衆議院

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第7号 平成23年11月22日(火曜日)

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平成二十三年十一月二十二日(火曜日)

    午後三時四十分開議

 出席委員

   委員長 古賀 一成君

   理事 大島  敦君 理事 近藤 洋介君

   理事 田嶋  要君 理事 中川  治君

   理事 橋本 清仁君 理事 谷  公一君

   理事 額賀福志郎君 理事 石田 祝稔君

      石津 政雄君    石原洋三郎君

      石山 敬貴君    磯谷香代子君

      稲富 修二君    太田 和美君

      川島智太郎君   菊池長右ェ門君

      沓掛 哲男君    斉藤  進君

      斎藤やすのり君    階   猛君

      白石 洋一君    菅川  洋君

      玉城デニー君    辻元 清美君

      中野渡詔子君    長尾  敬君

      畑  浩治君    森本 和義君

      森山 浩行君    谷田川 元君

      柳田 和己君    山口 和之君

      若井 康彦君    井上 信治君

      小里 泰弘君    小野寺五典君

      加藤 勝信君    梶山 弘志君

      永岡 桂子君    吉野 正芳君

      高木美智代君    高橋千鶴子君

      柿澤 未途君    園田 博之君

    …………………………………

   総務大臣         川端 達夫君

   財務大臣         安住  淳君

   文部科学大臣       中川 正春君

   厚生労働大臣       小宮山洋子君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   国土交通大臣       前田 武志君

   国務大臣

   (東日本大震災復興対策担当)

   (防災担当)       平野 達男君

   内閣府副大臣       後藤  斎君

   経済産業副大臣      牧野 聖修君

   内閣府大臣政務官     郡  和子君

   法務大臣政務官      谷  博之君

   衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十二日

 辞任         補欠選任

  市村浩一郎君     稲富 修二君

  畑  浩治君     川島智太郎君

  若泉 征三君     磯谷香代子君

  小里 泰弘君     永岡 桂子君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     若泉 征三君

  稲富 修二君     森山 浩行君

  川島智太郎君     畑  浩治君

  永岡 桂子君     小里 泰弘君

同日

 辞任         補欠選任

  森山 浩行君     玉城デニー君

同日

 辞任         補欠選任

  玉城デニー君     市村浩一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 東日本大震災復興特別区域法案(内閣提出第一号)


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     ――――◇―――――

古賀委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、東日本大震災復興特別区域法案を議題といたします。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤勝信君。

加藤(勝)委員 自由民主党の加藤勝信でございます。

 きょうは、復興特区法案について御質問をさせていただきたいと思います。

 まず、この復興特区も含めて、なかなか復興に対する、補正予算は成立をいたしましたけれども、関連法案、また、こうした法案がまだまだこれからということでありますけれども、この復興特区、いつから動き始めるかと先に聞くのはやや早いかもしれませんが、しかし仮に、かなりそれぞれ我々も審議にはできる限り協力をさせていただく、そういう中で、まず、公布の日から起算して二カ月を超えない範囲内で定める日から施行するとありますけれども、これは一体いつごろをめどとされておるのか。

 さらに、この復興特区法案では、復興特別区域基本方針というものを作成して、閣議決定をする。この中にはかなり、基本的な考え方、盛り込むべき事項はこの法案の中に書いてありますけれども、その具体的な中身が見えていないわけであります。それを含めて、いつごろまでには出していけるのか、あるいは、もう一つ言えば、その骨格的な部分についてはこの委員会でお示しすることが可能なのかどうか、その辺を含めて御答弁お願いいたします。

平野国務大臣 まず、法律の施行でございますけれども、加藤委員御指摘のように、公布の日から起算して二カ月を超えない範囲内で政令で定める日から施行ということになっておりまして、これにつきましては、法案成立後、速やかに政省令等の整備を進めて、月並みな言い方で申しわけございませんけれども、可能な限り、とにかく早い段階で施行できるように努力したいというふうに思います。

 それからあと、復興特別区域基本方針につきましては、これも閣議決定が要りますけれども、これもできるだけ早くという答えになってしまいますけれども、これから、今国会における議論、それから被災地方公共団体の御意見等々を踏まえながら策定を急ぎたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 事務方にもお伺いすると、ここでの意見を聞いてからということでありますけれども、やはりこれだけの基本方針でありますから、本来であれば委員会の中で、コンクリートしたものでなくても、あらかたなものをお示しいただくのが、委員会における審議をさらに深めるということにもつながると私は思いますので、ぜひそのことをお願いしたいと思います。

 この特区法案に関しては、先般、総合特区法というのがございました。そうした特区のことが、これまで幾つかなされてきたわけでありますが、この特区、今回の復興特区法の中において、いわゆる特例措置というんですか、特別の措置についての考え方なんですけれども、これまで例えば総合特区法等々においては、まずここでやってみて、これがうまく実施できれば全国に広げていくとか、そういう拡張性を持っていたものが相当あったというふうに思いますけれども、今回のこの特区法の特例措置の考え方について、これはもう本来ならばこういう形はとり得ないんだけれども、まさに緊急措置だから今回の例に限ってだけ認めていくよというものなのか、あるいは、実際やってみて、これがうまくいったねということであれば、これから例えばこうした災害があったときには常にこういう措置で対応する、あるいは、今回の地域は過疎地域が多いわけでありますから、そうした過疎地域の振興に非常に有効だということになれば、そういった形で拡張していく。どういう考え方に立って今回の特例措置をピックアップされたのか、そのお考えをお示しいただきたいと思います。

平野国務大臣 今回の特例措置を検討するに当たりましては、まず、被災自治体の意見を聞くこともさることながら、実際に自分たちが被災自治体の立場に立ったときに、どういう計画をつくって、どういう事業を実施するだろうかということを、担当の職員に頭の体操をしていただきました。

 その中でさまざまな考え方が出てきまして、例えば土地利用調整ということであれば、農振法とか都市計画法なんかにもかかわっている時間帯はないよ、だからこれをできるだけワンストップにしようといった、そういった発想も出てきました。そういった議論の中で、まず被災自治体の立場に立って特例措置を検討して、できるだけ幅広く、総合特区よりははるかに、法律でも、あるいは政令の部分でも、特例規定を設けるものは設けるということで設けました。

 その上で、あと、この結果をどのようにするかということについては、まずは被災自治体の中でこれを使ってみて、そしてまた結果としては有用だということで、これが全国的に、あるいは過疎地域の中でもそれを使えるんだということであれば、それはその段階でまたいろいろ御議論いただいて、私どもの中でもいろいろ考えまして、また国会でも議論いただいて、その運用の幅をどうするかということについては考えていくことになるかなというふうに思っております。

加藤(勝)委員 今回の特例措置も、広範な中身が入っております。特に、私どものところには、漁業の関係の方、本会議でも議論がありましたけれども、いわゆる漁業特区については、これはいろいろな議論があって、まさにこれから、少なくとも今回はともかくとしても、それを拡張するということに関しては非常に慎重に取り扱ってほしい、こういう意見もございます。

 ですから、そこはよく見きわめていただきながら、単に現地でうまくいったかいかないかというだけじゃなくて、全体の中でその辺は議論をしていきながら、いいものは広げていただく、そういうことにぜひつなげていただきたいと思います。

 そういう中で、総合特区との話でありますけれども、総合特区計画にもさまざまな特例措置が書かれているわけであります。今回の復興特区の中にも書かれておりますが、この特例措置、正確に言えば、総合特区計画に基づく事業に対する特別の措置ということになりますが、この中身は一体どうなっているのか。総合特区で認められているものは大体今回の中にももちろん認めるし、それに加えて、さまざまな特別措置が今回認められているのか、その辺はどういう突合関係になっているのか、概略をお示しいただきたいと思います。

平野国務大臣 まず、今回の復興特区制度は、総合特区制度に比較して、例えば土地利用に関するさまざまな特例規定等々について、幅広く設けたつもりであります。それから、税制についても、かなり深掘りをしております。総合特区にはない、いわゆる新規立地企業についての五年間無税制度とか急速償却、こういった制度は復興特区にだけ適用されたものであります。

 ちなみに、総合特区制度で盛り込まれているけれども、復興特区制度で盛り込まれていない規制というのが三つあります。それは、通訳案内士法の特例、酒税法の特例、それから老人福祉法の特例ということで、これはPFI方式の活用なんですが、これはいずれも、自治体等々の議論の中では、あるいは復興構想会議等々の議論の中でも出てこなかったということで、あえてこれは入れなくてもいいのではないかということで外してはございます。

加藤(勝)委員 それぞれ法律は違うわけでありますけれども、やはり復興の地域によって、状況によっては、例えば、もともと総合特区の中で何か一つ考えようと思っていたところもあったかもしれないわけであります。それを、こっちもやれ、あっちもやれと言ったら大変になりますから、やはりこれからそうした要望が出てくる。提案制度もあります。まさに、ほかの特区制度で認められているようなものはやはり積極的に認めていっていただけるように、ひとつ取り計らっていただきたいと思います。

 そういう中で、基本的な仕組みというのは、総合特区と復興特区というのは非常によく似ている。ある意味では総合特区制度をそのまま移しかえてきているというふうに言えると思うんです。

 ちょっとお手元に、総合特区法の三十二条の一部を抜粋させていただいているんですけれども、これを読みますと、「内閣総理大臣は、指定を行う場合には、総合特別区域基本方針に即し、かつ、指定申請の内容を勘案して、当該指定に係る地域活性化総合特別区域における地域の活性化に関する方針を定めるものとする。」ということで、この後に地方がそれぞれ計画をつくっていくわけでありますけれども、その前段階において、国の方も、こうしたらいいんじゃないだろうかということを示しているのではないか。二項に、盛り込むべき事項が、柱立ては書いております。

 今回の復興においても、それぞれの市町村がかなり被災をして、いろいろな意味で行政能力が決して十分にない、至っていないというところも考えますと、確かに、地方は地方でまず主体ですよというのはそのとおりではありますけれども、それはそういう立場に立ってやるということであって、何から何までそこにやってもらうということではない。そういう意味では、まさにこういうような方針というか指針というか、アドバイスかもしれませんけれども、そういったものをまさに示していく方が私はより親切なのではないかと思いますけれども、なぜこういう条項を盛り込まなかったんですか。

平野国務大臣 まず、総合特区制度は、自治体が、特区として指定をしてもらいたい、そして、地域のいろいろな特性等々を生かしてさまざまな取り組みをしたいということで、まず申請ありきです。申請を受けた形で、ではどういう計画を考えているかということを踏まえて国が基本方針を策定する、そういう流れになっていまして、趣旨は、まず申請が上がってきて、それで国が方針を示すということで、地域ごとに基本方針を定める仕組みになっているというのは、御承知のとおりであります。

 一方の復興特区は、二百二十四市町村という市町村が対象になりますが、もう既に災害で被害を受けているということで、それの復興に向けての計画をつくっていただくということでありますから、ここではもう国が地域ごとに基本的な方針を決めるということではなくて、まず市町村の方から復興に向けての計画をつくっていただくことで十分ではないか。

 そのときに、おっしゃるように、かなり市町村自体の中では傷んでいる自治体もあります。ですから、復興推進計画を作成するに当たりましては、今もそうなんですけれども、国の職員が何人か現地に行って、定期的に意見交換したり、あるいはアドバイスをしております。これから復興推進計画をつくるときは、復興庁が認められれば復興庁、そしてその下にできる復興局、そこからの職員が市町村に行って、共同で推進計画をつくるというようなことで支援をする形をとった方がいいんじゃないかという形で全体を考えているということであります。

加藤(勝)委員 まだまだ基本方針がつくり得ていない市町村もたくさんあるというふうにお聞きをしているわけでありまして、そこは、ここまで法律できちっと書くかどうかは別としても、任せるというか自主性を重んじるのは大事ではありますけれども、それは、できるかできないかというところも含めて、やはりしっかりとした手を差し伸べていただく、そういう対応が私は必要だというふうに思っております。

 それから、この法案を読んで、最初にうんっと思ったのは、各市町村は、復興計画というか復興基本計画というのをそれぞれ自主的につくっておられます。加えて、今回のさまざまな特区を利用すると、復興推進計画というのをつくらなきゃいけない、復興整備計画もつくらなきゃいけない、復興交付金事業計画もつくらなきゃいけない。しかも、場合によっては、単独であったり、共同であったり、県と一緒にやったりしている。これは大変な話じゃないかなというふうに思うんですね。

 この辺、大臣、これはどういうふうに市町村に対して説明をし、やはり市町村から見たら、ただそれでなくても大変なわけでありますから、できる限りこういう負担を軽減する、やはりそれを考えなきゃいけないと思うんですが、その点、どういうふうにお考えになっているんですか。

平野国務大臣 法律のたてつけ上、今、加藤委員から御指摘があったように、復興推進計画、復興整備計画及び復興交付金事業計画の三つの計画を策定するという形にしました。

 今、委員からまさしく御指摘がありましたように、本当に三つもつくるというのは大変じゃないかという懸念は、実は私もこの策定の過程の中でずっと思っておりまして、これは実際に運用するに当たっての運用でこれを改善するということがいいんじゃないかというふうに思っています。

 そこで、地方公共団体は三つの計画のうち必要なものを策定すればいいということになっていますけれども、三つの計画の中で必要なものを組み合わせて、例えば一つの計画として提出する。だから、計画をつくる中で、章を設けて、これは推進計画でございます、整備計画でございますといったような、そういったセットとしての計画をつくって、それでおのおの計画を策定した形とみなすとか、いずれ、自治体のいろいろな、こうやった方がやりやすいからこういった形で計画をつくることを認めていただけませんかといった要望にも弾力的にこたえるような形で整備計画をつくっていきたいと思いますし、少なくとも、今言ったように、三つの計画を一つの計画にするというようなことについては、この旨、基本方針にもきっちり明示したいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 ぜひそういう取り計らいと、この計画をつくる前段階で、必ずしも絶対ではないと思うんですが、基本的に、いろいろ協議会をつくることになっているんですね。これがまたそれぞれ一応書かれているわけでありまして、構成要員も違っているんです。

 この辺を含めて、一個一個、計画が違うし、目的も違うので、こういうたてりというのはあるのかもしれませんが、まさに運用面で相当これは弾力的にやっていかないと、大きい仙台市ならいいと言ったら怒られちゃうかもしれませんが、そういうところは十分行政能力があるかもしれませんけれども、小さい市町村に至ってはとてもとても、ふだんですらできる話では私はないと思いますから、そこはいろいろと知恵を出していただいて、運用面で相当弾力的にやっていただくということを今お約束していただきましたので、そのように取り計らっていただきたいと思います。

 それでは、まず、復興推進計画について少しお話をお伺いしたいんですが、ごめんなさい、その前に、第四条第八項に、規定の解釈の確認請求というのがございます。法律及び法律に基づく命令の規定の解釈について、各地方公共団体は関係行政機関の長に対し、その確認を求めることができる、こういうふうになっております。そして、それに対して「速やかに回答しなければならない。」と書いてあります。

 これは、計画を立てる、それから、この後ありますけれども、今回決められていないさまざまな事業について特別の措置を求める場合に大変大事な入り口になるわけでありますが、この「速やかに」というのは、これは本当に速やかでないと、二カ月も三カ月も四カ月も待っていたのでは全部が進まない。この速やかとは何日以内と考えておられますか。

平野国務大臣 自治体から、計画の策定等々、あるいは規制に当たって、あるいは事業を進めるに当たっての規定の解釈を求めた場合に、いつまでも時間をかけて、それがネックになって進まないということだけはぜひとも避けなければならないというふうに思います。

 条文では「速やかに」ということではございますけれども、これはとにかく可能な限り短期間で対応するということで、このことについては、復興庁ができたら、あるいは復興本部の方で、こういったものの問い合わせがあった場合についてはしっかりフォローアップをしていきたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 たしか質問主意書は一週間でしたか、期限が決まっています。それから、これは閣議決定ですけれども、「行政機関による法令適用事前確認手続の導入について」というのがございます。そこでは三十日以内と書いてあるわけでありますね。

 ですから、いずれにしても、物によっては延びることは当然あると思いますけれども、何日以内だという原則は、やはり大臣、明確にされていかないと、速やかという言葉だけでは私は不十分だということを御指摘させていただきたいと思いますし、これが執行される段階においては、大臣の御判断で何日以内ということを具体的にお出しいただきたいと思いますが、お約束いただけますか。

