衆議院

メインへスキップ



第1号 平成21年1月26日(月曜日)

会議録本文へ
平成二十一年一月二十六日(月曜日)

   午後九時十一分開会

    ─────────────

平成二十一年一月二十六日本協議委員は、衆議院議長の指名で次のとおり選任された。

     衛藤征士郎君     鈴木 恒夫君

     佐田玄一郎君    田野瀬良太郎君

     岩永 峯一君     山本  拓君

     小島 敏男君     村田 吉隆君

     西  博義君     富田 茂之君

同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選任した。

            議 長 衛藤征士郎君

            副議長 鈴木 恒夫君

同日本協議委員は、参議院議長の指名で次のとおり選任された。

     池口 修次君     石井  一君

     小川 勝也君     北澤 俊美君

     自見庄三郎君     西岡 武夫君

     福山 哲郎君     峰崎 直樹君

     簗瀬  進君     近藤 正道君

同日互選の結果、議長及び副議長を次のとおり選任した。

            議 長 北澤 俊美君

            副議長 石井  一君

    ─────────────

 出席協議委員

  衆議院

   議 長 衛藤征士郎君

   副議長 鈴木 恒夫君

     佐田玄一郎君    田野瀬良太郎君

     岩永 峯一君     山本  拓君

     小島 敏男君     村田 吉隆君

     西  博義君     富田 茂之君

  参議院

   議 長 北澤 俊美君

   副議長 石井  一君

     池口 修次君     小川 勝也君

     自見庄三郎君     西岡 武夫君

     福山 哲郎君     峰崎 直樹君

     簗瀬  進君     近藤 正道君

 協議委員外の出席者

  衆議院事務局

        委員部長    山本 直和君

        予算委員会専門員       井上 茂男君

  衆議院法制局

        第二部長    橘  幸信君

  参議院事務局

        委員部長    諸星 輝道君

        予算委員会調査室長      村松  帝君

  参議院法制局

        第一部長    岩崎 隆二君

    ─────────────

  本日の会議に付した案件

平成二十年度一般会計補正予算(第2号)

平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)


このページのトップに戻る

    ─────────────

   〔北澤俊美君議長席に着く〕

議長(北澤俊美君) これより平成二十年度一般会計補正予算(第2号)外一件両院協議会を開会をいたします。

 抽せんにより、私が本日の両院協議会の議長を務めることになりました。どうぞよろしくお願いをいたします。

 この際、御報告をいたします。

 衆議院の協議委員議長には衛藤征士郎君、副議長には鈴木恒夫君が、また、参議院の協議委員議長には私、北澤俊美、副議長には石井一君が選任されております。

 両院協議会は、国会法第九十七条の規定により、傍聴を許さないことになっておりますので、協議委員並びに協議会の事務を執る職員以外の方は御退席を願います。

 それでは、平成二十年度一般会計補正予算及び平成二十年度特別会計補正予算の両案について、各議院の議決の趣旨を御説明願いたいと存じます。

 先ほどの両議院の協議委員議長及び副議長打合会における協議に基づいて、初めに衆議院の議決の趣旨について御説明を願います。鈴木恒夫君。

鈴木恒夫君 衆議院における平成二十年度第二次補正予算を可決した趣旨につきまして御説明申し上げます。

 我が国経済は、百年に一度と言われる世界的な経済危機の影響を受け、輸出や生産の減少、雇用不安の広がり、消費の停滞、中小企業の資金繰りの悪化など様々な問題に直面しており、国民生活の不安は日々高まっております。

 平成二十年度第二次補正予算は、こうした経済の危機的状況の打開に向け、生活対策及び生活防衛のための緊急対策の実施のため、必要な経費の追加等を行うもので、現状において編成し得る最良、最善の予算であると確信するものであります。

 以下、政府原案を可決した主な理由について申し述べます。

 その第一の理由は、家計を直接支援すると同時に、消費の喚起を図るための定額給付金の給付に必要な経費が計上されていることであります。定額給付金は、実体経済の急激な悪化に苦しんでいる家計を緊急に支援するだけでなく、消費を刺激することで、実質GDPを〇・二ポイント程度押し上げる効果が期待されており、早期の実施が待たれております。

 その第二の理由は、現下の国民生活の様々な不安を解消するものとなっていることであります。

 すなわち、非正規労働者の一時的な雇用・就業機会の創出等のための緊急雇用創出事業の実施、介護従事者の処遇改善及び介護人材の緊急確保対策、子育て応援特別手当の支給や妊婦診療の無料化といった出産・子育て支援対策、地方の消費生活相談体制強化等の消費者政策の強化、救急医療の充実等医療に対する不安解消策などの措置が講じられております。

 その第三の理由は、特に厳しい経済情勢下にある地域・中小企業への対策が措置されていることであります。地域活性化対策としては、高速道路料金の引下げ等のための高速道路利活用推進対策費、物流コスト低減につながる交通ネットワーク整備対策費、強い農林水産業創出対策費等が計上されております。中小企業対策としては、資金繰り支援のため、セーフティーネット貸付・保証枠の拡大等に必要な経営安定関連金融対策費等が計上されております。

 以上、政府原案を可決した主な理由について申し述べました。

 平成二十年度第二次補正予算は、我が国が直面する様々な重要課題に対処し、国民生活の不安を解消するために必要不可欠なものであり、その一日も早い成立が望まれているところであります。

 両院協議会といたしましては、衆議院の議決どおり意見の一致を見ますよう、御賛同をいただきたく、お願い申し上げる次第であります。

 以上であります。

議長(北澤俊美君) 次に、参議院の議決の趣旨について御説明を願います。福山哲郎君。

福山哲郎君 参議院側が、平成二十年度一般会計補正予算(第2号)及び平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)を多数をもって修正議決した趣旨を申し上げます。

 現在、我が国経済は、世界恐慌以来の危機的状況にあり、特に雇用情勢は非正規労働者が大量に解雇されるなど、極めて深刻な状況にあります。雇用対策を中心とした迅速かつ効果的な経済対策の実施が求められているにもかかわらず、政府は、第二次補正予算の提出をいたずらに先送りしたばかりか、国民の大多数が反対する定額給付金を本補正予算に盛り込みました。定額給付金には以下のような問題があるため、原案から削除する修正を行ったものであります。

 定額給付金の第一の問題は、景気の急速な悪化により厳しい生活を強いられている人々への支援策として、全く不適切である点であります。今回の仕組みでは、派遣切りなどで住む場所を失った人々や路上生活者など、真に支援を必要とする生活困窮者に行き渡らない一方で、日常生活には何ら支障のない高額所得者でも受給できることになっており、生活支援のための施策としては全く整合性を欠いております。さらに、所得制限をめぐる政府の迷走は、この定額給付金がさしたる議論もなく、場当たり的に打ち出された施策であることの証左にほかなりません。

 第二の問題は、景気浮揚効果がほとんど期待できない点であります。膨大な費用と時間を掛けて実施する給付金の景気浮揚効果は、政府自らが認めるように、GDPをわずか〇・一五%押し上げる程度しかありません。このようなばらまき型の対策にさしたる経済効果が期待できないことは、平成十一年に実施された地域振興券の事例により、国民のみならず政府自ら十分認識しているはずです。それにもかかわらず、このような施策を再び実施しようとしたのは、その主眼が、生活支援や景気浮揚ではなく、選挙目当てのばらまきにあるからにほかなりません。世論調査を見ても、国民の大多数が反対する施策に国民全体の貴重な財産である特別会計の積立金をつぎ込むことには到底賛成できないのであります。

 第三の問題は、給付の実施に係る重要部分の決定を地方に丸投げしている点であります。要件や手続等について根拠法を制定することなく、所得制限を設けるか否かといった難しい判断を地方にゆだねたばかりか、総理は、地方分権なのだからよいなどと開き直りました。驚くばかりです。

 主なものでもこれだけの問題を抱え、大多数の国民が反対する定額給付金は速やかに撤回すべきであります。

 なお、修正部分を除く原案については、不十分な雇用対策、わずか一年限りの子育て応援特別手当、既定経費の節減努力不足、本来当初予算に盛り込むべき経費が計上されていることなど、種々の問題点がありますが、現下の極めて厳しい経済情勢にかんがみ、是としたものであります。

 以上が参議院側の議決の理由でありますが、両院協議会といたしましては、参議院の議決に是非御賛同いただきたく、お願い申し上げる次第であります。

 以上でございます。

議長(北澤俊美君) 以上で各議院の議決の趣旨についての説明は終わりました。

 これより協議に入ります。

 順次御発言を願います。峰崎直樹君。

峰崎直樹君 民主党・新緑風会・国民新・日本の立場から、平成二十年度一般会計補正予算(第2号)及び平成二十年度特別会計補正予算(特第2号)に対する修正案に賛成、修正部分を除く原案に賛成した理由を申し上げます。

