衆議院

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第8号 平成27年5月13日(水曜日)

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平成二十七年五月十三日(水曜日)

    午前十時三十分開議

 出席委員

   委員長 今村 雅弘君

   理事 大西 英男君 理事 金子 恭之君

   理事 小島 敏文君 理事 坂井  学君

   理事 中村 裕之君 理事 伴野  豊君

   理事 井上 英孝君 理事 赤羽 一嘉君

      秋本 真利君    石川 昭政君

      岩田 和親君   うえの賢一郎君

      門  博文君    神谷  昇君

      木内  均君    工藤 彰三君

      古賀  篤君    國場幸之助君

      今野 智博君    佐田玄一郎君

      斎藤 洋明君    鈴木 馨祐君

      鈴木 憲和君    高木 宏壽君

      津島  淳君    野田 聖子君

      堀井  学君    前田 一男君

      宮内 秀樹君    宮澤 博行君

      山本 公一君    荒井  聰君

      緒方林太郎君    神山 洋介君

      小宮山泰子君    松原  仁君

      宮崎 岳志君    本村賢太郎君

      足立 康史君   松木けんこう君

      横山 博幸君    北側 一雄君

      中川 康洋君    樋口 尚也君

      穀田 恵二君    本村 伸子君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣     北川イッセイ君

   国土交通大臣政務官   うえの賢一郎君

   国土交通大臣政務官    鈴木 馨祐君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 兵谷 芳康君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 青木 信之君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 伊藤 直樹君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局雇用開発部長)       広畑 義久君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            佐藤 悦緒君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  藤田 耕三君

   政府参考人

   (国土交通省国土地理院長)            小池  剛君

   政府参考人

   (観光庁長官)      久保 成人君

   政府参考人

   (気象庁長官)      西出 則武君

   参考人

   (九州旅客鉄道株式会社代表取締役社長)      青柳 俊彦君

   参考人

   (北海道旅客鉄道株式会社代表取締役社長)     島田  修君

   参考人

   (日本貨物鉄道株式会社代表取締役社長)      田村 修二君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十三日

 辞任         補欠選任

  前田 一男君     石川 昭政君

  松原  仁君     緒方林太郎君

  下地 幹郎君     松木けんこう君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     前田 一男君

  緒方林太郎君     松原  仁君

  松木けんこう君    下地 幹郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)


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     ――――◇―――――

今村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本日は、参考人として、九州旅客鉄道株式会社代表取締役社長青柳俊彦君、北海道旅客鉄道株式会社代表取締役社長島田修君及び日本貨物鉄道株式会社代表取締役社長田村修二君、以上三名の方々に御出席をいただいております。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省鉄道局長藤田耕三君、国土地理院長小池剛君、観光庁長官久保成人君、気象庁長官西出則武君、内閣府大臣官房審議官兵谷芳康君、総務省大臣官房審議官青木信之君、外務省大臣官房審議官伊藤直樹君、厚生労働省職業安定局雇用開発部長広畑義久君及び中小企業庁事業環境部長佐藤悦緒君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松原仁君。

松原委員 質問に入る前に、ネパールにおいて、また大きな余震といいますか地震がありました。本当に、被災された方、関係の皆さんにお悔やみ、またお見舞いを申し上げたいと思っております。あわせて、日本でも宮城、岩手で余震があったわけでありまして、このことでまたさまざま被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思っております。

 さて、この会社法に関する議論でありますが、まず冒頭、日本のような国において重要なことは、常にそこに住む人がどこにでも移動できるという、その移動の能力というのは極めて重要であるというふうに思っております。

 今般の、JR九州は上場ということを目指しているわけでありますが、このことによってどういったことが招来されるかについて議論していかなければいけないと思っています。

 まず、国土交通省的な観点からいきますと、道路行政においては、ミッシングリンクをつくらない、ミッシングリンクを解消するというのが道路行政においては一つの根本的な発想にあるというふうに私は承知をしているわけでありますが、鉄道に関して、このミッシングリンクというものに関して、道路とは大分その状況も変わっているわけでありますが、このことについてどのような御所見をお持ちかをお伺いいたしたいと思っております。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 鉄道に関しまして、私ども、大事なことは、やはりネットワークを維持するあるいは充実するということだと思っております。

 現に今、これは都市部が中心でございますけれども、いろいろな鉄道のプロジェクトが検討されております。そういったものの中には、例えば、公共交通、鉄道の空白地帯を解消するでありますとか、あるいはつながっていないところをつなぐといった意味でネットワークの充実を図ろうとするプロジェクトがございます。それから、今あるネットワークの維持を図っていく、こういったことも大変大事なことだと思っております。

 そういった意味で、必ずしもミッシングリンクという言葉を鉄道行政の世界で使っておりませんけれども、ネットワークをきちんと大事にしていくということにおいては発想は同じだと思っております。

松原委員 このミッシングリンクというものがないこと。ミッシングリンクは、あると思う条件は、そこが回れるだろうみたいなことになるわけでありますが、それがミッシングリンクをなくすことによって恐らく、さまざまな利便性の向上だけではなく、また利用客の増加も見込めるんだろうというふうに思っております。

 ちょっと関連してでありますが、JRの路線が第三セクター化した場合に、私の友人なんかでも、青春18きっぷが利用できなくなるというふうなことも言っているわけでありますが、これもある種ミッシングリンク、ある意味においてそこが、鉄道は走っていますが、事業主体がかわるという意味においてはミッシングリンクの一つだろうというふうに思っているわけであります。このことに関しての御所見もお伺いしたいと思います。

藤田政府参考人 御指摘のとおり、青春18きっぷにつきましては、その乗車区間はJR旅客鉄道会社全線であります。したがいまして、JRから分離して第三セクターが運営することになった路線は、基本的には対象区間から除外されるということになります。

 ただ、他方で、例えばJR九州におきましては、旅名人の九州満喫きっぷ、こういう名称がついておりますけれども、肥薩おれんじ鉄道等の第三セクターの路線を含めて九州の全鉄道事業者の普通列車に乗り放題となる、そういった企画乗車券も発売されております。

 基本的には、この企画乗車券、鉄道事業者の経営判断に基づいて決定するものでありますけれども、いろいろな創意工夫を凝らして、利用者の利便の充実を図っていただきたいと考えております。

松原委員 今御答弁いただきましたが、ぜひ、こういった部分の、実際、本来はJRが運営していた、しかし、いろいろな理由からその路線は、廃止されてしまうとどうしようもないわけでありますが、第三セクターに移管されるというふうなケースにおいては、ある種、それを従来どおり使えるようにすることが全体のイメージアップと、そしてお客さんといいますか顧客の底上げにもつながるというふうに考えられますので、ぜひとも、既に今、企画として、それぞれの創意工夫でということでありますが、もちろんそれはそういうことですが、国土交通省の中でもこういったものに関しては前向きに促すようにお願いしたいと思っております。御所見をお伺いします。

藤田政府参考人 原則論としましては、これはやはり鉄道会社のいわば商品でございますので、基本的には鉄道会社の経営判断で設定されるべきものだと思いますけれども、他方で、これはやはり利用者の利便性、あるいは場合によっては観光の振興、こういったいろいろな意味での意義がございますので、その辺をよく各事業者と私どもの間で相談をしながら話を進めていきたいと思っております。

松原委員 こういった上場の場合に一番懸念されるのは、今申し上げた部分の、上場後において、赤字路線がかなりあるわけでありまして、赤字路線が切り捨てられるおそれがあるということについて大変に危惧の念を持つことが多いわけであります。

 鉄道ネットワークを維持するという観点から、このことに対して、この問題に対して、そういったことはないということをどのように担保されるのかをお伺いいたしたいと思います。国土交通大臣とJR九州にお伺いいたします。

太田国務大臣 JR九州は、完全民営化後におきましても、九州の基幹的輸送機関としまして、必要な鉄道ネットワークをしっかり維持する必要がある、このように考えています。

 このため、本法律案におきまして、JR九州が配慮すべき事項としまして、国土交通大臣が、現に営業している鉄道路線の適切な維持について指針を定めるということにしています。その上で、この指針を踏まえた事業運営を確保するため必要があると認めるときは、国が指導、助言、さらには勧告、命令を行う、このようにしております。

 さらに、JR九州の発足時に設けられました三千八百七十七億円の経営安定基金につきましては、鉄道路線維持のための安全投資など、鉄道ネットワークの維持向上に資する資産等に振りかえることとしています。

 これらによって、JR九州の上場が安易な鉄道路線の廃止につながらないようにしていきたいと考えております。

青柳参考人 お答えいたします。

 九州の鉄道ネットワークの維持は、鉄道事業を中核事業とする当社にとって重要な役割であると認識をしております。

 観光振興や交流人口の拡大を通じた九州全域の活性化により、地域を元気にし、ネットワーク全体の価値向上を図っていくことが、鉄道事業を初めとする全ての事業の持続的な運営に資すると考えております。

 引き続き収入の確保や経費節減に努めることにより、今後もネットワークの維持、活性化に努めていく所存であります。

松原委員 非常にいい答弁をいただいたと思っておりますが、なぜこの質問をさらに深めていきたいかといえば、JR東海であるとかJR東であるとか、従来上場した会社は体力もあったわけでありますが、JR九州の場合は、もちろん、上場するということで、その部分において大丈夫だということでその方向が今打ち出されているわけですが、鉄道事業本体ではまだまだ厳しいものがあるわけでして、さまざまな観点から、JR東やJR東海では起こらなかったような切り捨てというのがJR東や東海に比べたら起こりやすいような経営的な後ろ盾というか、そういう認識も一方にあるものですから、あえて聞いているわけであります。

 そこで、ちょっとお伺いしたいわけでありますが、JR以外の民間の鉄道事業者、この三十年間に第三セクターに移行した路線や廃止となった路線というのはどれぐらいあるか、これをちょっとお伺いいたしたいと思います。

藤田政府参考人 昭和六十年度から平成二十六年度までの三十年間におきまして、JR以外の鉄道事業者の旅客路線、このうち、第三セクターに移行したものが七路線でございます。それから、廃止となったものが五十路線でございます。

松原委員 JR以外の民間鉄道事業者においては、七路線が第三セクター、そして、はるかに多くの路線が廃止になった、このように今聞いたわけでありますが、その具体的な中身をちょっと教えていただきたいと思います。

 その七路線は、どういう形で今存続しているのか。また、残ったところは、それにかわる代替の交通網というのは今はなくなってしまったのかどうなのか、お伺いしたいと思います。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 七路線につきましては、引き続き、いわゆる三セク、第三セクターとして現在経営がなされております。

 それから、廃止のケース、これは五十路線、個別にはいろいろなケースがございますけれども、基本的には、例えば代替バスを運行するでありますとか、そういった地域の足の確保をしながら廃止しているといったケースが多いものと認識をしております。

松原委員 要するに、民間事業者の部分においては五十の路線が廃止をされてしまったということであります。

 私は、ここは鉄道局の範疇を超えるのかもしれませんが、こうしたところがどれぐらいのダメージを受けるかということを考えたときに、そのダメージをトータルで考えて、それと比較して、あえて採算が若干とれなくても頑張るということは一つの考え方としてあろうかと思っておりますが、今、そういったお話がありましたので、これに関してはここまでにしておきたいと思います。

 こういった民間事業者が鉄道を廃止する場合、また第三セクターに移行する場合、このことに関しては、国土交通省は、民間事業者が路線を廃止する場合や三セクに移る場合には関与をどのような形でしてこられたのか、このことについてお伺いいたします。

藤田政府参考人 鉄道路線の廃止について申し上げますと、まず手続でございますけれども、鉄道事業法に基づきまして、廃止予定の一年前までに国土交通大臣に届け出るということになっております。

 その届け出があった場合に、国土交通大臣は、廃止を行った場合の公衆の利便の確保に関しまして、関係地方公共団体、利害関係人の意見を聴取するということになっております。

 それから、関係地方公共団体の申し出があった場合には、代替交通機関の確保等に関する関係者間の調整を行うために、地方運輸局の主催で地元協議会を開催するということになっております。現にこういった形で地元協議会を開催し、代替交通機関の確保を図っているという事例がございます。

 それから、第三セクター化に関しましては、交通機関そのものがなくなるわけではございません。ただ、営業主体が変わるという意味で、所定の鉄道事業法の手続をとっていただくということになります。

松原委員 これは極めて重要なことだと思うので、やはり、特に国土交通省の立場としては、きょうはJR九州のことが議論になっておりますが、鉄道事業者が鉄道事業から撤退する、廃止をするということは、地域にとってはある種極めて致命的なことになることもあるわけでありますので、この部分に関しては、今局長がおっしゃったような意味において、きちっと対応し、代替交通機関をつくるということも含め検討を続けていっていただきたいというふうに思っております。

 その中で、今回JR九州が上場する。先ほどの御答弁にも重複するわけでありますが、JR九州が上場する場合、当然新しい株主がたくさん参加をするわけであります。株主側の考え方としては、利益を最大化したいというふうに考えるのは、これはもう当たり前のことであります。利益を最大化するとなれば、赤字を切り捨てろというのは、株主側からすればもう当然の理屈として出てくる。

 株主に対して、この会社はこういう条件だからというのをあらかじめ、どこまで告知するのか、できるのかというのは私はわかりませんが、株主からはそういった認識が出てくる。

 逆に、それに対して国の方は、赤字路線は、廃止といってもそんな簡単にはいきませんよ、ミッシングリンクの問題もこれあるし、やはり地域の人の利便性もあるということで、先ほど大臣が言ったような指針の議論がある。

 株主のそういった強い要望が将来上がったときに、それとこの大臣指針とは具体的にどういうふうに折り合いをつけるのか、このことは極めて難しい議論になってくると思います。当然、海外の方々が株主として会社に参加するということもあるわけでありますので、このことについて大臣及びJR九州にお伺いいたしたいと思います。

太田国務大臣 まず、松原先生から指摘のありましたように、私たちとしましては、完全民営化後においても鉄道路線の適切な維持に努めるという指針の考え方を株主に対して十分に説明していただきたいというふうに思っています。

 なお、この指針におきましては、そうした適切な維持に努めると同時に、路線の廃止ということについては次のような要件を課すことを想定しています。国鉄改革の実施後の事情の変化によって当該路線を廃止することが妥当であると認めるに足る事情があること、そのような事情の変化について地元関係者に対して十分な説明責任を果たすこと、こうしたことを要件として課すことも想定しているところです。

 仮に、株主からの意見などによりJR九州が路線を廃止しようとする場合には、国としましては、この指針に照らして、必要な指導、助言及び勧告、命令を行うことにしております。

青柳参考人 JR九州につきましても、上場後も鉄道路線の適切な維持に努めるよう、JR本州三社と同様に、ただいま大臣からもありましたように指針が定められるというふうに伺っております。

 当社といたしましても、この指針に沿って対応してまいると同時に、ただいまお言葉がありましたように、指針があることを株主に対してもきちっと説明をしてまいりたいというふうに思っております。

 以上です。

松原委員 ちょっと細かい議論なんですが、株主に対して説明をすると。具体的に、どのようなタイミングでどう説明するのか、今その構想があればお伺いしたい。

青柳参考人 これから上場に向けてまだ時間があるということでありますので、この法案が成立後、我々、会社として、こういった指針を持った会社であるということはきちっと申し述べてまいりたいというふうに考えております。

松原委員 それから、JR九州が上場後、廃止をする、もしくは第三セクターに移行する区間というのは、今後は基本的にはないというふうに思っていいのか、いや、それはありますよというふうなことなのか、そこも、この段階で御答弁できる範囲でお伺いしたいと思います。

青柳参考人 先ほども申し上げましたように、九州の鉄道ネットワークの維持は、鉄道事業を中核とするJR九州にとりまして重要な役割であるということで認識しております。

 引き続き収入の確保や経費節減に努めることにより、今後もネットワークの維持、活性化に努めていく所存であり、第三セクターへの移行を検討している区間はございません。

松原委員 極めて重要な御答弁をいただいたと思います。

 その上で、JR九州発足後、第三セクターに移行した肥薩おれんじ鉄道がありますね。これがどのように地域の方に御評価をいただいているのか、あわせて、もし数字があればですが、従来と比べてこの路線の運行状況は今どのようになっているのか。ダイヤがどれぐらい減ったかとか、そういう議論であります。そして、利用客の増減というものも、もしわかれば、どういうふうになったかということをちょっとお伺いいたしたいと思っております。

藤田政府参考人 肥薩おれんじ鉄道でございますけれども、平成十六年三月に経営分離をされております。経営分離後、地域の輸送を担う重要な輸送機関として機能しているものと認識をしております。

 輸送の実績でございますが、手元に今、旅客輸送量の数字がございますので、その点でお答えさせていただきますけれども、経営分離前、これは当時鹿児島本線が通っておりましたので今とは機能も違うわけでありますが、経営分離前の平成十二年度の八代―川内間の輸送量と、分離後の十六年度の輸送量を比べますと、約八割の減少となっております。これは、例えば特急列車が新幹線に移行してこの在来線を走らなくなった、こういった要因が大きいものと思っております。

