衆議院

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第4号 平成15年6月27日(金曜日)

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平成十五年六月二十七日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 高村 正彦君
   理事 浅野 勝人君 理事 中谷  元君
   理事 浜田 靖一君 理事 松下 忠洋君
   理事 末松 義規君 理事 中川 正春君
   理事 赤松 正雄君 理事 一川 保夫君
      荒巻 隆三君    伊藤 公介君
      岩屋  毅君    金子 恭之君
      北村 誠吾君    小島 敏男君
      近藤 基彦君    新藤 義孝君
      杉浦 正健君   田野瀬良太郎君
      高木  毅君    谷田 武彦君
      谷本 龍哉君    仲村 正治君
      西川 京子君    林 省之介君
      福井  照君    牧野 隆守君
      増原 義剛君    松浪 健太君
      松宮  勲君    水野 賢一君
      宮腰 光寛君    森岡 正宏君
      伊藤 英成君    大畠 章宏君
      桑原  豊君    原口 一博君
      平岡 秀夫君    前原 誠司君
      山口  壯君    吉田 公一君
      渡辺  周君    佐藤 茂樹君
      丸谷 佳織君    佐藤 公治君
      中塚 一宏君    赤嶺 政賢君
      木島日出夫君    児玉 健次君
      阿部 知子君    今川 正美君
      金子 哲夫君    山谷えり子君
    …………………………………
   外務大臣         川口 順子君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      石破  茂君
   防衛庁副長官       赤城 徳彦君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   防衛庁長官政務官     小島 敏男君
   外務大臣政務官      新藤 義孝君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    秋山  收君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  増田 好平君
   政府参考人
   (内閣府国際平和協力本部
   事務局長)        小町 恭士君
   政府参考人
   (防衛庁防衛局長)    守屋 武昌君
   政府参考人
   (防衛庁運用局長)    西川 徹矢君
   政府参考人
   (防衛庁人事教育局長)  宇田川新一君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 篠田 研次君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長
   )            西田 恒夫君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    海老原 紳君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長
   )            安藤 裕康君
   衆議院調査局イラク人道復
   興支援並びに国際テロリズ
   ムの防止及び我が国の協力
   支援活動等に関する特別調
   査室長          前田 光政君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十七日
 辞任         補欠選任
  荒巻 隆三君     岩屋  毅君
  北村 誠吾君     増原 義剛君
  松宮  勲君     水野 賢一君
  木島日出夫君     児玉 健次君
  金子 哲夫君     阿部 知子君
同日
 辞任         補欠選任
  岩屋  毅君     荒巻 隆三君
  増原 義剛君     近藤 基彦君
  水野 賢一君     林 省之介君
  児玉 健次君     木島日出夫君
  阿部 知子君     金子 哲夫君
同日
 辞任         補欠選任
  近藤 基彦君     西川 京子君
  林 省之介君     松宮  勲君
同日
 辞任         補欠選任
  西川 京子君     北村 誠吾君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案(内閣提出第一二〇号)
 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二一号)


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     ――――◇―――――
高村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案及び平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官増田好平君、内閣府国際平和協力本部事務局長小町恭士君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛庁運用局長西川徹矢君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君及び外務省中東アフリカ局長安藤裕康君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
高村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
高村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原口一博君。
原口委員 おはようございます。民主党の原口一博です。
 法案について、逐次お尋ねを申し上げます。
 その前に、我が国は湾岸戦争のときにお金だけ出して、そして汗も血も流さないというようなことを言う政治家がいますが、それは全く間違い。外務省の御協力で、手元に、青年海外協力隊及びシニア海外ボランティアの皆様の海外での活動、この十年間だけでも二十名の方々、とうとい同胞の命が失われています。日本は、憲法の要請に応じて、その中で、最大限の、そして世界最大級の貢献国であるという前提のもとで、きょう、質問をさせていただきます。
 まず、なぜ今この特措法なのか、大きな政策転換があるんではないか、現行法でイラク国内に派遣できない理由は何なのか、法的な根拠を問いたいと思います。
 我が国は、この間、小泉総理は、今、イラクに踏み入れることは法律ができない限りできないということを明確におっしゃいました。そして、クロフォードでの会談、このことについて、そこで何を総理がおっしゃったか。周辺国への自衛隊派遣を検討しているというふうに言ったんだ、PKO法を周辺国では使えるんだ、これを使って貢献するんだということをクロフォードではおっしゃったというふうに総理はお答えになっているんですが、官房長官にお尋ねを申し上げます。
 クロフォードでの会談は、いろいろなところから漏れ聞くところによると、韓国軍以上の人員を出してくれ、つまり、千人以上出しますよということをおっしゃったのか、そんなことは言っていないのか。末松議員がブッシュさんの会見を引きましたが、ブッシュさんの会見を見てみて、これは、周辺国のロジスティックス支援というのはどこを読んでも読めない、イラクに対するフォースの支援というふうにしか読めないんですが、この点について、内容がどうだったのか、そして、イラクへの支援をそこで言ったことはないのか、改めてお尋ねをします。
 そして、防衛庁長官に、現行法でイラクに自衛隊が踏み入れることができない理由、そして、PKO法のどの条文で周辺国で自衛隊がやれるのか、その二点について、二つずつお尋ねをします。
福田国務大臣 五月二十三日のクロフォードの日米首脳会談におきまして、小泉総理が、自衛隊の出動、これをブッシュ大統領に約束をしたとか、今千人規模とおっしゃったけれども、これは全く根拠のないことでありまして、小泉総理の言われたのは、これはあくまでも、現行法に基づいてできることは今すぐでもやろうということで考えております、そのことによってイラクの復興に少しでも役に立つようにしたいんだと。
 イラクの国内に行くことは、特に自衛隊が行くことについては、これは現行法では許されていない、こういう観点から、周辺国において活動しよう、こういうことを申し上げたのでありまして、しかし、今後、イラクの状態を見ながら、実際に自衛隊がイラクに行って活動するかどうか、そういうことについては今後の検討課題であるという程度のことは申し上げたかもしれぬけれども、しかし、イラクに実際に自衛隊を派遣するといったようなことをその場でお約束をした、こういうことはございません。
石破国務大臣 私からお答えするのは必ずしも適切かどうかわかりませんが、PKO法でできるかできないかというお尋ねかと存じます。
 PKO法で規定をする業務として、人道的な国際救援活動への協力、これはできます。しかし、現在、イラクにおいて、国連PKO自体が展開をいたしておりません。そもそも国連PKOが展開をしておりませんので、本法案で規定をいたしております安全確保支援のような活動は行い得ないということでございます。これはもう非常に形式的なお答えで恐縮でございますが、そういうようなお答えになろうかと存じます。
原口委員 官房長官に確認をしておきますが、なぜこの質問を申し上げたかというと、いわゆる国際的な二国間、しかも重要な同盟における約束をされてきたとすれば、それは履行の義務があるだろう、約束がないのであれば、私たちは約束がないことを前提に議論すればいいから、私は伺ったわけです。
 それから、防衛庁長官、これは長官に伺うより外務大臣に伺う方が正しいんでしょうかね、PKO法のどの条文が使えるか。周辺国への自衛隊派遣をPKO法でやるというふうに総理がおっしゃったから防衛庁長官に伺ったわけです。その条文は何ですか。――もうきのう二時に通告しているんです。
福田国務大臣 では、私からお答えしますけれども、具体的に、法律でいえばPKO法、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律、この法律の三条の二号に「人道的な国際救援活動」、こういう項目がございます。この規定に基づいて自衛隊が行うことは可能であるということでございます。
原口委員 さっき、防衛庁長官、PKOは展開していませんね。展開していないけれども、いわゆるPKOの本体業務ではなくて、周辺国には、今おっしゃった三条の人道的な支援ということが現行法でもできるということでよろしいですね。
石破国務大臣 失礼いたしました。イラク国内においては展開をしていないということで申し上げました。
 ですから、周辺国での活動につきましては、今、官房長官からお答えがございましたとおり、PKO法第三条第二号、ここで読むことができるということでございます。
原口委員 これは、今、私たちも、この法案についてどういう姿勢をとるかということを鋭意議論しているので、その前提となることでございますのでお尋ねをしました。
 自衛隊の出動ないし海外派遣には、今まで、慎重であった方がいい、十分な歯どめがあった方がいい、そういう姿勢がございました。私は、安全保障のレジームというのも随分変わってきたであろうと。今まで、あいまいであること、仮想敵をつくらないこと、そして、緊急事態法制をつくることだけでも、これでも敵をつくるんだなどという議論があったわけですが、冷戦が終了した今、私たちは、そういうスタンスよりも、はっきりと自分たちの意思を示していくこと、その上で、しっかりとした合意に基づいた歯どめをつくっていくことが大事だというふうに思っています。
 そこで、外務大臣に伺いますが、委員長にお願いを申し上げまして、資料を一枚お配りさせていただきたいんですが、お許しいただけますでしょうか。
高村委員長 はい、どうぞ。
原口委員 お手元は、予算委員会の理事会に政府から提出をされた、平成十五年二月十四日の、いわゆる国連決議に関する統一見解でございます。統一見解でございますというふうに私は申し上げましたが、実は、これは統一見解ではなくて、統一見解を提出するのは不適切であるという理由がここで述べられたわけであります。
 そこで、外務大臣に伺いますが、私の理解が間違いでなければ、外務省は、国際的な法規あるいは国際的な取り決めを解釈し、そしてそれを国民にしっかりと伝える義務がある、そういうふうに思いますが、間違っていないでしょうか。
川口国務大臣 まさにそれが、外務省が日々努力をしていることの一つでございます。
原口委員 外務省設置法、この第四条の五において、今外務大臣がおっしゃったように、「条約その他の国際約束及び確立された国際法規の解釈及び実施に関すること。」これが所掌事務できっちり書いてある。そして、その後の四条においても、「対外関係事務の処理及び総括を行うこと。」としっかり書かれているわけです。
 ところが、皆さん、お手元に配らせていただいた、この統一見解を提出することは不適切であると考えると。三カ月前に政府が、私たちが六七八、六八七の根拠について、法的な解釈について、何回もここで議論をしました。それはなぜか。今回のイラク戦争の大義がどこにあるのか。それは、大量殺りく兵器、破壊兵器が見つかるか見つからないか、これも大事なことですが、どこに国際法の根拠があるのかということをぎりぎりに詰めていったわけです。その答えが、この平成十五年二月十四日の答えなんです。つまり、この場において、「決議六七八、六八七に係る政府見解を文書の形でお示しすることは必ずしも有意義とは考えられない。」だから見解を出せないんだというふうに言っているわけです。それが、三カ月後に、今回の法文の中にしっかりと。
 イラク戦争に対する姿勢は、政府の姿勢と私たちの姿勢は違う。しかし、復興に対する姿勢はほぼ同じだと思う。その中で、わざわざ私たちが、国会が求めたにもかかわらず、これは野党だけ求めたんじゃないです。予算委員会として求めたものに対して、それは出せないと言っておきながら、どうしてここにこういう法文が書けるのか、私には不思議でならないんです。整合性のある説明をいただきたいと思います。
川口国務大臣 思い起こしていただきますと、これは二月十四日という日付ですけれども、あのときは、この二番目の黒丸のところに書いてありますように、我が国としては、新たな安保理決議が最も望ましいと考えていた。平和的な努力の解決が可能であると思っていた。そのために、国際社会が懸命になって、みんな、それぞれのやり方で努力をしていた。そういう時期であります。
 我が国として、これも今まで何度も国会でお話をさせていただきましたけれども、その時期、日本の発言力が国際的に影響力を与える、そういう国になっている日本が、これによって武力行使が可能であるということを、我が国自身が平和的に解決をしようと思って努力しているときにそれをお示しするということは必ずしも有意義であるとは考えられない、そういうことであります。
 それはここに書いてあるとおりでございまして、「我が国が安保理決議がない場合に軍事行動が行われることを前提に、その法的根拠について見解をお示しすることは、」途中飛ばしますが、「外交努力に鑑み不適切」と考えます、そういうことでお話をしたわけでございます。これは、そういう二月十四日という時点においての、当時の状況で考えたときの判断であったということでございます。
 その後の展開で、我が国としては、六七八、六八七、一四四一ということで武力行使が可能であるということもお示しをし、そして、武力行使がもうどうしても避けられなくなってしまった時点で、そのような解釈といいますか、安保理の決議に基づいてそういうことが行われたということについて述べさせていただいたということです。
原口委員 委員長は外務大臣もお務めですから、今の答弁がいかに頼りないものか、委員長もおわかりになるかもわかりませんが、私は、私たち立法府の責任というものと外務大臣のスタンスとがやはり少し違うなと思います。
 私たちは、同盟国としてのアメリカのパワーの正当性、パワーの行使の正当性についても十分吟味して、それが正当であると思うのであれば、それを根拠づけてしっかりと国民に伝える必要がある。また、立法府に身を置く人間の一人として、私たちの第一の責務は、これは大臣、よく聞いていただきたいんですが、すべての人が理解でき、すべての人々にとってその意味合いが同じであるような、異論を挟む余地のない明快なルールを設定する、そのためにこの立法府があるわけです。そして、国際法についても、国論をさまざまな方向に国民の皆さんとの対話によってまとめていく義務がある。そのときに、あの時点においては六七八、六八七に係る政府見解は出せないというのであれば、国民は、何をもとにやっていいのかわからない。
 確かに、最後の努力が行われていました。私は、そのことは理由にならないのではないかと。時期的な問題によって解釈が変わる、あるいはその解釈に対する表明の仕方が変わる。では、何をもって国際法と正義を同定できるのか。その同定できる唯一の機関である外務省が、ここで答えを留保している。このことが、その後の日本の国論を大変わかりにくくしてしまった。
 リチャード・ホルブルックさんは、フォーリン・アフェアーズだったと思いますが、ドイツもフランスも、安保理決議一四四一に同意したときに、第二の決議を求めないことを了承していた、だが、米英が第二の決議を求めたために世界的混乱を起こし、とめどもない悪循環を起こした、これはホルブルックさんの意見ですね。ですから、これは本当かどうかわからない。
 しかし、私たちは、今ここに、一四四一、六七八、六八七、では、六八七のどこにそういうことが書いてありますか。そして、そのときに大臣は、一四四一が武力行使の根拠にならないということを私たちに答えられましたか。一四四一だけで武力行使の根拠になるかどうか、そこはどう答えられましたか。
川口国務大臣 どの時点でお答えをしたかということは覚えておりませんけれども、一四四一それ自体で自動性を持っていないというふうには申し上げております。
 それから、先ほど委員がおっしゃった件ですけれども、当然に、外交当局という立場というのは立法府の立場とは異なる部分があるわけでございます。外交当局が一言言うことについて、まさにみずからの外交努力の足を引っ張るようなことをしてはいけない。もし説明が矛盾をしているということであればこれは問題でございますけれども、外務省としては、理論的には矛盾をした説明はずっと申し上げてはおりません。
原口委員 ここで詰めておきますが、一四四一の中に、イラクが自由な査察を認めなければ、イラクは重大な帰結に直面するとされています。
 では、立法府と政府で立場が違うんだとおっしゃいますが、この重大な帰結というのは外交用語だと思いますが、具体的に何のことですか。
川口国務大臣 重大な帰結というのは重大な帰結であって、その時点で、具体的にこれが重大な帰結であるということを一つのことに限って言えるということではないと思います。
原口委員 やはり答弁になっていないんですね。重大な帰結というのは、具体的に軍事力の行使をいうんですよ。だから、軍事力の行使も含んだものをいうから、この一四四一を根拠にイラクが、きのうもおとといも外務大臣はお答えになりました、最後のチャンスを生かすことができなかったから、この一四四一を根拠に重大な帰結が生まれたんだ、そういう解釈じゃないんですか。そう言わないと私は整理がつかないと思うんですが、いかがでしょう。
川口国務大臣 一四四一におきまして、一四四一は、イラクが六八七に違反をしているということを言っているわけですけれども、そして、依然として犯しているということを決定した文書でありますけれども、そこで言ったことは、「申告書における虚偽の供述または省略並びにいかなる時点においてであれイラクがこの決議の履行及び実施のための完全な協力を行わないことは、イラクの義務の更なる重大な違反を構成し、」後、続きますけれども、構成するということを言っております。
 それで、さらに一四四一において、いろいろ言った後で、「その文脈において、同理事会がイラクはその継続的な義務違反の結果、深刻な結果に直面すると繰り返し警告してきていることを想起する。」というふうに書いてあるわけです。
原口委員 非常に情けない思いがします。私たち、国会の中で、与党でも野党でも限られた時間の中で審議を尽くそうとしているんです。その中で、今条文をお読みになっただけです。それは何回も私も読みました。この重大な帰結というのが、つまりは軍事力の行使も含んでいるというふうに解釈しなければ、一四四一が六七八、六八七までさかのぼって、そして効力を発生することにならないんですね。
 六八七についても、これはイラクがクウェートからの撤退と大量破壊兵器の破棄ですが、ここで、「重大な結果を招く」と書かれているのは一行しかないんですよ。これは、イラクが化学兵器の使用を認識し、また、イラクによりこのような兵器が重ねて使用されれば「重大な結果を招くことを確認し、」というふうに書いてあるんです。
 だから、私は、なぜこんなことを国会で議論するかというと、戦争というものが国際法と正義のどこに基づいて行われたのかということが常に確認されていかなければ、今回私たちが、今、自衛隊を派遣しようとしていますけれども、その大義も、その一番最初、一丁目一番地に書かれていることが揺らぐから言っているんです。いかがでしょう。
川口国務大臣 御質問が漠然としていて、何をお聞きになりたいのかよくわかりませんけれども、一四四一において、これは今までもかねがね申し上げてきていますように、六八七、六七八と、六八七が違反を決定されているわけですから、その場合、六七八に戻る。これは御説明を、論理的にはということで申し上げてあります。
 それで、六七八には必要な措置をとることができるというふうに書いてあるわけでして、何が必要な措置かということについて、武力行使を含み得るということは、これは前も御説明をしてきたとおりであります。
 したがいまして、私が御説明をしてきたことが何らかの矛盾を持っているということであれば当然問題がありますけれども、その当時、我が国としては、平和的な解決が可能であると信じ、そのためのまた努力を一生懸命にしてきたわけでありますから、その時点において、そのために何を日本として国際的に言い、国際的にしていくかということに非常に、これが外交努力であったわけです。
 それで、国際的に何を言うかということは、我が国が外国に向かって言うということだけではありませんで、国内で我が国が何を言うかということも含めて、それは我が国の態度であるということであります。
 それで、そのときに武力行使はあり得ないということを仮に述べていたということであれば、あるいは、その一四四一、六八七、六七八という論理的なつながりが存在し得ないということを述べていたのであれば、それは問題であったかもしれませんけれども、そういうことを全然申し上げていない。それは、論理的にはそういう可能性はあるということも申し上げているわけです。
原口委員 何で資料をわざわざ配付したかというと、六七八、六八七に係る政府見解は示せないとおっしゃっていたから言っているわけです。そこをエポケーしておいて、しかも質問が漠然としていると。私ははっきり聞いています。一四四一の中に書かれている重大な帰結というのは軍事的行動も含むんですね、そうでしょうかと。それはイエスかノーかでしょう。
川口国務大臣 説明をしてきていないとおっしゃいますけれども、この一番最初の黒丸のところで言っているのは、安保理決議六七八、六八七の規定ぶりについての理論的な説明、並びに九八年の米英による云々云々、やりとりについては、答弁したとおりである。また、安保理決議一四四一において決議六七八、六八七が引用されており、これらが現在も有効であるという点については答弁をしているというふうに書いてあるわけでして、きちんと説明をいたしております。
原口委員 その後の法的な解釈を聞いているんです。理論的説明はされましたよ。しかし、それは理論的説明であって、この六八七によってどうして軍事力が行使できるかというのはおっしゃっていませんよ。だって、ここで政府見解、文書の形で示していないわけです。ここで混乱したんですよ、堂々めぐりで。そして、一四四一についても全くお答えにならないじゃないですか。一四四一の重大な帰結というのは、具体的に軍事力の行使を含みますか、含みませんか。
川口国務大臣 今の御質問は、その当時も、それからつい先ほどもお答えをしましたけれども、六七八において必要な措置をとることができるというふうに書いてあって、それが武力行使を含み得るというのは国際社会としての考え方であるということは申し上げたばかりです。
高村委員長 川口外務大臣、もう一度、一四四一、六七八、六八七、その関連における考え方を示していただきたいと思います。
 川口外務大臣。
川口国務大臣 含み得ます。
原口委員 含み得るんですよ。だから一四四一の中で、これでやれたわけなんです。それが皆さんの解釈なんです。しっかりとそこを示すことが私はもっと早くに必要だった。そのときに、外交努力をやっているから政府見解を文書の形で示すことができないなんということをやってしまうから、わけがわからなくなる。
 これはまた後の質問者に詰めていただきますが、では、実際、この戦争でイラクの人たちは――きのう、夜、ニーズを出していただいた、これは、官房長官、正直感謝を申し上げたいと思っています。しかし、これは最終の形ではない。もっと深掘りしたものを出していただきたい。
 ニーズというふうにおっしゃいますけれども、では、実際にイラクの市民の方々はどれぐらい亡くなったんですか。そして、イラクは半分が子供たちですが、子供たちはどれぐらいの子供が父親や母親を亡くしたんですか。
川口国務大臣 イラクの民間人の死亡者数ですけれども、これは六月十日発表のAP通信の独自調査ということですが、少なくとも三千二百四十人ということになっております。
原口委員 子供たちはどうなんですか。それはAP通信という通信社の調べでしかわからないんですか。いわゆるCPAが活動をしている。CPAはそれを把握はしていないんですか。
川口国務大臣 現在入手可能な一番詳しい資料ということでAP通信のを引かせていただきまして、現在の時点でCPAがこれ以上詳しい数字を、内訳も含めて把握しているということはございません。AP通信の独自調査の今申し上げた数字、これが一番詳しい数字であるということです。
原口委員 とても残念な答弁だと思います。
 実際にだれに何を届けるか、その中で最も惨禍に見舞われた人たちが何人いるか、そして、最も弱い立場の人たちがどういう状態にあるかもわからないで、ここで議論をしている。調査団の人たちが大変な、危険な地域にも、あるいは思いをされながらやってこられた、そのことを私は多とする。しかし、そのこともわからないで法律をつくっていく、その恐ろしさを今の答弁で禁じ得ません。
 国際的武力紛争の一環として行われるオペレーションは現在進行中なのではないかという疑義を私も持っています。そして、終戦あるいは停戦の合意の相手である当事者をレジームチェンジという形でミサイルで攻撃して破壊をするというやり方は、これまでの戦争と全く違う形態です。ですから、合意がどこにあるのか、そして、いつ停戦になるのか、終戦になるのか、それもわからない。
 きょうは内閣法制局長官にお見えいただいていますので、この間の質疑の中で、集団的自衛権がこの法案の中で惹起されるではないかという委員からの指摘がありました。具体的に集団的自衛権の問題が惹起される。私が眺めた中では、私にはわからなかった。あるとしたらどこなのか。私は、強いて言うんだったら、集団安全保障の問題がこの法案の中で議論をされるというのはあるのかもわからない。しかし、ここは内閣の法律の姿勢をきっちりただしておきたいと思いますので、法制局長官の見解を伺いたいと思います。
秋山政府特別補佐人 ただいまのお尋ねでありますが、集団的自衛権というものにつきまして、従来から申し上げておりますところでありますが、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利というふうに考えております。
 今回の法案は、第一条に定義するイラク特別事態を受けて、イラク国民それから国際社会のいろいろな努力や取り組みに対して我が国が主体的かつ積極的に寄与することを目的としておりまして、人道復興支援活動及び安全確保支援活動を行うことを内容としているものであります。
 したがって、今回の法案につきましては、その目的、内容とも、集団的自衛権と関係のあるところは、法案の内容自体についてはないものと考えております。
原口委員 ありがとうございます。
 集団安全保障の中で議論をしていく問題についてはお触れになりませんでしたが、そこについても触れてください。
秋山政府特別補佐人 集団的安全保障と申しますのは、国際法上、平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為が発生したような場合に、国際社会が一致協力して、このような行為を行った者に対して適切な措置をとることにより平和を回復しようとする概念でありまして、国連憲章にはそのための具体的な措置が定められていると従来から申し上げております。
 今回の法案は、先ほど申し上げましたとおり、イラク特別事態、第一条に定めておりますが、これに向けたイラク国民の努力あるいは国際社会の取り組みに対し、我が国が主体的、積極的に寄与することを目的とするものであります。
 この場合、イラク特別事態そのものは、第一条に引用しました関連安保理決議に基づきまして、集団的安全保障措置として国連加盟国により行われた武力行使がその直接の契機となってはおります。しかしながら、今回の法案は、このような事態を受けて、各国に、イラクに対する人道復興援助及び安全、安定への貢献に対する措置などを求める安保理決議一四八三に基づきまして、国際協調の精神のもとに我が国も相応の貢献を行おうとするものでありまして、ただいま申し上げましたような集団的安全保障措置に我が国が参画することを内容とするものではございません。
原口委員 集団的自衛権の問題も集団安全保障の問題も、もちろんこのイラク戦争そのものは集団安全保障の枠組みだと今答弁されましたから、我が国が行う行動については二つとも議論の外であるということでございます。
 ここであえて伺っておきますが、集団的自衛権を保持しているが使用できないという政府解釈をずっととられていますが、この根拠はどこに基づいているんでしょうか。憲法の要請があるとすれば、どの文章、どの条文なのか、あるいは国際法の何なのか。どうぞ。
秋山政府特別補佐人 憲法上、我が国が集団的自衛権を行使できないと考えております理由でございますが、憲法九条一項、これは、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」それから第二項で、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と規定しております。
 政府は、従来から、このような文言を持つ規定のもとにおいても、外国の武力攻撃によって国民の生命、権利が根底から覆されるというような急迫不正の事態に対処しまして、国と国民を守るための、やむを得ない、必要最小限度の範囲で実力を行使することまでは禁じられていないと解しております。
 ところで、集団的自衛権と申しますのは、先ほど申しましたとおりでございまして、我が国に対する急迫不正の侵害に対処するものではございませんで、他国に加えられた武力攻撃を実力で阻止するということを内容とするものであります。我が国が主権国家である以上、国際法上このような権利を持っていることは当然であると考えておりますけれども、先ほど述べたような個別的自衛権の場合と異なりまして、憲法九条のあのような文言のもとでは、この行使が容認される、許容されるということにその根拠を見出すことはできないのではないかと考えてきている次第でございます。
原口委員 持っているけれども憲法九条が行使を容認していないという解釈ですね。私は、この問題について、非常に深く議論をしていかなきゃいけない問題だということをここで指摘しておきます。
 さて、また特措法に戻りますが、テロ特措法のときには武器の輸送を認めていませんね。これは修正の中でそれが入ったわけですけれども。きょうはテロ特措法については議論をしませんけれども、テロ特措法で武器の輸送を認めていないにもかかわらず、今回のイラク特措法において武器弾薬の輸送業務といったものを排除していない、これはなぜですか。
石破国務大臣 先生御指摘のように、議員修正によりまして、テロ特措法におきましては、外国領域における武器弾薬の陸上輸送を行わないことにいたしました。
 一方、本法案に基づきます安全確保支援活動は、イラク国内における安全及び安定を回復するために行われる国連加盟国の活動を支援するために我が国が実施する医療、輸送、補給等、武力の行使に当たらない活動、当然のことでございますが、武力の行使に当たらない活動をその内容としておるわけでありまして、武器弾薬の輸送それ自体は、憲法が禁じております武力の行使というものに当たらないものでございます。そしてまた、この地域は非戦闘地域になるわけでありますから、一体化という問題も生じない。非戦闘地域においてしか行わないということは、きのうも答弁を申し上げたとおりでございます。
 したがいまして、基本的に戦闘が終わっているイラクの中で、イラク復興のための国際社会の取り組みに寄与することを目的としておりますので、あえてこれを外すということの必要性、これが認められないということでございます。
 きのうもお答えをいたしましたように、私どもが仮に武器弾薬の輸送を行うことがありましても、それは起点も終点も非戦闘地域でございます。ですから、当然、武器弾薬の輸送ということそれ自体は武力の行使ではございません。そして、非戦闘地域において行うわけでございますから、一体化という問題も生じないわけでございます。したがいまして、この法案におきましてそのことを排除していないという理屈でございます。
原口委員 やはりそこにはかなりのフィクションがあると思うんですね。非戦闘地域であれば、武器弾薬の輸送というものが、武器弾薬そのものの需要というものが、輸送の需要というのがそれほど出るわけではない。テロ特措法には抜かしておいて、わざわざここに書き込む理由というのは、私は、ここはよほど詰めて議論をするべきだということだけ指摘しておきます。
 さてそこで、これまで英米兵の命が失われています。よく数だけで言われていますけれども、外務大臣に伺いますが、現在、アメリカ軍、イギリス軍、この亡くなった方々、どれぐらいが襲撃で亡くなっていますか。そして、亡くなった場所はどこですか。襲撃をした相手はだれですか。
川口国務大臣 五月一日以降の数字でして、アメリカ軍で亡くなった方は四十七件五十六名ということですけれども、そのうち襲撃で亡くなった方は十七名。それから、イギリス軍でいきますと、死者総数十名で、襲撃で亡くなった方は六名ということになっています。
 それで、場所ですけれども、それぞれの方について死亡した理由あるいは場所、ございますけれども、もし必要でしたら十七名の方についてそれぞれ申し上げますが、まとめて申し上げることはちょっと難しいと思います。
原口委員 時間を節約していただいてありがとうございます。
 襲撃による死者が発生した場所はイラク全域にわたっていますね。プロットしていただきましたら、北部のところだけはない、いわゆるクルド人の居住地域だと思いますが。あとはほぼイラク全域で襲撃が起こっている。そして、今外務大臣がお話しになりました、米兵十七名、そして英兵六名のとうとい命が失われています。
 こういう状況の中で自衛隊を派遣するということについては、具体的なニーズと業務についてやはりきっちり基本計画に書き込んで、そして、私は、本来であれば、この法案と一緒にある程度の骨格を示していただきたかった、あるいは、これは示すことができるのではないかというふうに思うわけでございます。
 昨晩出していただいたニーズというところで、医療、補給、移送、施設などの分野で人道的なニーズがあると。その中で、実現可能性があると規定される業務の例として現地のニーズを聞いてみた。イラクの国内外での人員、物資等の輸送ということが輸送業務の中で書かれています。これは具体的にどういうことですか、防衛庁長官。
石破国務大臣 これは、きのうの与党の報告にも空輸のニーズということが挙げられておりました。
 現在検討しております、これは、先ほど冒頭委員が御指摘になりましたように、PKO法に基づきまして、例えて言えば、ヨーロッパのいろいろな地域からアンマンまで空輸してそこに集積するというようなことを行うということが想像されます。しかし、それは集積しただけでは仕方がないのであって、それが人道支援の物資としてイラクの中に必要であるということになりますと、それをイラク国内に輸送するということが考えられます。それは、やはりPKO法ではイラク国内には入れないのでありまして、この法案によってそういうようなニーズを満たすことが可能になるというふうに考えております。
 空輸で申し上げればそういうことでありまして、他に、本当に子細に、ニーズがどれぐらいあるかということを把握しておるわけではございません。しかし、空輸については、明らかにそういうニーズがあると考えております。
 陸上につきまして具体的にこのようなニーズがある、それは当然非戦闘地域でやらねばならないわけでありますから、そこについて確たるイメージをお示しすることは、現時点ではなかなか困難かと考えております。
原口委員 もう一点、補給についても出していただきました。
 補給業務のイメージとしては、イラク国内における水の浄化、補給、配給、関連する輸送手段も含むということでございますが、イラクの人道復興支援にかかわる各国軍隊の派遣の状況からすると、こういう同種のことをやっている国というのはどれぐらいあるのか、そして、これは具体的に何を意味しているのか、ここについても、この一行だけではよくイメージがわきませんので、ぜひ教えていただきたいと思います。
石破国務大臣 同種のことをやっている国がどれぐらいあるかにつきましては、済みません、ちょっと調べさせてください。
 ただ、私どもが持っております水を浄化する能力というのは、かなり際立ったものだという認識をいたしております。これはもういろいろな災害等でその能力というものは評価をしていただいているわけでございます。
 そして、与党の調査団の御報告の中にもありましたように、そのニーズが明らかに存在をしている。不衛生な水を飲んで、まさしく委員がおっしゃいますような、子供たちあるいはお年寄り、そういう方々が病気になっている状況がある。そうしますと、他国の能力をさらに凌駕すると申しましょうか、そういうような我々のニーズは存在しているというふうに考えております。
 それが具体的にどうなるかというのは、これは、例えばチグリス、ユーフラテスという川から引くのか、あるいは、委員も御案内かと思いますが、バグダッド市内には、バグダッドに特定するわけではありませんが、沼のようなものがございます、それで、どのような形でやることが一番イラクの市民の健康というものを守るためにふさわしいのかということをさらに検討していくことになります。
原口委員 私は、国会との関係でも、やはり、政府がお決めになった基本計画に基づいて二十日以内に国会に承認を求めるということで自衛隊を外に出すのではなくて、これも事前の承認を、本当にそれでいいのかといったところをやはり踏み込むべきだという意見を強く申し上げておきます。
 そして、昨日の我が党の大畠議員の質問に対して、いわゆる武器使用というのは、これは何を持っていって、何は持っていけないということが法によって決まっているものではございませんと。携帯する、自衛隊が持っていく武器ですね、それは何に制限があるというものでもない、日本国の自衛隊というのは制限されたものしか持たせないんだということは誤りなんだということをおっしゃいました。
 これは、自衛隊の持っていく武器が無際限に、法の根拠によらずに持っていけるということをおっしゃったんじゃありませんね。言葉は、これは聞くと、何でも持っていけるんだというふうに大変誤解をする人がいると思いますので、訂正されますでしょうか。
石破国務大臣 それは、みずからを守るために何が必要なんだということにおいて、当然持っていくものは定まるということだと思っております。そしてまた、憲法が予定をしております武力の行使に当たらないということは当然のことでございます。
