持っていきたい、このように思っています。

 また、最近の若い人は休みがないということについて大変な抵抗があるわけで、ともすると、建設業界は土曜日も日曜日も働いているということがありますものですから、週休二日とか、せめて週一回ぐらいはちゃんと休める、急に休むんじゃなくて、ちゃんと計画が立てられるというような環境整備も大事だと思います。

 また、誇りが非常に失われてきているということもありますし、とにかく公共事業は無駄であるというようなことが振りまかれると、なかなか誇りが得られないということがありますから、自分のつくり上げたものがいかに人に役立つかということを誇りに思っていただいたり、あるいは、地域の老朽化対策ということで、この道路やこの地域は我が企業、俺が守るんだというような、そうした気概と誇りを持てるようにするということが大事なことだと思います。

 私は、現場で働く人というのが非常に少なくなってくると、ビジョンを幾ら立てても担う人がいない。パイロットも、整備工も、運転手も、トラックも、運輸業も、建設業も、電力関係で働く、現場で働く人が少なくなっているということにもっと危機感を持って、その人たちが社会全体として、現場で汗を流す人がとうといのだ、こういう社会をつくっていくということが大事なことだと思っているところです。

本村(賢)委員 私も、学生時代に建設業の現場で働いて学校に通いましたし、また、サラリーマン時代は建設業に携わる仕事をしておりましたので、やはり現場に誇りが持てることが非常に今求められていると思っております。

 私も、いろいろな建設業に携わってまいりまして、今大臣が言ったように、物をつくることに関して、ある意味、芸術に携わるような形にいつも捉えておるものですから、ぜひとも、これからも現場の皆さんに光を当てたお力添えをまたお願いしてまいりたいと思います。

 それでは、地域の活性化について、この所信の中にリニア中央新幹線について言葉がありますので、幾つか触れさせていただきたいと思っております。

 昨今も、リニア中央新幹線全線同時開業推進協議会の調査によりますと、全線開通時は品川―大阪間をリニアを使うという方々が九割、そして、同時開業もしくは早期開業を望んでいる方が九割いらっしゃるというアンケート結果も出ておりまして、リニアの期待も非常に高まっているわけであります。

 また、先日、四十年越しの悲願でありました北陸新幹線も開通をいたしましたし、この十八日に発表された公示地価においても、JR金沢駅前の地価が一七・一%上昇と、北陸がにわかに元気が出てきたんじゃないかなと感じております。

 大臣は、所信におきまして、「リニア中央新幹線について、事業の安全かつ円滑な進捗が図られるよう、JR東海を指導監督してまいります。」と述べていらっしゃいますので、その点を踏まえて、これから数点質問をさせていただきます。

 まず、車両基地の在来線扱いや観光施設等の活用についてお伺いしたいと思っております。

 御承知のとおり、品川から大阪の間、車両基地というのが、私どもの選挙区であります神奈川県相模原市に五十ヘクタールにも及ぶ関東車両基地、そして岐阜県中津川市に中部総合車両基地、六十五ヘクタールが予定されているというふうに承知をしております。

 相模原市や中津川市においても、地域振興の観点から車両基地の活用を望む声が行政や議会からも出ていることは承知をしているところでありますが、それぞれ、大規模な開発を伴う以上、単に車両基地とする以上の活用を検討するべきだなと考えているんですけれども。

 まず、JR西日本に、JR博多駅から八キロほど先に、一九七五年に建設されました山陽新幹線博多総合車両所というものがありまして、その車両所構内に博多南線の博多南駅というのがございます。つまり、回送線や回送車両を使って営業路線化、旅客路線化という形で活用しているところでありまして、この博多南駅は地域の要望が非常に強く、一九七五年の車両所建設以降、十五年後に、一九九〇年に博多南駅が建設をされまして、今、一日の乗降客数が約一・二万人、所要は博多駅から博多南駅まで約九分というふうに伺っております。

 このほか、例えば、上越新幹線、千代田線においても、こうした回送線を営業路線化するという先行事例もございます。ぜひこういった事例に倣いまして、例えば、私の選挙区であります神奈川新駅予定地、JR橋本駅、京王線の橋本駅がございますが、ここから約十三キロの地点に関東車両基地が五十ヘクタールで建設をされる予定でございます。ぜひこういった事例を使いながら、回送線や回送車両を営業路線化することに非常に関心を持っております。

 また、車両基地をリニア館等の観光施設として活用したらいいんじゃないかなというふうに私自身は思っているんですが、ぜひ相模原市においても、そして、岐阜県の中津川市の市長さんからもこういった強い要望があるようであります。

 大臣、ここで聞きたいと思いますが、JR西日本の博多南線のように回送線や回送車両を営業路線化すること、そして車両基地をリニア館等の観光施設として活用することに関して、大臣の所見をお伺いいたします。

太田国務大臣 相模原、中津川もそうなんですが、相模原の駅は地下鉄になります。そうしますと、品川から出ましてずっと地下を通ってということで、地上で人がリニア新幹線を見たいと思っても見ることができない、簡単に上るというのはなかなか難しい、こういう状況だと思います。

 今、博多と博多南駅区の話が出ましたけれども、そうした例も具体的にありますということをよく認識した上で、この車両基地、相模原の神奈川県駅からは少し離れるわけでありますけれども、逆に離れるということが、駅ということになるかなという気もするわけでありますけれども、地上に車両があらわれるということ、そしてまた、世界に誇る最先端の超電導技術に触れることができるというようなことから、また観光資源にもなるということから、一考に値する話ではないかというふうに思っております。

 ただし、セキュリティーの問題もありますし、あくまでJR東海の判断の問題だとは思いますが、まず地元の関係者におきまして十分議論をしていただいて、そして、JR東海ともよく相談をしていただくという順番でやっていただければと思っているところです。

本村(賢)委員 神奈川県駅は、JR橋本、そして京王橋本駅がございまして、緑区の鳥屋という地域に五十ヘクタールの関東車両基地ができます。今大臣からお話があったように、距離がありますので、ぜひ、リニアに触れるような観光資源、そして回送線を営業路線化できるような、お力添えをお願いしてまいりたいと思います。

 また、岐阜県の中津川市においても、岐阜県駅から中部総合車両基地まで約二・五キロだということでありまして、こちらは六十五ヘクタール、相模原よりも大きい車両基地ができます。こちらにおいても、中津川市も、やはり観光に特化したような形で利活用していきたいというお話も市長さんから伺っておりますので、ぜひお力添えをまたお願いしてまいりたいと思います。

 次の質問に入らせていただきます。

 次は、リニアの関係で、やはり丁寧な地元への住民説明の実施についてでありまして、昨年十月十七日に大臣より、工事実施計画の認可に当たり、地元住民への丁寧な説明を通じた地域の理解と協力を得ることという形でお話がございました。

 また、相模原市を例に挙げますと、関東車両基地ができます緑区鳥屋という地域でありますが、宮ケ瀬ダムの直下にありまして、この鳥屋地区の住民説明会におきまして、コミュニティーが崩壊してしまうんじゃないかという心配が地域から出ておりまして、この現地説明会においても、入場制限のため説明を受けることができなかった住民もいると聞いております。

 ぜひ、JR東海にはより一層丁寧な住民説明をお願いして、やはり受け入れ側の地域の皆さんの御意見というのをよくよく聞いた上で車両基地の建設を進めていただきたいと考えておりますが、国土交通省の所見をお伺いいたします。

藤田政府参考人 御指摘のとおり、リニア中央新幹線につきましては、地域の方々に丁寧な説明を行い、地域の理解と協力を得ながら工事を進めることが大変大事だと思っておりまして、その旨、JR東海にも常々指導をしているところでございます。

 御指摘の個別の事例、詳細を承知しておりませんけれども、現在行われている自治会単位の説明会は、地区ごとの事業計画等、実際にその地域に居住しておられる方々に説明をする、こういう趣旨で行っておりまして、受付にも、住民の方及びその関係者の方々以外の方の御入場は御遠慮願います、こういった旨の掲示をしているというふうに聞いております。

 鳥屋地区におきましては、この掲示をめぐって、方針をめぐりまして、地域外の方々と若干のやりとりがあったというふうには聞いておりますけれども、いずれにしましても、丁寧な説明を行うように引き続き指導してまいりたいと思います。

本村(賢)委員 ぜひ、御答弁ありましたように、丁寧な住民説明を行っていただくようにJR東海さんに御指導をお願いしてまいりたいと思います。

 次の質問でありますが、所要時間について、これまで質疑が出たのかどうかわかりませんが、ちょっと何点かお伺いしたいと思います。

 現在、JR東海が発表しております品川―名古屋間、速達型の最速で四十分というお話がございますし、また、品川―大阪間、これは最速六十七分で結ばれるという話でありまして、大臣の所信にも、三大都市圏間の人の流れがこのことによって大きく変わっていくんじゃないかというお話もございました。

 私ども、地元は相模原でありまして、中間駅が幾つかあります。例えば、山梨県駅、長野県駅、岐阜県駅、そして私どもの神奈川県駅と中間駅があるんです。

 例えば、私たちの神奈川県駅におきましては、一時間に六本走るリニア中央新幹線のうち一本、各停型と言っていいんでしょうか、各駅停車のリニアが走るんじゃないかというお話を伺っているんですが、例えば、品川から神奈川駅間、神奈川駅から山梨県駅、さらには、もっと言うと、品川からこの各停型で行った場合、名古屋まで、大阪までどのぐらいの時間がかかるのか、御承知でしょうか。

藤田政府参考人 リニア中央新幹線の運行ダイヤにつきましては、開業時点におきまして、その旅客需要、あるいは実際の路線での運行状況を考慮いたしまして、営業主体、この場合、JR東海が設定することとなります。

 したがいまして、現時点では各駅間の所要時間は明らかではございません。

本村(賢)委員 ぜひ、中間駅に住む私たち相模原市民を初め、山梨県、長野県、岐阜県の皆さんからも、中間駅の所要時間というのが非常に関心が高くなっておりますので、できれば早い段階で公表いただけるように、また働きかけをお願いしてまいりたいと思います。

