衆議院

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第13号 平成27年6月3日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十七年六月三日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 今村 雅弘君

   理事 大西 英男君 理事 金子 恭之君

   理事 小島 敏文君 理事 坂井  学君

   理事 中村 裕之君 理事 伴野  豊君

   理事 井上 英孝君 理事 赤羽 一嘉君

      秋本 真利君    岩田 和親君

      うえの賢一郎君    鬼木  誠君

      門  博文君    神谷  昇君

      木内  均君    工藤 彰三君

      古賀  篤君    國場幸之助君

      佐田玄一郎君    斎藤 洋明君

      鈴木 馨祐君    鈴木 憲和君

      高木 宏壽君    津島  淳君

      野田 聖子君    福田 達夫君

      堀井  学君    前田 一男君

      宮内 秀樹君    宮澤 博行君

      山本 公一君    荒井  聰君

      神山 洋介君    小宮山泰子君

      田嶋  要君    松原  仁君

      宮崎 岳志君    本村賢太郎君

      足立 康史君    下地 幹郎君

      鈴木 義弘君    横山 博幸君

      北側 一雄君    中川 康洋君

      樋口 尚也君    穀田 恵二君

      本村 伸子君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣     北川イッセイ君

   国土交通大臣政務官   うえの賢一郎君

   国土交通大臣政務官    鈴木 馨祐君

   環境大臣政務官      福山  守君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           谷内  繁君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            木村 陽一君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            滝口 敬二君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  橋本 公博君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  田村明比古君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   鎌形 浩史君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月三日

 辞任         補欠選任

  今野 智博君     鬼木  誠君

  本村賢太郎君     田嶋  要君

  下地 幹郎君     鈴木 義弘君

同日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     福田 達夫君

  田嶋  要君     本村賢太郎君

  鈴木 義弘君     下地 幹郎君

同日

 辞任         補欠選任

  福田 達夫君     今野 智博君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案(内閣提出第五八号)


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     ――――◇―――――

今村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長滝口敬二君、住宅局長橋本公博君、航空局長田村明比古君、厚生労働省大臣官房審議官谷内繁君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長木村陽一君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長鎌形浩史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田嶋要君。

田嶋(要)委員 おはようございます。民主党の田嶋要でございます。

 きょうは、差しかえでこの委員会で御質問させていただく機会をいただきまして、委員長初め各委員の皆様に心から感謝申し上げます。どうもありがとうございます。

 それでは早速、太田大臣にお尋ねをいたします。

 実は、国土交通大臣に私は大変期待をいたしておりまして、きょうエネルギーの関係の質問ということでございますけれども、ぜひとも日本が世界に誇れる状況にさらに持っていっていただきたいという思いできょう私質問させていただきたいと思います。

 お手元の資料でお配りをいたしました一ページ、太田大臣の公明党さんの、少し前でございますけれども、こういった資料がございました。中身を拝読いたしますと、私どもの主張と非常に近い、重なっているものがたくさんございまして、原発の新規着工は認めない、原発寿命は原則四十年、しかも、「それよりも一年でも五年でも十年でも早く、」と大変強調していただいておりまして、私ども以上にそういった思いが伝わってくる、できるだけ前倒しにするということが書かれてございます。

 そして、右上の方のきょうの省エネ関連でございますが、これまで経済成長とエネルギー消費はほぼ比例、これを、経済成長してもエネルギー消費は増加させない。これも、私も本会議の方の討論で、いわゆるデカップリングなんという言い方もあるようでございますが、させていただきましたが、そのことも明確に書かれておりまして、そういう意味では、私どもの政党以上にそういった社会をつくるという決意があらわれているのかなと。そしてそのすぐ下に「例えば住宅」と、きょうの住宅に関しても付言をされておるわけでございます。

 そこで、大臣にまず最初にお尋ねしたいのは、つい先ごろ、政府から、いわゆるエネルギーミックス、電源構成そして温室効果ガス削減目標、こういった数値目標が発表されました。特に、この資料一との関係で申し上げると、エネルギー構成の中でも特に原発比率のこと、あるいは省エネのこと、そういったことに関して、あるいは温室効果ガスの削減、政府の削減目標に関して、大臣、内閣の一員として、どのような印象を持たれているか、御所見を賜りたいと思います。

太田国務大臣 エネルギーミックスにつきましては、昨年四月に閣議決定されたエネルギー基本計画の方針を踏まえまして、経済産業省の総合資源エネルギー調査会におきまして検討されているものと承知をしています。また、これは、徹底した省エネルギー、再生可能エネルギーの導入等を進めつつ、原発依存度を可能な限り低減させるという供給サイドの目標を具体化するものと認識をしています。

 一方、需要サイドを中心とした温室効果ガスの削減目標に関しましては、本年末のCOP21における全ての国が参加する新たな国際的な枠組みの採択に向けまして、我が国の考え方を取りまとめる必要がありました。

 これに関しましては、エネルギーミックスの整理を踏まえまして、昨日開催されました地球温暖化対策推進本部におきまして、二〇三〇年度における温室効果ガスの排出量を二〇一三年度比で二六%削減するという目標が取りまとめられたところでございます。

 いずれにしましても、我が国におけるCO2の総排出量のうち、全体の約五割を運輸、家庭、業務の三部門が占めておりまして、これらと関係の深い国土交通省としましても、目標達成に向けてCO2排出削減に貢献してまいる所存でございます。

田嶋(要)委員 特に気になりますのは、政党として原発に関する姿勢が明確に打ち出されておりますが、せんだっての政府の数字、二〇%から二二%を原発というのは、この資料の一に書かれております、新規着工なし、そして原則四十年だと実現できない数字ではないのかなというふうに思うわけでございます。そこに関しては、私は、大臣は大変お苦しい立場にあるのかなと拝察もするわけでございますが、大臣、その点、改めてどのようにお考えですか。政府の発表した二〇から二二の原発という点でございますが。

太田国務大臣 この公明党の方の資料、「原発ゼロの日本をつくる。」というのは、二〇一二年の衆議院選挙だったと思いますが、そこで書かれていることでございます。

 この原発依存度を下げるということについては、今、私は、内閣の一員として、昨年十二月の自公の連立政権の合意の中に、「徹底した省エネルギー・再生可能エネルギーの加速的な導入や火力発電の高効率化等の推進によって、可能な限り原発依存度を減らす。」というのが自公の連立政権合意でございまして、私としましては、この連立政権合意にのっとって、今、国交大臣という立場にございます。

 その国交大臣として、先ほど申し上げましたように、全体の約五割を運輸、家庭、業務の三部門が占めているということから、昨日決められました目標達成に向けてCO2排出削減に貢献していくというのが私の基本的な姿勢という立場でございます。

田嶋(要)委員 御党の思いは十分には反映されていないのかなというふうに私は思うわけでございます。

 いずれにいたしましても、資料の三でございます。大臣所管の今回のこの法律でございます建築物でございますが、私は、残念ながら建築物、ここが大きな問題だろうというふうに思っておるわけでございます。

 ごらんをいただきますと、いろいろな世界の先進国、義務というのがほとんど全ての国でございます。これは適合義務でございまして、届け出の義務の話ではございませんが、この表にある日本以外の全ての国々が、資料三でございますが、既に適合義務を持っております。

 ドイツなどは建築許可と連動ということで、今回の閣法では建築許可の連動を御提案していただいておるわけでございますが、改めて今回、副大臣に、今日までの建設部門の省エネの取り組みは、なぜほかの部門よりもかくもおくれてしまっているのか、そのことを御答弁いただきたいと思います。

北川副大臣 住宅・建築物部門の省エネ化につきましては、これまで省エネ法に基づきまして、中規模以上の建築物の届け出制度などの措置を講じてきたわけであります。しかしながら、御指摘のとおり、住宅・建築物部門のエネルギー消費量はほかの部門に比べまして増加しておる、こういう状況にあります。

 その理由としては、いろいろな理由があるわけですけれども、特にオフィスなんかが大変大型化しまして床面積が非常にふえた、あるいはまた、核家族化が進みまして世帯数の増加が著しいというようなこと、それから、何といいましても、建物の所有者、あるいはまた施工者、大工さん、そういう人たちに省エネに取り組む意欲というか、そういうものがなかなか醸成されていなかったということが考えられるというふうに思います。

 このような状況を改善するためには、これまでの自主的な努力を促す省エネ法の体系のもとでは限界がある、こういうことで、今回、大規模な建築物の省エネルギー基準への適合義務などの規制的措置に加えて、省エネルギー性能のすぐれた建築物に関しては容積率の緩和や省エネルギー性能の表示制度、省エネができている建物に対してはその表示ができる、そういう誘導的な制度というものを一体的に講じていくことを盛り込んだ今回の法案を提出させていただいた次第であります。

田嶋(要)委員 霞が関は余りほかの国の状況をウオッチしていないのかなと間々感じることがございまして、これも、ほかの国が今どういう取り組みをされているかということを把握していれば、こんな日本だけが義務化のないような状況が起きようがないと私は思うわけでございます。

 今回の法律の資料六をごらんください。

 改めて副大臣にお伺いしますけれども、この資料六の左側、今回、二千平米以上の非住宅に関して初めて適合基準を設けようとするわけでございますが、これはほかの分野よりもここが一番適合率が高いので今回義務化するというお話でございますけれども、私は、この二〇〇三年に届け出の義務化をしてからほどなく、すなわち二〇〇五年か二〇〇六年ぐらい、今から十年ぐらい前に今回のような義務化をしっかりと政府として取り組むべきだったというふうに思っています。

 時間は失われてしまいましたけれども、終わったことではありますけれども、改めて、こういう反省のもとに現在強い危機感を持ってこれから取り組んでいただきたいと思うんですが、そのような御評価は副大臣としてお持ちでしょうか。いかがですか。

北川副大臣 若干、今までの経過から説明をさせていただきたいと思います。

 これまで、建築物の省エネルギー性能の向上を図るために、平成十四年の省エネ法改正で、二千平米以上の建築物の届け出を義務化したわけであります。平成二十年の省エネ法改正で、届け出義務などの対象を三百平米以上の建築物に拡大をするなど、そういうような措置を講じてまいったわけです。

 しかしながら、さらなる省エネ化のための規制強化については、関係者の理解がなかなか得られにくい、時間を要しておるというようなことがあって、これではいかぬというようなことがあったんだと思いますが、平成二十二年、これは民主党政権のときでございますが、低炭素社会に向けた住まいと住まい方の推進会議を設置し、広く関係業界と意見交換を行って、適合義務化に向けた機運の醸成というものを図ってきたということであります。

 また、その後、法制的な検討が進みまして、関係業界の一定の理解を得ることができたために、今回、大規模な住宅以外の建築物に限って適合義務化を図るというような措置をしたいというふうに思っておるわけであります。

田嶋(要)委員 届け出の義務化ではなくて、やはりほかの先進国がこの間やってきたような適合義務化を本当に急がなきゃいけないというふうに改めて強調させていただきたいと思います。

 もちろん、今までのやり方になれ親しんでいる民間の方々からはいろいろな反対の声もございます。だからこそ、業界、いろいろな方々、一人親方の方や、大工さんですか、あるいはリフォーム会社、いろいろなところとの対話を丁寧にすることによって、しかし、こういう方向にしていかなきゃいけないんだという今のエネルギー制約の重要性をぜひこれからも強調していただいて、私は非常に遅かったと思っておりますが、二度とこういうことを今後しないようにしていただきたいと思います。

 大臣にお伺いいたします。

 私は、日本がなぜ突出して新築のマーケットが、九十八万棟ぐらいですか、非常に大きい。そして、ドイツなどは、もう既に相当昔からリフォーム中心の建築産業にシフトをしてきている。こういう状況を受けとめますと、日本だけがそうじゃないというのはやはり非常に不思議な感じがいたします。そして、断熱性の非常に低いものがたくさん流通しているような現状があります。

 今後でございますが、今回、そういう意味でこの閣法も提出されておると思うんですが、やはり新築に関しては量よりも質を重視していく。そして、スクラップ・ビルドみたいなことではなくて、やはりストックを大事にしていく社会。これは国土交通省からの資料でネットに上がっておりましたのでつけましたけれども、資料の五ですね。私の思いが、こういった資料にちゃんと国土交通省も反映されております。

 大臣、こうした新たな産業、特にリフォーム中心の社会、そしてストックを大事にしていく住宅あるいは非住宅の社会、そういったことをつくっていくんだという決意を、改めて大臣から頂戴したいと思います。

太田国務大臣 日本は新築という志向がありまして、家を持ちたいという若い人たちがまず一次取得をしてという流れにあったことは事実だと思います。それはそれとしまして、中古市場、既存ストックのリフォーム重視ということに軌道修正という委員の御指摘は、私は全くそのとおりであるというふうに思います。

 私は、良質で安全で安穏な、過ごしやすいという、そうした住宅を提供するということが、そしてそれがスマート住宅になり、スマートシティーを形成するという方向性に我が国を持っていかなくちゃいけないと思いますが、その中で、新築のみに限らず、中古住宅の質の向上と、そして適切な評価という、この二つを軸にして中古市場の活性化を図るということ、そして、百年あるいは二百年住宅といいますが、優良な住宅を志向するということがこれから極めて重要なことだ、このように認識をしております。

田嶋(要)委員 ぜひ、これからでも、そういった思いでスピードアップをしていただきたいと思いますが、ただ、先ほど申したとおり、割と民間の現場は強化に対する抵抗も強いということを聞いております。

 おつけした資料の七でございますが、つい先日の日経新聞、職人不足解消に育成本腰ということで、やはりこういった意味で、スキルのアップということがこれから最重要になってこようか。省エネ、省エネといったって、スキルがないということでは現場が困ってしまうわけでございますが、そこら辺、本当に限られた時間の中で大丈夫か。二〇二〇年を目がけてあと五年しかございません。

 これだけ後塵を拝している日本の建築の分野における断熱性能、あるいは省エネ性能を高めていく、そのことが本当にできるのか。どのようにそういったことを強化して実行していくのか。そこのところを副大臣から御答弁いただきたいと思います。

北川副大臣 今、田嶋委員の方からスキルアップという話がありました。まさしくこのことが非常に大事だろう、こういうように思います。

 適合義務化につきましては、これはもう費用対効果、義務化のための効果がどういうように出てくるのか、あるいはまた省エネ化の負担、この費用対効果をしっかりやはり理解をしていただくということが非常に大事だろうと思います。それから技術力。大工さんだとか工務店などの技術力が果たしてついていけるのかどうか。あるいはまた、関係者の理解、これはもう大工さんあるいは工務店も含めての関係者の理解というものが非常に重要であるというように考えております。

 今回、義務化の対象としたのは、大規模な非住宅建築物についてということであります。省エネ化が既に相当この部分では進んでおるというように思います。追加的な費用が非常に小さい費用でいけるだろう、こういう見通し。それから、エネルギー消費量としては新築着工全体の三分の一をカバーするなど、一定の効果が期待できるということも考えられます。

 そういうような理由から、まずはこれを対象にして、今後の規制のあり方については、適合状況の推移を見つつ、さきに述べた観点を踏まえながら検討を進めてまいりたいというように考えております。

田嶋(要)委員 大臣もお気に入りだと聞いておりますが、冨山さんという方のGとLの経済分析、私も非常に興味を持って何度も読んでおりますけれども、まさにこれはLの産業にとって、このリフォーム業界を活性化していくというのは大変重要なことだと思います。

 そういう意味で、中小企業、小規模企業の新たなビジネスチャンスを広げていくという意味でも、ここをとにかくスピードアップしていただかないとエネルギー制約も解消されていきませんし、ぜひお力を発揮していただきたいというふうに考えております。

 次の質問に参りますが、そこで、今も規制を徐々に強化というお話がございました。今回は二千平米以上の非住宅ということで、それを第一弾として、片や政府の大きな方針として二〇二〇年までに段階的にということでございますが、その詳細は余りはっきりとしていない。

 改めて確認させていただきますが、いろいろな区分けがあります。住宅か非住宅か、平米数が大きいか小さいか、あるいは分譲か賃貸か、そして公共建物か非公共か、それから新築か既存、人が住んでいる既存か、それが売りに出されている中古か、こういういろいろな区分けがあろうかと思いますが、二〇二〇年には基本的に全て、いわゆる基準達成の義務化を果たしていく、言ってみればドイツと同じような水準を目指すんだという理解でよろしいですか、大臣。

北川副大臣 ちょっと私の答弁と関連しますのでお答えさせていただきたいというふうに思います。

 二十六年四月の閣議決定のときの決定なんですが、ここには、おっしゃるとおり、二〇二〇年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化する、こういうことで書かれております。