平野国務大臣 委員の御指摘を踏まえまして、よく検討したいと思います。

加藤(勝)委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 それから、いよいよ復興推進計画の認定、計画が出てきてそれを認定するということになりますけれども、認定に当たっては、第四条第十項ということですか、関係行政機関の長の同意を必要とする、こういうふうに書いているわけであります。

 これは、計画を出した申請者がそれぞれ回るのではなくて、内閣の中で同意を求めていくということになるんだと思いますけれども、基本的に、こういうメニューをやります、こういうメニューをやりますということに対しては、もう既に各省庁はオーケーを出しておられる。そうすると、一体何の同意を求めるのか。同意、不同意というのは、一体どういう点に着目して各省がおやりになることを考えているのか。むしろ、これは内閣あるいはでき上がる復興庁が責任を持って、いいですよ、悪いですよと判断をすれば、私は十分に足りると思うんですね。

 こういう各省庁同意があるから、やはり各役所にまた行かなきゃいけない、説明に行かなきゃいけない、こういうことになってしまうんじゃないかと思いますけれども、その点、いかがですか。

平野国務大臣 復興推進計画を作成しまして、その認定は内閣総理大臣が行います。そして、復興推進計画の認定に当たってというか、認定の段階まで来た段階では、もう既にこれは各省のいろいろな担当等も入りましてこの計画をつくっておりますから、基本的な、実質的な手続はもう終了しているというふうに御理解をいただいていいかと思います。

 では、なぜこういう規定を置いたかといいますと、やはり法律のたてつけ上の考え方から、特例措置を所管している立場から、復興推進事業の実施に当たって当該特例措置の適用が必要であるか等を判断する必要があるという法律の、今の建前上の必要性だというふうに私は解釈しておりますけれども、そちらの方からこういう規定を置かせたということであります。

 委員の今の御指摘にもございましたけれども、この認定の同意を、認定を得る段階で自治体が各省の同意を得るというような手続、こういったものは絶対ないように、この部分については、復興庁もしくは復興本部が責任を持ってやるということで御理解をいただきたいというふうに思います。

加藤(勝)委員 そういうこともあるので、これはまた次の復興庁設置法案の議論になりますけれども、やはりそこへきちっと権限を集中していけば、私は、こういう問題はおのずと解消されるものというふうに思います。

 それから、さらに、復興推進計画の中で、復興産業集積区域とか、復興居住区域とか、復興特定区域というのを決める、定めることができるというんでしょうか、それは基本的には各自治体がお決めになればいいのであろう、こういうことだと思うんですが、そういう中で、例えば新規立地促進税制というのが、財務大臣、ございますね。これは非常に、今回、法人税の特例で、こうやっているんだというお話であります。

 これはあれですか、この法文の中を見ると、二百二十二、いわゆる被災を受けている市町村すべてにおいて適用されるのではなくて、その中でさらに、「産業集積の形成及び活性化を図ることを通じて東日本大震災により多数の被災者が離職を余儀なくされ、又は生産活動の基盤に著しい被害を受けた地域」に限定されているように書いているわけですね。ということは、今回のこの法人税の、例えばこの新規立地促進税制を適用できる地域というのは、二百二十二あるうち、どのぐらいの市町村になるんですか。

安住国務大臣 今、加藤先生がおっしゃったように、五年間の新規立地に関しては無税措置ということになっておりますけれども、この対象地域というのは、申請を出していただいて国がそれを認めるということですが、その申請の要件として、今あったように、そこに今御発言いただいたような話になっているわけです。

 それをどういうふうに考えるかということですが、やはり雇用というものが、離職を余儀なくされたということを踏まえると、そうした産業集積が必要な地域というのは、私は、おのずとやはり決まってくると思いますので、そうしたところを対象にこの適用をしたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 基本的にそこのところが、さっき言った関係省庁の同意と絡んでくると思うんですよね。

 そうすると、計画は出す、しかし、いや、もともとそれは対象外だったというのでは話にならないんじゃないか。

 私が申し上げたいのは、むしろそういうものとはっきり分けて、あるいは、だれから見ても、こういう基準になっていますね、これだけダメージがあったとか、いろいろな基準があると思います。そういう外形基準をしっかり出して、それにおいて、ああ、自分はこれは使えるんだ、使えないんだというのがあらかじめわからないと、またこれ、どうですかといって財務省に聞きに行かなきゃならないですよ、各市町村が。いや、そうじゃないとわからないですよね、これは。

安住国務大臣 「区域」と書いてあるのは、市町村なんかにまたがった工場とか団地というのも、工業団地とかもありますから、そういう意味でとらえているのであって、地域を非常に限定してではなくて、先生、広い意味で、私としては、立地企業が出すところに関しては、津波の被害を著しく受けた地域に関しては対象になるというふうな認識を持っております。

加藤(勝)委員 いや、ただ、今言った、最初に申し上げた、復興推進計画を出せる二百二十二市町村あるわけですよね。その市町村すべてが、そういう地域ないし区域なりを持っているわけではないんだろうと思うんですよね。だから、そこのところがわからないんですよ、こういう文言だけでは。

 だから、そこのところを、やはりきちんとそれぞれの市町村にお示しをしていただかなければ、計画を立てろといったって、とらぬタヌキのということになってしまうわけですね。だから、そういう意味で、そこをはっきりしていただきたいと申し上げているんです。

平野国務大臣 いわゆる新規立地促進税制、特にこの部分なのでありますけれども、この部分に関しましては、先ほど財務大臣からも御答弁がありましたけれども、「多数の被災者が離職を余儀なくされ、又は生産活動の基盤に著しい被害を受けた地域」ということで、基本的には、やはりここは津波の被災を受けた地域というのを想定しております。

 こういったところはきちっとわかりやすいように説明すべきだという御指摘だと思いますが、今の委員の指摘を踏まえまして、ここのもっとわかりやすい説明ということについては考えていきたいというふうに思います。

加藤(勝)委員 ぜひ、そういう形で対応いただきたいと思います。

 まだ特別税額控除等についてちょっとお伺いしたかったんですが、もう全体、時間がありません。財務大臣、もしお時間があればどうぞ。

 次に、さっき、認定についての同意もあるんですが、それ以外に、関係行政機関の長が報告の徴収を求めることもできる、あるいは措置の要求も求めることができると書いてあるんですね。

 これは、関係行政機関の長が、まあ、それをするかしないかというのはあるかもしれないけれども、余りにもああでもない、こうでもないということになってしまうんじゃないかと私は危惧をするんですが、いかがですか。

平野国務大臣 これもいろいろな法律のたてつけというか考え方というか体系がありまして、こういう形になったということなんですが、委員御指摘のように、被災自治体、今の、これからの仕事だけでもう目いっぱいでありますので、できるだけというか可能な限り余計な仕事は求めないというのが基本ですから、その観点に立ってこの法律は運用されるべきものだというふうに私は理解しております。

加藤(勝)委員 それから、新たな規制の特例措置等の整備に関する提案というのができるようになっているわけですね。

 これは、既存のメニューがいろいろある、それに載っていないものをぜひやりたいということになると提案ができるということになっているんですけれども、この提案の主体、十一条を見ると、「申請をしようとする特定地方公共団体」、いわゆる被災をしている団体、「(地域協議会を組織するものに限る。)」と書きつつ、「又は認定地方公共団体」、これはもう既に認定を受けているわけですね。でも、この認定地方公共団体には、地域協議会を組織するものに限るか限らないかは書いていない。

 これは、一回認めた人は後から足すのはいいけれども、これから言う人は地域協議会を組織しなければだめだ、こういうことなんですか。一体、これはどういう基準でこういう条文になっているんですか。

平野国務大臣 ここは、若干ややこしい形になっているかもしれません。基本的には、新たな規制の特例措置の提案をするということは、その地域としてこれから復旧復興に向けて、ある程度の体制が整っている、あるいは考え方がまとまっているということがまず基本だろうというふうに思っています。

 そこで、まず、認定地方公共団体につきましては、計画そのものを認定されておりますから、これはもうそういった団体だということで、特例措置の提案ができるというふうな位置づけにしています。

 他方、特定地方公共団体というのは二百二十四団体あるんですけれども、こういったところについては、まず地域協議会を最低限設置していただこうということでありまして、この地域協議会を設置することで、一種の熟度があるということでみなして、特例措置の提案ができるという形にしました。

 ちなみに、では、地域協議会というのは設置が難しいのかというと、そうでもなくて、地方公共団体が地域協議会を設置するという意思があればできますので、これも大きなハードルになっているというふうには考えておりません。

加藤(勝)委員 それはそうかもしれませんが、やはりなかなか大変なんですね。協議会をやるというと、人が集まってということもありますよね。

 だから、地域協議会を持っていなければ提案する権利がない的に読めますね、これは。それはちょっと違うのではないかなと。場合によっては、そういう地域協議会までしていなくても、地域の声をしっかり聞いた計画をつくって提案をしているところであれば、それは大いに認めてあげたって何の問題もないんじゃないかというふうに私は思いますので、そういう運用が、この法文でそこまでできるかできないかはわかりませんけれども、その辺もひとつ弾力的な対応をお願いしたいと思います。

 それから、復興整備計画の方に行かせていただきたいと思います。

 復興整備計画については、被災関連市町村という形の定義になっております。これは、この条文を読むと、特定被災区域、いわゆる特定地方公共団体の中でというふうに読めるんですが、そうすると、復興整備計画を立てられる市町村というのは、いわゆる被災をしている特定地方公共団体、たしか二百二十二市町村だったというふうに記憶しておりますが、それよりも少なくなる、こういうことになるわけですか。

平野国務大臣 復興整備計画をつくる主体というのは、やはり津波による被害等により土地利用の状況が大きく変化している、あるいは原子力発電所の事故の影響のために警戒区域や計画避難区域が設定されるなどして復興に当たって土地利用計画を見直す必要がある、あるいは、これらの地域と地理的には離れていますけれども、自然、経済、文化等の面において一定のつながりを有しており、これら地域の住居の集団的な移転先として想定される地域等々でありまして、いわゆる土地利用について大きな変更を求める、その結果として、例えばさまざまな土地利用に係る規制、手続については簡略をしてもらいたい、そういう自治体、地域を想定しております。

 結果として、二百二十二、失礼しました、合併しましたから二百二十四じゃなくて二百二十二ですね、二百二十二については、理論上はいずれも該当するんですけれども、復興整備計画がどれだけ出てくるかということについては、その地域の被災の状況によって変わってくるのではないかというふうに思います。

加藤(勝)委員 今ちょっと、最後、後半がわからなかったんですが、被災の状況というのはもう大体把握をされておられると思うんですよね、それに従ってこういう条文をつくられているわけでありますから。

 そうすると、結果的に二百、手を挙げるのが幾つかというのは、それはわかりません。しかし、手を挙げる対象になり得るという意味においては、二百二十市町村みんながそういうことなのか。これはさっきの話とも一緒ですが、いやいや、そうじゃなくて、もう少し限られた地域なんだというのであれば、やはり、それはそれではっきりさせなきゃならないと思いますが。

平野国務大臣 どうも失礼しました。二百二十二市町村すべてが対象になり得ます。

加藤(勝)委員 それから、復興整備計画を立てる場合には復興整備協議会を組織することができる。実際、これをつくっていかなきゃ多分できないんだろう、できない仕組みになっていると思うんですが、この中の構成要員を見ると、また関係省庁の長というものが、「加えることができる。」というだけじゃなくて、「加えるものとする。」と。第四項は、「加えるものとする。」こうなっているわけであります。中には、国土交通大臣、農林水産大臣、環境大臣などなど、二十一、二号について、それは事業ごとになっているわけでありますが、これは、一つ一つの市町村の中につくられる復興整備協議会に、これだけ国土交通省の、まあ、大臣は来られなくて、多分、代理の方だと思いますけれども、そういう方たちを入れていかないとできないということなんですか。

平野国務大臣 基本的にはワンストップで処理をするということでありますから、今想定しているのは、復興局の職員に、ここは各省から職員がそこに多分出向する形になると思いますので、その復興局の職員が復興整備協議会に参画して、復興整備計画等々の計画の策定に参画するということをもってこの一連の手続は事実上完了するというふうに考えております。

加藤(勝)委員 いや、今のお話だと、復興庁が設置できてからの話でしょう、復興局とおっしゃったから。復興局の方が、国土交通大臣とか農林水産大臣とか環境大臣の仕事の代理ができるということですか。私どもは、むしろ、そういう仕事もすべて復興庁に集約をして、それによって、お出になる復興局の職員がおやりになる方が、はるかに簡便であり、ある意味では一人で済むんじゃないかと申し上げていたんですが。

平野国務大臣 ちょっと肝心なところが抜けて答弁してしまったかもしれません。

 国の関係行政機関の長の「指名する職員をもって」ということになっていまして、それで構成をするということで、ここで関係行政機関の長が一応法律上は出てくるということであります。

加藤(勝)委員 いや、それは第三項でありまして、第四項は、次にいろいろな協議すべき事項がありまして、それについてはこういう大臣が出ていなきゃいけない、こういう人が出ていなきゃいけないと、こう全部、これは「できる」じゃなくて「加えるものとする。」と書いてあるんですね。そこのところも、大臣さっきおっしゃった復興局の職員がかわれるということでいいんですか。

平野国務大臣 ここも、それぞれの関係行政機関の長の指名した職員が対応するという形になると思います。

加藤(勝)委員 ですから、当然、他省庁の人を指名するというのは、これは多分私はできないんだろうと思いますので、さっきの大臣の御答弁は、我々の考えには近いんですけれども、ちょっとこの法文とは違うのではないかなということで、そういう理解でよろしいですか。これからの議論の中で、ぜひ最初に言った方向にしていただきたいと思っております。

 復興交付金事業計画について、今回の復興交付金の対象事業、四十事業でしたか、いろいろ出ておりますけれども、これは、例えば今回の第三次補正予算の中にもいろいろな復興に関するものがありますし、そして特に被災三県等々が中心になっているものもあります。我々、被災三県に何で限定するんだという話もさせていただきました。

 これは、どういう基準で、この交付金の中に入れたり、あるいは各省ごとにおやりになりますという、その判断基準は一体何だったんですか。

平野国務大臣 四十の基幹事業についての判断基準でございますけれども、まず、まちづくりをこれからするに当たって、一つ大きな事業として災害復旧事業がございます。この災害復旧事業については、今の、現行の体系の中で対応していただくということになっておりますが、それ以外のさまざまな事業、どんな事業があるかということについて、これは冒頭の特例制度のところでも申し上げましたけれども、いろいろ職員の方に頭の体操をしていただきました。その上で、可能な限りここに入れられる事業というものを各省にお願いしまして、できるだけ幅広くとったということでありまして、むしろ、どういう判断基準というよりも、できるだけここに入れて市町村がやりやすくしようという観点から選んだ結果が、この四十の基幹事業になったということであります。

加藤(勝)委員 それで、これから各市町村から、この復興交付金に対する要望がいろいろ出てくるだろうと思います。出てきたものをまたそれぞれ精査しながら見ていくという、結果として現在の予算額をオーバーフローすることだって十分あり得ると思うんですけれども、その場合、どういう対応をお考えになっていくんですか。

平野国務大臣 復興計画をつくって、この形で地域の復興を進めたいということでの計画ができますれば、その実現についての予算は責任を持って確保するということを基本に対応していくことになると思います。

加藤(勝)委員 まさに復旧復興に関する必要な予算はしっかり確保するよう努力をしていただきたいと思いますし、我々も当然協力をさせていただきたいと思っております。

 それから、これは与野党間でも今議論されていると思いますけれども、いわゆる参議院で可決された東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時の交付金の交付に関する法律案が一方で出ており、この復興特区法案の中にも今申し上げた交付金の関係の規定がある。これをこれからしっかりすり合わせていくということになると思うんですが、やはり私どもが考えているものよりは、まだ、この特区法でおっしゃっている効果測定事業というものですか……(平野国務大臣「効果促進事業」と呼ぶ)効果促進事業ですね、あれが基本の事業との関連を何かいろいろ言われておられる。そこはもう少し自由に考えていくべきじゃないかというふうに我々は思っているんですけれども、大臣の御所見をお願いします。