 次の質問に入らせていただきますが、次は、リニア中央新幹線の前倒し開業について御質問させていただきます。

 二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックがございまして、インフラの海外輸出にも、このリニアのお話は非常に大きな好機ではないかと思っております。この機会に、世界に対してリニア中央新幹線をアピールすることは重要であると考えておりまして、例えば、一部路線だけでも前倒しして開業できないかと考えております。

 例えば、神奈川県駅となるJR橋本駅、京王の駅までは、京王線やそして小田急線、JR横浜線を使って約五十分程度で橋本に東京都心から行けます。ですから、例えば神奈川県駅から山梨県駅間を試乗区間として前倒しして供用の開始をして、世界のインフラ輸出に対するやはり大きな好機に捉えてはどうかなと思います。

 既に御承知だと思いますが、神奈川県駅から山梨県駅の間には四十二・八キロの山梨リニア実験線がございます。私もこれには乗車したことがございますが、ぜひ、既に四十二・八キロが結ばれているわけでありますので、神奈川県駅から山梨県駅の試乗区間を前倒ししてはどうかということでありまして、どうお考えか、お伺いしたいと思います。

藤田政府参考人 リニア中央新幹線につきまして、部分的にでも、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックまでに前倒しして開業すべきという御要望があることは承知をしております。

 ただ、この区間は、品川あるいは名古屋付近のターミナル駅、あるいは南アルプスの長大トンネルの整備等に十年以上の工期を要することが見込まれております。したがいまして、開業時期の大幅な前倒しは難しいと認識をしております。

 ただ、御指摘のように、この超電導リニアは、全く新しい我が国独自の高速鉄道技術であります。東京オリンピックは、我が国の鉄道分野における技術水準の高さを世界に示す絶好の機会であると考えております。

 このため、例えば、御指摘にもございましたように、山梨のリニア実験線において、東京オリンピック期間中に来日する外国人の方々に超電導リニアを体験していただくとか、そういったことも含めまして、今後、JR東海ともよく相談してまいりたいと考えております。

本村(賢)委員 次に、この所信の中にあります交通の安全、安心の確保について、その中でも航空の安全について数点お伺いしてまいりたいと思います。

 スカイマークの再建についてでありますが、三月十八日にスカイマークに対する債権の届け出が締め切られまして、その総額は、報道によりますと二千五百億円に上るというお話でありまして、一月の民事再生の申請時の負債額七百十億円や、そして総資産額である七百四十一億円を大きく上回っておりまして、大変懸念している次第であります。

 航空は、少しの過失でも多くの人の命を失いかねない点や、特に離島においては生活の足であり、ほかに代替となる交通手段がないという点からも、ほかの公共交通とは若干異なる性質を持つと考えております。国による民間への積極的な介入は避けるべきとは承知しておりますけれども、航空会社の破綻が国民生活にもたらす影響は多大であり、可能な限り未然に防いでいくべきであると考えます。

 規制緩和第一号であるこのスカイマーク、国内第三位の航空会社であったわけでありますが、この破綻の影響は非常に大きいと捉えております。エアバスA380の導入など企業体力を超える大規模な投資など、また、昨今の円安の影響での燃料代の負担が重くなったこともあり、財政状況の悪化が進んだことは残念でなりません。

 昨年の七月、四半期決算のタイミングなど、事前に防ぐことができなかったのか。少なくとも、他社との業務提携など、国土交通省の意思を示すことはできたのではないかと考えます。国土交通省の所見をまずお伺いしたいと思います。

 また、今後、LCCの参入や競争が激化していくこと、そして、特にこの航空業界というのは季節によって収支が大きく変動していくという問題もありまして、今後、破綻する航空会社を出さないための取り組みについてお伺いいたします。

田村政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省といたしましては、これまで、競争を通じた利用者利便の向上を図る観点から、スカイマークを初めとする新規航空会社の参入促進を図り、その育成のために、例えば羽田の発着枠を優先的に配分するなど、さまざまな方策を講じてまいりました。

 これにより、スカイマークは年々利益を上げ、多額の利益剰余金を計上することができるまでに成長をいたしまして、安定的な運航を可能とする企業体力が着実に蓄えられたところでございます。

 しかしながら、先ほど先生もおっしゃいましたように、エアバスA380の導入など、企業体力を超える大規模投資等により財務状況が大きく圧迫され、経営破綻に至ったものと認識をしております。

 このように、今般の経営破綻は個別企業の経営の失敗によるものでありまして、経営破綻を回避する方策があったとしても、それは企業間の出融資等に係る問題であったというふうに認識をしております。

 そういう意味で、国交省として直接関与すべき立場になかったというふうに考えておりますけれども、国交省としては、引き続き、航空会社間の健全、活発な競争を通じて利用者利便の向上を図るという航空政策の基本的な考え方に立って、適切な競争環境の整備を図ってまいりたいというふうに考えております。

本村(賢)委員 一月の二十八日以降、国土交通省の職員がスカイマークにほぼ毎日出向かれて、百人規模で張りつきをしているというお話も伺っておりますが、最近においてスカイマークの安全性で懸念されるような事象はなかったのか、お伺いいたします。

田村政府参考人 一月の十九日に、スカイマークにおきまして、必要な点検が行われないまま航空機を運航させていた事案が発生しました。これに対しまして、一月三十日に、航空局は同社に対しまして厳重注意を行ったところでございます。

 これを受けて、二月の十三日に同社から、整備作業の厳格な確認体制の構築あるいは全社員に対する安全意識の再徹底など、再発防止に係る取り組みについて報告がございました。同社には、これらの取り組みを着実に実施して、安全運航の確保に万全を期していただきたいというふうに考えております。

 国交省としては、今お話にもありましたように、当分の間、同社に対して安全監査を継続的に実施し、再発防止が適切に図られ、運航の安全に必要な整備体制が維持されるよう指導監督を行ってまいりたいと考えております。

本村(賢)委員 スカイマークについて、今のお話のように、安全点検がないまま飛行してしまったお話や、また、今、破綻というイメージにおいて安全性やサービスの低下等、国民の不安が非常に高まっているんじゃないかと思います。こうした風評被害はスカイマークの再建を阻害しかねないものだと考えておりまして、一月の事案のようなことが再発しないようにしなければなりません。

 そこで、監督官庁の長として大臣の所見をお伺いいたします。

太田国務大臣 一月に民事再生手続の申し立てを行ったスカイマークに対しまして、国交省は、輸送の安全が確保されるよう指導監督する、そして利用者への周知、案内などを徹底して行うようにという指導をしています。これについて、運航状況の適時の報告や定期、随時の安全監査などを通じまして、対応状況の確認を連日行っているという状況にございます。

 いずれにしましても、スカイマークにつきましては、今後、裁判所の監督のもと、民事再生法に基づく手続を通じて事業の再生が図られることと思います。国交省としましては、引き続き、スカイマークにおいて円滑な事業再生が図られるよう、その推移を注視してまいりたいと思っているところでございます。

本村(賢)委員 ぜひ、スカイマークを初め、最近では、三月十六日に沖縄の琉球エアーコミューター、RAC八六八便が、離陸前に得なければいけない飛行経路などに関する管制承認を得ずに出発したという事案もありまして、これは沖縄の地方紙に大分掲載されておりました。航空業界で注目されているところでありますので、ぜひ大臣の強いリーダーシップで引き続きの御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、大臣所信の中に、「防災・減災対策、老朽化対策」というものがございまして、この中からちょっと二点御質問してまいりたいと思います。

 まず、防災・減災対策でありますが、大臣は所信表明において、首都直下型地震などの大規模地震について、想定される具体的な被害特性に合わせ、実効性のある対策を推進すると述べられていらっしゃいます。例えば、首都圏の生活の足である鉄道施設、そして先ほど言った航空施設などございますが、きょうはこの鉄道施設について一点お伺いしたいと思います。

 現在、首都圏の生活の足である鉄道施設の耐震について、状況と見通しはどうなっているのか、お伺いいたします。

太田国務大臣 鉄道について耐震化を施すことは非常に大事だというふうに思っておりまして、線路などの鉄道施設の耐震対策、車両の脱線防止、そうしたことを進めています。

 耐震対策としましては、高架橋の柱に鋼板を巻く対策や、棒状補強材、アンカーボルトでぎゅっと引っ張るというものですが、それによって盛り土の補強をするということなどが行われておりまして、私も、JRを初めとする各社に、一番心配なのは盛り土の部分だということを繰り返し言っておりまして、ほとんどのところでそれができています。

 また、駅については、特に非構造部材、崩れるという上に、天井にぶら下がっているいろいろなものが落下するというようなことがありますものですから、この非構造部材の脱落防止策や、あるいは駅舎を筋交いで補強する対策などを行っているところです。

 新幹線につきましては、地震時に脱線させず安全にとめるための早期地震検知システムが導入されているほかに、脱線防止ガード等の設置が進められております。

 また、大動脈でありますJR東海道線等を守るための対策として、一番狭いところになります静岡県の由比等におきまして、豪雨や南海トラフ地震等による大規模な地すべりを防ぐように地すべり対策事業も行っております。かなり今進んでいると思います。

 さらに一層、鉄道の耐震対策については万全を期したいと思っております。

本村(賢)委員 続きまして、首都圏の生活の足である今質問した鉄道施設に関してでありますが、首都直下型地震と南海トラフに約千九百の駅があると言われておりますが、この千九百の駅のうち、どのぐらいの耐震化が進んでいらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省では、東日本大震災を踏まえまして、首都直下地震、南海トラフ地震で震度六強が想定される地域の乗降客一日一万人以上の駅等につきまして、平成二十九年度末までに耐震補強を実施するということを目標にして現在取り組んでおるところでございます。

 駅につきましては、今申し上げた一日一万人以上の駅が千九百ございますけれども、耐震化の終わっておりますのは千七百五十、約九一%という状況でございます。

本村(賢)委員 二十九年度までを目途に、引き続き取り組みを進めていただきたいと思います。

 次の質問でありますが、現在の首都直下型地震における具体的な応急対策活動に関する計画は、平成二十年に策定されているものと承知をしておりますが、この後、平成二十五年十二月に新たな被害想定が発表されていると承知をしております。これを受けて、この計画は見直しをしているのか、また、見直しに向けたスケジュールについてお伺いいたします。