 初めに、政府・与党に対し、我が国経済は雇用を中心に急速に悪化しているにもかかわらず補正予算の提出が大幅に遅れたことについて強く抗議するものであります。

 本補正予算は、その提出において既に遅きに失しておりますが、内容においても喫緊の課題である雇用対策が力不足であることなど、国民の要望とは程遠いものであります。とりわけ定額給付金については以下のような重大な問題点があることから、即刻撤回すべきであります。

 まず、政策目的が全く不明確であります。定額給付金は、麻生総理が家計への迅速な緊急支援が必要として昨年十月の生活対策に盛り込んだものですが、迅速性を重視するならば、なぜ年が改まるまで補正予算の提出を遅らせたのか、全く理解ができません。また、真に給付金を必要とする人々に支給されず、生活に支障のない高額所得者が受け取れるという制度設計は、生活支援策としては極めて的外れであります。

 次に、景気浮揚策としてもほとんど効果が期待できません。このような給付金のばらまきに多くの経済効果が期待できないことは、過去の地域振興券で実証済みであります。このような愚策を繰り返すのは、その目的が生活支援や景気対策ではなく選挙対策にあるからであり、政府・与党に猛省を促すものであります。

 給付の実施に係る重要事項を地方の判断にゆだねている点も極めて不適切であります。総理の意向で決められた政策にもかかわらず、所得制限の有無など給付の実施に係る根幹部分については政府・与党で決められず、無責任にも地方に丸投げしました。この丸投げを地方分権に例える総理の姿勢は地方分権の本旨をゆがめるものであり、断固容認できません。

 さらに、財務大臣の諮問機関である財政審までが、定額給付金については景気対策の効果がない、与野党で使途を改めて議論すべきだとの意見であり、会長自らが財政審の大勢は使途の見直しが必要との意見であるとまで断言しております。財政審が国会に提出されて審議中の予算の見直しを求めるのは極めて異例であり、それほどこの定額給付金が経済財政政策上妥当性を欠くものであるということです。

 以上の理由により、民主党・新緑風会・国民新・日本は、原案から定額給付金部分を削除する修正を行うべきと判断したものであります。

 なお、定額給付金以外の部分については、雇用対策が不十分であるなどの問題がありますが、国民生活の窮状を考慮した上で容認するものであります。

 以上でございます。

議長(北澤俊美君) 次に、近藤正道君。

近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。

 社民党・護憲連合の立場から、〇八年度一般会計補正予算案(第2号)、同特別会計補正予算案(特第2号)の各修正案に賛成する理由を申し上げたいと思います。

 修正二案に賛成の理由は、定額給付金の削除及びその財源の特会への返還が緊急の課題であると考えるからであります。二兆円の定額給付金は、一回限り、一人一万二千円程度をばらまくものでございます。しかし、三年後には消費税の大増税が待っているのでは、景気波及効果どころか財布の引締めにしかなりません。

 給付対象の所得制限、政策目的などについても二転三転しております。当初は家計緊急支援であり、総理が高額所得者が受け取るのはさもしいとまで言いながら、一転して消費刺激策だから金持ちももらってどんどん使えと言い出しました。最高税率引下げなど減税の恩恵を受け続け、支援の必要のない金持ちにも配るという矛盾が生じております。多くの国民が見抜いているとおり、与党の選挙目当てのばらまき以外の何物でもないのではないでしょうか。

 また、地方分権といいながら、自治事務を勝手に創設して自治体の自主性を否定し、ただでさえ年度末に経済危機、雇用危機への対応で多忙を極める自治体に煩雑な給付事務を押し付けるものとなっております。

 さらに、事務費に八百二十五億円、うち銀行振込手数料が百五十億円掛かると言われております。八百二十五億円あれば、三月までに、派遣切り、請負切り、期間工切りに遭う人のおよそ一年分の給与を保障できる内容、レベルでございます。銀行支援のための給付金が、まさに税金の無駄遣いではないでしょうか。

 世論調査でも国民の四人に三人は反対しております。定額給付金について修正案のとおり分離、削除し、国民の貴重な税金は、福祉、農業、教育、環境などの分野に集中投下するヒューマン・ニューディール、いのちと緑の公共事業を進め、雇用を創出し、新たな産業を育成して、極端な外需依存から持続可能な内需主導の経済構造への転換に使うべきであります。

 なお、修正部分を除く原案には、給付金以外にも政策の優先順位や規模の大小など問題がありますが、現下の経済危機に対する対応として評価し得る面もあり、是といたしたいと存じます。社会民主党・護憲連合は以上のように考えます。

 衆議院におかれましても、直近の民意を代表する参議院の議決を是非重く受け止めていただき、参議院の議決に御賛同くださいますようお願いをいたします。そして、経済危機対応において迷走する政府を刷新し、早急に衆議院の解散・総選挙を行うべきことを付言いたしまして、私の発言とさせていただきます。

 以上でございます。

議長(北澤俊美君) 次に、佐田玄一郎君。

佐田玄一郎君 自由民主党の佐田玄一郎でございます。参議院の修正議決理由に対する衆議院の反論をさせていただきたいと思います。

 参議院側から、それぞれの立場で本補正予算に対する修正議決についての意見が述べられました。その趣旨は定額給付金の是非ということに集約されていると思いますけれども、参議院側の御意見に対して、まず私から本補正予算について衆議院側の見解を申し上げ、定額給付金の意義については公明党の西委員から御説明を申し上げたいと思います。

 現在、世界経済は百年に一度と言われる危機に見舞われ、その影響を受けて、我が国の経済においても輸出や生産の減少、消費の停滞などによる景気の悪化を招いており、国民の生活や雇用の不安は高まっております。本補正予算は、こうした経済情勢に対応し、国民の不安を解消すべく、既に成立しました第一次補正予算及びこのたびの国会に提出されました平成二十一年度予算と合わせた総額七十五兆円規模の経済対策の枠組みとして、国民生活と日本経済を守るための重要な予算であります。

 本補正予算には、生活者の暮らしの安心を確保するために定額給付金による家計への緊急支援を行うとともに、現下の緊急課題である中小企業の資金繰り支援策や深刻化する雇用問題への積極的な対策を盛り込んでいるほか、介護従事者の待遇改善、人材の確保、出産、子育ての支援の拡充、高速道路料金の大幅引下げ、学校等の耐震化などに取り組み、併せて地域の活性化を進めることとしており、速やかな成立が望まれるものであります。

 以上、私から補正予算についての見解を申し上げました。

議長(北澤俊美君) 次に、西博義君。

西博義君 公明党の西博義でございます。佐田委員に続きまして、参議院の修正議決理由に対する衆議院の反論を申し上げます。

 参議院側の修正にあります本補正予算から定額給付金に係る歳出を削除するということについて、衆議院側の見解を御説明申し上げます。

 定額給付金は、物価高や実体経済の急激な低迷などに苦しむ家計への緊急支援策であり、また、消費を増やすことは景気の押し上げにつながることから、持続的な経済成長へのきっかけとして効果のあるものと考え、有効な施策の一つとして認識しております。したがって、非効率的なばらまきとの指摘は当たらず、本補正予算から削除することは適切でないものと考えます。

 なお、定額給付金を含む生活対策の財源としては、特例公債に依存せず、緊急的な対応として、臨時的、特例的に財政投融資特別会計の金利変動準備金の活用を行うこととし、景気回復を最優先としつつも財政健全化の取組を進めて責任ある財政の確立を図っているものであります。

 以上申し上げましたとおり、衆議院側といたしましては、可決した本補正予算を最良、最善の予算と考えております。参議院側におかれましても、本補正予算に対しこの場で改めて御賛同いただきますよう、お願い申し上げます。

 以上でございます。

議長(北澤俊美君) それでは、これより懇談に入ります。

 御発言のある方から順次御発言を願います。

自見庄三郎君 それでは、国民新党の自見庄三郎でございます。

 今、民主党と新緑風会・国民新・日本ということで統一会派を組ませていただいておりますので、大変長い時間かかりましたが、私の率直な意見を、この修正案の提案者の私、一人でもございますので、申し上げさせていただきます。

 御存じのように、大変ここのところ財政が厳しい、多額の国債の発行等々で皆様方、財政規律が大変大事だということはよく御存じだと思います。二〇〇六年には自由民主党と公明党が組織決定いたしまして、それを受けて小泉内閣で骨太方針二〇〇六というのが内閣で閣議決定いたしまして、社会保障費、これを毎年二千二百億円減額をするということを決定し、それは、その内閣の決定でございますから、その時点での最高決定でございますから、それに沿って御存じのように社会保障費、医療費、介護、年金等々が削減されているという状態は皆様方もよくお分かりだと思います。そのことが大変、第一線での国民の不安、不満を推し進めているということはもう皆様方よくよく御存じだと、こう思っています。