平野国務大臣 この効果促進事業の制度設計に当たりましては、もう既に参議院は通過している、いわゆる、通常、礒崎法案というふうにお聞きしている……(発言する者あり)個人名を出さない方がよかったのかもしれませんが、法案とお聞きしましたけれども、その考え方は十分参考にさせていただきました。

 予算の規模についても、五千億ということを言われておりましたから、効果促進事業についてもまず五千億を目標にして一応今考えておるということでございます。使い道についても、かなり自由度は増したつもりでございます。

 ただ、これはあくまでも国から出す補助金という性格を帯びておりますので、適化法等々の適用を受ける等々の観点から、やはり若干の規制はかかると思いますが、それ以外の部分については、自治体のとにかく自主的な運用に任せたいというふうに思っております。

加藤(勝)委員 今、鋭意与野党間で議論をしているということでございますから、それをぜひ温かく見ていただいて、結果、しっかり対応していただきたいというふうに思います。

 最後に、この復興特区、これが成立すれば、現在は復興対策本部でこの事業を進めていかれるということになるんだろうと思うんですけれども、今度、復興庁ができたときに、今の復興対策本部がおやりになる事業に加えて、復興庁はさらに一体どういう事業を、この復興特区法における世界において、プラスアルファ、どういう事業を担うということになるんですか。それとも、基本的にこの復興特区の事業については、あるいは復興特区の世界と言わせていただきますが、世界においては、この復興対策本部がおやりになっているものをそのまま復興庁が引き受ける、こういうことになるんですか。

平野国務大臣 復興特区に関しては、今復興本部が担っている役割は、そっくりそのまま復興庁に移管するというふうに理解しております。

加藤(勝)委員 ということは、要するに、プラスアルファもマイナスアルファもなく、そのまま復興庁に行くということですか。それとも、先ほどから議論させていただいております関係行政機関のおやりになっている仕事の一部も復興庁に行く、こういうことになるんですか。

平野国務大臣 今の考え方では、特区に関しては、復興本部の今担っている、そのまま、可もなく不可もなく、足し算も引き算もなく移管をするという前提で今作業を進めております。

加藤(勝)委員 それはまた、復興庁設置法案がここの場で議論されたときに、その点も含めて議論をさせていただきたいと思います。

 終わります。

古賀委員長 次に、小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。よろしくお願いいたします。

 まず、復興交付金基幹事業についてお尋ねをします。

 基幹事業の中の被災市街地復興土地区画整理事業についてなんですが、これは、今回被災して、例えばもう沈下して、一度沈んでしまって、今大潮になると水面下になるような、そういうところをもう一度土地区画整理をしてしっかり対応するという事業なんですが、実はこの対象の場所、私どもが想定しているのは工場とか水産加工場とか市場の背後地、こういうところを主に想定しております。

 ところが、従前の事業ですと、一定以上の計画人口密度が必要、住む住民の密度が必要ということに規定上なっております。そうすると、水産加工場とかあるいは工場などは、もともと住家ではありませんので、この密度要件に当てはまらないのですが、今回、一番復興したいのはそういうところということになります。

 まず、国土交通大臣にお伺いしたいのは、この補助要件としての計画人口密度、これを緩和していただけるかどうか、お伺いしたいと思います。

前田国務大臣 小野寺委員にお答えいたします。

 第三次補正予算においては、集約型の都市構造の促進の観点から、一定の計画人口密度を有する市街地について、防災上必要なかさ上げ費用を区画整理の支援対象としておるわけでございまして、ヘクタール当たり四十人ということになっていますね。

 ヘクタール当たり四十人というのはそれほど密なというわけでもないだろうと思うんですが、これに該当しないものについては、津波まちづくり法、津波復興拠点整備事業を初め、その他各種事業で対応できるようにしてまいるつもりでございます。

小野寺委員 違うんですよ。町としては、市としては、その地域をそういう産業用地、工業用地にしたいわけですよ。ですから、あえてそこに住民、住家がある必要はないわけです。

 根本的に多分認識が違うと思うんですが、今回、土地区画整理事業でしっかりやっていただきたいところは、もともと用地としては市場の背後地。ここはなるべく、今回津波が来て、人が住まないような形で、逆に言えば工場とか産業の集積地にしたいということ。これにわざわざ人口要件をつけるということになると、そういう場所に人が住めということになるんですよ。ですから、これを撤廃していただきたいと思うんです。

 本当に基本的なことなんです。お願いいたします。

前田国務大臣 今般のこの対象というのは、それぞれの地域の復興のニーズに的確に対応して、緊急に健全なまちづくりをするという緊急性であったり、市街地の復興を推進するということで、必ずしも今小野寺議員が想定しているところに焦点を当ててつくっているものじゃないものですから、委員が御心配になるようなケースが出てくるんだろうと思います。しかし、一言で言えば、そういう地域もきちっと拾えるように知恵を出すようにしておりますから。

小野寺委員 平野大臣にお伺いします。

 恐らく現地に入っていただいたので、例えば気仙沼の魚市場の背後地、あそこが沈んで、あそこをかさ上げして、この土地区画整理事業でもう一度整理をしたい、当然そこには今まで住家もありましたが、それは今回はもうちょっと高台に行っていただいて産業地帯にしたい、そういう事業なんです。ですから、人口要件ということでここにわざわざ人が住めということがあると、あの地域の復興ができない。

 そういうことで、ぜひ復興担当大臣として、国土交通省と相談をしていただいて、わざわざ人口要件をつけるというちょっとナンセンスな内容については検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

平野国務大臣 先ほど国土交通大臣からも話があったかとは思うんですけれども、津波復興拠点整備事業でも対応はできるということだと思います。

 ただ、委員の御指摘が、その上で土地区画整理事業をかけた方がいいというふうなことであれば、確かに、これはヘクタール四十人という中で、基本的にその地域からは居住人口が随分少なくなるということが想定されますから、ここはどのような折り合いができるかについては、国土交通大臣とも協議したいというふうに思います。

小野寺委員 現場にいて冷静に考えればわかりやすい話なんです。

 かさ上げしてそこに水産加工場とかを集積しよう、この事業に乗ろうと思っても、人口要件となると、そこに人が住まなきゃいけない。でも、町としては、人が住んじゃいけないわけです。そこは産業とか工場用地にして、津波が来たら、みんな工場の屋上へ逃げましょう、そして、住家は外れたところに置きましょうというのが今回のこの計画なので、わざわざ人口要件で人が住まないと採択しないとなったら、むしろ被災させるために要件をつけているようなものですから、ぜひここはしっかり撤廃をしていただきたいと思います。

 そして、もう一点、国交大臣にお伺いしたい。

 この津波復興拠点整備事業、今御自身で触れましたが、この採択要件というのは、どうも今伺っておりますと、例えば一つの自治体では一カ所とか二カ所しか認めないとか、面積はこのぐらいだとか、そういう厳しい制限があると伺っております。ただ、今回被災した三陸沿岸というのは、実はそれぞれ集落が点在をしております。ですから、例えば気仙沼市でも石巻市でも、一カ所とか二カ所の整備事業だけじゃなくて、工業団地も、あるいは集落も、これは複数、ずっと点々としているのが現状です。

 この事業の採択についても、これは一自治体一つとか二つとかという制限ではなくて、これは現地に行ってみればわかるわけですよ、ここも必要、ここも必要。ぜひこの採択要件についても柔軟に対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

前田国務大臣 まず結論から申し上げますと、柔軟に対処いたします。

 用地の全面買収方式によって、被災した都市機能を集約的かつ迅速に整備して、地域住民の安心感の醸成につながるような事業制度を創出するということでございますから、当然のことながら、制度の趣旨に照らせば、都市ごとに箇所数や規模に関して一定の要件がないとなかなか、迅速にといったようなことやら、やりにくいことがあるものですから、建前としてそういう前提を置いておりますが、運用においては、冒頭申し上げたように、柔軟に対応をしていくつもりでございます。

小野寺委員 これは特区の法案ですから、やはり国土交通省にお願いしたいのは、従前のさまざまな制度がそのままオンしてくるのではなくて、特区なんですから、実態に合わせて対応していただきたいと思っています。

 さて、同じくこの事業の中の防災集団移転促進事業なんですが、これは、ある地域の二分の一の住家が同意をして集団防災移転するということになります。

 例えば、一つの集落が二十戸、三十戸のような集落であれば、ここの半分が同意して、みんなで移転しましょうね、これは何となくわかりやすいんですが、今回、市街地が相当やられています。言ってみれば、アパートとか集合住宅がたくさんあるところで、それぞれの住民の方の関係もそれほど密じゃない。例えば東京でも下町にそういう場所があると思います。

 そういうときに、このエリアに住んでいる数百人、アパートに住んでいる皆さんの半分以上が同意してこっちの場所に移転するということじゃないとこの事業に乗れないとなったら、確かに農村、漁村の小さい集落ならこういう同意があるんですが、例えば気仙沼とか石巻の市街地でアパートがたくさんあるところで、住民の方の半分が同意しないとこの移転事業の適用にならないとなったら、これは相当ハードルが高いんだと思います。

 ぜひ、この二分の一要件についても、緩和あるいは実態に合うような形で対応できるようにお考えいただきたいと思うんですが。

前田国務大臣 これも、結論的に申し上げれば、柔軟に対応するようにいたします。

 半数以上の条件ということなんですが、当該住宅団地に半数以上が入居しなければならないという要件を適用しない措置を講ずるようにもしておりまして、国土交通大臣が認める場合にはこの限りでないとか、そういった緩和条件も置くつもりでございます。

小野寺委員 そうなんですよ。国土交通大臣が認める限りはというのをどんどんつけていただいて、私ども、その個々の案件、決しておかしな話じゃないんです。現地へ行って見れば、これはこうしなきゃいけない、そういう要件がたくさんあります。

 先ほどの土地区画整理事業も同じで、ここをかさ上げして工場を中心にやりたいんだけれども、そこに人が住んでいないと採択にならないとなったら、やはり津波が来るところには人の住む家は建てたくないものですから、ぜひ実態に合う形でお願いしたいと思います。

 さて、もう一つ、この防災集団移転促進事業の中で、移転促進区域内、ここはどうしても住めない、住んじゃいけないというところの宅地は買い上げることができるという制度になっているんですが、この宅地買い上げは、実は所有者全員の承諾がないと買い上げることができないという要件になっています。

 例えば今回、その集落で百戸移転促進の区域になって、ここには住まないで、皆さんほかのところに行っても家は建てないでくださいねと市とか県で制限をかけたとして、では、住めないんだからここは自治体が買い上げましょう、この事業で買い上げましょう。でも、その中で一軒だけでも反対があると、全体が買えないという制度になっています。これだと、やはりいろいろな方がいらっしゃいます、思いも。先祖伝来だから土地を売りたくない。でも、ほかの九十九人が売りたくてもその方がだめだと言えば、実はこの事業に乗らないということになります。

 ぜひ、この全員の了解ということの緩和もお願いしたいと思うんですが。

前田国務大臣 委員が御心配のケースというのは、あり得ることだろうと思いますね。

 したがって、これについても何らかの知恵を出すということで、多少先取りして言ってしまうのはいかがかなと思うんですが、この法律ができたときに、いろいろ運用の方針、指針、マニュアル等をつくっていきますが、その中で一つ議論されているのは、そういうなかなか動きたくないという方がおられる場合、そこを除いて計画を先行してつくってしまう、そして計画が進んだ段階で、いや、やはり私もそこに加わりたいというときにはまた計画をふやすだとか、その辺は柔軟に運用いたしますから、委員の御心配というものをしっかり受けとめてやらせていただきます。

小野寺委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 もう一点、また国土交通大臣ばかりで恐縮なんですが、この移転促進地域、ここは住んではいけないということで、ここは買い上げて震災公園とかいろいろな状況にしようと思う中で、津波ですべてが流されてだれも住めない、そういうエリアならいいんですが、現実、被災地に行ってみると、例えばここで百戸のさまざまな商店街があったけれども、その中でたまたま震災でも免れた一戸、二戸、例えばコンクリートでできた家とか、たまたま免れた家とか、そこに今でも住んでいたり御商売をしている場合があります。

 今までこれは、買い上げるということで考えた場合、底地だけの値段だと、もう既に住んでいて、実は資産価値がある場合もあります。こういう場合の移転に伴う建物に対しての補償措置、これは通常はそういう補償措置をしてから全体を買い上げるということになりますので、こういう建物に対しての補償措置がこの事業の中で見れるかどうか、お伺いしたいと思います。

前田国務大臣 移転促進区域内で被災住宅を修理して住み続けておられるようなケースのことを御指摘になっていると思うんですね。

 その場合も、制度改正の一環として、事業の円滑実施の観点から、地方公共団体が必要と判断した場合には、家屋の現在価値で、相当分についても国庫補助の対象とするというふうに考えております。

小野寺委員 そこで実際に御商売もされている方もいらっしゃいます。ぜひそういう方が不満のないような形でこの補助対象にしていただきたい、そのように思っております。

 さて、こうして集団防災移転をして移転した場合、今回、移転したところで、例えば土地を安く貸してあげるということもありますが、分譲するという場合も想定されます。この分譲価格については、現在の指針では市場価格を対象とすると。ですから、せっかく高台に移転しようと思ってここの土地を買いたいなとなっても、そこの分譲した、もともとの費用がかかった土地の値段で売り出されたのでは、とても、そこに移転しても、こんな高い坪数では買えないということになります。この市場価格という解釈についてお伺いしたいと思います。

前田国務大臣 移転先の住宅団地の分譲価格は、地方公共団体が造成費等を勘案して独自に決定するわけですから、委員が御指摘のように、いや、ちょっと周りよりも高くなっているじゃないかというようなこともあると思うんですね。

 したがって、そういうときには、地方公共団体が周辺の住宅地と同程度の価格でちゃんと売却する。ただし、そうなると、かかった費用に対して多少赤字が出るというケースがあり得るわけですが、そういったものについては国庫補助の対象にするというようなことも考えております。

小野寺委員 多少赤字になった部分を国庫補助の対象ではなくて、やはり基本的には、そこに皆さん、移りたくて移るんじゃなくて、やむを得ない事情で移るわけですから、この市場価格というのは、余りそういう無体な金額ではなくて、やはり再建できる、そういう市場価格に設定するということを自治体に認めていただいて、そしてその分については今回の補助対象でしっかり積み上げていただくということを改めてお願いしたいと思っております。

 さて、災害公営住宅の整備、今後これがたくさん求められるわけですが、この災害公営住宅に入れる方の要件が、通常の公営住宅ですと収入要件というのがあります。ですが、今回の被災の場合、たとえ年収五百万とか六百万をもらっている方でも、家が流されて、そしてすぐに住む家を買えなくて今仮設住宅にいる、この方がたまたま、災害公営住宅を建ててそこに住めるようになったけれども、いや、その収入では入れません、相変わらず仮設住宅にいてください、こういうことは私はおかしいと思うんですね。

 ですから、この収入要件については、家が流されて、ない方ですから、余り細かく言わずに、まず今仮設住宅に入っている方であれば、希望すればまずこの公営住宅に入れる、そういう収入要件についての撤廃をお願いしたいと思いますが。

前田国務大臣 本質的には、住宅を失った被災者の方々の居住の安定確保を図るということが一番重要な課題でありますから、委員御指摘のように、通常、公営住宅への入居の条件として、収入が一定水準以下だとか、同居する親族がいるだとか、住宅に困窮しているだとか、いろいろあります。

 しかし、被災市街地復興特別措置法の今回の規定に基づきますと、災害発生から三年を経過するまでの間は、住宅を失った者については、収入等にかかわらず公営住宅に入居することが可能ですし、さらに、復興特別区域法案、復興特区法案によりますと、この期間を、三年から復興住宅が用意されるまで延長する特別措置を盛り込んでおります。そしてまた、住宅を失った被災者には、入居後一定期間は収入にかかわらず入居を継続することが可能であるということで、現実の知恵を出しております。

小野寺委員 再度確認しますが、災害復興住宅には、年収要件がなくても、今回家が流されて、仮設住宅に住んでいる方は入れるというふうに確認をさせていただきました。

 さて、これからこの災害公営住宅をつくるときの案として、よく地元で言われているのは、全く高台の人里離れたところにつくるのではなくて、できるだけ、今回例えば、被災地でも、津波はこの津波でも一メートルぐらいしか来ないような地域、やはりこういうところに市街地をつくって、新たにここに公営住宅をつくりたいという声があります。

