衆議院

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第6号 平成27年4月22日(水曜日)

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平成二十七年四月二十二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 今村 雅弘君

   理事 大西 英男君 理事 金子 恭之君

   理事 小島 敏文君 理事 坂井  学君

   理事 中村 裕之君 理事 伴野  豊君

   理事 井上 英孝君 理事 赤羽 一嘉君

      秋本 真利君    岩田 和親君

      うえの賢一郎君    勝俣 孝明君

      門  博文君    門山 宏哲君

      神谷  昇君    木内  均君

      工藤 彰三君    古賀  篤君

      國場幸之助君    今野 智博君

      斎藤 洋明君    鈴木 馨祐君

      鈴木 憲和君    高木 宏壽君

      津島  淳君    土井  亨君

      中谷 真一君    野田 聖子君

      堀井  学君    前田 一男君

      宮内 秀樹君    宮澤 博行君

      山本 公一君    荒井  聰君

      神山 洋介君    小宮山泰子君

      松原  仁君    宮崎 岳志君

      本村賢太郎君    木内 孝胤君

      横山 博幸君    吉田 豊史君

      北側 一雄君    中川 康洋君

      樋口 尚也君    穀田 恵二君

      本村 伸子君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣      西村 明宏君

   国土交通大臣政務官   うえの賢一郎君

   国土交通大臣政務官    青木 一彦君

   国土交通大臣政務官    鈴木 馨祐君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   岡本  宰君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 西脇 隆俊君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            滝口 敬二君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  小関 正彦君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  藤田 耕三君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 田端  浩君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  森重 俊也君

   政府参考人

   (観光庁長官)      久保 成人君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十二日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     勝俣 孝明君

  岩田 和親君     門山 宏哲君

  佐田玄一郎君     中谷 真一君

  山本 公一君     土井  亨君

  足立 康史君     木内 孝胤君

  下地 幹郎君     吉田 豊史君

同日

 辞任         補欠選任

  勝俣 孝明君     秋本 真利君

  門山 宏哲君     岩田 和親君

  土井  亨君     山本 公一君

  中谷 真一君     佐田玄一郎君

  木内 孝胤君     足立 康史君

  吉田 豊史君     下地 幹郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)


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     ――――◇―――――

今村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長西脇隆俊君、総合政策局長滝口敬二君、都市局長小関正彦君、鉄道局長藤田耕三君、自動車局長田端浩君、海事局長森重俊也君、観光庁長官久保成人君及び財務省理財局次長岡本宰君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前田一男君。

前田委員 皆さん、おはようございます。私は北海道八区の前田一男でございます。

 私は、これまで出張で初めて行く町に入りますと、この町の公共交通の張り方、それはどうなっているのかなということに大変興味を持ってまいりました。その中で、実際に公共交通を使って、便利だなというふうに感じたこともあれば、いささか不便だなというふうに感じてきたこともあります。

 公共交通には、その地域の変遷とかまた発展形態、そういったものが色濃く反映されておりますし、大変興味深いものであります。また、その町の持っている優しさとかまたホスピタリティーの度合い、そういったものもこの公共交通から感じられる、そういったことがあります。

 また、公共交通というのは、万人が満足するというものはなかなかそういう解はありませんし、また中山間地から大都市までその課題や問題はさまざまであります。それゆえ、支援メニューにバリエーションを多く持っていくということは非常に大切なことであろうというふうに思っています。

 本法も、平成十九年に成立され、その後数回の改正を見てまいりました。また、この間、交通政策基本法も成立され、自治体中心、まちづくりとの連携、そして面的ネットワーク、こういったことをキーワードに成長してきたというふうに認識しておりますし、また、今次の改正で、出資や貸し付け、そういった支援措置の拡充が図られることは大変望ましいことだというふうに考えています。

 このような基本的認識のもとで、以下質問をさせていただきたいと思います。

 本改正案では、出資等を行う地域の規模、それは明示はされておりませんけれども、考え方の中には、一定程度の人口集積が見られる都市、これが対象という想定かなというふうに感じるところであります。採算性が見込める大都市ならばこういった出資もするが、採算性が見込めない地域においては従前どおりの確保維持改善事業の補助事業でやっていく、そのような基本的な考え方がおありでしょうか。

滝口政府参考人 委員御指摘のように、地域公共交通というのは、それぞれの地域の実情を反映して利便性を発揮していくということが非常に重要なことだろうと思います。

 御指摘の昨年の地域公共交通活性化再生法の改正におきましても、地方公共団体が中心となって交通網形成計画というものをつくりながらそういったことを実現していこう、こういったようなスキームをつくらせていただいたところであります。

 御指摘のように、今回お願いを申し上げたいと思っております出資等につきましては、大都市圏や一定の規模を有する地方都市において実施されますLRT、BRTといった新たな交通システムの導入、また、これと一体として行われますICカードや情報案内システムの導入といったものに対しまして、初期段階ではこういったことに対しまして集中的に資金が必要となるということでございますが、中長期的な収益性が見込まれるものについては出資等による支援が効果的であるというふうに考えまして、お願いを申し上げているものでございます。

 一方、中山間地域など需要が見込めない地域で、慢性的な赤字を抱えながらも地域の足を担っている地域公共交通の維持というものは非常に重要でございます。

 委員御指摘のように、こういった地域公共交通につきましては、補助金でございます地域公共交通確保維持改善事業において、昨年改正をさせていただきました地域公共交通活性化再生法の仕組みを活用した地域公共交通のネットワークの再編に対する支援内容を充実させるといったようなこともさせていただいております。

 限界集落を抱える中山間地域における、採算の見込みのない、こういったような再編の取り組みについても、これまで以上にしっかり取り組みを進めてまいりたいと思っております。

前田委員 本法案におきましては、どの事業に出資するかは鉄道・運輸機構が国土交通大臣の認可を受けて定める基準に従うことになっております。

 この基準の置き方によって出資できる事業の幅がかなり変わってくるように思いますので、この基準の内容についても私としては関与していきたいというふうに思うところでありますけれども、この基準についての考え方はどのように整理されているのか、また、この基準づくりに今後我々が関与していく、また意見を申し述べていく、そういう場はあるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

滝口政府参考人 今回の出資等の業務を実施するに当たりまして、鉄道・運輸機構は、法案の二十九条の二に基づきまして、国土交通大臣の認可を受けて定めます基準に従うということにされているところでございます。

 この基準は、出資の対象となる事業につきまして、大きく三つの内容を見ていこうというふうに考えております。

 第一点目は、地域公共交通ネットワークの再構築に資するものであるという政策目的への適合性ということであります。

 二点目は、民間が負担し切れないリスクを分担しながら、民間資金を誘発する民業の補完性の徹底ということでございます。

 三点目は、出資等でございますので、中期的な収益性の確保といったことも重要だろうと思っております。

 こういったような観点から、適正に業務を実施する上で必要な事項を鉄道・運輸機構が定めるということを考えているところでございます。

 なお、この具体的な内容につきましては、本委員会における御審議の内容も踏まえつつ、今後、鉄道・運輸機構の中におきまして検討が進められるということになります。

前田委員 この委員会での審議の内容も影響があるというふうなことでございますので、幾つか私の考え方を申し述べさせていただきたいと思います。

 この再構築事業のイメージとして例示されておりますLRT、これは例えばヨーロッパでも南米でもスタンダードな仕様になっているというふうに私は感じています。次世代型というふうに訳されることもあるようでありますが、これはもう世界においてのスタンダードだというふうに私は思います。

 ですから、インバウンドを考えた場合でも、外国人にはこのLRTは違和感なく乗れる、そして気軽で安価な交通機関になるというふうに思いますので、地方公共交通機関を考えた場合にはインバウンドの視点も大いに取り入れていっていいんだというふうに思うんです。

 したがって、このLRT、今、大都市とか人口集積地に限ってというふうな考え方もあるかもしれませんけれども、国内の地方都市、特に観光地、そういったところにも強くやっていくべきだと思いますし、またそのための支援も進めていっていいのではないかというふうに思います。

 また、設立される新会社、これには既存の交通事業者も当然入ってくるのでありましょうが、例えばメディアとかICTの会社であるとか広告の関係とか、そういった新しい発想を持った民間企業が入ってくることによりまして、電車とかバスが単なる移動手段のものからまた何か違った付加価値サービスを提供するものに変わってくることもあるんだというふうに思うんです。

 したがって、採算性の見方にもよりますけれども、もっと柔軟でチャレンジングな発想があっていいのではないかというふうに考えております。

 大切な産投出資ですから、採算性を考えないで進めるということは当然できませんけれども、しかし、地方創生の時代なんですから、地方都市の拠点とか、また過疎地でも、そういうチャレンジする自治体があるのであれば、それはやれるような余地を残していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

滝口政府参考人 委員御指摘のように、今回の鉄道・運輸機構による出資は、あくまでも収益性があることを前提にいたしまして、一定のリスクを伴う事業に対しまして、必要となる資金の一部を構成し、民間資金の呼び水となる、こういったような機能を期待しているものでございます。

 このように、収益性があることが前提となりますので、今回の出資の対象となります事業につきましては、一定の利用者がふえるといったような期待ができる一定規模の都市ということが中心になるものだと思っております。

 一方で、鉄道事業、バス事業でありましても、収益性の見込みがあれば、先生の御指摘のように、地域においても今回の出資の活用が可能だろうというふうに考えているところでございます。

 いわゆる地方部におけますこういったような取り組みの一つとして、ことしの四月から上下分離を行いまして実施をしております北近畿タンゴ鉄道、これは京都府の北部でございますけれども、運行会社でありますウィラートレインズという、これは観光バスなどをやっております会社でございますが、このウィラートレインズによりまして観光列車などを運行いたしまして、観光旅客の増加を図っていこう、こういったような取り組みも行われているところでございます。

 このように、民間が主体となった取り組みとして、地域公共交通を、単なる移動の主体のみならず、地域からいろいろな文化などを発信するといったようなことをあわせまして、地域の魅力を増すような付加価値をつけるといったことにも取り組んでいただければ、この地域公共交通はさらに活性化されるだろうというふうに考えているところでございます。

前田委員 ありがとうございました。

 私の選挙区では、来年の三月に北海道新幹線が開業されることになっておりまして、地域の活性化、にぎわい、もう数十年ぶりのフィーバーを実現させたものだというふうに考えているところであります。この点につきましては、滝口局長にも、前職である鉄道局長時代、大変お世話になりました。この場をかりて御礼申し上げたいというふうに思います。

 この新幹線の開業に伴って、並行在来線を運営する新会社も同時に立ち上がっております。しかし、全国の事例を見てもそうでありますが、なかなかこれの赤字化は避けられない、そのような状況また傾向性が見られます。

 一般にということで結構なのでありますけれども、今後において、先ほど上下分離というふうなお話もこの出資の対象で出てまいりましたけれども、この会社が将来において上下分離を行うという判断を行った場合、これはまた出資の対象となる可能性はあるのかないのか。制度の基準にかかわるのかもしれませんけれども、その点の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

滝口政府参考人 今回の出資というのは、あくまでも収益性があるということが大きな前提となるわけでございます。

 そういった観点から考えたときに、現在収益性のない事業、地域公共交通につきまして、関係する地方公共団体が、既存の並行在来線であるとかバス事業なども含めてでございますが、昨年改正されました地域公共交通活性化再生法に基づいて地域公共交通網形成計画というものをつくりまして、地域公共交通ネットワークの再構築を図る、すなわち、上下分離をするとかバス路線について新たに再編を行うとか、そういった取り組みを行うという可能性はあり得るものであると思っております。

 冒頭申し上げたように、収益性の見込みというのが非常に重要となってまいりますので、個別の事業ごとにこの収益性の見込みというものを判断していく必要がございますけれども、制度的には、そういったような収益性があるような場合には、今回の出資の対象となり得るというふうに考えているところでございます。

前田委員 どうもありがとうございました。

 こういった議論については、またいろいろ場面があろうかと思いますので、また引き続きの質疑をさせていただければというふうに思います。

 最後の質問になります。

 この出資は、どちらかというと大きな町、そして人口が集積しているところというふうなことでございますが、私も小さな町の首長を経験して、今国政に上がらせていただいている者でありますので、そういった観点から、最後の質問をさせていただきたいと思います。

 一つの町で、住民の利便性を考えて、病院バスが必要だとか、またコミュニティーバスもあったらいい、また学生の通学バスも必要だ、こういった便利な目的バスがふえると、それはそれで結構なことなのでありますけれども、一方で、既存の路線バスに乗る人がどんどんといなくなってしまって、赤字路線バスに対する自治体の負担も逆にふえてしまうということが間々ありました。

 また、通学バス、これを一般の住民も乗れるような混乗型にしていったら効率がいいのではないかという考え方も持ったのでありますけれども、そうすると今度は、通学バスの普通交付税の算入がなくなっちゃうので、通学バスを残しながらコミュニティーバスも一方で運行する、そういうふうな事例もありました。

 これは、その町が、いろいろな支援メニューがあるのでありますけれども、その支援メニューを横目で見ながら町の公共交通の構築を行ってきたという、主と従がちょっと逆さまになった、そのようなことがありました。これは、ほかの町でも今ある事例ではないかなというふうに思うんです。

 そこで、例えばバスの運行を考えたときに、運行目的によって省庁間で、また国土交通省の中であればそれぞれの局、課の中でも支援メニューが異なっているこれまでのやり方から、運行目的は何であっても同じ地域を走るバスという意味では一緒だという考え方を持って、支援メニューを一本化とか一体化とか、そういったことをしていく、そういったことも本法及び交通政策基本法の目指すところではないかなというふうに思うんですが、大臣、いかが思われますでしょうか。

太田国務大臣 まさにそのとおりで、人口減少・高齢社会という中で、どうやって町をつくり直すか、その中で悪戦苦闘している公共交通ということについて、いろいろなバリエーションを含めて支援体制をつくろうということで、累次にわたる改正で、今回は出資ができるようにということもさせていただいているところなんです。

 今御指摘の、例えばスクールバスというのがある。朝と夕方というのは走る、だけれども、その間は遊んでいる。ここのところを、今度は、昼は大事なコミュニティーバスということで、お年寄りを乗せたりしながら病院を回れるようにする。文科省の範囲であろう。しかし、そうではなくて、コミュニティーバスという形でやるというようなことで、福岡県の朝倉市というところでは既にそういうことが始まっていますが、そうしたことを、地方自治体が一番使いやすい、ハンドリングができるようにということを、地方自治体、我が町はこういうふうにしていきたい、公共交通をこのようにしていきたい、そうしたことが柔軟に、いろいろな手だてがそろって、まちづくりに活用していただくということの手段の一つが今回のまた改正ということだというふうに位置づけているところです。

 そういう意味では、地域全体のまちづくり、そしてマスタープランとなる計画を策定して、地域公共交通の再構築を進めるというこの仕組みをより一層進めるというところに、この法律改正案の大きな狙いがあります。

 そういう意味では、今、スクールバスとコミュニティーバス、あるいは福祉バス、こういう連携ということについて申し上げ、他省庁の助成措置等との組み合わせということも言わせていただいたんですが、路線バス、ディマンドタクシー、こういうことの地域公共交通確保維持改善事業による運行費の支援であるとか、あるいはLRTや駅前バスターミナルの整備など、全体を含めたものであるとか、そういうことの手だてというものの総合的な組み合わせ、支援が可能であるということが大事だと思います。

 今回の改正によりまして、出資という支援のスキームが活用されるということになろうと思います。御指摘のとおり、いよいよ町をどうするかということをしっかりつくっていただいて、その中にいろいろなメニューをそろえて、判断をしていただけるようにということを強く思っているところです。

前田委員 現在においては最適と思われている公共交通のあり方も、時代的な背景でありますとか、その地域の変化の状況、そういったことでどんどんとあるべき姿が変わっていくというふうに思います。それに負けないように、この地域公共交通の活性化再生法、それもどんどんと適時改正をしていって進化をさせていくということが大事だろうというふうに思います。

 私も、公共交通政策、これからも大きな関心、そして注意を持って見てまいりたいというふうに思います。関係各位の皆様のさらなる御奮闘を期待して、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、中川康洋君。

中川(康)委員 おはようございます。公明党の中川康洋でございます。

 私も、今回の法律案につきまして、御質問を何点かさせていただきたいというふうに思っております。

 私は、こちらに来る前は、四日市の市議会議員、さらには三重県の県議会議員ということで地方議員をしておりまして、まさしく地域公共交通のあり方、さらには再構築の議論にずっと携わってまいりました。そういった認識、経験も含めて、きょうは三点ほど御質問をさせていただきたい、このように思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 初めに、この法律案が提出された背景そのもの、地域公共交通の現状及びその必要性についてお伺いをしたいと思います。

 鉄道やバスなどの地域公共交通は、日ごろから人々の生活に密接にかかわるものであり、地域の経済活動の基盤をなすものであるというふうに思っております。

 しかしながら、この地域の公共交通、現状は、マイカー利用者の増加によりまして、特に地方部において、その輸送人員は非常に減少傾向にあるという状況がございます。

 具体的には、平成五年度から二十五年度の直近二十年間における輸送人員の減少率は、地域鉄道については約二二%、さらにはバスについては約三二%の減という状況でございます。また、平成二十五年度には、地域の鉄道事業者の約七四%、さらにはバス事業者の約七一%が赤字でございまして、地方都市や特に過疎地域などにおいて、鉄道、バス事業者などのいわゆる交通事業者が不採算路線ということで撤退するなど、地域公共交通の空白地域が拡大をしているという状況がございます。

 そこで、まず初めにお伺いをいたしますが、国土交通省といたしまして、鉄道やバスなどの地域公共交通の現状をどう捉えているのか、また、その必要性についてどのように認識されているのかを伺います。

 特に、この必要性につきましては、これからの地方の大きな課題であります地方創生、さらには人口減少社会への対応の視点も踏まえて御答弁をいただきたいと思います。大臣、よろしくお願いいたします。

太田国務大臣 人口減少やモータリゼーションの進展によりまして、公共交通事業者の経営悪化が進行し、特に地方部において、公共交通ネットワークの縮小、サービスの低下が懸念をされているという状況です。

 しかし、地域公共交通は、地域住民の移動手段としても極めて重要でもありますし、とりわけ車を運転できないという学生や生徒、あるいは高齢者、障害者、妊産婦等にとりまして欠かすことのできない存在であろうと思います。

 私は、コンパクトシティーということを言っておりますが、全部切り捨てて町の中ということを言っているわけじゃなくて、人は、その土地に愛着を持ちながら、文化を呼吸しながら生きるものであるというのが私の哲学でありますが、そういう意味では、住み続けられるようにということからいきますと、公共交通というのは極めて重要だというふうに思っております。

 その状況変化に対応して、コミュニティーバスとか、あるいはディマンドバスとかタクシーとか、またICTの活用であるとか、さまざまな側面が今生じている。これを的確に、まちづくり、そして生活の利便性ということで確保しなくてはいけない。

 こういうことから、一昨年には交通政策基本法が制定されて、この二月には交通政策基本計画を閣議決定させていただきました。三つの基本方針を出しておりますが、その中の第一項目の生活交通の問題、利便性ということに政府を挙げて取り組みたい、このように思っています。

 昨年の通常国会で地域公共交通活性化再生法の改正を行いまして、地方公共団体が主体となって、地方の公共交通ネットワークの再構築ということで、上下分離を初めとする、そうしたことについての手だてを出させていただきましたが、一層いろいろな形でのメニューというものが必要だし、御判断を地方自治体にいただきたいというふうに思っています。

 地方創生で極めて重要なまちづくり、この公共交通というものが本当に、活性化再生法という名がついているわけでありますが、再生し、活性化していくようにということを強く思っているところです。

