衆議院

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第6号 平成18年5月29日(月曜日)

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平成十八年五月二十九日(月曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 平沢 勝栄君

   理事 赤城 徳彦君 理事 大前 繁雄君

   理事 水野 賢一君 理事 宮路 和明君

   理事 松木 謙公君 理事 松原  仁君

   理事 池坊 保子君

      小野寺五典君    鍵田忠兵衛君

      河井 克行君    薗浦健太郎君

      西本 勝子君    根本  匠君

      山本 明彦君    渡辺 博道君

      渡部  篤君    荒井  聰君

      北橋 健治君    中井  洽君

      西村智奈美君    漆原 良夫君

      笠井  亮君    重野 安正君

    …………………………………

   参考人

   (北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表)     横田  滋君

   参考人          横田早紀江君

   参考人

   (韓国人拉致被害者金英男氏の母)         崔  桂月君

   参考人

   (韓国拉北者家族会代表) 崔  成龍君

   参考人

   (韓国人拉致被害者金英男氏の姉)         金  英子君

   通訳           崔  銀珠君

   通訳           李  希京君

   衆議院調査局北朝鮮による拉致問題等に関する特別調査室長          佐藤 宏尚君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十九日

 辞任         補欠選任

  福井  照君     西本 勝子君

同日

 辞任         補欠選任

  西本 勝子君     福井  照君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 北朝鮮による拉致問題等に関する件


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     ――――◇―――――

平沢委員長 これより会議を開きます。

 北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として韓国人拉致被害者金英男氏の姉金英子君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平沢委員長 本日は、参考人として、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表横田滋君、横田早紀江君、韓国人拉致被害者金英男氏の母崔桂月君、同じく金英男氏の姉金英子君及び韓国拉北者家族会代表崔成龍君、以上五名の方々に御出席をいただいております。

 なお、本日は、通訳を崔銀珠君及び李希京君にお願いいたしております。よろしくお願いいたします。

 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を述べていただきたいと存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、横田滋参考人、横田早紀江参考人、金英子参考人、崔成龍参考人の順に、お一人五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 御発言は着席のままで結構でございます。

 念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。

 それでは、初めに、横田滋参考人、お願いいたします。

横田(滋)参考人 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表をしております横田滋でございます。

 二〇〇二年九月十七日の日朝首脳会談から、間もなく四年になります。北朝鮮が生存と発表した五人は家族を含め全員帰国を果たしましたが、死亡とされた八人については、北朝鮮は解決済みと主張し、何の進展もありません。

 二〇〇四年十一月九日から十四日まで平壌で開かれた第三回日朝実務者協議で、北朝鮮は、再調査の結果として情報、物的証拠の提出がありました。めぐみについては遺骨とされたものが提出されましたが、国内で最高水準の研究機関による客観的なDNA鑑定を行った結果、別人のものと判明しました。日本政府は北京の我が国大使館を通じて厳重な抗議を行いましたが、北朝鮮は、鑑定結果は受け入れることができないとしています。

 政府は、同年十二月二十四日、北朝鮮側が迅速かつ誠意ある対応を行わない場合、日本政府として厳しい対応をとらざるを得ないとの官房長官談話を発表しました。それから一年五カ月がたちましたが、北朝鮮は依然として不誠実な態度をとり続けています。

 このところ、政府は厳格な法律の執行や情報収集の強化等を行って北朝鮮への圧力を強めていますが、拉致されたすべての被害者を取り戻すという強い国家意思を示すため、制裁二法を速やかに発動するようお願いいたします。

 本年四月十一日、めぐみの夫が、一九七八年、韓国の海岸から拉致された高校生、金英男さんであるとの鑑定結果が出、二十六日は、韓国政府によるDNA鑑定でも同様な結果が出ました。家族会では、従来から韓国の拉致被害者家族会と連携し、被害者救出を訴えてきましたが、これを契機に一層連携を強めていく所存です。国会議員レベルでも、日韓議員連盟を結成する等で両国の政府に解決を働きかけていただければと思っております。

 北朝鮮の拉致は、日本人、韓国人だけでなく、レバノン人、タイ人等十二カ国の人が被害者となっています。政府は、こうした国々と連携を強め、国際的圧力を高めてくださいますようお願いいたします。政府、議会、国民が一丸となり、拉致問題解決なしに国交正常化交渉の妥結はあり得ないとの意思を示し続けてくだされば、必ず解決すると信じています。

 以上です。(拍手)

平沢委員長 ありがとうございました。

 次に、横田早紀江参考人、お願いいたします。

横田(早)参考人 いつもお世話になっております。

 本当に長い長い年月、私たちは、大切な子供を奪われて苦しみ続けてまいりました。その間、長い年月の間に思いがけないショックな事件が次々と起きましたけれども、北朝鮮による拉致というような恐ろしいことを考えたことはありませんでした。

 けれども、国家犯罪として、めぐみたちが、たくさんの人たちが北朝鮮に連れていかれたまま、うちの子供はもう三十年になります。その期間、十三歳から今まで、まだ幽閉されて、そして何をさせられているかわからない。にせの骨を持ってきて、あなたの子供は死にましたと言われても、ああ、そうですかというわけにはまいりません。

 本当に、このような国が隣にあるということ自体、そして、拉致だけでなく、あらゆる、麻薬、にせドル、不審船、今は核の問題まで持ち出して世界各国を揺さぶっております。そのようなことを許していていいのでしょうか。私たちの子供たちは本当に大きな犠牲をもってあちらで苦しんでいますけれども、このような国が本当に新しい自由な国になるために、また、私たちの子供たち全部が元気でみんな日本に帰ってくるように、私たちはきょうまで頑張ってきました。

 このたび、めぐみの夫であると言われているチョルジュンさんと言われていた方が、韓国の高校生が五人拉致をされて、その中のお一人の金英男さんであるということがわかりました。きのう、お母様に初めてお目にかかりました。本当にどんな思いで、私なんかは本当に新潟時代は気が狂うような日々でしたが、どんな思いで過ごしてこられたかと、本当に抱き締めずにはいられませんでした。

 そのような方が、数え切れないほど、いろいろな国にいらっしゃるわけです。そして、今も親は希望を捨てずに、必ず会えると思って待ち続けているわけです。国じゅうの人たちが一つになって、父親の心で、母親の心で、自分の子供がもしこうだったら絶対に黙って見ていないと思われると思います。そして、すぐにでも会いたいと思います。

 けれども、北朝鮮という国がどんなに策略があり、謀略をいろいろとやってくる国だということは、私たちは、今までで、長い間で経験をしてまいりました。大切なキム・ヘギョンちゃんという孫にも、すぐに私たちも会いたいと思いました。けれども、そのようなことによって、またあちらの謀略に乗って、そしてほかの人たちも全部拉致問題が解決しないような状況になっていくことは、私たちにはできませんでした。本当に悲しい選択でしたけれども、今会わない方がいいと思って、私たちはそれを思いとどまりました。

 そして、北朝鮮が、国家犯罪として拉致をしていった人全部を、この犯罪を認めたわけですから、全員を帰してくる、こちらに皆戻してくるということがない限り私たちは妥協することができませんので、必ず子供たちを、祐英さんのこともあります、みんな一緒になって、全部が固まって喜びがいただける日を、皆さんのお力をいただきながら耐え忍んで頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。(拍手)

平沢委員長 ありがとうございました。

 次に、金英子参考人、お願いいたします。

金参考人(通訳) 私は、金英男の姉の金英子と申します。

 この場にて私の心情をお話しする機会をいただきまして、ありがとうございます。

 実は、一月に、DNA検査、DNA鑑定が始まりましたが、その結果が出る四月まで、私どもは、これまで長い歳月の間胸に埋めてきた心の痛み、その傷跡というものを掘り返して、そして、このように大きな声でお話しすることができるようになったことを本当にありがたく思っております。

 私どもは、実は、弟が一九七八年に行方不明になり、そしてその後、死んだものと思っておりましたので、それについては余り考えないようにしておりましたし、そうすることで心の痛みを忘れようというふうにしてまいりました。

 ところが、弟が、日本人、横田めぐみさんの夫となり、そして、キム・ヘギョンちゃんという子供を持ったということを、そのDNA鑑定によって知ることができました。そして、私たちの家族は、遠からず、もしかして会えるかもしれない、そして、新たにまた、めいとも会えるかもしれない、そういった希望を持って、力を出して、一生懸命声を出しているのです、いつか会える日を希望しながら。

 日本にいらっしゃる大勢の方々がこの問題に関心を寄せていただいております。私どもの痛み、また、すべての拉致犠牲者、拉致家族の痛みがそうすることでいやされ、そして、家族がまた再会することができるのではないかと希望を持って、この場に積極的に出てきて、このように発言することになりましたことをうれしく思っております。

 ありがとうございました。(拍手)

平沢委員長 ありがとうございました。

 次に、崔成龍参考人、お願いいたします。

崔(成)参考人(通訳) ありがとうございます。この場で発言する機会をいただきまして、ありがとうございます。

 横田めぐみさんと金英男さんのそういった関係から、韓国人拉致被害者家族の代表としてこの場に立つことができました。ありがとうございました。

 韓国政府は、もう随分長い以前から、四百八十七人が拉致されたというふうに発表はしておりますが、しかし、いざ韓国政府は、北朝鮮に対して、拉致というその用語すら使えずにおります。