 それほど非常にこの財政状態というのは厳しいわけでございますが、そういう中において景気対策、これはもう大きく私は、いろいろなお立場あると思いますが、ここ三十年、特に二十年間ですね、経済のグローバル化、その特に中心となったのは金融のグローバル化でございまして、御専門の方はいろいろおられると思いますが、その金融のグローバル化、私に言わせれば、一九八九年にベルリンの壁が崩壊しまして、二年後にソ連というのが崩壊したわけでございまして、ソ連帝国が崩壊して、御存じのように、東アジアの、ソ連の衛星圏の国がほとんど自由主義市場になる、あるいは中国が完全に改革開放で自由主義経済、言うなれば米ソ冷戦構造、アメリカの独り勝ちになったわけでございまして、その中でまさに何が中心であるかと。今はまさに自由主義あるいは資本主義経済でもう世界が一色になる、すなわちアメリカの国際戦略でございますが、新自由主義的な非常に国際的な戦略が色濃く出てきたと思っております。

 これは、具体的には、まず規制緩和、それから小さな政府。小さな政府って、御存じのように、歳出を抑える、それで地方に行く金が、小泉さんの時代に三十六兆円地方交付税交付金が減額されたということは皆様方よく御存じだと、こう思いますし、また公共事業を十一兆減らしていますから、地方何やっても、四十七兆円昔であれば地方に行くべき金が地方に行かなかったんですから、もう地方はからからだということはもう先生方、これは与野党問わず皆様方よく御存じだと、こう思うわけでございます。

 同時に、小さな政府ですから、お金持ちからも税金を取らないということでございます。私は、ちなみに、二十五年前に国会議員になったとき、九千万円以上所得のある方は実は八八%税金取られていましたね。所得税が七〇%、地方税が一七%というんですね。九千万円所得があっても、大体手取りが千二百万。一億円をざっと稼ぎますと、千二百万円の所得になってしまう。そうしますと、これはもう御存じのように、金持ちの富者の強制労働だという、アメリカの自由主義的な経済、フリードマンの提唱する経済主義、そういうのがずっと、レーガン、サッチャー、それからもうまさに私は、ブッシュの時代に極限までこれがなってきて、全く規制改革というか規制緩和ということで、もう金融も、銀行あるいは証券はある程度アメリカでも規制があり、日本でも規制がありますが、その真ん中に位置するいわゆる投資銀行、それはもう本当に自由、やりっ放しというか、規制改革ということで、まさにそのことが今度は御存じのように、負債の証券化、細分化、そしてまさに金融工学の発達もございまして、これが御存じのようにサブプライムローンになりまして、そのことがまさに自由放任経済、あるいはある別の言葉で言えば、悪玉資本主義がばあんと御存じのようにサブプライムローンで破裂して、なおかつ九月十五日、リーマン・ブラザーズ、世界に五つある巨大なニューヨークのウォール街の一つのリーマン・ブラザーズが崩壊したということはもうよく御存じだと、こう思うわけです。

 六十三兆円の負債を持ってぱあんと爆発しましたが、これ、全部実は金融商品で、三十倍ぐらい基本的にレバレッジというのを掛けていますから、種銭が三十倍ぐらい膨らませてやっておったものが全部崩壊しましたね。これ、現実に返ると、たちまち今世界では低レバレッジ、逆レバレッジでだあっと急速に収縮しつつあるというのはもう皆さん方よく御存じだと思いますが。

 そういう中で、やはり我々は、御存じのように、トヨタだって、二兆二千億の利益がございましたが、今、今年、たった十月、十一月、十二月と、この間でもう、アメリカではほとんど、自動車を買う人は御存じのようにローンを組みますけど、ほとんどアメリカの金融機関でローンを組んでくれる人はいないというんです。ですから、途端にもう三〇%、二〇%の割合で車が売れなくなる。

 それが、私は福岡県でございますから、愛知県に次いで二番目に多い自動車の生産量、福岡県でございます。たちまち麻生総理の足下の九州トヨタも八百人の派遣切りということでありまして、サドンデスみたいになっておるわけです、もう御存じのようにね。それもだあっと、まさに自由放任経済が爆発して津波が日本にどんどんどんどん押し寄せてきておるというのが今の状態ですから、我々はもう景気対策やるのは当然だと、こう思っておりますので。

 さあ、そこで振り返って、どれくらいの一体損失かといえば、GDP五百兆ですけど、大体この前、イングランド銀行は三百兆円ぐらいの要するに負債があるんじゃないでしょうか、金融ですね。ほかの国際機関は百二十兆ぐらいといいますから、僕は正直に言って、今、日本五百兆ありますけど、大体二十五兆から五十兆円ぐらい経済にダメージが来ていると思っていますからね。

 ですから、そういう意味では、今さっき言いましたように、定額給付金二兆円、今度は真水は、四兆六、七千億ですから、約半分近い真水をこの定額給付金に使うということは、私はまず一点、余りにも小さ過ぎるというのも、全体の景気規模からいえば、これは真水が何ぼかということが一番大事ですからね。中国だって五十六兆円使いますから、アメリカだって七十兆円ぐらい使うだろうとオバマは言われておるわけですから、まず余りにも規模が小さい。

 しかし、今度は、今さっき話もございましたように、三か月あったのに、麻生さんに私は何回も言いましたよ、参議院本会議でも、早くやってくれという。参議院の私、会派を代表して代表質問をさせていただきましたが、早くやってくれと言うんだけど、何でか知らぬけど三か月間ずるずる掛かってしまった。

 その定額給付金というのは、御存じのように、今いろいろ話が出ましたけど、二兆円、約真水の半分を定額給付金に使う。御存じのように、我々は国会に送っていただいて大変感謝していますけど、我々にも一万二千円いただいて、そして、本当にもうあした派遣切りに遭って、家も出て、寮も出ていけという人も一万二千円。これは、私は余りにも、景気の現状を考えても、本当にお金が必要な人、そういった、もう本当に今まさにリーマン・ショックを始め、世界の大金融恐慌の最前線であえいでおられる国民に、同じ日本人ですから、私は生きたお金を使うべきだ、こう思いますよ。そういう意味で、私はやっぱり定額給付金、これは反対だという発起人になって、参議院予算委員会でも提案をさせていただいたんです。

 この前、テレビ見せていただきましたら、丹羽宇一郎さん、これ伊藤忠商事の会長、経済財政諮問会議の二人のうち一人の、経済財政諮問会議の民間議員でしたけれども、この人がいいことを言っていましたよ。景気回復するなら魚を国民にやったら駄目だと、魚をやるよりも、それこそ、佐田先生御存じのように、これ釣魚連盟、釣りざおをやれ、釣りざおをやったらどんどん釣れる、魚が釣れると、魚をやったら魚一匹食うたら終わり、そういうことを丹羽宇一郎さん、元々これは経済財政諮問会議ですよ。私はあれは大変嫌いなんだけれどもね、だけれども、そんな立派な経済人が言っていましたけれどもね。

 それから、もう一方の財政審、財政等審議会、これはもう先生一番御存じのように、これ普通、議会制民主主義で、これはもう大蔵省の一番権威のある財政審というのは審議会でして、これが普通、大体東芝の会長さんの西室さん、あの人が反対だと言ったんですね。で、聞いてみたら三十人おって、あれ、渡辺さん、読売新聞の渡辺親分ですよ、渡辺恒雄さん、それから東京電力の会長の、だれですかね、東電の会長は。いや、だからそういう人が、(発言する者あり)いやいやいやいや、聞いてくれよ、御指名あったんだから。私ももう命懸けで今言いますから。

 だから、そういう人がやっぱり反対するというのはよっぽどのことですよ、はっきり言って。よっぽどのことでもない限り反対しませんよ、こんな人は。もう我々も、それはもう西岡先輩始めもう消費税のすさまじい国会なんかくぐり抜けてきましたから、与党と経済界との関係というのは熟知しておるつもりですけれども、やっぱり西室さんが反対する、丹羽宇一郎さんが反対する、そういう知識人というか本当に経済をやってきた人まで反対して、国民の世論調査だって七割から八割が反対って言っているんだから。だれだって金もらうのは賛成ですよ。私だって金くれりゃうれしいですよ。しかし、やっぱりそれは日本人は大したものだよ。七割から八割は、常日ごろお金もらっても、やっぱり国のこれ公金ですから、税金ですから、そんなので景気対策をすべきでないというのは私はすばらしい見識だと思っていますよ。だから、そういう意味で、きちっと提案させていただいたら参議院通ったわけですよね。そういった意味で修正案が通った。

 これから先が問題なんですけれども、これは両院議員協議会、我々大変四人の先輩たちに、何というか運営に関して大変熱心に御協議いただいた。長い間待たされましたけれども、そんなことは言いませんよ。

 やはり、これは衆議院と参議院、二つあるというのは、皆さん、憲法の前文読んでくださいよ、前文。何て書いていますか。あの敗戦の中で、日本国民は、正当に選挙された、国会において正当に選挙された代表を通じてと書いているんですよ。一番最初、憲法の一条をよくこれ見てください。一条じゃない、前文、国会ですよ。これは衆議院も参議院も、与党も野党も書いていませんよ。憲法にある、国会って書いていますよ。