 それから、肥薩おれんじ鉄道の開業後について見ますと、十六年度から二十五年度を比べますと、約二割減少しているという実態でございます。

松原委員 これは自然の動向でそうなったのか、人為的なことが大きいのかわかりませんが、このように減少しているわけであって、この辺もぜひ、国土交通省だけではなくて、地域活性化という観点から他省庁とも連携をして、このことの意図や意味をまた解析をしていただきたいというふうに思っております。

 JR九州にお伺いしますが、この肥薩おれんじ鉄道に関しては、第三セクターに移っているわけですが、今どのような評価を会社の中ではしているのか、地域からどういう評価を受けていると認識しているか、お伺いいたします。

青柳参考人 当社におきましては、肥薩おれんじ鉄道が開業した平成十六年度より十年間、八十九名の出向者を派遣するとともに、出向者に対する肥薩おれんじ鉄道側の負担金を大幅に引き下げる支援を行ってまいりました。

 平成二十六年度以降の支援につきましては、熊本県、鹿児島県、肥薩おれんじ鉄道と当社の四者で新たな支援の枠組みをつくり、協定書を作成したところであります。肥薩おれんじ鉄道へ引き続き要員派遣を継続するとともに、その人件費負担についても軽減措置を図っております。さらに、営業協力といたしまして、共同企画切符の販売や、肥薩おれんじ鉄道が運行する観光列車「おれんじ食堂」の宣伝協力や、座席指定券の発売などを実施しておるところであります。

 肥薩おれんじ鉄道も、当社と同様、厳しい経営環境の中、地域住民の足として重要な役割を担うためにさまざまな尽力をされているものと認識しております。当社といたしましても、上場後も引き続き協定書に沿って支援を行っていきたいと考えております。

松原委員 上場ということでありますが、JR会社法に絡む鉄道の中で、さらにまだ今後、JR北海道やJR四国、JR貨物というものが将来それを目指して今また努力をし、汗をかいているというふうに認識をいたしております。

 JR貨物にお伺いしたいわけでありますが、今回はJR九州の上場でありますが、JR貨物は上場に向けて今どのような活動をしているのか、また、目標、見通し等、さらには具体的に今講じられている施策等をお伺いいたしたいと思います。

田村参考人 JR貨物につきましては、国鉄の分割・民営化で発足しておるわけでございますが、一連の閣議決定におきまして、経営基盤の確立等条件が整い次第、完全民営化するということで一括整理されております。

 弊社では、完全民営化に向けた足がかりといたしまして、平成三十年度における経営の自立達成を目指したいわば長期的な経営自立計画を平成二十三年度に策定いたしまして、現在取り組んでおるところでございます。

 その中で、現在、中期経営計画、三年単位でございますけれども、中期経営計画二〇一六を作成しておるところでございます。

 この中期計画に基づきまして経営改革を推進中でございますけれども、弊社の経営成績は景気動向とか災害の影響を極めて受けやすいという傾向がございますけれども、鉄道事業部門がまだ営業損益レベルでは赤字でございますので、この鉄道事業の部門を黒字化するというのがこの中期計画の柱でございます。これが最大の経営課題でございます。それを必達目標として、平成二十八年度に鉄道事業部門黒字化を掲げて、その実現に向けて役員、社員一丸となって取り組んでいるところでございます。

 初年度を終えたばかりでございますけれども、さまざまな外的な要因がございましたけれども、着実に足場を固めているという評価をいたしております。

 全般的に申し上げますと、トラックドライバー不足の傾向は構造的な問題として続くというふうに考えておりまして、いわゆるモーダルシフトの動きもずっと顕在化してきております。それに向けて、私ども、機敏にお客様へのセールスとかコストダウンに取り組みまして、この目標を達成いたしたい。そのさらに先に、平成三十年度における経営の自立化を達成していきたい、こういうふうに考えております。

松原委員 いずれにしても、この民営化というのは、言ってみれば、昔の表現で言いますと親方日の丸と言われていた体質から脱却をし、競争原理を一方で入れながら切磋琢磨する、民間企業のように、これが原点だと思っておりますので、そのことはぜひ、もちろん、今回JR九州ということでありますが、残るJR会社法を所管する各JR会社にもお願いをしたいと思っております。

 次に、やはりこういった巨大な地域においてネットワークの中心にある存在が、さまざまな部分に、まさに自己判断で上場すれば活動を広げることができる、こういうことになるわけであります。従来は大臣の許可が必要であったものも、一定、自社自発的にどんどんできるようになる。そうなると一番心配なのが、関連事業を展開した場合に、それが特に商店を中心とした地域の地場商店街といった方がいいですかね、そういったものに対して明らかに比較優位の状況で話が始まるわけであります。

 私の友人である中山義活前衆議院議員が上野を中心にやっていましたが、やはり上野駅の駅中と駅外では全然場所の違いといいますか場所のメリットが違いますから差がついてしまう、随分そういったことを最初言って、そのことに対してJR東も随分とまたさまざま対応をしていただいたのだろうというふうに思っておりますが、JR九州が株式を上場する、そのメリットとして具体的に社長はどういうメリットがあると考えておられるのかが一点。そして、その上で、こういった中小企業圧迫のおそれに関して、どのようにウイン・ウインの関係をそういった中小企業とつくろうとしているのか、お伺いいたしたいと思います。

青柳参考人 ただいま御質問がありました中小企業への配慮ということでありますが、本案が成立するならば、当社はみずからの責任と判断に基づいて経営を行うことになります。

 具体的には、新しい関連事業を始める場合や金融機関から長期に借入金を借り入れる場合などに国の認可を受ける必要がなくなったというわけでありますので、機動的な投資判断や資金調達を行うことが可能になるということになるわけであります。

 これまでJR九州におきましても、JR会社法の十条に規定されております中小企業への配慮につきまして、中小企業との協力をしながら事業を展開してまいったわけであります。例えば、当社駅ビルへの地元企業の出店や駅ビル開業に伴う地元雇用の創出等を実現しているほか、地元自治体や駅周辺の企業、商店連合会が主体となったまちづくり推進事業等に参加しまして、連携しながら町全体の活性化の推進を進めております。

 当社といたしましても、上場後もこれまでと同様に、地元の中小企業に配慮しながら関連事業を展開し、九州地域の活性化に貢献してまいりたいと思っております。

松原委員 きょう冒頭申し上げたように、日本は地震大国でありまして、さまざまな地震が発生をしているわけでありますが、防災ということに関して、もちろん従来からもこれをずっとやってきた。それは、特にまた国土交通省との関係も含めてやってきたわけでありますが、独立した後の防災に関して、JR九州は上場後しっかりと取り組むということだろうと思いますが、その具体的な進め方というものをお伺いしたいと思います。

青柳参考人 JR九州は、発足以来、台風等の災害の多い九州において、毎年のように被災をしておりますが、その都度、社員一丸となり復旧を果たすとともに、線路への土砂流入を防ぐためののり面工事など、災害を未然に防ぐために必要な対策をこれまでも実施してまいりました。

 九州の鉄道ネットワークの維持は、鉄道事業を中核とする当社にとって重要な役割であるということは再三申し上げておりますが、上場によりその役割が変わるものではないと考えております。

 当社といたしましても、上場後も鉄道ネットワークを維持していくためにも、引き続き防災の取り組みを着実に進めてまいる所存であります。

松原委員 今ずっと議論して、御答弁いただいたように進めば、それは廃線もない、第三セクターも想定していないということでありますから、地域の足が奪われることもなく、そして民間企業としての厳しさの中でやっていけるのかなというふうに期待をしたいところであります。

 ただ、全体のJR各社の企業規模や業績というものを北海道から始まってずっと見ていくわけであります。そういたしますと、これは大臣、やはり大きいところもあれば、小さいところもある。体力があるところもあれば、体力のないところもある。体力がないところというのは、いろいろな意味で、いい意味での節約ではなく、十分に必要なところに必要な手配ができないような節約も、私はやはり起こり得るんだと思うんですよね。

 そういった意味では、私は、さまざまなJR各社、その大きさ、小ささという中において、先ほどJR貨物は平成三十年で一つのめど、区切りをつけてその後の上場の可能性を示唆しているわけだし、他のところも上場を目指して努力をしていく、汗をかいていくということになろうかと思いますが、やはりおのずから、どう考えても、一つの限界があるような気もしているわけであります。

 ですから、哲学として、企業を、会社経営といいますか、上場してやらせるという、そのことは私は一つの方向性として正しいと思っておりますが、余りにも体力が違う各JRの中において、何らかの標準化といいますか、やはりでこぼこがある中で、何らかの配慮といいますか、そういったものが何かどこかであるのが、むしろ国全体として見たら妥当なのではないかという気がしてならないわけであります。

 例えば税金でも、やはり税金がたくさん集まるところから、なかなか税金が集まらないけれどもさまざまな福祉が必要なところにお金が回っていくというのも、実際、国の中でそういった実態があるわけですから、その意味では、JRのそれぞれの会社の中において、何らかのそういったものを、会社になってしまったから今さらできないと言われればそうかもしれませんが、国土交通省の指導のもとで何らかそういった標準化というものができないのか、お伺いしたいと思っております。

太田国務大臣 それぞれの会社が民営化という方針が出ているんですけれども、なかなかばらつきというか、環境が物すごく違っているということは事実だと思います。

 そこで、六十二年の国鉄改革は、旅客鉄道事業を地域ごとに分割して各社の経営責任を明確にするということによって、経営の効率化を図って鉄道事業の再生を目指すという基本的な考え方のもとで行われて、このため、JR各社はそれぞれ独立した会社として健全かつ自立的な事業運営に取り組んでいただくことがまず必要だというふうに考えています。

 そうした考え方に基づきまして、これまで、三島、貨物会社に対しまして、それぞれの経営状況に応じて、経営自立を支援するために、実質的な経営安定基金の積み増しや、車両や軌道を初めとするそうした設備投資への支援を行ってきたところでございます。

 JR北海道、JR四国及びJR貨物につきまして、経営自立を達成できるように、引き続いて必要に応じて支援を行ってまいりたいという考え方、これが基本でございます。互いに収益調整をするかどうかというようなことは現在のところは考えておりませんで、それぞれ非常に厳しい状況を強いられているというふうに思いますけれども、それぞれの必要に応じて経営自立を達成できるように支援を行っていくというのが基本的な考え方でございます。

松原委員 当然、会社になっているわけですから、それはそうだと思います。

 ただ、もともとの根っこを考えると、全国一律でスタートしてやってきて、当然、最初の段階で見通しというのはあったんだろうと思いますが、これはもう初めからわかっていたことかもしれないし、途中から明らかになったことかもしれませんが、明らかにこのでこぼこというのは極めて強烈でありまして、もうかるところはもうかる、もうからないところはなかなか厳しい。私としては、そこはやはり、国土交通省のリーダーシップをもって、一定のことは将来的には検討していただきたいというふうに思っているところであります。

 いずれにしても、JR九州が上場するということで、また、そのことがある種の九州経済の弾みとなる、そして地域の活性化につながることを強くきょうは念じながら、私の質問といたします。

 以上で終わります。ありがとうございます。

今村委員長 次に、神山洋介君。

神山(洋)委員 神山洋介でございます。

 きょうは、JR会社法の改正案、JR九州の完全民営化についてという法案の質疑ではございますが、その前段で、同じく国土交通行政にとっては極めて重要な危機管理であり、また、災害対策であり、観光政策であり、インバウンド施策でありというところにも大きくかかわる、箱根大涌谷周辺における火山活動の活発化についてということで数点質疑をさせていただいた上で、法案の質疑をさせていただきたいと思っておりますので、よろしく御答弁のほどをお願い申し上げます。

 まず、気象庁、国土地理院にお伺いをいたします。今回の活動活発化についてどう評価をされているかという点でございます。

 もう委員御案内のとおりかと思いますが、四月の下旬から火山性地震が活発化をしてきたということが少しずつ報道されるようになりまして、その後、五月の五日の夜、震度一の地震があり、それを受けて五月の六日の早朝、朝六時だったと思いますが、噴火警戒レベルが二に上げられた。そして、立入禁止区域等が設定をされたということがこれまでの大ざっぱな経緯でございます。

 その後、即、私も現地に入って、もろもろ、現地の方とも意見交換をしたり、現場を見てまいりましたが、やはり、落ちついた状況ではあるものの、話を聞くと、なかなか大変なこともたくさんあるということであります。

 その前段として、冒頭申し上げたとおりではありますが、まず、気象庁、国土地理院から、それぞれの観点の中で、今回の火山活動の活発化についてどういう評価をされているか、御答弁をいただければと思います。

西出政府参考人 箱根山の大涌谷周辺につきましては、今委員御指摘のとおり、四月二十六日から体に感じない火山性地震が増加し、同時に山体の膨らみを示す変化が観測されておりました。また、気象庁が五月四日から行った現地調査では、大涌谷の温泉施設で蒸気が勢いよく噴出していることを確認いたしました。

 五日には、箱根町湯本で震度一の地震が三回発生し、このうち、同日二十一時の地震は、夜の九時ですけれども、やや深いところを震源とするものでありました。

 このような状況を踏まえ、気象庁では、大涌谷周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があるといたしまして、六日午前六時、火口周辺警報を発表し、箱根山の噴火警戒レベルを一から二に引き上げたところでございます。

 その後も、大涌谷での蒸気の噴出や周辺での火山性地震、山体の膨らみは継続しております。十日には箱根町湯本で初めて震度二を観測するなど、震度一以上の地震を合計十一回観測しております。なお、火山性微動や低周波地震は観測されておりません。

 気象庁では、引き続き、しっかり監視を行い、地元自治体等と連携して対応を行ってまいります。

小池政府参考人 国土地理院では、宇宙航空研究開発機構、JAXAが運用いたしております人工衛星だいち二号のレーダー、それから地上に設置いたしました電子基準点を活用いたしまして、継続的に地表の変動を監視しているところでございます。

 今回の箱根町大涌谷周辺の火山活動の活発化に関しましては、だいち二号のデータを用いて解析を行いました結果、五月十日までのデータでは、火山活動が活発になる前と比較いたしまして、大涌谷内の直径二百メーター程度の非常に狭い領域で、最大八センチの地表面が衛星に近づく変動が見られたところでございます。

 この解析結果は気象庁とも共有しております。また、神奈川県温泉地学研究所を通しまして、神奈川県、箱根町へ提供するとともに、国土地理院のホームページにも掲載をしているというところでございます。

 今後とも、状況の把握と情報の共有をしっかり進めていきたいというふうに思っております。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 引き続き、火山活動が活発である一方で、レベル二は維持をされているということかと思います。

 その次にお伺いをしたいのが、いわゆるリスクコミュニケーションに関しての話でございます。

 今回の件のみならず、あらゆる災害のときに課題になるのはこのリスクコミュニケーション、実際の災害の状況、実態をできるだけ迅速に、正確に多くの方々に共有していただくということであろうかと思いますが、やはりこれが今回も、現地においても、現場においても課題になっているのではないかというふうに考えているところでございます。

 これは例えばの話で、幾らでもあるわけですが、例えば今回も、噴火の懸念がある、危険性があるということでレベル二の警戒レベルが設定をされているわけですが、多くの方とお話をしていると、噴火という言葉は、噴火をするとマグマがどろどろ出てきて、赤いのがどろどろ流れることなのだというふうに、これは地元でもそうですし、観光客の方々も思われているわけです。ただ、実際には、今回の噴火が、危険性が指摘をされているのはあくまでも水蒸気爆発であって、マグマがどろどろ出てくるということはまだ現時点では指摘をされていないわけです。

 このことのみならず、例えば、箱根山という表現もされますが、箱根山という山は実は存在をしておりませんで、複数の山の総称が箱根山というふうに言われている中で、報道ベースで箱根山と言われると、箱根全体が被害があるのではないかというふうに受けとめられて、お客さんが減ったというような実情もございました。

 挙げれば切りがありませんが、こういう一つ一つの言葉も含めて、リスクコミュニケーションをさらにスピーディーに、円滑にしていくために、ぜひこれは御尽力をいただきたいというふうに思っておりますが、気象庁、この点はいかがでしょうか。

西出政府参考人 火山活動に関する情報を地元自治体等へ迅速かつ正確でわかりやすくお伝えすることは重要だと考えております。気象庁では、火山活動に変化があった場合、臨時の解説情報を発表し、地元の火山防災協議会に職員を派遣し、直接説明を行ってきております。

 箱根山では、先月、四月二十六日ごろより火山性地震が増加するなど、火山活動が高まり始めたことから、気象庁は、地元自治体等から構成される箱根火山防災協議会に対して、火山活動の状態について説明を行ってまいりました。

 五月六日には火口周辺警報を発表いたしましたが、その際、開催された箱根火山防災協議会において、火山活動の状態や防災上留意する事項について説明を行うとともに、その後の状況については、毎日、解説情報を発表し、きめ細かくお伝えしております。