 私は、そういったことを政府に働きかけるために、その証明として、二〇〇〇年から、北朝鮮に拉致された拉北者のリストを手に入れて、そして、その中から四人を救出しました。そして、その彼らから情報を得て、拉致被害者四百八十七人のうち百三十人の生死の情報を政府に提供しました。

 二〇〇四年の旧盆のときなんですけれども、元韓国軍捕虜出身の方と拉致被害者の方の遺骨を捜すために、中国の延吉市を訪ねました。ところが、北朝鮮側の方で支援をしてくださる方が、横田めぐみさんの夫が韓国人であり、そして、同じような年齢であるという話を聞きました。それを聞いて、それだったら、キム・チョルジュンさんの写真をちょっと何とか入手してもらえないかというふうに頼んだわけです。

 ところが、キム・チョルジュン氏の写真を入手するのは困難だったわけでありますが、私は、この問題を引き続き、韓国に戻っても調べました。横田めぐみさんと同じ時期に拉致された人が、韓国人としては五人に絞り込まれました。その五人に対して調査を進めているうちに、五人の中の一人がめぐみさんの夫ではないかという確信を持つようになったのです。

 そこで、私は、予想し得る圧力もありますので、極秘に、その五人の家族に一人ずつお会いして、何とかDNAを確保しようと努力しました。中にはとても強く拒否なさった家族もいるんですけれども、何とかお願いをして、髪の毛を手に入れることができました。五人のDNAをまず確保してから、韓国政府と日本政府に対して、一月四日に、五人のDNAを確保しております、ですから韓国政府、日本政府はキム・ヘギョンさんのDNAと照らし合わせてみてくださいという確認を公式的に要請しました。

 ところが、その結果、韓国政府からは何の音さたもありませんでしたが、日本政府からは一月十二日にお電話がありました。そのときから、私と日本政府は秘密に四回の会議を行い、そして二月十六日からは、私と日本政府が共同で、私が既に持っている五人の家族のDNA、それからまた新たにお願いしてDNAを入手して、DNAの確認作業に入ったわけです。二月十七日にDNAを日本に送り、それでDNAの確認作業に入ったわけですけれども、その結果、四月十一日に日本政府が公式発表することになりました。

 最後に、その間、日本と韓国の人権団体ですとか国会議員、そして我々拉致犠牲者の家族、そして金英男さんの家族、横田めぐみさんの家族が一緒になって努力をしてまいりました。しかし、韓国政府はいまだに北朝鮮に対して拉致という用語すら使うことができないでおります。しかし、今の時点で、韓国人高校生金英男さんが拉致されて北朝鮮に連れていかれた、それがめぐみさんの夫であるということが明らかになったわけですから、北朝鮮もそれに対して何らかの発表をすべきであります。そして、横田めぐみさん、金英男さんのこれまでの実態がどうであったかということを彼らは告白しなくてはいけないわけです。そして、北朝鮮が発表をして、それを認め、そうしなくては解決できないと思います。

 韓国政府も、そういった拉致の事実があるということを認め、そして北朝鮮に対して拉致という用語を使って解決を求めていかなくてはなりません。そして、ともに共同で解決をするために努力しなくてはいけないと思います。そうすることによって、横田めぐみさんと金英男さんのような悲劇がある、そういったことを全世界に知らせなくてはいけません。

 以上です。(拍手)

平沢委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

平沢委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤城徳彦君。

赤城委員 自由民主党の赤城徳彦と申します。

 きょう、こうして皆様に当委員会においでをいただきまして、貴重なお話をいただきました。このことは、拉致問題解決に向けて大きな意義があると思っております。本当に、きょうの御出席に心から感謝を申し上げたいと思います。

 皆様のお話を伺いながら、改めて、拉致という犯罪、そのむごさに胸が締めつけられる思いがいたしましたし、そういうことを許した北朝鮮の指導者に対して憤りを感じております。

 先ほど横田滋さんからお話がありましたように、二〇〇二年、日朝の首脳会談で、金正日は、日本人の一部の拉致についてその事実を認め、謝罪もし、一部の被害者と家族は帰ってきましたけれども、残りの多くの日本人の拉致、それから十二カ国に及ぶという拉致、さらに特に人数の多い韓国の拉致、そうした事実は一切認めていない、これが現実であります。

 一方で、今もありましたが、金英男さんの拉致、そして横田めぐみさんとの間でキム・ヘギョンちゃんが誕生した。このことが、DNA鑑定で韓国政府からも事実だ、こういうふうに認められ、明らかになったわけです。

 こうしたいろいろな事実が今まで明らかになってまいりました。そのことを北朝鮮に対して突きつけて、その事実を認めさせる、そして一日も早い解決を求めていくということが大事であります。そのためには、やはり日韓がしっかり連携を強めていくということだと思いますが、きょうのこうした機会も一つの契機として、さらに日本と韓国としっかりと連携をとって解決に向けて努めてまいりたいと思っております。

 そこで、解決に向けては、対話だけではなかなかこれは進まない、圧力もまた必要であります。この委員会が設置されたのは一昨年ですけれども、設置されてすぐに委員会として決議を行いました。その決議は、政府に対して、効果的な制裁措置のあり方を早急に検討しなさいという内容が一つの柱です。政府も、先ほどお話にありましたけれども、北朝鮮の速やかかつ誠意ある対応がなされなければ厳しい対応をとらざるを得ないということはたびたび答弁また談話を発表していますが、実際には本格的な制裁措置というのはとられていない、こういう状況であります。

 自民党では拉致対策本部を設置しておりますけれども、その中でこれまでも検討を進めてまいりました。その結果、北朝鮮の姿勢が改まらないのであれば、もう既に法律は整備されています。特定船舶の入港の禁止とか送金の停止とか、そうした制裁、必要な措置をとるということを内容とする法律を与党として国会に提出したところです。

 そこで、横田さん御夫妻、今ほども横田滋さんから、早い段階から北朝鮮に対して制裁をやるべし、こういう御要請をいただいております。できれば韓国ともこの点について連携をしていきたいと思いますが、金英子さんにお尋ねしたいと思います。経済制裁とかあるいは北朝鮮に対する対応について、御家族の間で何かお話をされたことがあるでしょうか。もしそういうことについて御家族でお話をされたことがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。

金参考人(通訳) 私ども、そういったことについて家族で話し合ったことはございません。なぜならば、韓国政府はこれまで全く積極的な姿勢を見せてこなかったからであります。私どもは、韓国政府にまずこの問題を知ってもらうということを優先してこれまで活動してまいりました。

赤城委員 わかりました。

 もう一つは、横田早紀江さんにお尋ねしたいと思います。アメリカまで大変お疲れさまでございました。大きな成果が上がったと思います。議会での証言そして大統領との会見も実現された。早紀江さんのその思いが、アメリカの皆さんの心も震わせることになったと思います。

 そこで、その成果を具体的にこれからにつなげていきたいと思います。その第一歩として、来るG8サミットにこの問題を正式の議題として取り上げていく、また、そのほかの場でも、各国でこの問題を共有していくということが大事だと思っております。

 そこで、訪米の際に、人権国際活動の委員会のスミス小委員長さんとお会いしたときにもそういうお話があったそうですし、大統領からも何か具体的にアクション、行動についてのお話があったかと思うんですけれども、その点について、何か具体的なお話があればお尋ねしたいと思います。

横田(早)参考人 スミスさんの場合は、やはり今おっしゃったように、国際的な面でしっかりとこれを取り組まなければならないというお話はありました。そして、ブッシュ大統領の場合は、かなり心理的な、私たちの人間と人間としての思いというか、大切な命の問題としてしっかりと受けとめていただいたということが大きな成果だったと思っております。

 そして、このような罪のない人を、何の罪もない人を、国家の犯罪として、指導者が指令を下して、そしてたくさんの人たちを拉致していくというような、そんな国ということはもう許せないと、はっきりとお言葉でおっしゃっておりました。

 そして、北朝鮮が本当に世界から信頼されるような国になりたいのならば、自分たちが犯した罪、拉致という一つのこの罪をはっきりと認めて、全員を帰すのが本当であるし、そして、この横田早紀江という人は、この母は何も欲しがっていない、ただ娘をもとに戻してもらって抱き締めたいと思っているだけだということをはっきりとおっしゃっていただきました。

 そして、この拉致問題ということはもう絶対にアメリカは忘れない、どこに出ても、どんな場であっても、拉致問題をはっきりと表に出して、見守って、言っていきましょうということをお約束いただきました。

赤城委員 ありがとうございます。

 北朝鮮にとって最も脅威である相手方というのは、やはり米国だと思います。アメリカがこの拉致の問題を真っ正面から受けとめていただいて、核問題とかミサイルの問題と同等以上に、あらゆる会合、会議の場でこの拉致の、人権問題と大きくくくる中でも一番むごい犯罪でありますから、これを真っ正面に取り上げて、北朝鮮に対して当たっていただける、大統領からそう強い発言があったということは、これはもう早紀江さんの訪米に当たって最大の成果だったと思っております。

 私ども、それをしっかり受けとめて、日本の政府も、アメリカと、そしてまた韓国と、この三カ国がしっかり平仄を合わせていくということがやはり大事でありまして、金英子さんから韓国政府の対応についてのお話がありましたけれども、今回は科学的な事実が明らかになった、そのことをもって、しっかりまず事実を認めさせる、そこが第一歩だと思いますけれども、その先、さらに、北朝鮮に対して、どうやったらこの問題を解決するように動くんだろうか。それはやはり、日、米、そして韓国がしっかりとスクラムを組んで、厳しい対応をしていくということがやはりかぎを握ってくると思います。ぜひ、各政府が同じ方向、同じ施策、考え方を持って進んでいきたい、そんなふうに思うわけでございます。

