衆議院

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第17号 平成27年6月19日(金曜日)

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平成二十七年六月十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 今村 雅弘君

   理事 大西 英男君 理事 金子 恭之君

   理事 小島 敏文君 理事 坂井  学君

   理事 中村 裕之君 理事 伴野  豊君

   理事 井上 英孝君 理事 赤羽 一嘉君

      秋本 真利君    岩田 和親君

      うえの賢一郎君    小倉 將信君

      加藤 鮎子君    門  博文君

      神谷  昇君    木内  均君

      工藤 彰三君    古賀  篤君

      國場幸之助君    今野 智博君

      佐田玄一郎君    斎藤 洋明君

      鈴木 馨祐君    鈴木 憲和君

      高木 宏壽君    津島  淳君

      藤井比早之君    堀井  学君

      前田 一男君    宮内 秀樹君

      宮澤 博行君    山本 公一君

      荒井  聰君    神山 洋介君

      小宮山泰子君    玉木雄一郎君

      松原  仁君    宮崎 岳志君

      本村賢太郎君    足立 康史君

      横山 博幸君    吉田 豊史君

      北側 一雄君    中川 康洋君

      樋口 尚也君    吉田 宣弘君

      穀田 恵二君    本村 伸子君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣      西村 明宏君

   外務大臣政務官      薗浦健太郎君

   国土交通大臣政務官   うえの賢一郎君

   国土交通大臣政務官    青木 一彦君

   国土交通大臣政務官    鈴木 馨祐君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  片山 一夫君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室室長代理)         富屋誠一郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 青木 信之君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 滝崎 成樹君

   政府参考人

   (外務省アジア大洋州局長)            伊原 純一君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   太田  充君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           山崎 伸彦君

   政府参考人

   (林野庁国有林野部長)  黒川 正美君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           吉野 恭司君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官)            佐藤 尚之君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         山田 邦博君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            本東  信君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         毛利 信二君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  小関 正彦君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  深澤 淳志君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  橋本 公博君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  藤田 耕三君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  森重 俊也君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  大脇  崇君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  田村明比古君

   政府参考人

   (観光庁長官)      久保 成人君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    佐藤 雄二君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十九日

 辞任         補欠選任

  古賀  篤君     小倉 將信君

  野田 聖子君     加藤 鮎子君

  宮内 秀樹君     藤井比早之君

  本村賢太郎君     玉木雄一郎君

  下地 幹郎君     吉田 豊史君

  樋口 尚也君     吉田 宣弘君

同日

 辞任         補欠選任

  小倉 將信君     古賀  篤君

  加藤 鮎子君     野田 聖子君

  藤井比早之君     宮内 秀樹君

  玉木雄一郎君     本村賢太郎君

  吉田 豊史君     下地 幹郎君

  吉田 宣弘君     樋口 尚也君

    ―――――――――――――

六月十八日

 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(内閣提出、承認第三号)

同月十七日

 海洋の環境と国民生活を守る事業の体制拡充に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二三九二号)

 同(大平喜信君紹介)(第二三九三号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第二三九四号)

 同(志位和夫君紹介)(第二三九五号)

 同(田嶋要君紹介)(第二三九六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二三九七号)

 同(中村裕之君紹介)(第二三九八号)

 同(堀内照文君紹介)(第二三九九号)

 同(務台俊介君紹介)(第二四〇〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二五七〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二五七一号)

 同(島津幸広君紹介)(第二五七二号)

 同(仲里利信君紹介)(第二五七三号)

 同(野間健君紹介)(第二五七四号)

 同(中川正春君紹介)(第二六九七号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第二七五一号)

 同(清水忠史君紹介)(第二七五二号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二七五三号)

 同(福田昭夫君紹介)(第二八七六号)

 同(本村伸子君紹介)(第二八七七号)

 気象事業の整備拡充に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二四〇一号)

 同(大平喜信君紹介)(第二四〇二号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第二四〇三号)

 同(志位和夫君紹介)(第二四〇四号)

 同(田嶋要君紹介)(第二四〇五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四〇六号)

 同(中村裕之君紹介)(第二四〇七号)

 同(堀内照文君紹介)(第二四〇八号)

 同(務台俊介君紹介)(第二四〇九号)

 同(神田憲次君紹介)(第二五七五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二五七六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二五七七号)

 同(島津幸広君紹介)(第二五七八号)

 同(仲里利信君紹介)(第二五七九号)

 同(野間健君紹介)(第二五八〇号)

 同(中川正春君紹介)(第二六九八号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第二七五四号)

 同(清水忠史君紹介)(第二七五五号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二七五六号)

 同(福田昭夫君紹介)(第二八七八号)

 同(本村伸子君紹介)(第二八七九号)

 震災復興、国民の安全・安心の実現への建設産業の再生に関する請願(大平喜信君紹介)(第二四一〇号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第二四一一号)

 同(志位和夫君紹介)(第二四一二号)

 同(田嶋要君紹介)(第二四一三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二四一四号)

 同(真島省三君紹介)(第二四一五号)

 同(務台俊介君紹介)(第二四一六号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二五八一号)

 同(大野敬太郎君紹介)(第二五八二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二五八三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二五八四号)

 同(篠原孝君紹介)(第二五八五号)

 同(島津幸広君紹介)(第二五八六号)

 同(仲里利信君紹介)(第二五八七号)

 同(野間健君紹介)(第二五八八号)

 同(畠山和也君紹介)(第二五八九号)

 同(堀内照文君紹介)(第二五九〇号)

 同(清水忠史君紹介)(第二七五七号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二七五八号)

 同(福田昭夫君紹介)(第二八八〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第二八八一号)

 長良川河口堰のゲート開放等に関する請願(島津幸広君紹介)(第二四一七号)

 同(本村伸子君紹介)(第二八七五号)

 巨大防潮堤より避難道を整備することに関する請願(奥野総一郎君紹介)(第二八六〇号)

 同(河野正美君紹介)(第二八六一号)

 同(吉良州司君紹介)(第二八六二号)

 同(重徳和彦君紹介)(第二八六三号)

 同(篠原孝君紹介)(第二八六四号)

 同(田島一成君紹介)(第二八六五号)

 同(田嶋要君紹介)(第二八六六号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第二八六七号)

 同(中川正春君紹介)(第二八六八号)

 同(初鹿明博君紹介)(第二八六九号)

 同(福島伸享君紹介)(第二八七〇号)

 同(松浪健太君紹介)(第二八七一号)

 同(宮崎岳志君紹介)(第二八七二号)

 同(笠浩史君紹介)(第二八七三号)

 タクシー関連法を一部改正する法律並びにその附帯決議の早期履行に関する請願(郡和子君紹介)(第二八七四号)

同月十八日

 海洋の環境と国民生活を守る事業の体制拡充に関する請願(阿部知子君紹介)(第三〇〇四号)

 同(笠井亮君紹介)(第三〇〇五号)

 同(小川淳也君紹介)(第三一一五号)

 同(亀井静香君紹介)(第三二〇八号)

 同(黄川田徹君紹介)(第三二〇九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三三二六号)

 気象事業の整備拡充に関する請願(阿部知子君紹介)(第三〇〇六号)

 同(笠井亮君紹介)(第三〇〇七号)

 同(小川淳也君紹介)(第三一一六号)

 同(亀井静香君紹介)(第三二一〇号)

 同(黄川田徹君紹介)(第三二一一号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三三二七号)

 震災復興、国民の安全・安心の実現への建設産業の再生に関する請願(阿部知子君紹介)(第三〇〇八号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第三〇〇九号)

 同(笠井亮君紹介)(第三〇一〇号)

 同(斉藤和子君紹介)(第三〇一一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三〇一二号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三〇一三号)

 同(藤野保史君紹介)(第三〇一四号)

 同(宮本徹君紹介)(第三〇一五号)

 同(小川淳也君紹介)(第三一一七号)

 同(池内さおり君紹介)(第三二一二号)

 同(黄川田徹君紹介)(第三二一三号)

 同(吉川元君紹介)(第三二一四号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第三三二八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三三二九号)

 巨大防潮堤より避難道を整備することに関する請願(阿部知子君紹介)(第三〇一六号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第三〇一七号)

 同(池内さおり君紹介)(第三〇一八号)

 同(泉健太君紹介)(第三〇一九号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第三〇二〇号)

 同(大平喜信君紹介)(第三〇二一号)

 同(笠井亮君紹介)(第三〇二二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三〇二三号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第三〇二四号)

 同(斉藤和子君紹介)(第三〇二五号)

 同(志位和夫君紹介)(第三〇二六号)

 同(清水忠史君紹介)(第三〇二七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三〇二八号)

 同(島津幸広君紹介)(第三〇二九号)

 同(鈴木義弘君紹介)(第三〇三〇号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三〇三一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三〇三二号)

 同(辻元清美君紹介)(第三〇三三号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三〇三四号)

 同(畠山和也君紹介)(第三〇三五号)

 同(藤野保史君紹介)(第三〇三六号)

 同(堀内照文君紹介)(第三〇三七号)

 同(真島省三君紹介)(第三〇三八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三〇三九号)

 同(宮本徹君紹介)(第三〇四〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第三〇四一号)

 同(小川淳也君紹介)(第三一一八号)

 同(小熊慎司君紹介)(第三一一九号)

 同(坂本祐之輔君紹介)(第三一二〇号)

 同(鈴木克昌君紹介)(第三二一五号)

 同(升田世喜男君紹介)(第三二一六号)

 長良川河口堰のゲート開放等に関する請願(吉川元君紹介)(第三二〇七号)

 タクシー関連法を一部改正する法律並びにその附帯決議の早期履行に関する請願(津村啓介君紹介)(第三三二五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件(内閣提出、承認第三号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

今村委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房危機管理・運輸安全政策審議官佐藤尚之君、大臣官房技術審議官山田邦博君、国土政策局長本東信君、土地・建設産業局長毛利信二君、都市局長小関正彦君、道路局長深澤淳志君、住宅局長橋本公博君、鉄道局長藤田耕三君、海事局長森重俊也君、港湾局長大脇崇君、航空局長田村明比古君、観光庁長官久保成人君、海上保安庁長官佐藤雄二君、内閣官房内閣審議官片山一夫君、内閣府地方創生推進室室長代理富屋誠一郎君、総務省大臣官房審議官青木信之君、外務省大臣官房参事官滝崎成樹君、外務省アジア大洋州局長伊原純一君、財務省主計局次長太田充君、厚生労働省大臣官房審議官山崎伸彦君、林野庁国有林野部長黒川正美君及び経済産業省大臣官房審議官吉野恭司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松原仁君。

松原委員 おはようございます。

 まず最初に、島のことをお伺いしたいと思っておりますが、平成二十五年に、西表島の東端に近いウ離島で土地の売り出しがあり、中国企業からの買収の打診があったということであります。現在は、その中国企業からの買収に対して、土地を売ろうとしていた方が、ちょっとこれは、特に国境離島周辺ということで、待てよということで頑張っているわけであります。

 これは枕言葉で申し上げているわけで、要するに、世界で六番目の排他的経済水域を持っている日本、これからの海洋国家時代の離島というのは大変な財産であることは言をまたないわけでありまして、そういったことから、この離島というものは格別の要素があるんだ、都市と同じぐらい、先にネタを言ってしまえば、都市再生制度で取り組むぐらいの、同じぐらいの重みが離島振興というのはあるんだということを、既に大臣は御承知だと思いますが、御認識をいただいた上で質問したいと思います。

 冒頭、大臣に、都市再生制度でさまざまな税制優遇や金融支援等々は大都市に対してあるわけでありますが、こういったものも離島に関して検討するべきだという議論があるわけです。その議論は後でいたしますが、離島の重みというのはこの都市再生と同じぐらい重みがあるということについて、大臣から御所見を伺いたい。

太田国務大臣 日本は三十八万平方キロの国でありますけれども、四百四十七万平方キロという大変広大な、今御指摘のような重要性を持っています。

 その中で、特に離島、そして国境離島、こうしたところは極めて大事なことだというふうに思っておりますので、定住を促進するためにも産業の振興や雇用の創出が重要だと考えておりまして、さまざまな支援策をとっていくということが大事だ、このように認識をしています。

松原委員 今大臣から、離島の振興というのは、まさに都市再生のさまざまな特区が今あるわけでありますが、都市再生緊急整備地域とか、特定都市再生緊急整備地域とかあるわけでありますが、負けず劣らず離島というものは意味が深いという趣旨の御発言があって、非常に歓迎をするところであります。

 それでは、質問に入りますが、島について企業進出を促すための税制措置が必要と考えるわけでありますが、離島に関してはこういったものはどうなっているか、実務的なことであります。お伺いします。

本東政府参考人 離島振興に当たりましては、産業を振興し、雇用機会の確保を図ることが大変重要でございます。離島における事業者の方々による投資を促進するということが必要であるというふうに考えております。

 このため、離島地域におきましては、製造業ですとかあるいは旅館業といった事業者の方が、機械、装置、こういった設備投資をされた場合におきまして、所得税、法人税につきまして五年間の割り増し償却が適用できる、こういう措置を講じているところでございます。

 さらに、地方自治体が、事業税ですとかあるいは不動産取得税、固定資産税、こういった地方税の課税免除あるいは不均一課税を行われた場合にも減収補填措置が講じられているというところでございます。

 今後とも、こういった措置が活用されますように周知に努めるなど、離島における投資の促進を通じた産業振興、雇用の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。

松原委員 先般の離島振興協議会通常総会の決議にも、離島の実情に配慮した特別区域制度創設をというのが項目としてあったわけでございまして、こういった意味で、特区制度の検討というものは、先ほど大臣も、離島というのはまさに都市のさまざまな特区制度があるのと同じぐらいに日本の国土から見て大事なものであるという御指摘、御示唆をいただいたわけでありまして、こういった特区制度の検討が必要だと考えるが、国土交通省の所管の御認識をお願いしたい。

本東政府参考人 平成二十五年から施行されました改正離島振興法におきまして、地域における創意工夫を生かした離島の振興を図るために、規制の特例措置等に係る離島特別区域制度、こういったものの整備について規定が置かれたところでございます。

 このため、国土交通省といたしましては、地元地方公共団体からの御提案ですとか、あるいは関係省庁の御意見を踏まえつつ、こういった離島特別区域制度の創設の可能性につきまして、検討、分析に努めているところでございます。

 引き続き、地元地方公共団体からの御提案ですとか御要望を伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

松原委員 今、御答弁の中に、地元地方公共団体からの要望、提案を聞きながら検討していきたいと、また前向きな御答弁をいただきました。

 冒頭、太田大臣からお話がありましたように、離島という部分の戦略的な意図というのは極めて大きいわけでありまして、その意味において、離島に企業を誘致し、先ほどのウ離島のようなことが、売却をしたいなんという話になって、中国企業が手を挙げる。結局、それは今まだ売られてはいないわけでありますが、そうなるのではなくて、そこで雇用が拡大し、そしてそこに定住が進む、そのためには、法人税の大幅引き下げを含むような、特区制度におけるさまざまな、都市における都市再生制度、都市再生のためのさまざまなものがありますが、これと同じぐらいの大胆な特区制度を創設するべきではないかというふうに思っております。

 大臣の力強い御所見をお伺いいたします。

太田国務大臣 離島振興に当たりましては、定住を促進するためにも、産業の振興、そして雇用の創出、ひいては国境離島を初めとする重要性ということをよく認識する必要があると思っています。

 このため、離島活性化交付金で特産物の開発等を支援するとともに、設備投資に関しまして割り増し償却制度を設けているところでありますが、今御指摘のありました法人税等に係る特区制度につきましては、そうした制度のあり方や、離島で実施する妥当性、効果等について、ここは慎重に検討する必要があるというふうに考えております。

 離島振興を推進するためには、いずれにしましても、産業振興、定住促進、観光交流等に総合的に取り組んでいくという姿勢は強めていきたい、このように思っています。

松原委員 まさに慎重に、これは全て検討を行政がするのは当たり前でありますが、特にこの離島の振興というものに関しては、排他的経済水域等を考えると、戦略的に極めて重要な資源の領域である。その地域が繁栄するということは極めて重要であります。

 かつて、フランスのコルシカ島やまたマン島といった島で、消費税率を内地よりも少し下げることによって産業の誘致に成功したという事例が海外では報告されております。日本の場合は、主税当局が非常にかたいものですから話がなかなか進まないわけでありますが、かたい、かたいと言っているうちに日本の島がほかの国に買収されるようなことがあってはいけないわけであります。

 ぜひとも、その辺は、太田大臣のリーダーシップのもとに、こういった、都市においてさまざまな特区制度があるように、離島においても特区制度を実現したいとお願いをしたいと思っております。

 もう一回御答弁をお願いします。

太田国務大臣 難しいことと、できることというのはあると思います。最大限、私としては、国境離島を初めとするところへの支援ということについて検討をするということを目指したい、このように思っています。