 その前に、規制の必要性や程度、バランスなどを十分に勘案しながらということが書かれておるわけでございまして、先ほど来、規制の強化について、建築主とかあるいは所有者の理解を得てとか、いろいろなことを言っておりますけれども、これもやはりバランスを十分に勘案しなければいけない、その必要性、程度というものをしっかりと検証していかなければいけない、こういうことであろうというふうに思います。

 規制強化につきましては、先ほど来言っておりますように、規制による費用の負担と効果のバランス、規制の必要性に対する国民の理解、それから、建築主などの申請者側と審査側の体制整備の状況などを総合的に勘案しながら進めることが非常に重要であるというように思っています。

 このような観点から検討を行った結果、今回は、大規模な住宅以外の建築物について適合義務化を図るということにしたわけでございます。

太田国務大臣 私が先ほども申しましたが、良質で安全で安穏な住居ということを目標にしてスマート住宅、スマートシティーを目指すということが住宅政策で大事だというふうに思っておりまして、その良質とか安穏という中に省エネというものが入るんだというふうに思います。

 そうした方向性を私は進めていきたいと強く思っているところでありますが、今後の時系列における規制のあり方については、適合状況の推移を見ながら、さきに述べた、副大臣から答弁がありました観点を踏まえて検討を進めていきたい、このように思っております。

田嶋(要)委員 大きな目指す方向はおっしゃるとおりだと思うんですが、少し物足りないのは、二〇二〇年という中期目標があって、今回の閣法はそれに対する第一歩として、非住宅だけよ、新規の二千平米以上だけだよということでございます。やはりエネルギー制約、そして過去の大変おくれてしまった日本の住宅分野の断熱、省エネということに関して、ここから二度とそういうことが繰り返されないように、しっかりとしたプログラムを持って二〇二〇年まで到達していただきたい。

 だからこそ、先ほど申し上げたいろいろな区分けがございますけれども、今のお話だと新築だけですね。では、新築に限って言えば、住宅、非住宅、平米数の大小関係なく、そして、分譲か賃貸かも関係なく、公共的建物か非公共か、そういうことも関係なく、すべからく、今回の非住宅の二千平米以上のような、そういう規制基準に対する適合義務を課していくんだということでよろしいですか。

太田国務大臣 今回の法律で定めた二千平米以上のところという、まず適合状況の推移を見ながら、全体はそうした規制でやるかどうかということもあるんですけれども、私は適合状況の推移を見ながら検討を進めるということだと思います。

田嶋(要)委員 もう一歩踏み込んでいただいて、できれば、ほかの分野でやったことがございますプログラム法のようなことで、今回のこの閣法の附則の中に、二〇二〇年までは、第一ステップは今回のこれ、第二ステップはこれ、第三ステップはこれということで、段階を踏んでいただかないと、今回の閣法の施行は一七年なんですね。四年しかない話をしているんです。一七、一八、一九、二〇、たった四年の中で、それだけ大きな目標に向かっての第一歩がこれですから、ここのことしか今はっきりしない。

 むしろ、市場との対話ということを考えたときに、政府の決意を今から明確にした方が市場側の準備も整うし、そして、研修をそろそろ俺も受けるしかないかなというふうに腹をくくって勉強しようという環境をつくっていくためには、私はその方がよほどいいのではないかというふうに思いますが、大臣、そういうプログラム規定のようなことは考えておられませんか。

太田国務大臣 まずは、今回、ここでスタートをさせていただいて、そして、良質な住宅ということが極めて大事だという大きな流れをしっかりつくっていきたい、このように思っています。

田嶋(要)委員 それ以上おっしゃっていただけないようでございますので、次の資料の八をごらんいただきたいと思います。

 委員の皆さんも、この分野に関してよく指摘をされる点でございますので、御存じの方が多いと思いますが、今回の義務化に関しまして、やはり、日本のこれまでのやってきたことで一番足りなかった部分、これは断熱性ということでございます。

 例えば、資料八の左上でございますが、壁の厚さ、断熱性は、ドイツに比べてこういう状況にある。そして、もう一つは窓ですね、開口部、これが非常に劣っている。このU値というのが大きければ大きいほど断熱性能が劣っているということで、そういう状況がずっと続いているということでよく指摘を受けるわけでございますが、今回、住宅に関して、いわゆる届け出の義務化をするわけでございます。

 これは届け出にとどまるわけでございますが、一次エネルギーの消費量に加えて、こういった断熱性能を高めていく外皮性能でも基準値を定めるということでよろしいですか。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 住宅につきましては、暖房エネルギー消費量の占める割合が非常に大きいということから、断熱性能を高めることでエネルギー消費量を効果的に削減することができます。

 このため、住宅の基準につきましては、御指摘のとおり、一次エネルギー消費量基準に加えて、外壁、窓等の断熱基準への適合も求める方向で考えたいと思っております。

田嶋(要)委員 そこはぜひ押さえていただきたいというふうに思います。

 それともう一点、この断熱に関しては、賃貸住宅に関する御指摘をよくいただきます。賃貸住宅は一体何が違うのかということでございますが、住む人と建てる人が違うということでございまして、ある意味、断熱性能なんかには余り無頓着に賃貸のアパート等ができている可能性がある。

 一つの極端な例でございますが、エネルギー会社の子会社が賃貸住宅を建てている、断熱性が低い方がふだんのエネルギー消費が上がってしまうということでございまして、皮肉なこともひょっとしたら起きているのかもしれません。

 先ほど申し上げたとおり、最初にしっかり断熱性を高めれば、そこでコストがかかるけれども、その後の生活におけるランニングコストが下がるというトレードオフがあるわけでございますので、残念ながら賃貸に関してはそうしたマーケットができ上がってしまっているのではないか。すなわち、余り断熱性がしっかりしていない。

 そこで、今回も、特に賃貸住宅に関しては、こういったものを義務化していく方がいいのではないかという声をたくさんいただいておりますが、大臣、その点はどのようにお考えですか。

太田国務大臣 私、外断熱工法について恐らく議員では一番最初に取り組んできた一人で、現場にも行ったり、冬に行って、夏に行って、結露がないとか、本当に過ごしやすいというようなことも実感をしてきましたし、そういうマンション、賃貸ということでも、私は現場に行って見てきました。

 そこが非常にいいということについて私は申し上げているわけですが、しかし、我が国の賃貸住宅につきましては、平均床面積が小さいこと、断熱性やバリアフリー対応、遮音性などの性能が低いことなどから、そもそも持ち家と比べて居住水準が低い状況にあります。このため、適正な家賃水準を保ちながら、いかに持ち家と同等の居住水準に引き上げていくかが住宅政策上の課題だと思います。

 このような中で、賃貸住宅につきまして、省エネ基準への適合を義務化した場合は、家賃が上昇し、所有者にも借家人にも大きな負担になるおそれがある。このため、今回は適合義務化を見送ったところでございますが、それが長期にわたってよく見れば、いろいろなものでこれの方が得なんだということも含めて、よく世論に訴えかけていくという努力は私は必要なことだというふうに思います。

田嶋(要)委員 ありがとうございます。

 最後に大臣に御指摘いただきました、世論にどう訴えかけていくか、大事なところが、そうなってくると、俗に言う見える化だというふうに思います。

 どのところに住もうかという方は今は何も見えませんから家賃だけで判断するわけでありますが、六万円の家賃の部屋より七万円の家賃の方が五年住めばうんと安く上がるという可能性が今は十分にある。

 そこで最後の質問でございますが、住宅のエネルギー性能の見える化について、これは本当に大事だと思います。ここを車や家電とよく比較されますが、燃費、そういうことを見せている。家電に関しても、省エネの性能がちゃんと見えるように、一時間使うとどれだけの電力消費があるか。なぜ住宅ではそういった発想が具体的には実現してこなかったのか、そして、今回はどのような規定を設けていこうと考えておるのか、その点に関して両方お答えをいただきたいと思います。

太田国務大臣 私は、耐震工学を出まして、耐震ということについて随分主張してきたんですが、東日本大震災とかそういうものがあって初めて、世の中の人が、宅建業者のところに行って、この建物の耐震はどうですかというようなことを一番気にするというようになったというふうに思います。

 断熱あるいは省エネあるいはまたゼロエネ住宅ということを志向する場合に、今先生がおっしゃったように、それが一体どうなのかという表示を示していくということは私は大事なことだというふうに思います。

 まさに省エネルギー性能に関する情報が提供されるということが大事で、このため、本法案におきましては、建築物の販売または賃貸を行う事業者に対しまして、省エネ性能の表示の努力義務を規定しました。これが適切に運用されるよう、国土交通省としても、ガイドラインの策定などにより、関係業界や国民に対して積極的に周知をしていきたいというふうに思っています。

 先生からいうと、努力義務じゃ足りないときっとおっしゃると思いますけれども、ここは努力義務を課して、その上で、私たちとしては、関係業界、国民に積極的に周知をするということを申し上げておきたいというふうに思います。

田嶋(要)委員 私も、努力義務の方が民主的な感じはするわけでございますが、過去の二千平米非住宅が、やはり今から振り返れば、およそ九年から十年、義務化をするタイミングを逸したんじゃないかというふうに思っております。誰もそんな義務づけられるのは気持ちいいものではありませんけれども、やはりほかの先進国がこれだけ危機感を持ってエネルギーのことを考えているんだから、日本が、これから二〇二〇年に向けて、やはり市場との対話そして教育ということが極めて大事だと思いますが、しっかりとこのレベルを加速的に上げていただく努力を、この見える化の面も含めてお願いをしたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 以上で終わります。ありがとうございました。

今村委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 本日、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案に対し、質疑をさせていただきます。

 この法律の目的においては、一九七三年、昭和四十八年の第一次オイルショックを契機に、化石燃料を初めとするエネルギーの使用量が大きな政策課題となり、昭和五十四年、エネルギーの使用の合理化等に関する法律、いわゆる省エネ法が成立をいたしました。

 最近では、エネルギーの消費四部門、産業、運輸、業務そのほかの部門、家庭部門のうち、近年、産業部門、運輸部門が、省エネルギーへの取り組みの進展により減少傾向を示すところまでまいりました。しかし、その一方で、業務そのほかの部門と家庭部門を合わせた建築物関連の消費量は、エネルギー消費全体に占める比率も三割を超える、これは二〇一三年度のデータではございますが、そこまで増加をしているところでもあります。

 この法律は、大規模非住宅の建築物のエネルギー消費性能基準への適合を図る、建築物の省エネ性能の向上に特化した新法であります。この点に関しましては、大変新しい発想でもあり、また国交省の意欲というものも感じるところでもございます。立法の背景には、地球温暖化、温室効果ガスの抑制、削減が喫緊の課題となっている社会経済情勢もあると考えております。

 本法律案の目的について、第一条で「国民経済の健全な発展と国民生活の安定向上に寄与することを目的とする。」とありますが、地球温暖化対策についての言及や、自然との共生を目指し、国民の健康な居住環境を確保するといった人体にとって健康な住宅、健康な建築物を目指すような表現は用いておりません。

 そこで、大臣に質問させていただきます。

 本法律案の目的について、地球温暖化対策や健康などの文言が入っていないが、その重要性について大臣の認識をお伺いしたいと思います。また、今後つくられる基本方針等で入れることが望ましいと考えますが、御見解をお聞かせください。

太田国務大臣 この法案は、その直接の目的が、東日本大震災以降より一層顕著となった我が国のエネルギー需給構造の脆弱性を改善するということにございます。

 私たちが考えております国交省の住宅というものは、先ほども申し上げましたが、良質で安全で安穏なスマート住宅ということを目指そうとしております。この趣旨からいきまして、この法案の目的規定には、エネルギーをめぐる燃料資源の有効な利用の確保等を目的とする省エネ法と相まって、建築物の省エネ性能の向上を図る旨を記述しております。

 その一方で、建築物の省エネ性能の向上は、その結果として、地球温暖化など環境悪化の軽減や国民の健康な居住環境の確保などにも資すると認識をしています。

 したがって、例えば本法案に基づいて国交大臣が定めます基本方針の中で、御指摘のように、地球温暖化対策や健康な居住環境の確保というのを位置づける方向で検討させていただきます。

小宮山委員 ぜひ位置づけていただき、快適な居住空間、または活動空間というものができる建築物に寄与していただける法律の施行にしていただきたいと思います。

 現行の省エネ法では、建築主等の省エネ措置の判断基準を示し、また、省エネ措置について、対象規模の建築物での新築や増改築、大規模修繕時に届け出の義務と、著しく不十分な内容である場合の措置が定められているにとどまっております。対して本法案では、政令で定めることとされている特定建築物の新築、増築、改築については、建築物のエネルギー消費性能基準への適合が義務づけされるなど、規制内容が強化されています。

 政令で示される特定建築物については、床面積二千平方メートル以上の非住宅建築物が予定されております。また、文化財を再現する建築物等省エネ化が困難な建築物、災害時の仮設建築物等存続期間が短い建築物、屋外駐車場、畜舎等については適用除外とすることも政令で定められる予定になっております。

 社寺仏閣やお城などの建築物では壁などを設けられないものも多く、断熱は考えにくい。また、今後新築する際にも耐震化は必要と考えますが、断熱などによる省エネルギー性能とは相入れない面がございます。

 また、百年後、二百年後の文化財として認められる伝統的構法等による建築物を新築し、建築技術も含め、後世に引き継ぐことも必要かと考えています。日本の伝統的構法と蓄積された技術の活用は、当然、建築可能であるべきと考えます。多くの技術者、技能者の中に、今後の技術継承を含めて、心配が今回の法案提出において起こっているのも事実でございます。

 本法案に基づく規制が、神社仏閣やお城のような建築物について新築、補修、改修を行おうとする際、支障となることなく今後とも行うことができるかどうか、確認をしたいと思います。

 また、省エネルギー化が困難な構造方法、建築材料を使用する建築物等、または文化財を再現する建築物等においては基準適用除外とされることとなるのか、重ねて確認をしたいと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 既存の建築物において本法案の適合義務化の対象となる建築工事は、一定規模の床面積増加を伴う増築及び改築でございまして、まず、修繕や模様がえ等の工事は対象外でございます。

 さらに、本法案における適合義務化に当たりまして、文化財であった建築物を再現する場合など、他の法令の規制等により省エネ基準に適合することが困難な建築物につきましては、現在の省エネ法における届け出手続と同様に、適用除外とすることとしております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 大臣は参議院本会議があるということで出られるということもございますので、順番をちょっと変えさせていただき、通告の順番と変わりますが、大臣に対して二問、質問させていただきたいと思います。

 この後、質問する予定になっておりますが、小規模工務店への対応について大臣の御見解をまずお聞きしておきたいと思います。

 今回は、大規模非住宅建築物に対してのエネルギー消費性能基準適合義務化にとどまっておりますが、エネルギー基本計画第四次計画、平成二十六年四月閣議決定、また、日本再興戦略、これは平成二十五年の六月の閣議決定です。同じく日本再興戦略改訂二〇一四によって、二〇二〇年までに新築住宅・建築物について省エネルギー基準の適合を義務化することが閣議決定になっております。先ほども質問の中にもございました。

 また、今後、さまざまな建築物の形態や使用され方などにも配慮しつつ、除外するものなども定めながら、基本的には、新築住宅や建築物についても段階的に省エネルギー基準の適合を義務化する方向に向かうと考えております。基準適合義務の拡大を行っていくに当たっては、小規模工務店への対応が極めて重要だと考えております。この点に関しまして、ぜひ国土交通大臣の御所見をお聞かせください。

太田国務大臣 一般国民が建築主であり、中小工務店、大工さんが供給の大宗を担う戸建て住宅の省エネルギー性能の向上のためには、需要と供給の両面の対策が重要だというふうに思います。

 需要側であります国民に対しては、省エネルギー化による光熱費の削減ができること、あるいは健康増進の効果などの意義、非常に穏やかな建物になるというようなこと、こうしたことの理解を深めてもらうとともに、融資やあるいは税制、補助、こうしたことの支援によって省エネ性能の高い住宅を選びやすい環境をつくっていくということが大事なことだと思います。

 供給側である中小工務店、大工さんというのは、自分の持っている腕というものが確かにあるわけでありますが、断熱施工の技術講習の実施をする、あるいは地域の事業者のグループによる省エネルギー性能の高い住宅の建設への補助をする、こうしたことで技術力向上を図ります。

 小宮山先生の地元の建設会社と話をしたり、現場に行ったことがありますが、地下は非常に空気が冷えているということがあって、それを風によって循環させていくという木造住宅というようなことを、大変技術水準を上げようとして努力をしていて、昔のたくみのわざに近いような、そうした中小工務店ならではというような知恵が出ているということも大事で、私は、そうした知恵が出るようにということをしっかりバックアップしていく。

