衆議院

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第2号 平成28年3月9日(水曜日)

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平成二十八年三月九日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 谷  公一君

   理事 秋元  司君 理事 秋本 真利君

   理事 金子 恭之君 理事 小島 敏文君

   理事 鈴木 憲和君 理事 泉  健太君

   理事 野間  健君 理事 樋口 尚也君

      井上 貴博君    今村 雅弘君

      岩田 和親君    大塚 高司君

      大西 英男君    加藤 鮎子君

      門  博文君    神谷  昇君

      木内  均君    工藤 彰三君

      小池百合子君    今野 智博君

      佐田玄一郎君    斎藤 洋明君

      津島  淳君    中村 裕之君

      西村 明宏君    堀井  学君

      前田 一男君    宮内 秀樹君

      宮澤 博行君    望月 義夫君

      山本 公一君    荒井  聰君

      神山 洋介君    黒岩 宇洋君

      小宮山泰子君    津村 啓介君

      水戸 将史君    横山 博幸君

      岡本 三成君    北側 一雄君

      中川 康洋君    穀田 恵二君

      本村 伸子君    遠藤  敬君

      椎木  保君

    …………………………………

   国土交通大臣       石井 啓一君

   内閣府副大臣       福岡 資麿君

   国土交通副大臣      土井  亨君

   国土交通副大臣      山本 順三君

   財務大臣政務官      大岡 敏孝君

   国土交通大臣政務官    宮内 秀樹君

   国土交通大臣政務官    江島  潔君

   国土交通大臣政務官    津島  淳君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  蔵持 京治君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 緒方 俊則君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 山本 哲也君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長)   原  敏弘君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  新井  豊君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           大西 康之君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長)           福田 祐典君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局長)          安藤 久佳君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 田端  浩君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         池田 豊人君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            毛利 信二君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         谷脇  暁君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  栗田 卓也君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        金尾 健司君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  森  昌文君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  由木 文彦君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  藤田 耕三君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 藤井 直樹君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  佐藤 善信君

   政府参考人

   (国土交通省政策統括官) 水津 重三君

   政府参考人

   (観光庁長官)      田村明比古君

   政府参考人

   (気象庁長官)      西出 則武君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月九日

 辞任         補欠選任

  大塚 高司君     井上 貴博君

  井上 英孝君     遠藤  敬君

同日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     大塚 高司君

  遠藤  敬君     井上 英孝君

    ―――――――――――――

三月八日

 踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)

同月三日

 貸し切りバス新料金制度に関する請願(福島伸享君紹介)(第五〇九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

谷委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長田端浩君、大臣官房技術審議官池田豊人君、総合政策局長毛利信二君、土地・建設産業局長谷脇暁君、都市局長栗田卓也君、水管理・国土保全局長金尾健司君、道路局長森昌文君、住宅局長由木文彦君、鉄道局長藤田耕三君、自動車局長藤井直樹君、航空局長佐藤善信君、政策統括官水津重三君、観光庁長官田村明比古君、気象庁長官西出則武君、内閣官房内閣参事官蔵持京治君、内閣府大臣官房審議官緒方俊則君、内閣府大臣官房審議官山本哲也君、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長原敏弘君、総務省行政評価局長新井豊君、厚生労働省大臣官房審議官大西康之君、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長福田祐典君及び経済産業省商務情報政策局長安藤久佳君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。神山洋介君。

神山(洋)委員 おはようございます。神山洋介でございます。

 まず冒頭、御心配をおかけしまして、申しわけありません。御配慮いただきまして、ありがとうございました。

 さて、きょうは、大臣所信についてということで質疑をさせていただきたいと思っております。石井大臣、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 この後、中身について幾つか、確認も含めて議論をさせていただきたいと思っておりますが、今回、大臣所信にも冒頭に触れられていたのは、去る一月の十五日に発生をしましたスキーバスの事故についてでありました。

 大臣も現場にすぐその後行かれて、そしてさまざまな御対応をいただいており、また、我々もそれに対しての緊急提言という形で御提言をさせていただいた際には誠実に御対応いただいたことも含めて、感謝を申し上げるところでございます。

 さて、このスキーバスの事故については、今いろいろな形で今後の対応ということが検討されているところかと思います。中でも、きょう一点確認をさせていただきたいのは、特にこの中で、旅行業者と貸し切りバスの事業者との力関係というところも一つ問題の根っこにはあるんじゃないかという中で、そういう観点で二月の末から調査も実はされているという話も伺っているわけです。

 その点も含めて、このスキーバス事故対策という形に対して、特に届け出料金を下回る契約が横行するという点を踏まえて今後どう対応されようとしているのか、この点も踏まえた対応の方向性について、まずは御答弁いただければと思います。

石井国務大臣 現行の貸し切りバスの運賃・料金制度につきましては、関越自動車道のバス事故を受けまして、平成二十六年四月に導入をされております。人件費や車両更新など安全運行に必要なコストを適正に運賃・料金に反映した制度となっております。

 国土交通省といたしましては、この運賃・料金制度に従って貸し切りバス事業者による適正な運賃・料金収受が徹底されることが極めて重要と考えております。

 現在、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会におきまして、届け出運賃・料金違反に係る通報窓口を設けるなどの具体的な方策について検討しているところでございますが、今後、この検討委員会での検討結果を踏まえまして、バス業界、旅行業界双方の協力のもとに、貸し切りバス事業者及び旅行業者双方に届け出運賃・料金の遵守の徹底を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。

神山(洋)委員 ありがとうございます。

 この点についてもほかの点についても、今月末が一旦、中間取りまとめという期限であり、夏に向けて総合的な対策に移していくという形で伺っておりますので、いずれにしても途上かと思います。この点に関しての問題意識は先日お伝えをさせていただいたとおりで、大臣の御認識と我々も変わりないと思っておりますので、ぜひしっかりと御対応をよろしくお願いいたします。

 続いて、大臣所信全般についてということでお伺いをさせていただきます。

 先日、ここで御所信をいただいて、その後、原稿もいただき、目を通させていただきました。この後、各論の点の話はいろいろさせていただきたいんですが、まず、全体を貫いたときの大臣なりの思いであるとか、何に着眼をして、どういう問題意識を抱いて、そして、どういう大方針で国土交通行政全体に当たられようとしているのかというその大きな絵の部分を、きょうはせっかく初回の大臣所信に対しての質疑ですから、ぜひ御披瀝いただきたいなと思っております。

 正直な話を申し上げて、生意気を申し上げるようで申しわけありませんが、この文章を改めて読み返させていただいたときに、各所管の課題というものはよくわかりました。ただ、それを貫く大臣なりの、この時代に対してどういう認識があってというその大きな絵の部分というのが正直見えませんでした。その点をまずはここで明らかにしていただければなというふうに思っております。

石井国務大臣 先般の所信におきまして、私からは、東日本大震災からの復興、防災・減災、老朽化対策、交通安全などの安全、安心の確保、生産性向上、豊かで利便性の高い社会の実現などの人口減少社会への対応、観光立国の推進、基盤整備などの国際競争力の強化について申し述べたところでございます。

 それぞれの項目ごとに問題意識をお示しした上で具体的な取り組みに言及をさせていただいていますが、全体といたしましては、国民の安全、安心の確保を最優先に、人口減少への対応、また国際競争力の強化といった重要課題に対しまして、国土交通省の強みである現場力を生かして施策を前に進める、こういった基本方針のもと、国土交通行政に取り組んでまいりたいというふうに考えている所存でございます。

神山(洋)委員 何か与党質問をしたみたいな形になってしまいましたけれども、大事なことだと思うんです。

 例えば、今大臣のお話の中にもありましたが、人口減少ということを問題だというふうに捉え、今回上がっている課題でこの後触れるものでいえば、例えばインフラをこれからどう活用するのか、維持をするのかという点にも絡んでくると思いますし、もちろん、誰がやっても、人口減少であるとか、あとは、これだけ財政赤字を抱えているとか、そういう問題に対して正対をしなきゃいけないことは言わずもがなだと思いますが、しかし、どこにぎゅっと着眼をしてさまざまある課題の横軸を通していくのかというところがすごく大事な課題だと思いますので、ぜひそこは、私が言うまでもありませんが、強調をしていただければなというふうに思います。

 続いて、中身の話に入っていきたいわけですが、もちろん全部は取り上げることができません。一見して、全体を見ていて一つまず最初に思ったのが、括弧書きの中に入っている単語というか固有名詞というか、すごく多いなという気がしました。

 どうでもいい話ですけれども、括弧で単語で書かれているところが幾つあるのかなと思って試しに数えてみたら、二十五カ所ありました。二十五カ所の中にも、一般的な名詞をただ並列的に書いた部分もあれば、特に大きな意味を持たせようとして括弧書きがつけられている部分もありますし、パラグラフによっては、括弧の単語なんかがなくてもずっと続いているところもありますので、これはいろいろなのかなと思いますが、ちょっとやはり気になったのが、いまいち意味がわからない言葉がそれなりにあるなということです。

 意味を持ってこの単語を使っているんだったら、私は大事だと思うんですけれども、余り意味がなくいろいろな言葉をちりばめるというのは、正直どこまでの思いがあってこれを書かれているのかなというところが気になりましたので、一点だけそれを確認させていただきたいと思います。

 生産性の向上、担い手の確保、育成及び公共事業の施工確保という部分がありますが、その中に括弧書きで「生産性革命元年」という言葉が出てきます。

 聞いていたときも、これは何だろうなというふうに思ったわけですが、一般的な意味で生産性とか革命という言葉は使われますが、国交省の大臣所信の中で、生産性革命。

 ここで言う生産性というのは何を指しているんでしょうか。ここで言う革命というのは、一体、旧がどういうものであって、新しいものをどう捉えて革命というふうに捉えているのか。元年というからには、ことしが元年で、いつまでに何をしようとされているのか。

 生産性革命元年、この言葉一つとっても正直言ってよくわからないわけですが、これはどういう意味でしょうか。

石井国務大臣 我が国は、二〇一〇年の一億二千八百六万人をピークに人口減少が始まり、しかも極めて速いスピードで高齢化も進みつつございます。

 今後、人口減少により、各産業を支える労働力も減少すると予想をされます。そういった労働供給の制約を打破し、各産業がその役割を果たしていけるようにするためには、労働力の減少を補うだけの生産性向上が必要不可欠でございます。

 こういった生産性の向上により、我が国経済の持続的で力強い成長にも貢献ができるというふうに思っております。生産性向上こそがこれからの成長のキーワードであるということになろうかと思います。

 そこで、私は、本年を生産性革命元年、ある意味で造語でございますけれども、生産性革命元年と位置づけまして、国民経済や国民生活の幅広い分野を所掌する国土交通省が省を挙げて生産性の向上に集中的に取り組みたいというふうに考えているところでございます。

神山(洋)委員 だから実はお話を伺ったのでありまして、今大臣がおっしゃっていただいたのは、ある意味では非常に常識的なお話だと思うんです。人口減少下にあって、普通に考えていたら生産性が上がらないという中で生産性を上げていかなきゃいけないという話は当たり前なわけでありますし、ある意味では今までもそうだったわけですよ。

 革命というからには、何か特別な思いなり、特別な判断なり、前とは違う特別なやり方というものがあるからこうしているのであれば、その内容を御説明いただきたいと思いますし、そうでないのであれば、別にうたうことは悪くありませんが、余り意味のない言葉じゃないかなというふうに思ったので確認をさせていただいたんですが、いかがですか。何か特別なことがあるんですか。

石井国務大臣 これまでも、それぞれの分野で生産性向上ということに取り組んできたと思いますが、ある意味で省を挙げて、ことしをスタートとしてより一層取り組んでいこう、そういう力強い決意を示すという意味でこういう言葉を使わせていただいているということでございます。

神山(洋)委員 その意味でいうと、同じような文脈の流れかもしれませんが、そのちょっと後に「賢く投資・賢く使う」というフレーズも出てきたわけです。

 ここも同じような、今大臣がおっしゃっていただいたような意味なんでしょうか。要は、強調したということにすぎなくて、特段、具体的に何か前があって、今後新しくこうするんだということがあってこういう言葉を使っているわけではないという理解でいいんでしょうか。

 ちなみに、ここでは「「賢く投資・賢く使う」インフラマネジメント戦略へ転換してまいります。」というふうに書いてある。転換ということは、少し変な言い方かもしれませんが、裏返しにすれば、今までは賢くない投資をしていて賢くなく使っていたんだけれども、それを賢い、そして賢く使うという方向に転換するんだという意味なのか。これも、どういう意味なんですか。

石井国務大臣 ある意味で、これまでも賢くやっていた部分はあると思いますけれども、それをより強調するという趣旨かと思います。

 問題意識としては、これからの社会資本整備においては、厳しい財政制約の中、限られた予算を最も効果的に活用する知恵が求められている、それをより意識してやっていこうということでございます。

 昨年十一月の経済財政諮問会議におきまして、「賢く投資・賢く使う」インフラマネジメント戦略への転換を行うべきだということで私の方から提案をしたわけであります。

 具体的には、社会資本整備に当たって、いわゆるストック効果を最大化するため、ストック効果の高い事業に重点投資をする。例えば、わずかな投資で過去の投資効果が一気に開花するプロジェクトなどへの重点投資が賢く投資する取り組みでございます。

 また、賢く使う方ですが、これは既存ストックの機能を最大限生かすための工夫ということでございまして、例えば、首都圏の高速道路における新たな料金体系の導入によりまして、首都圏の渋滞を緩和して、なるべく環状道路の方に交通を促していこう、そういった取り組みですとか、あるいは、羽田空港の飛行経路の見直し等によりまして空港処理能力の拡大を図ることなどが賢く使う取り組みの事例でございます。

 人口減少下におきましても、生産性を向上させることによりまして経済成長を実現することが求められておりまして、これからも、我が国のインフラが生産性の向上など重要な役割を果たすことができるように、こういった取り組みをしっかりと進めていきたいというふうに考えております。

神山(洋)委員 言葉というものは私は大事だと思っておりまして、多くの方々にその政策の意図なり見解なり方向感を伝えていくということを行うためのツールが言葉であるとすれば、その言葉はやはり共有可能な意味をお互いに持っていないと通じないと思うわけです。

 今お話しいただきましたが、生産性革命とか、賢く投資とか使うとかという話は、それはお話しいただくまでもなく、多分そういうことなのかなとは思っておりますが、言葉がたくさんある割には余りそこに大きな強い意味がないのだとすれば、もっとここは絞られた方が、これは我々にもそうですし、国民向けにもきちんと伝わるんじゃないかなということは意見として申し上げさせていただきたいと思います。

 時間も限られてまいりましたが、今大臣からのお話で少し触れられましたが、恐らくこの賢く使うとか賢く投資という中の一つのカテゴリーの中にあるでしょうが、高速道路の利用の話もありました。

 今まさに触れられましたけれども、この四月から首都高は少し料金が変更になって、今までは東京を突っ切って例えば東名と川崎の間を行き来していたような方も、圏央道を使って行った方が、迂回で、料金は今まで圏央道経由の方が高かったんですが、そっちでもよくなりますよという形で少し料金が変わるということを伺っております。

 私は、個人的には、神奈川県民ですから、こういったことがあるのは、地元の方も、中にはありがたいねという話もありますし、私もその意味はすごくよくわかりますし、こういう料金施策というのも大事だと思っております。

 よくよく中身の話を伺っていったときに、これはまず冒頭確認をさせていただきたいんですが、今までは整備を重視した料金でしたというふうに聞いています。整備を重視したというのは、つまりは、償還をすることを前提として料金を決めるということが主にあって料金が決められていた。今回の首都圏の料金の値下げの話というか料金の変更の話は、整備重視の料金を今度からは利用重視の料金に変えるんですと。利用重視というのは、つまりは、大ざっぱに言えば距離当たりの単価というか、そういう考え方に基づくんですという御説明をいただいています。

 これは、ひとまず今回については首都圏の高速道路を対象にして、整備重視の料金から利用重視の料金に変更するということに伴って、この四月から料金が変わるんですという話です。一見すれば、そうですかというふうにさらっと流してしまいそうなんですが、よく考えたら、とりあえず今回は首都圏についてということではあるものの、整備重視の料金から利用重視の料金へ変えるということは、これは道路行政、高速道路料金への施策に関しては非常に大きな変更ではないかなというふうに私は考えているんですが、大臣、この点、受けとめはどう考えていらっしゃいますか。

石井国務大臣 今御指摘いただいたように、高速道路料金につきましては、平成二十五年六月の国土幹線道路部会の中間答申において、整備重視の料金から利用重視の料金に移していく方向性が示されております。これはある意味で一つの大きな転換点だというふうに思っております。

 先ほど申し上げましたように、既存の道路ストックをいかに賢く使っていくかということの一環であるというふうに認識をしております。

神山(洋)委員 ありがとうございます。大きな変更であるということは今まさにおっしゃっていただいたわけです。

 まず、これは今回、首都圏からということで始まっているわけですが、例えばその結果を検証するという中で、では、最終的には、首都圏以外の高速道路料金にも、いろいろな例外であるとか個別の地域事情はあるでしょう、しかし、国全体の高速道路及び高速道路料金の大方針という形で、整備重視ということから利用重視という形に原則が変更される可能性があるということでよろしいでしょうか。

石井国務大臣 これは、特にそれぞれの圏域で検討していくということになろうかと思います。例えば近畿圏につきましては、昨年十二月より国土幹線道路部会において議論を開始しているところでございますけれども、それぞれの大都市圏ごとの事情もございます、環状道路がどれだけ整備されているとか、あるいは利用に転換できるだけきちんと整備をされているかどうか、いろいろ個別の事情がございますので、地域の事情を踏まえつつも、これまでの首都圏に関する検討を参考にしながら、それぞれの圏域ごとに検討を進めていきたいというふうに考えております。

神山(洋)委員 地域ごとの事情があるのは、冒頭私も申し上げたとおりであります。ただ、あえてそのことを確認させていただいたのは、地域ごとの事情とかその道路がつくられた経緯であるとかさまざまな状況の中で、今、結局、全国の高速道路料金の考え方というのが、原則があるのかないのかわからないというぐらいほとんど例外だらけで、もうぐちゃぐちゃというのが実態だと思うんですね。

 試しにここまでの経緯というか歴史的な展開を含めて考えても、そもそも道路は無料公開するんですよという原則で始まり、それが利用者負担の原則ですとかそういう中で進んできたわけですが、そこに例外として償還主義もあれば公正妥当主義なんていう言葉も出てきますし、便益主義なんていう言葉も出てくる、償還のことを考えたときに料金のプール制が導入をされて云々かんぬんという形で、もう原則があるんだかないんだかわからないという形の今状況になってきてしまっているんだと思うんです。

 ここであえてその点を取り上げさせていただいたのは、とりあえず、まずは今回首都圏だけですよ、整備重視から利用重視という形で原則を変更するんですよというのは、私は、個人的な考え方に照らし合わせても実はすっと入ってくるんです。さっき賢く云々という話がありましたが、既存のインフラストラクチャーをできるだけ有効活用するという観点で考えたときに、高くて誰も乗らない高速道路よりは、やはりできるだけ多くの人が利用しやすい形で料金を動かすべきだなというふうには思っていますので、よくわかるわけです。

 きっちり機械的にそれを全国一律に適用できないことはわかっていますが、これを機に少しずつでも原則の整理整頓をするべきではないかというふうに私は思うわけです。その一里塚、その一歩として、今回の、実験とまでは言えないほど小規模じゃなくて、もっと大きなものですが、首都圏での原則の変更、原則の導入というものをやはり大きく展開していっていいのではないかなというふうに改めて思っているわけです。

 時間も限られていますので、この点はもう大臣に御答弁は求めませんが、ぜひそういうことで御理解をいただければと思います。

 最後に、一個だけですが、ちょっと順番を入れかえましたが、インフラの老朽化対策ということでもお話をいただいております。

 このインフラの老朽化対策、実は去年も取り上げさせていただいたんですが、私は大事なことだと思いますが、いまいちスピーディーに物が進んでいないというか、どこまで本気でやろうとしているのかなというところが見えてきません。

 こういったことを行うにはまず現状を調べることが大事だと思っていますが、きょうは配っていませんけれども、現状はどういう状況ですかということを伺うと、建設後五十年を超えた社会資本のパーセントはこういうパーセントですという去年と同じ資料をいただいて、いやいや、それはわかっていますけれども、その後どうなっているんですかという話を聞いているというのが今の状態です。

 結論から申し上げれば、現時点でいまだに緻密な現状把握が地方の部分も含めて至っていないと思います。もっとこれはスピードアップしなければまずいんじゃないかなと思います。後になればなるほど必要コストがふえるから早く着手しますという話だった割には、二年たっても三年たっても、そもそも社会資本メンテナンス元年と言われたときからもう三年たっていますが、いまだに現状把握もいまいち緻密なものには至っていないという話、これはもっとスピードアップしなきゃいけないというふうに思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

石井国務大臣 委員御指摘いただいたように、高度経済成長期以降に整備したインフラが今後一斉に老朽化することから、戦略的な維持管理、更新を推進していくことが重要でございます。

 このため、国土交通省では、まず平成二十五年度に緊急点検を行いまして、翌年にはインフラ長寿命化計画や維持管理の統一的な基準、マニュアルを策定したところでございます。

 今年度から、これらにのっとりまして、国や地方公共団体、高速道路会社など、各施設の管理者による計画的な長寿命化対策が始まっております。

 また、昨年九月には、閣議決定をいたしました社会資本整備重点計画において、個別施設ごとの長寿命化計画を平成三十二年度までに策定するように各施設管理者に求めたところでございます。

 メンテナンスの大部分を担う地方公共団体に対しましては、防災・安全交付金等による財政の支援や研修等の人的支援に加え、直轄診断を行ったり直轄による修繕の代行、こういった措置を導入するとともに、実務を担う民間技術者の育成、確保を推進するため、資格の登録制度の運用も開始をしております。

 老朽化対策は喫緊の課題でございまして、こうした取り組みを通じて老朽化対策の加速化に努めてまいりたいと存じます。

神山(洋)委員 ありがとうございました。

 以上で終わります。ありがとうございます。

谷委員長 次に、黒岩宇洋君。

黒岩委員 おはようございます。民主・維新・無所属クラブの黒岩宇洋でございます。

 きょうは、石井大臣に、大臣所信に対する質疑ということで質問をさせていただきます。

 私もしばらくぶりに国交委員会に戻ってきましたもので、石井大臣とは初めての質疑ということになりますので、実りある質疑をさせていただくことを重ねてお願い申し上げます。

 きょうはまた、内閣府の方から福岡副大臣にもおいでいただいて、ありがとうございます。この後、質疑もさせていただこうと思っております。

 きょうは、私は、昨今非常に物議を醸しているいわゆるライドシェアの拡大、また、ある方によれば、これは白タクの合法化につながるのかというような懸念が示されています。もともとは、昨年の十月二十日、国家戦略特区諮問会議において、議長を務めていらっしゃる安倍総理大臣がこう発言をされました。過疎地等の観光客の交通手段として自家用自動車の活用を拡大する、この発言がなされた瞬間に、今申し上げたさまざまな懸念や疑念というものが巷間またはネット上でも大変取り上げられ、また昨年末の当委員会等でも議論されました。また、昨日はこの問題に対して懸念をされている方たちが大規模集会もされた、これが今の現状であります。

 この現状を踏まえながら、私はあくまでも、さまざまな経済活性化や景気対策において、特区というものの必要性は一定以上理解はしておりますけれども、ただ、さはさりながら、国交省は、特にこれは国民の生命身体にかかわることであります、運行の安全確保、また利用者保護を所管とする省庁でありますので、当然、石井大臣としては、私は、この点については非常に丁寧な対応をされていくんだろうな、そうしていただきたいなという大きな観点のもとに、この後、質問をしてまいります。

 先ほどの国家戦略特区改正案、これはまだ二次改正がしっかりと出ていませんので、私も改正事項としてわずかな記載を見ているのみですので、まずは、この内容に踏み込む前に、もともとの国交省所管の道路運送法では本来自家用車による有償旅客運送というのは禁止されているわけですけれども、ある意味、この例外規定として自家用有償運送が認められている、この制度のこれまでの変遷、そして今の現状を時系列に沿って確認してまいりたいと思います。

 まずは総論なんですけれども、大臣、この道路運送法の例外規定、これは一体何条で、どういう種類で、そしてこれはいつ成立し、また改正されたのか、その経緯等も含めて端的にこの例外規定についてお答えいただけますでしょうか。

石井国務大臣 平成十八年の法改正で自家用有償旅客運送が認められたわけでございますけれども、この法改正以前は、自家用車による有償の旅客運送については、バス、タクシー事業者によっては十分な運送サービスが提供されない場合に、地域の足を確保する重要性に鑑み、個別の許可が行われてきました。

 しかしながら、過疎化の進行や少子高齢化の進展により、こうした運送サービスがバス、タクシー事業者によるサービスを補完するものとして重要になると考えられたところでありまして、自家用車による有償の旅客運送が一層安全、安心なものとして利用者に提供されるよう、法律上明確に位置づけ、新たに登録制度を創設したところでございます。

黒岩委員 また付言して、私の理解ですと、もともとその十八年に改正する以前、道路運送法の旧八十条に、これは一括して、災害のため、また公共の福祉のためやむを得ない場合に限定する、期間も区域も限定するという条文になっていたと思いますけれども、これを十八年改正によって、今申し上げた旧八十条を、七十八条の第一号に災害のため、そして第三号に公共の福祉のためにやむを得ない、そして今大臣がおっしゃった第二号に、十八年改正、すなわち地方公共団体やNPO等などの公共交通空白地、また福祉に関する有償運送が条文として入ったということだと理解しております。

 そして、これは大臣がおっしゃられましたように、それまでは旧法の八十条の公共の福祉にやむを得ない場合というこのくくりにおいて、その内容について個別の事案を一つ一つ許可していた、こういう理解でよろしいでしょうか、重ねて大臣に御答弁を求めます。

石井国務大臣 今御指摘いただいたように、平成十八年の改正以前は、公共交通機関によって十分な運送サービスが確保できない場合、地域の生活交通を確保する重要性に鑑み、公共の福祉を確保するためやむを得ない場合として自家用自動車による有償運送を例外的に許可するという対応をしていたところでございます。これにつきましては、個別の許可が行われてきたところでございます。

黒岩委員 先ほど申し上げた私の理解と同じということでよろしいですね。

石井国務大臣 さようでございます。

黒岩委員 ありがとうございます。

 これは後の省令改正等との兼ね合いにかかわってきますので、これは一回答弁いただきまして、話を進めていきたいと思います。

 今おっしゃられた平成十八年に、内容も私は申し上げましたけれども、法改正がなされました。これは特例ですからね、あくまでも特例。この特例、例外を改めて明示したこの合理的な理由というものを改めてちょっと強調して説明していただけますでしょうか。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど大臣が申し上げましたように、平成十八年に現在の自家用有償運送登録制度が設けられているところでございます。