 しかし、では、みずからを守るためだったら何を持っていってもいいのかということになりますと、それはそういうことにはなりませんわけで、これは例えば、そういうような、何として特定するわけではございませんが、極端な例で申し上げますと、戦車なぞを持っていかねばならない、そんなことだとすれば、それはもう既に戦闘地域なのであります。そういうところにおいて私どもが活動するということはございません。
 本法案上、明示的な規定があるわけではございませんが、具体的には、現地の治安情勢、自衛隊の部隊等が実施することとなる対応措置の内容などを総合的に勘案いたしまして、自衛官が有する専門的知見を踏まえまして、必要なものを政府として基本計画において定めることになるわけでございます。
 ですから、委員おっしゃっていただきましたように、何でも持っていける、そういうことを申し上げたわけではございません。それはおのずから、おのずからそこには自分を守るために何を持っていくのかということは定まってまいりますし、それを基本計画において定めるということになるわけでございます。仮に、何でも持っていけるというような誤解を与えるといたしましたらば、これはおわびをして訂正させていただきます。
原口委員 自衛隊法の八十七条と九十五条に定められたこの範囲において、警察比例の原則と申しますか、いわゆる自分たちの身を守るために携帯が許される武器が決まるというふうに理解をしております。
 さて、もう時間が迫りましたので、私はこの法文の中で、八条の六のところは、逆に反対解釈ができるようなものを、「自衛隊の部隊等が対応措置として実施する業務」、つまり、「戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備」を含まないとする、こういう明示をしたことに大変危惧を覚えます。逆読みをすることができますから、これ以外は何でもできるということになってしまう。
 あるいは、劣化ウラン弾に対する政府の姿勢についても、私ははっきり抗議を申し上げておきます。一九九六年の人権委員会小委員会で、法的拘束力はない。しかし、アトピーだって、原因がわからないけれども、苦しんでいる人はたくさんいるんです。劣化ウラン弾による白血病被害というのは想像を絶するものがあると幾人もの人たちが言っている。
 そこに対して幾ら劣化ウラン弾が使われたかわからない、そして、影響はないと言っているなんということでは、私たちのこの活動が本当に人道支援の名に値するものなのか。そして、政府がきっちりと説明責任を果たして、もし自衛隊が派遣されるということになれば、その方々の健康も守れるのか、そのことについてきっちりと議論を、審議を詰めてやるべきだということを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
高村委員長 次に、岩屋毅君。
岩屋委員 おはようございます。岩屋でございます。
 私は、二十日から二十五日まで、与党調査団の一員としてイラクを見てまいりました。当委員会の杉浦委員が団長さんで、公明党の斉藤委員さん、それから小島、新藤両政務官にも御同行いただいて見てまいりました。
 この委員会の議論、途中から拝見をしておるわけでありますが、イラク戦争の大義についての議論もございます。また、大量破壊兵器の有無、これは英米でもいろいろと議論になっておりますが、こういう議論もございます。
 それはそれで大事な議論には違いないとは思いますけれども、私ども、戦後のイラクの中を必死に生き抜こうとする人々をこの目で見てまいりました。とりわけ、恐らく自分の国に何が起こったのかということを正しく認識することができないであろう子供たちのあの笑顔がまぶたに非常に焼きついております。
 イラクは、国土全体が今疲弊をしているというふうに思います。戦争被害はむしろ局所的だなというふうに感じましたが、長い間の経済制裁、あるいはフセイン施政下における民生への投資不足、こういったものを通じて国土全体が非常に疲弊しているな、こういう印象でございました。
 実際に、戦争が行われ、そして終結をし、イラク政府は崩壊をしているわけでございます。さきにイラク復興に関する国連の決議も採択をされたところでもありまして、その決議によって当局として認知をされたCPA、連合暫定施政局も、その中で今必死に活動を続けております。私どもとしては、国際社会の責任ある一員たらんとする我が国としては、このCPA等を通じて、あるいは国連等を通じて、より具体的な、また即効性のある効果的な支援を行うことが何よりも大事なことだというふうに感じて帰ってまいりました。
 また、そのことが、イラクを含む今後の中東全体の、アラブ社会全体の安定につながっていく、そして、この地域とこれからも密接な関係を保っていかなければならない我が国の国益にも資する、このように確信をしているところでございます。
 野党の皆さんも現地に赴かれまして、私どもと同様の空気を感じてこられたのではないかと思います。私も報告書も拝見させていただきました。それほど違った認識になるはずはないな、こういうふうに思うわけでありますが、この委員会の議論を通じて、恐らく最終的には共通の認識に立っていけるのではないか、このように信じております。
 そこで、私は、今法案で予定されている自衛隊の派遣そのものについて、幾つか基本的なことを質疑を通じて整理させていただければというふうに思います。
 まず、大前提のまた大前提という話になろうかと思いますが、さきに私は、この戦争は終結したというふうに申し上げましたが、国際法上は今回の戦争の終結というのはどういうふうに解釈をすればいいのか。相手政府はなくなっている、代表する首領も行方がわからない、これは国際法上はどういうふうに理解をすればいいのか。この戦争は終結をしたということは、どういう言い方が国際法上はできるのかということを聞かせていただきたいと思います。
川口国務大臣 イラクに対する米英の武力行使でございますが、これはまず、国連憲章第七章のもとでの六七八、六八七、一四四一を含む関連の安保理決議に合致するものであるということで、伝統的な戦争ということではないということを、まず第一点申し上げたいと思います。
 伝統的な意味での戦争というのは、太平洋戦争を考えていただければ、宣戦布告があって、それで講和で終わった、そういう形の戦争ですけれども、国連憲章のもとでは、現在、武力行使は、安保理決議によるものかあるいは自衛のものか、二つに限定をされているということでございまして、伝統的な意味での戦争はいけないことになっているわけでして、これはそういう意味で、伝統的な意味での戦争ではないということです。
 それで、まず、戦争ということで言いますと、一般的にいろいろな国際紛争解決手段とか、そういうことが言われてきているわけですけれども、現在は、先ほど申しましたように、伝統的な意味での戦争というのは認められないということでございますので、したがって、どのような形で、戦争が終わったかどうかというそのこと自体、今までの形で論ずることはできなくなっているというふうに思います。
 それで、我々は、基本的には戦闘が終了しているというふうに申し上げているわけでございます。その意味は、フセイン政権の残党による散発的な、局地的な抵抗があるということでありますけれども、基本的には終了をしている。ただ、現時点では、まだそういった散発的、局地的な抵抗活動があると同時に、西部あるいはクルド人地区を除く北部においては依然として治安は不完全であるというふうに思っています。
 したがいまして、イラク国内における戦闘が完全に終了したというふうには言えないということでございます。
岩屋委員 伝統的な戦争ではないと。ブッシュ大統領が言ったように、しかし、重立った戦闘は終わったと。外務大臣、今おっしゃったように、重立った戦闘は終わったが、ごく一部にそういう戦闘の継続も見られる、こういうふうに解釈するというか、言うしかない状況なのだろうと私も思います。
 そこで、イラクの治安状況はどうかということが今回の調査団の最大の課題の一つだったわけでありますが、私どもは本当に短期間の滞在で、決して十分とは言えないとは思いますが、二日間で千六百キロにわたって、イラクの西部から入り南部に抜ける、バグダッドの西部から入り南部に抜けていくという行程でございました。その間、身の危険を感じることは一度もありませんでした。
 先ほどからお話が出ておりますように、米英軍を中心に一部に散発的な襲撃があって犠牲者が出ているということは確かに事実でありますが、それも決して計画的、組織的なものではない。どこかに首領がいて、組織的に連携がとれておって、しかも計画にのっとって襲撃をやっておるということではない、このように私どもも認識をしましたし、多くの関係者の証言といいますか、お話もそういうことで一致をしておりました。
 そういう意味では、私は、イラク全土が非戦闘地域と言っても過言ではないというふうに思うんですが、それでは今回の法案の書きぶりにはそぐわない。戦闘地域、非戦闘地域ということを区別していく、こういう書きぶりでございます。
 であるとするならば、確かに、ティクリートでありますとか一部の地域で掃討作戦というものが行われているということでございました。掃討作戦をやるということは、決して計画的、組織的とは言えないまでも、ある程度のまとまりらしきものが認められるから、その地域においては掃討作戦をやろう、こういうことになっているんだろうと思います。
 したがいまして、この法案の書きぶりに従えば、一部掃討作戦が展開されている地域は確かに戦闘地域だ、その他の地域については、現在のイラクの治安の状況からして非戦闘地域だ、こういうふうに区分けしても私は構わない、それが妥当ではないか、こう思うのでございますが、いかがでしょうか。
石破国務大臣 その前に、大変お疲れさまでございました。貴重な報告をいただきました。感謝申し上げます。
 戦闘地域、非戦闘地域というのは、これはもうずっと答弁申し上げておりますとおり、憲法の要請に従いまして、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで行われる活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる場所でなければいけない。それは、国または国に準ずる者による国際的な武力紛争の一環としてのそういうようなことが行われる地域においては、そもそも我々の自衛隊は活動してはいけないということで設けた概念でございます。ですから、非戦闘地域において我々は活動するということを担保しておかなければいけない。
 それでは、現地はどうなのだろうかということになりますと、委員がおっしゃいますように、アメリカが掃討作戦をやっているようなところ、それはやはり組織的、計画的に、そういうことが否定し得ない地域だと思います。ですから、そういうような、米軍が掃討作戦を行っているような地域というものはやはり非戦闘地域にはなり得ないものだというふうに考えておる次第でございます。
岩屋委員 私は、基本的にそういう区別でいいのではないかなというふうに考えておるところであります。
 次に、時間がないので進ませていただきますが、今回の法案にのっとって自衛隊が派遣される場合、それはどこを窓口にし、一体どこに対して貢献をするのか、こういう議論があろうかと思います。
 私は、占領軍という言葉がちょっとひとり歩きをしているように思います。確かにイラクの人々にとってみれば、攻撃の主体であった米英軍、これはいわゆる占領軍というふうに見えるでありましょう。しかし、実際には、現在は、さきの国連決議を踏まえて、攻撃に参加しなかった国々も含めて十三カ国の軍隊がイラク国内に展開をしております。さらに、派遣を決定した国も、この段階で十四カ国ございます。日本が参加をするということになりました場合は、もっとその数はふえているでありましょう。この現状から考えると、私は、占領軍という言い方、呼び方というのは適切ではないというふうに思います。
 戦後にイラク復興のために軍隊を派遣している国々は、何も占領に加担をしようとしているわけではないわけでございまして、自衛隊の派遣は占領軍への奉仕だ、占領軍に対する支援だ、占領軍に対する貢献だ、こういう言い方は当たらない、このように思いますが、それでよろしゅうございますか。
川口国務大臣 おっしゃられますように、全く当たらないというふうに考えます。
 我が国がやります支援というのは、安保理決議一四八三のもとで、各国が資金面、物質面、そして人的な面で協力することを通じ、イラク復興等への支援についてやっていくということの我が国としてのあり方といいますか貢献であるということでございます。
岩屋委員 現地の調査で判明をいたしましたことというのは、復興に当たっているそれぞれの機関がどういう相関関係にあるのか、そこを解明するというのが調査団のもう一つの課題でございました。
 既に杉浦委員や斉藤委員からの質疑にも出てきたと思いますが、CPAという組織の長官はブレマーさんという外交官でございます。このブレマーさんが来て以来、CPAがいわゆる軍政も民政もあわせ統括するようなスタイルになっている、こういうことでございました。
 したがって、コアリション・ジョイント・タスクフォース・セブン、CJTF7という、連合軍司令部と訳されているこの機関は、そのCPAの軍政の実行部隊だということが言えると思います。このCJTF7もCPAの指揮下といいますか統括下にございまして、治安維持のみならず、実は教育や警察やあるいは物資の配給、補給などの民生部門も担当しているわけでございます。
 したがって、日本が支援を申し出る相手は、米軍でも英軍でもありません。あくまでもCPAに対してでありまして、しかも、その中身は軍事部門であるとは限らない、こういうことだと認識をしております。
 我々、ブレマー長官、それから次席に当たるソーヤーズ英国大使とも会談をしましたが、両者ともに、自衛隊の派遣は大いに歓迎をしたい、日本から具体的な申し出があれば、どのような分野であっても、CJTF7のアドバイスを聞いてその内容を最大限に尊重したい、こういうお話でございました。
 この意味からしても、これからこの法案にのっとって派遣される自衛隊は、もちろん米英軍の指揮下に入るのではありません。CPAによる調整を通じて、展開している各国の軍隊、さらには国連を初めとする国際諸機関、あるいは直接イラク国民に対する支援をあくまでも主体的に行うということだと思いますが、その理解でよろしゅうございますか。
    〔委員長退席、浅野委員長代理着席〕
石破国務大臣 今の先生の御指摘のとおりであります。ですから、当然、何度も答弁申し上げておりますが、米英軍の指揮下に入るということはございません。私どもが主体的に行動するということは必ず担保をされねばならないものですし、そうあるべきものでございます。
 私どもの国が、自衛隊が、仮に法案をお認めいただきまして派遣をされたといたします。そうしますと、閣議決定をいたしました基本計画及び総理の御承認を得て防衛庁長官が定めます実施要項、これに基づきまして、これを実施すべき旨の防衛庁長官の命令のもとで活動を行うということになります。
 ですから、調整ということはもちろんいたします、日本だけでやるわけじゃありませんから。それぞれの国とどのような関係に立ち、何が一番有効かという意味での調整は行います。しかし、現場はどういう指揮命令関係にあるかというと、それは防衛庁長官との関係というものがあるわけでございます。
岩屋委員 一時間いただくつもりが二十分削られたので、済みません、先をちょっと急がせていただきたいと思います。
 私は、もう一つ、調査団の課題の一つに、今後のイラクでの政治プロセス、これがどうなっていくのかな、その見通しをできるだけしっかり持って帰ろうというのがございました。
 これについても杉浦団長から既にお話がありましたが、ブレマーCPA長官によりますと、早ければこの七月にも、IIA、イラク暫定行政機構というものを立ち上げる、政治評議会というものをつくって、九月には曲がりなりにも省庁の再建を果たして、大臣がそこで任命をされるようにしたいということでございました。その段階で、言ってみればイラクの暫定政権らしきものが立ち上がるということになるんだろうと思います。この法案が通過をして、自衛隊が派遣をもしできるということになれば、そのころには、その暫定政権らしきものができておるということも十分に予想されると思います。
 また、ブレマー長官のお話では、同時進行的に憲法起草委員会を立ち上げて、できるだけ早期に国民投票で憲法を確定する、そして選挙を行って、いよいよイラク人によるイラク人のためのイラクの新政権をつくる、でき上がったら自分たちはできるだけ早く帰りたい、こういうお話でございました。
 そこまでの作業になりますと、私は、そう簡単ではないだろう、一年、二年という時間は十分に要するのではないかなと思いますが、そこまでいきますと、いよいよ相手国政府というものが、つまりイラク新政府というものが正式に立ち上がるということになります。
 つまり、何を言いたいかといいますと、これから時間の経過とともにどんどんとイラクの姿が変わっていく。しかし、この法案は当初四年というものを想定していたということでございまして、時間の経過とともに変わり行くそれぞれの過程において、本法の適用というのは一体どうなっていくのか。それについてちょっと見解を聞かせていただきたいと思います。
増田政府参考人 お答えいたします。
 イラクの新しい政府が立ち上がるまでのプロセスにつきましては、御指摘のようなことも含めまして、現在、関係者間で議論をされておりまして、今後、徐々にその姿が明らかになっていくと考えております。
 その過程の中で、本法案に基づきどのような活動を行っていくべきかという点につきましては、その時点時点での状況を踏まえまして我が国として主体的に決めていくことになる、このように考えております。
 いずれにいたしましても、イラクの再建等に向けたイラク国民の努力を支援するとの本法案の目的を真摯に踏まえまして、その時点で最も適切な活動を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
岩屋委員 当然のお答えといえば当然のお答えで、現段階では、このCPAという暫定施政局を窓口に復興を支援していこうということでございますから、しようがないのでありますが、その問題はまたこれから議論をさせていただきたいと思います。
 それから、調査団の最大の目的は、言うまでもなく、自衛隊に対するニーズというものを確認してくるということ、それから、具体的な支援策の中身について模索をしてくる。これが、幾つかある課題の中の最大の目的でございました。
 私どもどこへ行っても、自衛隊の派遣は歓迎するけれども、その中身は日本が日本において主体的に判断をされたいということでございました。これも考えてみれば、当然といえば当然のことでございまして、そういう話、やりとりが続きましたので、私どもは聞き方を変えて、しからばこういう貢献はどうだ、しからばこういうやり方はどうだということをお尋ねしていったところ、強い期待が示されましたのが、与党調査団の報告の中にもありましたように、水の浄化、配給という仕事、それから、空輸を含む物資並びに人の輸送でございました。
 私は、私個人の見解ですけれども、陸送ということもあってしかるべきだというふうに考えています。なぜならば、空輸でも物資を運ぶ、それから海上輸送というものもこれからやるということになるでありましょう。そうやって運ばれた援助物資は、本来は、自衛隊において自己完結的に陸送されるということが私は望ましいのではないのかと思います。
 水の浄化についても、交付という言葉が使われておりましたが、交付というのは、要は水の工場みたいなものをつくって、欲しい人はとりにおいで、こっちから持っていくことはしないよ、こういう意味で交付などという余りふだんは使わない言葉を使っているんだろうと思いますが、しかし、いつでもとりに来いというわけにもこれはいかないでしょう。陸送というものは決して否定すべきではないのではないかなと個人的には考えております。
 しかし、その場合は、万が一のときに備えてかなりの重武装をする必要が出てくるわけでございます。他国に護衛をしてもらうという方法もあろうかと思います。実際、私どもがすれ違った米英軍のコンボイは、先頭に装甲車がついておりまして、上をヘリが護衛で舞っておりました。現段階ではかなりの重武装で陸送をやっているということで、それが我が国でできない場合は、先ほど申し上げたCJTF7に言ってくれれば幾らでもアレンジはできる、こういうお話も承りました。
 しかし、そのときは、まさに武器使用権限というものが問題になってくるんだろうと思います。治安がどんどんと改善をされていけば、それほどの重武装の必要もなくなっていくんだろうと思います。もし、これから劇的に治安が改善をされていくということになりました場合は、この法案で予定されている武器使用権限であっても十分に陸送をするということにたえられるのではないかと私は判断をするわけでございますが、いかがでしょうか。
石破国務大臣 これは政府の中でも議論をいたしておりまして、先生おっしゃいますように、では、欲しい人はとりにおいでというようなことでいいのかねということでございます。
 私どもとしては、一トンの水タンクのトレーラー、一トンですが、これを六百八十一台所有いたしております。これは自分では走れませんで、前に何か車がついて、それが引いていくという形になります。自分で走れますスタイルのもの、三カ二分の一トン水タンク車というのは、六十八台これを有しております。
 いずれにしても、浄化を仮に行ったとしても、どこかまで運ばなければいけないということになったときに、陸送ということになります。
 持っていく武器の種類や使用方法につきましては、先般来答弁を申し上げておるとおりでございますし、先ほども原口委員からの御質問にお答えをいたしました。これが劇的に改善というのが何を指すのか、これもまたいろいろな御議論があろうかと思いますが、当然私どもは、活動する地域を非戦闘地域とし、きのう官房長官が答弁されましたように、その中でも安全な地域というのを選ぶわけでございます。
 そこで、実際に法案をお認めいただきましたときには、実際に行く人たちが、実際にそこで活動する人たちが見て、何を持っていけばいいかということを判断することになります。それは踏まえませんと、本当の意味のシビリアンコントロールなんかになりやいたしません。その中で、そういうことが可能になる場合というのは当然あるだろうと思っております。
岩屋委員 陸送だけは勘弁してよという話は、外の世界というか、なかなか国際社会では通用しにくい話なんだろうなと私は思うのでありまして、援助物資は運びますよ、水もつくりますよ、しかし、運ぶのはちょっとよそでやってくださいよというわけにはいかないんだろう。これは、ぜひそういうことも自己完結的にできるようにしていただきたいと思っております。
 それから、次に行かせていただきますが、問題になっておりますというか議論になっております武器使用権限についてでございます。
 実際には、自衛隊が出ていくときには、この武器使用権限というものは、いわゆるROEと言われる部隊行動基準によって裏打ちをされるということだと思います。しかし、この部隊行動基準、ROEというのは、言ってみれば防衛機密でもあり、また、これを公開することは、相手に手のうちを読まれるというか、部隊の行動規則がわかっておればそれに応じた対応をされるということもあってなかなか公開に議論ができない、公開に議論することは適当でないということだと思います。ここにこの法案審議のもどかしさがあるとずっと私は思っております。
 決して隊員の皆さんがみずからを守ることができないようなROEにはしない、こういう長官のお考えだろうとは思いますが、広く国会全般の御理解を得るために、あるいは国民の皆さんの御理解と御支持を得るために、このROEについては、いよいよ出ていくとなったときには何らかの形で明らかにするというか御説明をするということができないものかどうか、この辺、いかがでしょうか。
石破国務大臣 これは委員が防衛政務官をお務めのときから、ずっと防衛庁内で議論をしてまいりました。
 これは、誤解をされる方もあるのですが、あくまで法の範囲内で行うということでございます。ROEを定めることによって、法に定められてもいないようなことができるようになるわけでは決してございません。あくまで法の範囲内で行う。
 しかしながら、それを全部明らかにしちゃいますと、その裏をかけばいいわけですから、それはかえって隊員の生命、身体を危険にさらすことになりますので、それを全部オープンにすることはできません。どの国もそのようなばかなことはしておりません。
 しかしながら、どういう考え方に基づくものなのかというようなことはやはりお示しすることが必要だろうと思っております。この場合にはこうというような具体的なことは申し上げられませんが、どういうようなものをイメージしたものなのか、そして、それが法を逸脱するものではない、あくまで法の範囲内で定められるものだということは明らかにする必要があると考えております。
岩屋委員 私も、ある機会に米軍のどこかでのROEに関する資料を見たことがあります。非常に具体的なものでありまして、例えば、相手に対して英語でとまれということを三回言う、それから現地語で三回言う、それでも制止ができない場合は威嚇射撃をしてもよい、そういう具体的に指示をされているものがROEだなということをそのとき感じたわけであります。
 もちろん長官のおっしゃるように、そこまでのことをつまびらかにせよというのはどだい無理なことだと思いますが、今おっしゃったように、ROE作成の基本的な考え方というものを示していただければ、武器使用権限についてのさまざまな御議論も収れんに向かっていくのではないかというふうに考えておりますので、ぜひ検討をいただきたいと思います。
 それから、時間が少なくなってまいりましたが、我々の調査で、さっき申し上げましたように現地で強い期待が示された、水の浄化能力ですね。自衛隊の水の浄化能力というのは現実にはいかほどのものか、それはどの程度現地で展開できそうか。
 あるいは、空輸に対する期待も強いわけでありますが、実際にC130というものを展開するとするならば、我が国自身の安全保障ということもありましょうから、日本国土のどのぐらいが派遣に向けられそうかということについて、ちょっと簡単に聞かせてください。
    〔浅野委員長代理退席、委員長着席〕
石破国務大臣 お答えいたします。
 浄水能力でございますが、大型トラック車載型の二種類の浄水セットを、合わせまして五十一台持っております。当然、水源があることが前提でございますが、一日当たり約百五十トンの浄化能力を持ちます古いタイプのセットを三十六台、一日当たり七十トンの新しいタイプのものを十五台保有いたしております。新しい方が少ないのはおかしいではないかというお話もございますが、新しい方は浄化をすればそれがそのまま飲めるということでございますし、古いものは大量に浄化できますが、それは塩素を加えないと飲めないというものでございます。
 給水車につきましては、先ほど答弁を申し上げたとおりでございます。
 また、C130もそうなのですが、では全部持っていけばいいじゃないかということになりますと、国内で災害が起こったらどうするのということになります。仮に法案をお認めいただいた場合にどれぐらい持っていけるか、そういうことは検討いたしております。
 C130でございますけれども、C130も同じようなお話でございまして、現在私どもが保有をしておりますC130の中から何機持っていけるのか、そしてまた、どのようなニーズがあるのかということも具体的に考えていかねばならないことであろうというふうに思っておる次第でございます。
 保有機数等々につきましては、昨日御答弁を申し上げたとおりでございます。
岩屋委員 わかりました。
 調査に同行していただいた防衛庁の方からは、ざっとの話ですが、一日八千トンぐらいは水を浄化して配給できるんではないかというふうに聞きました。八千トンというのはかなりの量だなと思ったんでありますが、今の長官の御説明を聞いて、この浄化のための機械というのはかなりの部分、現地に持っていける、国内にそうたくさん残しておく必要もないということだろうかなと思いますので、かなりの水の浄化能力を自衛隊は有し、実際に現地で展開できるというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 それからC130についてですが、現状でも、イラクの国外、特に周辺国に対してはPKO法が適用できるということだと思います。したがって、仄聞するところによれば、周辺国に対して、近々にC130輸送機を使った空輸支援を実施する計画があるやに聞いておるわけでありますが、それはそのとおりでございましょうか。
 また加えて、それが事実であるとした場合、PKO法によって派遣をされたC130、これは周辺国に展開するわけでありますから、本法案が成立した場合は、この派遣されたC130をイラク国内にもそのまま展開できるようになる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
石破国務大臣 現時点におきまして、今委員が御指摘になりました周辺国におけるC130の人道救援物資の輸送協力、検討いたしております。ただ、正式に決定をしておるわけではございません。
 そのままということがどういう意味なのか、ちょっと理解能力が足りなくて申しわけないのですが、法的には可能になるということでございます。法的には可能になるわけでございますが、それが一体いかなるニーズがあるものなのか、そしてどこの空港におろすのか、おろした場合には、本当にそれが非戦闘地域であり、なおかつその中でも治安が良好な地域であるのか等々、また、C130は輸送機でございますので、戦闘機ではございませんから、それがどのように安全を確保するのかということも踏まえまして決定をしていく。
 いずれにいたしましても、そういうニーズがあることは事実でございますけれども、それが実際にできるかどうか、それはさらなる検討が必要だと考えておるところでございます。
岩屋委員 我々の調査の中で水と空輸というお話をさせていただきましたが、さらにその中でも期待が強かったのはということになりますと、やはりC130による空輸ということではなかったかと思います。
 きのうの報告の中にもありましたように、七月には、バグダッド空港、バスラ空港、それぞれ今米軍と英軍が押さえているわけでありますが、ここに民間航空機を入れようという計画も着々と進んでいるようでありますし、現在は戦争があって使われておらない、地方の言ってみればローカル空港も漸次、これをまたあけていくというか使えるようにしていくということでもありました。
 イラクは本当に、私ども千六百キロぐらい走りましたが、どうでしょう、そのうち千三百キロぐらいは一面の砂漠だったように記憶をしております。そういうところで、現在の平均気温も四十五度、私ども滞在中の最高気温は四十七・五度でございました。これから夏を迎えると、ますます気温も高まっていくでありましょう。
 陸送といってもなかなか難儀なことだと思います。そこで、空輸というものをできるだけ手伝ってほしい、こういうことだったと思うんですね。ぜひ、このC130を使った空輸支援というものについては充実した体制をとっていただいて、臨んでいただければというふうにお願いしておきたいと思います。
 おかげさまで、予定された質問も大体終わりました。これでそろそろ終わりたいと思いますが、最後にもう一度、今回の調査を通じた感想といいますか結論だけ申し上げさせていただきたいと思うんです。
 本当にピンポイント爆撃というのはすごいものだなと思いました。最初にバンカーバスターが落とされたところの隣のレストランで私ども昼食をとったわけでありますが、窓ガラス一つ割れていないということでありまして、戦争による被害というのは非常に局所的だなと思いました。しかし、冒頭にも申し上げたように、長い間のフセイン治世下での民生への投資不足や経済制裁の影響で、非常にイラクの国力が疲弊をしているというふうに思います。
 一方で、先ほどからお話がありますように、戦闘は確かに終結をしているが、治安の面では完全とは言い切れないということだと思います。しかし、だからこそ、自己完結能力を有し、自己防護能力を有する自衛隊がこの段階では行かなければ効果的な支援にはならないということを私ども痛感して帰ってきたわけであります。
 私ども、NPOの皆さんともお話をさせていただきました。中には、自衛隊は来るべきでないと言う方も確かにいらっしゃった。しかし、中には、自衛隊はぜひ来てほしい、私どもも心強い、こうおっしゃったNPOの方もいらっしゃいました。民間やNPOの方々にも活躍をしてもらわなければいけないと思いますが、この段階では、自衛隊をもってあの支援に充てるということをしなければ、我が国の国家意思の表明としての貢献策にはならないと私は思います。
 そういう意味で、一日も早く本法案の成立を期すべきである。そのために私どもも努力をさせていただきますし、防衛庁長官、外務大臣、官房長官、政府一丸となってお取り組みをいただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
高村委員長 次に、丸谷佳織君。
丸谷委員 公明党の丸谷佳織でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 六月の二日なんですけれども、日本がイラクにおけるユニセフ緊急支援活動の最大の援助拠出国となるというニュースが入ってまいりました。日本の拠出金額の総額が一千五百万ドルを超えたということを受けまして、ユニセフの事務局長でありますキャロル・ベラミー氏の方から、日本がイラクの子供たちに、迅速かつ寛大、そして強力な支援をしてくれたことに深く感謝するという感謝の意があらわされ、しかも、今後のイラクを背負っていく子供たちに対して最大の支援国となったということは、我が国の支援のあり方として、一つ、もっと誇りを持ってもよいものだと私は思っております。
 また、先日、ユニセフのイラク代表のカレル・デロイ氏が来日をしたんですけれども、その際に懇談をしまして、現在のイラクの状況についてお話を伺う機会がありました。
 例えば、イラクの南部では水質調査をユニセフの調査隊がしたんですけれども、驚くことに、検査のために訪れた現場の三分の一の場所において実際には水がない、このことに驚いたそうです。
 なぜこういったところに水がなくなっているのか。これはなぜならば、人々が水をとるために、給水管にそれぞれ思うままに穴をあけて水をとっているそうなんですね。その結果、下流に行ってしまえば既にもう水がないという状況になっているということでした。
 また、別のケースでは、よどんだ水たまりを実際に横切っている給水管にも穴をあけて新鮮な水をとろうとした結果、そのあけられた穴によどんだ水が入って、そして、それを飲んだ人たちの健康には、結局、害が出ているということです。
 バスラ総合病院に給水する管も同様でございまして、病院には水が届かなくなっておりますし、ユニセフ職員が訪れたすべての小児科病棟においては、下痢性疾患の急増を訴えているということが話されておりました。
 緊急に改善しなければいけない状況でありますけれども、給水管を修理するに当たっても、やはりそこには治安の維持というものが確保されなければいけません。実際に、NGOの皆さんですとか国際機関の皆さんがそういった給水活動そして修理活動をすることはできても、修理をするための治安維持活動を国際機関、NGOの皆さんがすることはできません。
 このようなことを考えますと、国際機関そしてNGOを通じた日本の支援とともに、この法案が示しています二本柱の、人道復興支援と、そして治安維持活動の後方支援というのは、日本ができる支援のあり方として妥当なものだと私は考えておりますし、また、先ほど来ずっと議論になっておりますけれども、自衛隊が持つ浄水機能をもって行います給水活動を含む緊急援助というのは非常に重要な項目になってくると思います。
 そこで、治安維持活動についてまずお伺いをしたいと思います。
 国連決議の一四八三に基づきまして、自衛隊は、当局、つまり、ブレマー文民行政官がトップを務めますCPAと協力しながら活動をするのであって、米英軍の指揮下には入らないと本委員会の中で答弁がなされています。
 しかしながら、治安維持活動の部分というのは、フランクス連合軍司令官の指揮下で米英軍等が行っておりまして、CPAではないと思います。また、フランクス司令官がブレマー文民行政官の指揮下にいるわけでもないという状況を踏まえまして、自衛隊が米英軍等の治安維持活動の後方支援を行うに際しては、CPAと米英軍等の関係がどのようなものか、私たちは理解をしておく必要があると思いますので、いま一度、このCPAと米英軍等の関係について御説明をしていただきたいと思います。
川口国務大臣 CPAと米英軍の関係でございますけれども、米英軍、連合軍司令官としての中央軍司令官は、この方は、イラクの領土一体性及び安全を維持するということを通じてCPAを直接的に支援するということとなっておりまして、CPAと米英軍は直接的な指揮命令関係にはないということです。CPAと米英軍は相互に調整を行う関係であるという、抽象的に言えば、そういうことになります。
 調査に行かれた方から伺った話ですけれども、例えば、ガソリンスタンドの周りに、十重二十重にイラクの車がガソリンを入れようと思って並ばないで固まっている、それの交通整理を例えば米軍がやっているというような活動があるわけですけれども、まさにCPAの活動を支援しているということであります。調整しながら支援をやっている、指揮命令系統にはないということです。一例を挙げれば、そういうことでございます。
丸谷委員 では次に、治安維持活動の範囲についてお伺いをさせていただきます。
 現在、米英軍の活動のあり方としまして、公共の建物の警備ですとか、あるいは市街のパトロール、市民が保有しています大量な兵器の回収などを行っておりますけれども、実際には、フセイン政権の残党の一蹴作戦といいますか、中北部で砂漠のサソリ作戦も遂行しております。
 この委員会の中での総理の答弁では、砂漠のサソリ作戦は、自衛隊が後方支援活動を行う治安維持活動ではないという答弁がございましたけれども、自衛隊が後方支援する治安維持活動はどのような範囲のものと理解をしていればよろしいのでしょうか。例えば、フセインを含みます五十五名の旧政権幹部の捜査なども対象に入ってくるのかどうか、この治安維持活動の範囲についてお答えを願います。
石破国務大臣 イラクの国内におきまして国連加盟国が実施している活動が、安保理決議一四八三等の枠組みに基づいており、かつ、その活動がいわゆる非戦闘地域で行われている場合には、本法案に基づく安全確保支援活動の対象となり得るということを、きのう来答弁を申し上げております。
 先生御指摘の掃討作戦みたいなもののあれは含むのかね、こういうことでございます。
 残党に対して実施している掃討作戦が、イラクの国民の生命、身体の安全、ひいてはイラクの社会全体の安全を確保し、あるいはイラクの国民の生活を安定させることによって社会秩序の回復に資する活動と認められるのであれば、これは、国連決議一四八三に言うイラクにおける安定及び安定の状態に貢献するということになる。逆に言えば、そういうものではない、イラク国民の身体、生命の安全、あるいは、ひいてはイラクの社会全体の安全を確保するということでないとするならば、それはならないということだと思います。
 具体的にどういう場合なんだということをここで特定して、こういう場合はこうですと申し上げることは難しいのですけれども、やはりその場合に何ができるか、何ができないかということは、今答弁申し上げました趣旨から検討されるべきものと考えております。
丸谷委員 実際には、非戦闘地域においてイラクの国民の生命と安全に資するための活動としての治安維持活動に対する後方支援という理解になるかと思うんですけれども、その非戦闘地域というものに関しましては、この委員会でもそれぞれ質疑がなされております。
 私も聞いていますけれども、まだいま一つ自分の中でしっかりと明確なイメージというものが持てませんので、あえてもう一度質問させていただきたいと思うんですけれども、主要な戦闘が終わったといいましても、現在のイラクの状況というのは、今まで日本がPKOを派遣してきた国々とは危険度というのはやはり違っているだろうと思われます。
 昨日の委員会で、与党のイラク調査団として派遣をされていました斉藤議員の方からは、実際に自分の目で見て非戦闘地域というのは確実にあるという発言もなされていました。逆に言えば、かなりの地域が非戦闘地域であるという印象さえ受けたという発言もあったわけなんですけれども、報道を見ていますと、イラク南部で大規模な英軍の襲撃事件があったり、外国兵の襲撃の広がりというのが懸念されている状況でもあります。
 この法案の第九条におきまして、政府の責任において、非戦闘地域というのを見きわめ、その地域で自衛隊の任務遂行に支障を来さないと認められる地域を実施地域と定め、さらに、派遣された方々の安全確保に内閣総理大臣及び防衛庁長官が配慮するという、PKO法にも規定をしていない配慮義務が課されております。