 そして、誇りを持って中小工務店が、こうした省エネ性能の高いものを、単に太陽光をつけたり外断熱というだけでない、いろいろな工夫ができると思いますので、そうしたことを応援する体制をむしろつくる。あなたたちもこの仕事をしなさいよという規制の中で命令をかけるみたいなことよりも、工夫したということをもっともっとバックアップするというような支援の仕方というのが大事だというふうに思っています。

小宮山委員 大変心強いお言葉をありがとうございます。

 後ほど、本当を言えば、できればJIAの判定プログラム結果を説明してからお答えいただきたかったんですが。

 今も大臣の方から、たくみのわざ、そういったものを応援する、そして、この分野においてもそういった地元の工務店などが参画できるような形で御支援いただける、またそういった検討を深めていただけるという思いがあると思います。

 その中でも、改めて、伝統的木造住宅、二十年に一度の伊勢神宮の式年遷宮や六十年に一度の出雲大社、これらは、社殿を守るとともに、技能、構法の伝承という大きな意味合いもあるそうです。それにあわせて、材料となる木材を数百年にわたり育てるという、日本の歴史、文化、伝統、さまざまなものが詰まったのが伝統的構法だというふうに私は考えております。

 今後、住宅に基準適合義務を拡大するに当たっては、伝統的木造住宅への対応が重要とも考えております。国交省においては大規模木造建築物の燃焼実験も実施されました。木造建築物の可能性を広げてきたのも国交省でもあります。さらには、木材は、再生可能な資源であり、建築材の製造過程も含めると低エネルギー建築でもございます。

 改めて伺います。伝統的木造住宅の振興や、技能、技術、構法の伝承、発展に対しての大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

太田国務大臣 今も少し答弁申し上げたんですが、小宮山先生には、木造家屋ということでずっとかかわっていただいて、御支援をいただいています。

 火に弱いということについて実験をしたりしておりますし、CLTということについても応援をいただいておりますが、さらにそこは進めていきたいと思います。

 式年遷宮のお話が出ましたけれども、あれは、今のたくみのわざを二十年後の人に伝承する期間というものが得られるという、たくみのわざが伝承されて、その後の若手が次のものをつくる、そういう伝統の継承期間という、なかなかの日本の培ってきた伝統であり、わざであろうというふうに思っています。

 伝統的住宅に住んでいる人たちが地域の気候、風土に適したエネルギー消費の少ないものにするということ、そして、伝統的木造住宅とそこにおける生活が省エネルギーの観点からもどのように評価されるかについて、実際の住まい方も踏まえまして、伝統の継承とか省エネ対策とか、双方の課題に対応できるように、今後、評価方法や技術開発、伝統技能の継承などに幅広く取り組み、検討していきたい、このように強く思っています。

小宮山委員 大臣、ありがとうございます。

 どうぞ参議院の方にお向かいいただいて。追い出すわけではないんですが、おくれないでいただければと思いますので、どうぞ気をつけて行ってきていただければと思います。

 さて、質問の方をもとに戻させていただきます。

 今大臣もありましたけれども、伝統的方法、こちらの方に関しては、私も今回、木の家ネットに所属されている綾部工務店さんの方から、JIA、日本建築家協会の環境会議、環境行動ラボワーキンググループの伝統的工法の住まいリサーチユニットによる調査結果というのを頂戴いたしました。これは皆様方のお手元にお配りさせていただいております資料でございます。

 これを見て、なかなか木造住宅など、また、高断熱、高気密がいいという全体の流れの中からは一線を画したようなデータが出てまいりました。

 現在は、調湿や触感などは低い評価しか出てこないんだというようなことも伺いましたし、また、地域の資源、技術、文化に配慮した伝統的木造建物というものは、地域経済にも結果として寄与するということも大変実感をしているところでもございます。

 このようなものが、ある意味、高断熱の方が上だというような雰囲気、また、それが一番の解決策であるというところだけで本当にいいのかというのも疑問に思うところではあります。もちろん、建築物の耐震化を考えるときには、木造住宅、従来工法、さらには、いわゆる伝統的構法での建築が選択し得る、設計し得るように、構造計算のあり方をどうするかなど、さまざまな議論を国交省でも重ねてきたと思います。

 建築物、特に戸建ての住宅について、省エネルギー化を考え、将来の基準適合化を検討する場合に、やはり伝統的構法による住宅建築も選択肢に入るべきと考えております。

 例えば、今提出してありますけれども、見ながら聞いていただければと思いますが、木造で土壁の住宅を新築しようとした場合、土壁は壁材に用いることはできるものの、省エネ性能の判定プログラム上での計算時には、断熱材十センチ相当等としての計算となりません。エネルギー性能の低い建築物という計算が結果として出てまいります。

 配付資料で見ますと、赤い線で囲った左側のデータをごらんいただければと思います。省エネ基準が百十九・一メガジュール規模の住宅において、土壁での判定プログラム上での計算結果は二百六十四・一メガジュールと、基準の二・二倍ものエネルギー消費をする家との計算になっております。

 ところが、実際に新築されたこの家に一年を通じて居住し、電気、ガスなどの消費量を計算した結果は、六十二・八メガジュールしか消費していませんでした。これは、実測値は基準の〇・五二倍ということで、熱を使う率としては大変低くなっている。これは、暑さ寒さも我慢をしてはかったというわけではございません。内陸の数値でございますので、暑いときは本当に暑いですが、それでも問題なく過ごせるということ。

 また、この家は吹き抜けの居室があり、判定プログラムの計算結果が大きな数字として出やすいという事情もあるそうですけれども、右側のデータをごらんいただければと思います。

 これはまた別の家でありますが、吹き抜けのない土壁の住宅についてのデータがとられております。省エネ基準が八十七・七メガジュール、計算結果が百九・七メガジュールであったのに対して、一年間の実測値は四十五・四メガジュールと大変低い数値が出されました。

 どのような暮らし方をするか、どのような室温のもとで過ごすのが快適と感じるのか、それは個々人で違いもあります。ちなみに、左側はエアコンは入っておりますが、右側の先ほど言った大変低い数値が出たところは、エアコンも入れていないで過ごされているということであります。

 断熱による省エネ性能の追求は、世界各国で当然のように行われることと思いますが、夏の湿度が高い日本では、室温に着目するだけではない快適性の感じ方、指標というものが求められているのではないでしょうか。

 例えば土壁の採用など、現在の判定プログラムでは省エネ性能が劣るとされてしまいがちですけれども、吸湿性などにたけて、快適に感じる居住空間につながるとも伺っております。

 お風呂場や、その前室や、トイレの中といったところにおいて、急激な温度差が生じないようにするのは必要だと思いますが、建物の中全てが横並びの基準を求めなければならないかなど、住まい方というもの、建て方というものにもいろいろな多くの疑問や課題が残っていると考えております。

 四季折々の気候変化のある日本。住まい方についても、その時々、気候変化を感じながら、気候の変化を楽しみながら暮らしてきたという、これこそまさに日本人が暮らしてきた、自然とともに生きてきたというものであり、それを体現するものが伝統的木造住宅、日本家屋であります。日本家屋を計算上の省エネ性能に劣るものとしてしまうのではなく、改めて評価する姿勢もぜひおとりいただければと思います。

 今後、住宅、特に戸建て住宅への適合義務化を拡大していくに当たっては、伝統的木造住宅・建築物に用いられる伝統的構法や、土壁や大きな開口部の設置等についても適切に評価していく必要があると考えております。

 この点について、国土交通省としての御見解をよろしくお願いいたします。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 土塗り壁工法など、地域の伝統的な構法、材料を用いる伝統的木造住宅につきましては、地域の気候風土を踏まえた住まいづくりの観点から、継承されていくべきものであると認識をしています。

 確かに、すき間が完全に塞ぎ切れない土塗り壁や、縁側などの大きな開口部がある伝統的な木造住宅は、高気密、高断熱の住宅とは言えませんが、一方で、これらの住宅にお住まいの方の生活ぶりは、地域の気候風土に適した、エネルギー消費の少ないものとの調査結果が複数あることは我々も承知をしております。

 したがいまして、先ほど大臣からの答弁にもございましたけれども、伝統的木造住宅とそこにおける生活が省エネルギーの観点からどのように評価されるべきかにつきまして、実際のお住まいの方の状況も踏まえて、伝統の継承と省エネルギー対策、双方の課題に対応できるように評価方法等を検討してまいりたいと考えております。

小宮山委員 ぜひ評価方法の検討を早急にしていただきたいと思います。

 また、建築物のエネルギー消費性能を向上させる技術や建材は日々進歩していると考えております。現状では断熱化が建築物の省エネ化において主な着眼点となっておりますが、今後は、注目され始めている遮熱材の活用など、本法案が成立、施行後に確立、普及される新技術についても早期に反映されていく必要があると考えます。

 その点に関しまして、建築物のエネルギー消費性能を向上させる新しい技術や材料の導入に対してはどのように対応していくのかも、あわせて国交省から伺いたいと思います。

橋本政府参考人 本法案におきましては、現行省エネ基準上位置づけられていない新技術を用いた建築物につきましては、国土交通大臣が、性能評価機関の試験、評価結果を踏まえて、基準と同等以上の性能を有することについて個別に認定する制度を創設することとしております。

 このような個別のケースの評価を積み重ねた上で、将来的に技術的知見が蓄積され、定型化された評価手法が確立された段階で省エネ基準に反映させることで、新技術や材料等の導入の円滑化を図ってまいる所存でございます。

小宮山委員 ありがとうございます。新技術などが円滑に導入されるということであります。

 本法律案の第二十三条から二十六条の規定により、特殊な構造や設備を用いる建築物について、国土交通大臣が認定を行い、その旨を建築が行われる場所を所管する所管行政庁に遅滞なく通知することとされています。さらに、認定を受けた建築物では基準適合をしたものとみなすこととされております。この規定により、新しい技術や材料の使用についても認定申請が可能との説明も受けたところでもございますし、今局長からの答弁にあったとおりでもありますので、ぜひこの点に関しましても、随時認定をしていただいて、より快適な空間をつくる、その法律になるようにしていただければと思っております。

 さて、そのためにもですし、また、伝統的木造建築物、構法などを生かすためにも、さきに示したJIA、日本建築家協会で行われたような実際のエネルギー消費データの収集、蓄積、分析をより広範囲に、さまざまなタイプの住宅についても測定していくことによって、居住によるエネルギー消費性能についてより多くの知見を得ることができると考えます。建築物、とりわけ住宅についての省エネルギー、低エネルギーの取り組みに役立てられるのではないかと思います。

 調査の実施や実施主体への調査に対しての支援制度などを設けることで、真にエネルギー消費性能の向上を推進する技術、技法の向上につながると考えます。そこで、国交省がこの法案をつくった意義がより深まるんだと確信をしています。

 この点に関しましても、ぜひ国交省からの御見解、支援のあり方など、お聞かせいただければと思います。

橋本政府参考人 国土交通省におきましては、補助事業として、例えば、寒冷地、温暖地など地域ごとに導入されている暖冷房設備の使用状況であるとか、あるいは東日本、西日本において標準的に設置されている給湯設備の使用状況、あるいは平均的な世帯におけるエネルギー使用量などの実態調査を補助事業として行っておりまして、これは例えば平成二十五年の省エネルギー基準の策定等にも反映をさせておるところでございます。

 今後とも、直轄の調査あるいは補助調査を使いましてさまざまなデータを集めて、基準の見直し等、省エネルギー施策に反映をしてまいる所存でございます。

小宮山委員 問いを戻ります。大臣の関係で飛ばしたところであります。

 今回、大規模なもの、そういったものの例としては、やはりマンションとかそういった集合住宅が本来入るべきだったのではないかと考えるところではあります。

 ですけれども、現実として、全国のマンションストックは、二〇一二年度末のデータでありますけれども、五百九十万戸、このうち一九八一年六月以前に建築された旧耐震マンションは百六万戸、さらに、一九七一年四月以前に建設された旧旧耐震マンションは十八万戸もまだ存在するというデータを拝見いたしました。

 こういったところは、当然さまざまな機能というものも下がっているでしょうし、まずは耐震化やリノベーション、建てかえというものも必要かと思います。しかし、この中で、断熱なども含め向上することによって、快適な空間、そして省エネルギーという全体の流れというものを確保できるんだとも考えております。

 そこで、新築時の基準適合推進とともに、既存建築物、特に既存集合住宅等での省エネ基準への適合を促す支援措置が必要ではないかと考えますが、住宅減税などインセンティブを与える政策推進が求められると思いますが、国交省の見解をお聞かせください。

橋本政府参考人 本法案におきましては、集合住宅を含む既存の建築物が省エネ基準に適合している場合、あるいはリフォーム等を行って省エネ基準に適合させた場合には、行政庁の認定を受けることにより、その旨を広告等で表示できる仕組みを創設いたしました。

 この仕組みを活用していただいて、省エネ基準に適合する建築物が市場で高く評価をされる、そういう市場環境を形成することで、これらの建築物の資産価値の向上が図られることがまず期待をされます。

 加えて、省エネ改修に対する一般的な支援措置といたしましては、省エネ住宅ポイント制度、あるいは住宅金融支援機構による省エネ賃貸住宅リフォーム融資、あるいは住宅の省エネルギー改修工事を行った場合の所得税、固定資産税の軽減など、財政上、金融上、税制上の措置を通じて、既存の集合住宅の省エネ性能の向上を推進してまいる所存でございます。

小宮山委員 全ての建物において、省エネルギー、また低エネルギーという観点も含めて進められることによって、日本は温暖化を防止するさまざまなことに寄与し、また時には地域経済にも寄与する、そういったことにつながることを願っております。

 さて、最後になりますが、少々苦言を呈しなければなりません、パブリックコメントについてでございます。

 本案に関する社会資本整備審議会のパブリックコメントは、期間も短く、また年始年末にかかり、的確に国民の意見を聴取するには適切ではなかったという意見がございました。

 昨年、平成二十六年十二月十八日から平成二十七年一月六日という、本当に、年始年末、御用納めも含めてという期間であります。ことしに至っては、一月六日の締め切りですので、一月四日に業務をスタートするとたった二日しかない。

 こういう中で、国民の意見をまとめるような時期でもないということであれば、さまざまな意見をとり、また、この法案ができるに際しての前提ともなります。余りこんなに意見がしづらい期間になりますと、正直言って、何か裏があるのではないかと誤解を受けることもあるかと思います。

 ぜひそういったことを避けるためにも、適切に、例えば、今後こういった時期にやるならば、締め切りは、松の内はもちろん当然過ぎ、年始に入ってから少なくとも一週間、十日はきちんと多目にとるというようなことも含めて御検討して、改善をしていただきたいと思います。

 この点について、ぜひ国交省の御見解、また、反省の気持ちも込めてかわかりませんが、お聞かせください。

橋本政府参考人 法案の作成につきましては、審議会でいろいろ御議論いただいております。その中には関係業界の方々も入っていただいております。また、さまざまな機会を設けて説明会もやって、内容については事前に十分御説明したつもりではございます。

 しかしながら、御指摘のとおり、法制作業の都合、それから、委員の先生方にパブリックコメントの意見を御紹介いただく時間等を勘案して、残念ながら年末年始にかかったパブリックコメントとなりました。この点については、率直に反省をすべき点があろうと思います。

 今後、より広く国民の皆様から御意見をいただけるように、パブリックコメントの時期の設定については十分に注意をしたいと考えております。

小宮山委員 ありがとうございます。ぜひ配慮をしていただきまして、多くの現場の声、そして現実につくっているデータも含めて、しっかりと、今後の審議等、さまざまな審議会も含めて反映できるような体制というものをとっていただくことも要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、高木宏壽君。

高木(宏)委員 自由民主党の高木宏壽です。

 二十分という限られた時間ですので、早速質問に入らせていただきます。

 本題に入る前に、先月二十五日、国土交通省の新千歳空港事務所が、新千歳空港の日中の発着枠の拡大を発表いたしました。この夏の繁忙期に限って試験的に、現在一時間当たり三十二回の発着枠を、五回ふやして最大三十七回にするというものであります。

 新千歳空港のこの発着枠の拡大、私の地元北海道の経済界、そして観光関係者が強く求めていたものであります。今急増している外国人観光客のさらなる誘致につながるものと期待をしております。

 新千歳空港は、三千メートル級の滑走路が二本ございます。国内の他の主要空港と発着枠について比較いたしますと、同じ滑走路が二本の、例えば旅客数が新千歳よりも少ない関西国際空港、四十五回であります。それから、旅客数が約一・七倍の成田空港、発着枠六十八回ございます。そして、滑走路が一本しかない福岡空港の処理能力は約三十五回であります。いずれにしても、新千歳空港、規模の割には、空港の機能あるいは運用能力がちょっと弱いんじゃないかなと考えております。