 これにつきましては、人口の減少、高齢化に伴いまして地域の交通を従来の事業用の自動車で維持するということが地域によっては困難になってきている、そういったことを背景といたしまして、自家用車を活用して地域住民の足を確保する、そういったニーズに応えるものとして認められたものと認識をしております。

黒岩委員 その趣旨自体は私も一定の意味合いとしては認識するところなんですけれども、現場ですと、ではその特例を認めるときの合意形成を図る組織体、これは運営協議会、市町村が絡む場合ですと地域公共交通会議。ただ、この運営が、現実には有識者と言われる方が入ってくる、なかなか実際にはバスやタクシー等の事業に精通しているわけでもない、そういった方が入る中での協議において実態とはそぐわないような運用がされている、こういった指摘もされているんですね。これは指摘ということでお聞きいただければ結構なんですけれども。

 そこで、十八年に改正されて、十八年の十月からこの改正法が施行されて、その間、では重大なトラブル、特に死亡事故とかこういった重大なトラブルがこの有償運送においてどれほどの数があったのか、この点についてお聞かせいただけますでしょうか。

藤井政府参考人 お答えをいたします。

 平成十八年十月の自家用有償運送制度の制度成立から平成二十六年度末までに、合計七件の死亡事故が報告をされております。

黒岩委員 七件、残念ながら死亡事故が起きている。この多寡についてはなかなか比較相対的に見ることが難しいとは思いますけれども、ただ、少なくとも、十八年末から二十六年までということですから、数年間の中で七件の死亡事故が起きている。

 やはり安全性の確保というものは大変重要なことでありますし、そして大臣にあくまでもお願いですけれども、これは重ね重ねですが、大変慎重かつ丁寧な運用が求められている。これは現行ですよ、現行の十八年改正の自家用車による有償旅客運送においてもさまざまな問題点が現実にありますし、現行制度においても、くどいようですけれども、かなり慎重な運用なくして国民の安全や信頼、利用者の保護が図られない可能性があるということを強く指摘させていただきます。

 それでは次に、時系列を追って話をしてまいりましょう。

 二十七年四月、今から約一年前ですけれども、今言った十八年の法改正に関連して政省令が変わっていますね。政省令が変わっています。

 ここであえて一般論としてお聞きしたいんですけれども、法律で定められる事項、政令で定められる事項、省令で定められる事項、この範囲は一体どう定義づけされているのか、この点についてお聞かせいただけますでしょうか。

藤井政府参考人 お答えをいたします。

 道路運送法の体系におきましては、法律では、法目的あるいは旅客自動車運送事業の制度の枠組みを定めております。政令では、法律で定められた権限の委任関係について定めております。そして、省令におきましては法律で定められた枠組みの具体的な内容について定める、そういった構成になると認識をしております。

黒岩委員 一般法理ではなくて、道路運送法の体系としてということで、今、自動車局長からお答えいただきました。

 これで、実は、先ほど私が確認したこの道路運送法上の例外規定の変遷との兼ね合いで、私は、この政省令の改正、特に二十七年の省令改正において疑問を持っているんですね。

 政令改正というのは、もともとの登録や指導監督の権限が国交大臣にあったものを市町村長に移譲するというものですね、事務、権限の移譲。そして、省令改正というのは有償運送の実施主体を拡大していく、すなわち市町村やNPOだけでなくて青年団とか自治会といった権利なき社団にも拡大していく、実施主体の拡大です。もう一点が旅客の範囲の拡大。今までは、平易に言いますと、地域内の方に限っていたものを省令改正で地域外の方にも認めるという大幅な対象拡大ということだと私は文言上理解をしております。

 そこで、今局長の答弁の中にもありましたけれども、法律は法目的や制度の枠組みを変えるんだと言っていますけれども、まず一点目の観点として、先ほど、もともと十八年の法改正は、旧法の八十条で公共の福祉のためやむを得ない場合という制度の枠組みがあった、しかし、それまでは個別具体的な内容についてはまさに個別的に許可をしていたというものです。しかし、これを明示するためには、実際に十八年は法改正をしているんですよ、私の問題意識は、だったら、この二十七年四月の制度改正もなぜ法改正で行わなかったのか。

 国土交通委員会を初め国会が関与して、国民の生命身体の安全にかかわる大きな、今申し上げた実施主体そして旅客対象の範囲拡大というこの制度改正を、たとえこれが制度の枠の内容だといっても、見方によれば、まさに解釈の仕方ですよ、十八年においてはもともとの枠の、八十条の内容の明確化のために法改正しているわけですから、私は二十七年四月の大幅な改正についても法改正すべきだったと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 現在の道路運送法、先ほど委員御指摘の自家用有償運送制度を認めた規定、法律の七十八条第二号にございますけれども、市町村、特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者というのが主体についての法文の規定でございます。これに基づいて、省令改正によって主体の追加を行ったということでございます。

 さらには、市町村の区域内の住民の運送その他の国土交通省令で定める旅客の運送を行うというのが自家用有償運送の中身で、法律上の規定ぶりでございまして、これを踏まえて国土交通省令に基づいてその対象範囲というものについての拡大を行ったということで、法律に従った授権の範囲内で法令改正を行ったものと認識をしております。

黒岩委員 法律の授権の範囲とかその前置き、局長もおっしゃられましたけれども、ただ、やはりこれは解釈の仕方だと思います。解釈の仕方によってさまざまな側面がある。

 私は、国交省に事前に、まず一般法理として法律事項、政令事項、省令事項と何度も問いましたけれども、それについてお答えはありませんでした。そして、私がいただいたその三つの範囲について、定義づけについては、本当にこの道路運送法の政省令の改正に合わせたがごとく、個別例に対して一般的な定義づけをしたと思われるような回答が返ってきたので、私はそれに対して疑問を今呈しているところなんです。

 そして、省令改正の問題点はこの後もうしばらく続けますけれども、一旦、この省令の改正の理解から先に。

 当然、改正といっても法律をつくるならば、立法事実が必要であると同時に改正事実が必要になってくるわけです。さすれば、この二十七年の四月によって実施主体は権利なき社団へと広がった、これも当然、運営協議会等が許可するわけです。そして、区域外の利用者については市町村長が認める者となっているわけですから、当然、まだわずか十一カ月ですけれども、実際にこの弾力化を行っている自治体は、実施主体においては一自治体、そして旅客の対象範囲の緩和については七自治体が実施している。こう言ってはなんですけれども、一桁の自治体なわけですから。

 では、今申し上げた、改正する前の改正事実とは申しませんが、現在の事実として、実施主体は一体幾つ増加し、区域外へ対象範囲が拡大された旅客は何人この間でふえたのか、お答えいただけますでしょうか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 平成二十七年四月に省令改正により実施主体の拡大を行って以来、いわゆる対象を来訪者にも拡大した例というのが七市町村、さらに実施主体の緩和をしたものが一市ということでございます。

 なお、これによります具体的な増加の人数については、現在のところ、私どもでは把握をできていないところでございます。

黒岩委員 そういうことなんですよ。

 役所によれば、年度ごとだといいながら、今申し上げたように、所管の道路運行の安全、そして利用者の保護を観点としている中で、省令で、これは国交省だけでこの例外を広げたわけですよ。ならば、当然、これは大臣にお聞きいただきたいんですけれども、相当以上の関心を払わなければならないわけですよね。

 そして、今申し上げたとおり、実施主体の緩和を実施する、そこまでいったところは一自治体ですよ。旅客の範囲を拡大するといった、実践している自治体は七つですよ。これは、国交省の担当者に聞けば、確かに電話一本で確認すればわかると。それはそうですよね、何百、千幾つの自治体の話じゃありませんから。

 そうしますと、これは大臣に要請ですけれども、私は、今のこの現状をお聞きする限り、今申し上げた安全とかいうことに対する関心が高くないのではないかとすら思える。省内で特例をふやす、特例をふやしていけば、当然、何度も申し上げている利用者保護等がもしかしたら脅かされる可能性がある。それを慎重に運用していくという所管省庁であるにもかかわらず、みずからの省令改正に対するその後のフォローアップが今現在厳密にはなされていない。このことは私は大変問題だと思っておりますが、石井大臣、いかがお考えでしょうか。

石井国務大臣 昨年の四月に改正をしているわけですね。まだ一年たっておりませんから、今後しかるべき時期にフォローアップ調査等を行っていきたいと思っております。

黒岩委員 大臣、今申し上げたとおり、実施主体についてもしっかりと認可するわけですし、そして旅客についても市町村長が一々、一つ一つしっかりと許可をするというスキームで省令が改正されているわけですから、その都度都度、今言った限られた自治体においてしっかりとフォローアップしていただきたい。これは要請にとどめておきます。一年くくりで、それでいいですというような対応ではままならないものだ、私はそう思っています。

 それでは、時間がもう限られてきましたので、では、国家戦略特区について、これはまだ正式に二次改正案が閣議決定されていないので、今時点で私どもが把握しているのは、三月二日時点での諮問会議における追加の規制改革事項案というものを私どもは持っているだけです。

 そして、この自家用車の有償運送については、わずか十行書かれている、方向性が示されている。この文言を頼りに、では実際に、多分近々にもう法改正案が出る、ないしは、もう準備されていると思っておりますけれども、内閣府副大臣、お答えいただきたいんですけれども、この追加改正事項には、まず冒頭、過疎地等における訪日外国人という文言が書かれて、この運送需要に応えるものだ、このように記載されています。

 そこでお聞きしたいんですけれども、この特区が改正される場合に、訪日外国人というこの要件、訪日外国人にこの有償運送は限定されると理解してよろしいのかどうか、この点についてお答えください。

福岡副大臣 お答え申し上げます。

 今御指摘ありましたように、バス、タクシー事業者による事業が困難な地域であるということがまず前提の上で、訪日外国人を初めとする観光客の移動ということを想定しておりまして、当然、訪日外国人初めほかの観光客も含まれるものというふうに考えております。

黒岩委員 そうなんですよ。「始めとする」という言葉があるので、私、すごく不安になって確認したんですが、今の答弁だとちょっとわかりづらい。

 訪日外国人に限定されるんですか。また、それを確認する手段というのは、例えばパスポートの提示を求めるなど、こういった手段はどうなっているんですか。教えていただけますか。

福岡副大臣 お答え申し上げます。

 訪日外国人を主たる対象として考えているということでございますが、例えば日本人の観光客を排除するものではございませんし、そういう部分では、外国人を確認するというようなことではございません。

黒岩委員 いや、これは驚くべきことですね。

 では、「訪日外国人」という言葉がありますけれども、実はそれにとらわれない、日本人でもオーケーだ、しかも、それを確認する手段もない、確認しないということでよろしいんですね。

福岡副大臣 今おっしゃいましたように、個別のいらっしゃった方についての確認ということは想定をしておりませんが、まず、この実施をするに当たっては、国家戦略特区として指定をされている区域で行うということでして、どういう運行を行っていくかということについては、国家戦略特区担当大臣、また関係地方公共団体の長、民間事業者等により構成する区域会議によってその内容等については定めさせていただくということを考えております。

黒岩委員 いや、副大臣、先ほど、日本人を排除しないと答えたわけですから、日本人も入るということですよね。そういうことですよ。

 ですから、まずは、訪日外国人という要件はない、日本人もオーケーだということがわかりました。そして、それを確認することもしない。日本人かどうか、訪日外国人かという確認をすることもないということがわかりました。

 先ほどの副大臣の答弁で、訪日外国人プラス観光客だとおっしゃいましたね、言葉の中では条件づけずに。

 では、二つ目、確認します。

 この例外適用、特区というものは観光客に限定されるんですね。

福岡副大臣 新たな制度につきましては、主として観光客を輸送することを目的とさせていただいておりますが、地域住民等の輸送を全て排除するというものではないというふうに考えております。

黒岩委員 これも驚くべきことがわかりました。

 観光客以外も排除しない。すなわち、訪日外国人じゃなくても観光客じゃなくてもいい、誰でもいいということですよ。となると、まさにこの改正事項案であると、頭にある過疎地におけるだけが残って、あとは訪日外国人も観光客も関係ないとなったら、今の現在の自家用車による有償運送、空白地対策で賄えるんじゃないんですか。これは石井大臣、国交省、どうですか。これで賄えるんじゃないですか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 現行の自家用有償運送制度につきましては、国土交通大臣が登録に係らしめているわけでございますけれども、その登録の要件としては、法律上、地域住民の生活に必要な旅客輸送を確保するために必要であることということが要件の一つとなっております。

 今回の国家戦略特区における自家用車の活用の拡大につきましては、外国人観光旅客その他の観光旅客の移動のための交通手段を提供することを主たる目的とするということがその要件ということになるかと考えておりますので、その点において違うものであるということで考えております。

黒岩委員 ですから、大臣、主たるとつけたがゆえに、結局は、観光客じゃなくても訪日外国人じゃなくても排除しないという結論になると、今言った、主たる目的ということがかぶさっているという答弁ですけれども、これ自体は厳密にはかぶさらなくてもオーケーだということなんですよ。ですから、現行の空白地有償運送で対応が可能だと考えますし、そうなれば、これはあえてわざわざ国家戦略特区に入れる必要もなくなるという帰結になってしまうということになります。

 そもそも諮問会議の議長である安倍総理は、これは、日本を訪れてくださる外国の方々にとって、その滞在期間をより一層利便性を持って快適であるためにというこの条件をつけて、私がきょうの質問の冒頭に言った、過疎地での観光客の交通手段として自家用車の活用を拡大するという言葉につながるわけですから、そうしますと、総理の前段のこの指示と今言った中身がそごを来しているということは、これはあえて指摘をさせていただきます。

 では、最後になりますけれども、大臣、ライドシェア全体については、昨年十二月の委員会でも大臣は、この拡大については慎重であるという答弁をされました。その理由については、やはり、先ほどから申し上げております、運行の安全確保、また利用者保護の観点に対して慎重だということをおっしゃっておりますが、この理解でよろしいのかどうか、この点だけ確認させてください。大臣、お願いいたします。

石井国務大臣 いわゆる一般的なライドシェア、新経済連盟等が提唱しているライドシェアについては、極めて慎重な検討が必要だと考えております。

黒岩委員 いろいろな観点がきょう、つまびらかになったということもありがたく、有意義な議論をさせていただいたことに感謝申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

谷委員長 次に、荒井聰君。

荒井委員 民主党の荒井聰でございます。

 きょうは、石井大臣と初めて、論戦というほどでもないと思いますけれども、意見交換をさせてもらいたいと思います。

 今の黒岩君の話を聞いていて、ちょっと通告にないんですけれども、石井大臣も行政官であったということ、私もそうでありました、今の政府のあり方、内閣のあり方について、少し私の意見を交えながら、大臣の御見解も聞いてみたいなと思います。

 よくメディアでは、野党のことをやゆして一強多弱、こう言っていますけれども、私は今、行政府の中こそ一強多弱なんじゃないかと。例えば、最近、国交省にかかわる、普天間、辺野古の問題で物すごく大きな和解案が出まして、これの和解対象者というのは国交大臣ですね。ところが、国交省が決めたというふうに私には見えなくて、官邸が決めたというふうにも見えます。

 さらには、それほど大きくなくても、今、北海道で新聞をにぎわせているのが千歳国際飛行場の民営化の議論です。どうもこの議論の中には、国交省の顔が余り見えなくて、官邸の顔ばかり出てくる。あるいは、北海道庁自体が官邸の顔をうかがっている、そんなふうにも見えます。

 さらには、昨年一年間、北海道の中で大変大きな課題になりましたJR北海道の安全性の問題なんですけれども、これについてのJR北海道の社長の人事問題などについても、どうも官邸の顔がちらほらしている。

 日本という国は、行政組織法という法律で各省庁の役割分担をしているはずであります。世界各国には、こういう行政組織法みたいな法律がなくて、勝手に時の総理大臣が所掌の大臣を決めていくというやり方もあるんですけれども、そうではありません。

 そうすると、今のやり方を見ていくと、この国は官邸だけあればいいんじゃないか、ほかの役所はもう要らないんじゃないか。特に、今度の辺野古の問題というか、和解案を突然受諾したというやり方は、ひょっとすると、国交省よりもアメリカ国務省や国防省の方が先に知っていたんじゃないかと思われるような節さえあるわけで、私も経験者ですからそうですけれども、これでは、役所で働く人間として見たら、もう勝手にしろよ、官邸がやればいいじゃないか、そういう趣になるんじゃないかと思うんですよ。私は、こういうやり方は日本国にとってはよくないと思います。

 一強多弱が政治の世界であるならば、それは選挙で変えればいいですし、あるいは、自民党の中であれば自民党の権力闘争で変えればいいんですけれども、行政組織法という法律を無視するような、無視とまではいかないのかもしれませんけれども、その意味を十分理解しないやり方というのは、私は、法治主義の根幹を揺すぶっていることにも近いのではないかと。

 そのことについて閣内で意見を言えるのは、私は石井さんしかいないんじゃないかと。それは、自民党の議員でもありませんし、あるいは行政というものを熟知しておられるわけですから、国交大臣ではないかと思うんですけれども、これは通告をしていませんから、それに、余りここを追及すると、いろいろ課題があるのかもしれませんけれども、何か御見識があれば伺いたいと思います。いかがですか。

石井国務大臣 突然の御質問なのでございますけれども、例えば、辺野古をめぐる裁判の和解につきましては、総理のもとに関係閣僚が集まりまして、そこで最終的に協議をして決断したということでございます。

 日常的な案件は当然各省が行政の役割を担っているわけでありますけれども、案件によってはやはり政府全体で検討するような重要な案件もあるわけでございまして、辺野古の裁判というのは、そういった政府全体で検討すべき案件の一つだったのではないかなというふうに思っております。

荒井委員 さっき黒岩君が話をしたライドシェアの話も、官邸に置いた審議会のような、経済人が集まった会議の中で議論をされているというふうに承知をしていますけれども、かつて、行政改革の大きな成果を出した、第二次に当たるのかな、行政改革委員会の実際の事務局長をやった瀬島龍三さんは、この人は経済人だったですけれども、自分の利益にかかわるような業務に関するものにはタッチしなかったですよ。ところが、いつの間にか、政府の審議会、そういう重要な方針を決める委員会の中に、自分の業務と密接にかかわる部分について強力に主張するような人が委員になっているというのは、私は、ビジネスマンとしてのモラルも、それから行政組織としての健全性というものも損なっているんじゃないかというふうに思います。これは私の指摘だけです。

 さて、きょうは、国交省にかかわる基本的な政策について、二つの大きな視点で議論をしたいと思います。

 一つは、国交省という役所は国土を守るということだろうと思います。国土を守る最大のものは、防災あるいは災害復旧ということだろうと思います。

 私たちは、五年前の東北大震災あるいはそれに関連する津波によって、東北三県を中心に極めて大きな災害が生じたわけであります。日本は東南海地震が起きるだろうということで、そちらの方の監視網なり準備というのは十分やっていたんですけれども、突然大きな地震、津波が起きたのが東北地方であった。それはどうしてなのかな、東北地方に対して何らかの対策は行っていたんだろうか、少なくとも東南海の地震ぐらいの予知の準備をしていれば、もっと災害が防げたのではないだろうかという素朴な疑問を思います。

 そこで、当時私たちは与党だったんですけれども、当時の北海道方面総司令官というのが、その直前あるいは近い時期に東北仙台にいたんですね。その東北仙台にいたときに、もしも地震、津波が起きたならば、どういうふうに自衛隊を運用しようかという計画をつくっていたんだそうであります。これが地震が起きる数年前だったんだそうですけれども、その計画をつくって彼は転勤をしたんです。

 地震が起きたときに彼は帯広のあたりを視察していたんだそうです、赴任をしてすぐのことだったんですけれども。地震を感じたときには、これは東北だ、三陸沖に間違いないだろうと、北部方面総監所管の、全部で三万人いるんですけれども、そのうちの二万人ぐらいの出動態勢を整えるべく、すぐ札幌に戻ってその準備をしたというふうに言われています。

 ああ、防衛省ではやっているんだな、そういう数万人オーダーの人材を派遣していくという体制の計画ができていたんだなということを思ったんです。

 さて、今言われている首都圏あるいは東南海、これは非常に大きな地震になると思うんですけれども、それについて、そういう類いの、あるいは防衛省と国交省が連携をとったような計画を果たしてつくっているのか。基本的に、あの五年前の三・一一を教訓として、どのような体制の整備が国交省の中でなされているのかということをまずお聞きしたいと思います。

石井国務大臣 東日本大震災の教訓を踏まえて、国交省において大規模地震対策の取り組みがどうかということかと存じますが、実際に地震が起きたときの人をどういうふうに派遣するかという取り組みよりは、むしろ事前のソフト、ハード対策でどういうふうにやっているかということでお答えをしたいと思います。

 東日本大震災におきましては、いろいろな教訓がございましたが、従前の想定を上回る規模の津波が発生をしたこと、また、海岸保全施設等のハード対策に過度に依存していたこと等の課題を踏まえまして、最大クラスの巨大な地震、津波を想定した事前の対策が必要であるという教訓を得たところでございます。

 このため、国土交通省南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部を設置いたしまして、おのおのの地震で想定される被害特性に合わせた対策の計画を策定するとともに、毎年度、取り組み内容の点検、見直しを行っています。

 具体的に申し上げますと、南海トラフ地震につきましては、津波に対する多重防御の考え方のもとに、津波観測情報の提供を迅速化、高度化していくこと、また避難路、避難場所を整備していくこと、それから避難のためのリードタイムを長くするための粘り強い海岸保全施設の整備等を推進しているところでございます。

 また、首都直下地震に対しましては、住宅・建築物の耐震化や不燃化、都心に向かって八方向から道路を啓開する八方向作戦による道路啓開体制の確保等を推進しているところでございます。

 災害から命と暮らしを守るために、関係機関と連携しながら、ハード、ソフト対策を総動員いたしまして、災害に強いまちづくり、地域づくりを進めてまいりたいと思っております。

荒井委員 先ほどの北部方面総監というのは千葉さんという方なんですけれども、その千葉さんがおっしゃっていました。大体地震の想定というのは想定の範囲内であった、たった一つ想定外のことが起きたのは、想定もしなかったのは原発の事故だった、この原発の事故によって出動計画なりなんなりも相当大変更しなければならなかったというようなお話をしていました。

 そのとおりなんですね。今、三県の中で一番復興がおくれているのは福島であり、また、放射能という被害が多くの人たちを苦しめている。福島にも戻れない。これはやはりほかの地域と全く違う現象が出ているんです。

 この原発事故について、これはまた、原発事故そのものについては別のところで議論したと思いますけれども、アメリカのスリーマイル事故の後、アメリカ政府はスリーマイル事故の調査をやりました。最終的にこういう教訓を得たそうであります。避難計画なくして原発の再稼働なし、そういう教訓というか、最終レポートの結論です。

 私は、日本の避難計画が非常に不十分だと思うんですけれども、一番問題なのは、避難経路、避難手段、そういうものについて十分議論されていないのではないか、あるいは整備されていないのではないかというふうに思います。

 この避難経路なり避難路の確保というのは、ほとんどが国交省所管の道路行政あるいは港湾行政、あるいは空路を使う場合もあるんでしょう、そういうものにかかわると思うんですけれども、このあたりの整備状況というのはどうなんでしょうか。

森政府参考人 お答えいたします。

 こういう大地震が起こった際に、命を守る救急救命、そして避難民の方々を守り、また直ちの復旧を進めるために、緊急輸送道路あるいは避難路をしっかりと位置づけ、またその対策を講じていくことは極めて重要だというふうに認識しておるところでございます。

 ハード的には、阪神大震災以降、橋梁の補強を中心に集中的に避難路あるいは緊急輸送道路といったようなところに対しましての手当てを行ってきております。

 また、加えまして、災害時にはそういった通路が瓦れきや電柱等々で通行できなくなってしまうというようなことが起こり得る可能性がございますので、私どもとしても、各出先機関でそのための資機材、あるいはまた、周辺の建設企業の方々と協定を結びまして、さまざまな資機材、例えば鉄板だとかあるいは土のうといったようなもの、あるいは場合によっては仮設の橋梁といったようなものも含めまして手配をし、また準備をさせていただいているという状況でございます。

 以上でございます。

荒井委員 そうなんですね。都市部と地方とはその対策が違ってくると思うんですけれども、都市部は道路の確保、避難路の確保というのが非常に難しくなってくるというか、大変課題も多いと思うんですね。

 最近、世界のコンピューターの競争というか、コンピューターがどのぐらい精度が高いのかということの競争の中で日本が優勝したということがテレビで報道されていたんですけれども、その課題が、東京都におけるほとんど全ての住宅だと思いますけれども、その住宅が震度六とか七ぐらいだとどういうふうに揺れるのか、どの部分が倒壊するのかということを全部シミュレーションした、そういうものであったそうであります。こういうような技術がもう既にでき上がっている。

 あるいは、地震の際の一番恐ろしいのは火災の発生であります。火災の発生は、阪神大震災のときの教訓からいくと、地震直後ではなくて、地震直後から数時間たった後に火災が発生しているんですね。それはどうしてかというと、ブレーカーを落としていかないものですから、電熱器の電気がもう一回通電しますと、電熱器が再発動して、そこに紙だとか布だとかが落ちると発火する、そういう現象があちこちで起きたのが阪神大震災でした。

 ですから、逃げるときにはまず逃げろというのと、それから逃げるときにはブレーカーを落とせということを言わないとだめなんですけれども、気が動転していますから、それに気がつく人というのはそんなに多くないと思いますよね。

 そうすると、通報の仕方というのは、これだけスマホだとか携帯電話が発達していますから、地震の警報と同時に、スマホの中で、逃げろ、それからブレーカーを落とせ、電気に気をつけろということをも通告する、そういうあり方というものを今後検討した方がいいと思います。既に、火山噴火の通報についてスマホを使っていこうという動きがことしになってから出ていますので、そういう動きも考えた方がいいと思うんです。

 もう一つは電柱ですね。電柱が倒れると通路が確保できません。

 電柱の問題は、無電柱化という動きで、これは与党の中でも出てきているんですけれども、これは二十年前、私は、共同溝の事業として、佐藤信秋さんなんかと一緒につくり上げていった法案の一つでもあるんですけれども、最近、これは相当サボっているのか、伸びていないんですよね。それで、伸びていなくて、もっと簡単なものをやろうというので、無電柱化の話が出ているんだと思いますけれども、この電柱の処理も、もっと災害と結びつけてしっかりと議論していくべきだというふうに思います。

 時間がなくなったので、地震についてはこのぐらいにします。

 次に、火山の話ですね。

 災害は、むしろ火山の方が大きいのではないか。それで、東北大震災のときに貞観の地震ということが指摘をされました。今から千年以上昔の貞観の地震。その経緯を探ると、今の東北大震災と同じぐらいの津波、もっと大きい津波が来ていたのではないかという、観測というかデータも残っているようなことが発見されているんです。その貞観の地震のときにも、五年たって、貞観の大噴火という現象が起きたんだそうです。このとき、富士山も一部噴火しているようです。