 それほど重要な項目と認識をするわけですけれども、非戦闘地域、実施地域というものに関して、これはどのように、いつの時点で策定をされるのか。基本計画の中で非戦闘地域というものを策定していくという理解でよろしいのでしょうか。
 また、六月の十九日にラムズフェルド国防長官が記者会見を行われまして、イラクを三色の色分けにして危険度をあらわし、記者会見をされていました。この中で、グリーンとされているところは一番安全とされているところなんです。完全ではないが安全がかなり高く、またパーミッシブであるというような記者会見もされています。
 では、我が国が現実に自衛隊の活動地域を定める場合、こういった、このラムズフェルドの記者会見によるグリーンの部分、パーミッシブの部分の中において実際には実施地域というのが策定されるものと思いますけれども、ここで言うパーミッシブの部分というのは、我が国の自衛隊を派遣して行動するに当たって憲法上問題がない地域として考えてよろしいのかどうか、この点についてお伺いをします。
石破国務大臣 後段の方からお答えを申し上げます。
 ラムズフェルド長官がおっしゃった地域、それもやはり参考になると思います。しかし、我が国としてどうなのかということは、それは、アメリカが言うことをうのみにする、こういうことはあってはならないのであって、我々が我々として、どこが非戦闘地域であり、そしてまた、その非戦闘地域の中でもどこが比較的安全な地域なのかということを私どもの目で見て決定するということになります。
 それは、アメリカにとって安全であっても、ほかの国にとっては安全ではないのかもしれません。例えて言えば、車の運転で、きょう免許を取ったばかりのドライバーにとって危険なところでも、ベテランドライバーにとっては安全だということもあります。それは例えが適切じゃないかもしれませんが、やはりそれは、どのような地域に、どのような権限でもって、何を持っていくかということにもよるわけでございます。
 したがって、アメリカの言うとおりということになりませんが、それは大きな参考になることは事実でございます。
 それをだれがどのようにして定めるのかというお尋ねでございますが、これは、こういう仕掛けになっております。
 基本計画は閣議決定において行います。その基本計画におきまして、私どもが行えます対応措置を実施することが想定される大まかな範囲、つまり、細かくはなくて、かなりざくっとした範囲でございますが、大まかな範囲である区域の範囲というものを基本計画において定めます。それは閣議決定を要します。
 その次に、防衛庁長官が総理大臣の承認を得て定める実施要項におきまして、具体的に対応措置を実施する区域である、活動を実施する実施区域というものを定めます。そこにおいて具体的に定まるということでございます。そこを定めまして、防衛庁長官はその実施を命ずることになります。
 今まで申し上げてまいりましたように、活動を実施する区域がいわゆる非戦闘地域という要件を満たすことについては、対応措置を実施する区域である実施区域を防衛庁長官が指定し、その指定につき総理大臣が承認する際に判断をすることになるわけでございます。
丸谷委員 昨日の議論の中にも、自衛隊の派遣についての是非についての議論がございました。
 自衛隊の長として、また防衛庁長官の思いも聞かせていただいておりますけれども、私自身も、我が国の自衛隊がイラクにおいて、本当に、非戦闘地域で治安維持の後方活動をするとはいえ、危険度がゼロではない地域において活動していただく、それもイラクの国民の平和と安定のために活動していただくというわけですから、ひいては国際平和の貢献にも通じますし、また、我が国の国益にもかなう活動をしていただくわけでもあります。
 そういった意味で、もちろん、自衛隊の皆さんは全員無事で元気に戻ってきていただきたいと願う気持ちでいっぱいでございますけれども、改めて防衛庁長官に、防衛庁長官が実施地域というのを設定して総理が認定するということに当たって、その設定をする長としての決意をお伺いしたいと思います。
石破国務大臣 きょうで三日目の議論でございますけれども、皆様がすべてだとは思いませんが、自衛隊を派遣することの意義というものを多くの方がお認めいただいていると思います。行かなくても絶対いいというわけではない、やはり行かねばならないだろう。しかし、行くからには、きちんと国際社会の要請を果たさなければいけない。やはり国際社会から要請されているわけですから、我が国に対して。その要請された任務というものはきちんと果たさなければいけない。しかし、それが同時に、先生おっしゃいますように、みんな元気で帰ってきてほしいんです。みんな、家族もいれば、友達もいれば、恋人もいれば、そういう自衛官たちであります。そういう自衛官たちが本当に元気で帰ってこれるような、そういうような活動にしたいと思っています。
 防衛庁の長といたしまして、そういうような、地域の選定にいたしましても、あるいは持っていく武器、権限、ROE、そういうものにつきまして万全を期して、みんながきちんと任務を果たして、笑顔で元気に帰ってこれる、そして国際社会に貢献する、そういうような活動にしたいと思っております。
丸谷委員 ありがとうございました。
 この法案の期間というのは四年になっておりますけれども、対応措置を実施する必要がないと認められるに至ったときには、速やかに廃止をするとなっております。どのような状況を想定してこの法案による支援の目的を達成したと考えるのかという点についてお伺いをしたいんですけれども、私も、この法案、日本の支援のあり方について、いろいろな方、いろいろな国の皆さんと議論をしていく中で、では、自衛隊を派遣する、また人道支援、復興支援に対して民間の方も派遣をする、こういった活動に対する日本のいわゆるエグジットポリシーは何なのかという質問をされました。そのときに私もはたと、実際にはイラクの安定が達成されたときという答えしかできなかったわけなんですけれども、果たしてこれがエグジットポリシーと言えるものなのかなと自分で問いながらきたものですから、ぜひ政府に、この法案、エグジットポリシーは何なのかについてお伺いをします。
福田国務大臣 役割が終わったときが終わりなのでありますけれども、具体的に申しますと、この法案に基づく対応措置というのは、要するに、イラクの国民によるイラク国家再建のための自主的な努力を支援、促進しようとする国際社会の取り組みに対し寄与することを目的とする、こういう目的があるわけですね。ですから、この目的が達成されたという段階でこの法案に基づく対応措置が終了する、こういうことになります。委員のおっしゃるとおりなんですけれども。
 では、具体的にどういう状態が来ればそのときに当たるのかということについて、今の段階でもって一義的にお答えするというのは、これは難しいんですよ。そういうことで、一般論で申し上げれば、イラクの国民によるイラク国家の再建の進展とか国際社会の取り組みの状況、これを総合的に判断して決める、こういうことになるのだと思います。これは一般論でございます。
 なお、この法案は、有効期間は四年ということになっております。現時点では、我が国の対応が四年で終了するかどうかという、このことについてはわかりません。場合によっては四年を超えるかもしれぬといったようなことになるかもしれません、結果として。そういうことがあるものですから、念のため、この法案の中で四年以内の法律の廃止を規定するとともに、同時に、別に法律で定めるところにより、四年以内の延長を認める、こういうような条文も加えているところでございます。
丸谷委員 今アフガニスタンでも支援をしておりますけれども、カルザイ政権の強化を図っている段階だと思います。また、二〇〇三年十月にはロヤジェルガが開かれ、憲法が制定され、また来年には、六月選挙があって新政権の樹立という、こういった中での、何というんでしょうか、日本が今支援をしている、こういった動きも見ながら、その支援をしている地域においてどのような民主化が達成されたのか、また安定な状態が達成されたのか、このことを判断していくということなんだと思うんです。
 例えば、今はやりのマニフェストではないんですが、マニフェストは当然これにはそぐわないものなんですけれども、やはり国民の税金の中からお金を使っていろいろな支援も実際にはしていくわけです。そういったときに、国として、支援の内容、また達成目標的なもの、あるいは年数といったものも明らかにしていくようなことが今後求められてくるのではないかなという思いも私は持っております。
 この質疑の中で自衛隊の派遣ばかり取り上げられているような気もするわけなんですけれども、もう一つ重要な任務としまして、新たに規定されますイラク復興支援職員についてお伺いをしたいんですけれども、人道復興支援活動を行うに当たりまして、自衛隊が何を担い、またイラク復興支援職員が何を担っていくのか。
 例えば、この両者が協力して活動を行っていくのか、あるいは全く別々にされるのか。また、この職員自体が、指名されます内閣府本府の職員、そして他省庁から内閣府本府にそのために派遣される職員、さらに一般公募の民間人から構成されるとなっておりますけれども、一般人から公募される部分については、実際にどのようなものをイメージしたらいいかというのが見えてこないんですが、例えば、今行われています青年海外協力隊とか、そういったニーズあるいはイメージとして考えていてよろしいのでしょうか。このイラク復興支援職員について御説明を願います。
福田国務大臣 この法律では、自衛隊員のイラクへの派遣ということとあわせて、文民、今御指摘がありました一般の人も、もちろん公務員も地方公務員も、そしてまた警察とか消防とか、また医療関係の人とか、いろいろな方に参加をしていただけるような仕組みになっておるわけでございます。
 それでは、そういう方々がどういうことをするのかということは、これはこれから状況がいろいろと変わってくるだろうと思います。その状況を見ながら、よく調査をして、本当のニーズは何かということをよく見きわめて有効な派遣をしなければいけないというように思っておりますので、今、何というふうに申し上げるのはなかなか難しいかなというように思っております。
 しかし、その場合にでも、安全の確保とか、そういったようなことは十分に考えていかなきゃいけない。したがいまして、そのことについても九条に触れておるというところでございまして、一般の方々の中には専門的な知見を持っていらっしゃる方も多いんだろうと思います。そういう知見を大いに活用して国際平和のために協力をしていく、そしてまたイラクの復興のために貢献をしていただくということは大変有意義なことだろうというように思いますので、今後、その体制整備を十分に図ってまいりたいと思います。
丸谷委員 そうしましたら、まだ具体的な内容は決まっていないということで、例えば、規模ですとか、あるいは活動内容ですとか派遣時期ですとか結成時期といったようなものもまだ決まっていないということでよろしいですか。
福田国務大臣 大体、例えば人道復興分野ということになりますと、医療活動ですね、それから食糧、医薬品の生活関連物資等の配布とか、また行政事務に関して助言指導をするといったようなこともあろうかと思います。そういう中では、専門的な知識と申しますか知見を有する方々に行っていただくということがいいのかと思いますけれども、では、どの分野で何人、こういうところまで、まだ具体的な案をつくっているわけではございません。
丸谷委員 では、外務大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 デメロ国連事務総長特別代表が、六月にイラクに入りましてから積極的な活動を続けられておりまして、六月の八日からはイラク政治指導者と会談を重ねているということが報じられております。
 この会談の中で、イラクの政治指導者から、イラク民主政権の樹立に国連が独立した役割を果たすように求められたことに対しまして、デメロ代表は、国連が、憲法制定ですとか、あるいは選挙の実施について多くの経験を有していることから、支援する用意があるというふうにも述べております。
 今回のこのイラクにおいてのさまざまな支援のあり方の中で、国連というものがもっと中心になって頑張っていかなければいけないというふうに私は思うわけなんですけれども、我が国としまして、こういった国連の活動に向けて具体的にどのような支援をしていくのか、応援をしていくのか、考え方を聞かせていただきたいと思います。
川口国務大臣 決議一四八三の中で国連の役割については規定がされているわけでございます。我が国として、国連のその重要な加盟国の一員として、国連のやる活動にできるだけの協力をしていきたいと思っております。
 今具体的にやっていることは、例えばフラッシュアピールにこたえまして、一億ドルを上限とするさまざまな支援を行っておりまして、先ほど委員が御指摘をいただいたユニセフについて、あるいはUNDPについて、そういった資金面での支援をやっているということでございます。
 人的な面その他について今後引き続きどのような協力の仕方をしていくかということについては、これはまだこれから、事態の進展を見ながら考えていきたいと思います。
丸谷委員 では、最後に外務大臣に質問をさせていただきたいと思うんですけれども、このデメロ特別代表は、イラクにおける女性の地位向上が非常に重要であるとしまして、イラクの婦人代表者とも精力的な会談を続けていらっしゃいます。女性の地位向上はイラク社会の民主化に不可欠であるということから、アメリカも大きな関心を払っているものと思われますが、例えば我が国の支援の仕方として、アフガニスタンに対しては、女子教育を再開するためのカリキュラムをつくったり、文具や教材の提供もしてまいりましたし、元女性教師の復職支援ですとか給与の負担をユニセフを通じて行ったりもしています。
 また、大臣が中東を訪問された際にも、各国のリーダーと会い、我が国と中東の女性のリーダーの交流といいますか対話を提案していただき、また、それが今順調に進んで、成果を上げている状況だと私は認識をしています。
 イラクに対しても、女性の地位向上のために我が国としてできることがあるのではないかと思っておりますし、また、中東の宗教あるいは生活習慣、文化的な面から、女性しか入れない部分というのはやはりあるわけですね。こういったことに対して、今我が国が行っています中東と日本の女性リーダーの交流というものをイラクに対しても例えば行っていくような提案が私はあってもいいのではないかと思うんですが、この点についてお伺いをします。
川口国務大臣 御提案、ありがとうございます。
 委員が御指摘いただきましたように、ジェンダーの問題については我が国は非常に熱心にやってきておりまして、イラクについては、今まで世俗国家としての発展の過程で、大変に能力を持った女性の人が大勢います。そういったことを見ながら、委員の御提案も考えながら、女性、ジェンダーの問題に対してイラクで何ができるかということも十分に視野に入れて検討したいと思います。
丸谷委員 私も、外務政務官をさせていただいていたときに中東地域を担当させていただきまして、中東の女性のリーダーの皆さんと懇談をさせていただく機会がありました。その際に、中東の宗教、文化ということを背景に、西洋化というものに関しては非常な反発、抵抗があるわけなんですけれども、日本のように、独自の文化を大事にしながら、またある程度の西洋化を図ってきた、進歩をしてきた国ということに対する、対話に寄せる期待というのは非常に大きいものがあると思いました。
 イラクの女性においても、恐らく、アメリカにはできない日本の貢献というものがあると思いますので、どうかその点について今後も努力をしていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
高村委員長 次に、山谷えり子君。
山谷委員 保守新党、山谷えり子でございます。
 与党三党の現地調査団の報告を読ませていただきまして、本当に大変御苦労さまだったと思います。また、大きな部分で理解ができたと思いますけれども、さらに専門的な、実務的な調査団、場合によっては百人規模あるいはそれ以上というようなこともあり得ると思いますので、政府の責任として、早く出発をさせていただきたいというふうに思っております。
 非戦闘地域にということですので、万一の事故というのはないというふうに思ってはおりますけれども、しかしながら、万一の事故が起こった場合、公務災害等災害補償についてどのようにお考えでございましょうか。
石破国務大臣 もちろん、委員も、絶対にあってはならないが万が一ということでどうかというお尋ねだと思います。
 本法案に基づいて派遣されました自衛隊員が、万々が一、不幸にして落命されるというようなことがありました場合には、当庁といたしましても十分な対応を行わなければいけないと思っております。
 具体的には、御家族に対しまして、その補償として、生計維持関係に応じまして年金または一時金が支給されますほか、葬祭補償、遺族特別支給金等が支給されることになります。この公務災害補償の適用につきましては、派遣される自衛隊員が安心して職務に精励できますよう、職務の実態を十分に考慮いたしまして、できる限り対応してまいりたいと思っております。
 また、自衛官が、宣誓の中にもございますとおり身の危険を顧みることなく職務を遂行し、そのために落命し、または障害の状態となったという場合に支給されます、賞じゅつ金と私どもでは申しておりますが、賞じゅつ金の授与につきましても検討をするということでございます。
 いずれにいたしましても、十分な対応を考えてまいります。
山谷委員 ぜひ十分な対応を考えていただきたいと思います。
 平成十四年五月八日に、一人、船内で意識障害になられた方は、これは公務災害と認められております。しかしながら、六月八日、一人、上陸中に亡くなられた方、これは休暇中で、交通事故ということで公務災害は認められなかったわけですけれども、やはりもう少しケースを丁寧に見ながら、公務災害の拡大とか、そのような部分も検討していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
石破国務大臣 公務災害の範囲の拡大が正しいかどうかということにつきましては、いろいろな議論があることは先生御案内のとおりでございます。
 どういう形をとることが一番望ましいか。それは多くの形が考えられると思いますが、この点、よく配慮をいたしまして、安心して行ける、安心して行けるだけではなくて、本当に国民が十分考えてくれているということが実感できるようなものを構築してまいりたいと思っております。
山谷委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 この特別委員会は、国際テロリズムの防止ということの委員会でもあるわけでございます。九・一一、アメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃の後、次の週、もう九月十七日にアメリカは、法案の概要、包括テロ対策法、USAパトリオットアクトという概要を説明しているわけです。そして、十月に下院が、いや、それはちょっとプライバシーとか人権に対してハード過ぎるんじゃないかということで、対案を出したわけです。そして新法案としてまた提出して、十月二十六日に、つまり、九月十一日にテロがあって、そして十月二十六日にはもう包括テロ対策法として制定されているわけでございますが、これは非常に大変な法律でございます。千十六条ございます。通信傍受、送金のあり方の見直し、国境の保全のあり方の見直し、移民規定の見直し、行政機関の協力のあり方、貿易制裁、大統領、安全保障等々の権限の見直し、それからテロリズムによる被害者、家族支援、これに対しての追加補助金等々も含まれております。被害者、家族の支援に対しても、このような形で包括法案として加えられているわけですね。
 日本では、北朝鮮に拉致された家族そして人々がおられるわけでございますけれども、私は三月、ホワイトハウスに、アーミテージ国務副長官を初め、下院議長、院内総務それから外交、軍事関係の議員さんたち、東アジアの担当委員長にもお会いしました。横田めぐみさんの御両親、蓮池さん、増元さんらとの渡米でございましたけれども、そんなに長い間、日本政府は何をしていたんですかと聞かれるんですね。そうすると、本当に答えようがなかったということがございました。
 アメリカは、こういうふうにすぐに包括テロ対策法案というのがつくれるわけでございますが、なかなか日本は進められなかった。しかしながら、六月五日、本会議で、拉致はテロだというふうに小泉総理はおっしゃいました。
 四月十六日、国連の人権委員会に、北朝鮮による拉致を含む人権侵害に対する非難決議というのが採択された日でございますが、ここに出す作業部会の提出ペーパー、外務省北東アジア課がおつくりになられたものですけれども、内閣官房の拉致被害者・家族支援室との協議はなかったということで非常に不満をお述べになられた方もいらっしゃるわけでございますが、テロに対してどのような、やはり行政は本当に連携すべきですし、外務大臣、そのあたりはいかが今考えていらっしゃいますでしょうか、あのときのことを。
川口国務大臣 先ほどおっしゃったその人権委員会に提出する資料について、その前に、いろいろな連絡のミスですとかその他問題があったことについては、非常に申しわけないと思っています。
 それで、政府の中でこのテロの問題、拉致の問題も含みまして広く対応していくためには、やはり連携は不可欠であるというふうに思っております。そのための努力を政府としてさまざまな形で行っていると考えています。
山谷委員 このときに人権状況決議に反対した国、アルジェリア、キューバ、シリア、ジンバブエ、スーダン、中国、ベトナム、マレーシア、リビア、ロシア、十カ国でございますけれども、こうした国々にODAなどを日本は出しているわけでございます。
 日本のODAを出す条件といたしましては、平和主義であること、それから人権を大切に考えていることということが非常に大きな柱になっているというふうに思うんですけれども、テロリストあるいはテロ支援国家、武器などを渡しているそのような国家も含まれているわけですね。もう少ししっかりしたODAの見直しというものもしていただきたいと思いますけれども、その辺、いかがでございましょうか。
川口国務大臣 ODAにつきましては、我が国の外交の目的を達成するために、一つの重要な手段としてこれを行っているわけでございますけれども、それをやるに際しては、経済協力の大綱に基づいて考えてやっております。今、その大綱については、これは十年たってしまいましたので、その見直しの作業をやっておりまして、この夏を目途にそれができ上がるということでございます。
 それで、先ほどおっしゃいました拉致との関係では、これは人権委員会で採択をされた決議について、賛成多数で採択をされましたけれども、十カ国がこれに対して反対をいたしました。これらの国に対しては、我が国として、日本が拉致の問題の解決を求めているこの決議を重視している、そして反対票を投じたことは極めて遺憾でありますということを言いました。それから、これから国際的な場において日本として拉致の問題を取り上げていく考えでいるので、そのときには日本の主張に積極的に対応してほしいということを希望しますということで申し入れを行っております。それに対しまして、それらの国々からは、拉致問題についての日本の立場というのは十分に理解をしているけれども、人権問題が国別の決議という形で取り上げられるということに反対をしたんだという趣旨の御説明がありました。
 今、矢野副大臣が、いろいろな国に対して日本の北朝鮮への政策を説明して、拉致問題の重要性を十分に理解して対応してほしいという申し入れをやっております。
 それから、御参考までに、この決議の採択の一週間後には、拉致問題の解決を求める強制的失踪決議というのが、人権委員会におきまして、これは全会一致で採択をされております。
山谷委員 日本は、軍事大国には決してならない、平和主義、そして国際協調主義でずっとやってきたわけです。そして、ODAでは本当にさまざまな国の支援をしているわけでございますから、ぜひ、長年の友情をきちんと誠実に説明していただきたいと思いますが、これは、十カ国それぞれに申し入れ書というペーパーをぴろんと出すだけじゃなくて、深いやりとりというか、どういう感じのやりとりがあったんでございましょうか、十カ国それぞれ。
川口国務大臣 これは決して紙一枚配って終わりということではございませんで、現地の代表部がございますのでそこで、また、東京でそれぞれの大使館に対して、それから、先ほど申しましたように、矢野副大臣がそれぞれ大使館の大使に話をするということで、可能な限り幅広く、その国に対しての申し入れをいたしましたし、引き続きまだ説明もしております。
山谷委員 ブッシュ・小泉会談の中で、ブッシュ大統領は、拉致された日本国民の行方が一人残らずわかるまで、米国は日本を完全に支援するというふうにおっしゃいましたわけですけれども、今、特定失踪者調査会には、三百二十人、拉致されたのではないかと言われる方がおられます。皆さんボランティアで、カンパによって、七十人、調査を進めているわけでございますが、何せ民間の人間では何も、本当に十分なことはでき切れないというようなもどかしさもございますけれども、その家族支援のあり方、もう少し大きなバックアップ体制というのは考えられないものでございましょうか。
福田国務大臣 支援体制とおっしゃいましたけれども、まず、対象をどうするかといったことがございます。この対象につきましては、警察当局等々の意見も聞かなければいけませんけれども、そういう調査の実態とあわせて考えるべきことだというように思っております。もちろん、そういうことが明確になるということであれば、当然のことながら、考えていくということはあり得ると思います。
山谷委員 印象といたしましては、警察、内閣、それぞれの、何か連絡というか、その対象をどうするかも含めて、なかなか動いていないという感じがいたしますので、ぜひその辺を誠実さを持ってやっていただきたいというふうに思います。
 文民統制、シビリアンコントロールのことでございますが、これは民主主義の根幹をなす原則で、議会が、行政が統制する、これは当然のことでございます。国会の関与も、事前承認できればいいというふうには思いますが、それは政治が責任を持つということで、より明確になるわけでございますが。
 しかしながら、きのうも官房長官おっしゃいましたけれども、派遣を急がなければならないこともあるだろう、資材調達がそれまでできないというのでは機動性に欠ける、現実的には本当にそのとおりだというふうに思っております。基本計画は閣議決定されるわけですから、そして、この法律を今これだけ特別委員会でやっているわけでございますね。そして成立したということが、それはシビリアンコントロールだということをやはり国民にわかっていただくというような努力が、もちろん何度もおっしゃっていらっしゃるんですけれども、事前承認がなければシビリアンコントロールじゃないというような、ミスリードされている部分が国民はあるんじゃないかというふうに思います。
 アメリカなんかも、大統領が、戦争宣言して、四十八時間以内に上下両院の議長に状況を説明する、そして国会に報告するというような形で、問題があれば別ですけれども、そういうような形ですし、韓国も、新たに法律をつくらないで、派遣に対する同意権を国会は有しているわけですけれども、大統領がスピーチなさって、恐らく、そのタイミングとこの規模が国益にかなうというような形だったんだろうというふうに思いますけれども。
 とにかく、法案が成立するということは憲法の枠内でいろいろやっていることなのだ、それがシビリアンコントロールであり、しかも閣議で決定された基本計画だということで、やはり御説明を国民にきちんと、日本はもちろんそれの国であるということを説明、もう少し努力したらいいのではないかなというふうに思います。
 議論を聞いていますと、例えば水の補給のために、補給基地を守るために十・七ミリ重機関銃を搭載する八二式指揮通信車を装備していく、自爆攻撃の車両に備えて対戦車砲も持っていく、これがいいか悪いかみたいな話になったら、二、三週間どころか、二、三年かかるかもわからない。
 本当に、防衛庁長官がおっしゃったように、軍事のプロとしての常識というようなものの中で、基本計画の方でそんなところまで踏み込んだら現実的ではないわけですね。どこの国もそんなことはやっておりません。もっと自信を持って、日本はシビリアンコントロール、きちんとやっている、だからそのための法律なんだということを訴えていただきたいというふうに思います。
 続きまして、戦後復興のことでございますけれども、日本は、十月に支援国会合、日米欧など共同議長となって開催するということで、アラブ首長国連邦もお入りになられますけれども、事務レベル会合の中で外務審議官が、石油生産の回復や治安回復、そしてイラク人による政権の早期設置等々を、意見をおっしゃっていらっしゃいました。
 先ほど丸谷委員が、外務政務官、中東担当のときに、アラブ・ウエー、アラブのやり方でということがとても大事なんだというふうに言われましたけれども、私もそのとおりだと思います。
 そして、やはり東洋の価値観を持つ日本、アラブの価値観をまた西洋の価値観とは違う形で理解し得る国が、やはり積極的に発言していくことが大事だというふうに思います。
 小泉総理も、あの日米首脳会談の後、エジプト、サウジアラビアと回られた。恐らく、日本国として新中東戦略というのをお考えなんでございましょう。それからODAも、これまでアジア重視ということで、六〇%がアジア、中東には四%でございました。このODAの見直しということもございましょう。
 新中東戦略、そして復興に果たす日本の役割ということについて御意見、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
川口国務大臣 日本が中東地域に果たす役割は非常に大きいと思います。
 幾つかの理由がありますけれども、日本の側からいえば、これはもちろん、中東の地域の、イラクも含め、平和と安定というのが我が国の国益であるということでありますけれども、向こうの側から、中東の側から見ても、我が国というのは、先ほど委員もちょっとお触れになっていらっしゃいましたように、日本という国は、中近東の地域においては、中立的な国である、過去の歴史的ないろいろな問題を持っていないという国である。それから、これも私が中近東に行ったときなどによく言われることですけれども、非西洋国家として初めて、非常に立派な経済発展をし、そして民主主義体制を持つに至った国である、そういうことからの評価は非常に大きいと思います。
 我が国としては、これらの日本に対する期待、評価にこたえるべく今までもさまざまなことをやっておりまして、ODAは、たまたま現在では率が少し落ちているということはありますけれども、基本的にずっと今まで、日本のODA全体の七、八%を中近東に出してきておりました。今、少し焦点を絞っておりまして、平和の構築という観点で、例えばパレスチナそれからアフガニスタン等々にお金を出しておりまして、多分、今の無償の金額のうち四分の一がその地域に行っていると思います。
 そのような貢献をしながら、日本として、国益あるこの地域の民主的な発展、経済発展を図っていきたいと思います。
山谷委員 ODA白書を読みましたところ、平和構築、人間の安全保障等々の中に、NGO等々国民の参加ということもうたわれておりましたけれども、例えば中東でそのような分野での何かプログラムというような御計画、お考えはございますでしょうか。
川口国務大臣 我が国のODAの考え方の一つの柱として、国民参加型ということを言っております。
 その中身として、これはNGOによるODAといいますか、NGOが行っている事業の支援というのもございますし、シニアボランティアあるいは青年海外協力隊の方、こういった派遣をやってきております。最近では、イラク及びその周辺国で、支援のためのジャパン・プラットフォームが展開をいたしておりますので、それに対する支援も行ってきております。国民参加型ということでODAタウンミーティングというのもやっておりますし、ODA専用のホームページも外務省としては開いておりまして、いろいろな面でODAに対する国民の方の理解をいただきながら、透明性を図りながら効率的にODAを使っていきたいと思っていますが、その大きな柱が、国民の参加によるODAだということでございます。
山谷委員 今、日本は、本当にさまざまな貢献をし、そして信頼されている国でございます。自信を持って、人道復興支援そして戦後の復興がスムーズにいきますように私たちは力を注いでいかなければいけないということを確認し、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
高村委員長 次に、渡辺周君。
渡辺(周)委員 民主党の渡辺でございます。
 まず冒頭に、法案の質問に入る前に、私、先般の代表質問でも、本会議でも最初にお尋ねをしましたが、官房長官にお尋ねをいたします。
 昨日の官房長官定例の記者会見の中で、いわゆる今韓国に亡命している保護下のファン・ジャンヨプ朝鮮労働党元書記のことについては、政府は介入をしない、来日の希望をしているのは本人の自由であるというようなことが出ていますが、その点についての御発言で、この方は来日を希望しているというのは私も聞きました。そして先般、拉致された御家族の方々が平沢議員等々と韓国へ行かれたときにもその意向を伝えたということでございます。
 これは御案内のとおりでございまして、御本人が来日の意向を持っていても、行きたいという気持ちは自由である、しかし、残念ながら、今これは韓国政府が、身柄の安全の保証、つまり、身の安全の保証が担保されなければということを一つ理由にして、国外渡航が認められていないんですね。
 ですから、もしこれは呼ぶということになれば、私どもとしていかなる手段を考えようか。例えばですけれども、衆議院の委員会で参考人として来ていただきたいということで、我が国の安全保障上必要な証言であるということで、例えば委員会の場で決議をして、韓国政府に対して呼ぶことができるのか。あるいは、この問題に取り組んでいる各党の超党派の議員で何らかの、例えば署名を集めて、韓国政府に対して、日本の国会議員の大勢の一致した意見として呼びたいということになった場合、当然、日本国内に渡航が認められればその身の安全は守らなければいけないわけですけれども、その点についてはどうお考えですか。
福田国務大臣 これは、まず、我が国に、ファン・ジャンヨプ氏から日本に参りたい、こういうような表明というのはないんですよ、今のところ。ですから、その後どういうことになるかということについては、これはもう予想の範囲になってしまうんですけれども、いずれにしても、実現するかどうか、これはファン氏個人の意向を見きわめる、このことが第一だというふうに考えております。その上で、ファン氏本人を取り巻く状況などを慎重に考慮して判断すべき問題だ、こういうふうに思っております。
渡辺(周)委員 今このイラクの法律の審議のときにこんな話をするのは大変申しわけないとは思いますけれども、やはり対北朝鮮戦略を、例えば核保有の発言、それからアメリカの公聴会等で日本製のあらゆる部品が転用されている、そしてまた、何よりも、拉致問題を抱えている我が国が、最も西側社会、最も自由社会にいる、最も北朝鮮の内情を知っている方がいるわけですね。この方に対しては、アメリカのディフェンス・フォーラムというシンクタンクが招聘をした。そのときには実現をしなかったわけですけれども、例えば、アメリカの国務省が、身の安全は保証するから何とか出国させてほしいということを働きかけたというようなことも韓国の新聞で報じられているわけでございます。
 我が国としてこういう対北朝鮮政策を考えることにおいて、御自身としては、残念ながら韓国では言えないことも、よその、日本に行ったら話をできるということを言っているわけですから、この点については、やはり日本政府としてこれは真剣に考えなきゃいけない問題だろうと思います。
 それから、この方が、いや、そうはいっても本人からそういう意向が伝えられないと言うけれども、それをなかなか今まで伝える機会がなかったんです。ですから、もしそうであるならば、もし条件的には、本人から例えば文書のような形で何らかの意思を表明すれば、それがファン氏の来日の意向というふうに正式に受けとめるのかどうなのか、もしその場合であれば政府はどのような形で考えることができるのか、その点について再度お尋ねしたいと思います。
福田国務大臣 我が国としては、北朝鮮の情勢、また、特に政治の一番中心にいたというようにも言われていますファン氏について、いろいろ必要な情報はあるかもしれぬ、そういうふうなことで、ファン氏に限らずいろいろ情報を集める、大量破壊兵器の問題もございますし。
 そういうことで、情報収集には努めているそういうふうな立場というのは、これはあるわけです。ですから、そういう努力は日ごろ行っているわけでありますけれども、しかし、ファン氏について、では今まで調べたのかどうかといったようなことについて、これは私から申し上げるわけにいかない問題でございますので、差し控えさせていただきます。
 必要に応じて、今後もどういうことがあるかわかりませんから、今後何かお聞きするという機会がないということは言い切れません。ですから、それはそれで必要な努力はしてまいるというつもりでございますけれども、しかし、今、仮定の状況であり、予測の、予想の、想像の段階でございますし、また、御本人の安全ということも考えますと、日本に来て日本にいる間の安全ということだけではないと思いますので、そういうことを見通した上で判断すべき問題だというふうに思っております。
 いずれにしましても、本人の御意向はどうかということが一番大事だと思います。
渡辺(周)委員 この質問、きょうの委員会の質問の主題とは違いますので、これでおしまいにしますけれども、本人の意向は私も直接聞きました。そしてまた、その点についてはぜひ韓国政府に正式に働きかけをしてほしい、それはできれば日本の国会議員がグループになって韓国政府に直接伝えてほしい、そうすれば韓国政府も断れないはずだ、これは御本人がそういうふうに日本語でおっしゃったんですね。
 ですから、やはりこの重大な思いを、御自身も、もう亡命されて六年、そしてよわい重ねること八十歳、数え方によっては八十一歳という説もありますけれども、この方が今最も、北朝鮮の瀬戸際外交が見きわめられない中、つまり、次どこへ向かおうとしているのかということをこれから判断していく上で、だからこそアメリカも、あえて、国務省も含めてアメリカとして招聘しようということを、アプローチを何度もしているわけでございまして、これは、今の北朝鮮と日本の関係、日本と北朝鮮がこれから交渉する上で、私はやはり、一つだけ言えば、韓国がファン氏を国外に出して日本で自由に発言させるということになると、これは対北朝鮮の韓国の姿勢も転換することのきっかけになるのではないだろうか、そしてまた我が国にとっても、国益上、大変重大な証言を得られるのではないかというふうに思うものですから、その点については政府内でもぜひ検討をしていただきたいと思いますし、また、我々、今度は立法府、議会のサイドでも、これからどういう形でこの方の招聘を実現できるかということに取り組んでいきたいと思います。
 それでは、法案の質問に入ります。
 きょうは、政府・与党の現地調査団の報告という形で、まず最初に、いろいろと質問が今日までございました。そして、私、後ほども、戦闘地域、非戦闘地域、あるいは、現地でもし事があった場合、自衛隊がどう対応できるのかということに対しても質問をさせていただきますが、まず大前提にあるのは、イラク復興の道のりということが一体どういうふうになっているのか。
 その点については、一昨日帰ってこられた政府の調査団、新藤政務官がお見えでございますけれども、まずお尋ねしたいのは、この報告書にありますように、先ほども岩屋委員の質問にありました、早ければ七月にもイラク暫定行政機構が設立されるんではないかというようなことをおっしゃっていましたけれども、いろいろ報道等見ますと、例えば、反フセイン組織のイラク民主独立会議代表パチャーチ元外相は、米軍はイラク統治の準備も知識もなかったというような指摘をしているわけですね。こういう証言も幾つかある中で、本当にこのイラク暫定行政機構の七月中の設立ということが可能なのかどうなのか。
 実際問題、先般行かれた中で、CPAのブレマー長官と会われてそういう意見交換をしてきたということでありますが、イラク復興の道のりについて一体どういう話が行われてきたのか。この報告書ではさらりと書いてあるだけですので、その点について、再度お尋ねをしたいと思います。
新藤大臣政務官 杉浦委員が団長となりまして、私ども与党・政府で行ってまいりました。
