衆議院

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第2号 平成28年3月30日(水曜日)

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平成二十八年三月三十日(水曜日)

    午後零時二十五分開議

 出席委員

   委員長 今津  寛君

   理事 木原  稔君 理事 斎藤 洋明君

   理事 中山 泰秀君 理事 細田 健一君

   理事 菊田真紀子君 理事 村岡 敏英君

   理事 上田  勇君

      あべ 俊子君    池田 佳隆君

      石崎  徹君    大西 宏幸君

      小島 敏文君    今野 智博君

      長尾  敬君    根本 幸典君

      原田 義昭君    藤原  崇君

      中島 克仁君    平野 博文君

      松原  仁君    桝屋 敬悟君

      笠井  亮君    松浪 健太君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 河野 太郎君

   国務大臣

   (拉致問題担当)     加藤 勝信君

   内閣府副大臣       高鳥 修一君

   外務副大臣        武藤 容治君

   内閣府大臣政務官     高木 宏壽君

   外務大臣政務官      浜地 雅一君

   外務大臣政務官      山田 美樹君

   衆議院調査局北朝鮮による拉致問題等に関する特別調査室長          大町  寛君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十八日

 辞任         補欠選任

  青柳陽一郎君     村岡 敏英君

同月三十日

 辞任         補欠選任

  金子めぐみ君     藤原  崇君

  辻  清人君     今野 智博君

同日

 辞任         補欠選任

  今野 智博君     辻  清人君

  藤原  崇君     金子めぐみ君

同日

 理事青柳陽一郎君同月二十八日委員辞任につき、その補欠として村岡敏英君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 北朝鮮による拉致問題等に関する件


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     ――――◇―――――

今津委員長 これより会議を開きます。

 理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今津委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に村岡敏英君を指名いたします。

     ――――◇―――――

今津委員長 北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。

 この際、加藤拉致問題担当大臣、岸田外務大臣及び河野国家公安委員会委員長から、それぞれ所信を聴取いたします。加藤拉致問題担当大臣。

加藤国務大臣 拉致問題担当大臣の加藤勝信でございます。

 拉致問題をめぐる現状について御報告申し上げます。

 北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であると同時に、拉致された方々の貴重な未来、多くの夢を断絶し、家族とのかけがえのない時間を引き裂く、人権、人道上のゆゆしき問題であります。

 拉致問題は安倍内閣の最重要課題であり、また政府の責任において最優先で取り組んでいくべき課題であります。対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保と即時帰国、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引き渡しの実現のため、あらゆる努力を傾注してまいります。

 北朝鮮が特別調査委員会による調査を開始してから一年半以上が経過しても拉致問題に何ら進展がなく、甚だ遺憾な状態が続いております。

 このような中、北朝鮮は核実験を行い、その後さらに弾道ミサイルの発射を強行しました。これら一連の行為は、我が国の安全に対する直接的かつ重大な脅威であり、断じて容認できません。

 こうした状況を踏まえ、政府としては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決のために我が国がとるべき最も有効な手段は何かという観点から、我が国独自の対北朝鮮措置を決定しました。

 これに対して、北朝鮮が、特別調査委員会による日本人の調査を全面的に中止し、同委員会を解体すると宣言したことは、断じて受け入れることはできません。

 政府としては、拉致問題の解決に向けた対話を継続し、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向け、全力を尽くしてまいります。

 拉致問題の解決のためには、国際社会との連携が重要です。

 国連を中心とした国際社会において、北朝鮮の人権状況の改善を求める機運はこれまでになく高まっています。国連総会では、安全保障理事会に対し、北朝鮮の事態を国際刑事裁判所に付託することの検討を通じ適切な行動をとることを促す厳しい内容の決議が、圧倒的な賛成多数で採択されています。安全保障理事会でも、拉致問題を含む北朝鮮の状況が二年連続で議論されております。

 そして、先般、北朝鮮に対する制裁を大幅に強化する新たな安保理決議が採択されましたが、同決議は、安全保障上の懸念とともに、国際社会の有する人道上の懸念に北朝鮮が対応する重要性を強調しており、この人道上の懸念には拉致問題も当然含まれております。

 私は、国連を中心とするこのような一連の動きを生み出すイニシアチブをとられてきたマルズキ・ダルスマン国連北朝鮮人権状況特別報告者と本年一月に面会し、拉致問題を初めとする北朝鮮の人権侵害問題の解決について、互いの協力を約しました。そして、今般、国連人権理事会において、同特別報告者の報告書を踏まえて我が国がEUと共同提出した、北朝鮮における人道に対する犯罪の責任追及を求める強い内容の決議が採択されました。

