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第3号 平成26年11月14日(金曜日)

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平成二十六年十一月十四日(金曜日)

    午前九時二十一分開議

 出席委員

   委員長 平沢 勝栄君

   理事 土井  亨君 理事 原田 義昭君

   理事 山口 泰明君 理事 義家 弘介君

   理事 大島  敦君 理事 青柳陽一郎君

   理事 上田  勇君

      池田 佳隆君    石崎  徹君

      岩田 和親君    金子 恵美君

      佐々木 紀君    斎藤 洋明君

      高木 宏壽君    古屋 圭司君

      細田 健一君    寺島 義幸君

      笠  浩史君    三木 圭恵君

      竹内  譲君    三宅  博君

      中島 克仁君    笠井  亮君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (拉致問題担当)     山谷えり子君

   衆議院調査局北朝鮮による拉致問題等に関する特別調査室長          木下 一吉君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十四日

 辞任         補欠選任

  新開 裕司君     岩田 和親君

  高木  毅君     佐々木 紀君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     新開 裕司君

  佐々木 紀君     高木  毅君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 北朝鮮による拉致問題等に関する件

 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律の一部を改正する法律案起草の件


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     ――――◇―――――

平沢委員長 これより会議を開きます。

 北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。

 この際、政府担当者の平壌派遣に関しまして政府から報告を聴取いたしたいと思います。岸田外務大臣。

岸田国務大臣 先般の政府担当者の平壌派遣について御報告申し上げます。

 北朝鮮の特別調査委員会による調査については、九月末に瀋陽で行われた日朝外交当局間会合において、北朝鮮側からは、調査は初期段階であり、日本人一人一人に関する具体的な調査結果を通報できる段階にないとの説明がありました。

 我が国としてこのような説明は容認できず、拉致問題こそが最重要課題であるとのこれまで北朝鮮側に繰り返し伝えてきた日本政府の立場を、直接、特別調査委員会の責任者に明確に伝え、調査の現状について詳細を聴取するとともに、北朝鮮が迅速に調査を行い、その結果を速やかにかつ正直に通報することを強く求めるため、訪朝するとの決定をいたしました。

 今回の訪朝を見送れば、交渉の重い扉をやっとあけたばかりであるにもかかわらず、再び交渉が途切れてしまうかもしれないとのリスクもありました。

 残念ながら、事前に判明していたとおり、拉致被害者の方々の安否情報や消息等についての具体的情報を得ることはできませんでしたが、今回訪朝を行ったことにより、拉致問題の解決に向けた日本の強い決意を北朝鮮の最高指導部に伝えることができ、北朝鮮側からは、過去の調査結果にこだわることなく、新しい角度から調査を深めていく、特殊機関に対して徹底的に調査を行うとの説明があったなど、派遣した意味はあったと考えます。

 拉致問題は安倍政権にとって最重要課題です。引き続き、全ての拉致被害者の帰国に向けて、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、全力を尽くしてまいります。

 以上です。

平沢委員長 次に、山谷拉致問題担当大臣・国家公安委員会委員長。

山谷国務大臣 先般の政府担当者の平壌派遣について御報告申し上げます。

 先月に行った政府担当者の平壌派遣は、北朝鮮側から、九月末に行った日朝外交当局間会合において、調査は初期段階であり、日本人一人一人に関する具体的な調査結果を通報できる段階にないとの説明がなされたことを受け、拉致問題が最優先課題であるとの日本政府の立場や日本国内の厳しい意見、受けとめ方を、直接、特別調査委員会の責任者に明確に伝え、北朝鮮が迅速に調査を行い、その結果を速やかにかつ正直に通報することを強く求めつつ、調査の現状について詳細を聴取するため、決定したものです。