 それでは、崔成龍さんに、大変貴重なお話を伺いましてありがとうございました。

 この拉致に関する情報というのは脱北者からもたらされることが多いわけで、今のお話にもありましたが、今回の金英男さんとめぐみさんのことについても、そうした崔成龍さんの活動の中から事実関係が明らかになってまいりました。

 そこで、こういう脱北者との接触の機会も多い、参考人はそういう機会が多いと思います、脱北者からいかに情報を得るか。さらに、そういう人たちは、北朝鮮の圧制に苦しんで、平和と安定を求めて脱北をされた方であると思いますので、そういう方をいかに保護していくのかということも大事だと思います。

 そうした中で、先ごろ、民団と朝鮮総連の歴史的な和解というニュースがありまして、私はちょっと複雑な思いでそのニュースを聞きました。この脱北者への支援をどうするかという点について、何かお考えがあれば伺いたいと思います。

崔(成)参考人(通訳) 私は、拉致された人々を連れて帰るとか、それとも、情報を得るために、脱北した人経由でそういったことをやりません。

 というのは、過去に私は、関連した人たちは、経験を土台に北朝鮮内にある組織を植えて、それで、そこを通してやっているわけです。ですから、拉致被害者ですとか、または旧韓国軍の捕虜で北朝鮮に連れていかれた人たちに対しては、まず正確な情報を得ることから始めております。ですから、その情報を得るために最大の努力を使っているわけですけれども、だからといって、脱北者を通して情報を得るとか、そういったことはやっておりません。

 先ほど、民団と総連の和解のお話もありましたけれども、これまで私、二回日本に来ておりまして、一回は総連の本部の前で横たわって抗議をしたこともあります。今、横田めぐみさんと金英男さんのことは、既に金正日総書記も謝罪をしており、そして横田めぐみさんの夫が金英男さんだということがもう明らかになっておりますので、これについては共同で解決を目指していかないといけないというふうに思っております。

 韓国政府は、多分余り積極的にやろうとはしないでしょう。というのは、北朝鮮との関係を悪化させたくないためです。しかしながら、この拉致問題については、北朝鮮に対して一歩の譲歩ですとかそういったこともあってはならないというふうに思います。推し進めなくてはいけません。

赤城委員 時間が参りましたので終わりますけれども、きょうは皆さん、本当にありがとうございました。ともども力を合わせて頑張ってまいりましょう。皆様がお元気で御活躍いただけますようにお願い申し上げて、終わりたいと思います。

 本当にありがとうございました。

平沢委員長 次に、渡辺博道君。

渡辺(博)委員 自由民主党の渡辺博道でございます。

 今日は、当委員会に横田さん御夫妻、そして崔桂月参考人、そしてまた、お姉様の金英子さん、そして崔成龍さん、御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。

 今回の拉致問題についてどのように解決していくか大変重要な局面に来ているのではないか、そのように思うわけであります。この問題は、まず日本の国としては、制裁二法という法律が成立されており、ただ、制裁がいまだ実行されていない、そういった実態があります。さらに、今国会においては、議員立法として、北朝鮮人権侵害問題対処法案というものが自民党として提出してございます。こういった、北朝鮮の人権侵害に対して積極的に対応していこうという意思のあらわれだというふうに、我々は、この法案を早急に成立をしていきたい、そのように思っているわけであります。

 もう一つの大きなポイントは、国際世論との関係であります。それと同時に、日本の国内そしてさらには韓国国内の世論をいかに喚起していくかであります。横田早紀江さんがブッシュ大統領とお会いになりました。そして、下院の議会で、公聴会で発言をなさいました。これは、米国国内のみならず世界に対しても大きな、要するにこの拉致問題に対する喚起がされたのではないか、そのように思うわけであります。また、横田滋さんは韓国に訪問なさいましてお母さんとお会いになりました。これも韓国の国内の世論の喚起に大いに成果があったのではないか、そのように認識をしております。

 この拉致の問題については、我が国では、そういった法律の制定と同時に、制裁をいかに実効あらしめるかということが第一のポイントと同時に、国際世論そして国内世論をいかに高めるかが重要であると考えているわけであります。

 そこで、まず横田滋参考人にお伺いをしたいと思います。

 初めて韓国に行かれたわけでありますけれども、崔桂月さんとお会いになりました。そして、韓国のマスコミそして国民の皆さん方も大変関心を持っていただいたのではないか、そのように思います。そこで、実際に訪問したそのときの状況について、そしてまた韓国の国民の反応について、おわかりの範囲で結構ですからお知らせをいただきたいと思います。

横田(滋)参考人 私は、五月の十五日から十七日の三日間訪韓いたしました。まず、空港に着いて驚きましたのは、二〇〇三年のときとは大違いで二階のロビーに大勢のマスコミがいました。それは韓国のメディアだけでした。それだけでも驚いたのに、一階におりましたら、またそれ以上の日本のメディアがいまして、警察官の方が壁をつくってその中を歩いていくぐらいの感じで、いかにこの問題が日韓双方に関心が高いのかということも驚かされました。

 そして、北朝鮮に対する放送をしているところを訪ねたり、それから韓国の家族会の事務所を三カ所訪問いたしまして、そして、そのとき、最後のときに、こちらにきょういらっしゃいます崔成龍さんの事務所で金英男さんのお母さんと対面いたしました。ふだんテレビで見ていたせいか、初めて会ったというような感じは全くいたしませんでした。

 そして、お母さんとこれまでの苦労について慰めもいたしましたし、こちらに対しても慰めてくださいましたが、ただ、双方で共通していましたのは、北朝鮮の人と結婚していなくてよかったということ。めぐみの場合も、当初キム・チョルジュンさんは北朝鮮の人と言われておりましたが、その場合ですと、仮に将来事件が解決しても日本に住むことはなかなか難しいと思いますし、英男さんのケースも、やはり北朝鮮の人ですとなかなか帰ってこられないんですが、それがお互いに被害者国の人同士だったので、それはいずれ解決したらソウルでも会えるということで、二人ともそれはお互いに喜び合いました。

 それと、日本と韓国でやはり一番違ったと感じましたのは、日本では、ちょうど運動を始めた七、八年前のころですと、一般の人の関心も薄いし、国会議員の方も、一部の熱心な方はいらっしゃいましたけれども、それほど関心が強くなかったのが、おかげさまで拉致議連の方、当然非常に活躍してくださったんですが、それは、韓国でも、やはり国民の世論が余りないということ、政府も余り関心がない、議員の方も関心が、ハンナラ党の方の一部を別にしましては、ないということで、日本との大きな違いを感じました。

 それと、最後に、日本の場合は家族会のほかに支援団体が全国にありまして、その方が国民世論を高める力がありますけれども、韓国の場合は被害者が多いので家族会のメンバーは多いんですけれども、そういった運動する力というのは弱いので、それが国内の世論が高まらなかったということだと思いますが、今回のことで国内世論が高まると政府も日本と同じように必ず動いてくれるものと信じております。

渡辺(博)委員 ありがとうございます。

 きょうはせっかく崔桂月さんがお見えになりまして、一言崔桂月さんの口からお話を聞きたいと思います。金英子さん、お話をしていただいても結構ですが、できれば崔桂月さんのお言葉を聞きたいと思います。

 まず、DNA鑑定が日本のものとそして韓国のものが一致しまして、まさに横田御夫妻と崔さんの関係は家族というふうに思います。そこで、この鑑定の結果、お互いの家族同士の連携をこれから私は深めていく必要があるというふうに思いますけれども、崔さんの御意見をお伺いしたいと思います。

平沢委員長 崔桂月参考人、答えられますか。それとも、金英子参考人、答えられますか。

金参考人(通訳) 母は、今大変目まいがしているので、私にかわりに答えてほしいというように今言ってきました。

平沢委員長 では、金英子参考人、お願いいたします。

金参考人(通訳) 私ども、めぐみさんの御両親にこのように会うことができまして、これからもし連携、連帯することがあれば、そして私どもが参加して皆さんのお役に立てるようなことがあれば、何なりと協力申し上げたいというように思っております。二つの家族の声を大にして、力を合わせてこれから取り組んでまいりたいと思っております。

平沢委員長 金英子参考人、まだありますか。

金参考人(通訳) では、これをもちまして発言といたします。

渡辺(博)委員 お体をひとつ大事にしていただきたいと思います。

 横田滋さんとそしてまた崔桂月さんがお会いになって、お互いの家族という意思が共通になったというふうに思います。

 そこで、やはり連携というのはさらに必要だというふうに思いますが、先ほど崔成龍さんのお話の中には、幾つかの家族の団体があるというふうに言っておりました。三つの団体が現在あるというふうに思っております。例えば、韓国拉致被害者家族協議会、朝鮮戦争拉致被害者家族協議会、韓国拉北者家族会という三つの家族会があるとお伺いしておりますけれども、この家族会との連携はどのように進められているのか、まずお伺いしたいと思います。

崔(成)参考人(通訳) 私、二〇〇〇年に拉北者家族会の会長に就任いたしました。しかし、そのときの韓国政府の態度を見まして、拉致に関するさらなる情報が必要だ、そして証拠というものを突きつけないといけないということで、そういった信念で、これまで拉致された人、四人を救出してまいりました。そして、その人たちと、家族としての痛みというものも分かち合うことができました。

