衆議院

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第19号 平成24年6月14日(木曜日)

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平成二十四年六月十四日(木曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 中野 寛成君

   理事 武正 公一君 理事 鉢呂 吉雄君

   理事 松本 大輔君 理事 和田 隆志君

   理事 逢沢 一郎君 理事 伊吹 文明君

   理事 西  博義君

      井戸まさえ君    石井登志郎君

      稲富 修二君    江端 貴子君

      小原  舞君    岡田 康裕君

      奥野総一郎君    勝又恒一郎君

      岸本 周平君    熊谷 貞俊君

      近藤 和也君    篠原  孝君

      白石 洋一君    田嶋  要君

      中屋 大介君    永江 孝子君

      長尾  敬君    仁木 博文君

      早川久美子君    樋口 俊一君

      藤田 憲彦君    三村 和也君

      宮島 大典君    室井 秀子君

      本村賢太郎君    湯原 俊二君

      柚木 道義君    和嶋 未希君

      渡部 恒三君    石田 真敏君

      金子 一義君    鴨下 一郎君

      田村 憲久君    竹下  亘君

      野田  毅君    馳   浩君

      町村 信孝君    竹内  譲君

      高橋千鶴子君    宮本 岳志君

      豊田潤多郎君    渡辺 義彦君

      中島 隆利君    山内 康一君

      中島 正純君

    …………………………………

   国務大臣

   (社会保障・税一体改革担当)           岡田 克也君

   総務大臣         川端 達夫君

   財務大臣         安住  淳君

   厚生労働大臣

   国務大臣

   (少子化対策担当)    小宮山洋子君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   文部科学副大臣      高井 美穂君

   内閣府大臣政務官     大串 博志君

   総務大臣政務官      福田 昭夫君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   村木 厚子君

   衆議院調査局社会保障と税の一体改革に関する特別調査室長          佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十四日

 辞任         補欠選任

  江端 貴子君     井戸まさえ君

  田嶋  要君     熊谷 貞俊君

  田村 謙治君     仁木 博文君

  永江 孝子君     奥野総一郎君

  早川久美子君     和嶋 未希君

  室井 秀子君     中屋 大介君

  柚木 道義君     樋口 俊一君

  宮本 岳志君     高橋千鶴子君

  豊田潤多郎君     渡辺 義彦君

同日

 辞任         補欠選任

  井戸まさえ君     江端 貴子君

  奥野総一郎君     永江 孝子君

  熊谷 貞俊君     田嶋  要君

  中屋 大介君     室井 秀子君

  仁木 博文君     小原  舞君

  樋口 俊一君     柚木 道義君

  和嶋 未希君     早川久美子君

  高橋千鶴子君     宮本 岳志君

  渡辺 義彦君     豊田潤多郎君

同日

 辞任         補欠選任

  小原  舞君     本村賢太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  本村賢太郎君     田村 謙治君

    ―――――――――――――

六月十二日

 保育を産業化する子ども・子育て新システムは撤回し、安心して保育・子育てができる制度の実現を求めることに関する請願(中川秀直君紹介)(第一五九五号)

 同(赤澤亮正君紹介)(第一六四六号)

 中小業者の営業を破壊し、景気を悪化させる消費税増税反対に関する請願(穀田恵二君紹介)(第一六二八号)

 同(志位和夫君紹介)(第一七三一号)

 国民生活を破壊する社会保障と税の一体改革と消費税の大増税・共通番号制の中止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一六二九号)

 消費税増税反対、食料品など減税に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一七三二号)

 同(笠井亮君紹介)(第一七三三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一七三四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一七三五号)

 同(志位和夫君紹介)(第一七三六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一七三七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一七三八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一七三九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一七四〇号)

 年金改悪をやめ老後の安心を保障する最低保障年金制度を求めることに関する請願(笠井亮君紹介)(第一七四一号)

同月十四日

 国民生活を破壊する社会保障と税の一体改革と消費税の大増税・共通番号制の中止に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第一八六五号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二〇三七号)

 同(笠井亮君紹介)(第二〇三八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二〇三九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇四〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第二〇四一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇四二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二〇四三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二〇四四号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二〇四五号)

 消費税の増税中止に関する請願(照屋寛徳君紹介)(第一八六六号)

 同(笠井亮君紹介)(第二〇四七号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇四八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二〇四九号)

 消費税増税反対、大企業と高額所得者に応分な税金をかけて、暮らしを守ることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一九八九号)

 人間らしい暮らしを奪う社会保障と税の一体改革と消費税の大増税の中止を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一九九〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第一九九一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一九九二号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一九九三号)

 同(志位和夫君紹介)(第一九九四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一九九五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一九九六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一九九七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一九九八号)

 消費税の増税反対、食料品など減税に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一九九九号)

 同(笠井亮君紹介)(第二〇〇〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二〇〇一号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇〇二号)

 同(志位和夫君紹介)(第二〇〇三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇〇四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二〇〇五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二〇〇六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二〇〇七号)

 子ども・子育て新システムを導入せず保育・幼児教育・子育て支援・学童保育施策の拡充を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二〇〇八号)

 同(笠井亮君紹介)(第二〇〇九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二〇一〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇一一号)

 同(志位和夫君紹介)(第二〇一二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇一三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二〇一四号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二〇一五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二〇一六号)

 中小業者の営業を破壊し、景気を悪化させる消費税増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二〇一七号)

 同(笠井亮君紹介)(第二〇一八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二〇一九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇二〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第二〇二一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇二二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二〇二三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二〇二四号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二〇二五号)

 消費税の増税に反対し、公正な税制実現を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第二〇二六号)

 消費税の増税に反対し、食料品非課税を早急に実施することに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二〇二七号)

 同(笠井亮君紹介)(第二〇二八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二〇二九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二〇三〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第二〇三一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇三二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二〇三三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二〇三四号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二〇三五号)

 社会保障・税一体改革の撤回等に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第二〇三六号)

 保育を産業化する子ども・子育て新システムは撤回し、安心して保育・子育てができる制度の実現を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二〇四六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)

 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七八号)

 子ども・子育て支援法案(内閣提出第七五号)

 総合こども園法案(内閣提出第七六号)

 子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七七号)

 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出第七二号)

 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出第七三号)


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     ――――◇―――――

中野委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法案、総合こども園法案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官村木厚子さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井戸まさえさん。

井戸委員 民主党の井戸まさえでございます。

 私は子供の貧困の問題をテーマに活動しておりますけれども、今回の社会保障と税の一体改革は、まさにその子供たちの育ちと密接に関係がある人生前半の社会保障をどう担保していくのかという重要なテーマが含まれています。

 公聴会も含め既に百時間もの議論を重ねてきたということで、論点も集約しつつあると思います。二十分という限られた時間ですので、私からは、その中で、総合こども園制度について少子化対策担当大臣にお伺いしていきたいと思います。

 私は、五人の子供たちを、あるときは専業主婦で、またあるときは働きながらという立場で、幼稚園、保育園、認可外保育園、ベビーシッターさん、ファミリーサポートセンター、ともかく、それこそありとあらゆる施設を利用して育ててまいりました。三人目のときには、母乳育児を実践したくて、毎日三時間置きに日に四回保育園にも通って、先生方の日々の御努力も間近で見させていただきました。多分、国会議員の中でも、そのバリエーション、そして時間も一番多く、こうした施設に接した、かかわりを持っているのではないかと思っています。

 そうした当事者としての視点からも、一昨日、十二日の公聴会で、公述人の方々の御意見、そして委員の皆様との質疑を聞かせていただきました。その中には重要な指摘が幾つもあったかと思います。

 就任以来三年間で待機児童を八八%減らした横浜市の林公述人からは、子育て環境を取り巻く状況が変わって、両親が働いている場合は保育所、専業主婦の場合は幼稚園を利用するといったすみ分けではもはや保育ニーズには応えられない、あらゆる手段を講じて多様な保育ニーズに応えることが必要として、六つの取り組みを御紹介いただきました。

 一つは認可保育所そのものの定員拡大、二つ目は、株式会社、NPO法人等を活用した多様な保育施設、保育サービスの展開、三つ目が幼稚園の預かり保育、四つ目が、預かり保育を実施している三歳児以上からの幼稚園とゼロ歳児から二歳児までの横浜保育室との連携、五つ目が、保育コンシェルジュを設置して個別の相談にきめ細やかに当たっていくこと、最後は、十八の区長を巻き込んで、また、若手の緊急保育対策課係長というのを任命して、来てくれるのを待つのではなくてお宅にまで行って話してもらう。とにかく、一人一人のニーズに寄り添ったことによって劇的な変化があらわれたとのことです。

 まさに今回の総合こども園は、こうした地域での取り組みの実例も参考にしながら、一方では、今まで進めてきた認定こども園をさらに発展した形で展開するということであると認識をしています。

 私は、自公政権下で発案、推進されてまいりました認定こども園制度が実施された二〇〇六年、兵庫県会議員としてその制度の普及と拡大にかかわらせていただきました。小学校就学前の子供に対する保育そして教育の場として、まさに六十年来悲願であった幼保一元化に向けてのステップでもあり、親が働いているいないにかかわらず利用できる施設という点では画期的な取り組みで、各都道府県はさまざまなインセンティブを提示して認定こども園拡大に努めてきたのです。制度が十分に根づいていないとの御批判もありますけれども、兵庫県では全国二位の数、現在、七十二の認定こども園を持っています。

 認定こども園には、このように非常に評価できる内容もあるんですけれども、一方では課題もあります。時代的ニーズに対して先駆的に取り組んでいくという志のある施設経営者がいない限り、広がりには限界があることも実感してまいりました。

 その課題とは、施設から見れば四類型あり、根拠法あるいは認可権者、設置基準、財政措置、利用者負担が幼稚園部分と保育園部分で別々なので運営しづらいということであり、また保護者側からすると、同じ認定こども園内で同一の教育、保育を受けていても、子供が保育認定を受けているか否かで公的助成、利用者の負担の仕組みが異なっている点も大きな問題だと指摘されてきました。

 以上を踏まえて、総合こども園は認定こども園の発展形として捉えていいかどうか、そして、小渕報告でも指摘されたように、こうした二重行政の解消、財政措置の公平性、今回の総合こども園制度ではどのように解消されているのか、発展した部分も含めてお答えをお願いいたします。

小宮山国務大臣 今、井戸委員からは御自身の体験も踏まえて御質問いただいて、ありがとうございます。

 おっしゃるように、認定こども園は学校教育と保育を幼児のときに一体的に提供するということで、今回私どもが政府案として出しました総合こども園の狙いの先駆的な取り組みだというふうに思っています。平成十八年から始まりまして、現在、九百十一件が認定をされていますけれども、なかなか目標に達していない。その理由としては、小渕報告の中にもありますけれども、二重行政だということや財政支援が少ないということ、それを解消していくことが今回の総合こども園が目指したものであって、その点については各党の、いろいろ、意見の一致も今見つつあるのではないかというふうに思っています。

 今回法案を出している総合こども園は、認定こども園の制度をしっかりと引き継いで、幼稚園、保育所、それぞれの認可や指導監督を一本化しているということ、それから、こども園給付で財政支援を一本化してしっかりと財政支援をすること、また、教育内容について国としての新たな基準、総合こども園保育要領を設けること、幼稚園教諭免許と保育士資格をあわせ持つ保育教諭を置くこと、こうしたことで、質の高い学校教育、保育を提供したいと考えています。

 今修正協議が進んでいますけれども、子供たちのためによい制度をという思いは一致していると思いますので、ぜひ合意が得られるように期待をしています。

井戸委員 まさに修正協議のことを今触れられたんですけれども、先日の公聴会で大日向公述人がここ数日報道されていますこの修正協議に触れまして、胸が潰れそうという表現をなされました。一年半、三十五回にわたって検討されたワーキングチームの委員の皆さんは、それぞれ団体を背負っており、それゆえに立場もあり、長い歴史の中で培われたそれぞれの文化、違い、これを持ちつつも、議論をまとめてこられました。まさに悲願であったこの取り組みがここで頓挫してしまってはならない、そういった必死の思いが伝わってまいりました。