兵谷政府参考人 お答えいたします。

 首都直下地震の新たな被害想定に対する具体的な応急対策活動に関する計画、いわゆる具体計画でございますが、平成二十五年十二月に、中央防災会議に設置しております首都直下地震対策検討ワーキンググループにおきまして、首都直下地震についての被害想定が新たに示されております。それによりますと、最大で死者が二万三千人、被害額では約九十五兆円になるなど、甚大な被害になると想定をされておりますので、国、都県、市町村では、地震発生の直後から応急対策を実施することが必要となります。

 このため、政府といたしましては、警察、消防、自衛隊などの救助活動の内容、あるいは救助部隊の移動、医療チームの応援、物資輸送のための緊急輸送ルートの確保、さらには防災拠点の確保などを具体的に定めたいわゆる具体計画をあらかじめ策定するとしておりまして、御指摘ございましたように、南海トラフ地震につきましては、今年度末、この三月までに策定したいと考えておりますが、首都直下地震につきましても、南海トラフ地震の具体計画に続きまして、来年度中、二十七年度中には策定できるように取り組んでまいります。

本村(賢)委員 首都直下型地震や南海トラフは切迫性が高いと言われておりまして、国民の関心も非常に高いところでありますので、また今後の委員会で追って質問してまいりたいと思いますので、計画に関しては、二十六年度、南海トラフ、そして二十七年度、首都直下型地震、この計画に沿った策定をぜひ鋭意進めていただきたいと願います。

 それでは、次の質問に入らせていただきます。

 大臣所信の中に、「東日本大震災からの復興について、」という記載がありまして、この中に、特出し、かぎ括弧で、「住まいの復興工程表」について言葉がございました。この住まいの復興工程表の最新の状況はどうなっているのか。年度末までに工程どおり戸数が完成するのかどうか。東日本大震災の被災地の皆さんからも心配の声が上がっておりますが、ぜひとも、その中で、この年度末に向かった工程どおりの状況等をお伺いしてまいりたいと思います。

橋本政府参考人 岩手、宮城、福島三県の災害公営住宅につきましては、県、市町村の計画に沿って着実に進捗しておるところでございまして、三月末に、おおむね一万戸の住宅が完成するところまで来ております。

 引き続き、事業主体である県、市町村をきめ細かに支援しながら、着実な事業推進につなげてまいりたいと考えております。

小関政府参考人 民間住宅用地につきましては、二月末時点において、計画戸数約二万戸の一割強に当たる約二千六百戸の造成が完了しております。三月末までに、おおむね四千戸の宅地の造成が完了する見込みです。

 引き続き、事業主体である市町村をきめ細かに支援し、着実な事業推進につなげてまいります。

本村(賢)委員 住まいの復興工程表、災害公営住宅の整備に係る進捗状況、今お話ございました。そして、民間住宅等用の宅地の整備に係る進捗状況についてもお話を聞きました。

 私もちょっとこれは初めて知ったんですが、公営住宅に関しては整備に係る進捗状況でありますし、民間の住宅用地に関してはいわゆる宅地の整備に関する数値でありまして、復興に関するいわゆる住宅の整備等のおくれも被災地から声が漏れ伝わってまいりますので、この計画どおり、国土交通省の指導のもと復興庁と協力をしながら、住まいの復興工程表どおり鋭意進むように、大臣を初めとして皆様のさらなるお力をお願いして、私からの質問を終わりにさせていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 維新の党の井上英孝です。

 今村委員長を初め、また各党の理事の先生方、そしてまた委員の先生方、この通常国会、またどうか御指導いただきますように、よろしくお願いをいたします。また、太田大臣初め政府三役、そして国交省の関係者の皆さん方からも重ねて御指導賜りますように、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。

 また一方で、午前中、我が党の足立委員からの質疑もありましたけれども、ぜひ、特に参考人の皆様方におかれては、真摯で積極的な答弁を改めてお願いしたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、早速ですけれども、質疑に入らせていただきます。リニア中央新幹線についてなんですけれども、二十分と非常に限られた時間ですので、端的に聞かせていただきたいと思います。

 先般行われました予算委員会においても、我が党の馬場国対委員長の方から太田大臣にいろいろと聞かせていただきまして、太田大臣の御答弁も大体よくわかっておりますので、きょうは、同じ地域の出身ということもありますし、副大臣に少し聞かせていただきたいなと。

 副大臣がまだ大阪府議のときに私も大阪市議で、一緒に民謡の会に出たり、さまざまな交流もありまして、もちろん大臣以下皆さん方に敬意を表しておりますし、尊敬もしておるんですけれども、ここはよく知った仲の先輩、後輩ということで御理解をいただいて、甘やかしていただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 また、先般ありましたその予算委員会で我が党の馬場議員からありました質問の趣旨は、二〇二七年名古屋開業後、十八年おくれで二〇四五年となっている大阪と東京の全線開業が少しでも前倒しをできるように、国が主体的に取り組んでいただきたいという旨の質疑をさせていただきました。

 大きくその質疑の中身を三点に分けて言わせていただきますと、まず一点は経済情勢の変化。事業主体でありますJR東海が平成二十二年当時の予測で挙げた経常利益に比べると、今期の経常利益というのがやはり二倍強に拡大しつつある。そういう意味では、資金上の前提条件というのが大きく変わっているというのがまず一点。

 そして二点目は、先ほど申し上げたように、二〇二七年に名古屋までが開業されて、十八年後に大阪まで開業される、この十八年間という空白期間の問題点というのが二点目。

 そして三点目は、そういった状況の中で、この国家的プロジェクトに対して国の主体的な関与というのをお願いしたいというのが、大きく分けて三点が馬場議員からの質疑になります。

 特に私からはこの二点目、名古屋の開業後十八年間とまってしまうということに対しての問題点について、これは先ほど申し上げたように、北川副大臣も私も大阪を選挙区としておる者として、大阪ということだけを捉えているわけではなくて、大阪という都市が、西日本の玄関口というか、一定、牽引役を果たしてきたという歴史的経過もございます。

 また、これから地球規模で、さまざまな国家間また都市間で競争が非常に熾烈になってくる。そういった中で、アジアの中で見ても、やはり日本の社会インフラといいますか、その重要性ということを考えても、この十八年間というのが非常に大きいんじゃないかということを非常に心配しておるところであります。

 では、初めに、先日、大阪府それから大阪市という行政体、それから関経連を初めとした財界も含めた地元の協議会というのが公表しました、リニア中央新幹線に関するアンケート調査結果というのがございます。それをもとにしてお尋ねをしたいと思います。

 きょう委員の皆様方のお手元にお配りしている資料、四枚あるうちのまず一枚目でありますけれども、これは先ほども申し上げたように、予算委員会のときにも引用させていただいたんですけれども、ことしの一月に、関西圏、首都圏のビジネスマンなどを対象にウエブ方式で約一千百人の方から回答をまとめたアンケートだというふうにお聞きをしております。

 その中に、三段ある中の最上段で、二〇二七年、東京から名古屋間が開業した際、主にリニアを利用するか新幹線を利用するか、交通機関でどちらを利用されますかということをお聞きしたところ、その際、利用者に所要時間や利便性が理解しやすいように、地元協議会から資料二も一緒にお見せをした上で選んでいただいております。

 ごらんいただいたとおり、名古屋開業時点では、大阪―東京間の利用者にとって所要時間は二時間五分、二十分短縮されると資料二で書いております。ただ、二十分短縮にはなるんですけれども、名古屋そして品川で二回乗り継ぎが必要になるということになっております。

 その結果、これはまた資料一枚目の一段目なんですけれども、リニアを選んだ方は全体のわずか一割となっています。八割の方が従来の「のぞみ」、新幹線を選んだ。その理由は圧倒的に、乗りかえが不便だからというふうにお答えになられています。

 乗りかえ時間についてはJR東海において短縮策が検討されているというふうにお聞きしておりますけれども、また品川駅から都内中心部に入る方法もあることから、二時間五分を下回るというケースも当然考えられるというふうに思われます。

 しかし、決定的なのは、やはり名古屋の駅で、地上へどれぐらいになるかわかりませんけれども、三十メーターから四十メーターぐらいと言われているリニアの駅から今の新幹線の駅まで移動していくという乗り継ぎ自体に抵抗感を感じておられるユーザーがたくさんおられるというのが現状ではないかというふうに思います。

 私自身も、乗りかえ時間が半分になったとしても、よほど急いでいない限り、やはり、一回乗って、そのままずっと乗っていられる新幹線の方が便利なんじゃないかな。特に荷物なんかでも持っていたら、そちらの方がやはり便利なんじゃないかと思うんですけれども、リニアはリニアで開業いたしますと、今の「のぞみ」の本数を減らして、なるべくリニアに乗っていただくように当然JR東海も進めていくとは思うんですけれども、非常に利便性が低下しそうだ。また、この低下した利便性の状況がやはり十八年間続くということが、先ほどから申し上げているように非常に懸念しているところであります。

 先般、予算委員会の太田大臣の答弁で、国は二十回にも及ぶ交通政策審議会での議論を経て、大阪開業は二〇四五年としたというふうにお聞きをしておりますけれども、今の私の説明の中で、名古屋開業時の大阪―東京間の利用者の利便性について、この結果を見て、北川副大臣、どのように思われますか。

北川副大臣 今、井上委員の方から、時間的な問題、いろいろお話しされました。多少時間が早くなるということであっても、乗りかえの不便、そういうようなことを考えた場合に、名古屋で乗りかえるということではなしに直通で新幹線で行くだろう、こういうお話がございました。これは私も全く同感であります。わざわざ乗りかえをするよりも直通で行った方が非常に便利もいいし、楽だし、こういうように思います。

 ただ、リニア中央新幹線が名古屋まで開通する、それについて、大阪までという意見が非常に強い、希望が強い、こういうようなこともあって、先ほどもお話に出ていましたが、交通政策審議会の方で二十回にわたる有識者の意見交換、審議が行われた。