 これらの際、箱根全体が危険であるような誤解を与えないよう、警戒が必要な範囲が大涌谷周辺に限られることを火口周辺警報や解説情報の中でお伝えしてきております。

 また、報道機関に対しても、警戒が必要な範囲を図を用いて示すなど、丁寧な説明を行っております。

 気象庁では、今後も火山活動をしっかり監視し、火山防災協議会と密な連携を維持し、わかりやすい情報の提供に努めてまいります。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、それは引き続きの御尽力をよろしくお願い申し上げます。

 折しも今、協議会の話がありましたが、きょうからコア会議という形で実務ベースでの議論も始まっていくという話を伺っております。これは御答弁は求めませんが、例えば必要に応じて共同で記者会見をするということもあっていいのではないかというふうに思いますし、今長官からお話がありましたとおり、さまざまな情報はメディアを通じて伝わっていくというルートが多々あるわけですから、メディアの方々には、やはりでき得る限りきちんと丁寧な正しい情報を伝えていくというスタンスの中での工夫をこれからもよりやっていただきますように、お願いを申し上げます。

 続いて、観光庁にお伺いをいたします。

 これは言わずもがなではありますが、今回の件がありまして、当然ですが、予約をして、これはゴールデンウイークのお尻の方にもかかっていたわけですから、箱根に遊びに行こうとしていた方がやはりちょっと控えようかなということで、それなりのというより、かなりのキャンセルが出たという実情が実はございました。少しずつ回復をしているという報道もありますし、実は、箱根の山の上の方と下の湯本の方とでは大分毛色が違うという話であるとか、かなりまだら模様で、いろいろな状況が現時点でもあります。

 それで、ダメージコントロールをやはりしなきゃいけないということを考えるわけですが、ここをぜひ考えていただきたい。現状を含めて、この辺をどう考えているか、お話をいただきたいと思います。

久保政府参考人 お答えさせていただきます。

 まず、迅速、正確な情報発信をする。気象庁から答弁がありましたけれども、箱根は観光客の安全確保にきめ細かく対応しているんだということを国内、国外の旅行者にアピールすることが、まず、日本を代表する観光地としての箱根の、ある意味ブランドイメージを維持することにつながるんだというふうに考えます。

 その上で、箱根の持っている温泉、自然、景観、有名な史跡、あるいは芦ノ湖のユニークな乗り物など、箱根が有しております豊富な観光資源の魅力が今回の措置によって損なわれていない、すなわち、立ち入りを規制しておりますのは大涌谷の噴煙地に近いごく一部であるということも含めて、内外にしっかり情報発信をするということで、箱根の評価を維持、あるいはさらに高めていきたいというふうに考えているところであります。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 これは別に箱根だとか何とかということに限らない話ではあるんですが、今回の件を考えていったときに、実は法のすき間があるのではないかという話になっています。

 今回の事例が中期化、長期化をした場合のことをもろもろ考えていったときに、では、果たして現地にどういう支援があり得るのだろうかということを考えてみました。

 現時点においては、例えば、これは災害救助法に言う適用基準があっての災害ではありません。これは世帯に対しての被害は出ておりませんので、法律に言う災害ではありません。

 ただ、実際、その立ち入り規制がしかれている地域に関しては、その自然現象をもとにして立ち入ることができないがゆえに、いろいろな意味での被害が既に顕在化をしているという実情があります。実態としては災害によって、これは商売も含めての被害が出ている、雇用面にも不安が出てきている部分があります。一方で、災害救助法等による災害とは認知をされていないがゆえに、既存の例えば災害救助法であるとか、その他関連法規が今回の事例には適用がなかなかなされなくて、このままだと、法の谷間の中で、どうにもならない状況が続いていくんじゃないかという不安が実は現地にもあるわけです。

 二〇〇一年、十四年前にも同じような事例がありました。このときは四カ月間続きました。四カ月間今の状況が続くと、一番わかりやすい例でいえば、有名な黒卵屋さんは販売ができなくて、そこで働いている方々は雇用を失いかねないという話もありますし、そこに卵を納入している業者、交通機関等々、幾らでもこれは挙げられるわけですが、ここをやはりちょっと検討する必要があるのではないかと思っています。

 現時点での結論があるとは思っていませんが、今後起こり得ること、また現時点の検討状況ということについて、これは経産省、厚労省にまたがるかと思いますので、それぞれから御答弁をいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、被災中小企業、小規模事業者に対する、私どもはその資金繰りが中心でございますが、資金繰りの支援策等、初動措置を講ずるメルクマールといたしましては、確かに災害救助法の適用としているところでございます。

 しかしながら、災害救助法の適用がない場合でありましても、資金繰りに苦しむ中小企業、小規模事業者からの御相談があった場合には、政府系金融機関におけるセーフティーネット貸し付けなどによって支援はさせていただきたいというふうに考えております。

広畑政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の雇用維持に係るものといたしましては、雇用調整助成金がございます。この助成金は、御案内のとおり、事業主が納めた雇用保険料を原資として実施しているものでございます。経済上の理由によりまして事業活動の縮小を行わざるを得ない場合に、雇用の維持を図ることを目的として支給をしております。

 このため、施設等が噴火などの自然災害によって直接の被害を受けたことを理由として事業活動を停止、縮小した場合については、支給対象となりません。しかしながら、被災を直接的な理由としてではなく、例えば、いわゆる風評被害により事業活動が縮小した場合等については、経済上の理由に当たるとして支給対象とした例はございます。

 なお、事業活動の縮小につきましては、直近三カ月間と前年同期との比較における生産量等の減少をもって判断することとしておりますけれども、被害が甚大かつ長期にわたって地域の産業に大きな影響を及ぼす等特段の事情が認められる場合には、その期間を三カ月から短縮するなどの特例を設けることも考えられます。

 このため、現在のところは、それに該当する事情が認められるかどうかについて判断すべく、神奈川労働局を通じてニーズの把握を進めているところでございます。

神山(洋)委員 ありがとうございました。

 少しちょっと時間を超過いたしましたが、今の件も含めて、大臣に最後、この件で一点だけお伺いをさせていただきまして、この件は締めさせていただきたいと思いますが、今までの話を踏まえて今回への対応方針をいただければと思います。

太田国務大臣 気象庁、国土地理院そして観光庁、そして厚生労働省、経済産業省、それぞれ今お話をして、それが全てだろうというふうに思います。

 私としましては、この監視を強化するということが大事だと思っておりまして、監視機器の増設等を今進めているところですが、しっかり監視をする、そしてこの情報を地元自治体へ迅速かつ正確にお伝えすること、そして地元自治体等と連携して対応する、こういう基本方針でいきたい、このように思っています。

 観光ということで、非常に大事な箱根でありますので、その辺は正確な情報を国内外に発信するということが大事だというふうに思っておりまして、今回は大涌谷の噴煙地に近いごく一部への立ち入りを規制するもので、箱根のほかの地域まで規制が及ぶものではないことや、噴煙地以外の各地域の施設や交通機関は平常どおり運行しているということなどを国内外に発信していきたい、このように考えているところでございます。

神山(洋)委員 ありがとうございました。

 引き続きの御対応、ぜひよろしくお願いを申し上げます。

 JR会社法改正案についてということでございますが、大臣、最後に御退室が少し早まるというお話も伺っておりますので、少し順序は入れかえさせていただきながら質問をさせていただきたいと思います。

 昭和六十二年にスタートした国鉄民営化の流れの中で、約三十年弱が経過をしてきたわけです。JR東日本、東海、西日本という形で、これで四社目ということになりますでしょうか、特殊会社からこれをもってJR九州が完全民営化をするということにおいては、これは極めて喜ばしいということであろうかと思います。

 その意味で、やはりこの場で確認をさせていただかなければならないもろもろの点はございますが、主に、今後の経営面と、先ほど来も少し議論になっておりましたが、ネットワークの維持というこの二点を中心に少し議論をさせていただきたいと思っております。

 順序を若干入れかえさせていただきますが、まず、このJR九州の完全民営化に当たって、それぞれの会社の公共性があるがゆえに、民営化とはいっても、それに対しての一定の指針がここで示されることになったわけです。

 その指針の中にも、先ほど申し上げたネットワークの維持に関連をするところが当然明記をされておりまして、具体的な表現で申し上げると、「現に営業する路線の適切な維持」という表現があるわけです。

 問題は、この適切な維持とは何なのかというお話になろうかと思います。もっと言えば、適切というのは誰が判断をするのかということでもありましょうし、その適切かどうかを判断するための基準というものがあるのかないのか、あるのであればどういう内容なのかというところ、これはやはり大事なのだろうと思っています。

 JR九州、九州圏内の中でそれぞれの地域に住まわれている、またはさまざまな産業にかかわられている方々、主体を考えれば、今のネットワークが、それはそのまま一〇〇%とまでは言わないのかもしれませんが、きちっと移動することができる、流通をさせることができるというこのポテンシャルをできるだけ維持するというのは、やはり地域にとっても極めて大きなインパクトを持っていることだと思うわけです。

 ここでまずお伺いをさせていただきたいのは、今申し上げた「現に営業する路線の適切な維持」という表現に関連をして、安易な廃止を防止するという指針ではあるわけですが、具体的な存廃基準があるのかないのか、あるのであれば、どういう内容なのかということをまずは明らかにしていただきたいと思います。

鈴木大臣政務官 お答え申し上げます。

 路線の廃止ということでございますけれども、基本的には、これは適切な維持をしていかなくてはいけない。その上で、廃止をするということについては、指針において、一つには国鉄改革の実施後の事情の変化、例えば、それは代替道路ができたであるとか、あるいは大幅な需要が減少したとか、そういった事情の変化によって、廃止をすることが妥当であるということが認めるに足る事情であるということがまずその一点目であります。もう一点は、そのような事情の変化について、地元の関係者の方々にしっかりと事情を説明するということ。この二点を指針においては定めるということになっております。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 済みません。念押しでもう一点、それに関連して確認をさせていただきたいんですが、大幅な事情の変化ということが何を意味するかにつながるわけですが、予見可能な変化、例えば、わかりやすい話でいえば、人口の話なんというのは一番わかりやすい話であって、今後、十年、二十年、三十年という先々を見通したときに、一定のエリアはこのぐらいの人口減になるだろう、場合によっては増になるだろう、維持になるだろうということは予見可能かと思います。

 一方で、予見ができなかった、場合によってはできないであろう、そういう事象もあると思われるわけですが、今おっしゃっていただいた大幅な事情の変化というのは、例えば人口といった予見可能な変化というものは含まれているんでしょうか、含まれていないんでしょうか。

鈴木大臣政務官 当然、そうした予見可能な変化と、そうでない突然のもの、両方あるのは事実だろうと思います。

 そうした中で、これはもう個々の事情に応じて、それぞれの路線、路線において実際にどのような変化が起こったのか、このことをきっちりと細かく検証し分析をしていくということが、やはり申し上げられることでありますし、そうした個々の事情に応じてそれぞれの路線について判断をしていくということでございます。

神山(洋)委員 わかるようで、ちょっとわかりづらいなというところでもあるわけですが、この路線の存廃の話も含めてではあるわけですが、先ほど二つ目の基準として言っていただいたように、地域の方々または自治体等々とのいろいろな意味での協議、合意形成というのは当然必要なんだろうと思うわけです。

 その意味でいえば、あらかじめそういう基準というものがみんなにシェアをされている中で、では、それを存続させていくためにどうすることができるだろうかという前向きな議論がやはり必要ではないかなというふうに思うその意味で、もちろん、状況、状況の中での判断というのは、これをゼロにすることはできないとは思うわけですが、できるだけ明示することができる、あらかじめ皆さんに周知をすることができる、そういう基準というのはクリアにしておく必要があると思っていますので、引き続きそれは御対応いただければと思います。

 続いて、これは大臣に御答弁をいただければと思っておりますが、いわゆる経営安定基金について一点質問をさせていただきます。

 この経営安定基金ですが、そもそもは、国鉄民営化の過程の中で、JR三島会社の安定的な経営を維持するためにということで設置をされてきたわけです。ただ、会社法によって、区分で経理をしなきゃいけない、取り崩しはしちゃいけないということ等々が厳格に定められてきた中で、今回の会社法改正の中で取り扱いが定められたということになるわけです。具体的な金額にすると、約四千億円弱、三千八百七十七億円ですか。

 これに対しては、これはもう新聞等々も含めてではありますが、いろいろな見解があります。公共性を有するがゆえに、この金額がどうかは別としても、そういった部分はやはりJRのバランスシートに帰するような形にしてもいいんじゃないかという話もあれば、一方で、非常に単純化をしてしまえば、もとは税金なんだから返してくれよという話も、これは新聞等々も含めていろいろあるわけです。

 これだけの大きな金額についての政策判断であるとすれば、この経営安定基金についていろいろな批判がある中で、基金は国庫に返却をするべきであるという見解に対しては、いやいや、こうこうこうだから、今回の政策オプションをとったのだという明確な、そして妥当な説明はやはり必要なのではないかなというふうに思うわけです。この点を、大臣、御答弁いただければと思います。

太田国務大臣 経営安定基金は、国鉄の分割・民営化に際しまして、運用益で不採算路線を含めた事業全体の営業損失を補って、鉄道路線を維持しながら経営の安定化を図るために設けられたものでありまして、JR九州の固有の資産として位置づけられています。したがって、完全民営化に際しまして、国への返還を議論する性格のものではないと考えています。

 国鉄改革におきまして、JR九州は、経営安定基金によって不採算路線を含めた鉄道ネットワークを維持していくように制度設計がなされています。それは民営化後も変わりません。

 一方で、引き続き現行と同様の形でJR九州に経営安定基金を保有させるという場合は、次の問題があると思っています。取り崩し禁止の規制が維持され、会社や株主が自由に処分することができない資産を保有し続けることになり、経営の自立性が損なわれること、JR九州の純資産の半分以上を占める経営安定基金が政府の規制のもとにあるということは、他の上場企業には見られない特殊な形態であり、投資家としても資産の評価が困難であること、こうしたことでございます。

 この経営安定基金が果たしている機能を実質的に確保しながら進めていきたい、このように思っております。

神山(洋)委員 ありがとうございました。

 大臣、この後、参議院の本会議出席のために御退席ということですので、御退席いただければと思います。

 もう一点、大臣に御質問をということで通告をさせていただいている件がありますが、その点は、別途、各政務の方で御答弁をいただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 それで、今お話のありました続きの話ではあるんですが、今回のJR九州の完全民営化についての各検討のプロセスの中で、ことしの一月、鉄道局の中で「JR九州完全民営化プロジェクトチームとりまとめ」という形で取りまとめがなされて、今回の法案の提出に至っているというふうに理解をしております。

 その中で、今後のJR九州の経営に関してということでありますが、一番、鉄道事業における需要喚起、二番、関連事業におけるノウハウの蓄積により今後も安定的な経営が可能という表現があるわけです。この二点だけで果たして本当にそこまでの安定的な経営が可能なのだろうか、そういう素朴な疑問も含めてではあるわけですが、この鉄道局によるプロジェクトチームの取りまとめにある、鉄道事業における需要喚起と関連事業におけるノウハウの蓄積により今後も安定的な経営が可能というこの判断もしくはこの記述をもう一点補足していただければと思いますので、御答弁をいただければと思います。

鈴木大臣政務官 お答え申し上げます。

 今回の完全民営化の判断でありますけれども、一つには、JR九州の近年の関連事業を含めた連結決算の状況、そしてもう一つには、鉄道事業の現状と今後の見通し、そしてもう一つには、関連事業の幅広い展開、こうしたことを総合的に勘案しまして、上場の条件が整った、そういった判断をしたところであります。

 具体的にこれまでの状況ということで申し上げれば、一つには、連結決算ベースでおおむね二百億円規模の安定的な経常利益を計上していること、そして、売上高経常利益率も五%を超えて、ほかの鉄道事業者と比べても遜色がない水準にあるということ。

 そしてもう一つには、インターネットを活用して、例えば今後、新幹線の乗車率を上げるとか、あるいは、九州の事業者ですから、インバウンド、こういったことも非常に伸びている状況であります。あるいは、人件費や減価償却費の縮減によって、鉄道事業自体の収支改善を図っていくことが恐らくは可能であるということ。

 そしてもう一つには、これまでのさまざまなノウハウを生かして、駅の周辺の大型開発であったりあるいはマンション開発であったり、こういったことに積極的に引き続き取り組むことで収益の向上を図っていくことができる、こういったことが判断の材料となっているところであります。こうしたことを判断して、今後経営が安定して推移していくということが、その一つの判断材料となったということが言えるわけであります。

 そしてもう一つには、先ほど来話がありますけれども、経営安定基金の取り崩しを行うことで、そして鉄道関係資産に振りかえることによって、例えば毎年度の新幹線貸付料の負担や、あるいは長期借入金の返済に係る負担、こういったものが減少していくということで、今後のさらなる経営の安定ということが図れるということを判断の材料としたところであります。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 今、御答弁の中に、鉄道事業についても収益の改善が見込めるというお話がございました。そこがやはり一つのポイントなのかなというふうには思っております。