 御努力いただいた関係者のみならず、今まさに小さな子供を抱える世代、これから子供を持ちたいと思う世代、そして、私も含めてですけれども、自分の子供たちがもはや保育園や幼稚園に通う年代は過ぎました親たちも当時どれほどこの制度を望んだか、総合こども園制度に間に合わなかった世代も含めて、この制度への期待は深まっています。ぜひ、成立に向けた、今意気込みを聞かせていただきましたけれども、御努力をなお続けて、私たちも続けていかなければいけないと思っています。

 子供のころ、保育所や幼稚園で過ごした日々というのは、誰もが、人として生きる基礎を培ってくれた場所として懐かしく思い出すことができると思います。私たちは、あの場所で初めて、家庭や隣近所といった限られたコミュニティーから、そこから飛び立って、他者と出会って、そして一定の時間を過ごすということで、社会と触れ合う最初の体験をいたします。

 一方、親となって感じたのは、あの場所は親にとってもとても大事な場所であるということです。特に今、子育て世代の親の生活環境は非常に厳しくて、変化も激しい。職場での悩みを抱えたり、離婚も結婚から十年目までが一番多いという事実を見れば、この時期が、まさに家庭内でのさまざまな壁にぶつかる、出会う時期でもあるということを示していると思います。

 そうした中で、同じように日々頑張る仲間たちに出会って、何があっても大丈夫、一緒に頑張りましょう、私たちが支えるわよと言ってくださる先生たちがいらしたからこそ、どれだけ勇気をもらって頑張れたことか。この時期は、子にとっても親にとっても、かけがえのない貴重な出会いや体験をもたらしてくれます。

 だからこそ、総合こども園は、施設の数だけをふやせばいいというわけではありません。これは公聴会でも指摘されたとおりです。

 一方で、利潤追求を目的にする株式会社の参入が、子供や親に対する権利侵害を引き起こしかねないという心配の声も上がっています。また、株式配当等に対しての懸念も根強いものがあります。

 私自身の体験からいうと、保育所が閉まってしまった後、どうしても夜に抜けられない会合や打ち合わせが入ってしまったとき、自分や子供が病気になったときなど、いざというときに子育てを助けてくれたのは株式会社の保育施設であり、逆に言えば、今まで認可施設が手が届かなかった日の当たらない部分を支えてきてくれたのはそうした施設であったことを考えると、むしろ、保育、教育分野で担ってきた貢献についても、客観的に評価した上で見ていくべきではないかと思っています。しかし、懸念がある以上は説明を尽くす必要もあると思っています。

 トラブル事例等も含め、公立、社会福祉法人での保育園や学校法人での幼稚園と顕著な差があったかも含めて、お答えいただければと思います。

小宮山国務大臣 現在の政府提案では、総合こども園につきまして、株式会社、NPOなどの参入が認められている保育所が、原則として全て総合こども園に移行できるようにするということ、また、待機児の解消のための量的拡大という強い要請、このために、一定の要件を満たした株式会社やNPOなどの参入も認めることにしています。これは児童福祉施設としての性格に基づく総合こども園固有の要請のものなので、小学校以上にそれが適用されるものではないということは再三お答えをしているところです。

 今、保育所では、株式会社立の認可保育所が全国で二百八十八カ所ありまして、今非常に、委員もおっしゃったように、評価されているところも多いというふうに思います。

 一方、総合こども園については、公教育としての継続性、安定性、それから公共性などの確保が必要だということで、参入や撤退の各段階で厳しい規制を課しています。これを厳正に運用することによって、営利追求のために総合こども園の運営ですとか地域の学校教育、保育の提供体制がゆがめられるようなことのない制度設計をしているつもりです。

 ただ、株式会社などの参入については、これまでの審議でもいろいろな御議論をいただいていますので、これも三党間の協議の中でよい方向性を出していただければと思っています。

 それと、もう一言。

 先ほど、公述人のお話がありましたけれども、ずっと皆様に議論をしていただいた、子供たちのために、親の働き方にかかわらず質のよい学校教育、保育をということは、今回、認定こども園法の改正という形でも改正して、そこのネックを取り払って、狙いとしたところとなるべく近づけたいということですので、皆様の期待は裏切らないような合意が得られるというふうに期待をさせていただいています。

井戸委員 今の御答弁を聞いて、とても安心をいたしました。修正協議などでいろいろと報道もされるんですけれども、こうして前に進めていけるという、そうした希望も今伺わせていただきました。

 今のお話、株式会社の話なんですけれども、事業の主体の別だけじゃなくて、質を判断する、低い高いを議論する、もうそうした段階ではなくて、そのこと自体にはもはや意味はなくなっていると、林公述人もこの間おっしゃっていました。

 なぜならば、子供たちにとって一番必要な保育の質というのは、保育者であり先生方です。よりよい保育ができるためには、やはり職場環境、そして研修システムの充実、環境整備が必要です。しかし、今その環境というのは十分とは言えず、むしろ、職員の同一職場内での賃金格差や、そしてもともと低賃金など、さまざまな問題を抱えています。

 こうした中で、公述人の皆様も指摘されていましたけれども、今日、保育人材の確保というのが非常に難しくなっています。処遇の改善も含めて、どのように対応していくのか、お答えをお願いいたします。

小宮山国務大臣 これも審議の中でたびたび議論をさせていただきましたけれども、今本当に収入が少ないので、資格を持ってもなっていない方がたくさんある。それについては、処遇の改善もぜひ、安定的な財源を確保した上で図っていきたいというふうに考えています。

 現在、保育士と幼稚園教諭、両方の免状がありますけれども、七割から八割の方はあわせ持っておいでです。ただ、二、三割はいずれかの一方しか持っていないので、片方だけの資格とか免許を持つ人も、法施行後五年間は保育教諭になれるという経過措置を設けています。このあわせ持つことを推進するために、学校などでの養成課程での単位取得、これまでの勤務経験を評価した、必要単位数を軽減したり、資格認定試験について、勤務経験に配慮した問題の作成を行うなどしたいと思っています。

 また、新規の職員養成についても、片方の免許、資格だけの養成課程を持つ大学などに対して、両方取得できる養成課程に変更していただくように働きかけることによりまして、とにかくいろいろと広げてやりたいと思っているわけですから、そこで当たっていただく人材が一番重要なので、その確保に資することは、あらゆることを努力していきたいというふうに考えています。

井戸委員 今、いろいろ資格のお話もあったんですけれども、人材確保という点で注目したいのが潜在保育士の存在です。資格を持ちながら保育士として働いていない潜在保育士は、全国に約六十万人いらっしゃるというふうに言われています。しかしながら、この保育士の資格を持っていらっしゃる方々は、先ほど御指摘もありましたように、幼稚園教諭の資格を同時に持っているという方が七、八割で、残りは、二割程度、三割程度は片方しか持っていないということは、この総合こども園制度になったならば、幾ら働きたいといっても働けないような状況になります。

 平成十六年度からは登録制度になったんですけれども、ここの六十万人という数もこの登録制度の方々を勘案してなので、実際にはもっと多くの、本当は保育士の資格を持ち、そして今回のこども園でも活躍できるような方々というのが一定数いらっしゃるということがわかっています。

 実は、私も保育士試験を受けたことがあるんです。五月の半ばに締め切って七月に試験があるんですけれども、保育士というのはどうなっていくかというと、先ほどおっしゃったとおりに、そうした養成の課程の学校なんかに通う、三年間で必要な単位を取る、もう一つは、年に一回ある試験を受けて、それでなっていくという両方があるんですね。そうすると、例えば家庭でお子さんたちを育てて、もしかしたらば私にそういった仕事ができるかもしれないといった方々は、学校に通うことではなくて、この一年に一回行われる国家試験の方を通って保育士さんの資格を取っていくということになります。

 ことしも保育士の試験はあるんですけれども、これだけ通っただけではやはり活動ができませんから、こうした、社会で再び働こうと思って、また養成課程を経ずして資格が得られるこの試験も含めて、今後、潜在保育士の活用、そしてこの資格制度についてどのようにお考えかということを、もう一回お伺いしてもよろしいでしょうか。

小宮山国務大臣 今委員が言われたように、保育士資格を持ちながら働いていない潜在保育士、この皆さんの再就職支援をして就労促進をしたいと思っていますし、また、認可外保育施設での勤務経験を受験資格として認めることなどによって、受験機会の増加といった取り組みもしたいというふうに思っています。

 また、なっていただいた方に職場に定着をしていただく必要があるので、そういう意味では、先ほども申し上げました処遇の改善とかキャリアアップにつながるようなことなど、保育の質の改善も、財源をしっかりと恒久的なものを確保して、優先順位をつけながらやっていきたいと思っています。

 そして、先ほどちょっと申し上げたように、片方の資格だけでも五年間は経過措置としてできますので、その間にもう一方も取っていただくようなことも、先ほど答弁をしたような内容でしっかりとフォローしていきたいというふうに考えています。

井戸委員 ありがとうございます。

 総合こども園制度の議論というのをこの国会の中で私も聞かせていただいて、ここまで来るのに本当に大変な思いをされたということ、特に、きのうも池坊先生の質疑なんかも聞きながら、本当に歴史を持って、そして、特に女性の議員たちも含めて超党派で頑張ってこられた、これを何とか実を結べるような結論を出していくように、ともに頑張っていきたいと思います。

 ありがとうございました。

中野委員長 これにて井戸さんの質疑は終了いたしました。

 次に、中屋大介君。

中屋委員 民主党の中屋大介です。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 私からは、社会保障関係で、全般的にわたって幾つか質問させていただきたいと思います。

 まず、全世代対応型の社会保障についてお尋ねします。

 私は今三十四歳なんですけれども、社会保障に関する特に若い世代の不安や無関心の背景には、そもそも若いうちには自分が年老いていくということが想像しにくいということもありますけれども、一方では、自分が公的な社会保障から給付を受けるという状況を想像できないということもあるのではないかと思っています。

 というのは、若者の成長というのは、基本的に、揺りかごの中から始まりまして、保護者から、その次は学校から、少しずつ、次第に自立していくという流れですね。その中で、若者の心の中に、大人になるということは人に頼らず自立していく、自助でやっていくということなんだという思いができていくんじゃないかと思うんです。そのことそのものは、明治時代、明治の先人が、イギリスで刊行された「セルフ・ヘルプ」という本、いろいろな成功した方の逸話を集めた本ですけれども、これを「西国立志編」と訳されて刊行されて、大変なベストセラーになりました。

 このように、まさに自立してやっていくということ自体は、立志、近代国家の根底をなす精神であって、重要ですばらしいものだと思うんですが、一方では、自分がそういった公的社会保障から給付を受けることを想像しないとなると、ともすれば、若い世代にとって、そこにあえてかかわるということを想像できない、また意味を見出せない、その結果、できるだけ負担をせずに、かかわりを深く持たずに生きていきたいという姿勢にもつながりかねないのではないかなと思っています。

 そこで、今回の社会保障と税の一体改革では、消費税を原資とすることで、現役世代だけでなく高齢世代にも広く負担をお願いし、給付にも年金、医療、介護の高齢者三事業に子育て支援を加えることとすると伺っていますが、このように、今回の社会保障改革の理念である全世代対応型の社会保障制度の意味と意義についてお伺いしたいと思います。

小宮山国務大臣 委員と同じ若い世代の皆さんからは、同様の声を私もたくさん伺っています。

 そうした中で、今の社会保障制度、実は日本の社会保障制度はすぐれた制度なので、これを持続可能にしていくということ、若い世代に借金のツケ回しをしないでこれを維持していくということが一つ大きな狙いです。

 おっしゃっていただいたように、今までは、年金、医療、介護の高齢者向けのものが社会保障だと若い方たちも考えていたので、どうも実感がない。それに対して、今回、子育ても加えまして、世代間、世代内、これは給付、負担両面で公平が感じられるような制度にしたいということで、全世代対応型と言っています。