 そのときの案として、例えば同じような津波が来ても、せいぜい床下、床上浸水ぐらいの場所であれば、これは商店もすべてなわけですから、一階はお店にして、二階を例えば事務所とかにして、あるいは集会所にして、三階以上に人が住むという形で七、八階建てぐらいの防災住宅をつくれば、同じ津波が来ても、真夜中に来ても、皆さん身体には全然問題ないし、家財にも影響ない、こういう案が出ているんです。

 ところが、今回の補助要件を見ますと、あくまでも居住部分、住むところについては補助金が出て対象になるけれども、商用の場所についてはだめだという指定になっています。

 ぜひ一階は、そこに例えばお店までつくってくれとは私どもは言いません。でも、一階のがらんどうなところ、二階の事務所に使えるところ、ここは人は住むところじゃないけれども、後でテナントを入れるところだけれども、ここも含めてやはり補助対象にしてくれということじゃないと、三階建て以上の空中の何かそういう住宅じゃないものですから、ぜひこの要件についても緩和していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

前田国務大臣 平野復興担当からもお答えいただけると思いますが、要は、復興のまちづくりについて、冒頭申し上げたように、この法律が成立した暁には、きっちりと運用の方針であったり、そういったものをマニュアル化して、わかりやすく現地に伝えます。と同時に、もう既に派遣もしているんですが、まちづくりの専門家も送り込みます。URの専門家なんかも加勢を頼んで送り込みます。そういうところで実際に相談に乗りながら運用をしていただければ。

 要は、委員が心配されるように、地元の方々が本当に安心して新しいまちづくりができるようにするのが肝要でございますから、その辺については柔軟に対応をしていくつもりでございます。

平野国務大臣 補足をさせていただきますと、委員の御指摘は、いわゆる商店街の整備と住宅の整備を一体的にやりたい、そういう設計をしたいといったときにどういう対応をするかということの御質問だったと思います。

 基本的には、費用区分けをする、あるいは、下の部分については地元商店会が例えばグループ補助金を受けて整備をして、上の部分については災害公営住宅事業で住居部分を整備するという、いわゆる合築方式みたいな、いろいろなやり方があると思います。

 問題は、災害公営住宅の部分については補助制度がしっかりあります。商店街の部分についても、先ほど言いましたグループ補助金等々がございまして、これを活用して補助金が受けられるという形になると思います。

 ただ、実際にどういう形で商店街と住居区域が設計されるかによって、その費用負担のアロケの仕方等々も若干変わってくるということも想定されますので、それは個々の地区の設計に基づいて、国交省なり復興本部との協議の中で考えていきたいというふうに思います。

小野寺委員 せっかく復興庁という一つの役所でいくわけですから、お願いしたいのは、一つの災害復興住宅で、一階はグループ補助金でつくって、二階は別なもので、三階は公営住宅でという、この際そういう複雑なことはなしにして、一つをセットできちっとつくっていただいて、後の運用をうまくやっていただきたい。多分一番おわかりだと思いますので、御期待を申し上げます。

 さて、今回、土地がないものですから、どうしても農地の部分について転用等をお願いすることになると思います。この農地利用について、ぜひ市町村が独自で決められるような特区にしていただきたい。

 そして、よくあるのは、ここは前、農地の整備というのは補助金でやりました、ですから、農地以外に農地転用する場合には補助金の返還をしてくれ、こう言われる場合もあります。せっかく今回この事業でそちらに市街地をつくろうと思っても、今度は逆に農水省から市町村が補助金の返還を求められるみたいな、そういう変なことがないように、しっかり整備していただきたいと思いますが、この農地の利用についての今回の対応について、農水大臣に伺います。

鹿野国務大臣 いわゆる補助金の返還を求めるかどうかというふうなことにつきましては、復興整備計画等が、甚大な被害をこうむった住民や地域を支援し、迅速に復興を図るためのものであるということをまず踏まえるというふうなことでございます。そういう中で、従来投資された補助事業の目的等に照らして、当然、返還すべきケースに該当するかなども勘案しながら、関係省庁とも連携を持って、個別の案件に対して今後決めてまいりたいと思っております。

小野寺委員 せっかく特区のこの事業で、農地転用を図るということでそこに市街地をつくろうと思って計画をしたら、今度は農林水産省から補助金を返せと復興本部が言われるような、そういう非常にふぐあいなことがないようにしっかり調整をしていただきたいと思います。

 それからもう一つ、実は、今回津波で被災した水産加工場とか工場用地がありますが、ここに復興するのもやはりなかなか大変だ、ここまでひどく傷んでしまうと、この土地よりは、今度は別な場所、例えば少し離れた内陸の方に造成をした方が、むしろ費用対効果からしても、スピードからしてもいいんじゃないか、そちらの方に水産加工場なり工場を移転したい、こういう場合、この造成費を今回のこの事業の中で対応できるかどうか、お伺いしたいと思います。

平野国務大臣 対応できます。

小野寺委員 大変明快な答えでありがとうございます。

 それでは、もう一つ、次にお伺いするんですが、きょう、厚労大臣においでいただいております。

 実は、災害救助法で、今回、仮設住宅、ここで支援をいただいているんですが、実は意外と気づいていないのは、これだけ多くの仮設住宅があると、そこの街路灯あるいは浄化槽の電気代、あるいは浄化槽の保守、こういうものに相当お金がかかります。

 今回、災害救助法でこれはなかなか、明確に支援すると書いていないものですから、自治体がこれを負担するということになると、例えば気仙沼では三千世帯が仮設住宅におります。十世帯や二十世帯なら市町村が対応できると思うんですが、これだけの大きな世帯数になると、街路とかあるいは浄化槽とか、保守管理とかだけでも相当の金額になります。

 今回の災害救助法でこのことが対応できるかどうか、お伺いしたいと思います。

小宮山国務大臣 お尋ねのような費用は、災害救助法は仮設へ入るところまでなので、なかなか対応が難しいんですね。

 ではどうすればいいかということですけれども、特別交付税を活用した復興基金、これで地域ごとに対応していただくようにしているというふうに聞いています。

 これは今各県で、復興基金をつくる条例を制定する方向で、それを制定していただくと、阪神・淡路のときにもそういう形でやったということなんですけれども、特別交付税が十二月にも交付されることが想定されているということなので、ここを使ってやっていただきたいということです。

    〔委員長退席、大島(敦)委員長代理着席〕

小野寺委員 それを使ってやっていただきたいというお話ですが、実はこういうところに多額の費用が出るということをぜひしっかり見ていただきたいと思います。

 それから、きょう、中川文科大臣に来ていただいております。先般はセンター試験がおかげさまで気仙沼会場でできるようになりまして、大変父兄が喜んでおります。感謝を申し上げます。

 その中で、一つお伺いしたいのは、実は、今回津波で公共交通機関が相当やられ、JRもほとんど走っていない。そして家族が被災して、家族が移転して、生徒が激減している私立学校があります。このままでいくと、この津波の震災によって、私立学校は生徒が今でもしっかりいるんですが、ただ、新しい学生が入ってこない、あるいはかなり転校していってしまっている、こういう状況についての運営の補助ということを検討できないかと思うんですが、いかがでしょうか。

中川国務大臣 結論からいうと、三次補正でその手当てをさせていただきました。

 具体的には、いわゆる学納金の減収分、これを前提にして、被災私立学校等復興特別交付金というのを新たに措置いたしました。これが平成二十六年までの四カ年の基金ということになっていますので、かなり安定的、継続的な教育環境がつくれるということであります。

 対象は、岩手県、宮城県、それから福島県の三県にということで、今年度からやっていきます。

小野寺委員 そういう制度があるのは知っているんですが、心配なのは、実は学納金の一部を負担ということは、学生がいるから、その学生の授業料の一部がこれで負担されると私は理解しているんですが、学生自体が減ってしまっている、こういう場合の運営補助もこれで対応できるんでしょうか。

中川国務大臣 予算措置上の推計なんですが、現在、四千六百九十七人ほどがそうした形で減っているというか、他所に移ってしまっているということが推定されるということになっております。それを前提にしてということですから、減った分の補てんをするということであります。

小野寺委員 恐らく、来年の募集も相当数が減っていると思います。これは、公立であれば十分自治体が支援をするんですが、私立がこのままでは学校が続けていけない、どうしても定員の例えば半分とかになってしまった場合にはいけないということになります。

 ここも、せっかく今の基金があるんですから、ちゃんと津波、震災から復旧するまで、仮設住宅から皆さんが公営住宅に行くまで、一度離れてしまった人たちがもう一度この被災地に戻ってくるまで、何年間の間は、運営補助、そんなに学校数が多いわけじゃないものですから、そこにしっかりしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

中川国務大臣 そういうことを想定して、先ほど申し上げたとおり、とりあえず平成二十六年度までの四カ年の基金としていくということで、継続的に対応していきたいというふうに思っています。

小野寺委員 ぜひ、その基金の中で読み取れるというふうに理解をさせていただきますので、これからまた御相談をしたいと思っております。

 さて、もう一つ、実は、今回被災した自治体で、これから一番困るのは人です。これだけたくさん被災をして、さまざまな事業をするに当たって、職員、あるいは行政にたけた職員の方のお願いをいろいろな自治体にしなきゃいけない。ところが、この自治体の職員派遣というのは、派遣を依頼した自治体、今回被災した自治体がその人件費を実は払うことになります。そして、その人件費は八〇%が、今回、特交の中へ算入するということになっていますが、残りの二〇%は被災した自治体が自前で出さなきゃいけないということになります。

 これは、被災した自治体で人手が足りない、お手伝いしていただきたい、その人件費の八割だけが補助されて、残り二割は自前というのは大変じゃないかと思うんです。きょうは総務大臣に来ていただいていますが、ぜひ、この被災した自治体に対しての助っ人、これに対してはしっかり国が支援をする、負担をするということで考えていただけないでしょうか。

川端国務大臣 制度のことは、先生十分御存じだというふうに思いますので省略いたしますが、その分で八割を見るということで、九月二十日に実施した二十三年度特別交付税の第二回特例交付では、八割で一億四千万支給をいたしました。

 なお、それ以降に関して、これからの分は今年度末に対処することになるというふうに思うんですけれども、どれだけの人数を要請するかということは、各団体の皆さんが受けるかどうか、それから、どれぐらい受けるかということに関しては、それぞれの自治体の皆さんが独自にお決めになるということで、基本的には一部負担していただくということで、幾らでもというわけにいかないという一定の仕組みになっているという経過がございます。

 ただ、これから当然ふえてくることも想定されるし、場合によっては条例定員数をふやすことも考えておられるところもあるかというふうに思いますので、財政状況をしっかり見ながら、個別具体も含めて丁寧に事情も聞きながら、対応をしっかりさせていただきたいということで、今、本当に実態をよく見て、その地方自治体の財政が大変にならないようにということを前提に、これからに向けて検討をしていきたいというふうに思っております。

小野寺委員 ぜひ、それほどむやみやたらにいろいろな人手をかりるわけではなくて、どうしても自治体として、被災して亡くなられた職員もいらっしゃいます、その方の補充、これはなかなか新人では難しい、ある程度経験のある方をいろいろな自治体にお願いをして派遣していただく。その中で、これはやむにやまれぬ派遣ですから、今言った、個別に後で特別交付税措置とかしっかり見ていただくようにお願いをしたいと思います。

 それからもう一点、実は、今回の復旧の中で文化財の復旧というのがあります。文化財の復旧の補助率というのは、自治体所有の場合には七〇%、寺社とか民間所有の場合には八五ということになっていますが、実は被災している自治体、かなりこの復旧復興に、今後、文化財も支援する必要があるということで困っております。ぜひこの補助率についての対応をしっかりしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

    〔大島(敦)委員長代理退席、委員長着席〕

中川国務大臣 通常は五〇から八五%ということになっておりますけれども、この補助率に加えて、八五%を上限に二〇%のかさ上げ措置というのをしております。

 現在、裏負担ということについても特別交付税で見ていただけるように要望中でありまして、要望が認められると、おおむね大体九五%がカバーできるというふうな形で対応していきたいというふうに思っています。

小野寺委員 こういう文化財の対応についてもしっかりお願いをしたいと思います。

 さて、もう一つ、今回、地域を歩いてみまして、例えば水産の市場が復旧しても、市場に付随している、展示即売をするような、よく物販施設、観光施設というのがわきに付随をしています。あるいは、道の駅で産直の施設を今回運営している場合もあります。

 津波の被災で、魚市場とかあるいは組合自体が被災をしていますが、実はそれ以外に、このような物販、産直、こういうものの施設も被災をしているんです。例えば、今回、この基幹事業の中の農水省の所管の中で農山漁村活性化プロジェクト支援事業というのがあるんですが、こういう中で、市場に隣接した水産物の販売、展示施設、あるいは道の駅のような産直施設、こういうものの復旧復興に使えるということで考えることはできるでしょうか。

鹿野国務大臣 産地の直売施設の復旧につきましては、今回の復興交付金の基幹事業で対応が可能でございます。

小野寺委員 平野大臣には、実は、直接この施設ということで、例えば気仙沼の魚市場のわきの海の市とか、それからはまなすステーション、これは道の駅ですが、こういうものの支援、現地も見ていただいております。これがこの事業で対応できるかどうか、改めてお伺いしたいと思います。

平野国務大臣 鹿野大臣から御答弁がありましたように、対応可能です。

小野寺委員 ありがとうございます。

 今回、このような形でさまざま特区についての質問をさせていただいておりますが、最終的に私ども、いつもこういう事業をやっていて心配なのは、確かに大臣の皆さんの答弁を聞くと安心をするんですが、実際、事業をスタートしていって担当部署と市町村が相談をしていくと、実はその中で、上限があったり、あるいはこれは見られないという施設があったり、いろいろなところでぶつかっていきます。

 特にこれが最も大きかったのが、今回の基幹事業の防災集団移転事業。これは実は、自治体が積み上げていってみて、さまざまな事業を組み合わせたら、国が補助する金額の二倍ぐらいの金額になってしまって、それが全部自治体負担になってしまったということで、今までとまっておりました。

 今回、この集団防災移転についても、上限についてはかなり緩和をしていただけるということで伺っておりますし、もちろん国がしっかり支援をするということになっていると思いますが、再度お伺いしたいのは、今回のこの事業の中で、この防災集団移転事業、地方自治体がこのような計画でつくりたいということに関して、その上限も含めて、しっかり相談をしながら対応していただけるかどうか、確認したいと思います。

平野国務大臣 今回、防災集団移転事業については、前田国交大臣の御努力もありまして、従前の制度に比べればかなり使いやすくなったと思っております。上限についての見直しもしました。

 ただ、一方で、いろいろな計画を見ますと、かなり事業費が巨額に上るような復興計画も、今、青写真の段階ですけれども、出ているなという感じがします。こういった部分については、やはり一定の合理的な範囲というのもある段階で出てくることも想定されます。

 やはり今回の場合は、国民に税の負担もお願いしてその財源も確保するといった背景もございますので、こういったことも自治体とも率直に意見交換しながら、合理的な、そして効率的な復興計画と復興をやるように国も心がけていきたいというふうに思っております。

前田国務大臣 基本的には今平野担当大臣が御答弁されたとおりなんですが、いろいろなツールがありますね、まちづくりの区画整理事業であったり何であったりかんであったり。そういったものを組み合わせて、なるべく負担が大きくならないようにするという知恵を出す。その知恵を出すという意味で、再三申し上げているように、まちづくりの専門家を送り込んでちゃんと相談に応じられるようにしてまいりたい、このように思っております。

小野寺委員 きょう、かなり細かいさまざまな質問をさせていただきました。

 実はこの質問は、今回、この事業を実施するような市町村から悲鳴に近いような声で私どもに届いた声であります。事業の説明が国からなされ県からなされて、内容を見るとさまざまな不安なところがある。きょうお話ししたように、実は、人口要件があったり、あるいは二分の一要件があったり、もしかしたら収入要件があったり、いろいろなところのハードルがこれは出てくるんじゃないか。そうすると、最終的には、自分たちが、住民の皆さんから期待を受けてこれから市や県がつくっていくわけですが、その期待に十分こたえられないことになってしまったら大変だと。