 私の父は、北朝鮮に連れて行かれ、そして公開処刑をされました。したがって、私は、この問題も最後の最後まで突き詰めて、そして明らかにしていきたいと思っております。私の母は亡くなりましたけれども、北朝鮮に対して譲歩してはならない、特にこの拉致問題について、一切の譲歩はだめだということを遺言として残してくれました。

 私、韓国の中の団体の活動については申し上げないことにいたします。そのかわり、拉北者家族の会の活動について少しだけお話をしたいと思います。

 私どもは、北朝鮮の人たちを救出し、そして拉致された人々の家族の痛みということについても代弁してまいりたいというふうに思っております。また、韓国の拉致被害者の問題も世界に知らしめるために、例えばハンガーストライキなどもやってまいりましたし、これからもやっていきたいと思っております。

 その結果、私どもが得た成果といいますと、特別法が制定され、人権委員会からの勧告というものを引き出したという成果があります。

 しかし、韓国政府にもそれなりの痛みといいましょうか、問題はあるかもしれません。しかし、私どもは、拉致に関連する、あるいはめぐみさんと金英男さんに関するさらなる情報を集めてまいりたいと思っております。そして、北朝鮮の謝罪というものを引き出すことができるまで、より多くの情報収集に努めたいと考えております。めぐみさんに関する情報も、引き続き北朝鮮側に要求していきたいというふうに考えております。

渡辺(博)委員 今、お話の中で、北朝鮮との譲歩は一切許さない、そんな決意が語られたというふうに思いますけれども、実は、自民党としても、もう既に拉致問題は時間との勝負だと私は思います。横田さん御夫妻、そしてまた崔さん、高齢であります。

 こういった現実を踏まえていくならば、我々としても、しっかりと行動していかなければならない、そのように思うわけでありまして、自民党の拉致対策本部としては、早急に、六月中にでも韓国に訪問して、そして韓国の国会議員としっかりとした交渉をできるような体制をつくるようにしてまいりたい、そのように申し上げて、質問を終わらせていただきます。

平沢委員長 次に、池坊保子君。

池坊委員 公明党の池坊保子でございます。

 本日は、お疲れのところ、横田御夫妻、金英男さんのお母様崔桂月さん、お姉様の金英子さん並びに韓国拉北者家族会代表の崔成龍さんには、この委員会に御出席いただき、本当にありがとうございます。

 昨日、テレビで、同じ苦しみを持っていらっしゃるお二人のお母様がしっかりと抱き合っていらっしゃる光景を拝見して、私も涙が出ました。けさの安倍官房長官との朝食会の中で、DNA鑑定の結果も、日本と韓国の協力があればこそできたこと、これから皆様方の痛みを分かち合い、解決に向けて全力を尽くしますとおっしゃいました。それは、ここにおりますすべての政治家の気持ちを代弁なさっていると私は受けとめていただきたいと思っております。

 横田御夫妻はきっと御記憶にないと思いますが、十年前に初めて国会にいらっしゃり、娘が北朝鮮に拉致されました、皆様方、救出に力をかしてくださいとおっしゃいました。私は、そのとき一年生議員で、先輩についてまいり、そのようなことがあるのだろうかと茫然自失いたしましたが、早紀江さんに、私も、かけがえなく大切な、宝とも命とも思っている娘のいる母です、同じ娘を持つ母として、きっと全力でお力になりますとお話しいたしました。

 にもかかわらず、この十年間、思わしい結果が出てこなかったことを、申しわけなく思っております。

 四月二十八日、早紀江さんは、ブッシュ大統領とお会いになりました。ブッシュ大統領は、その折、人間の尊厳と自由について話せないほど忙しくないとおっしゃり、しっかりと抱きしめられたと伺っております。

 アメリカは、直接の被害国ではありません。でも、世界をリードする国のリーダーとしてのあるべき姿を示したのではないかと思います。日本は直接の被害者国です。ですから、もっともっと拉致の方々の救出に力をかさなければいけないのだと思います。

 昨日、金英男さんのお母様とお会いになって、早紀江さんは、さらに救出に向けての御意思を強く持たれたと思います。今後、日本と韓国との連携協力の中で、横田御夫妻、早紀江さん、お母様として、どのような支援体制を国に、そして日本国民に望んでいらっしゃるか、それを伺いたいと思います。

横田(早)参考人 本当に思いがけないことが次々と、ショックが起きてまいりますものですから、本当にいつも真っすぐの姿勢になるのが大変な状況なんですけれども、このたび、本当に思いがけず、めぐみの夫である方が金英男さんという高校生であったということがはっきりといたしまして、また一つの大きなショックを受けております。

 そして、このことがわかって、そして私よりもまだもっとお年を召していらっしゃるお母様のお姿を見て、そして本当に、どれだけ悲しい思いをしてお過ごしになってきたかということを思いますときに、一刻も早く元気な子供を、お母さんのひざの上に、目の前に置いてあげることが一番大事だし、私たちのめぐみも、また孫であるキム・ヘギョンちゃんも、もっと多くの人たちも、待ち望んでいる全部の子供たちが、本当に無事に帰ってくることを一番願っています。

 それで、非常に北朝鮮という国は、私たちが考えられないほど難しい国ですし、そして何にも見えない、こんなに長いことかかっていろいろなことがあらわれてきても何も見えない。そういう国に対していくことは非常に難しいので、私たちの、普通の人間だけの知恵ではわかりませんので、専門的なお考えの方、そして議員先生、韓国の議員の方々も、本当に知恵を絞って、よい方向に動くように御協力を願いたいと思っております。

池坊委員 ありがとうございます。

 横田滋さんは、五月十五日から三日間、韓国に行かれました。実際に行ってみて、随分、思っていたのとは違ったという印象もお受けになったのではないかと思います。現に、三年前とは、取材も多かったし世論も喚起されているように思うとおっしゃいました。

 横田参考人は、韓国と北朝鮮が仲よくするのはいいけれども、大勢の拉致被害者と離散家族はこのままでいることがいいわけではないとおっしゃったのに対して、韓国最大野党のハンナラ党の朴槿恵代表は、最善を尽くしますとおっしゃいました。今、徐々にではありますけれども、世論も高まりつつあるのではないかと思います。

 横田滋さんは、これを一過性に終わらせたくないとおっしゃっていられました。私も、本当にこの機会を逸することなくと思っておりますけれども、これから家族会としてどのように韓国の家族会との連携を強めていらっしゃるのかをちょっとお伺いしたいと思います。

平沢委員長 ちょっとここで、崔桂月参考人の体調がすぐれないということですので、崔桂月参考人はここで退席していただいて結構でございます。

 委員会を代表して、厚く御礼を申し上げます。どうぞお大事にしてください。(拍手)

 横田滋参考人。

横田(滋)参考人 これから家族会としてはどういうふうに協力していくかということですが、やはり、日本の運動でも、当初は支援会というのは新潟にしかなかったわけです。それが、東京の方も参加していましたのが、実質、関東の会ができて、その関東の会が、神奈川の会、埼玉の会、千葉の会というふうに発展的に分裂していき、それが北海道から九州までも全部できたわけなんです。

 それで、これまでは韓国にはそういった支援組織がなかったんですが、二十七日の集会のときに、その準備がもうでき上がって、これからつくられるというような状態でした。ですから、それで、最初は恐らく小さな会が一つしかできないというようなことでしかないと思いますけれども、それが集会を開いて、そこで大勢の人に訴え、そこで世論が高まってくれば、またその影響を受けて、ではこちらでもつくろうという、被害者が韓国の場合多いですから、もっとそれがたくさんできると思いますので、そういったこれまでの日本での運動の経験を生かして、できるだけのことは協力したいと思いますし、支援もしていきたいと思っております。

池坊委員 十年前の日本と同じような状態だと思いますから、どうか、今、経験を生かしていって、いろいろな方法をお教えになってというふうに願っております。

 韓国からおいでになった三人の方、本当に日本にようこそおいでくださいました。私たち日本人は、日本のみならず韓国の拉致の家族の方々が、一日も早く拉致された方たちとお会いになることができるようにとこれからも尽力していくつもりでございます。

 お母様は早紀江さんの一回り上と伺いました。突然、かわいがっていた息子さんを奪われた、またお姉様はかわいい弟を奪われた、その苦悩と焦燥はどれぐらい大きいものかとはかり知れないのではないかと思います。でも、そのような苦悩の中であっても、私は、一筋の光はキム・ヘギョンちゃんではないかと思います。ヘギョンちゃんが韓国と日本のかけ橋になるために、めぐみさんそして金英男さんを母とし父とされたのだと思っております。

 私どもは、これから日本で拉致された方々だけでなく、韓国に拉致された方々がいっぱいいらっしゃることに思いをはせ、ともに両国のかけ橋として、両国の問題として、救出に頑張っていかなければいけないと思っておりますけれども、お姉様、お母様の気持ちも含めて、日本に今何をしてほしいとお思いかをお聞かせいただきたいと思います。

金参考人(通訳) きょう私がここに来たのは、一月のDNA鑑定の結果だと思います。今後、私どもとそれから日本が協力をして、力の限り、できるところまでやっていかなくてはいけない、そうすれば、いい結果がもたらせるだろうというふうに思っております。