 今後とも、国際社会との連携強化に取り組んでまいります。

 また、拉致問題の解決のためには、日本国民が心を一つにして、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現への強い意思を示すことが肝要であり、拉致問題に関する啓発活動にも力を入れて取り組んでおります。昨年十二月の北朝鮮人権侵害問題啓発週間において、内外の有識者を招き国際シンポジウムを開催したほか、全国各地で集会や映画、舞台劇を実施するとともに、啓発セミナーや授業を行うなど、さまざまな広報啓発活動に取り組んでおります。

 北朝鮮に残されている拉致被害者の方々の心情や健康状態、そして、肉親との再会を切なる思いでお待ちの御高齢の御家族の心痛を察すると、もはや一刻の猶予も許されません。関係各方面の御意見にしっかりと耳を傾けながら、全ての拉致被害者の即時帰国に向け、全力を尽くしていく所存であります。

 今津委員長を初め理事、委員の皆様の御理解、御協力を心よりお願い申し上げます。

今津委員長 次に、岸田外務大臣。

岸田国務大臣 衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、最近の北朝鮮をめぐる状況について御報告いたします。

 北朝鮮による核・ミサイル開発は、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうと同時に、日朝平壌宣言や六者会合共同声明及び累次の国連安保理決議の明白な違反です。

 北朝鮮が、本年一月に核実験を、二月に弾道ミサイルの発射を強行したことは、我が国の安全に対する直接的かつ重大な脅威であり、断じて容認できません。我が国は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するため、独自の措置を決定しました。

 また、今般、制裁を大幅に強化する新たな安保理決議が全会一致で採択されたことは、我が国を初めとする各国独自の措置と相まって、国際社会が一致して北朝鮮に対する断固たる姿勢を示したものです。

 しかし、北朝鮮は、依然として核・ミサイル開発を放棄する姿勢を示すことなく、弾道ミサイルの発射を含め、挑発的な言動を繰り返しています。

 引き続き、米国、韓国等と緊密に連携しつつ、北朝鮮に対し、挑発行動を行わず安保理決議を誠実かつ完全に実施するよう、強く求めていきます。同時に、決議の実効性を確保するため、関係国とも緊密に連携し適切に対応していきます。

 日朝関係については、引き続き、日朝平壌宣言に基づき、諸懸案の包括的な解決に向けて取り組んでいく考えです。拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、国の責任において解決すべき、安倍政権の最重要課題です。

 北朝鮮との交渉に当たっては、従来から、対話と圧力、行動対行動の原則に基づいて臨んでいます。我が国は、拉致問題は解決済みとしていた北朝鮮との間でかたく閉ざされていた交渉の扉を開き、一昨年五月の日朝政府間協議において、北朝鮮に、拉致被害者を初めとする全ての日本人に関する包括的かつ全面的な調査を約束させました。

 しかし、いまだに拉致被害者の帰国が実現していないことはまことに遺憾です。さらに、我が国が独自の対北朝鮮措置を決定したことに対し、北朝鮮が全ての日本人に関する包括的な調査を全面中止し特別調査委員会を解体すると宣言したことは、全く受け入れられません。北朝鮮に対して、極めて遺憾である旨を伝え、厳重に抗議しました。

 政府としては、北朝鮮に対して厳しい圧力をかけながら、同時に、対話の窓口を我が国から閉ざすことなく、引き続き、ストックホルム合意に基づき、拉致問題の解決を目指します。一日も早く全ての拉致被害者の帰国を実現し、御家族の皆様との再会という積年の思いを遂げるため、あらゆる努力を傾注する決意です。

 同時に、拉致問題は、基本的人権の侵害という、国際社会全体の普遍的問題です。政府としては、二国間の協議や国際会議等あらゆる機会を捉え、各国に対し拉致問題を提起し、協力を要請してきています。例えば、本年三月の欧州訪問の機会にも、自分から、拉致問題について各国の理解と協力を求めました。

 また、昨年十二月には国連総会において、本年三月には人権理事会において、我が国がEUと共同で提出した強い内容の北朝鮮人権状況決議が採択されました。さらに、昨年十二月には、北朝鮮の状況に関する安保理会合において、拉致問題の早期解決を訴えました。こうした取り組みもあり、新たな安保理決議は、北朝鮮の人権、人道問題に関する言及がこれまでより強くなっています。