 私ども、特区という形で今回この法案の審議をさせていただく一番の理由は、特区ですから、今までのことを乗り越えて、今までのさまざまな制度は、今回、津波の大震災というかつてないことですから、それに合わせてむしろ対応を柔軟に考えていく。場合によっては、政治決断で、これはしっかり読み込めるんだから、今までの制度はこうだけれども、ちゃんとこれは政治決断、政治主導でやっていく、そういう意気込みを大臣の皆様にはお願いしたいと思いますし、私ども被災地の議員、これは与野党関係なく信じておりますから。自治体の皆さんも今の大臣の皆さんの答弁を信じております。

 ですから、ぜひそのことにしっかりこたえていただいて、これからこの特区法案を柔軟に、自治体の意向に合うような形で運用していただけるということを最後に平野復興担当大臣にお伺いをして、質問を終わりたいと思います。

平野国務大臣 今、被災自治体は、本当に大変な苦労をしながら復興計画をつくっております。できた計画につきましては、こういった復興特区制度、あるいはこの復興特区法案にある復興交付金制度等々、各種の各省のさまざまな事業制度を活用して、一日も早い復興ができるように、私どもは全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

小野寺委員 ありがとうございます。終わります。

古賀委員長 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 本日、この復興特区法案につきまして、先般の本会議に続き、具体的に質問をさせていただきたいと思います。

 まず、この復興特区法案に関連をいたしまして、どうしても、私も福島に通っている関係で、福島がこれからどのような形になっていくのか、恐らく岩手、宮城、そのほかの二百二十二市町村の中でも、瓦れきの撤去が終わり、そしてまた再建のつち音が高まっていく、そういう中で、ともすれば福島が、再生に時間がかかるということから、取り残されてはならないという思いを強くしております。

 そこで、まず大臣にお伺いしたいのですが、福島再生特別法、大臣のもとで御検討と伺いました。また、先般の本会議では、来年の通常国会に向けまして今準備をされているとも伺っております。この概要につきましてお話をいただければと思います。

平野国務大臣 福島再生のための特別法の制定につきましては、現在、原子力災害からの福島再生復興協議会、これは私が座長になっておりますけれども、そこで福島県と協議を行っている最中でございます。

 まず、福島県におきましては、今回の復興特区制度、それからあと復興交付金制度等々の活用等々をしていただきまして、復旧に向けての取り組みをお願いしたいというふうに思っています。

 その一方で、もう委員御案内のように、福島県には他県にない特別の事情もございます。警戒区域あるいは計画的避難区域等々も設定されました。また、風評被害も特に大きいという状況にあります。こういった状況にかんがみまして、福島県にどういう措置が必要か、今県と真剣な議論を重ねているところでございまして、この議論を踏まえて、次の通常国会に法案が提出できるよう取り組んでいきたいというふうに思っております。

高木(美)委員 ありがとうございます。

 我が党も、当然、福島特別立法が必要であるということで、プロジェクトチームを設置いたしまして、今議論を重ねているところでございます。

 その中で、県外に避難している自治体の責任者の方からのお声ですが、恐らくこうしたことを大臣は踏まえられて、今再生特別法に向けて努力をされているかと思うのですが、要するに、災害救助法で現在対応はされているけれども、現行法制では原子力災害というものが認められていないのではないか、正確に法的に位置づけられていないのではないか、どうも原子力災害による避難という立ち位置、座る位置が不明確で、法のもとに処理されているという実感が余りないという声があります。当然、各省の法の解釈でさまざま支援が行われているわけですが、災害救助法ではおさまり切れないものも出てくる、またそれもある、そのような実感かと思います。

 どの法律であれ、恐らくこれが再生特別法へという形になるのかどうか、そうした点も含めまして、何らかの原子力災害に関する位置づけというものが法的に必要ではないかと考えておりますが、大臣、いかがでしょうか。

平野国務大臣 おっしゃるように、災害救助法というのは、どちらかといいますと自然災害をまず念頭に置いている、私も基本的にはそういうふうに理解しております。しかし、運用として今、災害救助法を原子力災害の被災した方にも適用させていただいているということです。あわせて、原子力災害の被災者の方々には、原子力災害の賠償法ということでそれも適用されているということで、これは津波、地震の被災者とはちょっと違う仕組みになっております。

 今の委員の御指摘の中では、原子力全体の被災者に対する位置づけをもっと法律的に明確にすべきではないかという御指摘だったと思いますけれども、特に原子力被災者については、健康面等々についてもかなり長期的な視点で見ていく必要があるというふうに思っておりますし、こういった観点も、必要であれば特別立法の中に入れていくということで今検討を進めているということでございます。

高木(美)委員 先般も申し上げましたが、我が党も、福島の健康管理調査であるとか、また子供たちのさまざまな支援であるとか、今日まで県と一体となって取り組ませていただいております。

 そこで、ちょっと資料をごらんいただきたいのですが、実はお手元に参考資料ということで配らせていただきました。これは茨城県の被災状況等についてでございます。

 ごらんいただきたいのは、福島を中心とした周辺県への配慮という点でございます。もちろん、このことによって福島への支援が薄くなるとかということを全く望むものではありません。そこはむしろ周辺も含めて厚く、まさに富士山のように福島県がある、そしてその周辺の県につきましても、すそ野広くさまざまな面から支援がされなければならない、こういう考え方からでございます。

 ごらんいただきたいのは、委員各位も御参照いただきたいのですが、まず、各県の被害額の推計でございます。茨城県は二・五兆円。決して、被災三県と言われる宮城、岩手、福島、ここに遜色のあるものではありません。むしろ大きな被害でございます。

 そして、住宅被害につきましては、この一番左ですので、全壊というものは少ないものの、一部損壊を加えますと、何と十九万棟という形になります。これは、三・一一に二度にわたって茨城は強い損壊を受けました。十四時四十六分、十五時十五分に五強、六強という地震が二度続いたために、このような被害状況となっております。このグラフの比較はごらんいただきたいと思います。

 また、特定被災地方公共団体の指定割合につきましても、茨城県は七七・三%という大変高い被災率になっております。

 裏を返していただきまして、原発事故の影響がいかがかといいますと、これはまさに風評被害にまつわるものですが、旅行意向に係る意識調査をされました。それにつきましては、もちろん福島県が高いわけでございますが、ほかのいわゆる被災三県等周辺に比べまして、五七・一%と大変高いものがあります。次ぎまして、この左から四つ目に、栃木県の三四・六%。ここもやはり線量が高いという報道がなされております。こういう状況があります。

 そして、工場立地面積の推移につきましては、この一番右側、二十三年の上期に当たっておりまして、ここで七ヘクタールという状況でございますので、状況を聞きましたところ、もう来年以降は、工場立地、企業誘致につきましては今ゼロという状況があります。いろいろかけ合いに行くけれども、どの企業に行っても門前払いで、茨城県はいいです、こう言って断られてしまうという状況です。

 そして、一番下の、原子力災害に伴う損害賠償請求の状況でございますが、これはことしの十月三十一日現在で、茨城県は大変高い、三百六十五億円でしょうか、このような数字がございます。福島県に並ぶものでございます。

 こういう今の被害の状況を見ましたときに、大臣、この周辺県、特に茨城県、どのようにお感じになられますでしょうか。

平野国務大臣 高木委員御指摘のように、茨城県は津波、地震でも大きな被害を受けております。そしてまた、原発による風評被害等々についても大きな影響を受けております。

 国の対応でございますけれども、少なくとも、まず一つは、地震、津波の被害につきましては、どうしても被災三県というふうに注目されがちですけれども、あらゆる制度、これは基本的には二百二十二市町村を対象にしておりますけれども、市町村がこういった制度を使いたいということであれば、同じ条件で制度を使えるということで制度設計されているということであります。

 問題は、今回の原子力の事故によるさまざまな影響でございまして、きのうも実は、茨城県知事と栃木県知事から強い要請を受けております。特に、福島県に対しては、産業立地につきましては三次補正でも実は約二千億の基金的なものをちょっと用意させていただきましたけれども、茨城県に全くないというのはいかがなものかということで、このデータをまさに見せられながら強い要望を受けております。それから風評被害への対応につきましても、やはり、栃木県も含めてこんなに深刻な状況になっているという強い要望を受けております。

 そういった要望も踏まえまして、今、関係省庁と、二十四年度予算でどういう対応ができるか、どういう対応をしなければならないのかということについては検討中であるということでございます。

高木(美)委員 ただいま大臣から既にお話がありましたが、昨日、福島周辺地域、茨城県、栃木県、群馬県、そして宮城県、この四県の知事の方たちから大臣あてに要望書が届けられたと私も伺っております。

 私もこの要望書を改めて拝見いたしまして、当然のことながら、先ほど申し上げた健康管理調査といいましても、これは福島県は行われているけれども、やはりその周辺県にはないというところをどのように今後されていくのか。また、農林畜水産物、そうしたものが出荷制限、自粛を余儀なくされておりますし、特にまた観光施設につきましては、来客数が激減するという深刻な事態。また、医師の転出、採用辞退、国際会議のキャンセル、企業立地の減少というさまざまな課題が発生しているのもこの四県でございます。

 福島は当然のことながら、先ほど申し上げたように、富士山のすそ野のように、隣接県に対する財政支援、今大臣は二十四年度予算でというお話がありましたが、一部、第四次補正予算も組まれるやに伺っております。そうしたところにつきまして、これはいち早く対応をしていただくことが必要ではないかと思っております。

 また、福島県では、最先端の医療産業、また再生可能エネルギー、こうした拠点の立地も記載されているのが復興の基本方針でございますが、隣接県に関する記載は全くない、こういう大変つらい思いをこの四県の方たちがされております。

 私は、やはり福島と同様のスキームが必要なのではないかと思います。隣接県につきましてもこのような措置が当然されるべきと考えますが、もう一度、大臣の御答弁をお願いいたします。

平野国務大臣 先ほど茨城、栃木という名前だけを出しましたけれども、宮城県においても、あるいは山形県等々においても、やはりそういった被害というものについての深刻さというのは、私どもにも伝わってきております。

 隣接県についてどういうことができるか、先ほども申し上げましたけれども、こういった状況を踏まえて、やるべきことはやる、そういう心構えで検討をちょっと重ねていきたいというふうに思います。

高木(美)委員 ぜひとも、第四次補正予算等、配慮をお願いしたいと思います。

 復興特区の法案の方に入らせていただきますが、復興交付金の対象事業は、五省四十事業ということになっております。この第七十七条第二項三号トに記載がございますが、これは「その他内閣府令で定める事業」。事業が六項目ございまして、その後にこの「内閣府令で定める事業」という形になっておりますが、これはどのような事業を想定されておられるのか、また、今検討中であられるのか、答弁をお願いします。

後藤副大臣 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、七十七条におきまして、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、六項目についてまず事業対象を具体的に明示し、それ以外のものについては「内閣府令で定める事業」という形で、基本的には、予算規模も考えて、例示をまず六事業についてして、その他については、全体で五省四十事業という形になります。

 例えば、文科省の事業でいえば学校施設環境改善事業、厚労省でいえば医療施設耐震化事業、農水省でいえば農山漁村活性化プロジェクト支援事業というものを、トータルとしてこれから「内閣府令で定める事業」として指定をしていきたいというふうに考えております。

高木(美)委員 この「内閣府令で定める事業」、これは恐らく今後さまざま追加されるかと思うのですが、その追加のやり方は当然内閣府令で定めればいい話でございますが、これはどのようなタイミングで、どのような形で、今既にこの法案につきまして、県からも、また市町村からもさまざまな提案がなされているかと思います。いつごろの時点で定められるのか、お伺いしたいと思います。

後藤副大臣 お答え申し上げます。

 先ほどお答えをしたように、四十事業の六事業を引いた三十四事業が内閣府令の今対象になるというふうに想定しておりますが、基本的にはこの部分でおおよそカバーできるというふうに思っておりますが、いずれにしても、基幹事業の追加につきましては、先ほどいろいろな、この委員会で御議論がありますように、被災地の具体的な御提案というものも含めて、いろいろな事業を実施した以降、随時必要があれば追加をしていきたいというふうに思っております。

高木(美)委員 そこでお伺いしますが、第四号のところに「前号に掲げる事業と一体となってその効果を増大させるために必要な事業又は事務に関する事項」という内容がございます。

 これを踏まえて、参議院では野党が、使い勝手のいい交付金という形で法案を可決したわけでございますが、例えば茨城県で、先ほど申し上げたような風評被害対策のための企業立地の強化策であるとか、観光客を呼び込むためのキャンペーンであるとか、こういう独自の取り組みには使えるのでしょうか。

平野国務大臣 少なくとも、今のようなものに使いたいという要望が出てきたときに、それはだめですよという理由はちょっとないのではないかというふうに思います。この効果促進事業は、基本的に、復興のために役立つということで自治体が判断をすれば使っていただける、そういう制度設計になっておりますので、対応は可能ではないかというふうに思います。

高木(美)委員 私が受けた説明は、基幹事業と関連し、復興のためのハード・ソフト事業を実施可能とする使途の緩やかな資金を確保と。これは、要するに、この基幹事業にまつわる効果促進事業という説明を私は受けておりますが、そこで例が大変限定されておりまして、ハザードマップであるとか、まちづくりワークショップであるとか、道路をつくる、そこにまつわるものとしてさまざまなもの、バス路線等を整備するとかという説明を受けておりますが、大臣、もう一度答弁をお願いいたします。

平野国務大臣 事務方でどういう説明があったかわかりませんが、私の意図するところは、例えば補助金のかさ上げを別途やる、あるいは個別の私有財産の形成に資するものに対して補助金を出す、こういったもの以外のものについて、復興に役立つという形であればできるだけ幅広く使っていただきたいというふうに思っております。

高木(美)委員 そうしますと、例えば人件費とか、そうしたものにも使えるんでしょうか。

平野国務大臣 人件費というものについては、これは基本的に、復興というよりも、復興そのもののさまざまな事業というよりは、それを進めるための人の人件費ということになりますから、促進事業という観点からは私はなじまないというふうに思います。

高木(美)委員 それでは大臣、この効果促進事業の範囲につきまして、大臣のお考えがどのようなものか、もう一度御答弁をお願いいたします。

平野国務大臣 私の考え方では、どちらかというと、ネガティブで考えて規定をしたいというふうに考えておりまして、こうこうこうというふうに使うということではなくて、基本的な考え方は示しますけれども、むしろ、こういったものの使途に使わなければ使っていいというふうな考え方で制度設計をしたいというふうに考えております。

高木(美)委員 恐らく、事務方と大臣のお考えと大きな乖離があると思います。もう一度それは省内で、大臣のお考えを徹底されるなり御協議をいただきまして、再度、これにつきましては明確に示していただきたいと思います。

 これは今、御存じのとおり、修正協議の中で一番大きなポイントになっております。使い勝手のいい交付金をどういうふうにしていくのか、ここを求めて今三党が協議をしているところでございますので、今大臣が、ネガティブな範囲はある程度考えるけれども、基本的には、茨城が言っているようなこういう内容についても使えるのではないか、これをだめという理由はないと。私は、大変今の御答弁は驚きました。これは、省庁におきましても再度御検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

平野国務大臣 私が言っている内容は、今まで事務局に向かって言っていることと全く変わっておりません。制度設計の考え方は、私が言ったように、例えば個別の資産の形成に資するようなもの、例えば家の建てかえに必要な予算を補助するとか、あるいは、先ほど言った人件費は当然違ってくると思いますけれども、そういったもの以外のものについてはできるだけ幅広く使っていいという形で制度設計してもらうということで進めたいというふうに思っております。

高木(美)委員 そうしますと、大臣、今のこの第四号にあります「前号に掲げる事業と一体となってその効果を増大させるために必要な事業又は事務に関する事項」、この「一体となって」というのはどうお読みになるんでしょうか。

平野国務大臣 「一体となってその効果を増大」ですから、その形で読めるのではないかというふうに思っています。

高木(美)委員 そうしますと、大臣、ここにありますのは、いわゆる土地区画整理事業とか、集団移転促進事業とか、道路法第二条第一項に規定する道路の新設または改築に関する事業とか、公営住宅法に規定する公営住宅の整備または管理に関する事業とか、土地改良事業とか、漁港漁場整備事業とか、こういう話ですよ。でも、今私が申し上げた、ここと一体となってというところと、大臣がおっしゃるような自由な裁量というのとかなりの乖離があると思いますが、いかがでしょうか。