中川(康)委員 大臣、大変にありがとうございました。

 大臣からは、人が住み続けられるようなまちづくり、そこに地域公共交通は非常に重要なポイントであるというお話をいただきました。

 私も、地域公共交通のあり方、人を中心とした、また住民を中心とした考え方をお持ちいただければというふうに思っておりますし、最終的には、コミュニティーバスとかデマンド交通、こういったところになってくると思いますけれども、何らかの手段がなくなってしまうと、その地域は一気にいわゆる衰退をしてしまう、こういったことも誘発をしてしまうのではないかなと思いますので、またひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。

 それでは次に、今回提出をされました法律案の中身について少しお伺いをいたします。具体的には、鉄道・運輸機構が行う出資の中身について確認をいたします。

 今回、この法律案に示されております基本スキームでは、鉄道・運輸機構は、国土交通大臣の認可を受けた基準に従い、地域公共交通活性化再生法に基づく認定を受けた新会社に対して、民間出資とともに出資等を行うこととされておりますが、鉄道・運輸機構が新たな会社に出資する際に、その出資の限度額、また民間出資との限度比率、これを設定するのか、さらには、設定する場合はどの程度を考えているのか、この点をお伺いしたいと思います。

滝口政府参考人 今回の鉄道・運輸機構によります出資は、あくまでも収益性があることを前提に、一定のリスクを伴う事業に対しまして、必要となる資金の一部を構成し、民間資金の呼び水というふうにしようということを考えております。

 このため、機構からの出資割合でございますが、自治体からの出資分と合わせまして、民間出資の総額を超えないようにしていこうではないか、そういった努力をしていこうというふうに考えているところでございます。

 この具体的な考え方につきましては、大臣の認可を受けまして鉄道・運輸機構が定めます基準において定めることになります。今後、具体的な内容について、機構において検討されることになります。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 今、出資の比率等のお答えをいただいたところでございます。

 それでは次に、民間からの出資そのものについて伺います。

 民間からの出資につきましては、これは交通事業者とか民間企業、さらには地元の金融機関、ここら辺の想定があるというふうに思いますが、鉄道・運輸機構が出資をすることによりまして、民間出資を呼び込む効果というものがどのように出てくるのか、また、あると考えているのか。さらには、どのような方策を具体的に持って、これは国交省とか運輸機構が考えていく部分もあるかと思いますが、この方策をお伺いしたいというふうに思います。

滝口政府参考人 今回の出資は、収益性があることを前提にしておりますが、一定のリスクを伴う事業というものに対しまして、民間の資金を誘う呼び水にしたい、こういうことでございます。

 出資の対象となる事業につきましては、まちづくりとの整合性を図りながら、地域公共交通の利用者のニーズに合致をしたよりよいサービスを提供するということ、そういったことを通じまして収益性の確保を目指すということになるだろうというふうに考えております。

 しかしながら、このような事業、地域公共交通に関します事業につきましては、その前提となりますまちづくりの進捗状況であるとか、あるいはそれに伴います人口動態の変化、こういったことがございます。潜在的な利用者は一体どうなるのかといったような問題がございまして、民間企業だけでは将来の見通しを立てることがなかなか難しいといったようなことがあるわけでございます。

 そこで、鉄道・運輸機構におきまして、中長期的な観点から事業の収益性を精査する、その前提といたしまして、ただいま申し上げたような将来の見通しを機構として立てていくということで、機構としても出資の判断をする、そしてまた、その上で民間の資金を引き出しやすくするというふうに考えております。

 この判断につきまして、地元の金融機関等の民間企業と意見交換をするといったようなことを通じまして、出資先の事業の意義、収益性などについて、関心を持つ金融機関などの方に十分御理解をいただくといったことを進めてまいりたいと思っております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 今回、民間からの出資は半分以上をそれで考えていると。今回の基本スキームのポイントは、やはり民間をいかに呼び込むかというところだと思いますので、そこの方策というのはしっかりとお考えをいただければというふうに思っております。

 その上で、少しちょっと逆行する質問になるかもしれませんが、この出資業務を行うに際して国交大臣の認可を受けて定める基準を設ける、今、前田先生も御質問されておりましたが、この基準を設けるというところの中に採算性の判断基準というところがあります。

 確かに、今回のスキームが出資である以上、配当を生み出していく、これは重要な視点、当然な視点であるというふうに思うんですが、しかし、これはそもそも論ではあるんですけれども、この地域公共交通、幾ら新会社を設立して新たに進むとはいえ、そう簡単に収益性が見込めるものばかりではないということが、全般的な地域公共交通を考えた場合あるというふうに思っております。

 先ほど大臣も御答弁の中にありましたが、いわゆる学生とか高齢者、障害者など、地域住民の中においては地域公共交通に頼らざるを得ない人たちもいるというふうに思いますし、地方創生とか人口減少社会の対応から捉えた場合、この判断基準については、その選定の入り口の段階から余り狭めるのではなくて、少し柔軟性を持たせてこの判断基準、特に採算性というところをつくることが大事ではないかなというふうに思うわけですが、その点、いかがお考えでしょうか。

滝口政府参考人 今回の鉄道・運輸機構による出資につきましては、国のお金を財源として、原資といたしまして出資をするわけでございます。したがいまして、中長期的に収益性の確保がなされるということが基本的には大前提ではないかと思っております。

 一方で、委員御指摘のように、全国各地の地域公共交通を見ますと、そういったような中長期的な収益性が見込めるということがあるのかという御指摘でございます。まさに人口減少あるいは高齢化といった中で、非常に厳しい状況にあるのはおっしゃるとおりでございます。

 そのため、中長期的な収益性が見込めない、あるいはリスクが非常に大きいといった問題、そういったようなものにつきましては、私どもの方で、国の方で用意をいたしております地域公共交通確保維持改善事業といったような補助金がございます。こういった補助金を最大限に活用することによって地域公共交通の確保、維持を図っていくということが必要なんだろうと思っております。

 この問題、どうすれば地域公共交通の確保、維持が図られるのか、そしてまた改善していけるのかということについては非常に重要な問題だというふうに認識しておりまして、ソフト、ハードにわたる多様な支援策、これは国土交通省のみならず、先ほど大臣の方からお答え申し上げましたが、他省庁のものも含めまして、そういったものを活用しながら、また、それぞれ適切な役割分担、機能分担を考えながら、地域の実情を踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 今回の法律案はいわゆる出資スキームでの考え方なわけでございます。しかし、地域公共交通の再編、再構築に全てこれが合致するわけではない、逆に言えばこれに合致するものの方が少ないのかなというふうに思っています。

 他方、いわゆる補助事業のメニューがあるということで、私が危惧するのは、やはりそちらの対象になる地域公共交通の再編の方が多いんじゃないかと。今回のいわゆる出資、投資スキームができたことによって、いわゆる補助スキームの方がボリュームとして減っていくことがないようにしていただきたいな。それは先ほどの前田先生のときの答弁にもあったものですから、少し安心をしたわけでございますけれども、そのところを少し私もこれから注視しながらいきたいと思いますので、やはり補助スキームのところもまたしっかりとボリュームを持っていっていただきたい、このように思っております。

 最後、三点目、少し具体的な話に入りますが、この法律案に関連をする形で、昨年十一月に施行されました改正地域公共交通活性化再生法に基づく鉄道事業再構築事業の公有民営方式に転換した地域鉄道への今後の財政支援について、お伺いをいたします。

 まさしく補助金によるスキームのところに当たるんですが、今回の法律案が出される前から、全国の自治体では既に国からの地域公共交通特定事業の認定を受けた例が幾つかございます。その一つが、私の地元であります三重県四日市市にあります四日市あすなろう鉄道でございます。

 この鉄道、四日市市内を走る今では珍しいナローゲージの、実は全長七キロという非常に短い鉄道でございますが、本年四月、これまでの近畿日本鉄道による運行から、四日市市が第三種鉄道事業者、そして新会社であります四日市あすなろう鉄道会社が第二種鉄道事業者という、いわゆる公有民営方式で新たに再出発をさせていただいた鉄道でございます。

 今後、四日市市としては、この四日市あすなろう鉄道が安全かつ快適に運行されるために、国の補助制度を有効に活用しながら計画的な設備更新を行っていきたい、このような思いでございますが、この設備更新に実は最も費用がかかるのが最初の四、五年というところでございまして、ここに確実な予算が確保されること、これが今後のこの鉄道の、継続的、持続的に運行される意味においては大変重要でございます。

 そこでお伺いをいたしますが、私は、鉄道事業再構築事業によって国の補助金交付を申請する地方自治体については、国はその補助事業に係る要望額に対して今後も確実な予算確保を行うべきであるというふうに考えております。

 近年、この補助金交付については、全国からの申請の多さから、案件によっては補助割れが起きているという例もあるというふうに伺っておりまして、やはり、そのような危惧の中で予算確保をしっかりとしていっていただきたいというふうに思っておりますが、国交省の御答弁をお願いしたいと思っております。

 またあわせて、国からの補助につきましては、地域鉄道の運営を今後も持続可能とするためにも、補助金交付申請を行う地方自治体の財政力指数にかかわらず、鉄道事業再構築実施計画の認定を受けた鉄道事業者については、補助率のかさ上げ、現在これは具体的には三分の一でございますが、これの二分の一へのかさ上げを検討すべきではないかというふうに思いますが、その点につきましても御答弁を願います。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 地域鉄道に対する支援としまして、その安全施設整備に対する国庫補助制度がございます。特に平成二十六年度におきましては、御指摘のように予算額に対しまして大変多くの御要望をいただきまして、残念ながら全ての要望にはお応えできない、こういう状況でございました。

 ただ、そうした中にありましても、いわゆる鉄道事業再構築事業、これはまさに鉄道事業者が自治体と連携して行う取り組みでございますので、この場合につきましてはできる限りの応援をしたいということで、そういった配慮のもとに予算の配分を行ったところでございます。

 御指摘の四日市のあすなろう鉄道につきましても、平成二十七年度補助対象事業として必要額の配分を行いました。

 それから、補助率につきましては、原則三分の一ということで、財政力指数の弱いところは二分の一ということを従来から行っておりますが、今年度の予算におきましては、鉄道事業再構築事業とあわせまして、地域公共交通再編事業、これは例えば鉄道への接続を改善するためにバスのダイヤを見直すといった事業でございますけれども、こういった地域公共交通再編事業を実施する場合には、財政力指数にかかわらず三分の一を二分の一にかさ上げするという制度を設けたところでございます。こういった制度の御活用をお願いしたいと思っております。

 今後も引き続き、鉄道事業者の要望額の把握に努めながら、必要な予算の確保に取り組んでまいりたいと考えておりますが、特に再構築事業につきましては、やはり地方公共団体が一体となった取り組みでございますので、しっかりと御支援をしてまいりたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございます。

 二十六年度、四日市あすなろう鉄道につきましては申請額そのものを御評価いただいたということで、これはもう本当に感謝を申し上げるお話でございます。

 しかし、二十六年度、全国からの申請が今答弁にもありましたとおり非常に多い中で、実は私ども、四日市市内の違う鉄道事業者につきましては、やはり補助割れが生じて、そのことが全体的に波及しまして、今後も大丈夫なのかというような心配が各自治体ないしは鉄道事業者に出てきたというようなところから、あえてこの御質問をさせていただきました。

 今お話しの中で、鉄道事業再構築事業をしたところについては評価していきたいというお話をいただきました。

 私も当然、地方自治体、主体的に、この再構築事業に対して汗をかき、また努力をしてきたわけでございますので、そこは評価しながら、やはり最初の四、五年はすごく大事でございますので、そこに対してはしっかりとした予算の確保を行っていっていただきたいというふうに思っております。

 地域公共交通再編事業、今年度からということでございますが、これはやはりもう一段高いレベルの再構築になってくるものですから、例えばバス事業者や鉄道事業者を含めてしっかりと話をして、ただ絵を描くだけではなくて現場の合意も要るものですから、少し段階の高い話になってくるのかなというふうに思っております。

 やはり地域公共交通はすごく汗をかいて頑張ってきたわけでございまして、そこに財政力指数というポイントは私は余り入れなくてもいいのではないかなというふうに思っておる一人でございます。

 現状は、財政力指数〇・四六を下回ると三分の一から二分の一ということでございますが、都市部であれ地域部であれ、地域公共交通のあり方をどうするかというところはどこも同じような課題でございますので、そういったことも含めて、やはり住民の足を確保するという意味においての地域公共交通の再編、再構築、ここはしっかりとまた引き続きお考えをいただければというふうに思っております。

 私も、地方議員を長くさせていただいた一人として、その問題にしっかりとこれからも携わりながら、地域の方にその公共交通があってよかったと言っていただけるような、そういったまちづくりに努めてまいりたいと思います。

 以上で質問を終わります。大変ありがとうございました。

今村委員長 次に、本村賢太郎君。

本村(賢)委員 民主党の本村賢太郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 第百八十六国会におきまして、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議が付されておりますけれども、今回の改正案も、この附帯決議の二に対応するためのものと承知をしておりますが、ほかの項目において対応されているのか、まず現状をお伺いしたいと思います。

滝口政府参考人 昨年の地域公共交通活性化再生法の一部を改正する法律案に際しまして、附帯決議がつけられております。同法案の成立を受けまして、私どもとしてはしっかりと対応を進めているところでございます。

 例えば、まず一といたしまして、地域公共交通に関する知見、ノウハウの提供、人材の確保及び育成、有識者の紹介等、必要な支援を行うことといったことについての決議がございます。この点につきましては、地方公共団体あるいは交通事業者向けの説明会を全国で開催いたしております。また、今年度以降、地方公共団体担当者向けの研修を行わせていただくといったようなことも考えておりまして、その充実を図ってまいりたいと思っております。

 また、ほかの一例を挙げさせていただきますと、六でございますが、地方公共団体が適切に地域公共交通網形成計画の達成状況の評価を行えるよう、ガイドラインを作成するなど適切に対応することとの決議をいただいております。この点につきましては、現在、私どもの方で、計画策定の手引といったようなものの策定を進めているところであり、できるだけ早く地方公共団体に周知をいたしたいと思っております。

 また、今委員の方から御指摘がございましたが、この附帯決議の二で、「公共交通事業者に対する予算措置、融資制度等の支援措置の拡充について幅広く検討を行うこと。」という御指摘をいただいておりますが、今般の法律案は、こういった検討を踏まえまして、出資制度を含めて対応するということにさせていただいておるところでございます。

 附帯決議に盛り込まれました九項目のうち、一部については既に完了いたしておりますが、残っている項目につきましても、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

本村(賢)委員 今、附帯決議に関して対応をお聞きいたしましたが、まだ対応していないところに関しては、鋭意また取り組みを進めていただきたいと思います。

 今、自民党の委員、公明党の委員からも、地域交通の具体の話もございまして、ちょっとLRTの質問から入らせていただきたいと思います。

 御承知のとおり、富山ライトレールの整備ということで、ここが日本初の本格的なLRTの導入であったという報道がございますし、また、これは平成十八年四月二十九日開業で、延長七・六キロ、電停が十三カ所で、主体が第三セクターの富山ライトレール株式会社がやられているということでありまして、旧JR富山港線の跡地を無償で受けて行われているということでありまして、全国的にも大変注目をされているところであることは承知をしております。

 そこで、富山駅の北側のライトレールは、先ほどお話ししたように、旧JR富山港線から無償で設備を譲り受けており、補助金を含めてでありますが、単年度黒字という成績ということも伺っております。

 対して、南側にある環状線、こちらは、平成十九年の地域公共交通の活性化及び再生に関する法律により、日本初の上下分離方式が導入されて、上部部分が富山地方鉄道株式会社、民間会社が請け負って、下部部分が富山市の行政が請け負っているということでございまして、上下分離の初めての導入がされたということは伺っているんですが、こっちの環状線側は、地元の皆さんのお話を聞くと、使いづらいお話や、なかなか活性化に生かされていない点も指摘を受けておるんですが、今回、南側の環状線は、軌道整備から行ったため初期負担が大分大きかったんじゃないかということで、採算がとれていない状況であるということも伺っております。

 今回、北側部分の富山ライトレール、LRTを活用した部分でありますが、廃線を活用した例であり、LRTが導入しやすかったということも地元の皆さんからお話を伺っておりますが、軌道の整備から行うのでは採算がとりにくいということを、今回、富山の北側、南側の事例であらわしているように思うんですが、まず、LRT導入の大きな障害になるのは、軌道整備などが結構大きな障害になっているんじゃないかなと思います。

 厳しい財政状況に苦しむ自治体が多い中、富山ライトレールが開業した平成十八年から見てことしは九年目になるわけでありますが、この間、LRTが導入されたことはあるのか、また、導入に至っていなくても、検討されている事例があるなら、お伺いしたいと思います。

小関政府参考人 富山ライトレール以後の導入事例や検討例についてでございますけれども、福井市、広島市などにおきましては、低床車両を導入することにより、利用者の利便性向上を図った事例がございます。

 また、低床車両の導入とあわせて、高岡市におきましてはJR高岡駅の駅前広場への延伸、札幌市におきましては大通りとすすきのの間で途切れている市電の環状線化などに取り組んでいる事例もございます。

 委員御指摘のように、新規にLRT導入を具体的に検討している都市としては、栃木県の宇都宮市がございます。

本村(賢)委員 新しく導入を検討しているところで宇都宮市があるということでありまして、宇都宮市のLRTの導入はどのような計画になっているか、お伺いいたします。

小関政府参考人 宇都宮市におきましては、LRTは東西方向の基幹公共交通として位置づけられておりまして、平成二十八年度の着工を目指していると聞いております。

 現在のLRTの導入計画案の概要でございますが、計画区間はJR宇都宮駅西側の中心市街地と鬼怒川左岸の工業団地を結ぶ約十八キロメートルでございまして、そのうち、JR宇都宮駅東側の約十五キロが優先整備区間とされております。

 宇都宮市によりますと、優先整備区間の想定事業費につきましては、現時点では、宇都宮市整備区間約四百六億円、芳賀町整備区間約四十六億円、合計四百五十二億円が見込まれております。

本村(賢)委員 今、計画についてお伺いいたしましたが、次に、宇都宮市が検討しているLRTの計画は今回創設された出資制度の対象になり得るのかどうか、お伺いいたします。

滝口政府参考人 今回お願いを申し上げております鉄道・運輸機構による出資は、収益性があることを前提とすること、一定のリスクを伴う事業に対しまして、この機構からの出資が資金の一部を構成し、民間資金の呼び水となるといったようなことを考えておるところでございます。

 機構がこの業務を行うに当たりましては、大臣の認可を受けて定める基準に従って業務を行うということにいたしております。この基準では、政策目的への適合性、あるいは民業補完性の徹底、あるいは長期的な収益性の確保といったようなことについて記載をするということを考えております。

 委員御指摘の宇都宮市のLRT計画については、同市は今回のこういった出資制度については関心を示しているというふうに承知をいたしておりますけれども、具体的なスキームなどにつきましては、現時点では同市を中心に検討している段階だというふうに承知をしているところでございます。

 宇都宮市から、具体的な計画の策定が進み、今回の出資制度を活用したいとの申し出があった場合には、鉄道・運輸機構において、大臣の認可を受けて定めました基準に従いまして、出資等というものが判断されるということになるというふうに考えております。

本村(賢)委員 それでは、制度の対象となるという前提でちょっと質問させていただきます。

 先ほど御答弁の中で、LRTの整備については平成二十八年度着工を目指していると宇都宮市のパンフレットに記載がされているところでございますが、「現在、国からの軌道事業の特許取得や都市計画の決定などの手続きに必要な計画の策定や軌道の設計などの取り組みを進めています。」という記載もございましたが、スケジュール的には、平成二十八年度着工に向けて、今、宇都宮市は段階的には順調なんでしょうか。