 今のお話でございますが、ブレマーOCPA長官、そしてナンバーツーのソーヤーズ大使、これはイギリスの大使でございますが、このお二方、またさらには国連の事務総長特別代表のユーニスという官房長、このお三方からお話を受けたものを総合してお答え申し上げたいと思います。
 まず、とにかく五月一日にブッシュ大統領が主要な戦闘の終結を宣言した。そして、以降、五月十二日にブレマー特使がバグダッドに入りまして、そして五月二十二日には国連決議一四八三があって、翌日にデメロ事務総長特別代表が任命された。そして、それを受けて六月一日にCPAができて、今三週間、こういう状態でございます。
 そして、これから暫定政権をつくるんだ、IIAという暫定政権を立ち上げるために、七月中に、二十人から三十人になる政治評議会を設けたい、そしてそれはイラク人がその代表になる、このような明言をいただいております。そして、イラクのあらゆる層のいろいろな団体の方々が参加をしてこの政治評議会を立ち上げて、その中から大臣も任命したい、こういうようなお話を伺っております。そして、それに引き続いて、憲法を新しくつくるための憲法の委員会を立ち上げていきたい、これは大勢の方に参加いただくことを想定している、こういうふうに承っております。
渡辺(周)委員 今の、例えば暫定行政機構を立ち上げたいとあるんですけれども、実際、その動きについて、イラク国内の各層のイラク人が集まってやるということなんですが、現実問題として、排除されている派もあるわけでございます。実際問題として、その能力が、今現状、本当にあるのかどうか。
 つまり、そこから二十人から三十人の政治評議会を立ち上げて、それから各省庁の大臣を任命して今後のいろいろな課題を考えていくんだといいますけれども、この五月に、主要な戦闘は終わったというふうに大統領が言って、今のプロセスの中でこういう形で進んでいるとはいいますけれども、果たしてこんな、二月や三月で本当にこれが進むのだろうかということについては、本当にそのような確証を得て帰ってこられたのかどうか、まずそれをお尋ねしたいと思うんです。
 といいますのは、例えば、六月十二日、米軍のマキャナン司令官、地上作戦の指揮をとっている方は、イラク全土はまだ戦闘地域と考えている、いわゆる現場の指揮をとっている方がそう言っているわけでございます。この報告書の中には、治安は日に日に改善されている、しかし現地の警察組織が不完全である、そして旧政権の残党による犯罪は続いているというように書かれていますけれども、これは犯罪というよりも、米軍の現地の指揮官は、これはまだ戦闘地域と考えている。それを例えば、犯罪は続いていると、「犯罪」という言葉に置きかえているわけですけれども、実態を考えれば、本当にそんな暫定行政機構が順調に立ち上がるのかどうなのか、非常に懐疑的にならざるを得ないわけですけれども、どのような話し合いの中で、確たる意見があったのか、その点について再度お尋ねをしたいと思います。
新藤大臣政務官 これは、ブレマー特使、ソーヤーズ大使双方から、自分がバグダッドに入ってから、着任して以来七週間が経過している、劇的な向上がなされている、このようなお答えがございました。
 それから、私どもは、首都バグダッドの中で治安に当たっております第八十二空挺師団の大隊長とも、現場の指揮官ともお話をしました。私がずっと見ましたところ、各地に戦車が配置されていたり装甲車が配置されておりますが、大きな大砲には全部ふたがかかっております。そして、やはり弱みを見せると、襲撃やそれから車の襲撃事件とか、そういう犯罪があるんだ、だからきちっと警備をしている、こういうような現場の指揮官のお話もございました。
 そして、アメリカ軍が指導して、イラク人の手によるイラク警察というものを立ち上げて、そして巡回パトロールも行っている。従来は、イラクの警察は通報が来るまで待っているというスタイルだったんだそうです。しかし、今回はパトロールをして、巡回をして治安の維持に当たっているんだ、こういうことでございまして、どなたからも、戦闘を行っている、またそういう脅威がある、戦闘における組織的な、計画的な脅威があるという言葉は私どもは伺えなかったわけなんでございます。
 したがいまして、自分らも別にけん銃を、護衛つきで動いていたわけではございませんから、そういうことを、自分の目で見た結果も含めて、調査団の報告にございますように、治安についてはまだ不安があるものの、おおむねの戦闘は終了しているんではないか、このような御報告をさせていただいたというふうに思っております。
渡辺(周)委員 今、この報告書にありますように、現地の治安状況は日に日に改善をされているというようなことが書いてあります。しかし、例えば、現地の警察組織が不完全な状況であるためというふうに書いてありますが、今お話がありましたような、通報が来るまで待っている警察、しかし、今はパトロールなどの任務にも当たるようになるという中で、実は民主党も、政府・与党の調査団が行くはるか前に、民主党の場合は早速に調査団を送り込みました。
 末松委員が中心になってまとめられた我が党の報告があるわけでございますけれども、例えば「民主的警察制度」、ちょっと申し上げますと、「警察国家だったイラクの警察機構を民主化し、治安を早期に回復させるため、我が国警察などによる協力は、有効である。とくに、地域に根ざした民主的な「交番」システムの紹介や、警官のモラル等に関するガイダンスやトレーニング等、文民警察官や民間警備会社などを積極的に活用する。」これは、緊急にやれるべきことか、あるいは今後課題としてあることか、いろいろまだ現状に応じてあるわけですけれども、例えば、この警察制度を導入するということについては、我が国が、これは将来的にはかなり役立てることではないのかなというふうに思うわけでございます。政府の調査団の報告がさらりと書いてあるものですから、我が党の対応をちょっと紹介させていただきました。
 ここら辺で、旧政権の残党による犯罪などが続いているがと言いながらも、実際は、これも先ほど申し上げたように、米軍の司令官が、イラク全土はまだ戦闘地域と考えていると言っているわけなんですね。ですから、犯罪というよりも、これは後ほど防衛庁長官にお尋ねしたいと思いますけれども、戦闘行為とは日本の解釈でいうとこういう言葉であると。しかし、実際は殺りく兵器が行使されているということを考えれば、私は、実態的には戦闘行為が各地で起きているわけだというふうに認識をしているわけでありますけれども、ぜひ、政府の調査団の報告の中で不備な点についてはまた今後も指摘をしていきたいというふうに思いますので、次の質問に移ります。
 それで、今ちょっと申し上げました、もう一度改めて伺いますけれども、戦闘行為という言葉の定義はどういうふうに日本政府としては定義しているのか、改めて伺いたいと思います。
石破国務大臣 改めてのお尋ねですので、お答えを申し上げます。
 戦闘行為とは「国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為」でございます。
 国際的な武力紛争とは何かと申し上げれば、国または国に準ずる組織の間において生じる、一国の国内問題にとどまらない武力を用いた争いということでございます。
 一環としてとは何かと言われれば、人を殺傷し、または物を破壊する行為がこのような国際的な武力紛争の一部を構成していること、これが私どもの考え方でございます。
渡辺(周)委員 そうしますと、例えば今のイラクの状況、米軍の司令官が言うように、まだ戦闘地域と考えているという、米軍では戦闘と言うけれども、日本政府では今起きていることは戦闘というふうには、どうなんですか、とらえているんですか、いないんですか。
石破国務大臣 これはもう先生御案内のとおりでありまして、マキャナンが申しましたのは、コンバットゾーンという言い方をしたわけですね。それを訳したときに戦闘地域というふうに訳した。だから、イラク全土、戦闘地域だ、こういうふうに訳を、ほかに日本語にコンバットゾーンというのは訳しようがなかったのだろうと思いますが、そういうことになってしまいました。
 映像に映った場合に、同じようなことが映るかもしれません。どっちが戦闘行為でどっちがそうじゃないのということは、映像を見ただけでどっちか判断しろと言われれば、難しいこともあるかもしれません。しかし、戦闘地域かどうかということは、本当に、私どもが憲法で禁ぜられた海外での武力の行使というのを行わないということをきちんと担保するために設けた概念でございます。
 非戦闘地域において行うということは確保されなければいけません。そして、非戦闘地域において安全な地域というものをさらに検討し、そこにおいて活動することは、憲法の要請しておる、海外において武力行使は行わないということを確保いたしますとともに、自衛官の安全というものを確保する、そういうような二重の行為を行うわけでございます。
 ですから、コンバットゾーンというのは本当に、マキャナンもその会見の中でずっと述べておりますように、最後の方で、これは純粋に軍のためのものなのだと。軍のためのものなのだというのはどういうことかといえば、それは、コンバットゾーンに指定をされることによって手当が出る、そしてまた、それに税金がかからない、あるいは医療について、コンバットゾーンに指定されていない地域とは別の医療が受けられる、そういうような意味を含むものであって、そこは、私どもの定義で申し上げますがところの戦闘行為がイラク全土において行われているというものとは明らかに異なるものだと考えております。
渡辺(周)委員 この議論は、もう一貫してずっと繰り返されてきているんですが、現場の地上作戦を指揮している司令官がそうであると言っているのに、ここで議論をしている我が国の、まだ現地にもほとんど行っていない我が国の、政府・与党の調査団は行かれましたけれども、まさにそこの現地を知らない人間が、ここは戦闘地域である、非戦闘地域であるということを分けるのは、これは実は本音の中では政府もまた非常に苦しいと思っているんですよ。私どももそうなんです。実はイメージがわかないんです、正直言って。つまり、あすにも、あるいは今夜にも、急にそこが戦闘地域になる可能性はある。
 では、ちょっと具体的に伺いますが、こういうことがございました。バグダッドの西のファルージャというところで発電施設に向けてロケット弾攻撃があったというようなことが報道されておりますけれども、例えばこの砲撃は一体だれがやったのかということについて、日本政府はどのような見解を持っていらっしゃいますか。
川口国務大臣 これはフセイン政権の残存勢力と言われているわけですけれども、具体的に、また、本当にだれがやったかということは確認をすることはできないということでございます。
渡辺(周)委員 そうすると、今、フセイン政権の残存勢力と言われているというのは、これはあくまでも報道、あるいは米英の現地にいる司令部等からの情報なんでありましょうけれども、そうしますと、これがフセインの残存政権だった場合は、これは国または国に準ずる勢力ということになるんでしょうか、我が国の定義でいうと。
石破国務大臣 それがだれが確認するかによりますが、とっ捕まって、本当に私はフセインの残党であります、それを企図しておりましたということになれば、それは国に準ずる者ということになるだろうと思います。
 それで、現に戦闘が行われておらず、戦闘というのは今申し上げた定義でございます、そしてまた、活動を行う期間において戦闘が行われることを予測されないというふうに言っておるわけでございます。それが特定できない以上、つまり、今外務大臣からお答えがありましたように、フセインの残党と言われているが確認できない、そうかもしれない、その可能性は排除できない、否定できないという以上、それは予測される地域ということになると思います。
 ですから、非戦闘地域という概念をつくりますときに、それは、戦闘が行われていない、そしてまた、行動を行う期間において予測されないということになっておるわけでございます。そうすると、少なくともそういうような状況は、逆に申し上げれば、それが予測される地域ということになってしまう。そうすると、予測されない地域からは排除されるということになるだろうと思います。
渡辺(周)委員 例えば、これはフセイン政権の残党であるということがわからないけれども、そうであった場合には、これは国に準ずる者の戦闘行為になり得るだろう。しかし、これが何らかの、例えばイスラム教徒に対する異教徒による占領である、侵略であるということで、もしこれが純粋な、ある意味では宗教的な背景に基づくような抵抗であった場合には、これは国に準ずる者の、いわゆる我が国でいう、定義するところの何らかの殺傷兵器を用いた場合でも、要は主体と意図が違えば、あるときは戦闘行為で、あるときは戦闘行為とは扱わないということになるんでしょうか。
石破国務大臣 それは、何が国または国に準ずる者になるかということにかかってくるだろうと思います。
 先生御指摘のように、これがもう、フセイン再びとか、そういうような政治的な意図がなく、単に義憤に駆られてとか、あるいは宗教的動機にあるものであればどうなのか。理屈から言えば、それはその主体に当たらないことはあるだろうと思います。
 ただ、これは、私どもが、何度も申し上げますように、憲法に定めてある武力行使を行わないという要請から来るものでございます。そうしますと、では、非戦闘地域であっても、なおかつ安全を確保する、安全な地域、平たい言葉で言えば治安がよい地域というものを選んで自衛隊は活動することに相なります。
 それは、憲法上それが武力の行使の対象となるかならないかという、もっと、何といいましょうか、このイラクの問題に特定した問題ではなくて、何が我々の武力行使の相手方たり得るかという議論に収れんするお話だろうと思います。(発言する者あり)
渡辺(周)委員 ちょっと待ちます。
高村委員長 定足数をオーバーしています。
渡辺(周)委員 それでは続けますが、今、非常に頼りない、外務大臣もすぐにお答えできなかった。つまり、どういう主体で、どういう意図で。
 例えば、ある新聞報道で、フセインの復活を願う住民がいる、この住民が、例えば民兵を組織した場合に、これは一体どうなのか。あるいは、反米武装勢力と言われた場合に、それは純粋な、例えばイスラム教徒に対する、敬けんなイスラム教徒に対しての文化的な、宗教的な摩擦によって反米なのかというような、いろいろな問題、それぞれの違いがあって、ただ反米という形では、結果的に同じ行動になり得るわけでございます。
 そうしますと、それをだれがどう判断するかということについて、つまり、そういう意味での治安の悪化が、武力行使とは言わないまでも、殺りく兵器を用いて何らかの形で、もし我が国の自衛隊がそこで活動をすることになった場合、だれがそれを判断できるか。
 その点については、先般、石破長官が、日本独自の情報判断で、あるいは諸外国からの情報をもとにして判断すると言うんですけれども、どういう形で情報収集してこれを判断できるんでしょうか。
石破国務大臣 これはもちろん、外からの情報だけで判断するということは、してはならないことでございます。
 ですから、先ほど山谷議員の御質問の中に百人単位の調査団を早く出せというような御指摘もありましたが、実際に行く人たちが参りまして、どういうような状況なのか、治安も含めまして、戦闘地域か非戦闘地域か、そしてまた、治安の状況も踏まえまして情報を集めます。ですから、米英軍あるいは行っております他国の軍隊からの情報も入ります。それは防衛駐在官もおりますし、入ります。そして、私どものプロフェッショナルが見た情報というものを見られます。
 それで、活動を実施する区域がいわゆる非戦闘区域という要件を満たすことにつきましては、対応措置を実施する区域である実施区域を防衛庁長官が指定いたします。そういう法律の仕組みになっております。当該指定につき内閣総理大臣が承認する際に判断をするということになるわけでございます。
渡辺(周)委員 もう一回確認をしますけれども、ちょっと別の例を挙げます。
 イラクのヒートというところの近くでパイプラインが爆破されるという事件があった、これも報道されておりますが。そのパイプラインを爆破したのは、イラク最大のドライミ族という部族の民兵である。これは、司令官がいて、民兵組織内で攻撃の時期や場所を調整している、ある意味では組織的に行っているという証言が関係者からあるけれども、それは組織的ではないというふうに例えば米軍などは言っているわけであります。
 例えば、意図がわからないけれども何らかの形で、我が国が活動しているところに、武力行使と言わないまでも殺りく兵器による妨害があったという場合に、これを現地で、ではだれが判断をするのか。
 つまり、相手の意図が組織的であるか、相手が意図であるか、それが国もしくは国に準ずる組織ということが、現地で、どの時点で、だれが判断できるか。つまり、それによって活動を休止しなきゃいけないかどうかという判断はその場でできるんでしょうか。つまり、相手が、攻撃主体がわからないわけですよ。
石破国務大臣 それがわからない場合に、やはり私どもは、法案に従いまして、活動を一時休止し危険を回避するなどの措置をとって、中断するかどうか、その指示を仰ぐことになります。そうしますと、現地の司令官は、現地の部隊は、それを休止し回避するところまでは当然自分の判断でいたします。それを、やっていいでしょうか悪いでしょうかみたいなことを本国まで聞いているようないとまは当然ございませんので。ですから、危険を回避し休止しつつ、中断するかどうかということはその実情を踏まえて判断する、それは本国で判断することになります。それは、こういうような情報である、どうであろうかということで。
 これはPKOのときも、もう十年も前のことですが、危なくなったから帰っていいでしょうかみたいなことを聞いている暇はないでしょうという議論はありました。ですから、それを休止し回避するというところまでは現地の判断でできるということになります。それは、相手はだれかということには限りません。
渡辺(周)委員 それが、例えば一時的に休止をする、そして、先ほどちょっと質問をしました、いわゆる発電施設に向けてロケット弾攻撃があった、一体だれがやったんですかと言ったら、これはフセイン政権の残存勢力ではないかと言われているけれども、それもまだ定かではない。
 例えば、イラク南部のアマラというところの郊外で、イギリス軍が襲撃されて六人の方が亡くなっている。これをやったのは、これはどうも、武器捜索に、イスラム社会では忌み嫌われている犬を一緒に連れていった、それに対する反発ではないか。我が党の末松委員はイラク通でございますので、聞くと、いや、忌み嫌うべき存在ではなくて、どちらかというと、ばかにされている、軽べつすべき動物というふうな、これはイギリスのロイター等が報道したところによると、実はそういう文化、慣習の違いによって大変な反発があった、それに対する、もともとのたまっている、占領行政ととらえている住民たちは、さらにそこで引き金になってそういう行動を起こしたというように報じられているわけであります。
 例えばこういうことが文化や慣習の違いによって実際に起きるわけなんですけれども、それは我が国の定義でいうと、いわゆる戦闘地域ではない。しかし、何らかの妨害をする工作あるいは抵抗する勢力があった場合でも、これは一時休止するけれども、当然、そのようなことであるならば、そこで現地の判断でさらに活動を続行するということはあり得るわけですか。
 つまり、相手が特定できなくて、意図が特定できなくても、その現地の判断によれば、そのまま活動を当然続行することもあり得るわけですか。
石破国務大臣 それは行為の態様によって、これはどう見ても違う、どう見ても国または国に準ずる者でなくて、強盗、泥棒のたぐいであったということになれば、それは休止を解除して再開することはあり得るんだろうと思います。
 ただ、今委員が御指摘の犬のお話でございますが、これは本当に、私ども、今までPKOを派遣しますときにも、現地はどういう地域なのかということを隊員に徹底してまいりました。言葉も徹底をしてまいりました。もちろん、べらべらにしゃべれるわけではありませんけれども。
 ですから、民俗、習慣、そういうものがどれだけ違うかということをきちんと理解していくということは、本当に必要なことだと思っております。
 特にイスラム教、イスラム教の中でもいろいろな宗派があるわけでございまして、それは本当に末松委員が大変お詳しいわけですから、あるいはお教えを請うことがあるのかもしれませんが、何がどうなのかということは本当にきちんと理解をしていかないと、とんでもないことになりかねないという意識は強く持っておるところでございます。
渡辺(周)委員 時間がなくなってきていますから、ちょっと質問を急ぎますけれども、まさに私が今回問題としたいのは、フセイン政権の残党というものがやるのであれば、これは戦闘行為のある意味では続行だと私どもは思うわけですね。
 そして、ただ、例えば、反米感情であるとか、あるいは解放と称しながらも実は占領ではないか、イスラム社会が土足で踏みにじられるようなことを許さないというものに基づく抵抗する行動であれば、これは日本の理屈でいえばいわゆる戦闘ではないというふうにたとえしても、現実問題としてロケット弾を民兵が持っているわけです。今まで、日本の自衛隊が活動していてロケット弾を撃ち込まれたなんということはまずあり得ない。
 そうすると、ただ投石だとかなんとかというならまだわかりますけれども、まだこのくらいならというのはあるんでしょうけれども、しかし、彼らが何を持っているかわからないわけでして、この点については、もう本当に我々も、だから本当に自衛隊が行った場合にさまざまな危険が伴う。
 私は、本当は今回の法案を審議するに当たってぜひ政府に言ってほしかったのは、もし派遣するということになれば、今回は、今までやった自衛隊の海外派遣の中で最も危険度の高いところに行くミッションですと、そのことをはっきり言うべきなんですね。
 つまり、戦闘が終結したと言われるアフガニスタンには国内に行ってはいない。しかし、今戦闘地域だと言っているイラクに実際入っていくわけですから、危険度に関しては、これは法の趣旨は別ですよ、法の性格は別ですけれども、実態論として非常に危ない任務をそれこそ負わなければいけないわけであります。そのことをもはっきり言うべきだと思うんです。そうしないと、先ほど、家族がいて、兄弟がいて、子供たちがいて、恋人がいて、その自衛官が一人も命を落とすことのないように帰ってくると。まさに行く側になってみると、これはもう新聞報道を読むと、毎日だれかが襲われて必ず死んでいる、こんなところに行くことになった場合に、本当に大丈夫だろうか。
 しかも、そのことについて、やはりもうはっきりと国が言わなきゃいけないと思うんですよ。これは、私は現場の自衛隊の方々、現場といいますか、かつて海外に行かれた方々と先般あるところでお会いをしました。プライベートな席だったので、いろいろと雑談的に今回の法案についても聞きました。かつて海外経験のある方にも言いましたけれども、とにかくやはり現場の緊張状態というのは大変なものだということをおっしゃっているわけでありまして、それに対して、それならば、本当に不安はもちろんあるけれども、やはり国の議論の中でそこをはっきり、すっきりして現地に行かせてくれないと、とてもじゃないけれども中途半端な思いのまま行きたくないということを当然経験者も言っていたわけです。
 そこで、残り十分ですから、もう時間がありませんけれども、では、もしここで自衛隊が活動をした場合に、先ほどのイスラムの習慣の話ですが、例えば、向こうに不審な、これはどこでしたか、きょうか、何かあったのは、デンマークの兵士がイラク人を射殺した。彼は、自動小銃を持っている人間がいて、動くなと言ったけれども言うことを聞かないから一人撃ったんだと。例えば我が国がそれをできるでしょうか。
 つまり、我が国の自衛隊は、国民に向かって、市民に向かって銃口を向けたことのない自衛隊ですね。この自衛隊が、イラク社会で例えば浄水や補給の業務をしている、そこにイラク人がやってきた、そのときに、何か持っているかもしれない、現地の緊張状態がどうかわかりませんが、例えば来たときに、そこで、動くな、とまれ、そしてそこに、地面にひれ伏してちょっと身体検査をさせろと。もっと言えば、イスラム社会では女性の体をさわるなんということは大変な御法度になっているわけです。それがまた実は反米感情をあおっているというような報道も連日なされているわけですけれども、例えば日本の自衛隊がイラク人に銃口を向けて、身体検査させろ、持ち物チェックをさせろと言うことはできるんですか、そのときには。
石破国務大臣 私は、実際にはそんなことはできないと思っています。
 いわゆる自爆テロのようなものにどのように対応するかということは、当然議論をし、対応を決めておかねばならないことでございます。そういうことは考えたくないので議論しないというようなことは許されることだと私は思いません。
 それに対して、まず大前提としてありますのは、そういう地域には行かない。では、何でそんなものが特定できるんだという話ですが、それでも、情報を集めて、そういうような自爆テロというものが起こっている、あるいは不穏な状況であるというところを特定する、そしてそこには行かないという努力はまずされるべきだと思います。それをネグっていいと私は思いません。そこを、まずそういうことがない地域を選ぶ。しかし、それだって全くないということは言えないでしょう。
 そうなってきますと、現場の状況から判断をいたしまして、不審な者や車両等が接近してくる場合には、警告を行う、近づくなということをいろいろな言葉で言うということになります、まず、近づいてはならないということを。それでも、必要に応じて警告を行い、そしてまた必要に応じて武器を使用することになりますが、武器の使用というのはいろいろなものを含みますね、撃つことだけが武器の使用じゃございません。実際には、一般住民を装ったテロ攻撃をしかけられた場合、これが目前に迫るまでその意図が明確ではない、つまり、にこにこしながら寄ってくるということは十分にあり得ることなんだろうというふうに思っております。
 そういう場合に、武器を使用しそれを阻止することは決して容易ではない。そしてまた、その周辺に一般住民がいるということも考えていかねばならないでしょう。そういう場合に武器を使用することも容易ではないと思っております。そうなった場合は、やはり、説得、警告にもかかわらず近づいてきた場合にはどうするのだということをきちんと決めておかなければいけないと私は思っています。
 どうやってその被害を極小化するか。そういう場合には、それこそ、それが国または国に準ずる者でないとしても、それが個人の恨みを持った自爆テロリストであったとしても、それは、避難をするというか、そういうことも選択肢としてはあるでしょう。そしてまた、自分の身に危険が迫るというような場合には、それは場合によっては武器の使用ということはあり得ることです。
 これはもう、この場合にはどう、この場合にはどうということを今ここで個々具体的にお示しをするということは極めて難しい。しかし、どうしてそういうような状況を回避するかということにつきましては、本当に先生おっしゃるように、実際に行く人たちがどうなんだ、そして実際の現場はどういう状況なんだということを踏まえてきちんとしたものを確立する、そうでなければならないことだと私は思っています。
渡辺(周)委員 まさにそうなんですね。
 これは善良なる市民なのか、あるいはとにかく占領行政に加担をしている国の何らかの行動に対して妨害してやろうという意図を持った、もしかしたら自爆テロリストかもしれない、これは区別つかないんです。もっと言ってしまえば、女性かもしれませんし、少年かもしれない。子供が、大体、この間アンマンの空港で爆発したクラスター爆弾のあれじゃありませんけれども、もう武器が容易に手に入る、そして銃が蔓延している社会の中で、子供だからといってこれは油断できない。いや、何か歯を見せてにこにこ笑って来た、くりくりした目の子、かわいいな、ところが、実はそれは自爆テロだった、少年兵だった、そういうことが実際あり得るわけですね。
 そうすると、我が国の自衛隊は、今までやったこともないような、つまり、わからないけれども市民に銃を向けるという、これは当然そこまでのことをさせておかないと、入ってきて――これは有事法制の議論のときもしました。こんなことがなければいいけれども、あったときにどうするんだということは議論しなきゃいけない。だから、これはある意味では現場における有事法制なんですよね。これはあり得ないかもしれないけれども、そんなところに行くはずがない、起こらないといったって、もしそれが起きた場合は、これは私は怖がらずに議論するしかないと思うんですよ、余りごまかさないで。
 とにかく、そのときには、イラク市民を装ったテロリストであるということを例えば大前提に置いて、そのときには、警告じゃなくて、とにかく停止させる。この間テレビでやっていました。治安部隊が、自分たちに対して若者が車側から挑発行動をとってきた。その街角に立っているアメリカの治安部隊が押さえて、地べたに腹ばいにさせて、よくアメリカの映画でカーチェースをやったとき犯人を取り押さえるように、とにかく屈辱的な格好をして、銃を突きつけて身体検査するわけですね。後でわかったのは、彼らはやはり車の中から挑発しただけだ、なのに何でおれたちはこんな目に遭うんだということを言っていました。それによってまた憎悪の念が大きくなっていくんでしょうけれども。
 まさにそのことを覚悟で、日本の自衛隊が活動するのであれば、そこまでやらなければいけないと思いますけれども、再度、長官はどのようにお考えですか。
石破国務大臣 おっしゃるとおりです。ただ、それはどなたかの御質問で、ROEをすべて明らかにすることはできないということを申しました。この場合もそうです。
 ただ、私は、イラクに自衛隊を派遣するかもしれないという議論があったときから、この自爆テロにどう対応するかということをきちんと決めないで出すということは絶対にしてはならないということは庁内で申し上げております。それは考えたくないなんてことで済む話じゃございません。
 そうなったときにどうするか。しかし、それじゃ、にこにこして近づいてくる、あるいはぱたぱたと日本の旗を振って近づいてくる、じゃ、それに撃てるのかということになるわけです。どういう場合に撃てるのか、あるいはどういう場合に警告射撃ができるのか、それを具体的に申し上げることは、それはしてはならないことだと思います。でも、そういう場合に遭遇した自衛官たち、そういう地域でないところを選んでもなお遭遇してしまった場合にどうするんだということはきちんと定めなければ、これは出すことはできないと思っています。
渡辺(周)委員 時間がなくなりまして、またこの質問については続けてぜひやりたいと思いますが、本当にこの議論を、多分、防衛庁・自衛隊の関係者の方々は大変注目をしていると思います。とにかく行く身になってくれというのが生の声でございまして、そのことを考えれば、やはり中途半端な議論はしてはいけないと思うんです。
 その点についてはまた今後も議論をしてまいりますけれども、もしこれが本当にそこまで考えて実現を、本当に自衛隊派遣ということになれば、これは本当に責任を国会が持たなきゃいけませんし、この法案を通して、あるいは基本計画を承認すると、事前承認が私は当然すべきだと思っていますけれども、これは大変な責任を政治家も負わなければいけないなというような覚悟でこの法案については審議をしていかなければいけないと思います。
 終わります。
高村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
高村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法案審査のため、来る七月一日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
高村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
高村委員長 質疑を続行いたします。吉田公一君。
吉田(公)委員 具体的な質問に入ります前に、私なりに一言申し上げたいと思いますが、戦後の復興に当たりましては、大多数の国々から我が国はMSA援助を初め食糧の援助その他いろいろな援助をもらい、そして、朝鮮動乱によって、我が国の経済は高度経済成長を迎えるきっかけになったわけでございます。
 そして、朝鮮動乱を境にいたしまして、当時占領軍でございましたがマッカーサー司令部から、警察予備隊をつくれ、こういうことで、数ははっきりしませんが、四万五、六千人の警察予備隊を昭和二十五年につくったわけであります。以来、二十七年保安隊となりまして、二十九年に自衛隊と名称を変えてきたわけであります。
 当初は、自衛隊というのは警察予備隊の延長でありまして、つまり、言ってみれば、アメリカ軍の政策遂行のために警察予備隊をつくった。当時の吉田内閣はこれに難色を示したということを言われておりますが、ただ、その当時から、吉田内閣以来、自衛隊は軍隊ではない、そういう内閣の見解はいまだに続いてきているわけでございます。
 その間、我が国は、高度経済成長を遂げて、今まさに、ODAを初めとして世界の後進国に対するいろいろな援助をする、そういう立場になってきたわけでございます。ユニセフにしても、あるいはまた国連にいたしましても、我が国の負担金はアメリカに次いで第二位、世界的にも我が国は存在価値が認められてきた。世界情勢は変わってきた。
 そういう中にありまして、いつも、自衛隊を派遣するときに、憲法の問題やら集団的自衛権という問題が必ず起きてくるという、大変厳しい、狭い選択の中で我が国は自衛隊を何回か派遣してまいりました。カンボジアのときにはけん銃一丁しか持たせない、それで、次の自衛隊派遣の際には機関銃は二丁だとか一丁だとかという論議で自衛隊を派遣いたしましたが、私は、そういう話では本来ない、そういうふうに実は思っているわけでございます。機関銃が一丁だからいいとか二丁だからだめだとか、そういう議論は私はもう通用しない、そういうふうに実は思っているわけでございます。
 そこで、イラクの治安について、今我が国は自衛隊を派遣するということになっておりますが、ただ、よく治安が悪いからということが言われます。治安というのは一括して総称して言われるんですけれども、治安の悪化ということは、警察的な治安の悪化なのか、それとも軍事的な治安の悪化でということは随分違う話であります。
 我々はよく、住宅地でひったくりが多い、ピッキング強盗が多い、強盗や空き巣も多い、治安が大変悪い地帯なんですよ、こう言われます。だけれども、今度のイラクについての治安が悪いということは、散発的な要するに銃撃戦なり戦闘行為が行われている、あるいは、正規軍が出動して、そして治安の維持に当たる、意味合いが全く違うわけでございます。そういう意味で、イラクの、軍事的に治安が悪いということなのか、軍事的に治安が悪いのか警察的に治安が悪いのか、混同されて議論される場合がありますが、どちらをもってして治安が悪いということなのか、防衛庁長官にお尋ねをしたい、そう思っています。
石破国務大臣 お答えを申し上げます。
 基本的には、両方ある地区もあれば、ただ、軍事的にという御指摘でございますが、今現地に展開をしております部隊は、別に自衛権を行使しに行っておるわけではございません。国連決議一四八三というものに基づいて行っているわけでございます。
 そこで、るるお答えをしておりますように、国または国に準ずる者によって、国際紛争の一環としての武力の行使のようなことが行われていれば、これは軍事的に治安が悪い、変な日本語ですけれども、軍事的によろしくないということだろうと思います。それが強盗とか泥棒とかこそ泥とか、そういうようなもののたぐいであれば、それは警察的に治安が悪いということになるのだろうと思います。
 現在、一般市民が小火器を入手したわけですね。つまり、サダム・フセインが、こんなことは本当はやっちゃいかぬのですけれども、イラク国民はみんな銃を持って戦えみたいなことを言ってしまいまして、戦争のときにみんなに銃を渡しちゃったということは厳然としてございます。したがいまして、その以前は考えられなかった泥棒やそういうのが銃を持っている、そしてまた略奪が行われているというのは、きのう斉藤委員からの御報告があったとおりでございます。
 ですから、今の状況を考えてみたときに、一般的には警察的に治安が悪いということだと思っております。それが国または国に準ずる者ということになりますと、それは軍事的な意味合いを含んでくる、そういう状況かと思っております。
吉田(公)委員 つまり、戦闘地域か非戦闘地域かというような議論が何回もこの委員会で行われました。しかし、治安が悪いところだから、警察的な治安が悪いところだから自衛隊を派遣することはできないということにはならないと私は思っているわけです。
 それは、日本の警察官も、警察官職務執行法のけん銃取り扱い規則というのかな、規制緩和をいたしました。自分の身に降りかかるときは発砲してもよろしい、正当防衛なら発砲してもよろしいと、我が国の警察でさえそういうふうに緩和をしたわけですね。したがって、最近は、警察官が自己を守るために、正当防衛のために、けん銃を発射する件数は前よりかずっとふえてまいりました。それじゃ、けん銃を発射する際に、いよいよ危険が迫っているわけでありますが、そのときに、一々、警察署長に電話して、ナイフを持っている男に今もうすぐ襲われそうになっているけれども、発砲してよろしいでしょうかなんて聞く警察官はいないんで、あくまでも、現場の警察官の判断に任されているわけですね。
 したがって、自衛隊も、それは、危険地域か危険地域でないかということは、秋に自衛隊、後で聞きますけれども、仮に部隊編成や何かがあって派遣するということになった際に、危険地域か危険地域でないかというのは、そのときにまず決めなきゃいけない。今からそんな話をしたって、それは全然わからないわけだから。
 だから、そのときに決めなきゃいけませんが、我が国は御承知のとおり交戦権を持たないわけでありますから、米英軍と作戦行動をともにし、部隊行動をともにするなんということは論外な話であります。したがって、治安が悪いから要するに自衛隊を派遣して、そして市民の暮らしを、まず火器を持った、自分自身で守れる人たちをまず派遣して、市民生活を向上させ支援をしていくということだろうと思うんですよ。
 だから、私は、そういう意味では、危険地域か危険地域でないか、戦闘地域か戦闘地域でないかということは、戦闘地域でないところに派遣するのは当然の話でありまして、そういう意味では、要するに治安ということはどういうことなのかということを、実はそれだから聞いたわけであります。泥棒が多いから、かっぱらいが多いから、強盗が多いから、治安が悪いから行かせられない、そうはならないと思っているわけですね。
 したがって、自衛隊は、集団的自衛権ということが問題になりますけれども、一体、集団的自衛権というのはどういうことなのか。途中で出てきた話、言葉でございまして、前には、集団的自衛権なんという言葉は必要なかったし、要らなかったわけですが、最近は、海外に自衛隊を出すということになりましてから、要するに集団的自衛権という言葉が出てきて、それは憲法に抵触をするんではないか、そういう話になってきたわけですね。一体、集団的自衛権というのはどういうことなのか、ぜひひとつ御答弁をいただきたい、こう思う。
 今までは法制局長官が解釈をして、昭和四十二年以来、記録を見ますと、自衛隊は軍隊なのかという質問がたびたび行われております。そのたびに法制局長官から法律解釈があって、その範囲ならとか、その程度ならとか、そこまでだとか、そういうことが示されるわけでございますが、集団的自衛権とはどういうことなのかということをぜひひとつ政府として御答弁いただければと思っております。
石破国務大臣 これは、午前中も法制局長官から答弁がございましたが、こういう定義をいたしております。
 「国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもつて阻止する権利を有しているものとされている。」ですから、国際法上、国家は今申し上げたような集団的自衛権は持っているのだということを認めました上で、我が国が、国際法上、集団的自衛権を持っているということは、我が国は主権国家である以上当然のことであるけれども、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、この集団的自衛権を行使することは、必要最小限度の範囲を超えるので、憲法上許容されないという解釈を従来から政府はとっております。
 もう一つ、先生の御質問にありました、自衛隊は軍なのかどうなのかということは、直接、この集団的自衛権の問題とかかわるものではございません。そしてまた、私どもがこの法案でお願いをしておりますイラクに自衛隊を派遣するということも、自衛権を行使しに行くわけではございませんので、基本的に集団的自衛権の問題は生じないのでございます。集団的自衛権の問題というのは、そもそも発生するという要素がイラクにおいてはございません。