 この後、JR九州さんの社長にお伺いをさせていただきたいと思いますが、これはよく言われるように、JR九州さんの収益構造の中で一つ特徴的なところといえば、鉄道事業に関しては民営化以降ずっと赤が続いている。昨年度でも二百億円弱ぐらいでしょうか。一方で、不動産事業等を含めた関連事業の収益がそれを上回る形であって、トータルで黒字が出ているということがよく指摘をされているわけです。

 もちろん、これは、鉄道事業が全部あっという間に真っ黒になりますというそんな簡単な絵は描けない、難しいということは重々承知をしておりますし、それがなぜそうなるのかという環境面も理解をした上で質問をさせていただくわけですが、しかし、さはさりながら、今回の完全民営化を受けて、それは株主の方々からのさまざまな意見であるとか批判というものにも、圧力にもさらされる場面があるわけですから、この鉄道事業の赤が大きいまま、もしくは拡大をしていくということは、なかなか株式会社というのは厳しくて、それが少しずつでも縮小していくとか改善をしていっているのだとか、その結果、最終的に、理想的に言えば黒になったのだということがやはり目指されるべきなのだろうというふうに思うわけです。

 特に昨今は、先ほどの御答弁にもありましたが、インバウンドも含めての観光政策の中で、かなり多くのお客様が九州地方にも来られているというお話も聞きますし、豪華列車を仕立てられて、私の周辺でも、あれに乗りたいんだけれどもなかなか乗れないというお話も含めて、いろいろな意味で話題性もあるわけですが、やはりそういう経営努力なり経営的な工夫が積み重ねられて、そして収益状況、特に言えば鉄道事業の赤字が縮小していくということが望ましいのではないかというふうに私も思うわけです。

 今後、その観点の中で、どんな経営努力なり工夫を想定されているかということについて御答弁をいただければと思います。

青柳参考人 回答いたします。

 当社の鉄道事業を取り巻く経営環境は厳しい状況が続いておりますが、地域のお客様の通勤通学における利便性の向上や主要都市間における新幹線、特急のネットワークの充実に努めることにより、九州地域の基幹的な交通機関として重要な役割を担っておると考えております。

 また、九州の鉄道ネットワークの維持は、鉄道事業を中核事業とする当社にとって重要な役割であり、今後も、観光振興や交流人口の拡大を通じた九州全域の活性化によりネットワーク全体の価値向上を図っていくことが、鉄道事業を初めとする全ての事業の持続的な運営に資すると考えております。

 人口減少や少子高齢化などが進行する中で鉄道ネットワークを維持していくために、御利用がふえている新幹線の増収施策の実施や、駅周辺のまちづくりを通じた鉄道利用の促進、インバウンド施策の推進等により、鉄道運輸収入の増加を図ってまいる所存であります。

 また、自動券売機の増設等によるシステム化による人件費の縮小などにも取り組むことで鉄道事業における赤字縮小を図り、今後とも、ネットワークの維持、活性化に努めていく所存でございます。

神山(洋)委員 ありがとうございました。

 一点、今の関連で再質問させていただきたいんですが、今の御答弁の中に、ネットワーク全体の価値向上というお話がありました。これをもう少し具体的に補足していただければと思いますが、いかがでしょうか。

青柳参考人 JR九州は、九州を元気にということを会社のモットーとして今いろいろな施策をやっておりますが、やはり九州全体が元気になることが、JR九州のこれからのグループの活性化につながるものだと信じて活動しております。

 そういった意味で、ネットワークを維持する中には、一つは、鉄道事業をきちっと運営していくということはもちろんでありますが、それにあわせて、我々としては、まちづくり等を図り、九州全域で九州の元気が出るよう目指して頑張っている所存であります。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 鉄道ネットワークそのものと、それに付随をする事業も含めての全体のパッケージとしての価値向上、そういう理解でよろしいですか。(青柳参考人「はい、そうです」と呼ぶ)ありがとうございます。

 そういう形で、JR九州さんの鉄道事業の話も含めて、全体の収益向上が図られていき、最終的に上場益がより多くなり、それが国庫に多く返ってくるということが国益にも資するのではないかというふうに私も考えているところです。

 そうなることを当然望んでいるわけですが、しかし、万が一それがうまくいかなかった場合にどうなるのかという話でもあるわけです。これは、一般の民間企業、一般の公共性とは関係ないところにある民間企業であれば、それはビジネスの失敗という中で、マーケットの中でのもろもろの判断になっていくということで済まされると思いますが、事JRに関して、JR九州さんの鉄道ネットワークという公共性を踏まえてみれば、そう簡単にビジネスライクに片づけられる話でもないわけです。

 完全民営化後に仮に経営が大幅に悪化をしてしまった場合、では、国はどういう形で関与していくのか、この点を御答弁いただければと思います。

鈴木大臣政務官 お答え申し上げます。

 完全民営化でありますから、当然それは、経営の自由のかわりに、自己責任というか、みずからの責任で経営をしていただく、そういった状況になるのは明らかでありまして、これは、会社の経営が悪化したからといって国が経営支援を行うということはないというのがその原則であるわけであります。もちろん、それぞれの事情、事情ということで、例えば、公共交通機関としての代替性等々、さまざま判断する材料はあると思いますけれども、しかし、原則としてそういった経営支援はないというその原則論として、まず申し上げさせていただきたいと思います。

 その上で、経営が大幅に悪化するということは、すなわち、それは公共の交通機関としての責任が果たせなくなるということでありますから、そういったことがないように、JR九州さんにおかれましても、鉄道関連事業あるいは鉄道事業そのもの、それぞれの収支改善に向けて、そうした経営の悪化ということがないようにこれは努めていただくというのが一番大事なことではないかというふうに思っています。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 もちろん、私もそれを望むものでもありませんし、そうなるだろうと思って伺っているのでもないわけですが、しかし、ここがやはり難しいところで、完全民営化後の一私企業でありながら、しかし、九州全域の鉄道ネットワークという大きな公共性を担っていらっしゃるというところに対して、実際の私企業に対してのスタンスで、果たしてそれでいいのか。これは今心配する話ではありませんし、そういう心配が不要であったということになるべきであると私も思っておりますが、やはりそこは少し気になるわけです。

 なぜ気になるのかといえば、やはり鉄道事業の赤字の状況というのはそんなに簡単に解消されるのではないのでは、私は経営のプロではありませんが、しかし、そんなに簡単にそこが解消されるものではなかろうというふうにも思いますし、それが生み出される環境面を考えれば、冒頭、人口減少の話も申し上げましたが、人口減少のみならずで、いろいろな意味での産業的な変異の話等々の環境変化があるのではないかというふうに思うわけです。

 事は、これはJR九州単体の話では恐らくなくて、より突っ込んで考えれば、きょう御質問をさせていただくことはできませんでしたが、例えば、JR北海道、JR貨物に関して、国鉄民営化以後のこの三十年間のプロセスを踏まえたときに、では、どういう形で最終ゴールまで持っていくのかということを考えたときに、今申し上げた、本当に一私企業として収益を上げて、そこで、独立、自主的な運営を回していくのだ、経営をしていくのだという理屈が果たして機能するのだろうかというところに疑問があるがゆえに、この質問をさせていただいたところです。

 もう時間もそろそろ最後になりますので、最後に一点。

 今少し触れましたが、今後、JR北海道、四国、貨物というまだ完全民営化には至っていないところがあるわけですが、その三社に対してどういう方針で臨まれていて、今どういうお考えでいらっしゃるのか、この点をお伺いさせていただきたいと思います。

鈴木大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 まずは、昭和六十年の閣議決定のもとで、それぞれJRにつきましては民営化を推し進めていく、民営化の方向に持っていく、これがまず一つの原則であります。

 しかし、その上で、JR北海道そして四国につきましては非常に今も厳しい経営状況にあるということ、そしてさらには、JR貨物については、景気動向に極めて左右されやすい、そうした事業特性があるということで、こうした長期的な経営基盤をどうしっかりさせていくか、そういったことに国としても今努めているところであります。

 そして、これらの三社については、一つには、平成二十三年度から、先ほど来話にもありましたけれども、鉄道・運輸機構を通じて実質的な経営安定基金の積み増し、これは金利の低下等々によるものもありますけれども、そうした積み増しを行い、あるいは設備投資の支援等々の支援措置を講じているところであります。

 いずれにしましても、こうした措置を通じて、それぞれの三社につきましても、民営化の前提となる安定的な経営基盤をしっかりと強化できるようにしっかりと取り組んでいただきたいというふうに考えております。

 以上です。

神山(洋)委員 ありがとうございました。

 べき論はおっしゃるとおりだと思いますし、私もそうなることを望んでいますし、そうなるようにどう工夫ができるかということで事を運び、考えるべきだと思っています。

 ただ、やはり現実、これは鉄道会社の話のみならず、国土交通省の話のみならずで、財政はこれだけ厳しい中で、費用対効果ということは厳しく図られなければなりませんし、同時に、限られた財政リソースをどこに投入するのかという優先順位の配分ということも極めてこれから大事になっていくことだろうと思うわけです。

 三十年間にわたる国鉄民営化から今に至るプロセスがあるわけですが、改めてもう一度、全てをパッケージとして見直す、点検するということも、私は時代に対して真摯な意味であっていいのではないかということも最後に申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 午後零時五十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十二分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時五十分開議

今村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。緒方林太郎君。

緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。

 国土交通委員会、貴重な時間をいただきまして、本当にありがとうございます。

 今回の法律案でありますが、隠れた主役というのが私はあるんじゃないかと思っておりまして、今回の法律が成立した後、民営化が進んだ後に何が起こるのかということについて、十五分間、質問をさせていただければと思います。

 現在、JR九州という会社のみならず、三島、貨物でありますけれども、三島特例そして承継特例ということで固定資産税の減免が行われております。今回の法律が通った結果として、この三島特例、承継特例がどういう形で進んでいくのかということについて非常に危惧をするところでございまして、この件についてお伺いをいたしたいと思います。

 まず最初に、国土交通省に、この三島特例そして承継特例というものの経緯であるとか、その意義であるとか、そして金額、そういったものについて御答弁いただければと思います。国土交通省鉄道局長。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 三島特例につきましては、JR三島会社の事業用固定資産にかかる固定資産税、都市計画税の課税標準を二分の一に軽減するものでございます。これは厳しい経営状況の改善を通じ、鉄道路線ネットワークの維持を図るということを目的とするものでございます。

 また、承継特例につきましては、JR各社の国鉄の承継資産にかかる固定資産税、都市計画税の課税標準を五分の三に軽減するものでございます。これは国鉄の分割・民営化に伴いまして、新たに課せられた税負担の軽減を通じ、鉄道路線ネットワークの維持を図るということを目的とするものでございます。

 なお、本州三社につきましては、平成八年度をもって特例が終了しましたが、引き続き、JR三島会社、貨物会社はこの特例の適用を受けております。

 JR九州における、これら税制特例による減税額は、平成二十五年度、約五十二億円となっております。ほぼ毎年同額が減免されております。二つの特例による経営状況の改善を通じまして、鉄道路線ネットワークの維持などの政策目的に寄与しているものと考えております。

緒方委員 ありがとうございました。

 五十二億円と非常に大きな金額だというふうに思っております。

 今回の改正法によりまして経営安定基金を取り崩して、整備新幹線の二千二百五億、そして鉄道・運輸機構への八百億、そしてそれの残った分の八百七十二億だったと記憶をいたしておりますが、この部分が事実上鉄道の新規の投資ということで、真水部分というふうに言っていいかどうかわかりませんけれども、そういうものだと理解しておりますが、八百七十二億についても、これはいずれ投資をしていけばなくなっていくわけでありまして、やはりこの五十二億分の三島特例そして承継特例というのが非常に重く経営に影響してくるというふうに思っております。

 そこで、考えるときに、今、鉄道ネットワークの維持ということでありましたが、やはりJR九州というのは不採算路線を結構抱えております。そして、一日の利用者が五百人を下回るような、そういう路線もかなりあるというふうに思っております。

 私自身は、このJR九州というのは、通常の民間会社と違って、単に株式利益だけを追求すればいいということではなくて、九州全体の鉄道ネットワークを維持するという、ある意味、普通の会社とは違った義務を負っている、そういう会社だというふうに思いますが、一般論でありますけれども、大臣、御認識はいかがでございますでしょうか。

太田国務大臣 歴史という以上に、私は、JR九州を初めとする鉄道会社は非常に公共性というものを持って、生活のいわば基礎部分を担っていることだというふうに思います。あわせて、安全ということが非常に大事な問題でありますので、そこにも十分留意をしていかなくてはいけない、このように思っています。

 社会とのかかわり合いの中で、単なる利益を追求するということ以上に大事な問題というのは存在する、それが鉄道会社、またJR九州もそうした役割を担っているというふうに思います。

緒方委員 元気の出る答弁、ありがとうございました。

 そう考えていったときに、今、民営化がこれからどんどん進んでいく、そして、完全に民営化をされてしまった会社というのと三島特例、承継特例と言われたものが両立をし得るものなのかどうかということについて、自分自身、いろいろと考えをめぐらせております。

 完全な民間会社になった後に政府からそういった特別の税制の優遇を受けるということを問題視する向きもないわけではないと思いますけれども、ただ、今大臣が言われたように、JR九州というのは公共性を持ち、そして九州全体のネットワークを維持するという、それが法的な義務でないにしても、そういう思いを持ってJR九州の方は頑張っているわけであります。

 大臣にお伺いをいたしたいと思います。

 三島特例、承継特例といったものと民営化されたJR九州の存在というのは両立をし得るものだというふうにお考えでしょうか、大臣。

北川副大臣 現在JR九州に対して講じられております、先生から言われております三島特例及び承継特例というのは、御承知のとおり、五年ごとに延長されてきておるわけであります。前回延長時の平成二十四年度税制改正大綱において、株式上場の動向を勘案して、今後、必要な見直しを行いますということにされております。

 こうしたことも踏まえて、今後、JR九州の上場が見込まれる平成二十八年度の税制改正においてその取り扱いが検討されるものというように考えております。

 JR九州の継続あるいはネットワーク、非常に大事なことですから、いずれにしましても、JR九州が公共交通機関としての役割を果たせるよう、国土交通省としても適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

緒方委員 それでは、もう一度お伺いをいたしたいと思います、副大臣。

 三島特例そして承継特例といったものと民営化されたJR九州というのは論理的に絶対に両立し得ないというものではないという認識でよろしゅうございますね、副大臣。

北川副大臣 お答えします。

 これは、これからの議論の中の一つの課題だというふうに思っております。先ほど申し上げましたように、国土交通省としては適切に対応していきたい、こういうことでひとつよろしくお願いしたいと思います。

緒方委員 全否定をされなかったというふうに理解をいたしました。

 その上で、今後の税制改正でこの件は議論をするということでありますが、いろいろな関係者の方と議論をしていると、実は二十四年度の延長のときに、これで最後だというふうに言い渡された人がいるという話が結構聞こえてきまして、実はもうこれで最後なんですと言う人もいれば、いや、そんな約束はしていないと言う人もいて、法律上何も書いていないわけでありますけれども。

 結局、三島特例、承継特例は、二十四年度の延長のときに五年間延長したもので、これで終わりだということではないという理解でよろしいでしょうか、総務省。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 JR九州の特例でございますけれども、国による地方税の特例措置につきましては、一般論でございますけれども、地方六団体、さらには税制なり地方制度に関する審議会等からは、地方自治を尊重する観点からできる限り整理をすべきと意見をいただいています。

 また、そもそもJRの承継特例あるいは三島特例は、国鉄時代の税制との激変緩和や経営支援の観点のみならず、国による経営への関与あるいは制限があることを踏まえて講じられたものと理解しております。

 御指摘いただきましたこの特例の今後の取り扱いにつきましては、鉄道を所管される国土交通省の税制についての考え方を伺った上で、与党の税制調査会の議論を経て決定をされるということになろうかと思いますが、一般論として申し上げますと、法制上、JR九州がJR本州三社と同様に、株式売却、上場し、完全民営化をするということでありますならば、税制の公平性という観点からは、税制上、JR本州三社や他の民間鉄道と同様の扱いにするということを基本に検討されるべきものと考えております。

緒方委員 さすが総務省の方は厳しいですね。

 ということでありますけれども、最後に、この件につきまして、私は、三島特例、承継特例の今後の継続を見据えて、国土交通省として、国土交通大臣として取り組んでいただきたいなというふうに思うわけでありますけれども、大臣、一言お願いいたします。

太田国務大臣 先ほど北川副大臣の方から話をしましたように、二十八年度の税制改正において取り扱いを検討する。いろいろな考え、また各省もいろいろな考えがあるでしょうが、税制改正のときに検討し、また与党の税調とも相談をするということの中で結論を出すということになろうと思います。