小関政府参考人 今後、平成二十八年度着工のためには、御指摘のように、都市計画決定や軌道特許申請など各種の手続が必要になってまいりますが、宇都宮市からは、本スケジュールは実行可能なものとしているというふうに聞いております。

本村(賢)委員 次に、宇都宮市の試算では、最低でも一日当たり往復一万一千九百四十六人、約二万人ぐらい乗降客数があるのではないかと推計をされておりますけれども、しかしながら、二〇一三年十一月十九日に宇都宮市が市議会に報告したヒアリング調査結果では、芳賀、清原工業団地の車通勤者からの切りかえをする人は三・六%でしかないと出ており、需要予測を下回るのではないかという懸念がありますが、収支予測に問題はないのか、お伺いいたします。

小関政府参考人 我が国におきまして本格的なLRTの導入事例はまだ少ない状況でございますけれども、今後、都市や地域において計画の熟度が高まった事業につきまして、国土交通省といたしまして、技術的あるいは財政的な支援を積極的に行ってまいりたいというふうに考えてございます。

本村(賢)委員 今、質問とちょっと違う回答じゃないかなと思うんですが。収支予測に問題はないのかということでお聞きしたんですが。

藤田政府参考人 収支につきましては、今御指摘のように、地元の方でいろいろ検討がされているものと承知しておりますけれども、いずれにしましても、事業を行う場合には軌道法に基づく特許が必要でございます。私どもとしましては、軌道特許申請があった段階で、経営上適切かどうかといった必要な審査を行ってまいりたいと考えております。

本村(賢)委員 ぜひ、宇都宮市のLRTの応援をする意味でも、今後後世に負の遺産を残さない、その観点からも、国交省に特許取得の段階での指導をよくお願いしてまいりたいと思っております。

 次の質問でありますが、宇都宮市は、LRT整備の概算事業は優先整備区間で約四百六億円と試算をしておられます。また、その二分の一については国の支援を受けられる見込みとパンフレットに記載がされておりまして、先ほど述べたとおり平成二十八年度には着工すると示されているんですが、平成五年ごろから本計画が検討されていると伺っており、時間がかかっている印象がございます。これは、住民からの理解が十分ではないのかという疑問がございます。

 平成二十年十二月に制定された宇都宮市の自治基本条例では、第十五条に「市は、市政に係る特に重要な事項について、直接に住民の意思を確認する必要があると認めるときは、事案ごとに別に条例で定めるところにより住民投票を実施し、その結果を尊重しなければならない。」としておられますが、一部の住民から住民投票の要望もあったようでございますが、これは市議会で否決をされたということでございまして、現在まで住民投票がされておりません。

 私の地元である相模原でも新しい交通システムとしてBRTを検討しておりまして、平成二十一年に行ったBRTのパブリックコメントや地域説明会において、必要性や地域への影響、検討の進め方に対する不満などが寄せられたことを踏まえて、当時の、今も同じであります加山市長が計画を白紙に戻して、検討をまたし直そうという経緯がございました。それくらい丁寧に住民説明を宇都宮市でもするべきじゃないかなと感じておるんですが、住民の理解がない事業に対しての国の支援には慎重でなければならないと思います。

 収支、需要の見込みや住民の理解等を総合的に判断し、国からの支援を検討すべきと考えますが、国交省の見解をお伺いいたします。

小関政府参考人 地域の実情を踏まえまして、地方公共団体の支援あるいは沿線住民、関係する交通事業者などの理解と協力が必要であるというふうに考えているところでございます。

 今後、計画の熟度が高まった事業につきまして、国土交通省といたしましては技術面や財政面などにおいて積極的に支援を行ってまいります。

本村(賢)委員 今、富山ライトレールや宇都宮のLRTの、未来の方向性の考え方も伺ったわけでありますが、採算性や住民からの理解など、LRT導入に課題がまだ幾つかあるように思います。そこは政府が力強く進めていかなければならないと考えておりますが、今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。

    〔委員長退席、坂井委員長代理着席〕

小関政府参考人 今後、宇都宮市の方で所定の手続を進めていかれるものと考えておりますけれども、宇都宮市の方から相談があれば適切に支援をしたいというふうに考えておりますし、財政的な点につきましても積極的に支援をしてまいりたい、このように考えております。

本村(賢)委員 もう一度質問しますが、今後、LRT導入に対して、宇都宮だけではなく、国としてどのように支援をしていくのか、もう一度答弁をお願いいたします。

小関政府参考人 各地域においてさまざま構想されているLRTがございますけれども、それぞれ個別の具体がこれから進んでいくものというふうに思いますので、今後、都市あるいは地域において計画の熟度が高まった事業につきまして、国土交通省として、技術的、財政的な支援を積極的に行ってまいりたいというふうに考えております。

本村(賢)委員 ぜひ、LRTやBRTを含めて、地域公共交通の支援を国交省として強く御支援をお願いしてまいりたいと思います。

 それでは、今伺った具体的な事例も含め、今回の法改正の内容についてお伺いいたします。

 一部のJRや私鉄会社を除いて、現在の鉄道会社の状況を考えてみますと、出資金が回収できないリスクは低くないと思います。もしも出資先の営業が立ち行かなくなって出資金が回収できないと判明した場合はどのように対応していくのか、お伺いいたします。

滝口政府参考人 鉄道・運輸機構は、大臣の認可を受けてみずから定める基準に従いまして、まず出資を行うかどうかの判断をすることになりますが、この判断に当たりましては、対象となる事業が中長期的に収益性を確保できるかどうかについて、実態に即して厳しく精査をするということをさせていただきます。

 また、出資した後も、中長期的に収益性が確保できるよう、出資者として恒常的なモニタリングを行いまして、安定的な経営が行われるように努めてまいります。その上で、必要がある場合には、健全な経営がなされるよう、他の出資者と連携しながら必要な助言等を行ってまいりたいと思っております。

 以上のように、今回の出資につきましては、出資時それから出資後においても、出資先の事業主体におきまして健全な経営がなされるように努めてまいるということにいたしておりまして、出資金が回収できなくなるといったことがないように、そういうふうに配慮してまいりたいと思っております。

本村(賢)委員 出資金が回収できなくならないようにすることはもう当然のことでありますが、なった場合はどうなるんですか。

滝口政府参考人 今回の鉄道・運輸機構からの出資は一つだけではございません。そこで、他の出資案件等々を勘案いたしまして、仮に一つの出資事案が回収できなくなったということであっても、先ほど申し上げたような出資時及び出資後の対応によりまして、他の事業で収益性を確保するということによりまして、その損失をこうむらないといったようなことをしてまいりたいというふうに考えております。

本村(賢)委員 余りよくわからない答弁でしたけれども、ぜひ、焦げつかないように、しっかりと指導をお願いしてまいりたいと思います。

 それでは、次の質問ですが、出資の基準はどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

滝口政府参考人 今回の出資等の業務を実施するに当たりまして、鉄道・運輸機構は、法案の二十九条の二に基づいて、大臣の認可を受けて定める基準に従って行うこととされております。

 この基準は、出資の対象となる事業につきまして、地域公共交通ネットワークの再構築に資するものであるという政策目的への適合性、民間が負担し切れないリスクを分担しながら民間資金を誘発するという民業補完性の徹底、そして中長期的な収益性の確保といった観点から、適正に業務を実施する上で必要な事項を鉄道・運輸機構が定めるというふうに考えております。

 また、ただいま申し上げた、中身といいますかその事業の内容自体と同時に、出資等業務に対する全般的なチェックを行う組織といたしまして、機構に外部有識者等から成ります第三者委員会というものの設置を求めたいというふうに考えております。

 そういったような手続的な点においても、適切な出資等の業務が行えるようにというような基準にしてまいりたいというふうに考えております。

本村(賢)委員 今回の出資は財政投融資の財源でありまして、税金ではないものの、国民の資産を使っているという点においては非常に大事な視点で考えなきゃいけないと思います。

 出資する先の事業の採算性について慎重に検討しなければならないわけでありまして、今回、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構に出資業務を担わせた理由は何なのか、また、出資業務を行っていない鉄道・運輸機構に担当能力はあるのかどうか、お伺いいたします。

滝口政府参考人 いわゆる産業投資を原資とした国からの出資は、政府の監督権限及び政府出資規定等を有します特別法により設置された法人に限定して行われるということになります。

 一方、そのための新たな法人を設立するということは行政改革の流れに逆行するということになりかねず、また、今回、二十七年度においては十億円という枠をお願い申し上げておりますが、こういった予算規模からも、新たな法人の設立というのは適切ではないというふうに考えたところでございます。

 むしろ、出資等の業務を担わせるにふさわしい既存の法人があれば、その活用を図ることが行政改革の趣旨にも合致するだろうというふうに考えております。

 鉄道・運輸機構でございますが、これまでも運輸施設の整備を促進するための支援業務を行ってきております。また、財政投融資を活用した業務にも実績がございます。こういったことから、各交通モードに関する知見を持ち、かつ金融業務のノウハウを持つ法人として、今回、出資等の業務を鉄道・運輸機構に行わせることにしたものでございます。

本村(賢)委員 この機構に出資担当能力があるということでありますので、また、秘密保持義務を設けるということで記載もありますけれども、その辺をぜひ私たちも注目してまいりたいと思っております。

 鉄道・運輸機構においては、皆さん御承知のとおり、二〇一一年の三月から二〇一二年十一月にかけて、北陸新幹線の融雪工事において談合事件がございまして、入札談合等関与行為防止法違反の罪で機構からも二名の有罪が確定していると承知をしているところでありまして、本件に関するその後の、この事件を受けた国交省の対応についてお伺いしたいと思います。

藤田政府参考人 御指摘のとおり、鉄道・運輸機構が平成二十四年に発注した北陸新幹線の融雪・消雪設備工事三件に関しまして、機構職員二名が入札談合等関与行為防止法違反の容疑で起訴されたという事案がございました。昨年三月十九日には、公正取引委員会から改善措置要求も鉄道・運輸機構が受けたところでございます。

 これを受けまして、国土交通省は、機構理事長に対しまして、同じ三月十九日に厳重注意を行いまして、徹底した調査の実施、厳正な対処、再発防止対策を取りまとめてその確実な実施を行うこと、この三点を指示したところでございます。

 こうしたことを受けまして、鉄道・運輸機構におきましては、第三者委員会を設置し、事案の経緯等の分析、再発防止対策の検証を進めまして、昨年九月二十六日に、事実関係や再発防止対策を取りまとめた第三者委員会による調査結果の報告、提言書、それから機構としての調査報告書を発表したところでございます。

 この中では、コンプライアンス体制の強化、情報管理の徹底等の談合を助長する価格漏えいの防止、総合評価落札方式の導入の拡大や違約金の引き上げ等のペナルティーの強化による事業者側の入札談合の抑止、こういったことが盛り込まれております。

 国土交通省といたしましては、今後、鉄道・運輸機構におきまして、こうした取り組みが継続して着実に実施されるように指導してまいりたいと考えております。

本村(賢)委員 今の談合事件を聞きまして、対応策もお聞きいたしました。ぜひ、コンプライアンス、非常に大事な部分だと思いますので、その点を、今後もこういった不正がないように取り組みをお願いしてまいりたいと思います。

 また、今回のこの事件を受けて、談合が発覚した場合には受注業者は工事請負代金の一〇%の違約金を支払うという契約となっておりましたが、今回、受注業者が、談合防止の義務を負う機構には多大な過失があるとして、違約金の返還を求める訴えを行っているという記事が、三月二十八日の読売新聞なんかにもございますが、この後、どうなったでしょうか。

藤田政府参考人 そうした訴えが起こされたことは承知しております。現在係争中と承知しております。

本村(賢)委員 受注業者が、談合防止の義務を負う機構には多大な過失があるということで言われているんですけれども、既に、数社の方が違約金を支払ったり、または違約金を減額して工事代金が支払われたということであるんです。

 確かに、一〇%の工事請負金の違約金を支払うということであるわけでありますけれども、ただ、やはり今回、機構の職員みずからがこの談合にかかわったということでありますので、この点は非常に重い話だと思います。

 そこを受けて、大臣に、二度とこういった官製談合が起こらないようにリーダーシップを期待したいところでありますが、再発防止にかける大臣の所見をお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 北陸新幹線の工事における入札情報漏えい等の事案におきまして、関与した職員二名が昨年刑事処分を受けるとともに、機構としても、公取から入札談合等関与行為防止法に基づく改善措置要求を受けました。

 言うまでもないことでありますけれども、入札情報の漏えい等の不正行為はあってはならないことだと思っています。国交省としましては、徹底した調査の実施や再発防止策の取りまとめを指示いたしまして、これを受けて、機構において、昨年九月に事実関係及び再発防止対策を取りまとめた調査報告書や関係者の処分等が公表されたところです。

 私も、直接、厳しく、理事長を呼んで指摘をしたりという、姿勢、態度、それらを含めて言ったところでございます。今回の事案の反省の上に立ちまして、今後二度とこのようなことが発生しないように、再発防止対策を確実に実行するようにということを強く指示いたしました。

 国民の皆様の信頼を回復することが重要であるというふうに思っておりまして、今回新しく追加する業務も含めまして、鉄道・運輸機構が行っている業務が適切に遂行されるようにしっかり指導してまいりたい、このように思っております。

本村(賢)委員 機構は整備新幹線等々に非常に大きく携わっておりまして、特に三路線の新幹線の前倒しのお話もございますので、的確な大臣の指導をお願いしてまいりたいと思います。

 次の質問でありますが、官製談合と並んで国民から指摘されていることは、やはりこういう独法機構などでは天下りの問題がございます。

 鉄道・運輸機構においては、現理事長が国交省OBということもありまして、本法案に非常にかかわりの深い鉄道局長、航空局長、そして海上保安庁長官を務められたという方だと伺っております。平成二十三年の公募に応募して再任されたということは承知しておるんですが、平成十九年七月に海上保安庁を辞職されて、翌月八月には鉄道・運輸機構の理事を務められ、そして、その八カ月後、二十年四月には理事長に就任をされていると伺っております。

 定義によれば、この理事長さんは天下りではないということでありますけれども、平成二十年四月当時の天下りの定義には再就職先として独法が含まれていなかったようでありますけれども、平成二十一年一月一日から独法も再就職先として天下りに含まれるようになったわけでありまして、そう見ると、余り望ましい状態ではないように思うんですが、国民に誤解を与えないような人事にしなくてはいけないと思うんですが、いわゆる天下りについての取り組みについて大臣の所見をお伺いいたします。

太田国務大臣 石川理事長は、今お話がありましたように、平成十九年八月に鉄道・運輸機構の理事に任命されて、二十年四月には理事長に就任しています。理事就任当時には、国家公務員の営利企業への再就職規制がある一方で、独法については再就職規制はなくて、同氏の理事就任は当時の制度に照らして適切に行われたものであると考えています。

 また、石川理事長は二十三年十月に鉄道・運輸機構の理事長に再任をされておりますが、再任に当たっては、公募による選考を経た後に閣議口頭了解を得て、最終的に当時の国交大臣が任命をしているという状況です。

 これは、独法等の役員人事に関して平成二十一年九月に閣議決定された政府の方針にのっとった取り扱いでございまして、鉄道・運輸機構の理事長選任はその時々の制度にのっとって適切に行われているものと考えています。

 ただ、天下りというようなことについて、手続的、法的に問題はないわけでありますけれども、全体的に、そうした天下り対策ということについては、現在の決まりにのっとって常にしっかり対応していかなくてはならない。この石川理事長に限らず、全てにわたって、国交省としては、個々の職員に対して改正法に基づく再就職規制の内容の周知徹底を図りながらしっかり取り組んでいきたい、このように思っています。

本村(賢)委員 太田大臣の力強い御答弁を信じて、また、私たちもそれを応援していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 時間も迫ってまいりましたので、少し質問を飛ばさせていただきまして、先ほどはLRTの質問をしましたが、BRTについて数点お伺いいたします。

 幾つかBRTを導入している自治体の首長さんや議会の皆さんからもお話を今回お伺いしたわけでありますが、現在どの程度の自治体でBRTが導入されているのか、また検討している自治体はどのぐらいあるのか、お伺いいたします。

田端政府参考人 BRTは、現在、全国で十六カ所導入されております。

 このうち、藤沢市、厚木市、町田市、千葉市、岐阜市、兵庫県の三田市の六地域で連節バスが運行されております。

 また、今後の計画でございますが、連節バスの導入につきましては、相模原市、新潟市、東京都、福岡市などが検討を進めていると承知をしております。

本村(賢)委員 BRTを導入したい自治体の皆さんから、連節バスを導入しようと思ったが、バスの車体が全て外国産ということでありまして、国内産がないということでありまして、ぜひ国内産の連結バスの創設に向けてもまた国交省として強いリーダーシップをとっていただきたいという要望を一点お話しさせていただき、そして、海外産の連結バスの輸入手続を含めると、導入までに約一年から一年半程度かかるということでありまして、簡素化を望む声が聞かれているんですが、何らかの対応策がないでしょうか。

田端政府参考人 連節バスにつきましては、混雑緩和あるいは運転手不足問題など、非常に環境問題解決にも資する輸送機関でありますので、私ども国交省といたしましては連節バスの普及を進めております。

 現在、三十三両の連節バス、国内で生産されたものではございません。ただ、混雑緩和に資するなど、非常に有用性がございます。あと、普及が進められているということを踏まえまして、自動車メーカーに対し、国内でも連節バスを生産するよう働きかけをしていきたいと考えております。

 また、手続につきまして、先生御指摘の一年半程度かかるというようなお話も聞いておりますが、私どもといたしまして、自動車につきまして、長さが長いものですから、連節バスは基準が超過しているので、走行できるルートを指定するなどの安全確保を図った上で基準緩和をする制度を設けております。

 この基準緩和など手続の簡素化につきまして、二十六年三月に連節バス導入に関しますガイドラインを策定してきております。必要書類の記入方法、相談窓口、道路管理者、公安委員会との調整などの留意事項を取りまとめ、これを関係者に普及促進しているところです。

 今後、御指摘もありました問題点も含めまして、関係者の意見を伺いながら、手続が円滑あるいは迅速に進められるよう努めてまいりたいと考えております。

    〔坂井委員長代理退席、委員長着席〕

本村(賢)委員 今回、BRTやLRTという話がありまして、私は比較的BRTというのは導入しやすいんじゃないかと思っておりますので、ぜひ、手続の簡素化とか国内産のBRTの導入に向けて力強い支援をしていただきたいと思います。御承知のとおり、被災地でもBRTが廃線になった線路の上を走っているというところでありまして、被災地の市民の皆さんの足となっておりますので、その点もぜひ注目をしていただきたいと思います。

 次の質問に入りますが、二月に閣議決定された交通政策基本計画について数点お伺いしたいと思うんです。

 この中で、首都圏の電車の遅延についてという問題があると思います。

 昨今、首都圏においては、相互直通運転化が進んでいることから、遅延が拡大しております。私も、自宅である相模原の小田急相模原駅から代々木上原という駅で乗りかえて、千代田線に乗って国会まで来るんですが、やはり、この相互融通の遅延で、国会におくれることはないんですが、目標としていた時間からおくれることも多々ございますので、その点も、国交省の交通政策審議会鉄道部会でも議論になっていることは承知をしているところであります。

