衆議院

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第3号 平成24年3月22日(木曜日)

会議録本文へ
平成二十四年三月二十二日(木曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   会長 大畠 章宏君

   幹事 小沢 鋭仁君 幹事 大谷 信盛君

   幹事 逢坂 誠二君 幹事 宮島 大典君

   幹事 山花 郁夫君 幹事 鷲尾英一郎君

   幹事 中谷  元君 幹事 保利 耕輔君

   幹事 赤松 正雄君

      阿知波吉信君    網屋 信介君

      石井登志郎君    今井 雅人君

      緒方林太郎君    大泉ひろこ君

      岡本 充功君    柿沼 正明君

      川越 孝洋君    川村秀三郎君

      木村たけつか君    工藤 仁美君

      楠田 大蔵君    近藤 昭一君

      篠原  孝君    辻   惠君

      辻元 清美君    中川  治君

      中野 寛成君    鳩山由紀夫君

      浜本  宏君    山尾志桜里君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      笠  浩史君    井上 信治君

      石破  茂君    木村 太郎君

      近藤三津枝君    柴山 昌彦君

      田村 憲久君    棚橋 泰文君

      平沢 勝栄君    古屋 圭司君

      大口 善徳君    笠井  亮君

      渡辺浩一郎君    照屋 寛徳君

      柿澤 未途君    中島 正純君

    …………………………………

   消費者庁次長       松田 敏明君

   法務省大臣官房審議官   萩本  修君

   法務省大臣官房司法法制部長            小川 秀樹君

   法務省刑事局長      稲田 伸夫君

   文部科学省大臣官房審議官 関  靖直君

   衆議院法制局法制企画調整部長           橘  幸信君

   衆議院憲法審査会事務局長 窪田 勝弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十二日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     石井登志郎君

  稲見 哲男君     工藤 仁美君

  大泉ひろこ君     柿沼 正明君

  鳩山由紀夫君     山口 和之君

同日

 辞任         補欠選任

  石井登志郎君     磯谷香代子君

  柿沼 正明君     大泉ひろこ君

  工藤 仁美君     稲見 哲男君

  山口 和之君     鳩山由紀夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府当局者出頭要求に関する件

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(選挙権年齢・成年年齢の十八歳への引下げに係る課題(教育問題等))


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     ――――◇―――――

大畠会長 これより会議を開きます。

 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件、特に選挙権年齢・成年年齢の十八歳への引下げに係る課題(教育問題等)について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、消費者庁次長松田敏明君、法務省大臣官房審議官萩本修君、法務省大臣官房司法法制部長小川秀樹君、法務省刑事局長稲田伸夫君及び文部科学省大臣官房審議官関靖直君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大畠会長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大畠会長 次に、本日の議事の順序について申し上げます。

 まず、選挙権年齢・成年年齢の十八歳への引下げに係る課題、特に教育問題等について政府から説明を聴取し、その後、自由討議に入ることといたします。

 それでは、政府から説明を聴取いたします。文部科学省大臣官房審議官関靖直君。

関政府当局者 文部科学省でございます。

 小学校から高校までの教育課程における憲法教育等について御説明申し上げます。

 小学校、中学校、高等学校の教育課程につきましては、学校教育法等の規定により、教育課程の基準として文部科学大臣が定める学習指導要領によることとされております。資料として主な記述を用意してございます。

 学習指導要領につきましては、平成二十年三月に小学校及び中学校の学習指導要領が、平成二十一年三月に高等学校の学習指導要領が改訂され、小学校につきましては平成二十三年度から、中学校につきましては平成二十四年度からそれぞれ全面実施となり、高等学校につきましては平成二十五年度の入学生から年次進行で実施することとしております。

 憲法に関する教育につきましては、社会科、公民科の中で行われており、児童生徒の発達段階を考慮しつつ、小学校、中学校、高等学校の各段階で学習することとしております。

 資料の一ページでございますが、小学校社会科の第六学年におきましては、民主的な国家社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う観点から、国民生活には地方公共団体や国の政治の働きが反映していること、日本国憲法は、国家の理想、天皇の地位、国民としての権利及び義務など、国家や国民生活の基本を定めていることを学習し、我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを考えるようにすることとしております。

 また、国会などの議会政治や選挙の意味、国会と内閣と裁判所の三権相互の関連、国民の司法参加、租税の役割、天皇の国事に関する行為、参政権、納税の義務などについても取り上げることとしております。

 次に、資料の二ページでございますが、中学校社会科の公民的分野、第三学年におきましては、国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う観点から、我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義、日本国憲法が基本的人権の尊重、国民主権及び平和主義を基本原則としていること、日本国及び日本国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為について理解させることとしております。

 また、法に基づく公正な裁判の保障、国民の政治参加、選挙の意義についても考えさせることとしております。

 資料の四ページでございますが、高等学校におきましては、良識ある公民として必要な能力と態度を育てる観点から、公民科の科目、現代社会もしくは政治・経済のどちらかを選択して履修することとなっております。

 現代社会におきましては、基本的人権の保障、国民主権、平和主義と我が国の安全について理解を深めさせること、天皇の地位と役割、議会制民主主義と権力分立など、日本国憲法に定める政治のあり方について国民生活とのかかわりから認識を深めさせること、政治参加の重要性と民主社会においてみずから生きる倫理について自覚を深めさせることとしております。

 政治・経済におきましては、日本国憲法における基本的人権の尊重、国民主権、天皇の地位と役割、国会、内閣、裁判所などの政治機構を概観させること、政治と法の意義と機能、基本的人権の保障と法の支配、権利と義務の関係、議会制民主主義、地方自治などについて理解させること、民主政治の本質や現代政治の特質について把握させること、政党政治や選挙などに着目して、望ましい政治のあり方及び主権者としての政治参加のあり方について考察させることとしております。

 実際の指導に当たりましては、概念的、抽象的になったり、細かな用語や仕組み、数字などを覚えさせたりする指導にならないよう、発達段階に応じ、具体的な事例を取り上げて学習するなど、児童生徒が理解できるよう留意することとしております。

 なお、法に関する教育や消費者教育につきましても、それぞれ必要な事項につきまして、社会科や公民科、家庭科、道徳、特別活動の中で学習することとしております。

 教育基本法及び学校教育法におきましては、教育の目標の一つとして、公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うことを掲げており、これを踏まえまして、文部科学省としては、新しい学習指導要領に基づき、各学校におきまして、国家社会の有為な形成者として必要な公民としての資質を養う教育がしっかりと行われるよう努めてまいりたいと考えております。

大畠会長 次に、法務省大臣官房司法法制部長小川秀樹君。

小川政府当局者 法務省の司法法制部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、私の方からは、若年者に対する法教育について御説明したいと思います。

 資料は、法教育に関連するものが色刷りで五枚ほどございますので、随時ごらんください。

 法務省では、平成十三年の六月に、司法制度改革審議会の意見書の中で、司法における国民的基盤の確立の重要性ということが指摘されましたことを受けまして、法律専門家ではない一般の人々が、法や司法制度及びこれらの基礎になっている価値を理解し、法的な物の考え方や公正な判断力及び社会への参加意識を身につけるための教育、これを私ども法教育と呼んでおりますが、法教育の普及発展のため、さまざまな取り組みを行っております。

 民法の成年年齢引き下げについての御議論の中でも、学校教育における私法分野、いわゆる民法ですとか商法などの法律を対象とするものでございますが、この私法分野に関する教育の充実の必要性が指摘されているところでございます。

 法務省では、こういったいわゆる私法分野教育につきましても、法教育の一環として、普及発展のための取り組みを行ってまいりました。

 まず、平成十六年十一月に取りまとめました、法教育研究会、これは平成十五年に法務省に設置されたものでございますが、この研究会の報告書において、法教育で取り扱うべき主たる内容として、ルールづくり、私法、それから憲法、司法の四つの領域を挙げまして、私法分野に関する教育を法教育の一環として位置づけました。

 具体的には、

  個人と個人の関係を規律する私法分野について、学習機会の充実を図る。その際には、日常生活における身近な問題を題材にするなどの工夫をして、契約自由の原則、私的自治の原則などの、私法の基本的な考え方について理解させるとともに、企業活動や消費者保護などの経済活動に関する問題が法と深くかかわっていることを認識させる。

と明記して、具体的な事例を通じて、契約成立の要件、契約が解消できる場合、消費者を保護するための施策を理解させることを目的とした「私法と消費者保護」という教材を作成いたしました。

 また、二枚目のページの下の方でございますが、平成十七年五月には法教育推進協議会というものを発足させまして、法教育の教材をわかりやすく、使いやすくするためのQアンドA集ですとか、法教育の授業の実践を録画いたしましたDVDなどを作成いたしました。

 さらに、平成十九年には、法教育推進協議会のもとに、特に私法分野の教育のあり方に関する検討等を行うための私法分野教育検討部会を設けまして、平成二十一年には、検討結果を報告書及び教材として取りまとめております。

 報告書の中では、

 私法は、市場経済の基本法であるとともに日常生活の規範であり、市民社会の基盤である。社会生活において最も身近な法は、民法を中心とする私法にほかならない。私人と私人との間の水平関係において、取引、組織、家族等の社会の基本的なルールを定める私法は、憲法と並ぶ重要性を有する。また、自ら課題を見つけ、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力などの「生きる力」をはぐくむという教育的な観点から見ても、個人に関することは個人が自由意思によって決定したことを尊重し、それをもとに社会をつくるといういわゆる私的自治の原則をはじめとして、私法の考え方を身に付けることは極めて重要である。私法は個人の欲得の問題として軽視される傾向があるが、法領域の重要性の観点からも、教育の必要性の観点からも、私法についての学習を抜本的に充実させる必要がある。

ということを明記いたしまして、具体的な事例として、小学生につきましては、約束をすること、守ることについての教材例、それから中学生を対象としたものにつきましては、契約についての教材例、さらに高校生を対象といたしましては、雇用、労働問題についての教材例をそれぞれ作成いたしました。

 法務省では、これらの検討を踏まえまして、また作成された教材例の実践を通じまして、さらなる法教育の普及発展を図るため、幾つかの取り組みをしてございます。

 ここで資料として御用意いたしましたのは、三ページ目の法教育の論文コンクールの実施でございます。また、このほか、各地での法教育推進プロジェクトの企画立案を行っておりますが、これらの取り組みを通じまして、私法分野の教育につきましても具体的な成果があらわれつつあるところでございます。

