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第1号 平成18年4月7日(金曜日)

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平成十八年四月七日(金曜日)

    午前九時十一分開議

 出席委員

  経済産業委員会

   委員長 石田 祝稔君

   理事 今井  宏君 理事 新藤 義孝君

   理事 平田 耕一君 理事 増原 義剛君

   理事 吉川 貴盛君 理事 近藤 洋介君

   理事 達増 拓也君 理事 上田  勇君

      上野賢一郎君    小此木八郎君

      岡部 英明君    片山さつき君

      北川 知克君    近藤三津枝君

      清水清一朗君    塩谷  立君

      平  将明君    長崎幸太郎君

      野田  毅君    橋本  岳君

      早川 忠孝君    牧原 秀樹君

      松島みどり君    武藤 容治君

      望月 義夫君    森  英介君

      山本 明彦君   山本ともひろ君

      大畠 章宏君    北神 圭朗君

      後藤  斎君    佐々木隆博君

      田名部匡代君    野田 佳彦君

      松原  仁君    三谷 光男君

      高木 陽介君    塩川 鉄也君

      武田 良太君

  国土交通委員会

   委員長 林  幹雄君

   理事 衛藤征士郎君 理事 中野 正志君

   理事 望月 義夫君 理事 吉田六左エ門君

   理事 渡辺 具能君 理事 長妻  昭君

   理事 三日月大造君 理事 高木 陽介君

      赤池 誠章君    石田 真敏君

      遠藤 宣彦君    小里 泰弘君

      小野 次郎君    大塚 高司君

      鍵田忠兵衛君    金子善次郎君

      亀岡 偉民君    北村 茂男君

      後藤 茂之君    坂本 剛二君

      清水鴻一郎君    島村 宜伸君

      杉田 元司君    鈴木 淳司君

      薗浦健太郎君    田村 憲久君

      冨岡  勉君    長島 忠美君

      葉梨 康弘君    松本 文明君

      盛山 正仁君    矢野 隆司君

      若宮 健嗣君    小宮山泰子君

      古賀 一成君    下条 みつ君

      高木 義明君    土肥 隆一君

      長安  豊君    馬淵 澄夫君

      森本 哲生君    伊藤  渉君

      斉藤 鉄夫君    穀田 恵二君

      日森 文尋君    糸川 正晃君

    …………………………………

   経済産業大臣       二階 俊博君

   国土交通大臣       北側 一雄君

   経済産業副大臣      西野あきら君

   経済産業大臣政務官    片山さつき君

   国土交通大臣政務官    石田 真敏君

   国土交通大臣政務官    後藤 茂之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  小滝  晃君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通審議官)       迎  陽一君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    望月 晴文君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         柴田 高博君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  谷口 博昭君

   経済産業委員会専門員   熊谷 得志君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案(内閣提出第三二号)


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     ――――◇―――――

石田委員長 これより経済産業委員会国土交通委員会連合審査会を開会いたします。

 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。

 内閣提出、中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案を議題といたします。

 本案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付してあります資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。

新藤委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の新藤義孝でございます。

 私は、自民党を代表いたしまして、ただいま案件となりました法案の質疑について行わせていただきたいと思います。

 きょうは、何かちょっといろいろ国会の中も騒がしいようでございますが、みんなで気を落ちつけてしっかりとこの審議をやっていきたい、このように思っております。

 本日の連合審査は、この中心市街地活性化法のねらいというものが、商業の活性化に加えてまちづくりを総合的かつ一体的に推進する、こういうねらいがあるということでありますから、その観点からすると非常に有意義な連合審査になったんじゃないかな、このように思っております。

 そして、現行の中心市街地活性化法、平成十年に制定されております。これまでに約六百九十の市街地活性化基本計画が作成されて、多くの市町村で実施されました。しかし、全国の中心市街地の現況というものはまことに厳しいものがある、憂慮する事態だと私は承知しております。

 例えば、平成九年度と十五年度を対比した総務省の中心市街地活性化に関する行政評価というのがございますが、これによりますと、全人口に占める中心市街地の人口割合が、全国約七〇%の市町村で減少している、こういう傾向が報告されております。また、中心市街地の商店数ですとか商品販売額等々の統計指標においても減少が見えるわけでございまして、まさに商店街はシャッター通り化、なりつつある、進んでいる、そしてまた中心市街地の衰退は進んでいる、こう言わざるを得ないわけでございます。

 こういう背景を踏まえて、私ども自民党といたしましても、まちづくり三法の見直しのワーキングチームというものをつくって検討し、またいろいろな提言をしてまいりました。今回、この提言等も踏まえまして、政府から中心市街地活性化法及び都市計画法の改正案を提出したわけでございます。

 まず、どうしてこういう事態に至ったのか、これまでの中心市街地をめぐる制度の反省点、そしてまた今回の法改正においてどういう改善をしようとしているのか、二階経済産業大臣及び北側国土交通大臣から、簡単で結構ですので、総括的にまず見解をお願いしたいと思います。

二階国務大臣 中心市街地活性化法の審査に当たりまして、本日、連合審査を開催いただきまして北側国土交通大臣にも御出席をいただいておりますが、私ども、国土交通省と経済産業省、相協力して、今度こそという思いでしっかり取り組んでまいりたいという決意をまず申し上げておきたいと思います。

 まちづくり三法の制定後、中心市街地は、一部の例外を除き、先ほど議員から御指摘のとおり、全体的には厳しい状況が続いておることは事実であります。これは、その後の経済状況が厳しかったということが大きな原因の一つであろうと思いますが、同時に、各地域の取り組みも必ずしも十分でなかった面もあるのではないかと考えております。

 商業の活性化のみならず、まちづくり全体をより一体的に進める必要があったものと今反省をしておるところであります。例えば、居住地を町中に呼び戻すことや、学校、病院などのいわゆる公的な施設、都市機能を中心市街地に集約することなどへの取り組みをさらに強化し、努力する必要があると考えております。

 このため、改正法案では、地域の方々の御協力をいただきながら、町全体を活性化する意欲的な取り組みを政府が一丸となって集中的に後押しをするということであります。特に、経済産業省としましては、活性化の成功事例百選というものを今つくりつつあります。恐らく連休の後ぐらいには両委員会の先生方にもごらんに入れることができるようになろうと思います。そして、その成功事例をごらんになりながら、我々の町、私たちの町でもこの程度のことは努力次第ではできるではないかということをお考えいただくと同時に、私ども経済産業省の出先の職員も総動員しまして、机に座っておって商店街を指導するなんということを言ってないで、みずから現場へ出ていって、お邪魔にならなければ一週間ぐらいはお手伝いをするぐらいの気持ちで、法律に述べておることとみずからが行動することとをやはり一致させなきゃだめだということを、けさも関係幹部によく注意してきたところであります。

 私ども、そうした面で、早稲田商店会の代表も国会に籍を置くようになっておるわけでありますから、そうした関係者とも十分議論して、なるほどということをわかってもらえるように、経済産業省、国土交通省の御理解をいただきながら取り組んでまいることを御答弁申し上げたいと思います。

北側国務大臣 国土交通大臣の北側でございます。よろしくお願いいたします。

 平成十年のまちづくり三法が十分機能しなかったのではないか、その反省点でございますけれども、幾つかあると思っております。

 大きな要因だけお話ししたいと思いますけれども、一つは、やはり中心市街地を生活空間として十分位置づけなかったのではないかというふうに思うんです。商業をいかに振興させていくかというところにむしろ重点があって、そこが生活空間であるという位置づけが必ずしも十分ではなかったというふうに思っております。

 それと関連いたしますが、二点目に、やはり町というのは人が住まないとにぎわいは出てこないというふうに思うわけでございます。我々は町中居住と言っておりますが、そうした町中居住を維持し、また進めていく、そうした対策が不十分であったというふうに反省をしておるところでございます。中心市街地に人が住んでいない、さらには、中心市街地の商店街の方までが郊外に住んでいらっしゃって、朝、通勤して自分の商店にやってこられる、これではやはり中心市街地のにぎわいは取り戻せないというふうに私は思います。

 三点目に、今は非常に交通が発達をしまして、人の動きが広域にわたっております。そういう中で、例えば、ある市が一生懸命、都市計画をしっかりやる、そして大規模店舗についても立地を規制していくというふうなことを仮にやったとしても、隣接する市で、その辺が大規模店舗がどんどんできてしまったら、その立地規制をしている市にとってはそうした効果が全く出てこないわけですね。そういう意味で、やはりこれからの都市計画、まちづくりというのは、もちろん中心は市町村でございますけれども、広域的な調整というのがやはり必要である。そういう面で、広域的な観点からの適正立地を図っていくというふうな機能が必ずしも十分ではなかったのではないか、こういった点を反省しているところでございます。

 今、二階大臣からお話がございましたように、中心市街地に都市機能が集積されるように、また町中居住が進むような支援策をしっかり経産省と連携をとってやらせていただきたい。

 また、都市計画という観点からは、大規模集客施設については、これまでは広い地域で立地が可能であったわけでございますけれども、これからは、その土地利用の原則を逆転させまして、立地を一たん制限した上で、仮に立地をしていこうとするならば、地元の、地域の都市計画の手続を通じて広域的な観点から適正立地を図っていく、こういう手法にぜひ転換をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。

新藤委員 ありがとうございました。

 平成十年に制定されたときも、この中心市街地というのは大切だよ、こういうことだったんですが、それ以降、少子高齢化という国の大きな流れがさらに加速されてきたわけです。ですから、この少子高齢化の時代においては、今度は、便利で、身近なところで、町中でいろいろな機能が果たせる、そういう町中居住というのはとても大切になってくる、私もそう思っておりまして、ますますこれは時代の要請にのっとった中心市街地の活性化だ、こういうことで、両大臣、ぜひ御指導を今後ともよろしくお願い申し上げたいというふうに存じます。

 そして、そういう中で、私、きょうは二十分しかございませんで、もう半分終わってしまいましたので、あとは少し具体的な話、三点お伺いしたいと思っています。

 まず、中心市街地活性化のスキームは、民間の支援、それから市町村の支援、そして国の支援と、それぞれ大きく分けると三つに分かれているんじゃないかな、こういうふうにも思うんです。

 まず第一に、民間の支援スキームとして、今までの現行で何が問題だったのか。いろいろあると思いますけれども、一番やはり問題なのは、民間の中心市街地活性化を進める推進役、この位置づけが、また役割がはっきりしていなかったんじゃないかと私は思っているんです。

 そして、今までの中心市街地活性化の推進役というのはTMOと言われるものでした。でも、TMOというのは法定機関ではありませんし、まさに商店街の高度化を図るような構想を立てなさいと。そういう意味において、共同駐車場の整備だとかモール、歩道の舗装ですとか、そういう個々の事業においては効果を上げたと思うんですけれども、まちづくり全体としての取り組みという意味においては、これはもう全く力が弱かったと言わざるを得ない。TMOの構想が四百七件、計画も二百二十五件あったというんですけれども、やはりこのTMOだけでは難しかった。まちづくりは総合力なんだという意味において、民間の推進組織というものをしっかり組織していかなきゃいけないんじゃないか、こういうふうに思っているんです。

 今回の法改正におきましては、中心市街地活性化協議会というものを法定化して置こう、こういう取り組みがあるわけです。ですから、TMOの反省点と、それを踏まえて今回の市街地活性化協議会、どういう改善がなされているのか。本当に短くていいですから、答えてください。

迎政府参考人 TMOにつきましては、中小商業の活性化を中心に担うということで、御指摘のように、まさにまちづくり全体を担う主体としての位置づけがなかった。それで、メンバーにつきましても商業関係に偏っていたわけでございますけれども、新しい中心市街地活性化協議会におきましては、商業活性化を推進する方それから都市機能増進を推進する方が共同で組織をする、それで、開発関係の方、地権者、そういった幅広いメンバーを構成メンバーとするということで考えております。

 さらに、法律上の位置づけといたしましても、市町村が基本計画を作成する場合には中心市街地活性化協議会の意見を聞いた上でつくる、あるいは、その基本計画の実施の段階においても協議会が適時意見を述べるというふうなことで法律上もきちっと位置づけて、しっかりした中核推進機関にしていきたいということでございます。

新藤委員 結構なことだと思うんですが、先ほど大臣からも御答弁がありましたように、TMOにまちづくり機能が弱かった、そして、中心市街地活性化の精神の中に商業活性化はきちんとしていたけれども、全体の町ぐるみでの取り組みというのが欠けていたんじゃないか、生活空間としての位置づけというのが弱かったんじゃないか、こういうお考えがありました。

 その意味において、市街地活性化協議会のメンバーとして、まちづくり会社だとか市街地推進機構だとか、いろいろ既存のものもございます、そういうものをしっかりと入れてもらいたい。これはもう答弁は結構ですから、そこをよく反省して改善してもらいたい、このように思います。

 それから、今お答えをいただきましたけれども、今度はもう一つのポイントとして、市町村の取り組み、市町村のスキーム。

 これも、今までの取り組みというのは、市町村がつくる中心市街地活性化基本計画というのは、まさに自治体と商工会議所だとかそういうところがつくっていたんですが、これは任意なんですね。ですから、やはり拘束力が弱かった、実行力が弱かったという意味において、この中心市街地活性化基本計画、今度は国による認定を行うんだ、こういうことでございます。

 それから、今もう答えてもらっちゃったから質問しませんけれども、ですから、今までは民間の意見はこの活性化基本計画には入らなかったわけですね、純粋な民間というのは。だから、それを今度は、市街地活性化協議会のメンバーも意見を言って、そして市町村とやりとりをする。こういう意味において非常にこれは期待をできると思うんだけれども、ここで大切なのは、結局、組織をつくっても、最後は人なんですよね。ですから、そこに、いかにやる気を持って能力のある人間を確保すること、これが私は大切だと思うんです。過去のTMOを見ると、一TMO当たりの平均配置人数が三・二人、そして専任従事者を一人も置いていないTMOが六割にも上っている、こういうような反省もあります。

 ですから、この活性化協議会をきちんと動かしていくためには有能な人材を確保しなければいけない。そういう工夫が今回なされているのかどうなのか、そこをちょっと確認しておきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 全国で現在でも中心市街地が活性化している数少ない幾つかの例を見ますと、必ずと言っていいほど、まちづくりに執念を燃やすリーダーが常駐をして、継続的な活動が行われております。

 御指摘のとおり、中心市街地の活性化には、地域の実情に応じました独創的なアイデアを実現する熱意あるまちづくりの担い手が必要だと思っております。そのためには、地域に根差して、地域を愛する人材による取り組みが不可欠であるというふうに認識をいたしております。

 私どもといたしましては、今回、まちづくりのリーダーとなる常駐型のタウンマネジャーの活動経費を補助するような支援策なども新設をいたしまして、市街地活性化協議会のキーマンとなるようなまちづくりの担い手づくりに努めていきたいというふうに考えております。

新藤委員 中心市街地支援措置ということで、この十八年度の予算化の項目を見てみると、いろいろあります。診断サポートだとかアドバイザーを派遣するとか、また業務委託事業というのもありますね。あるけれども、結局、時々お邪魔して講演をしたりアドバイスをする、これは、お手伝いにはなりますけれども、推進役にはならないんですよね。やはりそこにどっぷりつかって、一つの事業が始まりから終わるまで地元の人間と一緒になってやらなきゃいけない。

 それから、別に外から連れてくる必要はないので、地元に、建築家だとか、やはりまちづくりに大変関心を持っている人はたくさんいるんですよ。だけれども、その人たちには権限がないわけ。だから、人材を確保する意味において、例えばそういう人材をプールしておくことも必要だと思うし、それから、人件費になりますけれども、十分なこういう財政支援措置というのはしっかり考えてもらわなきゃいけない、このことも指摘をしたいと思います。

 本当はちょっといろいろやりとりしたいんだけれども、時間がなくなってきましたから、ここが一番ポイントだと思いますので、これからも我々はしっかり監視していきたいと思います。