 例えば、東海道線で朝のラッシュ時に十分以上の遅延が生じた日数は、一週間平均、平日の五日間のうち二・八日となっており、この二・八日というのは東京メトロ半蔵門線や東急田園都市線なんかも同じようでありますけれども、相互直通融通を行っている東京メトロ半蔵門線や東急田園都市線なども同様な問題があるんですが、この相互直通運転の影響で遅延が発生していることが、昨今、サラリーマンの皆さんを初め通勤通学の皆さんから非常に大きな問題だということを指摘してまいりたいと思います。

 首都圏のダイヤは過密でありますし、一度遅延が発生すると、調整弁がないため、どんどん積み重なって遅延が拡大していくという問題がございます。政策的に取り組むべき課題と考えておりますが、国交省の見解をお伺いいたします。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 首都圏の通勤路線では、例えば混雑でありますとか駆け込み乗車によりまして停車時間が超過して、その結果として三分から十分程度の遅延が、これは混雑時間帯中心でございますけれども、しばしば発生している状況にございます。あわせて、相互直通運転が実施されて、その範囲が拡大しておりますので、遅延の影響範囲が拡大する傾向にございます。そういった意味で、運行サービスの質の確保という意味で大変大事な課題だと思っております。

 これまでも、例えば地下鉄の駅の構造を改良することによって遅延を防止するといった取り組みについて国としても支援を行っておりますけれども、今御指摘ありましたように、現在、交通政策審議会の中で、これは一つの大事なテーマとして、ワーキンググループを設けまして、遅延対策の検討を行っております。

 今後、このワーキンググループにおきまして、ハード、ソフト両面の対策の必要性、ダイヤ設定のあり方、それから利用者の協力を引き出す工夫、指標の導入、こういった観点から検討を進めて、運行サービスの質の向上が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。

本村(賢)委員 交通政策審議会のワーキングチームで鋭意今取り組まれているということでありますが、いつごろを目安にこの遅延対策が方向性づけされていくんでしょうか。

藤田政府参考人 現段階でまだ日程は未定でございますけれども、今年度内、あるいはもう少し遅くなるかもしれませんけれども、審議会の取りまとめを行いたいと考えております。

本村(賢)委員 この遅延問題は、国民の足となっている公共交通機関の非常に大きな問題でありますので、ぜひともその辺を捉まえて、早急に取り組みをお願いしてまいりたいと思います。

 最後の質問になりますが、交通系のICカードについてでございます。

 平成十三年にSuicaが誕生して以来、平成二十五年三月二十四日で相互利用が可能になった部分もあるんですが、例えば、JR東日本の駅である小田原駅とJR東海の駅である三島駅のように、JR各社の管轄エリアの間でICカードの相互利用ができていないケースが見受けられると伺っております。

 ICカードで乗車した場合、小田原から三島に行った場合、降車駅の有人窓口で料金の精算をしなければならないということでありまして、JR各社の管轄エリアを承知していない場合もあり、ユーザーの目線に立つと将来的には解消するべきと考えますが、国交省の見解をお伺いしたいと思います。

藤田政府参考人 JR各社のエリアをまたいだICカードの利用につきましては、一つの課題であると考えております。ただ、現状で申し上げますと、自動改札機の処理速度等の技術的な課題あるいはコスト面の課題があるというふうに承知をしております。

 具体的には、JR各社をまたいで使えるようにするためには、これは、ICカードシステムに組み込む駅の組み合わせ数が相当に増加いたします。そのための処理能力の問題がございます。それから、運賃制度も会社ごとに異なっておりますので、その辺を処理するという問題もございます。

 あわせて、コスト面の問題といたしまして、他社の運賃改定あるいは新駅開業によりまして、自社の改札機を改修するという必要が生じますので、いわば共通化すればするほどコストが増加する、こういった課題もございます。

 こういった課題はございますけれども、今後とも、鉄道事業者に対しまして検討の促進を働きかけてまいりたいと考えております。

本村(賢)委員 今回、交通基本計画において、政府は、主要なIC乗車券を利用できない県をゼロにするという目標が二〇二〇年までということでございますので、ぜひとも、これから外国人もたくさんいらっしゃいますし、そして国内の公共交通を利用する皆さんもたくさんいらっしゃいますので、この相互利用が一日も早く可能になるように太田大臣の強いリーダーシップを期待して、質問を終わりにします。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、宮崎岳志君。

宮崎(岳)委員 民主党・無所属クラブの宮崎岳志でございます。

 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 さて、今回の法案で、独立行政法人鉄運機構から、新型の路面電車でありますLRT、また、新しいバス運行システムでありますBRTなどの運営会社に出資する新たなスキームができるわけであります。

 近年、上下分離という方式が流行をしておりまして、公共交通でいえば、下部に当たるレール等のインフラを自治体や第三セクター等が保有、管理し、上部に当たる列車などの運行、運営を民間企業で行うというような例が一般化しつつあるというふうに捉えております。

 私の地元であります群馬県前橋市でも、平成十年度、一九九八年度から、上毛電気鉄道においてこのような仕組みが導入されているというようなことであります。

 全体的に、上下分離の下、すなわちインフラ部分に行政が資金を出すというのは従前からよくあることでありますが、今回は、基本的に、下ではなく上、運営部分にお金を出す、それも補助金とか委託料とか貸し付けとかそういうことではなく、出資であるというところが特徴的な、これまでと違う部分であろうかというふうに思っております。

 今回、公共交通を活性化すべきだということについては私どもも大賛成でありますし、また、それに対して公共的なお金を投入していくということも非常にすばらしいことだと思っております。

 そういうことなんですけれども、ただ、目的としては当然正しいわけでありますが、それによって、手段が正しいかどうかということはまた別であろうということで、根源的な話でいえば、近代政治学というのは目的と手段を分離するところから生まれてきたわけでありますので、ここについてまずお伺いをしたいと思うんです。

 一番目に、機構がなぜ出資という形をとるのかということについてお伺いをしたいと思います。なぜ出資という形をとるのか、そこにどのようなニーズがあるのかということであります。

 公共性はあるけれども不採算事業なので引き受け手がないんだというような場合に、行政が補助金を出すというのは非常にわかりやすいことですね。商業ベースに乗らないから補助金を出しますということであります。

 しかし、今回はあくまで出資であります。採算ベースに乗る事業が対象ということであります。ということであれば、民間に出資してもらうというのが原則的な方向性であろうかというふうに思うんですね。

 土地を買収して線路を引くというようなハード整備のようなもので何百億円もかかるというようなことでありますと、長期的に採算がとれても、なかなか民間では手を出し切れないというようなことになりますので、民間だけでは資金を賄い切れないというのも理解できるところであります。

 今回のスキームは、上下分離の上の部分でありますから、そういうわけでもなくて、それほど巨額の資金を要するというわけでもありません。採算性が乗るけれども民間の出資ではなく機構が出資をする、そこの必要性、ニーズについてどのようにお考えか、まず大臣にお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 地域公共交通は、コンパクトな拠点同士を結んでいくというネットワークとして、都市や地域の活力の維持に寄与するものであり、その活性化、再生は大変重要な政策課題であると思っています。これはもう御指摘もそういう前提だと思います。

 しかしながら、人口減少と過疎化が進む中で、路線バスも従来は採算がとれていたのが、民間の力だけでは路線の維持が困難ということになった、これも事実でございます。

 今回の鉄道・運輸機構による出資は、上下分離を行ったLRTや鉄道事業、路線再編を行ったBRTなどにおきまして、まちづくりとの整合性を図りながら、利用者のニーズに合致したよりよいサービスを提供して、収益性の確保を目指すものとしています。

 このような事業を民間主体で行う以上、収益性を見込んで行うことになりますが、一定のリスクを伴い、また収益性の確保が期待できたとしても、それが実現するまでには中長期を要すると思います。そのため、民間だけでは十分な資金供給を行えないことが想定されることから、民間資金の呼び水として鉄道・運輸機構が出資等を行うこととするものです。

 こうしたことで、民間そして補助ということの真ん中に、民間資金の呼び水として、全体的にはそんなに多くの額ではないわけですが、ある割合というものをしっかり確保しながら、呼び水効果として出資するということを提案しているところでございます。

宮崎(岳)委員 なぜこんな質問をするかというと、やはり産業投資のあり方、これは国交省のみにかかわることではありませんが、産業投資全体のあり方について、いろいろこれまで議論があったということが背景にあるわけであります。

 そこで、本日、財務省からも岡本理財局次長においでをいただいておりますが、そちらに質問させていただきたいんです。

 今回の資金は、財政投融資特別会計の投資勘定、昔でいうと産業投資特別会計というところでありましたが、そこから出資するものであります。通称産投出資というふうに呼ばれるものでありまして、NTT株やJT株の売却益とか配当収入等を原資にしているということだと思うんですが、これまでに産投出資が失敗して損害を出したケースというものも少なくございません。

 産業投資が失敗して投資勘定が毀損したというような例にはどのようなものがあるのか、またその原因はどういったことであるのかということについてお伺いしたいと思います。

岡本政府参考人 お答え申し上げます。

 財政投融資特別会計投資勘定におきましては、昭和二十八年度の産業投資特別会計の設立から平成二十五年度までに出資金の毀損などの費用を差し引いた収益といたしまして、累計で三兆八千八百三十三億円の収益を上げておりますけれども、一部に出資金を毀損した事例がございます。

 そのうち主なものといたしましては、基盤技術研究促進センターに対する出資におきまして、二千六百八十四億円毀損しております。そのほかの事例も合わせまして、毀損額は累計で三千七百三十九億円となっております。

 毀損の原因につきましてですけれども、先ほど申し上げました基盤技術研究促進センターにおきましては、新規に設立される研究開発会社に出資いたしましたが、事業の対象が基礎的、基盤的な技術でありまして、陳腐化のスピードが速く、実用化、製品化を通じた特許料収入に結びつかなかったことなどから、想定した収入が得られなかったものであります。

 この毀損額につきましては、平成十五年四月の同センター解散に際しまして、産投特会において出資金償却損二千六百八十四億円を計上し、処理は終えております。

 また、研究開発法人向けの投資につきましては、現在は行っておりません。

宮崎(岳)委員 今御説明がありました。基盤技術研究促進センターにおいて二千六百八十四億円の損失を出したことを初めとして、これまでに四千九百七十三億円の損失を出しているというようなことであります。先ほど、とはいえ収益というのも上がっているので、全体としては三兆八千八百億円ぐらい利益が出ているんだという御説明でございました。

 しかし、こう聞くと、産業への投資をやって、その投資が成功して四兆円近く利益が入ったんだというふうに聞こえるわけでありますけれども、必ずしもそうではないわけであります。収益の大どころというのは、NTT株、JT株あるいは日本政策投資銀行の政府保有株等から上がる株式配当収入でありますとか、JAL、NTTの株式処分益でありますとか、国際協力銀行などからの国庫納付金というものが主要な柱でございます。

 これは、もともと政府が独占企業を、JTなんかに至っては明治時代ですから、そういう時代に法律で守られた独占企業をつくって、そういったものに長年かけて投資をして形成していったものをある日処分したからお金ができた。そのお金を産投特会、今でいうと財投特会の方に移したから利益というふうに計上されているだけであって、産業への投資が成功したから利益が出たというわけではないわけですよね。

 ですから、ここはきのう私も財務省の方にはお伺いしましたが、では正確に産業への投資でどれだけ利益が出たというのは即答はいただけなかったですし、なかなか数字は、ありますか。ないですね。なかなかないのではないかというふうに思います。

 失敗した例に特別認可法人の基盤技術研究促進センター、今お話しいただいたものがあります。これは、昭和六十年にNTTが民営化されました。その政府保有株の配当が当時年間二百八十億円ずつ上がるということになりまして、このお金をどう使うかということになって、産投特会の中に一般会計から移しかえて入れたわけですね。このお金を使うためにつくったような法人と言ってもいいと思うんですよ。

 そのときに、NTT株の配当を原資といたしまして、研究開発プロジェクト会社というのを民間につくらせます。そこに共同出資をして研究開発を行って、研究成果が上がれば、その特許権収入、知的財産権収入で投資を回収しようというようなものでありましたが、大失敗をしたわけであります。三千五十六億円を出資して二千六百八十四億円の損失を出した、投資なのに九割返ってこなかった、こういう話でありまして、センターは、先ほど答弁にありましたとおり解散に追い込まれたわけであります。

 会計検査院の平成十二年度の決算検査報告を見ますと、研究開発プロジェクト会社七十四社に対して、平成十二年度末までに民間からの出資金と合わせて四千億円を超える出資金が投下された。四千億円ですよ。特許収入等の総額はわずか三十億四千六百二十七万円余りである。四千億入れて三十億しか返ってこなかった、これは民間のお金も入っていますけれども。こういった事例が過去にあったわけであります。

 また、情報処理振興事業協会及びこれを引き継いだ独立行政法人情報処理推進機構では、特定プログラム開発承継勘定、これも会計検査院の報告等によると、企業に開発費を支給して開発したプログラムの権利、このプログラムの権利を開発企業と共有する、そしてそのプログラムを売ったり、使用料収入等のところから利益を回収しようとしたんですけれども、四百八十二億円の投資に対して三百七十七億円の損失を出して、八割焦げついて返ってこなかったというようなケース。

 国交省関連では、いわゆる関西国際空港株式会社が有名でありますけれども、この産投出資でも百五十三億円の損失を出しています。

 こういうことを考えますと、民間も出資しているからよいとか、出資であって投資なんだから平気なんだということは必ずしも言えないだろう。もちろん特会の見直し等も行われて改善しつつあるんだと思いますけれども、そういうことで、ただ、いいことにお金を出すし、返ってくるからいいんじゃないかということではちょっと済まない、こういうことなんだと思うんですね。

 出資先が民間企業主体であることについて、これは次は大臣にお伺いをしたいと思います。

 自治体と機構の関与が大きくなり過ぎて、非効率的な公営企業というのができてしまうんじゃないかというようなことが懸念されるわけであります。

 先ほどの産投出資のあり方についても、平成二十年六月の財政投融資に関する基本問題検討会産業投資ワーキングチーム、福田政権のときですかね、ちょうど麻生政権にかわるころのものかと思うんですが、こういったものを見ましても、これはリスクマネーへの投資なので、個々の投資一本一本について利益を確保する必要はない、こういう表現になっています。しかしながら、産業投資全体で継続的に一定の利益を上げて赤字を出さずに運営することが求められる。そして、個々の対象機関ごとに、短期的に毎年度国庫納付または配当を求めることはないが、長期の事業見通しを立てたときに最終的に利益を確保することができる見込みがあるか、定期的に検証することが必要なんだ。そして、もし返ってこない可能性があるということであれば、そういったことについては抜本的な見直しを行わなければならない。つまり、融資をとめるとか清算するとか、あるいはもう完全に主体を変えるとか、いろいろあるんでしょうけれども、そういうことであります。

 そういったことがこれまでも検討されている趣旨であるということを踏まえた上で、自治体と機構の関与というものが大きくなり過ぎると問題があるんじゃないか。この自治体と機構の出資割合の限度、どこまでなら許容されるのかなというふうに考えていらっしゃるかを大臣にまずお伺いしたいということ。

 それから、出資割合が一定の限度を下回るから全て安全なんだとももちろん言えない。中心となる民間企業やバス会社、鉄道会社みたいなところがでんと構えていて、経営責任は自分たちが負うんだ、ただ、リスク分散のためお金を出してくれ、自治体や機構にも、それなりに出資してくれ、こういうのならいいんだと思うんですね。こういうケースを想定されているんだとは思うんです、恐らくスキーム的には。

 ところが、場合によっては必ずしもそうではなかったりもすることがあるわけでありまして、例えば今回のスキームは地域計画に基づいたものですから、自治体主導であるという面も否定できない。自治体に機構がついてくる、そんなイメージで捉えているわけでありますが、例えば地元の知事や市長が地元の地方銀行とか名門企業なんかに奉加帳を回して、ぜひ出資をお願いしますと言えば、みんな義理でも多少出資してくれると思うんですよね。こういう例は幾らでもあると思うんですね。

 しかし、民間資金が多くても、これは細切れになっていて、金は出すけれども運営の責任はとらないよ、中心にはならないよというような人ばかりで、大口出資者が自治体と機構だけであるとかいうことになったりとかしたら、とても民間主体とは言えなくなってしまうんじゃないかというふうに思うんです。

 あるいは、市や県から代表取締役社長、会長を派遣して運営しますよというようなことで、それで負債も市や県が連帯保証しますよみたいな話になると、民間から出資を求めていたとしても、それは一種の寄附金みたいなものでありまして、実質的には民間主体とは言えなくなってしまうじゃないか、こういうふうに考えます。

 それなので、自治体と機構の出資割合の限度がどこまでかということ、それから、このように出資割合を一定に抑えても、事実上民間主体ではないというケースも想定されると考えるんですが、どうやって歯どめをかけていくのか、この点について大臣にお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 御指摘、よくわかります。

 今回の鉄道・運輸機構による出資は、あくまでも収益性があることを前提にしまして、一定のリスクを伴う事業に対して、必要となる資金の一部を構成し、民間資金の、先ほどから何度も呼び水ということを言いましたが、というものです。

 このため、出資割合につきましては、自治体と機構とを合わせて民間出資の合計を超えないように努め、民間が主体となるようにすることとしています。

 また、出資の対象となる事業につきましては、まちづくりとの整合性、そして利用者のニーズに合致したよりよいサービスの提供、そして収益性の確保を目指す必要があるということ、この業務の執行体制もこのような目的にふさわしいものであることが必要だと思います。

 そこで、その判断ということですが、この方針に沿いまして、今後、鉄道・運輸機構に設置予定の第三者委員会が的確にチェックをする、出資先の事業者の経営の体制やあり方について的確にチェックを行うこととなる、このように考えているところです。

宮崎(岳)委員 この点については非常に大事な問題であるというふうに思いますし、やはり過去に失敗した例もいろいろあるということを先ほど申し上げました。こういったことも踏まえて、そのチェックが形式的なものとならないよう、また、出資される際に細かい基準もいろいろつくられると思うので、そこについても十分国交省としても監視をしながら、厳しいものをつくっていただきたいというふうに思います。

 続いて、出資先の事業の採算性についてお伺いをしたいというふうに思います。

 先ほど言ったように、出資金が焦げつくということが懸念をされているわけであります。

 先ほど本村賢太郎議員からの質問にもありましたけれども、機構の方には事業の将来性、採算性を判断できるようなスタッフというものは余りいないのではないかというふうに思いますし、ノウハウというものもLRTやBRTに関しては持っていないだろう。鉄道については持っているかもしれません。

 事業の採算性について、誰がどのような方法で判断していくのか。先ほど第三者委員会という話もありましたが、そういうことであるのか、またあるいは専門のスタッフを構えるという話になるのか、ここら辺のことをお伺いしたい。

 それから、一定の期間内に黒字にして累積赤字を解消するということで伺っているんですけれども、それが五十年後とか百年後であっては困るわけでありまして、一定の期間内にやはり、それまでの投資金額を回収して黒字にしなければならないのかなというふうに思っておりますし、黒字になればそこから返済が始まる、出資金の償還が始まるということになるのか、そこら辺はわかりませんが、どの程度の期間で累積赤字を解消して、そしてどの程度の期間で出資金を回収していく、償還をしていくのかということについて伺いたいと思います。

 これは西村副大臣になるんでしょうか。お願いいたします。

西村(明)副大臣 委員御指摘のように、事業の採算性をしっかりと判断するということは極めて重要だというふうに認識しております。

 そのために、鉄道・運輸機構が出資する際には、国土交通大臣の認可を受けた基準に従うこととされております。

 この基準に基づきまして、中長期的な収益性につきましては、まず通院、通学、通勤などの利用者の見込み、また運営コストの合理化の見通し、また地域公共交通の活性化、再生による利用増の見込み、こうしたことなどを総合的に勘案して判断することといたしております。