 そこで、まずお伺いしますけれども、これまで新千歳空港の発着枠の拡大が困難であった理由、それから、今回はあくまでも試験的に、臨時便、チャーター便、そして自衛隊機が飛んでいない時間帯に限っての発着枠の拡大ということですが、今回の発着枠の拡大を実施するに当たって、管制の方法とか滑走路の運用をどのように見直すのか、お尋ねをしたいと思います。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 新千歳空港の航空管制業務は、隣接する航空自衛隊千歳基地と一体的に航空自衛隊が実施しております。このため、発着枠等の設定につきましては、航空自衛隊・防衛省との調整が必要となっております。

 航空局では、新千歳空港の旅客数が近年急激に増加する中で、航空管制を担う航空自衛隊と検討を進めてきたところでございますけれども、今、先生御指摘いただきましたように、短期的な対策として、自衛隊の訓練スケジュール等と調整した結果、この夏にチャーター便等を対象に、試行的に期間限定で発着枠を三十二回から三十七回に拡大することとして、先日発表したところでございます。

 今回の発着枠の拡大というのは、あくまでも訓練スケジュール等との調整の結果として、航空自衛隊等を含めた関係機関と調整の上、管制業務を含めた空港処理能力の範囲内で実施するものでございまして、そういう意味では、管制方式や空港運用上特段の変更を伴うものではございません。

高木(宏)委員 航空自衛隊基地が隣接していて管制上の制約が大きいというのが、これまで発着枠が拡大できなかった理由ということであります。

 また、新千歳空港の管制は、戦闘機等が離着陸する、隣接する千歳飛行場の管制を行っている航空自衛隊が一緒に管制を担っているということであります。

 現行、自衛隊機の発着は、管制官がレーダースコープを見ながら進路や高さ等に関して誘導指示をパイロットに与える、いわゆる精測レーダー進入、PARという方式をとっております。一方で、民間機の方は、指向性のある電波を発信して滑走路に進入コースを指示する計器着陸進入、いわゆるILSという方式をとっています。

 現行の管制方式ですと、前後間隔とあわせて斜距離も約二マイルぐらい必要ということで、同時平行進入というものができないわけなんですね。もし同時平行進入が可能となれば、現行、自衛隊機の発着枠は一時間当たり十回と伺っておりますので、理論上は四十二回まで発着枠を拡大することが可能であると考えております。

 また、新千歳空港のもう一つの大きな課題が、旧共産圏諸国、中国やロシアの外国航空機の乗り入れ制限というのがございます。二〇一〇年の三月に若干緩和をされました。緩和をされたんですけれども、月曜と木曜日は全面乗り入れ禁止、火曜と水曜については十二時から十六時の四時間だけ発着が可能、そして金曜日は十七時以降が発着可能ということで、特定の時間帯に国際線の離発着が集中するということで、出入国のラインが大変混雑して、長蛇の列ができるというのが頻発しております。

 日本に対する、北海道に対する印象、あるいはホスピタリティーの面からも問題ですし、希望する時間に発着ができないということで、新千歳空港を避けるといった外国航空会社も今出てきております。

 そういう意味で、特に急増する中国人観光客を乗せている中国の航空機の乗り入れ制限というのは、せっかくの潜在的な観光客をみずから手放すようなものであると考えております。

 二〇二〇年に訪日外国人旅行者を二千万人にするという政府目標達成や東京五輪開催で航空需要が高まること、観光振興、それから地方創生の観点からも、これは大きな問題じゃないかなと私は思っております。

 そこで、同時平行進入の検討状況を含めた平日全時間帯への発着枠拡大の見通しと今後のスケジュール及び乗り入れ制限の緩和、撤廃に関する検討状況について教えていただきたいと思います。

田村政府参考人 今お尋ねいただきました自衛隊機と民航機の同時平行進入の話でございますけれども、このような例というのは実は海外でもございませんで、国際基準が確立してございません。したがいまして、導入に際しましては、安全性の検証、評価というのを踏まえた上で、運用方法に係る基準、方式の検討を行う必要があります。

 そういう意味では、要するに、まだ防衛省と話をし始めたところではございます。これからどの程度時間がかかるかということもちょっと見通せませんけれども、検討を進めてまいりたいと思っております。

 それから、一部外国国籍機航空機に係る取り扱いにつきまして、いろいろと御要望を御地元からも、それから航空会社からもいただいておりますので、これは私ども、逐次防衛省にそういった話もし、協議をこれまでも続けてきましたけれども、引き続き協議を続けてまいりたいと考えております。

高木(宏)委員 副大臣、同じ質問でありますけれども、この緩和、撤廃、そして発着枠拡大の実現に向けての国交省としての対応とその意気込みについてだけお伺いします。

うえの大臣政務官 新千歳の問題につきましては、私も先般、北海道にお邪魔した際に、経済界の皆さんから大変強い御要請をいただいたところでございます。

 観光立国、特に東京のオリパラを目指して、これから訪日外国人にどんどん来ていただけるようにしていくということは地域経済にとっても非常に大事でありますし、とりわけ北海道はすばらしい観光資源がございますので、そうしたものをフルに活用していただいて、地域経済の振興にこれからも積極的に国交省としても取り組ませていただきたいと思います。

 そういう観点から、新千歳空港の機能強化というのは、私ども大変重要な課題だというふうに認識をしております。先ほど来局長から答弁がありますように、さまざまな課題があるのも事実でございますが、委員から御指摘のあったような問題も十分念頭に置いて、私ども、積極的にこの問題に取り組ませていただきたいと思いますし、まさに高木委員、御地元中の御地元でございますし、この国交委もなぜか北海道の皆さんが多いので、そうしたことを踏まえて対応してまいりたいと思います。

高木(宏)委員 ありがとうございます。

 新規国際路線の開拓や訪日外国人観光客の取り込みにおくれをとらないように、この二点の課題、対応方よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、エネルギー性能向上に関する法律案についてですけれども、昨年六月、私、大手ゼネコンの大成建設さんが神奈川県戸塚区にある技術センターに建設したZEB実証棟というものを視察してまいりました。ZEBというのはゼロエネルギービルディングの略でありますけれども、建物全体の年間エネルギーの収支をゼロにしようという試みであります。

 昨年四月に閣議決定した第四次のエネルギー基本計画にも盛り込まれた、二〇三〇年までに新築建築物の平均でZEB化を目指すという上で、画期的な技術を盛り込んだビルであります。今や、省エネからゼロエネの時代に突入したんだなという実感を持ちました。

 このZEB実証棟のすぐれたところは、都市型ZEBの普及発展を目指している。これまでの国内外のゼロエネルギービルは、エネルギー負荷の小さい低層の建物であったり、郊外の広い敷地を利用して、建物の外でつくり出したエネルギーを取り込むことでゼロエネルギーというのを達成しておりました。この実証棟は、オフィスビルが建ち並ぶ都心の狭小なエリアでもゼロエネルギービル、ZEBを実現できるということで、これからの検証に大いに期待しているところであります。

 ところで、このZEB実証棟は、省エネ性能の表示制度である、一般社団法人住宅性能評価・表示協会が昨年四月に開始しました建築物省エネルギー性能表示制度、BELS、ビルディング・エナジーエフィシェンシー・レーベリング・システムという、BELSの評価として最高評価である星五つを取得した第一号のビルということであります。

 そこで、まず、エネルギー消費性能の表示制度についてお伺いします。

 省エネ性能の向上を持続的に進めていくためには、省エネ性能の高い建築物というのが市場で評価されなきゃいけない、定着しなければいけないと考えております。そのために、公正な建築物の省エネ性能の表示制度というのが大事になってくるわけであります。今お話ししたBELSも省エネ性能の表示制度として、今、企業の社会貢献のアピールあるいはテナントの誘致など、さまざまな場面で活用し始めております。

 今回の法律案でも、省エネ基準に適合することについて所管行政庁の認定を受けると、建築物や広告等にその旨を表示できることなどを定めておりますけれども、具体的にどのような表示制度を考えているのか、また、省エネの誘導措置として、建築物の省エネ性能の表示を普及させるためにどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法案に盛り込んでおります表示制度は、建築物が省エネ基準に適合しているかどうかということを表示する制度でございます。いわゆるランキングを行うBELSあるいはCASBEEとは、ちょっと性格が異なるものでございます。

 しかしながら、それらを広告等で表示することができるということであれば、市場で省エネ性能の高い建築物が高く評価をされて有利になるということは当然あろうと思っております。ぜひこの表示制度も広めていきたいと思っております。

 認定自体は、先ほど御指摘がありましたとおり、行政庁、いわゆる公共団体が行うわけでございますけれども、なかなか、時間がかかったり、手間がかかったりするということもございますので、まず前置として、民間の審査機関が技術的審査をやって、その審査結果をもって特定行政庁の窓口に行くということで、速やかに認定がおりるように工夫をしたいと思っております。

 これらの制度を通じて、省エネ性能のすぐれた建築物が市場で高く評価されるように、引き続き制度の拡充に努めてまいりたいと考えております。

高木(宏)委員 今、手間がかかる、時間がかかるというお話がありました。省エネ性能の表示を普及させるためには、やはり省エネ性能基準への適合の判定、判断、認定、そして適合している旨の表示とあわせて省エネ性能の表示の連携というものを進めていただいて、表示を取得する際の利便性、これを向上させるような検討もしっかりとしていただきたいと思います。

 次は、総論的な質問ですけれども、これまで建築物の省エネ対策については、昭和五十四年に制定された省エネ法を改正することで対応をしてきたわけですが、今回建築物に特化した法律を制定するわけで、まず、その意義と理由についてお伺いをしたいと思います。また、あわせて、この法律を制定することで、基準の水準や運用によってもちろん異なってくるわけですけれども、どの程度のエネルギー量削減を見込んでいるのか、教えていただきたいと思います。

橋本政府参考人 まず、新法で審議をお願いしている理由でございますが、現行省エネ法は、エネルギー使用者である事業者等の自主的努力を促す、そういう実は法体系になっておりまして、一方で、今回審議をお願いしております法案は、基準適合義務化を建築確認と連動させて、省エネ基準に適合しなければ着工できないという非常に強い規制措置でございます。この強い規制措置が自主的な努力を促す法体系である省エネ法になじまないという法制的な整理がございまして、新法としたところでございます。

 新法にするに当たりましては、現行省エネ法の届け出制度等建築物に関する規定を全て移行した上で、さらに容積率特例あるいは省エネ基準適合の表示制度などの誘導的措置を新しく創設して、建築物の省エネに関する法律として一本立てたというところでございます。

 それから、効果でございますけれども、これはいろいろ試算の前提はございますが、仮に今回、法案がなくて適合義務化の措置が講じられなかった場合には、非住宅の大規模な建築物の床面積がふえるなどの理由によって、非住宅建築物で使用されるエネルギー消費量が二〇三〇年には現状に比べて三%増加をするというふうに想定をします。

 一方で、今回、本法案の措置を講ずることで、二〇三〇年には現状よりも、若干ではございますが、エネルギー消費量を減少に転じさせることができる、約三%プラスアルファぐらいのエネルギーの節約効果が出るというふうに考えております。

高木(宏)委員 ありがとうございます。

 最後の質問でありますけれども、本法案では第一段階として、非住宅部分が一定規模以上、二千平米以上の建築物を特定建築物として、省エネ基準に適合することを義務づけております。そして、第二段階として大規模住宅と中規模建物、第三段階として小規模建物の適合義務化を行うということが社会資本整備審議会の答申に添付された工程表に示されております。

 それまでに、適合率の向上や、民間機関や技術者、技能者の育成、手続の合理化等の措置を講じて、義務化対象を拡大する範囲、時期を判断する必要があるとしておりますが、義務化対象となる建築物の建築主とその範囲、時期が大いに気になるところであると思います。

 今後、対象を拡大していくために本法案を改正していくことになるわけですが、改正内容、改正スケジュール等についてどのように想定されているのか、お伺いいたします。

橋本政府参考人 適合義務化につきましては、義務化の効果、省エネルギー化の負担、大工、工務店などの技術力、関係者の理解などを総合的に勘案しながら進めることが重要であると考えております。

 今回、義務化の対象といたしました大規模な非住宅建築物につきましては、既に省エネ化が進んでいて、かつ追加的な費用も小さい、さらにエネルギー消費量としては新築着工全体の三分の一をカバーするなど一定の効果が期待できることなどから、義務化の対象としたところでございますが、今後の規制のあり方につきましては、適合状況の推移を見つつ、先ほども申しました観点を踏まえて、いつ、どのような範囲で規制をかけるか、あるいは規制の程度をどの程度にするかについて検討を進めてまいりたいと思いますが、申しわけございません、現段階で具体的なスケジュール等はちょっと申し上げる段階にないと思います。

高木(宏)委員 いずれにしても、現場に即した制度として運用されるようにお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、樋口尚也君。

樋口委員 公明党の樋口尚也です。

 本法律案の質問に入る前に先立ちまして、東洋ゴムのことについて一点だけお伺いをしたいと思います。

 五月八日の審議の中で、橋本住宅局長から、最終報告書は五月中に取りまとめられて全文が公表される見込みである旨のお話がありました。この最終報告書がどうなっているかについてお伺いしたいと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 五月八日の審議におきまして、山本参考人が、「報告が今月中旬もしくは下旬というふうに伺っておりますが、私どもとしては、できるだけ早くこの報告をいただけるようにお願いしておるところでございます。」という発言をしたことを踏まえて、私は、先ほど委員御指摘のような答弁をいたしました。

 残念ながら、国土交通省におきましては、東洋ゴム工業の社外調査チームによる最終報告書につきましてはまだ報告を受けておりません。引き続き、同社に対して、早急に取りまとめ、公表するよう求めてまいります。

樋口委員 ぜひ強い指導力を発揮していただきまして、早く報告書が出てくるように、そしてまた、それをつぶさに見せていただいて今後の対応を協議したいと思いますので、ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。

 本法律案に入ります。

 昨日、政府の地球温暖化対策本部は、国内の温暖化ガス排出量を二〇三〇年までに二〇一三年度比で二六%削減するという新たな目標を了承いたしました。総理もおっしゃるように、野心的な目標ではありますが、国民の皆様の御理解、御協力を得て、全力で取り組んでいかなければなりません。

 近年の建築部門のエネルギー消費量が著しく増加をしている現状におきましては、省エネを実行する負担が家庭やオフィスで大きくなっていくことは間違いありません。省エネ対策の抜本的強化が必要不可欠であり、本法律案の早期成立、施行は極めて重要だという認識に立ちまして、省エネ実現のために、幾つかの点に絞って質問をしたいというふうに思います。

 まず一つ目は、先ほども出ましたけれども、ゼロエネルギービル、ゼロエネルギー住宅について伺います。

 昨年の四月のエネルギー基本計画において、まず、建築物、ビルについては、二〇二〇年までに新築公共建築物等で、二〇三〇年までに新築建築物の平均でネット・ゼロ・エネルギー・ビルを実現する。住宅については、二〇二〇年までに標準的な新築住宅で、二〇三〇年までに新築住宅の平均でネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの実現を目指す。

 極めていいことだというふうに思うわけでございますが、私の今の認識では、特にビルについては、先ほど高木先生が少しおっしゃいましたけれども、とてもできない。郊外型の二階建てビルぐらいで、敷地が広くて全面に太陽光パネルをはめるようなところであれば実現が可能かもしれません。都会で、中高層、五階建てや十階建て、それ以上のビルで、とてもでないけれども今の技術ではできないということが認識をされているわけであります。

 だけれども、こういうものは夢のあるプランで、国民全体で、よし、そういうものを目指していこうとするべきであります。ぜひ、積極的な取り組みについて、これは経産省にお伺いをしたいと思います。

木村政府参考人 御指摘のゼロエネルギービルでございますけれども、確かに、御指摘のとおり、実現のためにさらなる先進的な省エネルギー技術の開発あるいは普及というものが不可欠であろうというふうに考えてございます。

 確かに、御指摘のとおり、中小の規模のビルであれば可能性が高いと思いますけれども、大規模建築物になればなるほど難しいということはございます。さらなる省エネ技術の開発でございますとか、あるいは太陽光パネルの性能向上でございますとか、あるいは壁面に太陽光パネルを張れるようにするとか、さまざまな工夫が必要かなというふうに思っております。

 こうした状況を踏まえまして、経済産業省では、現在、ゼロエネルギービルの実現に向けました省エネ建築の導入支援に係ります実証支援をしてございます。予算措置で御支援を申し上げております。

 また、建築材料にトップランナー制度、これは将来、例えば断熱材でございますと二〇二二年度に向けて高い性能目標を示しまして、事業者に努力をしていただく、そういう非常に高性能な建材を供給するといったようなことも通じまして、ビルとあわせまして、住宅等の断熱性能の底上げにこれからも努力してまいりたいと考えております。