 それから千年ぐらいたつのかな、一七〇七年に宝永の地震というのが出ています。これも巨大な地震だったらしくて、その五十日後か六十日後だかに富士山が噴火をしています。この富士山の噴火では膨大な被害が発生をしているんですけれども、そのとき、当時の江戸幕府は、伊奈半左衛門忠順という人を派遣して復興に当たらせています。この話は新田次郎の小説の中に出てきますので、大臣、時間があったらお読みになったらいいと思うんですけれども、今ととてもよく似ているんです。

 江戸幕府は、復興のためといって、お金を各藩からたくさん集めました。ところが、それを復興費用に全部使わないで、地元に使うお金は半分ぐらいしか使わなかったんですね。それに怒り、伊奈さんは勝手に住民対策を実際やったんです。やって、後で江戸幕府から怒られて、切腹をしてしまった、そういう悲劇のヒーローでもあるんです。

 何となく今の復興に、復興の予算はがばっとつくんだけれども、本当に復興のために使われているのかどうか、それが計画的に使われているのかどうかというのは、この三百年ぐらい前の江戸時代と余り大して変わらないなと思うこともあるんです。

 この噴火の予測については、今どういう状態にあるのか。特に富士山噴火というのは起きればかなり大きいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

西出政府参考人 噴火の予測というのはなかなか難しい面がございますけれども、気象庁としては、火山を観測監視し、その状況を評価するというところに力を入れております。

 その中でも、観測監視については、観測機器等のハードのみならず、人的体制の充実強化が必要であると考えております。

 そのため、組織体制、人員体制を強化することとしておりまして、まず、火山の監視、評価、警報発表体制の強化を図るために、全国四カ所に火山監視・警報センターと、本庁に火山機動観測管理官の設置、また、専門的な知識を有する予報官、火山活動評価官等八十名の増員というものを平成二十八年度政府予算案に計上しているところでございます。

 また、今年度については、気象研究所において火山の研究官を新たに三名採用したほか、今後二名をさらに採用することとしております。

 また、火山の評価能力向上を図るため、気象庁職員に対する火山に関する研修を充実強化してまいります。

 加えて、今後、我が国を代表する火山の専門家に気象庁参与として気象庁の業務に参画していただくこととしているところでございます。

荒井委員 火山の予知について、火山の学者とか研究者が日本はすごく少ないんですね。これだけ火山国であるにもかかわらず、極めて少ない。気象庁の中でも、火山関係の組織が非常にシャビーだったということで、ことしはその強化を図ったんだと思うんです。

 火山学会の学会長が、藤井君といって私の大学の同級生なんですけれども、彼が、日本の火山の予知なりあるいはその体制というのは、イタリアとかアメリカから比べると非常に少ない、働く場所がないということも絡んでいて、専門家が育たないんだということを言っておりましたけれども、彼自身は、今、日本の火山の中で、富士山を含む六つの火山がいつ爆発してもおかしくない状況にあるということを指摘しています。

 火山とか地震とかというものの予知の年代というのは数十年なんですね。あしたとかあさってとかというものではなくて、数十年オーダーでの予知しかできないものなんだろうと思うんですけれども、そういうことを言ってございます。

 そのときに、私が感じますのは、地震の予知は地震学者がやればいいやということになっているんですけれども、どうも、各国で地震の予知の流れを見てみると、必ずしもそうではない。

 一番私たちが見たら笑っちゃうようなことは、中国で周恩来がやった地震の予知なんです。これは、そこの地域に住んでいる村の人たちが、どうも天変地異が起きていそうだ、例えば井戸の水が下がってきちゃうとか、あるいは赤い雲が起きたとか、今までになくて、しかも伝説なり伝聞で受け継いでいたものが今起きている、これは地震が起きる前ぶれではないかということを周恩来に伝えたというんですね。

 周恩来が、そうかということで、国を挙げてそこの人間を八万人ぐらい避難させた。まさしく避難直後に地震が起きたということで、その地域では周恩来というのは神様のようになっており、また、中国の、生物といいますか、あるいは人民を、人々を使った予知の体制もつくられたといったような例もあります。

 私は、地震の予知というのは、もっと幅広く、学者だけがやるようなアカデミックなものではなくて、そういうものを総動員するような体制というのをつくっていくべきだというふうに思います。

 時間がなくなって大変恐縮なんですけれども、もう一つだけ、国交省所管の業界体質の近代化に向けてというテーマでしっかり議論したかったんですけれども、この中で、くい打ちの話でありますとか、あるいは、直接業界とは関係ないかもしれませんけれども、バスの運行業者の話でありますとか、幾つかの伝統的な国交省所管の業界団体の近代化がなかなか進んでいないように私は思います。公平で公明で透明性が高い業界になり切っていないように思うんです。

 その一つの構造的な問題に、私は下請構造があるのではないかと。この下請構造、それから、軽井沢のバス事故などでも見られましたけれども、独禁法の厳格な運用がなされていないんではないか。

 独占禁止法では、立場の強い者が弱い者に対して価格を押しつけていったり、あるいは受注の条件を厳しくしたり、そういうことをやりがちなわけですけれども、それは禁じているんですね。これらについて、公正取引委員会と国交省はどういう関係でそこのところを調整し合っているのかということは、私は、大きな国交省の所管の仕事としてこれから進めていくべきだろうというふうに思うんですけれども、公正取引委員会、どなたか来ていますか。

原政府参考人 お答えいたします。

 一般論といたしましては、取引上の地位を相手方に優越している事業者が、その地位を利用して、取引の相手方に対し、協議もせず、一方的に著しく低い対価を強制することなどにより、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合には、優越的地位の濫用として独占禁止法上問題となります。

 公正取引委員会としては、優越的地位の濫用行為に接した場合には厳正に対処してまいる所存でございます。

 また、建設業法では、国土交通大臣等は、優越的地位の濫用行為など独占禁止法第十九条の規定に違反する事実があると認めるときは、公正取引委員会に対して適当な措置をとるべきことを求めることができる旨、規定されております。

 公正取引委員会としては、建設業法の規定に基づき、国土交通大臣等から措置請求があったときは適切に対処することとしており、今後とも国土交通省との連携を図ってまいりたいと考えております。

荒井委員 今の公正取引委員会の答弁、本当は逆なんだと私は思うんですよね。国交省から公正取引委員会に訴えるというか、そういうシステムだという話だったんですけれども、それは本当は違うと思うんですよね。公取が、この事実は強者の論理ではないかと、まず初めに、すぐ捕まえるわけじゃなくて、そういう実態があるんではないかということを国交省に申し立てて、国交省に調査をしてもらう、させるということがスタートなんじゃないでしょうか。そんなことを指摘しておきたいと思います。

 最後に、ゼネコンの体質。

 国交省は、建設業一般を全体として、行政の対象として指導あるいはいろいろな法令を整備しているんだと思うんですけれども、大きなゼネコンと地方にしっかり根づくような中小企業の建設業というのは違うんではないか。体質も違うし、その特色も違うし、役割も違うんではないか。

 大きなゼネコンはどんどん海外に出ていって、国際競争力をつけて、海外の仕事もとってくる。だけれども、地方の企業というのは、その地方のいろいろな社会インフラを整備していく、あるいは災害のときにすぐ対応するような体制を整備してある、そのことによって地方の業界の安定的な経営にもつながっていくんではないだろうか、そんなふうに思うんですけれども、これは最後、大臣、いかがですか。

谷脇政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘ございましたように、地域の建設業が持続的に発展できるようにしていくということは非常に重要であるというふうに考えてございます。

 国土交通省の方では、品確法でございますとか入札契約適正化指針、こういうものにおきまして、公共工事の発注に際しまして、例えば地域要件を適切に設定する、あるいは複数年の契約、こういったものを活用する、あるいはJVの制度でございますとか事業協同組合、こういった共同で行うようなものを利用する、あるいは総合評価方式の中で、地域の貢献度、災害協定を結んでいるとか、そういったものを評価する、こういったようなことを定めておりまして、地方公共団体の方にも浸透するようにさまざまな取り組みを行っているところでございます。

 さらに、例えばでございますけれども、地域の建設会社が連携をいたしましていろいろな取り組みができるようにということで、複数の企業が共同して技能労働者の育成を行うための教育訓練施設を開設する、こういったようなことで担い手の確保に向けた取り組みを行うといったような場合でございますとか、あるいは共同で新たな工法を開発して生産性を上げていく、こういうふうな取り組みに対する支援というようなことも行っておるところでございます。

 引き続き、地域の建設会社が今後もその役割をしっかりと果たせるよう、環境整備に努めてまいります。

荒井委員 終わります。

谷委員長 次に、野間健君。

野間委員 野間健と申します。

 きょう、初めて国土交通委員会で質問させていただきます。貴重な時間を頂戴しましたこと、委員長初め理事、委員の皆さんに感謝を申し上げます。

 まず、今の荒井先生の質問とも重なる部分がありますけれども、いわゆる品確法などの担い手三法について御質問したいと思います。

 今お話にもありましたけれども、私は鹿児島県ですが、地域の中規模、小規模の建設土木業界にとって、工事量もそれほどふえていない、人手も足りない、人口も減少している、後継者がいないということで、今なお中小の建設業界にとっては厳しい状況が続いているのも事実であります。

 とはいえ、例えば私どもも昨年八月、台風が襲いました。また一月には大雪が降ったりして、そういう防災、災害復旧の活動の最前線に当たっているのが、またこの地場の建設業界、工務店などの皆さんが本当に寝る間も忘れて復旧作業に当たっているのが事実であります。こういった皆さんがいるからこそ、地域の安心、安全が守られて、枕を高くして寝られているというのが現実の問題であります。

 こういった皆さんの大きな期待で、一昨年六月に公共工事品質確保法、入契法、建設業法の改正など担い手三法の改正が成立し、その後、昨年四月にこの品確法の運用指針が示されたということで、業界としては大いに期待をして歓迎をしているところだと思います。特に、予定価格を適正に設定することであるとか、ダンピングの受注の防止、あるいは今後の担い手の確保支援の責務などが明記されたということで、大いに期待しているところであります。

 この運用指針が示されて約一年、政府として、地方自治体、発注者にこの理念そしてこの指針がどの程度浸透しているのか、また、適正にこれが運用されているのかということ、まず取り組み状況をお聞きしたいと思います。

石井国務大臣 国土交通省におきましては、改正品確法や運用指針の趣旨が地方公共団体までしっかりと浸透するように、各ブロックや四十七都道府県で説明会を開催するなど周知を図ってきたところでございます。

 品確法等に基づく地方公共団体の取り組み状況につきましては、各省庁、独立行政法人、地方公共団体等の全ての発注者、合計千九百三十二団体でございますが、これを対象に従前より年度ごとに法定の調査を行っているところであり、今後ともしっかりと調査を行うこととしております。

 また、歩切りの根絶や施工時期等の平準化など、特に速やかな対応が必要なテーマにつきましては、地方公共団体に対しまして、随時調査を行いましてその取り組み状況を把握した上で必要な指導等を行っているところでございます。

 特に歩切りの根絶につきましては、総務省とも連携をしつつ、これまで四度にわたりまして、地方公共団体に対して、その実態や、歩切りを行う理由等に関する調査を行い、歩切りを行っている地方公共団体に対しては、あらゆる機会を通じて早期に見直しを求めてまいりました。

 その結果、昨年一月時点では、慣例や財政健全化のために歩切りを行っている自治体が四百五十九団体ございましたが、ことしの二月時点では三団体にまで減ってきております。

 今後も、地方公共団体等の取り組み状況をきめ細かく把握をいたしまして、市町村まで改正品確法等の趣旨が浸透するよう取り組んでまいりたいと存じます。

野間委員 ありがとうございました。

 三団体まで歩切りが減ったということで、大変いい傾向だと思います。

 今大臣もお触れいただいたんですが、もう一つ、公共工事の発注及び施工時期の平準化の問題ですね。

 皆さんも御承知のとおり、年度末、三月になると工事がどんどん行われるけれども、四、五、六になるとぱったりとまってしまって、中小の建設業にとって、四、五、六、気候的にも実は工事が非常にしやすいところでなかなか発注がない、工事がないということで経営が安定しない。人員の確保などいろいろな意味で支障を来しているのが事実であります。

 国の単年度の予算主義等々の問題もあろうかと思いますが、これについてもいろいろな取り組みを政府もされていると思いますけれども、その辺の実態、そして、今後その辺の平準化をもっともっと進めるための施策について見解を伺いたいと思います。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 公共工事の施工時期を平準化することは、建設業の生産性を向上させ、魅力ある建設現場を実現するために重要なことだと認識しております。

 このため、国土交通省が発注する工事におきまして、従来より、早期執行のためのゼロ国債の活用及び繰越制度の活用を進めてまいりました。

 さらに、平成二十七年度からは、工期が十二カ月未満、そういった工事につきましても、必要に応じて、年度をまたいだ工期を設定するために、二カ年国債を約二百億設定したところでございます。平成二十八年度予算におきましては、この二カ年国債の大幅な増加を要求しているところでございます。

 これらの取り組みは、地方公共団体にも広げていくことが重要だと考えておりまして、国や都道府県、全ての市町村から構成される地域発注者協議会、こういった場を通じて働きかけをしてまいっております。

 さらに、去る二月十七日には、改めて総務省と連名で、ゼロ債務負担行為の活用など、平準化を図るため全国の地方自治体に通知をいたしました。

 今後とも、国、地方公共団体におきまして平準化が進むよう、関係機関と連携して取り組んでまいります。

野間委員 ぜひ、平準化をさらに進めて、切れ目のない工事が実現するようにお願いしたいと思っております。

 次に、建設技術者、国家資格などを持つ技術者の問題なんですけれども、地方は、今工事が東京あるいは東北に集中をして、技術者が足りないという問題が多く表面化してきているわけでありますけれども、技術者について、確かに今まで資格取得期間の短縮などの施策はとられているんですけれども、技術者のいわゆる適正な収入の確保ということについての施策がどうなのかということが問題ではないかと思います。

 工事費の積算では、労働単価というのを積み上げられているわけですけれども、技術者にかかわる費用というのはいわゆる諸経費で計上されていると言われておりますけれども、労務単価は今、先月も、平成二十五年からずっと引き上げられてきて、いいことですけれども、技術者自体の収入向上につながる直接的な対応というのがなかなかなされていないんではないかと言われております。

 やはり、技術者の地位の確保、また適正な収入の確保のために、何か明確な積算に基づく報酬の設定ですとか積算への反映が必要だと思われますけれども、この辺、どう考えておられるんでしょうか。

池田政府参考人 お答え申し上げます。

 公共工事の予定価格は、労務単価、資材の単価及び企業の経費、この三つから算定をしております。

 先生御指摘の技術者の報酬につきましては、資材調達、工法の検討を行う経費を含む一般管理費、それと現場における工程、安全管理を行う経費を含む現場管理費の一部として、委員おっしゃるように経費として計上されているところでございます。

 こういった経費を実態に合わせてきちんと計上していくために、一般管理費、現場管理費につきまして、毎年、国土交通省で現場の実態を調査しておりまして、その調査結果に基づきまして見直しを進めているところでございます。

 直近では、昨年四月に見直しを行っておりまして、一般管理費につきましては約二〇%、現場管理費につきましては約五%上昇させる改定を行ったところでございます。

 公共工事の担い手が中長期的に育成されるためには、委員おっしゃるとおり、適正な利潤の確保が必要であると考えておりますので、今後とも、適切な積算を行ってまいりたいと考えております。

野間委員 そこで、少し技術的な、テクニカルな質問になります。

 いわゆる重要な建設工事の中で、請負代金が二千五百万円以上の場合、監理技術者を専任させなければいけない、一人張りつけなければいけないという建設業法の二十六条三項があるわけですけれども、いろいろな試算等をお聞きしますと、二千五百万程度の工事で一年間技術者をそこに専任しますと、この技術者の年収というのは三百万そこそこではないかという試算も出ておりまして、請負代金の引き上げなどをやってもらわないと技術者の不足に対応できないんじゃないかということで、政府もいろいろ取り組まれているということでありますけれども、その辺、どのように今具体的に取り組み、また、今後どういう見通しになっているのか、教えていただきたいと思います。

谷脇政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘ございましたように、建設業法では、建設工事の適正な施工を確保するために、工事の現場ごとに監理技術者等の配置を求めておるわけでございますけれども、今お話ございましたように、建築一式以外の工事につきましては、現在、請負金額が二千五百万円以上の場合、専任での配置を求めているということでございます。

 御指摘の金額につきましては、近年のさまざまな状況変化等々を踏まえまして、現在の二千五百万円から三千五百万円に引き上げる必要があるというふうに考えているところでございます。

 そのために、現在、建設業法施行令の改正案につきまして、六月一日の施行に向けてパブリックコメントを行っているところでございまして、パブリックコメントを踏まえまして適切に対応していきたいというふうに考えております。

野間委員 三千五百万円までの引き上げで今進められているということで、ぜひ早期に実現してもらえればと思います。

 続いて、私ども地元の問題でもあるんですけれども、九州新幹線の並行在来線、肥薩おれんじ鉄道という在来線がございます。鹿児島県、熊本県をまたいでおるわけです。

 御承知のとおり、地域は過疎地でありまして、なかなか乗降客がふえるということがないのが現状であります。とはいえ、学生の皆さんの通学路としては並行在来線として残して活用されているのも実態であります。国に対しましても、この肥薩おれんじ鉄道に対して、財政支援措置の拡充や税制特例の延長、拡充などを求めて支援のお願いをしているところであります。

 御承知のとおり、この沿線に昨年十一月、再稼働しました川内原子力発電所がございます。今のところ安全に、順調に営業運転はなされておりますけれども、万々が一の場合、何かあったときおれんじ鉄道の活用というのが考えられるのではないか。

 東北震災の際、三月十一日の発災の一週間後に、三月十八日から四月十九日まで、実は被災地では石油が全くなくなってしまったということで、JR貨物さんがJR東日本、石油販売の各社と協力して鉄道による燃料の輸送を行った。タンクローリーで約二千八百五十台分、五万七千キロリットルに上る輸送を行って、地域のライフラインの維持に非常に大きな貢献をしたということでありまして、何か万が一の事態が起きたとき、被災地に近い貨物の駅あるいは路線の重要性というのが改めてそのとき認識をされたわけであります。

 そういった観点も含めて、こういう肥薩おれんじ鉄道などの在来線の存続を、単なる乗降客あるいは経済性の問題だけではなく、考慮に入れていただきたい。そのあたりのお考えを聞きたいと思います。

藤田政府参考人 整備新幹線の整備に伴いまして、JRから経営分離された並行在来線につきましては、地域の力で維持をしていただくということが基本でございますけれども、経営分離後の並行在来線会社の厳しい経営状況に鑑みまして、国土交通省としても支援措置を講じております。

 具体的には、JR貨物が並行在来線会社に支払う線路使用料を通じて支援を行う貨物調整金制度、それから、安全な輸送を確保するための設備投資に対する補助制度、さらに、経営分離の際に、JRから並行在来線会社へ譲渡された資産に対する税制上の優遇措置、こういったメニューがございます。

 このうち、貨物調整金制度につきましては、平成二十三年度に拡充を行いました。また、固定資産税等の税制特例につきましては、平成二十年度に、特例期間が十年間から二十年間に延長された、こういったことで拡充を図ってきております。

 肥薩おれんじ鉄道につきましては、御指摘のとおり、通勤通学輸送として大変重要な役割を果たしておりますし、それから、鉄道貨物輸送にとっても大事な路線であると考えております。

 こうした役割を踏まえまして、国土交通省としましては、先ほど申し上げたようなメニューでこれまでも支援をしてまいりましたし、引き続き、肥薩おれんじ鉄道に対して必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

野間委員 原子力発電所沿線という問題について、なかなか触れにくい問題かと思いますけれども、そこもぜひ今後は考慮に入れていただきたいと思っているところであります。

 次に、先ほど荒井委員からの質問にもありましたけれども、私どもの地元、桜島の噴火対策についてちょっとお伺いしたいと思います。

 ことしで、いわゆる大正噴火と言われた大噴火から百二年がたつわけでありますけれども、当時、噴火と同時にまた、マグニチュード七・一の地震も起きたり、三十億トンとも呼ばれる溶岩流が噴出をして、隣の大隅半島と桜島、今まで島だったものがくっついてしまうような大きな災害があったわけであります。

 これから百二年たって、いろいろな専門家の話を聞けば、警戒を要するレベル、時期に入っている、その時期が一年なのか十年なのかわかりませんけれども、緊急に備えるべきフェーズに入っているんだという指摘もあるわけでありまして、現在の政府の、この噴火に対する予測といいますか、想定といいますか、どのレベルでどういうふうに捉えていらっしゃるのか、まずその認識を、気象庁になるんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

緒方政府参考人 お答えいたします。

 桜島につきましては、先月五日の噴火によりまして、噴火の警戒レベルが二から三に引き上げになったということもございます。活発な火山活動が続いておりまして、緊張感を持ちまして、噴火への警戒を続けていかなければいけないといったふうに考えております。

野間委員 今いろいろお聞きしますと、桜島という島、島内で大規模な噴火が起きたとしても、島内の住民の避難等をしておけば問題にならないだろうというお話も聞くわけでありますけれども、もし本当の噴火が起きた場合、避難の問題とか、そういったことについて、今のところもまだ桜島島内だけの対策に限られていると考えていいんでしょうか。

西出政府参考人 委員御指摘のように、桜島においては、大正三年、一九一四年に発生した大正噴火など、有史後に発生した四回の大規模噴火につきましては、いずれも、溶岩流や大きな噴石等による影響は島内にとどまりました。

 地元鹿児島市では、これらの噴火を想定してハザードマップを作成し、また、鹿児島県等で構成されている地元の火山防災協議会では、この想定に基づき、桜島島内からの住民の避難等の防災計画を策定しているところです。

 気象庁としては、今後とも厳重な観測監視に努めるとともに、地元火山防災協議会と密接に連携しながら、正確でわかりやすい情報提供に努めてまいります。

野間委員 大正時代と違って、今、桜島の目の前にある鹿児島市、人口六十万、非常に南北に長い、ある意味で非常に狭いところに多くの住民が居住をしております。

 したがって、島内だけでとどまればいいんですけれども、当時も大きな地震も同時に発生するなど、やはり島外、あるいはその眼前にある六十万の鹿児島市にとっても、万が一のときの避難、その他の対策はある程度想定には入れていかなければいけないんじゃないかというふうに思いますし、市民の不安もいろいろと聞くところであります。

 お答えしにくいかもしれませんけれども、やはり本当に鹿児島市などに波及した場合の対策や、避難道、トンネルの整備等々という対策も政府としても今後考慮していただかなければいけないというふうに私自身は思っておりますので、なかなかお答えがしづらい問題かもしれませんけれども、ぜひそれは考慮に入れていただきたいと思っているところであります。

 では、最後の質問になりますけれども、私どもも地域をずっと回っておりますと、今、農地あるいは森林、林野等も含めて、市街地もそうですけれども、土地を有効に活用しなきゃいけない。ところが、地方に行けば特にそうですけれども、登記などが明治時代から全く変わっていない。もう亡くなった方、あるいは海外に行った方、そういった方もいまだに登記の所有権が残っていて、土地の流動性あるいは活用に大きな支障を来しているのも事実であります。

 ただ、財産権の問題でありますし、あるいは所有権絶対という近代の法論理の問題もありますので、そう簡単に片づく問題でもないと思いますけれども、これは、政府として、国交省のみならず法務省等々、いろいろな各省横断的に考えなきゃいけない問題だと思いますけれども、今政府において、省庁横断的な、土地の所有権あるいは登記等に関するどういう取り組みがなされているのか、お答えいただきたいと思います。

水津政府参考人 御指摘のとおり、相続登記が行われないことなどによりまして、登記簿だけでは直ちに所有者が誰だかわからない、あるいはその所有者の所在がわからない土地につきましては、公共事業用地の取得を初めさまざまな分野で、多くの都道府県、市町村等が直面する喫緊の課題となっております。

 このため、昨年の四月から、登記実務に詳しい司法書士などの団体、地方公共団体の職員、さらには法務省を初め関係府省にも参画をいただきまして、国土交通省に検討会を設置して、今まで八回にわたり議論をしてまいりました。現場の問題意識を重視して、また、各府省横断的な取り組みについて検討してまいっておりまして、近々、年度内にはその結果を取りまとめる予定でございます。

野間委員 八回会議をされて、年内にある程度の結論が出るということでありますけれども、各地域地域によって本当に非常に切実な問題になっておりますし、また所有者の高齢化等々の問題もありますので、早急にその結論を踏まえた実際の法的な整備でありますとか、対策が望まれるところでありますので、再度ちょっとそのあたりの決意をお聞かせいただきたいと思います。

水津政府参考人 まず、検討会での問題認識でございますが、まず地方公共団体、特に市町村におきまして所有者の探索などのためのノウハウ、あるいは、専門的な人手が非常に足りない、こういうことがございますので、それを支援するために所有者の探索方法ですとか、それから、関連する制度の活用をポイントとして整理したガイドラインを策定しようと。それから、その中では、特にケース・バイ・ケースでいろいろな事例がございますので、公共団体の役に立つような多くの具体的事例を掲載しようという方向で検討しております。

 あわせまして、今後の対策ですけれども、例えば、所有者の探索に必要な住民票ですとか戸籍ですとか、こういった実務手続に関する円滑化のための環境整備を進めるとか、あるいは、現場では司法書士などの専門家がいらっしゃるわけですが、都道府県ごとに相談窓口の設置をしていただくといったようなサポート体制を構築するですとか、それから、冒頭に委員の方からお話がありました、死亡届の際には相続登記をきちんとしていただくように国の方からも市町村などに働きかけをしていく、こういった方向で今最終的な調整をしているところでございます。

野間委員 るる現場の声を聞きながらやっていらっしゃるということでありますので、とにかく早期の結論を得られるようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

谷委員長 次に、水戸将史君。

水戸委員 民主・維新・無所属クラブの水戸将史でございます。

 きょうは一点に絞りまして、ちょこちょこっと大臣にも御答弁を求めたいと思いますので、ぜひこちらの方に耳を傾けていただいて、そして真摯な御答弁をいただきたいと思っております。

 今回は特にアスベストについて、これは看過できない一つのテーマでございますので、あえて取り上げさせていただきました。

 と申しますのは、今お手元に資料をお配りいたしておりますけれども、資料第一と資料第二、二枚つづりのものがありますが、この資料第一というのは、財務省が、国土交通省にあるいわゆる住宅・建築物アスベスト改修事業に対して、ある意味査定をするというか、この事業は平成十七年の四月から、平成十七年度から行っているわけでありまして、もう既に十年が経過した中において、この補助事業が、こうした支援策が妥当であるのかどうかということを財務省が総括調査をして一定の意見を述べているんですね。それをもとにして、来年度の予算に反映をするということになりました。