 例えば、先ほど申しました三ページ目の本年度の論文コンクール、法教育の懸賞論文の関係でございますが、この論文コンクールにおきましては、学校の教員と法律専門家であります司法書士が共同して私法に関する教育を実践したという事例が受賞作の一つとして選ばれております。

 また、平成二十二年度から実施されております京都法教育推進プロジェクト、これは資料は五ページ目でございますが、京都の法教育推進プロジェクトの中では、高等学校におきまして民事の模擬裁判が実施された事例が報告されておりますし、平成二十四年度から予定されております岐阜の法教育推進プロジェクトでも、商業高校を対象とした私法分野の教育を行うといったことが検討されているという状況でございます。

 法務省では、これまでの裁判所、検察庁、弁護士会、司法書士会といった身近な法律専門家の協力を得ながら法教育を推進してまいりましたが、とりわけ私法分野教育に関しましては、弁護士、司法書士のみならず、法務局や法テラスといった、身近で全国的な組織を持つ機関が積極的に関与することが期待されておるところでございます。近時、法務局職員による私法分野教育への取り組みは飛躍的に増大しておりまして、中高生等を対象として、平成二十二年度で百五件、対象者数七千六十一人、平成二十三年度では十二月末までで四十六件、対象者数三千九十四人の法教育授業を実施いたしました。

 法務省では、今後も関係機関と協力しながら、私法分野教育の一層の充実に向けて取り組んでまいります。

 以上でございます。

大畠会長 次に、消費者庁次長松田敏明君。

松田政府当局者 消費者庁でございます。

 消費者庁は特に資料は御用意しておりませんけれども、消費者庁といたしまして、若年者に対する消費者教育につきまして、今の取り組みということを申し上げさせていただきたいと存じます。

 経済社会が高度化、複雑化し、消費者トラブルが多発する中で、消費者庁といたしましても、悪質商法に対する法執行あるいは注意喚起、情報提供等に加えまして、消費者行政の取りまとめ役といたしまして、関係省庁等とともに、体系的、総合的に、啓発活動を含めた消費者教育を推進していくこととしております。

 若年者に対する消費者教育につきましては、早い段階から、生活者であり経済行為の主体たる消費者としての基礎的な知識を身につけ、主体的に責任を持って意思決定を行い得る能力を育成していくという非常に重要な意義があるというふうに考えております。

 消費者教育は、学校におけるものとそれから地域におけるもの、この二つに大別されるわけでございますけれども、学校におきましては、文部科学省さん、教育委員会が、先ほど御紹介が若干ございましたように、新学習指導要領に基づきまして消費者教育を推進していただく、これに当たりまして、消費者庁や関係省庁等として、具体的事例に係る情報や知識を活用いたしました消費者教育用の副教材の作成でありますとか教員向けセミナーへの資料提供でありますとか、そういったことを通じて支援を行っておるという形になっております。また、大学生等に対しましては、文部科学省を通じまして、消費者問題に関する情報提供あるいは啓発を行っているところでございます。

 他方、地域におけます消費者教育につきましては、関係省庁、地方自治体、消費者団体、NPO、教育関係者など、非常に多様な主体が連携しつつ推進しておるところでございます。

 消費者庁におきましても、多くの主体が持っております教材あるいは取り組み事例などの情報、知見を共有するための消費者教育のポータルサイトというものをホームページ上に開設いたしますとともに、地域での取り組みへの資料提供、講師派遣等々、関係省庁とともにさまざまな支援を行っているところでございます。この地域における消費者教育は、対象は高齢者を含めた地域全般の方々となります。

 消費者庁といたしましては、関係省庁等とともに、引き続き、成年年齢の引き下げに向けた環境整備のための施策として、若年者に対する消費者教育を積極的に推進してまいることといたしております。

 以上でございます。

大畠会長 次に、法務省刑事局長稲田伸夫君。

稲田政府当局者 私の方からは、少年法の問題につきまして御説明を申し上げます。

 まず、その前提といたしまして、少年法における考え方やその取り扱いにつきまして簡単に御説明を申し上げます。

 少年法は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して保護処分を行うことなどを目的としており、その手続におきましては、保護、教育を重視し、専門的な調査機構を持ち、少年を専門的に扱う家庭裁判所が全ての少年事件について調査、鑑別などを活用して保護手続と刑事手続の選別を行うため、捜査機関に全ての少年事件の家庭裁判所への送致を義務づける全件送致主義がとられているところであります。

 すなわち、刑法におきましては十四歳をもちまして刑事責任能力を有するとされておりますので、この十四歳以上の少年が犯罪を犯した場合には、検察官は、その被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、家庭裁判所に送致しなければならないとされているところであります。

 その上で、事件の送致を受けた家庭裁判所では、死刑、懲役または禁錮に当たる罪の事件につきまして、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分が相当と認められるときには、検察官に送致する決定をします。また、犯行時十六歳以上の少年に係る故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件については、原則として検察官に送致されることとなっています。検察官に送致された場合には、成人と同じ刑事手続が適用されることとなります。

 このように、少年法は、全件送致主義を前提としながら、十四歳以上二十歳未満の者につきましては、罪質、動機、態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状、環境等の諸事情を考慮して、保護処分と刑事処分を選択することを可能にしているというものであります。

 また、少年が、先ほど申し上げましたように、検察官に家庭裁判所から送致され、刑事手続に付された場合でありますが、この場合も、刑事責任に問われる場合におきましても、長期三年以上の懲役、禁錮をもって処断すべきときは、長期と短期を定めた不定期刑が言い渡されるとされておりまして、科刑につきましては成人と異なる取り扱いが定められております。

 このような特徴、性格を有する我が国の少年法につきまして、その適用対象年齢を現在の二十未満から十八歳未満に引き下げるという議論は、十八、十九歳の者を、一律に、家庭裁判所における調査、審判の過程を経ないこととして保護処分の対象から外し、成人と同様、刑事処分を前提とした刑事手続及び刑罰による処遇によることが適切かどうかという問題であろうと考えております。

 そういう意味で、換言いたしますと、刑事司法全般において、成長過程にある若年層をいかに取り扱うべきかにかかわる問題であり、公職選挙法、民法等のより一般的な法律における年齢のあり方を考慮に入れつつも、冒頭に申し上げました目的を有する少年法固有の観点から検討を行う必要があり、法務省内におきまして、これまでこの点について検討に努めてきたところでございます。

 この検討の現状といたしまして、私どもが、現在、適用対象年齢を引き下げるとする積極的な事情としては、次のような点があるだろうというふうに考えております。

 まず一点目は、十八歳、十九歳の者につきましては、その多くが社会的自立のために必要な基本的素養を身につけているというふうに考えられること。次に、十八、十九歳の者の犯罪傾向は、十四歳から十七歳までのそれに比較しますと、成人を合わせた被疑事件全体の傾向に近いということが言えるのではないか。

 これは、若干付言いたしますと、少年犯罪の傾向といたしましては、万引きとか乗り物等を中心とした窃盗の割合が比較的高うございますが、十八、十九歳の者が犯した犯罪に占める窃盗の割合は、十四―十七歳の犯した犯罪に占める窃盗の割合に比較して低く、成人の被疑事件全体についての窃盗が占める割合に近いという意味で、成人に近いということが言えるのだろうというふうに考えております。

 他方で、適用対象年齢の引き下げに消極的な事情としては、次のような点が考えられると思います。

 これは、一つは、いまだ経済的、社会的に自立しているとは言えない者が多いと考えられること。二点目でございますが、刑法犯の検挙人員や少年院出院者の再入院率などに照らし、現時点において、これらの者を少年法の適用対象から除外して厳正に対処するまでの必要性はうかがえないのではないかということでございます。

 これも若干付言いたしますと、ここ数年、特にこの四、五年の人口比で見た場合の検挙人員、特に十八、十九歳の人口比での検挙人員が非常に減少してきているという状況にあります。また、少年院を出院した者が刑務所あるいは少年院に再び入ってくる割合は、若年で刑務所を出所した者の再入所率に比べると低うございます。そのようなことがあるということも考えられるのではないかと考えております。

 このような観点から、現時点において、今まで申し上げた観点だけで、少年法の適用対象年齢を引き下げるまでの積極的な必要性があるとは言いにくいのではないかと思っております。

 ただ、今後、公職選挙法の選挙権年齢の引き下げに関する立法動向でありますとか、民法の成年年齢の引き下げなどの立法動向を踏まえながら、十八歳、十九歳の者が社会的、経済的に自立しているという国民の認識が共有されるなどの事情が認められるか否かを考慮しつつ、少年法において、いまだ成長期の若年者であるがゆえの取り扱いを必要とするか否かにつきまして、さらに慎重に検討していく必要があると考えております。

大畠会長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

大畠会長 これより自由討議を行います。

 この際、委員各位に申し上げます。

 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後、発言をお願いいたします。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただきますようにお願いいたします。

 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただきますようお願いいたします。

 なお、幹事会の協議によりまして、一回当たりの持ち時間は五分以内といたしたく存じます。委員各位の御協力をお願いいたします。

 なお、委員の質問に対して御答弁される場合には、簡潔にお願いをしたいと思います。

 発言時間の経過につきましては、終了時間一分前にブザーを、また終了時にもブザーを鳴らしてお知らせをいたします。

 それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立ていただきますようお願いいたします。

保利委員 自由民主党の保利耕輔でございます。

 きょうは特に、文部科学省から審議官においでをいただいておりますので、憲法の問題と教育の関係について私論を申し上げ、そして御質問を申し上げたいと思います。

 まず、端的にお伺いをいたしたいと思いますが、この国民投票法においては、十八歳以上に投票権を与えるという形になっております。それは法定事項でありますからそういうふうになるわけでございますが、十八歳、つまり高校卒業程度の方々が、専門的に勉強しておられる方には失礼でございますが、どのくらい憲法についてのそしゃく力があるものか。教育で、今お話がありましたように、学習指導要領の中でこういうことを教えていますということがいろいろ出てまいりましたけれども、果たして十八歳の年齢の方がどのくらい憲法について御理解をしておられるか。これは私は大変難しい問題だなと思っております。