樋口委員 ありがとうございます。

 技術の進歩を見込んでいかなければいけませんし、英知を結集して技術をつくり込んでいかなければ、ゼロエネルギービルまたハウスはできないものだというふうに思いますので、ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思います。

 技術の進歩ということで加えて言いますと、今回の法律の中に適合基準と誘導基準というのがあります。

 適合基準というのは、最低限のレベルでこれをクリアしないといけないということだと認識していますけれども、誘導基準というのは、インセンティブが受けられる、容積率の緩和とかそういうのが受けられる基準だ、こういうふうに理解しておりますが、技術の進歩がこれからあるという前提に立ちますと、この適合基準や誘導基準をこのままのレベルで固定するべきではないというふうに思うわけであります。定期的な見直しが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 御指摘のとおり、技術の進歩等に対応して基準は見直すべきものと考えております。

 省エネ基準も、平成四年、五年、十一年、二十五年と今までは見直してまいりましたけれども、今後は、本法案の施行状況、技術開発による性能向上、コストダウン等の状況、エネルギー消費の状況等を踏まえて、適宜見直しを検討してまいりたいと考えております。

樋口委員 定期的な見直しとともに、将来の見通しの時期、そして内容等をあらかじめ明らかにして、しっかりと予見可能性を示していくことが大事だということを申し上げておきたいというふうに思います。

 次に、先ほど来お話が出ています既存建築物についてお伺いをしたいと思います。

 義務化の対象は新築だけでありまして、省エネを進めても十分ではないわけであります。

 建築物の寿命は経済的に長いものがあります。着工統計で見ますと、更新ペースの速い東京都のオフィスでさえも、その速度は年に面積比で一・三%程度、全国平均ではおおよそその半分程度であります。幾ら新築に規制をしても、この寄与というものはほんのわずかでありまして、問題は、既存の建築物、特に大型の建築物を対象にすることができるかどうかということが極めて重要だというふうに思うわけであります。

 既存建築物の省エネ性能の向上についてどのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。

橋本政府参考人 既存建築物の省エネルギー化の進展には、やはり省エネルギー性能などの環境性能がすぐれた建築物が市場で高く評価をされ、また高く売買され、あるいは高く賃貸されるというようなことが必要だと考えております。

 そこで、本法案におきましては、既存建築物を改修して省エネ基準に適合させた場合には、その旨を表示できる制度というのを創設いたします。また、誘導基準に適合するよう既存の建築物の省エネルギー設備の導入を行う、改修を行う場合にも、容積率の緩和を行うことといたしております。

 加えまして、省エネルギー対策に対する支援といたしましては、新たな省エネルギー改修方法の採用など先導的な取り組みに対する補助、省エネルギー性能を改善する改修事業に対する補助や税制優遇などを講じているところでございまして、これらの措置を今後とも活用しながら、既存建築物の省エネルギー性能の向上を図ってまいります。

樋口委員 既存建築物の省エネ性能の向上ということが極めて重要だと思うわけでございます。先ほども申しましたけれども、毎年一%も満たないぐらいにしかオフィスの更新がなされないわけですから、それ以外のところにどう手をかけていくかということが大事です。

 先ほど御質問がありましたので、分譲マンションについてはもう省略をいたしますけれども、マンションも同じでございます。今、適合率が六〇%弱と言われておりますので、マンションについてもきちんと対応を決めて、そして取り組んでいかなければならないというふうに思います。

 既存建築物の省エネ化を図る上で大事だなと思う点が、コージェネレーションやスマートコミュニティー、街区で省エネを図れないかという取り組みだというふうに思います。劇的な効果があると言われておりますが、複数の施設がある街区でコージェネレーションやスマートコミュニティーというものを実現するといい。しかし、街区が全て更地になって、大規模の開発をするというのは極めて難しい。

 これから再開発事業がどれくらいあるのかということを考えますと、東京や大阪、都市部においてはもう建物が乱立しておりますから、その中での開発が難しいとなりますと、一つの新築を基点にして、そのビルを点に置き、そしてそれを面展開できるような、点から面に展開をするようなこと、すなわち、隣接する既存の施設が新築建物の最新の省エネ施設や非常用の設備を共同利用できれば、省エネが街区で実現することが可能になるわけであります。

 そのためには、設置者の負担軽減や合意形成のための補助金の拡充など、インセンティブを設ける必要があるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 コージェネレーションシステムの利用あるいは街区でのエネルギー管理というのは、省エネルギーの観点から大変有効であり、効果的な取り組みであると考えております。

 国土交通省では、このような取り組みに対する補助として、サステナブル建築物等先導事業によりまして、住宅建築物の省エネ、省CO2等に係る先導的な取り組みに対する補助を講じております。

 この中で、例えば柏の葉キャンパスシティプロジェクトでは、コージェネレーションシステム、それからエリアエネルギーマネジメントシステム等に対して現に補助を行っておるところでございまして、街区単位でのエネルギー管理等にも、今後とも補助金を通じて支援をしてまいりたいと考えております。

樋口委員 既存の補助金のPRについてはもっと積極的にやっていただきたいと思うわけであります。不足しているのではないかと申し上げたいと思います。

 例えば、今おっしゃいましたサステナブル建築物先導事業ですけれども、国交省補助金、そして相談窓口というふうにクリックしても出てこないわけであります。いろいろな方にヒアリングを今回しましたけれども、環境省にもそういった補助金があるし、経産省にもある意味ではあるかもしれないし、国交省さんにもある。省エネに関する補助金はたくさんあるわけですけれども、何がどう使えるのかということがわからないという専門家が多かったように私は思いました。

 省エネ窓口は大事なことでありまして、省庁横断的に一本化するなどの仕組みづくりをぜひ要望したいと思いますけれども、局長、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 補助制度について、広く国民の皆様に知っていただくことは大変重要だと思っております。

 サステナブル建築物等先導事業につきましても、毎年、事業採択後に先導的な取り組みを紹介するシンポジウムを開催するなど、普及啓発を図っておるところでございますけれども、まだ足りないところもあろうかと思います。

 過去には、例えば、ゼロエネルギー住宅を推進するための補助制度について、経済産業省と国土交通省で窓口を一本化して実施したこともございます。

 今後とも、このような取り組みを通じまして、関係省庁とも連携して、省エネに関するさまざまな事業を広く国民の皆様に知っていただくように努力をしたいと考えております。

樋口委員 省エネについてもぜひ窓口一本化をしてほしいというふうに強く要望したいと思います。

 次に、人材について伺います。

 やはりキーワードは、省エネに関して、人材の方が意欲を持って取り組んでいただくことだというふうに思うわけであります。プロ、まさに建築士の皆さんであります。一級建築士にしろ二級建築士にしろ、今高齢化が進んでおります。そして、残念なことに、例えば一級建築士の試験ですけれども、ピーク時から比べると今受験者数、申込者数はもう半分ぐらいになっている。八万人ぐらいいらっしゃったのが今三万七千人。実際に受ける方は、六万人を超えていらっしゃったのが三万人を切っている。こういう現状で、建築士を目指す方も減ってきている。もちろん、人口減少の問題もあるわけでありますが、一級建築士の人材育成が急務であります。

 一級建築士は大変忙しい、ハードワークでありまして、私も建築業界におりましたけれども、設計の方ほど大変だなと思わないことはない。いつも夜中まで頑張っていらっしゃる。こういう設計士の皆さんは、夕方まで打ち合わせをして、その内容を夜中までまとめて、また次の日に持っていく、こういうサイクルで仕事をしていらっしゃるわけであります。

 負担軽減をしていくことが人材育成の急務な課題だ、このように思っておりまして、二点伺いたいと思います。

 一点目は、今回の法改正において、スムーズな申請ができるように環境整備、例えば建築物のエネルギー消費性能基準の簡素化や適合性判定の申請書類のマニュアルづくり、また計算ソフト等の設備の充実を図るなどして、スムーズな申請が行われるようにしていただきたいということと、加えまして、遅滞なく適合性判定が実施されるような審査体制づくりが必要だ、こう思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 住宅・建築物の省エネルギー性能の評価につきましては、本法案に基づく基準、住宅性能表示制度における基準、CASBEE、BELS等の任意制度における基準など、さまざまな計算方法あるいは制度がございます。

 これらにつきましては、例えばBELSの届け出の際の書類を省エネ法における届け出の計算結果にそのまま活用できるとか、さまざまな、相互に申請あるいは書類を融通できるようにしております。

 なお、本法案に基づく申請につきましても、例えば住宅性能表示制度の計算書をそのまま活用可能とするなど、なるべく書類を共通化する、それから、先ほど議員が御指摘いただきました、マニュアルをつくる、あるいは簡易な計算方法等を開発して広く提供する等に努めてまいりたいと考えております。

樋口委員 今お話しいただきましたとおり、例えば、今回のこういうエネルギーに関する申請ですけれども、建築士の方は申請を行うわけですけれども、これは、まさにエネルギー新法の話、品確法、そしてCASBEE、そしてBELS、さまざま、ばらばらに申請を行うわけでありまして、できることなら窓口を一本化していただきたいし、少なくとも今回のエネルギー新法と品確法は同じ書類としてリンクをさせるべきでありまして、負担を軽減する、書類を少なくする、今局長おっしゃったとおり、ぜひ推進をしていただきたいとまず思います。

 ある現場の設計事務所さんの声をちょっと紹介したいと思いますけれども、今回の省エネ法の届け出について、設計監理業務の一環として作成することになりますけれども、今回の法改正を受けて、より専門的な知識を要する設備設計事務所等に外注をする必要が出てまいります。今法制の流れを受けて、省エネ法の改正に伴う業務量の拡大もしくは別途外注費用が発生をしてしまうけれども、追加工事費を認めるというお客さんはほとんどいらっしゃらない。このままでは、設計事務所やゼネコン等が一方的に負担を強いられ、仕事ばかりふえて報酬はくれない、こういうことが考えられるんじゃないかということで、この業務についての建築主側への意識を変えるような広報、周知をぜひお願いしたい、こういう声をいただいているわけであります。

 私は、設計業務というものが今複雑化をしている、もともとの本体業務以外にさまざまな業務があって、その分のフィーがもらえないという問題があるのではないかというふうに思っています。

 一つ提案をしたいというふうに思います。それは、国土交通省告示第十五号には、建築士法第二十五条の規定に基づき、建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準を定めていますが、実際には、請求はできても支払われることはまずないというふうに聞きます。官庁工事でも民間工事でもほとんど、この告示第十五号を使って申請するけれども、そのとおり査定されることもない、こういうのが現状だというふうに認識をしています。

 そこで、公共工事の設計業務入札については、まず範を示して、告示十五号の請求に基づく適切な査定を行うべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 まず、国土交通省の営繕工事につきましては、先ほど御指摘をいただきました業務報酬基準の考え方に基づく積算基準を定めて設計料を算定しておるところでございます。

 一方、地方自治体につきましては、平成二十二年に行ったアンケート調査によりますと、業務報酬基準あるいは営繕の積算基準について、全てまたはほとんどの業務で使用していると答えたところが、都道府県、政令市では八割程度でありますが、市区町村では残念ながら四割程度にしか至っていないという状況がございます。

 一方で、昨年の建築士法の改正におきましては、設計等の業務については、業務報酬基準に準拠した適正な委託代金で契約締結することが努力義務化されております。本年六月二十五日より施行されることになっております。

 これを踏まえまして、都道府県や市区町村に対しまして、業務報酬基準に準拠した適正な代金での業務発注に配慮するよう通知を出すなど、業務報酬基準の一層の活用につきまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

樋口委員 終わります。ありがとうございました。

今村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時四十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

今村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。足立康史君。

足立委員 維新の党の足立康史でございます。

 きょうも厚生労働委員会はもう大変なことになっていまして、今、ちょうど年金情報がもう大変なことになっていまして、これは他の委員会でありますのであれですが、私、厚生労働委員会にも入っていまして、やはり国土交通委員会はいいなということで。

 法案の審議でありますが、きょうは建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案ということで、私も通産省におったこともあって多少なじみのある分野で、かねてから建築の分野はやはり非常に課題が多い、こう思っていました。

 実は、政治を志す前、直前に、ヨーロッパ、EU本部があるブラッセルに駐在をしておりました。したがって、ヨーロッパと日本の違いですね、これは、きょうも冒頭、田嶋委員がヨーロッパの話を若干紹介されていました。法令のいろいろな枠組みも違うということでありますが、本当に建物の構造が全く違うわけでありまして、参考になるところもあれば、逆に参考になかなか、一緒にはできないところもあるのかなということを思いながら、質問、質疑を伺っておったところでございます。

 私の方からは、きょう二十五分いただいていますが、次に立ちます鈴木委員がたくさん通告をしているということですので、ちょっと時間を早目に切り上げて、鈴木委員に譲りたいと思います。

 まず、先ほど申し上げた経済産業省がそもそも省エネ法を所管しております。私、最初これを伺ったときに、そもそもどこの役所の法律かなと最初思ったんですが、これは省エネ法の改正で対応することも検討されたと思うんですが、どういう御判断でここに至ったか、御紹介をいただければと思います。

橋本政府参考人 お答えを申し上げます。

 省エネ法は、実は経済産業省が主管で、私どもは共管法でございます。

 もともと、建築物の省エネの取り組みに関しましては、経済産業省、それから環境省も一緒になりまして、五年前から各界の意見を聞きながら進めてきたところでございます。

 今回も、省エネ法の改正で取り組めないかということで検討を始めたところでございますけれども、省エネ法は、議員御存じのとおり、エネルギー使用者である事業者等の自主的な努力を促すことを基本とした法律でございまして、一方で、今回の法律は、建築確認と基準適合義務を連動させて、省エネ基準に適合しなければ着工できないという強い規制措置を持つものでございます。この強い規制措置が省エネ法の体系になじまないという法制的な判断がございまして、新法で措置をすることにしたところでございます。

 新法でこの規制措置を入れるとともに、現行の省エネ法の届け出制度などを新法に移行して、規制的措置を一元的に講ずることといたしました。加えて、容積率特例や省エネ基準適合の表示制度など誘導的措置も創設し、規制的措置と誘導的措置を一体的に講じる、建築物の性能向上に特化した新法として制定するとしたところでございます。

足立委員 法制的な観点という御紹介をいただきました。

 法制的には、恐らく省エネ法の法体系を調整すればできないことはないと思いますが、私は、個人的には、恐らく役所間の若干、その所管の、縦割りの状況に今、役所は当然、分掌をされているわけでありますから、経済産業省と国土交通省との間でいろいろ、この取り組みについて、どのように役割分担をしていくかということについて多少議論があってもおかしくないと思います。

 これは確認ですが、今回の法律をつくるに当たって、何かそういう省エネルギーにかかわる両省の分掌のあり方、これは特に変わっていないということでいいですか。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 本法律は、国土交通省が主管で、経産省共管ということになりますが、特に例えば設置法等を変えるということはございません。

 また、そもそも立法の検討段階から両省一緒にやっておりますので、引き続き、今までの協力関係を維持して、省エネ施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 私は、決して分掌のあり方を変えるべきでないという意味で申し上げているわけではなくて、むしろ、これからこの分野を強力に推進していくに当たっては、多少分野をとってくるぐらいの気持ちでやっていただいたらいいという趣旨でありますので、その点、誤解なきようお願いをいたします。

 いずれにせよ、今回、省エネ法とは別に新法を立ち上げる形で立案をしてこられているわけでありますが、私は、ちょっと通告を一つ飛ばしまして、午前中も、全部御一緒できなかったんですが、多分指摘があったと思いますが、ちょっと遅かったんじゃないかという議論が普通にあると思います。いろいろな資料を拝見しても、もっと早くにこの取り組みをしていてもよかった、こう思うわけであります。

 先ほど申し上げた、恐らく役所間のいろいろな調整に手間取ったのかな、なかなかそうは言えないと思いますが、これは田嶋委員もおっしゃったかもしれませんが、改めて、もう少し早くできなかったのか、御答弁をいただければと思います。

橋本政府参考人 これまで、建築物の省エネ施策の推進につきましては、省エネ法をベースにやっておりました。

 まず、平成十四年に二千平米以上の建築物の届け出を義務化して、平成二十年に、届け出義務等の対象を三百平米以上の建築物に拡大するとともに、住宅トップランナー制度を創設するなど、省エネ法の改正で今まで取り組んでまいりました。

 しかしながら、省エネルギー化、特に義務化ということにつきましては、建築主、施工者に相当な負担が発生することから、関係方面の理解を得ることに正直時間を要したところでございます。