 ですから、我々、それはみんなお互いに連立で、自由民主党も公明党さんと連立組んでおられる。私もよく分かりますよ、連立。だけれども、衆議院、参議院、与党、野党ありますけれども、これはきちっと麻生総理にも申し上げましたよ。ここのところはまさに、国会には与党、野党、いろんな政党もありますよ。党首もいろいろおられますけれども、やっぱり自由民主党の総裁、麻生さんが内閣総理大臣なんです。内閣総理大臣というのは一人しかいないんだよ、国会に。ここには。そして国権の最高機関だからね。やはり、私は麻生さんに、たまたま野党がこういう、それは与党、野党と言えば、逆さまになっても、参議院では、それは自由民主党と公明党の方々、ここに来ておる、ひっくり返っても過半数ないんだから。大体百対百三十ですよ、いつも、選挙したら。今はもう百票しかないんだから、それは現実なんだから。

 だから、あなたとしては、きちっとここは丸のみしなさいよ、野党三党がちゃんとこういう定額給付金、あなたも進むも地獄、引くも地獄だろうと。しかし、それは立場もある。自由民主党と、公明党と連立組んだら、それはよく分かりますよ。しかし、それを超えて、やっぱり内閣総理大臣はあなた一人なんだから。あなたがきちっとやはりこれは丸のみして、十年前、小渕恵三さんもそうじゃないか、自民党の総裁、内閣総理大臣が、野党、参議院過半数なくて、私が郵政大臣を辞めた後すぐでしたけれども、あれは全部丸のみして、結局国家の危機を救ったんだから。やっぱり内閣総理大臣ならそれくらいの度量と見識がありますよ、あなた、何とかすべきだと、こう私は言ったんだけれども。

 いや、私は、本当におかげさまでというか、変な人間で、衆議院も参議院も与党も野党も経験しましたからね。ですから、是非、これは皆様には分かってもらえると思う。これは国家の危機だからね。それはいろいろ立場、メンツはあるよ。だけれども、ここはびしっと、そういうふうに私は事を収めるのが、これは衆議院がこういう議決だ、参議院はこういう議決だ、それはそれぞれの立場で主張されるのはよく分かりますよ。私も立場が違ったらそう言うけれども、ただし、ここはまさに百年に一遍の危機なんだから。

 そして、今さっき言ったように、やっぱり二十五兆から五十兆の、これもう何十万人あるいは百万近い失業者出てきますよ、来年になったら、どんどん。中国だって六・九%の成長率でしょう。八%になったら暴動起きるんですよ、あの国は。そんな状況において、今、国会、国権の最高機関である我々が、まさに衆議院、参議院あるいは与党、野党という、皆それぞれ立場はあるけれども、小選挙区で野党と与党と、それは対立しているけれども、ここは私はきちっとそういう考えをするべきだと。

 国会法を読んだら、これは内閣総理大臣に来てもらってもいいという話ですから。私は自由な発言させていただいて有り難い、一番で。私は、この会議、国会法九十八条、この両院議員協議会に内閣総理大臣を呼んでもいいということが書いてありますから、(発言する者あり)九十六条か。両院議員協議会、それほど憲法上重たい地位がある、権威ある会議ですから、最もある意味で、両院をまたがって発言できるんですから、一番権威がある協議会はこの両院協議会ですからね。私は、それで内閣総理大臣を呼んでいいと。

 今言いましたように、与党、野党の党首がそれぞれおられます。それぞれ立派な人ですよ。しかし、内閣総理大臣は一人だからね。私は、内閣総理大臣をこの席に呼んでいただきたいということを最後に、これはまだ途中にすぎませんけれども、大分時間が過ぎましたので、そのことを強く申し上げておきたいと思っております。

 以上です。

簗瀬進君 まず、この会議に入る前に、四人の正副議長さんが大変時間を使って、特に会議録、議事録の扱いについては大変ぎりぎりの議論をしていただいたと、お四方には心から敬意を表したいと思っております。

 それにも当然関連をするのでありますけれども、ずっとねじれ国会が続いております。私は、衆議院、スタートは自民党でございましたけれども、それから参議院に来て、両院協議会というようなものをねじれ国会になってから随分経験をさせていただきました。予算についてもやらせていただいたこともありますし、それから、もちろん総理大臣の指名についてもやらせていただいたことがありました。その都度非常に、終わるとマスコミから必ず言われたのは、ねじれ国会でありながら、なぜもっと両院協議会をしっかりと活用をして、そこで様々な議論をしながら成案を得る努力を与野党ともにしないのかと。これはもう必ずどの新聞にも出されたことであります。

 私は、そういう意味合いにおいては、今日はある意味では、ねじれ国会の中でこの補正予算について衆と参で定額給付金をめぐって真っ向からぶつかったということでありますけれども、このねじれ国会の一つの閉塞状況といいますか、それをこの両院協議会で何とかして乗り切っていこうという形で、大変四人の先輩方が御苦労いただいたということに非常に敬意を表したいと思っております。

 だからこそ、やっぱり国民の税金、これ二兆円ですから、大変な巨額の血税です。それについて、私どもはそれは使う必要はない、また定額給付金という制度についても極めて疑問であると、こういうふうな立場を持っております。自公さんはそれとはまた別の考え方に立っておることは間違いないんですけれども、これは言うまでもありませんけれども、それがぶつかり合って、結果として、国民の七割以上が反対をしている二兆円のお金が使われていくということについては、これは国民に対して申し訳が立たないと思っております。

 この二兆円のお金が本当に意味のある使われ方にするためにはどういうふうにしたらいいのかということについては、これは両院協議会を舞台にしてもうあらゆる知恵を与野党ともに繰り出すべきなんではないのかな。

 そしてその上で、今までの両院協議会のような形骸化された形じゃなくて、それぞれ、今まで我々も随分時間を待ったわけでありますけれども、そういう待った中で新しい両院協議会、これからねじれ国会、ある意味ではこれから続くかもしれません。今は自公さんが三分の二持っております。先ほど来、いろいろな方から民主党に風が吹いておると言われましたけれども、その風がどこまで吹くか分かりませんし、風が続いて我々が仮に勝ったとしても、三分の二という超巨大議席を衆議院の方で確保できるという、そういう保証は全くありませんから。そうすると三分の二も取れないで、今三分の二があるということで、ある意味では六十日、三十日ルールという形で局面の打開というようなものは憲法上できますけれども、結局ねじれて、しかも三分の二も持っていないで、どうなっていっても決着が付かないというふうな、もう最悪の状況が来るかもしれないんですね。これはもうかなりリアルな想像だと思います。そうしたときに、問題の解決の場というのはやっぱり両院協議会しかないと思うんですよ。

 だから、それを考えれば、先ほど国会法九十六条のお話をされました。私は、それも一つの提案だと思いますし、大賛成です。国会法九十六条で、様々な政府関係者を両院協議会の場にお呼びすることができると、こういうふうな規定になっています。これはもう是非そういう方向で諮っていただければと思いますし、さらに、それ以外にもいろんな知恵の出し方あるだろうと思うんですよ。両院協議会が一つの舞台になって、例えば各党の党首会談を、党首討論じゃなくて党首会談を両院協議会が場づくりをすることによってやってもらうと、そういうこともやっぱり一つの局面打開の知恵の出し方であるんではないのかなと。

 是非そういう形で、もう形骸化されて、もう時間がたったから、じゃこれで両院協議会は終わりだと、あとはもう憲法の規定に即ゆだねてしまうと、そういう知恵の出し方じゃなくて、もっともっと建設的な将来ともに耐え得るような両院協議会の新しいルールというようなものをつくっていく。その一つとして、九十六条の話もあれば党首会談の話もあるんではないのかな。こういうことで、是非これは皆さんに諮った上で実現をしていただければと、このように提案を申し上げます。

峰崎直樹君 今年に入って、予算委員会で私たちは地方の公聴会を求めてまいりました。公聴会までは実は実現できなかったんですが、先週の金曜日、足立の区役所に行って、区長さんとか現場の方々の声を聞いてきました。

 その方々の声を聞いて、なかなかやはり地方自治体なりにそれぞれの苦労をしているし、また工夫もしようとしているんだと私は思うんですが、こういう質問をさせていただきました。足立区におおよそ九十九億円のお金が行くんだけれども、もしこれを定額給付金という形でない支給の仕方をするとしたら、もし自由に使えるお金だとしたら、何に一番使いたいですか。そうすると、女性の区長さんでございましたけれども、それはやっぱり子育てを第一にして使いたいということでございました。その意味で、今この二兆円というお金の使われ方ということについて、本当に国民の皆さん方は無差別にばらまいてというよりも、そういう目的をきちっとして進めていくことが必要なんじゃないかということをそのときにおっしゃっていたのが非常に印象的でした。