 その結果、乗りかえというようなことも含めて、リニア中央新幹線と新幹線との乗り継ぎをできるだけ早くできるように工夫する、できるだけ深度も浅く持っていくというようなことも考慮して、大体一時間四十三分ぐらいで結ばれるというような結果が出されているわけで、それによりますと、現行よりも約四十分ほど時間が短縮されるということで、大阪への本当に時間を急ぐ方にとっては、その所要時間という点だけでは、乗りかえというような方法も考えられぬこともないのかなというような思いがしているわけでございます。

 基本的には、先生おっしゃるとおり、直通で大阪まで、十八年もかけるんじゃなしに、できるだけ早く行けるように対応してほしいというのは、その気持ちは、井上先生と私は全く同じでございます。

井上(英)委員 先ほど本村先生の質疑にもあったみたいに、早ければ六十七分というふうにも言われています。そういった中で、副大臣も多分同じ気持ちだと思うんですけれども、今の立場上もよく私も理解しているつもりですけれども、そこで、ある意味、今の立場をいい意味で利用していただいて、がんがんやっていただくのも副大臣に与えられた今の使命じゃないかというふうにも思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それと、資料二の最上段の最速というのが、一番新しい今般のダイヤ改正で二時間二十二分になっていますので、それだけちょっと、製作当時の資料ですので、御理解をいただけたらと思います。

 次に、JR東海の公表資料では、名古屋暫定開業で、資料三ですけれども、二千五百二十三万人が利用するというふうに予測されております。これは、全線開業時の三千百七十九万人の約八割相当で、先ほどのアンケート結果、一割しか利用しないというのに比べて大きく乖離といいますか、差があるんですけれども、どうやらこの数字は、JR東海が実際の利用者の声を反映させたというのではなさそうで、単純に所要時間だけを先ほど言われたように比較して、利用者は時間の短い方を選択するというふうに短絡的に考えたと思われます。

 聞くところによると、さまざまな有識者、先ほど言われた交通政策審議会なんかでも、この乗りかえという問題がやはり懸念されるということは、もう再三再四にわたって議事録でも挙げられておりますし、最終的には、事業主体となるJR東海が移ってくれるという数字を信用したといいますか、そういうことで、一定の審議会での議論というのが着地点になっているというふうに思われます。

 やはり審議会としては、そういう資料も含めて、やむを得ない判断だったのかなと思うんですけれども、利用者からすると、納得しかねるという部分があるかと思います。このままでいって、もしお客さんが移らなければリニア中央新幹線は単独では全くペイしませんし、これはもう当然JR東海も認めているところであります。

 本来は、利益を受ける東京―名古屋間のリニア運賃で賄うべきところが、新幹線の運賃、つまり、先ほど言うところの大阪―東京間の利用者の運賃でリニアの建設費の大半が賄われるということでもあります。ほとんどの利用者は、実際、こういう事情になっているということは余り知られていないというのが現状でもあるかと思います。

 このような負担と受益の問題は審議会でも議論になったと思うんですけれども、この辺、どのように思いますか。鉄道局。

藤田政府参考人 どの区間の利用者がどういう運賃を払って、それがどういうふうに使われるか、これはいろいろな計算の仕方があろうかと思います。御指摘の協議会の方で出された数字も承知しておりますけれども、必ずしもJR東海の実感とも合っていないような部分もあろうかと思いますので、その辺はよく精査をして、客観的な数字でいろいろと議論を進めることは必要ではないかなと思っております。

井上(英)委員 時間も本当にあと五分になりましたので、そういったことを頭の片隅に入れていただいて、やはり大阪までの開通というのを少しでも、同時開通というのがそれはもちろんあれなんですけれども、頭の片隅に入れておいていただけたらと思います。

 この十八年の空白期間というのに関して、やはり非常に深刻な懸念というのを持っています。先ほど申し上げたように、大阪のみならず関西、それからまた関西地方よりも西側の地域に対する利便性というのは明らかに低下するわけであります。また、これが二年、三年の話でしたらそんなに遜色はないかもわかりませんけれども、十八年間という期間で、お隣の中国で考えると、十八年前の一九九七年、中国の名目GDPは日本のわずか四分の一弱だったというふうになっています。十八年後の今日は、そのGDPも逆転したということになっています。ですから、十八年あれば世界規模の環境も大きく変わっていくぐらいの年数だというふうに我々は思っています。

 そういう意味で、四枚目の資料、内閣府が公表している資料なんですけれども、これは人口の構成予測なんですけれども、日本の場合は二〇一〇年をピークにどんどん人口が下降しております。最大の特徴は、やはり高齢者がどんどんふえて、現役稼働世代というのが減っていっている。子供たちがもちろん減っていっているので、当然、次から次へと出てきてもらわないといけない稼働世代がさらに減っていくという現状があります。

 国力の基礎であるのは人口でありますし、そういった中で、日本という国を形成する上において非常に大事なそういう社会インフラ、我が国の背骨と言える第一の国土軸を強靱なものにしていくというのは、やはり誰もが否定することはないんじゃないかというふうに思っております。

 私としては、やはり二〇四五年というのは到底あり得ないのかなと思っているんですけれども、今後しっかりと、私の議論も頭の片隅にちょっと入れていただいて、ぜひ頑張っていただけたらと思います。

 また、さらには、安易に補助金を拡大するとか国債を発行するというのはなかなか難しいですけれども、先般、先ほど申し上げた関西の地元の協議会から出されたリニア建設積立金制度というのも提案をさせていただいております。財政支出を伴わずに前倒し効果が望めるという方法ですね。関西の協議会でそういうことが考えられています。それに、さまざまな広範な情報と深い知見を持っている国土交通省が入ったり、また事業主のJR東海が入ることによって、さまざまな、また新たな知恵等が生まれてくるというふうに非常に期待をしているんです。

 先ほど指摘した負担と受益に一定の公平性を確保するというようなことも含めて、国の役割というのは非常に大事だと思うんですけれども、今後、国が声を発して、事業主のJR東海や地元関西との議論というのを公式の場で始めることが必要だと思うんですけれども、北川副大臣、いかがでしょうか。

北川副大臣 これは井上先生おっしゃるとおり、東京―大阪間が直結するということが、その機能を十分に発揮し、また経済的な効果もより大きくするということであるというふうに思います。

 できるだけ早い時期に、一応十八年ということになっておりますけれども、できればもう少し早く大阪まで持ってきてほしいということは、この気持ちは私も変わりがございません。そういう運動をしっかりやっていきたい。また、民間の企業の方々、経済界の方々や地元の自治体の人たち、そういう方々もこぞってそういう希望を持っておられるということもよくわかっております。

 ただ、一方においては、JR東海が民間企業として経営の自由あるいは投資の自主性の確保という、これは一つの大原則ですから、民間企業としての自主性、独立性、こういうものを損なうというようなこともいけないんじゃないか、それを尊重するということも非常に重要な視点ではないのかなというような思いがいたしております。

 そういうようなことも勘案しながら、建設主体であるJR東海の考え方をよく踏まえていく必要があると思いますが、その上で、関係者の間で意思疎通それから意見交換のあり方というようなものをどう持っていくのか、今後検討していきたい、そういうふうに思っております。

井上(英)委員 時間が来ましたのであれなんですけれども、リニアというのは、これも太田大臣も、我々よりもよく御存じだと思うんですけれども、未踏技術で、やはりこれから本当にすごいことに挑むというJR東海に対しては本当に敬意も表します。ただ一方で、地方の、地域の声というのもありますので、国家プロジェクトとして、一定、バランスよくお願いできたらと思います。

 どうもありがとうございました。

今村委員長 次に、横山博幸君。

横山委員 維新の党の横山博幸でございます。

 きょうは、通告しておりました東洋ゴムの件につきましては、午前中に詳細な質疑がございましたので省略をさせていただきたいと思います。

 冒頭に、時間の制限もございますので、大臣と、その後に副大臣に一点ずつ質問させていただきますので、明快な御答弁をお願い申し上げます。

 大臣には、日本の主要産業であります建設業あるいは運輸業とともに、造船業は特に裾野の広い産業でありまして、地域経済には大きな影響力も持っております。この造船業につきまして、日本の将来に向かって、展望であるとか長期計画についてお示しをいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

西村(明)副大臣 造船業につきましては、国内の生産比率が八割以上を超える輸出産業であります。そして、それとともに、地域の雇用、経済を支える重要な産業でございます。

 委員御指摘のとおり、造船業が国際競争の中で中長期的にしっかりと成長を続けていくということが必要であるのは当然のことでございます。

 このため、国土交通省といたしましても、産学官連携のもとで、省エネ技術開発を初めとする国際競争力の強化、そして、海洋資源開発やシェールガスに対応したLNG運搬船などの新分野への進出、また、インターンシップによる造船の認知度向上などを通じた優秀な人材の確保、育成、こういった点を推進しているところでございます。

 今後とも、我が国造船業の成長を後押しするように全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

太田国務大臣 今副大臣が答弁したとおりなんですが、造船業は、いわゆる地方の創生という点でも、全国、特に愛媛とか広島とかが多いわけでありまして、地域の振興という点でも極めて大事なことだという認識をしております。

 そうした観点でも、今答弁のありましたと同様、力を入れていきたいと思っておりますし、また、ブラジル等を初めとして、造船業を運用した形での石油の掘削とか、さまざまなもので非常に大事な役割を果たしていただいているものだ、このように認識をしているところでございます。

横山委員 大変力強い御答弁をありがとうございました。

 一方、技術者の流出によって、中国や韓国との価格競争、営業、受注も含めて大変熾烈なものになっていくと思いますので、ぜひ後方支援をお願い申し上げたいと思います。

 続きまして、副大臣にお聞かせいただきたいと思います。

 JALの整理解雇についてでございますが、JALは、経営破綻に伴って、更生計画に従って整理解雇が行われました。そのJALの組合がILOに対して申し立てを行った、ILOはその回答をされたと聞いております。