 もう一つ、先生お尋ねの、自衛隊は軍なのかね、こういうことでございますが、憲法によりまして、九条二項で、陸海空軍その他の戦力というものは持たないということになっておるわけでございます。自衛隊はそれには当たらない。陸海空軍その他の戦力、つまり、九条二項で禁止されている陸海空軍その他の戦力ではないという考え方をとっております。
 しかしながら、自衛隊が軍であるかどうかというのは、要は、軍というのは何ですか、こういう定義をどうするかということによります。仮に外国からの侵略に対して対抗する実力を持つものを軍隊である、こういうこととすれば、自衛隊を軍というふうに言うことは可能でございます。しかし、それで自衛隊を軍というふうに申しましたとしても、九条二項に言います陸海空軍その他の戦力には当たらないものと考えております。
吉田(公)委員 自衛隊と集団的自衛権とはかかわり合いがないという長官の御答弁でございますが、しかし、それは軍事力を行使する際の集団的自衛権でありますから、それはもう密接な関係があるわけでございます。だって、皆さん、消防団にはそんなのないんだから、集団的自衛権なんということを消防団に適合するなんという話はないんで、やはり軍事に対する、軍隊に対する憲法の制約を言っているわけだから、だから、そういう意味では、やはり自衛隊と集団的自衛権とは私は切り離して考えることはできない。
 軍隊であるかどうかということについては、やはり、武器、弾薬、装備等を判断すれば、それはどう考えても軍隊なんですよ。軍隊と呼ばれても仕方がない、言ってもいいというお話だけれども、外国は全部、自衛隊を軍隊だと思っているわけですね。したがって、各国大使にも自衛隊から制服組が行っておりますし、また、各国の軍と自衛隊とお互いに軍同士で話し合うということですから、外国ではとっくに、我が国の自衛隊は軍隊だと外国は認知しているわけでございます。
 そこで、どう考えても、戦車が土木事業に使えるなんて思えないんだから、だから、そういうことを考えますと、戦車は持ち、F戦闘機を持ち、掃海艇は持ち、魚雷艇は持ち、潜水艦を持っているわけですから、装備からいったってこれは軍隊なんですよ、装備からいっても。
 だから、そういう意味で、私は、自衛隊の存在というのを、その時々、吉田内閣から政府の拡大解釈でそろりそろりとやってきたけれども、世界の中の日本が果たさなきゃならない役割というのはもう避けて通れない。
 金だけ出せばいいじゃないかという話ではない。湾岸戦争のときに、我が国は百三十億ドルという援助資金を出した。だけれども、出したけれども、お礼を言われたなんという話は余り聞いたことない。そして、日本が湾岸戦争に貢献をしたというアメリカ大統領初め高官から余り正式なメッセージもない。
 したがって、これから日本は、そういう問題にお金だけ出せばいいんだということにはならないんですよ。ならない。だから、そういう意味では、いよいよ、自衛隊は軍隊ではないみたいなごまかしの話はもう通用しなくなった。
 結局、どうすりゃいいか。やはり、憲法改正、九条の論議を、衆議院にもできましたけれども、参議院にもできましたけれども、議論をして進めていく必要がある、私は実はそう思っているわけでございます。
 戦闘地域、非戦闘地域の区別の認定なんというのは、今、とてもできない。だから、これから、いつ大体自衛隊を派遣するんだかまだわかりませんけれども、その時点で、やはり、これだけ議題になっている戦闘地域、非戦闘地域というのはどこなんだと、だから、ここは、こういうところに自衛隊を派遣させて後方支援について任務を負っていくんだということを明確にすべきだと思いますが、長官、いかがですか。
福田国務大臣 この非戦闘地域をどういうふうに設定するのか、こういうことになりますと、これは、今委員も御指摘になりましたように、なかなか難しいところがある、こういう御指摘はもっともなことでございます。
 しかし、これは、そのイラクの国内において非戦闘地域はどうなのかという、そういうことについては、今後、いろいろな調査、それから状況、情報ですね、さまざまな情報を集約した上で設定する、こういうことは私は可能だというふうに思っております。まして、イラクの国内においては、昨日の与党報告もございましたように、日一日と治安の状況は改善されている、こういうようなこともございますし、非戦闘地域の地理的な大きさもやはり日一日と大きくなっている、こういう状況ではないかと思います。
 ですから、その後、それではどういうふうに設定していくのかということになりますが、しかし、現実問題としては、事件が起こっているということも事実でございます。ですから、そういう状況を見きわめた上で、まさに防衛庁長官が自衛隊の隊員の生命を預かって、責任を持って、行動をしてもらうということで派遣するわけでありますから、これはもう、政府を挙げて安全なる地域というものを精査した上で、防衛庁長官の責任、また総理大臣にそれをまた認めてもらうということでありますけれども、政府全体の責任としてこれは遂行していくべきものであるというように考えております。
吉田(公)委員 イラクの復興支援については、国会でも、イラクの復興支援についてはやはり日本は手を差し伸べるべきだ、こういうことについては一致しているわけであります。
 問題は、五月の中旬だか、国連でイラク支援のための会議があった。五十二カ国の国々が集まって、そして時期は違う、また支援の方法も違う、あるいは軍隊を出すかどうかもわからないけれども、いずれにしても一致したということで、もう国連からもイラクへ派遣をしている、事務総長の名代として。そして、だんだん、これからいろいろな国々が軍隊を派遣してくると、つまり、米英軍だけではなくて、多国籍軍にだんだんなりつつある、そう思っているんですが、それについていかがでしょうか。
川口国務大臣 多国籍軍という、正式な定義の意味で申し上げているわけではありませんが、多くの国が協力をしているという意味では、イラクは国際協調による復旧の舞台になっているというふうに思います。
 我が国が英米とそれから独仏ロと分かれた時点以降、戦後、国際社会の協調を回復すべく、さまざまな努力をやってきました中で、一つは、国際会議を国連の場で開いたらどうだろうかということの働きかけを行ったことにこたえて、G8の場でそういうことをやりましょうということになったわけですが、その会議が先般開かれ、そして今後、次にどの段階で開かれるかまだ決まっておりませんけれども、我が国はその中の主要国の一つになっているわけです。そういった努力を通じて、国際社会が協調して働きかける、復旧を行うということであり、その一つの象徴たるものが決議の一四八三であると思います。
吉田(公)委員 もちろん、一四八三の決議によって五十二カ国が、事務レベルでありますけれども、協議に入った。そして、早くイラクの復興支援をしよう。そのためには、何の復興支援をするにしても、つまり、軍事的な治安が回復しない限りは、やってやろうと思ってもできないわけですね。支援をしてやろうと思ってもできない。赤十字を行かせようと思ったって、これはとても危険でできない。それこそ警察的な治安からいったって、一般民間人は行かせるわけにいかない。一般の職員、厚生省の職員にしたって国土交通省の職員にしたって、とてもとてもこれは行かれる状態じゃない。
 だから、自分の責任で、要するに自分を守れる、そういう人たちをまず派遣するということは大事なことだと私は思っていますよ。だって、いきなり復興支援はいいと言ったって、さっき言ったように、赤十字の人はいいんだ、厚生省の人はいいんだ、水道に関係あるから、細菌の汚染濃度を調べるために厚生省の職員も行かせなきゃいけない、河川の改修もしなきゃ、水道管の改修もしなきゃいけない、それでは、国土交通省の職員がまず行って、そしてその検査をするなんということは危険ならできないわけですよ。
 だけれども、私は、もともと自衛隊とは一体危険なところに行かせてはいけないのかどうかということですよね、何のための自衛隊なんだと。私は、実は、個人的にはそう思っておるわけです。そのために訓練をして、そして莫大な予算を使ってやっているのに、治安が悪いから行かせられないということはない。
 そのためには、今度は、その武器を、どういう武器を携行していけば自分たちの身を守れるのかということもやはり考えていかなきゃならない。政府はなかなか、武器使用緩和については非常にかたい意思を持っておられるようでございますが、どういうことでそのことが限定されなきゃならないのかということをひとつお尋ねしたい、そういうふうに実は思っております。
石破国務大臣 安全なのか危険なのかというのは、例えば、丸腰の一般市民にとっては危険なところであっても、先生おっしゃいますように、権限を持ち、武器を所持している者にとっては危険ではないということはあるんだと思います。起こっている状況は同じであっても、全く丸腰の無防備な市民にとっては危険であっても、権限を持ち、武器を有している、ああいう武器を持っているし、それはこういう状況のもとで撃つのだから、それを全部明らかにするわけではありませんが、正当防衛、緊急避難というのは明らかにしているわけでございます。それでは撃つのをやめようかということにもなるわけですね。それによって危険が回避されるということもございます。
 ですから、安全だから自衛隊を派遣するという議論ではなくて、先生がおっしゃいますように、これはこういうことだと思うんです。一般の人、丸腰にとっては危険な地域かもしれないけれども、きちんとした武器ときちんとした権限を与えられた自衛官であればその危険を回避することができる地域に派遣する、こういう言い方の方が正しいんだろうと私は思っています。
 その上で、武器使用権限についてのお尋ねでございますが、これは別に、政府としてかたくなに、非常に抑制された、制限された武器使用権限しか与えずに自衛官を派遣するというようなことをこの法案で予定しているわけではございません。それは、持っていく武器の種類につきましては、ここ数日、議論があることでございまして、法に明示的な制限はないけれども、では、本当に自分の身を守るという範囲において何を持っていけばいいのかということを、実際に派遣される人たちのそういう感覚あるいは知見というものを踏まえて、そしてまた尊重して決めるべきものだというふうに思っています。
 そしてまた、権限につきましては、あくまで法の範囲を守って、法の範囲を逸脱することがないように、しかし、例えば、向こうが撃たなきゃ撃てないということをよくおっしゃる方がありますが、それは、従来の我が国の国内における裁判におきましても、そうではない。緊急避難の要件というのは急迫不正ということでありまして、急迫というのは、必ずしも向こうが撃つことのみを指してはおりません。
 ただ、その場合に、現場で混乱することがないように、それは先生おっしゃるように、撃っていいでしょうかとか、一瞬の逡巡が大きな被害を招くこともあるわけでございますから、この場合にはこう、この場合にはこうということをきちんと現場に示して、迷いがなく危険を回避できるようにしなければいけないと思っております。
 過度に抑制的に使用権限を絞って出すというつもりはありません。身を守るために、身を守る範囲において、きちんとした十分な権限を与えて出す、私は、そうあるべきものだと思っています。
吉田(公)委員 そうすると、携帯をしていく武器は、種類はまだ決めていないということで、長官、よろしいですか。
石破国務大臣 具体的に決めておりません。
吉田(公)委員 だけれども、武器についていろいろ意見が取りざたされているんだけれども、まだ武器を決めていないということでございまして、では、理論だけ、論理だけ、話だけが先へ行っちゃって、全然政府が決めていないのに、何で、武器の使用について自衛隊員が安心して行けるような体制を整えなきゃいけないんだなんという話が出てくるのか不思議でしようがない。
 それはなぜかということでございまして、自衛隊員が責任を持って任務を遂行するための武器というのを今から、全然政府は決めていないのに議論がされているということは、風評ですかね、これは。長官、風評。
石破国務大臣 それは、実際にこの法案をお認めいただいて、きちんとした調査団を出して、それは何度か答弁申し上げましたが、実際に行く人たちが見なきゃわからないということがあると思うんですね。
 最初に出しました政府の調査団も自衛官が二人参りました。今回の与党の調査団にも随行をいたしました。しかし、それは具体的にすべての状況が見えたわけではありませんし、そして、そのような場面にもちろん遭遇をしたわけでもありません。そして、治安が悪いといっても、一体何を持っているのかということを詳細に把握をしたわけではありません。フセインが武器を配った、こう言われますが、これは、どんな武器なのか、どのような性能を持っているのかということは、カタログデータでわかることはありましても、実際に行ってみなければ感覚がつかめないことはあると思うのです。そこに実際に派遣される人間たちが行ってみて、一体何を持っていけばいいのだろうかということをプロがきちんと見なければ、具体的に何を持っていくということは特定できないのだと思うのです。
 確かに、法に明示された、これはここまでしか持ってはいけないというものがあるわけではありません。しかしながら、余りに過大なものを持っていくということもあってはなりませんし、もちろん、余りに過小なことではだめなのであります。何を持っていくかというのは、実際にプロが行ってみて判断をする、いろいろな状況、必要性、そういうものを見て判断をすることになると思っております。
吉田(公)委員 そうすると、盛んに論議をされております、要するに、隊員が携行する武器等については、政府は何ら、この武器、あの武器と決定しているわけではない、ただ、だれが考えてもそんな武器は必要ないという常識の範囲の中での武器の携行である、そう解釈してよろしいんですね。
石破国務大臣 防衛庁におきましては、必要となる武器の種類について、所要の検討をただいま行っております。
 現時点におきまして、個々の装備品につき、携行するか否か、確たることは申し上げられません。すなわち、私どもは、基本的に国内、専守防衛でございますから国内において使うことを予定しております。もちろん、PKOで展開もしておりますから海外で使うこともございますが、イラクのような地域、すなわち、政府の調査団あるいは与党の調査団が申し述べておられますように、四十何度なんというようなところです。そしてまた、湿度も日本と違う。そういうところにそのまま持っていって、本当に予定どおりの性能を発揮するのかということもございます。そういうこともすべて検討しておりまして、この時点で、これとこれとこれとこれを持ってまいりますということは申し上げられません。しかし、持っていく場合に検討すべきことは、当然、過大であってはならず過小であってはならずということだと思っています。
吉田(公)委員 問題は、法律案では四年、こうなっておりますが、アフガンでさえ、掃討作戦以来、タリバンが壊滅して、カルザイ暫定議長ができて、一年たたない、半年ぐらいでできちゃったわけですね。したがって、長ければいいというものじゃないんだし、当然費用のかかることでありますから、やはりそういう点は、何で四年にしたのかということについて、実はお尋ねをしたいと思います。
福田国務大臣 そもそも、有効期限につきましては、イラクの今回の支援が、人道復興支援が中心になるんだろうという想定のもとに期限を考えたわけでありますけれども、復興支援ということになりますと、それはそれで時間的にはかなり長いものが想定されるわけでございまして、テロ特措法のように、アフガニスタンにおいて戦闘行為が行われる、掃討作戦が行われているという期間、これもいろいろ議論があったわけでありますけれども、二年と定めたということもございます。
 今回、四年というふうにいたしましたのは、復興というのであれば、もう少し長くてもいいんじゃないか、こういう意見もありました。また、逆に、三年ぐらいでもいいんじゃないかというように言う人もおりました。しかしそこは、例えば東ティモールのPKO、あれは四年七カ月ですか、それからもう一つ例がございましたけれども、コソボでは、一九九九年にUNMIKが設立されてから四年を経過している。現時点においても国連の活動が続いておるといったような、そういうような現実の例などを参考にしまして四年にいたした、こういうことでございまして、四年じゃなければいけない、こういうことではありません。
 ただ、復興ということであれば、場合によってはもっと長くかかるかもしれぬということでございますので、この法案の中では、さらに四年を延長できるような、そういうふうなことも記載をいたしておるわけでございます。
吉田(公)委員 例えば、あの大国のアメリカでさえ、戦争が長引けば予算案を議会側が通してくれるかどうかわからない。そういう事態もあると聞いております。したがって、どの国も早くやはり戦争を終わらせて、そして戦費をいかに軽減するかということは、私は大事なことだと思っておりますし、戦前だって、やはりそういう議論が国会で行われたわけでございます。
 記憶によりますと、粛軍演説をやったり、高橋是清大蔵大臣が軍事費の予算を削るために凶弾に倒れたというようなことも聞いておりますし、したがって、今はそんなことはありませんけれども、しかし、我が国の税金というのは国民が出すお金でありますから、そこはやはりできるだけ私は短い方がいい。
 一般の支援については、今いろいろやっていますよ。各国にやっていますね、ODAを通じたり。あるいは総理が行ったときに支援を決めてきたりやっています。それはもう何も期限を設ける必要はないので、我が国のそれこそ政府の判断でいいわけであります。
 しかし、問題は、では四年間自衛隊を行かせるのかという話にも通じるわけでございまして、自衛隊の派遣期間も、では四年間か、部隊をかえて、要するにローテーションを組んで四年間行かせるのかという話にもなるわけで、私はやはり、期間というのは、自衛隊を最初に行かせるわけですから、もっと短くしなきゃおかしい、その都度議論をすればいい、実はそういうふうに思っているわけですね。
 四年間ということは、この文章でいえば自衛隊も四年間ということになるのではないか、実は、長官、そう思っているわけでございまして、やはり、期限が四年間というのは、四年というのは相当な時間でございます。選挙も四年ですけれども、結構これは短いようで長いんですよ、四年間というのは。選挙民の三分の一が変わっちゃったりなんかして。だから、四年というのはいかがなものかと思うんですが、やはり私は短縮をすべきだと。その都度、対応に応じて再度、テロ特措法みたいに延期をするなら延期をする、その提案理由をちゃんと説明するということが大事ではないか、私は実はそう思っているわけでございます。
 それからもう一つは、イラクの本当の人道支援というのは、いかにイラクの自主政府を早くつくるかということだと思っています。
 伺いますと、石油省だけはやっと立ち上がった、だけれども、ほかは全然手つかずの状態でいる。だから、文民の人たちを、要するにシビリアンコントロールができる人たちをどんどん早く送らなければ、イラクの復興なんというのは、イラク人によるイラク国家はできないわけであります。そういう意味では、やはり日本も最初から自衛隊を派遣して、きちっとしておかなければ、そういうイラクの政府の自立のときに、後から行って、何かああでもないこうでもないとは言えないわけで、やはり日本は、世界の、アメリカに次いでの大国だと言われているわけですから、私は、そこはちゃんと日本の立場というものを考えてやるべきだと。
 そのためには、要するに、危険でない地域に自衛隊を派遣します、こう言っているけれども、そこはきちっと自衛隊を派遣して、そして我が国の立場というものを明確にするということが大事だ、そういうふうに実は思っています。
 したがって、日本だって、自衛隊だけ行かせたんじゃなくて、その後からやはり行政府に協力するいろいろな、国民に対する支援方法というのはあるわけでありますから、そういう意味で、ぜひそういう構想も今から立てていただきたいな、そのためには、早く政府の機関の人たちに行ってもらって、そして話し合うべきだ、そういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
福田国務大臣 委員から御指摘ありました、例えば石油省が立ち上がる、これはイラクの収入というのは主に石油でございますから、この部分だけでも立ち上がるというのは、これはもう復興に向けた非常に有力なことだというふうに思います。
 また、行政をイラク人によってしっかりとできるようにもっと支えなければいけない、そういうお話がございましたけれども、これは根本には、やはり治安、インフラの改善ということが前提になるんじゃないかと思います。
 今、イラクの状況というのは、バグダッドにおいても、水も十分でない、下水も大変だといったようなことで、上下水道一緒になっちゃって汚い上水道になってしまったというのは、つい二、三日前にNHKで放送しておりましたけれども、そんなような実情から考えますと、まだ満足な行政ができるというような状況にはないんだというように思います。ですから、こういう分野において我が国がどうやって応援できるか、そういうことをすることによって環境整備が整っていく、そしてイラク人の行政マンも十分な仕事ができる。
 イラクは、官庁、官僚組織はなかなかしっかりしているというようにも聞いておりますので、そういうインフラ、環境整備を整えてあげれば、これは案外早くそういう自前の行政ができ上がるのではないか。しかし、また、今経済的にも非常におくれておりますので、我が国も知見を有する専門家の行政マンが応援に行くとかいうようなこともあり得るんだろうというふうに思います。それは、そういうことでいろいろな調査をし、また向こうのニーズを探りながら考えていきたいと思っております。
吉田(公)委員 我々もいろいろな意見を申し上げたり議論をしてまいりましたけれども、しかし、私なんか現地に行ったことないんだよ。行ったことないのに偉そうなことを言うなんというのは、本当はおかしいと思うんだけれども。だから、南の方は安全で北はだめだとか言っているけれども、バグダッドを中心に南と言っているのか北と言っているのか、緯度を中心に南と言っているのか北と言っているのか、わけわからないわけね、正直なところ。
 だから、やはり委員長、委員会視察ぐらいするべきだと思うんだよね、これ。そうしなきゃ、本当の議論は成り立たないし、お互いにすれ違っちゃって、空理空論になっちゃう。だから、前回の予算委員会の、行革の予算委員会の方は物すごい勢いでやり合ったけれども、こんな一番大事なこの委員会が何となく低調で、実況感もないし、実際に行ったことはないし、行ってきた人はわかっているんだろうけれども、本当は行ったことのある人しか質問権はないと思うんだけれども、私なんかは全然知らないで、論理だけで質問して、自衛隊のあり方だとか憲法の問題とか集団的自衛権とかという、要するに国内の話しか実際はできない。
 だから、ぜひ委員長、理事会にお諮りいただいて、やはり現地に行くようにするようなお手配を願いたい。それで、ちゃんと十月か秋に自衛隊を派遣する際に、我々も現地を見て共通認識の上で議論をしていきたいな、そういうふうに実は思っています。
 ところが、国会、委員会視察は予算がないとかあるとか、そんなことを言って、この間も、私が外務委員長のときに、去年、瀋陽事件で北京に行こうと思ったら、いや、去年外務委員会は行きましたから、ことしは予算がありませんです、どうぞ行くんなら自費で行ってくださいみたいな、そんなことを言っているようじゃ国家の重大事に話にならぬですよ、それは。
 ぜひひとつお願いしますよ。だって、もうことしになれば、ことしじゃないや、今月になればおしまいだから、終わってから行ったっていいし、委員長、ひとつぜひお願いします。
高村委員長 この問題については理事会で既に協議中であります。引き続いて協議します。
吉田(公)委員 ああそう、引き続いて。前向きにお願いしますよ。
 それから、まだちょっと時間がございます。
 我が国は、どういうわけかフセインの独裁政治に対してお金を貸していたんだな、これ。約四千九百円の対イラク公的債権を我が国が持っているわけですよ。(発言する者あり)そうそう、四千九百億。別に返してもらえるわけじゃないんだから、余り細かいことはどうでもいいんだけれども。返してくれるかどうかわからない、本当に、政府がないんだから。だけれども、やはりそういう債権国である日本は、もっと堂々とイラク復興支援についても物申す立場がある。民間投資で約二千億円あるというんだね。
 だから、日本の税金を使ってやっているんだろう、こう思いますから、イラク政府が、自主政府ができたら、やはり債権国として私はきちっとお金の問題については明確にすべきだ。それじゃなくたって踏み倒す国が多いんだから。話に聞いたんだけれども、ブラジルなんかは、日本に金返す必要ないとかなんとかと言う大統領が出て、それは当選しなかったみたいだったけれども、そういうことは平気で、日本はやはり甘いから、その点は。
 だから、大事なお金なんだから、ODA援助でも何でも、ちゃんと金利をつけて返してくれているのかどうか。きょうは外務委員会や金融委員会じゃないから、どのぐらい金が滞っているんだか私は聞きませんけれども、こっちもまだ全然勉強していないから聞くわけにいかないので。そういう意味で、やはりODAなんかでもきちっとすべきだ。甘く見られていますよ、それは日本は。だから、イラクについても、あんな石油出している国なんだから、石油でもって弁償しろぐらいのことをやはり言わなきゃだめですよ、それは。
 だから、そういう意味で、債権国である日本はまずイラクに金を返してもらうということは、私は大事なことだと思っていますよ。それは、だって個人的に出したお金じゃないんだから、税金を出しているわけだから。ODAそのものも今問題になっていますけれども、こういう独裁国家のフセイン体制に何でこんな金を貸してやらなきゃいけないのか不思議でしようがないんだけれども、全体的には約八千四百億円ぐらいになる見込みだ、こう書いてありますよ、遅延損害金を含めるとですよ。だから、もう遅延しているわけだ、これ。もう返す気はないわけだよ。それで、自分の方の武器弾薬だけ購入して備蓄しているなんて、とんでもない話だと思うんだよ。
 だから、そういう意味で、やはりODAで金を貸すときは、ちゃんと、そんな独裁国家に金を貸すなんということは、必ず武器に使うに決まっているんだから。北朝鮮だって私はそうだと思うよ。米支援とかなんとかいって、五十万トンとかなんとかいって、在庫米が整理されるからちょうどいいやなんといって、安易に実際やって、それで、拉致は帰してくれるのかというと、拉致はしてくれない。
 それで、話に聞くと、イラクでは、イラク・イラン戦争のときの人質や、またクウェートの人質がまだいたというんですよ。それが確かかどうかは今後確かめなきゃいけないと思うんだけれども、一種の拉致ですよ、それは。イラン・イラク戦争のときの捕虜というようなものをまだイラクで抱えていたという。だから、そんなものも私は大事なことだ、そういうふうに思っております。
 時間が来たようでございまして、最後に私は、文民統制、シビリアンコントロールとよく言っていますね。それは、石破防衛庁長官は三軍の指揮官であります。ただし、直接兵を指示、監督することはできませんが、各三軍の幕僚長を通じて指揮監督権がある石破防衛庁長官であります。したがって、私は、危険地域か危険地域でないか、武器はどうするのか、そういう意味では、長官も自衛隊員と一緒に行って、そしていろいろな政治判断やら、そうしてまた、いろいろな交渉やら、そういうものに長官みずから当たられるということが、要するに、国民も納得させられるし議会も納得させることができるんですよ。
 これは、きょうは冷房がきいたところでお互いに何かいろいろなことを言っているけれども、しかし、それは全然説得力がない。だから、長官、秋に、自衛隊の三軍の指揮官として、ともに、十五日でも何でもいいから行って、やはり指揮をとるべきだと、防衛庁長官が直接指揮をとったなんということも戦後ないんだから、長官がちゃんとイラクへ行って、ちゃんとこうやるべきだ、言うべきだと、私はそう思う。大いに長官、ここでいろいろな御答弁していただくのは大したものだけれども、ぜひひとつ現場の指揮をとってくださいよ。よろしくお願いします。
 終わります。
    ―――――――――――――
高村委員長 この際、お諮りいたします。
 政府参考人として外務省大臣官房審議官篠田研次君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君及び外務省北米局長海老原紳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
高村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
高村委員長 次に、平岡秀夫君。
平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。
 今回のイラク復興支援特別措置法案について質問させていただきますけれども、私、やはり、イラクの国民の皆さんのことを考えると、経済大国であり先進国である我が国が何らかの支援をしなければいけない、そういう立場に立っているとは思うんですけれども、ただ、今回のイラクに対する武力攻撃の正当性の問題、あるいは武器を持ったセルフディフェンスフォース、あえてフォースという言葉で言わせていただきましたけれども、そうした人たちが入ることを認めてしまう、あるいは支援に入った人たちの現地における身の安全、こうしたことを考えたときには、我が国としてどのような対応をとっていくべきかということについては、しっかりとした議論をしていかなければいけない、そういう思いでいることをまずお伝えしておきたいというふうに思います。
 そこで、イラクに対する武力行使の正当性についてなんですけれども、この議論はもう同僚議員も何回もやっていますので、私も多くのことはお話しするつもりはないんですけれども、一つだけちょっと気になるところがございまして、そこのところだけ確認をしたいというふうに思うわけであります。
 そこは、外務大臣もそれから官房長官も、国会の答弁の中でこういうふうに言っておられます。川口外務大臣については、決議一四四一によって与えられた最後の機会を生かさなかったということだというような答弁。そして、福田官房長官も昨日の答弁で、一四四一におきましても、イラクに対して、これは全会一致で出た決議ですよ、この重大な国連決議の違反をイラクが犯し続ける、そして、かつ現に犯している、こういうことをそこで述べているわけでありまして、その上でイラクに対して武装解除の最後の機会を与えた、こういう内容でございますと。
 こういうことで言っておられるんでありますけれども、最後の機会だ、最後の機会だということを何度となく繰り返しておられるわけでありますけれども、もっと具体的に、決議一四四一のどの部分が最後の機会を与えているということをあらわしているのか、そこをまず明確にしていただきたいというふうに思います。
    〔委員長退席、浅野委員長代理着席〕
浅野委員長代理 西田局長。(平岡委員「大臣、大臣。大臣が答弁したんだから」と呼ぶ)大臣には後で答弁してもらいます。委員会の運営は委員長に従っていただきます。
 西田局長。
西田政府参考人 事実関係でございますので、私から御説明をしたいと思います。
 お尋ねの安保理決議一四四一、主文パラ一におきまして、イラクは、決議六八七を含む関連する決議に基づく義務の重大な違反をこれまでも犯し、また依然として犯していることを決定するとした上で、主文のパラ二におきまして、イラクに対し、この決議により、同理事会の関連の決議のもとでの武装解除の義務を遵守する最後の機会を与えることを決定したというふうに述べております。
浅野委員長代理 川口外務大臣、補足をお願いします。よろしいですか。補足をお願いします。
川口国務大臣 同じ答弁をしようと思っておりましたので、つけ加えることはありません。
平岡委員 私、きょう、外務省の方々、急遽、非常に技術的なこともあるのでぜひ政府参考人を同席させてほしいということで、それに同意しましたけれども、しかし、私は、答弁の中でぜひとも大臣に答弁してもらわなければいけないことは私は大臣と言いますから、そのときはちゃんと大臣が答弁するということでいいですねという確認をとった上でやっておるのであって、それをこういう場で無視されるのであれば、今度、一切私は政府参考人を呼ばないということで対応せざるを得ないということをここで強く抗議しておきたいと思います。
 そこで、今確かに、大臣がつけ加えることはないと言われましたけれども、そのかわりに政府参考人が答えた部分で、最後の機会を示しているんだということなのかもしれません。
 確かに、きょう手元に皆さんに配っていただいているものがあると思いますけれども、ことしの二月に作成された外務省の資料も、この黒丸の二つ目のところに、「武装解除の義務を遵守する「最後の機会」を与える。」というふうに決議はなっていますと、こういうふうなものを配って説明をしておりました。
 しかし、よくこの決議を見てみますと、その後に、これは、最後の機会を与えることを決定したじゃないんですよ。「最後の機会を与えることを決定し、その結果、」「アンド アコーディングリー」ですから、その結果として、「決議六八七及びその後の同理事会の関連の決議により設置された武装解除プロセスを完全かつ検証可能な形で完了する目的のために、強化された査察体制を構築することを決定する。」要するに、最後の機会を与えるためにこうした査察体制を構築することを決定したんですよ。
 だから、最後の機会というのは、これを破ったら武力攻撃をしてもいいという、そういう決定じゃないんですよ。そういうところを省略した上で、これが最後の機会だったんだ、最後の機会だったんだということを説明するのは、私は、非常に問題がある、国民を欺くものであるというふうに言わざるを得ないということを指摘しておきたいというふうに思います。
 大臣、何か言うことがあるんでしたらお聞きしますけれども、ありますか。
川口国務大臣 あの文章は、「最後の機会を与えることを決定し、」これは決定したわけですね、最後の機会であるということは。それで、「強化された査察体制を構築することを決定する。」これも決定をした。それで、それは行ったということでございます。
平岡委員 最後の機会を与えることを決定し、その結果としてこういうことを決定したということなんですから、そこは水かけ論になってもいけないんですけれども、その最後の機会を与えることを決定したということだけで文脈を切ってしまうというのは国民を欺くことになるということを重ねて指摘しておきたいというふうに思います。
 そこで、この第一条に、これまでも問題になっている「イラク特別事態」という表現の中に、今回の米軍、英軍によるイラクに対する武力行使を正当化するような、そういう表現が入っているわけでありますけれども、ここに、「理事会決議に基づき国際連合加盟国によりイラクに対して行われた武力行使」というふうに書いてあります。「国際連合加盟国」という一般名称が使われております。この一般名称は、例えば三条の一項の一号にも、「イラクの復興を支援することを国際連合加盟国に対して要請する」こういうふうな使い方もしてありまして、国際連合加盟国という言葉がところどころ出てくるんですけれども、一条の「国際連合加盟国」というのは、これは、こういう一般名称じゃなくて特定の国の名前があるんだろうと私は思うんですけれども、これは、特定の国の名前は何でしょう。
浅野委員長代理 西田総合外交政策局長。(平岡委員「大臣、大臣、大臣。こんなことは大臣で答えられる。大臣でこんなことは答えられる。これが答えられなくて、大臣、何をしているんですか、これは。大臣」と呼ぶ)
 西田局長。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 今般のイラクに対する武力行使につきましては、米国、英国、豪州、ポーランド等の国を中心に行われたというふうに承知をいたしております。
平岡委員 今の、豪州、ポーランド等というような表現でありましたけれども、その国も我が国は特定しないでこの法律をつくっているんですか、官房長官。
福田国務大臣 今回の武力行使は、今外務省から答弁したとおりでございますけれども、御指摘の第一条の規定というのは、これは、今般のイラクに対する武力行使の主体を特定することに主眼があるというのではないのでありまして、当該武力行使が一連の安保理決議に基づき行われたものであるということを示すためにこういうような規定ぶりとなっているのであります。
平岡委員 見解の相違があるのかもしれません。
 この正当性の問題については随分議論されておりますけれども、ここは、「基づき」じゃなくて、本当は、「基づくと主張して、米国、英国、豪州、そしてポーランド」、ほかにも国があるかもしれませんけれども、「によりイラクに対して行われた武力行使」とでも書かなければ本当はいけないと私は思っているということを、まずお伝えしたいというふうに思います。
 そこで、次の問題に移りたいと思います。
 これは同僚の末松委員が質問したことに関連するわけでありますけれども、ホワイトハウスのホームページに、自衛隊が人道復興のためのロジスティカルサポートを行うことになっているという記載があるということについて、総理は、これらのロジスティカルサポートというのはイラク周辺国での活動であるというふうに答弁をしています。
 そこで、お聞きしたいのは、イラク周辺国で自衛隊が活動できれば、ブッシュ大統領に対しては、小泉首相は最低限の約束は守ったことになるということを確認したいと思います。
福田国務大臣 先般の首脳会談において、いろいろな討議をブッシュ大統領との間で小泉総理がされたわけでございますけれども、そういう中に、イラクの問題について、特に復興支援についてどうするかといったようなことについての話し合いも当然行われたわけでございます。そこでもって総理から間違いなく言われたことは、これは現行法の範囲で、ということは、要するに、現行法でしか今対応できませんから、ですから、現行法でもってできることはいろいろなことをやっていきたい、こういうことを述べたものと承知をいたしております。
 ですから、その後、では、新法をつくって自衛隊を出すだとか、そういったようなことについて、これについては、そういう可能性というか、そういうことについて、政治家同士ですから話はするかもしれません。実際私、その内容を知りませんけれども、しかし、約束をするとか、そんなような話は一切ないわけでございまして、あくまでもこれは、新法をつくって、自衛隊の活動というのは、イラクで行うというときにはこの法律に基づいて活動しなければいけないということでありますから、国会でもってそういう審議が始まる前に、そんな他国の大統領に約束するということはあり得るはずがないということであります。
平岡委員 今、新法のことを聞いているんじゃなくて、現行法の枠内の話で結構なんですね。現行法の枠内であるということで、小泉首相は、ブッシュ大統領との会談の中で、自衛隊をイラク周辺の諸国に派遣するという形で協力するということは、多分、このホワイトハウスのホームページの中に書いてある、小泉首相の質問に対する答えとか、あるいは全体を集約したものの中にそう書いてあるわけでありますから、それは約束されたんだろうというふうに思うんですけれども、その約束を守れば、一応、ブッシュ大統領との間では特に問題は生じないというふうに考えていいでしょうね。
福田国務大臣 これは、ブッシュ大統領との約束があるなしにかかわらず、我が国が国際社会の中で何をなすべきかということを我が国として考えなきゃいかぬ、こういうことじゃないでしょうか。もちろん、米国と相談することもあるかもしれませんよ。しかし、そうではなくて、我が国は、中東地域の安定というのは、本当に大事な地域でしょう。中東の安定なくして我が国の経済はもたない、そういうところでもあるわけです。
 しかし、このことは、我が国のみならず、世界全体の問題でもあるということでありますから、そういうことは、ほかの国に協力する、もしくはほかの国と提携していろいろな平和に向けての活動もしくは復興に向けての活動をするというのは、当然のことだというふうに考えております。
平岡委員 先日の、二十五日のこの委員会での答弁で、小泉総理大臣は、周辺国で輸送支援、物資支援、それはやりますよ、イラクの国内だけではなくて、ほかの国へ運ぶこともできるでしょう、例えばパキスタンにテントを運ぶとかヨルダンに物資を運ぶ、そういうことはできます、こういうふうに言っておられますけれども、一体どういうことを周辺国に対する、周辺国の中における支援を考えておられるのでしょう。
川口国務大臣 周辺国の支援については、今までもやってきておりますし、今後やろうとしているものもあります。