 具体的に、このアスベスト改修事業というものがこうして平成十七年からスタートして、この資料一の一ページ目をごらんいただいてわかるとおり、「アスベスト含有調査」、また「アスベスト除去等」。まず、(1)の「アスベスト含有調査」につきましては、国が十分の十の補助をする。「アスベスト除去等」に関しましては、国が三分の一。これは公共団体の建物も、または民間の建物もそうなんですが、ひとしく、どの建物におきましても、調査に関しましては国は十分の十、そして除去に関しましては国は三分の一の補助をしますよ、こういう制度なんですね。

 この制度が、今回の調査時点は平成二十七年の五月でありますから、今年度、昨年の五月でありますけれども、こういう形で今まで、十年前にこの補助制度ができた段階では、これは補助制限なし、期間は限定はしませんよという形でスタートしたにもかかわらず、今回、財務省はこれに対して待ったをかけたという話であります。

 国交省、具体的にどのような形でこの補助の制限がかかりましたか。

由木政府参考人 お答えいたします。

 お話しいただきましたアスベスト対策に係ります支援制度といたしましては、平成十七年度に創設をいたしました吹きつけアスベストに係ります含有調査と除去等に要する費用に対する補助制度を設けております。

 これにつきましては、逐次、例えば平成二十年度の補正予算等で調査の補助率を引き上げるとか、あるいは、二十一年度に補助の除却対象を追加するとか、そういった拡充もやってきております。

 一方で、近年の補助実績が低調に推移をしております。そういう状況を踏まえまして、今年度、財務省の予算執行調査において、支援制度につきましては、廃止を含め、期限を定めるよう見直すべきとの御指摘をいただいたところでございます。

 この御指摘を受けまして、来年度の政府予算案におきましては、新たに補助の期限を設けることとしたいというふうに考えております。具体的には、民間建築物の除去等に対する補助につきましては、平成三十二年度末までに着手をしたものを対象にするといったような形での補助期限化を現在要件として盛り込むということを予算案としてお示しさせていただいているところでございます。

水戸委員 全然具体的じゃないですよ。もうちょっとはっきり答えてくださいよ。そういうことじゃないでしょう。

 結局、公共の建物と民間の建物に関しそれぞれ補助期限が今まではなかった。しかし、今回、財務省が一つの査定というか、今言ったように、結局、使用頻度が低いからということで補助を廃止しようとしているんですね。

 もう一回聞きますよ。公共の建物の含有調査につきましては、補助期限はいつですか。また、民間に対する含有調査につきましては、補助期限、いつまでにこれを廃止するんですか。

由木政府参考人 お答えいたします。

 一部省略してお答えして申しわけございませんでした。

 含有調査につきましては、都道府県有の建築物については平成二十七年度末を期限、それから民間の建築物については平成二十九年度末までを着手期限とするという案にしております。

 それから、アスベストの除却、除去でございますけれども、これにつきましては、都道府県有の建築物は平成二十八年度末を期限、民間の建築物については平成三十二年度末までを着手期限とするという形で考えております。

水戸委員 大臣、この実態をちょっと認識していただいて、後ほど答弁いただきますが、結局、私は、補助を見直せということに対しては、別にこれを否定するものじゃないんです。しかし、本当に実態を踏まえてこういう査定をしたのかなということを、それはいかがなものかなと私は思っているんです。ですから、それについて、順を追って私の方から質疑を繰り返します。

 今言ったように、もう今年度で廃止なんですね。公共の建物に対する補助は今年度で廃止。民間の含有調査に関しましても二十九年度で廃止。今まで補助期限に制約がなかったものが、ことしでばっさり切られた、再来年度でばっさり切る、そういう状況なんです。

 資料の二をお配りしていますけれども、御案内のとおり、アスベスト対策に関する調査、これは総務省が平成十九年十二月十一日に、いわゆる行政評価の一環として勧告を行っているんです。調査結果に基づく勧告を国交省に対しても与えております。

 このアスベストの調査に関しましては、やはりもっともっとしっかりやれよというような意味も込めて勧告をしているというような形が読み取れるんですけれども、そもそも、国交省が、これは平成二十六年七月にアスベスト実態調査を行った際には、民間の建築物二十七万棟、まあ二十七・一万棟ですけれども、対象にしたとありますよね。この資料からも読み取れます。しかし、もともと国交省は、総務省からのこの勧告の段階におきましては二百八十万棟がその調査対象じゃなかったのかということなんです。

 この勧告の内容を、総務省、具体的にわかりやすく答えてください。

新井政府参考人 お尋ねの調査でございますが、アスベストによる健康被害の拡大を防止する観点から、アスベストの使用実態調査の実施状況等について調査を行い、アスベスト使用建築物の実態把握の充実などについて国土交通省に対して勧告したものでございます。

 まず、国土交通省は、おおむね一千平方メートル以上等の民間建築物に係るアスベストの使用実態について調査していたところでございますが、当省が抽出調査した結果、一千平方メートル未満等の民間建築物からもアスベスト含有可能性がある吹きつけ材の使用が判明いたしました。このため、国土交通省に対しまして、一千平方メートル未満等の民間建築物について的確かつ効率的な把握方法を検討するように勧告したものでございます。

 また、民間建築物におけるアスベストの含有の有無を調べるための分析調査あるいは除去等について国土交通省の補助制度を利用するためには、都道府県において補助制度が創設されるということが前提でございましたが、補助制度が未創設の都道府県等が見られるので、民間のアスベスト除去対策には十分活用されていないということに鑑み、国土交通省に対して、補助制度の創設を都道府県等に働きかけるよう勧告したものでございます。

水戸委員 補助制度が平成十七年の四月に始まって、この勧告は平成十九年十二月ですよ。結局二年半後にこの勧告を出されて、今はもう平成二十七年ですよね。

 結局、この総務省の勧告がありながら、平成二十六年の七月の段階で二十七・一万棟しか調査対象にしていないということは、国交省、この総務省の勧告はどう受けとめている形ですか。それを無視したんですか。

由木政府参考人 お答えいたします。

 これまで国交省におきましては、おおむね千平米以上の大規模な民間建築物、これは多くの方が利用されるという観点から、この二十七万棟を対象に、含有の調査、それから含有しているものについての除去の指導等を実施してまいっているところでございます。

 御指摘の十九年の総務省の勧告でございますけれども、これにつきましては、大規模なものだけでなく、小規模な建築物については、その的確かつ効率的な把握方法を検討せよということがまず勧告をされました。

 これにつきまして、勧告を受けまして、私ども、社会資本整備審議会等の御審議もいただき、まず環境整備に努めようということで、専門的な知識、能力を有する調査者という者をまず育成しようということで、こういった資格制度を創設いたしております。

 また、公共団体がこういった実態を把握する際にどういう点に留意をすべきかといった点についてのマニュアルにつきましても作成をいたしまして、普及を推進してきているところでございます。

 一方、もう一つの勧告内容の、都道府県においての補助制度の創設についてでございます。

 これにつきましては、御指摘のとおりでございますので、都道府県に対する私どもの制度の周知徹底に努めてまいってきているところでございますけれども、一方で、都道府県が独自の御判断により、必ずしも補助制度ではなく、融資等によって支援をすることが適当だと御判断されているところもございます。そういった点については、融資、補助、こういった支援制度全てについて、どこがそれを採用しているのかということを毎年度調査をいたして、その結果を全てホームページで公表させていただいております。

 そういった形で、現況の把握と、それから、まだ今後必要なところについては制度を用意していただくように周知を図っているところでございます。

水戸委員 ちょっと角度を変えて、確かに一生懸命やっていることは私も多としたいと思うんですよ。

 ただ、やはりこの補助制度のあり方に関して、例えば民間の建築物を再来年度で廃止、補助を廃止、これは国が十分の十ですよね。この実態調査、そこにアスベストが含まれているかどうかの実地調査ですよ。これは今、国が十分の十の補助政策を再来年度で打ち切ると。

 今実際にやっているのは、二十七・一万棟は確認したけれども、総務省の勧告はもう既に平成十九年の段階で二百八十万棟を対象にしなさいよということを言っているんですけれども、では、あと二年以内に、平成二十九年度以内にこの二百八十万棟は調査を終えるんですか。やることはできるんでしょうか。

由木政府参考人 お答えいたします。

 現在、二十七万棟の調査対象のうち、実際にアスベスト等が使われておりますのは約一万六千棟でございます。

 恐らく、小さいものも含めました二百八十万棟、これは大きいものも含めての数字でございますけれども、その中の一定程度はアスベストが使われているんじゃないかというふうには推認しておりますけれども、現在、まだ、そこがどのぐらいかというところの実態も十分にはつかめていないような実態でございます。

 したがいまして、いつまでにそれが全て完了するのかというのは、今の段階でちょっとお答えできない状況でございます。

水戸委員 そうなんですよ。結構これはパイが大き過ぎますものですから、きょう、あした解決するような話じゃないんですね。

 しかし、残念ながら、財務省は、もちろん財政的な状況がありますものですから、厳しい財政でありますから、何とか使用頻度が低いものに関してはカットするということは、これは財務省の見方もあながち間違ってはいない。しかし、これは額面的、表面的な問題で、現場の実態を踏まえているかというと、私は非常にクエスチョンマークなんですよ。

 財務省に聞きますけれども、先ほど国交省からも言ったように、二年半ぐらい前に、こうした現場をしっかりとした形で専門的な知識を持って調査できるような有資格制度を国交省は創設しているんですね、こういう形で新しいものを、建築物石綿含有建材調査者というものを、一つの資格者認定をつくって、そういう人たちに対して、実際に現場で調査をしていただこうと。

 そして、実際にアスベストが含まれているかどうか、民間や公共の施設にアスベストが含有されているかどうかを調査、含有されているならば、速やかなる囲み込みとか除去をするということが当然これから求められていくのでありますけれども、財務省は、この査定をした段階で、いわゆる有資格者、この調査者による調査はどれだけ行われたかというのを確認して、こういうことをやったんですか。

大岡大臣政務官 水戸議員にお答え申し上げます。

 今回の私ども財務省の指摘は、平成十七年の事業開始から十年近く事業を継続してまいりましたが、最近の支援実績が非常に低調に推移をしておりますことから、予算執行調査を行いまして、国交省に対して、まず支援の数値目標の設定、それから期限の設定を行ってくださいということをお願いしたわけでございます。

 少し申し上げますと、公共建築物におきましては、まず、含有調査については、都道府県ではもう既に調査が終了しておりましたことから支援を廃止すべきだというふうに申し上げましたし、除去につきましても、都道府県は実質的に終了しておりますことから支援の廃止を含めて見直すべきだと。

 また、民間建築物に関しましては、含有調査につきましては、大規模な民間建築物のうち八割が調査を終了しておりますし、残りにつきましても所有者からの要望がないということですので、廃止を含めて見直すべきと申し上げました。また、除去につきましては、都道府県では融資のあっせん制度が多数用意されておりますことから、支援のあり方の形を見直すべきということを平成二十七年六月に指摘申し上げたところでございます。

 これらの指摘を受けまして、先ほど由木局長から御答弁ありましたとおりの結論としたわけでございまして、私どもとしては、そのようなことを根拠に判断をさせていただいたということでございます。

水戸委員 判断基準は、いろいろな見方がありますから、今言ったことも、そういうこともあり得るでしょう。

 しかし、私が言っているのは、先ほど言っているように、額面的なそういう調査をしたということをうのみにして、これ見よがしに補助金を切ろうという、財務省はそういうことでやってくるんでありましょうけれども、では、実際誰が調査をしたかという話ですね。

 結局、今までそんな資格制度がない、言い方は悪いけれども、全くど素人の人間がその現場に行って、ちょこちょこっと見て、何か含まれている、含まれていないということを、それで調査したということでお茶を濁してしまうということもあり得るんじゃないか。

 だからこそ、国交省は、平成二十五年七月、ちょうど二年半前にこうした有資格制度をつくりまして、こういう人たちにちゃんとした形で調査をやってもらいましょうということで、今その育成に当たっているんですよ。

 国交大臣、今までの調査は全て適切と思われますか、国交省としては。どうですか。本当に調査は適正に行われているんですか。どう思いますか、大臣は。

由木政府参考人 お答えいたします。

 少なくとも、補助の対象になっております調査、含有量調査につきましては、きちんとした形で行われているというふうに考えております。

 資格制度をつくりましたのは、先ほども御指摘をいただきました、まだまだ小規模なものを含めますとかなりの調査数が出てくるだろうということで、その裾野を広げるという意味で、こういった資格者制度をつくりまして、その方々ができる限り小規模なものについても責任を持って調査をしていただける体制を整備するという観点から設けたものでございます。

水戸委員 大臣、もう一回、今までの調査が適切に行われているかどうかに関してはどう思われていますか、今のいろいろなやりとりを聞いて。今まで有資格制度はなかったんですよ。先ほど財務省が言っているように、これで調査は終わった終わったと言っているんだけれども、本当にこの調査が、ではその信憑性はどうなのかという話はあるじゃないですか。どう思いますか。

由木政府参考人 お答えいたします。

 繰り返しになりまして恐縮でございますが、少なくとも、これまで補助制度等で取り組んでまいりました含有量調査については、きちんとした調査が行われているものというふうに認識しております。

水戸委員 今、国交省はいみじくも調査は適切に行われているということ、発言の意味は重たいですよ。もしこれからいろいろな形でふぐあいが生じた場合には、国交省が責任をとるのでありましょうけれども。

 では、あえて申し上げますけれども、例えば、兵庫県の尼崎市、平成二十六年度にアスベスト建材なしと解体届が出された三百二十九件の四分の一以上の八十八件で、実際にはいわゆる作業レベル3のアスベスト建材が見落とされていたと新聞でも報じられていますね。我が神奈川県の川崎市でも、六百四十九件のうち約六割で見落とされていた。

 もちろん、こういうところは条例でかなり規制強化をしているから、こうしたアスベスト建材がそういう現地、現場で、市の行政がある程度意識が高いものでございますから、こういうものは後から見落としを見つけることができたということなんですけれども、他の自治体でこういう事案が見過ごされているんじゃないかと私は非常に危惧しているんですよ。

 ですから、今回、こうした形で総務省から勧告を受けたものもありますけれども、やはり都道府県も市町村もこうした補助制度がありまして、やってきた経過がありますけれども、非常に、この利用頻度が低いとかなんか言っておりますけれども、使い勝手が悪い制度ではないのかと私は思っているんです。

 実際、資料一の二ページ目の(4)を見てもわかるとおり、除去に関しましては国は三分の一の補助、あとは都道府県が支援制度を設けているわけでありますけれども、実際に補助制度があるのは十六自治体にすぎない、三分の一ぐらいですね。また、全く支援制度がないのは十三の自治体にも及んでいるんですね。四分の一ぐらいは支援制度すらないということなんでございます。

 やはり、こうした総務省勧告に基づいた上で、こうした補助制度の普及をもっともっと進める必要があるんじゃないかと私は国交省に求めたいんですけれども、国交省、どうでしょうか。

由木政府参考人 お答えいたします。

 その前に、ちょっと先ほど御指摘をいただきました点でございますけれども、建築基準法上、私どもが今回の対象にしておりますのは吹きつけのアスベストでございます。いわゆるレベル1の部分でございます。ボード材などで後から発見されるレベル3のものは解体時にチェックをするという仕組みになっておりますので、我々の今補助事業のものとは少しレベルが異なるものかなというふうに思っております。

 それから、御指摘いただきました補助制度でございます。私どもは、これは実はかなりの補助だというふうに思っております。調査については十分の十、それから除去については公共団体と合わせて三分の二の補助が出る仕組みでございますので、ぜひ使っていただきたいということで周知に努めてまいっております。引き続きこういうものをやっていきたいという自治体もございます。

 ただ一方では、それぞれの御判断で、やはり融資制度で対応すべきだというふうにお考えのところもございまして、現在、それも含めて、全体として支援の対象が広がるように努めたいというふうに考えているところでございます。

水戸委員 ですから、融資制度とか、都道府県にげたを預けて、こうして補助制度も三分の一しかない、全く融資も補助もない、そういう都道府県が四分の一もあるんですよ。実際、こういうような現状なんです。それでやれやれと言ったって、なかなかそれは、笛吹けど踊らずですよ。

 例えば、ついこの間も、宮城県の涌谷町というところで、吹きつけのアスベストが見落とされて、改修工事に入ってから見つかりました。自治体についても継続すべきではないかということを求めますけれども、どうしても小規模な自治体になればなるほどアスベストに詳しい職員もいませんし、そもそも、そうしたいわゆる技官でもない、専門的な知識のない事務官が発注すらやっているようなケースまであると私は聞いております。

 ですから、こういう中小の自治体も支援する制度も必要じゃないかと思うんですけれども、これはいかがでしょうか。

由木政府参考人 お答えいたします。

 私どもの補助制度は、都道府県あるいは市町村どちらでも使える制度になっております。したがいまして、市町村がみずからなかなか難しいかなと思った場合には、県の方にぜひ御相談をいただいて、県の補助制度としてそれを活用していただくということも有効な手段ではないかというふうに思っております。

 そういう意味では、市町村と県の方でよく御相談をいただくということが必要かというふうに思っております。

水戸委員 いや、もうちょっと踏み込んで、特に、先ほど言った川崎市とか尼崎市みたいな、財政規模もある程度ある、人員もそれなりに、人材もいらっしゃるというところはまだしも、やはりこうした中小の、どちらかといえば地方自治体ですよ、そういうところはそうした専門的な職員もいらっしゃいませんし、また、これに対して一生懸命やろうという余裕すらないんですね。

 ですから、そういう中において、先ほど言ったように有資格者も派遣をすべきでありますし、派遣をする際に、今非常に限定的な補助制度ですよね。だから、これは結局払えないわけですよ。派遣してもらっても、一定以上自分たちが負担をしなきゃいけませんものですから、結局おざなりになってしまうということが悪い連鎖につながっていくんじゃないのか。

 これは、住民に対して健康被害を拡散させる、そうしたものになるんじゃないかと私は危惧しているんですけれども、こういうことに関して、どうでしょうか。もう一度踏み込んだ御答弁をよろしくお願いいたします。

由木政府参考人 お答えいたします。

 御指摘をいただきましたように、例えば、実力のある都道府県、自治体が要請に応じてそうでない市町村に支援を行うという取り組みも大変意味のある取り組みだというふうに思います。

 先ほどちょっと御紹介をいたしました、私どもの方で、実態把握をする際の留意事項をまとめたマニュアルを作成しているというふうにお答えをいたしましたが、そのマニュアルの中でも、先進的な取り組みをやっておられるところについての事例を紹介して、それを横展開するということもやっております。

 ある自治体では、みずからの負担で、みずからの自治体が抱えております調査者をほかの自治体に派遣をするというようなことに取り組んでおられる自治体もございますので、こういった先進事例を普及することによりまして、そういった点も進めていくということも進めてまいりたいというふうに思っております。

水戸委員 最後は、大臣、ぜひ御答弁いただきたいんですけれども、やはりそもそも木を見て森を見ずなんですね。対症療法的に、財務省は、予算を削りたいからということで、これは額面どおりにこういう形でやる。これに対して国交省は、しようがないなという話になってくる。

 海外のアスベスト対策を見ると、例えばオーストラリアは、アスベスト対策に関しまして、国家戦略を五年ごとに策定しまして、二〇三〇年までに政府機関及び大規模建築物のアスベスト除去を目標とし、その実現可能性を現在調べているんですね。その結果に応じて計画を修正しましょうという、いわゆる国家戦略として順序立てて計画的にやっていこうというのがオーストラリアです。

 またイギリスでも、建築物のアスベスト調査を実施して、アスベスト建材を把握した上でどのような対策をとるべきか、さらに、計画的な除去を位置づけたアスベスト管理計画を策定することが義務づけられているんですね。そして、その計画がもしなかった場合は、その建物は適切な管理がされていないとして、アスベストを除去できない仕組みというかなり厳し目な形で、国家としてこういうものを取り扱っていこうと。これは国民的な健康被害に波及する可能性がありますから、そういうことをやっているんです。

 では、我が国日本は振り返ってどうなのかという話なんですね。全くこうした国家戦略もない、いわゆる対症療法的に、何か十年間やって、使っていないから、もうそろそろ、もうこれで済んだんだなんという形で、結局補助金もカットするという話なんです。僕は、もうちょっと長いスパンでこのアスベスト対策を戦略的に進めるべきであると思うんですよ。

 だから、こういうことについて、やはり国交大臣から、今までのこのやりとりを、わずかな時間でありましたけれども、こういう形でアスベスト対策に関して、もちろん国交省だけじゃありませんよ、これは厚労省とか環境省とかいろいろ絡んでくる話になりますけれども、いかにしても、国交省がある程度音頭をとりながら、国家的な戦略をアスベスト対策に関してまとめて、それを断行していくんだ、その強い決意が私は必要だと思っているんですけれども、大臣、最後に踏み込んだ形で御答弁をよろしくお願い申し上げます。

石井国務大臣 これまで、利用者が多いと想定される建物についてアスベスト対策を優先すべきとの考え方に基づきまして、大規模建築物を中心に対応を進めてきたところでございます。

 一方、総務省の勧告で課題が指摘されました小規模な建築物の実態把握については、地方公共団体によって取り組みに差があるのが現状でございますので、これら小規模な建築物への対応も含めて、今後の支援のあり方については、現在の補助制度の活用状況も見ながら、幅広に検討してまいりたいと存じます。

 必ずしも国家戦略というところまではいかないかもしれませんが、国土交通省としてしっかりと検討してまいりたいと存じます。

水戸委員 いみじくも今、国家戦略とはいかないと。国家戦略にしてくださいよ。

 結局、これから甚大な健康被害を、余り不安感を先行させるつもりはありませんけれども、やはりこの問題は、潜伏期間が二十年、四十年という形で、今後、我々の次の世代にまたがって非常に体をむしばんでいくというような話になりますから、国家戦略としていかにそれを調査し、除去していくのかということを、やはり戦略的な目標を立てて、そしてその中において、では補助制度はどうなのか、支援制度はどうなのか、国交省はどの程度それに対してやるのか。

 総務省が二百八十万棟やれと言っているにもかかわらず、二十七万棟でお茶を濁しているということではなくて、そういうような、いわゆる全体の中において、まさに森を見て、そして木々を、うまくこれに対処していく。まず全体像を把握しながら、そして国家戦略を打ち立てていくことの必要性を十分に、私の方から強調しながら、この場におきましての質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

谷委員長 次に、横山博幸君。

横山委員 次回は恐らく新党名で質問するということになると思いますけれども、現時点で維新の党の横山でございます。

 最後に大臣がやっと答弁していただきました。私のときにはまず真っ先に答弁をお願いしたいと思います。

 国土交通省関係の機関の地方移転についてお伺いをしたいと思います。

 今、国交省関係の移転については、三重県が気象庁の観測・研究部門を、また私と山本副大臣の地元でもあります愛媛県が海上技術安全研究所、略称海技研と言いますけれども、二つの組織の一部を、それぞれ移転を要望しております。

 しかしながら、気象庁におきましては、気象庁が一体として政府機関中枢である霞が関地区にあるべきとの見解を主張されておるということでございます。また、海技研につきましては、これは一部移転でございますけれども、具体化に向けた論点、検討課題として、対象機関の研究の特徴や、提案地域に我が国造船分野の研究機関が必ずしも集積しているとは言えないというような理由で、私が感じることは、これは国交省を初めとして、組織の一部でございますから、地方への移転は積極的に行っていただきたいというふうに思っております。これについて大臣の見解を求めます。

石井国務大臣 中央省庁の移転の検討に当たっては、一つは危機管理等、官邸初め関係機関との連携や国会対応に支障が生じないかどうか、また、地方移転によって機能の維持向上が期待できるかどうか等の観点により検討していくこととされております。

 現在、気象庁につきましては、官邸と一体となって組織的に緊急対応を行う等の政府の危機管理業務を担う機関であること等を踏まえ、検討を進めているところでございます。

 一方で、各地域におきましては、地方気象台がございまして、各自治体への情報提供や防災・減災対策の支援等を実施しているところであり、今後も地方気象台を通じて各地域の課題やニーズを十分に把握し、施策の立案、実施を進めてまいりたいと思っております。

 また、海上技術安全研究所については、昨年十二月にまち・ひと・しごと創生会議において示された政府関係機関の地方移転に係る対応方針において、分野を横断した一体的研究を行っていること、行政との緊密性が高いこと等により、組織移転等は困難であると整理をされました。

 しかしながら、そのような場合にも、地域の関係機関との連携等を図ることで、地域の発展につながる方策を真摯に検討することが必要と考えております。

 そのため、国土交通省におきましては、海上技術安全研究所とともに、愛媛県における造船技術力強化のためにできる具体的な連携方策について、愛媛県や今治市、地元造船所等関係機関と鋭意検討を進めているところでございます。

横山委員 まさに大臣に答弁いただいたように、地方の発展ということで、地方が活性化するという意味においては非常に高いレベルの移転になると思います。

 通告しておりませんでしたけれども、山本副大臣、今治市は本拠地でございますけれども、見解があれば一言お聞かせください。

山本副大臣 通告ございませんけれども、実は、この案件については、私ども、国土交通省に参る前から関与いたしておりまして、内閣府の石破大臣のもとで、各省庁地方移転という中で、愛媛県及び今治市が当初から手を挙げて、その誘致活動に取り組んでいるところでございます。

 ただ、いろいろ調べてみましたら、なかなかそう簡単な話ではございませんで、国交省との連係プレーが十分とれているのかどうか、あるいは予算の裏づけがあるのかどうか。大きなプールでございますから、これを誘致するとなったら大変な費用がかかるということもございます。

 加えて、地元の造船各社の連係プレーがどの程度とれるのかというようなこと等々をさまざまな観点から判断して、今ほど大臣から申し上げたとおり、今治のあるいは愛媛県の造船関係にかかわる皆さん方の人材育成にターゲットを当てて、さまざまな連係プレーがとれるような体制を整えていくということで、今随時対応しておるところでございます。

 なお、海技研、私も行ってまいりましたけれども、他の研究機関との連携もずっとやっておりまして、三鷹の壮大な敷地の中に構えておるところでございまして、なかなかそう簡単に移転というのも難しいのかなという印象がございましたけれども、ただ、地方の活性化ということを考えたときには、こういった案件について、我々国土交通省としてもさまざまな観点から前向きに努力をしていく必要もある、このようにも思っておるところでございます。

 以上でございます。

横山委員 大変ありがとうございました。

 やはり地元をよく知っておられる副大臣の答弁だったと思います。

 実は、私も昨年六月に海技研には勉強に行ってまいりました。非常にすばらしい施設がありますので、まさに全面移転というのは非常に不可能だと思いますけれども、今後、地元あるいは造船会社とも十分に情報交換していただいて、具体化をしていただくようにお願いしたいと思います。

 あわせて、今、船員不足という問題もありますので、そういった機関が出てきますと非常に関心の高いものになりますから、そういう面におきましても、ぜひしっかりと御検討いただきたいというふうに思います。

