衆議院

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第2号 平成26年6月5日(木曜日)

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平成二十六年六月五日(木曜日)

    午前九時二十分開議

 出席委員

   委員長 谷畑  孝君

   理事 岩屋  毅君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 橋本  岳君 理事 松本 洋平君

   理事 望月 義夫君 理事 辻元 清美君

   理事 今村 洋史君 理事 遠山 清彦君

      青山 周平君    池田 道孝君

      池田 佳隆君    大野敬太郎君

      神田 憲次君    木内  均君

      助田 重義君    高木 宏壽君

      武部  新君    津島  淳君

      辻  清人君    冨樫 博之君

      中川 俊直君    中谷  元君

      中谷 真一君    永山 文雄君

      野中  厚君    藤井比早之君

      船橋 利実君    前田 一男君

      牧島かれん君    宮内 秀樹君

      湯川 一行君    枝野 幸男君

      奥野総一郎君    岸本 周平君

      玉木雄一郎君    井上 英孝君

      中丸  啓君    馬場 伸幸君

      岡本 三成君    大熊 利昭君

      林  宙紀君    赤嶺 政賢君

      村上 史好君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   防衛大臣         小野寺五典君

   衆議院調査局海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別調査室長           齋藤久爾之君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月五日

 辞任         補欠選任

  武部  新君     木内  均君

  西銘恒三郎君     青山 周平君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     西銘恒三郎君

  木内  均君     武部  新君


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     ――――◇―――――

谷畑委員長 これより会議を開きます。

 この際、太田国土交通大臣、小野寺防衛大臣及び岸田外務大臣から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。太田国土交通大臣。

太田国務大臣 本委員会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

 海洋の安全確保とテロ対策は、国民生活と経済活動の基盤を安定的に確保するものであるため、国土交通行政において、最優先の課題の一つであります。

 海洋の安全確保に重大な影響を及ぼす海賊等の事案については、二〇一三年に全世界で二百六十四件が発生しております。特に、ソマリア海域における被害は、各国の取り組み等により減少傾向にあるものの、依然として憂慮すべき状況にあります。また、東南アジア海域においても引き続き海賊等の被害が発生しております。

 このような事態への対応として、ソマリア周辺海域については、海上自衛隊の護衛艦への海上保安官の同乗、及び海賊多発海域における日本船舶の警備に関する特別措置法に基づく民間武装警備員の日本船舶への乗船警備等を行っております。

 また、東南アジア海域については、沿岸諸国の海賊対処能力を強化するため、巡視船派遣による連携訓練の実施等を行っております。

 今後とも、このような取り組みを引き続き適切に行ってまいります。

 次に、テロ対策をめぐる状況ですが、海上保安庁においては、原子力発電所等の臨海部における重要施設の警戒監視を強化するため、情報収集体制の強化等、引き続き体制の整備を進めます。

 航空分野においても、引き続き国際民間航空機関及び関係国との連携のもと、航空保安対策の強化に取り組みます。

 港湾においては、国際港湾を含めた水際対策に万全を期してまいります。

 さらに、他の交通機関、所管の重要施設等においても、テロ対策のためのさまざまな取り組みを行ってまいります。

 谷畑委員長を初め、理事、委員各位の格別の御指導をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

谷畑委員長 次に、小野寺防衛大臣。

小野寺国務大臣 防衛大臣の小野寺五典でございます。本日は、谷畑委員長並びに理事及び委員の皆様に防衛大臣として御挨拶を申し上げます。

 海賊行為は、海上における公共の安全と秩序の維持に対する重大な脅威であります。特に、ソマリア沖・アデン湾は、我が国及び国際社会にとって、欧州や中東から東アジアを結ぶ極めて重要な海上交通路であり、この海域において、海賊行為を抑止し、航行の安全を確保することは死活的に重要であります。

 先月、私はジブチを訪問し、航空隊の活動拠点やジブチ港に寄港していた水上部隊の護衛艦を視察し、厳しい環境の中で整斉と重要な任務に励んでいる隊員を激励いたしました。

 また、ジブチのハッサン国防大臣や米軍及びフランス軍の司令官と会談を行い、今後も協力して活動を継続していく必要性について意見の一致を見ました。

 今回の訪問を通じ、関係各国と協力しながら、平和な海を守るという我が国が果たすべき重要な役割を引き続き実施していくべきとの意を強くいたしました。

 自衛隊は、平成二十一年三月から、ソマリア沖・アデン湾に護衛艦二隻を派遣し、本年五月末までの護衛回数は五百六十八回、延べ三千四百六十一隻の船舶を護衛しており、護衛任務中に船舶が海賊の被害を受けた事案は一度も発生しておりません。

 また、平成二十一年六月から、P3C哨戒機二機により、アデン湾の警戒監視飛行を実施しており、本年五月末までの飛行回数は千百二十四回、諸外国艦艇等への情報提供回数は約九千五百回に達しております。この活動は、アデン湾における警戒監視飛行全体の約六割を占めております。