 そこで、恥ずかしいですけれども、私自身の経験を申し上げたいと思います。

 私が初めて当選をいたしましたのは昭和五十四年、今から三十三年ほど前の話でございますが、そのときに、総理を経験された先輩のところへ参りまして、御挨拶に伺いました。何と言われるかなと思ってちょっとどきどきしておったんですが、君、憲法四十一条って読んだことあるかといきなり聞かれました。

 憲法四十一条というのは、御存じのように、「国会は、国権の最高機関であつて」、国の立法機関であって国の最高の機関であるというふうに書いてあるわけであります。この憲法四十一条を聞かれたときに、私は全く憲法四十一条について読んでいなかった。大学の法学部を出ても憲法四十一条については知らなかったということでございますので、今の十八歳の方々が、学習指導要領できれいにいろいろ書いてあるんですが、こういうことを勉強したからといって、どのくらいのことがわかっておられるだろうか。憲法改正案が出てきて、それの賛否の投票をしなければならないという大きな権限が与えられるわけですが、それにしては、学校での教育が十分であっただろうかと。

 しかし、よく考えてみますと、教育の中立性ということと憲法改正についての可否の判断というのは、これはどういうふうに相並ぶものなのか、私もちょっと疑問に考えておるわけでございます。

 それで、仮に憲法の問題を教えるといたしましょう。そうすると、これは教育の中立性ということから考えてみまして、この条項をどう思うかということを生徒に聞いたときに、政治性というものが出てくるのか出てこないのか、全く中立の形で、政治性を出せるのかどうかということでございます。

 ちょっと時間がございませんので、よくお話をする時間がございませんけれども、継続していろいろのことをお伺いしたいと思います。

 まず、十八歳の、高校卒業程度の方が憲法改正についてのそしゃく力があるかどうか、その点について、教育現場の形等を加えて、文部科学省から御意見を頂戴したいと思います。

関政府当局者 ただいまの御質問でございますけれども、先ほど申し上げましたように、学習指導要領におきましては、小中高等学校の各段階を通じまして、その発達段階に応じて、日本国憲法の考え方などについて、基本的なところについて一つずつ学んでいく、そういうような形になっております。そういう意味では、高等学校を卒業する段階では、科目の現代社会あるいは政治・経済を学んで、憲法についても学ぶことになっております。

 実際にどの程度身についているかということにつきましては、それぞれ個人差もあろうかと思いますが、その学習する過程におきましては、例えば、具体的な事例を取り上げながら、それにかかわる憲法の条文につきましても、中学校段階、高等学校段階になりますと、関係の条文などにつきましても引用したりしながら学んでいくというようなことになっております。

 例えば、中学校の教科書になりますと、各巻末に憲法の条文全て掲載をして、そういったものも参照できるような形になっておりますし、本文の中でもそういったことについて触れていることがございます。

 その上で、それについてきちんと身について、それが実際の判断力あるいは政治参加ということへの意識につながっているかということになりますと、さまざまな、例えば日本青少年研究所でありますとか内閣府が行った調査によりますと、諸外国に比べて、日本の青年につきまして、社会や政治への参加について消極であったり、あるいは、政治に対する関心度が低かったりしているというところがございまして、学習が実践的な態度や行動に結びついていないというような課題もあるのではないかというふうに認識をしているところでございます。

 今回改訂をいたしました新しい学習指導要領におきましては、基本的な内容をしっかり身につけさせるとともに、民主政治の推進と国民の政治参加との関係について考えさせるなど、具体的な学習活動を通して、そういった大切さを考えさせるようにしているところでございます。

 それから、具体的なことを取り上げる際に、政治的な中立性との関係についての御指摘がございました。

 この点につきましては、教育基本法の第十四条一項におきまして、「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。」そして第二項におきまして、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と規定をされております。

 国家社会の諸問題の解決に主体的に参画していくということが求められる中で、政治に関するさまざまな知識あるいはこれに対する批判力などの政治的教養が必要であるということを踏まえて規定がされているわけでございますが、こういった教育を行う際に、例えば、各政党の政策などを取り上げたり、あるいは、具体的な事例についてのそれぞれの立場からの主張などを取り上げる際に、党派的な主張や政策に触れることはあり得るわけでございますが、その場合には、客観的かつ公正な資料に基づくとともに、教員の個人的な主義主張を避けて、公正な態度で指導するよう留意することが大切であると考えているところでございます。

保利委員 時間が経過しておりますので、短い時間でちょっとコメントさせていただきます。

 今は条文が書いてあるとおっしゃっていましたが、前文の中に、例えば、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」というようなことが書いてある。これはどういう意味ですかと生徒が聞いたら先生はどういうふうに答えるかというような、具体的な問題というのがいろいろあると思います。したがって、今後継続して、文部科学省と私どもとで意見交流をしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。ありがとうございました。

照屋委員 社会民主党の照屋寛徳です。

 本日の各テーマに従い、若干の質問と意見を表明いたします。

 私は、少年法の適用対象年齢引き下げについては反対であります。

 その理由は、少年法の適用年齢引き下げの問題は、公職選挙法の選挙権年齢の引き下げや国民投票法における投票年齢のあり方とは必ずしも同一に論ずるべき問題ではなく、少年法の理念、目的、刑法の刑事責任能力や保護処分と刑事処罰の異なる取り扱いとの関連で、慎重に判断されるべきだと考えるからであります。

 また、私が弁護士として少年事件を担当した経験や少年の健全育成を期す点に照らしても、現段階でその必要性が認められないからであります。少年法の適用年齢を引き下げるべきだとする国民の認識が共有されているとも思えません。

 法務省刑事局に尋ねますが、最近十年ぐらいの少年事件の発生状況、事件の罪質や動機、態様の特徴等について、特に終戦直後の少年事件の発生動向等との比較において教えてください。

 次に、私は去る二月二十三日の当審査会で、日本国憲法の改正手続に関する法律第三条で投票権年齢を十八歳以上と定めたことについては、その意義を評価すると表明しました。その上で、当日、私の質問に対する法務省民事局長の、民法の成年年齢と公職選挙法の選挙年齢、これは必ずしも一致する必要はないだろうとの結論である、この答弁にも私は賛意を表します。

 民法の成年年齢引き下げについては、たくさんの検討課題や講ずべき政策課題があり、拙速に結論が得られるものではありません。本日、若年者に対する法教育と消費者教育の取り組みについて報告がありましたが、それらの取り組みが決して十分とは思えません。

 文部科学省に、成人年齢引き下げと親権の対象年齢の引き下げとの関連で、親権の対象年齢の引き下げが、生徒の生活指導、進路指導上予想される困難な問題と解決すべき課題は何か、お教えください。

稲田政府当局者 ただいまの御質問につきましてお答えを申し上げます。

 まず、少年事件の発生状況という観点から見ますと、最近十年間の少年の刑法犯の検挙人員で見ますと、平成十五年に二十万三千六百八十四人となった後、毎年減少し続けまして、平成二十二年には十二万七千百八十八人となっております。ただ一方で、終戦直後の人数と比べますと、昭和二十一年が十一万千七百九十人でございまして、それから、その後増加して、昭和二十六年がピークであったようでございますが、そのころが十六万六千四百三十三人となっておりまして、検挙人員、件数だけで見ますと、実は、平成の十五年ごろの方が昭和二十年代よりも高いという状況にございます。

 ただ、この中には交通事犯が含まれておりますので、なかなか比較が難しいところがあります。終戦直後は交通事犯がほとんどなかったろうと想定されますので、その分は割り引いて考えなければいけないと思います。ただ、その分を引いたとしても、平成十五年の検挙人員は、昭和二十六年ころよりもやや高いのかなというふうに思います。

 これに対しまして、さらにもう少し事件の動機とか罪質とか見ていくとどうなるかということでありますが、これはなかなか、動機とか態様で比較する資料は手元にございませんので、罪種だけで比較させていただきます。

 特に、一般に凶悪だと考えられ、それなりに件数のある殺人とか強盗で見ますと、平成二十二年に殺人で検挙された人員は四十四件でございます。それに比べますと、昭和二十一年が殺人二百四十九件で、この数はその後もふえておりまして、昭和四十年代ぐらいまでは三桁をずっと続ける、中にはもっと多い件数になっていた年もございます。そういう意味では、現在の四十四件というのは非常に少ない件数になっております。

 同じことを比較いたしまして、強盗を見ましても、強盗は、平成二十二年五百八十件でございますが、昭和二十一年が二千九百三件でございまして、昭和二十一年だけではなく、昭和二十年代から三十年代を通じて、やはり強盗も高い数になっておりまして、終戦直後と比べると、こういう重大事件の件数は相当少なくなっているのかなというふうに考えております。

 このほか、比較の仕方といたしまして、少年の人口に占める検挙人員の比率のような数え方もあろうかと思いますが、特に十八、十九歳の検挙人員を人口比で見た場合には、やはり戦後すぐの昭和二十年代、三十年代に比べますと最近の数はかなり少なく、半分以下ぐらいになっているという状況にございます。

関政府当局者 成人年齢引き下げ、親権の対象年齢の引き下げと、生徒指導、進路指導上の課題ということでございますけれども、民法上の成年者は、その生活におきまして、みずからの意思のみにより法律行為を行うことができる、父母の同意を必要とせず婚姻をすることができる、また、親権との関連では、父母の監護教育権、懲戒権に服さずに居所を自由に定めたり、職業を自由に営むことができるなどとされているところでございます。

 成年年齢が十八歳に引き下げられた場合に予想される影響といたしましては、高等学校におきまして、成年に達した生徒に対して、例えば、このような法律上の権能を有するに至ったとしても、これを適切に行使してよりよい社会生活を営むためには健全な常識や自制心等の資質を養う必要があるということをしっかり指導をするなど、未成年者と異なる、成年であることを前提とした生徒指導をどのように行うかということが生じてくることと考えられるところでございます。

 また、進路指導上の課題につきましても、自己の将来にかかわる判断を本人が決定できるようになった生徒に対して、やはり未成年者と異なる、成年であることを前提とした進路指導をどういうふうに行うかということが課題になるのではないかと思っております。