 それと、私は今年一月、あるいは年末にかけて、まあ一月ですね、経済界の方々の非常に多くの主張の中に、今必要なことはセーフティーネットをしっかり張り替えることじゃないか。社会保障を始め雇用を始めとして、こういうところにまずお金を使って安心できるものをつくらない限り、我々も実は経済を発展できないんじゃないかということすらおっしゃっていたわけです。

 そういう意味で、御存じのように、単発的な一回限りの減税というのは、これはほとんど効果がない。つまり、恒常的にずっとこの制度減税が行われるときには、それはそれなりの経済的効果があると言われているんですが、経済学の常識からすれば、一回限りの減税というのは、これはほとんどこれが景気の刺激効果になるということはあり得ない。先ほど同じ会派の自見庄三郎委員の方からあったように、今やその需給ギャップというのは本当に五十兆とも何十兆とも言われるわけでありますから、この二兆円というものは余りにもツーリトルでツーレートだということを先ほども強調させていただきました。

 私は、何よりもやはり財政問題というものを正面から据えている財政制度審議会は、衆議院の議決が強行採決をして参議院に送られた後に、実は先ほどの私が主張した根拠の中の、財政制度審議会の会長がああいう発言をされたわけであります。

 そういう意味で、この財政制度審議会というのは、埋蔵金から、つまり特別会計の剰余金を、本来ならばこれは国債の中にきちっと返還すべきものを、これを引っ張り出してきてやっているというのは、それはもう財政規律というものを全く無視していると。これは恐らく、日本の国の成り立ちにとって大変に危険な問題を指摘しているということをおっしゃっているというふうに思いますし、私どもと考え方を同じゅうしておりますので、その意味でも、今日、衆議院の協議会に参加されている皆さん方に是非お願いしたいことは、そういう財政制度審議会の、まさに皆さん方が財務大臣を通じて選んだその財政制度審議会という識者の方々がそういう主張をされているということを是非皆さんも重く受け止めていただいて、これはやはり私たちの主張するように、これを是非削除して、また別の使い方についての検討をしてはどうだろうかということを、私はやはり現実の問題になっているんではないだろうかなと。

 このことも主張させていただくと同時に、そういうことを真正面から受け止めなきゃいけない財務大臣、私は、是非、九十六条の規定に従って、財務大臣はそういうことについてのきちんとした説明をやっぱり我々ここで協議しながら聞く必要もあるのかなということも併せて申し上げておきたいなというふうに思います。

小川勝也君 参議院で民主党・新緑風会・国民新・日本に所属しております小川勝也でございます。

 二〇〇七年の参議院議員選挙以降、議院運営委員会の理事を務めさせていただいておりまして、西岡武夫委員長の下、第一会派出身の理事として仕事をさせていただいてまいりました。

 それまでの国会では、特に小泉政権、安倍政権と強行採決に次ぐ強行採決、これがなくなったのは非常によかったんでありますけれども、その後いろいろな審議にあるいは結果を出す中でいろいろな思いにぶち当たりました。例えば、記憶の陰にもう薄くなっておられるかもしれませんでしたけれども、参議院で否決の意思表示を出した数次にわたる同意人事、あるいはインド洋における給油活動の是非、様々な衆参異なる結論という中で、時には両院協議会にも出席をさせていただいたわけであります。

 儀礼的な両院協議会に出席をした感想は、簗瀬国対委員長とほぼ同様であります。国民の命を受けて国会に立って、衆議院、参議院、それぞれ議院の大きな役割としてそれぞれの思いをそれぞれの院で結論付ける、本当にこれだけでいいのだろうかという思いをずっと持っておりました。例えば、インド洋における給油を続けるかどうか、こういう問題はマルかバツしかないわけでありますので、両院協議会で結論を出すというのは大変難しい案件だろうなというふうにも思っています。

 今回、第二次補正予算案に関する参議院の結論は、定額給付金の部分だけは反対とし、そのほかは、いろいろと議論はありましたけれども、予算編成をされた御苦労もかんがみて賛成という結論になりました。この定額給付金の二兆円プラスアルファの部分、これを両院協議会で本当に腹を割って議論させていただいて、何とか成案に向けて御努力をいただけないだろうか、これは両院の正副議長に私からお願いをしたい点でございます。

 民主主義は元々時間とコストが掛かるというふうに言われています。衆議院で自公政権が力を発揮する、我々も参議院の方で力を使ったこともございますけれども、本当に国民が求めているのはそういう政治ではなく、英知を振り絞って衆参与野党が何か結論を導き出す、これが国民の期待にほかならないというふうに心から思うわけでございます。

 第二次補正予算案が、本当に我が国の国会が国民に対してどれだけの責任を果たせるのか、これがメルクマールになると思いますので、成案が得られるかどうか分かりませんけれども、参議院側もそして衆議院側も、結論を得るんだというその思いでこの場を議論の場にしていただければというふうに思っています。残念ながら、今日は少し時間が掛かってこの時間まで過ごしておりますけれども、私は、個人的な感想でありますけれども、集まってしゃんしゃんでペーパーを読み上げるだけの両院協議会よりも大変実のある両院協議会になるのではないかというふうに期待を持ってこの席に座らせていただいているところでございます。

 定額給付金につきましては、諸委員からもお話がありましたけれども、例えばお金をもらえるということが嫌いな国民がどれだけいるでしょうか。私も同僚議員と話をしている中で、我々も一万二千円でも二万円でも欲しい、これは偽らざる感想だろうというふうに思います。しかし、そんな中で、国民の七割や八割と言われる人たちが、自分がお金がもらいたいにもかかわらず、制度として、政策として賛意を示せない、やはり大きな問題が残るだろうというふうに思っています。

 地元では、幾人かの首長さんとの懇談の機会がございました。実は、その首長さん方からは、三位一体の改革以降、地方がどのぐらい疲弊をしているのか、特に北海道は、第一次産業地帯でありますけれども、人口減それから不景気、大変な厳しい自治体運営をされておられる首長さんでございますので、もしあの私の自治体で配るお金を市役所、役場でお預かりできるならば、もっともっと雇用を創出したり、出産や育児、子供たちのために使えるのにと、こういう話を切実に伺ったわけでございます。

 実は、衆議院の方からのこの冒頭の文章に最善の施策であるというふうに書かれておりますけれども、私は、この最善の施策、「最良、最善の予算であると確信するものであります。」と、こう書かざるを得ないのはよく分かるわけでありますけれども、本当は、心の中ではこれ以上にもっといい案ができるのではないかというふうに考える衆議院議員も多数おることも承知をしております。

 この両院協議会で忌憚のない意見交換の中で、二兆円なのか、あるいはそれよりも少ないのか多いのかは別として、地域の振興、あるいは医療、介護、特に出産の問題が大きくクローズアップをされているわけでございますので、もういったん、この協議会の中で結論が得られなかったら、例えば党と協議をするために休憩をするとかいろいろな手法もあろうかと思いますので、成案を得るという方向性で努力をしていただきたいというふうに思っているところであります。

 国会というところは国権の最高機関であります。手続上いろいろなことが書かれているわけでありますけれども、憲法の中にある両院協議会の規定は、手続をして物別れということではなくて、やはり国民の代表としての国会の意思を出すために本当の英知を振り絞れ、これが憲法の期待だろうというふうに思っているところであります。

 そして、峰崎さんからも御提起がございました。埋蔵金という言い方がいいか悪いかは別として、大変使いにくいお金であるはずでございます。この国の形が問われている中で、雇用のセーフティーネットが壊れている、そして格差が固定化され拡大されていく中で、セーフティーネットをどうする、社会保障をどうする、子供を育てるためにどういう努力をこの国としてできるのかと。様々な国の形を変えるために使うのであれば理解ができるわけでありますけれども、この定額給付金のためにこのお金を使うことには国民の理解が得られないだろうというふうにも思います。

 そしてまた、様々な規定があるわけでありますけれども、ここは、国会というのは法律や施策を決めるところであります。選挙が近いからという、そういううわさもありましたけれども、国民に広く平等にということが本当に平等なのか。憲政の常道ということから考えましても、ばらまきと言われても仕方がないこの定額給付金を、何とかこの国会、両院協議会の英知でいい施策に変えていければというふうに思っているところでございます。

 様々申し上げたいことがございますけれども、一回目の発言はこの程度にさせていただきたいと思います。

議長(北澤俊美君) ずっと続いて参議院側から御意見がありましたが、この協議を呼びかけた衆議院からもいろいろ御意見があろうかと思いますが、御発言ありませんか。

鈴木恒夫君 お許しをいただきます。

 参議院の先生方から本当に真剣な御議論をお聞かせいただきました。私は、今の日本の状況というのは、これはやっぱり一種の文明の危機だと、そのくらいに思っております。医療の問題にしても雇用の問題にしても、様々な分野で構造的な変化が襲ってきていると、すべてが課題だと。これはもう諸先生、御指摘されたとおりであります。しかし一方で、そうした議論を真剣に国会はしながらも、やっぱり望まれる国民の声は、できるものから、してもいいものを早く施策として展開しろと、スピードだと、そういう一面も間違いなくあるわけであります。