 そこで、平成二十二年に、これは国土交通省、経済産業省、環境省が一緒になって、低炭素社会に向けた住まいと住まい方の推進会議というものを設置いたしました。

 この中で、例えば全建総連のような個人の施工者の方、あるいは住団連、建設業の方等々、さまざまな関係業界の方に入っていただいて意見交換を行い、適合義務化に向けた機運の醸成を図ってまいったところでございます。

 その後、法制的な検討も進めまして、関係業界の一定の理解も得ることができたため、今回、この法案を提出するに至ったところでございます。

足立委員 既にいろいろ言及を各委員もされておられます省エネ基準の適合率、このグラフを見ると、非住宅の新築建築物に関する適合率の推移を見ると、十年前に相当、八割を超える適合率が実現されているわけであって、政策のプログラム、政策をどういうタイミングでどう進めていくかということでいえば、やはりちょっと遅きに失したかなという思いは拭えません。しかし、言っても仕方ありませんから、少なくともこの段階でこうした法案が出てきたことについては敬意を表したいと思います。

 一方で、こういう中でCOPもございます。強力に省エネを推進していく必要があると思いますが、この法律は新築が対象になるわけでありますが、既存のストックに対しての対策はどうなっているか、あわせて御紹介をいただければと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 既存の建築物の省エネルギー化を進めるには、省エネルギー性能などの環境性能がすぐれた建築物が市場で高く評価をされて、高く売れるあるいは高く貸せるという環境を整えるということが重要だと考えております。

 そこで、本法案におきましては、既存建築物を改修して省エネ基準に適合させた場合には、その旨を表示できる制度を創設しております。また、誘導基準に適合するよう既存建築物の省エネルギー設備の導入等を行う場合には、容積率も緩和をできることといたしております。

 加えて、省エネルギー対策に対する一般的な支援策といたしまして、新たな省エネルギー改修方法の採用など先導的な取り組みに対して補助を行うとともに、省エネルギー性能を改善する改修事業に対する補助あるいは税制優遇等を講じたところでございます。

 これらの施策を通じまして、既存建築物の省エネルギー性能の向上を図ってまいる所存でございます。

足立委員 ありがとうございます。ぜひストックについての対策も全力で取り組んでいただきたいと存じます。

 それから次に、これも午前中も恐らく言及があったと思いますが、二〇二〇年までのいわゆるエネルギー基本計画、これは他の委員会でもずっと議論をしてきておって、私も原子力の関係でるる取り扱ってきているテーマであります。その中で、二〇二〇年までに新築住宅・建築物に対する省エネルギー基準適合の義務化を、対象範囲の拡大をしていく、こう書いていますが、今回の法律は、そういう意味では、やっと第一歩を踏み出すという、大きな一歩だとは思いますが、第一歩である。

 これは、二〇二〇年までどのような工程表でまさに対象範囲をしっかりとカバーしていくのか。この第一歩の後の工程表について、もし御答弁いただけることがあれば御紹介をいただきたいと思います。

橋本政府参考人 御指摘のエネルギー基本計画におきましては、「規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、二〇二〇年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適合を義務化する。」とされておるところでございます。

 適合義務化につきましては、まず、義務化の効果、省エネルギー化の負担感、大工、工務店等の技術力、関係者の理解などを総合的に勘案しながら進めることが重要であると考えております。

 今回義務化の対象とした大規模な非住宅建築物につきましては、省エネ化が既に相当進んでおり、かつ追加的な費用が小さいこと、エネルギー消費量としては新築着工全体の三分の一をカバーできるなど一定の効果が期待できることなどから規制を導入することにしたところでございますが、今後の規制のあり方につきましては、適合状況の推移を見つつ、最初に申し上げました四つの観点を踏まえながら、検討を進めてまいりたいと考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 あと最後に、きょうは大臣もいらっしゃいますので。

 先ほど冒頭、欧州にちょっとおりました、こういう紹介をしましたが、本当にこれは、ヨーロッパへいらっしゃった方は皆さんよくお感じになると思いますが、全く違います。やはり日本は木の文化というか、木造住宅が非常に多い中で、日本と欧州の関係、比較において、現状は非常におくれているということはやむを得ないところでありますが、かつ、対策においてもヨーロッパと日本は大分違うということはわかりますが、これからこの法案を第一歩として、どの程度これを改善、建築の分野で省エネを推進していけるのか。このあたりの見通しを含めて、大臣の方から御答弁をいただければと思います。

太田国務大臣 日本の住宅は、欧米と異なりまして、今、木の文化とおっしゃったように、住宅というものは地域の気候風土に合ったものをつくるということだと思います。

 そういう点では、ドイツはよく例に出されるんですが、エネルギー消費の七割が暖房という非常に寒い地域の中ででき上がっている。

 そうしますと、日本の風土、自然の中で、日本として確保すべきものは、私は、良質であり、安全であり、そして安穏なスマート住宅、住宅をつくる方からいいますと、住宅行政はそういうものを目指すべきである、こう思っています。

 その良質、安全、安穏というスマート住宅であるということにしましても、そこには気候風土が、日本の場合は高温多湿な気候への対応ということが必要になり、そして、地震がある、台風があるというのが決定的にヨーロッパとは違って、震度一でもう死ぬかと思ったというような、そういう地域、白鵬はそういうことを言ったんですけれども、震度一でびっくりするというような、そういう国と違って、地震に対応できる、台風に対応できる、そして、木造ですから、火災にどう対応できるかという住宅、まちづくりというものが大事だという与件があります。

 それから、これからのことを考えると、少子高齢化の進展への対応ということで、高齢者がよくヒートショックでというようなことがあったり、広さということでも大事でありますし、バリアフリーということでも大事でありますから、外断熱とかそういうものは、非常に穏やかな、急に寒くなったりというような冷暖房ではないという穏やかな住宅、住まいというものが大事なことがこれからの少子高齢社会ではあると思います。

 それに加えて、今回の法案の大事な目的の一つでありますエネルギー制約の増大への対応、このエネルギー制約の増大への対応ということが今回の法案の大きな要素になっていますが、住宅をどうつくるかという観点では、幾つかの与件のうちの私は一つであるというふうに思っています。

 こうしたヨーロッパとの相違点を踏まえまして、日本の住宅が満たすべき要件は、良質で安全で、安心ではなくて安穏である、私はそういうスマート住宅というものをつくっていくという行政でなくてはならない、このように思っています。

 良質という点では、二百年住宅とか品質確保ということが大事でありましょうし、安全ということでは、火にも地震にも台風にも強いということが、そうした構造というものが大事でありましょうし、そして、安穏という点では、高齢社会に入って穏やかに過ごせるということだというふうに思っています。特に、そういう中で、医療や福祉とも連携した住まいということから考えますと、国民が強く望んでいる木造住宅については、これはCLTも含めて大きく推進をすべきものだ、このように思っています。

 日本はベトナムと同じように非常に長いわけで、北海道の建物と沖縄の建物というのは全然違うわけでありますから、この辺も踏まえて、全体的、一律の法体系が提示されるという中で、どういう規制をしていったらいいのか、逆に、規制ではなくて、そうしたいい住宅のためのインセンティブとして税制措置とか補助ということを与えるという方が、がちっと規制というのではなくていいのか、さまざまなことでこれからの日本の住宅行政というものを推進していくということが大事だというふうに思っているところです。

足立委員 ありがとうございます。

 いつもながら大臣の御見識、ビジョンに感服をいたすところでありますが、良質、安全、安穏、本当に私もそうだと思います。省エネは一つの価値でありまして、全てをエネルギーだけで仕切るわけにはいきません。特に住宅、建築の分野はそうだと思います。

 一方で、温暖化対策を進める必要もあるということで、私、最後にちょっと、事務方で結構ですけれども、対策をいろいろ講じていく中で、実際に数字ですね。要は、エネルギー消費、CO2でもいいんですが、例えば三〇年に向けてどの程度今見込まれていて、こうした建築の分野での取り組みを大臣がおっしゃったようなところでいろいろな目くばせをしながらでも、これぐらいは改善していくんだ、そのあたりの数字的なイメージをもしお持ちであれば御紹介いただければと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法律に係る効果につきましては、規制の対象になる二千平米以上の非住宅に限って計算をしておりますが、仮に今回の規制がかからない場合は、住宅以外の建築物で使われるエネルギーが二〇三〇年までに三%ふえると予測をしております。今回の規制措置を入れることで、この三%がほぼゼロないし若干マイナスぐらいで抑えられるということで、それなりの効果は出るというふうに考えております。

足立委員 わかりました。ありがとうございます。ぜひその今おっしゃった数字を実現していただきたいと期待をいたしたいと存じます。

 それでは、若干時間がまだございますが、鈴木委員に時間を譲りまして、私の方は、余り行きたくありませんが、厚生労働委員会に行ってまいりたいと思います。

 どうもありがとうございます。

今村委員長 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 続きまして、維新の党、鈴木義弘です。

 一年ぶりに国交委員会で質問させていただくんですけれども、私は来たくて来た人間なので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

 今回提出されている法案の趣旨に鑑みますと、温室効果ガスの削減をするということが一番の狙いだというふうに法律のところに書いてあるんですけれども、そもそも、木造建築物を推進していった方がいいんじゃないか。

 先ほど大臣が御答弁になられた高温多湿の地域。きょうも雨が降っていますけれども、日本はやはり屋根があった方がいい国の一つだと思うんですね。まあ、そうじゃない、平屋根の家もいっぱいあるんですけれども。

 高度成長期のときに、住宅事情が逼迫していて、たくさん住宅を供給した方がいいという考え方で昭和三十年、四十年代は走ってきたんだと思います。そのときに、山から切り出して材木を供給する側が、供給がなかなか需要側に追いつかなかった、そのときに、ホワイトウッドを含めて海外の外材をどんどん輸入した時期がありました。それによってコストを安く抑えてバランスをとろうとしたんですけれども、結局それが逆に言えばあだになって、日本の林業がどんどん衰退の道を歩むようになったわけですね。

 今は、それから思えば、もう三十年、四十年、時代が変わってきています。

 国土交通省が昨年提示をされました、人口減少社会に入っていきますという指針を出されていますし、コンパクトシティー化していかなければならない。これも十年も前に一回世に出たんですけれども、自治体の首長さんは、コンパクトというと縮小というふうに考えますから、なかなか選挙で訴えづらいということがあって、コンパクトシティーというのは地元の自治体の首長さん方は余りお使いにならなかった時期がありました。

 それを押して、コンパクトシティーをやはり推進していって、経済的なコストをどうやって削減しながら快適性を求めていくか、そういう観点に立って、今回の省エネ法に続く、建物に対して、先端のいろいろなノウハウを入れた住宅を建てていこうというふうに誘導されるんだと思うんです。

 しかし、今申し上げましたように、片や材料を供給する農林水産省所管の林業者、でも住宅をどんどん建てた方がいいよというような所管をする国交省の方がやはりもう少し連携をとって、ばらばらで推進をするのではなくて、例えば、いただいた資料の中に、こういうポンチ絵の中に住宅があるんですけれども、この中に、太陽熱温水器だとか太陽光発電とか、あとは高効率給湯器とか、きょうの資料じゃないかもしれませんけれども。

 こういう、一つの家を建てるのに、材木を供給すれば農林水産省、でも地球温暖化といえば環境省、でも建て方に関しては国交省、でもコジェネだとかエネルギー政策になれば経済産業省、ばらばらで動いていても、実際に建物を建てて使うのは国民一人一人だと思うんですね。

 もう少しきちっと横の連携を図っていって、トータルで進めていった方がいいんじゃないかという考え方なんですけれども、まず最初に大臣に御所見をお尋ねしたいと思います。

太田国務大臣 全くそのとおりだと思います。

 林業は大事であろう、そして、日本の国産木材というものを有効に使っていこう、こういう流れがやっと今再び始まったんだと私は思っておりまして、建築物を扱う国交省としましても、国産材を大事に使って木造建築物を推進するということをやっていこうということで動き出しているところでございます。

 木造の住宅・建築物は、我が国では、先ほどからお話をさせていただきましたが、気候風土に適合して、人に快適さ、安らぎを与えるというふうに思いますし、住宅・建築物における木材利用は、木材の全供給量の四割を占めていて、木材利用の促進に大きな効果があるというふうに考えているところです。

 林野庁、農水省、よく連携をとって、その木造建築物等々がさまざまなところで使われていくようにさらに一層努力をしたい、このように思います。

鈴木(義)委員 四省庁なのか、そこに内閣府が入ってくるかわかりませんけれども、やはり縦割り行政というふうに言われて久しいんだと思うんですけれども、きちっとそこのところは、税金ということも含めて、もう一省庁、財務省も巻き込んで省エネ住宅を推進していくような形をとっていかないと、国民の、また消費者の皆さん方が、法律をつくって規制をしたとしても、後段で幾つか御質問させていただきたいと思うんですけれども、なかなかそっちに向いてくれないんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

 オーストリアなどのヨーロッパで早くから開発をしているCLT、昨年、つくばにある試験研究センター、ちょっと正式名称を忘れてしまったんですけれども、このCLTの載荷試験というんですか、荷重をかけて、どのぐらいの耐久性があるのかというのを今も試験をしているんだと思います。お聞きしますと、来年、再来年ぐらいにそのデータがきちっと出てきて、建築基準法も多少見直しをかけて、今木造の三階建てしか許可になっていないところを、四階、五階、六階とか、そういうことも可能になっていくんじゃないか。

 なおかつ、それをやるときに、やはり国産材を使ってもらいたいということなんです。

 なぜそれを申し上げるかというと、日本の国内である森林を伐採して、何か環境破壊みたいに見られるんですけれども、やはり国産材を使って、そこにまた苗木を植えてCO2を吸収させていって、また五十年ぐらいのサイクルでぐるぐる回していかれる、それで材料自体は日本国内のものを使うということになれば、CO2の削減には絶対効果があるはずなんです。

 でも、つくらなくちゃいけないという需要ばかりが先に出てしまえば、やはり安くて大量に同じ材質のものといえば海外に依存しますから、それはCO2の削減にはカウントされないわけです。そこのところをぜひ連携をとって、お世話になれればなというふうに思っています。

 それと、あとは、建て売り住宅にお住まいの方には大変恐縮なんですけれども、今、建築屋さんに話を聞いても、大体三十年、三十五年で建てかえをしています。ですから、百年住宅というふうに言いながらも、いつも何か、ハウスメーカーさんは百年住宅でコマーシャルをしてそれを売ろうとするんですけれども、結局、建て売り業者さんが百年住宅のコンセプトで、建てかえをというより新しく新築も含めてやっていかないと、そのサイクルを長くすることで、やはり省力化と省エネに貢献していくんだと思うんです。

 いろいろな価値観も多様化する時代の中で、ただ、三十年、三十五年たって建てかえをするとか、リフォームも一部同じだと思うんですけれども、建物を壊していくわけですね、解体。それを、三十年に一回、百年のうちに三回も建てたり壊したりするのと、百年間メンテナンスしながら使うということであれば、省エネとか省力化という観点からいけば、そちらの方が必ずいいはずなんです。

 特に、今みたいに職人さんがなかなか忙しくて、半年先、一年先で仕事がどんどん先送りするぐらい、需要と供給のバランスの中で供給側が少ないときほど、サイトを延ばして、そうしないと、仕事がないときは安くしたってやってくれない、安くしないとできないという話になってしまうんですけれども、今みたいな需要があるときの方がサイトを長くできるいいタイミングだと思うんですね。

 そこのところをどう考えていくかということなんですけれども、大臣になるか、御答弁いただければありがたいんですけれども。

太田国務大臣 先ほどCLTの話がありましたが、御指摘のように、国総研で今研究、圧をかけて実験等を行っているところなんですが、二十八年度早期にはCLTを利用した中層の建築物が、まず四階ということになると思うんですが、通常の建築確認で建てられるようになるというスケジュールに今なっています。

 百年住宅、二百年住宅ということ、日本の住宅は取り壊されるのが非常に年数が短くて、平均約三十年、こう言われて、欧米では六十年、八十年ということであるのと比べて非常に短いわけですが、平成二十年に長期優良住宅法を制定しまして、世代を超えて長く住み継いでいける住宅を認定して、その普及を図っているところです。これまで約六十万戸の実績を上げているということです。

 この一方で、住宅を長期優良化するために、耐久性や耐震性の向上などによって建設費として約二割程度のコストアップが見込まれるわけですが、より一層普及を図るために、税制や融資や補助や、さまざまな手だてをとって引き続き支援をしたい、このように思っているところです。