 例えば、今までやってきたものの例を挙げますと、ヨルダンに対して一億ドルの支援をいたしました。これは、始まったときとほぼ同時にいたしました。それから、今考えていますのは、アラブの国と一緒になってイラクの中で活動をする。例えば、ヨルダンのNGOあるいはエジプトのNGOと医療の協力をイラクにおいてしようということを考えております。まだまだ今後、事態の進展に応じていろいろな展開があり得ると思っています。
 イラクの周辺の国とやっていくということは非常に重要でありますし、周辺の国という意味ではいろいろ広げ得ますけれども、パレスチナにおける二千二百万ドルの支援とか、ほかにもいろいろございます。全体として、イラクを含め、その地域が平和で安定をしていくように発展していくということが大事であるというふうに考えます。
平岡委員 外務大臣、ちゃんと質問を聞いてくださいよ。今、私は自衛隊の派遣を問題にしているんです。資金的な支援とかNGOに対して日本の政府が何かを支援するというようなことを聞いているのではなくて、自衛隊がイラクの周辺国に行って活動する、その具体的な中身としては、小泉首相が、周辺国で輸送支援、物資支援、それはやりますよと言っているんです。だから、どんなことを考えているんですかと聞いているんですよ。それをちゃんと答えてください。
石破国務大臣 自衛隊が周辺国において何を行うことを予定しているかというお尋ねでございます。
 イラクの周辺国におきまして自衛隊機による輸送協力を行うことにつきましては、現在検討中でございますが、今正式に決定をしているわけではございません。
 ただ、考えられますのは、午前中の答弁で申し上げましたが、例えば、ヨーロッパ諸国からいろいろな人道支援の物資が、ある地域に集積をされるということがあるといたします。各国とも輸送機にそんなに余力があるわけではございません。そうしますと、輸送機のニーズ、特にC130のような輸送機のニーズというのは多分にあるというふうに考えております。
 現在イメージとして防衛庁内で持っておりますのは、ヨーロッパ諸国からイラク周辺の集積地に向けて物資を運ぶということはイメージとしては持っております。確定はいたしておりません。
平岡委員 今、人道支援物資を欧州からイラク周辺諸国に送る、その輸送業務をするというような趣旨の御答弁だったと思いますけれども、これはなぜイラクに対して直接運び込むことはできないのでしょうか。
福田国務大臣 イラクの周辺国でやることにつきまして、これは国際平和協力法の範囲でできるわけです。
 イラクの国内でなぜできないか、こういうことになりますと、これは、PKO法では、紛争当事者の間の停戦合意が成立して、そして我が国に対する受け入れ同意が取りつけられる、こういう法律、要するに伝統的なPKOなんですね。そういうあり方にのっとったものでありますので、今のイラクの状態というのは、紛争当事者間の停戦といっても、紛争当事者は今いないんですよ。ということによりまして、合意が成立しない。また、受け入れの同意ということについても、明確にこれを言えないというような状況もございます。
 したがいまして、イラクの国内における活動というのは、現時点においてはできないということであります。自衛隊のイラクにおける活動というのは、新しい法律に基づかなければできないということであります。
平岡委員 それでは、またお聞きしますけれども、きょうの午前中の原口委員の質問の中に、イラク周辺国における支援というのはPKO法に基づいてできるんだということで、その根拠としては三条の第二号を挙げられて防衛庁長官が答弁されました。この三条の第二号で本当にできるんですか。
 今、福田官房長官は、紛争当事者の停戦合意がありません、受け入れ国の同意もありません、だからできませんと言われました。イラクの周辺国に持っていくということについては、紛争当事者の停戦合意があるんですか。そして、本来行われる活動が、イラクの国内で行われる人道的な国際救助活動のために行われる自衛隊の業務、これがイラクの同意がなくしてできるんですか。できないでしょう。
福田国務大臣 国際平和協力法でもって、人道的な国際救援活動、この場合にはその要件というのがございます。申し上げなくてもいいと思うのでありますけれども、この活動が行われる地域の属する国の同意があること、こういうように規定がございます。それから、その次に、今言った国が紛争当事者である場合には停戦合意、こうありますけれども、例えば、ヨルダンとかそういうところは紛争当事国でありません。この規定の適用外ということになるわけでありまして、この規定で問題なく派遣できるということになります。
平岡委員 今の官房長官の答弁は全然答弁になっていないので、次に事務方の方に答弁をきちっとしてもらおうと思いますけれども、私、先に問題点を指摘します。
 人道的な国際支援活動、この活動というのは、先ほどから話がありましたように、イラクにいる人たちの人道支援物資を運ぶためのものである、つまり、この活動自身は、人道的な国際救援活動そのものはイラクの中で行われるんです。イラクの中で行われる活動のために自衛隊が運び込むという、例えばイタリアからヨルダンに運び込むという業務を行う。しかし、必要とされているのは、イラクの中でそういった人道的な国際救助活動をするということに対してイラク自身が同意していなければいけない。そして、その活動が行われる地域において紛争当事者がいるならば、その紛争当事者間の停戦合意がなければいけない。この場合に、その停戦合意もなければ同意もない。そんな状態で、イラクの人道支援活動のために使われる物資をよその国から持ってくるのはおかしい。
 これは、なぜ私そんなことを言っているかというと、本当は、その活動が、人道支援活動が行われるその地域がある国が、やはりそういう活動をやってほしいということがあるし、そこの地域における紛争というものがもう行われない、起こらないということが確認された状態で、我々はこういう支援活動をしていきましょう、そういう支援活動のための業務をしていきましょうということでこの法律はできているんですよね。だから、今のようなイラクの状態のものについては、このPKO法に基づいたってその業務はできないんですよ。この問題点でちょっと答弁してもらいます。
小町政府参考人 お答え申し上げます。
 我が国が国際平和協力法に基づきまして今問題になっておりますような業務を実施する場合には、先ほど石破長官の方からもお話がございましたように、いろいろな場所から物資を輸送いたしまして、それを集積している例えば近隣諸国に運ぶというようなことがイメージとして考えられるわけでございますけれども、その輸送業務そのものは、イラク国内及びイラク周辺国での一般的なニーズを踏まえて必要とされている物資を空輸するというものでございまして、個別具体的なニーズに基づきましてイラク国内で行われている人道救援活動への協力に充当するといったようなことではございません。
 それから、国連安保理決議一四八三につきまして申し上げますと、この中に、各メンバー国、加盟国に対しまして、国連の人道アピールにこたえることを求めております。この国連の人道アピールの中には、イラク国内のみならず、周辺国で行いますUNHCR等の活動等を含まれております。
 ちなみに、例えば今の想定でございますと、UNHCRは、イラク周辺国に流出いたしました約五十万人のイラク難民のイラクへの帰還に対する支援等も念頭に置いて今活動を進めているところでございますけれども、その際には、イラク国内だけではなくて、その前にイラク周辺国でのいろいろな準備が必要になろうかというふうに思います。
平岡委員 今苦しい答弁をちょっとしておられましたけれども、この点については、多分、私、きのうレクチャーをいたしましたので、よく検討してきていただいたのかなと思ったんですけれども、余り整理されていないようであります。
 政府の統一見解、先ほど言いましたように、なぜ、イラクの人道支援活動に使うための物資をヨーロッパからヨルダンに運ぶということについてこのPKO法でできるのかについて、政府見解を文書で提出していただきたいというふうに思います。
石破国務大臣 済みません、これは委員長が取り仕切られることでございます。
 こういうことだろうと思っております。PKOにおきます人道的な国際救援活動の要件は五つございます。
 一番目の、安保理の決議またはUNHCR等の国際機関の要請に基づく活動であること。これは問題ございません。
 二番目の、国際の平和、安全の維持を危うくするおそれのある紛争による被害を受けた、そのおそれのある住民等の救援等のための活動であること。これも問題がございません。
 三番目の、活動が行われる地域の属する国の同意があること。ここにおきます活動というのは、あくまで我が国の活動でございます。この法案で言っております活動というのは、我が国の、今のケースに即して言えば、自衛隊の活動でございます。したがいまして、今PKO事務局から御説明がありましたように、それが、例えば欧州各地から集めて、アンマンならアンマンに集積をするといたしますと、それはあくまで、アンマンといたしますとヨルダンの同意ということに相なります。
 四番目に、今申しました国、例えて言えばヨルダン、それが紛争当事者である場合には停戦合意があること。これはヨルダンは紛争を行っておりませんので、そもそも要件とはなりません。
 五番目の、活動の主体が国連等の国際機関または国連加盟国その他の国であること。これも問題がございません。
 先生がおっしゃいます三番目、四番目、つまりイラクの同意が要るじゃないか、イラクに政府はないじゃないかということでございますが、今イメージをしておりますヨーロッパ各国からアンマンに集積をするという場合に、我が国の活動はイラクで行うわけではございません。そしてまた、ヨルダンは紛争当事国ではございませんから、当然同意というものは要らない、こういうことになろうかと存じます。
平岡委員 今の説明は全くの間違いです。ここで言う活動、今大臣が言われた三番目、活動が行われる地域の属する国、この活動は人道的な国際援助活動そのものを指しているんですよ。後で調べてください。ですから、今の大臣の答弁は間違いです。
 だから、これは委員長、お願いします。政府の統一見解をきっちりと示していただきたい。文書で示していただきたい。それを要請いたしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
浅野委員長代理 理事会で検討させていただきます。
平岡委員 今の問題は、現行法の解釈といいますか、現行法でどこまでのことができるかということをちゃんと確定する話ですから、政府はきっちりとこんなことはやっていなければいけないんですね。よろしくお願いします。
 そこで、私が指摘したいのは、この新法というのは、PKO法で自衛隊派遣をする要件というのはいろいろ書いてあるんですけれども、その要件を大きく欠く状況の中で自衛隊を派遣しようとしているわけです。
 我々は、このPKO法の考え方というものについては、やはり非常に重要な考え方であろうと思います。これを否定するものを、こんな特別措置法というような形で破っていくということについては、大いに問題があるというふうに思います。紛争当事者の合意がなくても自衛隊派遣が認められる、こんなことになったのではおかしいということを私は指摘しておきたいというふうに思います。
 今パキスタンとかヨルダンの話がありましたけれども、それは、パキスタンの中にいる難民、ヨルダンの中にいる難民、この難民の人たちに対して人道的な国際救援活動をするために行ったからなんですよ。今回のものは違うんですよ。イラクで国際的な人道支援活動を行う、そのために必要な物資を運ぶということだから、そこはやはりイラクの同意がなければいかぬ、イラクの中で停戦合意がなければいかぬ、こういうことなんですよ。だから、それは専門の法律家を交えてちゃんと回答をいただきたいというふうに思います。
 そうしないと、本当に紛争が起こっているような地域で、まだ行けるかどうかわからぬけれども、とにかくどこかの国へ持ってきとこう、紛争をしている国の中で、どっちの味方をするかもわからないようなものについて、そういう自衛隊の活動を認めてしまうということになってしまう、どっちかに肩入れをしてしまうというふうなことになってしまうわけですから、そうした要件がきちっと整っていなければいけないということを重ねて指摘しておきたいというふうに思います。
 次の問題に移ります。
 占領行政の問題でありますけれども、今回、当局というふうに言わせていただきますけれども、CPAのことでありますけれども、当局による占領というのは、国際法上の交戦権の一部に該当しているというふうに解してよろしいでしょうか、外務大臣。
川口国務大臣 米国等によりますイラクにおける暫定的な施政の法的な根拠と交戦権との関係については、次のとおりでございます。
 まず、国連憲章のもとでは戦争は一般的に違法とされているので、伝統的な意味での交戦権をそのままの形で適用することはできません。次に、自衛権ないし安保理の所要の決定等に基づきまして、国際法上、合法的な形で武力の行使が認められる場合には、紛争当事国は、個別の事例ごとにおける国際法上の根拠に基づき、その認める範囲内で、従来、交戦権の行使として考えられていた措置を行うことも可能であります。
 今般の米軍等によります武力行使は、関連安保理決議に基づいて、イラクの武装解除等の義務の実施を担保することを目的としておりました。このような武力行使の結果、サダム・フセイン政権が崩壊をして、イラクにおいて、いわば権力の空白が生じていたわけでして、このような状況のもとでは、米軍等は、支配下に置く地域の民生や秩序を回復し維持する義務を有しており、このために必要な措置の一環として暫定的な施政を行ってきました。
 その上で、安保理の決議一四八三は、米英の統合された司令部、いわゆる当局ですが、の占領国としての権限、責任及び義務を確認するとともに、当局に対して、領土の実効的な施政を通じたイラク国民の福祉の増進に関する権限等を付与しています。
 このように、既に申し上げましたとおり、決議一四八三に従って米英が暫定的に施政を行うということは、国際法上認められるというふうに考えております。
平岡委員 私が質問した質問に正面から答えていただきたいので、ちょっと先へ進んでいきますけれども、今回、自衛隊がどういう立場で派遣されるのかということについては、この前から議論をされております。これは、福田官房長官は、自衛隊は当局と協力しながらというような表現を使われました。これに対して、木島委員の方から、決議一四八三には、占領国でないその他の諸国が当局のもとで現在活動しているし、これからも活動していくというようなことが表現されているということであります。
 そういう意味で、自衛隊というのが、協力しながらなのか当局のもとで活動するのかということについては、この前も議論がありましたし、多分その続きも行われるんだろうと思いますけれども、私が指摘したいのは、やはりこれも同じく本会議で、たしかこれも木島委員が質問された点だと思いますけれども、総理の答弁の中で、「非交戦国である我が国が本法案に基づく活動を行ったとしても、交戦権を行使することにはならず、憲法九条に違反するものではありません。」というふうに答弁していますけれども、これは、非交戦国であった国でも、占領行政に参加することによってそれは交戦国になるんじゃないですか。どうでしょう。
川口国務大臣 まず、憲法第九条二項でございますが、「国の交戦権は、これを認めない。」としているわけでして、ここにいう交戦権とは、戦いを交える権利という意味ではございませんで、交戦国が国際法上有する種々の権利の総称であって、相手国の兵力の殺傷や破壊、相手国の領土の占領、そこにおける占領行政等を含むものであるというふうに解しています。
 イラクに対しまして、現に武力を行使しない、または行使をしたことのない我が国のような非交戦国が、関連安保理決議に従って、米英の当局の施政のもとにあるイラクにおいて本法案にあるような支援活動を行ったとしても、そのことをもって我が国が交戦国となって交戦権を行使するというものではございません。
平岡委員 それは、日本の自衛隊だけじゃなくて、ほかの国もたくさん今回軍隊を派遣する、この前の議論では米英を含めて十五カ国ということになりますけれども、これらの国は占領行政に参加している形になっているんですけれども、彼らも交戦権を行使していないというふうに解していいわけですね。
川口国務大臣 我が国の考え方に従えばそういうことでございますが、他の国の解釈について有権的に解釈をする立場にはないと思います。
平岡委員 ほかの国のことがわからなくて、我が国だけ勝手に、自分たちは交戦権を行使しているんじゃない、自分たちは非交戦国としてこの法案に基づいて活動を行っているので交戦権を行使していることにならないんだという勝手な、自分たちで我田引水の理屈を並べて、そこで決めてしまうというのは私はおかしいと思うんです。これは、あくまでも国際的な基準の中でどのように評価されるのかということを見なければいけないということを指摘しておきたいと思います。
 そして、その関連でもう一つ、これも木島委員が質問されたことで、詳しくはまた木島委員がやられると思いますから、私はそのさわりのところだけちょっとお聞きしておきたいと思います。
 これも決議千四百八十三のことでございますけれども、すべての関係者に対し一九〇七年のハーグ陸戦規則を含む国際法上の義務を完全に遵守するよう要請するという規定は、イラクに派遣された自衛隊には適用されるのかということについて質問しまして、衆議院の本会議では、自衛隊には適用されないんだというふうに言っていますけれども、それは私もちょっと詭弁ではないかというふうに思えるんですね。
 そこで、ちょっとお聞きしてみたいのは、我が国にハーグ陸戦規則が適用されることはあるのかないのか。これは、条約には明治四十五年に加盟しているようでありますから、適用されるんじゃないかと思うんですけれども、適用されるのか。例えば、我が国が外部から武力攻撃を受けた際、自衛隊に対してハーグ陸戦規則というものが適用があるのか、この点についてまずお聞かせいただきたいというふうに思います。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、我が国はハーグ陸戦法規のメンバーでございますので、一般論としては、当然まず適用になる。それから、今委員が御指摘ありました、日本に何らかの武力の行使というようなものがされて我が国が自衛権を発揮しているというような状況において、いわば交戦状態が起きているというときに、陸戦法規は当然適用されるというふうに考えております。
平岡委員 そして、今回、先ほど言いましたように十五カ国がイラクに派遣されているわけでありますけれども、これらの中で、皆さんが言われる自衛隊には適用されないというのと同じように、このハーグの陸戦規則が適用されないとしている国はあるんでしょうか。
西田政府参考人 お答えをいたします。
 今、個別具体的には承知しておりません。
平岡委員 また調べていただきたいと思うんですけれども、多分、そんな国はないんだろうと思うんですね。そんな国がないところで、我が国だけが変な理屈をつけて、これは自衛隊には適用ないんだということを言うのは、これも我田引水の議論で、本当に手前勝手な話だと私は思います。
 そういう意味で、今回の自衛隊の派遣というものについて言うと、国際的に見ても、この評価というのは何なのか。武装した自衛隊が行くということについては、国際的に見れば、やはり軍が派遣されているという評価になるんですね。そういう中での行動であるということを私は強く指摘しておきたいというふうに思います。
 それから、私冒頭に、イラクの人たちに対しては、やはり非常に困った状態にあるということで、人道的支援であるとか復興支援というのは我が国としてもやらなければいけないというふうに思っているということは申し上げましたけれども、この法案の中で、実はイラク復興支援職員というのが法定化されております。この議論はほとんど行われていなくて、私も、むしろ中心は自衛隊の派遣の問題だろうから仕方ないだろうとは思うんですけれども、もしやるとしたら、このイラク復興支援職員という人たちがイラクでどんどん活躍できるような状態であれば、私は、日本の評価というのもまた一段と高いものになるのではないかというふうに思ってはいるんです。
 そこで、このイラク復興支援職員の人たちがどういう法的な位置づけになっているかとか、安全性がどう確保されているかというのをちょっと法文上見てみたら、どうもよくわからない。
 そこで、まず最初にお聞きしたいのは、このイラク復興支援職員のイラク現地における位置づけというのは一体どのようなものとして考えておられるのか、この点をまずはっきりとさせていただきたいというふうに思います。
福田国務大臣 イラク復興支援職員は、内閣府の長たる内閣総理大臣の指揮監督のもとに、イラクにおいて暫定的な施政を行っています米英の統合された司令部、これは決議では当局でございますが、この司令部等と協力しながら対応措置を実施していく、こういうことであります。この職員は、当局や国連のイラク特別代表の指揮下に入る、そういうものではないということであります。
平岡委員 それ自体も、何か協力しながらとかいうのも、どういうふうな位置づけで協力するのかということも、必ずしも明確じゃないので、ちょっとそこはまだ、もうちょっと詰めた議論をさせていただきたいというふうに思います。
 お互いに国を代表した者同士が、それぞれ国を代表する権限を持って協議をするのか、それとも、事実上の協議みたいなものがあるだけなのか、その辺もよくわかりません。一体どこでどういう話を詰めて送り出されるのかということについても、はっきりしません。そういう意味で、もっとこのイラク復興支援職員の法的な位置づけをしっかりと示していただきたいというふうに思います。
 これも、ちゃんと文書で示していただきたいということで、委員長、よろしいでしょうか。
浅野委員長代理 それも理事会で検討の対象にさせていただきます。
平岡委員 では、今度は、確かにイラク現地にイラク復興支援職員の人が行かれましたと。行かれましたけれども、安全性というのは本当に確保されるんですかという質問をしたら、いや、何か法律に、これは第九条に、「内閣総理大臣及び防衛庁長官は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、イラク復興支援職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。」この規定を置くだけで安全性が確保されるんなら何の問題もないんですけれども、こんなことで確保されているとは決して思っておられないと思うんですけれども、イラク復興支援職員の安全性の確保というのは、具体的にどのように確保するつもりですか。
福田国務大臣 法案に書いてありますとおり、職員の安全性については十分配慮をしていかなければいけないというように考えておりますが、例えば、派遣の際にも、我が国が独自に収集した情報等に基づいて現地の治安状況などを正確に把握し、また治安上も、安全な地域であるということを十分に確認した上で活動の実施を決定する、こういうことであります。
 また、万一安全に問題が生じるというような場合にあっては、速やかに、活動の中断をするなり必要な措置を講じなければいけない、そのようなことによって万全なる安全確保に努めたいというように考えているところでございます。
平岡委員 この法案では対応措置の実施区域というのを決めることになっているんですね。決めることになっていますけれども、これはあくまでも、自衛隊の部隊等が行動する地域だけが防衛庁長官によって決められるのであって、イラク復興支援職員の人たちについては、そういう実施区域というのは定められないんですね。だから、現地に行ってどこへ行ったらいいのかというのは、だれもわからないんですね。
 逆に、安全の確保という意味でいけば、この法案の中の武器使用のところで、自衛隊が、自分の支配下に入ったイラク復興支援職員についても武器を使用することができる形にはなっているんですけれども、必ずしも、それを任務として行くわけでは多分ないんだろうというふうに思うんですね。そうすると、イラク復興支援職員の人たちはあっち行ったりこっち行ったりして、必ずしも防衛庁長官が指定する実施区域の中にいるとは限らない、外にいる可能性も十分にある。こうなったときに、本当に安全性は確保されるんですか。どうでしょう、官房長官。
福田国務大臣 防衛庁長官が定める実施区域、これは自衛隊が部隊として安全に活動できる、こういうようなことを配慮しながら場所は設定するわけでございます。
 それでは、イラクの復興支援職員はどうなるのか、こういうことになりますけれども、端的に申し上げますと、自衛隊の対応措置の実施区域と異なることはあり得るだろうというように思っております。それは、自衛隊が実施する分野と、今申し上げております復興支援職員が活動する分野は違うわけでございますから、自衛隊がイラク復興支援職員の実施区域まで決める、こういうことではない。あくまでも、総理大臣の指示、指揮のもとに安全区域を政府を挙げて判断していく、こういうことになると思います。
平岡委員 まだ、この法案に対してどうするかということは党として決めていないんだろうと思いますけれども、少なくとも、私は、このイラク復興支援職員のような方がイラクに行っていろいろと人道的な支援なりやっていただくということは、日本にとってもいいことなんではないかというふうに個人的には思うております。だから、この部分だけ抜き出して賛否を求められれば賛成したいと思うんですけれども、ただ、やはり安全性をどう確保するかというのは、十分注意しなければならない問題であるということをまず指摘しておきたいというふうに思います。
 これに関連して、せんだって前原委員が質問した件でちょっと確認しておきたいと思うんですけれども、実施区域の指定の変更についてであります。
 この実施区域の指定の変更について、前原委員が、変更したときには国会の承認を得るんですねということを防衛庁長官に確認を求めたところ、防衛庁長官は必ずしもそこに正面から答えられていない。別のところで、何かちょっとこう、ごまかしたと言うと失礼ですけれども、抽象的なことを言って、時間がなかったから終わってしまったんでありますけれども、もう一度、確認の意味で私から質問させていただきます。
 防衛庁長官が実施区域の指定を変更した場合、これは第八条四項ですけれども、第六条の国会の承認を求めることになるんでしょうか。特に、国会の承認を受けた対応措置の実施区域というのは、国会承認を与えるに当たって、どの地域で行動するのかということについてちゃんと国会が見て、ああ、この地域なら大丈夫だと思うからこそ承認を与えているのであって、その実施区域について、国会がその後何も関与できないというのはおかしいだろうというふうに私は思うわけです。
 そういう意味で、ここは、当然、実施区域の指定が変更された場合には国会の承認が求められるというふうに理解してよろしいですね。
石破国務大臣 ごまかしたつもりはないのですが、そう聞こえましたら申しわけない。
 本法案におきましては、自衛隊の部隊等による人道復興支援活動または安全確保支援活動を実施することの可否につきまして、やるかやらないかということでございますが、実施することの可否につきまして国会の御承認を求めるということになっております。対応措置おのおのの具体的な内容は、もともと承認の対象となっておりません。
 したがいまして、基本計画のもとに定められる実施要項において行われる防衛庁長官による実施区域の指定は、国会の承認事項ではございませんで、実施区域の指定の変更も国会の承認は必要ではない。これは、この法律はそういう仕組みになっておるわけでございます。
 それでは、何でそういうものを国会の承認の対象としないのかということになるわけでございますが、これは、対応措置というのは、本当に多様性を持ち、複雑性を持ち、流動性を持つものでございます。したがいまして、具体的な措置は、行政府の責任において迅速性が確保されるということが実効的だと思っております。また、ちなみに、防衛出動あるいは周辺事態におきましても、国会承認が求められるのは、その実施についてでございます。そういうような形になりまして、この法律の仕組みといたしましては、変更がございましても国会の承認の対象となっておりません。
平岡委員 今、実施の可否について国会の承認を求めるんだというふうに言われましたけれども、六条は、「自衛隊の部隊等が実施する対応措置については、当該対応措置を開始した日」、具体的には、「当該対応措置の実施を自衛隊の部隊等に命じた日」「から二十日以内に国会に付議して、当該対応措置の実施につき国会の承認を求めなければならない。」というふうになっているのであって、可否を判断する、確かにそれも含まれていると思いますけれども、実施区域というものがどういうものであるかということを見た上で国会は承認をしているわけでありますから、そこが変更されるときには、当然国会の承認の対象になるということでなければおかしいんだと思うんですね。
 私は、この部分だけ取り出してやっていると、いかにもこの法案に全体的には賛成しているかのように思われちゃいけないので、あえて質問したいとは思わなかったんですけれども、この前、非常にあいまいな答弁で終わっているので、明確にしたいという意味で質問をさせていただきました。
 以上、時間が来ましたので、終わりたいと思います。
浅野委員長代理 次に、児玉健次君。
児玉委員 日本共産党の児玉健次です。
 法案で言う安全確保支援活動に絞って、端的に質問します。
 最初に福田長官にお願いしたい。
 法案の第一条「目的」、「イラク特別事態」とあります。その説明として、「イラクに対して行われた武力行使並びにこれに引き続く事態」とあります。「これに引き続く事態」とはどのような状況を指すのか、それはいつから開始されたのか、または開始されるのか、そのことについて示していただきたい。
福田国務大臣 御質問は、いつから特別事態、どのような状況で、引き続く事態。
 これは、武力攻撃が開始されますね、そうしますと、イラクの国内において権力の空白が生ずる、この事態から特別事態、こういうことでございます。
児玉委員 国連決議に関しては、主として川口大臣にお聞きしたいと思う。
 国連決議一四八三号の前文パラグラフ十三、そこで「統合された司令部(「当局」)」とあります。わざわざ原文では「the Authority」と大文字で書いていますね。この「引き続く事態」において、今長官からその中身が示された。この「統合された司令部」はどのような権限、責任、義務を持つのか、お示しいただきたい。
川口国務大臣 幾つかのことがございますけれども、まず、領土の実効的な統治を通じたイラク国民の福祉の増進に関する権限、それから、イラク開発基金やオイル・フォー・フード計画に関する一定の権限、イラクにおける政治プロセスへの一定の関与、その他の権利義務、これは例えば、特別代表との調整等、そういうことでございます。
児玉委員 さて、現在のイラクが武力攻撃に引き続く事態であるという点は、先ほどのお話で政府の認識が明らかになった。そういった中でこの法案が提起されて、第三条第三項、国際連合加盟国が行うイラク国内における安全及び安定を回復する活動を支援するために我が国が実施する業務、まずこのことについて聞きたいと思うのです。
 最初に私ははっきり言っておきたいけれども、人道復興支援活動は、その業務を三条二項で書いていますね。安全確保支援活動は三条三項で、書き分けていますから、同じ輸送でも中身が違う。そのことを最初に私は言っておきたい。
 まず輸送です。テロ特措法における協力支援活動、別表第一にこう書いてあった。「人員及び物品の輸送、輸送用資材の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供」とありました。この法案における安全確保支援活動の「輸送」もこれと同様であると考えていいか、長官どうですか。福田官房長官。
福田国務大臣 それでは申し上げます。
 この法案におきまして、安保理決議一四八三を踏まえて、イラクの復興に協力していくために人道復興支援活動と並んで安全確保支援活動を実施する、こういうことが規定されておりますが、この安全確保支援活動として輸送を業務の一つとして実施できる、こういうふうにしております。
 具体的には、例えば、イラクの国内における安全及び安定を回復する活動を実施している他の国連加盟国の人員、物品の陸上輸送、海上輸送もしくは航空輸送、輸送用資材の提供等の実施を想定いたしておりまして、輸送のための装備としては、自衛隊の保有する車両、船舶、航空機及びそれらの関連機材の中から、ニーズを踏まえた適切なものを選択していく、こういうことを想定いたしております。
 ですから、輸送という意味においては、そういう内容のものであるということであります。
児玉委員 そこで、輸送という場合に、必ず、何を、いつ、どこからどこへ運ぶかということが問題になります。
 テロ特措法を審議した特別委員会、一昨年の十月十二日、福田長官は御記憶だと思うけれども、この問題で私と議論をした。
 私はこう聞いたんです。食糧について、どのような食糧をどのくらいの数量、どこで引き受けてどこに引き渡すのか。テロ特措法について言えば主たる相手は米軍ですから、米軍と協議することになるのかと聞いたら、あなたは、協議によって決めていく、品目も数量も、こう答えた。
 私はそれを受けて、武器弾薬の輸送について、米軍と弾薬の種類、数量を協議し、引き渡し地点まで日本が輸送する、その点も食糧と同じですねと聞いたら、あなたは、「同じと考えて結構です。」こう答えた。
 今回も、協議する先方が幾らか広がっているけれども、この輸送という点の、勝手に運んでいいわけがないし、何を運ぶかというのを日本が決めるわけでもありませんから、こういった協議も基本において同様だと考えますが、福田長官、どうですか。
福田国務大臣 もちろん、非戦闘地域の中における輸送でありますけれども、物をAからBに移す、こういう作業でございまして、これは、当然のことながら、その関係部署と相談をしなければいけないということでございます。
児玉委員 その関係部署なんですね。まさか国内の外務省や防衛庁と協議するわけじゃないでしょう。先方があるんじゃないですか。どの品目を、どの数量、いつ、どこからどこまでと、どこと協議しますか。
福田国務大臣 これはさまざまなケースがあると思いますよ。先ほど申し上げました当局ですね、決議にあります当局も相談相手かもしれませんし、また、その当局に協力しているほかの国であるかもしれないし、国際機関であるかもしれないし、いろいろなケースがあるんだろうと思います。
児玉委員 一四八三決議では、当局というのを明確に「ユニファイド コマンド」と書いていますね、統合された司令部。そして、括弧つけて、ジ・オーソリティーと書いているんです。
 輸送において、例えば、当局と協議をする、先ほどの物品、品目、数量、そしていつ、どこからどこへ、その場合、協議の対象に当局が入るということですか。
福田国務大臣 それは、今私答弁したとおりでございまして、当局が入る、直接の場合もあるかもしれぬし、また間接であるかもしれぬし、当局と関係がないこともあるかもしれない。それはこれからの状況を見て判断していくことだと思います。
児玉委員 一四八三決議ができた段階で、当局とは、統合された司令部ですよ。統合された司令部というのをわざわざ国まで明示されている。アメリカ合衆国、グレートブリテンそして北アイルランドですか。一言で言えば、アメリカとイギリスですよ。そこと協議をするということですね。
福田国務大臣 当局と協議をするときには、当局でございます。
児玉委員 長官、それじゃ議論にならないよ。僕は、当局というのは統合された司令部という場合に実態的には米英軍なんだから、そこと協議をするのですねと聞いているんです。
福田国務大臣 では、当局というものを定義しなきゃいかぬのですか。(児玉委員「定義するまでもない、書いてあるんだから」と呼ぶ)国連決議で、もう権限を認めているわけですよね。その当局です。
児玉委員 統合された司令部、これは本会議で小泉首相も使った言葉ですね。その統合された司令部というのは米英軍から成る、これは一四八三決議の前文パラ十三にもはっきり書かれていることです。それがこの輸送の協議の対象となる、そういうふうに読む以外ないじゃありませんか。長官、どうですか。
川口国務大臣 おっしゃるように、一四八三で、統合された司令部、これのもとにある米英両国の関係国際法のもとでの権限、責任、義務を認識するという規定があるわけです。そして、CPA、コアリション・プロビジョナル・オーソリティー、連合暫定司令局、これがこのような占領国としての権限を行使し、義務を履行するために設立された組織であるということを承知いたしておりまして、当局を構成するということでございます。
 それで、そのCPAと米英軍との関係ですけれども……(児玉委員「いや、その説明を求めているんじゃないんです」と呼ぶ)そうですか。では、その手前のところでとめておきます。
児玉委員 もう少し具体的に聞きましょう。
 まず、航空機による輸送の場合、例えば、イラクの国内における安全及び安定を回復する活動を行う国、当然、その国は皆さんが言う当局と深い関連があるでしょうね。先方が求める地点、例えばポーランドの空港からイラクへ人員、物資等を日本の自衛隊のC130により輸送することなどが想定されていると思うんですが、どうですか。
福田国務大臣 その具体的例について、地名、国名、それについては私は承知しておりませんけれども、今言われたようなことは想定されると考えております。
児玉委員 兵員の輸送という場合に、テロ特措法でも人員と書いてあったけれども、それは兵員ですね。結局、テロの脅威を除去するために運ぼうというとき、アメリカ軍の家族を運んだりするはずはないわけだから、人員というのは兵員。このC130が輸送する人員、兵員、その場合に、兵員が携行する武器も含まれると考えますが、どうですか。
石破国務大臣 含まれると考えております。
児玉委員 艦船による輸送の場合です。「おおすみ」型輸送艦、そして護衛艦、あなたたちが言う附帯業務としての掃海艦艇、これらの派遣が予定されていますか。これは、どうぞ、石破長官。
石破国務大臣 済みません、御質問の趣旨をちょっとよく理解しかねておるのでございます。
 理解能力が足りなくて恐縮なんですが、「おおすみ」型の輸送艦あるいは護衛艦、掃海艦のことでございましょうか、掃海艇のことでございましょうか……(児玉委員「掃海艦」と呼ぶ)掃海艦の方ですか、艇ではなくて。
 これを派遣することは可能かという御質問だといたしますと、それはまだ具体的に確定もいたしておりません。
 海上輸送というものがどういう場合に必要となるか。例えば、午前中から議論がございますように、浄水セットを持っていかねばならないとか、あるいは給水を持っていかねばならない、その場合に……(児玉委員「安全確保支援活動に限定しています」と呼ぶ)失礼。
 安全確保の場合に限定をされるといたしますと、現在のところ、どういうのがニーズとしてあるかということは確定はできておりません。
 ただ、先生おっしゃいますように、飛行機であればそういうことは可能であるということでございます。それが船になりました場合に、法律的に何か本質的な差が生ずるかと言われれば、それは法的には差は生じません。ニーズがあるかないかということは現在確定ができておりません。
児玉委員 二長官一大臣に申したいんだけれども、少なくとも法律に書いてある以上、皆さんはそれを何らかのケースで実施することを予想するから書いているんだと思うんです。
 例えばテロ特別措置法のときに、捜索救助活動というのがあった。先日、私は、本会議で小泉総理に聞いたら、待機態勢を含めて入ったことがない。それはそれで私は一つの回答だと思う、やがて事実が明らかにするだろうけれども。法律でこのように書いている以上、それがどのようなことを想定しているか、これを今詰めておくことは意味があると思うんです。そういう立場でもう少し続けます。
 自衛隊が自衛隊の弾薬を輸送する場合のことでお聞きしたいんですが、陸上、海上において弾薬を運搬する際には、例えば銃弾については、数十発ずつ紙箱に入れた上で数箱を金属缶におさめ、さらに複数缶をまとめて木箱にこん包する。砲弾については、ファイバー容器または金属缶におさめて複数をまとめて木箱にこん包する等の方法によりこん包している。弾薬の種類、数量、総重量、出荷部隊と引受部隊、これらが明確に表示されている。私はそのように承知していますが、防衛庁長官、どうですか。
石破国務大臣 大体そういうようなことになっておろうかと存じますが、恐縮です、通告がないのでなどということは何の言いわけにもなりませんが、確認をさせていただきたいと存じます。そういうような安全を確保いたしますために、先生がおっしゃるとおりかどうかは調べますが、そういうような規定に類したものはあると承知をいたしております。
児玉委員 今私が読んだのは、防衛庁が提供された文書をそのまま読んだ。そして、長官、このやり方がおおむね国際的な通例だと私は承知しています。航空自衛隊が航空機で運ぶときはどうするかというのも、ちゃんとこうやって防衛庁は明示しています。航空機で運ぶときはどうする、陸上、海上ではどうすると。