松原委員 国境離島だけではなくて島全体が極めて重要ですので、大臣のお言葉として、国境離島を含む全ての島ということで、もう一回御発言をいただきたいと思います。

太田国務大臣 国境離島も含む離島、島について支援をするという方向性は変わっていないということでございます。

松原委員 次に、小笠原の振興策についてということの中で、今、そこに遊歩道というのがあるわけでありますが、林野庁所管の管理ルートといいますか、これがあるわけであります。現状どのようになっているか、ちょっと時間の都合もあるので、簡単にお答えいただきます。

黒川政府参考人 お答えいたします。

 小笠原諸島の貴重な自然環境、動植物を保護するために、林野庁関東森林管理局では、平成十八年に、小笠原諸島の国有林を小笠原諸島森林生態系保護地域に指定したところでございます。

 ここでは、その生態系保護地域を適切に管理していくために、学識経験者そして地元関係者等で構成する保全管理委員会の意見を踏まえて保全管理計画を策定いたしまして、生態系の保全と利用の調整ルールを導入しているところでございます。

 具体的には、生態系保護地域への立ち入りは、原則として、希少な動植物の生育、生息に影響を及ぼさないよう指定されたルートに限定する、立ち入りに当たっては、希少な動植物の生息・生育環境の保全と利用に関する講習を受講したガイド等の同行を条件とする、そのようなルールを定めているところでございます。

松原委員 この指定ルートでありますが、指定ルートはいろいろな制限を設けて入るというのは当然でありますが、世界遺産になった小笠原としては、世界から人が来たときに、ああ、これはすばらしいというふうに思わせるところまでやはり持っていかなければいかぬ。その意味において、この指定ルートが今、修繕がなされないまま、率直に言えば大変に荒れてきているという報告も地元のさまざまなガイドから聞いているところであります。

 問題は、もともとここは村民が使っていたという歴史的な経緯も含めて、なっているわけであります。私は、新しい開拓をしろとか新しいものをということではなく、現状の指定ルートを維持するための最低限の補修をすることが結果として自然を保護することになるというふうに思っておりまして、その意味において、こういった最低限の現状維持のための補修、このことについての御見解をお伺いします。

黒川政府参考人 指定ルートの指定ですとか、また修繕につきましては、先ほども申しましたように、希少な動植物の生息、生育に影響を与えないようにということで、学識経験者、地元関係者等で構成する保全管理委員会の意見、こういったものも踏まえながら実施しているところでございます。

 農林水産省といたしましては、今の先生の御指摘も踏まえまして、改めて現状を確認した上で適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。

松原委員 次は、国際的な都市間競争についてお伺いしたいと思っております。

 現在、科学技術の進歩があり、地球は狭くなり、そして交通の利便性の拡大、情報網の発展、国境がかつてのように高いものではなくなってきているというふうに思っております。

 そうした中で、都市の位置づけというのが、従来は国家というのは国境がありますから国家の単位で動いていたものが、都市レベルで極めて動き始めてきている。言葉はちょっと極端かもしれませんが、かつてアテナイやスパルタが言っていたような都市国家の時代にある意味では入ってきているのかな、このように思っております。

 そうした中で、国際的な都市間競争が激化をしていて、これは、地球が一回転するのは二十四時間でありまして、一人の人間の活動時間が例えば八時間とすると三つ、地球の回転軸に伴って、地球が経緯によって三つ、四つの地域に分かれる。そうすると、東京のライバル都市というのは東アジアの諸都市になるわけでありますが、そういった都市間競争といいながら、その都市を国家が大きく支えていかなければ、その都市は国際社会における都市間競争に負けてしまう、このように思っておりまして、やはり東京というのは、その意味で日本を牽引していく使命も帯びているというふうに思っております。

 こういったことについて、東京を、さらに都市間競争に勝ち抜き、一定の東アジアにおける第一位の都市のポジションが確定的になるまで国として大いに応援をしていくべきだというふうに思っておりますが、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

太田国務大臣 国土のグランドデザインを昨年の七月四日に出しましたときも、都市間競争の激化する中で、東京というのは極めて今よりもステージアップしたものが大事であろうと。また、舛添知事も世界一ということを言っておりますが、これから激しい都市間競争という中で、東京がそれを推進するというようなところに押し上げていくということは私は極めて重要である、こういうふうに考えています。

松原委員 国土交通大臣の大変に力強い、東京のパワーアップのための、これは国策というか、国家の他の都市のためにも波及することでありますから、ぜひとも進めていただきたいと思っております。

 なお、多国籍企業は、かつてはアジア統括拠点は東京にありました。今から三十年ぐらい前、私が東京都議会議員をやっていたころには、東京に多国籍企業の全てのアジア拠点が集まっていて、将来どうなるんだと言ったら、それは東京でしょうと言っていたら、いつの間にか東京からいなくなってしまった、そういった大変残念な状況であります。

 こういった競合するアジアの諸都市との間の比較優位をつくるために、規制緩和や特区が今求められているし、行われていると思いますが、そのことをさらに強くしていくというマインドが必要だと思っておりまして、このことについてお伺いいたします。

富屋政府参考人 内閣府よりお答えを申し上げます。

 まず、外資系企業のアジア、オセアニア地域の統括拠点数などを見ますと、日本が例えばシンガポールとか香港等におくれをとっているのは事実でございます。

 こうした中で、東京都が策定をいたしましたアジアヘッドクォーター構想というのがございます。これは、アジア地域の業務統括、研究開発拠点の誘致をふやしていくというのを目指していくものでございますけれども、国におきましても、総合特区制度の活用によりまして、これまで高度外国人材に係る要件緩和あるいは入国審査の迅速化の特例措置などを講じまして、積極的に支援を行ってきているところでございます。

 さらに、最近では、国家戦略特区制度で、昨年五月に東京圏を国家戦略特区に指定しておりますけれども、外資系企業等の開業手続を一元化した開業ワンストップセンターを設置することを初めといたしまして、都市再生、医療、雇用等の分野で規制改革を活用した十八件の具体的な事業を推進しているところでございます。

 今後とも、こうした特区制度の活用等によりまして、規制改革を積極的に進め、産業の国際力の強化あるいは国際的な経済活動の拠点の形成に努めてまいりたいと考えております。

松原委員 次に、インバウンドというのは、東京が都市間競争に大きく名乗りを上げる大きなチャンスを提供する。そのためには、二〇二〇年の東京オリンピック、また二〇二七年のリニアというものもあるわけでありますが、インバウンドをふやす上でビザ緩和の効果は極めて大きいと思っております。三千万人を目指して、インバウンドが実は来るんじゃないかと私は思っておりまして、既に四割増しの昨年度に比較しても、数字を上げているということになっております。

 こういったインバウンド、そしてビザ緩和効果、さらにはオリパラ効果というものについて、観光庁長官ですか、あわせてお伺いしたいと思います。

久保政府参考人 インバウンドの状況でございますが、委員御指摘いただきましたように、日本を訪れる外国人旅行者数は、昨年は年合計で、その前から比べて二九・四%増の千三百四十一万人でございました。ことしは、二〇一五年は、一月から五月までで、前年の一月から五月まで、同期比と比べて四四・九%増の七百五十三・八万人となっており、大変好調な状況が続いています。

 私どもとすれば、まずは、その二千万人時代の早期実現に向けて、五日に決定いたしました観光立国実現に向けたアクション・プログラム二〇一五に基づいて、しっかりと取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 その訪日外国人旅行者数の増加に与えるビザの影響でございますけれども、例えば二〇一三年七月以来、戦略的に実施してきているんですけれども、七月にビザ免除措置をタイ、マレーシアについて行いました。このビザ免除前の一年間と比べますと、タイについては七六%増、マレーシアについても五八%増と、非常に訪日数が増加しております。その意味で、ビザ緩和というのは訪日外国人旅行者数の増加を図る上で極めて重要な手段であるというふうに認識をしております。

 オリンピック・パラリンピック、二〇二〇年でございますけれども、私どもとすれば、これはインバウンド増加につなげていく絶好の機会であるというふうに考えております。

 先ほど申し上げましたアクション・プログラム二〇一五でも、まずはリオデジャネイロ大会後、そして二〇二〇年オリンピック・パラリンピック、そしてその後、三段階を考えて、それを観光振興の加速につなげていきたいということで、重要な柱として位置づけております。

 具体的には、二〇一六年のリオデジャネイロ大会直後から、世界じゅうで、二〇二〇年オリパラ開催国日本、こういう大変国際的注目を集める段階に入ると思いますので、その国際的注目度を生かして、戦略的な訪日プロモーション等を実施してまいりたいと思います。

 一方で、先ほども申し上げましたけれども、二千万時代に備えた受け入れ環境の整備も早急に実施をしていく必要があるというふうに考えています。

 いずれにせよ、絶好の機会でございますので、政府だけではなくて、民間の多くの方々と一体となって、オール・ジャパン体制で観光施策に全力で取り組んでいきたいと思います。

 二〇二〇年、その先、リニア開業、東京―名古屋の開業でございますけれども、これは、内外からの観光客の移動を活発にする、当然のことでございますが、さらには沿線地域に旅行者を呼び込むという観点からも意義があるものと考えています。

 また、そもそも最先端技術を結集したリニア開業そのものが、それ自体が内外からの観光客を引きつける、世界に誇る強力かつ魅力的な観光コンテンツになるというふうにも考えております。

 それぞれの観点から、そもそもリニア中央新幹線が、その超高速性によって国土構造に変革がもたらされる、これは国土のグランドデザイン二〇五〇にも書かれているところでありますけれども、そういった考え方も踏まえながら、リニア開業と今後の観光戦略の連動を図ってまいりたいというふうに考えております。

松原委員 こうした中で、インバウンドの要素として、日本食やショッピングなどがアンケートで出ておりますが、エコツーリズムのみならず、ビューティーツーリズムなどがリピーター獲得に不可欠な要素だと考えております。こうしたものについて、どのように国土交通省は捉えているのか、お伺いします。

久保政府参考人 委員から今、ビューティーツーリズムについてのお話をいただきました。

 このような新たな観光資源を活用して、体験型、交流型の、ニューツーリズムと言っていますけれども、ニューツーリズムを振興することは、観光旅行者の多様なニーズに応えるとともに、新たな観光需要をつくっていくという観点から重要な課題であるというふうに考えています。

 観光庁においては、例えばエコツーリズムだとかロケーションツーリズムだとか、これはドラマだとか映画の舞台になってもらうという意味ですが、あるいは最近では酒蔵ツーリズムだとか、こういったテーマ別にいろいろなツーリズムがございますが、関係の方々と一体となった協議会を設置して、その支援に努めておるところであります。

 先ほどのビューティーツーリズムでございますけれども、非常に興味深い話だと私どもも考えております。ただ、現下ではさまざまな課題も一方であるというふうに認識しています。安全上の問題だとか、例えば無資格者によって施術がなされているという実態もあるようでございますので、海外からの観光客が適正な事業者を選択する、その意味では困難さもあろうかと思います。

 私ども観光庁といたしましては、関係法令、さまざまな法令がございますが、所管する厚生労働省さん等を中心に、安全、安心なマーケットをまずつくっていただくことが何よりも肝要ではないかというふうに考えておる次第であります。

松原委員 航空局長にお伺いします。

 飛行場は極めて重要な要素であります。航空局長におかれては、二〇二〇年に向かって、これは八十数万、成田、羽田でとなっておりますが、将来的には百万回を超える空港というのを日本は目指すべきだと思っております。心意気をお伺いします。

田村政府参考人 首都圏空港の機能強化、これは、増加する訪日外国人旅行者の受け入れ、それから我が国の国際競争力の向上、そして二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックへの対応等の観点から必要不可欠であるというふうに考えております。

 首都圏空港の発着枠につきましては、昨年度に年間七十五万回化を達成いたしました。現在は、羽田空港の飛行経路の見直し等によりまして、二〇二〇年までに約八万回増枠とすることを目指し、関係自治体等との協議を進めているところでございます。

 しかしながら、諸外国の主要空港と比較しますと、現在はパリと同程度でございますけれども、ロンドン、ニューヨークなど、年間百万回を超えている都市もございまして、中長期的にはさらなる発着枠拡大が課題となっております。

 このため、先般、学者、専門家で構成する首都圏空港機能強化技術検討小委員会で取りまとめられました二〇二〇年以降の技術的方策についても検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

 いずれにしましても、我が国の将来を見据えて、今後とも首都圏空港機能強化に全力で取り組んでまいりたいと思います。

松原委員 次に、スーパーメガリージョン効果ということで、将来的に、二〇四五年ですか、大阪までリニアが行くと、一時間で行ける圏内に、五千万、六千万というそれなりの富裕層がいる日本で人が束ねられる、これはもう世界で初めての出来事で、どういうことがそこで生じるのか、今は想像できないぐらいだろうと言われております。

 これに向かっての気宇壮大な構想、夢を大臣に語っていただきたいと思います。

太田国務大臣 余り夢を語らない、そうした人生観に私は立っていますが、ここは想像することが十分できないような、世界で初めてスーパーメガリージョンというのがやってくる、ですから、朝起きてすぐ東京に出勤するということすらできる、こういうような時代がやってくるということだと思います。かなり劇的な日本の変化と、日本の魅力というものを出していけるという時代が来るんだというふうに思います。

 私は、そのスタートということについて、しっかり頑張っていきたいというふうに思っているところですが、航空の関係の話もありましたが、意気込みというのはあるんですけれども、意気込みを現実に、着実にというこの踏み込みの力強さというのが今私は大事なことだと思っておりまして、踏み込むことについては得意の方でありますから、第一歩の踏み込みをしっかりしたい、このように思っております。

松原委員 何かやはり人間は大風呂敷を広げるところからエネルギーが出てくる、これは私の哲学でありますから、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。

 都市局長は何かありますか。よろしいですか。

 それでは次に、拉致問題に入ります。

 この拉致問題に関して時間が余りなくなってしまったんですが、今回の延長に際して、なぜストックホルム合意において制裁緩和した人道支援目的の船は緩和されたままなのか、簡単にお答えください。

伊原政府参考人 御指摘の緩和措置につきましては、北朝鮮が拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を包括的、全面的に実施すると約束をして特別調査委員会を立ち上げたのに合わせてとられたわけでございますが、三月三十一日に、この大もとの入港禁止措置が二年間の期限を迎えたときにこの例外措置についてもあわせて延長するということにいたしました。

 しかし、こういった措置を含めて北朝鮮に対する措置につきましては、拉致問題を初めとする諸懸案の包括的解決に向けた北朝鮮による具体的行動の有無を踏まえて不断に見直しを行っていきたいと考えております。

松原委員 伊原さんをここで詰問してもしようがないわけでありますが、ちょっとこれは大分認識が違う。

 人道支援のものに関して一言言えば、これは我々も脱北者と会って話したときに、人道支援物資はそれを必要とする人に行っていないということの証言を明確に得ておりまして、もちろん、だからといって一〇〇%そうかというわけではありませんが、実際に人道支援物資が行っていない可能性が高いというところは認識をしております。そのことも最初に申し上げておきます。

 時間が残ったときに、この辺をもう一回、拉致対も含めて詰問していきたいというふうに思っております。

 まず最初に、三月に日本に入域した北朝鮮船舶の問題をお伺いしますが、これがかつて国連安保理北朝鮮制裁委員会によって制裁対象とされた会社の船であったということは認識していたのかどうか、お伺いします。

伊原政府参考人 まず、御指摘の件につきましては、海上荒天のための緊急入域でございまして、船舶が入港したものではございません。

 それから、政府としては、この船舶が国連安保理決議に基づく制裁対象の関連船舶であるということを踏まえた上で、関係省庁間で緊密に連絡をとりつつ、国内法令に基づいて立入検査等の適切な対応を行いました。その際、特異事象は確認されなかったというふうに承知をしております。

 また、本件を含めまして、国連安保理決議に基づく措置を日本は着実、適切に実施してきておりまして、この観点からも、今回についても関連する情報を関係国、国連に遅滞なく共有して、引き続き関係国、国連と緊密に連携協力して適切に対処していきたいと考えております。

松原委員 海上保安庁長官にお伺いしますが、海上保安庁は最初にそれを発見したとき、そのことを認識していたのか、さらには、その船に関して徹底的な検査を行ったのか、お伺いいたします。

佐藤(雄)政府参考人 同船につきましては、事前に外務省から国連安保理決議に基づく制裁対象の関連船舶であるとの情報提供があり、内閣官房や外務省等の関係省庁と情報共有を図るなど緊密に連携し、対応策の検討を行いました。その検討結果を踏まえ、これまで以上に厳正かつ綿密な立入検査を行っております。

松原委員 余り枝葉末節を聞きたくないんですが、どのぐらいの時間、何人ぐらいでやりましたか。

佐藤(雄)政府参考人 海上保安庁では、二〇〇六年十月十四日の北朝鮮制裁措置を開始して以来、北朝鮮の船舶が我が国の周辺海域に緊急入域した隻数というのは五十六隻に上っておりますが、今回はこれまで以上に多数の人員と長時間をかけて厳しい検査を行っております。