 次に、空き家対策についてお伺いしたいと思います。

 空き家法ができたことによっての改善点をまずお聞きしたいと思いますけれども、空き家を解体しないということは税の優遇制度があるということでございますから、その税制についての観点も含めて答弁をいただきたいというふうに思います。

由木政府参考人 お答えいたします。

 空き家対策につきましては、空き家法が昨年五月に全面施行されまして、市町村による空き家対策の枠組みが整ったというふうに考えております。

 私どもの方では、財政支援と税制、この二点について空き家法に基づく取り組みを支援する施策を講じております。

 財政支援につきましては、これまで社会資本整備総合交付金の中で対応してまいりましたけれども、新年度の予算案では、これとは別枠で、市町村が空き家法に基づき策定をいたします計画に基づく事業を支援する観点の新しい補助事業の創設を考えております。これによりまして、利用できるものは利用し、除却すべきものは除却するという市町村の取り組みを積極的に支援してまいりたいと思います。

 それから、お話ございました税制でございます。

 税制につきましては、住宅が建っていると住宅地の固定資産税の減額の特例がございまして、二百平米までが六分の一減額、それを超えるものは三分の一減額というものがとられておりまして、平成二十七年度に、特に管理不全で周囲に悪影響を及ぼすような空き家については、特定空き家等ということで、空き家法に基づいて勧告等ができることになりました。したがいまして、この勧告を行いました場合には、今申し上げました固定資産税の住宅地特例の対象から外すという措置が二十七年度に講じられたところでございます。

 また、来年度の税制におきましては、空き家の発生を抑制したいという観点から、相続により生じました古い空き家を譲渡した場合、あるいはこれは更地にしても結構でございますが、その場合の所得税の特例措置、具体的には、譲渡所得から三千万の特別控除を行うという措置の創設も考えているところでございます。

 こうした施策を組み合わせながら、市町村の取り組みを総合的に支援してまいりたいと思います。

横山委員 ありがとうございました。

 空き家は高齢者の方がお持ちになっているということも多いし、生活保護者の方が安いところに住居をかわっているということで、これは解体するときに、法律が変わって、かなり解体費用がかかるということもあると思いますけれども、解体費用についての助成とか、そういった考えはございませんか。

由木政府参考人 お答えいたします。

 先ほど御説明申し上げました新しい補助制度におきまして、空き家を除却するという点についても助成の対象に含める考えでございます。

 具体的には、空き家を除却いたしまして、そこを例えばポケットパーク等の公益的な目的にお使いいただくような場合、これはぜひ助成をさせていただきたいというふうに思っております。

 もう一方で、非常に管理不全で悪影響を及ぼすような空き家については、もちろん最後は強制手段もあり得るんですが、その事前の段階で、所有者が協力をしていただいて撤去をするというようなことも出てこようと思います。そういった場合にも支援ができるような補助制度、今提案をさせていただいているところでございます。

横山委員 ありがとうございました。

 空き家は各自治体の公営住宅にも活用されるということで、そういう意味でもしっかりと対応していただきたいと思います。

 本件の二点目で、現在策定中の住生活基本計画、これは全国計画と言われておりますけれども、ここで大きな目標を掲げておられます。

 二十八年度から三十七年度までの計画期間における成果指標として、空家等対策計画を策定した市町村数の全市町村数に対する割合を、平成二十六年度ゼロから三十七年度でおおむね八割に持っていく、こういうふうに記されておりますけれども、現時点の進捗状況並びに達成の見込みはどのようになっているのか、あわせて、推進のための具体的施策はどのようになっているのか、お答え願いたいと思います。

由木政府参考人 お答えいたします。

 御指摘いただきました指標は、年度内を目途に改定、今大詰めの作業をさせていただいております住生活基本計画のKPIとして考えているものの一つでございます。

 昨年の十月一日時点で、総務省と共同でアンケートを実施いたしました。その結果によりますと、全市町村中千三百二十三の市区町村、全国の約七六%でございますが、ここで計画を策定したいという意思をお持ちでございました。

 直近の状況を確認いたしましたところ、例えば群馬県の前橋市でございますとか富山県の立山町などにおきまして、現在十二の計画が既に策定をされているところでございます。また、私どもの方で調べたところによりますと、今、四十九の計画が案の段階で、さまざまな形での御意見をいただいているような状況にあるというふうに聞いているところでございます。

 ただ一方で、つくりたいという意思を持っている千三百二十三の市区町村の中でも、まだ六割、八百を超えるところが、いつつくるかという見通しがないという回答もいただいているところでございます。

 したがいまして、こういった、意思があるけれどもまだ見通しがないというところについてできる限り早くつくっていただくことと、それから、まだつくるかどうか、その意思を持っていないというところについてもできるだけ早くつくっていただくように進めてまいりたいと思います。

 そのためにも、今、計画を策定するためには、空き家の実態がどうなっているかというようなことを御調査いただくことが必要かと思います。そういった点については、現在ございます社会資本整備総合交付金の中で、そういった調査費の助成をするということもできるようになっております。また一方で、空き家法の取り組みで先進事例がいろいろ出てくると思いますので、そういったものを広く収集いたしまして横展開をして参考にしていただく、こういうような作業も進めてまいりたいというふうに考えております。

横山委員 ありがとうございます。ぜひ早く対応できるようにお願いしたいと思います。

 本件の三つ目に、賃貸・売却用等以外のその他の空き家ですね。その他の空き家数を平成二十五年度の三百十八万戸から平成三十七年度は四百万戸程度に抑えると記載されておりますが、現時点での進捗状況及び達成の見込み、また、先ほどのように推進のための具体的な施策についてお伺いしたいと思います。

由木政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘いただきましたものも同じKPIとして考えている指標でございます。

 現在、三百十八万戸、いわゆるその他空き家というものがございます。これは民間のシンクタンクの予測でございますけれども、十年後の平成三十七年度には五百万戸以上になるということが予測をされているところでございます。これは全く何も手だてを打たない場合でございます。

 私どもは、先ほど先生からも御指摘いただいた、まさに空き家法の取り組みを通じまして、この増加のペースをできるだけ抑えたいというふうに考えて、増加のペースを半減させる目標をここで掲げたいというふうに思っております。

 この達成のためには、やはり総合的に空き家法に基づく施策に取り組んでいただくことが一番必要かというふうに思っております。基本計画の中でも、空き家に関する利活用あるいは除却の推進というものを目標の一つに大きく掲げさせていただいて、総合的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 やはり何よりも、空き家を増加させないためには、いわゆる既存住宅の流通、活用を活発化いたしまして、住宅として御利用いただくということを進めることがまず一番のポイントかというふうに思っております。そのためには、例えば宅建業者の方々が、民間業者の方でございますけれども、いろいろなノウハウや情報をお持ちでございます。こういったものを、例えば空き家法では協議会というような場をつくりまして活用するというような方策も御用意されておりますので、こういった取り組みについて支援を申し上げたいというふうに思います。

 また一方では、住宅として使えない場合でも、例えば介護の支援施設とか福祉の施設とか、あるいは子育ての支援施設等の他用途に転換をして活用するということもあろうかと思います。こういった他用途転換についても、例えばそこのコンバージョンの費用を援助申し上げるというようなことも考えたいと思います。

 一方で、どうしても周りに悪影響を及ぼす空き家については、やはりきちんと除却をしていただくということが必要だと思いますので、空き家法に基づきます市町村の除却の取り組みについても支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

横山委員 大変ありがとうございました。

 先ほど御答弁いただきましたように、民間活力のアップの観点からも、不動産業界の方々とも連携して、流通の面でも積極的に進めていただきたいというふうに思います。

 続きまして、地方自治体管理道路の老朽化という問題、道路あり橋あり、いろいろあると思いますけれども、この老朽化への対策についてお伺いしたいと思います。

 ちなみに、愛媛県内におけるデータを見ますと、平成二十六年度の橋梁及びトンネルの点検結果を見ると、点検実施の橋梁が千四百三十三橋、このうちの〇・一%、一橋が緊急措置というようなことであって、点検実施する必要に迫られたものがかなりあります。

 恐らく全国で見るとかなりの件数になるのではないかと思いますけれども、こうした、公社を含んだ県管理及び市町管理の橋梁の緊急対策、あるいは早期措置の必要な箇所についての対策を具体的にどのようにしていくのか。かなり深刻な問題でもあると思いますので、財政支援それから技術支援、点検するのにやはり地方自治体にはそのレベルの技術者がいないということもあると思いますけれども、そういった観点で、どのように対策を考えておられるのか、御答弁を願いたいと思います。

森政府参考人 お答えいたします。

 老朽化対策につきましては、平成二十六年七月に省令を施行いたしまして、橋、トンネルにつきまして、五年に一度の近接目視点検というのを行わせていただくこととしております。具体的には、しっかりとした統一的な尺度を用いまして健全度をしっかりと診断するということを各道路管理者の方々に義務という形で明確化させていただいたところでございます。

 今委員の方から愛媛県の状況をお話しいただいたところではございますが、全体としては、橋梁に関しまして、例えば平成二十六年度におきましては、全国七十二万橋のうち約六万三千橋の点検を行ってきているところでございます。その中でも、点検を実施したもののうち一五%に当たります九千七百二十一橋、トンネルであれば、四四%に当たります六百三十五カ所といったものが、緊急また早期に修繕等々の措置を行っていくことが必要だというふうに位置づけられているところでございます。

 今そういう中で、委員御指摘のような、特に財政力、技術力、人員で非常に厳しい状況にございます地方自治体に対してしっかりと支援をしていくということを考えているところでございます。

 財政面につきましては、私どもの方で今まで準備しております防災・安全交付金、この中で老朽化対策をしっかりとやらせていただくということ、そして、平成二十五年からではございますが創設しております国の代行修繕、代行制度といったようなもの、そして、今年度からは、自治体に対する新たな個別補助制度といったものも創設させていただいたところでございます。

 また、技術面あるいは人員面といったようなことに対しましては、市町村が行います点検業務の発注に対しましての支援、また自治体の職員に対しましての研修制度の充実、そして診断あるいは修繕工事を国が代行してやってあげる、そういう職員による支援といったようなものも実施しているところでございます。

 いずれにしましても、私どもとしても、メンテナンスサイクルをしっかり持続的に回す仕組みを構築して、国民の方々が安全で安心な生活、あるいは道路利用をしていただけるよう努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

横山委員 ありがとうございます。

 過去の災害の状況を見ましても、かなり被害が大きくて、深刻な問題であると思いますので、ぜひ積極的に進めていただきたいというふうに思います。

 時間もありませんので、最後に、空の産業革命と言われておりますドローンの件について、まとめて二つ質問させていただきたいと思います。

 改正航空法によって、地上百五十メーター以上の空域及び人や家屋の密集地域の上空等については国交相の許可が必要になったということでございますけれども、この申請においていろいろな課題があったと思いますけれども、今後のことも含めまして、一点は、改正航空法の現状と課題についてお伺いをしたいと思います。

 そして二つ目は、小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会というすばらしい会をつくられて、民間の団体も多く入っておられますけれども、これが夏までに制度設計の方向性を取りまとめるということでございますけれども、議論の方向性は今どのようになっているのか、最後にお聞かせいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、不備のない適切な申請を行っていただくことは、申請手続における手戻りも少なくなりますことから、申請者及び国の事務処理の軽減につながるものと考えております。

 このため、国土交通省では、電話や電子メールによる申請者からの事前相談を受け付けているとともに、ホームページにおきまして申請書の記載例や記載要領の充実を図っているところでございます。

 今後とも、申請手続につきまして、申請者の方の一層の理解が得られますよう、申請者からの相談内容も十分踏まえまして、必要な措置を講じてまいりたいと考えてございます。

 あわせまして、改正航空法の現状と課題ということにつきましてお尋ねがございました。

 今般の改正航空法は、無人航空機の飛行に関し、航空機や地上の人、物の安全を確保するため、まずは緊急的な措置として、無人航空機を飛行させる空域及び飛行の方法につきまして、基本的なルールを定めたというものでございます。

 今後の課題といたしましては、まさにこの改正航空法の附則にも規定されておりますように、無人航空機に関連する技術の進歩の状況、無人航空機の利用の多様化の状況その他の事情を勘案し、無人航空機の飛行の安全に一層寄与し、かつ、無人航空機を使用する事業の健全な発展に資する方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることであると認識をしてございます。

 この検討に当たりましても、現在行っております許可、承認の事例を積み重ね、それを分析し、課題を抽出して検討に反映させていくことで、安全確保のためのルール整備を図ってまいりたいと考えてございます。

蔵持政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の官民協議会でございますが、昨年十一月に開催された第二回未来投資に向けた官民対話における安倍総理の指示を受けて、昨年十二月に設立したものでございます。

 小型無人機につきましては、急速にビジネス展開、それから技術開発が進んでおります。このため、官民にわたる幅広い関係者の知見を集結するということが大切でありまして、関係各府省のほか、小型無人機のメーカー、それから業務やホビーで利用する方々の団体等を構成員としております。

 本協議会におきましては、この小型無人機の機体の機能、それから性能の確保、操縦者の技量の確保、有人機と無人機との調和等の運航ルールなどの安全確保に向けたさらなる制度設計の方向性であるとか、あと、利活用、技術開発に関するロードマップを本年夏までに取りまとめるということとしております。

 委員御指摘のとおり、この小型無人機は、空の産業革命とも言われる新たな可能性を有する分野でありますことから、安全な飛行の確保を万全にしつつ、新産業の創出、それから国民生活の質の向上の観点にも配慮して、バランスのとれた議論を行ってまいりたいと考えております。

横山委員 サミットのある三重県も、サミット開催地の近辺での飛行禁止という条例を可決しておりますけれども、その観点を踏まえて、これからしっかりと検討していただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

谷委員長 次に、椎木保君。

椎木委員 おおさか維新の会の椎木保です。

 本日は、国交大臣初め関係省庁の皆さんに質問させていただきます。

 まず初めに、去る二月二十五日に開催された予算委員会第八分科会において、ライドシェア、いわゆる白タク合法化の動向について、また、規制緩和後の自動車運送事業者への監査体制等について、石井大臣に質問させていただきました。本日の委員会においても、確認の意味を込めまして、何点か関連する質問をいたします。

 ライドシェアの導入に関して、鉄道、バス、タクシー等の公共交通機関による旅客運送が困難な地域、いわゆる公共交通空白地域では、自家用有償旅客運送制度を活用していくとの御答弁をいただいております。公共交通空白地区以外、いわゆる都市部でのライドシェアの導入は全く考えていないのか、そういった理解でよろしいのか、改めてお聞きいたします。

石井国務大臣 国家戦略特区内の特例措置として新たに導入しようとしております自家用自動車の活用の拡大は、一つの市町村の区域内における訪日外国人を初めとする観光客等の輸送を主な目的とする有償の運送を、安全の確保、利用者の保護等を十分に図りつつ、自家用車により行おうとするものでございます。

 この特例は、バスやタクシー事業によることが困難である場合に限って認められることとしておりまして、過疎地域その他の交通が著しく不便な地域において行われることになるものと考えております。

椎木委員 今の答弁だと全く心配はしていないんですけれども、一応、私の選挙区は大阪市なんですけれども、これは当然ですけれども、大阪市に過疎地から進出してくることはないという認識でよろしいでしょうか。

石井国務大臣 今答弁申し上げたとおり、過疎地域その他の交通が著しく不便な地域において行われるというものでございます。

椎木委員 次に、バス事故に関してお尋ねします。

 ことし一月十五日未明に発生した軽井沢でのバス事故で、十五名死亡、二十六名が重軽傷という痛ましい事故が発生しました。被害者の多くが大学生ということで、前途ある若者が犠牲になったことに謹んでお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 事故原因に関し、多くの報道が出ておりますが、運転手も亡くなられていることから、原因追求は容易ではないと想像されます。また、事故直後に国交省が監査に入った結果、多くの法令違反事項が判明、再発防止にも必要な措置が多岐にわたることが想像されます。しかしながら、今現在も同じようなバスが多く運行されていることから、二度とこのような事故が起こらないよう、スピード感を持って抜本的な再発防止策が講じられることを期待します。

 平成十二年の需給調整規制の緩和以降、バス事業への参入が相次ぎ、小規模事業者の割合も増加、訪日観光需要の増加などでバスが足りない地域もあり、事業参入しやすい環境をつくること自体は私も賛成です。バス事業への参入に当たり、現在、大型バス五台を所有していれば参入でき、かつ、車齢についても決まりがない。

 安全管理に十分なコストをかけられるよう、参入時に、資格要件や、場合によっては安全投資に関する政府の支援を検討すべきと考えますが、大臣の見解を伺います。

藤井政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の事故を契機といたしまして、貸し切りバスの安全運行を確保する観点から、事業者に安全に事業を遂行する能力が備わっているかどうかを参入時にチェックすることは大変大事なことであると考えているところでございます。

 委員から御指摘のありました車齢の問題でございますけれども、車齢の高いバスの安全確保につきましては、まず、整備を着実に行うということが何よりも重要であると考えております。車齢によって使用制限をかけるかどうか、こういうことにつきましては、その必要性等についてさらに十分な検討が必要であろうと考えておるところでございます。

 さらには、保有台数につきましても、先ほど委員の御指摘にありましたように、最低保有台数というものが決まっておるわけでございますけれども、今現実に事業を行っておられる事業者の方々の台数の現状その他を踏まえた上で、これにつきましても検討を行う必要があると考えております。

 以上につきましては、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会を一月末以降開催しておりまして、その中におきまして、安全に事業を遂行する能力の事前チェックのあり方の一環としてしっかり検討してまいりたいと考えているところでございます。

椎木委員 次に、安全への備えをおろそかにする事業者について、早急に市場から退出するような、ルール上しむけていくことが重要であると思います。しかし、イーエスピーのように、重大事故を起こしてから後追い的に許可取り消しを行うのでは全く意味がなく、安全に懸念がある事業者を未然に市場から退出させるような、ルールを厳格化すべきだと私は考えますけれども、これらの方針について大臣ないし国交省の見解をお願いします。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 道路運送法令では、輸送の安全を確保するために、事業者に対し、過労運転の防止あるいは運転者の健康状態の把握、こういった措置を講じるようにということを義務づけているところでございます。

 国交省としましては、事業者に対する各種の監査を行い、こういった法令違反の事実が判明した場合には改善の指示、さらには行政処分を行うことによって、安全運行の確保に努めているところでございます。

 今回の事故を踏まえまして、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会において、複数回にわたり法令違反の状況を是正、改善をしない、そういった事業者に対しては事業許可取り消しなどの厳しい処分を行うことができることとする等、行政処分の厳格化についての検討を行っているところでございます。

 検討委員会の検討内容を踏まえて、事後チェックの強化策をしっかり講じてまいりたいと考えているところでございます。

椎木委員 引き続きといいますか、しっかり検討していただきたいと思います。

 次に、二〇一二年の関越道バス事故を教訓に、国交省は安全規制の見直しを行ってまいりました。今回全く同じような事故が起こってしまい、これは三度目が起きては絶対にならないと思います。

 今回を機に、真に実効性のある安全規制の導入が行われなければならないと思いますが、この点について石井大臣の決意を伺いたいと思います。

石井国務大臣 貸し切りバス事業者がこのような悲惨な事故を二度と起こさないよう、今般の事故の原因究明を進めるとともに、貸し切りバスの抜本的な安全対策を検討し、実施することが重要と考えております。

 国土交通省では、有識者から成る軽井沢スキーバス事故対策検討委員会を設置し、抜本的な安全対策について、事業参入の際の安全確保に関するチェックの強化、監査の実効性の向上、これは事業参入後の安全確保についてのチェックを強化するということになります、それから、運転者の運転技術のチェックの強化、運賃制度の遵守等、旅行業者を含めた安全確保のための対策の強化、衝突被害軽減ブレーキ等、ハード面での安全対策の強化等の観点から議論を進めているところでございます。

 引き続き、この検討委員会での議論を踏まえ、今年度末をめどに中間整理を行いまして、実施可能な施策については直ちに実施するとともに、本年夏までには、総合的な対策を取りまとめ、対策を実施に移してまいりたいと存じます。

椎木委員 三度目は絶対あってはならない、そういう趣旨で質問させていただきましたが、石井大臣そして局長の方からも非常に詳細にわたった答弁、また、しっかり取り組むということが伝わる御答弁をいただきまして、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 次に、民泊について質問させていただきます。

 政府の発表によりますと、昨年の訪日外国人旅行者数は、前年比四七・一%増の千九百七十三万七千人と、過去最高を記録したということであります。訪日外国人の旅行消費額も三兆円を超える水準に達しており、今やインバウンド産業は我が国の内需を支える主要産業に成長したと言えるでしょう。

 訪日外国人旅行者数二千万人の目標達成が視野に入ったことを踏まえ、政府は、昨年十一月に官邸に設けられた明日の日本を支える観光ビジョン構想会議で、年度内をめどに次の時代の新たな目標を含むビジョンを取りまとめると伺っております。この取り組みは、私としても大いに期待しているところであります。

 しかし一方で、ホテルが不足して予約しづらい、WiFi環境が不十分である、鉄道やバス等の公共交通網が使いづらい、海外発行のカードが使えるATMが少ない、伝統文化の説明がわかりづらいなど、観光立国の新たな時代を迎えるに当たり、多くの課題があることも事実であります。

 特に、宿泊施設の不足が大きな問題であると私は考えております。

 その打開策として、国家戦略特区法に基づく旅館業法の特例として、いわゆる民泊が認められ、大阪府、大阪市と東京都大田区で条例化されたところであります。

 民泊は、民泊事業者が持つ資産を有効活用することで、今後一層の増加が見込まれる外国人旅行者の宿泊ニーズに対する受け皿を用意するものです。とりわけ個人旅行者、いわゆるFIT、これらがますますふえていくと見込まれる中で、そうしたFITにおける滞在型の観光需要の掘り起こしも期待できると思います。

 そうした一方で、多くのトラブルが発生するのではないか、こういった懸念も他方で存在しています。そうした懸念への対策がしっかりと講じられることが必要と考えています。

 大阪府、大阪市で民泊条例が成立し、東京都大田区と並んで先駆的に運用が開始されています。これまでも、ホームステイ、農林漁業分野、特に農業における体験型宿泊、転勤時等におけるマンション一時貸与など、いわゆる宿泊施設以外に旅行者を泊めて対価を徴収するサービスが存在していますけれども、これらのサービスと民泊の違いについてお伺いしたいと思います。

福田政府参考人 お答えいたします。

 いわゆる民泊サービスにつきましては、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業に当たる場合には旅館業法が適用され、その営業に当たりましては同法の許可が必要となります。

 他方、特区制度を活用いたしました民泊につきましては、国家戦略特別区域法第十三条に基づきまして、滞在期間が一定期間以上であるなど、政令で定める一定の要件に該当するものとして都道府県知事等の認定を受けた場合には、旅館業法の適用が除外されるというものでございます。

 以上でございます。

椎木委員 今回の民泊特区が成功するためには、治安面や生活習慣の違いに基づくトラブルが発生するのではないかという多くの人たちが抱く懸念をクリアすることが必要であると思います。

 そのためには、トラブルが発生した場合の責任の所在を明確にしておくことが重要であると考えますけれども、こうしたトラブル予防への具体的な取り組み、トラブルが発生した場合の対処方針について、厚生労働省の見解を伺いたいと思います。

福田政府参考人 お答えいたします。

 国家戦略特別区域法第十三条に基づく外国人滞在施設経営事業、いわゆる特区の民泊でございますが、この実施に当たりましては、委員の御懸念のとおり、テロ対策などの治安対策や、ごみ出し、騒音などの近隣住民とのトラブル防止措置が不十分ではないかといったような御指摘があったと承知をいたしてございます。

 これらの御指摘を踏まえ、特区事業を円滑に推進するため、内閣府や関係自治体とも調整の上、これらの懸念に対応した措置を盛り込んだ通知を昨年七月三十一日に発出したところでございます。

 いわゆる特区民泊事業を先月開始した大田区では、当該通知を参考とし、条例等におきまして、滞在者名簿の備えつけ、立入調査や近隣住民への事業計画の周知に関する規定を設けるとともに、特区事業の実施に関するガイドラインを定めたところであり、このガイドラインの中では、事業実施者に対しまして、事業認定前の近隣住民への周知、苦情等への対応、廃棄物の適切な処理等、火災等の緊急事態への対応などを求めていると承知をいたしてございます。

 いわゆる特区民泊につきましては、まだ大田区でも事業認定を開始したばかりでございます。大阪府や大阪市でも本年四月以降に事業を実施する予定でございます。厚生労働省といたしましては、今後の事業の実施状況等を見つつ、引き続き関係自治体等と連携を図りながら、特区事業が円滑に実施されるよう努めてまいりたいと考えております。

椎木委員 既に二度ですか、通知等を発出して、そういった対策に取り組んでいるという答弁ですので、今後、大阪府、大阪市、今の答弁のとおり、しっかりと対策を講じていただきたいと思います。

 次に、民泊の開始により、もともとのコストが民泊とは桁違いにかかり、防災、衛生、安全面で一定条件をクリアしないと許可を受けられない既存のホテル、旅館業界が受ける影響は大きいと思います。特に旅館や地方の宿泊施設では、訪日外国人旅行者への対応が道半ばであり、昨今の宿泊需要の高まりを必ずしも享受できていないところもあります。

 民泊に対するホテル、旅館業界の懸念の声をどう受けとめるのか、この点についての見解を厚労省にお伺いいたします。

福田政府参考人 お答えいたします。

 国家戦略特別区域における外国人滞在施設経営事業、いわゆる特区民泊は、政令で、滞在日数の期間を七日から十日までの範囲内において都道府県等の条例で定めるものと規定いたしてございます。

 これは、既存の旅館、ホテル業界の意見も聞いた上で、公衆衛生上のリスクも踏まえつつ、旅館業法の適用除外となるいわゆる特区民泊が、旅館、ホテルの健全な発展を損なうことなく、これら既存の施設との適切な役割分担のもと、外国人の滞在ニーズに応えていくという趣旨で規定をされたものでございます。

 現在、いわゆる特区民泊を実施するための条例は、大田区、大阪府及び大阪市の三自治体で制定されておりますが、いずれの自治体におきましても、既存の旅館、ホテル業界の意見も聞きながら対応しているものと承知いたしてございます。

 今後とも、旅館、ホテル業界の御意見をしっかりと伺ってまいりたいと考えております。

椎木委員 これは本当に、一歩間違うと死活問題にもつながる懸念もありますので、しっかり、ホテル、旅館業界の声を聞きながら適切に進めていただきたいと思います。

 次に、インターネットで民泊を仲介するエアビーアンドビーなどの民間事業者は既に存在しています。民泊の利用拡大には仲介業者が大きな役割を果たすと思われますが、安心して民泊が利用できる環境を整えるために仲介業者の質の確保も重要であると考えます。