 そういうような指導のあり方、方法を検討することと同時に、成人年齢の引き下げや親権の対象年齢の引き下げによりまして、その年齢に達するまでに、社会人として、成人として自立するために必要な判断力などの能力を身につけるようにすることが必要であると考えておりまして、そのためにも、法教育あるいは消費者教育も含めまして、そういった取り組みを一層していくと同時に、一人一人の生徒に対する一層適切な生徒指導や進路指導を行うことが課題となると考えているところでございます。

近藤(三)委員 自由民主党の近藤三津枝です。

 法務省にお尋ねいたします。

 諸外国のデータを調べてみますと、成年年齢のデータがある百八十七の国と地域のうち、成年年齢を十八歳以下としている国の数は百四十一カ国と、全体の八〇%近くを占めています。つまり、成年年齢が十八歳以下がグローバルスタンダードになっているということが言えると思います。

 諸外国の多くは、一九六〇年代から七〇年代にかけて、選挙年齢を引き下げるのと同時に、我が国でいいますと、民法上、私法上の成年年齢もあわせて引き下げました。なぜ日本はこの点で国際的におくれをとったのか、法務省の見解をお伺いします。

 また、前回までの本憲法審査会の議論の中で、法務省はたびたび、公職選挙法の選挙年齢を先行して引き下げることは有力な選択肢の一つである、このように表明されています。一方で法務省は、民法の成年年齢を二十から十八歳に引き下げることについては、引き下げに向けた国民の意識を醸成した上で、国民の理解が得られた後に引き下げる、このようにも述べておられます。

 しかし、十八歳に引き下げるという国民の意識が醸成されるのを待って、法律が追認する、後追いするというのではなく、むしろ、あるべき国の姿に向けて、民法などの法律を先行して改正していくべきではないかと思われます。それによって現実を変えていくという方法も有効であると私は考えます。

 そこで、法務省に質問をさせていただきます。

 これまでの法制審議会での議論の中でも、民法の成年年齢引き下げについて、今私が述べましたように、公職選挙法の選挙年齢の引き下げと同時に行うべきだ、このような議論はなかったのでしょうか。お伺いします。

 一方で、法務省が主張するように、選挙権年齢の引き下げのみを先行させて、その後に民法の成年年齢の引き下げに向けて国民意識の醸成を図る、このような議論は法制審議会であったのでしょうか。法務省に質問をさせていただきます。

 以上です。

萩本政府当局者 二点お尋ねをいただきました。

 まず一点目ですが、諸外国におくれた理由ですけれども、委員御指摘のとおり、諸外国の法制の調査結果によりますと、欧米やオーストラリアなど、一九七〇年の前後に成年年齢を二十一歳から十八歳に引き下げた国が多いように見受けられるところでございます。

 その理由は国ごとに異なるものと思われますが、例えばアメリカでは、ベトナム戦争を契機としまして、徴兵の年齢が十八歳であるにもかかわらず、政治に意見を述べることができないのは不公平であるという議論が高まり、選挙年齢が十八歳に引き下げられ、あわせて成年年齢も引き下げられたというような説明がされているものと認識しております。

 このような流れの中で、我が国が一九七〇年代に成年年齢を引き下げなかった理由についてはつまびらかではありませんけれども、徴兵年齢の問題など、諸外国において成年年齢を引き下げた理由が我が国には必ずしも妥当しなかったこと、我が国の国内において民法の成年年齢の引き下げに向けた動きがなかったことなどを指摘することができるのではないかと考えております。

 それから二点目、法制審議会における議論の状況についてですけれども、法制審議会において、選挙年齢の引き下げと同時に成年年齢も引き下げるべきという議論はございました。他方で、選挙年齢の引き下げを成年年齢の引き下げに先行させるべきという意見もございました。そういう意味では、両様の議論が闘わされたということでございます。

 ただ、法制審議会では、選挙権年齢の引き下げが先行するということ、その場合には、すなわち、選挙権年齢と成年年齢が一致しない期間が生ずるということになるわけですけれども、そのような期間が生じても構わないという前提で議論が行われたところでございます。

 その点、ちょっと敷衍して申し上げたいと思いますけれども、そもそも、成年年齢についての法制審議会の議論は、国民投票法の附則第三条で、十八歳以上の者が国政選挙に参加することができることとなるよう、必要な法制上の措置を講ずるものとするとされたことを受けて、民法の成年年齢についての検討が求められ、この議論を開始したものでございます。

 この附則三条には、十八歳以上の者が国政選挙に参加することができることとなるようとあります。また、この附則第三条につきましては、前回の審査会におきまして総務省から、選挙権と国民投票権は、同じ参政権であることから、両者の年齢をそろえることが合理的であるという考え方が含まれているという御説明がありました。

 このように、附則第三条の必要な法制上の措置に公職選挙法の選挙年齢の引き下げが含まれていることは当時から明らかでしたので、法制審議会におきましては、国民投票法の施行までに公職選挙法の選挙年齢が引き下げられているということが議論の出発点でございました。

 そうしますと、仮に選挙権年齢と成年年齢が必ず一致しなければならないという関係にあるとしますと、公職選挙年齢の引き下げにあわせて、当然に民法の成年年齢も引き下げなければならないということになりますから、民法の成年年齢については、もはや議論するまでもないということになってしまいます。

 そこで、法制審議会におきましては、まず最初に、この両者の関係、両者が一致する必要があるのかということについて議論が行われました。前回、民事局長から御説明申し上げましたとおり、議論の結果、公職選挙法の選挙年齢と民法の成年年齢は必ずしも一致する必要がなく、民法の成年年齢を引き下げなくても選挙年齢を引き下げることは可能であるという結論に至りました。

 そこで、法制審議会は、次に、成年年齢そのものを引き下げるか否かについて議論を行い、選挙年齢が引き下げられるのであれば、成年年齢を十八歳に引き下げるのが適当であるが、現時点で引き下げるのは相当でなく、消費者被害の拡大等の問題を解決した上で引き下げを行うのが相当であるという結論に至ったところでございます。

 このように、法制審議会の答申は、速やかに選挙権年齢が十八歳に引き下げられることを前提としていたにもかかわらず、成年年齢については現時点での引き下げは相当でないとしたものでございますので、公職選挙法の選挙年齢の引き下げが先行し、民法の成年年齢と一致しない期間が生ずるということも当然に想定していた、織り込み済みであったということでございます。

逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。

 文部科学省にお伺いしたいのでありますけれども、先ほどの説明の中で、実際の指導に当たっては、概念的、抽象的になったりすることがないということに留意をしているという話がございましたが、私は、憲法や法律の問題を考えるときには、概念でありますとか基礎理念といったようなものが非常に大事だ、個別の事項についていろいろと理解をすることも大事なことではありますけれども、基礎理念の理解がなければ、実は法全般に対する本質的な理解が深まらないのではないかというふうに思っております。

 と申しますのも、私自身が小学校、中学校、高等学校において学んだ憲法に対する学習でありますが、基本的人権の尊重でありますとか国民主権でありますとか平和主義といったような個別具体のことから憲法について入り込んでいくわけであります。しかしながら、そのことだけを頭に置いて、憲法とはそういうものであるということを最初に教えられますと、私なりの振り返りでありますが、憲法や法体系に対する本質的な理解の妨げになったのではないかという、自分自身の人生を振り返っての懸念がございます。

 そうしたことからしてみますと、確かに、国民主権であるとか平和主義、基本的人権の尊重といったような個別具体のことを学ぶことは大事なのでありますが、そのこととあわせて、同時に、憲法とは一体何であるのかといったようなこと、あるいは立憲主義とは何かというようなこと、あるいは一般法と憲法の違いというのは本質的にどこにあるのかというようなこと、あるいは民主制、民主主義とは何かというようなこと、あるいは、国民主権なんということはよく言われるわけですが、主権とは何かといったような、理念、概念、こういう教育もあわせてやる必要があるのではないかというふうに思っております。

 その上で、改めて二点お伺いしたいのでありますが、文部科学省が学習指導要領の上で概念的、抽象的になったりしないように留意をしているということの本意は何かということ、あるいはこのことで、本当にそれがよいのかどうかというところについて、御見解をお伺いしたい。

 それから二点目は、私がさっき言ったような、憲法とは何かとか、あるいは民主主義とは何か、あるいは立憲主義とは何かといったような、こうした点についての教育が行われているのかどうかについてお伺いをしたく思います。

 以上でございます。

関政府当局者 今御指摘のございました憲法に関する教育におきまして、基本的な概念についてしっかりと理解をしていくことが必要であるということ、私どもはそのように考えております。

 学習指導要領におきましても、先ほど申し上げましたような、小中学校、高等学校の各段階におきまして、日本国憲法の基本的な考え方、その背景にあるもの、各概念につきまして基本的な理解が深まるような、そういうことを行うようにしておりますし、我が国の政治が日本国憲法に基づいて行われていることの意義について考えさせる、また、国民生活とのかかわりから認識を深めさせる、そういう学習を行うということで考えているところでございます。

 その上で、先ほど概念的、抽象的な指導に陥ることなくと申し上げましたのは、単に知識中心のものだけでは、なかなかそれに対する理解が、発達段階によりましても異なるところがございますし、よりわかりやすく理解をしていく、そのためにも、単に知識中心だけではなくて、例えば新聞などを活用して、日常生活との結びつきが見られる事例など児童生徒にとって理解しやすい事例を取り上げたり、また、実際に調査したり資料を活用したりしまして報告書にまとめて発表、討論するなどの、いわゆる作業的な、体験的な活動を取り入れたり、そういった創意工夫をしながら政治への関心を高め、また、主権者としての主体的な政治参加のあり方へと考察が深まるような、そういう授業が行われるようにしていくことが重要であろうというふうに考えております。

 そのためにも、それを教える教員の指導力の向上、あるいは教材の作成工夫といったことが必要になると考えておりまして、そういったことにつきましても、関係の機関とも連携協力するなどしながら取り組んでいかなければならないと思っているところでございます。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 憲法教育ということでいえば、そもそも、一九四七年の八月二日の日に文部省が当時中学一年生の社会科の教科書として発行した「あたらしい憲法のはなし」、ここにありますけれども、これが出発点で、これ抜きには語れないんだと思います。今から見れば、時代の制約や執筆者の考え方の限界もあって、もちろん手放しで読むことはできないわけですが、憲法の基本的な内容について平易な言葉でわかりやすく書かれているものであります。