松原委員 ここはちょっと、今はいいですよ、今ここで問い詰めるのではなく、具体的な数字を後で教えてください。

 僕はどうも、さっきの伊原さんの話も本当かなと思う節があるんですよ。

 今回、米国に山谷大臣が行って、向こうでそのとき、関係者も行ったときに、アメリカ側から何で日本はこういう船に関して安直な扱いをしたんだというニュアンスの批判、指摘があったということを私は聞いておりまして、それはそれを発言した米側の認識不足だ、こういうことでいいんですか、伊原さん。

伊原政府参考人 今回の事案のような緊急の事案、これについて国連安保理決議上どういう義務を各国が負っているかということについては、必ずしも明確に定まっていないところがございます。

 今後、関係国等とも意見交換を行って、より効果的な安保理決議の実施に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。

松原委員 何かそういう教科書みたいなことを言ってちゃだめなんだよ。日本が当該国なんだから、国連の安保理決議ではこういう義務がありませんとかありますとかを聞いているんじゃないんです。本気でやる気が北朝鮮に伝わっていないから、伊原さん、日本はストックホルム合意の履行においても非常に安直な扱いを受けているんじゃないですか。それを今みたいなことを言ってちゃ、これをまた聞いたら、北朝鮮がこれをどこかで見たら、ああ、これは大丈夫だ、何もやらなくて日本は大丈夫だと思いますよ。

 伊原さん、僕は余り言いたくはないんだけれども、もう少し気合いを入れてやってもらわないと。少なくともこの場では気合いを入れて発言してもらわないと。義務的にこれでいけますよみたいな話ではしようがないと思うので、もう一回。

伊原政府参考人 委員御指摘の、アメリカ側が今回の日本の対応をどう評価しているかということに関しては、今申し上げましたように、安保理決議の解釈の中で十分定まっていないところがある、したがって、こういった問題については安保理においてよく検討して、各国が共通した強い立場で臨むようにしないといけない、そういう姿勢で日本としても対応しております。

松原委員 各国が協調しては大事だけれども、日本は特出ししてやらなきゃいかぬのですよ。

 だから、この行動に関して、米側に行った人から直接聞いた話では、日本は本気で北朝鮮の制裁をし、この問題が解決しているように見えないというふうなコメントがあったと聞いているから、では、そのコメントは向こうの認識違いなんですねと聞いたんですよ。認識違いだったら認識違いと言ってくださいよ。

伊原政府参考人 日本は北朝鮮の船舶の入港禁止措置をとっておりますけれども、アメリカはそういう措置をとっていない。したがって、日本は極めて厳格に、北朝鮮との関係で、その関係を律している、そのことは米国にも常に明確にしてきております。

松原委員 時間が来たので終わりますけれども、ちょっとおかしいよね。認識違いだったら認識違いと言えばいいんだよ。言えないでしょう。きちっと伝わっていないんですよ。

 先ほど、外務省と保安庁はきちっと連携したと言うけれども、それは連携はしたんだと思うけれども、本当にそうだったのか、どの程度の連携だったのか。こういったことを米側も見ているし、それが日本の拉致に対する真剣さなんですよ。ストックホルム合意だって、それから何も進んでいない。このことに関して、本当はもっと掘り下げて、きょうは拉致対からも来ているので質問したかったが申しわけない、時間がなくて。

 これは、もうちょっときちっとした、例えば民主党が出した申し入れは、向こうに対して、期限を設定しろ、ストックホルム合意の破棄も含めて検討しろと。これぐらいの勢いでやらなかったら、北朝鮮は日本に対して、こういう表現を使いたくないけれども、極めてなめた態度でやってくる。

 ストックホルム合意の破棄も含めて、一定の何か申し入れを期限をつけてして、そして検討するぐらいのことをここで答弁できますか。

今村委員長 外務省伊原アジア大洋州局長、時間が来ていますので、端的に言ってください。

伊原政府参考人 拉致被害者の一刻も早い安全な帰国に向けて、どのような対応をするのが最も適切かということを考えて対応していきたいと思います。

松原委員 終わりますが、この部分はエモーショナルな感情が入らなければ解決できませんよ。一言言っておきます。

 終わります。

今村委員長 次に、宮崎岳志君。

宮崎(岳)委員 上州、群馬一区から参りました宮崎岳志でございます。

 本日で、当委員会においては、内閣提出案件は、きょうの特定船舶の入港禁止で最終の案件になるということでございまして、当委員会においても私ども今回一度も反対をしていないということでございまして、一抹の寂しさと問題意識を感じながら、しかし、この問題における大臣のリーダーシップと委員長の円満な運営に感謝を申し上げ、最後まで与野党が納得できるようなことになればいいなと思いながら、質問を開始させていただきます。

 まず、東洋ゴムの問題でございますが、これは質問じゃなくて、一応意見として申し上げたいんですが、免震ゴムの性能偽装問題について、昨日、東洋ゴム工業株式会社の社長、会長がそろって辞任するとの報道がありまして、また、辞任表明と同時に最終報告書の公表が行われるというふうに報道されております。

 事件の全容を解明し、再発を防止するために、最終報告書の公表後、速やかに当委員会で集中審議を行っていただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいをお願い申し上げます。

今村委員長 理事会で協議いたします。

宮崎(岳)委員 よろしくお願いいたします。

 それでは、まず、本日、特定船舶の入港禁止の特措法に基づく国会承認の案件があるということですので、北朝鮮関係について質問をさせていただきたいというふうに思うんです。

 まず、北朝鮮外交をめぐっては、北朝鮮の対日外交の担当者というのはまさに十年単位の長きにわたってこの問題を担当しているわけですが、日本側は、これは現在の霞が関全体の人事制度もございますけれども、比較的短い期間、例えば二年程度とか、そういうことで異動を繰り返すケースが多いということだと思います。そのため、拉致問題に取り組んでいらっしゃる方々の中には、やはり担当者の異動が頻繁に過ぎて北朝鮮の交渉担当者との十分な信頼関係を築くのが難しいとか、交渉のバックボーンになる過去の経緯等についても北朝鮮側に比べて理解が進みにくい、より落ちついた、腰を落ちつけた交渉をするために、人事的にも配慮が必要じゃないのかという指摘もございます。

 それを踏まえて、今般、日本の対北朝鮮外交を事実上近年取り仕切ってきたのは現在の齋木事務次官でございますが、近く異動をするのではないかという風聞があるということであって、これによって安倍政権の北朝鮮外交が停滞するのではないかと不安視する声も一部にあるわけでございます。安倍政権の対北朝鮮外交の中心が齋木事務次官であったということは周知の事実でありまして、この方が例えば駐米大使等で転出するということになると、ラインからは外れることになるわけであります。

 北朝鮮との交渉に一定の成果が見られ、交渉に一定のめどがつくまで、一区切りを迎えるまで現職にとどめるべきではないかという声も上がっておりますけれども、これについては、外務省の政務の方から、政務官の方から御答弁をいただきたいというふうに思います。

薗浦大臣政務官 お答えを申し上げます。

 ただいま議員より個別の人事の案件についてお尋ねがございましたけれども、個別の人事についてはこの場でコメントできない点ということを御理解いただきたいと思います。

 いずれにしても、北朝鮮外交については、引き続き、総理、大臣の御指示のもとで、全ての拉致被害者の帰国を実現し、日朝平壌宣言に基づく諸懸案を包括的に解決すべく、対話と圧力、それから行動対行動の原則を貫き、全力を尽くしてまいる所存でございます。

宮崎(岳)委員 次官を動かすなというようなことに対してコメントが得られるとも思っていないわけでありますけれども、一応そういう声が上がっているということは指摘をさせていただくということであります。

 もう一点、これに関連をして、対北朝鮮という、ある意味特殊な外交でありますから、交渉担当者を長期間にわたって留任させて、信頼関係の樹立とか交渉の経過を熟知するような必要があるのではないかというふうに思います。

 現在、外務省に限らず中央省庁では、二年程度の交代で幹部人事が行われるのが通例かなというふうに思っているんですけれども、当然、その担当者を昇進させる必要はあるわけでありますが、例えば同じ担当者が課長補佐から課長、参事官、審議官というふうに、昇進はするんだけれども、実質的には対北朝鮮外交に継続して従事し続けるというような方法、工夫等は何かないだろうか。まさに齋木事務次官等についてはそういう側面もあるかと思いますが、このような人事上の工夫があるかどうかについて、外務省の見解をお伺いしたいと思います。

薗浦大臣政務官 人事配置につきましては、そのそれぞれのポストに求められる職務上の必要性に従い職員を配置しております。その結果として、今先生が御指摘いただきましたとおり、あるときの交渉担当者がより上位の職務について同じ交渉に携わるということも職務上あり得るというふうに認識をしております。

 一方で、一つのポストをある程度、一定期間務めた後で、違うポストに異動させることによって組織を活性化させたりですとか、この人物を外交官としてさまざまな経験を積ませて育成するという観点も我が省には重要だと考えております。

 いずれにしても、先ほど申し上げましたとおり、北朝鮮外交については、総理及び大臣の指示のもとで、先ほど申し述べた原則に従い進めてまいりたいと考えております。

宮崎(岳)委員 一般論として、薗浦政務官のおっしゃるとおりだと思うんですが、北朝鮮外交という非常に特殊な相手である。相手も、交渉担当者も、それこそ十年単位で留任をするというような状況にあるということも踏まえまして、特殊事情を踏まえた人事のやり方をお考えいただきたいということを御要望として申し上げます。

 続いて、国鉄退職者の年金についてお伺いしたいわけであります。

 資料を御用意いたしました。一枚目でございます。国鉄退職者の年金、国鉄年金は、過去に事実上財政破綻したような状況がありまして、他の年金財政からの資金で救済を受けたりしております。そのために、この表にありますように、昭和五十九年には年金の支給額が一〇%削減され、六十一年には三階部分に当たる職域年金の支給が停止されるなど、三公社として肩を並べていた電電公社退職者などに比べて、一種劣った状況に置かれているというふうに思います。

 しかし、年金財政の破綻の最大の原因は、戦中戦後に職員数が急激に拡大をした、膨らんだ、そして、大量の退職者が集中的に発生して、職員構成に耐えがたいゆがみがもたらされたことが原因であるというふうに思っております。

 国鉄の職員というのは、これは戦前ですけれども、昭和十二年に二十四万六千人だったんですが、戦争中、職員の多くが徴兵、徴用されております。徴兵、徴用されても会社から籍を抜くというわけではありませんので、そこで、しかも戦時中でありますから、とにかく輸送力の拡大が必要だということで、どんどん新規の採用を行ったわけですね。大量採用を行ったわけです。戦時中もどんどん人員が拡大をし続ける。

 戦後、もともとの職員が帰還したことに加えて、治安対策とか失業対策の観点から、国策によって、旧満州鉄道の社員、満鉄の社員や復員兵を大量採用するというような状況になりました。それによって、昭和十二年に二十四万六千人だった職員数は、十年後、昭和二十二年には六十一万人に達しております。十年間で二・五倍に急拡大をしているという現状があります。

 これら、組織としてのキャパシティーを大幅に超えた職員を受け入れたということによって、国鉄共済というものは非常に財政状況を悪化させていく。特に、例えば軍人時代の恩給の肩がわり等も行っておりますので、そういうことも踏まえて、財政状況は悪化した。これは共済に限らず、国鉄本体もこれによって非常に経営状況が悪化していくということになります。

 戦後、順次人数を減らしていくわけでありますけれども、結局、戦前、昭和十二年の水準に戻ったというのは昭和六十二年です。これはJRが発足したという年でありまして、分割・民営化によってようやく職員数が戦前の状態に戻ったわけでありますが、職員が二十一万六千人に対して、年金受給者が二倍以上の四十七万人という極めていびつな構造は残りました。

 こういったことが国鉄年金の財政破綻の原因であって、決して国鉄本体とかその職員だけの責任ではないということを申し上げたい。

 そして、本年十月に被用者年金の一元化がありますが、削減された年金一〇%の回復や職域年金の復活等を行うにはこれが最後の機会ではないかというふうに思いますので、質問をさせていただきたい。

 過去の国会における報告や答弁等によれば、国鉄年金の職域三階部分は、財政調整事業、他の年金からの救済でありますけれども、これを実施している期間は停止するというふうに言われております。実施している期間は停止するということは、この実施が終わればもとに戻すという意味だと思うんですが、財政調整事業というのが終わったのはどの時点でありましょうか。また、まだ終わっていないんだというふうにすれば、現時点で他の年金会計からどのような支援を受けているのか、これについて厚労省からお伺いをいたします。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの財政調整事業につきましては、昭和五十年代に入り、年金受給者数の増加及び年金額改定による給付費の増加、組合員数の減少等により国鉄共済年金の財政悪化が顕在化してきたことに鑑み、昭和六十年度から平成元年度まで、国家公務員共済、日本たばこ産業共済及び日本電信電話共済の三共済の拠出による国鉄共済年金への財政支援が行われたものでございます。

 その後、平成二年度から平成八年度までの間は、制度間調整事業といたしまして、国家公務員共済等に加えまして、他の共済年金や厚生年金も含め、被用者年金全体で国鉄共済年金への財政支援が引き続き行われたところでございます。

 さらに、平成九年度以降につきましては、旧公共企業体共済、これはJR、JT、NTTの三共済でございますが、これが厚生年金に統合されておりますが、成熟度が高かった旧国鉄共済年金や旧日本たばこ産業共済年金の統合前の期間に係る給付に要する費用につきまして、引き続き国家公務員共済、地方公務員共済、私学教職員共済及び厚生年金の被用者年金全体での支援措置を実施いたしております。

 この旧国鉄共済年金及び旧日本たばこ産業共済年金への各制度からの支援措置の具体的な額を申し上げますと、平成二十五年度におきましては千五百二十二億円となっているところでございます。

宮崎(岳)委員 そうしますと、今現在も支援が続いているという御判断なんですね。

 そうすると、被用者年金一元化に合わせて国鉄、JR職員への職域年金の支給を私は再開すべきだというふうに考えておるわけですが、これについてはいかがなんでしょうか。財務省の太田主計局次長、お願いいたします。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど厚生労働省からお答えがありましたとおり、現在、国鉄共済年金の支給に要します費用の一部につきましては、他の共済年金あるいは厚生年金で負担をしていただいているという状況は続いております。

 被用者年金一元化後におきましても、引き続き、国鉄共済年金につきまして、現在の厚生年金、共済年金を含めた被用者年金全体で負担をするということには変わりはないということになりますので、国鉄共済年金の職域相当分の支給を回復するということは困難であるというふうに考えてございます。

宮崎(岳)委員 国鉄年金の財政破綻というのは決して国鉄だけの責任に帰するわけではないということをあわせて申し上げて、賢明な御判断を望みたいということを改めて御要望させていただきます。

 さて、これに関連をして、過去に公務員などには恩給制度がありました。この資料の方で書いてありますが、国鉄においても、官吏と言われる駅長、首席助役等の幹部については恩給という制度で、幹部ではない一般の現場の職員の方は旧共済ということで、通称雇傭人と言いますが、雇員と傭人ですね、この方は旧共済で、掛金を給与の五%ということで払ってきたということであります。

 今度、公務員については、もともと恩給があって、恩給というのは自己負担分が非常にその後の共済に比べて少ないものですから、その分については年金を引き下げようということで、既に引き下げが行われているということでありますが、国鉄の年金についても、一九五六年の六月三十日以前の在職者全員を対象に、これ以前の期間については、その期間の二七%または年金額の一〇%の削減を行うということで聞いております。

 しかし、国鉄において恩給の対象となっていたのは、駅長とか首席助役級以上の、先ほど言ったようなごく一部の幹部のみであります。職員の大半は旧共済年金の掛金を五%払っているんですね。私も、これはどの程度が恩給だったのかなということで調べたんですが、大阪経済大学の学長を務められた重森暁氏が、一九七〇年、随分前ですけれども、この年に発表した論文、「「ビスマルク的国有」下の国鉄「合理化」」という論文を見つけまして、掲載資料を見たところ、昭和四年の段階で、官吏と言われる判任官が二万九百六十二人、雇員、傭人、鉄道手が十八万一千百九十六人ということで、全体の九割が旧共済なんです。つまり、掛金を納めている人たちなんですね。

 一割の方々が恩給であって自己負担が少ないからといって、他の九割の方も同様に引き下げるというのは私は理屈が通らないと思うんですが、これについていかがお考えになりますでしょうか。財務省の方からお願いいたします。

太田政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、先生御指摘になりました国家公務員の話から申し上げますが、国家公務員については、昭和三十三年以前に雇傭人等に適用されておりました旧国共済法の年金は、年金改定に伴います増加費用は国が負担をするなど、官吏に対する恩給制度に準じた仕組みとなっていること、また、昭和三十三年以前の期間に係る年金の給付に要する費用は、恩給法が適用されていた者だけではなくて、旧国共済法が適用されていた者に支給される共済年金につきましても事業主である国等が全額負担をしていることから、雇傭人等の旧国共済法が適用されていた期間に係る年金につきましても、平成二十五年八月より被用者年金一元化法により減額の対象とされているところでございます。