緒方委員 ありがとうございました。

 それでは、ちょっとテーマを移しまして、私、昔外務省に勤めていた際に、ずっとJRの政府調達の問題について、直接担当ではありませんでしたけれども、私の席の隣の方が取り組んでおられまして、これは、民営化した東日本、西日本、東海、こういった会社を政府調達から外すために一生懸命に日本で努力したわけでありますけれども、なかなかこの件がうまくいかなかった。この件は、きょう隣に座っておられます伴野理事も、外務副大臣時代に一生懸命に取り組んでいたテーマであります。

 政府調達協定の対象から、東日本、西日本そして東海を外すのに、なぜこれだけ時間がかかったのか、そしてどんな議論が行われていたのかについて、外務省、答弁をいただければと思います。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、JR三社、JR東日本、東海、西日本各社におかれては、WTOの政府調達協定の対象ということで含まれておったわけでございますけれども、我が国は、二〇〇一年にJR本州三社をこのWTO政府調達協定の対象から外すための修正通報を行ったところでございます。

 当初は、EU、米国、カナダが異議を申し立てておりました。カナダは二〇〇三年までに、また米国は二〇〇六年に、順次異議を撤回したわけでございます。これに対しまして、EUだけが最後まで異議を継続していた、こういう状態にございました。

 日本政府といたしましては、WTOの協定の改正交渉を含むEUとのさまざまな協議の機会を利用して、JR本州三社のWTO政府調達協定の対象からの除外、これが早期に実現するように働きかけてきたところでございます。

 特に、EUとの間では、一昨年からEPA、経済連携協定の交渉が開始をされておりましたので、日・EUのEPAの交渉の中では、特に国土交通省の大変強力なサポートをいただきながら、EU側に対して働きかけてきたということがございます。

 その結果といたしまして、昨年の十月二十八日になりまして、EUもWTOの政府調達委員会に異議撤回を通報し、これにより、JR本州三社がWTO政府調達協定の対象から除外された、かような次第でございます。

緒方委員 二〇〇一年にスタートをして、鋭意議論をした結果として、外れたのは十三年後ということであります。

 恐らく、EUとしては、例えばフランスのアルストム社、そしてドイツのシーメンス社、こういった会社の列車を購入してほしいとか、さらには信号のシステムとかそういったものを購入してほしいとか、そういった思いがあったんだと思います。

 しかし、この議場の中におられる方も、皆さん、そんなことがあったのかというふうに思われたと思いますけれども、明らかにこれはやり過ぎだと私は思いました。この政府調達協定の対象になりますと、いろいろな規制がかかって非常に面倒であります。

 最後に、大臣にお伺いをいたしたいと思います。

 これから民営化が進み、完全民営化が実現したときには、もちろん、このJR九州につきましても政府調達協定の対象から外すための取り組みをしっかり行っていくのだと、その強い決意を述べていただければと思います、大臣。

太田国務大臣 JR本州三社につきましては、今外務省からもお話があったとおりで、我々国交省としても力を注いで、こうした結果になったところでございます。

 我々の基本的立場は、調達等に対する政府による監督または政府の影響が実効的に排除され、実質的に民営化されたJR会社が、一般の民間企業と同様に、みずからの経営判断に基づいて最も適した調達手続をとることは当然である、これが基本的な考えです。

 そういう意味からいきまして、このJR九州につきましても、JR本州三社と同様の状況となったという場合には、政府調達協定の対象から除外すべきだと考えております。今後、株式売却の時期なども踏まえて、関係省庁とも協議の上で適切に取り組んでいきたいと考えております。

緒方委員 力強い答弁をありがとうございました。

 質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。

今村委員長 次に、伴野豊君。

伴野委員 民主党・無所属クラブの伴野豊でございます。

 時間が予定より押しておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 そうした中で、国鉄改革から正確には二十八年、間もなく三十年ということだと思いますけれども、国鉄改革をしばらく振り返りながら質問に入らせていただきたいと思います。

 まずは、安全は輸送業務の最大の使命である。多分この言葉は、三社長さん、もう骨身にしみていらっしゃる言葉ではないかと思います。これは日本国有鉄道の安全綱領の第一項に書いてあることでございます。

 あえて、気合いを込めて、ぽっぽ屋という呼称を使わせていただきたいと思いますが、毎日毎日、ぽっぽ屋は、おはようございますと言う前にこの安全綱領を何度となく口にして、背筋を伸ばして現場に出たものでございます。そこには浅田次郎原作、高倉健主演のあの「鉄道員(ぽっぽや)」、乙松の世界がありました。かつて全国にそうしたたくさんの乙松がいて、列車が運行されたと記憶をしております。現在でもたくさんの乙松が各地域で頑張っているから列車は動いているのだと思っております。

 誇り高き集団でございます。たくみの集団でもあると言っても過言ではないと思います。まさに、日本の高度成長期時代から機関車のごとく日本の経済を引っ張り、そして支える意識が強くあった集団でございました。

 しかしながら、昭和三十九年に赤字に転落しました。皮肉にも、それは東海道新幹線の開業の年でございました。その後、幾度の再建計画、経営改善計画が出されましたが、出しているやさきから修正がかかるなど失敗を重ねたのが、残念ながら当時でございました。労働組合の問題もありました。革マル問題もその当時からありました。そして、迎えた昭和六十年、もう後がない、いよいよという危機感の中で、国鉄分割・民営化が決定され、そして昭和六十二年四月、断行されたわけでございます。あれから二十八年、間もなく三十年、万感の思いがございます。

 その当時、世界的にも、残念ながら鉄道は斜陽産業とも言われておりました。一部の会社は生き残れるかもしれないけれども、そのときの給料は国鉄時代の六割とやゆされる専門家、有識者もその当時たくさんいらっしゃいました。あれから二十八年でございます。

 本州三社は完全民営化。今や新幹線という言葉は世界共通語になりつつあります。しかしながら、新幹線と呼んでいいのは私は日本の新幹線だけだと思っております。他国の高速鉄道は、あれは新幹線ではありません。安全性、定時性、サービス水準、成熟度、格段に違いがあります。今や、その新幹線がリニアの新しい時代に入ろうとしております。

 そうした中で、今回JR九州さんの上場へ向けた取り組み、動き、大変喜ばしく、心からエールを送らせていただきたいと思っております。しかしながら、六二・四は、今振り返れば、本当に九州さんが完全民営化できる日が来るのか、正直言って冗談の俎上にも当時はのっていなかったのが実情だったと思います。今日までの御努力には心から敬意を表させていただきたいと思います。

 国鉄改革の成功の理由にはいろいろあろうかと思います。しかし、忘れてならないのは、私は、国民の皆様方の御理解と御支援、つまりは、お客様としての公的支援、あるいは公的財政としての、スポンサーなるものとしてのお役目。責任の所在をはっきりさせるという先ほどの大臣のお言葉をかりれば、そうした先人たちの地域ごとの努力もあったと解釈をいたします。

 また、過去の親方日の丸、何をやらかしても潰れないだろう、そういった意識から、やはり、民間会社になったらこれから給料はどうなるかわからない、お客様第一のサービスをしてこその鉄道である、こういった意識改革が私は根底にあったからこそ今日があるんだろうと思っております。

 そういった意味でも、いま一度、国鉄改革の原点、姿勢に立ち返って、きょうは質問をさせていただきたいと思います。

 指針については同僚議員からたくさん質問がありましたので、それ以外の重複しないところを端的に質問をしていきますので、回答の方も端的にお答えいただきたいと思います。

 まずは、新幹線リース料のお話。

 そもそも新幹線リース料というのは何たるものか。どう算出しているのか。鉄道局長、お教えください。

藤田政府参考人 整備新幹線の貸付料でございますけれども、新幹線を整備した場合の収益、それから新幹線を整備しなかった場合の収益、これの差を求めます。これを新幹線整備によるJRの受益と捉えます。その額を基準として定めることにしております。

 具体的には、あらかじめ将来の修繕費や経済情勢等を見込んだ上で、開業後三十年間でJRに生じる受益相当額を算出し、その金額を年単位で割った額を毎年度JRから鉄道・運輸機構に定額で支払うということとされております。

伴野委員 先ほど各委員からの質問に関しても、全体の連結では二百億程度の利益がここ数年続いている。しかしながら、学生に例えれば、必修科目である鉄道事業、ここで残念ながら赤が続いている。選択科目である自由なタレント性を発揮するいわゆるその項目ではたくさん合格点をおとりになって、足して今回合格かな、学生の卒業に例えれば。しかしながら、指導教官である国民なり行政は、やはりそこが少し心配になってくる。また、花嫁の嫁入りに例えれば、嫁入りする以上はしっかりとした嫁入り道具を持たせてやりたい、そういった思いもなきにしもあらず。

 そうした中で、三十年分は基金の方から振り分けて返すことはできても、三十一年目からはどうなっているんだと。ここはやはり、多分経営上気になるところであり、しっかり乗り越えていきたいところではないかなと思いますが、このあたり、社長としてどうお考えになっていらっしゃるか、御要望も含めてしっかり言っていただくのが必要だと思いますし、それに対して行政としてはどんなことを考えていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。

青柳参考人 新幹線の貸付料につきましては、三十一年目以降の貸付料について、その時点で国とお打ち合わせの上決定されるものという認識でおります。それ以上の何物でもないと私どもは考えております。

 以上です。

太田国務大臣 鉄道局長の答弁にもありましたように、貸付料は、開業後三十年間でJRに生ずる受益相当額を算出して、毎年度JRから鉄道・運輸機構に定額で支払われるものであります。

 一方、三十年経過後においても、受益が発生する限り、その範囲内で貸付料を徴収する考えに変わりはありません。

 なお、その額については、三十年経過するまでに、改めてJRと協議の上で、受益を適切に見込んで算出することとなると考えております。

伴野委員 先ほど学生に例えましたが、やはり必修科目の点数をもう少し上げていただかなければいけない。そういう意味では、新幹線のそうした貸付料の三十一年目以降、これはぜひその当時の、そのときのJR九州さんの経営の足かせ、あるいは将来展望を縛るような制約がかかるような形ではない御検討をぜひ賜れればありがたいかと思っております。

 続いて、次に心配になるのは、先ほど来もありましたけれども、やはり設備投資の話ですね。

 やはりここも基金を取り崩す、あるいは振りかえる中で、多分、過去の実績から見ると数年から五年程度のものには充当できるのかもしれませんが、抜本対策とか、つまりは人間の体に例えれば、体の表面的なすり傷とか打ち身、捻挫ぐらいなら対応できるけれども、本当に骨折しちゃって、あるいはリンパ腫というようなことになったときに本当に体力があるかというと、少々老婆心ながら考えざるを得ません。このあたり、九州さん自身どう考えていらっしゃるか、また行政の方はどう対応されるのか。

青柳参考人 ただいま御質問がありました件につきまして、お答えいたします。

 先ほどから申し上げておりますように、鉄道のネットワークの維持向上に必要な鉄道資産の振りかえにつきましては、国土交通大臣の承認のもと、今後決定をしてまいりたいというふうに考えております。現時点において、当社として具体的なそれに関する要望等につきましてはありませんので、これを申し添えておきます。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 JR九州におきましては、毎年度の安全投資、修繕によりまして、土木構造物を含めていろいろ安全対策を計画的に行ってきているものと私ども承知しております。この関連事業も含めた会社全体の収益の中から、これまでも鉄道の安全対策に必要な費用を捻出しておりますし、今後ともそれだけの余力があるものと考えております。

 民営化後におきましても、経営安定基金の振りかえによる鉄道資産への投資を含めて、引き続き、これまでと同程度の安全投資、修繕のための費用を計上していくことができるものと考えております。

伴野委員 JR九州の社長さん、上場を前にして抑制的にいろいろ言われているようですが、やはり大臣も御案内のように、鉄道というのは列車を走らせた瞬間から枕木、道床が壊れていくものです。それを即座に維持、メンテナンスしているから安定輸送が図れるわけでございまして、これを間違ってもメンテナンスフリーなんて考えたり、コンクリート構造物を永久構造物や、あるいは鉄橋が永久にもつものというように考えてしまうとこれはとんでもないことになりますので、そのあたりもぜひ、助けてもらうときには大きな声を上げて事前に言っていただくことが私は重要だと思いますし、太田大臣なら必ず助けてくださるのではないかと期待をしております。

 では、税制特例のお話は先ほど緒方議員が言ってくれましたので、続いてJR北海道さんの方にもいろいろお聞きしたいと思います。

 経営の厳しさという点では、JR九州さんよりも数段厳しい、また自然環境の中で御尽力されていることに関しては、心から敬意を表したいと思います。

 ただ、一方で、手前みそのことを言って恐縮ですが、私どもが与党であった時代にも、過去、特定業務勘定の利益剰余金の取り扱いや整備新幹線の取り扱い、認可、着工、これは馬淵大臣、前田大臣、羽田大臣、とりわけ当時の三井副大臣が、JR北海道さんが生まれ変わってほしい、再生してほしい、すばらしい会社として国鉄改革を完遂してほしいという思いで走り回っていたのをきのうのように覚えております。

 そうした中で、客観的に見させていただいて、昨今の安全確保の取り組み姿勢に少々疑問符を打たざるを得ない。技術、技能の伝承に危険信号がともってしまっているのではないかなと残念ながら思わざるを得ないのでございます。先般も、車両の床下から白煙という、ちょっとほかの会社では考えたくないお話がある。その後にも、すぐ、碍子が落ちてくるなりの事象があった。それ以外にも、職員のさまざまな、残念ながら不祥事と言わざるを得ないことがある。

 今後、御案内のように、五カ年計画を出されている中で、二千六百億の資金投入が考えられていて、このあたり、自社で資金調達を、自助努力をまずされるんでしょうけれども、金額が金額でございますから、私は今後もそれなりの公的な支援が要請されるのではないかと思っておりますが、そういった今後の企業風土改革とあわせて、今、社長さんとして何を考えていらっしゃるか、教えていただければと思います。

島田参考人 お答えさせていただきます。

 まず、当社は、平成二十五年度に、軌道検査データの改ざん、車両トラブルや社員の不祥事など、一連の事故、事象を発生させました。これにつきまして、多くの皆様に御心配と御迷惑をおかけしましたことを、この場をかりまして改めておわび申し上げたいと思います。

 現在、これらの一連の事故、事象に対し、平成二十六年一月に国土交通大臣から受けた事業改善命令、監督命令を踏まえ、「安全投資と修繕に関する五年間の計画」を策定し、計画を実行しているところであります。

 この五年間の計画は安全基盤を再構築するための計画であり、車両の老朽取りかえや軌道の強化など安全投資に千二百億円規模、車両の部品等の集中修繕や軌道の検査結果等を適切に反映した修繕など修繕費に一千四百億円規模を計画しているところであります。

 今回の五年間の計画の二千六百億円規模は、過去五年間の一千七百億円規模に対し九百億円規模の増額を予定しているところであります。このため、必要な資金については、まず、現在の国からいただいております措置にあります六百億円の設備投資支援を前倒しして活用するとともに、自助努力といたしまして、経営安定基金の評価益の一部実現化や保有資産の売却の実施のほか、あらゆる選択肢を排除せず検討してまいるところでございます。

 その上で、なお及ばない部分につきましては、国等と御相談をしてまいりたいと考えておるところでございます。

伴野委員 社長御案内かと思いますが、先ほどの「鉄道員(ぽっぽや)」の乙松の舞台は御社の管内でございます。私自身、そのぽっぽ屋のフロンティア精神とか開拓精神、さらにはつらい立場でも頑張って開拓していく、この気持ちというのは私は北海道にこそ培われたものではないかなと思っておりますので、そういった意味でもエールを送りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 続いて、JR貨物さん。

 JR九州さんの次に完全民営化の展望が期待されるということでございますが、ただ、やはり非常に厳しい経営環境にあるのも事実じゃないか。事業領域の適正化のお話や物流モーダルシフト等々、もしお考えがあれば、平成三十年に経営自立をしていくという先ほどの決意を示されていましたが、繰り返しになりますが、事業領域の適正化、物流モーダルシフトで公的に何か支援を考えていらっしゃるならば、この際、思いのたけを述べていただければよろしいかと思います。

田村参考人 先ほど申し上げましたように、私どもは、平成三十年度で経営自立をするという計画をつくっておりまして、現在は中期計画二〇一六で、鉄道事業の黒字化ということを平成二十八年度に達成するという目標で邁進しておるところでございます。

 一年目を過ぎまして、足場はできた、モーダルシフトの流れは、トラックドライバー不足等の構造的な問題を受けて、きちんと顕在化してきておると思います。

 ただし、課題といたしまして、やはり景気動向に極めて影響を受けやすい経済活動を行っておりますし、まだ機関車は国鉄時代のものを四割程度、貨車も二割程度持っておりますので、今、無利子貸し付けをいただいて頑張っております。その取りかえピッチを早めて、きちんとしたローリングストックを整備していきたいと思っております。

 そういうことを踏まえて、ステップを踏みながら、二十八年度鉄道事業黒字化、その二年後、経営自立に向けて着実に道筋をつけてまいりたい、こう思っております。よろしくお願いします。