 その上で、鉄道・運輸機構が個別の事業採算性を判断する際には、必ず第三者委員会の評価を踏まえることといたします。

 なお、出資金を回収する期間といたしましては、出資先の会社がサービス提供を開始してから十年程度を想定しておりますけれども、具体的には個々の案件に応じて判断することとなります。

 このようにして中長期的に支援することによりまして、地域の公共交通の活性化が図られて、都市や地域の活力が維持されることにつながるというふうに認識しております。

宮崎(岳)委員 副大臣、ちょっと確認をさせていただきたいんですが、今おっしゃられた十年程度というのはどこまでの期間ですか。出資金を返済し終わるまでの期間ということでしょうか、そうじゃなくて、始めるまでの期間ということでしょうか。済みません、中途半端なところで。

滝口政府参考人 機構から出資をした後に十年程度というのが一つの目安かというふうに考えております。機構から出資をいたします。それから十年間ということでございます。

宮崎(岳)委員 済みません、ちょっと質問の趣旨が伝わっていなかったようです。

 その十年間というのは、回収が全額終わるまでの期間ということなのか、回収を始めるまでの期間ということなのか、どういう期間なのか。

滝口政府参考人 その十年程度の間に、一応収益性が、経営状態が赤字ではなくて黒字になる、その上で回収できるかどうかということを判断する、そういったタイミングでございます。

宮崎(岳)委員 返ってくるかどうかを判断するのが出資から十年という意味ですか。

滝口政府参考人 そういうことでございます。(発言する者あり)失礼いたしました。

 その出資先の会社が地域公共交通のサービスを開始してから十年程度たった段階で、その企業の収益性がある、したがって、機構から出資をした分を他の出資者に買い取ってもらうとか、そういったことを判断するのが十年後ということでございます。

宮崎(岳)委員 済みません。ちょっと細かいところで恐縮なんですけれども、サービスを開始してから十年程度で、この事業が永続的に利益を出せるのか、そうじゃないかというのがわかってきて、企業価値というのが大体確定をすると。

 そこで、出資でありますから、これは借り入れであればローンで返すみたいな話で、私も、そういうイメージで、何年間かにわたってこの株式を放出するというようなことで考えていたんですが、そうではなくて、それを一括して誰かに買い取ってもらうような、そういうイメージだということでしょうか。

滝口政府参考人 その判断をしたときに、どのように機構として資金を回収するかにつきまして、他の出資者とかそういった関係者と相談をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。

 したがって、一括でやるか、何年かにわたって段階的に機構からの出資の部分を他の出資者に買い取ってもらうのか、それはケース・バイ・ケースで考えてまいりたいというふうに考えております。

宮崎(岳)委員 そうしますと、十年たった段階で、その会社の経営状態、中長期的な経営状態が大体確定をして、そこで一括で返ってくれば十年目ぐらいで回収ができるということですし、そこから分割でということになれば、またそこから何年間かあるいは十年とかそういう期間で回収をする、そのような趣旨ですね。

 では、会社自体がその累積赤字を解消できるというタイミングもその十年と同じということでいいという意味なんですか。

滝口政府参考人 ただいま申し上げておりますのは、出資をする段階において、収益性があるかどうかということを判断するといったときの一つの考え方として、サービス開始から十年ぐらいたった段階で、事業を単年度で見た場合に黒字となってくる、そういったものがあれば、かつ、その後利用者の増が見込まれて、着実な、健全な経営ができるというふうに見込めるというその時点がサービス開始から十年後ということでありまして、実際にどのような形でこの出資金を回収するかにつきましては、あくまでも個別の事業ごとに検討してまいりたいというふうに考えております。

宮崎(岳)委員 なかなか質問と答えが合致しないでちょっと困っておるんですけれども、最初に西村副大臣の方に質問させていただいたのは、どの程度の期間で累積赤字が解消されるのか、初期投資がありますから、その部分を含めて、どの程度の期間で解消されるのか、そして、どの程度の期間で出資金を回収できる見通しなのか、このことについて伺ったわけです。

 どの程度の期間で出資金を回収する見通しかというのは、今お答えいただいて、十年目ぐらいで判断をして、そこで一括で返してもらうか分割にするかということも含めて、その時点で相談ですよというようなお話であろうかと思うんです。

 先ほど、単年度で黒字になるのがどうこうみたいなお話で、単年度で黒字になるのが十年目だと、また話が今度違ってきちゃうと思うんですけれども、累積の赤字がどの程度で解消される見通しなのかということ。(滝口政府参考人「失礼しました」と呼ぶ)

今村委員長 滝口君、指名されてからにしてください。大事な話ですから。

滝口政府参考人 失礼いたしました。

 出資の段階におきまして、事業開始から十年程度で累積赤字が解消するというのを一つの収益性のあるなしの判断、こういうことにさせていただきたいと思います。

 先ほどの答弁、不正確でございました。訂正させていただきます。

宮崎(岳)委員 そうですね。これは上下分離の下がありませんので、単年度ではすぐ黒字になるはずなんです。つまり、初期投資、インフラ投資とかそういうのをしていない部分ですから、運営資金とかも、本当の初期投資といっても人件費の、動き出すまでとかそういう話ですから。単年度はそんな十年もかかっては困りますので。累積のものも十年で解消するというような理解でよろしいですね。はい。

 では、続いて、渋滞等の環境悪化への対応について、これは参考人の方に質問ができればというふうに思うんです。

 既存の道路にLRTを敷設するという場合、渋滞が悪化するという懸念の声も上がっているところであります。先ほど本村議員からもいろいろな御質問の中で触れておりますけれども。

 例えば片側三車線の道路ということでありますと、中央に複線のライトレールを引くということであっても、片側二車線残りますので、確保できるということで、ある程度対応できるかなと思うんですが、例えば片側二車線の道路の真ん中にライトレールを複線で引きましたというようなことになると、一車線しか残らないみたいなケースも想定をされます。一車線しか残らないようなことになりますと、ちょっと交通事故が起こってその一車線が潰れてしまえば、そこは通行どめみたいな話にもなってしまうわけですね。

 いろいろケース・バイ・ケースだと思いますけれども、そういう地域住民からの御懸念の声もいろいろなケースで上がってくるだろうというふうに想定をされます。

 周囲のまちづくりとの調和が必要だという話は先ほど大臣の答弁にもあったかと思うんですが、渋滞とか騒音等の環境悪化が予想されるようなケース、また住民の理解が十分に得られていないようなケースでは出資を見合わせるなどの対応をとるべきだという考えもあると思いますが、これについてどのようにお考えでしょうか。

滝口政府参考人 委員御指摘のように、LRTを敷設するために新たな土地を確保するというのは非常にコストもかかる、あるいは期間もかかるということで、既存の道路に敷設することを前提にLRTの新設というものが検討されているケースがございます。

 このような場合、御指摘のような渋滞、騒音問題なども含めまして、まず既存の道路、単純に片側二車線の真ん中につくると一車線になるのかならないのか、それはまた道路の幅の問題などもあろうかと思います。どういったような空間の利用が可能なのか、その結果、既存の自動車交通にどのような影響を与えることになるのか、また、現在自動車でそこを通っておられる方、マイカーやバスからどの程度LRTの方に利用者がシフトすることになるのかなどについて、個別のケースに応じて具体的に検討して、その上で、どういったような影響があるのかといったことについて御検討いただきたいと思っております。

 いずれにいたしましても、新規にLRTを整備するためには、まちづくりとの連携あるいは上下分離方式の導入ということを考えますと、基本的には、それに先立ちまして、地域公共交通活性化再生法に基づきます地域公共交通網形成計画というものを作成いたしまして、その中にLRTの整備を位置づけるという必要があるだろうというふうに考えております。

 この地域公共交通網形成計画は、御案内のように、自治体が主体となりまして策定をいたしますが、その作業を進める中で、地域の関係者の意見を集約し、御指摘のような懸念や不安についても解消を図っていくということが重要だというふうに考えているところでございます。

宮崎(岳)委員 なかなか難しい問題だとは思うんですけれども、これは出資ということですから、当然、お金が返ってくればいいということでありますが、さはさりとて、公共のお金を入れるわけですから、公共性についても十分な確保が求められるということでございます。

 そういった問題についても、機構から十分御指導いただくことも必要であろう。地元の方で、かんかんがくがく、いろいろやっていただいて、しかし、ちょっと無理があるような計画であれば、そういったところについては修正をきちんとさせていくというようなことも必要であろうかということで考えますので、そのように御対応願えればというふうに思います。

 続きまして、LRT、BRT等の状況についてお伺いをしたいと思います。

 先ほど本村議員からも質問がありまして、重なる部分もありますが、全国でLRT、BRT、そのような計画状況はどれぐらいあるのでありましょうか。また、出資先、今回のスキームを使って、ことし単年度のものじゃない、法律まで変えているわけですから、毎年毎年行っていくんだと思いますが、こういった事業は今後どの程度ありそうなのかということについてお伺いできればと思います。

滝口政府参考人 LRTあるいはBRTについても同様でございますが、コンパクト化した拠点間を結ぶネットワークを高度化し、町のシンボルとして、町の魅力の向上、活性化にもつながるなど、地域にとって大きな効果をもたらすというふうに考えております。

 先般閣議決定をいたしました交通政策基本計画におきましても、コンパクトシティー化などの都市構造転換等にあわせ、自家用車から公共交通への転換による道路交通の円滑化を促進するため、道路交通を補完、代替する公共交通機関であるLRT、BRT等の導入を推進するということが定められているところでございます。

 全国にどのくらいあるかという御質問でございます。

 LRTの導入につきましては、先ほど来お話の出ております宇都宮市、あるいは岡山市などが事業化を検討しているという段階にあるというふうに承知をいたしております。

 なお、BRTにつきましては、新潟市が平成二十七年度夏前の開業に向けて現在取り組みを進めているというふうに承知をしております。それ以外にも、東京都、相模原市、福岡市などで事業化の検討を進めておる段階にあると思っております。

 今後、このようなLRT等につきましては、施設まで、下物まで事業者が整備し、管理する形では採算が合わないことから、委員御指摘のように上下分離といったような形で、施設整備と管理とを公共が担いまして、運行を民間が中長期的に収益性を確保するような形で行っていく、こういったようなケースがふえていくのではないかというふうに考えております。今回のこの出資制度もこのようなケースに合致するだろうというふうに考えております。

 今後具体的にどのぐらいの数が出てくるのかということでございますが、今後の制度の詳細を定めるものと並行して、個々の具体的なケースにこの出資制度が適用できるかどうかについて調整を進めてまいりますが、年間でいえば数件といったようなオーダーではないかというふうに考えております。

宮崎(岳)委員 本当に年間数件というオーダーだということであります。

 先ほどの産投出資の原則からいえば、やはり分野分野ごとに通算黒字にするということが求められるということだと思うんですね。今回の鉄運機構への投入であれば、鉄運機構が出した個々のところは赤字になったり黒字になったりというところであっても、鉄運機構が出したもの全体では黒字になるというのが原則だと思います。

 しかし、なかなかそこを、件数が多ければ大損を出すところがあってもいいということになると思うんですが、本当に今話題に上がっているのは二件とか三件とか、そういうオーダーだと思いますので、一つ一つをきっちり見ていく必要があるということについては、改めて指摘をさせていただきたいと思います。

 そして、今の関連でございますが、LRTが普及しない理由について、普及しない理由と言ってしまっては失礼かもしれませんが、なかなか普及が伸び悩んでいるということについて質問させていただきたいんです。

 日本でLRT、ライトレールというものが注目をされ初めたというのは一九九〇年代の後半だと思うんです。前世紀の終わりごろからLRTというものが注目を集め始めた。二〇〇三年に、後に日本初のLRTと言われることになる富山ライトレールの計画が公表をされまして、二〇〇六年に開業した。注目され始めてからは、二十年はいきませんが十数年、現実化してからも約十年程度はたっている。

 いろいろな地域がLRTの構想というのを、行政が打ち上げたもの、あるいは市民団体、いろいろなケースはありますが、これまでぶち上げてきました。非常に夢のある話でありますし、高齢社会とかコンパクトシティーなど、世の中全体のまちづくりの流れ、潮流からも合致をしてきたということで、期待する声は大変多いものがあります。

 私も、こういったものがぜひ実現できればいいと思いますし、私の地元の群馬県でも、大変、地域が衰退をしていたり高齢者の足がないということで悩んでいることが多いですから、ぜひ進めていくべきだというふうには思うんですが、現実的には余り普及していないというふうに言えると思います。

 全国各地でこれだけ多くの検討が行われてきたものの、なかなか具体化していないということについてはなぜなのか、何がネックになっていると国交省としてお考えか、お伺いできればと思います。

小関政府参考人 LRT導入実現のためには、運営を担う事業主体、採算性といった運営に関する事項、さらに導入ルート、導入空間等の整備計画について十分な検討を行うことが必要でございますし、地域の実情を踏まえて、地方公共団体の支援、沿線住民、関係する交通事業者などの理解と協力が必要であるということでございます。

 これまでLRTの導入の検討を進めている実例を見ますと、採算性の確保、導入空間の確保、自動車交通への影響を含めた住民の理解と協力、競合するバス等との関係といったような課題に関して調整すべき事項があって、実現可能な事業計画に至っていないという面があるというふうに思っております。

 このように、LRTの実現におきましては、多岐にわたる項目について検討を進めて、多様な関係者の理解と協力が必要なことから、これまで本格的なLRTが実現したケースが少ないというふうに考えております。

宮崎(岳)委員 まさに採算性でありますとか土地空間の問題とか車との競合の問題、特にハード面を中心に大変な問題が多いということでありますけれども、私はやはり公共交通というものを見直すことが必要であろうというふうに思います。

 私の地元群馬県というのは本当にマイカーの所有が多いところで、車を本当に一家に二台、三台持って、車がないと生活できないというような地域でもございます。公共交通はそれに対して大変廃れております。高齢社会を迎えて何が起こるかというと、とにかく高齢になって運転技術が衰えてきましたら車の免許を返上しろということをやっているわけですけれども、免許を手放した途端に、買い物にも行けない、友達にも会えない、さらには医者にも通えないみたいな状況になってしまうのが現実であります。

 そういった時代の中で、コンパクトシティーとか公共交通を活性化するということはぜひとも必要でありますし、郊外の例えばサービスつき高齢者住宅みたいなところに入って、車もなければ、本当に生きていくのに何もできないんですね。部屋の中にいるか散歩をするかしかできなくて、あとは買い物にも行けないから何か宅配してもらうみたいな、そんな生活しかできない。これはやはり問題であろうというふうに思います。年をとってもやはり暮らしていけるということが必要だと思いますし、そのためには公共交通を充実させるしかないという強い思いを私は持っております。

 今回、るる苦情も苦言も呈させていただいたんですけれども、本当に目的としては正しいことだというふうに思いますので、ぜひお願いをしたい、この法律を正しく使っていただいて、地方に公共交通を普及させるということを実現していただきたいというふうに思っております。

 さて、罰則についてちょっとお伺いしたいんですが、この法案では、国土交通大臣の認可を受けなかった機構の役員に過料二十万円以下の罰則というものが定められている。ここのところはどういったケースを想定しているのかということであります。

 といいますのは、例えば機構の方が本当に悪意を持って不正融資を行った。これは先ほど言った形成計画ですが、公共交通の形成計画に載ったものをもちろん融資するというのが基本ですし、相手にも、自治体がかかわっているわけですから、まずこういうことは考えられないと思いますが、本当に不正融資だということになれば、これは刑事罰の対象でありまして、役員であれば特別背任、一般職員でも背任罪に問われるでありましょう。通常、五年から十年以下の懲役、五百万から一千万円以下の罰金、まあ罪によって違いますけれども、大体そういったぐらいの相場観の刑事罰が下されるということかと思います。

 今回の法案に出てくるものは、いわゆる科料ではなくて過料ということで、刑罰ではなく行政罰だということだと思うんですね。ということは、いわゆる不正融資のこととは違うんだと思うんですが、どのようなケースを想定されて過料二十万円という罰則にしたのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。

滝口政府参考人 今回の鉄道・運輸機構が出資を行うという業務を行うに当たりまして、国土交通大臣の認可を受けた基準に従ってその業務を行いなさいということになっております。

 委員御指摘の過料でございますが、認可を受けなさいという規定に反しまして、基準について認可を受けなかったというケースについての過料でございます。

今村委員長 宮崎君、もう時間が来ています。

宮崎(岳)委員 はい、わかりました。

 ちょっとよくわからないところもありましたけれども、時間となりましたので、質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、井上英孝君。

井上(英)委員 維新の党の井上英孝です。

 それでは、本日の地域公共交通の活性化に関する法律の改正案につきまして質疑をさせていただきたいと思います。

 質疑に入る前に、今、宮崎委員と参考人とのやりとりもありましたけれども、やはり的確に答弁をしていただきたいなというふうに思います。

 先日、我が会派の足立委員が、ちょっと激情型的な性格もありますけれども、何度も局長の皆さん方にお聞きするとか、そういうこともありました。前回、うちの下地委員のときも、沖縄の件でそういうこともありました。やはり皆さん方といい意味で緊張感を持って、しっかりと質疑、そして答弁をやっていって、建設的な委員会運営というのを進めていきたいと思いますので、まず、それをお話しさせていただきます。

 それでは、質疑に入らせていただきます。

 まずは、今回の地域公共交通活性化再生法、省略させて言わせていただきますけれども、昨年の通常国会で大きな改正が行われました。その中で、地方公共団体が主体となって、まちづくりと連携して地域公共交通ネットワークの再構築を図ることとし、そのための計画をつくって推進するというスキームがつくられました。

 今回の改正は、昨年の改正内容を一層進めるため、国が認定した事業に対して財政投融資を使って新しい地域公共交通ネットワークの再構築を図る、そういう事業を行う会社に対して出資するというスキームをつくり、その出資の業務を、これも省略させて表現させていただきますけれども、鉄道・運輸機構に行わせるという内容がメーンとなっております。

 これにより、この事業に対する柔軟な資金調達を可能とするとともに、国の出資を呼び水として、民間、そしてまたその他の出資金、融資を誘発する効果というのも狙っているんじゃないかというふうにも思います。

 先ほどから、我々で四会派目ですので、もうほとんど質疑は出尽くしている感もありますので、重複するところもあるかと思いますけれども、よろしくお願いをしたいと思うんです。

 財政投融資の産投出資を使って一旦鉄道・運輸機構に出資したお金を、鉄道・運輸機構から新しい地域公共交通ネットワークの再構築を図る事業を行う会社に対して出資するということでありますけれども、今回、国による直接の出資ではなくて、鉄道・運輸機構を経由するということに関して質問をさせていただきます。

 では、なぜ国が直接補助するのではなくて鉄道・運輸機構を経由する産投出資の形態をとったのか、このメリットが何なのかというのをお答えいただけますでしょうか。

滝口政府参考人 国の原資による出資というのは、現在の制度では産業投資を原資とするというものでございますが、この出資先というのは、政府の監督権限及び政府出資規定等がございます特別法により設置された法人に限定して行われるということになっております。

 そこで、そういったような新たな法人をつくるということも論理的には考えられるわけでございますが、もちろん、行政改革という観点からは、現在使えるものがあるんだったらそれを活用した方が行政改革の観点からも望ましいだろう、このような判断をしたところでございます。