 特に、子育てをしていらっしゃる現役世代に対して、これまで子育てへの支援が日本は非常に少なかったので、子ども・子育て新システムをつくって、いろいろと地域の実情に応じて保育の量的な拡大とか質の改善を図るなど、若い世代にも実感を持っていただき、また、全世代で負担していただく消費税を社会保障の財源にするということで、そういう意味で、給付も負担も、両面から、高齢者の方々にも若い世代の方々にも、負担も給付もちゃんと全世代向けなのだと実感していただけるような制度にぜひしていきたいというふうに考えています。

中屋委員 ありがとうございます。

 続いて、若年者雇用についてお尋ねします。

 若者の雇用を取り巻く環境は、厳しい状況が続いております。高卒の三人に二人、大卒の二人に一人は、就職できなかったり、早期に会社をやめたりしていると言われています。

 平成二十四年の自殺対策白書によれば、大学生など学生生徒の昨年の自殺者数は千二十九人に上り、調査開始以来、初めて一千人を超えました。また、警察庁の統計では、就職失敗による十から二十代の自殺者数は、平成十九年の六十人から、二十三年は百五十人にまで増加したとの報道もあります。

 職を失うあるいは職につけないということの精神的なダメージの大きさというのは改めて言うまでもないことだと思いますが、一方で、近所づき合いが減ったり、周りに同じ世代の子供が少ない中で、集団行動する機会がだんだん少なくなっている環境で生まれ育ってきた現代の若者ならではの苦しさもあるのではないかと感じています。

 就職活動で、あなたはどんな人ですか、自己アピールをしてくださいと問われても、それまでの人生で、日常的に新しい人と出会い、人間関係をつくり、維持していくという経験が少なかった場合には、自分とは何だろう、自分について一体何を言っていいのかわからないとパニックに陥る場合もあると思うんです。社会に出るということ自体のハードルの高さを感じてしまう若者もたくさんいるのではないかと思っています。

 深刻化する若者の雇用状況の改善に向けた取り組みは待ったなしだと考えますが、政府はどのような就労促進を行うことにしているのか、具体的に教えていただきたいと思います。

小宮山国務大臣 委員がおっしゃるように、若い人を取り巻く就職状況というのは非常に厳しい。そうした中で、ハローワークというと、どうも年配の人が行くところだと若い方は皆さん思っていらっしゃる中で、全国に新卒応援ハローワーク、若い人向けのハローワークをつくって、ここはかなり利用していただいています。ここで寄り添っていろいろと、一人一人にきめ細かに就職相談や就職紹介をするジョブサポーターを配置していまして、ことしからは、大学にもこのジョブサポーターに行ってもらうような形をとりたいと思っています。

 そしてまた、フリーターがふえていますけれども、ハローワークで正規雇用に向けた支援を実施したり、また、ニートの皆さんに対しては、今おっしゃったコミュニケーション能力とか精神的なサポートも必要ということで、地域若者サポートステーションで、これは民間の力も得ながら、専門的な相談やコミュニケーション訓練など、就労に向けて幅広い支援をしています。

 さらに、若者雇用戦略という形で、総合的に体系立ったものを雇用戦略対話で取りまとめまして、この実行に向けてまた力を入れていきたいというふうに思っています。

中屋委員 ありがとうございます。

 若い世代が仕事についていくということは本当に大変なんですけれども、年上の人生経験豊富な人から見ると、そんなところでつまずいているのか、そんな小さな石につまずいてしまっているのかということがよくあると思うんですね。ですので、本当に、一人一人にずっとついていく、きめの細かな対策というか対応をしていっていただきたいというふうに思います。

 続いて、短時間労働者への健康保険、厚生年金の適用拡大についてお尋ねします。

 今や、働いている方の多くが非正規雇用となっています。二〇一〇年には千七百五十六万人が非正規雇用のもとで働いていますが、これは、役員を除く全雇用者の三四%になっています。

 このような非正規雇用の方々の多くは、健康保険や厚生年金に加入できていません。公聴会の場でも、公述人の方から、国民年金一号被保険者の職業構成について、従来、国民年金加入者の主なイメージであった自営業並びに家族従業者の方は既に二五%ぐらいにまで減少する一方で、不安定労働者の割合が高まっているという指摘がありました。

 言うまでもないことですが、厚生年金は保険料が労使折半、自己負担は半額ですが、国民年金は、保険料は全額自己負担であって、所得に比例して保険料が変わるということもありません。非正規雇用で働く方々にも社会保障を充実させて、社会保険のセーフティーネット機能を強固にする必要があると考えています。

 今回の法案には、短時間労働者に対する健康保険と厚生年金の適用拡大が盛り込まれており、公聴会の場でも、長年の課題に風穴をあける第一歩との評価がありました。この適用拡大でどのようなメリットがあるのか、具体的にお示しいただきたいと思います。

小宮山国務大臣 短時間労働者への社会保険の適用拡大、これは、被用者でありながら国民年金、国民健康保険に加入している短時間労働者にとって、一つは現在の保険料が軽減をされるということ、そして二つ目には、シングルマザーやフリーターといった国民年金の第一号被保険者の将来の年金保障が手厚くなるということ。今の政府提出の法案ですと、シングルマザーや若年のフリーターの半数ぐらいが含まれるということになります。また、現在、第三号被保険者である人にとっても、将来受け取れる年金額がふえ、また、配偶者の失業ですとか離婚、死別といったリスクに対する備えになる、こうしたメリットがあると考えています。

 さらに、同じ職場で働く人たちに公平なセーフティーネットが用意されるということで、多様な働き方を支える社会保障にすることで、女性を中心とした短時間労働者の就労意欲を促進して、これから労働力人口が減る中で、これは日本全体にとっても役立つことだというふうに思っています。

中屋委員 ありがとうございます。

 では、済みません、質問の順番を変えさせていただきまして、介護サービスの向上についてお尋ねしたいと思います。

 私ごとではございますが、ことし祖父が亡くなりまして、介護が必要になった祖父に対しては、主には同居している祖母が介護をしていたんですが、自分の身に起こってみますと、長年にわたって家族全体を、親族全体を支えてきてくれた大黒柱が日に日に弱っていくというのを目の前で見ながら毎日を過ごしていくということ自体も大変ですし、また、介護そのものの大変さということもありますし、本当に深い思いがいたしました。介護される祖父、また介護する祖母ともに、住みなれた我が家でできるだけ過ごしていこうということでありましたけれども、やはり次第に衰えていくという現実の中では、なかなか老老介護の負担というものも重いなということを日々思いながら見ておりました。

 そして、現在の介護保険制度では、高齢者が住みなれた地域で安心して生活するための地域包括ケアの理念が掲げられていますが、少しなじみが薄い言葉なので、どのようにサービスが今後よくなっていくのかということがわかりにくいように思います。この地域包括ケアを実現することにより介護サービスがどのようによくなるのかということを具体的に教えていただければと思います。

小宮山国務大臣 今お話しいただいたように、いろいろアンケートをとりますと、住みなれた家、またその地域でずっと生涯住み続けたいという方が八割近くいらっしゃるんですね。そうした希望にも沿うように、地域包括ケアシステム、これは、大体人口一万人、中学校区で一つぐらいと考えているんですが、そこで在宅を基本として生活がずっとできるように、医療や介護、予防、住まい、生活支援サービス、これが連携した取り組みができるようにということで、今、そのシステムをつくっているところなんです。

 この四月から、いつまでも元気でいられるように、介護予防のためのリハビリとか機能訓練を重視するということ、また、重度の人でも在宅で暮らせるように、訪問介護と訪問看護が連携した二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスを創設していること、それから、地域の支え合いなども活用した日常生活の支援を進めるということ、高齢者の住まいの確保を図るためのサービスつき高齢者向け住宅の制度化など、制度の見直しをスタートさせたところです。

 今後も、地域での医療、介護の連携ですとか、認知症対策の推進、また、ケアマネジメントのあり方の検討、処遇改善などを通じた介護人材の確保など、こうした改革に順次着実に取り組んでいきたいというふうに考えています。

中屋委員 ありがとうございました。

 最後に介護職員の処遇改善についてちょっと一言触れていただきまして、そのことについて次に質問させていただきたいと思います。

 増加する介護のニーズに対応して、高齢者が将来にわたり安心して介護を受けられるようにするためには、介護人材の確保や質の向上が課題になってくると思います。

 それで、福岡県で働いている私と同じ三十四歳の、介護労働者というか介護の職場で働いている男性に、職場の雰囲気をちょっと教えてくださいよということで言いましたら、返事をいただきましたので、ちょっと紹介したいと思います。

 まず、仕事に関しては、やりがいがあり、すばらしい仕事です。しかしながら、その対価としての報酬が低いのは変わっていません。うちの職場の男性はみんな独身、やはり、結婚を考えると今の仕事でいいのだろうかというのは、みんな持っています。大体五年ぐらい働いていらっしゃる方ですが、私が入社してから数人の男性スタッフが泣く泣くやめましたが、やはり嫁さんを食わせないかぬという理由です。女性は幸い独身はいませんが、独身の方は、子育てをしていくということはここの賃金でできるのかという気持ちがあるかなと思います。

 私が今いる夜勤なしのデイサービスだと、手取りが月に十四万円ぐらい。これは資格を取ってからの金額ですから、資格を持っていないと十三万円かそれに満たない額です。特養などの夜勤ありでも十六万ぐらいで、周りの友達にも話せませんし、彼はそろそろ身を固めようとして婚活パーティーにも行ったりするんですけれども、そういう場でも給与はなかなか伝え切れません。仕事内容は胸を張って誇れるんだけれども、給料は一番聞かれたくないです。絶対に自分からは話さないです。

 利用者さんもこの給料が安いということはテレビなどで御存じで、利用者さんからも、あんたたち、給料低いとやろというふうに心配していただいて聞かれたりします。ところが、そのときに、はい、低いんですよと答えることもできないので、うやむやにしてごまかしている状況です。

 介護職は、独身の間はいいかもしれませんが、将来を考えたとき、泣く泣く業界を去るのは悲しいことだと思います。今後、高齢化率は高くなるのに、介護職がますます足りない状況になることは目に見えています。介護職が足りない、そして在籍しているスタッフに負担が集中する、そして退職するということの繰り返しになってしまっている。

 そういう話が今の現場の状況だということでした。

 さて、こういった介護を担う人材の確保や処遇改善に向けて政府はどのように取り組むのかということをお聞かせください。

小宮山国務大臣 介護職員の処遇改善については、これまでも、平成二十一年度の介護報酬改定や、これはプラス三%ですけれども、処遇改善交付金によって処遇の改善を図りまして、二・四万円、処遇を上げてきています。

 さらに、平成二十四年度の介護報酬改定で、交付金ですと毎年毎年切れていってしまうのでなかなか先が見通せないというお話もございましたので、介護職員の処遇改善の取り組みを継続するため、介護職員処遇改善加算、これを介護報酬の中で設定いたしました。

 また、介護人材の確保に向けて、給与を得て働きながらヘルパーなどの介護資格を取得する介護雇用プログラムによる支援、また、介護福祉士の養成施設の入学者に対する修学資金の貸し付けの充実などを図ってきています。

 これから必ず介護の職員というのは必要になってくるので、その職場環境を整えて、しっかりと就労できる場にしていきたいというふうに考えています。

中屋委員 ありがとうございます。

 地方で、若い世代、特に生まれ育った我が町で暮らしていきたいという希望を持っている人にとっては、やはり介護、福祉の職場というのは有力な選択肢の一つなんですよね。そこが、将来展望がなかなか持てないな、結婚するには毎月幾ら必要だけれども足りないなという思いを持っていると、やはり少子化対策ということ自体も、また結婚自体もなかなか踏み切っていけないということがあると思いますので、どうぞ精力的に取り組んでいただきたいと強く申し上げておきたいと思います。