 それから、今までは民間の支援スキームそれから自治体の支援スキーム、最後は国の支援スキーム、このことについてちょっと提案というか御指摘したいと思います。

 今回、国は中心市街地活性化本部というものをつくる、そして、総理大臣を本部長として、まちづくりの政府のチームをつくるんだ、こういうことで、これは、今までどうしてやっていなかったのかしらと思うのでございますが、非常によろしいことではないかなと期待をしております。

 でも一方で、私どもは今、行革をするんだ、こういうことで、行革推進を一生懸命やろうということでやっているわけでございます。そうなると、政府の中に何々本部というのは一体幾つあるのか、そして、今回また新たに対策本部をつくるとなるとそこに人員と予算が行くということになると、これは行革の精神からいうと大丈夫なのかなということになります。

 ですから、既存の政府内にあるいろいろな本部を、組織をしっかりと有効活用して、効率的に中心市街地を全体的にコントロールしていくという工夫が必要ではないかと思うんですが、この点について、何か工夫がないのか、これを確認したいと思います。

小滝政府参考人 このたびの法案におきましては、全国各地で空洞化が深刻になっております中心市街地の活性化について、政府を挙げて集中的かつ効果的な支援を行うため、内閣に、全閣僚を構成員とする中心市街地活性化本部を設置しているわけでございます。

 この本部を支える事務局につきましては、御指摘のとおり、行革の観点も踏まえつつ、現在の体制をできる限り効果的かつ効率的に活用することが望ましいと考えております。

 また、今回講じようとしている施策でございますが、稚内から石垣までの都市再生を推進しております都市再生本部の実施している施策とも関連する面があるのではないかというふうに思っておりまして、こうした施策とも有機的に連携をさせていく必要があると考えております。

 このため、中心市街地活性化本部を支える事務局機能につきましては、内閣官房に設置されております都市再生本部事務局に兼ねさせることといたしまして、関連する諸施策が一体となって効果的に展開されるよう、政府一丸となって取り組んでいくこととしております。

新藤委員 ありがとうございました。

 二階大臣、今度こそとおっしゃっていただきました。これは本当にこれからの私たちの国づくりの根幹になる政策だと思っておりますから、しっかり頑張っていきたいと思います。

 ありがとうございました。

石田委員長 次に、高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 本日は、経済産業委員会と国土交通委員会の連合審査ということで、私も両委員会に所属しておりまして、どちらで質問してもよろしかったんですが、きょうの立場的には国土交通委員会所属委員ということで質問させていただきます。

 先ほども質問にあったようでございますが、今回のまちづくり三法の見直し、大店立地法は今回は改正いたしませんけれども、都市計画法、さらに中心市街地活性化法という、まさにまちづくりの根幹となる法律を改正するわけでございます。

 我が党は、先日の代表質問で私も述べさせていただきましたけれども、このまちづくり三法の見直しのプロジェクトチームをずっとつくらせていただいて、昨年の六月に両大臣に申し入れもさせていただきました。平成十年の改正以来、さまざまな問題点、いろいろと出てまいりまして、特に、北側大臣が我が党の政調会長時代に、この問題、しっかり取り組まなければいけないということでリーダーシップを発揮していただいて、そういう流れの中でこのプロジェクトチームというのが動いてきた経緯もございます。

 そういった中で、改めて、まちづくりに対してこの三法の果たしてきた役割、今回、それがいろいろな問題があるということで改正するわけでございますけれども、その点、両大臣、どのようにこれまでの施策を評価しておられるのか、この点をまず最初に伺いたいと思います。

北側国務大臣 これまでの反省点を先ほど述べさせていただきましたが、先ほどの新藤委員の御質問にもございましたが、私は、やはり大切なことは人だと思うんですね。さまざまな制度をつくったにせよ、そこに魂を入れていくのはやはり人でございまして、人がやる気を持ちそして集まってくる、そのような形にしていかないと、当初予定した制度に期待した機能というのが十分果たされないんだと思うんです。

 私は今回もやはり同様だと思っておりまして、中心市街地ににぎわいを取り戻すためには、やはり、そこで商売をなされている方々はもちろんのこと、そしてそこに住まわれている方々も含めて、本当にその地域には、特に中心市街地の場合は歴史的にも本当にさまざまな文化資産、歴史資産等がたくさん集積していて、そしてそこにお住まいの方々はそれに対して非常に自負心を持たれている、そういうものがあるわけですよね。

 そういう、そこにいらっしゃる方々の意欲というものをしっかり引き出していく、そして能力というものをしっかりと引き出していく、またそれをしっかりサポートしていく、こういうような体制をつくっていくことが非常に大事ではないかというふうに思っているところでございます。

 先ほど述べさせていただきましたように、中心市街地に都市機能を集積させ、人もきちんと住める、そういうふうな支援策をしっかりと講じることによって、にぎわいのある中心市街地の再生をしていきたいというふうに考えているところでございます。

二階国務大臣 先ほどの新藤議員からの御質問とほとんど同じような趣旨のお尋ねをいただいておりますが、私は、まちづくり三法制定の後に、中心市街地は、一部の例外を除いて、全体的に厳しい状況が続いてきた。

 それは、先ほども御答弁申し上げましたように、経済的な困難な時代が続いたということ、これも見落とすことができない事実であろうと思います。同時に、地域の高齢化等、いわゆる若者が少なくなっているということなどもあわせまして、それぞれ、都会においても地方においても、祭りなどが商店街でも行われているわけであります。これには、春には春の祭り、花見があれば花見、そして夏には御承知の夏祭りというのがそれぞれの地域で行われる、秋にはもちろん秋祭りというのが行事として行われるわけでありますが、荒廃してしまった商店街等は、こうしたことすら行われない、あるいはそうしたことに対する協力関係がない。あるいはまた、今、それぞれの地域の商工会議所、商工会と大型店舗等の対立は、そうした地域の行事に対して全然参加をしてくれない、寄附もしない、何の協力もしないということで、もう近ごろは、対立がある面で、心の中では非常に先鋭化しているような、そういう感じさえ言葉の端々から我々も受け取れることがしばしばあるわけであります。

 そうしたことなどもこれからもう一度見直して、商店街が奮起していくために、また町中が活性化するために関係者の皆さんが一丸となって取り組んでいただけるような、そういう状況をつくっていくことが大事だと思っております。これは、法律をつくって政府が支援するというだけではなくて、それぞれの中心市街地に生活の場を持つ人々がいま一度、周囲の期待にもこたえてここで奮起をするという気持ちが一番であって、それを政府やそれぞれの公的機関がバックアップしていくということであろうと思っております。

高木(陽)委員 今、二階大臣からお話あったように、政府が全部やるんじゃなくて、やはり地元の対応がしっかりしていかなければいけない。まさに主体者は地元、それぞれ自治体なり商店街なり、そういうことだと思うんですね。

 ただ、これまでの評価の一つとして、今もお話のあったように、景気の問題もあるでしょうし高齢化の問題もある。だからこそ、コンパクトシティーというか、北側大臣もお話がありましたけれども、いわゆる集積をしていかなければいけない。

 今回、都計法、都市計画法で、ある意味ではゾーニングの強化というか、こういった観点もとらえられると思うんですけれども、その中で、中心市街地の活性化というのは何も商業だけではなくて、大規模な店舗が戻ってくればすぐに活性化するかというと、そういう甘いものじゃないと思うんですね。まさに生活の上で重要な部分、例えば医療だとか福祉だとか、または町にはそれなりの歴史、文化、こういったものもあると思いますし、さらに教育、環境、いろいろな要素が、多種多様な要素があると思います。そういった要素を総動員して初めてにぎわいのあるまちづくりみたいなのができると思います。

 そういう点において、その方策、ここら辺をどう考えているか。これは国土交通省ですか、伺いたいと思います。

柴田政府参考人 御指摘のとおりでございまして、中心市街地活性化のための多様な都市機能を集積させていく必要があるわけでございまして、今年度の予算の中にも暮らし・にぎわい再生事業というのを一つつくってございます。これは、病院だとか文化施設なんかの公共公益施設を含む建物を建てかえする場合あるいは新規に立地する場合支援をしていこう、あるいは、空きビルを改修いたしまして、そこにこういうようなものに入ってもらうといった場合には支援していこうというようなこともやっていきたいと考えております。

 また、まちづくり交付金があるわけでございますが、大幅に増額するとともに、提案制度、非常に自主的ないろいろな取り組みが行われるわけでございますが、これをさらに、認定された部分につきましては二割まで増額して、非常に柔軟に対応できるようにしていきたいというぐあいに考えているわけでございます。

 また、居住の問題も必要でございますので、中心市街地共同住宅供給事業だとか街なか居住再生ファンド、こういうものによりまして居住も進めていこうと考えてございます。

 そのほか、中心市街地の外から中へいろいろなものが入ってきていただきたいがために、税制上そういう優遇措置をとっていく、あるいはそういう都市機能にかかわるような都市基盤整備、こういうものにつきましても便宜を図っていくというようなことで、一生懸命応援、支援をしていきたいというぐあいに考えております。

高木(陽)委員 先日、国土交通委員会の方で参考人質疑が行われまして、青森の市長と富山の市長が来られました。特に富山の場合には、LRTを使った、これからの高齢化社会を見据えてしっかりと、中心市街地の方に人が集まりやすい形、こういったことも検討されている。

 そういった中で、公共交通機関というのは欠かせないと思うんですね。全員が全員中心市街地に住んでいればいいですけれども、なかなかそういう形にはいかない。そういった部分での公共交通機関。

 いろいろとここで考えなければいけないんですが、自治体がやはり財政的には厳しい現状があるという中で、既存の公共交通機関をどう生かしていくか、そういった支援体制、ここら辺のところはどうなっているのか、伺いたいと思います。

竹歳政府参考人 御指摘のとおり、中心市街地の活性化におきまして公共交通の果たす役割というのは大変大きいものがございます。特に、高齢者の外出の手段というのは徒歩か公共交通機関ということでございますので、高齢化社会を見据えますと、公共交通機関の活性化ということが大変必要になってまいります。特に今、何とか残っている既存の公共交通機関を維持して、それによって中心市街地が活性化して、そしてまた公共交通機関も便利になるというような流れをつくっていかなくてはいけないと思います。

 具体的には、従来から、国と公共団体それから交通事業関係者等が集まりまして公共交通活性化総合プログラムというものをやっておりますけれども、今回の中心市街地活性化法の改正におきましても、いろいろな交通事業者の共通乗車船券というようなものについて届け出の特例を設けるということもやっております。また、さまざまな助成制度もございますので、こういうことも積極的に活用しながら公共交通機関というのを支えていきたいと思っております。

高木(陽)委員 公共交通機関については、自治体の方も一生懸命工夫をしながらやろうと思う中で、なかなかそういう知恵が出てこない。まさにこういったスキームをしっかりと浸透させていくことも必要なので、その点もよろしくお願い申し上げたいと思います。

 続いて、中心市街地活性化本部の問題について。

 今回、政府にこの本部が設けられるということであります。本部が基本方針を策定する、一方、市町村の方の作成する基本計画、これが適合して初めて支援ができる、こういうスキームだと思うんですけれども、中央で基本方針ができてしまうと全部それに沿ってやらなければいけないという、逆に言えば、さっき申し上げました地域それぞれの歴史、伝統、文化、いろいろある中で、ここのところの地域の個性が失われないか、こういった指摘もあると思うんですが、この点はどのようにお考えか、伺いたいと思います。

片山大臣政務官 御指摘のように、今回の法案の中でのスキームといたしましては、基本方針というので方向性を定めることになりまして、これは現段階ではまだ策定はされていないわけですが、市町村が作成する基本計画について、これの適合性というのを法的には求めていくことになりますが、地域の関係者が町ぐるみで取り組んでいるかとか、あるいは商業の活性化とか都市機能の集積などのさまざまな取り組みが一体的に推進されることになっているかなど、あくまでも市町村が、その地域の有する地理的、自然的あるいは文化的な特色を生かして、地域の住民の方ですとか事業者の方々と一体となって実施するという本旨にのっとったものを生かして、市町村がおつくりになる基本計画が実効性があるかとか効果性があるかという観点からのチェックになるということを考えております。

 いずれにいたしましても、地域の方々によって地域の個性を踏まえた創意工夫による取り組みを政府として後押ししていくというスタンスが、今回のまちづくり三法の基本的なスタンスでございます。

高木(陽)委員 認定の基準はこれからつくられると思うんですけれども、そういった中で、申請をする自治体の方にとってみれば、一生懸命工夫してこれだということで出してくると思うんです。その一方で、政府が出した、本部が出した基本方針、ここの適合というのは、当事者にとってみれば本当に切実な問題だと思うんですね。

 この認定の基準、これは具体的に今現段階で考えられているものがあるかどうかを含めてお答え願いたいと思います。

迎政府参考人 認定の基準でございますけれども、これにつきましては、今考えられるものといたしましては、例えば計画の中で、空き店舗をどれだけ減らすとか、言うなれば明確な活性化の数字の目標というものをきちっとつくっていただきたい、それから、地域の関係者がみんな一体となって取り組みを行う体制ができておるかどうか、それから、各種の商業の活性化ですとかあるいは市街地の整備ですとか、いろいろな事業が一体的に、整合的に推進されているか、こういうふうなものを総合的に判断して認定を行うということになろうかと考えております。

 それで、基本方針を定めるに当たって、当然、基本計画でどういったものを定めていただく、あるいはどういった認定基準でいくというものはきちっと公表をしてやるようにいたしたいと思いますし、また、その基本計画の認定の手続につきましても、申請を受理してから三カ月以内に判断を行うというふうな処理期間も法定しておりますので、認定につきましては、基準、プロセスの透明性の確保に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。

高木(陽)委員 今最後に、認定におけるプロセスの透明性を確保していきたいと。ここが一番重要だと思うんですね。自治体にとってみれば、さっき申し上げたように、一生懸命考えてこれだというふうに出したんですけれども、じゃ、何でだめだったのと。逆に言えば、今までの、これは中活法だけの問題ではなくて、いろいろな部分で予算が配分をされる、補助金も含めて箇所づけ等々があったときに、どういう基準でこちらが優先されてこちらが後回しになったのか、またここはだめだったのか。これは、当事者もそうなんですけれども、第三者が見ても明らかになるようにしないとだめだと思うんですね。こういった公平感。

 さらに、そういった部分では、先ほど冒頭に北側大臣からお話があった、人が重要である、魂を入れなければいけない。地元の人たちも重要であるんですが、この体制で、先ほどの新藤委員の質問でも、都市再生本部がある意味じゃ代替するみたいな、連携をとりながらやるみたいな話がありました。

 そういった部分で、本当に、先ほど申し上げたように、商業の問題だけではなくて、あらゆる分野が集積して都市機能というのができてくるわけでありますから、そういったところでのしっかりとした目ききのできる、そういった本部の体制もつくっていかなければいけないということを、これは要望申し上げたいと思います。

 時間も参りましたので、最後の質問ということで、選択と集中ですね。

 今回のまちづくり三法の改正ということで選択と集中ということもうたわれておりまして、そんな中で、予算規模は限界があります。お金があり余っていればいろいろなところに支援をしていく。しかしながら、選択と集中ですから、しっかりとした認定をしたところにどっと集中してやっていくんですが。ちなみに、全国で一万五千もの商店街があると言われておりまして、そのうち中心市街地にある商店街もあると思うんですが、これはどのように支援を行っていくのか。

 さらに、コンパクトなまちづくりが困難な地域もあると思うんですね。もう既に拡散してしまった、基本方針に即した基本計画を作成できる自治体というのは逆に限られてしまうんではないか、本当はやりたいんだけれども、現状はもうそうなってしまって、そう簡単に基本計画はつくれませんね、こういった問題があると思うんですが、この点についてお答えをいただきたいと思います。

望月政府参考人 中心市街地におきます中小小売商業者あるいは商店街への支援につきましては、今回の法律に基づきまして、選択と集中の観点から、重点的かつ効率的に講じてまいりたいということでございます。

 すなわち、本法律によりまして、基本計画の認定がされました地域において、協議会の協議を経て取りまとめられた中小小売商業者の事業計画であって、地権者等幅広い関係者と一体となって実施される商業の活性化に関する事業に対して支援を実施いたします。

