衆議院

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第9号 平成15年7月16日(水曜日)

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平成十五年七月十六日(水曜日)
    午後一時一分開議
 出席委員
   委員長 高村 正彦君
   理事 浅野 勝人君 理事 中谷  元君
   理事 浜田 靖一君 理事 松下 忠洋君
   理事 末松 義規君 理事 中川 正春君
   理事 赤松 正雄君 理事 一川 保夫君
      荒巻 隆三君    伊藤 公介君
      金子 恭之君    北村 誠吾君
      小島 敏男君    新藤 義孝君
      杉浦 正健君   田野瀬良太郎君
      高木  毅君    谷田 武彦君
      谷本 龍哉君    津島 恭一君
      仲村 正治君    馳   浩君
      福井  照君    牧野 隆守君
      松浪 健太君    松宮  勲君
      宮腰 光寛君    森岡 正宏君
      大畠 章宏君    桑原  豊君
      原口 一博君    平岡 秀夫君
      前原 誠司君    山口  壯君
      吉田 公一君    渡辺  周君
      佐藤 茂樹君    丸谷 佳織君
      樋高  剛君    赤嶺 政賢君
      児玉 健次君    今川 正美君
      金子 哲夫君    山谷えり子君
    …………………………………
   外務大臣         川口 順子君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      石破  茂君
   防衛庁副長官       赤城 徳彦君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   防衛庁長官政務官     小島 敏男君
   外務大臣政務官      新藤 義孝君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    秋山  收君
   衆議院調査局イラク人道復
   興支援並びに国際テロリズ
   ムの防止及び我が国の協力
   支援活動等に関する特別調
   査室長          前田 光政君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十六日
 辞任         補欠選任
  杉浦 正健君     馳   浩君
  松宮  勲君     津島 恭一君
  佐藤 公治君     樋高  剛君
  木島日出夫君     児玉 健次君
同日
 辞任         補欠選任
  津島 恭一君     松宮  勲君
  馳   浩君     杉浦 正健君
  樋高  剛君     佐藤 公治君
  児玉 健次君     木島日出夫君
    ―――――――――――――
七月十五日
 イラク特措法案に反対し、国連中心の人道復興支援に関する請願(木島日出夫君紹介)(第四二四五号)
 イラク特措法案反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四二四六号)
 同(児玉健次君紹介)(第四二四七号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第四二七八号)
 同(石井郁子君紹介)(第四二七九号)
 同(小沢和秋君紹介)(第四二八〇号)
 同(大幡基夫君紹介)(第四二八一号)
 同(大森猛君紹介)(第四二八二号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四二八三号)
 同(児玉健次君紹介)(第四二八四号)
 同(穀田恵二君紹介)(第四二八五号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第四二八六号)
 同(志位和夫君紹介)(第四二八七号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第四二八八号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四二八九号)
 同(中林よし子君紹介)(第四二九〇号)
 同(春名直章君紹介)(第四二九一号)
 同(不破哲三君紹介)(第四二九二号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四二九三号)
 同(松本善明君紹介)(第四二九四号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第四二九五号)
 同(山口富男君紹介)(第四二九六号)
 同(吉井英勝君紹介)(第四二九七号)
 イラク特措法反対に関する請願(春名直章君紹介)(第四二四八号)
 イラク復興支援特措法案の廃案に関する請願(今川正美君紹介)(第四二七〇号)
 同(川田悦子君紹介)(第四二七一号)
 自衛隊派兵のためのイラク復興特措法案廃案に関する請願(阿部知子君紹介)(第四二七二号)
 同(今川正美君紹介)(第四二七三号)
 同(川田悦子君紹介)(第四二七四号)
 同(原口一博君紹介)(第四二七五号)
 同(山元勉君紹介)(第四二七六号)
 同(横路孝弘君紹介)(第四二七七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二一号)


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     ――――◇―――――
高村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として防衛庁運用局長西川徹矢君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君、外務省アジア大洋州局長薮中三十二君及び外務省中東アフリカ局長安藤裕康君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
高村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
高村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前原誠司君。
前原委員 民主党の前原でございます。きょうは、テロ対策特別措置法の問題あるいは再延長問題につきまして、三大臣に質問させていただきたいと思います。
 まず、トップバッターでございますので、それぞれお話を伺わなければいけないと思うわけでありますが、テロ特措法に基づく日本の支援というものがどういう役割を果たしたのかということであります。
 まず、その前提として、九・一一で米国における同時多発テロというのがあったわけでありますが、それに対してアフガニスタン攻撃を自衛権の発動でアメリカが行った、それに対して日本も協力を行うということであったわけでありますけれども、まず、お尋ねいたします。
 どなたからでも結構でありますが、米国のテロ掃討作戦というものは成功したと思われるかどうか。端的に言えば、ビンラディンも捕まっていない、オマル師も捕まっていない、単にけ散らしただけではないかという意見もあるわけでありまして、そういう意味では、アメリカなどによる、また日本も協力しているこの作戦行動がうまくいったと評価できるのかどうなのか、その点、政府の考え方を答弁いただきたいと思います。