 それでは最後に、今回のこの社会保障・税一体改革にかける決意についてお尋ねしたいと思います。

 日本は世界でも類を見ないスピードで少子高齢化が進行する一方で、我が国財政は税収が歳出の半分すら賄えていない状況にあります。国民生活を守る社会保障の持続可能性を確保する観点からも、社会保障・税一体改革は絶対にやり遂げなければならない課題であるというふうに思っています。

 総理は、今回の一体改革に政治生命をかけるとたびたびおっしゃっているわけですね。今回の改革をやり遂げることで、安心で希望と誇りが持てる社会の実現につながると私自身も思っています。

 私、最初に国政候補として挑んでいったのは二〇〇五年のときでしたけれども、そのときは岡田副総理のポスターを張りながらみんなで戦っていきましたけれども、やはり民主党そのものも、しっかり政策をやり抜いていくということを夢見てというか、それを実現したいという熱い思いを持って私自身も活動してきましたし、多くの仲間がそう思っていると思います。ここで、一体改革にかける岡田副総理の力強い決意をお伺いしたいと思います。

岡田国務大臣 いろいろ、いい質疑をしていただきまして、ありがとうございました。

 委員御指摘のように、今、我々は歳入の半分以上を借金に頼っている。一般歳出の半分以上は、実は社会保障費であります。この社会保障費をしっかり持続可能にすることは今の世代にとっても必要ですし、同時に、借金でどんどんこんなことをやっていれば、どこかで、これは次の世代に全部負担をかぶせているわけですから、そういうことを早くストップしなければいけない。そういう観点から、今回、消費税五%引き上げと、社会保障の持続可能性あるいは充実ということをお願いしているところでございます。

 委員も最初に御指摘になった子ども・子育ては、その中でも、やはり日本の現状を考えたときに、少子化、あるいは働くことと子育てがきちんと両立できない社会というのは、私は根幹の問題の一つだというふうに思っております。

 そういったことを一体として改革していく社会保障・税一体改革ですから、これは、今の世代のためにも、そしてとりわけ次の世代のために、しっかりとやり遂げていかなければいけない。我々の、与党としての責任だというふうに考えております。

中屋委員 ありがとうございました。

中野委員長 これにて中屋君の質疑は終了いたしました。

 次に、中島正純君。

中島(正)委員 国民新党の中島正純でございます。

 連日、質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。

 本委員会の質疑も最終盤を迎えてまいりました。きのう、おとといと二日間は中央公聴会で、公述人の皆様からさまざまな御意見を拝聴させていただきまして、改めて、有識者の方の中にもいろいろな御意見があるのだなという思いになりまして、つくづく、ここで本当に丁寧にこの一体改革の全容を国民の皆様に説明していく必要があるというふうに感じました。本日も、各大臣には具体的でわかりやすい御答弁をお願いしたいと思います。

 まず一問目に、岡田副総理に御質問をさせていただきたいと思うんです。

 価格転嫁の対策について、消費税の引き上げについて中小企業の皆様のお声をお聞きしますと、取引先の企業、特に大企業との厳しい価格交渉の中で、とても消費税引き上げ分を転嫁することができない、引き上げ分はまけといてよと言われて自分でかぶることになるとの御意見が大多数でございます。

 この転嫁対策については、政府や民主党での検討が進んでいるとは思いますが、実際の消費税率引き上げまでに対策ができればよいというものではありません。法案が審議されている今、中小企業の経営者の皆様の不安を拭い去らないといけないと私は思います。

 転嫁を拒んだ企業に対してどのような罰則を科すのか、また、それを訴える仕組みをどう構築していくのか、岡田担当大臣に具体的な対策をお聞きしたいと思います。

岡田国務大臣 消費税引き上げに当たって、その消費税分がきちんと最終価格に転嫁されるということは極めて重要なことであります。

 もしそういったことができない、例えば、取引上優越した地位にある事業者が税率引き上げ後に消費税分の支払いを理由なく拒んだりすれば、優越的地位の濫用に該当いたします。その場合に、独禁法と下請法の問題になるわけで、独禁法に違反した場合には、排除措置を命じるとともに課徴金の納付を命じることになります。下請代金の不当な減額など下請法に違反した場合には、減額分を支払うように勧告、公表することとしております。

 そういった既存の法律はございます。しかし、今回、二段階で引き上げをするということ、それから五%という高い引き上げ率だということで、従来の消費税導入時あるいは税率引き上げ時と比べてプラスアルファの、より強力な対策が必要であるというふうに考えているところでございます。

 そのため、政府としては、第一に、優越的地位の濫用に関する監視、取り締まりについて、親事業者及び下請事業者などに対する特別調査を、消費税導入時、引き上げ時を大幅に上回る規模で実施するということにしております。

 第二に、積極的に独禁法、下請法上の違反行為などの情報収集、調査を確実に実施するための、時限的ではありますけれども、人員の大幅な拡大などの体制整備を図ることとしております。

 そして第三に、それぞれの所管業種について、独禁法及び下請法に違反すると思われる事例に接した場合における公正取引委員会への通報窓口を関係省庁に設置するということにしております。

 こういった措置によって中小零細企業の声を拾い上げ、関係省庁が一体となって、違反行為に対し厳正に対処する体制を構築してまいりたいと考えております。

中島(正)委員 ありがとうございます。

 今、一生懸命、政府の中でこの転嫁問題対策についていろいろ全力で取り組んでいただいているとは思うんですが、私はスピード感だと思います。中小零細企業の皆様が、これがあるから消費増税に反対なんだという方もおられると思います。ですから、一日も早く中小零細企業の皆様が安心していただけるようなシステムを構築していただきたいというふうに思います。

 それでは、続きまして、安住大臣にお伺いをいたします。

 消費税の使途については、年金、医療、介護、子ども・子育て、この四経費に限定した目的税にするということで、これまでも繰り返し質疑が行われてまいりました。

 しかしながら、まだまだ国民の皆様の中には、借金の返済に回してしまうのではないかとか、ほかの予算につけかえられるのではないかというような疑念があるようです。ここでしっかりと、消費税の使途について、社会保障四経費に使われるのだということを、数字を示しながら御説明をお願いできますでしょうか。

安住国務大臣 二〇一二年度におきましては、社会保障四経費は、国、地方合わせて、まず年金が九・一兆、それから医療が十四・三兆円、介護が四・九兆円、少子化が三・二兆円となっておりまして、合計で三十一・五兆かかっております。これで、現時点での地方消費税を除く消費税収四%分の金額が十・四兆円でございまして、社会保障四経費に充てたとしても、その差額というのは二十一・一兆円足りないということになります。

 一方、今回、消費税を五%引き上げをさせていただいたときでございますけれども、社会保障四経費は、社会保障の自然増、毎年高齢化等に伴ってどんどんふえてまいりますので、それと、社会保障・税一体改革による社会保障の充実、それから基礎年金国庫負担二分の一への引き上げ等を含めますと、合計で四十一・三兆円程度と見込まれております。現行の地方消費税を除く消費税収九%分の金額が二十四・三兆でございますので、その差はまだ十七兆近くあると見込まれております。

 消費税引き上げに伴う増収分は、今委員からも御指摘のとおり、社会保障の充実と社会保障の安定化に向けられ、全て、国民の皆さんから一度お預かりしたものを国民の皆さんに還元するとしておりまして、消費税収の充当対象経費を、御指摘のとおり、社会保障四経費に拡大する旨を今回消費税法に規定することにしております。

 数字の面からも私は今御説明させていただきましたが、消費税増税分も含め、消費税収九%分が全て社会保障財源化されることはこれでわかっていただけるというふうに思っております。

中島(正)委員 ありがとうございます。

 これで日本の国民の皆様も、消費増税分は社会保障にきっちりと使っていただけるということがわかっていただけたと思います。ありがとうございます。

 もう一問、安住大臣にお伺いいたします。

 現在、世界の経済は大変危機の状況にあります。来週はギリシャの再選挙があり、世界じゅうが固唾をのんで見守っております。アメリカの大統領選挙、また中国の指導者の交代があるなど、この不安定な政治情勢の中、日本においても、先日の格付機関のレポートにもありましたが、市場は、日本の増税余力を認めながらも、増税能力に疑問を呈しておりまして、この消費税法案の行く末を注目しております。

 消費税率が引き上げられることによって日本国債の信用度にどのような影響があるとお考えなのか、安住大臣の御見解をお願いいたします。

安住国務大臣 御指摘のとおりだと思います。

 我が国財政というのは、ストックで見ますと、平成二十四年度末に国、地方の長期債務残高対GDP比が一九六%に達する、これはもう世界の中でも極めて高いわけでありまして、そういう点では、一たび金利がもし上昇すれば、利払い費の増加等が国民生活に大きく影響を与えることになると思います。

 また、フローで見ましても、平成二十四年度の一般会計を見ても、社会保障費の自然増は毎年一兆円規模で生じていること及び債務残高の累増に伴う国債費の増加や税収の減少も相まって、残念ながら、歳出の半分も税収で賄えていない状況でございます。

 こうした厳しい財政状況のもとで市場の信認を確保していくためには、財政再建に対するしっかりとした姿勢を示していく必要がありますので、消費税率の引き上げを含む社会保障・税一体改革を着実に進めさせていただいて、我が国の国債の信認の維持につながるようにしていきたいと私も考えております。

中島(正)委員 安住大臣、ありがとうございました。

 それでは、これからは小宮山大臣にお伺いしたいと思います。

 低年金、無年金対策の必要性は与野党問わずの共通の認識になっていることと思います。低年金、無年金問題は、低所得の高齢者をどうするかということであり、生活保護など年金制度の枠外で対応すべきとの意見もありますが、今回の低所得者への年金額の加算は、年金制度内における福祉的措置とされております。

 こうした説明は国民にとって少しわかりにくいのではないかと思いますが、社会保険である年金制度の中で福祉的措置とはどのような意味なのか、なぜ年金制度の中で行う必要があるのか、年金制度の枠外の福祉措置との違いも含めて、御説明を願えますでしょうか。

小宮山国務大臣 年金機能強化法案で提案をしている低所得者等への年金額の加算は、保険料の納付記録に基づかない税財源による給付を一定の低所得者等を対象として行うので、福祉的な加算という説明をさせていただいています。

 そして、高齢期の所得保障の中心である公的年金に対して加算をする措置であることから、福祉的な加算ということですけれども、年金制度の枠内に位置づけて実施をすることで提案しています。このことについてもあり方を今協議をしていただいていますので、よい結論が得られればというふうに思います。

中島(正)委員 今回の低所得者への年金額の加算や高所得者の年金額の調整は、年金制度内の所得再分配の観点からも意義がある措置だと考えております。

 現在でも複雑と言われているこの年金制度が、より一層複雑になってしまうのではないかという懸念があります。自分が将来幾ら年金をもらえるのかよくわからなくなりますし、人によっては毎年年金が変わるかもしれません。こうした状況がかえって年金不信を招くことになってしまったら、本末転倒であります。

 これらの制度の導入によって、年金を受給する際に混乱が生じないよう、制度の意義や仕組みを国民にわかりやすく、十分に周知していただく必要があると思いますが、小宮山大臣、どのような対策を考えておられるのでしょうか。

小宮山国務大臣 委員がおっしゃるように、もともと、年金制度自体がわかりやすく説明するのがなかなか難しい中での制度改正ということですので、周知とか広報は大変重要だと思っています。

 政府広報ですとか、厚生労働省、日本年金機構のホームページを活用して、制度改正の趣旨、内容をよく周知をするとともに、年金事務所などの窓口に周知用のチラシなどを備えつける、こうしたことでしっかり取り組みたいと思っています。

 また、年金受給者には、個別に年金額のお知らせをする機会に制度の周知もあわせて図っていきたいと考えています。

中島(正)委員 ありがとうございます。

 それでは、もう一問、小宮山大臣にお伺いしたいんですが、小宮山大臣は、新システムを実施した場合、結婚し子供を持ちたいという国民の希望がかない、その結果として、出生率が上がり、少子化対策にも貢献することになるという答弁をされております。