 この委員会室でも、二〇〇七年の四月五日の日に、当時の憲法調査特別委員会の公聴会に公募で来られた公述人の田辺さんという主婦の方が、数年前から地域でこの復刻版を教材にして憲法の学習会を行ってきたと委員に配付して話された記憶が今でもよみがえってまいります。

 ところが、当初は教科書だったこの冊子が、一九五〇年には副読本に格下げされて、一九五二年四月には姿を消すことになりました。その背景には、日本を占領していた米国の対日政策が変わって、逆に改憲を求めてくるようになったことがあるということだと思うんですが、今、文科省の言う憲法教育を検証する際には、こうしたそもそもの歴史的経緯も含めて、国会でいえば所管の文部科学委員会ということになると思いますが、よく見ていく必要があるのかな、このことをまず意見表明として申し上げたいと思います。

 次に、政府への質問ですが、選挙権年齢、成年年齢の十八歳への引き下げをめぐって、教育の成果とのかかわりで文科省に伺いたいと思います。

 そもそも政府が選挙権年齢を満二十歳と規定しているのは、一八九六年、明治二十九年に定められた民法の満二十歳をもって成年とするということによるものだと思うんですが、それから百十六年たっているわけです。その間に日本社会は発展をしてまいりました。それに伴う若者の肉体的、精神的、知的発達の面とともに、教育水準や進学状況も格段に上がってきたと思うんですけれども、そういう認識は文科省としてはお持ちでしょうか。

関政府当局者 我が国の教育制度、近代教育制度につきましては、明治の学制発布以来、大きな改革も戦後ありましたけれども、ずっとその発展を遂げてきているというふうに認識をしております。

 そういう中で、量的にも、高等学校につきましては九七%を超える進学率というような状況になっているところでございまして、そういう意味では、私ども、これからの二十一世紀、知識基盤社会が到来するという認識のもとに、さらに学校教育におきまして、これからの変化の激しい時代を生きていく児童生徒に対して、生きる力、みずから考え、行動できる、そういった力をしっかりと身につけさせることが重要であるというふうに考えているところでございます。

笠井委員 大局的には力を持ってきているということだったと思うんですね。であれば、当然、選挙権年齢も成年年齢もいまだに二十歳のままとしているというのは実態に合わないのではないかと。十八歳に引き下げることは、大局的な教育の成果という面から見てもむしろ当然であって、少なくとも見直す必要があると思うんですけれども、文科省としてはこの十八歳というのをどう見ているかということでは、何というふうにおっしゃいますでしょうか。

関政府当局者 一口に、十八歳をどう見ているかというのは大変難しい御質問でございますけれども、先ほど申し上げました多くの青少年の状況からいたしますと、高等学校の第三学年、あるいは修了する、そういうような年齢段階にあるわけでございます。

 先ほど申し上げましたように、量的に拡大をしてきている、一方で、その質がどうかということにつきましても今いろいろな課題があるわけでございますし、特に、社会経済の状況が大変変化している、そういう中でこれから社会人として自立していくための必要な資質、能力、これをどのように、学校教育、高等学校修了までに身につけさせていくか、これが大変課題になっている、そういうような状況にあるというふうに認識をしてございます。

笠井委員 二月二十三日の当審査会で、十八歳の選挙権と成年年齢をめぐる政府説明でもそうだったんですが、先ほど近藤委員から成年年齢の話がありましたが、十八歳選挙権でいうと、たしか世界で百七十三カ国、サミット参加国では日本以外の全ての国々が十八歳以下の選挙権を付与している中で、やはりこの先進国日本がいまだに二十歳というのは余りに時代おくれという指摘があると思うんですね。

 それなのに、政府、省庁の先ほどの説明でも、教育を強化すると。それがいろいろ検討するのに必要だということなんですけれども、教育が足りないから引き下げができないかのように言われるんだけれども、足りないということであれば、では、十八歳で足りなくて、二十歳になれば足りない教育のままでいきなりオーケーなのか、なぜ十八歳ではいけないのかということに逆になってくるので、十八歳から二十歳ということでは労働法や納税義務も出てくるし、自動車免許取得にしたって成人扱いされるわけですから、そういう点では、そこのところをしっかりとやはり、日本の事態のおくれというのを認識してやる必要があると思います。

 この大課題については、私はむしろ、改憲手続法と絡めるんじゃなくて、個別にきちんと、丁寧に速やかに検討を終えて結論を出す、そのためにも所管委員会のところできちんと詰めるということが必要なのかなということを改めて痛感いたしました。

 以上で発言を終わります。

山尾委員 民主党の山尾志桜里です。

 発言の機会をありがとうございます。

 私自身は、成年年齢と少年法の適用対象年齢、いずれも十八に引き下げるべきであって、かつ、できる限り選挙年齢の引き下げと同時期に行うべきであって、安易に選挙年齢の引き下げを先行させるということには非常に慎重の立場をとっております。

 この場では、少年法の適用対象年齢について法務省にお伺いをしたいというふうに思います。

 まず、先ほどの御説明の中で、適用対象年齢の引き下げに消極的な事情として二点挙げていただきました。

 まず、その中の要素の一つとして、刑法犯の検挙人員が減少傾向、少ないということを言っていただきましたが、人数が少ないということと、その少ない人数に対して、刑事処分、保護処分、どういった処遇がふさわしいのかということは、必ずしも結びつかないように思います。

 現状で減少であるので現状のままでいいというような理屈を超えて、何か御説明があればお伺いをしたいというのが一点目でございます。

 二点目、同じく引き下げに消極的な事情として、少年院出所者の再入院率が刑務所出所者のそれと比べて低いということを挙げていただきました。

 確かに、少年犯罪処遇において、保護の手続としての少年院と刑事手続としての刑務所で、どちらが適切なのか、それが再入所、再入院という形でどのようにあらわれているのかということは、これは非常に検討に値する事項だと思います。

 ただ、翻ってみると、刑務所に入る者の方が少年院に入る者よりもその罪種や罪状においてそもそも重たいんだ、だから再び入ってくる率が高いんだという理屈も成り立つと思いますし、こういった面もあわせて検討いただいていると思いますが、この点のもう少し突っ込んだ議論があれば教えていただきたいと思います。

 三点目、こういった議論の過程を私はぜひオープンにしていただきたいと思うんです。今、法務省内で検討していただいている、さらに慎重に検討する必要があるとおっしゃっておりますが、これまでの議論の過程を私たちも追って検討していけるような資料があるのかないのか、あればいただきたいということを、質問とお願いでございます。

 四点目が、私の意見と要望でありますけれども、やはり、この少年法の問題というのは、私自身は引き下げに賛成の立場でありますが、確かに、ほかの先生方もおっしゃっておりますように、少年法の趣旨、目的ということは特殊に、別個に考えなければいけない事情も多々あると思いますので、できれば、法務省内の閉ざされた議論ではなくて、民法の成年年齢の部会のように有識者会議を立ち上げていただいて、開かれた議論を早くスタートしていただきたいというふうに思うんです。

 私自身は、先日、三月五日の予算委員会の第三分科会におきまして、小川法務大臣にこの部会の立ち上げをお願いいたしましたところ、大臣からは、大変重い課題ですので十分考えたい、こういう答弁をいただきました。

 法務省から、この有識者会議の、少年法の年齢についての会議体の立ち上げについての検討の有無、検討状況をお教えいただければと思います。

 最後に、通告していないのでちょっと厳しい質問かもしれませんが、この少年法、実は、旧少年法では少年の定義は十八歳未満でございました。戦後、現行少年法に当たっては、GHQの指導のもとで、シカゴの少年犯罪法をもとに年齢の引き上げを含めた改正が行われたというふうに聞いておりますが、この十八から二十に引き上げられたときの背景あるいはそれを支えた立法事実など、教えていただけるところがあればぜひ知りたいというふうに思います。

 ただ、ちょっとこれは特に通告をしておりませんので、もし後に教えていただけるのであれば、もちろんそれでも構いません。

 以上でございます。

稲田政府当局者 たくさん御質問いただきましたので、網羅的にきちんとお答えできるかあれでございますが。

 まず、先ほど私の方から少年法の年齢の引き下げについて消極的な事由として挙げたことについてでございますが、まず、その一点目の検挙人員の関係につきましては、先ほど照屋先生からの御質問の際にも少し申し上げましたが、さらに敷衍して申し上げますと、実は、少年の刑法犯の検挙人員というのは、昭和二十年代は比較的低くて、その後、三十年代からふえまして、いわば山を一度つくって、さらにそれが平成に入って下がってきたというような形になっております。

 これはいろいろな要因がございまして、先ほども申し上げましたけれども、交通事犯の取り扱いというような問題もございます。そういうことからいたしますと、なかなか一律に検挙人員からどういうふうに言えるかということが言いにくいところはございます。

 他方で、十八歳を一つの区切りとして分けてみて、十八、十九歳の検挙人員と十四歳から十七歳までの検挙人員を見た場合に、もちろん少年の場合は少年人口が世代によって違いますので、人口比という形で見ますと、顕著なことは、十八、十九歳は、先ほども申し上げましたが、昭和二十年代、三十年代が一千人当たり十件以上の件数がございましたが、その後一桁になって、昭和十六年に一度、二桁、十・一になったことがございますが、現在は六・九件というふうに非常に低くなってきております。

 他方で、十四歳から十七歳の検挙人員を見ますと、これは必ずしも今申し上げましたような傾向になく、逆に、比較的最近の方が人口千人当たりの検挙人員が多いというような傾向が出ております。

 先ほど委員の御指摘の中で、検挙人員というのが必ずしも少年法の適用年齢の理由にはならないのではないかというような御指摘ございましたが、確かに、一人一人の事件の処理という観点から見ますと、検挙人員というのは総体でございますから、なかなか言いにくいところはあろうかと思いますが、他方で、やはり全体の事件をどういうふうに取り扱うかということを考えますと、検挙人員がどうなっているかというのは、我々といたしましては、今申し上げましたような状況は考慮要素としてはかなり大きいのではないかというふうに考えているところでございます。

 次に、少年院からの出所者と若年の受刑者のそれぞれの再入院率、再入所率の比較の点につきまして御指摘がありました。

 これにつきましては、確かに、入院した者あるいは入所した者にそれぞれ個性があるわけでございますので、一概にこの比率だけをもって何かが言えるかということは言いにくいところがございますが、大体五%程度の差があるということは、かなり統計的には有意な差があるのだろうと思います。