 例えば、テントや小麦粉やチーズと弾薬が一緒にこん包されたりすることはないと私は思いますが、どうですか、長官。
石破国務大臣 失礼いたしました。私どもの担当が先生に提出をいたしたとおりでございます。
 先生おっしゃいますように、航空自衛隊の輸送機による空輸時の包装要領は、弾丸、爆弾等の火薬類を空輸する際には、例えば小型の弾丸については防湿性容器、防湿性袋に入れた上で云々かんぬんということで、先生が御指摘になりましたような要領を示しておるわけでございます。(発言する者あり)そういうものと同時に運ぶか、つまり一緒に運ぶかどうかということは、この中において規定をいたしておりません。こん包方式について定めているものでございまして、要は、どういうふうにしてそれを定めているかということは、それが判別が容易であるかどうかということ、そしてまた、それが危険物でございますので、それが取り扱い上危険がないようにこん包しなければいけないということでございます。
 それがほかのものと同時に運ぶことがよいかどうかということは、今ここには定めてございません。しかし、それが危険になるかならないか、それが航空機あるいは船舶によって運びます際に危険であるかないかということが、私は判断の基準になるというふうに考えております。
児玉委員 私が言っているのは、銃弾、弾丸、爆弾等のこん包のことで、例えば金属コンテナの中に弾丸が入って、しかもそれが明示されていれば、そのコンテナの中に他のものが入ることはない、そうでしょう。どうですか。
石破国務大臣 これは、コンテナの中に一緒に入るかどうかというお尋ねだと思います。それが、コンテナに例えば余分なスペースというものがあったといたします。そうすると、弾丸と、チーズかどうかは知りません、それがパンなのか小麦粉なのか、それは存じません。それを必ずしも一緒のコンテナの中に入れてはいけないということが明示的に読めるかどうかということだと思います。それが、例えばコンテナの中に弾丸、かつ、チーズというのは変ですな、あとは例えば小麦粉とか、そういうようなものを同時に入れるということを厳密に、明確に排除をしたものだとは認識をしておりません。
児玉委員 ちょっと議論していておかしくなるんだけれども、例えば「おおすみ」が運ぶときに、弾薬のコンテナと小麦粉のコンテナが同時に積載されることはある。しかし、弾薬のこん包について言えば、もうここにあなたたち自身が明示しているけれども、出荷受領部隊名、品名、重量、積載及び取り扱いの注意などを表示することになっているんですから、そこはもう事実は明白で、これ以上触れません。
 それで、それらを運ぶ陸上輸送ですが、使用する車両としてどのようなものを想定されているか。装甲車、装輪装甲車も予定しているか。どうですか。
石破国務大臣 確定はいたしておりません。
 ただそれは、そういうものを用いて輸送しますときに考えなければいけないことは、それの防御力ということもあわせて考えねばならないのだと思っています。つまり、それがどれほどの防御力を持っているか、どれほどの弾丸の貫徹というものを妨げることができるか、そういうような観点からも検討されることだと思っております。攻撃力だけではなくて、その防御力というものもあわせて検討するわけですが、まだ確定はいたしておりません。
児玉委員 想定されているということはわかりました。
 そこで、福田長官に伺いたいんですが、テロ特別措置法のときの協力支援活動、別表第一、その備考の三に「物品の輸送には、外国の領域における武器(弾薬を含む。)の陸上輸送を含まないものとする。」こう書き込まれていました。今回はそれはない。なぜですか。
福田国務大臣 これは前回も、政府提案では武器弾薬の輸送というものは入っておったと思います。それは国会における修正で除去された、こういうふうに理解しております。
 前回入れましたのは、あのときはまさに、今回と違いますのは、アフガニスタンにおける戦闘行動が、これが非常に大規模に行われていたという状況がございました。その後、そういう戦闘行動もかなり減ってきているというように聞いておりますけれども、しかし、その状況は今でも続いておるというところでございます。ですから、その武器弾薬の輸送というものも、これもかなりニーズが高いのではないかというように考えたということはございます。
 今回、武器弾薬をまたあえて入れさせて、あえてと言うと語弊があるかもしれませんけれども、これは輸送という特殊性から考えまして、武器弾薬だけを除去するのはなかなか難しいだろう、迅速なる輸送業務に支障を来すのではないか、こういうことをおもんぱかって武器弾薬も排除しない、こういうような仕組みにしておるわけであります。
 ただ、しかし、今申し上げましたように、アフガニスタンのときと違いまして、今回は、いわゆる戦闘行動というのは日増しに減少してきているということであります。そういうことでありますので、非戦闘地域間の中における輸送については、ただいま申しましたような理由でもって、輸送業務を入れた方が諸ニーズにかなうものではないか、こんなふうな考え方でございます。
児玉委員 福田長官は御記憶がないようだけれども、あのときの陸上輸送というのはアフガニスタン国内ではないですね。そのことが一つ。そしてもう一つ、アフガニスタンと今のイラクの安全の状況がどうか、これはこの委員会で大いに議論してきたし、今からもします。そういう中で、あなたが言うように、もし安全だとすれば、弾薬の輸送のニーズはないはずですよ。それをわざわざこういう形で入れるというのは、非常に矛盾がある。この点は指摘をしておきましょう。
福田国務大臣 それはちょっと違うんじゃないでしょうか。今回も治安活動というのは続けているわけです。治安活動、まあ戦闘行動になる部分もあるのかもしれませんけれども、その主たる仕事として治安の回復ということがございます。
 実際にそういういろいろな事故等も起こっているわけでございますから、これは武器弾薬、もちろん大規模ではない、だから、先ほどから申しているように、そんな大きな需要があるというふうには思いません。思いませんけれども、そうであれば、武器弾薬単体で一つのコンテナで送るというようなケースよりは、いろいろな荷物と混在して送るといったようなケースの方が多いのではないか、そういうものに機動的に対応できるようにするということが、これが必要なんではなかろうか、こういう趣旨でございます。
児玉委員 お答えになる都度、疑問が膨らむんですがね。
 この特別委員会に皆さんがこういうペーパーをお出しになった、前原議員の要請で。イラク復興等支援・各国における軍隊の派遣状況、六月二十四日現在。その中で、わざわざ「安定・安全の確保」と「警備・警戒、偵察等」というのは分けていますね。今長官が言われた治安活動というのは、この五と六のどちらのカテゴリーに属しますか。
福田国務大臣 いきなり資料を出されるんで、こちらも戸惑いますけれども……(児玉委員「皆さんが出している」と呼ぶ)いやいや、今のはこの委員会ですよ。
 五というのは「安定・安全の確保」ということですね。それから六というのは「警備・警戒、偵察等」と、こうございます。「安定・安全の確保」というのは、まさにこの一四八三でもって言っているところでございますけれども、そういう中にこの警備・警戒、偵察、こういうものも当然入ってくるんだろうと思います。
 いずれにしても、「安定・安全の確保」というのは、これは治安の回復という、また復興のやはり根源的な問題でございますから、ですから、そういうものはやはり十分やっていかなければいけないということでございます。
児玉委員 その問題、後からもう少し議論します。
 そこで具体的に伺いたいんですが、この業務の中に、「保管(備蓄を含む。)」それと「補給」というのが「輸送」と並んでありますね。これは特定の地点に拠点、集積所、そのようなものを設置して、そこに対する陸上輸送も想定していると考えますが、防衛庁長官、どうですか。
石破国務大臣 安全確保支援活動につきましては、おっしゃいますように、「保管(備蓄を含む。)」を業務の一つとして実施できるということになっております。
 具体的には、例えばイラクの国内における安全及び安定を確保する活動を実施しているほかの国連加盟国の物品、例えば食料品ですとか資機材ですとか医薬品ですとか、そういうものでございますが、それの倉庫等における保管または備蓄を想定しておるわけでございます。そうしますと、先生御指摘の集積というようなことも、それは当然予測されることだと考えております。
児玉委員 集積所というのは移動するものじゃありませんから、短期的には、少なくとも。そこに対して、例えば、やってきた米軍等の戦車を含む車両、それに対して日本の自衛隊が提供する燃油や水を補給する、さらに、陸上輸送で弾薬は排除されていないから、先方の求めによって日本の自衛隊が輸送した弾薬を米軍等の車両に引き渡す、こういうことも想定されていると考えますが、どうですか。
石破国務大臣 当然のことでございますが、そういうような活動は私どもは非戦闘地域で行うわけでございます。戦闘地域でそういうような活動はいたしません。例えば、その集積所というものが戦闘地域にあれば、そこへ持っていくということはできないわけでございます。
 先生がおっしゃいますようなことは、法的には私は排除されないと思っています。しかし、先生も戦車なるものがどのようなものかよく御存じかと思いますが、あれは非常に壊れやすいものでございます、戦車というのは。非常に常識とは違うようなのですけれども、キャタピラで走りますので、非常に精密にできております。それが、戦闘地域、仮に戦闘地域というものがあったとして、そこから非戦闘地域に移動して武器弾薬の補給を受けるか、あるいは燃料の補給を受けるかということを考えてみましたときに、かなりそれは設定しにくい状況だというふうに私は思っています。
児玉委員 そういうものが排除されていないという点は明確だし、この後の事態を見ればますますはっきりしていくだろうと思う。
 そこで、国連決議一四八三との関連に少し踏み込んでいきたいと思うんです。
 政府は、米英以外に既に十三カ国が軍隊を派遣した、さらに十四カ国が派遣を決めていると。昨日、政府から、各国軍隊派遣の状況、こういう資料をいただきました。オーストラリアはバグダッド空港の管制任務と航空輸送、海上警備が中心のようですね。カナダはC130三機を派遣中である、「陸上部隊派遣の予定はない。」こう書かれている。陸上部隊を現に出している国はどことどこでしょうか。
川口国務大臣 ちょっと、事前に伺っていたらまとめておいたのですが、国のリストがございまして、それを片端から申し上げることになりますけれども、よろしゅうございましょうか。
児玉委員 それでは後から示してもらいましょう。事前に一四八三とこの法案との関係、そして若干のことは聞いて、そして皆さんからこの資料をいただいているので。
 そこで、地上部隊を派遣している国にもいろいろありますね。ヨルダンやサウジアラビア、アラブ首長国連邦、これらは医療部隊が中心です。政府資料によれば、安定、安全の確保にかかわって派遣しているのはリトアニアのみですね、これを見る限り。今後、この安定、安全の確保で派遣予定は、イタリア、スペイン、ポーランド、ウクライナ、オランダの五カ国となっています。これは、各国に日本政府が照会した結果でしょうか。外務大臣、どうですか。
川口国務大臣 照会をいたしました結果です。
児玉委員 そこで、福田長官、先ほどの問題に返るんですが、輸送を行う、どこからどこに、どのような品目をどの数量、当然日本の一方的な判断じゃできないので、協議する相手がある、その場合、依然として当局である、こういうふうにおっしゃいますか。
福田国務大臣 これは、先ほど私答弁したんですけれども、また繰り返しますと、当局もあります、しかし国際機関もあるんでしょう。いろいろな関係機関と協議をして決める、こういうことでございます。
児玉委員 現地で、特にCPAの関係者その他が日本の自衛隊に対してどのような関心を持っているか。
 昨日、与党のイラク調査団報告が出されて、「イラクにおいては、もはや戦闘は終了している」、私どもの赤嶺議員などが現地でつかんできた判断とは違っていますが、しかし、内閣官房、外務省、防衛庁の要員も同行しているということも含めて、非常に興味深く拝見しました。
 その中で、ソーヤーズOCPA大使、この方はもう御存じのとおり、ブレマー長官のもとで次長を務めていらっしゃる。この方が、与党の報告によれば、「自衛隊の支援が歓迎される多くの分野がある。人道支援や後方支援以上のものも期待したい。」「現時点の国防や治安維持は連合の仕事となっており、そのための部隊が必要である。」「自衛隊の役割を必要以上に狭く定義しないで頂きたい。」こう述べたと報告書には紹介されていますね。そして、あわせて同大使は、「現在、南部四州は英軍、南東部はポーランド軍他、バグダッドと北部・西部は米軍が担当しており、どの地域でも自衛隊は大歓迎されるであろう。」こうも述べたようです。
 外務省の先ほどの外国軍派遣の状況、この一覧表の中でも、「ポーランド軍管轄地域」「英国管理区域」などと書かれています。そして、最も多数を出している米軍のことも含めて、いずれかの国の管轄地域ないしは管理区域に、日本の自衛隊が派遣される場合、行くことになるのではないでしょうか。お答えください。
福田国務大臣 与党調査団がイラクに参りまして、そしてソーヤーズCPA大使に会って、今委員が言われましたような報告を出している、これはそのとおりで、承知をいたしておるところでございますが、これは自衛隊の期待度が非常に高いということがここにあらわれていると思いますが、かといって、それではソーヤーズ大使が言うような分野で活動できるというわけではないんですね。
 それはそれで、この法律に書いてありますいろいろな制限がありまして、その範囲の中で自衛隊の活動を行うということでございますから、ソーヤーズ大使の言われているのは、これはあくまでも参考にする、こういうことでございます。
児玉委員 ソーヤーズ大使は極めて具体的に言っていますね。「どのような部隊が必要か、その役割及び業務はブレマー長官が決め、軍に助言を求める。長官の決定後、軍は派遣される部隊をどのように受け入れるかを具体的に派遣国と調整する」こう述べているようですね。
 日本はこの調整に応じることになると思うんですが、どうですか。
福田国務大臣 調整と申しますか協議と申しますか、いずれにしても、当局との協議というものは必要だろうと思います。
児玉委員 そこで、外務大臣にお聞きするんですが、安保理決議一四八三の前文パラグラフ十三、十四、十五。そこで、加盟国は「統合された司令部(「当局」)」のもとで活動する、日本の自衛隊もブレマー長官の決定を受けて具体的な活動内容を調整する、そのような状況を一四八三決議は、当局のもとに、アンダー・ジ・オーソリティーと。きのう、福田長官はアンダー・ザ・コマンドという言葉を言われたけれども、今差し当たって私はそのことを問題にはしない。アンダー・ジ・オーソリティーと呼ぶのではないですか。外務大臣、どうですか。
川口国務大臣 前文の十三、十四、十五は、それぞれ「当局の下」という言葉を使っております。
 これの意味は、現在、イラクの安定と安全の確保について当局が全般的な責任を負っているわけですから、そのことから、この分野で国連の加盟国が活動するに当たっては当局と緊密に連携をとっていくということが自然であるという考え方を反映したものであって、当局の指示に服す、そういうことではないということです。
児玉委員 この点では、小泉首相が六月二十四日の本会議で次のように答弁しているのが重要だと思うんです。「イラクの領域において活動を実施する際に必要とされる同意については、決議一四八三において米英の統合された司令部の権限とされている範囲内で、当該機関より取得することとしています。」と。
 統合された司令部の権限とされている範囲内で取得をする、このことを指して一四八三決議は、当局のもとに、アンダー・ジ・オーソリティー、こういうふうにしているんじゃないですか。あなたたちがどのように言おうと、国連安保理事会での論議、そして、それを踏まえた決議一四八三は、そのように言っているのではないか。ここのところは、大臣、肝心な点ですから、明確に答えてほしい。
福田国務大臣 それは、国連決議で与えられた権限、いろいろあるんだろうと思います。しかし、その権限の部分を行使の都度行使していくということになろうかと思いますが、その部分について、具体的な業務を我が国と協議していく、もしくは連携を保っていく、こういうことと考えるべきだと思います。
児玉委員 その同意を得るというのは、同意が得られない場合もあるんですよ。同意を得て出かけていくわけだから、やはり、それが当局の同意であれば、当局のもとに、アンダー・ジ・オーソリティーとなるのが当たり前じゃないですか。
 以上に議論してきたこと全体から既に明らかになっていることは、政府がどのように言おうと、イラクへの自衛隊派遣は、決議一四八三号が具体的に示している、米軍を中心とした統合された司令部、ユニファイドコマンドですね、その権限の範囲内で、当局のもとで展開される。フランスやドイツなどがイラクへの派兵を考えていないのは当然のことですよ、以上のことから。そして、日本政府がもし本当に主体的な判断をするとすれば、自衛隊のイラクへの派遣という答えは出てこない。そのことを私は厳しく指摘をしておきたい。
川口国務大臣 先ほど来から引用に出てきております与党イラク現地調査団の報告でございますけれども、それのまとめのところ、「調査の概要」のところの「結論」の前のところを読んでいただきますと、「支援分野については、日本の主体的な判断を尊重する」という見解が示されています。これはソーヤーズもそう言っていますし、ブレマーも言っている、そういうことでございまして、決して当局に決めてもらってそこに日本がやるということでは全くないということです。
 それから、条文に「同意」と書いてございますのは、これは別にその指揮下に服すという意味で書いているわけではございませんで、イラクのために支援をする、イラクの主権との関係で後で問題が生じないように同意を得る、そういうことを書いてあるということで、指揮下に入るということの意味で書いてあるわけでは全くございません。
児玉委員 時間ですから、今の点はさらに論議を深めていきたいけれども、私はもう一回はっきり言うけれども、本当にあなたたちが主体的な判断をするのだとすれば、この自衛隊派遣という回答は絶対に出てこない、そのことを厳しく指摘しておきます。
浅野委員長代理 次に、中塚一宏君。
中塚委員 自由党の中塚です。
 私ども自由党に安全保障の基本原則、自衛権の問題と、あと国際貢献の問題、二つ確立しておりまして、政府は政府なりの考えがあるのかどうかわかりませんけれども、その原理原則に照らして法案の賛否というのも考えていかないかぬわけで、その前提になるお話からお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、国連決議一四四一なんですけれども、三月から始まりました米英のイラクに対する攻撃なんですが、この国連決議一四四一というのはイラクに対する武力行使の容認決議であったというふうにお考えでしょうか。
川口国務大臣 一四四一におきまして安保理は、イラクが決議六八七を含む関連諸決議の義務の重大な違反を継続的に犯しているということを決定しました。そしてイラクに対して、関連安保理決議を履行する最後の機会を与えました。
 これまでの査察団による安保理への累次の報告等において明らかでございますように、決議一四四一で履行を求められている武装解除等の義務がイラクによって完全に履行されていないことから、さらなる重大な違反が生じていると言わざるを得ないわけです。したがいまして、一四四一のもとで、いわゆる湾岸戦争の停戦条件を定めた決議六八七の重大な違反が継続的に生じていたことから、この六八七に基づくいわゆる湾岸戦争の停戦の基礎が失われ、決議六七八に基づき、武力行使が正当化されると考えます。
 このように、イラクに対する武力行使は、国際の平和と安全を回復するという明確な目的のために武力行使を認める国連憲章第七章のもとで採択された六七八、六八七及び一四四一を含む関連安保理決議により正当化されるというふうに考えております。
中塚委員 今の御答弁ですと、一四四一は武力行使を容認する決議であるということなんですが、一四四一そのものが武力行使を容認しているということではないわけですね。いろいろと引っ張ってきたものについて、関連をもって武力行使が容認されるというふうにお考えになっているということでよろしいんですか。
川口国務大臣 結構でございます。
中塚委員 それでは、その六七八のように、例えば「あらゆる必要な手段を取る権限を与える。」というふうな言葉というのは、一四四一にはないわけですね。そして、一四四一自体は、今後もこの問題について関心を払っていくというふうなことも書いてあるということなんですが、一四四一自体は武力行使を容認する決議ではないということでよろしいですか。
川口国務大臣 一四四一自体、それのみで武力行使をしてもいいという基礎になるものではないということです。
中塚委員 では、その米英の攻撃を支持するとした我が国の立場なんですが、この支持をするとした根拠というのは一体何なんでしょうか。
川口国務大臣 これは、大量破壊兵器についてイラクは疑惑を持たれていたということでして、大量破壊兵器について、これのもたらす脅威、これは我が国としてもみずからに対する脅威であるというふうに受けとめていたということでございます。
 そして、イラクがその累次の国連決議に従って、きちんとやるべきことをやって疑惑を晴らすということが期待されていたわけですけれども、たび重なるさまざまな圧力にもかかわらず、イラクはこれに対して積極的に対応をしてこなかった。それで、違反である、六八七に違反をしているということが一四四一で決定されたわけです。
 我が国として、平和的に解決をしたいと思い、さまざまな努力をいたしておりましたけれども、やはりそこで、最後、イラクが国連の決議にこたえず、武力行使がやむを得なくなった。そのときに、我が国としては、やはり大量破壊兵器の脅威という観点から、これを、同盟国のアメリカがそういう武力行使をするということに至ったときに、それに対して支援をする、支持をするというふうに述べたわけです。
 したがって、その理由はといいますか、根拠といいますか、理由ということはそういうことであります。
中塚委員 要は、一四四一そのもの自体は武力行使の容認決議ではない、しかし他方、大量破壊兵器の脅威というものは我が国にも及ぶ、それを除去するための米英の攻撃を支持した、そういうことですか。そこには国連決議というのは関係ないわけですね、そうすると。
川口国務大臣 今まで申し上げましたように、今回の武力行使は、六七八、六八七、一四四一等の国連決議、これによって正当化されるというふうに考えているわけです。
 今申し上げたのは、そういった国連憲章に基づいた安保理決議に基づいて行われた武力行使に対して我が国が支持をした理由を申し上げたわけです。
中塚委員 今の説明もよくわからないんですが、それでは、一四四一自体、武力行使容認決議ではないというふうな御答弁でしたが、では、どうして攻撃は米英だけで、湾岸戦争のときのような多国籍軍型にならなかったというふうにお考えですか。
川口国務大臣 どうしてならなかったかという御質問に対してどのようにお答えをしたらいいかというのは、非常に戸惑いを覚えますけれども、それは、それぞれの国が主体的に判断をした結果であると思います。
中塚委員 では、それぞれの国が主体的に判断をしていくということでありますし、また、加えて、湾岸戦争のときのように、やはり「あらゆる必要な手段を取る権限を与える。」という言葉自体はなかったわけで、一四四一ですね、そういう意味で、外務大臣先ほど、ある意味正直というか、一四四一自体は武力行使の容認決議ではないというふうにおっしゃいましたけれども、そういうことがあるからこそ、やはり参加をしない国もあり得るということになっていくわけですね。
 ですから、それを我が国が支持をするというのは、これは国連決議に基づいて支持をするとかしないとかいうことではなく、我が国自身も主体的な判断として支持をしたということでよろしいですか。
川口国務大臣 当然、そういうことです。
中塚委員 はい、わかりました。国連決議とは関係なく我が国として主体的に支持をしたということを明らかにいたしました。
 次に……(発言する者あり)いやいや、けれども大臣がそういうふうに言っているんですから。大臣がそういうふうに答弁しているんですから。
 次に……(発言する者あり)いやいや、そんなことないですよ。それだったらちゃんと考えて答弁してもらわなきゃ困りますよ、それは。(発言する者あり)いやいや、主体的に判断をしたということなんだから。
川口国務大臣 余り揚げ足取りのようなお話をしたくないんですけれども、主体的に判断をしたということを申しましたけれども、その前に、国連決議に基づいて正当化されることであると考えているということは申し上げております。
中塚委員 正当化されるということと、それが、国連決議自身が武力行使を容認しているから支持をしているということとは、私は違うと思います。だからこそ大臣も主体的に判断をしたというふうにお答えになったんだというふうに思いますし、実際そのとおりなんでしょうから、もうこのことについては結構です。
 次に、今回の一四八三決議なんですが、この中で「当局」という言葉が出てまいりますけれども、その当局ということについて、やはりこれもまた湾岸戦争のときの六七八なんですが、当局に対してあらゆる必要な手段をとる権限を与えるということは書かれておりませんけれども、国連としてこの当局に何か権限を委任しているというふうにはお考えになっていらっしゃいませんよね。
川口国務大臣 委任をしているということかとおっしゃられて、その意味は私はちょっとよく理解できませんが、一四八三によって、この当局に対してはさまざまな権限が認められているわけです。それは例えば、領土の実効的な統治を通じたイラク国民の福祉の増進に関する権限、それからイラクの開発基金やオイル・フォー・フード計画に関する一定の権限、イラクにおける政治プロセスへの一定の関与、その他の権利義務、これは例えばイラク特別代表との調整等でございますが、そういった権限が一四八三により認められているということでございます。
中塚委員 権限が認められている、「あらゆる必要な手段を取る権限を与える。」というふうなことと同類型だというふうにお考えなんでしょうか。
川口国務大臣 いかなる権限が与えられているかというのは、個別のパラに記されているとおりでございます。
中塚委員 この「当局」というところに、「占領国としてのこれらの諸国の関係国際法の下での特定の権限、責任及び義務を認識し、」というふうにありますから、要は、これは現状を追認するというふうな決議なんだろうと私は思うんですね。だから、何か新たにCPAに対して安全保障理事会なり国連の総会が新しい任務を与えるということではなくて、現状の、要は戦争を起こした国が占領国としてここにあるということを認めているということだと思いますが、そこはいかがですか。
川口国務大臣 先ほど私が申し上げたような権限、これは新しく与えられたものであります。
中塚委員 次に、CPA、当局というところに、この一四八三というものが国連の加盟国に対して協力を依頼しているというふうに解釈をされているんでしょうか。
川口国務大臣 協力の依頼という言葉で何を意味していらっしゃるか、ちょっとよくわかりませんけれども、例えば主文一、主文二において、これはいろいろなことに貢献するように訴えている、あるいは支援をするように要請している、そういうことでございます。
中塚委員 協力の依頼ということが理解をされているからこそ法案をおつくりになっているというふうに思うんですが、安全保障理事会の決議ですよね、その一四八三。一四八三の決議によって、国連の加盟国に対し、この当局に協力を要請しているというふうな解釈でいらっしゃるのかどうか。
川口国務大臣 と思います。
中塚委員 それで、この国連決議を見ますと、この法案で言うところの人道の問題と、あと治安の問題、二通り法案自体書き分けて書いてありますが、その中でも、やはり治安、安全の方はCPAの権限、人道の方は国連その他の機関というふうな書き分け方になっているというふうに思いますが、そこはいかがですか。
川口国務大臣 必ずしもそのような形で書き分けられているとは考えていません。
中塚委員 任務自体はいろいろと重なるものが出てくるんだろうと思うし、任務を実施する主体というものが同じである場合もあるんだろうというふうに思いますが、これをずっと見ていきますと、やはり人道問題については「国連及びその他の国際機関」というふうに書いてある。「当局に対し、」ということについては「安全で安定した状態の回復及びイラク国民が自らの政治的将来を自由に決定できる状態の創出」云々ということが書いてありますし、逆に、当局に対しては「国際連合憲章及びその他の関連国際法に従い、」ということで、枠をはめるような内容になっているわけですね。
 要は、占領国ですから余りむちゃするなというふうなことが言ってあるわけで、その他の人道支援ということについては、この決議は「国連及びその他の国際機関」が行うというふうに書いてあると私は理解をいたします。
 次に、各国が軍隊を派遣するということなんですけれども、この国連決議一四八三というのを派遣の根拠にしている参加国あるいは参加予定国というのはあるんでしょうか。
川口国務大臣 各国がイラク復興の支援のために行っている軍隊、あるいは文民の派遣というのもありますけれども、それは各国が主体的に判断をして実施しているということでございますから、すべての国が一四八三との関係を明言しているわけではありません。
 ただ、今後イラクの復興に向けての各国の支援が本格化していくその中で、この決議の採択が、これは国際協調ということを言っているわけですから、この決議の採択が大きな役割を果たしていたというふうに考えます。
 それから、現在のところ既に軍隊を派遣しているか、あるいは派遣を決めている国々のうち、この決議に基づいて貢献を行うということを明言している国、これは、チェコ、ニュージーランド、ブルガリア、エストニア等でございます。
中塚委員 ということで、今お言葉にありましたが、やはり主体的に判断をするということなわけですね。
 私どもは、国連決議というものがあるならば、それは集団的自衛権の問題等とは関係なく、我が国はどんな活動でもするべきだというふうに考えております。その考えからいたしましても、国連決議の一四四一ということで、そのこと自体が武力行使の容認決議でないというのであるならば、やはり米英の作戦、戦闘というのは、戦争というのは、これは支持をすることはできないというふうに考えておりますし、また、一四八三という決議についても、それを根拠にして参加する国もあるけれども参加しない国もあるということで、要は主体的に判断をすることになっているわけなんですが、やはり湾岸戦争なんかのときの多国籍軍型のやり方というのとは明らかに違う。ましてや、先ほど質問もありましたが、PKOの枠組みにもまだなれない、そういうふうな状況であるということだと思うんですね。
 ということで、やはり国際連合からの明確な決議なり要請ではないということをまず一つ確認しておきたいというふうに思います。
 あと、先ほどお答えがちょっとありましたが、今回イラクへ派遣を行わない国の主な理由、もし御存じでしたらちょっと教えていただけますか。
川口国務大臣 イラクに具体的などのような支援をやっているかということは、各国がそれぞれの事情に基づいて決めて実施をするというものですから、日本が、なぜある国が派遣しないかを全般的に把握できるということではないと思います。
 なお、申し上げたいのは、サウジアラビアあるいはヨルダン、これはイラクの武力行使に対して遺憾であるということを言いましたけれども、こういった国は軍関係者を派遣してイラクの中で野戦病院を設置するというようなことを行っているわけでして、したがいまして、イラクの武力行使に反対をしたから、あるいは批判的であったからイラクに対して今復興のための支援の文民の派遣あるいは軍隊の派遣をやっていない、そういうことではないと思います。
中塚委員 それは、周辺国の立場に立てば当然そういうことでしょうね。やはり隣の国で大変なことが起これば、あるいは難民が自分の国になだれ込んでくるというふうなこともあるわけだから、当然重要な関心を払って、だからこそ戦争にも反対したんだろうし、戦争が起こった後はそれをケアするという考え方になるのはある意味当然だというふうに思います。今外務大臣が出された例に照らしていけばですけれども。ただ、やはり、万里波濤を隔てた我が国がそれを行うというと、これはまたちょっと違う事情によるんだろうということだと思います。
 以前、テロ特措法の審議のときにもお伺いをしたんですが、官房長官は記者会見で退席になりましたけれども、造詣の大変深い石破防衛庁長官に伺いたいというふうに思います。
 湾岸戦争のとき、いろいろな議論があって、日本も国際貢献するべきだというふうな議論があったわけなんですけれども、あのときは、後方支援であってもできないというふうなことだったわけですね。ところが、それから十年以上たって、別に政府は憲法解釈を変えたわけでもありませんし、何も政府自身の考え方は変わっていないんだろうというふうに思うんですが、ところが、テロ特措法以降はそういったことができるようになっているということなんですけれども、これは一体何で、昔できなかったことが今できるようになったというふうにお考えですか。
石破国務大臣 昔できなかったのは、それを可能にする法律がなかったからです。できるようになったのは、それを可能にする法律を国会においてお認めいただいたからというのが形式的な理由だと思います。
 つまり、湾岸戦争のときは、確かに委員が御指摘になったようなことでした。増税までして百三十億ドル出しました。一兆三千億円だと思います。国民一人当たり一万円ということでした。でも、クウェートがありがとうと言った新聞広告には何にも名前を載せてもらえなかった。その後で、PKOという議論になって初めて自衛隊が出た、そしてテロ特措法、そして今回。今回は今御審議をいただいているわけです。
 私は、テロ特措法から出られるようになったわけではなくて、ルーツはやはりPKO法にあるんだと思っています。それができるようになった理由は、やはり日本が国際的な責任を果たさなきゃいけない、自分の国さえよけりゃいいという話じゃない、それを可能にする法律を国会でお認めいただいた、この二つの理由によるものと思います。
中塚委員 それで、今お話の出たPKOなんですけれども、PKOとの関連で伺いますが、今回のこの法律、やはりPKO法に比べても、一歩、二歩、三歩以上踏み込む中身になっているというふうに思うんですね。
 これは私どもの考え方というのとも関連をするわけですけれども、まず一番目にお伺いをしたいのは、なぜイラクの復興支援ということがPKOの枠組みになり得ないのか。なり得ないことについてどういうふうに現状を認識していらっしゃるのか。いかがですか。
石破国務大臣 これは午前中もお答えをしたことでございますが、現在、PKOがイラクで展開されておりません。展開されていないものには出しようがないということでございます。この法案は、こういうような状況でありますので、一四八三を踏まえまして、国際協調のもとで一日も早いイラクの再建のため、我が国としてふさわしい貢献を行うということを可能にする枠組みをつくったものでございます。
 PKO自体、国連憲章にPKOというものが書いてあるわけではないことは先生御案内のとおりでございますが、PKOというものの実際の活動が行われていない以上は行きようがないという、これは本当に形式的なお答えですが、そういうことにならざるを得ないと思います。
中塚委員 形式的な答え以上のことを聞きたいんですが。
 要は、PKOじゃないからPKO法を使えないというのは、それはそのとおりですね。私がお伺いしたいのは、何でPKOになり得ないのか、その現状認識ですね。現状と照らし合わせて、なぜPKOになり得ないのか。そのことはいかがですか。
石破国務大臣 これは、PKO五原則というのは、別に我が国が独自に編み出したものではなくて、一番最初にこれを提示されたのはハマーショルド氏であります。そのPKOの五原則というものでPKO活動というのは行われているわけでございます。
 仮に、PKOという形でイラクの国内で活動しようとすれば、この五原則を満たさなければいけない。しかし、フセイン政権が崩壊した後のイラクにおいて、受け入れ同意とか停戦の合意とか、そのような要件が満たされているとは言い切れない部分がございます。そしてまた、PKO法で規定されております業務の中には、安全確保支援活動のような業務はないわけでございます。
 したがいまして、PKOの五原則、それはインターナショナルなルールと申し上げてもよろしいと思います。それを満たしていない、したがってPKO法ということにはならない、ですから現地においてPKOは展開されていない、こういう理屈でございます。
中塚委員 PKO等、確かに国連憲章に書かれていないのはそのとおりなんですが、やはり国際連合という枠組みの中での取り組みということですね、PKOの場合は。それになり得ない状況である、イラクの現実が。今おっしゃったとおりで、フセイン元大統領が生きているのか死んでいるのかもわかりませんが、はっきり言って停戦合意もできていない。停戦になっているのかどうなのかわからない。そういうことになると、相手方の同意というのもとれないということだろうから、当局と合意をして派遣をするということになっているわけですね、この法律の立て方というのは。
 それで、もう一つ、中立的立場ということもPKOの五原則の中にあると思うんですけれども、今回、当局に協力をするということが果たしてPKO法で言うところの中立的立場ということに該当するのかどうか、そういうふうな問題もあるんだろうというふうに思いますし、また、何かあったら撤収するということになっている、これは今回の法律もそういうことではありますけれども。
 そういう意味で、私は、本当はやはりPKOになってやるべきだ、PKOの枠組みの中でやるべきだ、それはもう絶対その方が望ましいわけですが、それを踏み越えて、ワンステップビヨンドで今回こういうふうな法律をつくって行こうということになっているわけなんですけれども、果たして、停戦合意というものがちゃんと交わされていない、相手方政府というのはないわけですね。そういうところに派遣をするということになると、今までの政府の考え方とはかなり異なる法律なんじゃないかというふうに思いますが、そこはいかがですか。
    〔浅野委員長代理退席、委員長着席〕
石破国務大臣 これは、私からお答えすることが必ずしも適切ではないかもしれません。ただ、私が思いますのは、今までの政府の考え方と違うじゃないかということでございますけれども、私はそんなに逸脱をしたものだとは思っていないのです。つまり、確かに停戦の合意はございません。それは、当事者がいない、不存在というものに起因するものでございます。
 これは、戦争の終わり方というものをどういう形でやるか。例えば日本の場合には、連合国との間で、八月十五日に戦闘が終わり、そしてまたミズーリ号の上で降伏文書に調印をし、戦争が終わったということだと思っています。他方、ではドイツではどうだったかということを考えてみましたときに、これは、ヒトラーは亡くなってしまって、ナチス・ドイツ政権というのはなくなってしまったわけですね。そのときに、では、停戦の合意、降伏文書のようなものがドイツにおいてきちんと国際法にのっとって調印されたかといえば、それは日本とは異なる状況でございます。
 イラクにおいては、フセイン政権は崩壊した、その後に、では、何か政権ができたか。かいらい政権のようなものをぶっ立てて、形式的にもせよそういうような政府をぶっ立てて停戦合意というようなことにもなっていない、受け入れの文書が調印されたという形にもなっていない。事実はそういうことだと思っています。
 いずれにしても、私どもが、国際社会の要請に基づいて、例えばPKOであれ今回のイラクであれ、安全を確保し、そしてまた人道的な支援を行い、我が国がどのようにして貢献をしていくか。それは、武力の行使にも決して当たらない、武力の行使にしてはならないという憲法の要請、その中で何ができるかということをずっと考えてきているわけでございます。それは、PKOであれ今回のイラクの支援であれ、私は、その延長線上にあるものだと考えておりまして、質的な変化を来したというふうには考えておりません。
 我が国が、国際社会の要請に基づいてどのように憲法の範囲内で国にふさわしい貢献をなすか。言葉をかえれば、我が国としての、国際社会の一員としての責任を果たし得るか。その点で、政策転換があったとは全く考えておりません。
中塚委員 政策転換ではない、新しい考え方ではないというふうにおっしゃいますが、そのないということの担保が主体的という言葉しかないわけですね。