川口国務大臣 アフガニスタンでは、ずっと戦乱が続いていたわけでございます、二十年以上続いていた。それで、今の時点で、確かに、まだ地方においていろいろ問題が残っているということは確かでございますけれども、アフガニスタンの国民の、しかも国外に出ていた多くのアフガニスタン人が国に戻り、そしてさまざまな国の支援を受けて平和裏に生活を始めているという状況にあります。
 昨日、緒方政府代表にアフガニスタンからの御出張報告を伺いましたけれども、そういった問題はあるけれども、緒方代表が一年前に行った時点から比べて相当に生活は変わってきているということをおっしゃっていらっしゃいました。全く問題がなくなったということではありませんが、タリバンとの戦い、そしてテロとの闘い、それを経由して、アフガニスタンは非常に生活が平穏になってきている。
 また、テロ全般、国際的にどのような影響があるかということについて、なかなかこれはテロというのは突然に起こるということですから、今後未来永劫に起こらないということも難しいわけですけれども、相当程度のアルカイダの幹部の人が逮捕をされてきているという事実がございます。
 引き続き努力をしていかなければいけませんけれども、かなり前進をしているというふうに考えております。
前原委員 私は、ある程度評価はできるという今外務大臣のお答えでありましたけれども、テロの芽というのが根絶をされていないし、先ほど申し上げたように、それが拡散をしてしまっているのではないかという部分はあると思うんです。
 では、どこまでが一体、日本が協力をすると決めたテロ対策特別法に基づく協力になるのか。やはりその期限というか、あるいはけじめというのが私は必要だと思うんですね。我々の頭の中には、ビンラディンあるいはオマル両氏が捕まる、あるいは殺される、いなくなる、そういう状況というものが初めは想定されていたわけでありますけれども、結局、二年近くたってもまだその状況というものが続いているわけです。
 となれば、アフガニスタンの状況は変わったかもしれないけれども、いわゆるアルカイダなどテロ組織あるいはその要員というものが全世界に散らばり、そして、先ほど申し上げたようにビンラディンやオマル師がまだ生きている、少なくとも捕まっていない状況においては、いつまでこの協力を続けるんだ、あるいはこの終わりはどこにあるのかと考えた場合に、私は、政府からそのけじめをどこにつけるかということをお伺いしないと、この法律の再延長ということはなかなか簡単に、はいそうですかというわけにはいかないと思いますが、どこでけじめをつけられるつもりですか。
福田国務大臣 現在のアフガニスタンの状況については今外務大臣から答弁申し上げたとおりでございまして、その状況というのはしばらく続くだろうというように思っております。その上で、将来どうなるか、これは今推測をするのはなかなか難しいということは委員もおわかりいただけるというふうに思っております。
 そういうような状況の上で、ではいつやめるのか、やめられるのか、こういった話になりますと、これも正直申しまして、そういう状況がいつ来るか、またどういう状況になればやめられるのか、やめてもいいのか、こういうことでありますが、これもなかなか説明は難しいと思うんですよ。その状況というものがどういうことでやめて当然というようなことになるのか。
 と申しますのは、アフガニスタンのアルカイダの状況とかいうような問題もあるかもしれませんけれども、それからもう一つは、国際社会が協力してこの作業をしているという状況の中で、やはり国際社会、ほかの国々と協調していかなければいけない部分もあろうかと思います。したがいまして、その辺は状況を見て、相談して、この作業を続けるかどうかということを決めるわけでございますので、撤収について、撤収というか中止について今申し上げるのは、そういう国際社会の一員としてこの活動に参加している、そういうもので、我が国だけで決められないということがあろうかと思っております。
前原委員 今回のテロ特措法に基づく日本の協力というものは三つ柱がありまして、一つが、これは一回しか行われておりませんけれども、被災民救援活動ということで一度毛布、テント等を運んだ、二つ目には、これがメーンになっておりますけれども、インド洋北部においての補給活動、それから三つ目が航空自衛隊による輸送活動、こういう三つになっているわけでありますが、例えばメーンである補給活動の対象となる艦船にいたしましても、大分減ってきておりますね。例えば、平成十三年から十四年にかけてはアメリカを中心に百隻程度の艦船が活動していた。それが平成十四年度の末になれば四、五十隻、そしてつい最近では二十隻程度になってきている。しかも、米軍は当初主力で、その百隻のほぼ大宗を米軍が占めていたわけでありますけれども、現在は三隻ということですよ、米軍は。
 ということは、米軍自体も先細りをしてきている中で、この活動が、今おっしゃったように、それは国際協力をしているということはありますけれども、一体けじめをいつつけるのかということが、もう一度明確な御答弁をいただかないと、つまりは、国民にわかるように、国際社会と相談をして決めますということで、では、特措法で何度も何度も再延長していくんですか。内乱、内戦というものが十数年続くような国もあるわけですよ。では、そういったものにずっとおつき合いするということになるんですか。
 私は、やはりこの法律の趣旨として、どういった目的が達成されたときに、それは一〇〇%なんて無理ですよ、一〇〇%は無理だけれども、さっき申し上げたような、やはりけじめ、国民に対するわかりやすさ、説明責任というのは、官房長官、必要じゃないですか。
福田国務大臣 先ほど申し上げましたのは、どういう状況で中止をするのか、それは、この作業と申しますか活動が、一つ大きな課題があるわけですね。それは何かと申し上げれば、例えば、アルカイダとかタリバンの残党に打撃を加えて、そして九・一一のテロのような組織的、かつ大規模なテロ遂行能力を喪失させるに至った、こういう事態が認められるようなときに、脅威が除去されたというように考えることができるのではないか。
 そのときはその活動を中止するということは、これは、我が国が決めるということも、自主的な判断ということもございますけれども、同時に、国際社会の考え方、それから作業状況、活動状況というもの等勘案しながら決めていく問題。しかし、今申しましたように、これは最終的にはあくまでも我が国が自主的な判断で決めることだ、そういうことであります。
前原委員 一番初めに申し上げたように、これはアメリカの自衛権に基づく活動なんですよね。それを日本は協力をしているわけです。そして、国際社会が、今官房長官がおっしゃったように、日本も主体的に判断をして協力しているということでありますけれども、主体的に判断をするのであれば、今おっしゃったような定性的なものではなくて、何度も申し上げますけれども、どういう段階で自分たちはこの協力活動というものを一たん打ち切るのかというものをやはり明確にする必要があると思います。
 今の御答弁では全然明確じゃないですよ。もう一度、しっかり国民に納得するようにけじめをつけてもらわないと、私は、これ以上この問題について議論を深めることはできないと思います。
石破国務大臣 今委員から、定性的なではわからぬではないかというお話がございました。
 この法律の目的自体は、テロの根絶のために活動している米軍等の軍隊を支援する、こういうような形になっております。そうすると、では、確かに御指摘のように、一番多いときは百隻以上の船が出ておった、今は二十数隻に減りました。しかし、補給の回数自体は、三十回、二十回ということで、多少の増減はございますが、回数自体が減ったというふうな認識はしておりません。それは、やはりニーズがある限り、目的は達成されていないのだろうということになるだろうと私は思っております。