平野国務大臣 例えば、漁港事業と観光キャンペーンがどのように関連するかという話かと思いますが、基本的には、その事業とあわせて効果促進事業をすることによって復興復旧に資するということであればその使途に使っていいという考え方で制度設計をしていきたいということであります。

高木(美)委員 大臣、もう一度。では、この「一体」という意味はどういう意味ですか。これに関連するという話じゃないんですか。

平野国務大臣 「一体となって」という意味においては、それに関連するということですが、先ほど言ったような解釈で運用していきたいということであります。

後藤副大臣 大臣のお考えをちょっと補足させていただきます。

 先生おっしゃるように、七十七条二項四号では、「前号に掲げる事業と一体となってその効果を増大させるために必要な事業又は事務に関する事項」、これをいわゆる効果促進事業というふうに当然呼んでおります。

 先ほどもちょっと私の部分で先生に御説明をしたように、いわゆる基幹事業も、対象事業が現在五省四十事業ということで、先ほどお答えをしたように、これも各自治体から仮に追加で基幹事業の要望があれば、相談に応じて、必要性があれば追加をしていくというお答えを申し上げました。

 大臣がおっしゃっている部分も、できるだけスムーズに、なおかつ柔軟性を持ち、基幹事業の拡大ということも視野に入れて、できるだけ自由度を高めながら被災地の復興に資したいということで御説明をしたというふうに思いますので、ぜひ御理解をいただければというふうに思います。

高木(美)委員 それでは、もう一度大臣にお伺いしますが、大臣、それでは考え方として、この六項目の事業と一体となって行う事業、もしくはそれに関連するといいましても、本当に細い、薄い関連の場合もあります。大臣がおっしゃる、今私が申し上げた茨城の例はそういう例かと思います。漁港、漁場の整備とはまた全然遠い話ですから。そこで観光キャンペーンをやるわけではなく、アシアナ航空とかそうしたものを使いながら、例えば中国の学生を安く呼んできて、少し交流をしながら、そしてそれをまた復興につなげていく、こういう考え方ですから。そうしたことに対しても使えるのか。であれば、この「一体となって」という、それプラス、そのほかさまざまな復興に関する事業については、復興のためになる事業については、それは認めるという考え方でよろしいんでしょうか。

平野国務大臣 今、事務方の説明の資料をちょっと拝見しましたけれども、地方公共団体が基幹事業との関連を説明できることを条件とした上で可能な限り幅広く認めることとしたいということで、恐らく事務方の方は、関連を説明できることを条件とした上での方で、保守的に多分見ますから、こちらに力点を、説明していると思いますが、私の方はどちらかというと、効果促進事業、可能な限り、それから幅広くということに力点を置いていまして、常々申しているのは、これこれ使うということじゃなくて、できるだけ使えないものの範囲を限定しろということは繰り返し繰り返し言っています。この方向で制度設計をちょっとさせたいというふうに思います。

高木(美)委員 それでは、今、修正協議真っただ中でございますが、使えるというお話でございますので、これをさらにわかりやすく、そうしたことが読めますように、今大臣お話ありましたように、この関連を重視するのではなく、むしろこうした、可能な限り幅広くという、ここのところに重点を置くような、このような修正をぜひともさせていただきたいと思います。(平野国務大臣「修正というか、修正は必要ないと思いますけれども」と呼ぶ)

 いえ、申しわけありません、それは大臣、今の大臣の御答弁の意図は、この法文では伝わりません。恐らく、これをやって進めていくうちに、これはだめ、あれはだめ。関連するというところに重点を置いて、そこで私たち、今、もう何日も何時間も議論を続けているわけでございますので、大臣がそのような意図をお持ちなのであれば、その大臣の意図がそのままここに写し取れるような形で私どもは提案をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

平野国務大臣 先ほど言ったとおりのことをずっと事務方に言ってきましたので、考え方とすれば、この条文の中で私は読めるという前提で進めてきましたので、条文の修正の必要があるかどうかについては国会の議論にゆだねたいというふうに思います。

高木(美)委員 ありがとうございます。

 続きまして、これは実は率直な御意見でございますが、交付金の事前事後の手続の簡素化をお願いしたいという地方からの要請でございます。疲弊した自治体を手続で縛るような交付金では使えない。従来の補助金また交付金に関する自治体の負担軽減のために、一つは、政府はこの法案におきましてどのような工夫をされているのか、これをまずお伺いさせていただきます。

 また、重ねまして、地方からは、査定の簡素化に伴いまして、当然、実施、精算の際にかなりの数の設計変更が生じることが予測をされます。この設計変更につきまして、今までは軽微な変更という要件がありました。その要件の緩和や拡大など、柔軟な運用の手続としまして、簡素化をぜひともお願いしたいというお声でございますが、いかがでしょうか。

平野国務大臣 高木委員御指摘のように、これから地方自治体が復旧復興を進めるに当たりまして、さまざまな手続が必要になってきます。その手続の簡素化ということは必須だというふうに思っています。

 事業計画の提出、交付申請等に当たっては、まず内閣府あるいは復興庁がワンストップの窓口として対応するようにしたいというふうに思っておりますし、被災市町村等が行う手続の簡素化、迅速化を図ることとしまして、自治体の負担軽減に努めてきたところでありますけれども、今後、詳細な制度設計を進めるに当たりまして、交付申請手続や提出書類の簡素化、年度間の流用、事業間調整等の弾力的な執行などについて検討を進めてまいりたいと考えております。

高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

 続きまして、国と地方の協議会に関する体制の整備についてお伺いをしたいと思います。

 現地で開催と大臣は本会議におきましても御答弁されました。この国と地方の協議会の開催頻度とか具体的な進め方、またその体制をどのように組み立てていらっしゃるのか、お考えなのか、大臣に答弁を求めたいと思います。

平野国務大臣 国と地方の協議会は、復興を進めるに当たって、法律で規定されていない特例措置等々についてのさまざまな御意見を聞いて、協議をして必要な対応をするということになっております。その協議につきましては、基本的には現地で開催をする、その頻度については、余り協議会ばかり開催してもしようがないので、テーマが出てきたら、できるだけ早い段階で速いスピードで答えを出して対応するということに努めたいというふうに思っております。

高木(美)委員 国と地方の協議会の責任者は総理だと思いますが、総理が現地に行かれるということなのか、それとも代理として大臣が行かれ、大臣を中心に開催されるのか、いかがでしょうか。

平野国務大臣 基本的には、職員を指名して、実務者同士でまずやるというのが基本だというふうに理解しております。

高木(美)委員 ここのところは、実は我が党も本会議におきまして、国会が関与させていただきまして、各省の抵抗であるとか、また処理がおくれているとか、そうした場合に、協議が調った事項については必要であれば国会が立法措置をとる、そしてまた、そのために国会では特別立法小委員会というものをつくるというような提案をさせていただきました。

 実は、このスキームにつきまして、うちの遠山議員が、月曜日だったと思いますが、岩手県の四市の市長にこの提案をそのまま、どう考えるかということで意見を聞いてくれました。そのときにその四市の市長とも、これはありがたい、ぜひともやってもらいたい、このままの形で実現してほしい、そういうお話をいただきまして、私も意を強くしているところでございます。

 しかしながら、まず、その国と地方の協議会がどのような頻度になっていくのか。また、そこから国会に対して報告を求めるということも考えておりますし、特に、協議の調わなかった事項につきましては、速やかに報告をいただきたいと思っております。

 できるだけスピードを持って、テーマができたらもうすぐにという大臣の大変意欲あふれる御答弁でございますが、例えば、そのサイクルは、実務者といいますと、国と地方の協議会、そのもとに分科会のようなものをつくっていくのか、チームを派遣してそこで下打ち合わせをするのか、この辺のもう少し具体のところをお話しいただけますでしょうか。

平野国務大臣 テーマに応じて分科会をつくることも可能であります。

 それで、国と地方との協議会については、先ほど委員からの御指摘もございましたけれども、内閣総理大臣とか閣僚がそこに行くというわけにもなかなかまいりませんので、国の指定した職員で対応していただくということで。それで、どうしてもということになれば、それはそのときに応じて、自治体からの要請に応じて対応するということになると思います。

高木(美)委員 わかりました。また、それに応じましてこちらも考えてまいりたいと思います。

 次に、鹿野大臣、前田大臣、また小宮山大臣に大変お待ちいただいておりまして、恐縮でございます。実は、この法の規制緩和について盛り込まれていない点につきまして、四県から、これは被災三県足す茨城でございますが、御要望をいただいております。順次伺ってまいりたいと思います。

 まず、市町村からこれは大変率直な質問でございます。

 今まで自分たちも復興計画をつくってきました。それと、今回の復興推進計画、三種類つくるわけですね、整備計画、また交付金事業計画、この関係というのはどうなるのか。また新たな計画を課題ごとに策定していくには、もう人的、時間的な余裕がない、既存の計画を活用できるようにならないのかという質問でございます。御対応、いかがでしょうか。

平野国務大臣 今まで復興計画を各市町村でつくって、さらにまた全く別な復興推進計画をつくるというわけにはなかなかまいらないというふうに思います。既に定められている市町村の復興計画については、その計画を受けて認定の対応をする等柔軟な対応を心がけてまいりたいというふうに思っております。

高木(美)委員 ぜひとも人的派遣もお願いしたいと思います。

 前田大臣にお伺いいたします。

 復興事業用地の確保のために、土地収用法に係る事業認定の申請を簡略化していただきたいということでございます。

 これを特区法案の規制手続の特例に盛り込んでいただけないか。災害公営住宅建設、復興道路整備、また高台での住宅用地造成等、この事業施行に当たりましては、通常の認定手続や収用裁決申請を行う時間的な余裕がないです。特に、相続処理を含めまして、行方不明者も多いことから、関係人の把握が困難な場合が多いです。説明会、公聴会等の簡略化、また申請手続の簡略化が望まれます。土地利用のワンストップ化に係る特例措置とあわせて検討をしていただきたいという御要望でございます。いかがでしょうか。

前田国務大臣 お答え申し上げます。

 まずは、土地取得に当たって、事業認定を受けなくても、任意の土地取得等により事業を進めるというのがこの場合には一般的でもあるし、それは可能だろうと思うんですね。

 それから、もしも土地収用手続をとる必要があるとしても、そのときには、事業認定が必要な場合には、運用面で可能な限り手続の迅速化が図れるように努力をしてまいります。

 また、土地所有者が不明であったとしても、新聞公告や不明裁決等の制度により土地収用法上の手続を進めることは可能でありますし、今までもそういうケースは幾らでもあるわけですね。

 申し上げれば、やはり憲法二十九条の「財産権は、これを侵してはならない。」という原則があって、その特例として、公共のために私有の財産を正当な値段で収用できるという、三項に基づいてやるものですから、この土地収用法のことについては、やはり慎重であるべきだというのが基本ではないか、こう思います。

高木(美)委員 先ほど、前段で大臣が、さまざま運用面で可能となるようなものを考えたいというお話でございましたが、例えばそのガイドラインとか基準、何かそうした考え方につきまして整理をして、お示しになられるというお考えはあられますでしょうか。

前田国務大臣 今の時点でガイドラインをつくっているかどうか、私、ちょっと今まだ承知しておりませんが、とにかく、地元の自治体等にとってはすべてが初めての体験でありますし、そして、いろいろなまちづくり、もちろん特区法をつくるわけですが、御指摘のように、今まである、いろいろな既設のまちづくりのツールがあります。こういったものをわかりやすく使っていただけるように、もちろん、その専門家の派遣もいたしますし、マニュアル化というようなことも考えております。

高木(美)委員 ぜひとも、スピードを持って御対応をお願いしたいと思います。

 続きまして、鹿野農水大臣にお伺いさせていただきます。

 いつもこれは課題になる話でございますが、本来私も、この法案の中に、当然、再生可能エネルギーの活用についてという、ここの規制緩和がばしっと最初から盛り込まれるのかと期待しておりました。ちょっと期待外れの感がございますが。

 例えば、農地法の特例の中に、食料供給等施設を農地等においても設置できるとされておりますが、大規模な太陽光発電施設は、その食料供給等施設の中に含まれるのかどうか。また、現地の方から、農地転用に当たりまして、準公益的事業とみなし、許可や手続の迅速化を求めたいという御要望もあります。見解はいかがでしょうか。

鹿野国務大臣 今先生からお触れいただきますとおりに、この法案は、復興推進計画で食料供給等の施設を定める場合には、優良農地であっても農地転用ができる、こういう特例を措置しているわけでありまして、このことは、施設用地を確保して、津波被害を受けた農林水産物の加工施設等の再興を図るためには、用地不足という被災地の特殊事情があることから設けているものでございます。

 したがって、御指摘のとおりに、食料供給等施設に附帯し、その施設に電力を供給する太陽光発電施設であれば、本特例措置の対象になる、こういうことでございます。そしてまた、農地転用の許可等をワンストップで受けられる仕組みといたしておるところでございます。

高木(美)委員 この件は、また別途、後日質問をさせていただきたいと思います。

 恐れ入ります、前田大臣、鹿野大臣への質問は以上でございますので。どうもありがとうございました。

 小宮山大臣にお伺いさせていただきます。医療関係の質問でございます。

 医療従事者の人材流出が大きな課題になっております。特に被災病院では、診療再開までの期間が長期化することによりまして、医療従事者の雇用の維持が困難になってきております。これは、再開までの間には、例えば国関連の診療施設、医療機関等で期間を限定して雇用するなどの、これはまさに特例対策を講ずるべきという現地からの悲鳴でございます。御対応はいかがでしょうか。

小宮山国務大臣 医療従事者の人材流出を防止するために、今厚労省として支援をしていますのは、各都道府県ごとに設置をする地域医療再生基金、これで被災三県には最高額の百二十億円を積んでいまして、また、三次補正の中でも七百二十億円まで積み増しをしています。この中で、医師などの確保に関する費用、これも使えるということにしていますので、こういうものを使っていただくのが一つ。

 それから、これは医療従事者に限りませんけれども、災害救助法の適用地域につきましては、雇用調整助成金の支給要件を緩和していますので、これも使っていただければと思っております。

 それからもう一つは、被災地への人材派遣の取り組みということで、全国の医療関係団体で構成をする被災者健康支援連絡協議会、この協力を得まして、医師などの派遣調整を行っている。

 このようなことが、余り直接のお答えにならなくて恐縮ですけれども、こうした形で、何とか被災地で医療従事者を確保できるように、厚労省としては支援をしているということでございます。

高木(美)委員 ありがとうございました。現地の状況も伺いまして、また改めてお願いをさせていただくこともあるかと思います。大臣、大変にありがとうございました。

 続きまして、先ほどの再生可能エネルギーのところに戻らせていただきますが、工場立地法の特例についてでございます。

 電気供給業に関する生産施設面積率の基準、五〇%と伺っております。これは見直すお考えはあられるのかどうか、経済産業省にお伺いいたします。

牧野副大臣 高木先生の御質問にお答えをさせていただきます。

 今回の東日本大震災復興特別区域法につきまして、特に甚大で壊滅的な被害を受けた地域における緑地及び環境施設の敷地面積に占める割合を、地域の実情を踏まえて、市町村の条例で自由に定められる特例を措置したところであります。これらの措置は、大規模な太陽光発電施設の設置者の緑地整備負担の軽減にも寄与するところだと思っております。

 また、経済産業省といたしましても、再生可能エネルギーの導入拡大を推進しているところでありまして、大規模な太陽光発電施設につきましては、御指摘の、工場立地法の生産施設面積率の基準を現行の五〇%から七五%に拡大をする方向で、全国規模での規制緩和に今着手したところであります。十一月の十七日、産業構造審議会の話し合いが済みまして、今、パブリックコメントの準備をしているところであります。

 今後とも、被災地の復興及び再生可能エネルギーの推進に向けて一生懸命努力をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくどうぞお願いいたします。

高木(美)委員 前向きな御答弁ありがとうございました。

 最後に、農業県における外国人研修・技能実習生の受け入れ人数につきまして、谷法務大臣政務官にお伺いをいたします。

 JA組合員の一年当たりの枠二名を三名に拡大してもらいたい、このままでいけば営農に支障が出るということでございます。これは省令事項ということでございますので、御答弁をお願いいたします。