 拉致問題の早期解決に向け、私自身、あらゆる努力を傾注することをお約束するとともに、関係国及び国連とも一層連携しながら、北朝鮮に具体的行動を求めていきます。

 今津委員長を初め理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。

今津委員長 次に、河野国家公安委員会委員長。

河野国務大臣 国家公安委員会委員長の河野太郎でございます。

 拉致問題に関する警察の取り組みについて御報告申し上げます。

 北朝鮮による拉致容疑事案は、我が国の主権を侵害し、国民の生命身体に危険を及ぼすとともに、被害者やその御家族に耐えがたい苦痛を与える許しがたい犯罪であり、治安上極めて重大な問題であります。

 現在、警察においては、日本人が被害者である拉致容疑事案及び朝鮮籍の姉弟が日本国内から拉致された事案、計十三件十九人を拉致容疑事案と判断するとともに、拉致の実行犯等として、北朝鮮工作員等、計十一人について、逮捕状の発付を得て国際手配をしているところです。

 また、これらの事案以外にも、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案があるとの認識のもと、関係機関と緊密な連携を図りつつ、鋭意所要の捜査や調査を進めております。

 今後とも、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するため、拉致容疑事案等の全容解明に向けて徹底した捜査及び調査を推進してまいります。

 また、本年に入り、北朝鮮が核実験及び弾道ミサイルの発射を強行したことは、我が国の安全に対する直接的かつ重大な脅威であり、断じて容認できません。

 我が国は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するため、独自の対北朝鮮措置の実施を決定しました。

 警察では、これまでも、対北朝鮮措置の実効性を確保するため、同措置に係る違法行為の取り締まりを推進してきたところですが、今後とも、関係機関と緊密な連携を図りつつ、厳格な取り締まりを徹底してまいります。

 警察は、拉致問題対策本部事務局や外務省等関係機関と緊密に連携し、政府全体としての取り組みにしっかり貢献してまいります。

 今津委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

今津委員長 以上で各大臣の所信表明は終わりました。

 次に、高鳥内閣府副大臣、武藤外務副大臣、高木内閣府大臣政務官、浜地外務大臣政務官及び山田外務大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。高鳥内閣府副大臣。

高鳥副大臣 内閣府副大臣の高鳥修一でございます。

 先ほど加藤大臣からお話がありましたように、拉致問題は我が国の国家主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であります。全ての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現すべく、高木政務官とともに加藤大臣を補佐し、全力で取り組んでまいる所存です。

 今津委員長を初め理事、委員の皆様の御指導をよろしくお願い申し上げます。

今津委員長 次に、武藤外務副大臣。

武藤副大臣 外務副大臣を拝命いたしました武藤容治でございます。

 拉致被害者の御家族の皆様は御高齢となっており、一日も早く御家族との再会を実現することが不可欠です。

 外務副大臣として、岸田外務大臣を補佐し、全ての拉致被害者の帰国に向けて全力を尽くす所存です。

 今津委員長を初め理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。

今津委員長 次に、高木内閣府大臣政務官。

高木大臣政務官 内閣府大臣政務官の高木宏壽でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。

 拉致問題の早期解決に向けて、加藤大臣、高鳥副大臣を補佐して、全力で取り組んでまいります。

 今津委員長を初め理事、委員の皆様の御指導、御協力、よろしくお願いいたします。

今津委員長 次に、浜地外務大臣政務官。

浜地大臣政務官 外務大臣政務官を拝命しております浜地雅一でございます。

 拉致問題は、基本的人権の侵害という国際社会の普遍的な問題でございます。外務大臣政務官として、岸田外務大臣を全力で補佐し、拉致問題の早期解決に向けた国際的な機運を高めるため、全身全霊をかけて取り組んでまいります。

 今津委員長を初め理事、委員の皆様方の御支援と御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。

今津委員長 次に、山田外務大臣政務官。

山田大臣政務官 外務大臣政務官を拝命いたしました山田美樹でございます。

 外務大臣政務官として、あらゆる機会を捉えて各国に拉致問題を提起し、国際社会の理解と協力を得るべく、岸田外務大臣を補佐して、全力で取り組んでまいる所存です。

 今津委員長を初め理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。

今津委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十一分散会


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