 それから、十八年度に拡充を行います戦略的中心市街地商業等活性化支援事業や中心市街地商業活性化アドバイザー派遣事業などはこのスキームを踏まえて実施することといたしておりまして、限られた予算の中で、小売商業、商店街の活性化を効果的に図ってまいりたいと思っております。

 具体的には、地域の交流の核となるコミュニティー施設への援助や、中小企業診断士等を商店街に派遣し空き店舗対策に関しての指導助言などを実施するなど、商店街の機能強化に向けた支援を強力に実施してまいります。

 それから、今先生おっしゃいました、中心市街地外の商店街につきましては、今回、選択と集中の中ではなかなか難しい問題はございますけれども、例えばその商店街固有の理由といたしまして高齢化とかあるいは防犯などに対する限られたニーズがございました場合には、私どもとしては、限られた支援ではございますけれども、そういう固有の特別な上乗せの理由についての支援はしていきたいというふうに考えております。

高木(陽)委員 時間が参りました。ほかの質問もあるんですけれども、これは次の経産委員会で質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

石田委員長 午前十一時から連合審査会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前九時五十四分休憩

     ――――◇―――――

    午前十一時三分開議

林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。三谷光男君。

三谷委員 民主党の三谷光男でございます。

 きょうは、経済産業委員会、そして国土交通委員会連合審査会ということでございますけれども、私にとりましては初めての経験でございます。委員の先生方が大変多く、お話をさせていただくのもなかなか気持ちがいいものだなということを今実感しております。

 余談はさておきまして、質問をさせていただきます。

 まず、議題となっております中心市街地の活性化法、この改正法を論じる前に、まず、中心市街地の今の活性化の状況はどのような状況になっているか、これを少しお話させていただきます。

 大変わかりやすい資料としまして、二〇〇四年、平成十六年九月に、総務省の行政管理局が出されました「中心市街地の活性化に関する行政評価・監視」副題が「評価・監視結果に基づく勧告」という報告書の内容でございます。大変厳しい評価の内容になっています。もちろんその活性化の状況もですが、この行政の評価に対するチェックあるいは評価がなかなか行われていないということにつきましても、大変厳しい評価の内容となっております。

 少しお話をいたしますと、まず第一に、その概要として、「中心市街地の活性化の状況」として「統計指標の動向等から判断すると、中心市街地の活性化が図られていると認められる市町は少ない状況」になっていると。少し具体的には、その「現状・実態」として、百三十八市町のうち百二十一の市町から活性化の状況を分析、把握して聴取をしております。

 一部分だけ紹介をいたしますと、「いずれの統計指標をみても、中心市街地の数値が減少している市町が大半」であるとして、まず人口、八十四市町、六九%が減少と答えています。商店数は、九三%、百十一市町。年間商品の販売額、九四%、百十三市町。事業所数も、九三%、百十二市町。事業所従業者数、八三%、百市町がそれぞれ減少しているとお答えになられております。

 そしてまた、二点目として、まさに行政評価・監視の結果として、改善事項の勧告先、総務省、農水省、経済産業省、国土交通省に勧告が行われ、まさに現法の基本計画についても厳しい指摘がなされています。基本計画、「数値目標設定の有効性や中心市街地の区域設定の要件について具体的内容を明示」していない、「明示すること。」とされています。あるいは、この基本計画の事業に盛られた「進ちょく状況等の定期的把握や基本計画の見直しの必要性について」具体的な内容がない、「具体的内容を明示すること。」となっています。また、「優れた基本計画に対し重点的な支援を行うため、基本計画の内容を的確に評価すること。」こういったことが勧告の内容に盛り込まれております。人口あるいは事業所数、売上高のどれをとっても、調査対象の市町のその大半が「中心市街地が「活性化していない」」というお答えをしています。

 また一方で、日本商工会議所の調査結果もございます。調査に回答をした百十の市町のうち、同じような内容ですが、大半の、七〇%の市や町が、中心市街地は衰退もしくは変化がないと答えているのがその結果です。特に商店街、この日本商工会議所が行った調査で、一〇〇%近い九六・六%の商店街が停滞もしくは衰退しているというお答えをしている現状がございます。特に、さきに申し上げましたこの総務省行政管理局が出しました行政評価の勧告の内容、現行法における施策の現状や市街地の活性化の状況を的確に言いあらわしているのではないかと思います。

 中心市街地の活性化のために、経済産業省あるいは国土交通省、農水省、中には厚生労働省、文科省の施策、予算もございます。各省さまざまな支援策がありまして、これ、数えてみますと百十に近い支援策のメニューがございます。一体どれぐらい年間で予算が投じられたのか。約一兆円にも上ります。道路整備あるいは箱物づくり等のハード事業、さまざまなものがございます。イベントの開催や商業活性化事業等のソフトの事業、さまざま合わせて百十にも上る支援のメニューがあります。年間で一兆二百六十億円にも上っております。

 平成十年まちづくり三法の制定以来、市街地活性化に向けてさまざまな施策あるいは予算措置がなされてきました。もちろん、大規模小売店舗法の廃止以来まさにやりたい放題となっております郊外の開発、これに今回規制をかけて、人が集まる機能や施設、それを中心市街地に呼び戻そうということが今回の改正の大きな方向づけではありますけれども、この郊外開発によって市街地のにぎわい、活力が失われてきたという面は確かにありますけれども、これまでの施策につきまして、その実効性の評価というものはなされてきたんでしょうか。

 当たり前のことですけれども、実効性があったのかどうか、行われた施策に対するその評価あるいは検証があって、その上でどのような見直しをかけていかなければならないか、まさにその先に改正があると思います。これまでの施策に対してきちんとした評価あるいは検証はあったんでしょうか。基本計画に盛られた事業の進捗状況のチェック、あるいは施策としてのその事業、事業の施策の有効性に対する評価、それはあったんでしょうか。全くなかったのではないかと思います。

 経済産業省を初め、この市街地の活性化に係る事業はまさにそうだと思うんですが、アイデアこそどんどん出されるんです。施策をどんどんつくられる。しかし、ちょっと表現は手厳しいかもしれませんけれども、効果があろうがなかろうが、やったらやりっ放し、そういう感がないでしょうか。実効性があったのかなかったのか、やはりきちんと評価をしなければなりません。評価をしていないと思います。

 今回のこの改正の支援スキームの中におきまして、基本計画の遂行の中に、実施状況のチェック、これを新たにできる中心市街地活性化本部が行うという、いわばこれは当たり前のことだと思いますが、それがやっと入りました。一歩前進をした、進化をしたということは好ましいと言えますけれども、遅きに失した感というのはぬぐえないと思います。

 税金が年間で一兆円、本当に多額に使われているまさにこの市街地活性化のための事業、大事な事業だと思います。この基本計画のプラン・ドゥー・チェックはもとより、実効性の評価、検証をきちんと行っていくことが大変肝要なことだと考えます。

 そこで、お尋ねをさせていただきます。

 中心市街地の活性化に関するこれまでの施策につきまして、二階大臣、そして中小企業庁長官、これをどのように評価されておられるのか。また、今回、まちづくり三法改正、中心市街地活性化法改正によりまして、新たな支援のスキームができ上がります。何をどう変えるためにこの見直しに至ったのか、それを明らかにしていただきたい。お答えをお願いいたします。

二階国務大臣 まちづくり三法の制定後の経済状況が厳しかったということはありますが、同時に、中心市街地は、一部の例外を除いて、全体的にすべての面で厳しい状況が続いておると判断をいたしております。したがいまして、総務省の行政監察におきましても指摘されておりますとおり、各市町村の計画については、実効性の評価、進捗状況の把握や見直しが十分になされていなかった面があることは認めざるを得ません。こうした点は積極的に改善されるべきものと考えております。

 このため、改正法案におきましては、町全体を活性化する地域の意欲的な取り組みを国が適切に評価し、政府が一丸となって支援するということにしたいと思っております。また、事後的にも、今御意見のありましたとおり、事後のチェックということも極めて大事でありますので、一つ一つの計画の実施状況を把握し事後評価をするなど、一つでも多くの地域の取り組みが成功できますように最大限の努力をしてまいりたいと思っております。

 今、議員から一歩前進というお話を承りましたが、我々は、今度のまちづくり三法が、この改正の後に、法案を御審議いただき改正をしていただいただけでは問題の解決にはならない。今後も引き続き、これらのことに関して地域の皆さんや商店街の皆さんの期待に経済産業省はいかにこたえていくか、出先の経済産業局等を総動員して体制を整えてまいりたい。

 したがって、今度この計画をお決めになりました上には、経済産業省の職員も現地に張りついてでも協力をせよということを言っておるわけでありますが、それは単なるかけ声に終わるわけではなくて、経済産業省が、みずからの中小企業政策が問われておる、そういう気持ちで対応したいと思っております。

望月政府参考人 今大臣の方からお答え申し上げたとおりでございますけれども、私どももこの見直しをする過程におきまして、産業構造審議会あるいは中小企業政策審議会の場におきましても、繰り返し、これまでの政策の効果はどうであったのかという議論がされました。皆様方の意見も伺いました。

 私ども自身反省すべき点は多々あったというふうに思っておりますので、それらをすべて込めまして、今度の新しい法案の中で実現をし、あるいは、実行に当たっても肝に銘じてまいりたいというふうに思っておるところでございます。

三谷委員 二階大臣あるいは望月長官から、評価、チェックにおいて十分なされていなかった、あるいは反省すべきというお答えがございました。また、積極的に改善を試みていく、かけ声だけに終わらず、今後も引き続き期待にこたえたいという大変積極的なお答えがございました。まさにこの改正の中にも書かれております、事業の進捗状況の、この基本計画のチェックだけではなく、また、施策として行われる一つ一つの支援策、その有効性、次につなげていくためにも、ぜひとも政策のチェックをきちんと行ってもらいたいと思います。

 続きまして、この改正法におきます新たな支援スキームのことについてお尋ねをいたします。

 この支援スキームですけれども、まさに今はやりになっております、内閣総理大臣を本部長とする市街地活性化の本部が設置される。構成員はすべての閣僚になっていただく。そこで基本方針の作成が行われ、また、その基本方針にのっとって、市町村が、手を挙げたいところはこの基本計画を策定いたします。そして、内閣総理大臣が認定を行う。国が認定した基本計画に沿った事業に対して、さっきも二階大臣からお話がございましたけれども、意欲的なところにしっかりと重点的な支援を行う。まさに、それが今回の改正された新たな支援のスキームでございます。

 選択と集中。本気でその町が目指すまちづくりを行っていきたい、本気で市街地の活性化を行っていきたい、そう考える市や町を重点的に国が支援をしていく、いいかげんなところとやる気のあるところをきちんと峻別をする、有効ないいプランを持っているところとどうも支援をしても実効性が疑わしい、そういうところをしっかり峻別をしていく、大変大事なことだと思います。

 ちなみに、従来の支援スキームですけれども、多くの方が御承知のとおり、基本方針に基づいて市町村が基本計画を策定し、市街地整備や商業活性化等の支援事業が行われるものの、実際には、補助金欲しさに手を挙げるというのが実態でした。事実、中心市街地らしきものを持つ市や町、ほとんど手を挙げたと言ってもいいと思います。基本計画を策定しましたのは六百八十四の市町、市街地のあるところはもうほとんどすべてと言ってもいいと思います。

 内容におきましても、実は、先ほどの総務省の報告書の中にもありましたように、事前の現状分析あるいは事業評価もない、明確な数値目標もない、盛り込まれた事業の進捗状況のチェックもなければ、評価も、見直しもない。

 例えば、この商店街に駐車場が欲しい、あるいはアーケードが欲しい、そういうものから市街地活性化にこじつけて道路整備をする、だけれども、実態は市街地活性化とはどう考えても関係がないような事例もあります。中には、紛れもなく、どう考えても郊外であって市街地とは言いがたい、そういう地域の区画整理事業にこうした支援策が使われたというような事例もございます。

 まさに、補助金欲しさに基本計画を形だけ策定したというのがほとんどの実態だったように思います。実態だったのです。やる気のあるところ、実効性のあるプランを持つところをしっかりと峻別をして、そこに、先ほどの大臣のお言葉をかりれば、意欲的なところを重点的に支援していく今回の支援スキームに変えていくことは、本当に大きな前進だと言えます。

 そこで、まさに一番肝心なところは、この改正法のスキーム、基本計画の認定をどのように行うかだと思うんです。従来のものは、上がってきたものはほとんど、認める認めないの話がそもそもありませんでしたので、まさに、認定はどういう基準でどのように行われるのか、大変大事なところだと思います。

 もちろん、中心市街地活性化本部が基本方針に基づいて決めるというふうな書かれぶりになっております。それはよくわかっております。具体的にどういう基準を想定されておられるのか、だれが、主体がどこになって、どういう基準を持って選定、認定を行うのか、それを教えていただきたい、明らかにしていただきたいと思います。お答えをお願いいたします。

迎政府参考人 まさに、総務省の行政監察におきましても基本計画の的確な評価を行うということが指摘されたところでございまして、これに基づきまして、新しい法律では、内閣総理大臣の認定制度を創設することによりまして、実効性が確保された基本計画に基づく取り組みについて集中的な支援をすることとしておるところでございます。

 基本計画の認定に当たりましては、中身についての地域の自主性は尊重をしながら、一方で、明確な活性化の数字的な目標をちゃんと掲げて取り組むものであるか、地域の関係者がみんな一体となって取り組むような計画になっているかどうか、それから、商業の活性化ですとかあるいは市街地の整備改善といったさまざまな取り組みが整合的に、一体的に推進をする計画になっているか、こうした観点を総合的に勘案して認定を行っていくということになろうかと考えております。

三谷委員 幾らかはわかりました。もちろん、数値目標、地域のそれぞれ主体となる関係者がしっかりと取り組んでいるか、あるいは商業活性化だけじゃなくてさまざまな取り組みがその中に盛り込まれているか、それは多分、手を挙げたいところはどこも当たり前のようにそれを盛り込んでくるのではないかと思うんです。

 一つには、もちろん予算のこともございます。例えば今までだと、先ほども申し上げましたように六百八十四、これは市街地を持つ市町、ほとんどすべてだと思います。選別をして、もちろん、意欲的なところからすると、ぜひとも認定をいただきたい、こういう話にきっとなると思います。その意味では、一つは認定の数をどれぐらいに想定をされておられるのか、あるいは、先ほどの話をもう少し具体的に、まさに私基準と申し上げましたけれども、もう少し示唆できるもの、わかりやすいものとしてお答えをいただけませんでしょうか。

迎政府参考人 まず、最初のお尋ねの数字的なものについて、どれぐらい考えているかということでございますけれども、私どもとしては、実効性のある効果的な基本計画に対して集中的に支援をしていきたいというふうなことでございますので、何でもかんでも認定をするということではいけないわけでございます。

 ただ一方、幾つというふうな、事前に数を決めてこれで幾つだけ選びます、こういうふうなことではございませんで、やはり一つでも多くの認定ができるような、市町村が立派な計画をつくっていただいて、まさにやる気のある計画をつくっていただいて、私どもとしては、一つでも多くの認定ができて、それがきちっと実施をされていくというふうなことを期待しておる次第でございます。したがいまして、具体的な数字の見込みというのを申し上げるのはちょっと難しいと考えておるところでございます。

 それから、先ほど私が申し上げました認定の基準について、もう少し具体的にということでございますが、最初、明確な活性化の数字目標と申し上げましたのは、やはり目標を定性的に書いているのでは、実際に何年か事業を実施してやっていったときに、本当にその目標に向かっているのかどうか、こういったこともわからないわけでございますので、例えば来街者数でございますとかあるいは店舗の数でございますとか、あるいは周辺の定住人口の数ですとか、いろいろそういった数字的なものを計画に盛り込むことによって、本当にいろいろなことをやって、目標に向かって進んでいるかどうかというふうなチェックも可能になるわけですので、そうした客観的な評価ができる目標を掲げていただきたい。

 それから、地域の関係者が一体的に取り組むということでございますけれども、やはり、私どもも、今までの法律に基づいていろいろ支援事業なんかを行っているわけでございますけれども、なかなか地域が関係者一体として取り組む形になっていない。こういうものをやりたいと商業者の方は言っておられるけれども地権者と調整がつかないとか、そういうふうなケース、たくさんございます。やはり全体、関係者がコンセンサスをとって取り組むという状況ができているかどうかというのが一つのメルクマールになると思います。