谷大臣政務官 お尋ねの件でございますが、言うまでもありませんが、技能実習制度につきましては、技能実習生が、本邦において習得した技術、技能または知識を本国において生かすことで、技能等の発展途上国等への移転を図る、そういう国際貢献を目的として創設されたものである。

 そのような制度の趣旨から、実習実施機関における十分な指導体制と適正な技能実習の確保を目的として、技能実習生の受け入れ人数の上限を決めている。そういう中で、農業協同組合等のもとで農家が技能実習生を受け入れる場合は、二人以内の技能実習生の受け入れを現在認めているということであります。

 技能実習制度については、労働力不足を補うための制度ではない。そういうことから、その目的のために、受け入れを、可能な人数の上限を拡大することは、現時点では適当ではないというふうに考えております。

 ただ、先生も御案内のとおり、入管法の第七条で、この受け入れ人数の改正等については、もちろん法務大臣を初め、関係する大臣、経産大臣、厚労大臣、農水大臣等、それぞれの省の長が協議をして検討して省令を変えていくということになりますので、今後そういうふうな手順として進んでいくのではないかというふうに考えております。

 なお、この地震によって、多くの技能実習生が、この震災の後、再入国の許可を取得せずに出国した、こういうケースが多数ございました。これらにつきましても、その再入国許可を受けずに出国した技能実習生が中断した技能実習を継続しようとする場合には、本邦の関係機関で改めて一から手続を行わなくても、簡易な手続により在外公館において査証を取得することができることとし、上陸を特別に許可することといたしております。

 以上です。

平野国務大臣 時間がないのに申しわけありません。

 先ほどの効果促進事業なんですが、一言だけちょっと補足させていただきますと、あくまでも基幹事業があるということが前提で、基幹事業とセットとなって効果促進事業の交付金が交付されるという、その前提でお話をしているということだけは補足をさせていただきたいと思います。

高木(美)委員 それは、大臣、今までの議事録をもう一度精査させていただきますが、大臣がおっしゃることと先ほどの御答弁とは全く違うということだけ指摘をさせていただきたいと思います。

 もう時間にもなりましたので、以上で終わらせていただきます。

古賀委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 ちょっと今のようなことがあると本当に困るなと思って聞いておりましたけれども、改めて平野大臣に、本会議での質問での趣旨をもう一度伺いたいと思っております。

 第一条に「被災地域の住民の意向が尊重され、」ということが明確に書いてあるわけでありますけれども、その意向をどのように尊重するのかということが条文にはないわけであります。

 答弁では、地方公共団体が復興推進計画策定の際に地域住民の意向を十分聞いて反映させるという答弁がありましたけれども、それはあくまでも、当然反映させるだろうと期待を込めた答弁でありまして、反映させなければならないということもなく、そのために何をするということも書かれていないのは事実なわけです。

 ですから、具体的に、例えば、協議会に被災住民が参加をするとか住民説明会を必ず開くとか、何らかの担保策が当然必要だと思いますが、いかがでしょうか。

平野国務大臣 高橋委員ももう十分御承知だと思いますけれども、今、被災自治体は、ある程度のマスタープランをつくった後の具体化に向けては、被災住民あるいは地域の住民と何回も何回も話をしながら計画をつくっております。したがいまして、復興推進計画を作成するに際しましても、地域住民の意向を十分に聞いてこれを反映させるということは、これは当然だというふうに思っています。

 この把握方法につきましては、法律によってそれを定めて、それをしなければならないという規定をするのではなくて、むしろ、各自治体がそれぞれの地域の事情に応じて工夫してやっていただくという仕組みの方がより受け入れやすい、そういう考え方もございまして、今あえて規定を設けていないということでございます。

高橋(千)委員 何回も何回も話し合いをされたとおっしゃった。それは一般論なんですね。もちろん私は、首長さんが無視しているなんということを言っているわけではありません。

 ただ、それは全体としてそうかもしれないけれども、やはり一人一人の被災者にしてみると、聞かれていない、あるいは、アンケートをとったけれども、世帯主の意向だけが尊重されて、自分たちの声は聞いてもらっていないんだと。要するに、世帯主でいうと、全部、もとの場所に戻って農業をやりたいと書くけれども、私たちはやはり、これから将来の世代に対して安全なところに住みたいという思いがあるんだとか、そういうことを女性たちが言っている、そういう場もございました。

 やはりそれは、住民の声を反映させると同時に、住民が納得いかないときにどうするのかということも含めて、いろいろな意見がある中で、首長さんがそれをすべて代表したとはとても言い切れるはずがないわけですから、どんなに良心的であっても。ですから、絶えずそういう仕組みは考える必要がある。法定ができないのであれば、これからのいろいろな要綱などの仕組みの中で検討していく、そのくらいおっしゃってもよろしいのではないですか。

平野国務大臣 やはり私は、各自治体の首長さんは、いかに地域住民の声を吸い上げていくか、それに相当腐心していると思います。

 そのやり方につきましては、先ほどの答弁の繰り返しになって恐縮ですけれども、その地域の創意工夫によって、その部分も含めて私は地方自治体にお任せするということの方が、全体の、これから進めていく復興計画の策定、復興事業を進めていく上においても、より適切ではないかというふうに考えております。

高橋(千)委員 その答弁は絶対承服できません。

 なぜなら、本会議でも私が質問しましたように、立地する企業に対しては、提案をすると、提案に対して、それをもし受け入れられない場合に、なぜそうなのかという理由を説明しなければならない、そこまで書いているわけですね。だったら、なぜ地域の住民が納得いかないという意見に対して何ら説明をするという余地がないのか。そこは、あくまでも、よくやってくれるだろう、創意工夫してくれるだろうという期待論だけであって、担保がない。そのこと自体は認めていただけますか。

平野国務大臣 今回の復興計画は、まさに、特に津波、地震地域等々にとっては、まちづくり、大きく町をつくりかえるという作業でもありまして、その作業の中で、首長さんと地域住民、特に被災者とのコミュニケーションは、私は、私らがどうのこうのと言うその前に、首長さんも、あるいは関係者も常に心がけていることだというふうに思いますし、地域住民も、また被災者の方々も重大な関心を持って見ている、そういうことだというふうに思います。

 ですから、その間のコミュニケーションはしっかり図られるということは当然のことでありますし、また、現に行われているというふうに私は理解をしております。

高橋(千)委員 被災者は重大な決断をしなければならないわけです。ここに住み続けるか、あるいは移転をするか、家を建てかえるか、あるいは集合住宅に入るか、一人一人が重大な決断をするわけですね。それは国の事業なわけですよ。決めるのは自治体だけれども、しかし、国の事業によってそれを選択しなければならないときに、やはり一人一人にとっては十分な情報が得られていないわけです。そこは本当に踏まえていただきたい。

 きょうは、それ以上議論すると時間がなくなりますので、指摘にとどめたい。ぜひ検討いただきたいと思います。

 その上で、きょう質問したいのは、水産特区の問題です。これは、私は、住民無視の最たるものだと言わなければならないと思います。

 本会議の質問で、私は、特区法にはそもそも提案によって新たな特例を認める仕組みがあるんだから、わざわざ特例に明記する必要がないと指摘をしました。鹿野大臣は、それに対して、既に宮城県から漁業法の特例の規定の創設を強く求められている、そういう答弁をしたわけです。ですから、法律が始まる前に既に提案したからもういいだろうという議論には絶対ならないわけです。答えにはなっていない。

 村井知事が政府の復興構想会議で民間の漁業参入をという特区制度を提案したのは五月十日であります。そして、地元漁協の、頭越しの一方的な発言だと強い反対があったのは、もうだれしも承知のことであります。なぜ特例に盛り込むまでやる必要があったのか。知事の意見は、少なくともその時点で地元から上がった要望ではないことは明らかではありませんか。

鹿野国務大臣 基本的には、今回の復興のために、いわゆる一つの考え方、選択肢として、地元漁業者のみでは養殖業に必要な施設の整備や人材の確保等が困難な区域に限定した上で、現行の漁業法の優先順位の規定にかかわらず、地元漁業者が主体の法人に対して知事が直接免許を付与できるようにした、こういうふうなところでございまして、基本的に、地元漁業者との話し合いの中で、免許権者である県知事において適切に判断がなされるというふうな意味を申し上げているところでございます。

高橋(千)委員 知事の意見は、五月の時点では地元を反映しているものではない、これは認めますね。

鹿野国務大臣 基本的に、今日、今申し上げますとおりに、知事がいろいろと判断をする上においても一つの要件があるんですというふうなことでございます。

高橋(千)委員 全然答えになっていないじゃないですか。

 その後は、いろいろ要望を聞くということ、話し合いをしてきたことも十分わかっています。でも、私が言っているのは、大臣が本会議で答弁した、既に要望があったからということは、要望があったからと言うけれども、その時点で地元の要望ではない、知事の要望ではあるけれども地元の要望ではないということは事実でしょう。

鹿野国務大臣 八月の十七日にこういうふうな、村井知事の方から創設が必要であるというふうな要望が来ております。

高橋(千)委員 質問したのは五月です。五月十日の話をしています。

鹿野国務大臣 五月の時点で、先生から質問を受けたということに対する私の答えについての御質問だと思いますけれども、精査させていただきたいと思います。

高橋(千)委員 全く答えになっていないんですね。五月十日のときに知事が提案をしたけれども、その時点では、地元の漁協は反対をしたわけですから、地元の声を代表したものではないということは事実だと思うんですね。

 今さらそれをひっくり返されても、歴然とした事実なわけですから、そこから始めたいと思うんですけれども、漁業者が浜の秩序を壊すと主張しているのは、もともと土地のように線引きできない海を、限りある資源を守りながら、また船同士のトラブルを避けつつ共同で利用するルールを決めながらやってきたことだと思います。明治時代などからつくられてきたルールと思いますけれども、改めて漁業権とは何か、漁協に優先的に権利があることの理由、簡潔にお答えください。

鹿野国務大臣 基本的には、通常の養殖業を行うというふうなことに対して、漁業者の方々が多数存在するわけであります。そういうことから漁業者間の調整が非常に重要になってくる、こういうふうなことで、養殖業を行うための特定区画漁業権につきまして、地元漁業者の大多数が組員となっている漁協が優先的に免許を受け、漁場を管理する仕組み、こういうふうになっているところでございます。

高橋(千)委員 余り意義的なことはおっしゃらなかったと思うんですが。

 資料の二枚目につけておきました、漁業権漁業の制度ということで、定置漁業権、区画漁業権、共同漁業権と三種類あるということで、今その三つ目のことが議論になっているわけですけれども、つけたのは二十二年度の水産白書であります。つまり農水省が述べたことであります。

 「我が国漁業のルールの成り立ち」ということで、「我が国の伝統的漁業法規は、古くから幅広く漁業が営まれてきた歴史のもと、各地の漁場紛争の歴史を背景として、「漁場を誰に、どのように使わせ、それを誰が決めるか」を主眼として発達してきました。 資源の枯渇が紛争を激化させることや、そもそも漁場の利用は資源の利用と裏表のものでもあることから、資源管理のためのルールもこの枠組みと一体のものとして決められてきたといえます。」「利用する関係者が「みんなで決める」ことが、我が国資源管理の基本となっています。」ということで、非常にいい解説をされていると思うんですよね。やはり、そもそもそういうものであるということを、まずちゃんと確認をしたいと思うんですね。

 その上で、意義のある、みんなで助け合ってきた制度をなぜ変える必要があるのかということで、一枚目に戻りますけれども、もともと今の漁業法でも企業の参入ということは可能なわけですけれども、それでもなぜ、わざわざ特例をつくる必要があるのか。

鹿野国務大臣 基本的には、いわばこれは、先ほども申し上げますとおりに、被災によりまして地元漁民のみでは養殖業の再開が困難である、外部の企業とともに復興を迅速に進める必要がある、こういうふうな地域において適用されるものでございまして、そういう意味で、この特例によってこの地域が新たな水産の復興に向けていくということになりますならば、そういうふうな特例を設けましょう、こういうふうなことでございます。

 しかし、そういう中におきましても、当然、今先生からもお触れになりましたとおりに、知事に免許権が与えられておるわけでありますけれども、それは、免許をする際においては五つの要件というふうなものがそこについて回りますよ、こういうふうなことでございます。

高橋(千)委員 ですから、被災したところが本当に自力ではだめだ、そういうときに、今の現行法ではなぜできないのですかと聞いているんです。

鹿野国務大臣 いわゆる外部の企業とともに復興を進めていくということを考えなければならないんじゃないですか、こういうふうな地域も存在するということであります。

 ですから、復興のための一つの選択肢として、地元の漁業者のみでなしに、養殖業に必要な施設の整備や人材の確保等が困難な区域に限定した、あくまでも限定した上で、漁業法の優先順位の規定にかかわらず、地元漁業者が主体の法人に対して知事が直接免許を付与できるようにした、こういうふうなことでございまして、当然、運用については地元漁業者の話し合いというふうなことにおいて行われるということでございます。

高橋(千)委員 ちょっと御理解されていないと思うんですね。聞いているのは、なぜ特例が必要なのかということを聞いているわけです。区域の話をしているんじゃないわけですね。

 要するに、この真ん中に書いてあるでしょう、皆さんのつくった資料の真ん中に、「このような地域であっても、現行制度の下では、地元漁協が手を挙げれば地元漁民が主体の法人には免許されない仕組み。」だと。ですから、要するに、漁協に優先順位があるから、それを壊さなければ企業が参入できないんだと言いたいわけでしょう。そのことをちゃんとおっしゃればいいじゃないですか、書いているんですから。

 それで、では伺いますけれども、「適用区域 被災地のうち、地元漁業者のみでは養殖業の再開が困難な区域」とありますが、この区域はだれが決めるんですか。例えば、うちは困難だから絶対そうしてくださいと手挙げなのか、あるいは、知事があらかじめ、こうこうと指定してくるんですか。どっちですか。

鹿野国務大臣 まず、復興推進計画について、知事が当該区域の養殖業の再開状況というものを見ながら、具体的な対象区域や、地元漁業者のみでは養殖業の再開が困難だな、こういうふうな実情等を説明する計画を策定いたします。それで、内閣総理大臣に認定を申請いたします。内閣総理大臣は、対象区域の範囲が妥当である、また特例措置の適用が必要だと判断する場合には、農林水産大臣の同意を得て特区として計画を認定するということでございます。

高橋(千)委員 ですから、うちは特区を適用してほしいと浜が手を挙げるのを参考にして知事がやるんですか、それとも、知事が、ここは深刻だから特区対応したらどうかいというふうにやるんですかと聞いているんです。

鹿野国務大臣 地元漁業者のみでは養殖業の再開が困難だというふうなことにおいて、この点におきまして、いわゆるいろいろな要請、要望があったというふうなことについて知事がいろいろと具体的な判断をしていく、こういうふうなことになるわけです。

高橋(千)委員 要望があったということがまず前提であると思います。

 その上で、先ほどちょっと答弁の中に既にありましたけれども、五つの基準があるんだということで、資料につけておきました。

 「知事による免許審査」ということで、これは法定基準なわけですね。すぐに事業を開始できる計画があるとか、経理的基礎、技術的能力がある、十分な社会的信用がある、地元漁民の生業の維持、地元雇用の創出等の効果がある、他の漁業との協調その他水面の総合利用に支障を及ぼすおそれがない、これは結構ハードルが高いですよね。結構ハードルが高いと思う。

 ですから、何が言いたいかといいますと、地元漁業者のみでは養殖業の再開が困難な区域、要するに零細なところだと思うんですよね、そういうところにあえて参入しようとする企業が本当にあるだろうか。つまり、これだけのハードルを乗り越えてですよ。そうすると、知事が、あなたのところは大変だからこの企業に行ってもらいますと言うんですか。でなければ、手を挙げたけれども、あなたのところにはだれも企業が来ませんよと。そうしたら、二重にがっかりするじゃないですか。どうですか。

鹿野国務大臣 基本的には、重ねて申し上げますけれども、新たな企業の方々が参入しなければ復旧復興というのはなかなかできにくいな、困難だなというふうなところにおいて、地元の方々がいろいろ考えて、それを受けて知事が五つの要件というその中で漁業権というものを付与していくということでありますから、当然、地元の方々の考え方を大切にしていくというふうなことでございます。