 政府としても民泊仲介業への何らかの対応が必要であるかと思いますが、これらについて見解をお伺いいたします。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 宿泊サービスの仲介事業者を規制する法律としては、現在、旅行業法というものがありますけれども、この旅行業法におきましては、取引条件の説明義務等、仲介取引における消費者保護の規制があるにとどまっておりまして、旅行業者が、宿泊施設の安全面、衛生面に関する責任を負う仕組みにはなっておりません。

 それから、エアビーアンドビーのように、海外に事業所やサーバーがあって国内に実体がない事業者に対しましては、実効的な取り締まりが困難であるというような課題もございます。

 観光庁では、昨年十一月に、日本の実情に合った民泊のあり方について検討するため、厚生労働省と共同で有識者会議を立ち上げましたけれども、先ほど申し上げましたような課題も踏まえつつ、仲介事業者や管理事業者等の関連事業者への規制のあり方についても検討を進めてまいりたいと考えております。

椎木委員 済みません、一点確認させてください。

 エアビーアンドビーのような事業者に対しては課題が困難というような答弁があったと思うんですけれども、違いますか。

田村政府参考人 今、課題として二点申し上げました。

 一つは、旅行業者としての規制では、直接旅行業者が、宿泊施設の安全だとか衛生だとか、そういうものについての責任を負わないということと、それから、エアビーアンドビーのように、海外に事業所やサーバーがあって国内に実体がない事業者に対しては、実効的な取り締まりが困難であるという課題がある、こういう二点を申し上げました。

椎木委員 次に、民泊特区で事業を拡大しても、現在の市場では、脱法業者による闇民泊、これらが横行していると思われます。この闇民泊を取り締まるために、政府は民泊を旅館業法に基づく許可制とする方針を定めたということですけれども、脱法業者が許可申請をするのかどうか心もとないと私は考えています。

 今後、この取り締まり体制をどのように整備していくのか、あわせて答弁をお願いいたします。

福田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の、いわゆる闇民泊と呼ばれる無許可営業への対応は重要な課題と認識いたしております。これまでも旅館業法の遵守に関しましては、各自治体に対し、平成二十六年七月及び平成二十七年十一月に通知を発出し、一般住宅等を活用したいわゆる民泊サービスであっても、宿泊料を得て人を宿泊させる業を営む者は、旅館業法の許可を取得する必要がある旨の周知徹底と、また事業者への指導の徹底を要請するとともに、いわゆる民泊サービスと旅館業法との関係を整理したQアンドAを厚生労働省ホームページにも掲載し、周知をしているところでございます。

 これらを踏まえ、各自治体においては、無許可営業の把握及び指導に努めていただいているところでありますが、引き続き、違法な民泊サービスが行われることがないよう、各自治体とも連携をして対応してまいりたいと考えております。

椎木委員 今の答弁の取り組みで、本当にこれは取り締まれますかね。ちょっと何か、今聞いている限りだと、通知を出したとか自治体と連携してと。もう少し危機管理意識に基づいて、具体的な取り組みの方針みたいなものはないんでしょうか。

福田政府参考人 お答えいたします。

 旅館業法に基づくいわゆる取り締まりにつきましては、今御説明申し上げたとおりでございますけれども、現在、観光庁とともに、民泊サービスのあり方について幅広く検討を行っているところでございまして、そういった中で、今委員御指摘の点も含めまして必要な検討をしてまいりたいというふうに考えてございます。

椎木委員 ちょっとここが、私も一番心配なところなんですよね。幅広く検討ということなんですけれども、今、こういったことの取り締まりを強化するという、その具体例みたいなものは答弁いただけないんでしょうか。

福田政府参考人 お答え申し上げます。

 まだ検討の段階でございますので、具体例というところまで申し上げてよろしいのかわかりませんけれども、先ほど委員からの御指摘にもありましたけれども、いわゆるホスト、事業者や、それからそれを仲介する方々、さまざまなポイントがあろうかと思いますし、情報の把握をどのようにしていくのかということで、いわゆる直接的な指導もありましょうし、また、どういった方々がどこでどんなことをやっているかという、情報の適切な公開ということもあろうかと思っております。

 そういうことも含めて、今、いわゆる検討会におきまして検討させていただいているという状況でございます。

椎木委員 答弁は今ので結構です。

 私が申し上げたかったのは、あらかじめこういうことが心配されるでしょうというのは、当然これはあると思うんですよね。それに対して、要は検討するわけですよね。ただ、検討段階だからまだ中身がと言われちゃうと、危機管理意識もなく、何の検討をするのかなと私はちょっととってしまいますからね。これは十分、想定されるべき課題をしっかり抽出して、それについて検討していただきたいと思います。

 最後に、四月の実施を目指すということですが、確かに建築基準法における用途地域規制の違いはありますが、許可制の簡易宿所、これらは一泊二日から利用可能であるのに対し、特区民泊は六泊七日という日数の縛りがあります。一般的な民泊が認められた後、特区民泊ニーズがあるのか、特区民泊の必要性について見解を伺いたいと思います。

福田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、現在、旅館業法の簡易宿所の面積基準などを緩和することにより、旅館業法の許可を取得しやすい仕組みとすることを検討してございます。これにより、自宅の一部などを活用したいわゆる民泊が適法に実施しやすくなることが期待されます。

 他方、特区制度を活用した民泊につきましては、旅館業法の適用が除外され、宿泊拒否制限の義務がかからないなど、事業者の負担が軽減されるなどの特徴がございます。簡易宿所の許可を得て実施する民泊とはまた異なるニーズがあるものと認識をいたしてございます。

 各地域や各事業者におきましては、こうした制度の違いを踏まえ、それぞれのニーズを踏まえた選択がなされるものと考えてございます。

椎木委員 今、それぞれのニーズがあるという御答弁をいただいたと思うんですけれども、どのぐらいのニーズがあるかということについては調査か何かは実施されているんでしょうか。

福田政府参考人 お答えいたします。

 いわゆる民泊の広がりということ自体が、ある意味で非常にニーズとして捉えられるものというふうに理解してございます。

椎木委員 別に意地の悪い質問をしているつもりではないんですけれども、フィーリング、感覚的な今答弁だと思うんですよね。私が聞いているのは、それぞれから聞き取り調査なり何らかのアンケート調査なり実施をして、そういうニーズを把握しているんですかという趣旨なんです。

福田政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる検討会におきまして、事業者そしてまた関係者の方々からヒアリングを行うなどいたしまして、具体的なニーズや課題につきましては調査をした上で検討させていただいている、そういう状況でございます。

椎木委員 ちょっと時間がありますので、再度聞かせてもらいますけれども、何か、さっきまでの答弁はフィーリング的な話だと私は申し上げましたけれども、今度はちゃんとそのニーズをと。

 本当に、これは具体的に調査しているんですね。しているんだったら、その調査の結果を後でいただきたいと思いますけれども、お願いします。

福田政府参考人 お答えいたします。

 検討会の具体的な検討内容、そしてそこにおきますニーズの把握の状況につきましては、後ほど御説明に上がりたいと思っております。

椎木委員 終わりますけれども、とにかく、心配される懸念に対しては、しっかりその裏づけとなるものを調査した上で検討していただきたいというのが私の趣旨ですので、本当に、それぞれの問題点とか不安な要素とか、そういうものをしっかり酌み取った上で今後検討なり対策を講じてもらいたいと思いますので、先ほどの答弁で、説明等も別途いただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上で終わります。

谷委員長 午前中の質疑は終わりました。

 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時二十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行します。秋元司君。

秋元委員 自民党の秋元司でございます。

 質問の機会をいただきまして、感謝申し上げます。

 きょうは、時間が前半十五分、後半十五分という変則な形になっております。大臣がいらっしゃらない場合は副大臣お二人にお伺いしたい、そんなふうにも思っていますので、心の準備をしていただきたいと思います。

 まず、きょうお尋ねしたいのは、これは我々として本当に残念に思った事故でありましたけれども、軽井沢のスキーバスの件であります。

 国交省の方でも、これまで五回にわたりまして、再発防止といった視点からも検討委員会を進めていただいております。我が党におきましても、部会を頻繁に開催させていただいて、そしてまた事業者の皆さんからもヒアリングをやりながら、いかにすればこの再発防止ができるか、今回はいわゆる業界としての構造的な問題まで含めて議論をさせていただいているところでございます。

 今回の事故の背景、いろいろありますけれども、総じて言うと、どうしても、いわゆる規制緩和をした後、事前チェック型から事後チェック型になったこの運輸関連部門でありますけれども、当初目的とした事後チェック型の形が残念ながら機能していなかった、または行政処分として行ってきた行為が事実上効果がなかったということがこれまでの議論で大分表に出てきたところでございます。

 今後、我々として、この再発防止、そして業界としても健全に推移をし、何といってもバスを利用する皆さんが安心して、当然命の心配がない、そういった形にしていかなければならないという思いでございます。

 そんな中で、きょうは三点についてちょっと質問をさせていただきたいと思います。先に大臣に行きたいところだったんですけれども、大臣がまだお見えじゃないのでちょっと順番を変えますが、検討委員会でも議論されていましたいわゆる手数料の問題であります。

 バス事業者と旅行事業者の間で発生する手数料が、当然、旅行事業者はお客さんを集めるわけでありますから、彼らは手数料が商売でありますから、適正なる手数料を取るのは当たり前だという思いがありますけれども、残念ながら、それがこれまでの事業の中で、いろいろと聞こえてくる話の中で、適正な手数料をちょっと超えているんじゃないのかという声もありました。

 よって、手数料のあり方というのも今議論を深めさせていただいているところでありますけれども、今回、国交省の検討委員会でも議論される中においても、結局、運賃の中にいわゆる手数料が含まれた形で計算をはじき出すということが一つの形として見えてきているわけであります。

 手数料というと、例えば不動産会社でいいますと不動産手数料。物件を持っている人と物件を借りたい人の真ん中に入る仲介業者でありますけれども、確かに彼らも両方から手数料をもらう商売でありますが、それは賃貸物件そのものには本来は入っていなくて、賃貸物件そのものにビルトインというよりは、むしろ外側にあるのが手数料、そういった感覚を一般的に我々は持っているんですけれども、バスの運送については、運賃の中に手数料がビルトインされた形で一つの体系になっているという、ちょっと特殊な形であります。

 なぜこのような形をとらざるを得ないのか。政府参考人、自動車局長で結構でございますので、この仕組みについてお願いいたします。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 国が定める貸し切りバスの公示運賃は、標準的な事業者として全国で百五十五者を選定した上で、運送原価を算出いたしまして設定をしております。この運送原価には、先ほど委員御指摘のとおり、旅行業者に支払う手数料が含まれています。この手数料につきましては、貸し切りバス事業者と旅行業者の間の契約により定まるというものでございます。

 これを運送原価に含まないこととした場合には、この手数料の額の適正さを問うということが国として極めて困難になるという判断のもとに、この手数料を運送原価に含めるということとされていると承知をしているところでございます。

 なお、実際に支払われる手数料が運送原価に含まれる手数料に比べて著しく大きい場合には、貸し切りバス事業者が安全に関するコストを十分に賄えないおそれがある、そういったことであるかと認識をしております。

 こういった事態を防止するための方策につきまして、現在、軽井沢スキーバス事故検討委員会において検討を進めているところでございます。

秋元委員 今の回答でもわかりますように、BツーBの間の中に入るものでありますから、なかなか第三者としてチェックがしにくい、そういったことが今の答弁でもうかがい知れると思うんです。

 今検討されている検討委員会の中では、今後、バス事業者といわゆる旅行業者がともに拠出し合って第三者機関をつくって、そこで適正なる手数料の形というものを常にチェックしながらやっていこう、そういった議論が出ているように思います。

 手数料がなければ当然旅行業は業を営めないわけでありますし、片一方で、バス事業者は手数料が大きくなると、今お話があったように、結局また安全面を損なうような事業の運行につながるかもしれない、このバランスが非常に大事だと思います。

 その第三者機関がどういうものになっていくのかということは、我々もこれは相当ウオッチをしていかなくちゃいけないかと思いますが、少なくても、この適正な手数料のあり方、お互いウインとウインの関係になるような形の仕組みを、周りの皆さんも応援していただきながら、いい形をぜひつくっていただくことを改めてお願い申し上げるところであります。

 大臣にお越しいただきましたので、大臣への質問に行かせていただきたいと思います。

 今回、一つ問われた形として、規制緩和の流れから今日この形になったわけでありますが、いろいろと議論をしていく中で、いよいよ、いわゆる参入規制というものをいかに考えていくかということを少し我々も真剣に考えていかなくちゃいけないと思うんです。

 今現在は、バス事業者の皆さんは、いわゆる保有台数五台以上でもって許可がおりるという形になっていますけれども、古くはこれは十台以上だった時代があったわけであります。

 事業者の皆さんからヒアリングをすると、実際、五台の保有台数でそれなりの利益が出る事業なんかできるわけじゃないんだという声も聞こえてきます。しかし、今現在、業界全体を見ると、私が聞いた範囲だと、五台以上でもって営業しているバス事業者の数が、全体の七割が五台以上で営業しているんだという話でございます。五台から十台の間、なかなか十台持つことができない、そういう事業者が七割だという声がありますから、いきなりこの参入規制を設けていると、非常にこれは経済的にも大きな影響が出るということはわかるのでありますけれども、今後、この問題にどのように対処していくかという問題。

 あわせて、これは一つの提案なんですけれども、そういった参入規制を設けるという話もありますが、設けないのであれば、実は、免許制から許可制に変わった今の形でありますけれども、この許可制を何年かで更新制にしていく、更新するときに全ての安全基準が安定的に保たれた事業体であるのかということをチェックする、そこでしっかりとウオッチしていく、そういった方式を導入するというのも私は一つの考え方じゃないかと思うんです。

 この辺の見解について、大臣にお伺いしたいと思います。

石井国務大臣 貸し切りバスの安全運行を確保する観点から、事業者に安全に事業を遂行するための能力が備わっているかどうかを参入時にチェックすることは極めて重要でございます。

 平成二十四年四月の関越道高速ツアーバス事故の後にも参入時におけるチェックの強化を行ったところでありますけれども、改めて、今回の事故を受けまして、安全に事業を遂行する能力の事前チェックのあり方について検討しているところでございます。

 また、御提案のような更新制を導入することとした場合には、対象となる事業者の範囲ですとか、あるいは審査を行う地方運輸局の業務量等について検討が必要になると考えます。

 御提案の内容を含めまして、事業参入に当たっての安全確保のチェックの強化につきましては、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会において総合的に検討してまいりたいと存じます。

秋元委員 当然、許可をもらうときには、スタート時ですから、それなりの許可をもらうために企業も意気込んでくるし、書類もしっかり整えると思うんです。

 大事なことは、その後、継続してずっとそのことが保てるかどうかがポイントでありまして、残念ながら、今、抜き打ち検査もされていると思いますけれども、継続的にやっていない業者の数がいるということがさまざまな事故を起こし、または安全の担保が失われてしまった、こういったケースにあると思いますので、いかに継続して安全体制をできる事業体であるか、そういった視点でこれからの行政運営を行っていただきたい、そのことを改めて申し上げたいと思います。ぜひ、検討委員会での建設的な議論をしていただきたいと思います。

 続きまして、今回の議論の中に、いわゆる旅行会社とバス事業者の間に実は存在する事業体というんでしょうか、個人というんでしょうか、要するにランドオペレーターの存在というのが改めてクローズアップされたことがあります。

 国内でしっかりやっているランドオペレーターも、また海外で日本人が活躍しているランドオペレーター、ちゃんとしたランドオペレーターはいることはいて、適正に、ちゃんとした、業は業としてやっている方はたくさんいらっしゃるんでしょうけれども、しかし、ちょっと第三者から見ておかしいなと思われる行為をするランドオペレーターも残念ながらいて、特に、バス事業者、今回の、スキーバスを出す、運行する、こういった会社の中に入ったところは、著しく値段を、言葉を選ばないで言えばたたくという、そういった行為があるランドオペレーターの存在もあるということも聞きます。

 または、今インバウンドの世界で活躍しているランドオペレーターの一部は、特に、この前、私もランドオペレーターの協会の皆さんのヒアリングでもお伺いしましたが、いわゆる民族系のランドオペレーターという方もいらっしゃって、いわゆる中国、韓国からお客さんがどっと来る、それを、本来我々が望むような観光地じゃなく、ここが観光地なのかなと思うところに連れていって、そして、おやと思うような店のところに行って、やたら健康食品を買わせて帰しちゃうとか、そういう荒っぽいことをする、アテンドをする人もいるみたいです。

 結局のところ、このランドオペレーターというのは何の資格もないわけですね。無資格の状態じゃないですか。誰でも、私がきょうからランドオペレーターと言えば今すぐでも業ができるという世界でありますから、そろそろ我が国も、観光立国というものをしっかり目指してここまでやってきたわけでありますから、このランドオペレーターに対して何か法的な根拠を持つ措置というのは今後検討していくに値するんじゃないかなと思うんですけれども、観光庁長官、見解を求めたいと思います。

石井国務大臣 現在、旅行商品の品質を確保し、旅行者の安全、安心を確保する制度としては、旅行業法がございます。

 旅行業法は旅行者に直接サービスを提供する旅行業者を対象としておりまして、旅行業者の依頼を受け、運送、宿泊等のサービスの手配を行ういわゆるランドオペレーターは、現在はこの旅行業法の対象外となっております。

 しかしながら、今回の軽井沢スキーバス事故のように、旅行業者からの依頼を受けたランドオペレーターが安全性に問題があるバス会社を手配し、結果的に多くの旅行者が事故の犠牲になる等、ランドオペレーターが旅行の安全と質に大きくかかわり、その結果、旅行者に影響を及ぼしている事案が生じております。

 委員御指摘のインバウンドに関係するランドオペレーターというのも、いろいろな問題があるというふうに認識をしております。

 このため、国土交通省におきましては、従来、旅行業法の適用がなかったランドオペレーターが旅行商品の企画、手配にどのように関与しているか等、その実態の把握を急いでいるところでございます。

 今後速やかに、ランドオペレーターを含めまして、旅行の安全と質を確保できる規制のあり方を検討し、結論を得ていきたいというふうに考えております。

秋元委員 いずれにしましても、非常に大切な問題であると思いますので、これからまた国交省としても、まだまだ検討委員会の議論が残っていると思いますので、いい議論をしていただきながら、我が国の観光立国、大いに伸ばしていただきたいと思います。

 一旦終わります。ありがとうございました。

谷委員長 次に、樋口尚也君。

樋口委員 公明党の樋口尚也でございます。

 秋元先生に十五分時間を分けていただいて、大臣への質問の時間をいただきました、皆さんの御配慮に感謝を申し上げて、質問をさせていただきたいと思います。

 石井啓一大臣の所信に対する質疑ということで行わせていただきます。さまざまやります。急いでやりたいというふうに思っております。

 まず初めに、生産性革命について伺います。

 二〇一五年の国勢調査の速報値が発表になりました。初の人口減少となりました。人口減少社会が現実のものとなったわけでございます。我が国の人口は二〇一〇年のピーク時で一億二千八百六万人、二〇六〇年には八千六百七十四万人になる。それは百年前、一九六〇年と同じ規模だ、こういうことの予測が出ているわけでございます。

 もちろん、高齢人口がふえていきますが、生産年齢人口と若年人口は減少していく、高齢化率は二三%から四〇%になっていく、こういう予測があるわけであります。その結果、深刻な人手不足を起こしてしまう、我が国の産業の生産性が低下をする、こういうことになるわけでありますから、この課題を乗り越えるためには生産性の革命的な向上が重要な鍵となるわけであります。

 御案内のとおり、生産性の概念というものは、アウトプットをインプットで除した値でありますから、これを革命的に向上させて我が国の生産力を強く引き起こす、引き出していくことが大事であります。

 私は、労働者を減らしたりとか、投資を減らしたりとかする、こういう効率化ではなくて、すなわち、それはアウトプットの増加を伴わない、インプットだけが減る、こういうことではなくて、アウトプットの増加につながる革命的なイノベーションや新たなニーズの顕在化など、前向きな取り組みが極めて重要だというふうに思っています。

 国交省は、我が国の経済、国民生活の幅広いところにかかわる分野を所掌しておりまして、我が国の生産性向上に向けて果たすべき役割は極めて大きいと思います。

 大臣の所信の中でも、生産性革命元年、こういうフレーズがありましたが、果敢に挑戦をしていただきたいと思っているわけでございますが、生産性革命に向けた大臣の御決意を伺いたいと思います。

石井国務大臣 我が国は、二〇一〇年の一億二千八百六万人をピークに人口減少が始まり、しかも極めて速いスピードで高齢化も進みつつあります。

 しかしながら、トラックの積載量が五割を切る状況や、道路を移動する時間の約四割が渋滞に費やされているといった社会の無駄を減らすこと、またICTなどの新技術を導入すること、さらにサービス産業等の生産性を向上することにより、我が国経済の持続的で力強い成長に貢献できるというふうに思っております。

 今後、人口減少により各産業を支える労働力が減少します。そういった労働供給の制約を打破するためには、それを補うための生産性の向上が必要不可欠であります。生産性向上こそが、これからの成長のキーワードというふうに考えております。

 そこで、私は、本年を生産性革命元年と位置づけまして、生産性革命につながるプロジェクトを国土交通行政分野から選び出し、磨き上げて集中的に取り組みたいと考えております。

 このため、三月七日に私を本部長とする国土交通省生産性革命本部を立ち上げるとともに、生産性革命プロジェクト第一弾を発表いたしました。今後、本部会合を月一回程度開催し、熟度の高まったものから順次プロジェクトとして発表してまいります。

 また、生産性革命は、一つの運動論として広がっていくことが大事だというふうに考えておりまして、経済団体からも広く御意見を伺いながら進めてまいりたいと考えております。

樋口委員 スタートを切るということが大事だというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

 この生産性革命における具体的な取り組み、今、一つ御紹介がありましたけれども、きょうは、さまざまな社会の無駄を減らすということで、渋滞について伺いたいと思います。

 先ほどの大臣のお話のとおり、我が国の道路の移動時間の四割が渋滞損失でありますが、一方で、欧米の主要都市はこれが半分の二割ということであります。すなわち、欧米並みの倍、今、日本には渋滞があるわけですから、これを削減することで社会全体の効率性が上がるということになるわけであります。

 企業は本当に今、製造のリードタイムを減らそう、また工程、工期を短縮しようと、一生懸命、血のにじむような努力をしているわけでございますが、当たり前の話ですけれども、三十分の渋滞を解消すれば、三十分早く配送することができるわけであります。それによって生じた時間で次の活動生産性も高まっていくわけで、ドライバーによっては休憩時間に充てることもできる。生産性の向上を目指すのであれば、まず一丁目一番地でこの渋滞対策に取り組むべきだ、このように思います。

 その際に、大臣の三月七日の発言の中にありましたが、構造的な渋滞要因をデータで特定して、ピンポイントで対策を行うピンポイント渋滞対策に取り組む、こういう意向が発表されましたけれども、これは極めて重要なことであり、ぜひやっていただきたいと思いますが、加えて、つながらなければ意味がないわけですから、これまでどおりネットワークの整備、これは両方とも大事だというふうに思います。

 具体的に私の地元でいいますと、近畿を見ますと、ピンポイント渋滞地点という意味では、阪神高速道路の阿波座付近はもう毎日渋滞しています。そして、ネットワークで見ますと、大阪市内や神戸市内の渋滞に対して、淀川左岸線の延伸部、そして大阪湾岸線の西伸部の整備、もう住民の皆さんは長く待ち望んでいらっしゃるわけであります。

 このピンポイント対策、そしてネットワークをつなぐ、両方について、今後の取り組みについて教えていただきたいと思います。

森政府参考人 お答えいたします。

 先ほどの渋滞損失、移動時間の約四割が渋滞に伴う損失である、これ自身は一年間にしますと約二百八十万人分の労働力に匹敵するところでございます。それを、いかに無駄をなくし、生産性を高めることにつなげていくのかというところに私どもとしても努力してまいりたいと思っておるわけでございます。

 特に、今御指摘のありました近畿圏につきましては、ICTの利活用によるデータを特定することによりまして、阪神高速の阿波座付近については、今本線を拡幅する信濃橋渡り線という事業を行っておりまして、平成三十一年度には完成をするということを目指して頑張っているところでございます。

 また、ネットワーク整備で御指摘をいただいた淀川左岸線延伸部につきましても、今、大阪府、大阪市が都市計画決定あるいは環境アセスメントの手続を行っているところでございまして、また、大阪湾岸西伸部につきましても、六甲アイランド北―駒栄間につきまして、三月三日から二十八年度の新規事業化に向けた手続を進めさせていただいているところでございます。

 いずれにしましても、早期の効果的なピンポイント対策、そしてまた必要なネットワーク強化によりまして渋滞緩和効果を高め、近畿圏における生産性の向上に邁進してまいりたいというふうに思う所存でございます。

 以上でございます。

樋口委員 ありがとうございます。

 ピンポイントの渋滞対策も、ネットワークをつなぐということも、両面、ぜひ進めていただきたいと思います。

 大臣、残り二分ということでございますので、簡潔に一問だけ聞かせていただきたいと思います。

 社会資本の整備について簡潔にお伺いをしたいと思いますが、もちろん老朽化がこれから進んでまいります。道路もそうですし、橋梁も、トンネルも、下水も老朽化がどんどん進んでいくわけですが、このインフラメンテナンス費用は、国土交通省の推計によると、平成二十五年で約三兆六千億円、平成四十五年度にはそれが四兆六千億円から五兆五千億円になる。このインフラメンテナンス費用の縮減、平準化は重要な課題であります。

 見方を変えると、インフラメンテナンス産業は今後の成長分野だ、こう言えるわけであります。メンテナンスを産業として育成して、担い手の確保につなげるべきだと思いますが、老朽化対策、インフラメンテナンスの産業化も含めて、今後の社会資本整備について一言大臣から御発言をお願いしたいと思います。

石井国務大臣 インフラ老朽化対策につきましては、高度成長期以降に整備したインフラが今後一斉に老朽化することから、戦略的な維持管理、更新へ転換することが急務でございます。

 このため、平成二十五年度にはトンネルなどの緊急点検を行うとともに、二十六年度には、インフラ長寿命化計画や維持管理の統一的な基準、マニュアルを策定いたしました。現在は、これらにのっとり、国や地方公共団体、高速道路会社など各施設の管理者が定期点検を行い、点検結果に基づいて修繕等の対策を計画的に進めているところでございます。