 幸いにしてまだ国会は六月まであるわけでございますので、十分これから議論をする場はあるわけでございまして、少なくとも衆議院の意思は、様々な御不満は野党の皆さんにあるか分かりませんけれども、しかし、スピード、スピーディーな雇用対策あるいはその他のもろもろの施策については皆様方も、野党の皆さんも異論がないとおっしゃっているわけでありますから、できるものから一日も早くやってくれよということであれば、是非この点を勘案されて御判断をいただきたいと。

 そして、両院協議会の在り方についても、確かにこれから先何年もこれ続くか分かりません、もっとひどくなるか分かりませんから、それは真剣に御議論を重ねさせていただくと、これは我々の方も異論があるわけじゃありません。しかし、事このテーマに関しては、もう両院の決定が出ているわけでありますから、議長におかれましては、願わくば、もういい時間にもなって、各議員みんな待っておりますし、締めの意見発表に移っていただければと私から提案させていただきます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

議長(北澤俊美君) はい、承っておきます。

 ほかに御意見は。

池口修次君 民主党の池口でございますが、まず、この両院協議会の場というのは、合意を求める努力をする協議の場だというふうに理解をしております。そういう意味で、今の皆さんの意見の中でも関係大臣なり総理を呼んで議論をするという案も出ておりますし、私は、やはり合意を得るというためには、今様々、意見陳述の中にもありますように、論点はいろいろな範囲に実は及んでおるというふうに思っておりまして、その論点の中には、お互いにもう合意できる論点もありますし、まだまだ差が広い論点もあるというふうに思っております。

 そういう意味で、差し出がましいかと思いますが、議長においてこの論点をまず整理をして、合意できるところは合意をして、今のお話にありましたように、別に分離してやるということも全く不可能ではないわけですから、早く実施をすると。合意ができないところは更に議論を深めて、お互いに合意のできる姿にする努力というのもこの協議会でするべきではないかという意味で、是非論点の整理をして、更に深めた議論をすべきだというのが一点でございます。

 それと、この特に定額給付金に絡みますと、衆議院の採決前の世論もかなり、必ずしも国民に対して、賛成という意見は多くはなかった。もう一つ重要なのは、衆議院で採決をされた以降、財政審の意見も問題があるというふうに言われておりますし、昨日辺りの日経新聞なり毎日新聞でも、今でもなおかつ、衆議院の採決が終わったんだというのは、やはりこの制度には問題があるというのは、やはり参議院の方がもう少ししっかり議論をしろという声であるというのを真摯に私は受け止めるべきだというふうに思っております。そういう意味で、今日、参議院の本会議で一定の結論が出たわけですから、やっぱりその議論を踏まえてこの協議会でやらないと、両院協議会の意味が私はなくなるというふうに思っております。

 更に言わせていただきますと、この定額給付金に絞りますと、生活支援だというのが当初のスタートかなというふうに麻生総理も言ったわけですから、と思いますが、途中で景気対策というのが加わったというのは、ここは認めるとしても、じゃ生活支援というときに、どういう人たちの生活支援を一番重点にすべきかという議論の中で、まだまだ参議院の予算委員会の中でも、今日も実はあったわけですが、南野議員の方からDVの人に本当に渡るのか渡らないのかというところについて結論が私は出たというふうには思っておりませんし、足立区の視察のときにも、足立区長は、じゃネットカフェの人に渡せるのかといったときには、いや、これは私は渡せないと思うと。ただ一方で、鳩山大臣はこれは渡せるように努力するというふうに言っていますが、やっぱりそこが、結果、最終的に努力したけれども渡せなかったということだと、この生活支援という制度の意味合いというのがやはり相当程度薄れるというふうに思っておりますので、その点も含めて更に私はこの協議会の場、まあ予算委員会は終わってしまいましたので、この協議会の場しかありませんから、この両院協議会の場で更に成案を得る努力をすべきであるというふうに私は思っております。

福山哲郎君 参議院の福山でございます。

 今日は、諸先輩方とこのような権威のある両院協議会の場に参加をさせていただいたことを大変うれしく思っておりますが、責任の重さも痛感をしておる次第でございます。

 先ほど鈴木先生からお話があったことはまさに我が意を得たりでございまして、我々としては、現下の情勢をかんがみて、まさに定額給付金の二兆円以外の問題については、いろいろ我々としては課題を抱えていると思っています。例えば例の子供手当は、一年ぽっきりで三歳から五歳までの子供の、なおかつ二子以上の方ということに何が意味があるのかとか、例えば高速道路の問題にしても、我々の主張している無料化にもう一歩進んでいただきたいと、いろんな課題を抱えているとはいいながら、そこは我々は、実は二兆円、定額給付金の部分を抜いた部分に関しては賛成をさせていただきました。そのことを十分御理解をいただいて、この両院協議会で是非成案を得るように御尽力を賜りたいというふうに思っております。

 恐らく与党の先生方の中にも、一年限りの一人一万二千円で本当に低所得者の方々の生活が良くなると思われているかどうか、私は疑問に思います。本当にその状態で消費が喚起されるのかどうか、先生方、本当に良識のある先生方ですから、本当に消費が喚起されるのかどうか、多分疑問に思っている方もたくさんいらっしゃると思います。ましてや、銀行で振り込みをするということは、それぞれがひょっとすると電気代やガス代、光熱費で落ちるということになれば、物を買うような状況にはならないということも多分想像に難くないと思っております。

 そういう状況の中で、この二兆円を遅れている学校の耐震化や将来の成長につながるような環境、エネルギーの分野や、ましてや今非常に重要になっている介護の待遇改善等に回せないのかと、各自治体の首長さんに聞いても、そのような意見を強く与党の先生にはなかなか言いにくいけど言っておくわと言って、我々に伝えていただける首長さんがいかに多いということの実態を御理解をいただきたいと思います。

 先ほど小川委員からもおっしゃられましたが、お金をもらえるとなれば国民は喜びます。しかしながら、実態としては、審議が進めば進むほど、あの定額給付金の政策の発表から時間がたてばたつほど、反対の世論は大きくなっております。私は、日本国民の非常に良識的な判断に頭が下がる思いでいっぱいでございまして、そういった日本国民の良識にやはりこの両院協議会で我々が生意気ながらこたえることが重要ではないかなというふうに思っているところでございます。

 本日の審議でも、実は国債の利払い費に対しまして毎年毎年政府の見積りよりも一兆円以上大きい見積りが出ていて、それを行政経費の節減だと言って物事に使っているということが明らかになりました。そのことに対する中川財務大臣のお答えは、金利は変動するからそんなこと言われても困っちゃうよというのがお答えでございました。

 私はこの問題は非常に大きな問題だと思っておりまして、中川財務大臣には是非とも再度の御答弁なり統一見解を政府としていただきたいというふうに思っておりますし、大変残念なことは、昨年十二月の十五日に我々野党は雇用関連四法案を提出をさしていただきましたが、残念ながら衆議院で否決をいただきました。あのときに、合意できる法案は四本のうち二本はあるんじゃないかということが与野党共に言われておりました。しかしながら、残念ながらこれは両院の力関係の中で否決をされましたが、あのときの内定の取消し者は三百三十一名、しかしながら、年が明けて今一千名を超えようとしています。更に言えば、派遣切りはあのとき三万人、それが今は八万五千人を超えようとしています。

 私が非常に残念なのは、あのときに、年末です、本当にわずか半月前でございますが、与野党が胸襟を開いてその四本のうちの二本でもお互いが通していれば、これだけの内定取消し者の数や派遣切りの数は抑えられたのではないかという気持ちでいっぱいでございまして、そのことも含めて、やはり予算という大きな舞台でありますからこそ、こういった状況で両院協議会の中で成案を得るべく御努力、お力添えをいただきたいというふうに思いますし、今の労働の問題に関して言えば、製造業の派遣について、舛添大臣が派遣の禁止について積極的に答弁をされていますが、なかなか麻生総理は異なった答弁をされている。そのことについても非常に重要な論点でございますし、この二兆円の使い道というのは、雇用関係について大変重たい使い道の選択があると思いますので、そのことも含めて、やはり関係大臣をお招きをしてしっかりとこの場で議論をしていただくようにお願いを申し上げる次第でございます。

西岡武夫君 既に皆様方からいろいろな御意見が出尽くしているわけでございますが、論点がですね。

 私は、現在の憲法下において二院制を取っている。初め、どうも原案は一院制だったようですけれども、これを二院制にしたことによって、その問題点をカバーするという点でこの両院協議会という規定が設けられたというふうに認識をしているんですけれども、今回、少なくとも衆議院と参議院とでその答えが異なったと、結果が異なった議決をしたと。このことは、二院制の下において衆議院の優位性を前提としながらも、なおかつ重大なこれは重い出来事だというふうに思うんです。したがって、この両院協議会が果たすべき役割というのはまさにそのためにこそあると、このためにこそあると私は認識をしております。