 そういう意味では、困難であるというふうな限られた区域に限定してというところを、この中に盛り込ませていただいているところでございます。

高橋(千)委員 だから、答えになっていないんですね。

 困難な地域だからこそ、望んでそこに参入する企業が本当にあるだろうかということなんです。なので、手を挙げた、困難だから企業の参入を望むという地域が、どこも来なくてがっかりして、結局は漁業から撤退せざるを得ないという道を選ぶか、あるいは、もっともっと企業が参入しやすいように要件を緩和せよということになるか、どちらか、二つに一つしかないじゃないですか。

鹿野国務大臣 重ねて申し上げますけれども、復興のための一つの選択肢としてこういうような限定をした上で措置を行う、いわゆる、知事が直接免許を付与できるようにしたということでございますので、それは当然一つの選択肢であるというふうなことを申し上げさせていただくわけであります。

高橋(千)委員 だったら、選択肢を望む人たちが、本当によかったと思えるような制度にしなければ意味がないんですよ。漁業者の撤退につながるようなことではだめだということを言っているんです。私は、この基準を乗り越えられるくらいだったら、もともと現行法でも乗り越えられる、つまり、それだけの熱意、漁業をやりたい、地元に貢献したいという気持ちがあれば、そういう法人は現行法でできるということが言いたいんです。

 宮城県漁協が反対する背景に、よくギンザケ養殖の話をいたしますけれども、これは一九七七年から本格化した、大手水産会社と当時の志津川漁協が、南三陸町の漁協ですけれども、共同してギンザケ養殖に取り組んだ事業であります。

 時間の関係ではしょって言いますけれども、九〇年の百三十九億円をピークに、三年後には百億円を割って大手水産会社が撤退したということであります。この会社は、撤退した後、南米のチリの養殖と買い付け事業に参入をして、そこで非常に拡大して、三千トン日本に輸入する方向に転じたわけですね。恩をあだで返すわけじゃないけれども。

 本当に、撤退して、漁村が、土地を手放したとか、そういう人たちがたくさんいるわけですよね。それで結局、そこから輸入という形で魚が入ってくる。本当に、この踏んだりけったりをどう見るのかということなんです。

 そういう中でも、三陸の漁業者の皆さん、漁協の皆さんは本当に努力をして、今、三陸養殖ギンザケは、昨年の生産見通しで十五年ぶりの大台を超える、そういう復興を遂げたわけですね。平成二十二年生産量が、前期比二百トンふやし、一万五千八百トンに拡大する見通しだと。

 つまり、本当に、県漁協の皆さんと、加工、餌料など関連する企業が連携して、独自の流通網も築いてブランド化を図ってきた。大量生産ではなくブランド化で生き残る、そういう努力が実ってきたところに、今、震災ということで、また振り出しに戻ってしまったわけなんですよ。そこに、特区、そしてTPP、まさに追い打ちをかけることばかりなんですね。

 ですから、本来やるべきは、一日も早い浜の再建と、大もとにある魚価の低迷、餌料や燃料代高騰など生産コストの対策だ。ここをやらなければ、いろいろ言ってもだめなんだと思います。いかがですか。

鹿野国務大臣 基本的には、被災地の復旧復興というものをいかにして進めるかというふうなことでございまして、重ねて申し上げますけれども、漁業法においては、地元漁業者主体の法人が養殖業を営もうとする場合には、漁協の組合員資格を満たすこと等が必要になるわけです。これに対して今回の特例は、被災によりまして、地元漁民の方々だけでは養殖業の再開が困難だ、外部企業とともに復興を迅速に進める必要がある地域においてだけ適用されるということでございます。

 しかし、そういう中でも、やはり今日までの歴史的なこともございます、取り決めもございます。そして、伝統文化もあるでしょう。そういう意味で、知事がこの漁業権というふうなものを付与する際には五つの要件というふうなものを満たす基準をきちっと打ち出しておるところでございまして、そういう一つの選択肢を提示させていただいたということでございます。

高橋(千)委員 特例で穴をあけるけれども厳しくしたというのは、結果としてだれのためにもならないんです。そうではなくて、やはり現行制度できちんとできるんだ、そこをやりたいという企業が本当にあらわれるのであれば、それは提案でやればいいということを何度も言っているわけです。

 本当は質問したかったんですが、時間が来ましたので指摘にとどめたいと思います。

 もともと復興構想会議の中では、優先順位第一位ということは提案にはなかったはずです。提言のたたき台にはなかったはずなんですね。でも、それは第九回までの話ですけれども、第十回の構想会議で、もうこれを一位にしなければ意味がないんだ、そういう議論があって、そこから、最終提言、政府の基本方針、またマスタープランにも「劣後しない」という形で書き込まれて、法案になったら、劣後しないどころか第一位になってしまった。この手続は非常に不透明なんですね。一部の大きな声が全体を凌駕してしまった、この教訓は本当にそのままでいいのかということが問われることなんです。

 これを本当は平野大臣に聞くつもりでしたけれども、時間が来ましたので、今後の計画の実行、例えば国と地方の協議会とかそういう場がございますので、さらに引き続いて機会を見てお願いしたいと思います。

 ありがとうございました。

古賀委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 復興特区法案ということで、先ほど来、漁業特区が議論の対象になっておりますが、私は、なぜ農業特区というのが議論にならないのか、不思議でしようがないんですね。

 きょうお配りをした、今お配り中ですけれども、資料がありますけれども、株式会社が農地を取得して農業に参入するには、農業関係者が議決権の四分の三以上を保有する等々の厳しい規制がかかっているわけです。

 しかし、考えてみますと、もともとの被災地の農業、農村の姿というのはどのようなものだったか。過疎と高齢化が進行した、このままでは担い手不足によって農業もじり貧になってしまう、そういう典型的な場所だったのではないかというふうに思います。若い人が手元に集めた資金で農地を取得して、意欲を持って農業に新規参入する、そんな場所にしたいとすれば、こうした参入規制を地方自治体の判断で緩和する農業特区というものも考えられてしかるべきではないかというふうに思います。

 漁業権の免許に特例を設ける漁業特区と違って、なぜ今回の復興特区法案にはこうした農業特区というのが明示的に盛り込まれていないのか、お伺いをしたいと思います。

鹿野国務大臣 基本的には、この農業分野におきましては、御承知のとおりに、平成二十一年度の農地法の改正によりまして、株式会社等一般法人についても、農業関係者の議決権の割合にかかわらず、農地を借りて農業に参入できるというふうなことにしました。これは画期的な農地法の改正であったと思っております。したがって、現行制度におきましても、株式会社等々の農業の参入は可能であるというふうなことでございます。

柿澤委員 私がお伺いしましたのは、この資料にも書いてありますけれども、農業関係者が総議決権の原則として四分の三以上を占めること、この部分については特例の対象にならないのか、こういう点でございますが、いかがでしょうか。

平野国務大臣 鹿野農林水産大臣から説明がございまして、農業の主体をだれにするかということについては、二十一年度でございましたけれども、農地法の大改正ということがありまして、与野党でさんざん大きな議論をしました。その議論の結果として、先ほど鹿野農林水産大臣から話がありましたけれども、株式会社については、事実上、賃借権、利用権については完全に自由化をいたしました。ただ、所有権につきましては現行どおりにするということで、これは与野党、少なくとも自公さん、民主党、当時の主要な政党の中では一致をしたということでございまして、この農業の参入、それからどういった形でだれが主体になるかということについては、その過程の中でほぼやり尽くしているという前提で、今回の特区制度等々については議論をしているということでございます。

柿澤委員 ほぼやり尽くしている、こういう認識であるようですけれども、私たちは、そういう意味では、今後さらに農業、農村地帯においてさまざまな新規の担い手が参入をし、農業を展開していくという上で、本来こうした部分についても見直しが加えられるべきだろう、こういうふうに思っているわけでありますが、残念ながら、今回はそのような形での対象にはならないというのが今の御答弁であったかと思いますが、鹿野大臣、御答弁ありますか。

鹿野国務大臣 私は、先ほど申しましたとおりに、この農地法の改正によって、やりたいというふうな人たちはできるようにしたわけですよ。ですから、平成二十一年度の改正農地法の施行後、新たな制度に基づいて、農地を借りて農業に参入した一般法人は、ことしの八月までに五百七十六社です。そういう意味では、この農地法の改正というのは、画期的な農地法の改正であるということであります。

 ちなみに申し上げますけれども、農業について、特区というふうなことについての要請があったというふうなことは私も承知いたしておりません。

柿澤委員 でも、これは特区ですから、本来、現状の法規制においてできないとされていることについて特例的に、提案を受けてそれを特例的に認めて、それがどういったプラスの効果があるのかないのか、こういうことを見ていく。そして、これが効果があると思えば、さらに大きく、例えば全国展開、全般的な規制緩和になっていく、こういうものだというふうに思いますので、はなから、こうした形で大改革をやった、成果としてここまで来たんだからこれでいいんだということであるとすると、そもそも特例とは何なんだろうということになるように思います。

 次の質問に移らせていただきます。申しわけございません、時間の関係もありますので。

 今回、土地利用再編の迅速化のための農地転用の許可特例があります。

 私たちは、厳格なゾーニングによって農地を守って、農地の転売を規制するという農地法改正を目指してはいるんですけれども、今回は非常時ですから、集落の高台移転等を考えたときには、ここは農地でここは宅地だ、こういうふうに言っている場合でもないというふうに思います。住民に近い自治体の判断で、迅速に土地利用の転換を進めなければいけないと思います。

 ところが、この農地転用の許可特例についても、二ヘクタール以上は農水大臣、それ以下は県知事、こういうことになっております。これは、なぜ県知事にすべての権限をゆだねるということにはならないのか、お伺いをしたいと思います。

鹿野国務大臣 基本的には、農地法におきまして、二ヘクタールを超える農地の転用については、将来にわたるところの食料の安定供給というふうな、いかにして確保するか、こういうふうなことが非常に大事だということでありまして、国の一定の関与をすることが必要だ、こういうふうなことになっているわけでございます。

 このことから、現行農地法の基本的な考え方になっているということを踏まえて、今回の農地法の特別法である本法案におきましても、同様に国の一定の関与が必要だ、こういう考え方に立ったところでございます。

柿澤委員 ここも、いま一つワンストップになっていないということになるのではないかと思います。

 この復興特区というのは、地方自治体が復興推進計画をつくって申請して、国に認定というか、してもらうと規制の特例や税制優遇をもらえるという、あくまでこれは国が最終的な認定というか、するかしないかという部分を持っている。最終的に突き詰めると、そういう仕組みになっていると思います。そして、民間にとっては、それこそ、私、使い勝手の悪い仕組みになっていると思うんです。

 かつての構造改革特区では、民間からの提案を直接可能にする、そういう制度が仕組みとしてあったというふうに思うんですけれども、総合特区、また復興特区の今回の法案では、民間は、地方自治体に対し、国に対する提案をするよう要請することができるということになっていて、民間企業やNPOは自治体にいわば陳情するしか提案ルートがない、こういうことになっています。これはなぜなんでしょうか。お伺いします。

平野国務大臣 今回の復興の主体というのは、基本的には被災地域の自治体がまず前面に立つことが前提であるということで、今回の三次補正予算あるいは復興特区制度についても、そういう前提でさまざまな制度設計をしてまいりました。

 したがいまして、地域によってどういうニーズがあるか、それから、そのニーズが住民から出てきたものにせよ、あるいは企業から出てきたものにせよ、まずは地方自治体、その復興の主体である地方自治体に言っていただくというのが当然の流れだろうというふうに思っておりまして、民間事業者等からの新たな規制の特例措置の提案につきましては、まずその地域の地方公共団体を通して提案をしていただくという仕組みにしたということであります。

柿澤委員 復興とは何ですか。被災地域が経済的に自立をする、そうした基盤をつくり上げて、そして発展をし成長していく、こういうものだと思うんです。

 そういう意味でいうと、地域が主体だ、これは聞くとそういうふうに思うかもしれませんけれども、あくまで担い手は民間の個人であり、法人であり、またNPOのような中間主体である、こういうことではないかと思うんです。

 これは、私は、もう見ようによっては、自治体という経路を経由させることによって、企業サイドに立った大胆な規制緩和が結果的に進まないようにする、こういう仕組みをつくり上げたようにすら思えるんですけれども、何でこういうまだるっこしい仕組みをつくられたんですか。

平野国務大臣 まず、市町村のさまざまな取り組みにつきましては、NPO等々のさまざまな民間団体も既に参入して、さまざまな意見等、提案も行っております。そういった提案を踏まえて、そもそも市町村の復興計画等々については、それらを踏まえて今復興計画をつくっているということについては、もうこれは委員も御承知のとおりだというふうに思います。

 繰り返しになって恐縮でありますけれども、あくまでもこの主体は被災地域の地方公共団体だということを踏まえますと、まず地方公共団体にさまざまな情報を集約させる、意見を集約する、そして、地方公共団体がそれらの意見を踏まえまして、国と地方との協議の場において、必要な特例措置、さらなる規制緩和というような要望がございますれば国に提案をしていただく、こういう仕組みが一番自然な流れではないかというふうに私自身は思っております。

柿澤委員 ここの部分は、基本的な哲学の違いも関係するのかもしれません。私たちは、復興の主体は、それは地域が大事なのはもちろんですけれども、しかし、経済というのは民間が主導で回っていくものだというふうに思いますので、そうした方々が本当に十二分に活動の範囲を広げられる、こういう制度的な枠組みが用意されているべきだというふうに思います。

 復興交付金についてですけれども、今回、別に取り崩し型の基金というのができることになりました。ところが、きょうお配りをした資料につけておきましたけれども、規模は二千億ということで、内訳は別紙のとおり、宮城六百六十億、福島五百七十億、岩手四百二十億、こういうものであります。一方、復興交付金は、国費ベースで一・五兆円というものになっている。本来、こうしたものを取り崩し型の基金として、地方自治体が自前で決済できるお金として地方に渡すべきではないかというふうに思いますが、これについてはなぜそうしないんですか。

平野国務大臣 まず、取り崩し型の基金につきましては、いわゆる特別交付税を活用して、これは総務省から各自治体に交付されるものでありますけれども、こういう基金が設置されるということであります。これはあくまでも特別交付税でございますから、その財源をお渡ししますと、国は、こういうものに使え、ああいうものに使えという制限は一切かけません。これはもうあくまでも特別交付税で、渡した瞬間にそれは地方の財源になりますから、そういう仕組みになっているということであります。

 一方の復興交付金は、基本的には、やはりこれはあくまで補助金であります。地方が復興するのに対して国が支援をするという意味においての補助金であります。

 そして、この復興交付金につきましては、前から何回も御説明しておりますけれども、いわば二階建て方式になっていまして、一階部分についてはハード事業、これは四十事業を束ねておりまして、そこから自治体が選択できるようになっている。そして、二階部分が効果促進事業でありまして、これにつきましては、できるだけ幅広い使い道で使っていただくという形になっておりまして、取り崩しという基金の形にはなっておりませんが、一回交付したものについては、繰り越しが面倒な場合においては基金化するということも、今、一応検討をしているところでございます。

柿澤委員 あくまで補助金だというふうに胸を張られても、まさにその補助金性を私は問題視しているのでありまして、国が示した四十事業のメニューに従って地方自治体に復興交付金事業計画をつくらせて、国がその対象と認定したものに交付金を交付する、これもいわば上から目線のやり方だ、こういうふうに思います。

 使い勝手がいいとか効果促進事業をつくったとかワンストップだと幾ら言っても、しょせんは国が示したメニューに合わせて申請をしなければならない。これは、地方自治体の長からすれば、手元に金があって自前で決済できるのとはスピード感も自由度もやはり全然違うんです。それが、ここまで復旧復興のスピードのおくれにもつながってきたというふうに私は思うんです。

 これは、本当はきょう引用しようと思ったんですけれども、四月十二日の総務委員会の参考人質疑があって、四月の段階で、中越地震を経験した新潟県の泉田知事がもう既に言っているんですよ。使途制限のない基金が災害復旧復興の際に県として大変役立った、かわりに、中越地震からの復興というのは使途制限との闘いだった、こういう話をされているんです。

 その上で、今回、結局は、使い勝手のいいと称する国が交付する交付金と、そしてちょっぴりの基金がつくられる。なぜこういうことになるのかというふうに思います。この点については、次のラウンドの質疑でもぜひ取り上げたいと思いますけれども、時間が超過しておりますので、きょうはこれで質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

古賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時三十三分散会


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