 こういった点から鉄道・運輸機構のこれまでの業務を眺めてみますと、これまでも運輸施設の整備を促進するための支援業務を行ってきているということ、それから財政投融資を活用した業務も実績があるということがございますので、今回、産業投資を原資とした国からの出資は、鉄道・運輸機構を経由して必要な地域公共交通の実施主体の方に出資しようというふうに考えたところでございます。

井上(英)委員 産投出資で出資をするという考え方でしたら、今言われるみたいに、特別法があって、鉄道・運輸機構を経由していこうというお考えかもわかりませんけれども、国が直接補助するという形態もとれないわけではないんですよね。それを選ばなかったのはなぜなんですか。

滝口政府参考人 現在でも、私ども、地域公共交通の確保維持改善事業という補助金制度を持っております。これは、基本的には、路線バスであるとかあるいはデマンド交通であるとか、そういった非常に採算性の厳しい地域公共交通サービスにつきまして、その運営費に対しても助成をする、こういったものでございます。これは、逆に言いますと、収益性が見込めるものについてはこの補助金が出ていかないということがございます。

 一方で、今回の出資対象として考えておりますLRT、BRTといったようなものでございますが、こういったものにつきまして、下物につきましては基本的には地方公共団体等が整備するというような形になるわけでございますけれども、立ち上げの段階では、関係いたします運行関係の情報システムであるとかICカードであるとか、利用者利便のための新たな投資が実は必要となります。こういったような立ち上げの段階での投資のためのお金をどのように確保するのか、こういったことを考えていく必要がございます。これがうまくいきますと、また健全な経営が確保されるというふうに考えております。

 こういった観点から、集中的に必要となる資金を確保するということ、それから事業運営の準備段階でも必要な管理費等も賄えるといったようなこと、こういったことを考えてみると、出資というやり方はこういったケースではふさわしいんじゃないかというふうに考えまして、今回お願いを申し上げているものでございます。

井上(英)委員 よくわかりました。

 先ほど言われているように、鉄道・運輸機構を経由すると、鉄道・運輸機構自身にそういう出資経験もあるということでありましたけれども、先ほどからいろいろな質疑も聞いている中で、ただ、鉄道・運輸機構は、この件がふえることによって明らかに業務はふえるわけですね。当然、新たな業務が発生する。

 では、こういった鉄道・運輸機構にかかる経費、国からの出資金の一部を鉄道・運輸機構が受け取ることになるのか、あるいは、別途その経費、業務分に見合った経費が支給されるのか、それとも、そういった業務がふえた分は関係なく今までどおり機構の収入の中で賄われるのか、いかがでしょうか。

滝口政府参考人 今回の出資という業務は、金融関係等々につきまして特別なノウハウを要する業務でございます。そのために、今回、この法律改正が認められた場合には、機構においてこの出資等の業務のための実施体制を整備いたしたいというふうに考えております。

 ただし、今回の確保している予算等の規模から考えまして、当然のことながら、必要最低限のものにするということを考えているところでございます。

 運営費でございますけれども、運営費につきましては、独法に対する運営費交付金といったような制度がございまして、今回、こういった最低限の体制のための運営費交付金というものを考えてまいりたいというふうに考えております。

井上(英)委員 では、出資に関しては十億と今回言われていますね。十億が一社に行くのか、何社に分散されるのか、それは別として、その十億というお金は確実にそれぞれの新会社なり法人に全額行くという解釈でいいんでしょうか。

滝口政府参考人 御指摘のように、今回、産業投資十億円ということで用意をしていただいておりますが、これは専ら出資のための原資ということでございます。

井上(英)委員 では、また、今言われたように、新たに業務がふえるわけですから、多少体制が、そして、これによって第三者委員会も立ち上げるということになっていますけれども、そういうことになることによって機構の体制が肥大化するかしないのか。するべきではないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

滝口政府参考人 この体制につきましては、まず、必要最小限に抑えるということを大前提に、機構において議論をしてもらいたいというふうに考えております。

 今考えているところでは、機構全体の人員規模でございますが、二十六年度の当初、千六百五人というものでございましたが、この業務を行った後は、全体でのスリム化も図ることによりまして、千六百人といったような規模で、むしろ縮小する方向で考えたいと思っています。全体の中で今回ふえる分も賄いたいと思っております。

 なお、第三者委員会は機構の職員ではございませんので、この中には含まれておりません。

井上(英)委員 もちろん、第三者委員会ですから、中のメンバーではないと思うんですけれども、それを設けることによる経費が当然かかってきますので、そういうことも含めて、予算的にも肥大化しないようにやっていただけたらと思います。

 それでは次に、出資金に対する配当金の扱いといいますか、配当金について質疑をさせていただきます。

 国土交通省が説明している基本スキームによれば、鉄道・運輸機構は、出資した地域公共交通ネットワークの再構築を図る事業を行う新会社から配当を受け取るということになっているんですけれども、先ほど、過去の産投出資では毀損金もある、投資の八割、九割が回収できていないというような話もあります。出資して配当を受け取れるというふうに判断しているから出資をしているのであるとは思うんですけれども、でも、地域公共交通というのは非常に経営環境が厳しいですね。地域公共交通ネットワークというか、地域公共交通を語る上で一番問題なのは、公共性と採算性という相反するものを両方突き詰めなければならないというところがやはり一番問題なんですね。

 私のいる大阪も、公共交通ネットワークとして地下鉄、市バスというのがあるんですけれども、特に地下鉄の場合は一号線から八号線まで張りめぐらされています。その中で非常に採算の悪いところもあるんですね。当然、採算は悪いんですけれども、つくるときには採算がいいという計画で上がってきているというのも現状にあるわけで、選択と集中というのは、一方で、非常に今、地域の方々のことを考えると、さまざまな議論はもちろんあると思いますし、徹底的に丁寧な議論というのをしていく必要があると思うんですけれども、それぐらいの覚悟でやはりやらないと厳しいんですね。

 先ほど、局長のお言葉をかりると、下物は自治体が整備するということだったんですけれども、人口が非常に多いときに、こうやって人口が減少してくるということを見込むことなく、当時、よく言われる下物をどんどん自治体が開発したことによって、結果的に、採算性がとれない路線の維持管理、要はメンテナンスに非常に経費がかかって、それが今、首を絞めていって、本来必要な路線でさえも切らないとだめなんじゃないか、採算の合わない路線だから切らないとだめなんじゃないかという悩みを各自治体は抱えているんだと思うんですね。

 そういう中で、もともと非常に経営環境が厳しいわけですから、今回のような、もちろん、上下分離で上の経営だけをやっていただくということなんですけれども、当然、下物を借りることによっての賃料を払っていったり、下をつくった自治体からすると、やはり下のインフラ整備にかかった費用を償還していくということも必要なわけですから、そういうことから考えると、運営自体黒になるという可能性は大きく考えられるとは思うんですけれども、配当までが本当に出るのかというのは、ちょっと正直、非常に厳しいかなというふうに思っています。

 そういう中で、会社が収益を上げて配当を行った場合、鉄道・運輸機構というのを通じて国に最終的に配当になるというふうに聞いているんですけれども、それが国に流れるとなったときに、配当金に対して鉄道・運輸機構は受け取るのか受け取らないのか、お聞かせいただけますでしょうか。

滝口政府参考人 まず、今委員御指摘のように、中期的な累積赤を消していくといったようなことが一つの収益性についての見通しという判断になるわけでございますが、したがって、累積赤があるということは、その企業の状況にもよりますけれども、配当するのかどうなのかというのはまた個別のケースだろうと思います。

 そこで、そういったことをちょっと除外いたしまして、単に制度的な話ということでお話をさせていただきますと、当然のことながら、出資金に対します配当というのが仮にあったとすると、これは出資元である機構の方にまず入ってまいります。そこで、機構においてほかにも出資をして、そちらの方で損が出ているという、ほかのケースで、配当をもらうといったような出資のケースもあれば、出資したけれども損が出ているというようなこともあり得るわけです。そうすると、機構としてはまず損を埋めるということを考えなければなりません。その上で、産投出資の他の例などがございますので、そういった例に従って国庫納付をさせていただく。

 余ったお金についてさせていただくということでありますので、機構において、機構がうまく出資したからといって、何らかの益が残るというわけではございません。そういった他の類例に従いまして必要な額を国庫納付するというふうに考えております。

井上(英)委員 もちろん、鉄道・運輸機構は先ほど言われたみたいに産投出資をしているわけですから、これだけではないので、ほかの穴を埋める、鉄道・運輸機構内で相殺するという考え方なんですけれども、この一件だけの事案をとれば、このために国から運輸機構に出資して、そして運輸機構から各会社に対して出資するわけですから、返ってきた配当がそのままやはり国に入ってきてほしいと思うのは多分当然じゃないかなと。それを運輸機構内のほかの出資と合わせて相殺するというのは、ちょっと理解しにくいというか、あれなんですけれども。

 先ほど言われた質問にもありましたけれども、公金をやはり出資するわけなので、補助金のように返ってこない、渡し金と言ったらちょっとあれですけれども、渡してしまってもうそれで終わりというようなお金ではなくて、一応出資をして配当をもらうという形態をとっている以上は、毀損金というか、先ほども八割、九割回収できていないというのもありましたけれども、先ほどの企業形態というか、こういう地方公共交通という種別上、僕は配当金はちょっと厳しいんじゃないかとは思っています。

 一定そうなったときには、先ほど言われたみたいに、累積赤字が解消しないと話にもならないので、十年後ですかね、先ほど言われていたのでは累積赤字が十年で解消される見込みだというので、そのあたりぐらいから、まあ、今おられる方々は皆さん多分おられないと思いますけれども、しっかりとその辺を、配当金を国に納付できるようにお願いしたいなというふうに思います。

 次に、上下分離による地方鉄道の再生の事例についてお聞きをしたいと思います。

 国土交通省の資料によると、地域公共交通ネットワークの再構築を図る事業のイメージとして、上下分離というのを挙げておられますけれども、地域鉄道の状況を見ると、特に地方部においては、我々の大阪も含めて、輸送人員というのはかなり減少傾向にあります。

 平成五年度から平成二十五年度の直近二十年間における輸送人員というのは、地域鉄道において約一・一億人減、二二%減している。二十五年度には、地域鉄道事業者の約七四%が赤字だというふうに言われております。平成二十一年度以降を見ても、鉄道については、五路線、百二十一・七キロメートルの鉄軌道が廃止されていると言われています。

 このように、地方鉄道は非常に厳しいところが多いのでありますけれども、国交省は、上下分離によって、場合によっては車両も自治体が保有することによって、赤字事業者の多くは黒字に転換すると想定しているというふうに聞いています。

 しかし、本当にそうなのか。国土交通省が、上下分離によりどの程度の赤字事業者が黒字に転換するというふうに想定されているのか、また、根拠をお教えいただけたらと思います。

藤田政府参考人 いわゆる上下分離の形態といたしましては、多くの場合は、既存の鉄道事業者が土地なり、土地だけの場合は厳密には上下分離とは言わないのかもしれませんけれども、土地や鉄道施設を自治体に譲渡しまして、それを自治体が既存の事業者、今度はこれが第二種事業者ということになるわけですけれども、無償で貸与して、その上で引き続き運行する、こういったパターンが多かろうかと思います。

 その際に、多くの場合、やはり自治体の方から、その無償貸与という支援に加えまして、何らかの、維持管理費の補助でありますとか、設備投資への補助でありますとか、そういった支援を行っているというケースが多かろうかと思います。そういった支援を通じまして運行主体の方の黒字化を図るというのが、このスキームの眼目であろうかと思っております。

 ちょっと、実績、数字を持ち合わせておりませんし、具体的に今後どうなるのかということについての見通し、具体的な数字としては持ち合わせておりませんけれども、そういった支援措置あるいはスキームを通じまして維持が図られていくことを期待しております。

井上(英)委員 やはり、赤字事業者が黒字に転換するかしないかというのが非常に大きいポイントだと思うんですね。配当してもらえると思って出資をするわけですから、先ほどの質疑もありましたけれども、その事業体制を変えることによって、本当に、次の年から上下分離の上部分だけの収支は単年度で黒になっていかないとおかしいですし、単年度で黒になっていくことによって、先ほど言われるように、累積赤字を十年後ぐらいには解消できるんじゃないか。だから、単年度で黒字にもならなければ、累積赤字なんて絶対解消できないわけですから。

 ただ、先ほども申し上げたように、やはり非常に厳しい環境が予想されるというふうに思うんですね。

 私の住んでいる、何度も大阪のことを言いますけれども、交通局がやっている地下鉄は、百年以上の歴史があって、結果的に、単年度で二百億ぐらいの黒字を出しているんですね。でも、それはなぜかというと、減価償却が終わっていて、やはり期間が長いからですね。

 最近にインフラ整備をした、社会資本整備をした地方公共交通の会計状況というのが非常に厳しいのは、債務も当然償還しながらのやりとりになります。ただ一方で、将来的には、何度も申し上げるように、輸送人員がどんどん減少していくという現状がありますので、乗ってくれる人は減ってくる中で、さまざまな路線を維持したりしていくということに対しては根本的に難しいと思うんです。

 ただ、これからやっていこうという国交省に大変申しわけないんですけれども、この上下分離によって再生できなかった場合は、その路線に対して廃線も含めてお考えになっているのかどうか、お聞かせいただけますでしょうか。

滝口政府参考人 上下分離というやり方は、よく採用されておりますのは、旧国鉄の鉄道のいわゆる第三セクター鉄道が運営が非常に困難となったというような場合に、あるいは、その後、鉄道会社を新たにつくるというような場合もございますけれども、できるだけ費用負担を、コストを負担しないような形にするために、維持管理費であるとか、あるいは固定資産税であるとか、そういったものについて地元が負担をするということにいたしまして、その上で、運営をすることによって収支を相償うというようなことを考えるということになります。

 そういったことにつきましても、地域公共交通の交通網形成計画に基づいて行うということになりますが、一旦策定したものも、委員御指摘のように、人口の動態であるとか、そういったことによりまして、思ったように収支採算性がとれないというケースはあろうかと思います。

 その場合には、改めてまたその上物の費用負担のあり方、あるいはさらに各駅から周辺へのフィーダー輸送、これは場合によっては、コミュニティーバスであるとか、デマンド交通だとかいうことを考える必要があろうと思いますが、そういったこととあわせて、高齢者の方々、そういった方に御利用いただけるようなサービスを考えながら、また考えていただくということが必要なのではないかというふうに考えております。

井上(英)委員 ありがとうございます。いい答弁だと思います。

 それぞれお住まいの方々にとってはやはり死活問題にもなりますし、ただ一方で、地下鉄というか、鉄道をどんどん建設していくとか、そういうのではなくて、これから選択と集中で、最悪の場合は、もちろん地域の方と、冒頭申し上げましたけれども、丁寧に議論をして、さまざまな決断というのもしていくぐらいの覚悟が要るんじゃないかというふうに私自身は思っています。そういう意味では、最大限、その地域の方々が生活しやすいように、利便性が向上するように、前提としてそれをまずは一番に考えるということが大事ですけれども、そのための努力をやっていただけたらというふうに思います。

 もう時間が限られていますので、最後に一問させていただきます。

 今回、附帯決議も含めて、機構は、その出資の全額を確実に回収できるように、出資先の事業運営に必要な助言を行うこととするという文言があるように、当然、先ほどから申し上げているように、公金を出資という形で投入するわけですから、その公金が、要は、出資した出資金が配当されて最終的に返ってくるということを前提としている以上は、その会社がどういう経営をしているのか、運営をしているのかということを一定の監視はせざるを得ない、それはしなければならないと思うんですけれども、一方で懸念されるのは、それが度が超えることによって、要は、民業を圧迫するといいますか、あくまでも国なり機構は、民業が気持ちよく経営できるように、補完的な立場に徹するということがやはり重要だというふうに我々は思っています。

 本スキームにより、国が会社に出資することになれば、資金の回収ということも考えなければなりませんけれども、どこまでの適度な関与ということを考えておられるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

滝口政府参考人 いわゆる民業圧迫にならないかということでございます。

 たびたび御答弁申し上げておりますが、今回の出資というのは、まず民間資金の呼び水という位置づけでございます。

 したがいまして、出資するという段階におきまして、まちづくり、あるいは人口動態などから見まして、不確定な要素がない、はっきり、お客さんがかなりいらっしゃるということで、リスクがないといったような場合には、この出資というのは要らないということなんだろうと思います。むしろ、それであっても、必要な資金というのは民間で集まるということだろうと思っております。

 そういったような前提でまず出資をさせていただいて、その上で、その後の状況でございますが、あくまでも、これは健全経営を行いまして、中期的に収益性を確保しなきゃならぬということでございますので、機構だけというよりは、他の出資者と連携をとりながら、どういったような経営体制に改善すべきかといったことについて検討していく必要があるんだろうと思います。決して機構だけの独断で、何らかのことをその被出資団体に対して指導するとか強要するとか、そういうことがないようにしてまいりたいというふうに考えております。

井上(英)委員 ありがとうございます。

 もちろん、ほかの企業、民間が出資をしていただけるということを理想とするんですけれども、本当に民間からの出資ばかりが集まるかどうかというのは、これはまた、始めてみないとわかりませんし、最悪を想定したら、ほかの企業、民間なり金融機関から出資がなかった、やはり機構が支えるのがメーンになってしまうというようなところも出てくるおそれもあるわけですね。ですから、そうなったときにも、逆に、そうなったときには民業の補完だけに徹しておいていいのかという問題も一方であるかもわかりませんけれども、必ず適度な関係でしっかりとやっていただけたらというふうに思います。

 コンパクトシティーも初め地方公共交通というのは、先ほども申し上げたように非常に大事なものもあります。ただ、コンパクトシティーというのをどんどん進めていただくというのは私は大賛成ですけれども、一方で、面開発をしてそこに鉄道を流してという昔ながらの開発というのも考え方としてあって、どんどん沿線が広がっていって、その沿線の近隣というか、そこだけはいいですけれども、だんだんそこの人口が減ってくるというようなことになってくると、ある程度拠点をつくって集積化していくということはやはり非常に大事だと私自身も思っています。

 もちろん、地域の公共交通をしっかりと守っていただくために頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

今村委員長 次に、横山博幸君。

横山委員 引き続きまして、維新の党の横山博幸です。質問をさせていただきます。

 先ほどからの質問をお聞きしていますと、類似の質問がございますけれども、さらに明確に御答弁をお願いしたいと思います。

 質問に入ります前に、西村副大臣にお越しいただいておりますけれども、先般、松山市と宇和島市のバイパス開通にお越しいただきました。今後とも、疲弊する地域の実態確認のために時々お越しいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 こうして地域公共交通というのは、私の知人にもおりますけれども、バスがなくなって、そしてタクシーで病院に通っている、片道が一万円、二万円を年金の中から拠出している、本当に命をかけた状況であると思います。

 こうした中で、この法改正で政策的な必要性は歴然としておりますけれども、今後、大臣にお伺いしたいことは、これは官が当然入らないと改善ができないということでありますが、どのようなお考えを持って交通ネットワークの再編を進めるのか、このことについてまずお聞かせいただきたいと思います。

太田国務大臣 地域におきまして、地方創生の取り組みを着実に進めていく上で、国土のグランドデザイン二〇五〇というのと、それから一昨年決めていただきました交通政策基本法に基づいての交通政策基本計画を踏まえまして、コンパクト・プラス・ネットワークの形成で豊かな国民生活に資する使いやすい交通の実現が必要だと思います。

 そういう意味からいきまして、これは必ず必要だというところで、もう赤字で後退をしていったりなくなっていくというところがありますから、その辺は、地域公共交通確保維持ということでの事業ということについては補助金を出してやるということでやると同時に、もう一つ、今回、ある意味では収益ということが見込まれる、やり方によってはできる、こういうところには民主導ということもやらせていただくが、そこの中に官の支援ということについてもあわせてやらせていただくということが大事だという観点から、今回の法律改正をさせていただくということにいたしました。