 ちなみに、少年院の出所者の再入院率は一八%前後でございますが、若年受刑者の場合は二三%前後というようなことでございまして、やはりこの五%ぐらいの差というのはかなり大きな差だというふうに考えておりまして、総体で見た際の若年者に対する処遇としては、少年院というのはそれなりに機能しているという実態があるのではないかというふうに考えております。

 また、これは全体的な傾向といたしまして、現在の我が国の十八、十九歳という者につきましては、やはり大学等への進学率が高いということもございますが、必ずしも就業している割合が高くないわけでございまして、そういう面での経済的な自立性が低いというようなことでありますとか、少年院、少年鑑別所に収容された者の家族と居住している割合などを見ましても、七二、三%から四%前後ということで、社会生活上自立している割合が比較的低いのではないかというふうに思われるようなところもあるわけでございまして、これはちょっと先ほど申し上げたこととは別でございますが、そういうような見地もつけ加えて考えていかなければならないのではないかというふうに考えております。

 それから、今後の検討のやり方についてでございますが、委員御指摘のとおり、先般の予算委員会の分科会で御指摘がございまして、その際、大臣の方から、大変重い課題でございますので、十分考えたいというふうなお話がございました。今後、政務三役とも御相談しながら、どのようにしていくかということを考えていきたいと思います。

 ちょっと今、私の答えの中で、人口千人当たりの発生件数のときに、昭和十六年と申したかもしれませんが、平成十六年が一番高うございます。失礼いたしました。

 最後に、旧少年法と現行の少年法との関係についてのお話がございました。

 旧少年法は、確かに、これは戦前、大正十一年にできた少年法で、現行の少年法ができるまで効力を有していたものでございますが、そこにおきましては、少年は十八歳に満たない者とされておりました。これを現行の少年法で引き上げたときでありますが、その際の立法の理由として、当時の犯罪傾向として、二十ぐらいまでの者に、特に増加と悪質化が顕著であり、この程度の年齢の者は、いまだ心身の発育が十分ではなく、環境その他外部条件の影響を受けやすく、犯罪が深い悪性に根差したものではないことから、刑罰を科すよりも、保護処分によってその教化を図る方が適切であることが多いということが理由であるというふうにされていると承知しております。

 以上でございます。

大畠会長 十分答え切れなかったところについては、後ほど山尾委員の方に資料は提出していただきますようにお願いいたします。

緒方委員 民主党の緒方林太郎でございます。

 本日の課題として、日本国憲法の選挙権年齢及び成年年齢の十八歳への引き下げに係る課題と教育問題ということのかかわりで出ているわけでありますが、そもそも、この十八歳に下げる話というのと教育問題というのがどれほどリンクしているのかということについて若干の疑義がございます。

 つまり、憲法教育とか法教育をすれば十八歳に下げていいのかというと、そうでもないんだろうというふうに思いますし、そもそも、こうやって憲法教育であり法教育であり、そういったものを仮に高校生時代に強化したとしても、では、そこで強化した分は、本来、そういう教育を行わなければ、十八歳、二十歳で身につけていたものであろうかというと、そういうことも想定されないわけでありまして、もともと私は、こういう憲法教育、法教育をやることは、重要だし推進していくべきだと思いますけれども、この話と十八歳の話というのは、直接にはリンクしないのではないかというふうに思います。

 そう考えた上で、実際に、では、今学校教育の現場で憲法教育、法教育というものがどのように行われているかということなんですが、これは二十一年前スーパー受験戦士だった私があえて申し上げるんですけれども、中学校のときは結構勉強するんですね、この手の話。なぜかというと、高校受験で出るから。高校生になると、この手の憲法とか法とか、科目でいうと、公民の中の現代社会、そして政治・経済に入るわけですけれども、勉強しないんですね。必修にはなりますけれども、勉強は大体しないと思います。なぜかというと、大学受験での比率が物すごく低いから。恐らく、大学の二次試験、旧帝国大学であったり六大学とかであったりというところで、現代社会とか政治・経済というものが一定の重みを持っている大学というのはほとんどない。ないか、せいぜいあっても一つか二つではないかというふうに思います。せいぜい、大学入試センター試験で現代社会は点数がとりやすいとか、その程度の動機で選ぶ人がいて勉強するということだろうというふうに思います。

 高校生は、そうすると、世界史とか日本史とか地理とか、そういうものに頑張るわけですけれども、結局、日本の大学受験で現代史というのは勉強しないんです。そうすると、日本の大学受験の問題点というのは、現代史と現代社会は両方勉強しなくて、現代のことを全然勉強しないというふうになっていくということも、これはまた別の問題なんですけれども。

 こういうところから、今の高校生は、実際に、憲法とか法体系とか、そういったものについて一生懸命勉強しようとするインセンティブが著しく薄いということがあります。仮に、それは大学の法学部とか経済学部に行こうと思う生徒であっても、勉強するのは世界史であったり日本史であったり地理であったりと、若干、そういう自分が目指そうとする方向と違うものを勉強しながら大学に行ったりするということがあるわけであります。

 これは文部科学省にぜひお伺いしたいんですけれども、今のこういう状況、余り力が入らない、憲法を勉強したり法体系とか現代の社会の成り立ちを勉強しようとすることに力が入らないような状況になっているんじゃないかなというふうに思うわけですが、文部科学省はいかがでございますでしょうか。

関政府当局者 今、大学入試との関連などについてもお話があったわけでございますけれども、大学入試におきます出題教科、科目につきましては、それぞれの大学、学部の入学者の受け入れの方針に基づいて、どういった教科、科目を対象とするかということになっているわけでございまして、それぞれ自主的に定められているわけでございます。

 先ほど、十八歳という年齢をどのように捉えるかというお話がございましたが、高等学校を卒業して大学、短大等に進学している人が、今約五割を超えるというような状況になっておりますが、一方で、就職をして社会に出ていくという方も多くいらっしゃるわけでございまして、そういう中で、高等学校、小中学校を通じてでございますけれども、学校教育の目標といたしましては、教育基本法や学校教育法におきまして、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うということを目標に掲げております。

 そういう意味で、いかに公民としての資質、教養というものを身につけるか、そのための教育の内容としまして憲法の教育についても取り上げて教えるということになっているわけでございまして、そういうことを児童生徒が関心を持って学ぶ、そういったインセンティブという意味では、いかに身近な問題、あるいは自分たちの生活にかかわってくるんだというようなことなどについて考えさせながら学んでいく、そういったことを実際の授業の中で創意工夫していくことが大変重要ではないかというふうに思っております。

 先ほど来お話し申し上げております、単に知識中心あるいは概念的、抽象的なことにならないようにという中で、学校教育の中でそういった取り組みをしていくように工夫していかなければならないというふうに考えております。

阿知波委員 民主党の阿知波吉信です。

 先ほど、法務省の方から、少年法については十八歳、十九歳と成人との間で違いがあるんだ、例えば検挙の人員であったり再入院率ですね、違いがあるんだという話がありましたので、同じように、ほかの皆さんに質問したいんですが、憲法とか民法、商法、そして消費者教育の分野におきまして、十八、十九と成人との間で知識の違い、例えば判断力、理解力といった能力、さらには意識とか行動といった社会的な参画の面で違いがあるのかどうか、これについて御見解を御説明いただければと思います。

萩本政府当局者 年齢による違いがあるのかというお尋ねをいただきましたけれども、今ちょっと手元に六法を持ってきていないのですが、所管している法律を思い浮かべてみますと、例えば、民法の世界では成年年齢は二十となっておりますけれども、大人になって養子をとることができる年齢はまた別の年齢が定められているとか、その規律の目的などに照らしてふさわしい年齢を個別に設定しているということがございます。

 ですから、その意味では、成年年齢が二十であるから他の社会参画にかかわる規律も二十でなければいけないかといいますと、それは、規律それぞれの目的に照らして設定されることはあってしかるべきではないか。

 今、養子のことを先に申し上げてしまいましたが、例えば婚姻年齢を考えてみますと、現在、男性は十八歳、女性は十六歳ということになって、これはこれでまた意味があるところでございますので、そのように、個々の規律の趣旨、目的に照らして設定されているところでございます。

 大変失礼しました。今、養親となる年齢について、別の年齢と申し上げましたが、養親となる年齢そのものは二十のようでございます。

 済みません。とりあえず、以上でございます。

大畠会長 今の点については、よく整理してください。

松田政府当局者 消費者庁でございます。

 直接の社会参画に一歳刻みの年齢の関係で違いがあるかという御質問に直接かかわりませんけれども、参考までに、私どもの消費者センターにさまざま全国に寄せられましたデータベースでの被害といいますかトラブルの件数、これを一歳刻みで比較した例を御紹介いたします。

 十八歳から二十二歳で大体一歳刻み〇・八%でございまして、二十という節目で一・二ということで、若干五割増しになっておるわけでございますが、七十九歳から十八歳まで、ほぼ全体的な大人といいますか、その平均ですと一・三でございますので、二十という節目で例えば新成人をいろいろ悪質業者が狙っているということがあるといたしましても、総体的な範囲内におさまっているのではないか、そういう傾向があるということで、消費者被害の中で、特段二十というところで激増しているというところまでは言えないということはファクトとして申し上げておきたいと思います。

大畠会長 萩本さんの方で整理して、さっきのお話、よくわかるようにもう一度発言してくれますか。

萩本政府当局者 結論としては、先ほど申し上げたとおり、規律に応じてということでございますが、もう一度確認いたしますと、民法上、成年年齢が二十とされており、養子をとることができる、つまり養親となることができる資格も同じく二十でございます。この点は、先ほどの答弁を訂正させていただきたいと思います。

 ただ、規律に応じて違いがあるというのは、先ほど婚姻年齢を例に申し上げたとおりでして、ちょっと今、二十となっていないものの全ての規定を網羅的に手元に用意してございませんけれども、そのような認識でおります。

今井委員 民主党の今井雅人でございます。

 成年年齢の十八歳引き下げには直接関係ないんですけれども、先ほどちょっと御答弁があった件に関して、お話と御質問をしたいと思うんです。

 先ほど関審議官の方から、若年層、いわゆる若者の政治離れ、政治に興味がないということが大変問題であるということをおっしゃっておられましたが、全くそれはそのとおりだと思っていまして、ここにおられる先生方も、地元に戻られたら、若い方が全然政治に興味ないということはもう実感しておられると思うんですね。