 新システムの意義については私も理解しておりますが、若者世代が、経済的理由から結婚することが難しい、子供を持つことが難しいと考えている現在においては、生まれた子供やその親に対する支援である新システムに加えて、さらなる若者の雇用の安定や経済状況の改善を図り、結婚や子供を持つこと自体を容易にしていくことも、新システムと一体的に考えていく必要があるのではないかというふうに思います。

 こうした少子化対策の方向について、小宮山大臣のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

小宮山国務大臣 委員がおっしゃったように、結婚、出産、こうしたことを諦めてしまわなければならない今の若者が置かれた状況、その背景としましては、一つは、若者の雇用など、将来の生活への不安感があります。また、核家族化や地域のつながりの希薄化などによって家庭での養育力が低下をしているということ、子育て中の孤立感、負担感が大きいということ、また、家庭生活との両立が困難な職場のあり方という問題、また、結婚や家族に関する意識が変化しているなど、いろいろな要因が絡んでいるというふうに思います。

 政府としましては、子ども・子育てビジョンに基づいて、一つは、今提出をしている子ども・子育て関連三法案を実現するということ、また、若者の自立した生活と就労に向けたジョブサポーターなどによる支援など、また、男性も女性も仕事と生活が調和をするワーク・ライフ・バランスが実現する社会の実現、そのためにパパ・ママ育休プラス、こうしたものの周知も図っていきたいと思っていますし、バランスがとれた総合的な子育て支援策を進めていくことが必要だと考えています。

中島(正)委員 ありがとうございます。

 それでは、引き続いて、新しい働き方の方向性についてお聞きしたいと思うんですが、小宮山大臣は、九割の女性が本当は働きたいと考えており、そのニーズに応じた保育サービスなどの子育て支援が必要であるというふうに答弁をされております。

 男性、女性ともに働き、子育てをしている国の例としてよく引き合いに出されるスウェーデンでは、大半の働く人々の帰宅時間は午後四時から六時ごろと聞いております。働くお父さん、お母さんは、ともに家に帰って家事をして、子供と向き合う時間があるわけです。

 我が国でも、子育てを誰がどのように担っていくのか、働き方をどのように見直したらよいのか、そのために真に実効性のある制度をどうつくるのかを考える必要があると思います。こうした取り組みをどう進めていくのか、小宮山大臣のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。

小宮山国務大臣 女性も男性も、その能力を発揮して働きたいと思う人が働けて、そして子育てもきちんとできる、介護もできる、そのようなためには、やはり働き方を含めた社会のあり方、意識、これを変えていかなければいけないと思っています。

 具体的に、今厚生労働省としては、短時間勤務制度の義務化ですとか、男性の育児休業取得促進のための制度、パパ・ママ育休プラスの導入などを盛り込みました改正育児・介護休業法の周知徹底を図っているということが一つ。また、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定、認定の一層の促進、また好事例の普及など、両立支援制度を利用しやすい雇用環境を整備する企業の取り組みを進めていく。とりやすい環境がないと、制度だけあってもなかなかとれないという実態があるというふうに思います。また、イクメンプロジェクトの推進など、夫婦で協力して子育てをする社会的な機運をつくっていくこと、こうしたことに取り組んでいます。

 とにかく、最初に申し上げたように、希望どおり働けて、そして子育てもできるということは、それぞれの人にとっても、これからの日本の社会のあり方としても大変重要だと思っていますので、可能な限りのいろいろな取り組みをしていきたいというふうに考えています。

中島(正)委員 ありがとうございます。

 時間も迫ってまいりましたので、最後に一問、岡田副総理にお伺いしたいと思います。

 現在、与野党間では、子ども・子育て関連法案をめぐって修正の動きが出ております。今回の子ども・子育て新システムについては、賛否両論、さまざまな御意見があることは承知しております。しかしながら、今子供を預けて働く必要のある方、家庭で子育てをしている方、その全ての子供たちに必要とされる支援の制度を整えることが不可欠であります。

 今回の修正によって、政府が掲げた目標を後退させることがあってはならないと考えますが、この点について岡田副総理の御見解をお願いいたします。

岡田国務大臣 そこは委員御指摘のとおりであります。

 我々、総合こども園ということで御提案をさせていただいておりますが、これは、従来お考えいただいていた、今現在あります認定こども園のいわば延長線上にあるというものであります。

 認定こども園がなかなか広がらないことの理由として、やはり、省庁の縦割りの問題、それから財政が弱いという問題がございます。だから、そういうところをしっかり手当てして、そして、大事なことはやはり子供の視点に立つということでありますので、具体的に、最終的にどういう形、名前になるかということは別にして、重要なことは内容で、今申し上げたようなことがしっかり実現するような、子供の立場に立った改革を前進させたいというふうに考えているところでございます。

中島(正)委員 ありがとうございました。

 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

中野委員長 これにて中島君の質疑は終了いたしました。

 次に、石田真敏君。

石田(真)委員 自由民主党の石田真敏でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 いよいよ、約束の日、あすになってまいりまして、大詰めを迎えているわけでございます。

 岡田副総理に何点か御質問をさせていただきたいと思うんですが、まず、総理は、この国会でも、十五日までに三党による協議を調えて、二十一日に採決をする、そして今国会中に成立させる、これは繰り返し答弁されていると思いますけれども、この野田内閣の方針にお変わりはないかどうか、お伺いいたします。

岡田国務大臣 野田総理が従来言われていることについては、全く変わりはございません。

 そして、あすが十五日でありますので、何とか各党の御協力をいただいて、今行われている各党間の協議をまとめなければいけない、非常に大事な局面だというふうに考えております。

 社会保障と税の一体改革、国民の立場に立って、それぞれの主張があるのはそのとおりですけれども、お互い譲り合って、特に我々は与党ですから、与党はお願いする立場、そのことも十分自覚をしながら成案を得たいというふうに考えております。

石田(真)委員 あすまでに協議を調える、そして二十一日までに採決を行う、そして今国会中に成立を期す、そういうことに変わりはないということを確認させていただきました。

 それで、今国会中に成立を期すということになると、これは参議院の審議もあるわけですね。衆議院は二十一日まででいいと思いますけれども、参議院もあるわけです。そうしますと、会期の延長ということが当然議論になってこないといけないんですが、きのう野田総理は、参議院の予算委員会の答弁で、厳しい日程と受けとめていると。これは非常にのんきな答弁ですよね。厳しいどころじゃなしに、実質的に参議院で審議できないですよ、今のままでは。では、本気で成立をさせる気があるんですかということになってくると私は思います。政治生命をかけていると言う割には、そんなのんきな答弁では通らないわけです。

 そして、けさもちょっと国対に確認をしましたら、まだ民主党から会期延長についてのお話がないということなんですが、一体どうされるおつもりなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

岡田国務大臣 昨日は参議院の予算委員会で、委員御指摘のように、この問題が議論されました。

 総理としては、最初に委員が言われた日程感というのがありますので、まずその日程感に沿ってしっかりとやり遂げるということが最優先であると。その上で、必要に応じて、会期の延長の問題について、これは国対委員長間で話し合ってもらいたいということで、何か、のんきというよりは、決めた日程どおりにしっかり進めなきゃいけない、それが最優先であるという決意をあらわしたものだと私は受けとめております。

石田(真)委員 しかし、今までの通例でいいますと、例えば一週間とか十日前に野党側に対して、大体このぐらいの国会の会期延長をお願いしたいんだ、どうかという下相談ぐらいはあるのが通例だし、これは常識だと私は思いますよ。それを、きょうは木曜日ですね、あしたは金曜日、そして週が明けたらもう本当に時間がないわけですね。こんな状況の中で、まだいまだに国対レベルでお話がないというのは、非常に野党に対して失礼だなというふうに思います。

 そして……(発言する者あり)伊吹筆頭からは、そんなに心配することないじゃないかということですが、その点は、与党が長かったという弊害が出ているのかもわかりません。

 さて、その野党に対して失礼ということで申し上げますと、もう一点あるんですよ。

 この期に及んで、ここ数日、民主党の平場の、テレビに出ていますよね。増税はまとまるんですか。修正協議のことはできるんですか、党内で。これはまことに、協議をやっている我々野党にとって失礼なんですよ。一方で議論をお願いしておいて、そして一方で、中で、本当にまとまるかどうかわからないという状況じゃないですか。

 私は、政府・与党という言葉が民主党政権になって死語になったとミニ集会とかで言っているんですよ。政府・与党というのは、本当は、一体となって、そして自分らがつくった法案とか予算案を国会で通していく、そういうことですよね。それができないんだったら、私から言わせれば、それは政権を運営する体をなしていないということなんですよ。もしこのことができないということであれば、私は、もうこれ以上政権を担うことは、そんな政権を運営する体をなしていない政党が政権を担うということは、日本の不幸だというふうに思います。

 ですから、一日も早く政権を離れられるべきだというふうに私は思うんですけれども、そのことに対する御所見と、そして今回の税と社会保障の一体改革を進められる決意について、改めてお伺いいたします。

岡田国務大臣 今日まで党内手続はきちんと進めてきております。そして、党の中で議論をして、閣議決定して法案を国会に、七法案出させていただいているわけであります。

 ただ、今、御党を含めて各党協議、なかなか厳しい御意見もいただいておりますので、今まで閣議決定した法案の修正ということにも及ぶようなことに当然なるわけで、そうであれば、やはり党の中で再度そのことについて議論するというのは、これはある意味で当然のことであるというふうに思っております。

 昨日、一昨日の党内の議論、これは経過の報告をして質疑を受けたということですが、私、直接出ていったわけではありませんが、そこでのやりとりなどをそれなりに、私なりに把握をしているつもりですが、割と、そう激しくなくやりとりが行われているな、年末などと比べればいい議論が行われているなというふうに私は認識をしております。(発言する者あり)

 いずれにしても、最終的に各党間で合意がなされたときにそれをしっかりまとめていくというのは当然のことでありまして、それが何か、党に持ち帰ったらそのことがひっくり返るとか、そういうことは、これは党としては、政権与党としてはあり得ないことでありまして、それはしっかりまとめていくということは申し上げておきたいと思います。

石田(真)委員 民主党席からも、そんな生易しい議論じゃなかった旨の御発言がありました。やはりちょっと、先ほどの野田総理の答弁といい、のんき過ぎるんじゃないですかね。もう少しきちっとやっていただかないと、これは大変なことになりますよ。そのことを申し上げておきたいと思います。

 時間が三十分しかありませんので、確認を含めて幾つかの問題について御質問をさせていただきたいと思います。時間が限られているので、端的にお答えをいただきたいと思います。

 皆さんの手元に資料をお配りさせていただいております。資料の一を見ていただきたいんですけれども、地方消費税についてなんですが、この左側の「現行」ということで、今、消費税五%のうちで、四%消費税、それから地方消費税一%。地方分は合計で二・一八となっていますね。それで、一〇%に引き上げられた場合は一番右端でありまして、地方分の合計が三・七二%になっているわけです。

 しかし、普通、現行どおりいきますと、二・一八%の二倍、つまり四・三六というのが、今までの方式でいけばそうなるはずなんですが、今回はそういうふうになっていないんですね。なぜこういうふうに、現行制度とは違う方式で今回こういう案をつくられたのか、お答えをいただきたいと思います。

川端国務大臣 お答えいたします。

 委員の資料で二枚目につけていただいている経過は、配付していただいたのでありがたいんですが、一番初めに、昭和六十三年に……(石田(真)委員「それは次に質問します」と呼ぶ)そうですか。できた経過も含めまして、それぞれに、現行のときには、平成六年でありまして、この五%分のうちの二・一八%配分するというときには、考え方として、全体としての増減収額が同額という税制改革の基本方針がありました。増減税同額。