 それから、三番目の全体の計画の整合性ということでございますけれども、例えば、商業の活性化のためにお金をつぎ込んでも、一方で郊外に例えば公共施設が移転する計画があるとか、郊外の大規模な住宅開発ですとか、あるいはショッピングセンターの計画とか、こういうのが一方であり進めながら、今度、こっちの方で商店街にお金を突っ込むというふうな計画ではなかなかうまくいかないということなので、そうしたトータルの計画の整合性というのはきちっとチェックをするというふうなことであろうかと思っております。

三谷委員 なかなかお答えづらい話なんだろうと思います。しかし、大変大事なところではあると思うんです。あるいは、タイムスケジュールということでも、これは予算措置でございますので、まさに今年度から始まっていくということもございます。やはりきちんとした、例えば定量的に、大学受験で点数がつくという話と違いますので、先ほど客観的な評価というお言葉がありましたけれども、きちんと数値にするというのはなかなか難しいところであるとは思いますけれども、タイムスケジュールのことも含めて、ぜひともこれは、きちんとした基準、つまり、先ほども大臣が表現をされました、意欲的に取り組むところをしっかりと重点、措置を施していきたい。

 まさに、意欲的というのは大変抽象的なことでもございます。言っていることは確かによくわかるんです。では、今度どこを選別していくかというのは、基準云々ということになりますと難しい話ではありますけれども、やはり大変大事なことであり、再三申し上げますけれども、やろうとしている市や町からいたしますと、まさに、さっきもこれは大きく前進したと申し上げたとおり、食いつきたいと言ったら、ちょっと言葉が適切ではないかもしれませんけれども、まさに手を挙げたい、認定をいただきたい、こういう話に必ずなると思います。そういう意味でも、タイムスケジュールについてはお答えをいただいておりません。ぜひ早く、もう少し明確な指針ともいうべき基準を明らかにつくっていただきたい。

 それともう一点、これは、本部ができ上がりまして、本部長が内閣総理大臣、認定は内閣総理大臣が行う。だけれども、もちろん、小泉総理がこれを判断して認定するというようなばかなことはだれも考えておりませんので、例えば、さっきも、だれがあるいは人がと申しましたのは、これはどうなんでしょうか、経済産業省が主導で行われるんでしょうか。そういうことも含めてお答えをお願いいたします。

迎政府参考人 まず、タイムスケジュールについてのお尋ねでございますけれども、この法案をお認めいただきますれば、法律の公布の日から三カ月以内にその施行をするというふうなことで、法律の附則で決まっております。法律が三カ月以内に施行をされますと、当然、本部が設置をされる、それから、そこの場で基本方針を決めるということになるわけですけれども、中心市街地の活性化というのはもう喫緊の課題でございますので、なるべく速やかにこうしたものが行われるようにというふうに考えております。

 それから、基本方針を早く決めるということで、その中で、今お尋ねのより詳細な基準のようなものも基本方針の中で明らかにしていくべきものというふうに考えております。

 それから、基本方針が定まりますと、基本計画の認定の申請をいただける状況になるということでございます。

 具体的に、基本計画の認定自体は内閣総理大臣が行うわけでございますけれども、それについての事務的なサポートをどこがやるかというお尋ねでございます。これにつきましては、きょう、午前中の質疑でもお話に出ておりましたけれども、内閣の方に中心市街地活性化本部の事務局が設けられて、そこがそうした事務的なサポートの作業をやるというふうなことで、私ども経産省が、あるいは何省がというふうなことではございませんで、むしろ政府全体が取り組むということで、内閣の方の事務局でそういった事務的なサポートはするということを考えております。

三谷委員 先ほども、もちろん、手を挙げて認定された市や町が、そこに盛り込まれた事業につきまして、そのことは、この改正の中にはきちんと書かれています。続けて申し上げました、この事業の有効性、それをきちんと評価していく上でも、やはりしっかりとした基準、指針、なるべく早急に整備をしていただくようにお願いをいたします。

 続きまして、あわせて、新しいこの支援スキーム、認定を受けた基本計画、それに基づく事業に対する補助金等の交付、従来の支援スキームですと、ちょうど虫食いのように、個別にそれぞれ判断されて、事業が認められる認められない、そういうことがございました。これは、認定を受けると、要するに、大きくは市街地の整備改善、都市福利施設の整備等、あるいは町中居住の推進、これなんか大変魅力的な話だと思いますけれども、あるいは商業活性化等の事業等々、こうした支援措置がほとんど無条件で使えることになるんでしょうか。それとも、従来と同じように、それぞれのまた個別の判断と申しますか採択されるかされないか、そんな話になるんでしょうか。教えてください。

柴田政府参考人 基本計画の認定というものは、先ほどから御議論がございますように、基本計画の実施というのが市町村における中心市街地の活性化の実現に相当程度寄与するものかどうかというような観点で、そういう基準で判断され、認定されるわけでございます。

 しかし、基本計画が認定されたとしても、その基本計画に位置づけられました各事業が、要するに、それぞれの事業の採択要件に当たるのかどうかという判断が要るわけでございますね。合致しているのかどうかというものがあるわけでございまして、それについては、各事業の具体的内容を所管省庁で確認して、本当にそれに当てはまるものであれば応援していこうということになるわけでございます。

 そういう意味で、予算の範囲内で補助金等を交付することにいたしてございますが、基本計画の認定を受けて、やる気のあるということで基本計画の認定が受けられるわけでございますので、そういう市町村に対しましては、各省庁が連携して重点的、集中的な支援を行っていきたいというぐあいに考えております。

三谷委員 無条件と申しましたけれども、確かに、無条件という話についてはお答えづらい話だと思います。今のお話でわかりました。

 支援を受ける自治体、地域からすると十分なだけに、要するに、認定をいただければ、基本的には、そこの中に盛り込まれた、それに、支援策と合致できるものについては支援策を採択していただける、こういう理解でよろしいわけですね。

柴田政府参考人 形式的に言いますと先ほど言ったようなことになるわけでございますが、その認定作業に当たりましては、相当御熱心に審査をして判断をされて認定されるものでございますので、そこで認定されましたものは、結果的には相当程度補助対象として意味のあるような事業になっているのではないかと思いますし、そういうぐあいになるのを私は期待いたしております。

三谷委員 わかりました。

 ここで一つ、問題提起をさせていただきたいと思います。

 先ほどの二階大臣の、意欲的に取り組もうとするところをしっかりと重点的に応援をしていくんだと、まさに選択と集中でございまして、大変大きな前進だと思いますし、また大変結構なことだと思います。

 しかし、一方で、まちづくり、そして市街地の活性化、これはさまざまでございまして、その町その町が持っている特性もこれまたさまざまだと思います。そしてまた、大事なことは、その町の特性を生かして市街地の活性化をしっかりとやっていく。また、そのやり方もさまざまだと思います。

 まさに今回の改正の方向づけですけれども、無軌道な郊外開発はもうやめる、コンパクトシティーだ、歩いて暮らせる、これはやはり国土交通省がよく使われておりますけれども、歩いて暮らせるまちづくり、これを目指していこう、こういうものでございます。まさに、意欲的な町を、やる気のある町を選定して重点的に支援をしていく、さまざまな支援策を有機的に使って中心市街地ににぎわいを取り戻していこう、こうした方向づけには本当に大賛成でございます。

 ただ、特性がさまざまと申しますのは、例えば、私の地元は呉市というところでございます。あるいは、呉市と同じように、商店街のにぎわいが保たれている成功事例でよく言われます佐世保市。呉とか佐世保の場合はまさにコンパクトシティー、この方向づけをしていただかなくても、まさに今でも地形的にコンパクトシティーなんです。立派なコンパクトシティーなんです。まさに地域の持つ特性なんです。

 地域の実情に沿ったまちづくり……(発言する者あり)幸せなんです。ただし、佐世保はいい例でよく使われますけれども、私の地元の呉市はどちらかというとにぎわいが薄れた方で使われて、そこのところは不幸なところがございますが。そのように地域の特性をそれぞれ生かしたまちづくり、市街地の活性化をしっかりと進めていかなければなりません。

 また、地域のことは地域で決めていく、今も大きな流れになっておりますけれども、地方分権、こういう流れからしましても、今回の支援スキーム、国が効果的な支援を行う、重点的にやる気のある町を支援していく、そこのところはきちんと選別はしなければなりませんが、片方で、この支援メニューというのはあくまでも国が用意したものでございます。従来と、ある意味、一緒でございます。もちろん、つけ加えられたものもございます。居住を推進していく、こういう大きなものもございます。

 しかし、これまでのように、やはり認定を行うということになりますと、補助金欲しさに国が用意したこの支援メニューに合わせていく。従来はまさにそういう話でございました。特性を生かすまちづくりというよりも、どちらかというと画一的なまちづくり、そういうものに志向をさせていくことにならないだろうか、こういう危惧の念を抱きます。

 基本計画の認定、これは厳格に行っていただかなければなりません。その上でも、先ほど基準を尋ねさせていただきました。しかし、その反面で、この支援メニューの内容を可能な限り柔軟なものにしていただきたいのです。できれば、この基本計画に沿って、なかなか行政的あるいは支援措置としては難しい話かもしれませんけれども、市街地活性化のために、もちろん、適切に使われたかどうか、その事後的なチェック、これは必要だと思いますけれども、柔軟に使えるような、パッケージになるような、一くくりの交付金のような形にできないものかどうか。これをぜひ政府にお願いをしたいのです。どうでしょうか。

望月政府参考人 先生おっしゃいますように、各地の町はそれぞれでございますし、その手法も、あるいは必要なところも違うと思います。

 したがって、昨今の、私どもが一生懸命、例えば私どもがやっております商業などの活性化支援事業などにおきましても、ただハードの箱物をつくればいいんだとかそういうことではなくて、ハードとソフトと組み合わせて、その地の実情に合ったものにするというようなものについて積極的に支援をしていこうということでございますので、その使途につきましても、できる限り弾力的な予算構成にしようということでございます。

 したがって、今回、特に充実をいたしました戦略的中心市街地商業等活性化支援事業と言われるものにつきましても、この施設でなければならないというのを余り限定せずに、ハードあるいはソフト事業、幅広く、先ほど来議論になっております、新しい法律の中における基本計画の目指すものを実現することに効果があるかどうかということを中心にその対応を考えていくというような、弾力的なあるいは幅の広い予算になっていると思います。

 一例で申し上げましたけれども、その他のこの法律に対応する予算も、できる限りそういう方向でつくるようなことを各省で議論してまいったところでございます。

三谷委員 ゆっくりしゃべっておりましたら、時間がなくなってしまいました。

 もう一つ具体的なところでお聞きをしたいのは、まさにこの基本計画における事業、その推進母体となるのは、これまでと違いまして、これは新たなものですが、中心市街地活性化協議会でございます。なかなかこれは中身がわかりづらいところがございます。さまざまな参加主体、全部この中に入るというものでございますけれども、これもちょっと具体的に御説明をいただけませんでしょうか。

迎政府参考人 中心市街地活性化協議会でございますけれども、今までの中心市街地活性化策において、必ずしもトータルな事業の連携とかが不十分な例が見られた、あるいはその地域が一体として取り組む体制になっていなかったんではないか、こういうことで、今回の法律では、新たに中心市街地活性化協議会というのを設けた次第でございます。

 これにつきましては、商業の活性化を担う主体ですとか、その地域の整備を行う主体、それからそれら各種の事業に関係する地権者の方ですとか、あるいは開発事業者、そうした方がすべて参加をいただく組織として協議会を法定した次第でございます。

 そして、この中心市街地活性化協議会は、その基本計画をつくるに当たって、必ずここが意見を言うということで、それを踏まえた計画にする。それから、計画に基づく事業を実施するに当たっても、協議会の議を経た上で事業の実施をするし、それに対する助成の実施もするということで、まちづくり全体が整合的に行われるというための司令塔としての機能を期待するものでございます。

三谷委員 果たしてこの協議会、うまく機能していくのだろうかということが、ちょっと危惧がございます。時間もなくなりました。

 最後に、まさに今回のこの支援スキーム、本当に大きく前進するものとして意欲的なまちづくりを進めていこうというその地域、自治体、しっかりと支援をしていくことは本当に大事なことだと思います。関係省庁、この活性化本部で連携をして、まさに一体的に取り組むことが大変重要なあれだと思います。縦割りでこれまで行われてきたさまざまな支援策、ぜひとも連携して一体的に取り組んでうまく機能をしてもらいたい、まさにそれはこの活性化本部がうまく機能するかどうかにかかっていると思います。

 これをうまく機能させるために、主務大臣である二階大臣あるいは北側大臣、お二人のまさに決意をちょっと最後に聞かせてください、お願いいたします。

二階国務大臣 先ほど来、三谷議員のまちづくり三法に対する大変御熱意のこもった御質問をちょうだいしながら、我々は決意を新たにして、この新しい制度を活用して、内外の期待にこたえてまいりたいと考えております。

 そこで、今までとは違った面として、関係各省の取り組みでありますが、これについて簡単に御紹介をしておきますと、経済産業省は商業の活性化を担う、国土交通省には市街地の整備改善、町中居住の推進等をお願いする、厚生労働省には中心市街地における医療・福祉施設の整備に御協力をいただく、文部科学省には中心市街地における文教施設の整備等をお考えいただく。

 これらの関係各省の御協力をいただきながら、先ほど総理をヘッドとする本部を設置したということでありますが、それは、一応の政府挙げて取り組む体制が整ったわけでありますが、事中小企業問題を、商店街のこの末端といいますか現場の商店街の皆さんの御活動を内閣挙げて取り組むというこの姿勢は、ぜひ御理解をいただくと同時に、地域の皆さんにも政府全体の心意気が浸透していきますように努力をいたしたいと思っております。

 いずれにしましても、議員各位の一層の御協力をお願いしながら、極めて政治的にも行政的にも難しい中心市街地活性化、この問題に真剣に取り組んでまいりたいと思います。

北側国務大臣 国土交通省は、まちづくりをそもそも所管している官庁でございますし、また、公共交通についても所管をしているところでございまして、しっかりとこの中心市街地の活性化に向けて国土交通省も取り組みをさせていただきたい、各省庁と連携をよくとってやらせていただきたいと思っているところでございます。

三谷委員 ありがとうございました。質問を終わります。

林委員長 小宮山泰子さん。

小宮山(泰)委員 民主党の小宮山泰子でございます。

 私にとりましては初めての連合審査となります。今省庁間の問題がいろいろありますけれども、やはりこういった審査というのは必要なのではないかということを、改めてこの委員会開かれて、この場で質問させていただきますと痛感いたします。しかし、その割には、残念ながら、人数はともかくも、本来、委員全員が机といすをしっかり持って、メモもとれて、資料も見ながら審議を聞けるというそういった現状があったらもっとよかったのになという思いを、感想を述べさせていただきます。(発言する者あり)いやいや、委員会室、全部入り切りませんから。この場合、不規則発言といって、委員と話すのを許していただきました委員長の大きな心にまず感謝をしてから、質問に入りたいと思います。

 先般、都市計画法の一部改正ということで、国土交通大臣にはいろいろ質問させていただきました。連合審査でございますので、繰り返しの部分も入りますけれども、質問をさせていただきます。

 まずもって、この中心市街地活性化推進室のホームページを見ますと、活性化のための市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する措置として、関係省庁は、総額数千億円から一兆円程度の思い切った支援措置を実施しますというメニューが載っております。

 これは、先般の国土交通大臣、国土交通委員会での質問のときの答弁にもありましたけれども、すべてを中心市街地活性化、まちづくり三法のために使っているのではない、いろいろなことができるようにこういったメニューがあるんですよと御提示されている、そして、中心市街地だけに使った額は出せない、はっきり言えないという御答弁をいただいております。

 まことにもって、ちょっと残念ではありますけれども、まずこの法律、改正に当たりましては、私も本会議で質問させていただきましたが、経済産業大臣は、多くの中心市街地で厳しい状況が続いていると答弁され、国土交通大臣も、中心市街地の衰退に歯どめがかからない状況となっているという現状認識を伺いました。