 裁判ももう終わったことでございますので、後ほど操縦士あるいは技術者等の人材養成、あるいは人手不足への対応等について詳細にお聞かせいただきたいと思いますけれども、この際、国土交通省から、組合とJALとの、両者の話し合いの場を設けるべきだと考えますけれども、御所見をお聞かせ願いたいと思います。

西村(明)副大臣 委員御指摘のILOの勧告におきましては、整理解雇に係る訴訟の結果等に関する情報提供を求められているというふうに認識いたしております。本件につきましては、厚生労働省とも連携しながら適切に対応を今行っているところでございます。

 なお、勧告につきましては、従業員の削減過程において労働組合と労働者の代表が役割を果たせることが重要、そのため、当事者間における協議の実施が確保されることを日本政府に要請する、こういった内容が含まれておりますけれども、これは日本航空に限らない一般的な指摘というふうに認識しているところでございます。

 また、二〇一〇年末に日本航空から整理解雇された客室乗務員及び運航乗務員が解雇の撤回を求めた訴訟につきましては、最高裁判所がそれぞれの上告を棄却して、整理解雇は有効であるという判決内容は確定したものというふうに承知しております。

 いずれにしましても、日本航空の整理解雇につきましては、個別企業における雇用関係に係る問題であることから、日本航空において適切に対処するべきものであり、行政として関与することは適切ではないというふうに考えているところでございます。

横山委員 御答弁のとおり、行政としての立場で介入すべきではないと申し上げておりますけれども、先ほど申し上げましたように、操縦士あるいは技術者の養成という観点に立てば、もう少し行政として入るべきところがあるのではないかと思いますけれども、その点についてお聞かせいただきたいことと、続いて、時間の制限もありますから、操縦士関係の件で質問させていただきます。

 先ほど申し上げましたように、今、製造技術者も含めて技術者が不足している。あるいは、先ほどのJALの解雇された方々は外国の飛行機に既に乗っておられるということでございますけれども、その点についてどのような対応策をとられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

田村政府参考人 国土交通省におきましては、航空機の操縦士、それから整備士、製造技術者の不足に対応するために、交通政策審議会のもとに設置された小委員会において、昨年七月にこれらの養成確保策を取りまとめました。

 これを受けて、例えば操縦士につきましては、短期的には、即戦力となる操縦士の確保のために、自衛隊操縦士の活用、あるいは外国人操縦士の活用促進のための制度の見直し、そして健康管理体制の充実等による現役パイロットの有効活用、こういった三つの柱を中心として、必要な対策に既に着手しております。

 それから、中長期的には、若手操縦士の供給拡大を図るべく、航空会社による自社養成の促進、私立大学等の民間養成機関の供給能力拡充、そして航空大学校のさらなる活用の三つの柱を中心に、必要な対策を講じてまいります。

 また、整備士、製造技術者につきましては、短期的に、即戦力となる整備士の確保を図るべく、整備士資格の制度、運用の見直しを実施しております。

 それから、中長期的には、若手整備士、製造技術者の供給拡大を図るべく、具体的な方策について検討を今進めているところでございます。

 こうした取り組みを通じまして、操縦士、整備士、製造技術者の養成、確保に取り組んでまいりたいと考えております。

横山委員 御答弁ありがとうございます。

 今、答弁の中で、自衛隊の操縦士の活用と言われましたけれども、自衛隊そのものも操縦士は不足気味ではないんだろうかと思います。

 それと一点、先ほど副大臣に質問しましたけれども、そういう観点でいうと、JALに少し介入されて、別の立場で介入されて、外国に行っている操縦士を帰す、彼らもそれを希望しておるわけですから、その点についてはいかがですか。

 あわせて、今、外国人の操縦士も活用を考えられて、拡充されたと思いますけれども、安全性の問題についてはいかがか。その二点についてお伺いしたいと思います。

西村(明)副大臣 今航空局長の方からお話ございましたけれども、確かに、操縦士をしっかりとふやしていかなきゃいけないということでさまざまな方策をやっているところでございますけれども、この問題と、先ほどから委員の御指摘のJALの解雇の問題、これは一列に論じるものではございませんので、委員の御指摘は御指摘として受けとめながら、しっかりと、先ほど局長が申し述べたような施策に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

田村政府参考人 今御質問のありました外国人操縦士の活用に際しての安全性確保の話でございますけれども、外国人操縦士が我が国航空会社において操縦士として乗務するに当たりましては、我が国の操縦士資格を取得することが必要でございまして、試験の実施等を通じて、国土交通省として、航空機の操縦に必要な能力を有していることを確認しているところでございます。

 これに加えまして、航空会社において、認可された運航規程に従い、適切な教育訓練を実施し、必要な能力を有していることを確認しております。

 その後も、航空会社において定期訓練、審査を行い、必要な能力を維持していることを確認するとともに、国土交通省も、定期及び随時の安全監査を通じ、安全運航に必要な航空会社の体制が確保されていることを確認しているところでございます。

 今後とも、こうした取り組みを通じまして、国籍を問わず、外国人、日本人を問わず、航空会社の操縦士について、運航の安全性が確保されるように取り組んでまいります。

横山委員 ありがとうございます。

 JALの件は別の場でまた議論させていただきたいと思います。

 もう一点、操縦士の関係で、養成という点についてお伺いしたいと思いますけれども、今、私立学校など操縦士養成課程もございますし、それから航空大学校の学生定員枠の問題があります。私立の大学へ通っておられる方への助成であるとか、航空大学校の定員枠をふやして将来の技術者を育てるという観点ではいかがでしょうか。

田村政府参考人 御指摘のとおり、今後の若手操縦士の供給拡大に当たりまして、私立大学等の民間養成機関において、高額な学費負担が課題になっているわけでございます。

 そこで、民間養成機関の学費負担の軽減を図るべく、奨学金制度の充実等につきまして、航空業界や民間養成機関と連携して具体策の検討を今進めているところでございます。

 航空大学校につきましては、今後とも、操縦士の安定的な供給源としての役割を果たすとともに、民間養成機関への技術支援等を通じて、我が国全体の操縦士養成能力の拡充に寄与するよう、国土交通省としても対応してまいりたいと考えております。

横山委員 ありがとうございました。

 それでは、時間もありませんので、冒頭大臣からお話をいただきました造船業の関係についてお伺いをしたいと思います。

 現時点では、造船業界は非常に景気がいいわけでございますけれども、将来的に見るとやはり世界的な競争力を身につけなければなりません。その中で、やはり、省燃費船とかいう高付加価値のある船舶、あるいは、これから海洋開発の問題も出てきます。現在、中国や韓国はともに海洋開発については非常に力を入れておりますけれども、海洋開発に関し、FLNGなどの特殊船について、今後、造船の関係で取り入れる必要があるのではないかというふうに考えておりますけれども、その施策についてお伺いしたいと思います。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 海洋開発市場は世界の成長分野でございまして、国土交通省におきましては、造船業を初めとする我が国海事産業によります市場の獲得を支援しております。

 具体的には、まず、我が国海事産業がこれまで培った技術を海洋開発分野に展開するために、液化天然ガスの生産、貯蔵を行う船舶、委員御指摘のFLNGなど、また、大水深海域において海底石油の掘削を行う船舶、こうした船舶についての技術の開発に補助を行っているところでございます。

 また、海外市場への参入に当たりまして、トップセールス、二国間の政府間協議、官民対話など、我が国一体となった働きかけを行っております。

 さらに、今後不足する技術者の養成を図るために、産業界と教育機関が連携いたしまして、人材育成システムの構築に取り組んでいくこととしております。

 海洋開発市場の獲得に向けまして、官民一体となってしっかりと取り組みを進めてまいります。

横山委員 大変ありがとうございます。

 それでは、最後に、船員の確保の観点から三点質問させていただきたいと思います。

 船員は、今大変高齢化しております。それによって船員不足が生じておりますけれども、若手船員の確保について。

 二つ目に、若手船員の定着率向上のために、船内の携帯電話、地上デジタル放送等、解消に向けた関係省庁との連携の状況はどうなっているのか。

 最後の一点は、先ほど出ておりました特殊船、シェールガスのような、特殊な船舶に対する能力の高い船員の育成について、どのように今後されていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。

森重政府参考人 ただいま委員より三点御指摘を頂戴いたしました。

 まず第一点の、若手船員の確保の関係でございます。

 御承知のように、内航船員は、五十歳以上が約五割と大変高い割合を占めております。そのため、若年船員の確保のためにさまざまな施策を講じておるところでございます。

 具体的には、計画的に新人船員を雇用する事業者への助成金の支給でありますとか、就職面接会の開催、内航船員に特化した練習船大成丸の就航など、取り組みを進めております。

 加えて、船員教育機関を卒業していない者を対象とした短期養成でありますとか、また、海への関心を高めるという点で、海フェスタの開催、帆船など練習船の一般公開、体験乗船の実施などなど、船員志望者の裾野の拡大を図る、こういう取り組みを、海運業界など関係者と連携を図りながら進めておるところでございます。これを進めてまいりたいと思います。

 二点目の御指摘が、いわゆる船内のデジタルデバイドの解消に向けた施策でございます。関係省庁との協力という御指摘がございました。

 陸地から離れて生活をしております船員にとりまして、携帯電話などの通信手段で陸地との通信が可能であることは、労働環境の改善のみならず、いわゆる職場の魅力という点でも大変重要であると考えております。

 この海上通信システムにつきましては、最近では、人工衛星を使用します携帯電話などの低廉化、安くなってきている、こういうことが進んでいるところでございまして、こうしたシステムの普及啓発活動につきまして、総務省と連携するなど、国交省といたしましても、海上におけるデジタルデバイドの改善に協力してまいりたいというふうに思います。

 それから、最後、三点目でございます。シェールガス輸送の増加に対応した日本人船員の確保のための施策でございます。

 LNG船の運航をいたします船員は、危険物の取り扱いに関する船員資格に加えまして、荷主から一定の、追加での、LNG船での乗船経験というふうなものが求められることが通例となっておりまして、海運事業者はそのために、いわゆる船員の養成で、経験を積ませるという取り組みを進めております。