 国鉄共済年金の場合も、昭和三十一年六月以前の期間に係る年金の給付に要する費用は、恩給法が準用されていた者のほか、旧国共済法が準用されていた者に支給される共済年金につきましても事業主として鉄道・運輸機構が全額負担をしているということから、事業主である国が負担している国家公務員の場合と同様に、被用者年金一元化法により、旧国共済法が準用されていた期間も年金の減額の対象とされているという整理でございます。

宮崎(岳)委員 鉄運機構が全額負担をしているからということですが、加入者の方は掛金を払っているんですよね。それを積み立てておかなかったのは国の都合であって、加入者の方が積み立てないでくださいと言ったわけではないわけでありますから、これについては、きちんと旧共済の方で掛金を納めていた九割の方々に関しては、引き下げるというのはやはり私は理屈が通らないと思いますので、これは改善を求めたいというふうに思います。

 ちょっと時間がなくなりましたが、最後に空き家対策についてお伺いをしたいと思います。

 現在、空き家問題というのがもちろん大変問題になっていることは、当委員会でもこれまでたびたび取り上げられております。私の地元にあります水上温泉とかでは、例えばホテルが空き家になっていて廃墟のようになっているようなケースもあるわけであって、大変問題になっているわけであります。

 昨年、議員立法で空き家対策特措法も成立しましたが、残された課題というのも徐々に明らかになってきていると思います。

 まず一点目は、空き家の取り壊し費用なんです。

 これは二枚目のペーパーをごらんいただきたいんですが、空き家を取り壊す際に、持ち主が、ぜひ壊したい、ついては補助金をいただきたいということになると、国が四〇%出すという形になります。これは自治体が、ぜひ壊してくださいというふうに持ち主にお願いする場合も同じようなスキームだと思います。それで、例えば税金の滞納とか公売とかいろいろあって、空き家が地方自治体の所有になったというときも四〇%は国費が出るんですね。

 ところが、どうにもならない、相手方もなかなか壊してくれないというときには、行政代執行に移るということになります。ところが、行政代執行になると、持ち主が全額払うのが原則で、それを一時、例えば自治体が肩がわりするという仕組みでございますから、一〇〇%自治体が一時的に払う。本人に請求するんですが、こういう行政代執行になるようなケースは、本人にお支払いいただく資力が基本的にはない場合がほとんどであろうというふうに思うんですね。

 そうすると、一番難しいケースというのがこの行政代執行なんですけれども、一番難しいケースにおいて全額地方自治体が実質的に負担することになってしまう。これを何とかできないか。

 とにかく、持ち主が本来払うべきお金だから補助金を出せないという仕切りの話ではあるんですけれども、持ち主が納得すれば補助金を出せるわけですから、財政的な問題ではないんです。財政的な裏づけは既にあるわけですね。そうすると、もう制度上の問題でしかないんですね。

 例えば交付税で措置するとか、あるいは、自治体が所有者に対して代執行によって持つことになる債権みたいなものを国が引き取って、かわりに回収するサービサーに投げるとか、方法はあるかと思いますが、何らかの仕組みでここの一番のネックのところを解消しないと、一番自治体がやりたいところができないという状況になるんじゃないかというふうに思います。

 これは大臣の方でぜひ政治判断としてお考えをいただきたいというふうに思うんです、何らかの方法がないか。御見解をお伺いできますでしょうか。

橋本政府参考人 申しわけございません、まず事実関係を御説明申し上げます。

 市町村が行政代執行により空き家を除却する場合には、その前提として、空き家法に基づいて所有者に対して空き家の除却命令を発することになります。除却命令を発することで所有者がその除却の義務を負うことになりますので、その義務に伴う費用は当然所有者の負担という原則でございます。これは、例えば建築基準法の危険な建築物の除却に関しても、除却命令を出して代執行する場合も、これは今までもずっと所有者負担ということにしています。

 ただし、御指摘のように、所有者が負担をできない場合、あるいは所有者と意思疎通ができない場合というのがございます。こういう場合には、財産を差し押さえて強制徴収をするということが認められております。やはり、所有者が本来果たすべき義務でございますので、その他の税金をつぎ込むというのはなかなか国民の理解を得にくいところもあろうと思います。

 一方で、ほとんどの自治体、市町村では、行政代執行に至る前に丁寧に所有者に説明をして協力依頼を求める、その段階では国の支援等、補助金等も入れておりますが、その代執行に至るまでのさまざまな取り組みについてさらに市町村を促して、国も支援をしながら空き家の除却を進めてまいりたいと考えております。

宮崎(岳)委員 大臣、もしよろしければお願いします。

太田国務大臣 この1、2、3で、1が多いだろうというふうに思いますが、そうした先生の言う問題意識というのは確かにあり得るなと。もう少し現場の状況を見て、そこで対応すべきものであるならばどうするかということも研究をしたい、このように思います。

宮崎(岳)委員 とにかく、1で解決するんですね。でもどうにもならないものだけが2、3と落ちてきて、3に至ると、これは持ち主がそもそも財産なんか持っているケースは、劣悪な空き家ですからほとんどないということになって、あるいは、持ち主が例えば判断能力がないとか意思の疎通がとれないとか、あるいは暴力団関係者であるとか、そういうケースだけがどんどん落ちてくるということでありますので、これについては、ぜひ国として取り組んでいただきたい。財政的な裏づけがあって、あとは仕組みだけの問題だというふうに思いますので、お願いをいたします。

 もう一点。

 空き家については住宅用地特例というのがあるというのは皆さんもう御存じのとおりだと思いますが、例えば最大で固定資産税は六分の一、都市計画税は三分の一になる。これは空き家に限らずですが、住宅用地については、こうやって税の減免があるわけですね。

 しかし、そのために空き家を壊さない。本来であれば更地にして駐車場にでもすればいいのに、そうすると今度は固定資産税が上がってしまうからむしろ損だということで、そもそも利用する当てもないのにずっと放置しておくようなケースが大変あります。

 それを解決するには、空き家については住宅用地の特例というのを外す。例えば、一年間人が使っていなければ外す。外すといっても、本則に戻すだけのことでありますから、別に問題ないと思うんですよね。そうやって、適切な家屋の活用を促していくことが必要ではないかというふうに考えているわけであります。

 そこで、時間もありませんので、まとめてお伺いいたします。

 住宅用地に係る固定資産税が年間どれぐらいあって、また、住宅用地特例で減額されているのがどれぐらいなのか、そのうち空き家に係るものはどれぐらいなのかという金額的なものと、これをある程度の一定期間空き家であれば対象から外してしまうということが考えられると思うんですが、これはいかがでしょうか、御見解をお伺いしたいと思います。

今村委員長 総務省青木大臣官房審議官、時間の関係がありますので、端的に述べてください。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 住宅用地に係る固定資産税でございますけれども、固定資産の価格等の概要調書によりまして、その課税標準額を把握しておりますが、それに標準税率の一・四%を乗じて推計した場合、住宅用地に係る固定資産税の税収額は一兆五百億円程度でございます。この住宅用地には御指摘の特例がかかってございます。この住宅用地特例により減額されている額を推計いたしますと四兆三千億円程度でございます。なお、住宅用地特例で減額されているもののうち空き家に係る額については把握をしておりませんので、御理解賜ればと思います。

 一定期間以上空き家ならばこの適用を外すべきではないかという御指摘をいただきましたけれども、この住宅用地特例は、人の居住の用に供する家屋の敷地に対して適用されるものでございまして、家屋が構造上住宅と認められない状況にある場合、また使用の見込みはなく取り壊しを予定している場合、それから居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合で今後人の居住の用に供される見込みがないといったような場合には、この特例措置は適用されないこととしておりまして、その旨を空き家法の施行にあわせて通知をさせていただいているところでございます。

 一定期間住んでいない場合に特例の対象外とするということにつきましては、住んでおられる方が転勤される場合もありますし、長期の出張あるいは入院、入所等、住民の方々が長期に不在にされるいろいろなケースがございます。また、借家人を募集している貸し家といったようなこともございます。したがって、一律に期間を区切って特例について考えるといったようなことについては慎重に考えるべきものというふうに考えています。

宮崎(岳)委員 時間でありますけれども、もう終わりますけれども、本当に、これは特例措置があるので、現在建っている家を貸し出すというモチベーションが上がってこないという側面もあるということを御理解いただきたいということと、あと四兆三千億円も住宅用地特例で減っているんですね。一三・五%空き家ですから、単純計算ですけれども五千億近く空き家に関して税金の減額が行われているという現状があるんじゃないかということを指摘させていただきまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、玉木雄一郎君。

玉木委員 玉木雄一郎です。おはようございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 きょうは、特定船舶の入港禁止の実施の承認がかかりますので、拉致問題についてまず冒頭伺いたいと思います。

 きのう、私、予算委員会で安全保障、特に集団的自衛権の問題について安倍総理とやりとりをさせていただきましたが、対北朝鮮について我が国がどう安全保障の観点で向き合っていくのかは極めて大事であります。その前提として、北の核開発、ミサイル開発をいかに封じ込めていくのか、このことがまず根っこになければいけないと思っております。

 そこで、お伺いいたします。

 昨年の七月、約一年前でありますけれども、拉致問題の例の特別調査委員会が北朝鮮に設置をされました。そのことをもって、要は実効性のある調査が行われるという確信が持てたので、我が国が独自に科していた制裁を解除して、そして北朝鮮からの調査を待つということを日本政府は昨年七月四日に決めたと認識をしております。

 そこで、まず政府に伺います。

 北朝鮮の特別調査委員会の調査の現状がどうなっているのか、そして、たしか官房長官が発言をしていたと思いますが、最初の通報は昨年の夏の終わりから秋の初めだったと記憶をしておりますが、それからすると随分約束が果たされないまま長い時間がたっていると認識しておりますけれども、いつまでに報告を求めることに二国間でなっているのか、あわせて答弁いただきたいと思います。

薗浦大臣政務官 お答え申し上げます。

 拉致問題というのは、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題でございまして、従来より、対話と圧力、そして行動対行動の原則に基づいて臨んでおります。

 圧力につきましては、先ほど委員から我が国独自の制裁解除というお話がありましたけれども、御指摘のとおり、昨年のストックホルム合意に基づきまして、七月以降、我が国独自制裁の一部を解除させていただいております。一方で、本年三月には、北朝鮮船舶の入港禁止措置及び輸出入禁止措置の二年間の延長というものを決定させていただいております。

 また、対話におきましては、先ほど委員から御指摘がありましたとおり、ストックホルムの協議後、七月に北朝鮮側が調査を開始しております。現在までのところ、北朝鮮側から調査結果の通報はございません。この一方で、日朝間の協議等の機会に、我が方から、拉致問題があくまで最重要課題である、このことを繰り返し伝えるとともに、迅速に調査を行い、速やかに、そして正直に結果を日本に通報することを求めてきております。

 また、国際社会との連携という観点においては、先般のG7首脳会合においても、総理から拉致問題を取り上げまして、各国の理解、協力を求めるとともに、宣言文に拉致問題に対する非難を明記させていただいております。

 いずれにしても、対話と圧力、行動対行動の原則に基づいて、引き続き全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

 そして、その後の一年間の期限云々という話でございますけれども、調査が開始された時点で、日朝間のペーパーに具体的にいついつまでという期限が記されているわけではございませんで、一刻も早く拉致問題を解決すべく、引き続き強く求めてまいりたいというふうに考えております。

 委員御指摘いただきましたように、五月にストックホルムで協議を行いまして、七月に調査を開始いたしました。官房長官の常識的には年内云々という話でございますが……(玉木委員「答弁短く」と呼ぶ)では、これで終わりますが、お尋ねの発言については、あくまで拉致問題の早期解決の重要性を踏まえて発言したものというふうに承知をしております。

玉木委員 全く答えになっていませんよ。

 今、集団的自衛権の議論をしていて、きのうも総理おっしゃったけれども、ミサイルが飛んでくるかもしれない、米艦に対してそういう攻撃があるかもしれない。でも、その発射能力の開発をまず封じ込めることが大事なんじゃないですか。

 拉致の結果が何もないのに制裁だけ解除して、しかも合意文書の中には期限は全く書いていない。なめられているじゃないですか。これは外交の失敗ですよ、日本外交の。

 その外交の失敗を、憲法を無理して、解釈改憲で集団的自衛権を無理無理認めて、ミサイルが飛んできたらどうするんですか、守らなくていいんですかと総理は一生懸命語るけれども、拉致とミサイルと核は三点セットでしっかりと一緒に解決すべき問題ではないんですか。今、私、聞いて唖然としましたよ。政務官を責めても仕方がないかもしれないけれども、でも、これを決めて、調査の確証があるから制裁まで解除したんでしょう、特別委員会の設置だけで。

 きょう、ここにお座りの議員の中にも胸にブルーのリボンをつけておられる方がいらっしゃるかもしれないが、それを朝つけるときにどんな思いでつけているのか、もう一度考えてもらいたい。

 一生懸命、今、安全保障の議論が国会でなされているけれども、一方で潜水艦発射ミサイルの開発があったり、そういうことを許すようなことが、行動対行動という中で、一方の行動が欠けている中でやっていることに対して私は許せないと思っています。

 最後に聞きます。もし、一年のめど、もうすぐ七月四日が来ますけれども、これを過ぎて何の答えもなければ、独自に科した制裁は復活すべきだと思いますが、いかがですか。

薗浦大臣政務官 政府としては、北朝鮮が合意に従って迅速に調査を行い、速やかに、正直に結果を通報するよう強く求めていくという立場に変わりはございません。

 そして、お尋ねの点につきましては、北朝鮮側から、今委員から御指摘のありました、拉致、核、ミサイル、この諸懸案の解決に向けた具体的な行動を引き出す上で、何をどうすれば最も効果的に進むのかという観点から、継続的に、不断に検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

玉木委員 どうですかね。国会議員の私に対する答弁ではそれでいいと思いますが、拉致被害者の皆さん、そして国民の皆さんに、今のような説明で本当に納得してもらえるんですかね。(発言する者あり)相手が悪いから、だまされてはいけないんですよ。

 だから、私は、当時いろいろなところにも書きましたが、こんなことで制裁解除すべきではない、少なくとも何かの具体的な結果を見たときに初めて解除すべきであって、このことで解除してしまっているこの現実については責任は大きいと思いますよ。

 この相手の悪い、本当に悪い相手に対して、私は、非常に日本外交としてまずいことをやってしまった、そう思いますよ。この点については、ぜひ大臣にもお伝えください。このことを強く申し上げて、この話は終わりたいと思います。

 ただ本当に、いよいよ一年が来ますからね。政府として、本当にどういうふうに考えるのか。今、特別委員会で議論されているから、安全保障とセットで実は考えてもらわなければいけない問題だと思いますので、この点指摘をして、次の課題に移りたいと思います。

 太田大臣、ありがとうございます。きょうも太田大臣とこうしてやりとりができることを大変ありがたく思っております。

 話題をかえまして、私、これは二年間、この問題を当委員会等で質問してまいりましたけれども、地元にある坂出北インターチェンジのフル化の問題であります。

 地域創生とかいろいろなことが今言われていますが、私、二年前から、これはぜひやったらいいということで、数えましたら、予算委員会の分科会も含めて二年間の中で三回質問して、きょう四回目なんですね。その都度、大臣からは非常に前向きな答弁をいただいておりまして、その点については本当に感謝しております。

 三点ありました。

 まずは、インターチェンジ間の距離が近いからといって、必ずしもインターチェンジの整備を排除するものではないと最初におっしゃっていただき、加えて、地元で協議会が設けられて、きちんとした協議の場ができれば、整備局を初め国としても協力をしていただくということもおっしゃっていただきました。

 そして、スマートインターチェンジの予算を、インターチェンジのフル化、必ずしもスマートインターチェンジそのものではありませんけれども、そういったところに柔軟に活用することも、予算の効率的な使用の観点からもやっていただけないか、こういう提案をしました。そうしたら、機構法を改正していただいて、法的にもそういった裏づけをつくっていただいて、できるようになったし、また、そういった制度を使えば、料金所の中については国と道路会社が整備をしてくれるので、地元負担は一切なくできるということも御答弁をいただいたと思っております。

 そこで、改めて、先日、坂出市長さんから私のところにも要望いただきましたし、大臣のところにも要望が届いていると思いますけれども、今、坂出北インターチェンジのフル化について地元で検討が始まっております。地元としてもしっかりこれは努力をもちろんしていかなければならないし、していくと思いますので、改めて、国土交通省としても、準備段階から支援していただける新たな制度もあると思いますので、そういった制度の活用も含めて実現に向けた検討をぜひ、国交省としても、大臣としても応援をいただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