 お願いしたいことは、ここにいる二家族の思いもそうですし、ほかの拉致家族の痛み、思いもそうだと思うんですけれども、一日も早く、また早く会える日が来るようになればというふうに思っております。そういったことで、日本政府または関係者の皆様にもいろいろ頑張っていただきたいということをお願いしたいと思います。そして、一日も早くとにかく家族に会える日が来ることを望んでおります。

 ありがとうございました。

池坊委員 お姉様のそのお気持ちはしっかりと受けとめました。どうか、お姉様、退出されたお母様にお伝えいただきたいと思います。必ず救出して、息子さんにお会いになることができる、そしてかわいらしいお孫ちゃんにもお会いになることができる、だから、どうかお体だけは大切に大切になさってください、日本人はすべてそれを願っていると必ずお伝えいただきたいと思います。

金参考人(通訳) ありがとうございました。

池坊委員 次に、崔成龍さんにお伺いしたいと思います。

 韓国拉北者家族会代表をお務めになり、日本でもそうでしたけれども、拉致問題に対する国民の関心が低かった、でも、もっともっと厳しくつらい中にあって、国家的な迫害さえ受けていらした。にもかかわらず、その中にあって長年御苦労されたことに対して、心より敬意を表します。

 崔成龍さんは、私たち家族は連座制による被害や心痛をたくさん受けてきた、二〇〇四年四月に国家人権委員会から拉北者家族支援特別法を制定せよという勧告を引き出したが、何の役にも立たなかったと憤りをあらわにしていられました。本当に厳しい厳しい韓国の状況だと思います。でも、その中にあって、先ほどお話を伺いましたら、DNA、本当に細やかな連携の中でこのような結果を得ることができたのだと思います。

 私はさらなる細やかな日本と韓国との連携が必要と思いますけれども、次に、具体的にどのような協力、連携が、これはしてほしいというようなことがおありでしょうか。ちょっとお伺いしたいと思います。

崔(成)参考人(通訳) まずは、現在は四百八十人以上の拉致犠牲者というふうになっておりますが、これ以上多い場合もあり得る、五百人ぐらいいるのではないかというふうにも考えておりまして、その拉致被害者の実態を把握しなくてはいけないと思っております。

 このためには、こういった問題で韓国政府と対立もあるわけですけれども、北朝鮮はこの拉致の事実を認めておりませんので、まず、一つずつ証拠を入手しなくてはいけない。証拠を彼らの前に突き出さなくてはいけないんですね。そのために、私が活用できる組織を使って情報収集に努めております。

 私、実を言えば、去年の十月一日から韓国政府の方が警護をつけてくれているわけですけれども、しかしながら、韓国政府は、拉致された人々に対して、拉致とも言えない、そういうふうな及び腰で、北朝鮮に対して対応しないでいるわけですね。ですから、私ができるのは、証拠を突きつけて事実を明らかにするしかないわけです。

 今後、日本の拉致犠牲者もさらにいるかもしれません。ですから、めぐみさんと、それからその関係で金英男さん、韓国の拉致犠牲者もそういうふうに関係があるということなので、さらに多くの情報を入手したいと思っておりますし、実は、拉致被害者の中で、私、北朝鮮から四人救出したというふうに申し上げましたけれども、今後も多くの拉致被害者を北朝鮮から連れ戻したいというふうに思っております。そのために努力します。

 そしてまた、多くの人々に対しても生死を確認して、そういったこともまたマスコミに知らせたいというふうに思っておりますので、そういった観点からも日本と協力していかなくてはいけないと思います。そして、最後の最後まで、金正日総書記が拉致被害者、家族一人一人に対してひざまずいて許しを請うように、そういうふうに持っていきたい、そのために努力したいと思っております。

池坊委員 この問題は一国だけでは解決できないのだということをひしひしと感じるんです。韓国も、この間、早紀江さんがブッシュ大統領にお会いになったように、アメリカ政府に働きかけることが必要かというふうに思いますけれども、現在の韓国政府では余りそれはやってもらえるというふうには思いませんけれども、最大野党が最善を尽くすと言っておりますので、そういうアメリカへの働きかけというのも必要ではないかというふうに思います。

 それとまた、朝鮮総連と民団が仲よく手を合わせた。だけれども、この被害者家族に対して韓国が冷たいのは、やはり北朝鮮とのかかわり方、南北関係が行き詰まることを懸念しているのだと思いますけれども、その辺を、両国を御存じでいらっしゃるわけですから、今後どうなっていくかというようなことをどうお思いでしょうか。

崔(成)参考人(通訳) 実は、私、空港に着きましたら、ある人がプラカードを持って、私ども家族を歓迎する人がいました。

 先ほどお話が出ましたけれども、民団、朝総連、それぞれ何をするところか知っておりますが、拉致問題の解決においては、そういったことは関係なく、方法はないわけです。まず、証拠を集め、それをもとに北朝鮮に事実を突きつけて解決を要求する、謝罪を要求するということです。金正日が全世界の拉致犠牲者、拉致家族に対して謝罪をしなくてはいけません。

 民団と朝総連の和解ということもありました。それがちょっとおかしく見えるということも伺いましたけれども、家族の痛みというのは家族しかわからないわけです。ですから、心を合わせて協力し、そして政府の支援も得て、それで進めていきたいと思います。金正日に対しては圧力をかけていかなくてはなりません。

池坊委員 私ども日本は、日本でできること、例えば、送金停止や北朝鮮船舶の入港禁止措置などの経済制裁を初めとして、何をなすべきかを大局に立って、未来を見据えてこれから尽力してまいりたいと思います。

 どうぞ皆様方もお元気で頑張っていただけますよう心より願い、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平沢委員長 次に、松原仁君。

松原委員 民主党の松原仁でございます。

 きょうは、参考人の皆さん、本当にお疲れのところ恐縮でございますが、質問を続けてまいります。

 先ほど、崔成龍さんからのお話で、北には一切妥協するなとお母さんがおっしゃった、お父さんが公開処刑をされたと。大変に鮮烈な怒りを恐らく金正日に対して感じておられると思いますが、まず、そういう中において、北に多くの拉致被害者、またその家族の方も今ずっととらわれているわけであります。

 北朝鮮、金正日がキム・ヘギョンさんに会いに来てくださいということを、崔桂月さん、そして金英子さん、お母さんにかわってお答えいただきたいわけでありますが、北朝鮮側がキム・ヘギョンちゃんに会いに来てくれ、こういうお誘いがあった場合はどのように御判断なさるのかをお伺いしたいと思います。

金参考人(通訳) もし、今後、ヘギョンさんとそして私の弟の金英男に会いに北朝鮮に来いという誘いがあれば、私たちは行きます、そして会います。

松原委員 キム・ヘギョンちゃんは横田御夫妻にとってはお孫さんになるわけでありますが、横田御夫妻はそのとき同じようなお誘いがあったらどのように行動されるのか、また、その行動の理由について、もしよろしければそれぞれ御発言をいただきたいと思います。

横田(滋)参考人 そのような問題は、我が国でも二〇〇二年、小泉総理の訪朝直後に問題になりました。そして、私たちは会いに行かないというふうに判断いたしました。

 その理由としましては、北朝鮮に行きますと、ヘギョンさんはそのとき既にテレビにも登場しておりますから、政府が映してきたビデオに映っておりましたので、もう元気でいることはわかっております。そこで行きますと、当然、我々のところに来て、かわいい姿をあらわします。そして、お母さんは、私は小さいときなので余りよく知らないけれども、もう亡くなりましたというようなことを言うと思います。

 そして、その母親が亡くなったということを既成事実として、もう亡くなったんだからこれであきらめてください、そのかわりに、こんなかわいい子がいるんですよというような形で我々を納得させようとしたんじゃないかと思います。

 そして、もし仮にめぐみがあらわれたとしても、その場にいれば、テレビが映る前で、私はこちらの方で幸せに暮らしております、この子と一緒にこちらで暮らしますから、時々日本から会いに来てくださいというような形になってしまうおそれがあります。

 そうすると、めぐみを救出するチャンスが失われてしまいますから、もし自由に話せるような場所でそういったことが、意思が確認されたんであれば、それは本人の意思だと思いますけれども、今までのジェンキンスさんのケースとかいろいろなケースを考えてみますと、それは非常に危険なことだと思いますので、気持ちとしては、私たちもすぐ会いたいという気持ちは変わりありませんけれども、やはりそこで会うということは、事件解決のためには非常に危険なことでないかと思います。

松原委員 横田早紀江さんにも同じことをお伺いしたいと思います。

横田(早)参考人 今主人が言いましたと同じように、私たちも、キム・ヘギョンちゃんがあらわれましたときに、本当にすぐに会いに行きたい、主人は特にすぐにでも行くというような感じであったんですが、今申しましたように、私たちは北朝鮮の国が本当にどういう国なのかということをよく考えて、よく見て考えなければならないというところに置かれています。

 普通の自由主義の国でありましたらば、そういうときは行って、向こうで、行っても自由に話ができますから何でも思ったことが言えますけれども、あちらでは必ず、お帰りになった蓮池さんや地村さん、そして曽我ひとみさんもそうですけれども、あちらにいらっしゃる間は絶対に本当のことを、帰りたいということは言えない。そして、一歩、中山参与さんがさっと飛行機に乗せて、そしてもうこちらにとったという中で、本当にやっと自分の心が話せるという、そのような状況をよく何度もわかっておりますので、そのような中でこちらが向こうに入っていくことは非常に危険だと思っています。