 また、メンテナンスの大部分を担う地方公共団体に対する防災・安全交付金等の財政支援、研修や直轄診断等の人的支援を実施してまいります。

 あわせて、老朽化対策をメンテナンス産業の育成、活性化と建設産業の担い手確保につなげていくことが重要と考えております。

 このため、幅広い業種の企業、団体を巻き込んで、産学官が総力を挙げて老朽化対策に取り組み、民間の新技術の掘り起こしや幅広い業種からの新規参入を促進してまいります。

 また、維持管理、更新に係る複数年の契約や包括的民間委託の活用を通じまして、地域の建設産業の担い手の確保につなげてまいります。

 人口減少が進み、財政制約が強まる中、引き続き、国土交通省の総力を挙げてメンテナンス、老朽化対策に取り組んでまいりたいと存じます。

樋口委員 ありがとうございました。

 では、続いての質問に参りたいと思いますが、その前に、おっしゃったとおりでありまして、今財政制約が厳しい、そういうもとで、既存のインフラを最大限に活用するということは極めて重要なことでございますので、インフラ、そしてメンテナンス業者の育成に取り組んでいただきたいと思います。

 三つ目の質問は、軽井沢のスキーバス事故についてお伺いをしたいと思います。

 もう複数の先生方からの御質問がありましたので、ポイントを絞って御質問させていただきたいというふうに思います。

 今、私たちも現場にも行かせていただいて、部会で毎週ヒアリングをさせていただいているところであります。今後は、警察そして事故調査委員会における原因究明とともに、今行われている検討会における再発防止策の検討がさらに進んでいくというふうに思っているところでございます。

 私たちも、一月二十七日に、石井大臣に申し入れを行いました。安全こそが最優先のサービスだ、こういう視点で取り組みをお願いしたいとお願いをしたところでございます。その中には、ソフトの整備、ハードの整備、ハードの整備の中には、ドライブレコーダーの設置の義務化、また速度制御装置の義務化なども書いておりまして、ドライブレコーダーを義務化しようという動きについても、よかったなというふうに思っているところであります。

 また、さまざまな提案をいたしましたけれども、私、一つ、きょう御提案をさせていただきたいというふうに思っています。

 先ほど、秋元先生のお話にもありましたが、要するに、バス事業者さんは、五台から十台持っていらっしゃる中小企業さんが七割だと。もっと、十台以上のところも、中小企業さん、大変多いわけでありますが。加えて、車齢の話もさっきありました。バスが古くなっていて、老朽化が進んでいる。この間、お伺いしたら、十一・八年ですか、今バスの車齢はそのぐらいだと。大変古くなっているということも事実であります。

 今回のような事故を防ぐために、一つ御提案ですけれども、老朽化車両の更新を進めていかなければなりません。新しいものになれば、最新の衝突被害軽減ブレーキなどの最新安全技術が装備されている、こういう最新の車両の導入が極めて重要だというふうに考えています。

 こうした最新車両への買いかえを進めるためには、一つ、トラックが対象になっておりますけれども、中小企業投資促進税制があります。この中小企業投資促進税制は期限がありますけれども、この期限を延長するとすれば、トラック、貨物用自動車は対象になっているわけですね。船舶もなっています。しかし、バスはなっていないわけであります。この対象になると、取得価格の三〇%の特別償却または七%の税額控除が適用されるわけでありまして、大幅に今トラックの買いかえが進んでいるわけであります。

 中小企業さんが使えるこの投資促進税制の対象にぜひ貸し切りバスも加えるべきだというふうに思いますけれども、国交省さんの見解を伺いたいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 老朽化したバス車両を衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術が装備されている新車に代替していくことは、バス運行の安全の確保という観点から重要なことであると認識をしております。

 国土交通省としましては、貸し切りバスの新車への代替を促進する観点から、これまで、先進安全装置について補助制度を設けるとともに、自動車重量税及び自動車取得税についての特例措置を講じているところでございます。

 今回、中小企業投資促進税制の御提案がございました。御提案がありました中小企業投資促進税制につきましては、まずは業界の御意見等をしっかりと聞いてまいりたいと考えているところでございます。

樋口委員 業界の意見をぜひ聞いていただきたいと思うわけでございます。

 トラックについて事前にお伺いをいたしました。細かい数字ではありませんけれども、トラック業界は約六万者あって、そしてトラックが約百万台あると言われている中で、貸し切りバスは四千五百者、そして四万九千台と、一桁違うわけであります。投資促進税制を使っても、減収額がどれぐらいあるかという試算もできるかというふうにも思いますし、バスの老朽化の問題はバス火災等の問題でも最近世間をにぎわしている問題でもあります。

 これはぜひ積極的に、我々も頑張りたいというふうに思いますけれども、国交省さんにも強く検討を促し、実現をしていただきたいと要望をするものでございます。

 続きましての質問は、建設業における技能労働者の処遇改善について伺いたいと思います。

 先般の横浜のマンションの基礎ぐい工事問題についても、随時ヒアリングをさせていただいているところであります。

 昨年末に、国交省に設置された有識者で構成される対策委員会で、この基礎ぐい工事問題にかかわる中間取りまとめが行われました。その中で、建設業の構造的な課題に関する再発防止策ということが掲げられたわけでありますが、この構造的な課題というのは、すなわち、重層下請の問題、そして丸投げのような商流の課題、下請がたくさん入っていらっしゃる、また仕事を余りされなくても下請に名を連ねて利だけ取るといったような構造的な課題があるという中で、技能労働者の処遇、そして意欲と資質の向上が提言をされているわけであります。

 まさに、技能労働者の処遇改善は現場で働く職人の課題、これは喫緊の課題であります。

 そこで、建設産業を支える担い手の処遇改善について、以下聞いていきたいと思います。

 建設業においては、今入職者が減っている、そして就業者が高齢化をしているという深刻な問題があります。言うまでもなく、建設業というのは人で成り立つ産業であります。将来にわたって建設業の担い手を確保するために、現場の第一線で汗を流して活躍する人材の処遇を改善していくことが待ったなしの状況にあります。

 とりわけ、社会保険の加入促進については、この数年間で業界を挙げて、国交省も本当に協力をして、加入率も年々上昇してきて一定の効果があらわれているというところだと思っておりますが、一方、現場の声はどうなのかということでございます。

 私の地元の関西で半世紀にわたりこの職人の処遇改善に尽力をされてきた、今、大阪府建団連の会長で近畿の建専連の会長もされています北浦年一会長という方がいらっしゃいますが、親しく話をしました。本当にこの半世紀の御苦労に、また先見の明に対して、その情熱にも、心から敬意を表しているところでございます。

 お正月の互礼会のときも、やはりこの処遇改善の話がありました。そのときの発言をちょっと引きますけれども、社会保険加入を初め処遇改善を進めているが、いまだ末端まで行き届いていないのが現状、これは我々も含めた全ての者に責任があり、物づくりは上から下まで全員がつくることが原点で、建設業の原点は現場にあり、現場の原点は職人にある。そして次に、最低でも保険加入はしないと若い人は入ってこない、元請にはきっちりと支払いをお願いする。そして最後に、社会保険について、ことしは完全加入の一年前だが、元請、専門業者ともに総論賛成でも各論で事態が進まない状況にあるが、勇気を持って実施するためにはことしが最後のチャンスだと。このように発言をされておるわけであります。これが現場の声だというふうに思っています。

 政府が建設業の社会保険未加入対策の目標年次としている平成二十九年まで残り一年強、一年と少しになりました。来年度は、建設業の将来のために重要な、まさに勝負の年になるというふうに思っています。このままできないんじゃないかという現場のお声もあるわけであります。

 私は、さらに加入をこの一年進めていくということに当たって、ポイントは二つあるというふうに思っています。

 一つは、社会保険に加入するための原資となる法定福利費が、発注者から元請、そして元請から下請へと、現場の労働者までしっかりと流れていくということです。どこかでとまっていてはいけません。今保険に加入しても、結局その原資がもらえないんじゃないか、こういう声も多くあるわけで、この点が一つ。

 二つ目には、社会保険の加入については、特に小規模事業者などにとっては、保険制度が複雑であります。この保険制度について、必要な保険に加入できているのかどうか、しっかりと認識するのが難しい場合もあります。全ての技能労働者の方が社会保険に加入できるようにするためには、関係者に適切な保険について正しく理解をしていただく必要があり、国としても保険加入について必要なサポートを提供していくことが重要だ。この二つがポイントだというふうに思っています。

 平成二十九年三月末まで、ことし一年が勝負でございます。

 そこで、提案であります。

 先ほど申しました、原資となる法定福利費をもらえないという問題。下請の業者さんが元請に法定福利費をくれとなかなか言いにくいわけでありまして、それを受けとめる窓口が必要だ。二つ目に、社会保険の加入をサポートするための必要な知識を教えてくれる、こういったような窓口を全国で、この一年、二年、期間限定でありますけれども、地域ごとに相談窓口を設ける必要があるというふうに思いますけれども、国交省の見解を伺います。

谷脇政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘がございましたように、国土交通省で、平成二十九年度に向けまして、建設業許可業者の社会保険加入率を一〇〇%にするという目標を掲げて、対策を進めているところでございます。

 現在、社会保険の加入率は年々上昇してきておりまして、企業単位では九五%、労働者単位で七二%というところまで来ておるところでございます。

 その中で、今御指摘ございましたように、重要な点といたしまして、法定福利費が元請企業から下請企業、現場の労働者までしっかりと行き渡るようにするということが非常に大切だというふうに認識をしております。

 このために、幾つかの取り組みを進めてございます。

 一つは、法定福利費を内訳明示した見積書、これを使うということの申し合わせを昨年一月にしてございます。その趣旨をガイドラインに盛り込みましたり、あるいは、法定福利費を内訳明示した見積書を作成するためのポイントというようなものをまとめて公表するというようなことをしております。

 さらに、昨年の後半でございますけれども、十月から十二月にかけまして、見積書の作成能力の向上を図っていただくために、作成方法に関する研修会というのを全国十カ所で開催してございます。こういうことで、その普及に努めてきているところでございます。法定福利費を内訳明示した見積書の活用も徐々に進んできているところでございます。

 今後、これらの対策に加えまして、特に取り組みがおくれております二次下請以下の中小の建設事業者の皆さんに対しまして重点的に対策を講じて、見積書の活用が業界全体に広く行き渡るように努めていきたいというふうに考えております。

 それともう一点、御指摘ございましたように、それぞれの就労形態に応じて加入すべき保険について正しく御理解いただくということは非常に重要でございます。

 これも、全国各地で説明会等を開催いたしまして、建設労働者が加入すべき社会保険について周知を図る、あるいは、いろいろな御疑問の点がございますので、そういうものに丁寧に対応するといったようなことをしてございます。

 そういう中で、昨年三月に、各地方整備局ごとに建設業フォローアップ相談ダイヤルというようなものも設置をいたしまして、相談しやすい環境整備に努めているところでございます。

 御指摘ございましたように、目標年次でございます平成二十九年度が迫ってきておりますので、社会保険の加入徹底に向けまして、今まで以上にきめ細かな対応を行ってまいりたいと考えております。

樋口委員 ありがとうございます。

 既存の窓口があるということですけれども、周知がなされていないというか、理解が進んでいないのも事実でありますので、保険の入り方の話だけではありません、本当にもらえていないという相談をきちんと受けられるような窓口を設置していただきたい、重ねてお願いを申し上げたいというふうに思います。

 次に、住宅政策について伺います。

 大臣所信の中でも、新たな住生活基本計画を策定し、居住者、住宅ストック、産業・地域の三つの視点から新たな目標を設定し、今後十年間の住宅政策の方向性を示すと決意を表明されたところであります。

 私は、この中でも、居住者、特に若年、子育て世代の支援が重要だというふうに考えております。昨年の秋に全国で青年意識調査というものをやりまして、七千二百七十二名の方から回答を得ました。その中で、若い皆様が将来に希望を感じることは何かと聞いた中で、複数回答、いっぱいありますけれども、その中で選んでいただいた断トツの一位が、希望は家族がいるということだというふうに答えられたわけです。そして、不安は何ですかと聞くと、その不安の第一位は、収入が不安定だということだったわけでございます。

 若い皆様のニーズは、やはり結婚したいという方も多くいらっしゃいました。しかし、なかなか出会いもなければお金もない、そして結婚ができない、こういう声も切実な声として私たちは受けとめました。

 例えば、結婚、出産を希望する若者の皆さんにとって、住宅費の負担というのは非常に重たい、大きな経済負担の一つであります。三十歳未満の勤労単身世帯の平均の消費支出に占める住宅費の割合は約二五%、四分の一が住宅費ということになります。

 若い皆さんが結婚をし、出産を希望されている方は出産し、そして安心して暮らすことができる住宅を無理ない負担で確保できるような政策。一つは、実質的な家賃の支援。もう一つは、空き家もふえています、そういう中において、公的賃貸住宅に加えて、民間の賃貸住宅を活用した支援。この民間の賃貸住宅、空き家も多くなっているわけですので、この住宅の供給を推進すべきだ、この二つを思っているわけであります。

 若い皆様が将来に希望を持っていただけるような住宅政策をどのように取り組んでいかれるのか、国交省の見解を伺います。

由木政府参考人 お答えいたします。

 若年の世帯、あるいは子育ての世帯が安心して子供を産み育てたいという思いを実現できるような環境を整備することは、大変重要であるというふうに考えております。

 お話しいただきました住生活基本計画、今大詰めの作業を進めておりますが、この中でも、目標の第一番目に、若年世帯あるいは子育て世帯が安心して暮らせる住生活の実現という目標を掲げたいというふうに考えております。

 そのため、例えば、今、一定の子育て世帯等が賃貸住宅に入られる際に、その整備費や家賃低廉化に対する助成を行う地域優良賃貸住宅制度というのがございます。こういった制度について、若年あるいは子育ての世帯に対する支援を逐次充実をしてまいっております。

 一つ御紹介を申し上げますと、二十七年度の補正予算におきましては、初めて、新婚世帯に対する家賃低廉化の対象を拡大するということをいたしました。また、子育て世帯に対する家賃低廉化の助成の内容を拡充しております。また、新年度につきましては、一人親世帯とか多子世帯に対する支援を拡充してまいりたいというふうに考えております。

 これ以外にも、例えば、UR賃貸住宅における近居割とか、あるいは三世代同居等にも対応したような住宅の支援とか、さまざまな支援策を講じてまいりたいと思っております。

 また、御指摘をいただきました、空き家を活用して、いわば民間賃貸住宅のあいている部分をうまく活用しながら要配慮者に対する住宅を供給するような新しい仕組みについても、ぜひ今後検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 そのための小委員会等の設置も今企画をしているところでございますので、そういった総合的な政策を加えて、若者、子育て世帯の支援を進めてまいりたいと思っております。

樋口委員 ありがとうございました。終わります。

谷委員長 再び、秋元司君。

秋元委員 再びありがとうございます。

 残りの時間はたっぷり質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。自民党の秋元司でございます。

 今度のテーマは二〇二〇年の東京オリパラに関連する件でありますが、今、一つ問題となっていますのが、このオリパラ時に開催されるいわゆる展示会とかイベント、そういった問題についてなんです。

 このオリパラは、私の地元江東区でも今現在八競技、八施設を迎えることになりますから、地元としては本当に歓迎しながら、一生懸命オリンピックを支えていきたいな、おもてなしの心を含めて取り組みをしたいという思いでございます。

 同じこの東京の臨海部に、御存じのようにビッグサイトという大展示場があります。オリンピックのときにいわゆるプレスセンターを含めたメディア施設としてここを利用ということになっておりますから、実は、オリンピックの期間、準備も含めて、二〇一九年の四月から、もうオリンピックも終わり、パラリンピックも終わり、片づけも含めて、二〇二〇年十一月までの二十カ月はビッグサイトは使えない、そういった状態に陥ります。

 そうしますと、いろいろと民間の中小企業を初めさまざまな業をやっている皆さんから、展示会というのは、本当に日本の中小企業が唯一世間の皆さんに自分の技術を発揮できる場だとか、または海外の企業が日本に来てPRする場だとか、非常に活性化しておりまして、これまでの実績の中で、失われる展示会としては約五百本、そして経済としても五兆円、そしてまたそういう大イベントでございますから、それに、例えばホテルだとか、電気だとか、装飾だとか、そういった関連企業が結局五千億経済損失があると言われているわけでございまして、オリンピックは盛り上がっていかなくちゃいけませんけれども、同時に、日本発のこのビジネス招致、そういったものを決して私は失わせちゃいけないと思っております。

 本来、ロンドン・オリンピックとかリオのオリンピックなんかは、実は別にメディアセンターの施設をつくって、そこでやってもらって、既存の施設は使わないということを今計画中、過去ロンドンにおいてもそうだったんですけれども、何かどうやら、IOCに問い合わせをすると、今のメディアセンター、ビッグサイトを使うべきだという強い意思が示されたようでございまして、メディア施設の新しい施設をつくるということは大分難しいというように聞いておりますが、今申し上げたこういった問題について、政府としてどのような見解を持っていらっしゃいますか。経産省、お願いします。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のように、展示会は中小企業の皆様方の商品やサービスの需要開拓、あるいは関連する事業者の皆様方への経済波及効果が大変大きいということで、経済の活性化に重要な役割を担うものである、かように認識をさせていただいております。このため、今御指摘のありました展示会場が使用できない期間におきましては、展示会の出展者の商談機会の喪失のみならず、展示会の関連事業者の皆様にも影響が生じることが懸念をされるわけでございます。

 こうした展示会場につきまして、従来より、地方自治体が中心となって整備をしてきたところであります。今御指摘の東京ビッグサイトにつきましては、この二月の二十三日、東京都が二〇一九年の四月から翌年の三月までの一年間、約二・四万平米の仮設展示場を設置する、このようなことを御表明いただきました。また、もともと二万平米の拡張を行うという予定がございましたけれども、これを半年間前倒しする、このようなことも御表明をされたわけでございます。

 また、あわせまして、全国各地で展示場の新設、増設の動きが見られまして、今後、日本の展示場の総面積は二〇二〇年に向けまして約四割以上増加するということが見込まれております。

 私ども経済産業省といたしましては、昨年十二月に、東京オリンピック・パラリンピックに伴う展示会場の利用状況に関し、情報共有そして対応を検討するための、大規模展示会の主催者の皆様方と東京都、千葉県、こういった御関係の皆様方を一堂に集めた連絡会議を開催させていただいております。

 今後とも、展示会の関連事業者の声をよくお伺いいたしながら、展示会の開催が可能な限り実現する方策などにつきまして、御関係の皆様方、関係省庁、関係自治体と最大限調整を図らせていただきたい、かように認識をさせていただいております。

秋元委員 今御説明いただいたように、東京都も大分努力しまして、代替施設を用意するということまでは踏み込んでいただいたんですが、でも、残念ながら、その代替施設を用意したところはオリンピック期間中はオリンピックで使いたいということになっていますから、結果的に、二〇二〇年の四月から秋の十月、十一月ごろまではビッグサイトを含めた、そして仮設として使う施設も全く使えなくなってしまって、これまでビッグサイトでやっていたイベントはこの期間はやはり使えないという事実は今のところ変わりないんです。

 それで、お隣千葉の幕張メッセも立派な展示場でございますから、ここを使うという案なんですけれども、実はここも今度オリンピック会場として決まってしまいましたから、ここもオリンピック期間中は使えないということなので、今、業者の皆さんを集めて、前後にイベントを集中できないかということを多分調整していただいてもらっていると思うんですけれども、私が聞く限り、それはなかなか難しいんじゃないかという声もありまして、まあここは展示場だけじゃないし、いろいろなイベントも開催されますよね、こういう施設は。

 ですから、オリンピックはオリンピックで盛り上がっていかなくちゃいけませんが、それによって経済損失がないように、この前後での調整が終わらない場合はぜひ新たな案というのを国も交えて考えていただきたいし、先ほど御答弁ありましたけれども、ビッグサイトも幕張メッセも各自治体の施設でありますから、国は基本的に関与していないんです。

 政策的には、今、経産省がこれは推進していかなくちゃいかぬという思いがありますけれども、国は箱物については全く関与しておりませんから、多少、都市計画の中で一部国交省がお金を出すということはあるかもしれませんけれども、箱物は全然国は関与していません。

 せっかく観光庁の中でMICEといった部署があって、これから観光立国もさらに一層推進する中において、こういった展示会場というものを本来は国がしっかりと意思を持って自治体と協力してつくる、予算もつけるし、場合によっては税も考えるとかいろいろなことをして、やはり国が主体となってやるということも私は政策の一つの柱として大切なことじゃないかと思っているんですけれども、見解を問いたいと思います。

田村政府参考人 今御指摘のように、展示会、イベント、それから国際会議といったいわゆるMICEを開催することによりまして、多くの外国人ビジネス客が訪日をし、そして国際交流や観光振興が促進されるということで、インバウンド施策の一環としてもMICEの振興というのは非常に重要だと思っております。

 こうした展示会、イベント等のMICEの誘致、開催を今後一層推進すべく、経済産業省を初め展示会等の関係省庁や地方自治体とともに、施設整備も含め今後のMICEの振興策のあり方をよく検討してまいりたいと考えております。

秋元委員 この政策に予算をつけていくためにはある程度政策判断が必要だと思いますので、ぜひ、きょうは大臣はいらっしゃいませんけれども、副大臣お二人が座っていらっしゃいますので、この質問の内容をしかと頭にインプットしていただきながら今後検討を深めていただきたい、そのように思っております。

 話題をかえます。

 おかげさまで、私の地元江東区、東京臨海部がありますから、オリンピックも含め、そしてまた、ことし十一月からはいよいよ築地からの市場の移転、新豊洲市場、そしてまた、さらに一層タワーマンションがどんどん建ってきて、ちょっと悩ましいこともありますけれども、結果的ににぎわいをさらに一層増してまいります。

 そうなったところにやはり出てくるのは、いわゆる東京湾岸道路、国道三百五十七号線でありますが、大変これから交通問題が顕著になってくると思います。

 いよいよ今月二十六日ですかね、東京港トンネルが開通しまして、これによって空港と港湾拠点へのアクセスの強化とか向上が期待されるわけでありますけれども、ますます交通問題が非常に問題になってくるのかなと思う中において、これは前々から地元自治体からも要望が出ておりますが、いわゆる有明、東雲、そして辰巳の立体化というのが非常に議論の中心となってきているんですけれども、この点について国交省の見解を問いたいと思います。

森政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のように、都内の湾岸エリアは、特にタワーマンション等の住宅、あるいは商業施設の開発といったものが進んできたことに伴いまして、例えばお台場にございます有明、東雲、そしてまた辰巳といったような地区の主要な交差点におきまして渋滞が多発しているということを私どもとしても認識しているところでございます。

 今御指摘にもありました東京湾岸エリアの国道三百五十七号線というのがございますが、東京港トンネルというのを今整備を進めているところでございまして、海側、横浜方面に向かってのそのトンネルが今月二十六日に開通いたします。また、反対側の千葉方面に向かいます山側のトンネルも三十年の開通を目標に、現在工事を行っているというところでございます。

 御指摘の江東区の辰巳交差点の立体化といったようなものにつきまして、私どもとしても、東京港トンネルの開通後の交通状況といったものも見定めながら、また、首都高速と非常に近いところでの工事になりますので、そのための地質調査あるいは測量といったようなことを進めていきたいというふうに思っております。

 ただ、それには非常にまた時間もかかるということもございますので、私どもとしても、例えば右折、左折レーンといったような改善も含めまして、短期的にできるものはどんどん関係機関とも調整をした上で、東京オリンピックあるいはまた地域開発にそごのないようにしっかりと対策を講じてまいりたいという所存でございます。

 以上でございます。

秋元委員 ぜひ、この問題は臨海部を今後発展させていく上で非常に大切なことだろうと思いますので、取り組みをよろしくお願いしたいと思います。

 最後の質問ですけれども、最後は、都市計画道路整備についてちょっとお伺いしたいと思います。

 この都市計画整備については、基本的には法律は国なんですけれども、運営は地方自治体でありますから、細かいことは本当は地方自治体に問わなくちゃいけないのでありますけれども、基本的な国のスタンスとして問わせていただきたいと思うのは、私は、やはりどうしても、地元は東京ですから、東京の例で申し上げますと、いよいよ第四次整備計画がほぼ発表されました。

 しかしながら、私がちょっと疑問に思うのは、例えば私の地元江東区においては、ちょっとマニアックな話をしますと、深川二丁目の十六番地から平野一丁目の八番地までの、いわゆる清澄通りに位置する東側なんですけれども、ここは約七十年前につくられた都市計画法による規制の区域でありまして、その主な目的というのは、平野一丁目八番地から三好一丁目一番地の住宅街を通って清洲橋通りに抜ける計画道路がある、その延長がこの規制区域となっているんですけれども、この計画道路というのは、東京の大密集地帯、タワーマンションが建っているところの真ん中を突き通すなんてことはあり得ない話であって、事実上、現実不可能だし、かわりに、これもマニアックな話で申しわけないんですが、いわゆる三ツ目通りが湾岸道路まで延びていますから、もはや必要性としてはない、こういう計画道路が残ってしまっているわけであります。

 そして、この規制が何をもたらしているかというと、結局、清澄通り、西側と東側を見ますと、西側はこの規制の枠がかかっていないので、商店街も含めた非常にいい、ちゃんとそこそこのビルが建ちながらきれいな町並みが広がっているんですが、東側の方は規制が残っちゃっているので、例えば三階以上のビルは建てられないだとか、いろいろなさまざまな規制が残って、見た感じ、差別感が非常にはっきり出ちゃって、この七十年の間ではいろいろ世代もかわっていますから、さまざまな資産のいろいろな継承があるんでしょうけれども、売買も進みながら、民間の活躍もあるんですが、残念ながら、少し客観的に見ても元気がない状態にも見えてしまっているわけであります。

 地元からも、この計画道路の見直し、早いところ規制を撤廃してくれ、規制をもう取り払ってくれという声があるんですが、こういった問題について国交省としての見解を求めたいと思います。

栗田政府参考人 都市計画道路の整備につきまして御質問を頂戴しております。

 都市計画道路は、都市の骨格を形成して、安全で安心な市民生活、機能的な都市活動を確保する、都市における基幹的な都市施設でございます。

 事業の着手におきましては地域住民などの関係者を対象とした説明会を開催するなど、住民の理解促進のための取り組みを行うことが必要と考えています。

 既に、委員、質問の中で言及されておられますけれども、東京都では、東京における都市計画道路の整備方針、いわゆる第四次事業化計画を策定すべく作業を進めておられます。昨年十二月に方針案を公表されまして、十二月から二月十日にかけてパブリックコメントが行われたところであります。今年度末までに、今月末ということですが、今後十年間で優先的に整備する路線の方針などを策定する予定というふうに伺っております。

 また、優先整備路線以外の路線の取り扱いにつきまして、これもまたパブリックコメントで地域住民からお示しのあった御意見なども踏まえながら、ことしの四月以降、都市計画で定められた幅員での整備が完了していない、しかし概成している、そういった道路の整備の必要性などにつきまして検討が進められるというように伺っておるところでございます。

 都市計画道路の整備につきましては、地域住民などの関係者からの御意見も踏まえまして整備を進めることが必要であると考えておりまして、東京都も同様の考えであると伺っておるところでございます。

秋元委員 ぜひ、見直しも含めて、国交省もいい指導をしていただきたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