 今回の訪朝には、拉致問題対策本部及び警察庁からも担当者を派遣いたしました。この訪朝によって、我が国として拉致問題が最重要であり、拉致以外の問題がいかに進展しても、拉致問題で進展がなければ日本は評価しないことを、直接、特別調査委員会の責任者に伝えたほか、北朝鮮からは、過去の調査には不十分な面があったことから、その結果にこだわることなく、新しい角度から調査を深めていくこと、特殊機関に対しても徹底的に調査を行うことなどの説明があり、派遣した意味はあったと考えます。

 拉致問題は安倍政権にとって最重要課題です。また、北朝鮮に残されている拉致被害者の方々の心情や健康状態、そして、肉親との再会を切なる思いでお待ちの御高齢の御家族の心痛を察すると、もはや一刻の猶予も許されません。今回の訪朝につきましては、御家族を初めとする関係者から厳しい意見もいただいているところではございますが、そのような声も踏まえながら、引き続き、全ての拉致被害者の帰国に向けて、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、全力を尽くしてまいります。

平沢委員長 以上で報告は終わりました。

     ――――◇―――――

平沢委員長 この際、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきまして議事を進めます。

 本件につきましては、先般来理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ましたので、本起草案の趣旨及び概要について、委員長から御説明させていただきます。

 本案は、拉致被害者等給付金について、現在の受給者に対する支給期限が平成二十七年三月に到来すること、帰国した拉致被害者が今後退職年齢に達する中で、長期間の拉致により貯蓄等が十分でないこと、また、今後の新たな拉致被害者の帰国に向けた準備に遺漏なきを期する必要があること等に鑑み、永住被害者及び永住配偶者の老後における所得を補完しその良好かつ平穏な生活の確保に資する等のため、老齢給付金の支給等の施策を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、本法の目的に、永住被害者及び永住配偶者の老後における所得を補完しその良好かつ平穏な生活の確保に資するため、老齢給付金等の支給その他の必要な施策を講ずることを追加することとしております。

 第二に、永住被害者、永住配偶者等の必要な定義規定を置くこととしております。

 第三に、滞在援助金の支給対象に、帰国し、または入国した被害者の配偶者、子及び孫を加えることとしております。

 第四に、国は、永住被害者または永住配偶者であって六十歳以上であるもの等に対し、老齢給付金を、毎月、支給すること等としております。

 第五に、国は、永住配偶者であってその配偶者である被害者が六十五歳に達した後に死亡したもの等に対し、配偶者支援金を、毎月、支給することとしております。

 第六に、国は、国民年金法の規定による老齢基礎年金等の支給開始年齢に達した日の属する月の翌月以降に帰国し最初に本邦に住所を有するに至った被害者に対し、当該被害者の請求により、その間の老齢基礎年金等の額に相当する額の特別給付金を支給することとしております。

 第七に、国は、帰国し、または入国した被害者の子が国民年金法の特例として政令で定めるところにより保険料を納付しようとするときは、当該被害者の子に対し、追納支援一時金を支給することができることとしております。

 第八に、国は、拉致被害者等給付金の支給開始のときから十年を経過した永住被害者または永住配偶者であってその生活基盤の再建または構築が不十分なものについて、十年を超えて拉致被害者等給付金の支給を行うことが特に必要であると認めるときは、当該拉致被害者等給付金の支給開始のときから十五年を限度として、拉致被害者等給付金の支給を行うことができることとしております。

 なお、この法律は、平成二十七年一月一日から施行することとしております。

 以上が、本案の提案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

平沢委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。山谷拉致問題担当大臣。

山谷国務大臣 本法律案の御提案に当たり、委員長及び委員各位の払われた御努力に深く敬意を表するものであります。

 政府といたしましては、既に帰国されている拉致被害者及びその家族の方々を含め、北朝鮮当局によって拉致された被害者等が置かれている状況に鑑み、本法律に異存はございません。

 御可決いただきました暁には、その御趣旨を踏まえて適正な運用に努め、拉致被害者等の支援になお一層の努力をしてまいる所存でございます。

平沢委員長 お諮りいたします。

 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平沢委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出法律案とするに決しました。

 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時三十一分散会


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