 非常に忍耐の要ることですけれども、これは拉致問題全部の問題として、本当に世界じゅうが、あの国のそのやり方を間違っているんだと、拉致だけでなくてあらゆることが、本当に世界を振り回すような、不幸にするようなことをやっているんだということをみんなで、全部の人間が思いを込めて言わなければならないほど重大な問題ですから、そのことに関して、私たちは、非常に苦しい選択ですけれども、早くそのようなことができるように、みんなの力が一緒になるように、この間もブッシュさんにお願いしましたし、ジュネーブでも、国連の方にも訴えてまいりましたし、これからはヨーロッパの方の方々にも訴えていかなければならない。

 先ほどもお話にありましたように、世界じゅうが、もうあの国のやり方が本当にたくさんの人を不幸にするんだということを基盤にして話していかなければならないと私は思っています。

松原委員 肉親に会いたいという情愛は、世界のどこにおいても同じだと思います。問題は、北朝鮮という国の体質が問題ではないかというふうに思うわけであります。

 私は、ここで崔成龍さんにお伺いしたいわけでありますが、北朝鮮が何らかの行動をする場合に、自分の国にメリット、利点がないことをするだろうか。例えば、キム・ヘギョンちゃんに会いに来てくださいという場合に、そこに何らかのたくらみがあると思うのは当たり前ではないかと思いますが、御意見をいただきたい。

崔(成)参考人(通訳) まず、私からの要求によって、日本政府とともにDNAの鑑定結果が発表されました。これは神様もつくれない事実であるでしょうし、歴史上類のないことであったと思います。

 金英男さんのDNA鑑定の結果に関連して、韓国のマスコミの中で次のように言う人たちがいました。つまり、ヘギョンさんが金英男さんの実の娘だという主張、これをどこでできるのでしょうか。韓国でできますか、日本でできますか、どこでできますかというふうにあるマスコミが言ってきました。

 今、DNA鑑定の結果が発表されたことによって、韓国、日本、特に北朝鮮の状況というのは非常に複雑な状況に至っていると思っております。非常に複雑になってしまいました。

 まだめぐみさんの安否のほども確認されておりません。また、崔桂月さんは大変な高齢であります。つまり、ヘギョンさんに会うかどうか、こういった問題は御家族同士の話し合いということが大変重要でありますし、そういったことが前提とならなければならないと思います。

 つきましては、私は、金正日がすべての拉致の事実をまずは認めるというところで、やはり解決の糸口を見出す必要があると思うのであります。

 現在、韓国の国民は、英男さんのDNAの結果が明らかになったことで、めぐみさん御家族の痛みということにも思いをはせておりますけれども、高校生を拉致していくとは、あるいは学生を拉致していくとは何なのだという、世論はそういった高まりを見せております。

 会うとか会わないとかそういった問題は、やはり家族間の対話が優先されるべきだと思いますし、ヘギョンさん、めぐみさん、そして英男さんの問題は、韓国政府、北朝鮮、そして日本、そして北朝鮮の告白、謝罪、こういったところでもって切り口を見出して、そこで糸口を見出して解決していく必要があるというふうに思っております。

松原委員 私は、横田めぐみさんの遺骨と称される骨がにせものであったということもあった、日本人の拉致被害者十一名の死亡診断書がすべてにせものであったということもあった。つまり、北朝鮮が接触をして出してきた情報に真実はなかった。出てきた生身の人間以外に一切真実はなかった。我々、日本の拉致被害者家族、そしてそれを支える私たちは、裏切られ続けた。彼らが何かをする場合、必ずそこにうそと偽りと策略がある、これは私たちの確信であります。そうした中で、また韓国の皆様も考えて行動していただきたいと思います。

 そうした中で、時間もありません、最後に、それぞれの方々、一人ずつ、この拉致事件の首謀者である金正日に対する怒りを一言ずつおっしゃっていただきたいと思います。横田さんからお願いします。

横田(滋)参考人 拉致を認めた以上、一刻も早く解放するように要求したいと思います。

横田(早)参考人 本当に、このような悲しいことをいつまで続けているのか。たくさんの人類の心を踏みにじって、苦しめ続けて、何が楽しいのですか。もっともっと自由で心豊かな生活ができるはずです。心を入れかえて、本当に自分自身ももっと平和な生活ができるように、国民も他国の人たちも、みんなが受けた大事な命が本当に自由に生き生きと生かされるように、心を入れかえてください。

金参考人(通訳) 真実が明らかになりました。私ども家族の願いもおわかりだと思います。人間としての痛みについてかみしめてください。そして、私どものところに弟を帰してください。

崔(成)参考人(通訳) 韓国からは五百人余りの人が拉致されております。しかし、北朝鮮はいまだこれを認めておりません。しかし、今回金英男さんのことが明らかになったことで、これは一つの大きな事件として浮上しています。もうこれ以上後ろに引き返すことはできない状況に我々は至っているのであります。

 ですから、めぐみさんの実態、安否、本当に亡くなったのか、あるいは生きているのか、そして英男さん、そしてヘギョンさん、すべての事実を公開してほしいと思います。そして、北朝鮮と日本との対話にゆだねるだけでなく、韓国政府も積極的にこれに参加してほしいと思いますし、この問題の解決に乗り出してほしいと思います。

松原委員 ありがとうございました。以上で終わります。

平沢委員長 次に、松木謙公君。

松木委員 民主党の松木謙公でございます。

 まず、ジャワ島の方で大変大きな地震がありまして、かなりの方が亡くなられたという報道もありました。

 被災された方、そして亡くなられた方のお気持ちを考えると、大変なことだなというふうに思っております。お祈りをまずは申し上げたいというふうに思います。

 そして、本論でございますけれども、まず崔代表さんにお話を聞きたいというふうに思っております。

 きのう、日比谷で大きな集会があったわけでございますけれども、我々としては出られるのかなというふうにも思っておったのでございます。いろいろと、お立場の違いだとかそういうこともおありなんだというのもわかるような気がしますけれども、なるべくだったら連携していった方がいいのではないかという気持ちを持っておるのでございますが、どんなことがあったのか、お聞かせいただけたらありがたいというふうに思います。

崔(成)参考人(通訳) これはちょっとお答えしにくい質問ですね。

 私は、韓国人拉致被害者の痛みを知っているがゆえに、命をかけて拉致被害者の情報を収集してきました。そして、家族の立場からそういったことを知らせるために努力してきたわけですけれども、その最中で、めぐみさんとそして韓国人拉致被害者の関係があるということが、そういった情報を得ることができました。そして、そのためにさらなる情報を収集しようと努力をしていたわけですけれども、その中でも、さまざまな圧力、抑圧、そういったことを受けました。でも、そうしながらも、活動を続け、情報を収集し、そしてDNA鑑定をしようという、DNA鑑定にまでこぎつけたわけです。

 実は、私は、これまでめぐみさんの御両親に五、六回お会いしたでしょうか、では、先ほどの質問にはこのようにお答えしたいと思います。

 私は、先ほどの、この問題は、団体同士の連帯は十分あり得ます。それについて改めて議論することもできます。ただ、私の真実は一つでありまして、北朝鮮から少しでも多くの情報を入手して、取り出してきて、そして拉致被害者家族の痛みを知らせるということなんですね。いかにして北朝鮮に対してその事実を突きつけて、そして彼らを屈服させるかということのために行動しておりますし、日ごろ研究をしているわけです。そういう過程で、少し立場の違いはあったかもしれません。

 申し上げますと、アメリカでの活動からこれは端を発するわけでありまして、言ったことを守らないとか、約束が守られなかったということでお互いの関係ですとか状況が難しくなってきたわけですね。

 ただ、ごらんのように、崔桂月さんも高齢でありますし、体調、健康も余りよくないようであります。その崔さんが日本に来て活動する、例えばそれを韓国拉北者家族の代表としてどういうふうに支えていけばいいだろうか。また、日本の皆様の前で例えばこういうふうに証言をするとか、集会で証言をするといったときに、どういうふうにお話をしてもらった方がいいだろうかということを日ごろ考えて研究しているわけですけれども、そういった関係でこの前の集会には、申しわけありませんでしたが、参加することはできませんでした。

 関係者の皆様、特に救う会の皆様ですとかめぐみさんの御家族には大変申しわけないことをしてしまったというふうに思います。

松木委員 はい、わかりました。

 ただ、日本は自由の国ですから、もし言っておきたいということがあれば、言っていただいても結構でございますから、遠慮しないで、もし今言い残したことがあれば、もう一度どうぞ。

崔(成)参考人(通訳) 一つだけ申し上げますと、私も被害者の立場です。実は、北朝鮮政府によるテロのおそれから、韓国政府が去年十月一日から私に警護をつけてくれているわけですけれども、しかしながら、私は言いたいことは容赦なく言っております。

 この拉致問題については、どんな方ともどんなところとも連帯をしてやっていきたい、解決していきたいというふうに思っています。そして、必ず金正日の謝罪をかち取らなくてはいけない。特に、韓国人拉致被害者、日本人拉致被害者に対しては、金正日から謝罪をしてもらわないといけないという信念を持って活動しております。ですから、言いたいことはすべてずけずけこれまで言ってまいりました。

松木委員 いろいろな団体があるわけですけれども、それぞれの団体が持っている情報というのもあると思います。崔成龍さんの情報もあるし、また、違う団体の情報もあるでしょう。なるべく一つになってやっていった方が、それぞれでやっていると、また北の方からいろいろとつけ込まれる可能性もあるんじゃないかなという心配もありますので、ぜひそんなことで一丸となってやっていっていただきたいというふうに思っております。