 したがいまして、その時期まで、その以前までありました消費譲与税の廃止と個人住民税の減税に対応して、その減った分を地方消費税の創設という一%で手当てすると同時に、所得税の減税による交付税の減等に対応して、消費税に係る交付税率を引き上げて一・一%手当てするということで、消費譲与税をやめることと所得税の減税による交付税額の減額をそれぞれで手当てするということで、一%と一・一%、手当てをいたしました。

 今回、五%消費税を上げる分は、いわゆる社会保障に係る安定財源確保に資するということで、国と地方で負担する。そして、その負担割合は、社会保障四経費にのっとった範囲の部分の国、地方の役割に応じて配分するということでいたしましたので、今回の配分の社会保障に係る四経費にのっとる部分に係る部分の国と地方の役割で配分したという配分方式と、前回、現行ですが、現行で地方の部分に割り当てる分とは全く考え方が違うことでありますので、前のままの二倍になるということにはならない結果となった次第でございます。

石田(真)委員 資料二をごらんいただきたいと思います。

 今大臣が御説明いただきましたが、そのとおりなんですね。

 やはり地方消費税というのは、それなりの今までの経緯、歴史があって今日になっているわけですが、今の大臣の答弁もそうですけれども、今回の議論の中で、私は、地方消費税、明確に位置づけがなされなかったと思います。

 これは、先日、坂本議員も質問をされたわけですけれども、そのときに、この地方消費税は、消費税のうちの地方分について、この議論の中で最初はカウントされていなかった、そこからスタートしたというような話があったわけであります。ところが、地方は、地方税体系を構築していく上で、やはり、偏在性が小さい、そして安定性があるということで、地方消費税を中心にということは絶えず言っておられるわけですよ。

 そういう中で、今回の議論の中で、地方消費税についての位置づけが当初なされなかった、そして、最終的にも、ちょっと理解のしにくいような形であったということについては、私はまことに遺憾であるというふうに思うわけであります。

 今後のこともございます。この地方消費税についてどういう位置づけを考えておられるのか、総務大臣とそれから財務大臣、お二人にお聞かせをいただきたいと思います。

川端国務大臣 今委員御指摘のように、地方消費税、消費税全体でありますが、特に地方消費税という観点からいいますと、景気の動向には左右されにくい非常に安定的な財源であると同時に、地方の基幹税の中でも最も税源の偏在性が小さいということでありますので、地方税の体系の構築の部分では……(石田(真)委員「短く」と呼ぶ)はい。非常に、極めて重要な基幹税目だというふうに考えております。

 税収も、二・六兆円、今回、増税が、最終的にお認めいただきますと五・九兆円という、額的にも大きな要素を占めておりますので、税収確保からも極めて重要な税目と位置づけて考えていきたいと思っております。

安住国務大臣 基本的には総務大臣と認識は一緒でございますが、今回は、今総務大臣から御説明ありましたように、社会保障の財源化ということが主でございます。そうした中から配分割合を決めさせていただいて、今総務大臣からの御説明にもありましたような数字になりましたが、地方消費税全体についての認識については、やはり財政の健全化を、これは国も大事ですが、地方もやはり非常に厳しい中でやって頑張っておられることは私も十分認識しておりますので、常に意見交換をしながら、そうはいっても、先生、国にも余り余裕がないことは、財務副大臣としてもう十分先生も御存じだと思いますので、バランスのいいやり方で、地方と話し合いをしながら、それぞれに納得するような財源のあり方をこれからも模索していきたいと思っております。

石田(真)委員 私は、やはり消費税と地方消費税というのは基本的に違うんだと思いますね。名前は同じようですから、何か一体の中でとり合いをするみたいにイメージされますけれども、本来、位置づけは違うんじゃないかな、また、そういうふうにすべきでないかなと思います。

 資料三をごらんいただきたいんですが、これは附則百四条です。第三項三号で消費税について書いています。それで、次に、下の第三項の第七号について、これは、地方税制の中で地方消費税の扱いを書いているんですね。

 実は、去年の十二月二十六日、今回の国と地方の協議の場で、大変もめました。そのときに都道府県の山田全国知事会長が言われたのは、まさしくこれなんですね。

 知事が言われたのは、概略を申し上げますと、消費税は、附則第百四条第三項第三号で、「制度として確立された」と書いてある、そして、地方消費税は附則第百四条第三項第七号であって、消費税と書き分けている、こういうふうに主張されたんですよ。だから、一体の中で議論するのはおかしいということを言われたわけでありまして、このあたり、私は、消費税と地方消費税というのは違うものだと。できれば、名前はあれですけれども、やはりきちっと分離するものではないかな、私はそんなことを思うわけであります。

 そんな中で、懸念としてあるのは、今回は、切り分けることなしに、その一つの中で社会保障対策、つまり、消費税それから地方消費税を一体のものとして社会保障対策ということでやりました。ですから、数字的に見ても、本当に計算式まできちっとチェックしないと、何でこんな数字になっているのかわからないような今回の決め方であったわけであります。そういう意味で、懸念として残ります。

 今後増税をされる、今回は今回で、これで私はある程度やむを得ないと思いますけれども、今後増税なんかがあった場合に、では、消費税と地方消費税はどんな扱いになるのか、今回と同じような扱いにするのかどうか、その辺についてお聞かせをいただきたいと思います。

川端国務大臣 附則の三号と七号で書き分けているのは御指摘のとおりでありまして、それに基づいて、四経費にのっとるということの周辺事業経費も入れるという部分の議論を、ここを根拠にさせていただいたという経過でありますので、我々としても、この違いがあることはしっかり認識して取り組んでおります。

 その中で、これからの消費税増税がどういう考え方の背景の中でどういう時期に行われるかは、まだわかりませんし、あるかないかも含めてわかりませんが、そういう議論が起こったときには、国民への御負担をお願いする背景によって、その趣旨に基づいて、国の中で、そして地方も含めてこの配分が議論されて決定されていくというふうになるものだと思います。

 今回は社会保障の充実でありましたけれども、次にいずれかの時期にあるとすれば、そのときの背景によって違うというふうに思っております。

石田(真)委員 それで、地方消費税、それから地方交付税、これは、本来、使途制限はかからないんですよね。これはかけないということになっているわけですけれども、今回、それをかけたわけであります。

 こういうやり方というのは今回限りなのか、今後もそういうことをやっていかれるのか。私は、今回限りにすべきで、今もお話ありましたけれども、地方交付税もあるいは地方消費税も、やはり本来、地方自治体がその裁量の中で使えるようにすべきだというふうに思いますが、今回限りの措置であるのかどうか。私はそうであってはいけないと思いますけれども、大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。

川端国務大臣 基本的には、地方の財源を地方が安定的に運営するという部分では、使途を制限しない形で地方税の充実を図るというのは基本だというふうに思っております。

 そういうことであるべきだというのは地方団体からも再三にわたって意見を述べられておりますが、今回は社会保障の安定財源、充実強化ということで、使途は一定の方向で縛りをかけるということは地方の皆さんも御理解いただきましたのでやらせていただきましたけれども、これからの部分では、再引き上げが行われるかどうかということは予断を持って申し上げることはできませんが、仮にそういう事態になったときには、またそのときの、先ほどと同じことになりますが、そのときの背景によって、地方側の意見を聞きながらしっかりと議論をして、使途を制限するのかしないのかも含めた議論はそのときにされるものであって、今回のことが踏襲されるということではありません。

石田(真)委員 それでは、今回は前例にならないということの理解でいいということでございますね。

 もう一点、消費税法改正案の第七条チに、「消費税及び地方消費税の賦課徴収に関する地方公共団体の役割を拡大するため」云々、こういう規定がございます。それで、地方消費税等の申告を行うことを可能にする制度の導入等について検討するというふうにあるわけでありますけれども、これは現状で何か問題があるのかということと、それから、そういうことをあえて検討課題にした理由、そのことについてお聞かせをいただきたいと思います。

川端国務大臣 これはそもそも論みたいなことで、原理原則で申し上げると、地方税は地方の自主的な財源ですから、地方の皆さんがみずから徴収をしていただいて、そして、使い道を含めて住民等の一番近い距離でやるというのが大原則であるというときに、税目としては地方税と地方消費税と二つに分かれておりますけれども、お支払いされるのは消費税としてお支払いされるということで、実は、地方が集める分を国にお願いして集めていただいて配分をするという形になっているのは本来からすると違うのではないかという議論が国会の中でもされてまいりました。しかし、払う側の利便性からいったら、それはまとめて払った方がいいということがありました。

 そういう中で、現に今、地方団体が納税相談所というのを機会をつくって申告時期にやっているときに、消費税の御相談等、事業者も含めてあったときには、それは形としては国税の話でありますけれども、御相談に乗ると同時に、申告書の収受、申告書の取り次ぎですね、受け取ってやるというお手伝いをさせていただいて、これは一定の評価を得ているので、こういうことを踏まえていろいろな、総務省で研究会をつくりまして、その中で、そういう別に法的に変える必要のない現行のサービスを含めた、そういうことはより充実していこうということと同時に、地方団体における体制の整備状況を見ながら、消費税を含む税制の抜本的な改革を行う時期をめどに、申告を地方団体に対して行う、今、収受で取り次ぎだけなんですが、もうそこで受け取ったら納税が完結するというふうなこともできないのだろうかという検討をしていこうということが背景として、書かせていただいたことでございます。

石田(真)委員 その議論はあると思います。ただし、私は、課税自主権というのは、地方自治体が税率を決めたり、あるいは課税ベース、そういう決定権があるかどうかであって、徴収云々というのは即結びつかない。その中では、私は効率的なことということもやはり考えていくべきではないかなと思います。

 私も市長をさせていただきましたけれども、国民年金の徴収が社会保険庁になったときには地方自治体は喜びましたよ。そのかわり、徴収率は物すごく悪くなりましたね。だから、そういうこともあるわけですから、やはりそういう意味をじっくり考えて、課税の権利がどうだこうだだけではなしに、一方できっちり考えることも必要ではないかなと思います。そういう意味で、何か今の現行で不首尾があるのかなというふうに思って、確認の質問をさせていただいたということであります。

 それでは次に、負担と給付について少し、残された時間はわずかですが、お聞かせをいただきたいと思います。

 まず、今回の改革は、増税は明確だけれども社会保障についてはほとんど先送りだ、そういう指摘がなされているわけであります。それを裏返せば、今回の改革では、国民の皆さんが納得できるような、持続可能な安心できる社会保障制度にはなっていないということですね。

 そこでお伺いをしたいんですが、政府が考えている国民の皆さんが安心する持続可能な社会保障制度というのはあると思うんですよ。それとの比較でいうと、今回の案では何が足りないのか、そのことについてお聞かせいただきたいと思います。

小宮山国務大臣 今回の大綱では、子ども・子育て、医療、介護、年金など、社会保障の全般にわたりまして、改革の項目、実施時期、手法などを含めて全体像をお示ししていると思っています。あわせまして、社会保障改革の工程表を三月三十日に閣議決定をしています。

 特に、税制改正と関連が深い年金機能強化法案、そして子ども・子育て新システム関連の三法案は、税法とともにこの委員会で御審議をいただいているところです。

 一方、今後検討の必要なものについては、例えば医療サービスの提供体制、これは、関係者の意見を聞きながら、できるだけ早急に提出できるようにということで今検討をしております。また介護については、税制抜本改革との同時実施に向けて、制度化に当たっての総報酬割などの課題について今検討しています。それから、新しい年金制度の創設は今民主党で具体的な制度設計を検討中ですし、後期高齢者医療制度の見直しについては、今、地方団体を初めとする関係者の理解を得るための検討、調整中ということです。

 こうした法案は、大綱とか工程表に従いまして、順次提出できるように引き続き努力をしていきます。また、御審議いただいている七法案と、それから中長期的なことも今御協議をいただいているので、合意が得られることを期待したいと思っています。

石田(真)委員 今お話をいただきましたけれども、国民の皆さん、全員とは言いませんけれども、誤解されていますよね。今回消費税が上がれば、そういう問題は解決されるんじゃないかなと思っていると思われるんですよ。