 これまでの中心市街地活性化につきましても、この関係八府省庁がまちづくり三法の施行以来、平成十年からそれぞれの事業にメニューをそろえられているということは、今までの、きょうの答弁、質疑からも何度も出ていることであります。

 そして、残念なのは、何といっても、合計一兆円近くの予算規模というものが出ておきながら、それぞれが実際にはばらばらであったり、そして、省庁ごとに公共事業等に活性化事業というラベルを張ればこれで使っていた、これだけ私たちは中心市街地活性化をやっていますというような、一つ見せかけのようなことになってしまった。

 だからこそ、残念ながら、中心市街地活性化というものに対して、どれだけこの今までつぎ込んだ税金というものが有効に機能したかというのがわからないのが現状なんじゃないかという問題意識がございます。もしかすると、中心市街地にこうやって予算がありますよといっていろいろな予算、商工会議所や商工会、そういったところに使って、TMOだったりいろいろなところに、今まで利用したその中でいろいろな意味で無駄遣いがあったんじゃないか、そういう思いがしてなりません。

 八府省庁の平成十年度からの関係予算の資料もいただきましたけれども、本当に、取りまとめた資料もなかった。改めて作業もしてみました。各省庁とも、資料請求のとおり、中心市街地活性化事業として取りまとめていただいた資料もいただいたんですけれども、支出対象は、もしかすると厚生労働省、ちょっと紹介をした方がいいですか、実際には通常の事業のそのままというものもあるんではないかと。

 国土交通委員会で話させていただいた厚生労働省のものでいきますと、公共施設等の整備に係る、まちづくりのメニューにあったところですね。その中では、都市部における社会福祉施設の整備という項目がありますが、これは、都市部におけるのもオーケーですし、もちろん、そのほかのメニューとしては、離島振興、山村振興、過疎対策振興という、およそ都市部とも違うものにも支出ができるということになっている。どれに使ったかは明確な答えはありませんでしたし、線引きができなかったというのも事実でありましょう。そして、農水省の方からも、健康・安心食生活創造対策の中の卸売市場施設整備対策というものは強い農業づくり交付金に統合していくとか、何か、いろいろなものの名目でいろいろなものに予算を使っている。

 本当の意味でもっともっと中心市街地活性化は必要であって、それに重点的に全部が使えればよかったのに、何に使っているのか実際にはわからなくなってしまう。ばらばらの縦割り行政の弊害というものが出てきた。予算のいい名目があればそれに使ってしまったという弊害があったんじゃないかという思いがしてなりません。このままこういったことを続けていけば、また同じように、税金を使った割には思ったような効果が得られない。この法案はたった七年ですもの、改正になってしまったのは。こういった縦割りのばらばらの、ラベルだけ張って具体的内容を、何に使ったか実際には、予算はメニューで提示してもわからないというこの現状についてどうお考えになるのか。

 特に経済産業省におきましては、このホームページ上でいえば、十七年度当初予算でいえば二百五十四億円という、ある意味、国土交通省が五千三百六十九億円、厚生労働省が千九百二十七億円という大きなものから考えれば、一番中心市街地活性化に明確に使っていたと思われるこの経済産業省、この立場から、こういうメニューのやり方、そして、今までの予算の使い方等に、そして、連絡会議があるにもかかわらずばらばらで動いてしまった、取りまとめたこともない、こういった予算の使い方によって、結局、中心市街地の衰退は免れなかったこの現状の反省、そして、この点をどうしていくのか。ぜひ大臣の御見解を伺いたいと思います。

二階国務大臣 経済産業省としましては、これまで商業の活性化を中心にさまざまな予算支援を行ってまいりました。補助金を交付した四十一市町村のうち約七割において小売販売額の改善が見られるなど、一定の成果も上げてまいりました。

 しかしながら、本格的なまちづくりのためには、町中居住の推進や、学校、病院等の市街地への集約などを全体的に進めていくことが必要であります。この点において、市町村等が関係各省の支援措置を十分な計画性を持って活用してこなかった点もあったのではないかという疑問は否めません。

 これらの点を踏まえて、今回の見直しにおきましては、政府に関係閣僚から成る中心市街地活性化本部を設置したことも、これらの反省の上に立っての対応であろうと思います。地域の方々が協力し合って実施する意欲的な取り組みに対して、政府が一丸となって重点的にバックアップをしていくというのがこの方針であります。

小宮山(泰)委員 次の段階に進まれる、そういう思いはございますし、本当に、このメニューを見ていると不思議なものが出てまいります。

 本当に、中心市街地活性化ということ、一生懸命行われているんだとは思います。いろいろな予算を使ってやるのもわかるんですが、国交省の中心市街地活性化予算の中に、道路、公園、駐車場等の都市基盤整備事業というのがございます。これは雑誌の記事にもなっていたんですが、茨城県水戸市に国交省が国有の駐車場を建設したけれどもがらあきだという記事が出ていたんです。

 これをちょっと調べてみましたら、全国で国が保有している駐車場、地下駐車場ですね、十四カ所あります。説明にも来ていただいたんですけれども、これは、財団法人に明らかにたくさんの天下り。財団法人に運営管理がすべて任されていて、さらに言うならば、それによって、そこはもちろん料金を取って駐車をさせています、しかし、国交省はつくってそのまま運営させているので一銭も国にはその売り上げ等は入ってこないという説明を受けました。

 ちょっと御紹介させていただきますけれども、ちなみに、その水戸の場合でありますと、建設費が六十九億円、うち用地補償費が二千万ですね。年間の利用台数は十五万台ぐらいあります。でも、十四カ所見ていて気がついたんですけれども、すごいのになりますと建設費だけで百億円を超すのがあります。

 その中でも、ちょっと私、気がついたのですが、横浜市中区、羽衣・伊勢佐木地下駐車場、建設費百四億円、うち用地補償費が五千万円かかっています。これは年間利用台数が四万九千台ほどでありまして、一日で平均すると大体百三十四・五台が使う。この駐車場は何台とめられるかといいますと、二百七台とめられる。恐らく、平日か休日か、込む時間があるとなれば、ほとんど、一日でいえば満車になることは計算上はめったにないんではないかなという思いがします。その上、百億円を超す百四億円の地下駐車場を国はつくって、市街地に近いからいろいろなことを考えていらっしゃるんでしょうが、つくってあげて、そしてそれに対して何の見返りも求めないという、考えようによっては非常に心の大きな状態ではあると思うんです。

 今、日本の国の借金は八百十三兆円、国民一人当たりにすれば六百三十七万円にもわたる国の借金がある中で、実を言って百億円以上の建設費をかけているのは十四カ所のうち三カ所ございます。大体平均すると六十億円以上のものが大半でありますので、これは、総額を計算してみると、単純計算で九百九十五億円も駐車場の建設費で使っているんですね。これは、まちづくりの、中心市街地に対して経済産業省が十七年度で二百五十四億円ですから、いかに大きな額で駐車場をつくってもうける、もうかっているのかわかりませんけれども、国交省の話だと、実際どういうふうに運用しているか等は聞いていない、聴取していないという説明を受けましたので、これで、こういうことをやっていて本当に中心市街地は活性化するんだろうかという思いを強くしています。

 これだけ国費を投入して建設した駐車場の実績というものを評価するべきなんじゃないでしょうか。この点についての御意見を伺いたい。

 そして、国民の皆様の税金を事業に投入しているんですから、費用対効果というものを厳しくチェックしていくということがこの改正に当たって大変重要なことなんだと思います。この点に関して、大臣、いかがでしょうか。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 いろいろな御指摘をいただきましたので十分回答できないかもわかりませんが、路上駐車場は、交通渋滞や交通事故を引き起こすとともに、中心市街地の活力低下の一因となるなど、都市の発展、再生に影響を及ぼしているということでございます。

 制度としましては、昭和四十八年度から有料道路事業として展開してきておりまして、これまでに、十六年度末でございますが、八十九カ所完成しているということでございますが、さらに都市再生、中心市街地の活力維持のため、向上のために、平成三年度に道路法を改正し、道路管理者により駐車場の整備を可能とするというようなことになってきているわけでございます。

 特に、路上駐車場問題が顕在化している東京、県庁所在地など、国としては、今御指摘いただいた十四カ所の駐車場の整備に取り組んでまいりました。補助分も含めますと十六年度末で九十カ所というようなことになるわけでございます。十四カ所の駐車場で合計約二千五百台の駐車スペースを整備し、年間約百七十万台の自動車を収容しているということでございます。

 地域によってコストがいろいろ異なります。道路の下に入れるということでございましたら用地買収は少ないということでございますが、出入り口の関係で用地補償費が要る場合があるということでございます。今御指摘いただきました横浜の駐車場の場合には、軟弱地盤で地下水位が高く、大規模な仮設工を要したということで、構造的に地下三階というようなことになったので少しほかの駐車場よりも予算が高目になっているというようなことでございます。

 また、駐車場整備推進機構の御指摘をいただきました。これは、建設や維持管理に関する国の負担を軽減すること等を目的に、国と財団との間で締結した協定に基づき実施をさせていただいているということでございまして、国は、駐車空間である本体等の整備を実施させていただいておりまして、財団は、空調設備や中央監視施設等の機械設備の整備を行うとともに、駐車場の管理運営を担当しているということでございまして、駐車場の料金収入より財団が負担した整備費並びに維持管理費を捻出しているということでございます。

 公益法人でございますので、もし余剰金が生じた場合には還元するというようなことでございますので、国に戻ってくるということでなくて、それ以上に建設費が高いというようなことがございますので、余剰金がなかなか生じないというような実態もございます。今、費用対効果のお話がございましたので、きちっと中心市街地の活性化に資するように評価しながら、適切に充実した駐車場整備を行っていきたいと思っております。

小宮山(泰)委員 適切なんでしょうか。これが本当に必要だったのかというのは非常に疑問にも思いますし、もちろん、事業概要を見ればまちづくりのための駐車場整備に関する調査研究とか入っていますし、事務次官クラスの方や、国土地理院の院長とか、警察、建設、運輸、当時は通産ですね、こういったいろいろなところの方がここに常勤、非常勤の理事として入っていらっしゃいます。

 実際には、本当に、何でこの財団がやらなきゃいけないんだろうという素朴な疑問も私は持っております。こういった積み重ねが、どこのところで百億円を使ってビル建物にして運営管理を任せるのか、これ自体も何となくおかしな話ですが、この点に関しましては、いずれ決算など、そういったところでもまた質疑を続けさせていただきたいと思います。

 それでは、次に続かせていただきますけれども、先ほどからも、また先般の国土交通委員会におきましても、メニュー方式というもので、メニューという中で予算を出しているということ、非常に違和感を感じているのも先ほどから述べたとおりであります。

 先ほどからも出ております、中心市街地活性化に関する勧告というのが総務省から出ておりますけれども、この勧告というものが出てから改正等は出てまいりましたけれども、この勧告というものに対してしっかりと、基本計画の評価が行われているとは認められなかったということは、この勧告自体は実施をきちんとしなかったんじゃないかという思いがあります。基本計画の実現可能性を問う事前評価、そして国費を投入した事業についての事後の評価制度をぜひ実施していただきたいと思いますが、中心市街地のにぎわいを回復するためというのはどういった指標が必要なのか、具体的なことをぜひお聞かせいただきたいと思います。

 特に、経産大臣には、中心市街地の活性化が回復するということは具体的に何なのかということもあわせてお話しいただきたいと思います。いろいろな場所へ行けば、それぞれの土地、そして人口構成やいろいろなものによってにぎわいというもののとらえ方は恐らく違います。違うものを、どうやってにぎわいが戻ったということの確認をとれるのか。その点に関して、ぜひ大臣の御見識を伺いたいと思います。

 たった五年ぐらいでこの改正につながったということを考えるならば、今後、この法律では十年後ぐらいの規定見直しというのは入っていたかと思いますが、五年、三年待たずにまた見直しを、こうやっていろいろな予算のメニューを使っていかれるということを考えれば、早いうちに、にぎわいが戻らなければ戻す方向をもう一度見直さなければいけないんだと思います。こういった意味で、どういうふうに、今後、運営していくのか、運用していかれるのかをまず伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

迎政府参考人 まず私の方から、総務省の指摘について答えていないのではないかというふうな御指摘がございましたけれども、私ども、これを受けまして、関係省庁と共同で、基本計画の点検、見直しを行うための現行中心市街地活性化法に関する基本方針の考え方というふうなものを取りまとめて市町村に通知を行いました。それと同時に、ただいま御審議をいただいております中心市街地活性化法の中で、評価、チェック・アンド・レビューの仕組みを入れた次第でございます。

 それから、もう一つ、この中で客観的に活性化の事業の評価を適切に行うというために、ではどういった指標をつくっていくかというお尋ねでございますけれども、これにつきましてはいろいろな数字が考えられると思います。例えば、今、中心市街地の活性化なんかでいろいろ一番よく測定なんかが行われているのは、まさににぎわいという意味で、歩行、通行される方の人数というふうなものがよくはかられておるようでございますけれども、こういったものもございましょうし、あるいは、計画の中で、店舗の数ですとか、商品の販売額ですとか、売り場面積ですとか、あるいは中心市街地の町中居住を推進するという意味で居住人口ですとか、いろいろな指標を目標数字、計画数字として各地域でいろいろ実情に応じて設定をしていただければというふうに考えておるところでございます。

小宮山(泰)委員 せっかくですので、大臣も。

二階国務大臣 ただいま御説明を申し上げたとおりでありますが、具体的な数値目標等を複数に設定して、目標に向けて、にぎわいの回復をリードしていくということでありますが、私はやはり、その地域に住み、その地域の商店街の中心的な役割を果たしている人々が、これでいよいよ活性化しました、おかげで元気もつきました、売り上げもふえてきましたということが大きな指標であると思うわけであります。

 そこで、私は先般、政府のいわゆる内閣府がやっておりますタウンミーティングで、関西のある地域に行ってまいりました。そうしましたところ、その地域の皆さんの中で経済産業省へおいでになりまして、おいでになりましてというのは、経済産業省の地下一階のあるスペースをそれぞれの地域の皆さんから御要望があった場合に、一週間とかあるいは三日間とかという日を区切って、店舗を提供しておるようであります。私にそんなメールが参りましたので、一昨日、その現場に行ってまいりました。

 私は、遠くからいろいろな製品を持って乗り込んでこられたことは、これは大いに多とするところでありますが、もう一歩、そうするならば、そこでそういう催しをやっておるということをもっと、それぞれ、出身の県の東京在住の皆さんや、あるいは経済産業省のみならず、この霞が関周辺、永田町周辺に居住している人たちに対して、やはりこういうPRをする必要がある。

 そういう積極性において、私は、やはり関係者の皆さんの奮起が必要だ。何もかも政府がやってくれる、そして、その後で点数を見て、この市街地の整備が十分であったとか、住宅の整備が十分であったとかという点数をつけることは、これはこれで大事なことでありますが、そこを経営する商店街の皆さんそのものがやはりもっと奮起する必要がある。我々はその奮起をお手伝いするということが重要であるというふうに考えておる次第であります。

小宮山(泰)委員 努力をして、元気がつきましたと報告があることを大臣は非常に望んでいらっしゃるんだと思います。

 しかし、この委員会室、私も、厚生労働委員会のとき、年金の審議、おりましたけれども、これから、高齢化の中において、年金も負担がどんどんどんどん個人にふえていく、本当に大変な時代に入ってまいります。どんなに物が買いたくても、最低限のもの、基本的なものがもうそろっている時代にあって、何でも買える、そういった現状には実際にはないと思います。買う人と買わない人、そういう意味では二極分化も始まっている。そういう選別されていくような時代に入っていったときに、先ほど、指標はいろいろありますという答弁がありましたけれども、いろいろな指標があります。どこかに合っていればとりあえず活性化したということは必ずしも言えないのではないか。