 だから、今、武力行使ではないということもお話しになりました。武力行使でないものでどういうふうに貢献していくのかというお話をされましたが、きのうの、うちの佐藤公治委員の質問の中でもありましたが、長官自身はどういうふうにお考えになっているのかというのはまた別の問題だろうというふうにも思います。ただ、その武力行使ではないということが、支援活動は武力行使ではないということにしたって、やはり国際標準からすればちょっとずれている話なわけですね。そういったことを考えますと、やはり新しい、今までのPKO以上に踏み込んでやっていくことになるというのは、私は間違いのないことだというふうに思うんですね。
 ですから、その背景には一体何があるのかということで、国際協調ということを総理もたびたび御答弁になります。ただ、国際協調という割には、やはりPKOよりも一歩踏み込んでやるということであるならば、私は、国際協調主義以上の考え方がこの中には入っているのではないのかというふうに思わざるを得ないわけです。いかがですか。
石破国務大臣 それでは、どうすればいいのかということです。
 では、これはPKOでなければ我が国は参加しないというふうに言ったといたしましょう。PKOの枠組みができなければ我が国は参加しない。それでは、日本はそうだから、それではいいです、ほかの国でやりますということになったといたします。委員が先ほど御指摘になったように、我々は湾岸戦争から何を学んだのかということです。我々が湾岸戦争から学んだものは、それは、やはりお金だけでは責任を果たしたことにならない、評価されるとかされないとか、そういう問題ではなくて、我が国が国際社会でどういう責任を果たすかということだと思います。
 ですから、私どもは、政策転換になるのでPKOの枠組みでやってくださいというふうに国際連合に仮に言ったとします、国際社会に言ったとします。それではどうぞ、日本はそういうふうにお考えならば結構ですと。今回参加しているのは、たくさんの国が参加をしているわけです。それは、米英だけではなく多くの国が参加をしている。そのことをどのように考えるか。私たちがもう一度湾岸戦争のときに戻っていいということの御判断であれば、それはそれで一つの御判断だと思います。それは、そのように御主張になるのはそれぞれの御自由だと思います。
 私たちは、本当に、憲法の範囲内で国際的な責任が何を果たせるか。そして、この十年の間に、PKOを積み重ね、いろいろな国の理解を得て、いろいろな評価を得て、自衛隊というものに対する信頼というものがこれだけ国際的に高まってきた。そして、今回イラクに出せるのは、私は自衛隊しかないと思っています。それは、自己完結性もそうです、危険を回避するという意味からおいてもそうです。それをやらないという判断は、少なくとも今の政府においてはございません。それが政策転換をしたというものだとも私は思っておりません。
中塚委員 別に、復興支援をするということに自衛隊でなければいけないということではない、私はそういうふうに思いますし、まず、国際協調主義ということをうたうのであるならば、おのおのの国が主権を振り回すような、そういうふうな弱肉強食の世界が果たしていいのかどうかということもやはり議論をしていかなきゃいけないと思うのですね。やはり、ちゃんと国連を中心にしてやっていくというふうな方針をとっていくべきだろうと私は思いますし、日本がそのことをちゃんと鮮明に内外に宣言をすることができれば、やはりそれは外交のあり方、安全保障のあり方というものも変わってくるんだろうというふうに思いますよ。人任せ、他の状況に応じてこの法律だって出てくるわけですよね。
 だから、そういうことではなくて、ちゃんと自分たちの国が主体的になって国際協調主義というものを盛り上げていくような、そういうふうなやり方というのは必ずあるはずだというふうに思います。何も湾岸戦争のときに戻れというふうな話をしているんじゃなくて、やるんならやるで、ちゃんとそれに基づく考え方というものを打ち出していかなきゃいけないだろうということを申し上げているわけです。
 それで、法案のことでちょっと伺いますけれども、基本計画について伺いたいんです。
 総理の答弁なんかを聞いていますと、この法律を通すということによって、基本計画の事前承認は必要ないということを答弁されていたというふうに思っておりますが、しかし、もしこの法律を通すということによって派遣を容認するということになるのであるならば、逆に、基本計画自身をもっと早目に見せていただかないと、もう審議の一部だということにもなってしまう、私はそういうふうに思うんですが、そこのところはいかがでしょう。
増田政府参考人 お答えいたします。
 御質問は、基本計画を可能であればこの法案と一緒に国会に提出して審議の対象にすべきではないかという御指摘と存じますが、この法案に示されておりますけれども、基本計画は、実際の活動を前提にいたしまして、活動する部隊の規模であるとか、また区域の範囲であるとか、それぞれの措置の種類、内容であるとか、そういうものを規定して定めるものでございます。
 そういった意味におきまして、まさに、この法案を成立させていただいて、その上で、種々の調査等を行いまして、実際に行う活動を前提とした上で基本計画をつくらなければならないと思っておりますので、この法案の成立前に、もしくは同時に基本計画をつくるということは極めて難しいと考えております。
中塚委員 それでは、基本計画に盛り込まれる区域指定なんですが、これは具体的にはどういうふうな書き方になるんですかね。テロの特措法なんかですと、要は公海上とか我が国の領土というふうなことが入っているし、そのことは多分この基本計画にあっても同じように書かれるんでしょうが、イラク国内の戦闘区域、そうでない区域の書き方というのは、具体的にはどういうふうになっていくんでしょうか。
増田政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねは、この基本計画の中に盛り込むことになっております対応措置を実施する区域の範囲の書きぶりがどのようなものになるのかという点だろうと存じます。
 正直に申しまして、この辺についてはまだ検討が十分でございませんので、書きぶり等を具体的に申し上げることはできませんけれども、要するに、イラク国内における活動を前提として、そのあらあらの実施区域の範囲というものを規定することになるんだろうと思っております。
中塚委員 例えば、バグダッドからティクリートとか、そういうふうな都市の固有名詞みたいなものが入ってくる、あるいはバグダッドとアンマンを結ぶ空路であるとか、そういうふうなことを書くということになるんですか。
増田政府参考人 お答えいたします。
 あくまで、まだその辺については書きぶり等詰まっていないという前提で申し上げれば、今先生が御指摘のような書き方が全く当たっていないということにはならないのではないかと考えております。
中塚委員 戦闘区域、非戦闘区域で昨日来いろいろ議論がありまして、国または国に準ずる者というものの武力攻撃を戦闘というんだということになるわけなんですけれども、その戦闘区域、非戦闘区域の書き分け方の問題。
 あと、基本計画ということについて、これはちょっと質疑通告をしていないんですが、防衛庁長官に、もしわかっていらっしゃればお答えをいただきたいというふうに思いますけれども、共同通信がけさの二時に配信をした記事の中で、アメリカのリチャード・ローレス国防副次官補という方が日本に対してC130の派遣を要請したというふうな記事が出ておりました。イラク新法の提出の二日前というので要請をしたというふうに書いてあったわけなんですが、そういったことは事実なんでしょうか。
石破国務大臣 報道はそのようなものがございましたことを承知いたしております。
 アメリカから我が国に対して、C130輸送機の派遣について具体的な要請があったという事実はございません。
中塚委員 では、そのリチャード・ローレスさんとは一体どういうお話をされたというふうに防衛庁長官は聞かれているんでしょうか。
石破国務大臣 これは本当に、私は合衆国のいろいろな人とお話をしますが、具体的に例えばC130とか、具体的にそれでは「おおすみ」級の輸送艦とか、合衆国はそういう要請はいたしておりません。
 それは本当に、主体的という言葉はお嫌いかもしれませんが、我が国として何ができるのか、どのような能力があるのか、それを判断してやるものでございまして、イラクの情勢についての一般的なお話はいたします。どういうようなものが不足をしているのか、どういうニーズがあるのか、そういう一般的な意見交換というのは、ローレス氏に限らず、私どもあらゆるチャンネルでやっておるところでございます。しかしながら、具体的な要請があったという事実は全くございません。
中塚委員 意見交換をされているということなんですが、その意見交換自体もやはり基本計画ということには反映をされていくことになるのでしょうか。
 というのは、きのうからの長官の答弁を聞いていますと、この記事の中身というのが結構ぴったりと合っていることが多いんですね。ヨルダンに派遣をして、そしてイタリアから救援物資をヨルダンに運ぶ方針であるとかそういったことが書いてありまして、結構きのう、きょうの答弁内容と一致をしているような気がするんですが、そのことはいかがでしょうか。
石破国務大臣 それは結果としてそうなることもあるのでしょう。意見交換の結果としてそれがニーズと我々が提供するものが一致するというのは非常にいいことです。
 それはしかし、我々がいろいろなニーズの把握、合衆国からだけではありません。それは、もういろいろなところでいろいろな人間がありとあらゆる努力をして、どういうようなニーズがあるかというのを日夜やっております。その結果としてニーズに合ったものが出てくるということは、結果としてはございましょう。しかし、それがアメリカから要請があって、それにこたえたのでそういうことになったのだとおっしゃるとするならば、それは違います。
中塚委員 もう終わりますけれども、ただ、現実問題としては、調整をしながらやっていくわけですよね、CPAと。調整をしていく中にあっていろいろな意見交換をするというのはそれは当たり前のことだと思うし、CPAではなくて、こちらに来られた方、リチャード・ローレスさんとお話をしたということで、要請があったということではないというふうにおっしゃるけれども、そういったことの積み重ねが具体的な事実になっていくということも間違いないわけですね。
 だから、総理は主体的な判断だというふうにおっしゃるけれども、現実問題としてはそういったことがもう既に行われている、しかも法案の審議の二日前であるということを指摘して、私の質問を終わります。
高村委員長 次に、阿部知子君。
阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 この場所で質問をさせていただく機会を得ますと、ちょうど二月の中旬でしたか、そこにおられます川口外務大臣に、当時まだアメリカはイラク攻撃を行っておりませんで、国際社会は、核査察も含めた大量破壊兵器の査察が成功裏におさまり、何とか戦闘が開戦されないようにという祈るような気持ちで刻一刻と事態を見守っていた当時のことを思い出しますが、非常に残念なことに、結果的にはイラクへの攻撃が行われて、そして現段階でこの法案の審議、私は、前提といたしまして、果たしてこの戦争は根拠があったのだろうか、正当性はあったのだろうかということを、まずもって、ぜひとも川口大臣と論議したいと思います。
 と申しますのは、川口大臣、先ほどおっしゃいました、さまざまな国連決議に基づいて、なおかつ、いろいろな各国の動向も見きわめて、我が国として主体的に判断して、このイラクの大量破壊兵器問題、そして戦闘という行為でなくてはそれが処理できないというふうに主体的に判断したんだということを中塚委員の御答弁に繰り返し述べておられました。
 そこで、お伺いいたしますが、川口大臣は、現在、例えばアメリカにおいては、この大量破壊兵器の存在ということでCIAが提出しております報告書が、既に昨年の暮れ、現在、あるいはアメリカが開戦の根拠といたしましたような大量破壊兵器の存在というものを必ずしも肯定するものではなかったゆえに、アメリカ議会では調査委員会を設けて、そして調査委員会の結果によっては公聴会も開かれようとしている状況を御存じでしょうか。一点目です。
川口国務大臣 今、米国及び英国で、根拠あるいは大量破壊兵器の有無についての見方、情報に関する議論が議会で行われているということは承知をいたしております。民主主義の国家アメリカ、透明性をたっとぶ国アメリカとして、イギリスもそうですけれども、そういうことは当然に行われているということだと思います。
阿部委員 今大臣がお述べいただきましたイギリスでは、外務大臣、川口外務大臣と同じようなお立場にある外務大臣が、当時イギリスがブレア首相のもとに報告書として用いた文章に、一部、十年前のアメリカの大学院の学生の論文を引用して、核兵器の存在について虚偽の記載も含めてしてしまった、そのことについて自己批判的な総括をされているということも御存じでしょうか。イギリスです。
川口国務大臣 イギリスについて、ジャック・ストロー外務大臣が言ったということは承知をしております。
 それの内容は、それを引用したときに出典を明らかにしなかったということであるということで理解をいたしております。
阿部委員 出典を明らかにせず、その文章自身が十年前のものであれば、当然、事態の把握、違ってくると思います。
 アメリカはCIAの報告書をめぐって、イギリスでも同じように政府が用いた報告書をめぐって、そしてもう一つ、スペインでも同じように、スペインの諜報機関に当たりますところのCNIの報道が、既に二月の五日段階で、大量破壊兵器については必ずしもミサイル開発につながるようなもの等々に至らないというような報告も上げていた。
 そうなりますと、このイラク攻撃に積極的に賛成したアメリカ、イギリス、スペインが、おのおのの国の中で、民主的であるがゆえに論議が起きていると考えられると思います、先ほど川口大臣、わざわざ民主的とお使いくださいましたから。であれば、民主国家日本は、大臣は主体的に判断してこの戦争を支持したとおっしゃいますが、果たしてこの大量破壊兵器の存在、国連の査察団の報告等々、今改めて検証し直す必要性についてのお考えをお教えください。
川口国務大臣 イラクにおいて大量破壊兵器が実際に使われたということは事実としてあるわけです。それから、それ以来、イラクの政府が国連の査察団に対して妨害をしたり、あるいはきちんと対応をしなかったりということをやってきまして、そして最後は、査察団の活動を認めなかったという事実があるわけです。
 そして、そういったイラクが疑惑を持たれているということに対して、一四四一で、国際社会は一致して、これを明らかにするように求め、それをするための最後の機会を与え、そしていろいろな圧力もかけたわけですけれども、それにもかかわらず、イラクは、積極的に無条件で応ずるということをしなかった。最後の段階になって初めて、圧力のもとで小出しにしたということであるわけです。
 大量破壊兵器がイラクに存在をしない、あるいは破壊をしたとしたら、その証拠を国際社会に提出をして、国際社会の疑念、疑惑、これを晴らすのはイラクがやらなければいけなかったことでありまして、イラクがたび重なる国連の決議に違反をしたということから、国際社会として、一四四一、六八七、六七八という一連の関連の決議のもとで、武力行使のやむなきに至った。そして日本は、英米がそれを行った、そのときに、日本としては平和的に解決ができなかったのは非常に残念でありますけれども、それを支持したということであります。
 したがって、武力行使についての、国連の決議のもとに行われた武力行使ということですから、国際法的な正当性を持っているというふうに考えております。
 それで、大量破壊兵器につきましては、今イラクにおいて、千人を超える人を投入し、捜索をし、分析をしということをやっているわけです。我が国として、そういった捜索活動の動向を注視していきたいというふうに考えております。
阿部委員 恐縮ですが、時間の関係で、今の御答弁の前半の部分はテープレコーダーの繰り返しですから、申しわけありませんが、この開戦に至った後のことを私は伺いましたので、大変恐縮ですが、要領を得てお答えいただきたいと思います。
 千人の方からの情報聴取中であるということと、私が伺いましたのは、この国会として、民主主義のこの国会として、やはり我が国が賛成し支援した戦争の正当性について、いま一度きちんとした、公聴会を開くなり自己点検をするなりする仕組みをお考えではないかということでありました。しかしながら、今いただいた御答弁は、千人の方の調査団の結果を聞くと。あるいは、大臣はかつては、アメリカのブッシュ大統領の意見を聞き、これを主体的に判断して同調したと。
 しかし、常に問われるのは、おのれであります、我が国の判断であります。そのためには、我が国ができるだけ情報を集めて、主体的に判断できるための方策が必要でございますが、ここでお伺いをいたしたいのは茂木副大臣でございます。最終的に――おいででございますか。(茂木副大臣「います」と呼ぶ)済みません。
 イラクに行かれまして、この査察問題で、副大臣は国連の査察広報官の方などにはお会いになられましたでしょうか。もしお会いになったとしたら、日時、そのとき得られた情報、もちろん開戦前ですが、お教えください。
茂木副大臣 私、三月の一日にイラクの方に出発しておりまして、現地でタリク・アジズ副首相と、当時のイラクのこの大量破壊兵器の問題につきまして、即時、無条件、無制限での協力、これを強く申し入れたわけでありますが、当日、日本を出ます前に、ニューヨークにおりましたUNMOVICのブリクス委員長と電話でお話をしております。
 そこの中で、ブリクス委員長が申しておりましたことをかいつまんで申し上げますと、イラクがあのときたしか、アルサムード2のミサイルを廃棄する、こういうことを言ったわけでありまして、この原則合意は有意義だ、ただ、イラクには依然VXガス、化学兵器、炭疽菌等の多くの疑惑が残っていて、ほかの問題の重要性がこのアルサムード2の受け入れによって減殺されることはない、こういうふうに言っておりました。
 それから、私が、以前のUNSCOMでは百のまだ未解決の項目があったんだけれども、UNMOVICでは三十になっているけれども、どういうことだと聞きましたら、いや、百を三十にまとめたので、以前の百がそのまま残っているという事実自体は、くくり方を変えただけだ、こういう話をしておりました。それが当時の状況であります。
 なお、今大臣の方からございましたけれども、国会におきましてどういった形で検証するかにつきまして、外務省として、国会の運営に立ち入ってどうすべきだと言う立場にはない、こんなふうには考えております。
阿部委員 外務省として立場にないなら、主体的に判断してこの戦争を支持したということも……(茂木副大臣「議会の運営について」と呼ぶ)立場にないと思います。国会の運営については、そのことが国会として検証されなければ、やはり、川口大臣がおっしゃいました、民主主義的でないんですね。
 私は、ぜひとも副大臣には現地で、国連のこのUNMOVICの調査団の広報官である方たちにも会っていただきたかったです。
 と申しますのは、私自身、去年の十二月イラクに参りまして、現実に査察に入っている方々の意見も聞きながら、そして、UNSCOMの時代からUNMOVICにかわっての変化の点も十二分に伺ってきました。そういうことが、ただ百から三十になっただけだと短絡的に述べられたのでは、あの査察団が本当に苦労の中、現実に何とか平和裏に解決しようと思っていたその心が伝わってこないと思います。
 そして、今もし日本が、私は、国内的な論議と、もう一方、やはり国際社会において、この核査察ということ、先ほど千人規模で今調査団が入っているという川口大臣のお言葉でしたが、それがいわゆる大量破壊兵器の国際的な査察というふうにみなし得るものなのかどうか。その判断を、申しわけございません、川口大臣でお願いいたします、おわかりであれば。
茂木副大臣 前段の部分で、イラクでどうして会ってこなかったかという話でありますが、責任者がニューヨークにいましたのでニューヨークと話したと。それから、現地にいましたのは、植木報道官がおりましたので、直接、現地では植木報道官とも会っております。随分査察で苦労されている、そういう話をしておりました。
川口国務大臣 国際的なという意味がどういう意味かよくわかりませんけれども、今、米英豪等が大量破壊兵器については捜索活動をしているというのは先ほど申し上げたとおりでございます。
 ブッシュ大統領は、これはある、見つかるまで時間をかけて捜すということを言っているわけで、日本の一・二倍ある国土ですから、隠すのは簡単でも、それを捜すということは非常に難しいということはおわかりいただけると思います。我が国としては、その動向を見守っていきたいと思っています。
阿部委員 私は、これだけ疲弊した国土に、今さら大量破壊兵器の査察というような、現実に生きていくための、人々が生きていくために前向きになるかどうかわからないことを、しかしながら、あえて非常にフェアな形でやらなくちゃいけないと思うのです。
 理由は、今川口大臣は米英豪だとおっしゃいましたが、国連の核査察の、かつてのUNSCOMが、逆に言えば、米国の干渉が過多であるということで一たんは中止され、UNMOVICという形で、より国籍を離れて核査察に入るという人々によって担われたという経緯があるわけです。事実を見ていくときに、どこの国にもなるべく不党不偏であれというのが国連の原則であると思います。今の川口大臣の立場では、米英豪がやっておると。では、あなたは、その情報でしか動けないじゃないですか。
 やはり、もしあなたがおっしゃったように、大量破壊兵器こそ一番の問題である、これを無前提、無条件、即刻、あなたは何回も何回も何回もそうおっしゃいました。その言葉の責任をとるのであれば、そのことが本当に、今、アメリカが言ったことが本当かどうかわからないから、米国議会でもめているわけです。イギリスが言ったことも捏造かもしれないから、イギリスの議会でもめているわけです。スペインも同じです。その国際社会にあって、日本はもう一度、核兵器の廃絶も含めて、大量破壊兵器まかりならぬという立場を鮮明にするなら、それだけの国際的な呼びかけ、流れをつくっても私は当然だと思います。
 今、外務大臣は、では果たして大量破壊兵器の存在についての情報をどこから得られるのですか、教えてください。
川口国務大臣 英米豪が今捜索活動をしているということを申しましたけれども、国連との関係では、これは、一四八三においてこのことについては触れられておりまして、これは主文のパラ十一ですけれども、イラクがその武装解除の義務を果たさなければならないことを再確認し、イギリスとアメリカに対し、この点に関するみずからの活動を安保理に報告するよう慫慂し、あとちょっと飛ばしますけれども、幾つかの決議、一四四一、六八七云々と書いてありますが、に規定される国連監視検証査察委員会、UNMOVICですが、及びIAEAの権限を再検討する安保理の意思を強調するということになっておりまして、今アメリカ、イギリスがやっていることについては安保理に報告をするように慫慂されているということであります。それがかかわり合いということでございます。
阿部委員 もちろん、今イラクはアメリカとイギリスの占領下にあるわけですから、その意味でその決議との関連が出てくるわけです。しかしながら、大臣が当初問題にされた大量破壊兵器問題は、何度も申しますが、一方からの偏った情報では確定されない。私は、今後、すべからく情報こそ命です。その情報をどうやって入手するか、真偽のほどをどこで確かめるか、それがなければ、ススキのようなお化けにおびえて武力の衝突が始まることだってあるんです、これからの国際社会。それゆえに、もっと、あなたが主体的とおっしゃったなら主体的な、自分の情報収集能力を高めなければ、日本の主体的外交など成り立ち得ないのです。
 もう一点。私は、昨日並びに一昨日、我が党の今川並びに金子議員がお尋ねいたしました劣化ウラン弾使用についても、川口大臣の見識をお尋ねしたいと思います。
 今川委員の質問に対して、劣化ウラン弾の使用については、アメリカはいずれの場所においても公言、公表をしておらないという御答弁が一昨日ございましたが、それでよろしいでしょうか。
川口国務大臣 米軍は劣化ウラン弾を使ったということは確認をしていないと承知をしております。
阿部委員 三月二十六日だったと思いますが、ブルックス准将がいわゆる記者会見を行いましたときに、劣化ウラン弾の使用を公言なさいました。ただし、ブルックス氏は、そのとき、劣化ウラン弾は害のないものであるからということもおっしゃった上で、記者会見で公表しておられます。
 このことは、大臣がぜひとも主体的に確認していただきたい。大臣であれば確認できる立場にいるわけです。アメリカに聞くなりブルックス氏に聞くなり、ブルックス准将は当時の軍事的な指揮者でありますし、この劣化ウラン弾が使用されたか否か、どれくらい使用されたかは、やはりきちんと我が国も情報として得ておく必要があります。なぜなら、今後もし、自衛隊員含めて、NGOの方も救援活動に入るとしたら、その劣化ウラン弾問題は避けては通れないわけです。
 まず一点、きちんとアメリカに情報を確認していただけるかどうか。お願いします。
川口国務大臣 三月二十六日とおっしゃったその同じ日かどうかというのは、私、ちょっと今資料が手元にありませんのではっきりいたしませんけれども、ブルックス准将が記者会見で、米軍は、持っている兵器のうち、非常に少量だけれども劣化ウラン弾を持っているということを言い、ただし安全性については確信をしている、ちょっと言葉の使い方は正確ではないかもしれませんが、ということを言っていますけれども、アメリカ軍が劣化ウラン弾を実際に使用したかどうかということについては確認をしていない、使用したとは言っていないと私は記憶をいたしております。
 それから、劣化ウラン弾の影響ですけれども、これについては、国際機関で今まで調査が行われているわけです。UNEPそれからWHOで行われていると記憶をしていますけれども、例えばWHOで、これはコソボで行った調査報告ですけれども、人体及び環境に対する影響はほとんどないという内容でありましたけれども、確定的な結論が出されているというふうには承知をいたしておりません。日本といたしまして、今後のその調査の動向については注視をしていきたいと考えております。
 それから、アメリカに聞くようにということでお話がございましたけれども、米国との間ではいろいろなことについて情報の交換はしておりますけれども、この件については、今後の動向を注視していきたいと考えます。
阿部委員 ごめんなさい、最後の部分がよく聞こえなかったというか、意味不明だったのですが。
 大臣は、三月二十六日のブルックス准将の記者会見の英文紙をごらんになったことがありますか。なかったら、申しわけないが、来週まで、宿題にしますから、ちょっと読んできてください。
 それから、もう一つ続けて。恐縮です。
 コソボで使われた劣化ウラン弾の量と、さきの湾岸戦争並びに今回のイラクで使われたと推測されている劣化ウラン弾の量は、大変に量が違っております。そしてこれも、やはり私が先ほど申しました情報こそ命で、実は、一番知っておるのはアメリカなのです。だからこそ大臣に聞いていただきたい。もしも何ら害のないものであれば、どれくらい使ったか世界に明らかにすることができるし、明らかにできないものであれば、これは、これこそ大量破壊兵器に次ぐ人類への非常な害をもたらす可能性が指摘されておるわけですから、そして、その害は五年、十年とたたなければわからないものもあるわけです。
 その意味で、使用量は、世界に向けて明確にされるべきですし、本当に何らやましくなければどんどん公表していただいて結構で、それを大臣にお願いしているわけです。大変に日米同盟、信頼関係あるわけですから。
川口国務大臣 余り私は、子供のときから宿題をいただくのは好きではありませんので、急遽探し出しましたら、おっしゃった三月二十六日、これが先ほど私が申し上げたことをブルックス陸軍准将が言った日でして、中央軍、そもそも米軍の保有する劣化ウラン弾はほんのわずかであり、また、その安全性を確信していると述べたということでございます。それから、実際に使ったということは、このときには言っていないと承知をしています。
 それから、劣化ウラン弾は、これについてはいろいろなお考えがおありだと思いますけれども、CCW条約というのがございまして、これは特定通常兵器使用禁止制限条約というものですけれども、その規制の対象にはなっておりません。そして、その使用は禁じられていないわけでございます。これの影響については、先ほど申しましたように、UNEPあるいはWHOで調査をしているということで、今の時点でわかっていることは、人体及び環境への影響はほとんどないということですけれども、これが最終的な、確定的な結論であるというわけではありませんので、政府としては、国際機関による調査の動向は引き続き注視をしていきたいということでございます。
 それで、先ほどおっしゃったアメリカに情報提供を求めないのかということについては、この件については今後の調査の動向を引き続き注視をしていきたいというふうに考えております。
阿部委員 それは、これから自衛隊をその地に派遣しようとする国の外務大臣のお言葉ではありません。世の中が、全部が危ないとわかってから、それからじゃ遅いから、どれだけ使われたかわからない嫌疑がかかっているんです、このことだって。サダム・フセインの大量破壊兵器だって、嫌疑がかかっていて、明らかにされないで攻撃がしかけられました。それと同じです。疑わしいと言われたときにそこに、疑わしいと言われたときに人を送るということは、本当に自衛隊員が我が子だったらと考えてみてください。そんな無責任な、木で鼻をくくったような答弁は、私は成り立たないと思う。
 それから、我が身をかけて、全く無償でNGOをしている人だっているわけです。ガイガーカウンターを持っていけば、放射線に敏感に反応する。あるいは、劣化ウランは重金属です。重金属汚染は年月の長さが全然違うわけです。今安全性が言われても、何十年とたったとき、あるいは何百年とたったとき及ぼす影響がわからないからこそ、私どもが非常に敏感でなくてはいけないんだと思います。
 私は、ここで審議されることの結果、そこに送られる人たちが、ある人たちは非戦闘地域か戦闘地域かわからない危険の中、ある人たちは劣化ウラン弾がまだそこに残存しているかもしれない危険の中送られるかと思うと、本当に怒りで心が震えます。そしてそのことは、命を預かる大臣がきちんと本当に自分の役割をかけてやっていただかなければ、それ以外に解決の道がないのです。ただ単に評論していたり、危険がわかってからどうこうしましょうということでは遅い。そして、各世界からその指摘はなされているわけです。
 アメリカとの政治的絡みの中で、アメリカは認めようとしない、そのアメリカに唯々諾々とついていく、その結果、日本の若者の命が危険にさらされる。もうそんなことはたくさんですから、大臣にあってはきちんと、宿題が嫌いであれば、このことを本当に、どんな情報が、じゃ、危険とする側の情報は何なのか。今あなたは安全とする側の情報しか言わなかったのです。物事には、危険とする情報と安全とする情報の両方があって勘案というのが成り立つのです。一方の情報だけを取り入れたら、うのみというのです、追随というのです。そして、その結果何が起こるかは、私たちではなくて、送られる人たちに起こることです。
 この件については、よくお考えいただいて、次回また折があれば質問させていただきます。
 私は、引き続いて、五月の一日、アメリカのブッシュ大統領がイラク戦争の終結宣言を行われて以降、我が国のイラクに対する支援、今般審議していますこの法律以前に我が国がどんな支援をしているかについてお尋ねをいたします。
安藤政府参考人 お答え申し上げます。
 五月一日の主要戦闘終結宣言以前という段階では、約三千六百万ドルの人道復興支援を実施決定したわけでございますけれども、その後でございますが、五月の八日に、在イラクの日本大使館を再開いたしました。また、五月の十日から十六日まで、茂木副大臣率いる政府調査団がバグダッドに参りまして、支援策の準備を進めたわけでございます。その結果を踏まえまして、五月二十一日、総額約五千万ドルの具体的な支援策を発表し、これを順次実施に移してきております。
 その内容を少し具体的に申し上げますと、例えば、バグダッドにおきましてイラクの復興計画を支援するため、UNDPに対して約六百万ドルの拠出を行いました。また、ユニセフを通じまして、イラクの初等教育再生計画ということで、約百万ドルを拠出いたしました。
 先週には、政府調査団をバグダッド、バスラ等に派遣したところでございまして、今後もイラク支援を進めていきたいというふうに考えております。
阿部委員 私は、今御答弁いただきましたが、果たして本当にこの今のイラク支援法が必要かどうかということで、ちょっと事務サイドの方にも御答弁いただきました。
 今御答弁いただかなかった中に、実は、UNHCRを通じて、三月三十一日に、千六百人分の難民用テントをヨルダンのアンマンまで運んだという支援がございます。このヨルダン、アンマンへのテントの支援でございますが、支援されたテントが現在どうなっているか、川口大臣、御存じでしょうか。これは大臣にお願いします。
安藤政府参考人 事実関係でございますので、私からお答え申し上げます。
 先ほど委員からの御質問は、イラクに対してということでございましたので、イラク向けをお答え申し上げましたけれども、ただいまの点はヨルダンでございます。
 これは、UNHCR、国連難民高等弁務官事務所に対しまして、十人用テントを百六十張り譲渡いたしましたが、そのうち、十張りがヨルダン領内のイラク国境付近の難民キャンプにて使われまして、十張りが同キャンプそばの倉庫に保管されております。それで、あと百四十張りがアンマン近郊の倉庫に保管されているというのが事実関係でございます。
阿部委員 百六十張りのテントを政府の専用機で運び、三月三十一日、緊急だというのに運んで、本日、六月の二十六日、百六十張りのうち二十張り、もっと言えば、現実には十張りしか使われていないんですね。百六十張り持っていって、十張りが本当にテントとして機能して、あと十張りはそのキャンプの近くに保管されて、百四十はアンマンにあると。この支援、一体幾らかかったか。これ、川口大臣、御存じですか。
 実は、こういう質問をしますのは、かつてのアフガニスタン空爆の折に、パキスタンにテントを運びました。このときは、自衛隊機を、先ほど問題になっておりますC130というんでしょうか、それを用いて、三百十五張り持っていきました。それがどうなったか。私は、実はその後、パキスタンに行き、倉庫の中にちんと眠っているのを見てきました。本当に日本の援助というのは何をやっているんだろう。そして、そのために実は、パキスタンに送ったテントには、自衛隊員が百数十名でしたか、ともに随行していき、四十丁のけん銃を持っていました。今度のヨルダン、アンマンにも、この百六十張りのテントを守るために、五十六人の自衛隊がけん銃十四丁を携えて行きました。
 果たして、今、私ども民間人であったって、アンマンまでなんて、安心で、安全で、普通に行けます。なぜ、自衛隊員をつけて、わざわざけん銃つけて、PKOという名のもとで、一億円です、実は。大臣にこれをよく覚えておいていただきたい。一億円です。
 テントを現地で買えば、大臣もアンマンに行ったことがおありでしょう。いろいろなものがあふれています。市場はもう人がいっぱい。何でも買えます。なぜ、一億円かけて、自衛隊つけて、けん銃つけて、そして、倉庫に保管されるようなテントを何回も何回も支援するのか。
 私は、そんなむだ遣いするくらいなら、今、イラクで子供たちは、医薬品がない、本当に死の床に瀕している、そして、この審議の合間にもどんどんどんどん死んでいく。何か、自衛隊さえ派遣されればよい。テントを守る自衛隊。なぜ、自衛隊が守っていくのか。その後、このPKO法に引き続いてイラク支援法で自衛隊を派遣したいから。いつも、自衛隊派遣の先鞭をつけるために多くのお金が使われ、むだなテントが、高いテントが日本で買われて、現地の経済活性にも結びつかず、同じことが繰り返されている。だから大臣に、知っていますかと私は確認したかったんです。お願いします。
川口国務大臣 結果的に、武力行使が非常に短期間で終わり、テントを使うようなことがなくて、我々としては、よかったと思っております。
 今の時点で、そういった事態を見て、必要がないではないか、むだ遣いではないかとおっしゃることは簡単だと思いますけれども、あの当時、もしそういうことになったら、どれだけの難民があふれて、どれだけ難民の人たちが困ることになるだろうかと、国連も、そして周りの各国も、みんな心配をしていた。UNHCRもそういうことでございます。
 したがって、UNHCRの要請を受けて、日本としては、近くでテントが入手できないということで送ったわけですけれども、イラン、トルコ、ヨルダン、その近隣の国の外務大臣あるいはそれに近い人と私は当時話をしましたけれども、みんな、百万人あるいはそれを超える難民があふれるであろうということを言っていまして、我々としては、たった百六十張りのテント、それで本当の一部しかそれは需要を満足させないということを非常にむしろ危惧をしていたわけです。
 今そういうことをおっしゃるのは簡単だと思いますけれども、そういう事態では決してなかったということを覚えていただきたいと思います。
阿部委員 大臣は大変賢いからそういう言い逃れもあろうかと思って、私も事実をもう少し申し上げます。
 実は、このアンマンへのテントの要請は、ジュネーブの本部で、ジュネーブの本部職員の二人の間で、日本人です、ヨルダンに送ってほしい、ヨルダンに送ろうと決めて、日本の政府に投げられました。現地から上がったものではないのです。私どもの党の調査団が、せんだって行き、このことも確認してまいりました。初めに自衛隊ありきだろうと私が言ったのは、そのことです。そして、今のように、本当にへ理屈です、そういうのは。実際は、どういう経過でこのテントが送られたのか。
 では、川口大臣、このように自衛隊員をつけて、自衛隊員が銃を持ってアンマン空港におりることは、ヨルダン政府に許可を得ることなのですか。
石破国務大臣 それは、受け入れ国の同意は必要でございます。
 ちなみに、UNHCRからは二千張りを持ってきてくれ、こういう要請があったというふうに私は聞いております。
 また、自衛官が武器を持ちましたのは、それは、みずからを守るために持っていっているわけでありまして、テントを守るために持っていっているわけではございません。
阿部委員 それもまた異な御答弁だ。なぜならば、ヨルダンの空港までで、そこから帰っているんです。日本から飛んでヨルダンの空港に行く途中、だれに襲われますか。
 そして、この前、石破さん、アフガニスタンの空爆最中にパキスタンに送るときは、何で自衛隊がくっついていくのと聞いたら、まだ治安が悪いから、途中で何か、飛行機が撃ち落とされたりするかもしれないからということでした。しかし、現在、何度も言いますが、アンマンまでは安心して行くことができます。だれから守るための武器ですか。
石破国務大臣 ごめんなさい、言い間違えました。二千人分のという要請があったのでございます。それは、自衛官が政府専用機に積んで参りました。
 アンマンならだれでも行けるというお話でございますけれども、やはりみずからを守る武器というのは、通常、携行して参ります。だれから襲われるのというふうに先生おっしゃいますけれども、それは私ども、みずからを守るために武器を持っていく、そういう判断をいたしました。
 それは、先生が防衛庁長官でいらっしゃれば、丸腰で行けという御判断をなさったかもしれませんけれども、私はそういう必要性を認めて、武器の携行ということになっておるわけでございます。
阿部委員 もう時間がないので指摘のみにとどめますが、何度も言いますが、この自衛官は飛行機の中にしかいなかったのです。逆に、だれからも襲われない。ハイジャックでもあれば別ですが。だったら、テントを普通の民間の人に運んでいただけばいいわけです。なぜ、ただただ飛行機に乗るだけで、自衛官を乗せて、一億かけて、銃を持って、おりもしないのです。おりてからの輸送は向こうのUNHCRが行うという文書があるのです。
 本当に漫画のようなことを繰り返し、国民の税金と命をないがしろにして、そして、石破長官の今のようなとぼけた答弁は全くいただけませんので、引き続いてまた時間をいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
高村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十一分散会


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