 それで、持続可能性ということになると、今言われたように、まだまだこれからやることはあるんです、安心するためには。そうなってくると、負担というのは当然今後もお願いをしていかなければならないということになると思いますけれども、これは負担と給付の関係ですから、一方、負担について、これからどのくらいお願いをしていかなければいけないのか、あるいは、国民として負担できる可能限度額、そのあたりについてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

岡田国務大臣 これは、今回消費税五%引き上げをお願いし、実現した後の展望ということになると思います。

 それはやはり、財政がどうなるか、どうするかということとの裏腹の問題で、一つは、経済成長がどの程度実現できるかによって税収はかなり変わるということであります。それから行革、これを何としてでもさらに進めていかなければならない。

 そういったことをやっても、それでも財源が足らない、そういう中で消費税あるいは所得税、その他の税のさらなる増税ということが考えられるわけですが、今、何%とかそういった議論は、私は少し早いというふうに思います。経済成長や行革の進展ぐあいを見ながら、それでも足らざる部分について増税をお願いする、そういう一般的なことにとどめておくべきではないか、なるべくそういった増税に頼らない部分というのをどれだけ実現できるかにかかっているというふうに思っております。

石田(真)委員 それはそれでいいんですが、一方、給付について、今回はやはりちょっと切り込み不足といいますか、もうちょっと給付の方、削減すべきことをきちっと明確にした方がよかったのではないかなと私は思うんですね。

 それで、今後、負担がある一定までということであれば、給付はどんどん負担を超えていく、これはあり得ないわけですね。負担と給付というのはある程度バランスをとるわけです。その給付の中で、言われているのが、ジェネリックにするとか、それから効率化を図る、代替品にするとか効率化を図る、それだけでは済まないことになってくる可能性があると思うんですね。そういうことについて、今政府はどのように考えておられるのか。

 それで、もう時間がありませんのでまとめて言いますけれども、そういうことについて、私はやはり国民的な理解を得るための議論を広めていかなければいけないというふうに思うわけです。

 そういうことについて、際限ない給付というのはないわけですから、どの給付についてどう考えておられるのか。また、そのことを今度お願いするときに、急に話を持っていってもそれはいけないわけで、やはりある程度きちっと、こういう状況である、どういうあたりの給付を抑えていくか、そういうことについての国民的議論が要ると私は思いますけれども、そういうことについての副総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

岡田国務大臣 今回も、年金の物価スライドについては、おくれていた部分をきちんと実施するということはお願いしているわけでございます。

 しかし、もちろん、給付とそして財源のギャップというのはまだ現にたくさんございます。税収も限られていますし、一方で、社会保険料の負担というのも限界があるとすれば、やはり社会保障制度の効率化ということは避けられないわけで、そういった議論をさらに重ねていかなければならないと思います。

 今、医療や介護で、在宅というところに少しシフトするということは、医療費がかかる部分、あるいは介護費がかかる部分もありますが、少し長い目で見ると効率化につながる部分もあるということであります。

 その他、既存の制度についての見直しをしっかり今後議論していかなければいけない。どんどん伸びていくことが当然視されるということでは、これはやっていけなくなるというふうに思っています。

石田(真)委員 あすまでに党内をまとめていただけるよう、よろしくお願い申し上げて、終わります。

中野委員長 これにて石田君の質疑は終了いたしました。

 次に、馳浩君。

馳委員 連日お疲れさまでございます。

 私は、子ども・子育て新システム関連三法案について質問をさせていただきます。

 小渕報告の検証、そして、できるだけ歩み寄るために、どこが一致できるのかな、ここはもしかして見解が違うのかな、こういうことを私なりにちょっとまとめてまいりました。一つずつ指摘をいたしますので、小宮山大臣の見解をお伺いしたいと思います。

 まず、議論をしていて、ここはほぼ一致、あるいは似ている、ベクトルが合っているなという一点目。

 幼児教育を拡充しよう、そのために、保育士や幼稚園教諭の処遇改善、研修の充実をして、現場のいわゆる質の改善をしていこう、この点については一緒だと思ったんですが、いかがですか。

小宮山国務大臣 それは、馳委員がおっしゃるとおり、一緒です。

馳委員 二点目であります。

 今回の社会保障・税の一体改革という中で、就学前の子育てと幼児教育の拡充について安定的な財源を確保していこう、この考え方は一致していると思ったんですが、いかがですか。

    〔委員長退席、武正委員長代理着席〕

小宮山国務大臣 それも一致しています。

馳委員 次、三点目ですが、これは小渕報告のポイントの部分でもありますが、幼保連携型の認定こども園の拡充をし、補助金や手続などを簡素化しよう、これを一元化していこう、この方向性は私は同じだと思いましたが、いかがですか。

小宮山国務大臣 それも方向性は同じです。今回、総合こども園で目指していたのもそういうことなので、今の認定こども園を拡充強化することによって、そこはかなり近づくというふうに思います。

馳委員 まさしく、幼保連携型の認定こども園の拡充をしていくべきである、それも、待機児童がいない地域においても、潜在待機児童はあるかもしれませんが、また過疎地域においても、こういった形で幼保連携型の認定こども園を拡充していこうというのが小渕報告、そして私が主張してきたことでありますし、小宮山大臣は、ここは総合こども園でやっていきましょうという考え方だと思いますが、それで間違いありませんね。

小宮山国務大臣 それもそのとおりです。

馳委員 次に、待機児童を解消するために努力をしましょうということも同じだと思っていますが、我々は、認可保育園の拡充を基本に、小規模保育、家庭的保育あるいは事業所内保育サービスなど、多様なサービスを充実していこうと。そのためには、現行でも株式会社やNPO法人の参入が認められておりますが、ここはやはり財政的な措置をして、現場の権限と現場の財源で拡充していくべきではないか、こういう考えを持っておりますが、いかがでしょうか。

小宮山国務大臣 ほぼ近いと思うんですが、今、認可保育所を中心にというふうに言われましたけれども、これは幼稚園の方からなってもいいわけですので、今の既存のそれぞれの文科省と厚労省が管轄をしているもの、それとまた今の認定こども園、いろいろなところがなっていいと思っておりますので、そういうことを前提にすれば、おっしゃるとおりだと思います。

馳委員 五ポイント目が放課後児童クラブでありまして、この公的支援を拡充していこうと。二ポイントありましたね、施設整備、そして職員の資格基準。これをやはり児童福祉法に明確に書いて、実施している市町村の従うべき基準、これをお示しし、その財政措置もしていこう、この方向性は同じだと思いますが、いかがですか。

小宮山国務大臣 おっしゃるとおり、同じです。

馳委員 私は、沖縄に何度も行ってまいりました。先般、川端総務大臣にも沖縄の実情を申し上げました。

 やはり国として後押しをしてあげなければ、市町村として財政不安があるのでなかなか踏み込めないところ、そこをやはり児童福祉法改正による基準を明示して、従うべき基準として、できれば学校施設敷地内を活用するとか、職員の基準を、今ガイドラインではありますが、従うべき基準を決めて、職員の処遇を改善してあげようと。ここの意味でありますが、大臣、それでよろしいですよね。

小宮山国務大臣 おっしゃるとおりです。

 今回の改革の中で、市町村が学校の余裕教室などの公的な財産の貸し付けなどの措置を積極的に講じて、放課後児童クラブの供給を効率的、計画的に増大させることですとか、放課後児童クラブの指導員の要件について、国が省令で従うべき基準を定めて、これに基づいて市町村が条例で基準を定める、このようなことを児童福祉法に規定することにしていますので、こうした法的根拠をもって、しっかりと必要な放課後児童クラブの充実をするということだと思っています。

馳委員 ここはちょっと直接関係ありませんが、川端大臣に改めて、沖縄の子供たちの置かれている現状の改善に向けての指導力、あるいは相談をしてあげていただきたいと思います。

 六ポイント目でありますが、適切な生活保護受給家庭や発達障害児の支援や被虐待児の支援、いわゆる養育困難な家庭への支援、これをやはり充実していくべきである、この考え方は同じですよね。

小宮山国務大臣 はい、同じです。

馳委員 七ポイント目は、ゼロ歳児はできる限り親元で育てる。ゼロ歳児はできる限り親元で育てた方がよい。これは、実は働き方等考えがございましたから、私は一番最初の質問のときに、有給休暇を完全に消化しないとその企業の負債にしますよとか、こういうことを具体的に申し上げたりしましたが、言わんとするところは、ゼロ歳児はできるだけ親元で育てるという考え方についてはいかがでしょうか。

小宮山国務大臣 それは、子供のためにも、ゼロ歳児はなるべく両親が、特に母親が育てる必要があると思っています。私自身も、仕事をするときにそういう状況になかったので、出ている母乳をとめて働いたというような思いもありますので、それはきちんとできるようにする必要があると思います。

 ただ、ゼロ歳児でも働かなければいけない人もいるので、そういう意味では、育児休業の充実などをする一方、どうしても働かなければいけない人には、きちんとした、親にかわる質のいい居場所をつくる必要も一方であるというふうに思います。

馳委員 まさしくそこは、事業所内保育もございますし、小規模、家庭的保育などの充実を目指すという、いわゆる横出しの部分でよいのではないでしょうかというのが私たちの意見でもあります。ちょっとここは見解が違うかもしれませんが。

 八ポイント目、ここは私は大事な、肝だと思っているんですね。できるだけ現場に、ということは基礎自治体、ということは、はっきり言えば市区町村、ここに権限と財源を与える、この方向性は同じだと思いましたが、いかがですか。

小宮山国務大臣 同じです。これは、時間をかけてやった現場やいろいろな方が入っていただいた協議の中でも、特に自治体の方から強い御意見があり、今回の仕組みがそれを目指しているということで御賛同もいただいているところだと思います。

馳委員 私、横浜市の林市長から直接お伺いいたしました。現行制度ででもあなたは頑張ってやったんじゃないんですかとちょっと嫌みな聞き方をしたんですけれども、確かに首長の意欲、努力、そして職員の協力でできるんだけれども、やはりそれには限度があるし、私、伺っていて、横浜だからできたのかな、小さな、小規模自治体、市区町村じゃなかなか無理なのかな、財政的な壁というのはここにあるのかなということは理解をしたところでありますが、やはりできる限り基礎自治体に権限と財源がある方がよいという考え方は私も同じであります。

 九番目です。これは前回にも確認しましたが、もう一度確認します。認定こども園に在籍する子供は全て日本スポーツ振興センターの保険の対象にすべき、共済保険の対象にすべき。

 これは、高井副大臣、私はそういう方向にすべきというふうに前回も申し上げましたが、文部科学省としてもそのようなお考えに変わりはありませんね。

高井副大臣 日本スポーツ振興センター法の規定によって、幼稚園を含む学校及び保育所が対象となるとされております。それはこの間お答えしたとおりです。ただ、認可外保育施設については、保育サービスの安定的な確保や質の確保の観点から、児童福祉法、最低基準の遵守を義務づけられている保育所とは法的位置づけを異にしているということであり、同等に扱うことは現在の段階では困難です。

 新システム、我々が提案した総合こども園に加えて、認可外保育施設についても、認可施設と同様に客観的基準を満たすもの、こども園として指定を受けた場合には、保育所と同様に災害共済給付事業の対象とすることと我々閣法でもいたしましたので、気持ちは全く一緒でございますが、まさに独立行政法人日本スポーツ振興センター法の改正をしなくてはならないということであります。したいと思っております。

馳委員 最後、十番目ですが、やはり保育士と幼稚園教諭の資格は一元化の方向がいいですよね。私はそう思っていますが、現実、八割方そうなっていますが、いかがでしょうか。

小宮山国務大臣 そう思います。

馳委員 そこで、では、なぜ、こういったお互いの小渕報告からの方向性が、ベクトルが合っているのに新システムになったのかな、なぜそうなったのかなということをまずお聞きします。