 自衛権というふうにおっしゃいましたが、それはやはり、テロ支援国家というものがあって、本来であれば犯罪であるけれども、なぜこれが自衛権になるかといえば、そのテロリストなんかをかくまう国家がある、ですから戦争というような構成がなされるのだろうと私は思っていますけれども、やはり将来的には、アフガニスタンにおいてきちんとした治安組織が確立をして、アフガニスタンの手によってテロリストというものがきちんと取り締まれる、そういうような事態というものが来なければいけないと思うんです。そうしますと、国際社会としていろいろな国がテロ根絶のためにやるのではなくて、アフガニスタンがアフガニスタンとして自分の国のテロリストがきちんと捕まえられるようになる、そういう時期が早く来ることが必要だと思っています。
 これも定性的というおしかりを受けるかもしれませんが、やはりそのことが、国際社会ももちろん応援をしますけれども、アフガニスタンとしてそういうことができるようになり、国際社会としてそういうことをやらなくてもいい、そういうニーズがなくなる、それが結果として、この法の目的が少なくとも達成されたことにつながるのではないかと私は考えます。
前原委員 艦船の数は減ってきたけれども補給回数は減っていない、それはそうですよ。ただで油を補給してあげるんですから、そういうものがある限りは活動するところはお願いしますと言ってくるのは私は当たり前だと思うんですね。
 だから、ニーズがある限りやり続けるというのは逆なんですよ。こういう仕組みがあるから艦船が活動できるという部分があるわけです。だって、ただでずっとやっているわけですから。そこは、私は、今の長官の答えというのは少し逆だと思います。それは、反論があれば後で一緒に御答弁してください。
 そこで、申し上げたいのは、今長官はアフガニスタンによって自国のテロ組織が壊滅されるような状況になればいいんだという話をされましたけれども、では、そういう状況をつくるための活動に今はなっているんですか。つまりは、米軍による、あるいはほかの国々によるテロ掃討作戦ということが行われているわけでありますけれども、それがアフガニスタンの今の政府によってやられている国内の治安に本当に資するものになっているかどうか、その検証も必要じゃないですか。それはどう判断されますか。
川口国務大臣 インド洋で我が国が貢献をする一方で、先ほどちらりと申し上げましたけれども、アフガニスタンの国内では関係国が支援を行い、さまざまな活動が行われておりまして、相当程度社会の安定が進んできております。
 安全という意味では、ISAFが引き続き活動をしておりますし、それから緒方代表のお話ですと、地域でそういった活動を行うと言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、地域において治安を守る核をつくりつつある。そして、アフガニスタンの国軍の養成も進んできておりますので、そういった養成をされた国軍の人たちが、地方の拠点、これが幾つかあるわけですけれども、そういうところに派遣をされて仕事を始めているというような状況がございます。
 ですから、その両方相まって、この二つが、それぞれがアフガニスタンの国民には必要であり、また世界のために必要であるというふうに考えております。
前原委員 同僚議員も同じ質問をさらに深く追及される部分もあると思いますので、私は違う観点から質問させていただきたいと思います。
 防衛庁長官に、運用面からこの活動について本当に無理がないのかということです。つまり、補給活動、しかし、常夏の炎天下、言ってみればインド洋上におけるガソリンスタンドみたいなものですよ。そういう活動を多い部隊では三クール目に入って活動している。その隊員、自衛官の方々にとっての負担というものもかなり大きいんだろうと私は思いますし、今度はイージス艦もまた派遣できないということですよね、ローテーションの関係上で。
 イージス艦を派遣することはどうかという問題は横に置きまして、私は、この運用面からも無理していませんかと。飲酒事案というのが起きましたよね。それが肯定されるわけではもちろんないんでありますけれども、私は、ストレスが相当たまっている部分もある程度読み取ってあげるべきではないかと。単なる規律規律と言うだけで問題が解決されるものではないし、ましてや特別措置法ですよ。
 彼らは、やはり日本の防衛という、いわゆる本体業務、自衛隊法の第三条に基づいて我が国の防衛というものを主目的としている自衛隊に入った人たちがほとんどなわけですから、そういう意味では私は、この運用面から、今の活動をさらに続けていくことに本当にそのトップとしてじくじたるものを感じないのかどうか、その点、防衛庁長官から答弁いただきたいと思います。
石破国務大臣 じくじたるものは感じません。しかし、相当に過酷であるということは私自身よく認識をしておるところでございます。
 その前に、先ほど委員がおっしゃいました、ただだからニーズがあるのじゃないのかという御指摘です。私は、それを全面的に否定するつもりはありません。有料よりもただの方がいいに決まっておるわけでございます。しかし、ただだからニーズが発生しておるのかと言われますと、私は、それは違うのじゃないかという気がいたします。
 この議論は参議院でも御党の委員から御指摘をいただいて議論をしたことでございますが、それでは、例えばアメリカにしてもあるいはドイツにしても、いろいろな国が艦船を派遣しております。やはり今委員御指摘のように、その国だって、暑くて非常に過酷な中で海軍の軍人たちが従事しているわけですね。たとえ油がただだって、やりたくないという人はいるのだろうと思います。
 私は、確かにただだからありがたいということはございますが、だからニーズが発生しておるわけではない。仮にただだからといってやるということじゃなくて、やはりそこに、我が国と同じように、テロの根絶ということに共通の国益あるいは国際社会の一員としての責任、これを見出して活動しているというふうに私は思っておりまして、論理が逆転しているとは私は考えておりません。
 お話戻りまして、過酷ではないかということをおっしゃれば、そのとおりだと思います。補給艦「はまな」などは三回ということになっておりますし、三回行っておるという隊員もたしか一部おるはずでございます。彼らは、本来任務、三条のために自衛隊に入ったんだ、確かにそうですが、テロ特措法というものも国会において議決をされ、国の法律としてあるわけでございます。国の方針として、法に従って自衛官たちは行っております。それが本当になぜ我が国の国益に資するものなのか、そして我が国がなぜ国際的責務の履行としてこれをやらなければいけないのか、そういう目的意識を隊員の一人一人に持っていただくという努力は私は必要なのだと思っています。
 同時に、飲酒事案の御指摘がございました。規律規律とだけ言ってもだめだ、そのとおりでございます。しかしながら、一番過酷な任務を行っておる補給艦においては飲酒事案は発生をいたしておりません。一番つらくて苦しい任務をやっている船においては発生をしていない。飲酒事案が発生したのは初めての船でございます。
 確かに過酷だと思います。飲まなきゃやっていられるかということを私は全面的に否定するつもりもありません。しかし、法に基づいて、そのような武器を有して国際的責務の履行のためにやっている集団、私は、自衛隊というのは国民が一番信頼してもらえる集団でなければいけないと思っています。そういう意味で、規律規律というようなことを申し上げる、それだけ申し上げるつもりはありませんが、そういう責任感を持って行動している人間たちに範をとるべきではないか、私はそのように思っています。
 しかし、自衛官の過酷さが少しでも軽減できるように、そして、何のためにおれたちはこんなことをやっているんだということをきちんと認識してもらうように、私もきちんと努力をしたいと思っています。
前原委員 ニーズの話、ちょっと私も反論しておかないといけません。