 グランドデザイン二〇五〇、交通政策基本計画、そして、通常国会におきまして、昨年、地域公共交通活性化再生法を改正いたしまして、地方公共団体が先頭に立って、まちづくりと一体で持続可能な地域公共交通ネットワークを実現するための枠組みが創設されたわけでありますけれども、地方公共団体が本当に必要な公共交通網をどうつくるかという観点の中で、補助金ということでやらせていただくという、赤字というものについてはそうしたことでやり、そして少しでも収益が得られていくという可能性のあるところは民間にやっていただくわけでありますが、その中での民間の出資の呼び水として、今回はこうした法改正をやらせていただく。

 いずれにしましても、大事なのは、地方公共団体が必要な地域の交通網を確立するということの手段の一つとして、今回は改正をさせていただいているということでございます。

横山委員 大変御丁重な答弁、ありがとうございます。

 補助金と出資等の両面で地域交通の再編をされるということ、また民間活力がこれで大きく引き出されるということについて、共感を覚えるところでございます。

 それでは、この後、細かい基本的な質問に入らせていただきます。

 まず、現時点での現状認識でございますけれども、地域鉄道や乗り合いバスの地域公共交通で、黒字のところと、当然、赤字のところがたくさんあると思いますけれども、黒字のところと赤字のところの要因、どういった要因があるのか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。

滝口政府参考人 委員御指摘のように、乗り合いバスあるいは地域鉄道というのは、一般的に申し上げまして非常に経営状態が厳しいということでございますが、それぞれ約七割が赤字といったような状況でございます。

 この赤字の原因ということでございますが、言うまでもなく、少子化が進んでいる、人口減少が進んでいるといったような、その沿線地域の状態ということがございます。

 一方で、このような変化に対して、それぞれの事業者側において既存のネットワークの状況、サービスの状況等々について検証し、改善をしてきたのかといったことについても注意が必要かなと思っております。場合によっては、地域住民のニーズやまちづくりの構想とミスマッチがありまして、その結果利用人員が減っていったといったようなこと、これによって赤字だということもあるんだろうというふうに考えております。

 一方、では黒字のところはどうなのかということでございますが、当然、乗り合いバスあるいは地域鉄道といいましても、かなりの背後圏を持っているところを通っているというものもございます。こういったようなかなりの利用者が確保できるところにつきましては、乗り合いバスあるいは地域鉄道であっても黒字になっているということはあります。

 また、先ほどの赤字の逆でございますが、いろいろな状況の変化に的確に対応して、ネットワークの改善が図られた、図ってきたといったような事業者においてもまた黒字となっているといったような例があるんだろうというふうに考えております。

横山委員 大変ありがとうございました。

 赤字のところというのは、今答弁がありましたように、過去の検証をしっかりとしていただきたいというふうに思います。

 続きまして、今回の法改正によって、全国でどのぐらいの地域が地域公共交通再編実施計画などの認定を受けて、そして出資を受けると見込んでおられるのか、そして、このための産業投資の額が十分だと考えておられるのかどうか、そのあたりのことについてお聞かせいただきたいと思います。

滝口政府参考人 今回の出資等の前提となります、昨年改正をお願い申し上げました地域公共交通活性化法というものは、昨年の十一月に施行されたばかりでございます。

 本年度においては、それぞれ関心のある地方公共団体においても、計画の策定あるいはその検討の段階といったところが多くなるんだろうというふうに思っております。このため、地域公共交通再編実施計画等の認定を受けて実際に事業の開始に至るといった案件は、当面は非常に少ないんじゃないかと思っております。

 そういった中で、私どもがこのスキームを検討いたしまして、関心のありそうな地方公共団体の考え方などを把握したところでは、LRTの構想を有します宇都宮市、あるいは京都府の北近畿タンゴ鉄道などが、いずれも上下分離というのを前提にしておるわけでございますが、この出資制度について関心を示しているといったような状況でございます。

 いずれにしても、今後とも、こういったような出資を受けたいといったようなケースというのは年間数件程度というふうに考えております。

 こういったような状況も踏まえまして、平成二十七年度予算においては、所要の額といたしまして産業投資額十億円といったものを要求し認められたところでございまして、二十七年度においてはこの額で十分であろうというふうに考えております。

横山委員 ぜひ出資に見合う実績を上げていただきたいと思います。

 引き続いて、先ほどからの答弁にもありましたように、地方の事業体の経営環境は非常に厳しい状況が続いておると思いますけれども、採算がとれる見込みであるとか、先ほどの質問にもありましたけれども、資金回収の問題、これは大きな課題だと思いますけれども、あるいは中長期的な利益の確保をどのように期待しているのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。

滝口政府参考人 地域公共交通は非常に厳しい経営状況でございます。上下分離等々を行っても、上物の運営につきまして中長期的な収益性が見込まれるというケースは、都市部であるとか、あるいは地方のある一定程度の規模のあるそういった地方都市といったことであろうというふうに考えております。

 一方で、いろいろな工夫を講じまして、地域公共交通のネットワークの再編成に取り組むといったことも考えられないわけではございません。そういった場合に、地方におけるものでありましても、中長期的な収益性が見込める場合には出資を活用することが可能であるというふうに考えております。

 先ほど、関心があるということで御紹介申し上げました北近畿タンゴ鉄道でございますが、これは、もちろん京都市からかなり離れたところでございまして、京都府の北部でございまして、地方部と言って差し支えないんだろうと思いますが、民間の観光バス会社でありますウィラートレインズというところが運営を行うということで、四月から上下分離が進んでいるところでございます。利用者をふやしたいという意欲が非常に高い会社でございまして、そういったことを受けまして、今回、この制度にも関心があるんだろうと思っております。

 地方におきましても、創意工夫をいたしまして、できるだけこの制度を活用していただければというふうに考えております。

横山委員 大変ありがとうございます。

 続きまして、今政府はコンパクトシティーを試行する状況であると思いますけれども、コンパクトシティーは、一方、都市に人口が集中し、逆に地方の方から人々がいなくなるということで、中央の方は交通体系で見てもいいと思いますけれども、全体像からいきますと、これが本当に、出資した場合に果たして資金回収ができるのかどうか、別の視点でちょっと気になるところでございますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

滝口政府参考人 コンパクト・プラス・ネットワークということをグランドデザインの中で提言させていただいておりまして、その中の一つのコンパクトの形態でございますコンパクトシティーというものは、一定規模以上の地方都市などでもろもろの都市機能をできるだけ集約するということ、そしてまた、これと住宅地域などをネットワークで結びつけるといったようなことをする、これによりまして高齢者の方々にも非常に住みやすい町をつくっていこう、こういったような試みであるというふうに承知をいたしております。こういったようなことをやりますと利用者がふえるということが期待されるわけでございます。

 一例といたしましては、先駆的な取り組みだということでつとに評判でございます、富山市の例がございます。富山市が非常に熱心にコンパクトシティーというものをつくっており、また、富山ライトレールあるいは市内の路面電車といったものを整備することによりまして、住宅地域をこの沿線に持ってくることによりまして、利用者の増を図っているといったようなことを行ってきております。

 コンパクトにいたしますと、そこに高齢者の方だけが集まるんじゃないかといったような懸念もあるわけでございますが、もちろん高齢者にも利用していただきやすい、そういったようなサービスを提供するということも必要でございますし、また、ICカードの導入といったような、利用利便をアップすることによって潜在的な利用者というものを掘り起こしていくという努力も必要なんだろうと思っております。

 こういったコンパクト化を通じまして、より採算性のとれる、収益性のある、そういったような事業運営ができればというふうに考えております。

横山委員 大変よく理解できました。

 次に、先ほども質問がありましたけれども、出資先の会社が倒産した場合、あるいは経営困難に陥った場合に、機構並びに国土交通省はどのように対応されるのか。

 これは事前に大きな課題があると思いますから、逆に言えば、予防医学的に未然にこのことを防ぐことが非常に重要であると思いますけれども、その対策について、特に事前の対応についてお聞かせをいただきたいと思います。

滝口政府参考人 御指摘のように、出資したお金が回収できないということをまず避けるという努力をすることが必要だろうと思っております。

 このために、鉄道・運輸機構におきましては、国土交通大臣の認可を受けました基準に従いまして、中長期的な収益性というものを厳しくまず見ていくということが必要だろうと思っております。

 それから、出資した後も、中長期的に収益性が確保できるように、事業の民間としてのよさを阻害しないようなという注意事項はもちろん必要でございますが、恒常的なモニタリングを行いまして、必要があれば、他の出資者と連携をしながら必要な助言などを行っていくということが必要なんだろうと思っております。

 機構におきましては、こういったような出資段階あるいは出資後における業務につきまして所要の体制を整備させていただく、そういったノウハウを有する者を、最低限の規模でありますが、体制を整備させていただくということを考えております。また、それぞれの段階で第三者委員会に報告いたしまして、機構としての判断が妥当であるかどうか、さらに留意すべきことはないのか、こういったことにつきまして第三者委員会の方からアドバイスをもらうといったことも考えたいと思っております。

 こういった点を徹底して行いまして、委員御指摘の予防といいますか、まず、回収できないということが起こらないようにするという努力を最大限図ってまいりたいというふうに考えております。

横山委員 大変ありがとうございます。

 引き続いて、この事業は、冒頭大臣からありましたように、民間活力を上げていくという、民業の補完性も十分考えられると思いますけれども、そもそも民間からの出資を誘発する効果があるという前提でいけば、いいところであれば、収益性がよければ、当然民間が出資をされるというふうに考えられますけれども、機構そのものが出資業務を行うという点について、民間企業の融資それから機構の融資について、これは民間型の活力を上げるという観点からいうと民間が主体になっていくべきことも多いと思いますけれども、その点について機構としてどのような考え方を持たれておられますか。

滝口政府参考人 委員御指摘のように、今回の出資はあくまでも民間資金の呼び水ということでございます。したがって、民間資金が出資されやすいような環境もつくっていくといったようなことで、鉄道・運輸機構の出資を考えていく必要があるんだろうと思っております。

 こういったことを考えてみますと、民間資金が、ある地域公共交通の事業に出資をするかどうか逡巡をするといった場合を考えてみますと、地域公共交通、先ほど来委員御指摘のように、銀行がどうなるのかとかいったようないろいろな不安な要素、リスクがあるわけでございます。こういったリスクについて、民間の金融機関等は必ずしも自信を持って判断できないかもしれないといったことがございます。

 そういった点につきまして機構はノウハウを持っておりますので、こういったようなまちづくりの展開である、それに伴ってこのような人口動態になるだろうといったようなことをベースに、今後の利用者の数だとか収益性というものを判断できるということになります。

 そういったことを機構として判断し、また、関係する金融機関などと意見交換をすることによりまして情報提供をいたしまして、この事業に対する理解、あるいは事業に対する意義というものを御理解いただくということが必要なんだろうと思います。その上で、機構から出資をいたしまして、さらに民間から出資をお願いする。

 先ほど御答弁申し上げたように、その出資の割合につきましては、機構と自治体と合わせて、決して民間からのものより多くなったりしないというようなことは絶対必要だろうと思っておりまして、そういったことをすることによりまして、あくまでも民間資金の呼び水であるといった位置づけをはっきりさせてまいりたいというふうに考えております。

横山委員 大変ありがとうございます。

 引き続きまして、今回の交通網形成計画の作成に当たりましては、先ほどからの御答弁にもありましたけれども、地方の環境は非常に厳しいものがございます。その点については専門家のアドバイスが当然必要になってくると思います。こうしたアドバイス、つまり国からの支援をどのようにされるのか、一方また、公共交通空白地域で採算の見込みが全くとれない、そういったところもあると思いますけれども、そういう地域に対してはどのように対策をとっておられるのか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。

滝口政府参考人 地域公共交通網形成計画の策定に当たりましては、市町村などの地方公共団体の人材あるいはノウハウというのが非常に問題だということで懸念されております。

 私どもといたしましては、各地方運輸局等において、公共交通について知恵や経験を有する地方公共団体の実務担当者や学識経験者について登録いたしまして、そういった方を紹介する制度といったものを設けているところでございます。

 また、昨年の地域公共交通活性化再生法の改正にあわせまして、全国において地方公共団体向けの説明会を開催する、あるいは地方運輸局などに相談窓口を設置する、あるいは今年度以降、地方公共団体担当者向けの研修を行う、こういったようなことについても考えているところでございます。

 一方、こういったことを行うことにより公共交通空白地帯は一体どうなるんだ、こういう御質問でございます。

 公共交通の空白地帯というものは、従来民間任せであった地域公共交通、路線バスといったものでございますが、人口の減少、過疎化に伴いまして、路線バスの撤退が進みまして、その結果、公共交通の空白地域が生じ、あるいは拡大するといったような問題がございます。

 このため、こういったような対応につきましては、まちづくりと整合性を図りながら、従来の民間路線バスにかわりまして、地方公共団体が主体となり、需要が少ない地域で効率的な運行が行えますコミュニティーバスであるとかあるいはデマンド交通を導入いたしまして、地域の生活の足を確保していくということが必要だろうと考えております。

 昨年お願いを申し上げました地域公共交通活性化再生法も、まさにこういったような問題意識に対応するために、地域全体を見渡しまして、まちづくりと連携した総合的な計画を地方公共団体がつくっていくといったスキームをつくったところでございます。

 また、こういったような採算性の非常に厳しい赤字経営のものにつきましては、地域公共交通確保維持改善事業といった助成制度もございますので、こういったものを活用しながら、維持し、あるいは改善していく、そういった取り組みを進めていただきたいというふうに考えております。

横山委員 大変ありがとうございます。

 引き続きまして、海上交通の関係で三点お伺いしたいと思います。

 まず一点目は、海事産業は、我が国にとっては技術力の向上が最も重要であると思いますけれども、今回の法案で、造船事業者の行う高度船舶技術の開発に対する支援業務を停止するということとしておりますけれども、これを停止した後は国がどういった対応をされるのか、お聞かせいただきたいと思います。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 世界の海運、造船市場は、世界経済の拡大に伴いまして、中長期的に拡大していくことが見込まれておりますことから、この成長を取り込んで、我が国の海事産業の発展に結びつけていくことが重要だと考えております。このためには持続的な国際競争力の向上が不可欠でございまして、委員御指摘の技術力の強化はそのための重要な要素と認識しております。

 今回廃止いたします機構の高度船舶技術開発に関する助成業務につきましては、平成二十一年度以降、海運、造船企業が取り組む技術開発に対しまして国から直接補助を行う体制に移行してきているところでございます。

 具体的には、平成二十一年度からは船舶の省エネ技術の開発に対しまして、平成二十五年度からは海洋資源開発に関連する技術開発に対しまして、直接補助金を交付してきております。

 これらの支援を通じまして、海事産業の一層の技術力の向上を図ることにより国際競争力の強化に取り組んでまいります。

横山委員 大変ありがとうございます。

 続きまして、今回の支援策はいわゆる航路にも当てはまると考えてよろしいのかどうか、その点と、離島航路の補助の要件が、他に交通機関がないなど唯一かつ赤字の生活航路に限られていると規定されておりますけれども、航路は道路と同じ概念であると思いますけれども、こういった生活航路の維持、活性化に向けた国土交通大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。

森重政府参考人 委員御指摘の、航路が当てはまるのかどうかにつきましてまずお答え申し上げます。

 今般創設されました鉄道・運輸機構によります出資につきましては、国土交通大臣により認定された海上運送高度化実施計画に基づいて実施される事業も対象となっております。すなわち、海上交通についても当てはまることとなっております。

太田国務大臣 今御質問の中にもありましたが、田中角栄元総理、そしてまた、鹿児島から奄美等々に至る海につきましては、なかなか財源がなくて、海も道なりという名言を吐きまして、それぞれ道路財源というものを充てるというような応用をしたという時代がございました。

 さらに現在は、離島地域にとっての航路というのは、生活そのもの、あるいは産業ということもそうでしょうが、生活そのものにとって公共交通として極めて重要だというふうに思っています。

 現在は、唯一かつ赤字の生活航路、ここのところについては、ナショナルミニマムという観点から、国交省で運営費補助や運賃低減等の補助をしています。

 横山先生御指摘のとおり、唯一かつ赤字という、この一本ということについては補助をしているわけですが、そのほかでも、以外の航路についても支援できないか。特に瀬戸内海とか、いろいろなところではそういう希望があろう、愛媛でもそうだというふうに思います。

 そこについてはいろいろなことをやらせていただいておりまして、ここに航路が欲しいとか、あるいは活性化が必要だというところには、地元協議会というのをつくっていただいて、これは国交省も入ります。自治体、事業者との調整役に我々がなりまして、どういうふうにしたらこれが成り立つのかということについての調整や助言ということを主体的に取り組ませていただいているという状況にもございます。

 あるいは、地域公共交通の確保維持改善、先ほど補助金ということを言いましたが、その計画策定への支援ということもさせていただいておりますし、船舶の代替建造に対する共有建造制度による支援ということもさせていただいたり、あるいは乗降施設等の利便性向上のための施設整備への支援ということで、航路自体ではなくても、そこの岸壁の構築であるとか、そういうことでもいろいろな形での支援制度をとっているところでございますし、また、観光客増加ということについても、観光キャンペーンやあるいはモニターツアーなどのことにも国交省運輸局が携わらせていただいているというようなことで、唯一かつ赤字ということについては運営費補助や運賃低減等をやるところなんですが、ほかのことについてもいろいろな形で応援をしていくということをやらせていただいているところでございます。

横山委員 地域にとって大変希望の見える御答弁でございました。

 本日は大変ありがとうございました。以上で終わります。

今村委員長 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 地域公共交通というのは、人、物の交流、活動を支え、住民の皆さんの暮らし、生活にとって不可欠なものだと考えております。

 今日、高齢者の方々で自家用車の利用ができない方々や障害を持った方々、また、移動が大きく制限をされる方々もふえております。その方々の移動の権利を保障し、住民の皆さんの足を守るため、地域公共交通の充実、拡充、活性化というのは大変重要なものだというふうに思っております。

 今回の法改正について、そういう観点からも御質問をしたいというふうに思います。

 改正案では、地域公共交通にかかわって認定された軌道運送高度化事業などの管理運営を行う運行に特化した会社に対し、鉄道・運輸機構が出資を行うということになっておりますけれども、それはどういう会社なのかということをお伺いしたいと思います。

 ケースを紹介しますけれども、一つ目として、既存の民間交通事業者がそのまま運営にかかわるケース。二つ目、民間事業者が主導してつくる新しい株式会社。三つ目、自治体が主導する第三セクター。こういうものが想定できると思うんですけれども、出資を想定しているのはどういった会社でしょうか。

滝口政府参考人 鉄道・運輸機構が出資等を行うに当たりましては、対象となる事業が明確であるということに加えまして、出資等の目的と無関係な他の事業の赤字補填などにこの出資金が用いられるといったような不明朗な事態を避ける必要があるというふうに考えております。

 そのため、鉄道・運輸機構による出資等とそれを受けて実施する事業との関係が明確になりますように、現時点では出資等の対象としては新規の会社を想定いたしております。したがいまして、委員御指摘の既存の民間会社というものにつきましては、現時点では想定をしていないところでございます。

 また、今回新設する出資等の制度は、民間だけでは十分な資金調達ができない場合における民間資金の呼び水ということでございますので、あくまでも民業を補完するという観点から行われるものでございます。