鈴木(義)委員 ありがとうございます。

 そうしますと、前にもちょっと話題になったんだと思うんですけれども、今、空き家が八百万戸、北海道から沖縄まであると言われています。戸というのか室というのかですね。

 そうなりますと、今回の法律を制定するに当たって、二千平米を超えるものが第一種で、三百から二千平米を第二種という位置づけにしているんですけれども、三百平米、居住用でも非居住用でもいいんですけれども、これが大体八十何坪になるんです。八十何坪にお住まいの方というのはそうはたくさんいらっしゃらないんじゃないかと思うんですね。

 そうすると、今申し上げましたように、もう一つ規制をかけているのが、年間百五十戸以上の建て売り業者さんには規制をかける、こういう法律の体系になっているんですけれども、今まで空き家になっているところは、建てかえをしようとしても、規制の対象にならないんです。例えば、リフォームしても、建てかえをしても、そこの規制からは外れていくんです。それで、なぜ省エネだとかCO2の削減に取り組んでいかれるのか。

 今の時点の現行法であっても、二千平米以上だとか三百から二千の間でも、三百から二千の間は目標に到達まで行かなくても着工している件数がある程度出ているんですけれども、二千を超える大型物件になると、その五〇%にも満たないところまでしかいっていないわけですね。

 では、それをどうやって一〇〇に近づけようというふうにするのかというのと、あと、小規模住宅と言っていいかどうかわかりませんけれども、小さい、三百未満の面積をこれからどう取り扱っていくのかというのが必ず課題になってくると思うんです。

 だから、この二千とか三百、百五十という一つの基準を出した根拠をやはりもう一度見直さなければならないと思うんです。

 ただ、これは、平成五年につくったこの法律の前身になるものの三百、二千をそのまま踏襲してきているんです。今回、それをベースにして新しい法律をつくっているんですけれども、なぜ三百なのか、なぜ二千なのか、二十年前の根拠をそのまま継承しようとするのか、お尋ねしたいと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 二千平米の当時の設定の根拠は、建築物の全体の床面積のうちで約四割ぐらいを占める範囲を設定したところ、大体二千平米以上の建築物であった。三百平米はその後対象にしたものでございますが、これは建築物の総床面積の大体六割の線で切ったのがこのあたりだったということで設定をしております。

 ただ、御指摘のように、ずっと二千平米、三百平米のままでいいのかということでございますけれども、今回の法律は、省エネ法の届け出義務がかかっていて、それがある程度定着してきたところをベースに一部は規制を強化するということでございますので、そこはむしろ面積を変えずに連続性を持たせて、従来届け出義務で指導監督までいっていたものが今回は義務化になる、建築確認で強制されるということになるということで、そこは一定程度やはり連続性を持たせる必要があるのではないかというふうに考えております。

 それから、百五十戸は、これはトップランナー制度で年間百五十戸以上供給する事業者さんでございますが、先行しておりました省エネ法の特定機器のトップランナー制度が、総生産の約〇・一%に相当する部分を機器の方のトップランナーで設定をしておりまして、それを住宅の分譲分の戸建て事業者に当てはめると、百五十戸を供給しているというのがちょうどその線に当たったということでございます。

鈴木(義)委員 この六月の中旬か下旬に、G7ですかG8、安倍総理が行かれますよね。そのときに正式な数字を出されるんだと思うんですけれども、CO2の削減目標を、今、二六とか七とかという数字があったり、二二とか三とかと、正式な話は私たちには伝わってこないんですけれども、それを達成させるのに、今みたいな御答弁の中で、確かにその延長線上の中にあるんでしょうけれども、促進させていかなければならないというお立場であれば、やはり協力してもらうというような形をとっていかなければ、その目標、エネルギーを供給している電気だとかガス事業者だとか製造業者だけに、あとは運送業だとかですね、そういったところにだけ求めていても達成できないんじゃないかと思うんですけれども、その辺についてどう考えるか、お答えいただきたいと思います。

橋本政府参考人 建築物部門につきましても、一定の省エネ努力をしてCO2の排出量を削減する努力が必要だということは私どもも十分に重要性を理解しておるところでございます。

 したがいまして、かねてから省エネ法で届け出をしてきたものについて、今回一部強化をするということでございます。ただ、やはり規制を強化いたしますと、建築主の側あるいは施工者の側両方に負担がかかります。それで、これらの関連する関係者に規制の必要性等について十分理解をいただいた上で規制をかける必要がございまして、これから順次、その規制の効果等も含めて実施状況を見ながら次のステップを考えていきたいと考えております。

鈴木(義)委員 そうですよね。国際社会に国民が一人ずつお約束したんじゃなくて、政府が勝手に二五%削減しますとかこれから約束をするわけですね。政府がその削減をやるわけじゃなくて、国民や企業、個人商店がそれに協力するかどうかという話になるんだと思うんです。だから、それだけのメリットがあるよというのを出さなければ、やはり協力にはならないんだと思うんです。

 それと同じように、環境省の所管になってしまうんですけれども、地球温暖化対策のために、高気密だとか高暖房性というんですか、そういった素材をどんどんメーカーさんというより、素材メーカーも開発しますし、そういう建て方、工法も新しく開発していく、それはいいことなんだと思うんです。

 例えばウレタン吹きつけで屋根裏だとか床下のところに、高気密にさせるのと断熱性を持たせるので、吹きつけウレタンというのが、今、建て売り業者さんなんかは多く見受けられるんです。私も現場を見たことがありますけれども。

 これが解体時、今の大臣の御答弁の中で、平均三十年で壊すんですよといったときに、どうやってこれはリサイクルするんですか。だから、一番最初に冒頭申し上げたように、省庁のきちっとした連携がとれていないんじゃないかというのはそこに立ち返るんです。

 片や、それを解体するときに、さあ大変だ、どうしましょう。アスベストのときと同じです。生産性がいいとか効率性がいいといってアスベストを推奨しながら、さあ、建物を三十年、五十年たったら解体します、今度は肺気腫になるからいろいろな規制をかけましょうといって、環境省が基準をつくったんです。

 今やっている省エネで断熱性を持たせるんだ、七%、一〇%下げたらマル適マークみたいなものをつけます、これは確かにいい政策なんでしょう。でも、それが三十年、五十年たって解体するときに、本当にリサイクルできる技術が確立できているのか。それだけのコストをかけて、本当にきちっと回していくことができるのかというのを考えて推奨しているんだったらいいんです。そうじゃないんだったら、何か片肺だけじゃないかという考え方なんですね。

 そこのところ、分別しやすいような工法や素材も、環境省と連携をとるのか経産省と連携をとるのかわかりませんけれども、そこのところをやった後、きちっと推奨していくような、推進していくような制度設計をしていった方がいいんじゃないかと思うんですけれども、そこのところを大臣にお尋ねしたいと思います。

うえの大臣政務官 委員御指摘のとおり、省エネだけではなくて、当然ながら、リサイクルという観点も非常に重要でございますので、当然、我々もそこを意識した対応というのが必要だと思います。

 本法案に基づきまして省エネ基準を今後策定してまいりますが、その中におきましては、リサイクル等の観点から適切な工法あるいは素材が採用されますように、これにつきましては、環境省ともよく相談をしながら、情報共有をして取り組んでいきたいと思います。

鈴木(義)委員 ぜひよろしくお願いします。それができて初めて省力、省エネに私はなっていくんだと思いますので、ぜひ、引き続き連携の方をお願いしたいと思います。

 それで、今回の法案の中に省エネ判断基準というのがうたわれているんですけれども、材料や工法に基準を設けても、実際に建築した後の検査をしてみないと、適合に合致しているかどうかはわからないんじゃないかという考え方です。

 確かに、屋根の素材だとかガラスのところに遮光性、遮熱性の素材を使ったり、外壁もそうですし、床もそうです、そういったものをやったとしても、結局、きちっとした最後の検査をしない限り、実際に判断基準が本当に正しいか正しくないかというのが検証できないんじゃないかということなんです。

 今まで国交省がいろいろな建築にかかわる規制をかけてきたり、いろいろな制度を推奨しようとしてやってきたんだと思うんですけれども、例えば、開発をしますといったときに、一五%緑地を設けてください、建物が建ちました、完成検査が終わりました、その後一回も、誰も検査に来ることはないんです。その緑地がそのままずっと守られているかどうかも、誰も検査にも来なければ、知らないうちに駐車場になったり建て増しされちゃうんです。

 では、なぜそれで地球温暖化防止のためにCO2の削減で今回の法律をつくったのかということになっていくわけですから、その後の検証をどうするかということですね。最初の素材だとか工法の段階で決めるのは結構なことだと思うんです。それが一つの目安にはなると思うんですけれども、それが履行できているかどうかをどこで判断するのかということなんですけれども、お尋ねしたいと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、建物ができたときに、ちゃんと本来の計画どおりにできたかということにつきましては、適合義務化をする建築物については建築確認の完了検査で担保することにいたしますし、建築士が工事監理でちゃんと設計図どおりに施工されることを担保いたします。

 ただ、現在の建築基準法の仕組みでは、建った後に、例えば一定期間ごとにチェックをするとか、そういう事後のチェックというのはございません。むしろ、我々としては、これから制度を運用していく段階で、例えば任意の調査を行うとかあるいは任意で報告をいただくとか等で、実際に建物が適正に管理をされているかについてはチェックをしていきたいというふうに考えております。

鈴木(義)委員 そのチェックが大事なんだと思うんですね。例えば、きちっと守っていただいている方は固定資産税をちょっと安くしちゃうとか、守られていなければ是正措置をとるなり、固定資産税をちょっと高くいただくとか、それで問題の解決にはならないんですけれども。

 こういった省エネ基準を義務化していこうというふうに考えるのであれば、国が、先ほど申し上げましたように、地球温暖化防止の約束をしたのは、国が約束するんです。国際公約みたいな形でしている。国民が一人一人約束しているわけじゃないんです。ということは、規制をかけるのと同時に、何かの優遇策を与えてあげなければ、インセンティブが働かないだろうということなんです。

 それをさせるのには、一番いいのは、税金で還付するなり減免してやるというような形をとったらいいのかなと私は思うんですけれども、国土交通省として税制の方にもきちっと働きかけていくようなお考えはあるのか、大臣にお尋ねして、最後にしたいと思います。

太田国務大臣 住宅の省エネ関係の税制については、住宅ローン減税とか、あるいは贈与税の非課税措置、こうしたことについてやらせていただいておりますが、きょう委員が指摘をした、新しい今回の措置ということに対応したり、あるいはチェックをする、あるいはその後の環境省との連携とか、さまざまな点で、やはり住宅というものについて、規制というのは、一つかなり強烈な規制ということ以上に、インセンティブを与えるということの方が、自由市場の中での住宅建設には大事なことだと思っておりまして、税制はその中で最も重要な措置だと。

 国交省としても、この所期の目的を達するために、税制ということについては力を入れていきたいと思っています。

鈴木(義)委員 ありがとうございました。以上で終わります。

今村委員長 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。よろしくお願いいたします。

 まず最初に、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案について質問をさせていただきたいと思います。

 この法案は、現行のエネルギーの使用の合理化等に関する法律から建築物部門を抜き出して、建築物の省エネ基準への適合の義務化、この第一歩を踏み出すものだと考えております。法案提出の背景には、エネルギー消費量が、産業部門、運輸部門などに比べて、建築物の部門は依然として増加傾向にあるということが挙げられております。

 今回の法改正で大きく変わる部分は、二千平米以上の非住宅建築物を新築や改修する際の省エネ基準への適合を現行の届け出義務から適合義務に強化して、建築基準法に基づく建築確認の手続に連動させ、実効性を担保するというものになっております。

 そこで、お伺いいたしますけれども、今回の法改正で、建築物部門のエネルギー消費量は低減するのかどうか、まず確認をしたいと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案による適合義務化の措置を講じなかった場合は、床面積の増加などにより、住宅以外の建築物、いわゆる非住宅建築物のエネルギー消費量は、二〇三〇年には現状に比べて約三%増加するという想定をされます。これを、本法案の措置を講じることにより、二〇三〇年には現状よりもエネルギー消費量が若干ですがマイナスになる、減少に転じさせることができる、三%を上回るエネルギー消費の削減が可能だというふうに考えております。

    〔委員長退席、小島委員長代理着席〕

本村(伸)委員 しかし、あくまでも見込みだということで、私はもう少し踏み込むべきだというふうに思います。真剣に地球温暖化対策に取り組むこと、建築物のエネルギー消費量の低減のために、もっと高い水準の削減の数値目標を立てるべきだというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

太田国務大臣 昨日開催されました政府の地球温暖化対策推進本部におきまして、二〇三〇年度における温室効果ガスの排出量を二〇一三年度比で二六%削減するという目標が取りまとめられたところです。

 我が国のCO2の排出量のうち、家庭、業務部門は全体の約四割を占めているところでありますが、二〇三〇年度における削減目標は、二〇一三年度比で約四〇%となります。この目標の達成に向けて、住宅・建築物につきましても、省エネルギー関連施策の推進に努めることとしているところです。

本村(伸)委員 ぜひ数値目標を持ってやっていただきたいというふうに思います。

 社会資本整備審議会の答申の中でも、工程表に、今後、段階的に適合義務化を拡大させるという方向が出されておりますけれども、今出されている年限よりももっと加速させるべきだというふうにつけ加えて申し述べておきたいというふうに思います。

 加えまして、関係の省庁とも連携をいたしまして、自然エネルギーの普及ですとか、二十四時間営業や長時間労働を見直して、持続可能な低エネルギー社会に向けて踏み出すこと、原発からの撤退ということも申し述べておきたいというふうに思います。

 次に、五月十七日未明に川崎市川崎区の日進町の簡易宿泊所で発生した火災について質問をしたいというふうに思います。

 この火災では、十名の方がお亡くなりになり、負傷者は十八名という被害で、重大な事態となりました。お亡くなりになった方々に心からのお悔やみを申し上げたいというふうに思います。そして、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 まず、お伺いをしたいのは、火災が発生した「吉田屋」と延焼した「よしの」は、建築物として安全性は確保されていたと国土交通省としては認識されているのでしょうか。

橋本政府参考人 火災があった簡易宿泊所に関しましては、防火上の安全性が確保されていたかどうかについて、現在、特定行政庁である川崎市において事実関係を調べておるところでございます。

 ただ、川崎市からは、実際の建物が焼失をしていること、建設時の図書も保存されていないため、違反があったかどうかの判断に時間を要していると聞いております。

 国土交通省といたしましては、引き続き川崎市に対して、建築あるいは増改築の経緯等の事実関係を調査し、早急に違反性の有無を特定するよう求めておるところでございます。

本村(伸)委員 今回のような低所得の方、高齢者の方が犠牲になる火災というのは、無届け老人ホームの「たまゆら」の火災などでも相次いでおります。

 この川崎市の火災現場、そして、簡易宿泊所が集中している地域に私も行ってまいりました。今回火災に遭ったのは、簡易宿泊所が集中している地域と少し離れた二棟でございます。

 きょう、資料も皆様方にお配りをしているわけですけれども、この地域は、写真のように、今回火災があった簡易宿泊所と同じような構造の簡易宿泊所がまだ多く残っております。一番上の写真ですと、鉄塔の向こうまで簡易宿泊所が続いているという現状でございます。

 この建物をよく見ていただきますと、二階を三階に変えているような構造、あるいはすぐ延焼するような密接した建て方をしている、避難経路が本当にあるのかということも大変疑問に思いました。木造で、消防車も入れない、本当に密集しているということを痛感いたしました。

 この密集している地域に、簡易宿泊所に、大体千人の方がお住まいだということを地域の方からもお話をお伺いしております。ここでまた同じような火災があったら、本当に大惨事になる、本当に危険だということを私は痛感してまいりました。

 今後、このような大惨事を繰り返さないためにも、原因究明、再発防止策がどうしても必要だというふうに思います。今回の大惨事の原因、再発防止策を国交省としてどう考えているのか、お示しいただきたいと思います。

橋本政府参考人 まず、建築基準法におきましては、三階建ての簡易宿泊所の場合は耐火建築物とすることを義務づけるなど、用途や規模などに応じた必要な防火対策を講ずることを求めております。

 今回の火災を受けまして、五月十八日に、国土交通省から全国の特定行政庁に対し、消防部局などと連携し、簡易宿泊所に関する違反建築物の確認及び是正指導を行うよう通知を出したところでございます。

 また、川崎市におきましては、簡易宿泊所への立入検査を実施いたしました。この結果、火災事故のあった建築物と同様に、木造で二階の上にさらに居室を設けている物件が四十九棟中三十二棟あったとの報告を受けておるところでございます。それ以外の、例えば東京二十三区あるいは政令市等で類似の構造を持つ簡易宿泊所があるという報告は今のところございません。

 なぜ川崎市でこのような建築物が多く生まれたかということについて、よく経緯を踏まえた上で、川崎市において正しく是正指導を行うよう、引き続き川崎市に求めたいと思っております。