 それと、お姉さんにちょっとお聞きしたいんですけれども、弟さん、何年生まれでございましたか。

金参考人(通訳) 一九六五年六月二十五日です。

松木委員 では、私より少し若い方になるんですね。

金参考人(通訳) 済みません。ちょっと勘違いしました。一九六一年生まれです。

松木委員 六一年、はい、では、私より二つ若い方なんですね。大体同年代なわけです。

 先ほど、もし北の方がキム・ヘギョンちゃんに会いに来たらどうですかというお誘いがあったら、会いに行きますというお話がありました。もし連れて帰ってもいいんですよというお話があったら、どうされますか。

金参考人(通訳) それは、もちろん家族ですし、血を分けた肉親なので、会いたいわけではありますけれども、ただ、その行った先で、その場で連れて帰ってもいいよと言われたからといって、そのまま手をつないで帰ってくるわけにはいかないと思います。これは、やはり、個人の問題ではありますけれども、個人だけの問題ではありませんし、政府の問題やまたほかの家族の意見も聞いてみないといけないので、その上で決めてみたいと思います。その場では答えられない問題だと思います。

松木委員 はい、よくわかりました。

 日本は経済制裁をまだ発動していないんですけれども、横田さんのお父さん、お母さん、私の娘というのが実は今十三歳で、お嬢さんがいなくなった十三歳と同じ年の子供が私いるんですね。それを考えると、本当に何かつらいなという気がします。

 そこで、最後にお聞きしたいのは、経済制裁の発動、これはぜひやってもらいたいというふうにお思いでしょうか。ぜひお答えください、お父さん、お母さん。

横田(滋)参考人 それは、経済制裁をすることによって、例えば拉致被害者に危害が及ぶという可能性がゼロではありません。

 ですけれども、やはりこの救出運動を始めたときに、実名を挙げて写真を出したりするとそれは同じような危険があるわけです。こんなことはなかったとするために殺されてしまうという可能性はありますし、また、実名を出さないで、例えば新潟市のMさんなんと言ってもちょっと余り真実味がありませんので、どちらを選ぶかということになりますが、私たちは、ある程度リスクはあるけれども、もしこのまま黙っていたら、これが一生続いてしまって、我々も死んでしまう、子供も北朝鮮で死んでしまう、それを防ぐためにはやはり名乗りを上げるしかないと思ったんです。

 ですから、経済制裁をすることによって解決する可能性は非常に高いと思いますけれども、リスクはゼロではないと思っています。でも、やはりそうしなければ、それ以外に方法があるのであれば、ぜひその方法をとって、対話で解決するのであれば対話で解決してほしいと思いますが、それはちょっと現状から見れば不可能なので、制裁をお願いしたいと考えております。

横田(早)参考人 本当に難しい問題ですので、本当に制裁発動ということがはっきりとした場合にどうなるんだろうという、いろいろな思惑があります。

 簡単なことは、私たちは、皆様方も同じですけれども、自分の大事な今十三歳また二十の子供たちが、一軒横のだれか、御主人かだれかにがっと連れていかれて、頑丈な中に閉じ込められて、それがわかっているのに、警察も何となくそれはわかりませんよというような形で動いてくれない、でも、もうわかっているんだというときに、お話し合いをしましょう、これをきょう食べてください、だからわかってくださいということを十年続けても、二十年続けても、三十年続けても何にもないというときに、みんな人間として怒るということがあるはずです。

 その思いがあって、国が怒らなければならない。本当に物すごい数の人たちがそういう目に遭っているのがもう歴然とあるわけなんです。それが目に見えてあるのに、どうして、めぐみの骨がうそであったということがわかったときに、なぜ本当の怒りが、日本じゅうのそういう政務に携わっていらっしゃる方々の怒りの声が見えないということが北朝鮮を本当におごり高ぶらせるのではないかと私は思っています。家族だけが怒る問題ではありません。

 だから、発動ということは厳しいかもしれませんけれども、北朝鮮の方々、脱北してくる方やいろいろな話を聞いても、あちらに食べ物を送らないでください、金正日にお金を出さないでください、それはあの政権が長引くだけで、苦しむ人がいつまでも苦しまなければならないということをもうしょっちゅう聞いております。そのためには、やはり私たちが心を一つにして怒りをあらわしたいと思います。

松木委員 ありがとうございました。

 我々政治家、一生懸命、与党野党関係なく頑張っていこうと思っておりますので、どうか皆さん、お体を大切にしてお過ごしいただきたいというふうに思っております。

 以上でございます。ありがとうございました。

平沢委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 本日は、中座されたお母様含めて五人の参考人の皆さん、本当にありがとうございました。

 先ほど来の貴重なお話を伺いながら、私の父は新潟市の生まれで、祖父母は佐渡の生まれですけれども、三十年近くも一日千秋のお気持ちで頑張ってこられた拉致被害者の皆さん、家族の皆さんの思いを改めてしっかりと受けとめました。

 こうやって御家族同士が連携されていらっしゃる姿を拝見して、一刻も早い解決のために、やはり政治が果たさなければいけない役割が本当に重いということを痛感いたしております。

 まず、横田さん御夫妻に伺いたいんですが、この間、横田早紀江さんが訪米をされて、日本の国民、全世界の自由を愛する国民の総意で、怒っていると北朝鮮に態度を示していただきたいと訴えられました。また、横田滋さんは韓国を訪れられて、日韓での協力した取り組みということを訴えられました。

 そうしためぐみさんの御両親、そして拉致被害者家族の皆さん御自身の一つ一つの行動が、全世界に、拉致は許せない、全被害者をすぐ帰しなさいという強いメッセージを発信する大きな力になったと私は確信しております。

 今、日本政府は、対話と圧力ということで、日朝平壌宣言、それから昨年九月の六カ国協議の共同声明の立場から、拉致問題での国際社会の支持と協力、連携を一層強固にして、あらゆる機会を通じて力強い外交努力を尽くすというふうにしていますが、私、このことがいよいよ大事になっていると思います。

 そうした中で、日本が国連の人権理事国ということで選ばれて、そして北朝鮮の人権問題を積極的に提起していく場がつくられました。また、今国会が終わりますと、政府が一連の国際会議、さらには北朝鮮と国交のある国々をできるだけ訪問して訴えていくというふうになったわけですけれども、これらも、拉致被害者の皆さん、家族の皆さんの血のにじむような努力があってこそだと受けとめております。

 そこで伺いたいんですけれども、この間、国際的な場で訴えられてきた横田御夫妻の体験、経験から、特に、日本政府に対して、どういうことに力点を置いて国際社会の理解と協力を求めていってもらいたいか、こういうことをぜひ政府としても大いに強調していろいろな場で言ってほしいということで、御意見を伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。

横田(滋)参考人 私ども海外に行きましたときには、拉致問題というのは、あくまでも日朝間、二国間で解決する問題である、しかし、国際世論を高めることによって一層解決が早まるのでぜひ御支援をお願いしますというようなことを話しておりまして、少なくとも日本国内では、今はそんなことはありませんけれども、以前だったら、政府は何もやってくれないというような声も出ましたのですが、少なくとも海外へ行きましたら、一枚岩であるというふうに言わないと、自分の国の政府の悪口を言うということは、それはもう非常によそでは、外国では軽蔑されることだと思います。

 ですから、そういったことはこういう場でも、日本政府の悪いことを言ったことはありません。ただ、やはり、幾ら日本だけで解決すればということもありますけれども、例えば現在でもアメリカはマネーロンダリングなんかを行ったことに対する罰として銀行口座を封鎖したりと、いろいろなことを、経済制裁を加えています。それは拉致のためではありませんけれども、そういった国際的な圧力によって、日本がさらにそれに制裁を加えると一層効果的だと思いますので、よその国に頼んでやってもらうというのではなくて、やはりあくまでも日本がまずやる、そして足りないところは補っていただくという形で解決を図っていただきたいと思っております。

横田(早)参考人 非常に難しい御質問なんですが、やはりこうやって今までの活動の中でたくさんのすばらしい方々にもお目にかかりましたし、また反対に、これでいいのかしらと思うような方々にもお目にかかりました。いろいろな人間模様を見させていただきました。

 その中でやはり、悪に対して本気であるかどうか、ブッシュさんにもすぐに言ったんですけれども、本当にどうにもならない悪というものがあって、それは皆人間の心の中のどこかから出てくるものなんですけれども、そのどうにもならない悪に対して戦うのは、本当に大変な忍耐と苦しみと悲しみと絶望を抱えながら、私たちは長い間、たくさんの苦しんでいる人たちを助け出すためにきょうまで頑張ってきましたと言いました。

 どうかブッシュさんも、本当にそのことを考えていただいて御支援くださいと言いましたら、そのとおりだということですぐに握手をして短い祈りをしてくださいましたけれども、そういった本当に悪に対してのはっきりとした姿勢が一人一人の心の中に、国民全部の心の中にあれば、何か起きたときでも、善か悪か、こちらだ、ではやろうという、正しい方に向かってみんながかっと固まっていける、そういうふうな状況にならなければ、どんなことが起きてもいい方向に行かないのではないかと思います。

笠井委員 ありがとうございました。

 崔桂月さんそれから金英子さん御家族の二十八年間は、いろいろな疑いもかけられた中での本当につらい期間だと察します。息子さんが亡くなったこととあきらめて、魂を祭る、引き揚げる祭祀も行う、魂の結婚式も行ったというふうに伺いました。