 あわせまして、国の取り組みでございますけれども、アメリカの東海岸からのシェールガスの輸送を行いますと運航が長期化いたします。したがいまして、エンジンの効率性というのは大変重要になってまいります。それに対応して、推進機関といたしまして、重油に加えまして、蒸発した天然ガスも燃料としてあわせ活用できる、より燃料効率のよい推進機関、二元燃料ディーゼル機関と呼んでおりますけれども、こうしたエンジンを積んだLNG船がふえてきております。

 国交省といたしましては、こうした新しい推進機関の管理技術を有する船員を養成するために、技術習得の教育プログラムの構築を行うこととしております。

横山委員 大変御丁寧にありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

今村委員長 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。

 予算委員会の質疑に引き続いて、リニア中央新幹線の問題について質問をさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。

 三月二日の予算委員会で、私は、リニアルートの地権者の皆さんの土地の所有権について質問をいたしました。民法第二百七条の規定に、「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。」ということが規定されており、大深度地下法の使用の認可を受けたとしても、土地の所有権は上下に及ぶ、なくならないということを確認いたしました。

 その上で、JR東海が説明会やホームページで、大深度地下法による認可を受け使用する場合には、地上の権利が及ばない、所有権が及ばない、なくなるかのような間違った説明をしていることを指摘し、大臣がいつも答弁をされております丁寧な説明どころか、間違った説明をしているんだ、これを撤回し、説明し直させるべきではないかと質問をいたしました。

 それに対して鉄道局長は、JR東海に対しましては、正確で、かつわかりやすい説明をするように指導してまいりたいと思いますと答弁をいたしました。

 そこで、伺います。その後、国土交通省として、JR東海に具体的にどのような指導をされたんでしょうか。

藤田政府参考人 JR東海に対しましては、常々、正確でわかりやすい説明を行うように指導しているところでございます。

 先般の先生からの御指摘につきましても、JR東海に伝えたということでございます。

本村(伸)委員 伝えていただいたということですけれども、こうしたやりとりの中で、皆様方にお配りをしております資料の1の部分でございますけれども、JR東海は、土地の所有権についてごまかすような説明のホームページを書きかえました。本文は変えておりませんけれども、参考という部分で、赤線が書いてあるところですけれども、「大深度地下にも土地の所有権が及んでいると解される。」と書いた大深度地下法の解説書の引用を載せたという変更でございます。

 しかし、間違った説明というのは、予算委員会で取り上げたこの部分だけではないわけでございます。資料の2をごらんいただきたいんですけれども、JR東海のホームページの別の箇所にも、これも赤線を引いている部分ですけれども、「同法による大深度地下には、地表の権利が及ばないとされておりますので、権利の設定及びそれに係る補償は行いません。」と書き、この部分は全く直しておりません。

 私は、このJR東海の対応というのは、丁寧さに欠けますし、不誠実であるというふうに思います。JR東海は、間違った説明をしてきたということに対して反省がないのではないでしょうか。

 国土交通大臣、JR東海にもっと丁寧な指導、しっかりとした指導をするべきではないでしょうか。大臣、お願いいたします。

藤田政府参考人 御指摘の修正を施したページ、この参考を追加したページでございますけれども、JR東海によりますと、これは権利関係を説明する部分でありますので、正確を期すために参考資料もあわせて記載することとしたというふうに聞いております。

 それから、補償に関する部分、この部分は、できる限りわかりやすく平易な用語で表現したものであるというふうに説明をしておりますが、いずれにしましても、JR東海に対しては、正確な情報が伝わるように指導してまいりたいと思いますし、先生の御指摘、伝えてまいりたいと思います。

本村(伸)委員 もっと踏み込んだ指導をしていただきたいというふうに思います。

 おかしいと思いますのはこれだけではございません。大深度地下ルートの問題を引き続き申し上げますけれども、資料の3をごらんいただきたいというふうに思います。

 これは、JR東海が事業説明会で説明をしたQアンドAですけれども、この部分を読み上げますと、「大深度地下区間では、家屋調査は行わないのですか。」という質問に対して、シールド工法でやるから地盤沈下は発生しないんだ、だから家屋調査の必要はないんだというふうに書いております。しかし、大深度地下の工事で地盤沈下や水漏れなど絶対に起こらないと言えるんでしょうか。

 資料の4と5、次のページを見ていただきたいんですけれども、この資料の4が、黒い部分が愛知県春日井市のリニアルートでございます。この大深度ルートの愛知県春日井市では、そちらの地図にも書かれておりますけれども、リニアルートのすぐ近くで、亜炭廃坑が原因と見られる陥没が次々と起きております。三月十五日に陥没したのが、資料の5の公園の写真でございます。

 リニアルートで地下を掘るとこうした陥没が誘発されるのではないかと住民の皆さんが不安に思うのは当然だというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

藤田政府参考人 大深度地下につきましては、大深度地下法によりまして、建築物の地下室等に通常供されることがない地下四十メートルの深さ、または、通常の建築物の基礎ぐいの支持地盤の最も浅い部分から十メートルの深さ、このいずれか深い方から下の空間というふうに定義をされております。このため、大深度地下区間における構造物は、強固な支持地盤よりさらに十メートル深い場所に整備されることとなります。

 それから、一般的に、シールド工法は地下水の流出などが生じにくい工法でありまして、JR東海の環境影響評価書におきましても、「シールド工法そのものによって、地下水の流出などが原因で地盤沈下が生じたというような事例は確認されておりません。」という記載がなされております。

 こうしたことから、適切に施工が行われれば、大深度区間のシールド工法による地盤沈下は生じないものと考えております。

 このため、JR東海は、地上部の家屋調査は行わない方針と聞いておりますけれども、念のため、実際の工事の際には、トンネル工事による地盤への影響を確認するために、地表面の状況について変位がないことを確認しながら進めていくというふうに聞いております。

 それから、御指摘の亜炭の採掘跡でございますけれども、既往の文献や自治体が実施したボーリング調査により、愛知県春日井市の東部の丘陵地に分布していることが確認されております。

 この亜炭採掘跡の対策としまして、JR東海は環境影響評価書の中で、トンネル工事実施前に綿密な空洞調査を行い、必要に応じ空洞の充填などの対策を講じることから、地盤沈下対策は可能である、こういうふうにしております。

 いずれにしましても、リニア中央新幹線につきましては、地域住民等への丁寧な説明による地域の理解と協力を得ながら、安全かつ確実な施工が行われるようにJR東海を指導してまいります。

本村(伸)委員 大深度地下は地下四十メートルよりも深い部分だということなわけですけれども、私は先日、名古屋第二環状線、国道三〇二号の周り、名古屋市天白区、緑区の地盤沈下、土砂の移動の問題で調査に行ってまいりました。

 地下三十四メートルのところまで共同の管渠の立て坑、これはシールド工法でやるというふうに言われておりますけれども、その周りの家屋や外壁で、家と外壁と土壌の間に空間があいたり穴があいたり、壁にひびが入ったり、そういうことが発生をしております。

 地下三十四メートルというこの事例を見まして、私は、大深度地下四十メートルよりも地下だから大丈夫だと言われても、とてもそれを信じることができないということを痛感いたしました。絶対に安全だと言い切れないと私は思います。

 大深度地下トンネルの工事を今実施している東京の外環道の話もお伺いをいたしました。東京外環道では家屋調査を実施するとしております。

 資料の6を見ていただきたいんですけれども、これは東京外環道の資料でございます。赤い枠のところにこう書いてございます。「本線トンネル工事はシールド工法を採用することから地上への影響は生じないと考えており、施工の際にも細心の注意をはらって進めて参ります。 しかし、万が一、建物や工作物に損害等が発生し、工事の施行に起因すると確認された場合には、当該損害等に対して補償をさせていただくため、工事実施前の建物等の状況を把握する調査を実施致します。」ということで、家屋調査を行うとしております。

 外環道では家屋調査を大深度の部分でも行うということを、間違いないと思いますが、確認したいと思います。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 東京外環の本線トンネル工事は、大深度地下を使用したシールド工法を採用しております。地上への影響は生じないものと考えております。

 ただし、東京外環は大深度地下を活用した初めての道路事業であることから、念のため、大深度地下を使用する部分についても、工事実施前の建物等の状況を調査することとしております。

 具体的には、トンネルの地上部に当たる地域とその周辺について、建物の柱の傾斜や基礎のひび割れ状況などを写真や調書で記録するものです。

 引き続き、施工の際にも細心の注意を払いながら事業を推進してまいります。

本村(伸)委員 外環道もリニアも、大深度地下法の使用の認可を受けてやる事業です。リニアはまだ申請さえ行われておりませんけれども、国直轄の東京の外環道は家屋調査をやるけれども、JR東海は家屋調査をやらなくてもいい。事業者の違いで地権者、住民の皆さんがこうした差別的な扱いを受ける。認定する国土交通省として、こういうことを認めるのか。

 リニアルートの場合でも、大深度の部分も含め、少なくとも家屋調査を行うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

太田国務大臣 今、道路局長からもお話をさせていただきましたが、東京外環の本線トンネル工事、大深度地下を使用したシールド工法を採用して、地上への影響は生じないものと考えておりますという答弁をいたしましたが、その上でこの調査をしているということでございます。

 大深度地下におけるシールド工法による工事については、適切に工事が行われれば地上への影響は生じないもの、このように考えています。今まで、そうした例としては、掘っていきますから、そこのところが、シールド自体が壊れるということがなければ、これは地上への影響というのは生じないということが言えるんだと思います。

 そうした地上への影響は生じないものと考えているその上で、東京外環では、今道路局長が説明したように、万が一、建物や工作物に損害等が発生して、工事の施行に起因すると確認された場合には、当該損害等に対して補償するために、念のため、工事実施前の建物等の状況を把握する調査、家屋調査を行うこととしているところです。

 また、リニア中央新幹線についても、同様の目的で、工事の施行による建物や工作物への影響を確認するために、念のための措置として、工事の施行に合わせまして、地表面の沈下量等を測定する調査を実施する予定と聞いているところでございます。なお、具体的な調査方法については、今後検討されるとのことでございます。