 町というものは、いろいろな条件があるからこそ成り立っているわけですから、この法案、十年後の見直しまで待つことなく、やはりしっかりと、元気がつきましたと言ってもらえる、特に商店街など、売り上げが必ずしもとても伸びていくものだとは、簡単に言ったら考えられない。人口が減る、買う人が、これからどんどんどんどんお金を使って今まで以上にたくさん買う必要が実際にはないような、そういう時代に入ったときに、そういう指標で、活性化しました、元気になりました、そういった答えが簡単に出てくるとは到底考えられません。

 そうなった場合、やはり、そう遠くないときに、またこの法案は見直しが必要なんじゃないかと思います。その点に関して、大臣、これはどのぐらいでしっかりと見直していくのか、そういったおつもりがあるのか、伺いたいと思います。

二階国務大臣 状況を見まして、的確に判断し、おくれをとらないようにしてまいりたいと思います。

 今いろいろな御意見をちょうだいしておりますが、それでは、何もしなかったらどうなるんですか。私は、今の現状、大都会の中にも空洞化している地域が存在していることは議員も御承知のとおりです。地方に至っては、本当に目を覆いたくなるような場面もたくさんあります。それでは何をするかという中で、今政府が編み出した今度のスキームによってどう対応していくかということであります。

 私は、再々申し上げておりますように、こんなことを、法律を書いていただいて、予算をつけて発表して、じっと机に座っておって物事が解決するものではない。経済産業省もおかげさまで、地方に勤務しておる人たちだけでも二千人おるんです。私は、それを総動員して、お手伝いを必要とするところは、一週間ずつ交代でも、それらの商店街にお手伝いに上がって、地域の皆さんもしっかり頑張れ、そして我々も頑張る、その中で、当然、今議員御指摘の見直しというようなことは、接触していればわかるわけなんです。それを、三年後、五年後、十年後と答弁することは簡単でありますが、私は、現状を見ながら、きちっと見直しは考慮に入れてまいりたいと思います。

小宮山(泰)委員 何もしないとは私言っておりません。いろいろこれも、一生懸命働いている国民の皆さんの税金を使って行うからこそ、検証が必要なんだということを言っているんです。一生懸命やっていただきたい。できることなら、見直しが必要ない、しっかりとした、そして運用に対しても無駄遣いだと言われないような、そういう予算の執行をしていただき、そして、にぎわいが戻った、温かい国、日本。世界じゅうの人が日本に来てよかったと思っていただけるような、そういう施策をやっていただきたい。

 だからこそ、今回、反省としては、やはり、総務省から指摘を受けてからある意味動き出したような風もあります、時系列的に見れば。そういったことを待たずして、ぜひ適宜、適宜というか、答えていただけるなら本当は答えていただきたい、簡単に答えられるとおっしゃいましたので、答えていただきたいところではありますけれども、やはり、適切に、常にこの事業の検証をしていただき、そして、法案がよくても運用が悪かったと言われないような施策をしていただきたいと思います。

 私自身も、日本じゅう、やはり活気があふれる日本であってほしい。そして、そのために今、私たちはこの連合審査という中を通し、そして各委員会が真剣な審査をしているんだと信じております。大臣と同じく、私自身も元気がついた、この審議に参加してよかったと自信を持って言えるような、そういった施策が成ることを祈って、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

林委員長 三日月大造君。

三日月委員 民主党の三日月大造です。

 同僚委員とともに、連合審査、限られた時間ではありますけれども、確認をしてまいりたいと思います。

 まず、二階大臣、国の中心市街地活性化、補助金予算及び交付金、政府系金融機関の投資、融資も含めて幾ら投じて、国として中心市街地活性化のために今施策が行われているんでしょうか。

迎政府参考人 まず、国全体の数字は把握しておりませんけれども、経済産業省におきましては、平成十年から平成十八年度までに講じました中心市街地活性化策、商店街振興策の予算の合計額は約一千七十二億円ということになっております。

三日月委員 大臣にぜひお答えいただきたいんですけれども、国として、中心市街地を活性化するために、補助金、交付金、そして政府系金融機関の投資も含めて、融資も含めて幾ら投じて、今、大臣、小宮山委員の質問に答えて、現状をよく見ながらしっかりやるんだ、経済産業局の職員も含めて、机でパソコンに向かっているんじゃなくて、現場に行ってこいと言っているんだと。私もそのとおりだと思います。今までやってこられなかったことを思えば、それも非常に不思議だなと思っているんですけれども、改善されようとするなら、それは前進だと思います。

 しかし、幾ら投じているんですか。その現状をお聞かせください。

二階国務大臣 各省全体の数字は今持ち合わせておりませんので、後刻、調査の上、対応いたします。

三日月委員 済みません。これは、私、質問通告をさせていただいて、また、先般の国土交通委員会の中で質問、指摘をさせていただいて、北側大臣の方からもお答えいただきました。

 確かに、中心市街地活性化のためだけではなくて、もっと広い意味で使える予算もあるのです、そのうちの一部が中心市街地活性化に使われていたりするので、その額の判定が難しい、測定が難しいということは聞きました。それも一部わかります。市町村で使われていることも含めて、決算の部分ですね、どれだけが使われているかという進捗状況の把握も難しい。それもわかります。

 国として投下した額、これがわからずして、先ほど来委員の方にお答えいただいていた、これからは効果測定もするようにします。幾らの効果測定をするんですか。

 それは、私、今回のこの中心市街地を応援する、頑張っている市町村や都道府県を応援していくというこの枠組み、反対じゃありません、賛成です。むしろ、効果的にやっていただきたいと思っています。しかし、現状、幾ら投じていて、それをどのように使い直すんだということの検証なくして、私はこのままこれを通すわけにはいかないと思っているのですけれども、いかがですか、大臣。もう少し踏み込んでお答えいただけませんか。そう思いませんか、大臣。

林委員長 迎審議官。

三日月委員 いや、いいです。迎さんはいいです。

林委員長 事務的なこと。

三日月委員 いや、事務的なことじゃないです。大臣の御見識を聞きたいのです。

林委員長 迎審議官。

三日月委員 いや、大臣です。御見識です。

林委員長 まず、事務的に答えてください。

迎政府参考人 この点につきましては、私も国土交通委員会の中で御質問賜ったわけでございますけれども、私ども経済産業省の予算につきましては、中心市街地の区域の中で行われたものとそうでないものが区分けができておるわけでございますけれども、各省庁の予算については、その区域外、区域内のものを一体にやっているものとか、そういう仕分けができていないということでございまして、そうした数字を各市町村レベルにわたって把握するのは、これはちょっと実態として難しいというふうなことを申し上げております。

三日月委員 きょうは片山さつき政務官もお越しですので、財務省の御出身ですけれども、こういうお金の使い方でいいのですか。政治家としての御見識をお伺いしたいと思います。

片山大臣政務官 御質問いただきましてありがとうございます。

 予算の効果的な使い方及びプラン・ドゥー・チェック・アクションにつきましては、特に政策評価法の導入以降はかなり厳しく事後的なチェックをするようになっております。

 ただいまは事務方の方で各省ごとの数字しか把握しておりませんようでございますが、いずれにしても、経済産業省につきましては、十年度から十八年度までに、中心市街地活性化策及び商店振興策の当初予算額の合計が幾らであり、融資枠が幾らであるということを把握し、また、その評価につきましても、毎年の政策評価の報告書で、法律、制度にのっとり公表し、その中で必要があるものは続け、また、玉がえのようなこともして、新たな政策に変えていくということを図っておるところでございます。

三日月委員 省庁の役人のような答弁は控えていただきたいと思うのですけれども。

 違うのですよ。事後チェックをするためにも、事前に、幾ら使われているかという把握なくして、事後チェックというのはあり得ないのです。これは恐らく、大臣も聞いていて、いや、そのとおりだな、ただ、いろいろあるから今すぐに出すことが難しいんだなということをお認めいただいていると思うのです。

 今回、この中心市街地活性化本部ですか、総理大臣を本部長として、八府省庁、これまでやってきたことを統合して、認定するんだ、応援するんだと。少なくとも、これからの部分で、これをどう把握して、どうチェックするんだということの確認はさせていただきたいと思うのですけれども、具体的にどう把握するのですか、そして、どうチェックするのですか、その手法について。

北側国務大臣 これは、先般の国土交通委員会でも委員の方から御指摘いただきまして、国土交通委員会でも議論をさせていただきました。

 そのときにも申し上げましたが、例えば、国土交通省の予算というのは、中心市街地を前提として事業があるわけではございません。中心市街地の活性化にも使えるメニューというのはこんなメニューがありますよという中身、例えば、まちづくり交付金も、十八年度予算としては二千三百八十億円という大きな金額をちょうだいしておるわけでございますけれども、このまちづくり交付金も、当然、中心市街地だけではなくて、全国のすべての町のまちづくりの支援のための交付金事業でございます。ですから、その中から中心市街地でどれだけ使われているんだということを計算しろというのは、これは、それぞれ補助事業でございますし、大変な時間と労力がかかってしまうことは明らかでございまして、また、それが厳格にそのように出せるかというと、それもなかなか容易じゃないと思うのです。

 ただ、委員のおっしゃっている御趣旨もよくわかりますので、今後の問題といたしまして、こういうふうにぜひさせていただきたいというふうに思っているのです。

 中心市街地に対して実際にどの程度配分されたかということにつきまして、今後は、予算の概算要求段階において、今回から、市町村から基本計画が出てまいります。それを認定します。その認定を受けた基本計画に位置づけられた施策に対して想定している予算の枠を、これは国土交通省だけでなくて、政府全体として予算の枠を公表いたしまして、さらに、予算成立後の配分段階において、実際に配分された額を把握、計上するようにぜひさせていただきたいと思います。

 そして、これによりまして、中心市街地活性化本部において基本計画の実施状況等のチェック・アンド・レビューというのをしっかりやっていく必要があるわけでございますが、実際に使われた額というのがどの程度効果を発揮しているのか、きちんと評価をしていきたいというふうに思います。

三日月委員 それは国土交通省ですか、国土交通省として。いや、違うんです。私が聞いているのは、大臣、二階大臣にもぜひお答えいただきたいのですけれども、今回、統合されるんですよね、いろいろなものを省庁横断で取り組んでいくんですよね。おっしゃるとおり、厳密に市町村で幾ら、まちづくり交付金のどの部分が中心市街地活性化のために使われたかということを聞いているんじゃないのです。その内数も含めて、国として、中心市街地活性化のために、どのような予算項目で、補助金で、交付金で、そして政府系金融機関の融資も含めて、マクロの規模、金額規模としてどの程度のお金を投じているんですか。この把握なくして、今大臣がお答えになったチェック・アンド・フォローなんてないのですよ。しかも、概算要求段階で把握、そして、基本計画に入っている数字を計上、配分段階の数字を計上。これだったら今でもできるのです。

 二点、お伺いします。

 先ほど北側大臣がお答えになったことは、国土交通省だけではなくてすべての省庁でやられるべきだということと、政府系金融機関も含めて、その融資額も含めて全体のマクロの金額を把握すべきだということについての二階大臣の御見解、お伺いしたいと思います。

北側国務大臣 まず、今私が答弁しましたのは、国土交通省だけの問題ではありません。中心市街地活性化本部が内閣にできるわけでございますので、中心市街地活性化本部として、先ほど申し上げたようにやらせていただきたいと考えております。

二階国務大臣 今、北側大臣が御答弁のとおり、中心市街地活性化に関する内閣の関係各省を挙げて、今の御質問に対してきちっとした回答ができますように、調査をしてまいりたいと思っております。

 なお、融資の面につきましては、当初予算額は、融資枠として各種の政策的融資を総計してしまうため、極めて多額となってしまいます。よって、融資に関しては実績額でお答えいたしますと、平成十年度から平成十六年度までの、中心市街地活性化のみではなくて、中心市街地以外にも使われている融資実績額の合計は、約八千十五億となっております。

三日月委員 その八千十五億という金額は、私は初めて聞いたのですけれども、先ほど最初に質問したときにはお答えにならなかった数字が、中心市街地活性化のためだけではないけれども、八千十五億という形で出てきました。それはどこの金融機関がどのようなメニューで出されたものなんですか。

迎政府参考人 これは政策投資銀行でございますとか中小企業金融公庫、国民金融公庫等の政策金融機関の流通関係の融資の実績額である、こういうふうに理解しております。

三日月委員 いや、それならそれでちゃんと出してくださいよ、数字として、金額として、項目として。前回聞いたときには出てこずに、最初に大臣にお伺いしたときには、何かごもごもと、わかりませんとおっしゃって、突っ込んで聞けば八千十五億と出てきて、しかも、そのメニューやなんかは日本政策投資銀行等と。これはしっかりと、後刻、数字としてお示しをいただきたいと思います。

 大臣、先ほどの御答弁の中で、ちゃんと調査しますと言ってくださいました。ぜひこれは、これから事後チェックをきちんとやっていくんだということであるならば、そもそも事前に、市町村で幾ら使われたかというすべての細目まで出せといったら大変だと思います。しかし、国として投資した、投下した額ぐらいは、補助金であれ交付金であれ、そして融資額であれ、直接的に中心市街地活性化ということだけではないにしろ、それも含んで出した金額は幾らだということの把握は最低限必要だと思います。

 まず、この委員会の場にというか、経産委員会、国交委員会に、今言われたるるの資料の御提示と、そして今後の調査、事後チェックの徹底を答弁として御確約いただきたいと思います。二階大臣、よろしくお願いいたします。

二階国務大臣 先ほど来御答弁申し上げたとおり、私どもとしては、今御質問の趣旨を踏まえて調査をして、できるだけ早く回答をできるようにしたいと思います。

三日月委員 お伺いいたします。

 平成十六年六月に、中心市街地活性化施策に関する事後評価書といって経済産業省は出されているんですね。この中にいろいろなことがあるんですけれども、あくまで部内といいますか、自分たちで自分たちの施策を評価されたものでありますから、いろいろと、わかられていること、そして言えないことやなんかもあるのかもしれませんが、その中に、今後の改善策として、市町村及びTMO向けに共通する事項ということで、中心市街地活性化と都市計画との整合性を図っていかなくちゃいけない、国土交通省の都市計画法の運用指針の中にもあるようにということについて言われております。

 このあたり、これまでどのようなことを行われてきたのか、また、今回の改正で、都市計画と中心市街地活性化との整合性という分野でどのような進捗が見られるのか、お答えをいただきたいと思います。

迎政府参考人 事前に質問の通告をいただいていなかったのではっきりお答えはできないわけでございますけれども、中心市街地の活性化施策に関する事後評価書と申しますのは、これは、平成十六年六月に、商務流通グループ及び中小企業庁、地域産業グループの関係者が作成をいたした、内部での施策についての事後評価ということでございます。

 これの中でいろいろな分析を行っておるわけでございますけれども、こうしたいろいろな評価を踏まえて、今回は中心市街地活性化法と都市計画法の改正案を提出しておるわけでございますけれども、両者の整合性をとるということで、基本方針の中で都市計画の運用について一定の記載をするというふうなことで、両者相まって中心市街地の活性化に努めていくというふうな法体系になっておるものでございます。

三日月委員 いや、いわゆる都市計画と中心市街地活性化のための計画、土地利用と基盤施設整備の計画、こういうものがリンクしていなかったがために、所期の目的の効果が得られていない。お金は投じたけれども、残念ながら、寂れる中心市街地が多くなってしまったということがあるんじゃないかと思うんです。

 一点、具体的な例を申し上げれば、二階大臣も北側大臣も、四十七都道府県の都市計画をごらんになったことはありますか。私、今回のこの質疑の際に、四十七都道府県すべての都市計画に目を通しました。その際に、ごらんになってわかると思うんですけれども、都市施設という、都市計画法十一条に載っている、いろいろな項目について、施設計画を定めなさいという項目に沿って都道府県の都市計画があり、その下に市町村のマスタープランがあるんです。

 何を申し上げたいかというと、例えば、公共交通機関に関する記述がないんです。前橋市に視察に行ったときに、その前橋市の都市計画をいただきました。この前橋市のバスの路線はどうなっているんですか。道路についてはあるんです、駅についてはあるんです、高速道路についてもあるんです。しかし、バス路線について都市計画の中に載っていない。交通と都市計画がリンクしていないんです。及び、その都市計画の中に、商業地域どうのこうのという用途地域の色分けはあります。しかし、商店街というものがその都市計画の中に載っていない。つまり、どういうことかというと、都市計画と商業計画とがリンクしていないんです。