 別にオール・オア・ナッシングの話をしているのではありません。ただでやってもらうことがあるから、その部分については甘えようかということは当然出てくるわけですよ。ただでなくてもそういったミッションがあるのは事実です。事実だけれども、ただだからこそ、そちらに行こうかとかあるいは活動を拡大しようかというインセンティブが働くのも事実であります。だから、そういうことを申し上げているんです、私がニーズが生まれると言ったのは。
 それで、私、なぜ運用面の話をしたかというと、何か、さっきちょっとやゆして、働いて、任務についてくれている自衛官の人には申しわけないんですが、インド洋上の炎天下のガソリンスタンドと申し上げました。私は、これが特別措置法だったら仕方がないと思いますけれども、さっき、いつになったらこのテロ特措法のけじめがつくんだというふうに申し上げましたけれども、例えばアフガニスタンにおけるテロの問題が仮に何らかの形で片づいたとしても、多分、戦争あるいはテロのたぐいというのは、歴史が続く限り永遠に続く話なんだろうと私は思うんですね。
 つまりは、そういうものが起きちゃいかぬし、起きない努力はしていかなくてはいけないけれども、それに対する、私は日本としての考え方というものが、単に特別措置法ではなくて、国のスタンスとして問われているんだ。だから、アフガニスタンの問題がある、そしていつ終わるかそれについてわからないということでありますけれども、そもそも、では日本としては、テロに対してどういう備えあるいはどういう活動、協力というのじゃなくて、主体的にどういう活動をしていくのかといった視点が不可欠だと私は思うんですね。また、そういう部分がなければ、誇りを持って自衛官も仕事をしてもらえないと私は思うんですよ。今のガソリンスタンドと申し上げたことについて、私が込めたかった意味はそこなんです。
 そこで、特措法の延長だという話になっていますけれども、内容を見直す、あるいはそもそも日本がテロに対してどういう活動をするかというような、言ってみれば一般法、恒久法という話があっていいと私は思うんですね。イラクの問題についても恒久法という話がありましたけれども、このテロ特措法についても、テロに対してどう日本が活動していくのか。
 もっと言えば、日本は貿易立国、資源のない国、いろいろな国々から資源、特に油を輸入したり、あるいはまたそれを積み出してもうけている国ですよね。そういった海洋国家が、例えばシーレーン防衛みたいなものをしっかりやる、つまりは、マラッカ海峡なんか海賊船が多発をしているわけでありますから、そういったところに対して、テロではありませんけれども、海賊あるいはテロに類したものに対して、日常的にみずからの利害の絡む、国益の絡む問題に対して対処する、それは私は特措法ではだめだと思うんですね。
 そういう意味で、私は、このアフガニスタンの二年の期限が切れるときに、やはりしっかりとした恒久法、一般法というものを政府として考える、こういう必要性があると思いますけれども、御答弁をいただきたいと思います。
福田国務大臣 特別措置法というものを別途、イラクに関して御審議をいただいているということもございます。このテロ特措法も特別措置法でございます。それは、限定的な分野においてその地域のための、言ってみれば国際社会の平和、安定、しかしそれはその地域のためのという、そういうような限定的な法律を今もお願いし、また新しい法律もお願いしているということでございます。
 それは、基本的には国際社会の平和と安定のために日本が何をするかということに尽きるわけでございまして、そのことがひいては我が国にとって大事なことなんだ、我が国の存続のために大事なことなんだという基本的な考え方に根差しているわけでございます。
 ですから、そういう目的のために、今御審議いただいている法律も含めて、一般法として何かできないかというようなことはかねがね考えておるところでございまして、その内容的なことにつきましては、先般出ましたいわゆる明石レポートにも詳細に出ておるわけでございます。このことにつきましては、やはり今後検討すべき課題であると私どもは考えております。
 そこで、今後どういうふうにするかということも含めまして、この課題というのは非常に大きな課題だというように考えております。それは、日本の今後のあり方といったものに関係するから大きな問題だというふうに申し上げたんですけれども、そういう観点から、やはり国会でも十分な議論が必要だろうというように思います。また、政党もそうでございます。与党ももちろんいたしますが、政界全体でもって日本のあり方というものを一回議論していただくということも必要なのではないかと思っております。
 そういうことで、今後、そういう議論を十分していただいた上で、本当に何をすべきかということに絞って一般法をつくる、もしくは恒久法と申しますか、そんなふうな作業に入らなければいけないというように今考えておるところでございます。
前原委員 防衛庁長官、今官房長官が一般法、恒久法の必要性について言及をされたわけでありますが、ある程度の哲学、ある程度というか、ちゃんとした哲学が必要だと私は思うんですね。テロは許さない、これも一つの大きな哲学、それと同時に、日本における総合安全保障の考え方をもう一度確立するということが必要だと思うんです。
 総合安全保障というのは、単なる防衛のみならず、資源あるいは食料それから環境、こういったものに対してどう日本が主体的な役割を果たしていくのか、主体的な役割というのは、我が国の国益に資するあるいは世界の平和に資する、こういう大きな哲学というものが必要なんだと私は思うんですね。
 そういう意味でこのテロ特措法をもう一度見直したときに、私は、艦船の油の補給ということだけではなくて、テロ掃討のために日本が何ができ得るのか、さっき申し上げたシーレーン防衛も含めて。あるいは、一時期、基本計画の変更の議論のときに、P3Cを出したらどうかという議論がありましたよね。つまりは、日本の得意なものを、例えばそういう海外にテロ組織、集団が出ている、そしてその船を見つけなきゃいけない、そしてテロの拡大を抑えるんだということであれば、哨戒活動においては日本は極めて優秀な能力を持っている。例えばそういうことも含めての内容の変更、ひいては恒久法、一般法、そしてシーレーン防衛を総合安全保障の観点から恒久法の中に入れ込んでいくということが必要だと私は思いますが、防衛庁長官の答弁をいただきたいと思います。
石破国務大臣 この点につきましては本当に時間をとってまた委員と議論をさせていただきたいと思っていますが、私は一つ考えていますのは、これは私が個人的にということでお許しをいただきたいのですが、恒久法といったときに、テロ恒久法なのか、国際貢献恒久法なのかという議論がまずあると思っているのですね。PKOまで含んだ国際貢献恒久法というものを考えたときに、一体どういうような法律ができるのかということをちょっとイメージしてみると、なかなかこれが難しい。では、PKOはPKOとして、テロ対策はテロ対策として恒久法をつくるのかという議論がまずあるだろうと思っています。
 その中において、いずれにしても必要なことは、委員がおっしゃるように、日本としての哲学をどうつくるんだ。それは憲法九条との関係と、憲法前文との関係と、あと、国連というものをどう考えるかということについて、やはり一貫した考え方が必要だと思っています。
 PKOの場合には、これは国連決議、人道支援のように要請に基づくものもございます。そうですね。では、テロ対策はどうなのかといえば、国連決議に基づいて行動している米英そのほかの軍隊を支援する、こういう形ですし、では、イラクの場合にはどうなのかというと、国連決議一四八三、これにはいろいろな御議論があることは承知しておりますが、一四八三というものが出てきます。では、それをどうやって一つのものにできるのかということも議論をしなきゃいけないし、それぞれの恒久法をつくるならつくらなければいけない、そこの議論が一つございます。