 いずれにしましても、大深度区間での工事を含めて、安全かつ確実に工事が行われるようJR東海を指導監督していきたいと考えています。

 なお、大深度地下利用の申請につきましては、大深度法に基づき適切に対応してまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 名古屋の第二環状線、三〇二号の事業では、家屋調査を事前にいたしました。事後、影響が出ていても、家の経年劣化だといってなかなか補償してくれないということで、住民の皆さんが泣いておられる例があるわけでございます。

 こういう公共事業よりも、JR東海の対応は私はひどいというふうに思います。住民の皆さんの側からしたら、家屋調査もしないで、本当に、万が一の場合、何かあったときに、JRがちゃんと補償してくれるのか、そのことを疑わざるを得ないということだというふうに思います。

 そもそも大深度地下法というのは、この制度を使えば地権者の皆さんの同意も要らないんだ、土地物件の詳細な調書もつくらなくてもいいんだ、補償金も払わなくて済むなど、事業者にとっては大変都合のいい制度になっている。一方で、地権者の皆さんや住民の皆さんにとっては、了承もなしに地下に大規模な構造物がつくられる。どこの地下が使われているのかということは正確にはわからないという状況で、本当に勝手な制度だというふうに思うんですね。

 私どもは、最低限、地権者の皆さんや住民の皆さんの了解を得てからやるというのは当然のことだというふうに思います。私どもは、大深度地下法の使用の認可のための申請は提出させるべきでないということも強調しておきたいというふうに思います。

 まだまだおかしい点は山積しているわけでございます。

 今度は、大深度法の対象地域ではない地域、岐阜県、長野県、静岡県、山梨県、神奈川県の一部の問題についてお伺いをしたいと思います。

 JR東海主催の事業説明会が今もなお各地で行われているわけですけれども、資料の7をごらんいただきたいというふうに思います。これは岐阜県で行われた事業説明会での資料です。「岐阜県内のトンネル区間における用地取得」という資料でございます。

 ここには、このように書いてございます。1、トンネルの上部が五メートル未満の場合、土地を取得する。2、トンネルの上部が五メートル以上三十メートル未満の場合、区分地上権を設定するというふうに書かれております。

 これを読みますと、つまりは、JR東海が地下三十メートルと勝手に区切って、それよりも深いところは補償しないというふうに言っていると同じことだというふうに思います。

 先ほども申し上げましたように、民法では、土地の所有権はその土地の上下に及ぶと書かれております。

 法務省に確認をしたいんですけれども、地権者の皆さんの個々の同意なしに勝手にトンネルを掘ってもいいのか、これは権利侵害に当たらないのかということを確認したいと思います。

金子政府参考人 お答えいたします。

 民法第二百七条は「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。」と規定している、これは委員御指摘のとおりでございます。そして、その土地の所有権は、一般に、当該土地の所有権を有する者の権利の行使につき利益の存する限度で当該土地の上下に及ぶというように解されております。

 権利の行使につき利益の存する限度内であるか、あるいはそれを超えているのかにつきましては、個別の土地の具体的な使用態様に応じて判断されることになります。

 ある土地の地下を土地の所有者の同意を得ることなく開発する行為が、このような利益が存する限度内でされるのであれば、それは土地所有権の侵害となるというふうに考えられます。

本村(伸)委員 ありがとうございます。

 ここでもう一つ確認をしたいんですけれども、整備新幹線の場合、三十メートルよりも深い部分は補償しないと一律に説明したことがございますでしょうか。

藤田政府参考人 整備新幹線の事業は、鉄道・運輸機構が実施しております。鉄道・運輸機構によりますと、トンネル上部の土地の利用状況に応じて権利設定、それに伴う補償がされております。

 これまでの実績で申し上げますと、上部の土地が山林や農地の場合は二十メートルよりも浅いところについて、それから、宅地の場合は三十メートルよりも浅いところについて区分地上権の設定が行われておりまして、それに伴う補償もされているということでございます。

 こうした考え方につきましては、事業を開始する際の事業説明会、あるいは実際の工事に着手する際の工事説明会等の場で説明を行っているというふうに聞いております。

本村(伸)委員 整備新幹線も、一律にここで切ってしまうということはやっていないということでございます。JR東海が勝手に三十メートルで区切って、そこから地下は補償しませんということを言っているわけでございます。地権者の皆さんは、それに対しておかしいと言う権利があるというふうに思います。

 もう一つ確認をしたいんですけれども、個々の地権者の皆さんの同意、承諾がなかったら勝手なトンネル工事は認められないと思いますけれども、いかがでしょうか。

藤田政府参考人 先ほどの法務省の御答弁にもありましたように、一般に、ある土地の地下を開発する行為に係る土地所有者の同意につきましては、個別の土地の具体的な使用態様に応じて個別に判断をする必要があるものと考えております。

本村(伸)委員 JR東海は、土地の所有権が上下に及ぶということも説明をしておりません。そして、個々の地権者に、先ほど鉄道局長が言われたような説明さえしていないわけでございます。全く住民の皆さんや地権者の皆さんをないがしろにしているやり方であり、私は到底認めることはできないというふうに思います。こういうことを黙ってやっているわけです。それで、安く早くということでリニア事業を強行しようとしております。

 太田大臣にお伺いしますけれども、このままJR東海にこうした勝手なことをやらせていいのかということを、大臣の認識をお伺いいたします。

太田国務大臣 このまま勝手なということではなく、これまでもトンネル工事というのは全国でさまざまやってきて、そうした流れの中から現在やろうとしているということだと思います。

 ただし、私は、地元住民等への丁寧な説明を行って、地元の理解と協力を得た上で事業を進めるよう、その着工認可の際も申し上げたところでありまして、今後とも地元の声に十分に配慮しながら工事を進めるよう、JR東海を指導監督していきたいと思っております。

本村(伸)委員 次から次へと、丁寧な説明とは全く違うことが事実として寄せられるわけでございます。住民の皆さんをごまかすような、地権者の皆さんをごまかすようなことは絶対にあってはならないということを申し述べておきたいというふうに思います。

 まだまだ問題は山積をしておりまして、次に資料の8をごらんいただきたいんですけれども、私は予算委員会の中で、JR東海が主催をいたしました事業説明会で、東京都の町田市と神奈川県の川崎市の県境の立て坑、この図でいいますと8番の資料の右下の非常口の部分ですけれども、ここから出す土砂の搬出のルートをめぐって、JR東海は、町田市側では町田市側には搬出しないと述べ、川崎側では町田市側に搬出する、通すという二枚舌を使って住民の皆さんをごまかすことまでやっているということを質問いたしました。

 この町田市と川崎市の県境の立て坑予定地をめぐっては、おかしなことがまだあるわけでございます。

 左の方の資料ですけれども、この立て坑の予定地の土地というのは、三五%が国が所有する国有地でございます。リニアの工事実施計画の認可がおりたのは昨年の十月十七日ですけれども、その直前の九月二十九日の国有財産関東地方審議会において、中央新幹線事業用地として時価売却するという関東財務局長の処分方針を適当とする答申が出されております。

 この審議会の中で、委員の中のあるお一人がこういうふうにおっしゃっておりました。ここで審議するのはまだ早いような気がする、「一旦住民の方に説明して、」「ある程度そういう丁寧な説明をされた上で、この審議会で、こういう説明をJR東海は現地でしました、残土の問題についてもいろいろ住民から不安もありましたけれども、今おっしゃったような、運転手がきちんと気をつけるようにしますということを説明して大方の了解を得られました、ということで初めてここで審議するというのが筋のような気がするのですが、何か少し話を急ぎすぎているような気がします」と懸念を表明されております。

 そして、この委員の方は、「私はこの件に関してはイエスと言い難いので、その点はきちんと議事録に明記していただけませんか。十年以上に及ぶ工事なので、それだけ住民の暮らしに大きな影響を与えると思います。」「搬出路の問題とかその辺の説明が十分にまだなされていない」「正直言ってこの段階でイエスとの判断はできません」ということをこの委員の方は述べられました。

 審議会のほかの委員からも、「住民運動がどうであれ、手続に従って粛々と進めるということですね。」と質問がありました。これに対して財務省の担当者は、「はい、そうでございます。」というふうに答えました。このことは、本当に住民の皆さんを無視した許しがたい内容だと私は思います。認可もされていないのに、住民の皆さんへの説明も行わずに、意見も聞かずに国民の皆さんの財産である国有財産の売却を決定するというのは、本当におかしいというふうに思います。

 審議会の審議の中で、なぜ急いだかということについて、二〇一五年三月に間に合わないから、認可の前に住民の皆さんに説明せずに審議をしたという話でしたけれども、なぜ二〇一五年三月に間に合わせなければならなかったのか、御説明をお願いいたします。

飯塚政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘の土地につきましては、JR東海より、中央新幹線の事業用地といたしまして平成二十七年度から本件土地での工事を着工することを前提に、本年三月に取得したいとの要望が関東財務局に出されているところでございます。

 財務省といたしましては、このようなJR東海における事業スケジュールを踏まえまして、関東財務局において本件土地を本年度中に売却することを決定したものでございます。

本村(伸)委員 JR東海が正式に財務省の方に要望を出されたのが昨年の八月、そして、その翌月の九月にはもう審議会を行って答申を出しているわけでございます。JR東海の言い分は聞くけれども、住民の皆さんには説明もしない、意見も聞かない。

 確認しておきますけれども、この今の段階で、国有財産のこの土地の売却について、住民の皆さんへの説明はあったんでしょうか。

飯塚政府参考人 お答え申し上げます。

 一般的に、国有地を含めて土地利用に際しまして、地元の住民等に御説明が必要な場合には、土地の利用者において説明を実施することが基本でございます。本地につきましても、事業実施主体であるJR東海において対応すべきものと考えてございます。

 したがいまして、財務省といたしましては、本国有地について住民説明会を行っていないところでございますが、昨年九月に開かれました御指摘の国有財産関東地方審議会での御意見、いろいろな御意見が出されました。ここでの御意見も踏まえまして、JR東海に対しまして、工事実施についての周辺住民に対する丁寧な説明への対応を文書等で要請したところでございまして、JR東海において適切な対応が行われるべきものと考えてございます。