 そのため、出資割合につきましては、自治体とこの機構の出資分とを合わせまして、民間の出資の合計を超えないように努めるということを考えておりまして、民間が主体となった取り組みを支援する、こういったケースというふうに考えております。

本村(伸)委員 確認をいたしますけれども、地方自治体が主導する第三セクターというのには出資しないということが確認できますか。

滝口政府参考人 第三セクターというものの定義というのはないんだろうと実は思っておりまして、今私どもが考えておりますのは、機構と地方公共団体、自治体との出資の合計が民間の出資の合計を超えないように努める、そういった出資割合になるようにということを考えております。

本村(伸)委員 もう一つお伺いをしたいと思います。

 自治体が運営している公営の地下鉄を民営化して、管理運営を行う民間新会社をつくった場合、機構からの出資はされるんでしょうか。

滝口政府参考人 私ども、そういったケースというのは把握しておりませんけれども、仮に地方公共団体が運営する地下鉄につきまして上下分離を行うケースにつきましては、制度的にどのようなことになるかということを御紹介いたしますと、まず、上下分離について、地方公共団体が、地域公共交通活性化再生法に基づく地域公共交通網形成計画を作成の上、その中に鉄道事業再構築事業、上下分離を行う事業でございますが、再構築事業を位置づけて、国土交通大臣の認定を受ける必要がございます。

 その上で、今回の出資の対象となるためには、民間を中心といたしまして、上物を担当する新たな運営会社を設立いたしまして、かつ、その事業に中長期的な採算性があることということがポイントとなってくるわけでございます。

 いずれにしても、現時点においてそういったことについては私ども把握しておりませんので、個別具体のケースに即して判断をしてまいりたいというふうに考えております。

本村(伸)委員 公営の地下鉄も、運営管理を行う民間の新会社をつくるということであれば出資もあり得るということだと思います。

 この新しい会社が管理運営を任される場合、一体どこまで任されるのかという点について、二点お伺いをしたいと思います。

 例えば、一点目ですけれども、料金についてです。公営の地下鉄などの場合は議会で採決をして運賃を決めますけれども、運営管理を行う新会社が自由に決められるということになるのかという点が第一点目。

 そして、二点目ですけれども、もうけることが大前提になったり、経営が悪化すれば、運賃を値上げするということになるのではないか。値上げをしても赤字が続いて、これではやっていけないということになれば、すぐに撤退ということになるのではないかという懸念がありますけれども、これが二点目としてお伺いしたいという点でございます。

滝口政府参考人 まず、運賃についてでございますが、上下分離をした後、運行を行ういわゆる上物の会社でございますが、この会社につきましても、道路運送法あるいは鉄道事業法といった各事業法に基づく規制というものがかかってまいります。

 こういった事業法においては、運賃につきましては国土交通省の認可、届け出事項というふうにされているわけでございまして、この新しい会社が自由に運賃設定をしてもいいというわけにはなりません。そういった制度が講じられております。

 また、実態といたしましても、地域公共交通においては、収支採算性を確保しようということを考えまして、運賃値上げをするというケースがございました。しかしながら、一方で、運賃値上げをいたしますと、当然のことながら利用者の減少というマイナス効果も招くわけでございまして、こういったような負の連鎖というべきものを食いとめなきゃならぬというふうに考えております。

 今回の出資の対象となるものにつきましては、まず前提といたしまして、地方公共団体が地域のネットワークを考えまして、地域公共交通網形成計画というものを立てます。その上で、上下分離についての事業計画というものをつくっていく、こういうことになるわけでございまして、そういった全体的なまちづくりと連携をとったような、地域のネットワークをつくっていこうという、そういった取り組みの中で、この出資の対象となる事業も位置づけられるというふうに考えております。

本村(伸)委員 料金も、事業法はありますけれども、公営の地下鉄の場合、議会の議決などなしに自由に設定できることになるということだと思います。

 今、地方都市ですとか過疎地域などで、鉄道、バスの民間交通事業者が不採算路線から撤退して、公共交通の空白地域が拡大しているということが大問題になっております。その根本原因は、民間事業者任せになっているということがその根本原因であるというふうに私どもは思っております。

 今問題になっているのが備前バスの廃止の問題ですけれども、今月九日の山陽新聞には、備前バスの廃止、問われる地域の交通確保という社説が載りました。経営不振によって、ことし九月末に路線バス事業から撤退し、全十路線を廃止するということを発表いたしました。また、二年前に井笠鉄道も経営破綻によって七十一路線のバスが廃止の危機に瀕して、そして行政の関与が入って何とか多くの路線を継承させたということもこの社説の中に書かれております。民間主導といいますけれども、こういう問題も実際にはあるということだと思います。

 具体的な事例でもお伺いしたいと思うんですけれども、この法改正で機構から出資を想定しているのはどこなのかということをお伺いしたいと思います。

 例えば、先ほど来御答弁がありましたように、宇都宮市のLRT導入計画があります。これは公設型の上下分離方式という形で、運行、日常の維持管理を民間の営業主体が担うというふうになっております。先ほどの答弁でいきますと、この宇都宮のLRTの計画における事業主体となる新会社に出資することがあるということなわけでしょうか。

滝口政府参考人 現在、具体的な出資対象につきましては、今後制度の詳細を定めるのと並行して調整を進めていくということになるわけでございます。

 先ほど来御紹介を申し上げております宇都宮市あるいは北近畿タンゴ鉄道のケースでございますが、今回このような出資制度を設けたいということで、関係者にどういったような希望があるのかというようなことにつきまして、そういった実態の把握を行ったところ、この二つのケースが本件について関心を示しているといったことをお話しされてきたということでございます。

 現時点においては、そういったような段階でございます。

本村(伸)委員 もう一度確認をしたいんですけれども、先ほどもほかの同僚議員の質問の中でもありましたけれども、この宇都宮市のLRTの計画の概要、また事業費は一体幾らぐらいを想定しているのかということをお答えいただきたいと思います。

小関政府参考人 宇都宮市におきますLRTは、東西方向の基幹公共交通として位置づけられておりまして、平成二十八年度の着工を目指していると聞いております。

 計画区間は、JR宇都宮駅西側の中心市街地と鬼怒川左岸の工業団地を結ぶ約十八キロメートルでございまして、このうち、JR宇都宮駅東側の約十五キロが優先整備区間とされております。

 宇都宮市によりますと、優先整備区間の想定事業費でございますが、現時点では、宇都宮整備区間約四百六億円、芳賀町整備区間約四十六億円、合わせて四百五十二億円が見込まれております。

本村(伸)委員 ありがとうございます。

 事業費というのはとても大きい額になるわけですけれども、やはりこういう計画は住民の皆さんとの合意というのが一番大事だというふうに思います。

 改正地域公共交通活性化再生法に基づく地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針では、地方公共団体が先頭に立って住民合意を図ることが前提になっているというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

太田国務大臣 地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針におきましては、公共交通事業者、住民・利用者、学識経験者を初めとする地域の関係者が知恵を出し合い、その合意のもとで地域公共交通の活性化及び再生を図ることが重要である、このようにされているところでございます。

本村(伸)委員 ありがとうございます。

 大臣がお答えいただきましたように、公共交通の事業者と住民・利用者、学識経験者などの参加の中で、合意のもとで構築していくということが大切なんだということを御答弁いただいたというふうに思います。

 そこで、この宇都宮市のLRTの計画についてお伺いをしたいと思うんですけれども、国土交通省としてはどのような反対意見をつかんでいるか、お答えいただきたいと思います。

小関政府参考人 宇都宮市におきますLRTの導入に対する住民意見でございますが、宇都宮市からは、これまで市民説明の場におきまして、公共交通ネットワーク構築やLRT導入に対して肯定的な意見が寄せられる一方、利用者が見込めない、あるいは過大であるといった需要予測に関すること、採算性に関すること、市の財政負担に関することなどにつきまして疑問、不安の声があったというふうに聞いております。

 また、これらを受けて行われている地域説明会やオープンハウスでの説明といった機会を通じて、わかりやすい丁寧な市民説明に取り組んできた結果、直近に市民から寄せられる声としては、停留所の位置、運行頻度、LRTの開業時期についての質問など、LRTの事業内容やサービス内容に関するものが多くなっていると聞いております。

本村(伸)委員 この宇都宮市のLRT計画に対しましては、住民の皆さんが宇都宮市のLRTに反対し公共交通を考える会というのを立ち上げておられまして、今のLRT計画の白紙撤回を求め、宇都宮市にふさわしい公共交通のあり方を提言されておられます。

 また、宇都宮市の市議会の中では、LRTについて導入に賛成か反対かを求める住民投票条例案が出され、賛成議員が十五名、反対議員が二十八名と、否決はされましたけれども、三分の一の議員が賛成をされるということがございました。

 四月十二日に行われました栃木県の県会議員選挙では、この住民合意のないLRT計画に対する栃木県の支援を見直すということを求めておりました日本共産党の候補がトップ当選するということもございました。これだけ大きな反対の世論があるんだということだと思います。

 先ほど、地域公共交通の活性化、再生のためには住民の合意が大前提だということを確認しましたけれども、この宇都宮市のLRTの計画は住民の皆さんから反対の声が上がっているわけです。これは住民合意に至っていないということだと言えると思います。この住民合意のない計画に対して国が支援するというのは、先ほど確認をいたしました基本方針に反するのではないでしょうか。大臣、お答えいただきたいと思います。大臣、お願いいたします。

太田国務大臣 宇都宮市で構想されているような上下分離方式でLRTを整備するためには、それに先立って地域公共交通活性化再生法に基づく地域公共交通網形成計画を作成する必要があります。

 今後、宇都宮市が地域公共交通網形成計画の策定作業を進める中で、地域の関係者の意見集約が進められるものと考えているところでございます。

本村(伸)委員 住民の合意のない計画まで推進するというのは基本方針に反するものであり、あってはならないというふうに思います。

 住民合意のない事業に本法案によって出資をするということがないように求めておきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

太田国務大臣 現時点においては、宇都宮市においては具体的な計画がまだ策定されておらず、補助や出資を判断するという段階には至っておりません。

 他方、宇都宮市がこのたびの出資等の制度について関心を有していると承知しておりまして、今後、地域公共交通網形成計画の策定等、構想の具体化に応じまして適切に対応していきたいと考えております。

本村(伸)委員 一般論として、基本方針に反した住民合意のない計画に出資するべきじゃないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

滝口政府参考人 ただいま大臣の方から御答弁申し上げましたが、宇都宮市のLRTを進めるに当たりましては、地域公共交通網形成計画というものを策定する必要があるわけでございます。先ほど大臣の方からお話し申し上げました、基本方針で定められておる合意を得ていくといったことも、地域公共交通網形成計画を前提にした議論でございます。

 現時点においては、ハード面については、先ほど都市局長の方から御答弁申し上げたように、宇都宮市は概略の計画というのは持っているようでございますが、私どもが今回お願い申し上げております鉄道・運輸機構からの出資というものは、ハード面の整備ではございません。

 上下分離をいたしまして、上物の、運行する事業主体を、先ほど委員御指摘ありましたように、新たな会社をつくってもらうということが前提となると思いますが、この会社がどのようなものなのか、こういったことがはっきりしなければ、今の段階で出資などについて判断をするという段階に至っていないというのが現状でございます。

 したがいまして、今の段階では、地域公共交通網形成計画の策定に向けて、宇都宮市が基本方針で定めたような考え方に従って作業を進めていただきたいというふうに考えております。

本村(伸)委員 そもそも、この宇都宮市のLRTの計画は、バブル経済期の前、四半世紀も前からつくられた計画でございまして、一時期この計画に反対する市長が誕生して計画が凍結したこともあるものでございます。現市長になってから、国土強靱化、地方創生という名で強引に進められようとしている計画でございます。

 事業費は、当初の計画では二百六十億円だったわけですけれども、それがどんどん膨らんで、現在は、宇都宮駅の東側だけで四百十二億円。先ほどは四百五十二億円と言われましたけれども、そして、西側は百二十三億円と言われておりまして、合わせて五百三十億円以上にも膨れ上がっているずさんな計画だというふうに思います。

 住民の皆さんからは、巨額の事業費だ、住民の理解が得られていない、三千世帯も住宅を抱える清原台団地をなぜ通らないのかという御意見や、多額の税金を使うのであればもっとふさわしい交通対策を検討してほしいという理由で反対の声が上がって、これまでも、住民投票の運動ですとか、あるいは市長に公開質問状を出すなどの大きい運動が広がっております。

 もう一つお伺いをいたしますけれども、この宇都宮市のLRT計画に対しては、国は、どういうものを幾ら補助しようとしているのでしょうか。

滝口政府参考人 LRTの導入につきましては、コンパクト化した拠点間を結ぶネットワークを高度化し、町のシンボルとして町の魅力の向上、活性化にもつながるなど、地域にとって大きな効果をもたらすことが期待できるものでございます。

 この趣旨を踏まえまして、さきに閣議決定いたしました交通政策基本計画においても、その導入を推進ということが盛り込まれているところでございます。

 制度として御説明を申し上げますと、こういったようなLRTに対しまして現在国土交通省の方で用意をいたしております助成でございますが、まず、整備等につきまして、社会資本整備総合交付金によりまして、地方公共団体等に対しまして、走行路面や停留所等のLRTの走行空間の整備等に要する経費の十分の五・五等の支援を行っております。

 また、地域公共交通確保維持改善事業におきましては、鉄軌道事業者に対しまして、低床式車両の整備等に要する経費につきまして、これは具体的なケースによりますけれども、三分の一から二分の一の支援を行っているところでございます。

 国土交通省といたしましては、個々具体的なケースに応じまして、今後とも、関係機関の連携のもと、これらの支援措置を適切に組み合わせることにより、必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

本村(伸)委員 昨年の八月二十二日付の下野新聞では、見直された事業費は国が半分の約二百億円、これは四百十二億円のケースだというふうに思いますけれども、国が半分の二百億円、市と県が残りの二百億円を負担するとまで書かれております。

 基本方針に反する住民合意のない計画に国が交付金や補助金を出して支援をするというのはおかしいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

滝口政府参考人 本件計画につきましては、まだ具体的な補助金申請とかがあるわけではございません。

 したがって、先ほど御説明申し上げたのは、あくまでも、LRTの整備等に対します私どもが用意をいたしております助成制度の中身でございまして、これについて、今後、宇都宮市が中心となりまして、先ほど来申し上げているような地域公共交通活性化再生法に基づく計画の策定であるとか、そういったことについて必要な手続が進められるのだろうと思っております。

 そういった手続を踏まえまして、私どもとしては、必要な判断をしてまいりたいというふうに考えております。

本村(伸)委員 住民合意もできていない計画に基本方針に反して国がお金を出そうとしていること自体が私はおかしいというふうに思います。

 今、国としてやるべきことは、基本方針に基づいて、住民の皆さんの意見をよく踏まえた、住民の皆さんが合意できる計画になるように指導するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。大臣、お願いいたします。

滝口政府参考人 現時点におきましては、国は、宇都宮市におきますLRTの整備について、補助や出資につきまして判断を行うという段階には至っておりません。

 国といたしましては、宇都宮市が今後行う地域公共交通網形成計画の策定手続等の中で、必要な助言等を行い、関係者の合意形成に向けた努力を支援してまいります。

本村(伸)委員 住民の皆さんが合意できる計画になるように指導していただけるということでよろしいでしょうか。

滝口政府参考人 あくまでも、この計画を策定するのは宇都宮市でございます。

 国としては、関係者の合意、先ほど大臣の方から御答弁申し上げました、計画策定に当たっての合意のもとといったことがございますが、そういったことに向けて、そういった宇都宮市の努力を支援してまいるということでございます。

本村(伸)委員 住民の皆さんの意見をよく踏まえるというのは当然のことだと思いますけれども、住民の皆さんの意見をよく聞くということを支援していくということでよろしいでしょうか。

滝口政府参考人 事業を進めようということを考えて、地域公共交通網形成計画を策定するのは宇都宮市でございますので、宇都宮市がまず判断をしていく。私どもとしては、既存のスキームであるとかあるいは基本方針であるとか、そういったものに従いまして宇都宮市を支援するという立場であるというふうに考えております。

本村(伸)委員 先ほども確認をいたしましたけれども、基本方針の中では、「こうした地域公共交通に対する社会的要請に的確に応えるためには、ともすれば民間事業者の事業運営に任せきりであった従来の枠組みから脱却し、地域の総合行政を担う地方公共団体が先頭に立って、公共交通事業者、住民・利用者、学識経験者をはじめとする地域の関係者が知恵を出し合い、合意の下で、持続可能な地域公共交通網を構想し、その実現に向けて地域公共交通の活性化及び再生を図ることが重要である。」というふうに書かれているわけでございます。この基本方針を貫徹させていただきたいということでございます。

 住民合意のない事業に本法案によって出資をするべきではないということを求めて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。本村伸子君。

本村(伸)委員 私は、日本共産党を代表して、地域公共交通活性化再生法及び鉄道・運輸機構法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。

 反対する第一の理由は、地域公共交通の民間委託、民営化をさらに進め、地方自治体の関与と責任を弱めることは明らかであるからです。

 地方都市や過疎地域などで鉄道・バス事業者などの交通事業者が不採算の路線から撤退し、さらには、経営破綻によって突然の路線廃止となる事態も生まれています。

 この根本原因は、地域公共交通を民間事業者任せにしてきたからであり、住民の足を守り、安全を確保する上で、地方自治体がバスや鉄道などの整備にとどまらず管理運営にも責任を持つべきであります。

 反対する第二の理由は、住民合意のない計画にまで支援を行うおそれがあるからです。

 地域公共交通活性化再生法の基本方針には、地方公共団体が先頭に立って、公共交通事業者、住民・利用者も含めて知恵を出し合い、合意のもとで実現を図るとしているように、住民合意が大前提です。

 例えば、宇都宮市のLRT導入計画では、地域住民の皆さんから、事業費やルートなど問題のある計画だとして、大きな反対の声が上がっています。

 本改正案は、このような計画に出資を想定しています。これでは基本方針に反することになり、住民合意のない計画を後押しすることになります。それを認めるわけにはいきません。

 以上、反対の理由を申し述べ、討論とさせていただきます。(拍手)

今村委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

今村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、金子恭之君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党及び公明党の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。宮崎岳志君。

宮崎(岳)委員 宮崎岳志でございます。

 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 今回の出資の対象となる事業は民間が主体で行うべきであることから、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構がこの事業を行う新たな会社に出資するに当たっては、機構と地方自治体による出資を合わせて全出資額の二分の一未満とするよう努めること。

 二 機構における適正な出資等業務の運営を確保するため、機構が出資等の対象となる事業者を客観的・中立的に選定しているかを含め、公正・中立的な立場から審査及び評価を行う第三者委員会を設置するよう機構を指導すること。

 三 機構は、サービスの提供開始から十年程度で累積赤字を解消できるような採算性が確保できる会社を出資対象とするよう努めること。

 四 機構は、その出資の全額を確実に回収できるよう、出資先の事業運営に必要な助言を行うこと。

 五 機構が出資しようとする事業は、まちづくり等の地域戦略との調和が図られ、交通渋滞などの周辺の環境悪化をもたらすことがないようなものであること。

 六 学生や児童、高齢者、障害者等の地域住民の移動手段を確保する観点から、中長期的な収益性が見込まれない地域公共交通ネットワークの再構築を図る事業の支援についても、予算措置等を含め別途対応すること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

今村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

今村委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣太田昭宏君。

太田国務大臣 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律及び独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されたことに深く感謝の言葉を申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 まことにありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

今村委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

今村委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 国土交通行政の基本施策に関する件、特に東洋ゴム工業問題調査のため、来る五月八日金曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る五月八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十九分散会


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