太田国務大臣 これまでそうした経緯をたどって、私としては、一歩ずつというか前進をしてきたな、こういう思いでございます。

 この二月から、フルインター化につきまして、坂出市、香川県、四国の地方整備局で実現に向けた打ち合わせを始めているということで、その中で、市が具体的な設計等を行って、県、国と調整する形で検討を進める方針である、こう聞いています。

 国交省では、これまでも、地方公共団体が行う調査、検討に対して協力を行ってきました。さらに、今年度から、インターチェンジの必要性が確認できる箇所等について、準備段階から支援を行うことを検討しているところです。この準備段階から支援を行うという具体的な箇所については、現在、全国の候補箇所の中から選定中でございます。

 今後、国交省としては、新たな支援策も活用しながら、地元自治体における検討に対して必要な協力を行ってまいりたい、このように思っています。

玉木委員 ありがとうございます。

 今大臣がおっしゃっていただいた準備段階から応援していただける新しい制度、この対象地域を選定中ということでありましたので、坂出北インターチェンジ、ぜひお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 今大臣がおっしゃっていただいたように、二月から県、市、そして整備局、国ということで協議が進んでおりますので、これから、そういった国、県、市、また官民の垣根も越えて、また与野党の垣根も越えて、実現に向けて我々も頑張りたいと思いますので、応援をいただきたいと思っております。

 次に、ハンセン病の療養所の話を少しさせていただきたいと思っております。

 私は、実は、ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会、超党派の議員懇談会の事務局次長を仰せつかっております。大臣も御存じのとおり、ハンセン病は、ある種我が国の誤った隔離政策によって、元患者の皆さんに大変な苦痛を与えてしまったという歴史がございます。裁判もありました。国としても責任を認めました。

 そういう中で、瀬戸内海に浮かぶ島の中にも大島青松園という療養所がございまして、今そこに六十九人、そして平均年齢がもう八十二歳になっている療養所がございます。全国にも療養所がありますけれども、全国平均はもっと高くて八十四歳ぐらいだったと思いますけれども、いずれにしても、もう八十を超えている。認知症が進み、介護、介助、医療的なサービスを必要とする方もふえています。

 そんな中で、この大島という島なんですけれども、離島振興法がありますが、離島振興対策実施地域の対象に現在なっていません。この対象地域を追加する検討が行われていると思うんですけれども、ぜひ追加して国としての支援を手厚くしていただきたいな、これがまた国としての責任の果たし方の一つとも考えております。

 そこで、まず伺いたいのが、この大島の離島振興対策実施地域の追加指定の検討状況及び追加される見込み、見通しについて教えていただきたいと思います。

本東政府参考人 御指摘の香川県高松市の大島でございますけれども、今後の振興方針が確定した後に、離島振興対策実施地域の指定の是非について検討するというふうにされていたところでございます。

 高松市におかれましては、昨年十一月でございますけれども、人権学習等の交流促進を中心とした大島の振興方針及び具体の振興策を策定されたところでございます。これを受けまして、去る六月十七日に国土審議会離島指定検討部会が開催されまして、大島を離島振興対策実施地域として指定することが適当であるとされたところでございます。

 今後は、六月二十四日に予定されております国土審議会離島振興対策分科会におきまして審議が行われる予定となっております。審議の結果を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

玉木委員 二十四日に分科会が開催されるということでありますので、ぜひここは指定をいただいて、先ほど申し上げたようなハンセン病に対する国の責任を果たすという意味でも、ぜひ前向きな指定をお願いしたいと私は思っております。

 その上でお伺いしたいんですけれども、この大島のいろいろな施設が老朽化をしてきておりまして、地元からは、桟橋、港の整備の要望が上がっております。

 先ほどの追加指定を受けた場合に国としてどのような支援があるのか、また、その場合には地元の負担はどのようになるのか、補助率のかさ上げとかそういったものがあるのか、お答えいただきたいと思います。

大脇政府参考人 大島港におきましては、港湾の利用に支障を来しておりますため、現在、港湾管理者であります高松市におかれて対策が検討されているところというふうに伺っております。

 国土交通省といたしましては、港湾管理者であります高松市から具体的な対策方法などをお聞きしながら、防災・安全交付金などによる支援を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

 また、大島港におきまして桟橋を整備する場合の国費補助率につきましては、現在、十分の四というふうになってございますけれども、離島振興対策実施地域に指定された場合は十分の六ということになります。

 以上でございます。

玉木委員 時間が来たのでもう終わりたいと思うんですが、大臣、私はハンセン病についてはやはり思い入れがありまして、人権という観点からも本当に大事な問題だし、忘れてはならない、我々の記憶にしていかなければならないと思っています。

 その意味で、今お答えをいただきましたけれども、この指定を受けた場合の国としての支援、補助率のかさ上げ等について、改めて、この港の整備、大臣の決意をお伺いして、終わりたいと思います。

太田国務大臣 私もハンセン病のそれにかかわってきた一人でありますので、よく理解できますし、大島港は、島民の乗降や医薬品、生活必需品、こうしたことで大事である上に、非常に港の施設の老朽化等で船舶の乗降に支障を来している、こういう状況だということを承知しています。

 港湾管理者である高松市からもお話を伺いながら、必要な支援を検討してまいりたい、このように思います。

玉木委員 御党の山本議員も大変力を入れてやっておられますので、今前向きな答弁をいただきましたので、ぜひ大臣としても推進していただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、横山博幸君。

横山委員 おはようございます。維新の党の横山博幸でございます。

 きょうの質問は、日ごろから地域経済の活性化に貢献していただいております国土交通省に敬意を表しながら、数点質問をさせていただきたいと思います。

 私、今月の十日に、三鷹にある海上技術安全研究所に視察にお伺いしました。本当にすばらしい施設でございました。四百メーターの水槽や、操船リスクシミュレーターのような大型実験施設や、長年にわたって蓄積された知見、ノウハウを活用して海上分野の研究開発に注力しておりますが、海事行政における海上技術安全研究所の役割をまずお聞かせいただきたいと思います。

森重政府参考人 国土交通省におきましては、海運、造船、船員などの海事政策を総合的に実施することによりまして、安全で環境に優しい海上輸送の実現や海事産業の国際競争力の強化などを推進しております。

 海上技術安全研究所は、こうした海事行政を支える技術基盤といたしまして、三つの役割を担っておるところでございます。

 第一に、試験水槽による事故の再現、その技術的解析などを行うことによりまして、海難事故の原因究明と再発防止対策の検討に貢献をいたしております。

 第二に、基礎研究を通じた技術開発を行うとともに、国際海事機関、IMOにおきまして、我が国が安全環境基準を提案する際の技術的なバックデータを提供することによりまして、我が国海事産業の国際競争力の強化に貢献しております。

 第三に、海洋開発などの新分野における基礎的な研究を実施することによりまして、我が国海事産業の新分野進出に貢献しております。

 このような取り組みによりまして、研究所は、海事行政を技術面から支えております。

横山委員 大変ありがとうございます。国際的な視野に基づいての日々の活動に敬意を表したいと思います。

 次に、我が国の海事産業は、非常に裾野の広い地域密着型産業でもあります。国際競争の中で持続的に成長していく必要があると考えますが、我が国の海事産業の国際競争力強化のために海上技術安全研究所はどのように貢献されているのか、具体的にお聞かせ願いたいと思います。

森重政府参考人 造船業を初めといたします我が国海事産業が、国際競争力を強化し、厳しい国際競争のもとで持続的に成長していくためには、我が国が得意といたします省エネ技術、こうした技術の一層の向上と、その技術力を発揮できるための環境づくりが必要でございます。

 そのために、まず、研究所では、海事行政を支える技術基盤といたしまして、省エネ技術に関する基礎研究を世界に先駆けて実施いたしまして、その開発した技術を業界に提供することによりまして、我が国造船業の技術力の向上に貢献しております。

 例えば、基礎研究の段階から実施してまいりました、船底を空気の泡で覆うことによりまして摩擦を低減する空気潤滑法につきましては、世界初の技術として、我が国の造船所により実用化されております。

 また、我が国主導で導入いたしました国際的なCO2の排出削減規制でございますけれども、これに関しましても、基準の技術的なバックデータを提供いたしまして、国際会議をリードすることによりまして基準の策定に貢献しております。

横山委員 大変ありがとうございます。

 今、答弁にもありましたように、今後、我が国の海事産業は、海洋開発分野や海洋再生可能エネルギー分野など、新たな成長分野に進出をしていくことも大変重要であると考えております。

 これらの新分野に関する技術研究所の取り組みについてお伺いをしたいと思います。

森重政府参考人 海洋におきます資源の開発や再生可能エネルギーの市場は世界の成長分野でありまして、我が国海事産業もこうした世界の成長を取り込んでいくことが大変重要であると考えております。

 このため、研究所におきましては、海洋構造物の試験水槽や深海水槽を用いた試験、我が国海事産業がこれらの分野に進出するための基盤的な研究開発を実施しておるところでございます。

 具体的に申し上げますと、例えば、効率的な海洋資源の調査を可能とするために、複数の小型の無人探査機を海中で同時に複数運用することによりまして、広域な海底を短時間で探査できる手法の研究開発、あるいは、浮体式の洋上風力発電につきましては、現在、長崎県の五島沖、福島県沖におきまして実証事業がなされているところでございますけれども、そうした浮体構造物や係留設備、浮体を係留する設備でございますけれども、こうした設備の安全ガイドライン案の策定などを実施しているところでございます。

 研究所におきましては、引き続き、我が国海事産業の新たな成長分野への進出を支援するための取り組みを進めてまいりたいと思います。

横山委員 大変ありがとうございます。

 洋上発電は、特にこれからエネルギーの開発の面で非常に重要だと思いますので、しっかりと技術開発をお願いしたいと思います。

 次に、私の地元の今治市もそうでありますけれども、地方の中小造船所においては、独自の技術開発を行うための人材や機器などのリソースが非常に限られているとともに、新たな技術者、技能者の確保、育成が大きな課題となっております。

 技術面でも人材面でもすぐれたノウハウを有しております海上技術安全研究所において、そうした地域の中小造船所の技術力向上であるとか人材の育成に関して今までにかなりの実績があると思いますけれども、その実績と今後の取り組みについてお伺いをさせていただきます。

森重政府参考人 中小の造船所は、大手造船所に比べまして企業規模が小さく、独自の技術開発や人材の確保、育成が課題となっております。こうしたことから、海上技術安全研究所におきましても、中小造船所の技術力の向上であるとか人材育成のための取り組みの支援を行ってきております。

 技術力の向上につきましては、例えば、船体やプロペラなどに関する省エネの技術につきまして、地域の中小造船所と共同研究の形をとることによりまして、その共同研究の成果を中小造船所へ提供しております。

 また、人材育成につきましては、研究所で行っております新人の技術研修、これは研究所で行っているわけでございますが、これを中小造船所の若手の技術者にも開放いたしまして、利用していただいているところでございます。具体的には、船舶工学系の学科のない大学の工学部を卒業した若手の技術者を対象にいたしまして、テレビ会議システムを活用し、短期集中で基礎知識を習得させる技術研修を実施しているところでございます。

 今後とも、研究所におきましては、そのノウハウ、知見を生かしまして、このような中小造船所の技術力向上、人材育成のための支援を推進してまいります。

横山委員 ありがとうございます。

 今答弁をお聞きしますと、ほぼ地方の造船所の技術者が研究所に来られて学習をされるというふうに感じましたけれども、逆に、研究所の方から地域に出かけていって、そこでの研修をされるようなことはございますか。あるいは、そういった拠点が地方にございますでしょうか。

森重政府参考人 先ほど御説明させていただきましたのは、研究所でやっているものをテレビなどを使いまして地域に届けるという形でございますけれども、研究所の研究員が地域のそれぞれのセンターなり拠点に参りましていろいろなお話をするとか、そういうこともやっておりますので、そうした取り組みをこれからも充実していくという方向でやってまいりたいと思います。

横山委員 大変ありがとうございます。引き続いて地方への協力をお願いしたいと思います。

 研究所に関して、最後の質問をさせていただきます。

 本当に、先ほど答弁がありましたように、造船業界にとっては大変ありがたい研究所であると思います。しかしながら、今回の法案で、来年四月に、この研究所は港湾空港技術研究所と電子航法研究所と統合するというふうにお聞きしております。

 我が国造船業を技術面で支えているこの研究所が、これまで行ってきた研究所としての対応、先ほどからお聞きしておりますと、非常に小まめな対応をされておりますけれども、統合後もそのことを継続されるのかどうか、あるいは国際的にも技術水準を上げていけるのかどうか、この点について見解をお聞かせいただきたいと思います。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 海上技術安全研究所は、大型の実験施設や蓄積された知見、ノウハウを活用することによりまして、これまで高い水準で研究開発を実施し、地域を含む我が国全体の造船業を技術面で支えてまいったわけでございます。

 御説明させていただきましたこうした取り組みは、今後もしっかりと継続するとともに、統合後におきましても、的確な業務の実施に必要な組織、マネジメント体制を確保すること、研究施設を確保することなどを進め、研究開発成果最大化のための環境の整備に努めることによりまして、研究開発水準の維持向上を図ってまいります。

 また、委員御指摘のように、今回、三研究所が統合されることによりまして、海上、港湾、航空分野の研究開発を総合的、一体的に実施することが可能となります。これによりまして、今後の重要な政策課題でございます海上交通及び航空交通の分野におきます運輸産業の国際競争力の強化や、海洋の利用促進に向けた政策の展開へ一層貢献してまいりたいと考えております。

横山委員 大変ありがとうございます。

 三つの機関が統合されて、連携をして研究していくということは大きな成果が出ると思いますけれども、一方で、統合するときに行われるのは人材の削減等があります。その面において人材の削減を行うのか行わないのか、それに伴って影響が出てくることはないのかどうか、その点について補足で答弁いただきたいと思います。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 統合に伴います人材、人の問題でございますけれども、これにつきましては、平成二十五年の閣議決定によりまして、独立行政法人改革に関する基本的な方針でございますけれども、職員の士気の向上や雇用の安定に配慮するという内容が書かれております。こうした閣議決定の趣旨を十分に認識して運営してまいりたいと思います。

横山委員 大変ありがとうございます。

 ぜひ、総合力が逆に落ちないように、しっかりと対応をお願いしたいと思います。

 続きまして、公共工事の関連についてお伺いしたいと思います。

 公共工事での地元業者への優先発注、これは地方でも盛んに叫ばれており、実施をされておりますけれども、本当に、地方での優先発注は、地方産業の振興を図り、地域住民の雇用を確保し、さらには税収も増加するということは明白であります。

 こうした中、一般競争入札では、地域要件を設定することによって、入札業者を地元業者などに限定することができるとなっておりますが、ことし三月に発表された入札契約適正化法等に基づく実施状況調査の結果では、一般競争入札を行っていない機関を除き、都道府県から市区町村まで地方公共団体では約九割、正確に申し上げますと、八八・八%、千三百六団体中千百六十団体が、一般競争入札での競争参加資格の要件で地域要件を採用しておるとデータが出ておりますが、国の機関では、逆に約五割、四七・四%、十九機関中九機関の調査でありますけれども、約五割しか採用しておりません。

 この国の機関の採用数が少ない要因についてお伺いしたいと思います。

毛利政府参考人 お答えをいたします。

 御指摘のように、国の発注機関の中に地域要件を採用していないところがありますので、その理由を調査いたしますと、過去の入札で応札者が少ない傾向にあって、幅広く競争参加者を募る必要があるという原則論を回答するところもありますけれども、発注案件が都内に限定されていて、地域要件を採用する必要性がないとか、あるいは、一件当たりの発注金額が小さくて、地域要件を採用しなくても、競争参加資格によりまして、事実上地元の建設企業が受注できているという理由が挙げられておりました。

 一方で、先生御承知のとおり、国交省、農水省など地域要件を採用している国の機関による公共工事の発注は、金額、件数ともに、国全体の発注の九割以上を占めている状況にございます。

横山委員 そうすると、全体的な比率は低いわけでございますけれども、地方ではほとんど地域要件を採用しているというふうに考えていいのかどうかということと、もう一つは、直轄工事で地域要件を採用しているというふうに思いますけれども、どのような工事に具体的に地域要件を設定しているのか、この点についてお伺いしたいと思います。

毛利政府参考人 まず前半の方で、全体としては地域要件を採用しているところが多いのかということでございますが、御指摘のように、工事の金額や件数で見ますと、国もやはり地域要件を採用しているところがかなり多くなっているというふうに言えると思います。

山田政府参考人 後半部分についてお答えをいたします。

 国土交通省の直轄工事におきましては、その発注に当たって、現在、そのほとんどの工事におきまして、一般競争・総合評価落札方式を採用しております。その際に、工事の性格ですとかあるいは地域の実情等を踏まえまして、工事の経験とかあるいは工事成績、地域要件といった競争参加資格を、競争性の確保に留意しつつ、適切に決定しているところでございます。