本村(伸)委員 国土交通大臣、JR東海にいつも大臣は丁寧な説明ということをおっしゃっておられますけれども、国自身が国有財産の売却について住民の皆さんや国民の皆さんに知らせずにやっているわけです。こういうやり方はおかしいというふうに思いませんでしょうか。契約はやめるべきだ、契約させるべきではないと思いますけれども、いかがでしょうか。

飯塚政府参考人 事務方からお答えさせていただきます。

 本件に係る事業につきましては、JR東海が昨年十月に国土交通省から事業実施計画の認可を受けているものでございまして、財務省といたしましては、事業者において地元に対して説明を行って、事業が円滑に進められることを前提といたしまして、本件土地を売却するものでございます。

 本件土地につきましては、先ほども申し上げましたが、昨年九月の国有財産関東地方審議会での御意見を踏まえまして、JR東海に対して、周辺住民に対する丁寧な御説明への対応を要請したところでございまして、JR東海において適切な対応が行われるべきものと考えてございます。

本村(伸)委員 JR東海に対して丁寧な説明というふうに大臣はいつも言っているのに、国自身が丁寧な説明をしていない、これは本当におかしいというふうに思います。

 この国有財産の売却については、住民の皆さんへの説明からやり直すべきだと思いますけれども、国土交通大臣、ぜひお答えください。

太田国務大臣 財務省から話したとおりでありますし、説明はJR東海がやるべきであるということについて、私の方からも、丁寧に説明をということを申し上げたいと思います。

本村(伸)委員 いつも国土交通大臣は、丁寧な説明、丁寧な説明ということを繰り返しているわけですけれども、国自身が住民の皆さんに対して、国民の皆さんに対してしっかりとやっていないということについて抗議をしておきたいというふうに思いますし、対応を改めるべきだということも申し上げておきたいというふうに思います。

 次に、残土の問題についてもお伺いをいたします。

 大臣は、所信表明演説の中で、「さきの臨時国会で成立した改正土砂災害防止法が一月に施行されたところであり、住民に対する土砂災害の危険性の周知や避難体制の充実強化を促進してまいります。」と述べておられます。

 広島のあの悲惨な災害を受けてだというふうに思いますけれども、土砂災害防止というのは重要な課題で、対策を万全にするべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

池内政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、昨年八月に発生いたしました広島市の土砂災害を受けまして、昨年の臨時国会で土砂災害防止法が改正されまして、本年一月から施行されております。

 国土交通省といたしましては、住民の方々に土砂災害の危険性を早期に認識していただき、避難体制の充実強化を図ることが重要と考えております。

 このため、現在、都道府県による基礎調査をおおむね五年程度で完了し、警戒区域等の指定が速やかに行われるよう、都道府県への支援を強化しているところでございます。

 引き続き、都道府県に対する財政面そして技術面での支援を行うことにより、土砂災害対策を推進してまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 土砂災害の防止というのは、国民の皆さんの命を守るためにも大変大事な問題だというふうに思いますけれども、先日、私はこういうお話をお伺いしました。

 長野県の豊丘村で、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の地域をリニアの残土の最終残土置き場にする計画をJR東海が村に対して言ってきたというお話をお伺いいたしました。静岡県でも残土置き場が過去に崩落したことがあるような、大変危険な地域だということも伺っております。こういう災害を誘発するようなことが絶対にあってはならないというふうに思います。

 私は、いつもこのリニアの問題で国土交通省とやりとりをしておりましても、JR東海がおやりになることだからと言って、国が安全性について責任を持っていただいていないということを痛感しております。

 ぜひ大臣に、この土砂災害防止、リニアの問題でもしっかりと責任を持ち、国としてリニアの問題の、南アルプスの問題もそうですけれども、安全性という問題について、しっかりと責任を持つんだ、国として責任を持つんだということを明言していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

太田国務大臣 安全であるということは大事なことなんですが、例えば、今、土砂災害防止法の土砂災害を防止するということと残土の問題というのは直接関係するものではなくて、私は村がどういうことを言ったか知りませんが、足立先生の方からも時折、残土のことについてあるんですが、残土を積むことによってそれが崩落をするということもあれば、あるいは山の形状ということを残土を使ってしっかりしたものにするという工事をする場合もあればということで、残土の扱いということについても、私は、それら両方の面からも十分対応ということをしっかり安全の中でしていかなくてはならないというふうに思っているところです。

 そういう意味では、残土といい、工事といい、建設主体であるJR東海が責任を持って工事をやるべきでありまして、工事の安全性についてJR東海が責任を持って確保しなければならない、このように思っております。

 昨年十月の工事実施計画認可の際に申し上げましたが、工事が安全かつ確実に行われるよう、JR東海には引き続き指導監督をしていきたいと思っているところであります。

本村(伸)委員 このリニアの問題は、民間事業者であるJR東海の事業でございます。ゆえに、情報開示の義務はJR東海にはないという問題も予算委員会で指摘をいたしました。

 民間営利企業の事業であるにもかかわらず、これは次の問題に移っておりますけれども、土地の買収について、自治体に業務委託をするケースも少なくないと聞いております。山梨県、岐阜県、名古屋市、愛知県と業務委託をしております。

 山梨県では、例えば、協定書の用地の取得事務の項目のところに用地交渉等という部分がありまして、県の職員が補償内容等の内諾を取りつけるということがありましたり、契約の項を見てみますと、売買契約書の作成も県の職員が行う、土地等の権利者から記名押印を徴した契約書、印鑑証明等、契約、補償金等の支払い及び登記に必要な書類を受領するということまでございます。

 日本国憲法十五条には、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」ということが明記をされております。全体の奉仕者であるべき自治体の職員が、一民間企業の土地の買収に手をかして、一部の奉仕者になっているのではないかというふうに思います。

 民間事業者の用地買収に自治体の公務員が手をかすのは私はおかしいと思いますけれども、いかがでしょうか。

藤田政府参考人 リニア中央新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づく事業でございます。具体的には、国土交通大臣が基本計画を定め、整備計画も決定し、建設主体としてJR東海を指名し、建設の指示を行ったところでございます。

 この全国新幹線鉄道整備法におきましては、第十三条第四項でございますけれども、「地方公共団体は、」「新幹線鉄道に関し、その建設に要する土地の取得のあつせんその他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」という規定がございます。

 これに基づいて、JR東海は、地域の事情に精通した沿線の地方公共団体に用地取得の協力を依頼し、順次、用地取得事務の委託に関する協定を締結しているというところでございます。

本村(伸)委員 終わりますけれども、この問題について、リニアの問題については、本当に問題が山積をしております。ぜひこの委員会でもJR東海を呼んで集中審議をしていただきたいということを提案させていただきたいと思います。ぜひ御検討をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

今村委員長 理事会において協議いたします。

     ――――◇―――――

今村委員長 引き続き、国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 半島振興法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、理事会等での御協議を願い、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。

 本起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 半島振興法は、三方を海に囲まれ、幹線交通体系から遠く離れ、平地に恵まれず、水資源が乏しいなど国土資源の利用の面における制約から、産業基盤、交通基盤等の整備の面で他の地域に比較して低位にある半島地域の振興を図るため、昭和六十年六月、衆議院建設委員長提案により時限立法として制定されました。制定以来、三度の改正を経て、現在三十年が経過しようとしております。

 この間、本法に基づき二十三の地域が半島振興対策実施地域に指定され、半島振興計画に基づく各種の施策が講じられてきたことにより、半島循環道路等の整備が進むなど一定の成果を上げてまいりました。

 しかしながら、半島地域は社会生活基盤の整備がいまだ十分ではなく、全国を上回る人口減少と高齢化が進行し、社会減少も続いており、依然として格差が残る状況です。また、南海トラフ巨大地震等による被害が想定される地域が多く、頻発する風水害や土砂災害に対しても脆弱な状況であります。

 その一方で、半島地域は、国土の保全、多様な文化の継承、自然との触れ合いの場及び機会の提供、食料の安定的な供給等、我が国及び国民の利益の保護及び増進に重要な役割を担うとともに、国土の多様性の重要な構成要素であることから、地域間交流や産業育成等を通じ、定住の促進を図ることが必要となっております。

 本起草案は、このような最近における半島地域の社会経済情勢に鑑み、引き続きこの地域の振興を図り、地方創生の一翼を担うべく、所要の改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、目的規定において、国土の保全等半島地域が我が国において担っている役割を明記するとともに、多様な主体の連携及び協力の促進を位置づけ、あわせて、半島地域における定住の促進を図ることを追加することとしております。

 第二に、半島振興計画に定める事項として、交通通信の確保、就業の促進、医療の確保等及び防災体制の強化に関する事項を追加することとしております。

 第三に、国は、半島振興計画に基づく事業のうち多様な主体の連携及び協力により実施されるものについて、その事業を実施する地方公共団体その他の者に対する助成その他の必要な措置を講ずることとしております。

 第四に、半島地域市町村は、産業振興促進計画を作成して主務大臣の認定を受けることができることとし、認定を受けた産業振興促進計画に記載した事業について、補助金等適正化法の特例等が認められることとしております。

 第五に、国及び地方公共団体の配慮規定に、地域公共交通の活性化及び再生、就業の促進等に係る事項を追加することとしております。

 第六に、半島振興計画に係る主務大臣について、新たに文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣及び環境大臣を追加することとしております。

 第七に、法律の有効期限を平成三十七年三月三十一日まで十年間延長することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 半島振興法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

今村委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。国土交通大臣太田昭宏君。

太田国務大臣 本法律案の御提案に当たり、委員長及び委員各位の御見識に深く敬意を表するものです。

 政府といたしましては、半島地域の現状に鑑み、本法律案については特に異存はないところであります。

 この法律案が可決された暁には、関係省庁と連携を図りつつ、その適正な運用に努め、半島振興対策の一層の推進に努めてまいる所存であります。

今村委員長 これより採決いたします。

 半島振興法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

今村委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時七分散会


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