 このあたり、都市計画法の十一条の中身でありますとか、こういうことも含めて、もう少し踏み込んだ、より今回の改正に即した中心市街地活性化、もしくは都市計画づくりの応援を国としてしていくべきではないかと思うんですけれども、御見解はいかがでしょうか。

柴田政府参考人 都市計画と中心市街地の問題、商店街の活性化との問題で整合性がとれていないという御指摘がございました。

 これは、先ほどから、あるいは都市計画法の審議のときに、再三大臣の方からも御答弁申し上げておりますように、中心市街地を活性化しようとしているにもかかわらず、郊外部にどんどん大規模集客施設等が立地できるような仕組みになってしまっている。

 それについては、平成十年以降、特別用途地区だとか特定用途制限地区というものを、規制できるような制度を用意してきたわけでございますが、なかなか運用が難しかったという実態等があるわけでございます。

 それで、今回はその辺を抜本的に改正して、原則を展開して、原則、大規模集客施設等につきましては、幅広い地域で立地できるものをできないようにし、立地する場合には、立地がいいのかどうかという住民の皆さんの意見も入れて、地域の判断でそこを定めていこうというようなことで、まさしくまちづくりと都市計画、そういう意味での整合性というのをちゃんととっていきたいと考えております。

 それから、都市計画の都市施設。確かにバスの路線等は都市施設ということになっていないわけでございますけれども、これも、まちづくりの協議会等でいろいろな、公共交通機関はどうあるべきであるかとか、あるいはLRTをどういうぐあいに設置していくべきであるとか、私は、そういう議論はそういうところで十分やられるべきであるというぐあいに考えておりまして、そういうものが都市計画として、施設としてなっていないから整合性がとれないというんじゃなくて、そういうような住民の皆さんたちの、ありとあらゆる、いろいろな方々の意見を集結できる場でもってこの町をどうしていこうか、そこが一番重要であろうかというぐあいに思っております。

三日月委員 郊外が悪いわけではなくて、大型店だからだめだということではなくて、計画がないところにどんどんと立地が進んだり開発が進んだりして、結果的に、投下している都市施設のためのインフラ、投資が有効に使われていないという状態を改めていくことが重要だと私は思っています。

 二階大臣は運輸大臣も御経験ですから、特に交通とこの中心市街地活性化、交通と都市計画というものがもっとリンクした計画づくりのために、省庁を超えた御指導や旗振り役を期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

林委員長 塩川鉄也君。

    〔林委員長退席、石田委員長着席〕

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。

 きょうは、中心市街地活性化法の連合審査ということですが、そもそも、まちづくり三法の一環でもございます。私が用意した質問の幾つかが重複していることもございますし、私、経済産業委員であり、二階大臣には来週にも質疑の機会もあるかと思っております。ですから、中活法や主に都市計画法に関連しまして、北側大臣、国土交通省にお話をお聞きしたいと思っております。

 中心市街地の現状認識につきましては、例えば本会議の趣旨説明におきましても、二階大臣からは中心市街地の衰退が目立っている、また北側大臣からは中心市街地の空洞化ということの指摘もあり、この点での認識は一致をしているわけであります。

 日商や全国連など中小四団体の方が一昨年の七月にまとめましたまちづくりに関する要望、私どももたびたび紹介をさせていただいております。この中にも、まちづくり三法が制定をされ六年が経過をしたが、当初期待された効果は得られず、全国の中心市街地は活性化するどころか、三法制定時よりさらに寂れている、こういう指摘がございました。まちづくり三法が十分に機能していないんじゃないのかという御質疑がこの場でも、数人の委員の方からもありました。

 そういう中で、北側大臣の御答弁で二つの点を指摘されて、一つは、三法そのものが商業振興が中心で、生活空間としての中心市街地のとらえ方が不十分だったという面があると。もう一点が、今、自動車交通も発展をして、一つの市町村で規制しても隣の市町村に大型店が来れば大きな影響をこうむる、広域的な観点からの適正措置が必要だったんじゃないのかという、認識としてございました。この点は、その面も当然あると思います。それだけなのかということを、私きょうお聞きしたいと思っておるんです。もちろん、今言った不十分さという指摘の上に、その立場から今回の都市計画法が出されたわけであります。

 その点で、今回の都市計画法改正の趣旨についてお伺いしたいんですが、国土交通委員会の質疑なども会議録で拝見をしていますと、今回の都市計画法の改正は、これまでの物の考え方を百八十度変えるものだと述べておられると承知をしています。何をどのように百八十度転換をしたのか、この点をお聞かせください。

北側国務大臣 既に議事録も読んでいただいているようでございますので簡単にさせていただきたいと思いますが、一つは人口構造です。人口構造の変化。昨年から人口減少時代に入りました。また、本格的な高齢社会はまさしくこれから到来をするわけで、我が国日本社会がこれまで経験したことがないような、人口構造において大きな変化が、それも短期間ではございません、これからかなり長い期間にわたって続くというふうに考えられるわけでございます。

 二つ目は、やはり環境面の問題です。地球環境問題が言われておるところでございますけれども、環境面、エネルギー面からの制約というのは当然出てくると思います。

 三点目に、財政面からの制約。財政面で、当然これからは、限られた予算をいかに効率的に使っていくのか、こうした面での制約もあるわけでございます。

 そういう大きな社会経済情勢の変化の中で、まちづくりという観点からも大きな転換をしていかねばならない。これからはもう高齢者が大変多くなるわけですから、車に余り過度に依存する社会ではなくて、自分の居住している生活空間の中で、徒歩や自転車や、また公共交通を使って必要なものはすべて賄っている、そういうふうなまちづくりをやはり志向していかねばならないというふうに考えておりまして、私ども、これをコンパクトシティーとか歩いて暮らせるまちづくりというふうに言っているわけでございますけれども、そういう方向に大きく転換をしていきたい。

 都市機能のさまざまな立地を、やはり中心市街地を中心とする、中心部に都市機能が集積されるような、そうしたまちづくりをしていかねばならないというふうに考えているところでございます。

塩川委員 そのような中心部に都市機能が集積をする、今幾つかのお話、人口減少を含めた要件の中で、そういう社会的な背景の中での考え方の転換というのはありますが、それに基づいて、具体的に都市計画法においてもその措置をとったわけでありますね。

 どういう転換を百八十度図ったのか、都市計画法の改正において。その転換というのは何なのかということをお聞かせください。

北側国務大臣 一つは大規模集客施設でございます。これまでは原則立地が可能なような都市計画の仕組みになっておったわけでございますが、むしろこれからはそれを全く転換いたしまして、大規模集客施設にありましては、その立地を一たん制限いたしまして、それでも立地をしようとするときには都市計画手続、各地域地域の都市計画手続を経ることによって、地域の判断を反映した適正な立地を図っていくというのが大きな一点でございます。また、病院等の公共公益施設についても、これまで開発許可の対象としておりませんでしたが、これも開発許可の対象とするということにさせていただいたわけでございます。

塩川委員 大型店など、病院なども含めてですが、大型集客施設につきましては、原則立地可能という都市計画法上の措置を、立地を制限するという百八十度の転換を図ったということであります。

 そこで、さかのぼって、そもそも現行のまちづくり三法がどういう立場だったのかという問題があります。もともと大型店の出店のあり方を律する法的枠組みとしてのまちづくり三法というのはどういうものだったのか。三本の法律が有効に機能することによって役割を果たすと言われているこのまちづくり三法とはそもそもどのようなものだったのかについて、簡潔で結構なんですが、御説明いただけますか。

柴田政府参考人 従前の小売の大規模店舗等につきましては、従前のやり方、商業調整というのをやられていたわけでございますが、そういうやり方で競争を阻害するということについては問題があるということで、そういう制度はやめていこう、その後は、都市計画といったもので、ゾーニングということで大規模集客施設、小売店舗等をまず一つは規制していこう。それからもう一つは、新しい大店舗法によりまして、大規模集客施設の立地に当たっての、それがもたらす環境的な問題等をよくチェックしながら、それからさらには、町中の中心市街地につきましては中心市街地の活性化法によりまして商業の振興と町の振興を図っていこうという、この三位一体の法律でもってそれまでのやり方を大きく転換し、この三つでもって中心市街地の活性化に取り組んでいこう、あるいは商業施設の適正な立地に取り組んでいこうということでやられたということでございます。

塩川委員 商業調整ではなくて、都市計画法上、ゾーニングを活用して大型店などの立地の可否を判断するというところが大きなポイントの一つだったわけです。

 そこで、先ほども紹介しました中小四団体の要望書を拝見しますと、政府は、三法を一体として活用すれば、大型店の立地調整を含むまちづくりに支障はないと説明をした、特に、ゾーニングに関しては、改正都市計画法等を活用して、諸外国でも行われている中心市街地活性化等のための郊外開発の規制等が行われることをコミットしたと。政府は、ゾーニングを使うことによって郊外開発の規制も行われ得るという説明をしていた。

 ですから、大型店の立地の可否は都市計画法のゾーニングで行い、大型店の郊外出店についても規制は可能という説明だったわけですね。それはそのとおりですね。

柴田政府参考人 これは都市計画の制度の問題、論理の問題で申し上げますと、原則的には、立地が可能な都市計画区域の中では非常に多くの区域で立地が可能でございますが、平成十年あるいは平成十二年の改正によりまして、用途地区の中でも特別用途地区というのを上からもう一度張りまして、それによりまして大規模集客施設等についての立地というものも、それぞれの市町村が決めれば、都市計画審議会をもちろん経るわけでございますが、決めればできるようになったということ。あるいは白地地域につきましても、特定用途制限地域という制度を新たにつくりまして、それでもってそこを指定すれば立地が規制できる。あるいは都市計画区域の外につきましても、準都市計画区域制度というものを置けばできるということで用意はさせていただきましたが、先ほどから申し上げておりますように、一つの地域、一つの市町村でスポット的に大規模集客施設等の立地について制限を加えたにいたしましても、法律的には、近隣の市町村が誘致される、そのときには近隣の市町村で立地されてしまうというようなこともございまして、結果、当初想定し、ねらったような形での活用というものがなされていなかったというのが現状でございます。

塩川委員 活用されなかったということですけれども、では、例えば、この特別用途地区は何件ぐらいで、特定用途制限地域というのは何カ所ぐらいなんですか。おおよその数で結構ですよ、数百という数には当然なっていないわけですから。

柴田政府参考人 大規模商業施設の立地規制を行う特別用途地区の指定は十件、特定用途制限地域の指定は十二件、準都市計画区域の指定は三件ということになっております。

塩川委員 全国三千からに上るような自治体、合併して今千数百でしょうけれども、三千数百の自治体があった中で、つくっているのは十数カ所でしかないんですよね。もう使えないんですよ、これ。これでできると当時は説明をしていたわけです。結果として、できなかった。

 今回、法改正によって、原則可能というのを、原則制限ということを置いた。ですから、本来は、当時から規制が可能だと言っていたことが間違いだったということを今度の法改正で認めたということなんじゃないですか。いかがですか。

柴田政府参考人 制度は用意いたしましても、実施をするのは市町村ということになるわけでございまして、市町村の判断でもっていろいろな考え方があるだろう、規制をしたい、あるいは、規制はしない、誘致をしたいというようなところもいろいろあるだろうというようなことで、結果、こういう感じになっていることは先ほど述べたとおりでございます。

 結果的に見れば、うまく活用されずに、うまく当初想定したような形になっていなかったのは事実でございます。そういう反省を踏まえまして、今回は都市計画のあり方を百八十度転換させていくということにいたしたわけでございます。

塩川委員 自治体の責任にするのはおかしいんじゃないですか。

 九八年にまちづくり三法を審議した際に、附帯決議もつきました。例えば衆議院の商工委員会の附帯決議を見ますと、「改正都市計画法等を活用して諸外国でも行われている中心市街地活性化等のための郊外開発の規制等は行われ得ることを明らかにし、この旨を周知徹底すること。」と附帯決議を付しているんです。政府にこのことを求めているんです。つまり、国会における多数の議員の方も、郊外での規制は可能なんだと。

 当然のことながら、地方自治体のことを念頭に置いて、地方自治体においても十分に活用し得るような制度だと政府が一貫して説明をしていた。日商や全国連のような中小団体も、これでいける、商業調整を今までやってきたけれども、ゾーニングを使うことによって工夫すれば当然のことながら大型店の郊外規制も十分に可能なんだと思って、当時はこれを容認されていたわけですね。それがうまくいかなかったということなんですよ。

 ですから、多くの人は十分できると。当時、保証していたのが政府、国土交通省、通産省だったんじゃないですか。大臣、いかがでしょうか。

北側国務大臣 例えば市街化調整区域、今回の改正案ではなくて、現行であればどうなっているかといいますと、開発許可が必要になってきます。それと、市町村に当然、開発許可ですから、大規模店舗の場合は事前に計画が出てくるわけですよね。

 ですから、市町村として全く何の手段もなかったかというと、それはそうではないと思うんです。手段はちゃんと持ち合わせていたんです。その一つとして、特別用途地区や特定用途制限地域という形でゾーニングをしていく、その部分については大規模店舗はだめですよというふうなゾーニングをすることも可能でありましたし、開発許可の中でさまざま、事業者との間で論議することも可能であったと思います。だから、全く手づるがなかったわけではない、また、前回の改正時点では、そういうふうなツールを使うことによって市町村が当然調整をしていくというふうに考えておったわけですね。それが必ずしも予期したとおりにはなっていなかったということでございます。

 今回は、例えばそういう市街化調整区域においても原則不可だ、原則立地は認めないというふうにした上で、逆に、地元の方でそこはいいという判断であるならば、きちんと地区計画等の都市計画手続を経てくださいね、こういう形に転換をさせていただいたわけでございます。

塩川委員 なぜそのときにしなかったんですか。そういう議論はあったんですよ。九八年のときに、このままでは原則自由になってしまう、実際に自治体が使いこなせるような状況になっていないじゃないかという指摘があったんですよ。そのことへの反省というのはないんですか。そのことについて、一言いかがですか。

北側国務大臣 例えば、あれはどこの県でしたか、条例をつくったのは。(発言する者あり)福島県。福島県は、今でも現行法制のもとでやっているわけですね。かなり厳しく大規模店舗について規制をしていこうという条例なんかもつくってやっているわけです。

 だから、市町村や都道府県において、地方自治体において全く手づるがなかったかといえば、そうじゃない、あったんです。あるんです。あるんですが、それが十分に、福島県のように非常に意欲を持った知事がいらっしゃればいいんですけれども、そうでなかった場合には、むしろ大規模店舗ができるということは国民にとっていいじゃないか、経済にとっていいじゃないかというような判断も多分市町村によってはあったんだろうというふうに思うんですね。

 だから、これからはそうではなくて、都市計画という観点の中で、やはり大規模店舗については、商業地域等の一定の部分を除いて、もう原則は不可です、どうしてもそこでやる場合にはきちんと地区計画等の都市計画手続を経てくださいねというふうに大きく転換をしたということでございます。

塩川委員 私も福島に行って、その条例をつくる過程のことはずっとお話を聞いてまいりました。大変な努力をしてつくられた。もちろん、地元の業者の方、研究者の方に広くお話を聞いてつくり上げた。一番大変だったのは政府とのやりとりだったという話ですよ。この立地法十三条の、地域の需給状況を勘案することなく、こういうのが大きな足かせとなって、地方が独自に行うことについて上から圧力をかけるような、そういうことに対して地方自治体が大変な努力をしてつくり上げたのが福島の条例だったんじゃないでしょうかね。当時は、九八年、法施行後、アメリカの大使館が、地方自治体がちゃんと遵守しているかどうか点検に回るようなことだって行われたんですよ。