 もう一つは、集団的自衛権は使えないという立場でございます。これを内閣として変更するつもりがないというのは、従来から総理もおっしゃっておられるとおりですし、私もそうです。
 だとするならば、何ができるのですかねということです。委員がおっしゃるように、では、海賊対策、海上におけるテロ対策、海賊行為ですとか麻薬ですとか密輸ですとか。しかしながら、集団的自衛権は使えない。では、そうすると、警察権というものが、海軍の警察権的利用ということを本当に真剣に考えてみるべきことではないだろうか。では、海上保安庁との役割分担はどうなるんだろうか。詰めなきゃいけないことはたくさんあります。しかし、私は、先般シンガポールで開かれたIISSという会議でそのことは個人的に問題提起をしてまいりました。これは長い間我々の防衛研究所で研究をしてきたことでございます。
 この問題もある、あの問題もある、ああでもない、こうでもないと言っていても話はちっとも前に進まないのであって、日本が集団的自衛権は使えない、では何ができるんだということを一つ一つ議論して詰めていきませんと、日本の総合安全保障というのはできない。世界のために日本が何をするのかということも大事です。あわせて、日本の国益のために日本ができることは何があるんだということを、一つ一つ議論しているのではなくて解決していかなければ、グランドデザインはかけないと私は思います。
前原委員 集団的自衛権の話は少し後でさせていただきます。
 テロ特措法に戻って、ちょっと各論的に話をさせてもらいたいんですが、延長をしたいということなんですけれども、内容の変更をするつもりは全くないんですか。つまりは、何度もやゆをして申し上げますが、海上での炎天下のガソリンスタンドというものを続けるおつもりなんですか。それとも、さっき申し上げたような、違った、日本としての主体的な考え方の中でできるものを考えていく、P3Cの派遣、哨戒活動、そういったものも含めて考えておられるのかどうなのか。その点、御答弁をいただきたいと思います。
石破国務大臣 例えて申しますと、タイの工兵隊を輸送したということもございました。これはコアリションの非常にいい例であるということでありまして、これも別に評価をされたからということを誇らしげに言うつもりはありませんが、コアリション、タイは工兵隊は持っているけれども運ぶ船がないということでありまして、委員がおっしゃいますところの、やゆ的にかぎ括弧をつけて申し上げれば、「洋上におけるただのガソリンスタンド」だけをやっているわけではございません。
 今、例えて言うと、P3はどうだという御指摘がございました。この法の範囲内であれば、今でもP3は飛ばせる。国会承認は別にいたしまして、この法律から読めないことはございません。しかしながら広い範囲で、つまり、我々の部隊というものの安全を守るためではなくて広い範囲で哨戒を行うということになりますと、これは当然委員も御案内のとおり、法改正が必要となります。そうすると、この法律そのものの枠組みを少し超えることになるのかもしれない。そのことが必要であるかどうかということは、これは国会の御議論なのだろうというふうに私は思っております。
 P3Cにつきましては、今申し上げましたように、安全を確保する観点からは有用であるというふうにも考えておりますが、しかしながら、テロとの闘いへの貢献策として、他国への情報提供を目的としたP3Cの派遣につきましては、現時点で、我が国の貢献策としてこのような活動を行うことの意義、このような活動を行うための法的整理について結論が得られていないということでございます。これは、国会における御議論も踏まえながら、政府としても考えねばならない課題であると思います。
前原委員 内容の次に、今度は期間の話をしたいんですが、我が党の立場は別として、政府はイラクに派遣をしよう、十月から十一月にかけてという話になっているわけでありますが、特措法を二つ並べて、そして中東に自衛隊をかなりの人数派遣するということになるわけですね。
 私はやはり、トータルパッケージとしての中東への関与のあり方というものを考えたときに、イラクにも派遣をする。そして、先ほど申し上げたように、このアフガニスタンのテロ掃討作戦にかかわっている艦船というのは、ピークの百隻以上からもう五分の一に減っていっているわけですよね。アメリカなんかは三隻になってきている。
 そういう一年半余りでかなりの変化をしているということを考えれば、この特措法というものの期間を例えば一年という短い間にしてもう一度イラクとの関係、あるいはさっき官房長官がおっしゃいましたけれども、国際社会がどういうふうに対応するかということを機敏に見るために、私は、例えば延長するのであったとしても、期間の短縮ということは考えておかなきゃいけない、例えば一年とか。そういうことは考えておかなきゃいけないんだと思いますが、その点、御答弁をいただきたいと思います。
石破国務大臣 委員のおっしゃることも確かに考慮しなければいけないと思っています。しかし同時に、委員も質問の中でおっしゃいましたように、この闘いは未来永劫続くんじゃないかということをおっしゃいました。実は私も、つまり、従来の抑止論がきかなくなってきた、非対称的脅威との闘いということになってきた。そうすると、これはブッシュ大統領が長く続くぞというふうな発言をなさいましたが、私は未来永劫かどうかは存じませんが、相当長い期間続くということを私ども認識しなければいけないと思っています。
 そのときに、一年が適当なのか二年が適当なのかというふうに考えましたときに、私どもとしては二年ということを考えさせていただいておるところでございます。これはどっちがいいのか、いろいろな御議論があろうかと思いますが、政府といたしましては、これは少なくとももうしばらくは続くというふうな認識のもとに、今のような提案をさせていただいておるところでございます。
前原委員 テロとの闘いは、アフガニスタン、アルカイダとの戦い以外にも未来永劫続くということを申し上げたわけです。
 そういう意味で、私は、もし腰をつけてそういうものをやるんだったら恒久法にすべきだということを申し上げて、特措法の延長、再延長ということは慎むべきだということを申し上げているわけです。そして、この一年半余りでも相当大きな変化が起きているわけです。さっき申し上げたように、艦船の数というもの。だから、内容とか期間を見直したらいいんではないか、その柔軟性を持つべきではないかということを申し上げているわけです。
 もう一度御答弁ください。
福田国務大臣 今、一般法、恒久法でもってこれを引き継ぐべきだという御意見がございましたので、私からちょっと答弁させていただきますけれども、先ほど私が申し上げました一般法にいたしましても、そう簡単にできないんですね。やはり私は、非常に重い意味のある法律だというように思いますので、この内容につきましては十分吟味する必要がある。そもそも何の目的かということから始まりまして、しっかりとその辺の理念を明確にしなければいけない。そのためには、法律をつくる前に、大綱のようなものをまずはつくらなければいけないんじゃないかなというように思っております。
 そうしますと、そう簡単に、時間的にも早い時期にできるわけではないということになりますと、やはり、ここしばらくは、今の延長をお願いしている法律でもってこの活動は続けさせていただくしかないのであろう、こういうふうに思っておりまして……(前原委員「短縮はどうかと聞いている」と呼ぶ)
 ですから、短縮についても、そういった観点から考えて、例えば一般法が一年でできるとかいったようなことで、はっきりするのであれば別ですけれども、私はそう簡単ではないんだろうというふうに思っていますので、その辺は慎重に二年お願いを申し上げているところでございます。