伴野委員 御案内のように、国鉄時代は貨物が花形でございました。入社して間もなくの技術屋や、あるいは営業事務の同期なども貨物局を目指したと言われた花形時代がございました。時代は繰り返すと思います。必ずや花形にまた戻っていただくことを心から期待をしたいと思います。

 さて、時間も迫ってまいりました。JR九州さんがめでたく上場しても、私は、国鉄改革は道半ばだと思っております。残されたJR二島、貨物の完全民営化の日を迎えてこそ、さらに言えば、労働組合の完全民主化、極左暴力集団革マル派の、あるいは革マル派と言われるもどきの人たち、かぶれている人たち、そういった方々をJRから完全一掃することが私は国鉄改革の完遂の日であると思っております。

 こうした私なりの意見を申し述べさせていただきまして、道半ばの国鉄改革に対する熱意、決意を最後に大臣、お聞かせいただければと思います。

太田国務大臣 JR各社におきましては、国鉄の改革以来、累次の閣議決定に基づいて、経営基盤の確立などの条件が整い次第、できるだけ早期に完全民営化するということを基本的な方針としております。

 JR北海道、そして四国につきましては、多くの不採算路線を抱えるなど、現在厳しい経営状況でありまして、経営安定基金の運用益等によって経営を支えているという状況にございます。

 また、JR北海道につきましては、この数年、さまざまな事故等が指摘されたり、企業体質というような体質面での改善ということも大きく、強く求められているところでもあり、そうしたことでの対応も力を入れていかなくてはならない、このように思っています。

 JR貨物につきましては、今お話があったとおりでございますが、かなり景気の変動があっても長期持続的な利益を確保することが可能な経営基盤の確立というところに全力を挙げる必要があると思っています。

 これら三社につきましては、まだ経営自立が可能となるような安定的な利益を計上できる段階には至っておりません。

 このため、平成二十三年度から、鉄道・運輸機構を通じて、実質的な経営安定基金の積み増しやあるいは設備投資支援などの支援を講じているところでありますけれども、これらの措置を通じて、まずは、完全民営化の前提となる安定的な経営基盤の確立が図られるように、しっかりと取り組んでいきたい、このように考えています。

伴野委員 時間となりました。ありがとうございました。

今村委員長 次に、松木けんこう君。

松木委員 維新の党の松木けんこうでございます。

 質問の時間をいただきまして、本当にありがとうございます。

 JR九州完全民営化、これは、一九九七年にJR東海が民営化されてから、二十年ぶり、四社目の民営化ということでありますけれども、巨大な債務を抱え、民営化が進められた国鉄でありましたが、JR各社、その社員の皆さん、関係者の皆さんの大きな努力の上に、同時に大変な御苦労も重ねられながら、しっかりと利益を出せるJRをつくり出してこられた結果であるというふうに思います。

 JR九州は、本業の鉄道事業では赤字が続く中、多角経営の成功によって大きな利益を生んでいるのが実態です。さまざまな知恵を絞られてきた結果であるかなというふうに私は思っております。一方で、他業種の企業を圧迫しているのではないかという批判もあるようですので、こういった面の考慮も本法案の審議の中では大切にしていく必要があるのではないかというふうには感じています。

 鉄道事業は、言うまでもなく、国民の生活の足として、日本の経済の大動脈として、大変大きな役割を担っておられます。健康で元気な方だけではなくて、体の不自由な方、お年寄りの方、障害を持っておられる方も含めて、全ての人に優しい交通手段として鉄道事業が担っておられる役割は非常に大きなものがあります。将来においてもその役割をしっかり果たしていただくためにも、JR各社に対し、ますますその経営体力を強化されて、よりよいサービスを国民の方に、利用者に提供していただけるよう、お願いしたいと思います。

 一方で、ちょっと気になるのが安全についてでありまして、先月の二十五日は、例のJR西日本の福知山線の脱線事故、これからちょうど十年の区切りを迎えたわけですけれども、百名以上の方が亡くなられた。五百名以上の方々が負傷されました。私の地元北海道でもJRの事故がやはり続いて、大きなニュースになっているわけです。

 事故の背景を一つのことに簡単に絞って断定するということはやはり避けなければならないというふうに思いますけれども、ちょっと、経営優先、利益優先の陰で安全対策が必ずしも十分ではなくなるのではないか、そういう気もしておりまして、結果として、経営基盤が弱くなり、安全対策に不十分さが出てくるのではないか、そんな心配を国民の皆様も持っておられるというふうに思います。

 そういった国民の不安にしっかりとお応えをして、十分な対策をとりながら、安全で競争力のあるJR各社の発展を目指した議論を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

 では、まず第一問です。

 現在、JR各社の中で、経営安定基金という形で政府から支援を受けているのは、JR北海道、JR四国、JR九州とJR貨物ということですけれども、今回、JR九州が完全民営化ということでございますけれども、まず、その理由をお聞かせいただきたいと思います。

藤田政府参考人 JR各社につきましては、国鉄改革以来の基本的な方針としまして、経営基盤の確立などの条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化するということとされております。

 JR九州は、他の大手民間鉄道会社と同様に、鉄道事業に加え、駅ビルなどの関連事業を展開しておりまして、近年、連結決算でおおむね二百億円規模の安定した経常利益を計上しております。平成二十六年度は二百五十五億円の経常利益を計上しております。

 完全民営化後におきましても、経営安定基金の振りかえによる財務状況の改善などによりまして、JR九州は引き続き安定的な経営を行うことが可能であると見込んでおります。

 こうしたことから、JR九州は安定的な経営基盤を確立したという判断のもとで、上場に向けた条件は整っているということから完全民営化をすることとしたものでございます。

松木委員 努力のたまものでしょう。

 それで、JR九州の鉄道事業自体は赤字、その他の事業で黒字化しているようですけれども、こういった構造は今後も続くことになるんでしょうか。九州の社長さん、お答え願いたいと思います。

青柳参考人 お答えいたします。

 当社の鉄道事業は赤字でありますが、当社は発足以来、鉄道事業の経営効率化に努めるとともに、新駅の設置や、列車、運転本数の増加、観光列車の運行による新規需要の創出など、創意工夫を生かしたさまざまな経営努力を行ってきております。昭和六十二年度には二百八十億円だった営業損失が、平成二十六年度には百四十億円まで改善をしておるところであります。

 引き続き収入の確保や経費節減に努めることで、鉄道事業における営業赤字を縮小し、今後もネットワークの維持、活性化に努めていく所存であります。また、関連事業においても、駅周辺の開発やマンション販売の拡大などにより、さらなる収益向上を進めてまいります。

 JR会社法の改正により機動的な経営を行うことが可能になることによりまして、より一層、鉄道事業の収支改善及び関連事業の収支拡大が進んでいくことになると認識をしておるところであります。

松木委員 昭和六十二年に二百八十億の赤字だった鉄道事業、これを百四十億まで減らしたということでございますけれども、大分頑張っておやりになっているんでしょう。もうちょっと頑張るんですか、これから。何か目標みたいなのはありますか。あるのなら、ここでお披露目したらいいんじゃないですかね。

青柳参考人 もちろん、先ほど言いましたようにネットワーク維持というのが我々の使命だというふうに感じておりますので、企業経営が確実に鉄道事業も含めたところで実行できるように努力していく予定であります。

松木委員 頑張ってくださいね。

 でも、どうしても赤字になるところもありますから、そういうことも頭に入れながらうまくやってください。

 それで、経営者、とりわけ上場している株式会社の経営者の最大の責任は何かというところを考えますと、実はいろいろな考え方ができるわけですけれども、地域への責任、社員さんへの責任、取引先への責任、さらには株主への責任という方が最近まあまあちょっとふえているわけですけれども、確かに株主に利益を還元することは経営者の大きな責任であるということは私もよくわかっているんですけれども、特に鉄道事業者などですと、一方で、ネットワーク全体に目を配って地域社会に不可欠なローカル線をやはり維持しないといけない、安全対策にも相当の投資をしないといけない。

 こういった株主への配当以外にも考えなければいけないことがほかの業種の事業者よりもひょっとしたら数多くあるのかなというふうに思うわけですけれども、今回のJR九州の上場によって株主への配当のための負担は年間どのぐらいになると予測されるのか、あるいはその配当分のお金は既に出ている利益から配分すれば、新たな合理化策、ローカル路線の廃線などは必要ないという認識でよろしいのかどうか、これをお願いします。

青柳参考人 今御指摘ありました今後の対策のための投資につきましては、先ほど、午前中に議論がありましたように、安定基金の取り崩しの中で、ネットワーク維持のための投資という項目がございます。その項目に従いまして、将来のネットワーク維持のための投資をきちっと我々としては進めてまいりたいというふうに考えておるところであります。

松木委員 ローカル線の廃線なんかというのは、今は考えていないということになるかな。

青柳参考人 先ほどもお答えしましたように、三セク化、または廃止ということを検討はしておりません。

松木委員 わかりました。ぜひそこを頑張ってくださいね。

 やはり地域の方は、ローカル線がなくなると、なかなかみんな大変ですからね。私の北海道十二区なんというのは、本当に大変な、鉄道がなくなっちゃって、もうえらいことになっていましたからね。やはりローカル線というのは大切ですからね。

 それでは、次に行きます。

 国鉄を分割・民営化する際、地理的に収益を出すことが簡単でない地域への支援ということで、経営安定基金制度を設けて、その運用益をもって安定経営の維持を図っているわけですけれども、JR九州の場合は、基金の総額がたしか三千八百七十七億というふうに私は聞いていますけれども、九州新幹線貸付料の一括前払い、独立行政法人鉄道・運輸機構からの無利子貸付金の返済のために使うほかに、鉄道ネットワークの維持向上に必要な鉄道資産への振りかえをするとなっていると思いますが、ネットワークの維持のための振りかえは幾らぐらいになるんでしょうかね。また、その額をネットワーク維持に振りかえるということはどういった形で制度的に担保されているのかということをお聞きします。

藤田政府参考人 鉄道ネットワークの維持向上に必要な鉄道資産への振りかえにつきましては、八百七十二億円を予定しております。

 これは、具体的には鉄道資産への投資ということになるわけでありますけれども、これにつきましては、この法案に基づく国土交通省令におきまして、JR九州に投資計画の作成を求めて、国土交通大臣の承認を得るという制度をつくりたいと思っております。

 これによりまして、国がJR九州の投資計画の内容の確認を行って、法律の趣旨を踏まえた振りかえが確実に行われるようにすることとしております。

松木委員 ぜひ頑張ってください。

 現在、地方からの人口流出が全国的に大きな問題になっているわけですけれども、九州も人口減に苦しむ多くの地域があるわけでございます。現在はJR九州の経営は安定しているようですけれども、将来的には全く心配がないといえば、そうではないというふうに思いますし、将来、余り何十年、五十年、百年といったって、わからないことも多いですからね。いずれにしても、完全に心配がないということではないというふうに思います。

 もし、九州の経済が厳しい環境になったり、JR九州の経営が厳しくなった場合、合理化のために郡部の路線が閉鎖されていくとか、大きなデメリットを地域経済が受ける心配がないのかどうか、そういった危険の有無及びそういったことが起きないようにするための対策をどう考えておられるのかを教えていただきたい。

青柳参考人 九州の鉄道ネットワークは地域住民の足として地域経済に大きな影響があり、鉄道事業を中核とする当社にとって、ネットワーク全体の価値向上を図っていくことが、鉄道事業を初めとする全ての事業の持続的な運営に資すると考えております。

 よって、人口減少や少子高齢化などが進行する中で鉄道ネットワークを維持していくために、御利用がふえている新幹線の増収施策や駅周辺のまちづくりを通じた鉄道利用の促進、インバウンドの施策の推進など、鉄道運輸収入の増加を図ってまいります。

 また、システム化等による人件費の縮小などにも取り組むことによりまして、鉄道事業における営業赤字を縮小し、今後も、ネットワークの維持、活性化に努め、地域経済の活性化に寄与していく所存でございます。

松木委員 新幹線でもうけたものをちょっとローカル線に回そうというようなことも、今言っていただいたのかな。

青柳参考人 新幹線も増収を図りますが、新幹線を使って地域のローカルのネットワークもあわせて増収を図っていこう、そういうもくろみでございます。

松木委員 わかりました。でも、やはりもうかったところのものをうまく地方にも回していかないと、本当に地方は大変ですからね、いろいろな意味で。そこら辺、社長さんは私なんかよりずうっとよく知っているはずですので、うまくやってくださいよ。

 そうしたら、次は、最近は上場基準が緩和されて、企業の成長を前提としないで、安定的経営が見通されればよくなっている、そういう指摘もあるんですけれども、残るJRの未上場の三社の完全民営化の見通しというのは、大体どんな感じに思っていればよろしいんでしょうか。

藤田政府参考人 JR北海道、四国につきましては、多くの不採算路線を抱えるなど、現在、依然として厳しい経営状況にございます。経営安定基金の運用益により経営を支えているところでございます。

 JR貨物につきましては、これは経営安定基金はございませんけれども、景気動向に左右されやすい事業特性を有しておりまして、多少の経済変動はあっても長期持続的に利益を確保することが可能な経営基盤を確立することが必要であると考えております。

 このように、これら三社につきましては、まだ経営自立が可能となるような安定的な利益を計上できる段階には至っておりません。このため、平成二十三年度から、鉄道・運輸機構を通じて、実質的な経営安定基金の積み増しや設備投資支援などの支援措置を講じているところでございます。

 こうした措置を通じまして、まずは、完全民営化の前提となる安定的な経営基盤の確立が図られるようにしっかり取り組んでいただきたいと考えております。

松木委員 局長、今、四国が厳しいと言ったんですね。上場するのは今のところ厳しいと、JR四国は。北海道のことは言いましたっけ、今。ごめん、ちょっともう一回答弁して。

藤田政府参考人 JR四国、北海道ともに、同じような厳しい状況であるというふうに認識しております。

松木委員 貨物に関しては、まあまあいいところまで行っているという認識なんですか。

藤田政府参考人 貨物につきましては、今、二十八年度の鉄道事業の黒字化、三十年度の経営自立ということを目標に経営に取り組まれているわけでありますけれども、体質として、どうしても景気動向に左右されやすいといった課題がございますので、多少の経済状況の変動はあっても安定的な利益を計上できるような、そういう会社にならなくてはいけないのではないかと思っております。

松木委員 わかりました。厳しいということですね。

 指針のことでちょっと話したいんですけれども、国交大臣は、地域の中小企業への圧迫を避けることや路線の維持などを求める指針を定め、公開すると法律には書かれていますが、この指針ではどういったことを定めていくのか、教えていただきたい。

 指針の内容は、例えば路線維持に関して言えば、適切な利用条件の維持といったように、何をもって適切で、何をもって不適切なのかを示していただかなければわからないような抽象的な表現ではなくて、具体的な基準をちょっと示すべきではないかというふうに思います。また、路線の存廃のようなお話でしたら、地元住民、自治体などの声も、国交大臣が適切、不適切を判断するときの参考にするような仕組みが必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。

藤田政府参考人 この法案におきましては、JR九州が配慮すべき事項について指針を定め、国が指導、助言及び勧告、命令をすることができるということにしております。

 指針は、具体的には三つ項目がございます。一つは、運賃制度等に関する他のJR各社との連携協力、二つ目には、鉄道路線の適切な維持や駅施設の整備に当たっての利用者利便の確保、三つ目には、関連事業における中小企業への配慮。これらの事項について指針を定めることとしております。

 御指摘のありました路線の適切な維持ということにつきましては、現時点では、内容といたしまして、国鉄改革の実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえて、現に営業する路線の適切な維持に努める必要があること、それから、現に営業する路線を廃止しようとするときは、国鉄改革の実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化について十分な説明責任を果たす必要があること、こういった内容を定めることを想定しております。こういった指針の内容に照らして、具体的な適否の判断をしていくということになろうかと思います。

松木委員 なるほど。

 法律の四条にはこう書いてあるんですね。「国土交通大臣は、指針に照らし、新会社が正当な理由がなくて当該新会社が経営する鉄道事業に係る利用者の利便の確保若しくは適切な利用条件の維持又は当該新会社がその事業を営む地域の経済及び社会の健全な発展の基盤の確保のために必要な事業経営を行っていないと認めるときは、当該新会社に対し、その事業経営に関し必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。」

 さらに、この勧告に従わなかった場合は公表できて、勧告に従わなければ命令を出して、さらに従わなければ百万円以下の過料に処すということが書かれていますけれども、この場合の勧告は、指針に沿わないことをJRがした場合は、すべからくこういうのが出ていくものなのかどうかということを教えてください。

    〔委員長退席、中村(裕)委員長代理着席〕

藤田政府参考人 勧告を行うかどうかということにつきましては、法律に規定している事由に該当するか否かで判断をすることになります。

 具体的には、個別の事案ごとに、例えば指針の趣旨を逸脱しているその程度であるとか、あるいは社会的影響の度合い、地域への影響、こういったものを勘案しながら判断していくことになろうかと思います。