 そもそも両院協議会というものが、首班指名と予算、条約、それからその他の法案と三つのケースに分けて、それぞれ両院協議会の持ち方あるいは事柄の決め方について相違、差を設けているわけですね。そういう中において、まあ首班指名はちょっとまた別の角度からでございますけれども、予算について両院の答えが異なったということは誠に大きな問題だと、したがって国会としての意思を統一すべきであると、そのために両院協議会は全力を挙げて取り組むべきであるというのがこの両院協議会が制定されている、法律的に制定されている、憲法に規定されている意味であろうと、このように思っています。

 しかも、この両院協議会の協議というものを期間を設けていないんですね。何日間の間に答えを出せとかというのを設けていないんです。しかも、同じ案件について今日ここにお集まりの皆様方がそれぞれ、協議委員が同じ案件を何回でも発言をして議論を重ねていいという規定を、特にこの両院協議会の規程の中には書き込んでいるわけですね。

 こういうことを考えますと、先ほどからいろいろ御意見が出ておりますように、この両院協議会というものを、本当の意味での両院協議会を設けられている趣旨にまさに立ち返って、それを生かしていくということを是非我々はやっていかなければいけない、その責任があると思います。それについては具体的にいろいろな御提案も出ておりますけれども、問題点をやはり整理して、この問題についてはどうするか、この問題についてはどうするかということも詰めていかなきゃいけないのではないかということを考えますので、是非皆様方におかれましても、この両院協議会というものが設置されたそもそもの意義というものをもう一度吟味していただきまして、より良き成果を上げられますように心から期待を申し上げます。

衛藤征士郎君 今の西岡先生の御発言、両院協議会の国会における位置付けについて御発言がありました。そのとおりでありますが、憲法第六十条と国会法第八十五条に予算及び衆議院で先議した条約についてはというのがありまして、これについては最終的には両院協議会で調わないときには衆議院の議決によるということが書いてあるんです。

 ですから、それは分かるんですよ。分かるんですけど、いろいろ御意見が出ておるように、ここで徹底的に議論をして、何とか調えようということで議論をするわけでありますから、そういう大くくりであることだけは御認識をいただきたいと思います。

議長(北澤俊美君) それぞれ真剣な御意見をいただいておるわけでありますが、衆議院側からは余り御意見がないので、議論のかみ合わせが議長の立場からするとまだ希薄かなというような気がいたしております。

 そういう中で、法が期待しております成案を成すために、いろいろな提案がありましたけれども、何人かの方から共通して大臣あるいは全大臣、総理大臣の出席というような御意見がありました。これについて少し絞って御議論をいただいたらいかがかと思いますが、御意見のある方。

鈴木恒夫君 真剣な御議論が続いておりますけれども、そもそも本日のこの協議会の開催は、衆議院の河野議長と参議院の江田議長との間で両院協議会を本日開いて本日結論を出せと、出すべしという御指示があってのことでありますので、もう十時半に近くなりますから、多様な御議論については、先ほども私発言いたしましたけれども、これは続いて、(発言する者あり)続いて、ちょっと待ってください、発言中ですから。続いて協議の場は幾らでもあるわけでございますから、結論を出すべく、両院から締めの意見開陳に入っていただきたいと議長にお願いしたいと思います。

簗瀬進君 ちょっと、一点だけ。

 今、鈴木先輩の方から参議院の江田議長のお話が出ました。これは先ほど、中間にそういうお話がありまして、私どもの方で確認をさせていただきましたが、とにかく今日中に云々の、そういうお話は江田議長としては申し上げてはおりませんと、こういうふうなのが私どもの確認をした事実でございますので、一言だけ付け加えます。

議長(北澤俊美君) 私がえらい発言するわけにいきませんから、議長、副議長の就任に当たってあいさつに行きましたときに江田議長から要請をされておりますので、石井委員から御発言を願います。

石井一君 いや、今の件は、今日中にこの会は開いてくださいよということであって、今日中にしまってくれという話はございません。それは何日続くか分からないし、場合によって必要があれば切ってもいいということなんですが。

 そこで、さっきここでやっている間、聞いておって感ずるんですが、衛藤さん、これ私あなたにちょっと聞きたいんですが、要するに次から次にこっちばっかりしゃべって、こっちは黙っておって、ガス抜きをして、それでもう意見が終わったら一つにまとめろというんなら、これは従来どおりのいわゆる両院協議会の形骸化された、参議院なんて何も要らぬと、こういう議論になるんで、これは駄目ですよ。両院協議会というのは、意見が違うんだけれども、衆議院、参議院の意見をお互いに出し合って、ここで一つの調整をし結論を出すということなんですよ。それをやらずして、皆さん方、それは一方的なことを言うて悪いかも分かりませんが、まあこっちの連中がぐずぐず言うだろうけれども、しゃべるだけしゃべらせておいて最後はこれで協議が調わぬなんて、これだったら何のための両院協議会なのかと、こういうことになりますから。

 まあ、私はいろいろの知恵はあると思いますが、こういうことは皆さんできないでしょうかね。要するに、オール・オア・ナッシングでなしに、何らかの形で両院協議会でお互いに歩み寄って知恵を出すと。さっきもあなたとの議論を二時間も三時間もみんなを待たせてやったけれども、最後に知恵が出たんですよね。我々だって何も全部取って、今言うておる案を全部通そうとは思うていません。しかしながら、あえてへ理屈を言わせていただいたら、予算案は予算案ですけれども、予算案の中でこの定額給付金というのがくっついているわけですよ。こいつが問題なんですよ。ここだけをこっちの連中は駄目だということを申し上げておるわけなんです。

 この席でそういうことは言いたくありませんが、言い出したから申し上げますけれども、こんなものだって動機不純じゃないですか。自民党の中だってどう言っています。こんなものは自民党と公明党の連立のコストだから仕方がないんだと、おれは反対なんだけれども反対できぬとか、有力な議員がそういうことを全部テレビ出て言うておるじゃない。国民の七割、八割が反対しているというものに対して、これは予算ですから通すというわけにはいかぬと、ここを私は申し上げておるんで、例えばその中の一部、こういう形に使うとか、それはもう予算は通ったんだから駄目だというんでなしに、それだったら何で両院協議会というのがあるの。両院協議会というのは両方の意見が全然違うんだから、そこでこれがあるんだから、何かそこへ新しい知恵を出すということが必要じゃないだろうかと。(発言する者あり)

 ちょっと待ってくださいよ。私の意見を聞いて反論していただきたいと思うんですが、私はそういう両院協議会であったら、今度、どうか分かりませんけれども、もし仮に民主党が政権取ってこういう状態で反対の立場に置かれたら同じ気持ちになりますよ。しかも、参議院が直近の国民世論を持っているんですよ。あなたのところは三百議席持っておられますけれども、三年以上前の郵政のシングルイシューで勝っておるわけですよ。それで今この給付金をやっているわけですよ、やや動機不純に、国民の反対を押し切って、言葉は過ぎるかも分かりませんけれども。我々は、直近の国政の国民の意思によって多数を与えられたんですよ。私なんかだって今度参議院なんて出るつもりもなかったけれども、出てみたけれども、勝つなんて思うてなかったもの。しかし、国民はそういう形でこっちを持っているんですから、やっぱり参議院の議決というものをも考えて、あなたの言うこと百あるんやったら十と二十だけここへ入れるから、ひとつ今回はこれでやってよとかなんとかの議論でないと、このままでこっちでガス抜きだけやって、意見だけ言ってこっちは黙っておられてやるということになれば……(発言する者あり)

 ちょっと待ってくださいよ。重要な話をしておるんですから。

議長(北澤俊美君) いやいや、今こちらを指名しております。

石井一君 それはね、それなら一院制でいいということですよ。参議院の意思なんてどうでもいいということになるわけで、両院協議会が設置された趣旨というのはそういうことであるということを申し上げたい。

 それで、岩永さん、ちょっと待ってね。

 私は十数年前、自民党を出たでしょう。あのとき政治改革特別委員長をやっていたわけです。それで、この両院協議会へ出た。今日この議事録読んでみた。膨大な議事録だ。それが全部残っておる。それで、私がむちゃくちゃにこの中で発言しているわね。そちらで反対論を述べられたのは参議院ですよ。私はこっち側に座っておったわけだ。参議院の人はけんけんごうごうとその小選挙区を始め選挙制度に反対された。村上正邦の発言なんてすごいものが書いてある。そのほか、一々名前を言うたら切りないけれどもね。その結果、小選挙区を三百、比例部分を二百にしたんですよ。それまでは法律にそこになかったんで、両院協議会で議論をして、野党の当時の意見も入れながら折衷案を作って、そこで、そのときの細川と河野が総裁でしたからそこへ持ち込んで、それで彼らが我々の持ち込んだ百七十六と何か三百三十二というのをまたそこで変えて、ここへ持ってきて最後にここで結論を出したということもあるんです。