 お尋ねの、競争参加資格としての地域要件は、政府調達に関する協定のほか、その他国際約束の適用対象となる工事を除きまして、これを設定することを基本としております。

横山委員 ありがとうございます。

 それでは、もう少し具体的に、地域要件を設定する場合に、発注事務所管内に本社がある業者に限定から、地方整備局管内に本社、支店または営業所がある業者に限定のように、対象に幅があります。しかし、地元への優先ということを考えれば、支店や営業所だけが管内にある業者よりも、通常考えますと、管内に本社がある業者の方を重視すべきではないかと考えますけれども、あるいはまた、地域要件を設定するような工事は全て、工事が行われる都道府県内に本社がある業者に限定してもよいのではないかというふうにも考えますけれども、この点についての見解をお聞かせ願いたいと思います。

山田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、地域の建設企業は、社会資本整備の担い手であると同時に、地域経済や雇用を支えて、災害への対応ですとかあるいは除雪といった地域を維持する役割を担うなど、国土の守り手として重要な存在であるというふうに認識をしているところでございます。

 このため、地域要件の設定に当たりましては、極力、当該地域にかかわりを持つ企業を対象要件とするよう努めているところでございます。具体的には、工事が行われる都道府県内に本店を有するといった要件を設定しているところでございます。

 ただ、一方で、適切な競争性の確保という観点も非常に重要でございます。工事の性格ですとか、あるいは地域の実情を踏まえまして、工事の経験等の競争参加資格を満たす企業数が十分でない場合などにつきましては、対象地域を拡大するとか、あるいは本店のみならず支店あるいは営業所というものも可とするなどによりまして、適切な要件となるよう設定をしているところでございます。

 国土交通省といたしましては、今後とも、地域の建設企業が継続的に維持されるため、競争性の確保に留意しつつ、適切な地域要件の設定などによりまして、地元建設企業の受注機会の確保に努めてまいりたいと考えてございます。

横山委員 大変ありがとうございます。

 既に優先順位として本社が地元にあるということを確保しながら、諸条件に合った入札を行っていただきたいと思います。

 それでは、さらに細部に入ってお聞きしたいと思いますけれども、大手の企業が地方で工事を受注した場合、工事現場の地元の小規模事業者、各地域に小さな業者がいらっしゃいますけれども、ここへの下請発注や、また地元に燃料や物品の納入を扱う企業もあると思いますけれども、こういった方々への優先発注をすることそのものが、冒頭申し上げましたように、地域経済の活性化につながっていくと考えております。

 こうした点について、国交省としてどういった指導をされておるのか。あるいは、指導をされていないのであれば、ぜひそういった地方への経済波及効果を具体化していただきたいというふうに考えますけれども、見解をお聞かせ願いたいと思います。

山田政府参考人 お答えをいたします。

 建設工事におきまして元請企業が行います下請契約あるいは資材の調達といったものにつきましては、一般的に、工事の特性や技術的、経営的視点を含めました元請企業の総合的判断のもとに行われるべきであると認識をしているところでございます。

 このような観点から、地元の小規模事業者との下請契約等に関しまして、発注者の立場で具体的な指導等は実施しておりませんけれども、元請企業の総合的な判断で、基本的には、工事現場の近傍におきまして下請契約あるいは資材等の調達の相手方が適切かつ効率的に選定されているものと考えているところでございます。

 したがいまして、下請契約や調達の相手方ということを限定することは、円滑な施工の実施ですとか、あるいは調達コストに与える影響、これも想定されますので、国土交通省といたしましては、これらの影響も勘案しながら、今後とも適切な入札契約の運用に努めてまいりたいと考えております。

横山委員 大変ありがとうございます。

 下請契約というのは、公共工事の場合、官と元請業者との関係はありますけれども、下請工事については、民民契約、いわゆる民間と民間の契約ですから、強制力は官側にないというふうに考えておりますけれども、そういったことを乗り越えて指導をしていただきたい。繰り返しますけれども、このことがやはり地域の経済の活性化につながりますので、ぜひ、先ほどの答弁に従って指導を進めていただきたいというふうに思います。

 続きまして、視点が変わりまして、観光政策について少しお伺いをしたいと思います。

 平成二十六年三月の財団法人地域活性化センターのアンケート調査によりますと、市区町村がインバウンド観光施策を実施する上で現在抱えている課題として、英語など外国語に対応できるスタッフが皆無であり、人材育成が急務の課題である、あるいは、行政、観光協会などの人材不足など、地域では観光に携わる人材の不足あるいは育成が大きな課題となっておりますけれども、国としてどのような支援を具体化しているのか、この点についてお聞かせを願いたいと思います。

久保政府参考人 委員まさしく御指摘のとおり、地域地域で、観光振興の現場で観光に携わる人材の育成を図るということは極めて重要であると私どもも認識をしております。観光庁では、そのような観点から、幾つかの施策に取り組んでおります。

 まず、観光産業に携わる人材の育成ですが、これは例えば、宿泊施設の経営者を対象に、いわゆるマネジメント能力の向上等を目的とした人材育成のプログラム等を実施しています。また、観光に携わる人材の裾野を中期的には広げていく必要がございますので、広く学生に対して、例えば経済における観光産業の役割の重要性等について理解を促すなどの取り組み、これは大学と連携をした上で実施をしております。

 さらに、御指摘もありましたけれども、観光行政に従事する自治体の職員さんに対しましても、私どもの出先であります地方運輸局の職員とともに研修をする機会を設けています。これは、このような機会によって、国と地方自治体との間において、観光に関係する、連携する意識の醸成にもプラスになるものというふうに考えております。

 このほか、地域において人材育成を行うための実践手法をまとめたハンドブックを作成し配付する、あるいは、観光圏という制度を設けておりますけれども、その制度の中で活動をされる人材に対する支援等も行っております。

 私どもとすれば、引き続き、人材というのが極めて大事であるということの認識に立って、地域における観光に関するそのような方々の育成、確保に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

横山委員 大変ありがとうございます。

 どの組織におきましても人材育成が一番重要であると思いますので、引き続いて御支援をお願いしたいと思います。

 最後に一点だけ、お伺いしたいと思います。

 先ほどのアンケート調査では、インバウンド観光の推進に対する住民の意識についても調査をしております。回答のあった百九市区町村のうち、意識が高い、理解がある、協力的とした市区町村は十八件、意識が低い、関心がない、理解がないと回答した市区町村が多くて七十六件となっております。

 そうした市区町村の回答には、まだまだ受け入れに対して住民の理解が得られていないと感じる、あるいは市街地と農村部との間で意識の格差がある、さらには、畜産農家によっては口蹄疫を心配しているといった回答も寄せられており、今後、訪日外国人を受け入れるためには、ハード面の整備はもちろんでございますけれども、住民意識の改革から始める必要があると思いますけれども、この点についての見解をお聞かせ願いたいと思います。

久保政府参考人 観光によりまして地域の活性化を図っていくためには、訪れられた国内外の来訪者が地域の方々と交流することを通じて、その地域のファンとなる、あるいはリピーターとなることが重要です。そのためにも、御指摘のとおり、地域住民の方々を含めた地域全体で観光客を受け入れていくという意識、ある意味、心を持つことが必要だというふうに考えています。

 私どもとしても、観光資源を磨き上げて地域の魅力を高める、そういった取り組みとあわせて、地域の住民の方々、地域の皆様が観光への意識を醸成するための場を設けるといった取り組みに対してさまざまな支援を行ってきているところであります。

 一方、民間の方におきましても、観光の全国組織でございます日本観光振興協会というのがございますが、各地においてタウンミーティング等の開催を通じて、いわば国民運動として、地域の方々、住民の方々の観光への意識の醸成を図っているというふうに承知しております。

 また、そういった外国の方を受け入れるに当たっての先進的な事例を取りまとめた冊子もつくり、広く公表をしているところであります。

 いずれにせよ、住民の方々の意識、地域の住民の方々が一体となって、国内外の観光客を受け入れていく取り組みは極めて必要だと思っておりますので、一層その促進に努力をしていきたいというふうに考えております。

横山委員 大変よく理解できました。ありがとうございました。

 以上で私の質問を終わります。大変ありがとうございました。

今村委員長 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。

 リニア中央新幹線について質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 今月初め、リニア中央新幹線用の変電施設が新たに設置予定であるということがわかったと報道されました。報道にはこう書いてございます。JR東海がリニア中央新幹線の変電施設一カ所の建設を予定している下伊那郡豊丘村で、中部電力が別のリニア変電施設一カ所の建設を予定していることを同村に説明していなかったことが二日明らかになった。村側は、この変電施設について、中電から五月に知らされて初めて把握したという報道でございます。

 また、岐阜県の恵那市においても中部電力がリニア中央新幹線用の変電施設を建設することが、五月二十六日、恵那市議会の全員協議会で報告されたということでございます。

 まず、経済産業省にお伺いをいたします。

 この岐阜県恵那市、長野県豊丘村に中部電力がリニア新幹線用の変電施設を建設するというのは事実でしょうか。

吉野政府参考人 お答えをいたします。

 中部電力株式会社によりますと、リニアモーターカー用の変電施設として、下伊那変電所それから恵那変電所、いずれも(仮称)でございますけれども、その建設を計画しておりまして、今後、建設に必要な調査や測量を行うというふうに聞いております。

本村(伸)委員 この変電所というのはとても大規模なものでございます。この長野県豊丘村では、八から九ヘクタールということで、東京ドーム二つ分。岐阜県恵那市では、約十一から十二ヘクタールということで、東京ドーム二・五個分の広さにもなります。そうなりますと、森林の伐採ですとか、工事用の車両用の道路を敷設する必要があるということになってくると思います。

 送電線も、豊丘村の場合、伊那山地の地上部を十五キロにわたって張られる。高さ六十メートルくらいの鉄塔が、これから四十から六十という間で、そのぐらい立つということでございます。恵那市もそういうことになってくるというふうに思います。

 恵那市では、小学校や保育園の真上に高圧線が張られるということになる。子供たちに電磁波の悪影響が及ぼされるのではないかという心配の声もございます。さらには、景観、風切り音など、自然環境への影響や生活環境への悪影響が心配をされております。

 さらに、経済産業省に三点お伺いをしたいと思います。

 一つ目が、東京電力がリニア中央新幹線用の変電施設を建設する予定があるかという点。そして二つ目が、中部電力は、JR東海からリニア運行用の電力使用に関する申し入れをいつ受け入れ、契約をいつ結んだかという点。そして三点目が、中部電力が豊丘村、恵那市に変電施設の建設計画を正式に説明したのはいつかという点、お示しください。

吉野政府参考人 お答えをいたします。

 まず一点目、東京電力の関係でございますけれども、東京電力株式会社によりますと、リニアモーターカー用の変電施設については、現時点では計画をしていないというふうに聞いております。

 それから二点目、中部電力とそれからJR東海の関係でございますけれども、まず中部電力株式会社とJR東海との契約の具体的内容につきましては、私契約でございますので、通常把握しているものではございませんけれども、中部電力によりますと、平成二十六年十一月にJR東海から中部電力に対し電力使用に関する申し入れがあり、本年二月に両社が電力使用に関する契約を締結したというふうに聞いております。

 それから三点目、御地元への説明についてでございますけれども、中部電力による変電設備の建設計画に係る説明については、長野県豊丘村に対しては、本年五月十一日に下平村長への建設計画の御説明をし、また同日、岐阜県恵那市役所の担当課に対しましても同計画の説明を行ったというふうに聞いております。

 以上でございます。

本村(伸)委員 もう三点ですけれども、経済産業省に確認をしたいというふうに思います。

 一点目が、リニア用の下伊那変電所及び送電設備、恵那の変電所と送電設備の費用は一体誰が払うのかという点。そして二点目が、幾らかかるのかという点。そして三点目が、負担割合はどうなっているかという点を確認したいと思います。

吉野政府参考人 お答えをいたします。

 この変電設備、送電設備の費用負担の問題でございますけれども、まず一般的に申し上げますと、変電設備や送電設備といった系統設備の増強を行う場合の費用負担につきましては、原則として、当該設備の設置による受益者が特定される場合には、特定された受益者全体で負担することになるということでございます。今回の変電設備及び送電設備の建設費用の分担についても、こうした考え方のもとでJR東海も必要な分を負担することになるというふうに聞いております。

 それから、建設費用それから費用負担割合でございますけれども、これらに関しましては、まず建設費用に関しましては、こうした情報が公になりますと競争において不利な立場に立たされるなどのおそれがあるため、お答えを差し控えたいと考えております。それから、具体的な費用負担割合については、私契約ということでございますので、これは承知しておりません。

 以上でございます。

本村(伸)委員 国交省にお伺いをいたします。

 資料の一をお配りしておりますけれども、資料の一をごらんいただきますと、昨年の十月十七日にリニアの工事実施計画が認可をされました。この工事実施計画の資料の中に、工事費の予算書というものがございます。その中に、発電所、変電所というものがございまして、ここで千八百五十五億円ということが書かれております。

 この千八百五十五億円の中に、新しくつくると報告されております下伊那変電所及び送電施設、そして恵那の変電所、送電設備が入っているかどうか確認をさせていただきたいと思います。

    〔委員長退席、中村(裕)委員長代理着席〕

藤田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の工事実施計画の中の工事費予算書における発電所・変電所費として示されている千八百五十五億円、この中に、中央新幹線新設に伴う運転用電源の供給に必要な施設としての変電所費用は含まれております。

本村(伸)委員 JR東海がお金を出すということを、今の恵那変電所、送電設備と下伊那変電所、送電設備ということで確認をさせていただいたというふうに思います。

 続けて確認をしたいと思いますけれども、三点伺います。

 一つ目は、中部電力の変電所と送電設備はリニア中央新幹線の環境影響評価書や工事実施計画書に記載されていたかという点。二つ目が、国交省は、この工事実施計画を認可する際に、こうした計画があるということを知っていたかという点。三点目が、ことし二月に契約を結んだということですけれども、そういう点を国交省としてつかんでいたかどうかを確認させていただきたいと思います。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 変電所それから送電線についての具体的な位置等の整備に関する計画につきましては、中部電力が今後必要な調査、設計を行って決定する予定であります。したがって、中央新幹線の環境影響評価書や工事実施計画には記載はございませんし、その工事実施計画の認可時点では、これらの施設の具体的な位置等については私ども承知をしておりません。

 それから、JR東海が中部電力と締結した契約につきましては、これは当事者間の契約に関することでありまして、国土交通省としては承知しておりません。

本村(伸)委員 予算書の中には含まれているのに、工事実施計画にも環境影響評価の対象にもしないというのは本当におかしいというふうに思います。

 そもそも、リニアで使用する電力の施設であれば、JR東海がきちんと説明するべきではないかというふうに思いますけれども、JR東海は、環境アセスやあるいは事業説明会のときに、住民の皆さんに説明をしていたのかどうかということを確認させていただきたいと思います。

藤田政府参考人 この二つの変電所は、中央新幹線新設に伴う運転用電源の供給に必要な施設でありますけれども、中部電力が送電線のルートや変電所の位置を決定するものでありまして、現在、中部電力が必要な調査、設計を行っているところと聞いております。

 それから、中部電力が、関係する県、市町村、関係者に対して、順次計画概要を説明しているところと聞いております。

本村(伸)委員 リニアを運転するための電力というのは、工事実施計画で書いてある変電所だけでは足りないということなんですよね。

 今回、中部電力が出してきた二つの変電所は、リニアを動かすためにはなくてはならない必要不可欠なものだというふうに思います。それを、環境影響評価書にも書かず、工事実施計画にも出さず、そして市町村、住民の皆さんにも説明してこなかった。これは、アセス逃れだと言われても仕方がないというふうに思います。

 私は、この事業の進め方に瑕疵があるというふうに思います。こういうやり方は、大臣がこれまでずっとおっしゃってきた丁寧な説明という点や住民の皆さんへの理解と納得ということとは、全く違う状況じゃないかというふうに思いますけれども、環境アセスや事業説明会などをやり直すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

太田国務大臣 今局長からも話があったとおりでありますが、電力会社が計画をする変電所や送電設備などの電力会社の設備の建設工事に関しましては、これまでの在来線やあるいは新幹線と同様に、電力会社が説明を行うということになります。

 先ほど局長が答弁しましたように、中部電力が、関係する県、市町村、関係者に対して順次説明をするというふうに聞いているところでございます。

本村(伸)委員 予算書の中には入っている、JR東海がお金を出すにもかかわらず、住民の皆さんに説明をしていなかったというのは、これは事業の進め方について本当に瑕疵があるというふうに思います。こういう事例はこの変電所だけではなく、JR東海は、工事実施計画には盛り込まれていなかった工事関連施設を新たに設置しようという例は、ほかにもあるわけでございます。

 通常の鉄道のレールに当たるリニアのガイドウエーの作業ヤードや仮置き場なども、何の説明もなかったのに突然また出してくるということもございます。JR東海は、ガイドウエーを組み立てて仮置きする場所や工事の資材置き場など、飯田の下伊那地方で約十ヘクタールほどの用地を探しているというふうに報道をされております。特にガイドウエーに関しては、五ヘクタールほどの広大な土地が必要だというふうに報道をされております。