 あるいはまた、逸脱をしているとしても、事実上の指導助言で是正がされるといったケースもあり得ると思いますので、そういった場合には勧告は行われないといったことも実態としてはあろうかと思います。そういったことを含めて、総合的に判断をしていくことになろうかと思います。

松木委員 そうですか。

 では、次に行きます。

 私の前の選挙区、今は北海道二区というところにいるんですけれども、前は北海道十二区という日本で一番広い選挙区でやっていたんです。四国がありますよね。四国の大体八割程度の面積がある選挙区でございました。

 この地域では、市の中でも域内に駅なんというのは全くない、鉄道は昔は通っていたけれども廃線になったというところがありました。こういうところは、見てみますと、地域の衰退というのがほかのところから比べたらやはり速いんですよね。残念ながら、本当に寂れちゃうんですよ。これはもう事実。

 生活の道として、人口が少ない地域でも、なかなか黒字化というのが難しくても、維持しなければいけない路線というのは私は存在するというふうに思っているんです。人口の多い大都市圏には多くの私鉄が走って激しく競争しているわけですけれども、人口の少ない地域でも路線を維持する、鉄道ネットワーク全体で黒字を出すことで郡部の路線を維持するということが求められると思います。

 JRは、現在は民間企業とはいえ、もともと国が保有していた鉄道会社ですので、都市部だけではなくて、いわゆる田舎も含めた日本国全体、日本国民全体の共有財産ということだというふうに私は思います。

 郡部の路線や駅もしっかり維持していくためには、JRの努力だけではなかなかやはり無理で、国を初めとして関係機関が協力して努力していくことが求められるというふうに私は思いますけれども、国として、ここら辺の基本的な御認識をお聞かせいただきたいと思います。

太田国務大臣 おっしゃるとおりで、公共性という、また、人が、国民が住んでいて利便性が得られるという、生活の基本というところで非常に大きな役割を果たしているんだというふうに思います。

 そういう意味で、JR北海道そしてJR四国は大変苦労しながら、特に北海道は大変な風雪もあり、そして人口が少ないというような地域も、私はどうしてこういうところに人が住んでいるんだろうかなというふうに感じるときも時にはあるんですが、しかし、もっと極端に言えばエスキモーの方たちも、あるいは砂漠の中に住んでいる人たちもいるんですが、日本はどこに行っても生まれ育ったところというものが物すごく大事で、私も田舎で生まれ育ったんですが、おふくろに東京にそろそろ来ないかと言ったら、東京に行ったら言葉も違うし、もう死んじゃうから嫌だというように、その土地に生きて、そしてその土地の風土というものを呼吸しながら人は住んでいる。だから、グランドデザインというのをつくる場合でも、地域を、同じコンパクトシティーといっても、捨てていくみたいな、切り捨てるという考え方を私は持ちません。

 そういう意味で、鉄道というものの役割は、ぎりぎりのところまで頑張り抜いて、赤字路線といってもやってもらいたいという気持ちがすごくあります。そういう意味では、JR北海道ならJR北海道が安全というものを確保して、そしてこれから観光客等も大勢というようなこともしっかりと踏まえて、何とかそれぞれの個別事情というものを私たちが考慮しながらも、それぞれが独立した存在としてしっかりやっていただきたい。その上で、私たちが支援するものは惜しまないというのが基本的な現在の私たちの考えでございます。

松木委員 大変いいお答えだったと思います。

 でも、生まれたところというか、北海道のめちゃくちゃ寒いところで、何でここで頑張っているんだというのは確かに思うこともありますわね。でも、今大臣が言ったとおり、やはり生まれたところなんですよ。大切にしたいというのが、やはり日本人の精神構造なんじゃないんですかね。私もそう思います。

 それでは、JR九州、近年会社全体では大きな黒字を出しているということで、今回株式上場が実現することになりましたけれども、対照的に、私は北海道の人間ですので、JR北海道はなかなか厳しい経営状況が続いているわけでございます。

 特に、営業利益については、修繕費や安全投資がふえることで、その赤字の幅が大きくなっているというふうに私は聞いております。そういった事情もありまして、JR北海道をめぐっては、人為的ミスや故障、事故の報道が残念ながら相次いでいる。

 率直に申しまして、札幌市以外では大都市圏というのを北海道は持っているわけじゃないので、広い北海道で鉄道事業者がネットワークをきちんと維持しながら利益を出していくことは非常に厳しいものがあるというふうに思います。

 現在、政府では、地方創生ということで、地方経済の再生に力を入れているわけでございますが、東京一極集中、三大都市圏への集中が進む中で、地方経済はなかなか上がっていかないで非常に厳しい状態であることは言うまでもないわけです。安倍内閣も頑張っているんでしょうけれども。

 JR北海道にきょうは来ていただいておりますけれども、このあたりのJR北海道を取り巻く厳しい状況と背景をどうごらんになっているのか。それから、このたび大規模な安全対策に大きな予算を組まれたようですが、それを実施するだけの資金があるのか。その辺の実態と安全対策に取り組む決意表明をいただければありがたいと思います。

島田参考人 お答えいたします。

 当社は、昭和六十二年四月、JR旅客六社の中で最も経営が厳しい会社との見通しの中、発足いたしました。

 当社が事業を行っている北海道は、広大な面積に加え、冬期間の自然環境が大変厳しいことから、鉄道のメンテナンスにかかる負担も大きく、お客様の御利用が少ない線区を数多く抱える中、鉄道事業は大幅な営業赤字が残念ながら続いている状況であります。

 また、営業赤字を補うための経営安定基金についても、超低金利状況の長期化の影響などにより、会社発足時に計画された運用益を十分に確保できておりません。

 現在、一連の事象を二度と起こさないという強い決意のもと、国土交通大臣から受けた事業改善命令、監督命令を踏まえまして、お客様の安全を最優先とする経営を行い、安全の基準を絶対に維持することを前提とした「安全投資と修繕に関する五年間の計画」を策定し、会社の再生に取り組んでいるところであります。

 この規模は、五年間で総額二千六百億円の規模となりまして、過去五年間の一千七百億円規模に対しまして九百億円の増額を予定しており、いかにこの資金を確保するかが大きな経営課題となっているところでございます。

 このため、必要な資金につきましては、まず、現在の国からいただいております六百億円の設備投資支援を前倒しして活用するとともに、自助努力として経営安定基金の評価益の一部実現化や保有資産の売却の実施のほか、あらゆる選択肢を排除せず検討してまいりたいと考えております。その上で、なお及ばない部分につきましては、国などと御相談をしてまいりたいと考えているところでございます。

 当社は、北海道の基幹的な交通ネットワークを担っているという強い使命感のもと、道民の負託に応えるべく、安全で信頼される鉄道事業者として再生を図っていかなければなりません。そのために、日々の輸送の安全を確保するとともに、国に提出いたしました計画に不退転の決意で取り組んでまいる所存でございます。

 以上でございます。

松木委員 今委員の皆さんもよく聞いていただいたと思うんです。一部お疲れの人もいるみたいだけれども、今、JR北海道の方のお話を聞いていただいても、地域によって非常に厳しい状況であるということをよく理解していただいたと思います。

 あわせて、国交大臣にもお聞きいたしますけれども、こういった地域の事情といったものにしっかり目配りをしながら、JR各社の完全民営化の議論を進める必要があると私は思います。体力をつけられたところはいいんですよ。しかし、JR北海道のように、別にJR北海道がサボっているわけじゃないですからね、一生懸命やっているんですからね。状況が厳しいところは、その個別事情についてしっかり考慮していただく必要があるというふうに思います。その点の国交大臣のお考えをちょっとお聞かせいただきたい。

 また、国交省の事業改善命令及び監督命令に基づくJR北海道が講ずべき措置に従って、JR北海道が総額二千六百億の規模となる安全投資と修繕に関する五カ年計画を策定しました。JR北海道の体力でこの巨額の費用を自前で賄うことは、多分不可能だというふうに思います。

 現在、国においてもJR北海道への支援について検討していることというふうに私は思っていますけれども、その内容は無利子融資を含めたものというふうに聞いていますけれども、そうなると、無利子とはいえやはり借金ですから、いずれ返済しなくてはならないのは当然のことです。JR北海道にとって、この巨額な借金は経営をさらに圧迫することに結局なります。

 そうなると、再び安全問題への回帰ということが懸念されるわけでございまして、指摘されているように、必要な安全投資が十分に行われてこなかった結果としてJR北海道の安全問題があるのであって、借金を返済できる体力、経営基盤があるのであれば、こうした事態にはなっていないというふうに私は思うんです。

 問題の根底は、国鉄改革のスキームにやはりあると思うんですね。経営安定基金運用益が大幅に目減りをした。スキーム策定時の半分以下というふうになっている。この大幅な運用益の目減りが経営を圧迫し、必要な安全投資や修繕費を制約してきたわけでございます。その意味で、新たな借金は、問題を再び先送りするだけになる可能性もある。再びJR北海道の安全問題、経営問題に行き着くことになるような気がします。

 したがって、ある程度、国の責任によって運用益の目減り分を補填すべきというふうに考えますけれども、国交大臣のお考えを、ここら辺を聞かせていただきたいと思います。

    〔中村(裕)委員長代理退席、委員長着席〕

太田国務大臣 国鉄改革の中で、JR北海道あるいはJR四国、JR九州も含めて、それぞれ大変な中で努力をして今日に来ているんだというのが基本的認識でございます。それゆえに、国民の、またその地域のためにも頑張っていただかなくちゃならないし、我々も、そういう意味では、支援をしっかりしていくというのが基本的スタンスでございます。

 今お話のありました経営安定基金の運用益が大変目減りをして、計算どおりにいってこなかったということが一つ要因としては確かにあるというふうに思います。

 そこで、この運用益の減少に対しまして、平成九年度、それから平成二十三年度、それを補う措置をとらせていただいて、二十三年度からは、鉄道・運輸機構を通じた実質的な経営安定基金の積み増しという支援措置を講じているという状況にございます。

 また、これに加えまして、社長からもありましたが、JR北海道に対しまして、平成二十三年度以降、十年間で六百億円、この設備投資支援を講じています。

 今後とも、JR北海道が先般策定した安全投資及び修繕に関する五カ年の計画への支援も含めまして、会社の最大限の自助努力を前提として、国としても必要な支援について検討したい、このように考えております。

松木委員 大臣、ぜひ、いいことを考えてやってください。北海道はやはり厳しいんです。一番初め、国鉄が分割されたときから、北海道はやはり厳しくなるというのはもうわかったと思うんですよね。

 ですから、それを、気持ちの優しい大臣ですからよくわかっていただけると思いますけれども、気持ちが優しいだけじゃない、将来を見る目がある大臣ですから、わかっていただけると思いますけれども、ぜひ北海道を助けてやってくださいよ。本当にお願いしたいというふうに思います。

 それで、次に、非常に厳しい経営環境の中で、国の支援と指導を受けながら、JR北海道の経営陣そして社員の皆さんが、安全再確立と信頼の回復に向けて一生懸命頑張っておられます。

 厳しい経営環境下にあって、JR北海道として自助努力というのは当然必要なことですけれども、社員の皆さんの士気をそぐような、何でも自助努力、自助努力と言われると、やはりへこみますよ、人間は。それでは課題克服に支障を及ぼすことになるというところをやはり危惧するんですよね。そこら辺、JRの社長さんはどうでしょうか。

島田参考人 お答えさせていただきます。

 鉄道事業の第一義は安全の確保であり、安全が確保されていない状態で列車を運行してはならないと認識しております。それを大前提とした上での経営改善に努める所存ではありますが、それを実行する上では、社員の士気を高め、維持していくことが大変重要であると考えております。私自身、現場などを回っておりまして、社員の士気、鉄道マンとしての誇りが非常に大切であることを実感しているところであります。

 今後も、経営トップが直接現場等に出向き、当社の状況をしっかり説明し、社員と認識を共有して課題解決に当たる所存でございます。

 以上でございます。

松木委員 ぜひ頑張ってください。

 そうはいえ、やはり厳しいのが北海道ですよ。その中で、きょうは九州の話ですから、余り北海道の話ばかりすると怒られちゃうので、申しわけないと思いますけれども、ちょっとだけ、あともう数分ですから、お時間をいただきたいと思います。

 JRの中で、それもそうなんですけれども、やはり北海道経済を強くするというのも大切なんですね。その中で、起爆剤というか大切なのは、一つは、やはり新幹線の問題、北海道新幹線というのがあるというふうに思います。この間、自民党の皆さんが一生懸命頑張って、五年早目に来るということになって、そこでガッツポーズも出ているけれども、本当によく頑張っていただいた。しかし、できればもっと何とかならないのかということもあるわけですよ。

 ぜひ大臣、そこら辺のことを、どうですか、ではもう一度、ちょっと考えてみようかというようなお考えなんかもありますでしょう。ぜひお願いします。

太田国務大臣 北海道新幹線については、来年に新函館北斗まで行くことになりまして、私は現場に、去年も見させていただいて、函館も久しぶりに行きましたが、いつも夜ばかり、夜景ばかり見ておりましたが、昼間行きました。工事現場へ行きました。昼間の函館もすばらしい。非常に海もきれい、そして、北島三郎の高校の前を歩いたりして、あれも本当にすばらしい。私は、ここは間違いなく、かなり衝撃を与えるほどのよさが発見できるんだというふうに思います。

 大宮から新函館北斗まで約三時間四十分で行くということになりますと、埼玉県で、統一地方選挙で私がそのことの演説をしましたら、どよめきが起きました。どよめきが起きるということは、それだけ、函館まで三時間四十分で行けるのかというどよめきであったと思います。東京より北の方は、かなり刺激的な出来事が来年の三月に起きると思います。

 それで、函館に行きますと、必ずそこで、今度は陸路の中で、約一時間で札幌に行くということがいかに現実的に大事なことかということを感じていただける人が大勢になるのではないかと思います。そういう中で、五年前倒しということをこの間は決めさせていただいたわけですが、ここはまだ決めたばかりですから、まずは五年ということで、努力をしていくということで御容赦いただきたいんですが、必ずより強い意見がこれから、来年の函館まで行った後、国民の間から沸き起こってくるのではないかということを私は期待しているところでございます。

松木委員 ありがとうございます。

 北海道新幹線のことは民主党の三井さんなんかも一生懸命やりました。そして、今政権を持っているのは自民党の方々ですから、この方々も頑張りました。みんなで頑張ってやっているわけですけれども、ぜひ一日でも早い開通を望みたいというふうに思います。そして、非常にいい大臣のもと、国交省の方々も一生懸命頑張って、よりよい鉄道というものをつくっていただきたいということをお願い申し上げまして、まだまだ質問はあったんですけれども、もう時間がなくなりましたので、ここらで失礼させていただきます。

 本当にどうもありがとうございました。

今村委員長 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。

 JR九州の完全民営化問題で質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、そもそものお話をお伺いしたいというふうに思います。

 国鉄の分割・民営化、JR七社が設立されてから二十八年がたちました。JR東日本、JR東海、JR西日本、この三つの会社は、二〇〇二年に東日本が完全民営化し、二〇〇三年に西日本、そして二〇〇六年に東海が完全民営化されております。完全民営化後、国民にとってどのようなメリットがあったか、まずお示しいただきたいと思います。

藤田政府参考人 JR本州三社はいずれも、完全民営化後、利用者サービスの向上、関連事業の展開、経営の効率化等を進めてきておるものと認識しております。

 これに伴いまして、非常に多面的なメリットが国民にもたらされていると思いますけれども、このうち利用者サービスについて申し上げれば、例えばJR東日本の東北新幹線、完全民営化後に新規車両の投入によるスピードアップが行われまして、東京―盛岡間、最短到達時分が十一分短縮されております。同様に、JR東海の東海道新幹線も東京―新大阪間で八分短縮をされております。

 それから、在来線につきましても、例えば列車運行本数で申しますと、完全民営化後、各社一日当たりの列車運行本数の増加が図られております。

 このほか、ICカードの利用区域の拡大、駅の段差解消によるバリアフリー化、それから他の鉄道事業者や自社の他路線との相互直通運転、これらの対策も着実に進んでおりまして、JR本州三社の完全民営化後、利用者サービスの向上が大きく進んでいるものと認識しております。

本村(伸)委員 サービスがよくなったということですけれども、それは完全民営化をしなくても本当はできる話だというふうに私は思います。

 私はJR東海の地域に住んでおりますけれども、少し前ですけれども、JR東海の利用者の皆さんにアンケートをとって、それを要望書にまとめてJR東海の本社に持っていきました。しかし、その要望書さえ受け取ってもらえないという現状がございました。

 また、JR東海の武豊線では駅の無人化も進んでしまい、定期券、特急券などを買うことができない、夜は女性の皆さんは大変恐ろしいという状況にもございます。そして、トイレのない駅もある。