 また、それ以外の特定行政庁とも連携をしながら、簡易宿泊所を含めた建築物の安全性の確保を図るための取り組みを推進してまいる所存でございます。

本村(伸)委員 私、現場に行きまして、お話を伺って痛感したことは、今回の事例は川崎市だけの問題ではないというふうに思いました。国の産業政策や労働政策や社会保障の政策や貧困な住宅政策、こういう中で川崎市に矛盾が集中して起こった事件だというふうに痛感をいたしました。実態調査をするなど、国交省としても責任を持って原因究明と再発防止策をとるべきだというふうに思います。

 きょうは厚生労働省にも来ていただいておりますけれども、火災に遭った「吉田屋」と「よしの」は、簡易宿泊所でありながら、五年、十年と長く住み続けている高齢者や低所得の方が多く、生活保護受給者は入所者の七十四名中七十名と言われております。ついの住みかになっていたというふうに言わざるを得ない状況があった。

 火災に遭ったこの簡易宿泊所というのは、住環境としても大変劣悪で、先ほど大臣が言われた安穏という言葉とは本当にほど遠い現状がございました。

 一部屋は二畳や三畳、宿泊費は一日二千円ぐらいで、月六万円を超えるにもかかわらず、木造二階建てと届けておきながら、実際には三階建て、建築基準法や消防法に違反している可能性がある建物で、安全が確保されていない状況です。

 エアコンは廊下にあるだけで室内にはない。テレビは一時間百円、ガスこんろも有料、トイレ、お風呂も共同、部屋の電源もなくて、夏は扇風機も使えない。寝ると背が高い方は足が廊下にはみ出てしまう。憲法二十五条、生活保護法で、健康で文化的な生活というのが保障されているはずなのに、なぜこうした状況で、五年、十年住むことを許していたのか。

 川崎市内のこの簡易宿泊所で暮らす生活保護受給者は千三百人を超えております。なぜこの簡易宿泊所に長く住み続けなければならなかったと考えているのか、厚生労働省にまずお伺いをしたいと思います。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 生活保護受給者が簡易宿泊所を長期間利用している状況につきましては、さまざまな背景があると考えられまして、例えば、過去におきましては、簡易宿泊所の利用者の多くが日雇い労働者でございまして、その利用者の高齢化によりまして、そこに住み続けられたまま生活保護の受給者に至っているということや、ほかには、生活保護受給者がアパートなどの住居を確保するまでの間に一時的に簡易宿泊所に宿泊したんだけれども、アパート等へ入居できず、引き続き宿泊を続けているといったようなことが考えられます。

本村(伸)委員 国交省にもお伺いをいたします。

 本来、このような簡易宿泊所に長く住み続けている方々は、公営住宅や民間のアパートなどを確保して転居させるべきだというふうに思います。なぜ転居ができないのか、どう分析されているのか、また、その対策をどうすればいいと考えているのか、お示しをいただきたいと思います。

橋本政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、低所得の高齢者等の住宅困窮者が住宅を確保することが困難である理由ということでございますが、これは、かつて住生活基本法制定時の社会資本整備審議会の答申にも書かれておることでございますけれども、一つは、低額所得であること、それから二つ目として、不合理な入居選別を受けることなどによって、市場において自力では適正な水準の住宅を確保することが困難であるという場合があるということであろうと思います。

 また、それに対して国土交通省としてどう取り組むかということでございますが、いわゆる住宅セーフティーネット法に基づいて、住宅確保要配慮者の居住の安定確保に向けましては、地方公共団体と連携をして、公的賃貸住宅の供給促進及び住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に努めております。このために、地方公共団体や不動産団体等を構成員とする居住支援協議会の活動も支援をしておるところでございます。

本村(伸)委員 もともと、住生活基本法、住宅セーフティーネット法のできるときの議論の中で、国の役割ということについても議論をされているというふうに思いますけれども、国の役割についてどのようなことが求められていたかということをお示しいただきたいと思います。

橋本政府参考人 先ほどの答申の中に、同じく国の役割として、「市場において自力では適正な水準の住宅を確保することが困難である者の居住の安定を確保するための環境整備などの役割を果たすべき」というふうにされておるところでございます。

本村(伸)委員 もともと、住生活基本法、住宅セーフティーネット法をつくる前の議論のときに国の役割がしっかりと議論されて、「市場において自力では適正な水準の住宅を確保することが困難である者の居住の安定を確保するための環境整備などの役割を果たすべきである。」というその国としての役割をしっかりと今果たすべきときだということを申し上げたいというふうに思います。

 川崎市では、二〇一三年から、簡易宿泊所や無料低額宿泊所の入居者に対し、アパートへの転居を促す取り組みを行っております。五人の居住確保支援員を配置して、二〇一四年度には二百十九人の方がアパートに転居をされております。しかし、千三百人がまだ簡易宿泊所にお住まいである。行政が仲立ちをすることで、民間賃貸住宅も受け入れやすくなっている。

 日本共産党の、我が党の川崎市会議員団は、簡易宿泊所の入居者の方々から相談を受け、この問題にずっと取り組んでまいりました。その際に川崎市に求めていた内容というのは、住居が定まっていない人の生活保護受給の際に、安易に簡易宿泊所を紹介せずに、アパートへの入居を勧め、その際の障害となる保証や資金、生活習慣の改善などの問題に市が責任を持って対応することと指摘をして、改善を求めてまいりました。今、調べてみますと、川崎市内には三千百八十五戸、住宅扶助の家賃以下で入れる民間賃貸住宅の空き部屋があるということでございます。

 私、現地に行ったときに、実際に、この簡易宿泊所からアパートへ移り住んだ方、五十代前半の男性の方からもお話をお伺いいたしました。

 この簡易宿泊所の部屋というのは、地下の倉庫を改装した三畳のお部屋で、日差しも風も通らない。エアコンもない。宿泊費は月六万九千円で、電気代も含めて七万四千円。電源は夜十一時半には切られるので、扇風機も使えず、熱中症になったこともあるというふうなお話でした。支援を受けて、実際に八畳のアパートに移り住んで、そして就職することもでき、調理の仕事につくこともでき、今御病気があって心配ですけれども、頑張ってみえるというお話でした。

 先ほども申し上げましたけれども、これは川崎市だけの問題ではないというふうに思います。やはり、国全体の労働政策や産業政策や社会保障の政策や住宅政策が大いに関係している問題だというふうに思います。川崎市が取り組んでいるこうした援助を全国で進めていくということが今本当に求められているというふうに思います。

 厚生労働省に伺いますけれども、国としても、こうした取り組み、深刻な川崎市、そして全国でもっと強力に応援するべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

谷内政府参考人 お答えいたします。

 厚生労働省といたしましては、生活保護受給者の適切な住宅を確保することは重要なものと考えておりまして、平成二十五年度から、アパート等への入居を希望される生活保護受給者に対して、不動産業者への同行や現地確認による民間アパートの入居支援を行うなどの居住の安定確保支援事業を実施しているところでございます。議員が先ほど御指摘されました川崎市におきましても、この事業によりまして、川崎市居住確保支援員を配置して支援を実施し、一定の成果を上げていると聞いているところでございます。

 この事業につきましては、平成二十五年度から開始しておりまして、段階的に実施自治体数がふえている状況にありますことから、厚生労働省といたしましても、引き続き、より多くの自治体に実施していただきますよう、自治体への事業の周知等、努力してまいりたいと思っております。

本村(伸)委員 こういう川崎市の取り組みを全国的にもどんどん進めるべきだというふうに思います。

 川崎市の例のように、一般の住居に入居できない事例は全国でもあちこちにございます。その受け皿になっているのが無届け介護ハウスですとか脱法ハウスですとかネットカフェ、そして簡易宿泊所があるわけですけれども、実際に適正な水準の住居としてその基準を満たしていないところがたくさんあるわけです。

 国交省としても、早急に改善を図るべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、住宅確保要配慮者につきましては、公的賃貸住宅の供給促進とともに、民間賃貸住宅への円滑な入居というのも非常に重要な選択肢であると思っております。特に、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に当たりましては、地方公共団体、不動産団体等を構成員とする居住支援協議会を通じて仲立ちをしておるところでございます。

 ただ、残念ながら、まだ居住支援協議会は全都道府県でできておるという状況ではございません。まだ三十七都道府県、十一区市において、合計四十八しかできておりません。まずは都道府県単位で、設立されていない十県においてこの居住支援協議会を立ち上げた上で、先ほど申し上げました住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居について支援ができるように体制を整えていきたいというふうに考えております。

    〔小島委員長代理退席、委員長着席〕

本村(伸)委員 今、数を言っていただきましたけれども、住宅セーフティーネット法施行後、居住支援協議会を設立した自治体というのは、都道府県で三十七件、市町村で十一件ということになるわけですけれども、局長が言われましたように、数的にももっともっと進めるべきだというふうに思いますし、つくっても機能をしていない、実効性がまだないという問題もあるというふうに思います。

 まだまだ不十分だというふうに思いますけれども、なぜこうした取り組みが進まないのか、そのことについてどうお考えでしょうか。

橋本政府参考人 居住支援協議会は、公共団体それから不動産団体等々が入っております。ただ、例えば賃貸住宅の大家さんの団体である協会は、全ての居住支援協議会に入っておるわけではございません。このちんたい協会というところは、住宅確保要配慮者について、例えば生活保護の代理受給をしてくれれば自分たちで生活保護の方を積極的に受け入れるということを言っておるんですけれども、何せ居住支援協議会のメンバーにも入っていないので、そういう活動もできないということで、逆に、ちんたい協会の方から、自分たちを入れてくれという御要望があります。そういうニーズがちゃんと地方の住宅行政に伝わっていないということの問題もあろうと思います。

 我々としても、国としても、そういう仲立ちをしながら、居住支援協議会の活動をさらに活発化していきたいというふうに考えております。

本村(伸)委員 今回の川崎市の簡易宿泊所の火災の問題では、新聞各紙の社説にも取り上げられております。

 朝日新聞の六月一日の社説では、「家主と高齢者の間に第三者が入れば、家主は貸しやすくなるだろう。すでに先駆的に取り組むNPO法人もある。行政が民間物件を借り上げ、公営住宅の提供数を増やす方法もある。」と書いております。東京新聞も、「低所得者向けの公営住宅が少なすぎる。」というふうに社説で指摘をされております。川崎市の簡易宿泊所のような惨事を再び起こさないためにも、そもそも低所得の方々の公営住宅を抜本的にふやすということをやる必要があるというふうに思います。

 NHKでも、低所得の高齢者の方々が行き場所がない、「老人漂流社会」というシリーズで、老後になって、本当にせつない思いで劣悪な住環境のもとで暮らしてみえるお年寄りのことを特集し、低所得のお年寄りの住宅政策が国にはないんだ、ここを強化することが必要だという指摘もございました。

 所得に応じた費用負担の特別養護老人ホームを抜本的にふやすということも必要です。また、障害を持った方々の親御さんからは、自分に何かあったとき、子供たちがどうなるのか、老後どうなるのかということで、グループホームなどもふやしてほしいというお声も聞いております。

 また、厚生労働省の施策ですけれども、生活保護の住宅扶助のカットなど、とんでもないというふうに思います。また、自主避難を初め、被災者の方々への住宅の無料の提供ということを打ち切るということも絶対あってはならないというふうに思います。

 憲法二十五条からいって、本来、国が公的な住宅を用意し、供給しなければならないんだというふうに思います。公営住宅の新規建設、供給を進めるとともに、UR住宅の削減をやめて、家賃は所得に応じたものに安くするべきだということや、UR住宅の空き家あるいは民間賃貸住宅を借り上げて公営住宅にするという施策、さらに家賃補助制度を進めるなど、緊急にこうした具体的な対策が必要だというふうに思います。

 地方自治体に任せるのではなく、国が責任を持って公的な住宅をふやしていく方向に転換をするべきだと思います。二度とこの川崎市のような大惨事が起こることがないように、大臣に、こうした公的な責任を果たす、国としての責任を果たすということをぜひ明言していただきたいと思います。

太田国務大臣 高齢社会になる、医療や介護ということと住居との関係も出てくる、貧困ということの問題もあり、住宅行政だけではなく、総合的な対応ということが必要だとは思います。

 今御指摘の、公営住宅、公的な賃貸住宅の整備というお話でありますが、住宅に困窮するこうした低額所得者等の居住の安定を確保するためには、公営住宅等の公的賃貸住宅の整備、これは大事な問題ではあります。

 この公営住宅については、地域の実情を最もよく把握している地方公共団体が責任を持って整備、管理を行うべきものであります。このために、都道府県が住生活基本計画を定めて公営住宅の供給の目標量を位置づけて、これに基づいて都道府県や市町村が整備、管理を行っているところです。

 国としましても、計画に沿って地方公共団体が行う公営住宅の整備や維持管理につきまして、社会資本整備総合交付金等により支援をしているところでございます。

本村(伸)委員 先ほども申し上げましたように、住生活基本法をつくるときのもともとの議論の中で、「今後とも、「住宅困窮者の安定した居住の確保」を住宅政策の基本理念の一つと位置づけ、これを踏まえて、公営住宅制度をはじめ必要な個別具体の施策を講ずることにより、住宅分野において憲法二十五条の趣旨の具体化に努めるべきである。」ということは、これは社会資本整備審議会の答申の中でも明記をされております。

 ぜひ、憲法二十五条を具体化するということで国の役割を果たしていただきたいというふうに思いますし、住宅セーフティーネット法の中にも、第五条の中に、「国及び地方公共団体は、所得の状況、心身の状況、世帯構成その他の住宅確保要配慮者の住宅の確保について配慮を必要とする事情を勘案し、既存の公的賃貸住宅の有効活用を図りつつ、公的賃貸住宅の適切な供給の促進に関し必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」というふうに書かれております。

 憲法二十五条に基づき、国の責任を果たすべきだということを求めて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

今村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

今村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、金子恭之君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党、公明党及び日本共産党の五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。小宮山泰子君。

小宮山委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 建築物エネルギー消費性能適合性判定が円滑に実施されるよう、判定方法をより合理的なものとすること。また、関係省令、告示等の制定から施行までに十分な期間を置いて、所管行政庁その他の関係機関、関係事業者等に対する制度の周知を徹底すること。

 二 今後の適合義務の対象拡大については、予定される時期、範囲等を早期に明らかにした上で、審査等の執行体制の充実強化及び設計、施工、評価等を担う技術者の育成を促進するとともに、届出制度の的確な運用により、義務化に向けた適合率の向上を図ること。

 三 戸建住宅を含めた小規模建築物の義務化に向けて、手続きの一層の簡素化等、建築側と審査側双方の負担軽減策を講じるとともに、中小工務店や大工等の技術力の向上に向けた支援を行うなど、制度の円滑な実施のための環境整備に万全を期すこと。併せて、地域の気候風土に対応した伝統的構法の建築物などの承継を可能とする仕組みを検討すること。

 四 建築物エネルギー消費性能基準等は、新築におけるエネルギー消費性能の実態等を踏まえ、その向上に資する水準が維持されるよう定期的な見直しを行うこと。また、新技術の開発や低コスト化を促進するため、将来の基準強化の時期、内容等をあらかじめ明らかにすることについて検討すること。

 五 建築物のエネルギー消費性能について、統一的かつわかりやすい表示の方法を早期に確立するとともに、建築物の広告等における性能の掲載や、売買、賃貸等の契約における性能の説明などの促進により、性能に優れた建築物が市場において適切に評価される環境を整備すること。併せて、建築物の設計者に対し、建築主へのエネルギー消費性能の適切な説明を促すこと。

 六 国民に対して建築物のエネルギー消費性能の向上の必要性や効果をわかり易く説明し、本法施行への協力を求めること。特に、住宅の断熱性能の向上が、ヒートショックの防止など居住者の健康の維持や生活の質の向上に資することについて、実態調査を行いその結果を公表するとともに、国民の理解を深めるよう努めること。

 七 住宅等の断熱性能の向上を図る上では、開口部における木製又は樹脂製のサッシの使用が有効であるため、その普及の促進に向けて、諸外国の例も参考にしつつ、同サッシの防耐火性能に係る技術開発や基準の合理化を検討すること。

 八 既存建築物の省エネルギー改修を促進するため、支援制度の充実を図ること。特に、エネルギーコストの低減のメリットが所有者ではなく入居者に帰属することとなる賃貸住宅について、所有者に対するインセンティブの強化を検討すること。

 九 国、地方公共団体等の公共建築物の新築、改修等にあたっては、建築物のエネルギー消費性能の向上を先導するものとなるよう、積極的な新技術の導入、再生可能エネルギーの活用等に努めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

今村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

今村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣太田昭宏君。

太田国務大臣 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 まことにありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

今村委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

今村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時二十四分散会


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