 このように、後出しじゃんけんのように次から次へといろいろな施設が事業説明会が終わった後、環境アセスの手続が終わった後に出されてくる、こういうやり方は許されないというふうに思いますけれども、大臣、しっかりと指導するべきじゃないでしょうか。

太田国務大臣 ガイドウエーの製作場所や仮置き場など工事に伴って必要となる資材置き場や作業ヤードにつきましては、事業の進捗に合わせて地元自治体と相談しながら候補地を検討していくというものです。

 したがって、今後、計画を具体化する中で、地元に対しまして丁寧に説明するように指導監督してまいりたいと思っています。

本村(伸)委員 丁寧な説明と言っておりますけれども、丁寧な説明をされていないということをきょうも指摘させていただいているわけでございます。国は、JRがおやりになることだからといってほとんど責任をとらないわけですけれども、しっかりと責任を果たしていただきたいというふうに思います。

 そもそも、この問題山積のリニア事業についてですけれども、JR東海は、リニア中央新幹線の事業説明会で、リニア中央新幹線事業だけでは採算がとれないというふうに説明をしております。あえて採算がとれない事業を行う意味は何なのかということを、大変理解しがたいものがあるわけですけれども、確認させていただきたいんですけれども、リニア事業は単独では採算がとれない事業かということをまず確認させていただきたいと思います。

藤田政府参考人 中央新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づいて実施をされる事業でございます。

 この法律の中では、建設主体として指名しようとする法人は、その建設をみずから適確に遂行するに足る能力を有すると認められるものでなければならないというふうに規定されております。

 こうした観点から国土交通省はいろいろ検討しているわけでございますけれども、本事業につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づいて、交通政策審議会においてJR東海の財務的事業遂行能力の検証を行ったところでございます。

 この結果、収益力の高い東海道新幹線と一体的に経営を行うことで、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することは可能であるという答申を得たということでございます。

本村(伸)委員 もう一度お伺いしますけれども、採算は単独ではとれないという理解でよろしいでしょうか。

藤田政府参考人 私どもは、建設主体としてのJR東海の経営の安定性を維持しながら事業を遂行できる、このことを確認しております。

本村(伸)委員 当時の社長が採算はとれないという発言もされているというのは有名なことでございます。リニア中央新幹線というのは、単独事業では採算がとれない事業だ、東海道新幹線の収益によって維持される事業だということだというふうに思うわけです。

 私どもは、やはり今世紀最大のこの事業、九兆円も巨額の費用を使って、自然環境を大幅に壊し、そして生活環境を壊し、膨大なエネルギーを消費し、東京一極集中を加速するような、こういうさまざまな問題を抱えた事業、これはやめるべきだというふうに考えておりますけれども、リニア単独では採算がとれないというのがわかっているのに、なぜ推進するのかと本当に理解に苦しむわけでございます。

 さらに、採算性の問題や財政の問題についても加えてお伺いをしたいというふうに思います。

 巨大なこのリニア事業というのが開業、完成する前に、財源不足など採算がとれなくなる場合が起こり得るわけですけれども、その一つ、考えられることとして、建設工事費などが膨れ上がってJR東海が工事費の資金手当てができなくなるという場合、もう一つは、リニア開業時までに収益源の東海道新幹線が災害などで運行が不可能となって、想定どおり収益が得られない場合などが考えられるというふうに思います。

 そこで、確認をさせていただきたいんですけれども、JR東海は、資金計画の中で、五兆円を超えて債務を抱えることはできないというふうにされていると思いますけれども、いかがでしょうか。

藤田政府参考人 JR東海は、交通政策審議会、これは平成二十二年五月十日の第三回中央新幹線小委員会でございますけれども、この場で同社の長期債務残高の数字について説明をしております。

 すなわち、長期債務残高を一定の範囲内に抑えて健全経営を堅持するための財務規律を保つ必要があり、各種指標及び過去の経験から、長期債務残高を五兆円以内とすることが適切かつ必要であるというふうに説明をしております。

本村(伸)委員 大もうけを上げているJR東海でも、借金できる上限は五兆円、五兆円を超えて借金はできないということだというふうに思います。

 一方で、品川から名古屋間の建設費というのは、二〇〇九年当初は五兆四千三百億円だったわけですけれども、昨年、工事実施計画の認可時には五兆五千二百三十五億円と、既に九百三十五億円も膨れております。工事費がふえたことで、借金もふやさざるを得ないというふうになると思います。

 一つ目の、建設工事費が膨れ上がるリスクについて、具体的にお伺いをしたいというふうに思います。

 東海道新幹線など、これまで開業してきた新幹線の建設認可時の総事業費と完成までに実際にかかった事業費について、大体どこも膨れ上がっているというふうに思います。確認いたしますけれども、東海道新幹線、上越新幹線、東北新幹線の東京―盛岡間の工事実施計画認可時点と最終的にかかった額、それぞれの額をお示しいただきたいと思いますし、同時に、何倍になったのかということをお示しいただきたいと思います。

藤田政府参考人 御指摘の区間の工事認可時それから工事完了時の事業費等でございますけれども、まず、東海道新幹線、東京―新大阪間につきましては、認可時が約一千七百二十五億円、完了時が約三千三百十億円、倍率にして一・九倍でございます。上越新幹線、大宮―新潟間につきましては、認可時が約四千八百億円、完了時が約一兆六千八百六十億円、倍率にして約三・五倍でございます。東北新幹線、東京―盛岡間につきましては、認可時が約八千八百億円、完了時が約二兆六千五百五十億円、倍率にして約三・〇倍となっております。

本村(伸)委員 お配りしております裏面の資料二を見ていただきたいというふうに思いますけれども、これは国土交通省から提出をしていただいた資料でございます。

 各新幹線、全体で見ても一・七三倍に、当初と最終額を比べると膨れ上がっております。貨幣価値も違いますので一概には言えませんけれども、短期間で突貫工事で行ったと言われております東海道新幹線でも約二倍近くに建設費は膨れ上がっております。上越新幹線については三・五倍にも膨れ上がっているわけですけれども、なぜこんなに膨れ上がったのか、その主な理由をお伺いしたいと思います。とりわけ山岳トンネルの難工事の影響も大きかったのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

藤田政府参考人 上越新幹線の工事費の増加の理由でございますけれども、その建設主体であった当時の日本鉄道建設公団の工事誌、これは工事の記録でございますが、これによりますと、最も大きいのが物価の高騰ということでございます。これは、費用の増加額全体で一兆二千六十億円でございますけれども、そのうちの約半分、五〇%、六千六十八億円が、昭和四十八年、五十四年の二度のオイルショック等による物価の高騰に起因するものであるというふうにされております。

 山岳トンネルにつきましては、トンネルの地質不良による工法変更による増額が約千五百億円でございまして、増加工事費のうちの約一割強となっております。

本村(伸)委員 上越新幹線においては、長大な山岳トンネルの工事で大出水があったり山はねの発生など、難工事によって工事費が膨れ上がったということは言えるというふうに思います。

 リニア中央新幹線については、八六%がトンネルでございます。全長約三十七キロの大深度地下トンネルの第一首都圏トンネルや、全長三十四キロメートルの第一中京圏トンネル、木曽山脈を貫く二十三キロの中央アルプストンネル、そして、南アルプストンネルは標高三千メートル級の山々が連なる山脈の真下を貫く約二十五キロの山岳トンネルでございます。

 これまでやったことのないトンネル工事も含まれ、大臣も認められているように、難工事が予想されるというふうに思いますけれども、費用の方も計画どおりにはいかないのではないか、増額することになるのではないかという心配がございますけれども、いかがでしょうか。

藤田政府参考人 一般に、長大トンネル等の工事におきましては、さまざまなリスクを最小化する上で、まず施工前に十分な調査を実施して地質条件を把握すること、それから適切な工法で工事を実施すること、このことが重要だと考えております。

 中央新幹線につきましては、これまで全幹法に基づく国からの指示により、昭和四十九年から平成二十年まで、国鉄、鉄道・運輸機構、JR東海が地形、地質等に関する調査を行ってまいりました。その調査結果を踏まえて、鉄道・運輸機構及びJR東海が建設費を算定し、さらにそれを交通政策審議会において検証してきたという経過を経ております。

 平成二十三年五月の同審議会の答申では、建設費用の比較において重要な要素となるトンネル工事についても、全幹法に基づく調査の段階において、南アルプスルートの地山等級を最も厳しく査定した上で積算を行っており、工事費の想定は合理的に行われているものと判断できるというふうにされております。

 このことは、工事実施計画の認可に当たりましても、私ども、他の公共事業等における建設費等も参考にしながら、内訳、考え方について確認をしたところでございます。

 さらに、JR東海は南アルプストンネルにつきまして、先進ボーリングにより事前に地質等を把握する、あるいは先進坑を掘削しながら地質等を確認する等、入念な地質調査を行いながら適切な工法をとるというふうに聞いております。

本村(伸)委員 ここでもう一つ確認をしたいんですけれども、報道では、リニアの品川駅の建設工事の入札が不調になった、JR東海の予定価格よりも札を入れた全社の提示した価格が上回ったという報道がございます。

 今、資材の高騰ですとか人件費の高騰、技術職人の方々の労働者不足など、ゼネコンといえども従来の公示価格では受注できない、公示価格の値上がりという事態が既に始まっているというふうに思います。

 リニア品川駅の入札が不調になったというのは事実かどうか、国交省としてどうつかんでいるか、お示しください。

藤田政府参考人 御指摘のような報道があったことは承知しておりますけれども、これはJR東海による契約の事項でございまして、詳細は承知しておりません。

本村(伸)委員 全く無責任だというふうに思います。リニアの品川駅の入札不調というのは、今の計画よりも事業費が膨らむのではないかということを、一層危機感を持つわけでございます。

 二〇一〇年十一月の交通政策審議会の議論でも、首都直下地震が発生したらどうなるのかという意見もございました。大地震が発生して、東海道新幹線が被災をして、損傷して、運行できなくなれば、収入源が一時絶たれてしまう。そうなった場合に、リニア建設工事だけ進めるということにはならないのではないかということを思うわけでございます。

 JR東海が示している費用を大幅に上回る事業費負担が発生する可能性がある、そして、大震災などで被災した場合に東海道新幹線の収益が減少する、結果としてリニア建設事業が続けられないという事態が発生した場合に、政府として何らかの救済措置をとるのかどうか。政府の支援として債務保証とか政府保証とかするのかということを確認したいと思います。

藤田政府参考人 中央新幹線につきましては、まず、JR東海が全額自己負担で整備する意向を示したことを受けまして、交通政策審議会において合計二十回、有識者の幅広い御議論をいただきました。

 その結果、不測の事態が発生し、一時的な収入の低下や設備投資費用の増加などの事態が生じたとしても、債務残高を一定の水準に抑制しつつ、投資のタイミングを適切に判断することにより、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能であると考えられるという答申をいただいたところでございます。この答申を受けまして、リニア中央新幹線の建設主体としてJR東海を指名し、JR東海に対して建設の指示を行ったところでございます。

 国土交通省としましては、今後とも、JR東海が全額自己負担により整備を進めることを前提に、本事業が着実に進むよう必要な支援をしてまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 政府が支援しないということですね。

藤田政府参考人 JR東海が全額自己負担により整備を進めることを前提というふうに考えております。

本村(伸)委員 ちょっと曖昧な点があるというふうに思います。

 五月十三日の国土交通委員会の中でも、JR東海が売上経常利益率二六%で、分割・民営化当初に想定されていた適正利益一%を大幅に上回る巨額のもうけを上げているということをはっきりさせたわけですけれども、こういうJR東海に対して、国、政府がまず率先してやらなければならない支援はリニアではないというふうに思います。政府や行政がまずやるべきことは、公共交通機関として最も大切な安全性と公共性をいかに確保させるかということだ、そのために監視や監督こそが今求められているというふうに思います。

 そこで、JR東海の安全対策、バリアフリーの対策の現状についてもお伺いをしたいと思います。

 JR東海の安全、バリアフリー対策に関して、二点お伺いをいたします。

 ホームドア、ホーム柵の設置状況、新幹線のホームごとのものと在来線。そして二点目、駅の無人化の状況、JR東海の全ての線の駅の無人化の割合、そして武豊線や飯田線の駅の無人化の割合をお示しいただきたいと思います。

藤田政府参考人 まず、JR東海におけるホームドアの整備状況でございますけれども、平成二十六年度末現在、新幹線七駅において設置をしております。在来線につきましては、これは扉位置の異なる車両が混在しているなどの理由によりまして、ホームドアが整備されている駅はございません。

 それから次に、無人化駅でございますけれども、平成二十七年四月現在、JR東海全体で、全駅数に占める無人駅の割合は約六割でございます。御指摘の武豊線、飯田線につきましては、無人駅の割合がそれぞれ約九割となっております。

本村(伸)委員 本当にひどい話だというふうに思います。巨額のもうけを上げているのに、ホームドアは在来線ではどこもついていない。そして無人化。先ほど、武豊線、飯田線は九割無人だと。本当にひどい、安全対策が進んでいないと思います。

 名古屋駅でも新幹線はついているとおっしゃっていましたけれども、東京に行く方はついているんですが、大阪に行く方はついていないわけでございます。そこでも中途半端になっているというふうに思います。

 こういう在来線の安全サービスの改善の取り組みこそ、今求められているというふうに思います。リニア建設よりも、既存の東海道線や在来線の安全対策やサービスの向上こそやるべきだと指導するべきじゃないでしょうか。大臣、お願いいたします。

    〔中村(裕)委員長代理退席、委員長着席〕

太田国務大臣 サービスの改善ということや安全対策は当然必要だし、両方やるべきものだというふうに思っております。

 私、例えば、JR東海の小牧の研究施設等にも行かせていただいたりしていますけれども、耐震あるいは老朽化対策ということについても大変すぐれた、脱線防止ガードや高架橋の耐震工法、そして、橋梁やトンネルなどの土木構造物の老朽化対策工法、大変技術開発をしながら、具体的に投資もそこにしてきているという現状を見ているところでございます。

 サービスの改善や安全対策はともに重要でありまして、リニア事業を着実に推進するとともに、既存の路線のサービス改善や安全性の向上に努めていただきたい、このように考えているところです。

本村(伸)委員 採算のとれないリニア事業に巨額に投資して、ホームドアさえ在来線では全くつけられていない。視覚障害者の方々や車椅子の方々の本当に切実な願いに応えようとしないで、リニアばかりに投資するこのやり方はおかしいというふうに思います。

 JR東海に対して、公共交通機関としての責任を果たさせるべきだということを申し述べ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

今村委員長 次に、足立康史君。

足立委員 維新の党の足立康史でございます。

 きょうは、共産党さん、本村委員の御協力をいただきまして、また皆様の御理解をいただきまして、ちょっと順番を変えていただきました。

 厚労がちょっとまたかぶさっていまして、先ほど、おかげさまで、おかげさまでじゃないですね、三度目の正直で、これも言っちゃいけないですね、派遣法が終局を迎えました。マスコミが若干不正確な報道がやはり多くて、国交委と関係ありませんが、我々、派遣法には反対をしてきたわけでございますが、それはともかくとして、毎度、国土交通委員会の皆様には、そうした意味で御迷惑をおかけしておりましたが、ようやく終わりましたので、これからしっかり国土交通委員会の審議に、一〇〇%着席をして参加をさせていただく所存でございます。(発言する者あり)ちょっと静かにしていただけますか。済みません。

 それから、きょうは私、ちょっと大きな勘違いをしていまして、井上理事から、建設残土の問題とか、今もありましたリニアの問題とかいろいろあるので、足立さん、しっかり三十分使ってやってくださいということで時間をいただいていたようなんですけれども、私、一般質疑であることを知らなくて、それで、いわゆる質疑省略となっている特定船舶の話だとちょっと勘違いしまして、通告が全部それになっています。

 まあ、一般質疑でありますから、何を御質問申し上げてもいいと思いますので、かつ、この特定船舶の話は本当に重要なテーマであります。機微に触れる話も多いかと思いますので、差し支えない範囲内で政府におかれましては御答弁をいただければと存じます。

 ということで、特定船舶の入港禁止特措法に基づく、これは事後承認ということでありますが、承認案件を改めて拝見しているわけであります。

 三十分ありまして、ちょっと困っているんですが、皆様の御予定もおありですので。

 まず、一問目。

 日本の対北朝鮮制裁措置が国連決議も背景にあるわけでありますが、これはもう皆様におかれては釈迦に説法になるかと思いますが、私、なかなかそれほど詳しい分野ではありませんので、改めて、日本の対北朝鮮の制裁措置の全体像があって、その中で、この国土交通委員会では、事後承認という形ですが、入港禁止措置の承認案件が今回あるわけであります。

 制裁措置全体の中で、この入港禁止措置がどういうふうに位置づけられるか、なかなか御答弁もしにくいテーマだと思いますが、もし御見解、御見識を開陳いただけるようでしたらお願いをいたしたいと思います。