 また、以前、JR東海の関西線に乗りまして、三重県の亀山駅まで行ったわけですけれども、そこではワンマン運転で、途中の駅には無人の駅があって、ICカードが使えないというところがあり、愛知県の一宮市から乗った皆さんが無人駅でおりるということがありまして、何人もおられまして、運転手の方がそのICカードの処理をする、料金の処理をするというために時間がとられて、どんどんおくれてしまうという現状もございました。

 同じような状況はJR東海の飯田線でもあるわけでございます。

 とりわけ大都市部ではない地域の切り捨てや放置というのが私はひどいというふうに思います。バリアフリーもまだまだおくれておりますし、ホームドアもまだまだおくれているという現状にございます。単純にサービスがよくなったということは言えないということだと思います。

 そもそもですけれども、国鉄の分割・民営化の改革については、経営破綻状態に陥った国鉄が運営していた鉄道事業を再生するということが目的でありまして、経営破綻時には三十七兆円もの巨額の債務があったわけです。その債務を処理するために、民営化して、株式上場して、その株式の売却益などによって国鉄債務を解消するというのが、もともと政府が言っていた出発点だというふうに思います。

 そこで伺いますけれども、本州三社、東日本、東海、西日本が完全民営化をして、その株式の売却益などで国鉄債務は解消することができたのかという点、そして、国鉄債務は現在どうなっているのかという点をお示しいただきたいと思います。

藤田政府参考人 国鉄の長期債務につきましては、国鉄改革の時点におきまして、二十五・五兆円が当時の国鉄清算事業団に承継され、その上で、JR株式や旧国鉄から承継した土地の処分等により、その処理が行われることとされました。

 その後、平成十年十月に、新しい債務処理スキームによりまして、国鉄清算事業団の債務の多くは国の一般会計が承継することとなりました。それまでの間に、清算事業団において、JR株式の売却により約二兆円、それから、土地の売却により約六・五兆円の収入を得ておりまして、これが国鉄の長期債務の償還に充てられております。

 それから、平成十年十月以降にもJR株式の売却収入がございますけれども、これも約二兆円でございまして、これは鉄道・運輸機構の特例業務勘定の収入となって、旧国鉄職員の年金債務等に充てられております。

 現在、そういう意味では、長期債務は清算事業団から一般会計の方に承継されたということでございます。

本村(伸)委員 もう一つ確認をしたいと思いますけれども、国の借金というのは今どれだけになっているのかという点と、国鉄の長期債務は国の借金の指標となっている国債の特例公債に含まれると理解をしておりますけれども、間違いないか確認をしたいと思います。

藤田政府参考人 平成二十六年度末時点におきまして、国の債務残高は一千五十三兆円と承知しております。

 国鉄長期債務残高につきましては、平成二十五年度末現在で十八・一兆円でございますけれども、これは国の債務残高の中に含まれております。

本村(伸)委員 つまり、今お答えいただきましたように、国鉄長期債務も、国民の負担となる国の債務となっているということでございます。

 結局、その当時、二十四兆円が国民の皆さんの借金として負担を押しつけられたということだと思います。それが今十八兆円に減ってきているとはいえ、毎年毎年、二〇一三年度の末でいいますと、二千九百七十億六千七百万円、一年間で国民の皆さんが負担をしているということになります。毎年毎年、四千億とか三千億とか、そういうレベルで返していっているわけですから、国民の皆さんに結局負担が押しつけられているということだというふうに思います。

 安倍首相は、施政方針演説の中でも、基礎的な財政収支黒字化を目指す、あるいは、ふえ続ける国の債務を抑制するという決意を表明されました。先ほどもお話がありましたように、国の借金というのは一千五十三兆円にも膨れ上がっているわけでございます。この財政の健全化というのは、本当に緊急の課題だ、私たちがしっかりと考えていかなければならない問題だというふうに思います。

 この借金を一体どうやって減らしていくのかということについて、ちゃんと知恵を絞っていかなければいけない。借金をつくった原因と責任を明確にして対策を講じるというのが本来の筋だというふうに思います。

 国鉄の債務というのは経営体制が問題だったわけではなく、この債務の大半は、歴代政権の列島改造政策などによって、借金で巨額の投資を行ったということがそもそもの原因であり、国鉄時代のそういった建設などで発生した債務でございます。

 それであるならば、鉄道事業の収益による返済を前提にするべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

太田国務大臣 余りにも大きなお話を聞きましたが、国鉄の債務ということに限ってお話をさせていただきます。

 列島改造論とかいいましたが、国鉄は、昭和三十九年度に赤字に転落して以来、毎年度巨額の赤字が発生したことに伴って、経営が悪化して、破綻に至ったものです。

 破綻の原因は、国鉄再建監理委員会意見の中でも、公社制度のもとで全国一元的運営が行われてきたという構造的な問題が指摘をされておりまして、きょうの委員会の審議でも親方日の丸という言葉が再三出てきましたけれども、そうしたことが指摘をされています。

 国鉄長期債務は、このような背景により生じたものと認識をしています。

 国鉄長期債務三十七・一兆円の処理につきましては、JR本州三社及び貨物会社は、それぞれの事業の健全かつ円滑な運営を阻害しない範囲において債務を負担させるという観点から、五・九兆円を負担することとされました。残余の長期債務につきましては、国鉄清算事業団等が負担することとされました。

 国鉄改革は、国鉄の経営形態を改めまして、健全な事業体としての経営基盤を確立した上で、国鉄の事業を再生させるために行われたものであります。

 このようにして発足しましたJR各社は、株式会社として独立した経営を行って、本州三社は、平成十八年度までに全て完全民営化をしているという状況にございます。このため、JR各社に対しまして、新たな負担を課すことは適当ではない、このように考えているところであります。

本村(伸)委員 完全民営化したことで、事業収益を上げて、その収益で国鉄債務を返済するという道を閉ざしてしまったんだというふうに思います。

 完全民営化をされたJR本州三社、東日本、東海、西日本は、収益の上がる新幹線などの払い下げで大もうけを上げております。経営の足かせとなる長期債務は国が引き受け、国民の皆さんが負担をして、そして一方で、JR東海やJR東日本、西日本の三社は、収益の上がるところだけをいいとこ取りしたという格好だというふうに思います。

 大もうけを上げているJR三社は、債務を引き受けている国民の皆さんのためにも、収益を国民の皆さん、住民の皆さん、利用者の皆さんに還元をするというのは第一義的に行うことだと思いますけれども、大臣の見解を伺いたいというふうに思います。

藤田政府参考人 まず、先ほどの大臣の答弁にもございましたけれども、JR本州三社は、それぞれの事業の円滑な運営を阻害しない範囲でということで、国鉄長期債務五・八兆円を負担しております。

 その上ででありますけれども、本州三社は、会社発足後におきましても、列車のスピードアップでありますとか、運行本数の増加、ICカードの利用区域の拡大、バリアフリー化、相互直通運転といった利用者サービスの向上を進めてきているものと認識をしております。

 国としましても、国鉄改革の経緯を踏まえまして、指針において、鉄道路線の適切な維持、駅整備に当たっての利用者利便の確保等を求めております。

 今後とも、本州三社には、こういった形で利用者利便の向上に努めていただきたいと思っております。

本村(伸)委員 JRの負担というのは少しで、国民の皆さんには二十四兆円という巨額の負担が押しつけられているわけです。

 そもそも、分割・民営化したときに債務の負担のルールというものがあったわけですけれども、JR東日本、東海、西日本に適正利益の割合をどのように考えていたか、どのぐらい保障すると考えていたかということをお示しいただきたいと思います。

藤田政府参考人 国鉄改革時に、JRは、最大限の効率的経営を行うことを前提に、当面収支が均衡し、かつ、将来にわたって事業等を健全かつ円滑に運営できる限度の長期債務等を負担するということとされました。

 具体的には、当時の予測をもとにしまして、JR各社が効率的な経営を行うこととした場合に収入の一%程度の経常利益を上げることができることとしまして、その前提で負担できる利子負担の額を算定し、その利子額に応じて債務等を負担させたものでございます。

本村(伸)委員 もう一つお伺いしますけれども、実際の利益率はどうなっておりますでしょうか、JR三社について。

藤田政府参考人 JR本州三社の平成二十六年度決算書によりますと、売上高経常利益率で申しますと、東日本旅客鉄道一三%、東海旅客鉄道二六%、西日本旅客鉄道九%となっております。

本村(伸)委員 当時想定していた適正利益を上回る巨額の大もうけを上げているということが、このことからもわかるというふうに思います。本来はもっと借金を背負ってもらわなければいけなかったのだというふうに思いますけれども、債務負担を当時軽く見積もったということだというふうに思います。

 やはりこの状態はおかしいんだというふうに思うわけですけれども、今、JR東日本は、国民の皆さんや住民の皆さん、利用者の皆さんに収益を還元する、貢献するというどころか、さまざま切り捨てている部分があるというふうに思います。

 JR東日本でいえば、東日本大震災で被災をされたJR山田線や大船渡線、こういう不通になっている路線を復旧もせずに、経営を放棄いたしました。また、JR東日本の只見線も不通の地域を放置しております。

 これまでも、整備新幹線が通れば在来線の経営がもうからないからといって撤退をしてきたわけでございます。

 JR東海も巨額の利益を上げているわけですけれども、この委員会でも何度も指摘をしてきましたリニア中央新幹線。JR東海は、巨額のもうけを上げて、そして九兆円もかけて、リニア建設にその大もうけした利益をつぎ込もうとしております。九兆円も巨額の利益を投資する余裕があるのであれば、国民の皆さんの負担になっている、あと十八兆円残っている国鉄債務の返済に協力するべきだというふうに思います。

 結局、二十四兆円も国民の皆さんに肩がわりをさせて、いいとこ取りをしているというのがJR東、東海、西ということになるというふうに思います。国鉄長期債務の返済は、やはり大もうけしているJR三社にも応分の負担をさせるべきだというふうに思いますし、国民の皆さん、利用者の皆さんに収益を還元するような指導をするべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

藤田政府参考人 先ほどの大臣の答弁にございましたけれども、JR各社は株式会社として独立した経営を行っております。特に本州三社につきましては、既に完全民営化した会社でございます。これまでの経営の結果、今のような利益水準に至っているということでございます。こうしたJR各社に対しまして新たな負担を課すということは適当でないと考えております。

 JR各社の収益につきましては、サービスの向上といったような形で利用者にきちんと還元をしてもらいたいと思っております。

 それから、一点、先ほどの御指摘の中で、山田線につきましては、JR東日本と地元との協議の結果として、第三セクターである三陸鉄道に移管されたものと理解をしております。それから、大船渡線につきましても、今現在、仮復旧という形でBRTが運行されておりまして、その扱いについては今まだ地元と協議中というふうに理解をしております。

本村(伸)委員 分割・民営化というのは、結局、利益は会社や株主に行って、国民の皆さんや利用者の皆さんは犠牲になっていくということだというふうに思います。富が一部のところに集中をしていくということだというふうに思います。

 今回の法案の中身についても次にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、今回、法案の中で、経営安定基金三千八百七十七億円、そもそも国民の皆さんの財産だと言えるというふうに思いますけれども、国土交通省も、国鉄に由来する国民共有の貴重な財産、準国有資産、公的な財産、こういう言い方をしておりましたこの経営安定基金をJR九州に渡してしまう。これは結局のところ株を上場するため、完全民営化するためだということになるわけですけれども、こういう道理のないことを行おうとしていると私は思っております。

 そもそも、上場や完全民営化は、JR九州の利用者の皆さん、住民の皆さんにとって本当にメリットがあるのかどうかということも私は疑問だというふうに思います。

 きょう来ていただいておりますJR九州の青柳社長が、昨年のメディアの取材でこういう発言をされておられます。「私の使命は株式上場、つまりJR九州を完全な民間会社にすることです。」「上場には、鉄道事業の「収支とんとん」を目指し、立て直さなければなりません。」と述べています。その中で、「まずコスト削減を進めます。」と言っておられます。

 確認しますけれども、株式上場に向け、真っ先にコスト削減を挙げておられますけれども、鉄道事業者、経営者として真っ先に考えなければならないのは、公共交通としての役割をどう果たすのかということ、そして人の命を運ぶ大量輸送機関としての安全の確保が大前提になるというふうに思いますけれども、今御紹介しました記事の中には、安全の確保という言葉すらないわけでございます。

 上場に向けて、安全よりもコスト削減を優先するという認識なのかどうか、まず確認をしたいと思います。

青柳参考人 私の言葉がメディアの中でそういうふうに紹介されていたということであれば、もう一度ここで私の考えを申し上げます。

 当社は、発足以来、安全とサービスを全ての事業の基盤として、安全を最優先に経営をやってまいりました。安全に関する社員のヒヤリ・ハットの収集や社員の提案に沿った必要な改善を進めるとともに、安全創造館を活用した社員全員の安全研修の実施など、安全確保のための具体的な施策を計画的に実行しております。

 一方、当社はこれまで、人口減少や少子高齢化が進む中で、長期的に鉄道ネットワークの維持を図るため、ワンマン運転の実施など、経営の効率化を行いました。しかし、これは、安全を確保しつつ、サービスや利便性が低下しないように努めて、実行をしてまいりました。

 今後とも、上場の有無にかかわらず、安全を最優先にした経営に努めてまいります。

本村(伸)委員 安全を前提にするというお話でございました。

 もう一つお伺いしたいので、きょう、資料をお配りいたしました。

 資料の一番目、1と書いている資料は、JR九州の平成二十七年度事業計画でございます。ここを見ますと、一番最初に「事業運営の基本方針」、その次に「経営基盤の整備」、1として「輸送需要の創出及び確保」、2「営業活動の充実強化」ということが書かれております。その次のページ、三番目には「業務運営の効率化」、四番目に「コスト削減の推進」、五番目に「グループ会社の総合力強化」、六番目に「経営安定基金の運用」。そして、(2)として、やっと「輸送の安全の確保」、1「安全・安定輸送の確保」ということが出てまいります。

 この計画を見まして、私は何かに似ているなというふうに思いました。

 資料の、めくっていただきますと2というものが出てまいりますけれども、2をごらんいただきたいと思います。これは、JR西日本の二〇〇五年度の社長の方針です。最初に「稼ぐ」ということがあり、二番目に「目指す」安全安定輸送というのが出てくるわけでございます。こういう方針のもとで、安全投資を出し渋り、自動列車停止装置も設置せず、JRの西日本ですけれども、結局、福知山線の大惨事につながったわけでございます。

 当時、日本共産党の穀田恵二衆議院議員が指摘をしておりましたけれども、結局、JR西日本は、こうした方針を改めて、今では安全が第一ということで書かれているわけです。先ほどもJR北海道の社長さんも言われましたけれども、安全が第一で、ほかのJR各社は書かれているわけでございます。JR九州というのは、自動列車停止装置の設置割合もおくれているというふうに思います。

 メディアの取材に対して、青柳社長はこういうこともおっしゃっているわけです。「効率化を、地元の理解を得ながら、さらに進めます。担当者は「乾いた雑巾を絞るようなものですよ…」とこぼしますが、線路のメンテナンスの効率化など、できることはまだまだあるはずです。」ということをおっしゃったり、あるいは、「鉄道事業の赤字削減に努めますが、上場後はさらなる効率化が必要です。路線存廃に踏み込んだ議論も必要となるでしょう。」「どの路線を廃止の対象にするかを検討していきます。」ということも書かれているわけでございます。

 先ほどの答弁とちょっと違うというふうに思いますけれども、かなりこうした効率化を強調されて言われているわけです。

 事故前のJR西日本がそうであったように、株価を上げることが一番の目的になっているのではないか、利用者の皆さんの利益や住民の皆さんの利益と株主の利益をてんびんにかけたときに、社長のこの発言は、株主の利益が優先されているということになっているのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

青柳参考人 お答えいたします。

 安全に関しては、先ほども申し上げたとおりでございます。社員一人一人が安全の意識を高め、そして、いろいろなことに気づき、考え、行動するというのを我が社の社員全員で現在行っておりますので、先ほどのような心配につきましては、今後ともそういうことのないように頑張っていく所存であります。

 また、今後の九州の鉄道ネットワークの維持に関しても、鉄道事業を中核とする当社にとって重要な役割であると我々認識しております。上場によってその役割が変わるものではないと思っております。

 一つに、もちろん、維持のためには、効率化もこれまで三十年やってまいりました。これからも三十年続けるという意味で先ほどのようなことを申し上げましたが、それを少し曲解されて記事になっていると私は考えております。今後とも、そういった意味では企業活動として実施をしていく所存であります。

 また、一方で、この維持のためには、営業収益を上げるという努力も、先ほどから申し上げているとおり、これまで以上にやっていく所存でございます。

 そういった意味で、当社の発展は地域の発展があってこそあるものだという意味で、地域の皆さんと一緒になって、今後とも九州の鉄道のネットワークの維持に貢献していく所存でございます。

本村(伸)委員 利用者の不利益になるようなことはやめるべきだということを申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 次回は、来る十五日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十六分散会


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