石破国務大臣 今官房長官がお答えになったとおりですが、たとえ二年といたしましても、基本計画の変更ということは当然あり得ることでございます。また、本当に目的が達成されたので、これは二年の間でも終了ということもあり得ることでございます。この法案でもフレキシビリティーは確保されていると私は思いますが、法案の内容を変更せよということになりますと、それはまた別の御議論でございます。
 私どもとしては、基本計画の内容等々もまた必要があれば見直すということもあり得べしでございまして、そういう意味での柔軟性は担保されているというふうに考えております。
前原委員 さっき集団的自衛権の話をされました。それで、私、少しテロの対策特別措置法とは離れて恐縮なんですが、ちょっと気になる報道がありますので、防衛庁長官に確認をさせてもらいたいと思うんです。
 ミサイル防衛を二〇〇五年から導入をし、そして二千億円程度の予算でやっていくんだという話でありますけれども、私が気になっているのは、例えば、この近辺の国からミサイルが発射をされて日本上空を通過するミサイルをインターセプトした場合、それは集団的自衛権の行使に当たらないという解釈で政府はまとめようとしているというふうな報道がありました。
 その真偽はわかりません、その真偽を今からお話ししてもらいたいんですが、私はこんな詭弁はないと思うんですね。つまりは、我が国に飛んでくるということが明確な場合においては、これは個別的自衛権で対処は可能である、しかし、例えば大陸間弾道弾なんかが日本に、例えばこの近辺から発射されたとすると、上空を通過するというのは明白なわけで、それをインターセプトするのも集団的自衛権の行使に当たらないというのは、これは、私は、活動がいい悪いじゃないですよ、余りにも集団的自衛権のさらなる拡大解釈につながって、もう何でもありというふうに見られてしまわないかということで危惧をしておりますが、その報道は正しいのかどうなのか、防衛庁長官から明確に御答弁をください。
石破国務大臣 政府が答弁をしておりますのはこういうことでございます。
 弾道ミサイルの発射後において、この武力攻撃が我が国に対するものであることがいまだ確定していない段階での対処についても、我が国を標的として飛来してくる蓋然性について相当の根拠があるという場合には、自衛権発動によってこれを迎撃することも許されるという答弁をいたしております。
 大陸間弾道弾というものを考えてみましたときに、これは、例えば地球儀を前に考えてみますと、それが我が国上空を通過するということは余りないのだろうと思っております。我が国を通過する、もうこれは実際論としてそういうことになるわけでございますが、蓋然性がない、我が国に飛来する蓋然性がないという場合には、先ほど申し上げました政府のお答えの逆のお話になるだろうと思っております。それは、政策論の当否は別にいたしまして、これは我が国としては、集団的自衛権は行使できないという立場をとっております。そういうような考え方からいたしますと、そのような結論に相なろうということになります。
 今、私どもは、いずれにいたしましても、現在考えておりますのは、大陸間弾道弾等々を念頭に置いてこのミサイル防衛というのを議論いたしておるわけではございません。今研究をしておるものも、内容につきましては委員がよく御案内のとおりでございます。
 その上で、冒頭申し上げましたような、集団的自衛権は行使できないという考え方に基づきまして、政府といたしましては、いまだ確定していない段階での対処についても、我が国を標的として飛来してくる蓋然性について相当の根拠があるという場合には、自衛権発動によって迎撃することができる、そういう立場を明らかにしておるわけでございます。
前原委員 ロジックはそうなんですけれども、現実を考えた場合に、情報はすべてアメリカからもらうわけです。自分たちで情報を収集していてそういう判断をしたんだったら格好いい理屈になるかもしれません。しかし、情報はすべてと言っていいほどアメリカから来るわけです。その際に、大陸間弾道弾でないにしたって、グアムはどうなんだ、あるいはハワイはどうなんだということになったときにインターセプトをすれば、それをそういう理屈でインターセプトをするということが、政策論としてのよしあしは別ですよ、私は、余りにもこれは集団的自衛権の拡大解釈にならないかということを申し上げているわけですよ。
 だから、そこはロジックとしてはきれいなんだけれども、ロジックの裏にある現実の部分から考えると、それは全く私はフィクションだと思いますよ。もう一度御答弁ください。
石破国務大臣 ロジックとしてはそうなのだろう、こう御指摘になりました。私は、まさしくロジックとして申し上げております。
 そしてまた、情報収集をどのようにするのかということ、つまり、ミサイルを撃つ撃たないということは、すべてアメリカの情報に基づいて撃つということではないと思っております。撃つ撃たないということも、私は、国として主体的な判断が必要なことだというふうに思っています。
 それで、ハワイがどうか、グアムがどうかという御指摘がございました。現在、私どもは、そういうことを念頭に置きながらこのミサイル防衛の議論をいたしておるわけでは必ずしもございません。しかし、委員が御指摘のようなことを、ロジックの世界とそしてまた現実の世界と、本当に我が国の国の独立、そして国民の生命財産を守るということ、そして日米同盟、そういうこともあわせて考えていきながら、理屈では正しいんだけれどもねというようなことで本当にできるのかということは、私自身は、自分の中で自問自答はいたしております。しかし、政府の立場といたしましては、先ほど答弁を申し上げたとおりでございます。
前原委員 今の議論は、また安全保障委員会などでじっくりやらせていただきたいと思います。
 時間が参りましたのでこれで終わりにいたしますけれども、テロ特措法にしては、私は、やはり一たん打ち切るべきだというふうに思いますよ。といいますのも、イラクにも出す、そしてまた、このテロ特措法も続ける、そして、国民の感覚からすれば、ただで油を上げ続けて、そしてそれがどういう効果、あるいは、いつまで続くかわからないというものをやはり延々と続けるということについての妥当性というもの、あるいは説明責任が果たせているかどうかということを考えるならば、私は、極めてそこら辺は希薄だというふうに思います。
 もし本当にこれが必要だと考えられるんであれば、今の官房長官や防衛庁長官の御答弁をもっとより踏み越えて、もう少し国民に対する説明責任というものを果たしていただかないと、だらだらと続けていく、何でなのか、何の必要性があるのかという疑念は払拭されないということを申し上げて、私の質問を終わります。
高村委員長 次に、末松義規君。
末松委員 民主党の末松でございます。
 私も、前原委員に引き続いて、このテロ特措法、特にアフガン関連で、これをまた二年間延長する必要があるのかどうか、これについてお話をさせていただきたいと思います。
 先ほど、官房長官の方から、いつになったらやめるのかという話がございました折に、アルカーイダの活動とかあるいはタリバンの活動とかそういった状況、さらには、国際社会の協調、こういったものを総合的に勘案しないとこれは判断できないんだということがございました。と同時に、日本は自主的に判断するんだとも言われたんですね。
 そうなった場合に、どうなんですかね。実際に、自主的判断といっても、結局アメリカがやめようと言うまでやるんじゃないのか、そういうふうにちまたでは言われているんですよ。
 そうなりますと、本当に自主的判断じゃなくて、やはり、結局は最後は流されて何も自主的判断がなされないんじゃないかと考える国民も多いんですが、その辺についてどう思われますか。
福田国務大臣 自主的判断という意味はどういうことなのか、そういう御質問にも聞こえましたけれども、これはやはり我が国として、いろいろな判断があるんだろうと思います、もちろん情報に基づいた判断ですよ。情報とか、それは国際情勢、それから米国との関係も言われましたけれども、日米同盟関係、こういうものもあろうかと思います。さまざまな国際情勢の判断に基づいて、我が国としての最終的な判断、自主的な判断をする、そういう意味合いでございます。