 何が一番原因かということは、いろいろあると思いますけれども、もちろん、それは教育が非常に重要だと思います。実は私、十数年、小中高校生向けに剣道教室をずっと主宰しておりまして、子供とはずっと接してきておりましたから、その素直な話をさせていただきたいと思います。

 まず、先ほど審議官がおっしゃられたことは、私は、自分の肌感覚とは全然違うんです。まず一つは、先ほどいろいろ学習要領とかも見せていただきましたけれども、日本の教育というのは、どちらかというと、規則を守れと。規則を守れということは一生懸命教えますけれども、その規則を誰がどうやってつくるか、そういうことをしっかり教えてきていないので、守るということはやりますけれども、実は、ルールは自分たちでつくっているんだということの意識が非常に低いというふうに思います。

 確かに、学習要領の中には、民主政治の推進とか世論の形成、国民の政治参加というふうにいろいろ書いてありますが、実態の教育は、必ずしもそうなっていないということを非常に感じます。

 それからもう一つ、先ほども答弁がありましたけれども、みずからの生活の中に政治があるいは法律がどうやってかかわっているかということを実感させることが政治に興味を持たせることだ、私もそう思います。しかし、これも、これは先生によっても差があるのかもしれませんけれども、そういう教育をなさっている方は非常に少ない。ですから、自分たちで政治参加して変えていくんだという意識は、私は低いというふうに感じております。

 憲法に関しましてもそうでして、実は、ちょっとここからはやや暴論になるかもしれませんけれども、子供たちは、憲法というのはもう決まっていて変えられないものだという認識を非常に持っているというのは、私は印象で持っています。もちろん、手続論として憲法は改正できるということは頭ではわかっていると思いますけれども、しかし、今までずっと変わってきていないという事実の中で、憲法というのは変えちゃいけないんじゃないかというような固定概念を持っているという部分も私は感じます。

 ですから、例えば教育の中で、護憲の考え方、改憲の考え方、いろいろあると思いますけれども、そういう考え方がいろいろあって、今まで憲法についてどうであったかということ、先ほど逢坂先生が理念ということをおっしゃった、これもとても大事ですが、しかし、理念とともに、これは絶対変えちゃいけないものだ、そういう固定概念を持たせるというのも私は間違っていると思っておりまして、その辺のところの教育もやはりしっかりするべきだなというふうに全体的に思っております。

 意見というか質問事項なんですが、この点について、もし文部科学省の方でもう少し御意見がございましたら、ぜひいただきたいと思います。

関政府当局者 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。

 決まりを守るというのと同時に、決まりというのが自分たちのよりよい生活をつくっていくために大切なものである、それをどういうふうにしていくのかということについて学んでいく、そういった視点がやはり重要であると考えております。

 今回の学習指導要領の改訂におきましても、例えば、お手元に配付をしております資料の「法に関する学習指導要領の主な記述」、八ページのところをごらんいただきますと、小学校の社会科のところで、「地域の社会生活を営む上で大切な法やきまりについて扱う」というようなことでありますとか、また、次の九ページにございますが、道徳の教育の中で、「約束やきまりを守り、」あるいは「法やきまりの意義を理解する」というようなこと、そして、下の方にございますけれども、特別活動の中では、学級活動などの活動も通しながら「よりよい生活づくりに参画し、諸問題を解決しようとする自主的、実践的な態度や健全な生活態度を育てる。」こういった活動などを通じながら、それぞれ小中高等学校の各段階において、そういった法や決まり、法の意義というものについて学んでいくようにしているところでございます。

 実際に、それが児童生徒にとって身につくようにしていく、どういうふうに理解をしていくかというところについて、しっかり取り組んでいかなければならないというふうに思っているところでございます。

今井委員 文部科学省におかれましては、現場でどういう教育を実際にされているかということをぜひ把握していただきたいということだけ、ちょっとお願いを申し上げておきたいと思います。

 ありがとうございました。

石井(登)委員 民主党の石井登志郎です。

 ちょっと通告をせずに御質問をするのは恐縮なんですが、わかる範囲で教えていただければと思います。

 まず、文部科学省にお聞きをしたいんですけれども、私の理解では、成人というのは、大人としての判断能力が備わっているかどうかということだと考えておるところです。そして、その大人としての判断能力を備えられる教育を施されているかどうかということが本日の話の主題であろうと思います。

 そうした中で、小学校、中学校、高校学習指導要領に基づいた取り組みをお聞きしたんですけれども、今、事十八と二十というところで話をしているわけですが、ちょっときょうののりを越えるんですけれども、この十九、二十に対するこうした大人としての判断能力を身につけさせる教育というものを、文部科学省として把握をしている中で何か指針を示しているんでしょうかという点であります。

 例えば、私なんかも大学に入ったとき、十八から十九でありましたけれども、その大学独自に取り組みをしていたのか、もしくは文部科学省からの指導に基づいて大学がやっていたのかというのはわかりませんが、ここは、特に高校までの教育段階で大人としての判断能力を備えさせているということであれば、二十を十八に引き下げるということに関しては、教育という意味では問題ないんじゃないかというようなことにもなろうと思いますし、その点について、まず文科省にお聞きをしたいと思います。

 それから二点目、これは多少言いがかり的なあれになるんですが、法務省にちょっとお聞きをしたいんです。

 きょうの説明の中で、「法務局職員による私法分野教育への取組は飛躍的に増大し、」というふうに書いています。ただ、これは現実的に数字を見ると、対象者数が七千人、そして二十三年度十二月末まで四十六件、三千九十四人というのを、これを果たして飛躍的と言うんだろうか。絶対的な母数から考えたときに、何百万とは言いませんけれども、一学年百万人を超える方々がいる中で、この取り組みが本当に飛躍的なものなのかどうかということに関して、率直に私は果たしてそうなんだろうかと思いますので、御認識をお聞かせいただければと思います。

 最後に、橘さんに御意見を聞くのでもいいですか。可能であればお聞かせいただきたいんですが、十八歳に下げるとなると、これは、大人としての判断能力が備わっているか備わっていないかという観点で今議論をしていると私は思っているんですが、一方で、実際に若い方の話を聞くと、飲酒と喫煙に関してよくなるんでしょうというような話をするわけであります。ただ実際、成人年齢が引き下がったときに、本当にそれが一緒に伴って引き下がるかどうか。

 私が高校のときに学校の先生に習ったのが、私は十七、十八のときにお酒とたばこに大変な興味を持ちましたが、先生の指導によって二十まで控えたわけでありますが、実際、そのときに先生が言われたのが、成人でないとお酒もたばこも認められないということでありました。

 ただ実際、それは、大人としての判断能力が備わっていないから過剰に飲酒をする、たばこを過剰に吸うということだったのか、それとも医学的見地でとめられたのであろうかということを今改めて考えるわけです。

 そう考えたときに、肉体的に、子供たちが十八で酒とたばこを受容できるというものなのかどうなんだろうかという判断、もしくは単に大人としての判断で、節制をしながらそれをとるということによる判断、このあたりについて、今、医学的な専門的なものでなく、法制審議会でこうした部類の議論が、どのようなものがあったかということについて御紹介をいただければありがたいと思います。

 以上です。

関政府当局者 大学等も含めました若年者に対する教育の御指摘でございます。

 例えば、消費者教育について課題となっているわけでございますけれども、文部科学省におきましては、平成二十三年の三月に、大学及び社会教育において消費者教育を行う際の指針を作成いたしまして、全ての大学、短期大学、高等専門学校に通知を出したところでございます。また、加えまして、大学におきましては、この指針のポイントをまとめたパンフレットを作成いたしまして、学生支援担当者などに広く周知をしているところでございます。

 また、若年者への具体的な取り組みにつきましては、大学一年生を対象に、例えば消費生活センターの出前講座を取り入れた授業による啓発、あるいは、成人式におきまして、消費生活センターと連携した、消費者問題に関するパンフレットの配布による啓発などを行っている例が見られると承知をしているところでございます。

 消費者庁を初めとする関係省庁との連携も図りながら、そういった若年者への消費者教育が充実するように努めてまいりたいと考えているところでございます。

小川政府当局者 お答えいたします。

 先ほど、私の方で飛躍的な増大というふうに申し上げました。これまでの取り組みとしては一切そういうものがなかった中に、今もお話ございましたように出前のような形で積極的に取り組んでいるということで、従来に比べますと数が、増加は飛躍的でございますが、絶対数といたしましてはまだまだでございますので、ぜひ絶対数としても飛躍的に増大できるように努力してまいりたいと思っております。

萩本政府当局者 法制審議会での議論についてのお尋ねでございますけれども、法制審議会でも、民法の成年年齢を引き下げた場合には多くの法令に影響を与えることから、それらのさまざまな法令に与える影響も視野に入れて検討すべきという御指摘は当然ございました。

 ただ、全ての法令を視野に入れて検討するのは、逆にちょっとそれは時間の制約もあってできないということがありましたので、法制審議会においてはとりあえず、民法の成年年齢そのものの引き下げを中心に議論いたしまして、その引き下げがその他の法令、例えば未成年者飲酒禁止法ですとか、本日話題になっております少年法ですとか、そうしたその他の法令に及ぼす影響については直接の検討の対象とはせず、それらについては、それぞれの法令を所管する府省庁において検討していただくのが適当であると考えられたところでございます。

古屋(圭)委員 文部科学省にお伺いをいたします。

 十八歳とした場合、高校生は三年生になると十八歳になる人が四月から出てきます。国民投票が行われる時期によっては生徒の大宗が有権者ではないということ、あるいは、三月に行われれば三分の一が有権者になる、六六%は有権者ではない、こういうことになります。高校教育の中において、現実に高校は九七%行っていますから事実上の義務教育というふうになっております、法律上はともかくとして。そういう中にあって、そうやって有権者と有権者じゃない人が学校の中で混在して、なおかつ有権者じゃない人の方が圧倒的に多いというようなことに対する問題意識というのはあるかどうか、文部科学省としてはどうお考えか。