 この話の中で、実施する市町村がうまくいかなかった、結果として見れば市町村が使いこなせなかったという話なんですけれども、これは市町村の努力が足りなかったせいじゃないんですよ。一番問題なのは、開発については原則自由だ、原則可能だということだったからこそ、自治体としての独自の取り組みというのができなかったんじゃないですか。自治体が動くに動きようがなかった。これが原則規制であれば、いろいろやりようがありますよ。それが原則開発が可能だったから、自治体として動こうにも動きようがなかったというのが実態じゃないのか、そういう認識があるのかということをお聞きしたい。

北側国務大臣 福島県知事には、今回の社会資本整備審議会のこの都市計画の案を取りまとめるに当たりましても参画をしていただきまして、むしろ御意見を賜りながら今回の案を取りまとめたものでございます。

 まちづくりというのは、これは基本的に市町村が主体なわけでございますし、それはこれまでも、これからもそうでございます。これまでも、市町村が本当にそういう意欲を持ったならば、できないわけじゃなかった。ただ、それが十分に機能していなかったという御指摘はそのとおりだというふうに思っておるところでございまして、ですから、今回、都市計画のゾーニングのあり方そのものを大きく転換させていただいたということでございます。

塩川委員 では、改めてお聞きしますが、九八年のまちづくり三法の審議の際に、我が党の吉井議員が橋本総理に質問をいたしました。橋本総理の答弁の中で、吉井議員から、ゾーニング的な手法の活用というものは都市の範囲に限定されるのではないか、郊外等は抜けるのではないかという指摘があったが、都市計画の指定は自治体としてはお考えになればできると。ですから、総理自身の、自治体としてできるんだというお墨つきがあったんですよ。そのことができなかったということの反省の言葉がないということが今問われているんじゃないでしょうか。

 私たちは、こういった経済的規制、商業調整を禁止した上に、社会的規制についても、これを野放しのまま放置したことがこのまちづくり三法の一番の問題で、結果として大型店の出店が原則自由化になる、結果として中心市街地、商店街、小売商業が大きく寂れていく、結局アメリカや大手商業資本の要求にこたえた規制緩和につながっているということで反対をいたしました。

 ですから、そういう意味でも、出発点として、自治体が使いこなせるような内容じゃなかったということの出発点に立った反省の言葉、総理自身が言ったことが守られていなかったということについての、それはやはり当時の指摘は間違いだったという一言をいただくことが審議の上での前提ではないかなと思うんですが、改めていかがでしょうか。

北側国務大臣 きょうも少し述べさせていただきましたが、反省という面では、先ほど委員もおっしゃっていました、広域的な調整ができるような手だてがなかった、ここはやはりしっかり反省しないといけない。ある市町村が仮に特別用途地区をつくって立地を制限したとしても、隣の市で認めてしまうとその効果というのは極めて小さくなってしまうわけでございまして、そういう広域的調整についてできるような手続を十分にとっていなかったということについては、これは反省すべき点であるというふうに考えております。

塩川委員 真摯な反省の上にこそ抜本的な対策がとれるということを指摘して、質問を終わります。

石田委員長 次に、日森文尋君。

日森委員 今の質問に関連すると思うんですが、確認の意味も含めてお伺いしたいと思います。

 今回の改正のいわば目玉と言っていいと思うんですが、選択と集中ということが盛り込まれました。

 分権の時代であるんですが、実は今の御答弁を聞いていると、制度はつくったけれども市町村の方でそれを使いこなせなかった、いわば市町村の方に問題があるような、そう聞こえるような御答弁がありました。そう言っているわけじゃないんでしょうが。それはともかく、分権の時代、本当に市町村が主体的に自分たちの町の実態、実情に合わせて計画をつくってそしてまちづくりを進める、もちろん中心市街地の活性化も進めていくということが時代にふさわしいあり方だと思うんです。

 しかし、今回は選択と集中。内閣総理大臣が中心となった活性化本部が認定をしないとだめだ、市町村の基本計画をつくってもだめだということになっているんですよ。聞いていると、この選択と集中という大転換が行われた背景には、どうも市町村は頼りない、あいつらに任せておいてはだめなんじゃないかという発想があってこんな選択と集中などということが出てきたんじゃないかというふうに思わざるを得ないようなお話がずっと続きました。

 これについて最初に、二階大臣でしょうか、お答えいただきたいと思います。

二階国務大臣 中心市街地の活性化を図る上では、商業の活性化のみならず、まちづくり全体を一体的に進めることが必要であることは申すまでもありません。例えば学校、病院といった都市機能を市街地に集約することや、居住者を町中に呼び戻すという努力が、これを推進していく上においてあわせて必要であります。

 このため、今回の改正法案では、地域の方々が協力し合って実施する意欲的な取り組み、これが一番重要だと思っております。これに対して各省庁が一丸となって支援策を集中する、こういう考え方であります。

 経済産業省としましても、予算面での支援を初め、実態に即した支援をしてまいります。これにより、一つでも多くの地域が中心市街地の活性化に奮起してくれることを期待しているものであります。

日森委員 なぜ選択と集中になったかというのはよくわからないんですが。

 金を出すけれども口は出さないと。今まで市町村が十分に取り組めなかったという事実はあるんですよ。しかし、それが選択と集中ということによって解決していくのか。むしろ逆じゃないのか。もっと市町村の裁量を十分発揮できるような制度をつくって、金はしっかり出す、だから市町村が主体的にまちづくりを進めなさいということが基本になるんじゃないかというふうに思うんですよ。

 ばらまきだったから今度は、予算がたくさんふえるわけだけれども、聞いたら七十億とか八十億という予算ですよね。金もない、だから、内閣総理大臣を中心とした推進本部が、よし、おまえのところだけは認めてやると言ったところだけしか中心市街地の活性化ができない、まちづくりができないようなことになりかねない。もっと市町村の裁量をしっかり認めるような、分権の時代にふさわしいことで考えるべきじゃないのかというふうに私は思います。これはもう結構です。

 二番目に、関連して、中心市街地というのはまちづくり全体の一つの核になるというふうに私ども思います。しかし、先ほど言ったように認定基準というのがあるわけですね。改正案によると、三項目、基本方針に沿っているかどうか、計画が中心市街地活性化に寄与するものであるかどうか、円滑かつ確実にこの計画が実施されるかどうかというようなことを書いてあるんですよ。それを見て本部が認定するわけですね。この三項目、基準が非常にあいまい。こういうやり方だと、幾らでも国の裁量で判断できる。恣意的な判断も入るかもしれない。どこかで政治的なつながりがあるところの方が最初に、よしわかった、認定するぞというようなことになりかねないような極めて抽象的な話になっているんですよ。

 しかも、この法案が出るときに基本方針が出ていないの。基本方針が出ていないんですよ。これは議論できないですよ。どういう基準です、こういう基準ですというようなことを、基本的な方針を実はこの法案と一緒に示すべきじゃないのか。後でつくりますということではなかなか問題が多い。

 そこで、お聞きをしたいと思うんですが、そういう認定基準というものをどういう中身で今現在想定されているのか。これは後で決めるんでしょうが、基本方針の中身についても、今、具体的にどういう中身にしたいというふうにお考えになっているのか。もう一つ、それに沿って、それぞれの地域の実情、実態についてどのように御判断をされていくのかということについてお聞かせいただきたいと思います。

迎政府参考人 まず、具体的な認定の基準ということでございますけれども、先ほど来何度か別の場でもお答え申し上げておりますけれども、一つは、きちんとした明確な活性化の目標というのを掲げて、はっきりした目標、かつそれでチェック、見直しができるような目標というのをつくっていただく。それから、地域の関係者がそろって取り組んでいただく体制ができているかどうか。それから、商業の活性化ですとかあるいは市街地の整備改善、さまざまな取り組みが整合的、一体的に推進されることになっているか。こういうふうな計画の実効性という観点からチェックを行うということで認定基準というのは想定をしております。かつ、こういったものを基本方針の中でもきちんと明らかにしていくべきであろうと思っております。

 それから、地域の実情に合った基本計画をつくるというのは、地域によって事情は区々さまざまでございますので、まさにそうした実情を踏まえて、各地域ごとに創意工夫を凝らしていただいて計画の内容を決めていただくというふうなことでございまして、当然、認定を行う場合にも、そうした地域の自主性、独自性は十分に尊重をするということであって、あくまで計画の実効性の観点から、中身について何か国が画一的なものに持っていくということにならないように十分配慮していくということで考えております。

日森委員 そういうことであると、例えば、ことしの三月十五日までに、六百十の市町村からの六百八十七地区で基本計画が提出をされているというふうに聞いているんです。恐らくこれはもっとふえてくると思うんですね。それほど中心市街地が寂れてしまっているという実態があるわけですから、これはもっとふえてくるわけですよ。

 選択と集中、この中で振り分けていかなきゃいけないわけでしょう。いや、あんたのところの計画は熱意がないというふうに総理大臣以下が判断していくわけでしょう、あんたのところはいろいろ検討してみたらどうも活性化にならないかもしれないということを。そうではなくて、市町村は必死になって計画をつくっていくわけですよ。それで出すわけですよ。そうすると、選択と集中、これは切り捨てられる市町村が出てくるんじゃないですか。これについて少し明確な御答弁をいただきたいというふうに思うんです。

 さっき、基本計画はふえていくでしょうと申し上げましたけれども、今でも六百幾つあるわけですよ。これはどれぐらいまで想定しているんですか。予算は大丈夫ですかということについてもあわせてお答えいただきたいと思います。

迎政府参考人 まずは、現実問題として、今までの中心市街地活性化法において、計画の実効性ですとかあるいは計画の中身の整合性とか、そういったものを客観的にチェックをしていなかった。そういう中でやってきて、実際に所期の政策の目的の効果が上がってこなかった。こういうのを踏まえて今回法律の改正を行うわけでございますので、当然のことながら、従来の基本計画というのはしっかりもう一回考えていただいて、実効性のあるものにつくり直してきて認定の申請をしていただくというふうなことであろうと思います。

 したがって、そういう意味において、六百九十がそのまま右から左に新しい計画に乗れるというふうなことではないと思っております。

 ただ一方、私どもとして、何か一定の認定の数を目標数みたいなものをもって絞り込むというふうなことは考えておりませんで、なるべく多くの市町村がしっかりした実効性のある認定の受けられる計画をつくっていただきたい、こういうふうに期待をしておるところでございます。

日森委員 時間です。終わります。

石田委員長 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 私の場合は時間がありませんので、まず質問をさせていただきます。

 まず初めに、地方における中心市街地の活性化についてお尋ねいたします。

 今回の改正法案においては、内閣に中心市街地活性化本部を設置する、基本計画についても内閣総理大臣の認定制度を創設するということで、選択と集中の観点から重点的な支援を行っていくというふうにされておるわけでございます。

 私も、限られた予算の中で最大限の効果を上げるためには、真に意欲的な地域に対して重点的な支援を行っていくということが重要だというふうに考えておるわけでございます。その後もまた、人口規模等で地域を選別することなく、やる気のある地方も支援していくということが重要であるというふうに考えておりますが、経済産業省の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

西野副大臣 委員にお答えをいたします。

 今回の改正法案につきましては、委員が御指摘をされておりますとおり、例えば市町村の規模、人口規模、大きいから小さいから、そういう点で選別をいたすものでは決してございません。お話が出ておりますとおり、本当に、その市町村がどれだけやる気を持って本気で取り組んでおるのかということを精査したいというふうに思っておりますし、その上で出てまいりましたものにつきましては、むしろ国の方から思い切って徹底的に支援をしていきたい、このようにも思っておるところでございます。

 そういう観点でありますから、まず、基本計画の認定に当たりましては、地域の関係者がいわゆる町ぐるみ、関係の皆さん方が一体になって意欲的に取り組んでおるという見込みが、そういう状況があるかということ、それからもう一点は、その基本計画が、その町の商業の活性化あるいは市街地の整備等に一体となって推進されるものであるかどうか、そういうものも踏まえて総合的に判断をいたしたいというふうに思っておるところでございます。

 したがいまして、地域の方々がこの基本計画を作成されます段階からも、むしろ政府側としては、大臣も先ほど冒頭に答えておりましたとおり、関係者が机の上におるのではなくて現地に赴いてしっかりとアドバイスをしていく、そして認定後においても、それが本当に実施をされる状況に至っておるのかということについてもサポートをしていく、そういう姿勢で臨んで、実効あらしめたいというふうに思っております。

糸川委員 私も、中心市街地の活性化を図るためには、商業者のみならず、地域の幅広い関係者が主体的に、一体となって取り組むことが重要であるというふうに考えております。

 では、そのためには、今回の改正法において創設される中心市街地活性化協議会、これが司令塔のような役目をして、どのように機能できるかというのがポイントになってくるのかな。

 私は、先日、国土交通委員会でもこういうことについていろいろ質問させていただいたんですが、この協議会の実効性というのがどのように担保されているのか、経済産業省の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

片山大臣政務官 御指摘の中心市街地活性化協議会は、多様な関係者の参画のもとに、中心市街地の活性化を総合的に推進するという役割を期待されておるところでございます。具体的には、市町村が基本計画を作成するに際して、中心市街地活性化協議会が意見を述べる機会を確保するということと、民間事業者が各種の国の支援策を受けるための事業計画を作成するに当たりまして、中心市街地活性化協議会における議論を経ることとしております。

 中小の小売業の高度化等、今までもいろいろな事業を行ってきたわけでございますが、TMOというのはそれの認定だったのでございますが、これに都市機能の増進的な役割も融合させて発展的に改編するといったような意味合いもございまして、より多様な参画者を得てコンセンサスを得やすくするといった機能もあるかと思われます。

 さらに、経済産業省といたしましては、平成十八年度予算においては十七年度よりも戦略的中心市街地中小商業等活性化支援事業の予算は増額しておるわけですが、その増額している力点の部分として、ハードではなくてソフトの部分について、まちづくりのリーダーとなるようなタウンマネジャーの活動経費、それも外部人材も含めまして活用の支援、専門家謝金ですとか委託費ですとか、そういったところもできるようにいたしまして、この協議会の活動基盤の確立を支援いたしまして、実効性の確保に努めてまいりたいと考えております。

糸川委員 ありがとうございます。

 中心市街地の活性化を図るためには、市街地の整備改善ですとか、それから、商業等の活性化を図るための支援に限らず、関係する各省庁のさまざまな支援策を一体的に推進していくことが重要であるというふうに考えておるわけでございます。

 そのような観点から、中心市街地活性化本部が基本計画の実効性やそれに基づく施策の進行管理を適切に行うことが必要であるというふうに考えておりますが、経済産業省の御見解を簡潔にお聞かせいただけますでしょうか。

迎政府参考人 まさに中心市街地活性化本部が基本計画について認定を行う。それから、かつ、それについて国としての責任体制を明確にいたしまして、それの助成の総合調整をやっていく。それと同時に、事業実施段階におきましてチェック・アンド・レビューというふうなことも行っていく。進行状況について報告を求め、目標に対する達成状況を検証し、さらに、それがうまくいっていない場合に、必要な情報の提供、助言等の援助を行っていく。こういうふうな進行管理をやっていかなければならない、こういうふうに考えております。

糸川委員 では最後に、経済産業大臣にお尋ねいたします。

 大臣は、中心市街地活性化本部の本部員として位置づけられております。その中でも、特に今回、国土交通大臣とあわせて主要な役割を果たすということが期待されておるわけでございます。最後に本部の役割をお聞きして、終わりたいと思います。

二階国務大臣 ただいまお話しのとおり、現在のまちづくり三法は、経済産業省と国土交通省が中心となって新しい制度を構築するために努めているところでありますが、両省以外の関係各省の取り組みにつきましても、これはまさに一体的に取り組む必要があると考えております。経済産業省、国土交通省以外には、特に厚生労働省、文部科学省等に、医療・福祉・文教施設等の面でお力添えを得たいと考えております。

 中心市街地活性化のための施策を総合的に推進する国の司令塔として、内閣に中心市街地活性化本部を設置しておりますことは御承知のとおりでありますが、政府全体が一丸となって、地域におけるさまざまな取り組みに対して総合的、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

糸川委員 ありがとうございました。質問を終わります。

石田委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。

 これにて散会いたします。

    午後一時三十三分散会

     ――――◇―――――

  〔参照〕

 中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律の一部を改正する等の法律案は経済産業委員会議録第十号に掲載


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