末松委員 何かわかったようでわからないんですよね。
 いいですか。では、ちょっと具体的に聞いていきましょう。
 先ほど前原委員の方から、船の数が百隻から五十隻、今は二十隻程度になった、そういう話がありましたけれども、実際、政府も同じ認識と見ていいんですね。
石破国務大臣 基本的に、出ております船の数につきましては、同じような認識を持たせていただいておるところでございます。
 具体的に申し上げれば、昨年三月にアメリカ国防省が発表しておるところに従いますと、この海域の艦船の数は百二隻である。その半数以下が、これは英語を和訳するとこうなっちゃうんですが、半数以下が米国艦船と発表しておりました。
 五月十日、第三回日米調整委員会におきます米側からの説明によれば、米側の一個空母戦闘群のほか、十五カ国二十八隻、さらに、フランスなどから空母戦闘群及び英国海軍任務部隊の艦船が活動している。第四回日米調整委員会、これは十一月十二日でございます。(末松委員「去年ですね」と呼ぶ)去年です。アメリカの説明によれば、米国から十六隻、ほかに十一カ国から二十六隻ということでございます。
 本年五月に政府より国会に御報告をしておりますように、不朽の自由作戦の海上阻止活動には、現在、米国を含め十一カ国から二十隻以上の艦船、大体二十隻程度というふうに考えておりますが、そのような認識でおります。(末松委員「済みません、米軍三隻」と呼ぶ)米軍が三隻ということは、ごめんなさい、ちょっと今手元に資料がございませんが、十一カ国から二十隻以上というふうに確認をいたしておるところでございます。
末松委員 前原委員が言われたように、百隻から二十隻くらいに落ちて、油の量はほとんど日本が補給するのは同じだというのも、確かに解せないなと思うわけでありますし、それはやはり活動を縮小してもいいんじゃないか。日本以外に補給するところがないから逆に足抜けできないのかというような感じも思ってしまうわけですけれども、ちょっと成果について聞きましょう。
 この海上作戦行動というのは、アルカーイダあるいはタリバンの残党が海上から逃げる、これを阻止するためにやるんだというふうに私は聞いておりましたけれども、その成果はどれほど上がっているんでしょうか。
川口国務大臣 各国の艦船が出ているわけですけれども、テロリストの海路逃亡阻止の活動をしているわけでして、これは二〇〇三年の五月にアメリカの発表した数字でございますが、約一千件の船舶に対する検査、約四万六千件に及ぶ無線による照会などを行っているということでございます。
 こうした……(末松委員「四万五千の何」と呼ぶ)四万六千件の無線による照会、船に対してですね、ということを行っているということでありました。
 こうした活動、地道に見えるかもしれませんけれども、これがなければテロリストの拡散が容易になってしまうという意味で、非常に意義のある活動であると思います。
    〔委員長退席、浜田委員長代理着席〕
末松委員 いや、だから、成果は何ですか。あなたは成果を答えていないよ。
川口国務大臣 成果といいますのは、先ほど申し上げたような結果、例えば何人が捕まえられたかということであるかもしれませんけれども、ということが御質問の意図であるかもしれませんが、捕捉を何人したかということについて米軍は発表していないということです。
 それから、成果というのは、具体的に捕捉をした人たちだけの数で決まるものではなくて、まさに抑止という力もあるわけですから、そういったことがあることによって、それを拡散するということを防ぐという部分もあると思います。一概に数字で何が成果であったということを申し上げるのは難しいかと思います。
末松委員 要するに、政府は、何人捕捉したかということもわからずにこの活動を続けているということですか。ちょっと、ふざけないでくださいよ。――いないんですか。
石破国務大臣 何人捕捉したのかということにつきましては、これは私どもとして情報を有しておりません。と言うと、それについて、そんな無責任な話がどこにあるかというような御指摘、そういうようなお気持ちが出ることを私は決して否定いたしません。
 しかしながら、今外務大臣が答弁ございましたように、千回臨検を行い、洋上照会というのは、要するに、それぞれの船に対して船名、国籍、あるいは行き先、そういうものを尋ねるということでございますが、これを四万六千回行っておるわけでございます。それによって洋上逃亡というものが阻止をされているということは、私は、確かにあると思っているのです。これだけ捕まったということもそうですが、本当にそれが洋上逃亡を阻止できていれば、これだけ捕まったというのは、相対的に数は減ってくるはずでございます。
 これは、私は詭弁で申し上げておるわけではなくて、やはりそれだけの網が張られておれば、洋上からの脱出というのは極めて難しい。陸路も空路もふさがれておって、空路などというのはもっとふさがれていると思いますが、この広い海において、四万六千回の照会を行い、実際に船に乗り移ってというのは千件、これは相当な抑止の効果が出ているというふうに私は思っています。何人捕まったかというのが出ないからといって、成果は出ていないではないか、やめるべきではないか、そういう御議論には直結しないものと私は思います。
末松委員 私は、何も、何人捕まったかによってこれがすべて効果があったかないかということを言っているんじゃないんですよ。また、言おうとしているんでもない。
 ただ、何にも、捕捉された人数も確認していないんですか。少なくとも、米側に聞いてもいないんですか。要するに、さっきの話はそうです、米側は発表していません、それだけでしょう。でも、この前の、私は、安保委員会での去年の質問では、たしか二人捕捉したとかいう話はやっていたんですよ。そこはちょっと、委員長、きちんと答えるようにぜひ御指示いただきたいと思います。
川口国務大臣 米側とは、この作戦の継続については、いろいろな意見の交換は日常ベースといっていいぐらい頻繁にやっているわけでございます。ただ、これは軍事機密に属することということでございますので、具体的に何人の人間が捕捉をされたかということについては申し上げられないということです。
末松委員 これがどうして軍事機密なのか、そこの理由を米軍に問う気はありませんか。
川口国務大臣 軍事機密という言葉は少し大げさであったかもしれませんが、いずれにしても、軍事オペレーションあるいは捜査に関する情報でございまして、そういうことについてはつまびらかにしないということでございます。
末松委員 私たちは、米軍及びコアリション、つまり多国籍軍の活動を支援しているんですよ。目的は何のためにやっているか。海上のそういったタリバンとかアルカーイダの捕捉をやっているんですよ。それで、何人捕捉したかもわからなくて、それを軍事機密とあわや言っておられるような意識で、私たちの活動というのは、この不景気に国民の税金が百数十億も毎年使われているんですか。そこはちょっと、私はそれでは納得できません。私は事務的には何名かというのはお聞きしていますけれども、そこは正式に言っていただかないとおかしいと思います。
川口国務大臣 何人という数字はどこにも申し上げていないというふうに思いますが、いずれにしても、米側にはこういった公表可能な数字があるかどうかという意味で、もう一度問い合わせたいと思います。
末松委員 早急に問い合わせるんですよね。お願いします、もう一回やってください。
川口国務大臣 失礼しました。早急に問い合わせをいたします。
浜田委員長代理 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
    〔浜田委員長代理退席、委員長着席〕