滝崎政府参考人 お答えさせていただきます。

 私の方から全体像についてお答えさせていただきます。

 北朝鮮問題に関しましては、委員もよく御存じのとおり、対話と圧力の方針のもと、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決を目指しているということになっております。

 我が国は、今委員からも御指摘がありましたように、国連の安全保障理事会の決議に基づく対北朝鮮措置というものに加えまして、独自の措置というものもとっております。例えば、きょうここで御承認いただきたいと思っております、人道目的の船舶以外の北朝鮮籍船舶の入港禁止、それから北朝鮮との輸出入の禁止、それから北朝鮮との間の航空チャーター便の乗り入れ禁止といったような独自の措置をとってきているという状況にあります。

 このような措置を通じまして、日本と北朝鮮との間の人や物の往来というのは相当程度縮小しているというふうに考えておりまして、北朝鮮に対しては、これらの我が国がとっております措置は一定の効果を及ぼしているというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 本当に、国連決議を背景に、人、物、金、さまざまな分野で北朝鮮に対するアプローチをいろいろな意味でされておられるわけで、基本的には我々も、サポートというか、国会、立法府の立場からしっかりサポートをしていく所存でございます。

 次に、ちょっと大臣に、せっかくおいでいただいていますので、ひとつ御答弁をいただきたいんです。

 事務方でもいいんですが、まず、入港禁止措置の効果。実際、入港禁止措置が講じられる前に、いわゆる北朝鮮船籍の船がたくさん日本に入港していたわけで、それが禁止措置が講じられることによって禁止をされる。これは実際機能しているのかどうか、もし数字等を含めて御答弁いただけるようでしたら、御紹介ください。

太田国務大臣 我が国は、北朝鮮に対する措置として、人、金、物、この移動を制限する措置を講じてきているところです。この中で、北朝鮮との移動に係る主要な手段であります船舶に関するものとしまして、北朝鮮籍船舶の我が国への入港を禁じているわけです。

 平成十六年には年間約千隻、そして平成十七年には年間約七百五十隻の北朝鮮籍船舶が我が国に入港しておりました。これが、入港禁止措置を導入しました平成十八年十月十四日以降、本件措置に違反して本邦に入港した北朝鮮籍船舶は確認されておりません。

 こうしたことから、他の措置と相まって、北朝鮮に対して一定の効果を及ぼしているものと考えているところです。

足立委員 ありがとうございます。

 今大臣御紹介くださったように、入港実績を見ると、明確にこの措置が効果を発揮しているわけでありますが、実際、これをさらに深く議論していくと、船籍を変えたりとか、いろいろな、制裁の相手方である北朝鮮もさまざまな取り組みをしてくる可能性があるわけでありまして、しっかり、北朝鮮が、潜るというか、要は、この規制、制裁措置をかいくぐって、実態として人、物、金が通り抜けてしまうというようなことがないように、ぜひ、引き続き国交省を中心に、これは監視をしていただきたいと存じます。

 それから、松原委員もいらっしゃいますが、専門、詳しい方々の前で大変お恥ずかしいんですが、これは確認までです。

 安保理決議がまず背景にあります。ぜひ、ちょっと改めて御答弁いただきたいのは、安保理決議に基づく制裁と我が国独自の制裁があります。この関係を簡潔で結構ですから御紹介をください。

滝崎政府参考人 お答えいたします。

 まず、安全保障理事会の決議ですけれども、これは国連憲章に定められた手続に従いまして、十五ある理事国から成る合議体として採択されているというものでございます。したがって、必ずしも各国の考え方が全て反映されるというわけではありませんけれども、国際社会としてそれを着実に実施していくということが重要だというふうに考えております。

 今委員からも御指摘がありましたように、そういった安全保障理事会の決議に基づく対北朝鮮措置というものに加えまして、北朝鮮側から諸懸案解決に向けた前向きな具体的行動を引き出す上で何が最も効果的かという観点から、日本としては、より広範な対北朝鮮措置というものをとってきたということです。

 例えば、安全保障理事会の決議ですと、武器などといった特定の品目の輸出入を禁止しているというものに対しまして、我が国の場合には、北朝鮮との輸出入を全面的に禁止しているということで、上乗せして措置をとっているということが言えるかと思います。

 政府といたしましては、引き続き、安保理メンバー国を初めとする関係国と緊密に連携しながら、対話と圧力という方針のもとで、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決を目指して全力を尽くしていきたいというふうに考えております。

足立委員 あわせて、ぜひ外務省の方から、これは当たり前のことでありますが、今あったように、国連決議に基づくもの、それから独自のものがあるわけでありますが、当然、対北朝鮮ですから、韓国あるいは中国の対応が大変重要になってくるわけでありまして、こうした韓国や中国の対応も含めて、総合的にどういうふうに効果を有効せしめていくか、大変重要なことだと思います。

 これもこの委員会で少し質疑をして何かなるテーマでは全くありませんが、きょう、こういう機会でありますので、御答弁をいただければと思います。

滝崎政府参考人 国際社会として北朝鮮に対する制裁の実効性を一層向上させるという観点から、各国がまず関連する安全保障理事会の決議を厳格に履行していくということが重要であるというふうに考えております。

 そういった観点から、日本といたしましても、先ほど委員の方から御指摘もありましたように、さまざまな機会を捉えまして、特に韓国、中国といった近隣国などの関係国とも制裁のあり方について議論をしてきているということになっております。

 我が国といたしましては、先ほども申し上げたように、諸懸案の包括的解決に向けた具体的行動を北朝鮮から引き出すべく、引き続き関係国と緊密に連携していきたいというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 以上、大体、全体的なちょっと復習をさせていただいたわけでありますが、我々、これは中身を精査していく中で、一つ、既に民主党の委員の皆様からも質疑があったかもしれませんが、特定船舶の、今、一号船舶だけが対象になっているわけであります。

 先ほど申し上げたように、一号船舶だけを対象にしていると、さまざまな抜け道というか、かいくぐりということがあり得るわけでありまして、これをさらに北朝鮮に寄港した船など、二号船舶等を追加すべきという考え方が当然あると思いますが、そうした今回の承認案件を、四月に今回施行するに当たって、そういうことを検討されたのかどうか。そして、されなかったわけでありまして、その理由等があれば教えてください。

滝崎政府参考人 政府といたしましては、北朝鮮に関係する船舶の船の名前それから船籍などの変更を含めて、対北朝鮮の措置、特に船舶に関係した措置を着実に実施するため、アメリカあるいは韓国を初めとする関係国や国連と緊密に連携して、あるいは関係省庁間で連絡調整しながら、適切にこれまで対応をしてきております。

 ただいま委員の方から御指摘のありました、北朝鮮籍の船ではないその他の船、法律に定められておりますその他の船についての扱いについてですけれども、それにつきましては、対北朝鮮措置、北朝鮮から前向きの対応を引き出すためにはどういう措置をとっていくのが最も適当かという観点から、引き続き不断に検討を行っていきたいというふうに考えております。

足立委員 ちなみに、今、寄港という話を申し上げましたが、日本に来る船舶、日本の港に入港する船舶の、日本に入港する前の、どこの国のどこの港に寄港をしてきたのか、これは国交省の方がいいのかな、そういう履歴はとっていると思うんですけれども、その辺、とっていれば、まだ今回二号船舶等は対象にしていないわけですが、すれば有効な手が打てるわけでありまして、そういう寄港履歴の掌握をどの程度されているのか、御紹介をください。

佐藤(尚)政府参考人 お答えいたします。

 我が国に入るまでの国際航海に従事した船舶につきましての寄港の履歴ということでございますが、海上保安庁におきましては、我が国に入港する直前の十港について、どこに寄ったかということについて把握をしております。

足立委員 ありがとうございます。

 今回の措置はともかく、今北朝鮮の対応を見ていると、遺憾という言葉では済まない、大変厳しい状況が続いているわけでありまして、今回の承認案件はともかくとして、今後とも、広く制裁措置のあり方については我々もしっかり吟味をしていく、その際に、今御紹介いただいたような点もしっかり考慮をしていきたい、こう考えているところであります。

 それから入港については、いわゆる日朝の一定の合意の中で、昨年の五月、日朝合意に基づいて、いわゆる例外措置として人道物資輸送のための北朝鮮船籍の船舶の入港を今認めています。

 今、昨年の五月の日朝合意からさらに事態が変わってきているわけでありまして、私、個人的には、再び禁止をしたらいいんじゃないか、こう思っているわけであります。もしかしたら私が不在のところで他の委員の皆様からも御指摘があったかもしれませんが、そういう点、政府として改めてどうお考えか、御紹介をください。

滝崎政府参考人 お答え申し上げます。

 まず最初に、どうして人道目的の船舶の入港を認めるようになったのかという経緯を若干触れさせていただきますと、昨年三月に一年四カ月ぶりに北朝鮮との対話を再開して、昨年の五月の日朝合意で、北朝鮮が特別調査委員会を立ち上げ、調査を開始する時点で、我が国独自の対北朝鮮措置の一部を解除するということでいたしました。

 これに対しまして、北朝鮮側が、従来の立場はあるものの、拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施するということを約束して、昨年の七月に特別調査委員会を立ち上げて、調査を開始したということです。

 これらを受けた昨年七月の閣議決定は、全ての北朝鮮籍船舶の入港が禁止される中で、人道的観点からやむを得ない特別の事情がある場合には、例外的に船舶の入港を認めるということとしたという経緯があります。

 先ほど委員からも御指摘がありましたように、本年三月三十一日に、入港禁止期間を二年間延長したことを踏まえまして、例外措置の期間についても同様に延長を行うこととしたというわけですけれども、御参考までに申し上げますと、昨年七月以降、北朝鮮籍船舶の我が国への入港はない、人道目的のものも含めて、ないというような状況にあります。

 今回、改めて、人道目的の船舶の入港を禁止することを検討したのかという御指摘がありましたけれども、先ほども申し上げましたように、北朝鮮側から前向きの対応を引き出すために何が最も効果的かという観点からさまざまな検討をした結果、今回は、人道目的の入港というのは引き続き認めるという結論を得たというところであります。

足立委員 ありがとうございます。

 あと、今、承認案件の内容に関して個別の話を質問させていただいたわけでありますが、最後に、今回、延長期間が二年、こうなっているかと思います。過去、これは御承知のとおり、半年から始まって、延長期間の延長が累次なされてきたわけであります。半年から一年、一年から二年。これは必ずしも入港禁止措置に限る話ではないと思いますが、これは、半年、一年、二年と来て、この先、要すれば、半年、一年、二年というのが、さらに延長期間の延長をすることは、ある意味で、我が国の北朝鮮に対する制裁措置の、こちら側の、日本側の覚悟のほどを示すわけでありまして、その半年、一年、二年、この二年をさらに延長するというようなことは、これも同じように検討の経過があるのかないのか、御紹介をください。

滝崎政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員の方から御指摘のありましたように、平成二十五年までは半年間あるいは一年間の延長というものをこの入港禁止措置についてはとってまいりました。二十五年の時点において北朝鮮をめぐる情勢を総合的に勘案した結果、前向きで具体的な行動をとるよう強く求めるために二年間延長するということとしたものです。今回も、北朝鮮をめぐる諸般の情勢を踏まえまして、二年間という、同じように延長することにしたわけです。

 さらに長い、二年間よりも長い期間の延長を検討すべきではないか、あるいは検討したのかという点についてですけれども、先ほどと同じような答えになってしまいますけれども、北朝鮮側から拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けて具体的、前向きな行動を引き出すために何が最も効果的かという観点で検討を行った結果として、今回は二年間の延長としたわけでありますけれども、今後につきましては、同じような観点から検討を引き続き行っていきたいというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 質問を終わりたいと思いますが、北朝鮮に対する制裁、これは本当に大事な問題であります。また場を改めてしっかり討議を、討論をしていきたいと思いますが、例えば今の半年、一年、二年、こうして延長期間の延長をしてきたわけであります。もう私個人の気持ちとしては、今、拉致問題等の解決に向けた北朝鮮の態度というか誠意のない状況が続いている中では、本当にこれは二年を百年にしたいぐらいの気持ちでありますが、累次、大臣を初めとしてきょう御答弁いただきましたが、政府が真剣に取り組んでいただいていることは十分承知をしておりますが、これは本当に与党、野党を超えて、国民の生命と財産を守っていく、当然の責務であります。与党、野党を超えて、しっかり我々も、維新の党もこの問題に取り組んでいく決意を申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

今村委員長 次に、内閣提出、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣太田昭宏君。

    ―――――――――――――

 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

太田国務大臣 ただいま議題となりました特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 我が国は、平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を初めとする我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、同年十月十四日以降、北朝鮮船籍の全ての船舶に対する本邦の港への入港禁止を実施してきております。政府においては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案に対する北朝鮮の対応や、六者会合、国際連合安全保障理事会等における国際社会の動き等、その後の我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第三条第三項の規定に基づき、平成二十七年三月三十一日の閣議において、引き続き平成二十九年四月十三日までの間、北朝鮮船籍の全ての船舶に対し、本邦の港への入港を禁止することを決定いたしました。本件はこれに基づく入港禁止の実施について、同法第五条第一項の規定に基づき国会の承認を求めるものであります。

 以上が、本件を提案する理由であります。

 本件につき速やかに御承認いただきますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

今村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより質疑に入るのでありますが、質疑の申し出がありません。

 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。小宮山泰子君。

小宮山委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました承認を求めるの件に対し、賛成の立場より討論を行います。

 平成十八年十月に全ての北朝鮮籍船舶の入港を禁止してから来年で十年を経過することとなりますが、北朝鮮は、我が国を初めとする国際社会の働きかけにもかかわらず、国連安保理決議に違反し、今もなお弾道ミサイルを発射するなど挑発的な言動を繰り返しており、引き続き平成二十九年四月まで入港禁止の措置を延長することについては賛成であります。

 しかし、安倍政権は、昨年五月にスウェーデン・ストックホルムで開催された日朝政府間協議の合意に基づき、昨年七月、北朝鮮の特別調査委員会の調査開始を受けて制裁措置を一部解除したにもかかわらず、現在までこの合意文書が拉致問題の全面解決に全く寄与せず、かつ、いたずらに時間を浪費する結果となったことはまことに痛恨のきわみと言わざるを得ません。

 民主党政権期においては、拉致問題を国際世論に喚起し、国連において北朝鮮の人権侵害問題を強く提起したことにより、国連の調査委員会及び人権理事会が、北朝鮮の人権侵害が人道に対する罪に該当すると認め、このことに危機感を感じた北朝鮮が日本側に歩み寄り、今回のストックホルムの会談が実現いたしました。しかし、合意文書において期限が記載されなかったことと拉致問題以外のテーマが入れられたことは、拉致問題の早期解決に大きな障害となっております。

 我が民主党は、このままストックホルム合意を前提とした状況が続けば、御家族の望む拉致被害者の救出が遠ざかる結果となることを危惧し、六月五日に、拉致問題の解決に向けて、北朝鮮に対し調査の期限を通告すること、あわせて、期限内に調査結果を報告せず、拉致被害者を帰国させない場合は即座に合意文書を破棄すると通告をすること、一部解除した対北朝鮮措置を再び科し、北朝鮮側が誠意を示さない場合にはさらに制裁を強化することなどについて政府に申し入れを行いました。

 政府が我が民主党の申し入れを受け入れて、例外措置として認めた北朝鮮籍船舶の入港を再び禁止することや、入港禁止措置の対象を北朝鮮籍船舶だけでなく北朝鮮の港に寄港した船舶等も対象とすることを強く求め、討論とさせていただきます。(拍手)

今村委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

今村委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 この際、ただいま議決いたしました本件に対し、伴野豊君外二名から、民主党・無所属クラブ及び維新の党の二会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。本村賢太郎君。

本村(賢)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は案文を朗読してかえさせていただきます。

    特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件に対する附帯決議(案)

  平成十八年十月に全ての北朝鮮籍船舶の入港を禁止してから、来年で十年を経過することとなるが、北朝鮮は今もなお弾道ミサイルを発射するなど、挑発的な言動を繰り返している。また、我が国は、平成二十六年五月の日朝合意に基づき、同年七月四日、北朝鮮の特別調査委員会の調査開始を受けて、例外措置として人道物資輸送のための北朝鮮籍船舶の入港を認める等の北朝鮮に対する制裁措置を一部解除したにもかかわらず、現在まで拉致問題等の解決に向けた北朝鮮からの誠意ある回答がない状況である。

  よって、政府は、特定船舶の入港の禁止に当たり、次の諸点について可及的速やかに実行すべきである。

 一 例外措置として認めた人道物資輸送のための北朝鮮籍船舶の入港を再び禁止すること。

 二 入港禁止措置の対象を北朝鮮籍船舶だけではなく、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第二条第二項第二号及び第三号の北朝鮮の港に寄港した船舶や北朝鮮と特定の関係を有する船舶も対象とすること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

今村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

今村委員長 起立少数。よって、本動議は否決されました。

    ―――――――――――――

今村委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

今村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時七分散会


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