 確かに、大学も十八歳、十九歳、いらっしゃいますが、二十を過ぎればいずれにしても、現行でも過半数以上は有権者でありますし、やはり大学というのは行っている人が七〇%ぐらいですから、そういう意味での影響というのは、高校と比べれば極めて小さいというふうに思います。

 そこで、こういった有権者と非有権者が混在をしているということにどういうお考えをお持ちか、お聞きしたいと思います。

 以上です。

関政府当局者 十八歳に引き下げられましたときに、生徒の中に有権者とそうでない者がいる場合についての状況についてどのように考えるかという御質問でございます。

 この点につきましては、まず一つは、高等学校までの間に、小中高等学校を通じまして、公民としての必要な資質、能力を養うという目的で、教育基本法や学校教育法の規定の目標にのっとってそのための教育を行うということで行っていくわけでございまして、まずは、高校の三年次におきまして有権者になるというようなことが考えられるということになりますので、それまでの間により一層、そういった必要な公民に関する教育をしっかりと行わなければならないだろうということを考えているところでございます。

 それは、これまで、きょうもずっと御説明をしていましたような取り組みを、いかにしっかり新しい学習指導要領のもとでも行っていくかということではないかというふうに思っているところでございます。

 また、具体的に、仮に投票の時期というものと学校の中での活動というものがかかわってくる、そういう場面におきましては、学校におきまして、生徒が適切にそういったことについて対応できるようにしていく、そういったことについての配慮というものが必要だろうというふうに思っております。

古屋(圭)委員 今の御答弁ですと、基本的に問題はないという御認識だと思います。

 一方では、そういう努力をしなきゃいけないということですけれども、私は、この問題についてもうちょっと掘り下げた意見が出てくるのかなと期待をいたしておりましたが、文部科学省としては、その辺についてはさらにしっかり研究を進めていただきたいということを要望だけしておきます。

岡本(充)委員 きょうは通告をしていない中で聞かせていただくので、わかる範囲で教えていただきたいと思います。

 きょう、それぞれ、二十とそれ以下に対してのさまざまな動向、つまり十八、十九と二十が違うのかということについて、法律、少年法の観点、それから消費者教育に関する、さまざまなトラブルに陥らないようにするそういった教育の重要性、こういったところが議論になったわけであります。

 改めて確認をしたいんですが、法務省にまず聞きます。

 十八、十九の者が再犯をする、もしくは、少年院等で教育をした結果、その再犯率が低いということを先ほど主張されたんだろうと思いますが、一方で、二十、二十一というのは、それより上に比べてどういう傾向にあるのかということがもしおわかりであれば、つまり、二十を挟んで明らかに違っているのか、そうとも言えないのか、そういったことを、再犯率等でデータがあるのであれば、若年層についてのお話を聞かせていただきたいと思います。

 もう一つは、消費者トラブルに関することにつきましても同様でありまして、私がざっと考えるに、同じ成年であっても、消費者トラブルに巻き込まれる年齢層というのは、必ずしも若年だけが多いというわけではないような気もするわけでありますけれども、その中でどういう傾向にあるのか。また、二十、二十一の者に対して、現にやはりそういう割合が高いのだというのであれば、その対策を何かとられているのであれば、それについてお答えをいただきたい。

 消費者庁と法務省にそれぞれお尋ねしたいと思います。

稲田政府当局者 ちょっと詳しい統計を持ち合わせておりませんので、少しラフな切り方になりますが、先ほど申し上げました若年の入所受刑者といいますのは、三十歳未満で刑務所に入った者を少年院の入院者と比較いたしました。逆に、それよりもっと上の年齢の者の資料は持ち合わせておりますが、三十歳未満をさらに細かく切った数字というのは持ち合わせておりませんし、多分、そこまでの統計はとっていないのではないかというふうに考えております。

 ちなみに、三十歳未満とそれより上の年齢を含んだものとの比率を比較いたしますと、上の年齢の者の方が再入、つまり受刑者としてもう一度帰ってくる率はより高くなります。それは歴然とした、二〇%近い差が出てくる。五〇%を超える再入率のような数字にもなりますので、やはり若年の者の方が比較的、刑務所であっても帰ってくるのは低いということだけは言えるんだろうというふうに思います。

松田政府当局者 先ほどちょっと御紹介をいたしたわけでございますけれども、私どもの全国の消費生活センターから寄せられたトラブル、これの年齢別に一歳刻みのデータがあるわけでございます。それを見ますと、これはあくまで持ち込まれた数ということでございますけれども、総体としては、若年層というのはむしろ低い、一般論としては低いということでございます。

 数字を端的に申し上げますと、一歳刻みなんですけれども、十八歳で〇・六、それから十九歳も〇・六、二十になって一・二%、二十一歳で〇・八%、二十二歳も〇・八%ということでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、七十九歳までの全部の数字の平均が一・三%でございますので、二十の節目といっても、それほど高いということではないということでございます。

 それから、対策はどうしているのかということでございますけれども、冒頭申し上げましたように、基本的に、高校までのところはやはり学校における教育が非常に大事であります。また、大学につきましては、先ほど文科省の方から御紹介がありましたような対応をしておりますけれども、ターゲット的にそれほど、十八、十九に絞ったそれ以上のものが消費者庁としてあるかというと、なかなか申し上げにくいところがあることは御理解いただきたいと思います。

 以上でございます。

岡本(充)委員 済みません。今の数字の確認ですけれども、〇・六とか一・二と言われたのは、何を何で除した数字になりますか。

大畠会長 それでは、後でまた、データは直接岡本委員にお示ししてください。

松田政府当局者 基本的に、トータルとして八十万件のトラブルの件数がございまして、それで、申し込まれた当事者の年齢別に分けております。したがいまして、十八歳から七十九歳までで六十一区分でございますので、そのトータルを一歳で割りますと大体六十分の一ぐらいになりますので、その場合、平均として一・三というのがあるわけです。一歳刻みのトラブルの持ち込まれている数ということでございます。

大畠会長 分子と分母はどういうことですかという話ですね。要するに、このパーセントの何を分母として何を分子としてか。

松田政府当局者 一歳ごとのトラブル件数が分子で、全体の持ち込まれたトラブル件数、数十万件、これが分母でございます。

岡本(充)委員 後でいただきますけれども、その数字の出し方だと、結局、購入する者が多いか少ないかが年齢によって差がありますから、必ずしも、それをもって十八、十九を評価するということは適切ではないのではないかという趣旨で私は指摘をさせていただきたいと思います。

浜本委員 民主党の浜本でございます。

 先ほど、同僚の今井議員からも御指摘がありました。公民科の科目あるいは歴史、世界史、日本史にしても指導要領で、きょう文科省の皆さんがお話しいただいたペーパーだけを見れば、なるほどという感じがいたしますけれども、しかし実際に、今井議員もおっしゃっておられましたように、我々の皮膚感覚とは違う、我々の経験からしても違う。

 つまり、例えば歴史でいっても、実際に時間がなくて、江戸で終わって、現代、明治、昭和の時代は我々は全然勉強できないような、そういう経験を積んでこられた方がたくさんいらっしゃるんじゃないかと思うんですが、こういった意味で、この指導要領が現場ではどういうふうに実施されているかということを検証する、そういうことをしておられるのかどうか。

 そして、もししておられるならば、なぜ現実には、例えば歴史でいうならば現代のところができないのか、そういう状況になっているのか、そういうふうなことについて御理解があれば教えていただきたいと思います。

 もう一つは、これは我々、この審査会の委員の皆さん全体にぜひお考えをいただきたいんですが、問題点の指摘をさせていただきたいと思います。

 今、これは選挙権の年齢でやっているんですけれども、それを十八歳にする、それは私は賛成でありますが、しかしながら、被選挙権は、例えば衆議院議員二十五歳、市会議員、県会議員、その他の地方議員もそうです、参議院は三十歳、こういう公選法上の被選挙権の制限があるわけです。では、これは十八歳にすれば、例えば二十五歳は二十三歳になるのか、三十歳は二十八歳になるのか、それとも、これは全部変えていくのかどうか。

 こういった被選挙権の年齢についてもぜひ検討したいし、また、過去、こういう憲法調査会、審査会等において、公職選挙法上の三十歳、二十五歳被選挙権の年齢の制定時には議論があったことは承知しておりますけれども、なぜそういう二十五歳、三十歳という制限になったのか、そういうことも含めて一度教えていただければと思います。

 以上です。

関政府当局者 現場でどのように実際行われているかということについて、しっかり検証していくべきではないかという御質問の御趣旨だと思います。

 私ども、学習指導要領改訂に当たりまして、その検討をするに当たりましては、中央教育審議会の教育課程部会というところでそれぞれ教科別に、現場の学校の先生もメンバーに入れながら、現行行われている教育課程の実施の状況について、どういう課題があるのかということについても検討しながら、新しい学習指導要領の改訂についての改善ということについて検討してきたところでございます。

 また、実際の実施の状況につきましては、学習指導要領の実施状況の調査を行ったり、あるいは、指導主事、各県の教育委員会の担当者を集めてのいろいろな会議などもございますので、そういった場面を通じていろいろ聴取をするなど、今後とも、そういったところについてはしっかり把握をしながら対応してまいりたいと考えております。

橘法制局参事 お答え申し上げます。

 衆議院憲法調査会及び衆議院憲法調査特別委員会におけます先生方の御議論の中では、十八歳引き下げに伴う学校教育における憲法教育あるいは公民教育の重要性に関しては随分と御議論はございました。また、それに先立つ憲法調査会の中でも、その十八歳引き下げにかかわらず、国民投票という形で最終的に憲法に関する国家の意思決定がなされるということでございますので、広く国民一般の方々が憲法に関して興味、御関心を持っていただき、適切な御判断をしていただくための教育というものの重要性についても御議論はございました。

 ただ、今御指摘のように、それが被選挙権、つまり選ばれる側の年齢、二十五歳、三十歳に関して直接に反映するというような御議論は、私の記憶にないだけかもしれませんが、少なくとも、大きな御議論にはならなかったように思います。というのは、選挙権、投票権という、票を投ずる方の立法政策としての整合性として年齢を合わせるべきではないのかという御議論が中心であったからだと拝察されます。

 以上です。

大畠会長 ありがとうございました。

 そろそろ予定した時間が近づきましたので、これにて自由討議は終了いたします。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十九分散会


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