 ところが、その金英男さんが生きていて、結婚してお孫さんまでいるということで、横田めぐみさんの夫の可能性が高いと初めて知られたときのお気持ちはいかばかりかというふうに察します。

 こうやって拉致家族の皆さん同士が一層連携していかれる姿を目の当たりにしまして、北朝鮮による拉致という国家的な犯罪に対して改めて強く怒りを持つとともに、日韓の連携した取り組みがいよいよ重要になっているというふうに感じております。

 私自身、去年秋、済州島で開かれた会議に行く機会があって、韓国の与野党の国会議員とも交流することがありましたが、この拉致問題でも韓国の各界の皆さんと大いに力を合わせていきたいと思っております。

 きょうお話を伺いまして、お母さんが息子さんに、大好物が目玉焼きだったそうですが、これをまた一日も早くつくってあげられる日が来るようにしなければということで、意を強くしました。

 そこで、金英子さんに、こうやって日本の国会に来られて、ほぼもう二時間近く質疑をさせていただいているわけですが、そうしたお話をされて、我々の質問も聞かれる中で、どんな気持ちを今お持ちになっていらっしゃるか、一言で結構ですが、伺えればと思います。

金参考人(通訳) これまで隠されていたこと、そして表現することができなかったことをここに来て表現することができます。日本によってこうやって招かれてここに来ることができまして、これまでの苦しみ、痛みというものを表現することができております。皆様に感謝申し上げたいと思います。

 そして、最後に一つ申し述べたいことがございます。私たち家族、拉致被害者の家族、心を一つにしてこれから頑張っていきたいと思います。私たちが家族と再会できるように、会えるように、皆さんのさらなる御関心、そしてお力添えをお願い申し上げたいと思います。

笠井委員 ありがとうございました。

 家族の皆さん、本当にお体を大切になさって、そして希望を持って頑張っていただきたいと思います。私たちも全力を挙げたいと思います。

 ありがとうございます。

平沢委員長 次に、重野安正君。

重野委員 社会民主党の重野安正です。

 参考人各位におかれましては、本当にお忙しい中、わざわざ本委員会に御出席をいただきました。心から厚く御礼申し上げます。

 横田御夫妻はもとより、韓国からも、拉致行為による被害者の御家族とその家族会代表の方々に初めて参考人として御臨席いただきますことは、拉致問題が新たな局面に入ったということ、ますます国際的な重大問題として認識されつつあるということを明らかにしていると思います。

 横田御夫妻におかれましては、国内のみならず、問題の国際的認識を深めるために、アメリカに、また韓国にと、気力を振り絞って東奔西走され、心から敬意を表するものでございます。

 そこで、まず横田参考人にお尋ねいたします。

 拉致問題に関して、二〇〇二年九月十七日、いわゆる平壌宣言が発せられました。それにより解決への道筋が見え始めたのかな、このように期待をした国民、また関係者、たくさんおられたと思います。しかし今日、その後の状況の進展という点については非常に遅々としたものだと言わざるを得ません。

 まず、この現状について、重複するかもしれませんけれども、横田参考人の率直な気持ちを御開陳いただければありがたいと思います。

横田(滋)参考人 事件が発生してから三十年、それから、北朝鮮に拉致されたとわかってから十年、そして、まだそのときは拉致疑惑と言われておりましたが、はっきり金正日が拉致を認めてからも二年、約三年近くなるわけですから、余りにも解決が遅過ぎると思います。

 これを、例えば最初の事件が起きたときにもっと政府が力を入れていれば、後の事件も起きなかったかもしれませんし、それから、すべて亡くなっているという北朝鮮の主張が本当だとしても、それをもっと早いことやれば生存していたはずなんです。

 それは、昭和六十三年にも参議院で、国会で取り上げられておりまして、政府は、北朝鮮による拉致の疑いが濃厚であるというふうに答弁しておられますし、当時の外務大臣も、事実であれば断固たる措置をとるというふうにおっしゃっていまして、そこで強い態度に出れば随分情勢が変わってきたと思います。

 しかし、その当時は、北朝鮮がそんなことをするはずがないというような感じもあったのかもしれませんけれども、結局何の手だてもとらずに、国交正常化というのを主に考えた。もうそれは今さら言っても遅いわけですけれども、やはり政府の対応がちょっと遅過ぎたんじゃないかというふうには感じております。

横田(早)参考人 私たちは、いろいろなことを学ばせていただきました中で、やはり非常にこれは深い、根深い、歴史的な根深いものがずっとあって、日朝関係ですね、そして朝鮮総連の方々、たくさんお住まいになっています、在日の方もいろいろな方がいらっしゃると思います。日本の企業体、大きな立派な企業体、それから学校関係とか、警察はそんなことないと思いますが、いろいろな意味で、そういう大きな団体が日本の中にある、そういった中での北朝鮮とのいろいろな交流という中で、どうにもならないような、私たちにはわからないような、何かやみの世界があるのかなというのをよく町で、このごろ、国民の方々が、そういうことが何かあるからこのことがなかなか表に出せないんじゃないかとか、わからないんじゃないか、解決しないんじゃないか、はっきりと言えないんじゃないかというようなことを聞かれます。

 私たちはそんなことはわかりませんが、もしもそういうふうなことがあるとすれば、本当に悲しいことであります。それこそ本当に、私はいつも思っていますが、その企業の中にある方々、そして、こんなことが起きていてもなおそちらの方を優先して、いろいろなものを送っていくとか、そういうことが続けられていた結果、こういうことがいつまでも続いているのかなというふうに今ちょっと考えております。

重野委員 小泉総理の任期も迫ってまいりました。あと四カ月ということでありますが、一言、二回訪朝されて、そして今の状況があります。何をやってほしいか、一言だけ、ひとつお願いします。

横田(滋)参考人 北朝鮮に小泉総理が再々訪朝ということになりますと、それはまた、一人か二人の人を連れて帰ることはできるかもしれませんが、やはり、拉致が根本的に解決ということが見通しがついたときに行っていただきたいと思います、それを最後の仕上げとして。

 ですから、今であれば、ただ、いろいろな形でのメッセージを送ることは可能でございますので、やはり国会の答弁の中か何かで北朝鮮に、総理はいつも拉致問題の解決なしに国交正常化交渉の妥結はあり得ないということをおっしゃっていますけれども、そのことを機会あるごとに主張していただいて、北朝鮮側が拉致をいつまでも解決しなければもうどうにもならなくなるんだということを改めて考えるような発言をしていただきたいと思います。

重野委員 時間もございませんが、そこで、崔成龍参考人、また金英子参考人、先ほど退席をされました崔桂月参考人、本当に本日は御出席いただきましてありがとうございました。

 まず、崔成龍さんにお尋ねしますが、韓国政府は今、南北交流政策を進められております。来月、金大中前大統領が北朝鮮を訪問すると報じられておりますし、また、そういう中で拉北者の返還を要求していくとも報じられておりますが、貴家族会の基本的考え方、そして、今日まで韓国政府とどのような話し合いが持たれて、また、その中で韓国政府はどのような見解を表明されておられるか、その点についてお聞かせいただければありがたい。

崔(成)参考人(通訳) まず、金英男さんを拉致した犯人が韓国政府の庇護のもとに安穏と今暮らしています、金光賢という人が。

 そして、拉致犯のトップとも言える辛光洙については、二〇〇〇年九月、韓国政府が非転向長期囚六十三人を北朝鮮に送還する際に、辛光洙だけは絶対送還するなと強く要求しました。

 そして、当時は金大中大統領だったわけですけれども、金大中大統領が、非転向長期囚六十三人を北朝鮮に送還した後、国民の世論が悪化したことを受けて、国民に対する談話を発表し、元国軍捕虜そして拉北者の問題を自分の任期中に解決すると約束しました。

 金英男さんのことが明るみになったおかげで、韓国政府は、多分、大変立場が微妙になってきたと思います。金大中前大統領の北朝鮮訪問につきましても、我々家族は、任期内にその問題を解決するという約束を守れなかったわけですから、もう一回行って要求するのはいいと思います。ただ、拉致問題を解決するという、その前提なしに行ってもらうのは困るわけです。それは、我々家族としては決して許すことができません。

 金大中大統領任期中にあった北朝鮮とのさまざまな関連での、ちょっとお話がどうとられるかわかりませんけれども、余り不明瞭でないこと、そういったことを彼は行く前に我々に告白してから行くべきだと思います。そうしないと、我々拉致犠牲者団体は、力を合わせてそういうふうに要求をしていきたいというふうに思っております。

重野委員 貴重な意見を開陳していただきまして、本当にありがとうございました。

 今後ともますます御健勝でありますようにお祈り申し上げます。

 ありがとうございました。

平沢委員長 この際、申し上げます。

 崔桂月参考人の体調が回復いたしましたので、崔桂月参考人に改めて委員会に御出席をいただきます。

 この際、崔桂月参考人から発言を求められておりますので、これを許します。

崔(桂)参考人(通訳) 皆様、国会議員の皆様、私の末息子にぜひ生きて会ってみたいと思います。生きている間、私の末息子にぜひ会わせてください。皆さん、お力添えお願いします。(拍手)

平沢委員長 崔桂月参考人、ありがとうございました。

 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして心より厚く御礼申し上げます。

 特に、崔桂月参考人は、必ずしも体調がすぐれない中、御出席をいただきました。くれぐれもお大事にしていただきますようお願いいたしたいと思います。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時十五分散会


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