高村委員長 速記を起こしてください。
 外務大臣、今までの答弁で反省することがあったらそれを述べていただいて、そしてその上でこれからどうするのか、お考えを述べていただきたいと思います。
川口国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、この数字については、今まで公表をしないということでどこにもお出しをしていないわけでございまして、現在、在京のアメリカ大使館、そして米国の、これは時差がありまして夜中でございますけれども、そこに再度問い合わせをいたしております。
 問い合わせをしている内容というのは、そもそもその数字が幾らか、そしてそれは外に出すことができるかどうか、そういうことを再度問い合わせている、そういうことでございます。返事が来次第、これについては御報告をさせていただきたいと思います。
 それから、私は先ほど訂正をさせていただいたつもりなんですけれども、軍事オペレーションまたは捜査の内容にかかわることで言えないということがその理由であるということは、一番最初に軍事機密と申しましたけれども、それは少し大げさであったと思うということで、軍事オペレーション、捜査というふうに言い直させていただいたつもりでございます。(発言する者あり)
高村委員長 十五分後に再開することとして、審議を中断いたします。
 十五分後に再開いたします。これから理事懇をいたします。
    午後二時十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十一分開議
高村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。末松義規君。
末松委員 先ほど外務大臣の方から、軍事機密だから答えられないという答弁の後に、これは大げさであったという話もございました。でも、私が何人捕捉されたのですかと説く理由の背景として、私自身、この海上のオペレーション、これの意義がどのくらいあるのかというのを知りたいわけですよ。そして、国民の皆さんにも伝えたい。
 今お話を聞いていると、二年前は百三隻みんな出てやっていた、多国籍軍が。それが、ことしの五月、聞いたら二十隻。つまり、五分の一に減っていたわけですよね。減ったということは、それだけこのオペレーションの意味が多国籍軍内でも少なくなっていると判断せざるを得ない。
 ただ、ここで一つだけ考えられるのは、この二十隻ぐらいの艦艇がより機能的に捕捉を行って、例えば、私が去年安保委員会で聞いたのは、大体二名ぐらいの捕捉者が出たということでありました。これが例えば百名ぐらいに上がった、そういうことであれば、このオペレーションは、極めて機能的なオペレーションが行われて、これはすごいよな、だったらこれは必要じゃないかということになるかもしれない。ただ、これが三名、四名、本当に数名ということであれば、このオペレーション、意味がないじゃないか、私は大幅に意義が薄れてきているということを考えざるを得ないんですよ。
 だから、その意味で、外務大臣にもう一度お聞きをしたいんです。そうじゃないと、私としては判断できない。お願いします。
川口国務大臣 海上での活動の成果がどういうところに出ているかということについてはっきり知りたいとおっしゃられることはもっともであるというふうに思います。
 それについて、極力丁寧にお答えを申し上げたいと思いますけれども、まず、各国で、全体、アメリカが今までオペレーションをいろいろやっているわけですが、その成果、オペレーション全体の成果としては、九・一一事件以降、百カ国以上で三千人以上のアルカーイダ関係者が拘束をされ、三分の一以上のアルカーイダの上級幹部が殺害、拘束をされたという説明を受けております。
 そのうち、この洋上オペレーションに限った拘束者ということについて言いますと、従来アメリカ側に照会をしてきておりますその結果として、一千件の船舶に対する検査、約四万六千件に及ぶ無線による照会などを行っているということでございます。
 これの意味は、そういうことがなければ拡散をするということになってしまうということで、非常に意義があるということでございますし、先ほど申し上げた三千という数字は、洋上オペレーションをやっている結果として、アフガニスタンの国内にとどまらざるを得ない、逃亡ができなくて、陸上で逃亡する、あるいはとどまらざるを得ないということによって捕まったということも当然に含んでいるわけでございます。
 いずれにしても、このオペレーションの成果をどのようにとらえるかということについては、これは、そういった意味で、場所場所、局所局所でとらえるということではなくて、オペレーション全体、ここで考えるべきものであるというふうに思います。洋上オペレーションの結果、ほかで拘束をされるといったようなこともあるということで御理解をいただきたいと思います。
 それで、先ほど申しましたように、アメリカ軍として、軍事オペレーションあるいは捜査の内容にかかわる事柄であるということで、今まで数字について言及はしてきていないということを申し添えさせていただきたいと思います。
末松委員 委員長、ちょっと私は今の答弁では納得できませんし、私が聞いた答えに、答えていない。そして、やはりその理由として、軍事オペレーションだから、軍事機密だから答えられない、そういう回答としか思えない。これでは、私が意図しようとしている質問が続行できません。そこはぜひ委員長の方におかれてもお考えいただきたいと思います。
高村委員長 川口外務大臣、今のことに何らかの答弁の追加ありますか。
川口国務大臣 軍事オペレーションあるいは捜査ということで、今までアメリカに対しては何回も問い合わせてきておりますけれども、私どもがお話しをできる数字というのは、先ほど申し上げた四万六千件等々の数字であるわけでございます。
 これについて、テロに対する対応の成果というのを何でとらえるかということがそもそもかかわってくる問題であると思いますけれども、それは全体として、例えば捕捉者が何名であったかということは作戦全体として取り扱う、考えるべきものであると思います。抑止力ということを先ほど申しましたけれども、あるところで逃げられないようにする、逃げられないようにした結果として、よその方向に流れて、よそで捕まるということであるわけでございまして、そういった観点で成果というのは考えるというふうに思います。(発言する者あり)
高村委員長 速記とめてください。
    〔速記中止〕
高村委員長 速記を起こしてください。
 質疑を続行いたします。末松義規君。
 末松君、質問を続行してください。――末松君、質問を続行してください。
末松委員 私、今、理事の方、また委員長含めてお話をされたようでございますが、さきの外務大臣の答弁では、私が今から話そうとしている問題意識に一切お答えをしていただいていません。
 そういった意味で、これ以上、私としては実りある審議はできないということで、私は質問をできないということを申し上げて、と同時に、もし外務省の方からそういった数字、あるいは防衛庁の方からでも結構ですけれども、そういう数字があれば私はすぐさま審議に応じさせていただくということを申し添えて、この場で、私は審議できないということを申し上げます。
高村委員長 末松君、質問を続行してください。(退場する者あり)
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
高村委員長 速記を起こしてください。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後三時三十一分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


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