 だから、政策マターでも何でも、これは予算だから駄目だと言われるけれども、予算はよろしい、四兆円のうちの二兆円は文句言いません。しかし、この二兆円のこのことに関して、国民の世論がそこまで反対されておるから我々は強く言うんであって、何らかの知恵を出してもらいたいと、その協議の場所であってもらいたいと。

 これ、まだ言いたいことありますけれども、余り長くてもいけませんからこの程度でまず止めさせていただきますけれども、そういう場にしていただかなきゃ両院協議会の意味は全くありません。

衛藤征士郎君 今、石井先生が御発言になられましたが、私どもも、国会は憲法第四十一条に規定される国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。憲法第四十二条に、続いて、国会は衆議院と参議院で構成されると。

 そこで、私どもとしては、四百八十人の衆議院議員が前回の衆議院選挙におきまして与党三百三十五人選ばれたわけですから、今の現員の数字でいけばね。そして、私たちはあなたたちに四年の任期を与えるから、この四年の任期、我々が選んだ国権の最高機関の一員としてお任せしますよというから、はっきり言ってそれは。その前提が壊れたらえらいことになりますから。

 そこで、私どもは、この衆議院という国会におきまして、やっぱりみんな一人一人物すごい数を代表した代表者ですよ。そこで、そしてそれぞれの委員会で、あるいは予算委員会で、本会議でいろいろなことをやって決定したことなんですね、予算についても。参議院は参議院でまたそのとおりなんですね。もうお互いに決定しているんですよ。

 そこで、お互いに決定した中で、こういうことが予測されるから憲法第六十条それから国会法八十五条で処理をしなさいと規定してあるわけですね。ですから、私どももそれにのっとって粛々とやらなきゃいけない。そのときに御意見が出たこともよく分かります。私たちもその立場に立って進めますから。やっぱりそれはまとめなきゃいけない。まとめなきゃいけない。そこを今協議しているわけですからね。そして、全力を挙げて議長の下にまとめる努力をする。しかし、時間というものがありますからね、そこは。

岩永峯一君 先ほど参議院の先生方のお話、我々衆議院の予算委員会の理事でもありますし、本当にずっと何回も何回も皆さん方の御意見を拝聴してきました。また、参議院の予算委員会を始め本会議の中でも先生方の御意見をずっと拝聴してきたわけです。

 そして、今日、両院協議会になったわけでございますが、当初、石井先生、三時から始まったですよね。そして、八時半まで我々五時間半、これはもう四人の正副議長さんで何とかいい案を見付けていただけるのではないかと、こういうことでじっと待っていたんです、私たちここで。途中でその経過の一端を我々に報告しに来るべきじゃないかと。これは党へ帰ってはお話は聞いているけれども、やっぱり正式にお互いに八人ずつこうして待っている状況の中で、しかしそれも、先生方に何とか解決の糸口を見出していただけると思ってずっと待っていたわけですよね。

 しかし、今、衛藤さんだとか鈴木さんがお話しいただいたように、これはもう衆議院でも参議院でも異なる議決というのがきちんとやっぱりされてきているわけですね。そして、予算に関しては必ずこの両院協議会を開かなきゃならない。そして、今まで予算に関する両院協議会を日延べした例というのはないと聞いております、私は。

 そういうような状況の中で、あと一時間半したら明くる日になるわけですよ。そして、五時間半もずっと待っていた形の中で、もう真夜中になってから、やれ総理を呼ぶべきだ、大臣を呼ぶべきだ、どうして解決したらいいかというようなことの話では私はないと思うんですよ。

 だから、それだったら、三時からきちっと開かれた状況の中で、これを、状況をスタートさせていただいて、そして三時間も四時間も五時間も六時間もずっと議論をしていく。私は、肝心なことだったらなんですが、もう明くる日にわずかに手が届いているような状況の中でこれから一からスタートしようじゃないかということについては、私は問題だと思います。特に、この補正予算というのは緊急性を伴うものでございますので、何とか速やかに成立をさせてもらいたいというのが私の率直な気持ちでございます。

 だから、我々みたいに待っていた者の気持ちからいきますと、そのことについてはひとつ四人で前進していただくような御提案をいただきたいものだと、私はこのように思って御発言させていただいたんです。

佐田玄一郎君 先ほど私も意見を述べさせていただきましたけれども、石井大先輩にもう昔からよく御指導いただいていますからそれに逆らうつもりはありませんけれども、私、地元へ帰っておりますと、やはり中小零細企業、また農家の方々、非常に困窮をされているという事実がありまして、今度の補正につきましては、本当に、特に緊急保証枠六兆円ということですけれども、既に四兆八千億がもう使われておりますから、一日も早くこれを対応しないと足りなくなってしまう、こういう状況もありますし、また雇用関係も四千億、そしてまた地域の活性化六千億というものも非常に地域が期待しております。地方自治体にこの間実際私行きまして、いろいろとお聞きしましたら、本当にそれを期待しておる。

 そして、先ほども貸付けがありましたけれども、中小零細企業に聞きますと、一番、やはり借りたものは返さなくちゃいけないわけですから、そういうこと以上に仕事が欲しいと、こういうことを言っておるわけですよ。それと同時に、やはり、まあ異論はあろうかと思いますけれども、定額給付金によって消費を伸ばしたり、また、要するに家庭の支援であるとかそういうことによって、消費を伸ばすことによってこれは仕事を増やしていくと、こういうことが非常に重要なんだと、こういうふうに訴えられておるわけです。

 これもまた異論があろうかと思いますけれども、この間行きましたら、定額給付金はいつ支給されるんだと、こういう意見も聞きました。年度内ですよと、努力していますと、こういうふうに答えましたけれども、そういう関心事もあるわけでありまして、私は、これは大変申し訳ないんですけれども切り離すというわけにはいかないんじゃないかと、こういうふうに思っています。

 また、議会運営の問題としては、やはり常任委員会、そして特別委員会、そしてまた本会議で議論をされてきたわけでありますけれども、私はかなりの議論をしてきたと同時に、今の経済状況を見たときに、もう皆さん方お気付きだと思いますけれども、去年と今年ではがらっと変わっておると。こういう状況の中で速やかに予算を対応していく。第一次補正予算、第二次補正予算、当初予算で七十五兆円の要するに経済対策を行おうと、こういうときに、是非ともこれは、私は、今、うちの総理が全治三年と言っていますけれども、とにかくやれることは全力でやっていくと、速やかにやっていくと。参議院の先生方が前言われましたけれども、この法案は速やかにやるんだと、こういうふうに言われた話を今覚えておるんですけれども、雇用の関係だったと思いますけれども、私はそれ以上に予算というのは速やかにやっていかなくちゃいけないんじゃないかと。

 それと同時に、確かに今、両院協議会の必要性又はお互いに歩み寄りをするべきではないかという話がありましたけれども、あらゆる議論を尽くしてきて、今これだけ、委員会もそうですし、本会議でもそうですし、これだけの議論を尽くしてきて、残念なことに衆参で、決して参議院が偉い、衆議院が偉いなんて言っているわけじゃありませんで、これは、両院が対等であることはさっき自見先生言われたとおり、それはそういうことであり、憲法上同じ、対等でありますから、それが違うということは重く受け止めて、その中で最終的にこの協議会で議論をすると。駄目であるならば憲法六十条があると。

 ただ、その中で、ただ形骸化したということではないと私は思っています。これだけの議論が出て、なおかつ協議の場では意見がこれは速記されているわけでありますから、そういうことを踏まえて、やはりしっかりと言うべきことは言ってそれを議事に残す、これは大きなことだと、私はそういうように思っておりますんで、是非その辺は御理解いただきたいと思いますし、定額給付金につきましては、はっきり申し上げまして諸外国もやっていることでありまして、その効果もあるというふうに私はお聞きしております。また、地方においては、それはどういうふうに御判断されるか分かりませんけれども、かなり効果があるという人、また、給付して、いただくという人もかなりで、私はお聞きしております。

 そういうことで陳述をさせていただきたいと、かように思います。

田野瀬良太郎君 先ほどから岩永さんのお話にもありましたように、延々ともう三時からこれ七時間半に上る議論をしております。もう大体論点は出尽くして、先ほどもおっしゃいましたように出尽くしたと思うんですね。

 そんなことで、私、動議として、成案を得るに至らなかったと、そのことを各議院においてそれぞれ報告されることを、ここで打ち切って、望みたいと思います。

簗瀬進君 今各議院において確認をしてというお言葉ありましたけれども、我々はまだ成案を得るに至っていないという確認はできませんから。(発言する者あり)

議長(北澤俊美君) いやいや、不規則発言はしないでください。

 今、田野瀬議員から御発言がございました。しかし、まだ発言の機会を待っておられる方も多数おります。また一方で時間を大変気にされておられる発言もございました。衆参両院の全議員がお待ちになっているという状況からいたしますれば、本日はこれにて散会をして、明一月二十七日午後一時に再開するということで決定をさせていただきます。(発言する者あり)

 本日はこれにて散会いたします。

   午後十時四十三分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.