谷委員長 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 軽井沢バス転落事故にかかわって、抜本的な安全対策を求める立場から、質問をさせていただきます。

 バス転落事故で十五名の方がとうとい命を奪われました。この三十年で犠牲者が一番多いバス事故となりました。亡くなられた方々に心からの哀悼の意を表したいと思います。そして、負傷された皆様の一日も早い回復を心から願っております。

 私も現地に行きまして黙祷し、そして献花をさせていただきました。

 現場は、国交省の現地の方に聞いても警察の方に聞いても、ほとんど事故がないところだということでございました。事故の当日、凍結もありませんでした。あと少しで坂が終わる、そういう場所でした。そういう場所でなぜ事故に遭わなければならなかったのかと、本当に無念の思いでいっぱいになりました。絶対に繰り返してはならない、そのための真剣な、抜本的な安全対策をとらなければならない。

 事故の直接的な原因は運転手の操作ミスだというふうに言われております。エンジンブレーキがきかなかったのではないか、ギアがニュートラル、スピードを出し過ぎていたのではないか、こういう原因が言われておりますけれども、技術力に不安があった運転手の方が運転しなければならなかった。なぜそうした運転手の方に事業者は運転をさせたのか、なぜ違反を繰り返し、安全を軽視する事業者を参入させたのか、国の責任は本当に重いものがあるというふうに思います。

 そこで、伺いますけれども、国土交通省は事故を起こした会社イーエスピーに監査に入って、三十三件の違反があったと報告をされております。このイーエスピーの三十三件の違反のうちで運転手にかかわる違反はどういうものがあったのか、お示しいただきたいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 事故を起こした貸し切りバス事業者、株式会社イーエスピーに対しましては、事故発生日、一月十五日から四回にわたり特別監査を実施し、同社の他の貸し切りバス運行も含め、御指摘のとおり、計三十三件の道路運送法関係の法令違反事項を確認しました。

 その中で、健康管理に関する違反が二件ございました。具体的には、所定の拘束時間を超えて乗務していた運転者がいたこと、休息を十分とらずに乗務した運転者がいたこと、また、一部の運転者に対し定期健康診断が未実施であったこと、さらに、新たに雇い入れた運転者に対し健康診断が未実施であったこと、以上のことが確認をされております。

本村(伸)委員 運転手の方は、中型に乗っておりまして大型はふなれであるというふうに言っておられました。高齢で、健康チェックもせず、実車の訓練は回送運行時一回だけであった。運転手の方が以前勤務していた会社で受診をした任意の適性診断で、一部の項目で最低の評価を受けていましたけれども、その診断結果は本人にも渡されることがなかったと報道をされております。

 そこで、伺いますけれども、なぜイーエスピーはこうした運転手の方を雇い、大型の貸し切りバスを運転させることになったのか、その背景を大臣はどのように考えているのか。私は、一九九九年に審議をされました道路運送法の改定など規制緩和、これが背景にあるというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいというふうに思います。

石井国務大臣 事故の原因につきましては、現在、警察において究明のための捜査を行っているところでありまして、その捜査の状況を注視しているところでありますが、今回の事故を起こしたドライバーについては、御指摘のように、大型車の経験が少なかった、事業者が当該運転者に実施した実車訓練が一回のみといった問題が判明をしております。

 貸し切りバスについては、平成十二年の道路運送法の改正により、需給調整規制の廃止を行ったところです。規制緩和の結果、サービスの多様化など利用者の利便向上という点で成果を上げているものと考えております。

 一方で、安全、安心なサービスの確保は需給調整規制の廃止後においても最重要の課題でございます。

 安全、安心なサービスを確保するためにはドライバーの技能の向上は極めて重要でありまして、国土交通省といたしましては、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会におきまして、ドライバーに対する訓練のあり方を含めた安全規制のあり方について総合的に検討し、実施に移してまいりたいと思っております。

本村(伸)委員 大臣はいつも、この規制緩和のことを問われると、サービスの多様化など利用者の利便向上という点で一定の成果が上がっているというふうに真っ先に言うわけですけれども、貸し切りバスの最大の、一番のサービスは安全ではないんですか。大臣の認識を伺いたいと思います。

石井国務大臣 もとより安全な運行をやっていただくということが大前提であるというふうに考えております。

本村(伸)委員 規制緩和の問題ですけれども、貸し切りバス事業を免許制から許可制にして需給調整をなくして、過度な競争にならないように、安全が守られるようにと調整してきた、そうしたものをなくした。安全確保も事前チェックから事後のチェックに切りかえた。それだけではなく、労働法制の規制緩和とも相まって、バス運転手の低賃金化、非正規化そして派遣など、働く人たちを安く使うということを進めてきた。そういう中で、教育や経験の不足という問題も生じてきているというふうに思います。

 規制緩和の後、バス事業に参入する事業者がふえて、法改定をした一九九九年度には二千三百三十六社、貸し切りバスの事業者はあったわけですけれども、最新の数字では二〇一四年度で四千四百七十七社ということになりました。

 そういうふうに事業者がふえる中で、一事業所当たりの収益は減り、民営バスの運転手の平均の年間所得も、一九九四年と二〇一四年を比べますと百七十九万円も減っている。そういう中で、若い人が就職をしようということにはならず、人手が足りない状況になっているというふうに思います。

 今回、事故で明らかになった運転手の経験、技量不足、高齢化、運転手の不足というのも、大もとには規制緩和が背景にあるというふうに言わざるを得ないと思いますけれども、大臣の認識を改めてお伺いしたいと思います。

石井国務大臣 需給調整規制を廃止した後、貸し切りバス事業者の参入がふえているというところは御指摘のとおりかと思いますが、そういった中で、国土交通省としても、貸し切りバスの運転者の労働条件や待遇の改善は重要だというふうに考えております。

 それで、平成二十六年四月から安全コストを反映した新運賃・料金制度を導入しておりまして、これは関越のバス事故を受けて新たに導入したところでございますが、国土交通省としては、この運賃・料金制度に従って適正な運賃収受が徹底されることが運転者の処遇改善のためにも重要だというふうに考えております。

 今回の事故を起こしたイーエスピーについては、新運賃・料金制度の下限運賃を下回る運賃で実施をしていたということから、下限割れ運賃の防止のための方策を、今、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会で検討しているところでございまして、その検討結果も踏まえ、適正な運賃収受を徹底していきたいというふうに考えております。

本村(伸)委員 実際には、この二十年間で、バスの運転者の平均年間所得というのは百七十九万円も減っているわけでございます。

 そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、今回事故を起こしたイーエスピーの全てのバス運転手の雇用形態はどのようなものになっていたかという点。

 そして、二点目ですけれども、貸し切りバス運転手全体の低賃金、非正規化が問題になっておりますけれども、賃金、雇用形態、非正規の場合はどのくらいの雇用契約期間の人が多いのか、派遣の人はどのくらいいるのか、社会保険の加入状況、こういう実態調査は行っておられますでしょうか。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 株式会社イーエスピーにつきましては、今回の事故を受けて特別監査を改めて実施いたしましたところ、運転者につきましては、フルタイムで勤務する運転者が十一名、それ以外の勤務体系による運転者十一名が確認をされているところでございます。

 それから、貸し切りバスの雇用形態についての実態把握の件でございますけれども、現在、全国の貸し切りバスの運転者、平成二十五年度ベースで八万三千百九十九人ということでありますけれども、これにつきまして、二十六年度に私どもサンプル調査を、これはバス全体で実施したところ、貸し切りバスに見る限り約八割が正社員で雇用されているといった結果が出ているところでございます。

本村(伸)委員 そのサンプル調査ですけれども、四千社以上ある中での二十六社の調査だと思いますけれども、よろしいでしょうか。

藤井政府参考人 サンプル調査で回答があった事業者については、二十六事業者でございます。

本村(伸)委員 先ほど言われました数字が、正社員が八割と言いましたけれども、圧倒的多数の中小零細のバス会社の雇用状況まで調べていないということが明らかなわけでございます。

 雇用契約期間が二カ月以上でないといけないというふうになっておりますけれども、二カ月、二カ月、二カ月と転々としている運転手でしたら、その運転手の資質を見抜くことは困難になるわけでございます。そのことは、結局安全を確保することが困難になるということだというふうに思います。

 安全を確保するという観点から、貸し切りバス会社の労働実態調査、賃金、雇用形態、非正規雇用の割合はどのくらいいて、そして雇用契約期間はどのくらいになっているのか、派遣の人はどのくらいいるのか、社会保険の加入など、こういう具体的な調査を行うべきだと思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 貸し切りバス業界における雇用形態についての調査は先ほど申し上げたとおりでありますけれども、今委員の御指摘を踏まえて、可能なものにつきましては、調査ができるところを検討してまいりたいと考えているところでございます。

本村(伸)委員 規制緩和でバス事業者がふえて、一社一社は収益が減る中で、人件費を削るしかない。労働集約型のバス事業でコスト削減となれば、結局、人件費を落として安全度を下げるということにつながってまいります。

 そこで、ちょっと大臣に確認をしたいんですけれども、バスの運転手というのは安全運行のかなめである、そういう認識があるのかということをお伺いしたいというふうに思います。そして、二点目ですけれども、バスの運転手というのは安全運行のかなめであり、そのかなめにふさわしい待遇が必要だということを大臣は認識されているのかという点を確認したいというふうに思います。

石井国務大臣 貸し切りバスに限らず、自動車事業の安全性のかなめは運転者だというふうに思っております。

 運転者の労働条件が改善することは、輸送の安全確保やバス運転者の不足への対応のために重要であるというふうに思っております。

本村(伸)委員 バスの運転手は、大事だというふうに言っていただきましたけれども、命を預かる大事な仕事でございます。安全の観点から、安全運行が確保できるという基準が必要だというふうに思うわけですけれども、運転手の安全運行を事業者に確保させる担保はどこにあるのか、お示しいただきたいというふうに思います。

藤井政府参考人 安全確保のためにバス運転手の技能さらには労働条件が重要なことは、先ほど大臣が申し述べたとおりでございます。

 特に労働条件につきましては、事業用自動車につきましては、全産業労働者と比較しても長時間労働という実態が見られており、運輸業における労働時間の改善について、引き続き取り組むべき重要な課題であると認識をしているところでございます。

 この課題の解決のためには、事業用自動車の運転者の勤務時間を定めたいわゆる改善基準告示の遵守が極めて重要であると考えておりまして、これにつきまして、厚労省と連携をし、しっかりとその遵守に努めてまいりたいと考えているところでございます。

本村(伸)委員 もう一つ確認ですけれども、道路運送法の二十七条に、事業者は、運転者の過労運転を防止するために必要な措置を講じなければならないというふうに書かれております。この過労運転を防止するために必要な措置というのは、改善基準告示を守るということでよろしいでしょうか、確認したいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、改善基準告示を守るということがまさにその意味であると考えております。

本村(伸)委員 厚生労働省に伺いますけれども、改善基準告示に違反した場合、罰則があるのかどうか、確認したいと思います。

大西政府参考人 御指摘の改善基準告示につきましては、違反した場合には罰則はありません。

本村(伸)委員 改善基準告示に違反しても、行政処分しかなく、罰則がない。やはり罰則つきの安全運行のための基準をつくるべきだというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。

石井国務大臣 運転者の安全運行を確保するためには、事業者が、改善基準告示に定められた労働時間等の遵守、点呼時の運転者の健康状況の確認、交代運転者の配置基準の遵守等、法令上求められている事項を確実に実施することが重要と考えております。

 国土交通省としましては、これらの取り組みを徹底すべく、法令の遵守状況について監査等において確認するとともに、悪質な違反業者に対しては、厳正な処分、行政処分をもって対処しているところでございます。

本村(伸)委員 イーエスピーに対して、昨年二月、国交省は監査に入り、違反が見つかったわけですけれども、処分をしたのは、ことしの一月十三日、事故が起こる二日前のことでございました。しかも、一台のバスの運行を二十日間とめるというだけの処分でございました。そこでちゃんと厳しい早急な対応があったら、今回のバス事故は起こっていなかったかもしれない。違反をしても甘い対応では、安全を軽視する事業者はなくならないというふうに思います。

 事故後の街頭監査なんかでも違反ばかりだ。違反が蔓延している現状は国交省も認めざるを得ないというふうに思いますけれども、監査とおっしゃいましたけれども、国交省の監査の職員は、今年度で、全国で三百六十五人しかいない。この人数で、貸し切りバスを初めバス、トラック、タクシー十二万社を監査しなければならない。十二万社を三百六十五人で監査するのはとても無理だというふうに言わざるを得ません。

 こうした貧弱な監査体制、それにもかかわらず貸し切りバス事業に参入しやすくする規制緩和を行った政府、国の責任というのは本当に重大だというふうに言わざるを得ないということを指摘しておきたいと思います。

 もう一つですけれども、一九九九年の規制緩和の道路運送法の改定の審議の際、この道路運送法と同時に、鉄道事業法、海上運送法、航空法、この四つの法案が一括して審議をされました。私どもはこの当時もこの規制緩和の法案に反対しましたけれども、審議も、四つ大事な法案が一括で審議される、一つ一つ十分な審議ができないという状況でした。決してこういうことを繰り返してはならないというふうに思います。委員会運営についても一言申し述べさせていただきたいというふうに思います。

 連日、バスの事故の報道がなされております。ここで、貸し切りバスの運転手の過労死の問題について伺いたいというふうに思います。

 長野県内の昌栄高速運輸株式会社で観光バスの運転手として働いていたTさんは、二〇〇八年八月十九日、日光でバスを運転中に脳内出血が起こり、同年十一月三十日、四十二歳で亡くなられました。

 この件で、ことし一月二十二日、長野地方裁判所は、過重業務、過重労働による過労死であるというふうに判断をいたしました。請求から七年かけてやっとこういう判決が出されました。

 国の方は、労働基準監督署の署長は、乗客が見学している間に運転席で待機しているのを休憩として労働時間には含めない、労働時間が労災の認定基準を超えるものではないというふうに主張をしましたけれども、今回の長野地裁の判決では、待機時間についても、完全に業務から解放されていたとは言えず、一定の精神的緊張を伴ったと判断をし、Tさんの業務が、不規則な勤務、拘束時間の長い勤務、出張の多い業務、交代制勤務、深夜勤務及び精神的緊張を伴う業務であり、疲労を回復できなかったとして、脳内出血の発症の起因性を認めました。

 Tさんのお連れ合いは、女手一つで働きながら二人の子供さんを育て、経済的にも精神的にも大変つらい日々を送られているわけでございます。ところが、国は控訴をし、この判決を認めようとしていないわけでございます。

 先ほども、道路運送法上の、事業者が過労運転を防止するために必要な措置とは改善基準告示のことだというふうに言われましたけれども、このバスの運転手のTさんは、脳内出血発症直前の二〇〇八年七月十五日から八月八日までの二十五日間で休日はわずか二日だけでございました。

 そして、改善基準告示では拘束時間は一週間当たり六十五時間というふうになっておりますけれども、九十時間十八分、改善基準告示よりも二十五時間十八分も多い拘束時間でございました。

 そして、改善基準告示では拘束時間は原則一日当たり十三時間までとありますけれども、十三時間を超える日は、実働二十三日の中で十二日もありました。出勤した二十三日間において、一日平均拘束時間は十四時間二分、一日拘束時間二十時間以上の日もありました、十八時間以上の日もありました。

 改善基準告示では、勤務から勤務までの間の休息期間は継続八時間以上というふうになっております。

 Tさんの場合ですけれども、例えば、七月二十四日は、夜中の二十四時五分、二十五日の要するに零時五分に退社をして二十五日の午前五時五十分に出社をした。休息期間は五時間四十五分しかありませんでした。二十六日も、この日は二十四時十分に退社をして七時半に出社をした。休息期間は七時間二十分しかなく、二日連続、休息期間は八時間未満でございました。

 八月五日は、頭痛のために午後五時五十分に入庫をしましたけれども、七時間四十分後の二十五時三十分、つまりは六日の午前一時半までバスの運転台からおりることができなかった。にもかかわらず、六日午前六時四十分に出社をして、休息期間は五時間十分。それで六日から八日まで二泊三日の観光旅行の運転に従事をいたしました。この三日間の拘束時間は一日平均で十四時間一分でございます。

 Tさんの勤務というのは本当に不規則で、出社が早い日は八月三日夜中の午前一時三十分が出社、退社が最も遅いのは七月十七日で二十六時五十分退社。七月十五日、八月八日までの二十五日間で宿泊は九日もあったわけでございます。七月十五日から二十七日まで十三日間休日がないという状況も続きました。こういう働かせ方をされていたわけでございます。改善基準告示違反のオンパレードです。

 厚生労働省に伺います。この事件、つかんでおられますでしょうか。

大西政府参考人 お尋ねの事件につきましては、現在訴訟で係属しておるというぐあいに承知しております。

本村(伸)委員 国交大臣にもお伺いをしたいんですけれども、こうした改善基準告示違反のオンパレードで過労死に至ってしまった事件、どのようにお感じになりますでしょうか。

石井国務大臣 改善基準告示に定められた休息期間が遵守されることによりまして適正な睡眠時間や休日が確保されるものと認識をしております。

 引き続き、厚生労働省と連携しつつ、事業者への指導や悪質事業者への重点的な監査等によりこの基準の遵守の徹底を図り、運転者の長時間労働の改善を図ってまいりたいと存じます。

本村(伸)委員 改善基準告示は、先ほども答弁がありましたように、罰則がない、こういう問題を抱えております。そして、この改善基準告示の違反の横行を放置してきたから、こうした最悪の過労死という事態になってしまったんだというふうに思います。

 Tさんは、七月二十四日二十四時五分、これは二十五日の零時五分ですけれども退社をして、二十五日午前五時五十分に出社ということもありました。この休息期間は五時間四十五分、この間に会社から退社をして家に帰り、お風呂に入り、そして食事をして、身支度をしてまた出勤する。睡眠時間は何時間だったのか。三時間や四時間だったのではないかというふうに思います。

 改善基準告示では、勤務と勤務の間の休息期間が八時間あればいいというふうになっておりますけれども、通勤時間や食事、お風呂、身支度、こうしたものを考えますと、睡眠時間の確保というのは本当に大変だというふうに思います。Tさんの場合は、この八時間以上という休息期間さえ守られておりませんでした。

 道路運送法上の過労運転を防止するために必要な措置というのは、改善基準告示を守ることだというふうに先ほど答弁をされましたけれども、この改善基準告示に違反するというのは、やはり過労運転であったということだというふうに思います。

 こういうひどい働かせ方をしていたのに過労死と認められないというのは、私は本当にひどいというふうに思います。早く控訴を取り下げて、一刻も早く御遺族の方を少しでも安心させるべきだということを強調しておきたいというふうに思います。

 改善基準告示の問題ですけれども、今の改善基準告示というのは、睡眠時間を問うておりません。私はここに問題があるというふうに思います。通勤で一時間かかって、往復で二時間かかって、食事、お風呂、身支度、事実上、睡眠時間が四時間でも構わない、こういうふうに改善基準告示はなっている。大臣は、これで本当に安全が守られるというふうにお考えでしょうか。

石井国務大臣 運転者の睡眠時間については、御指摘の改善基準告示において、休息期間の一部とされているところでございます。

 この休息期間は、原則として一日最低八時間以上確保するよう定められているところでございますが、これは、裏返して言えば、拘束時間が十六時間までということになるわけですね。しかし、拘束時間が原則は一日十三時間までで、十六時間まで延長可能なわけですが、ただし、拘束時間が十五時間以上は週に二回までというふうに改善基準告示にはされております。

 なお、この拘束時間でありますが、バス運転者の実際の運転などの作業時間と客待ちなどの手待ち時間を合わせた時間とされておりまして、これに仮眠等の休憩時間を加えた時間が拘束時間とされているところでございます。

 この改善基準告示で定められた時間を事業者がきちんと内容を遵守することによりまして安全性を確保することができると認識をしております。

本村(伸)委員 そもそも、道路交通法には、ひどく疲れた状態で車を運転してはいけないというふうに書かれております。

 さまざまな調査を読ませていただきましたけれども、睡眠時間八時間に比べて睡眠五時間だと運転中の脇見が多い、衝突事故や車両単独事故の関連要因を調べた結果、睡眠時間が六時間未満ということが有意な要因であるという調査も出ております。疫学調査の結果では、睡眠時間が六時間未満の者では、居眠り運転のリスクが有意に上昇していたという報告もあります。交通事故防止のためには夜の睡眠をきちんととることが何よりも重要という指摘も当然ながらございます。

 独立行政法人労働安全衛生総合研究所の高橋正也氏は、二〇一五年の「睡眠医療」でこういうふうにおっしゃっております。飲酒運転は厳しい罰則がある、しかし、体内では飲酒と同じ効果を及ぼす睡眠不全に対して社会的に甘いんだ、寝ていないなら乗るな、乗せるな、この認識を広めなければならないというふうに強調をされております。

 とりわけ、人を乗せて運転する、人の命を預かるバス運転手であるならば、寝ていないなら乗るな、乗せるなというのは当たり前だというふうに思いますけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。

石井国務大臣 道路運送法令におきまして、バス事業者に対し、疲労等の理由により安全に運転できないおそれがある乗務員を乗務させてはならないとしておりまして、点呼の際にこれを確認することを求めております。

 睡眠不足によって疲労が十分に回復せず、安全に運転ができないおそれがあると点呼の際に確認された場合には乗務させてはならない、このように考えております。

本村(伸)委員 改善基準告示の休息期間の八時間では、安全運行を確保するための睡眠が確保できないというふうに思います。現場の労働者の皆さんは、勤務と勤務の間の時間は十一時間は必要だ、睡眠を確保するためにも、疲労を回復するためにも十一時間は休息期間が必要だとおっしゃっております。

 そして、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の安部誠治先生も、運転手の労働時間を定めた改善基準告示の改正も厚生労働省に求めたい、乗務を終えてから次の乗務まで最低八時間の休息を定めているが、この時間を延ばすべきだ、通勤時間を考えると睡眠時間は四から五時間になってしまう、事故を教訓に、長い目で構造改善に取り組む必要がある、こうおっしゃっております。

 本気で安全運行というものを考えるのであれば、睡眠時間を確保できる休息期間の保障、これを検討し、実現しなければならないというふうに思いますけれども、大臣にぜひ政治家として判断をしていただきたいと思います。

藤井政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の改善基準告示につきましては、自動車運転者の業務の特性を踏まえ、全ての産業に適用される労働基準法では規制が難しい拘束時間の制限や休息期間の確保等の規制のあり方について、関係労使の同意を経て策定されたものであり、自動車運送事業の実情を踏まえたものであるということを認識しております。

 国交省としては、同基準の遵守を図るために、厚生労働省と連携しつつ、事業者への指導や悪質事業者への重点的な監査により同基準の遵守の徹底を図っているところでありまして、引き続き、バス運転者の長時間労働の改善を図ってまいります。

 なお、改善基準告示を法制化するかどうかにつきましては、厚生労働省の所管であると考えているところでございます。

本村(伸)委員 貸し切りバスの安全運行の確保を、国交省としては、そういう視点で、働くドライバーの皆さんの睡眠時間を確保できる休息期間の保障を検討し、安全基準として罰則つきでつくるべきだという提案なんですけれども、大臣の認識を伺いたいと思います。

石井国務大臣 先ほど委員が御紹介いただいた裁判の事例も、改善基準告示が守られていない事例だったと認識をしております。私どもとしては、まずはこの改善基準告示をきちんと守らせることが重要だというふうに考えております。

 罰則ということでありますが、先ほど申し上げたように、まずは監督等によって行政処分をするということになっておりまして、この処分等に従わない場合は罰則もあり得るという体系でございます。

本村(伸)委員 今回の軽井沢バス転落事故を受けて何が必要なのかということなんですけれども、市場の競争ではなく、安全性や公共性を優先させるということ、そのために、安全を軽視する事業者の参入規制を厳しくし、既存の事業者も含めて安全優先にできないそういう事業者の排除をするということ、二つの観点が必要だというふうに思うんです。

 一つ目が、先ほど来議論もありましたけれども、事業者の参入規制の強化でございます。事業者が安全を確保することができるかということを審査し、参入を規制する。例えば、人の命を預かるバスの事業だからこそ運転手の技量と経験を重視し、人を育てるためにも安定雇用を義務づける。二カ月、二カ月という雇用形態では安全教育だって十分にできませんから、安定的な雇用が必要だというふうに思います。

 そして、二つ目は、労働規制の強化でございます。先ほども申し上げましたように、安全のための睡眠時間の確保をちゃんと位置づけた改善基準告示の改善と、そして罰則をつける法制化が必要だというふうに思います。

 低賃金長時間労働の改善など、安全運行できる労働条件を確保するということに真剣に向き合うべきだということを申し述べさせていただきたいと思います。

 大臣に、事業者の参入規制、労働規制、この両方の規制強化、こうしたことを安全運行のために検討するべきだというふうに思いますけれども、認識を伺いたいと思います。

石井国務大臣 参入規制ということでございますが、参入時に事業者が安全に事業を遂行する能力が備わっているかどうか、これをチェックすることは重要というふうに考えております。

 平成二十四年四月の関越道のバス事故の後にも、参入時におけるチェックの強化を行ったところでありますが、改めて安全に事業を遂行する能力の事前チェックのあり方について、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会において総合的に検討を行ってまいりたいと存じます。

 労働規制については、これは厚生労働省の所管かと存じます。

本村(伸)委員 安全運行のために、事業者の参入の規制と同時に、働く人の労働条件を守る、その労働規制の強化、ぜひやっていただきたいということを申し述べ、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

谷委員長 次に、内閣提出、踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣石井啓一君。

    ―――――――――――――

 踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

石井国務大臣 ただいま議題となりました踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 踏切道については、昭和三十六年の踏切道改良促進法の制定以降、その数が半減し、遮断機のない踏切も大幅に減少してまいりましたが、踏切事故が依然として約一日に一件、約四日に一人死亡するペースで発生するなど、その安全確保が急務であります。また、交通の安全確保等の観点から道路管理の一層の充実を図る必要があります。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、改良すべき踏切道を指定することができる期間について、平成二十八年度以降さらに五カ年間延長することとしております。

 第二に、踏切道についてソフト、ハード両面からのさまざまな対策を促進するため、踏切道の改良に関する計画において、立体交差化、保安設備の整備等、従来の改良の方法に加え、カラー舗装等の当面の対策や駅周辺の駐輪場整備等の踏切周辺対策等を盛り込むことができることとしております。

 第三に、鉄道事業者と道路管理者が地域の関係者と連携し、踏切道に関して地域の実情に応じた対策を検討するための協議会制度を創設することとしております。

 第四に、道路管理者に協力して、道路の維持等を適正かつ確実に行うことができる法人等を道路協力団体として指定することができる制度を創設することとしております。

 第五に、交通の安全確保等の観点から、交通に危険を及ぼす不法占用物件等を道路管理者が迅速に除去することができることとしております。

 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由であります。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る十五日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十三分散会


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