 さらに、昨年十二月から、水上部隊が、これまでの民間船舶の直接護衛に加え、CTF151に参加してゾーンディフェンスを実施しており、本年一月には、水上部隊と航空隊がCTF151等と連携して海賊船舶に対応し、フランス軍による海賊の拘束に貢献いたしました。また、本年二月からは、航空隊もCTF151に参加してアデン湾の警戒監視飛行を実施しております。

 このような自衛隊を含む各国部隊による海賊対処活動により、昨年一年間のソマリア沖・アデン湾における海賊事案の発生件数は十五件にとどまり、大幅に減少しております。しかしながら、各国部隊が連携して効果的に海賊対処を継続しなければ、再び海賊の活動が活発化するおそれがあります。このため、今後とも海賊対処に着実に取り組んでいくことが必要であります。

 また、国際協調主義に基づく積極的平和主義という基本理念のもと、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していくための我が国の取り組みとしても、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動は極めて重要であります。

 今後とも、防衛省・自衛隊としては、国際社会と連携して、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動を着実に実施してまいる所存です。

 最後に、谷畑委員長並びに理事及び委員の皆様の一層の御指導と御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

谷畑委員長 次に、岸田外務大臣。

岸田国務大臣 衆議院海賊・テロ特別委員会の開催に当たり、委員各位に御挨拶を申し上げ、海賊対策及び国際テロ対策に関する政策について、所信を申し述べます。

 海洋国家である我が国にとって、航行の安全確保は極めて重要な課題です。

 ソマリア沖・アデン湾の海賊事案の発生件数は、近年、極めて低い水準で推移しています。しかし、海賊を生み出す根本的原因の一つであるソマリア国内の貧困や若者の就職難等はいまだ解決しておらず、国際社会がその取り組みを弱めれば、状況は容易に逆転するおそれがあります。

 二〇〇九年から実施されている自衛隊及び海上保安庁による海賊対処行動は、極めて重要な役割を果たしています。外務省としては、こうした海上安全保障分野での国際協力の強化に必要な支援を行ってまいります。

 これら国際貢献を支えているのが、二〇一一年に整備されたジブチの活動拠点です。昨年八月には、我が国の総理として初めて、安倍総理がジブチを訪問しました。ジブチ政府との良好な関係の維持強化を含め、活動拠点の安定的運営に引き続き協力していく考えです。

 また、ソマリア海賊問題の根本原因への対処が重要です。政府としては、ソマリアの新たな政権による国づくりを支えていく方針であり、三月に来日したハッサン・ソマリア大統領に安倍総理からこの旨を伝え、約四千万ドルに上るソマリア支援パッケージを表明しました。

 さらに、ジブチへの巡視艇供与、イエメンの沿岸警備能力向上支援等、ソマリア周辺国の海上保安能力向上に向けた支援も着実に進めており、ソマリア海賊問題の解決に向け、重層的な取り組みを展開してまいります。

 日本人を含む多くの方々が犠牲となった昨年一月のアルジェリアにおけるテロ事件を忘れてはなりません。

 外務省は、事件を受けて、在留邦人及び在外企業の安全確保策として、即応体制、官民連携及び情報収集・発信能力の強化等に取り組んでまいりました。同時に、国際テロ対策の強化、サヘル、北アフリカ、中東地域の安定化支援、そしてイスラム諸国、アラブ諸国との対話、交流の促進を三本柱の外交重点施策として取り組んでまいりました。特に、外国での日本人や企業活動の安全に直結する、官民集中セミナーの実施、現地に迅速に赴く海外緊急展開チームの編成、在留届制度の運用改善、さらに海外安全に関する情報発信の改善強化等の施策を講じています。

 引き続き、情報収集能力、分析の強化や、海外の日本人の皆様と進出企業の安全確保のための対策強化に向けて努力してまいります。

 国際的なテロの脅威は依然として深刻です。アルカイダ本体は弱体化していると見られますが、各地に分散したアルカイダ関連組織やイスラム過激派組織の活動が活発化しており、また、テロ組織と直接かかわりのない個人によるテロ行為も見られます。

 ナイジェリア連邦共和国ボルノ州において、イスラム過激派組織ボコ・ハラムによって二百名以上の女子生徒が拉致され、その基本的人権が著しく損なわれている現状に、強い衝撃と憤りを覚えます。

 アフガニスタンでは、本年末に国際治安支援部隊、ISAF撤収を控えた重要な局面にありますが、引き続きテロが多発していることを懸念しています。イラクでも、シリア内戦等の影響を受け、テロは増加しています。

 テロは、いかなる理由や目的によっても正当化されません。我が国は、あらゆる形態のテロリズムを断固として非難します。

 今後とも、二国間、多国間の枠組みにおいて、情報交換や途上国におけるテロ対処能力向上支援等の国際テロ対策を、国際社会と連携しつつ引き続き強化してまいります。

 以上のような諸課題に、私は、関連省庁と連携して全力を尽くして取り組む考えです。谷畑委員長初め、委員各位の御指導と御鞭撻をお願い申し上げます。(拍手)

谷畑委員長 これにて発言は終わりました。

 次回は、明六日金曜日に委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時三十一分散会


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