 一ポイント目です。施設の指定制。

 指定するということは、いわゆる児童福祉法の第二十四条、実施義務ではなくて、指定した施設で保育及び幼児教育を行ってもらうと。どうしてこの指定制というものが出てきたのか、この議論の経緯を私は聞いておりませんので、教えてください。

小宮山国務大臣 政府の提出法案では、指定制度を導入して、職員の資格と人数、面積、そのほかの設備、処遇の確保、健全な発達に密接に関連するもの、こうしたものについて、現在の保育所、幼稚園の基準をもとに、質の確保された客観的な基準を定めることにいたしました。

 というのは、今まで認可というのが自治体によってかなり裁量があって、財源がないとかもうキャパシティーいっぱいだというと、そこを認めないようなところもあったので、そういう意味で、客観的な基準を満たしたところは全部国からの財政支援の対象にしたい、そういう思いの中で、今回、指定制という考え方を取り入れました。

馳委員 ここは私とは考え方が違うかもしれません。やはり認可をすべきものはすべきだと私も思うんですが、これは恐らく、財政を膨らませたくない市町村の現場が嫌うポイントでありますので、そこが一気に指定制という形で客観的な基準というものを持ち出してこられたのかなと思いますが。私はやはり認可というもの、保育の実施義務というものは公的な責任として譲らない方がいいんじゃないかなと思っているんですが、いかがでしょうか。

小宮山国務大臣 それは今まさに三党の実務者で協議をされてきている点だというふうに思います。

 それで、その中で、認可に裁量が許されないようにする、認可を広げていくことで、私どもは別に指定制というシステムにこだわっているわけではありません。今よりもきちんと、広い対象を用意したい、多様な対象を用意したいと思ったことなので、そのことと、認可の枠を裁量を排して広げていくことで、近づいていく接点はあるというふうに考えています。

馳委員 認可ということと指定ということは、制度としては違うんですよ。やはりここがポイントであるということを押さえておきたいと思います。

 二つ目、保育の必要性。非常に文学的な表現です。必要性という言葉の基準は何でしょうか。

小宮山国務大臣 ずっと子供の問題に取り組んでこられた馳委員も、今の保育に欠けるという要件を見直さなければということが、もうここ十何年来言われていることは御承知だというふうに思っています。

 今、市町村が保育に欠けるかどうかを判断して、保育所への入所が必要か否かという決定をする仕組みなんですけれども、今回の子ども・子育ての制度改革では、市町村が、客観的な要件に照らして、保育が必要な子供として、保育の必要性を認定するという仕組みを入れました。この認定は、国が事由、区分、優先利用に関する基準を策定することにしていまして、このことによって、保育に欠けるということが、ここもまた、市町村の裁量というかそういう形で、本当に必要としている子供たちが排除をされないようにということで、今回、「必要とする子ども」というような言い方にしているところです。

    〔武正委員長代理退席、委員長着席〕

馳委員 一言申し上げたいと思います。

 客観的な要件、私もやはりこういった子ども・子育てについての権限と財源は地方に委ねた方がよいと申し上げましたが、国会議員として不安が一つあるんですよ。地方議員の存在です。生活保護の問題もそうです。極めて地方議員がいろいろな圧力を職員さんにかけている現状は御存じだと思います。客観的な要件となった場合に、自治体ごとにやはり、地方議員の親分衆というのは本当に強烈ですよ、これは皆さん多分御存じだと思うんですよ。私も市会議員には頭が上がりませんが。

 この客観的な要件というところが、やはりどこまで国家として、国として示していくことができるのかということを考えたら、私はこれは非常に不安に思っている部分なんですね。

 では、三点目、申し上げますが、個人給付の施設代理受領。これはどういう支払いの流れになるんですか。ここが非常に複雑だなと思って、不安なところでありますが、いかがですか。

小宮山国務大臣 これは、全ての子供の育ちがひとしく確実に保障されるために、施設側の制度の縦割りの視点ではなくて、利用者の側の制度横断的な子供本位の視点で考えるという考え方から、こういう考え方をとっています。

 政府の提出法案では、既存の幼稚園や保育所の縦割りの制度、これを構築し直して双方にまたがる包括的な制度に改め、利用者の受給権に着目をして個人給付の仕組みを導入することにしています。

 この個人給付の仕組みでは、子供一人一人について、受給資格や必要性の確認、認定が行われ、これを通じて把握をした地域の学校教育、保育のニーズに応えられる体制を確保することで、全ての子供たちにそれぞれのニーズに応じた学校教育、保育を確実に保障したいということからこういう考え方をとっています。

馳委員 そこで腕組みをしていた川端大臣、今の小宮山大臣の説明、わかりましたか。いや、答弁は求めません。

 ここはやはり、私は直接小宮山大臣にお伺いしたいと思いますが、保護者と指定施設の公的直接契約というのは何なんですか。契約は契約なんですよ。民法上の契約だと思います。保護者と指定施設の契約なんですよ。ここで、保育の公的な責任を本当に担保できるのかという不安は拭い去ることができないんですね。

 公的直接契約という言葉、私は何か非常に言葉をミックスにしたような概念だと思うんですが、どういう概念ですか。

小宮山国務大臣 これは今、例えば東京の認証保育とか横浜の保育室とか、そういう自治体が自分たちの基準でやっているところは既に直接契約になっています。

 今回も直接契約にしますけれども、市町村が利用の支援をしたり、調整をしたり、あるいは非常に必要の高い人たちには入れるように要請をしたり、虐待などは措置をしたりと、それぞれ必要に応じて市町村はかむことはかみますので、全部市町村が手放して親が困るというような形にはならないというふうに思います。

馳委員 ここでもし、施設の方、あるいは保護者の方がそんなんじゃ困ると言って行政訴訟を起こしたら、この業務は行政訴訟の対象になるんですか。

村木政府参考人 お答え申し上げます。

 訴えの内容によってこれは事情がまちまちかと思いますが、一般の私的なサービスとは違って、公の関与のもとで公的なお金を使って行うサービスでございます。

 それから、そのサービスを行うに当たっての質を管理する責任が公の側にございますので、その範囲内で公も、自治体も責任を負うというふうに考えております。

馳委員 その範囲内でということは、本当に行政訴訟の対象としてたえ得るのかなという心配が私はあって、お伺いしました。ここもやはり不安が拭い去れないところです。

 次、保育所は十年後全て総合こども園になり、どうして幼稚園は手挙げ方式ということになったんですか。

小宮山国務大臣 それは、幼稚園の方は必ずしも待機児さんがいない地域もあるのに、そこまで義務づける必要はないという幼稚園側からの御意見などもございました。

 それでまた、幼稚園の中には、それぞれ設立の基礎が宗教法人であるとかいろいろな考え方によって設立をされているのに、そこに全部その義務をかけるみたいなことはやめてほしいということもございましたので、今考えている総合こども園、認定こども園、何という名前に今度新しくなるかわかりませんが、その新しく学校教育、保育をやるところになるべくそれでも入ってもらえるように、恒久的な財源を確保してそこにインセンティブをかけて手挙げ方式でやっていただく方法にしました。

馳委員 総合こども園、どうして学校教育法上に位置づけなかったんですか。

村木政府参考人 お答え申し上げます。

 総合こども園は、その性格として、学校教育法体系における学校の性格、それからもう一つは児童福祉法体系における福祉施設、保育の機能を持つ、いわば両方の機能をあわせ持ったものでございます。

 したがいまして、総合こども園についての設置基準その他もろもろのことをどこの法律に書き込むかということで考えますと、学校教育法に書き込もうと思うと、学校教育法の中に入っているものは純粋の教育機関ばかりでございます。そこに入れようと思いますと、どうしても、児童福祉の性格上かけたい規制というようなものがはみ出してしまうということがありまして、これは両方の性格を持っているので、教育だけをカバーしている法律の中には非常におさまりが悪いし、また、その傘の下にいること自体がその性格上必ずしもいいとは思えないということで、独立した、両方にまたがった、福祉と教育にまたがった法律を改めてつくって、新法を制定するということにいたしました。

馳委員 終わります。

中野委員長 これにて馳君の質疑は終了いたしました。

 次に、西博義君。

西委員 公明党の西博義でございます。

 昨日の新聞には、生活保護受給者数が二百六万人、過去最多という記事が出ました。先日来のさまざまな議論、また、公述人の皆さんとの議論の中でも、やはり無年金、低年金の皆さん、それから低所得者の皆さん、こういう人たちに対してどういう手当てができるのかということがかなり大きなウエートを占めてきたように思います。大きく分けて、その観点に従ってきょうはお伺いをしたいと思います。

 まず初めに、無年金、低年金対策についてですが、現行の社会保障制度、これはさまざまな課題があると私は認識しております。一つは、マクロ的に見たときに、ふえ続ける社会保障経費をどう賄っていくのか、こういう大きな課題がある。一方で、ミクロで見ますと、無年金、低年金、そして低所得者、こういう皆さん方の対策をどうするのか、こういう課題だというふうに思います。

 民主党が提案してきました最低保障年金は、こうした問題への一つの答えとして主張されたものだというふうに理解はしてきました。私どもは、それは実現不可能だ、こういうふうに言ってきたんですが、しかし、この委員会の質疑を通して、保険料を納めていない場合には最低保障年金は支給されない、こういう答弁があって、この最低保障年金でも、無年金、低年金の問題が全て解消されるというわけではないということが明らかになってまいりました。

 そういうわけで、未納が発生する保険料ではなく、税負担で財源を賄うということで全ての国民に最低保障年金を保障する、これがマニフェストの基本的な考え方ではなかったのかというふうに思っております。

 最低保障年金で発生する無年金、低年金問題については、その一つの対応として、歳入庁を設置して国民年金保険料の徴収を強化しよう、こういうことで考えられているようです。ことしの四月にまとめられた民主党の「歳入庁設置について」という中間報告がありますが、この中で、五千八百億円を最低限の目標として徴収する、こういうふうになっております。

 歳入庁による未納保険料の徴収を強化することが無年金、低年金対策になっていくのかどうか、また、この額についてのお考えもお伺いをしたいと思います。

岡田国務大臣 まず、民主党が現在主張しております新しい年金制度、その中の最低保障年金、この制度が、本来制度に加入すべきであるにもかかわらず加入していない、そういった方々についてまで最低保障年金を保障するものではないというのは、委員御指摘のとおりでございます。

 その上で、今の国民年金との違いということでいえば、国民年金は定額でございます。もちろん、所得の少ない方に対するさまざまな措置はありますが、基本的に定額。最低保障年金の方は、所得比例年金とパッケージになっておりますので、所得に応じて保険料をお払いいただくということでございます。

 そういう意味では、現在の国民年金の保険料が定額であるがゆえに、所得の少ない方にとっては負担感が非常にあるということで、入り口から諦めてしまうという方もいらっしゃると思うんです。それよりは、所得に応じて保険料を御負担いただくということですから入りやすい、そういう観点はあるのかなと。

 もちろん、国民年金にも先ほど申し上げましたような軽減措置がありますので、それをきちっとPRすることで、余り実態は変わらないかもしれませんけれども、論理からいうとそういう違いはある。

 その上で、強制徴収ということを、これは今でもできるわけですが、そういうことをよりしっかりと、徴収体制を整えて、払うべき人が払っていないという場合にはきちっと払っていただくという体制を整えることも重要であります。

 そして、マイナンバー制度の導入に伴って所得の捕捉を行い、同時に歳入庁を設置して、そして、現在と比べればよりしっかりとした保険料の納付を確保していくというのが基本的な考え方でございます。

西委員 払うべきは払うようにということですが、五千八百億という、これだけの徴収が果たしてできるのかなという危惧を抱いております。

 次に、年金の受給資格の期間短縮の問題について。

 現行の年金制度も、国民皆年金という観点から見ると、全く、今の現状は、問題なしとは言えません。国民年金保険料の未納の問題は、無年金、低年金を発生させる原因である。このことについては全力で取り組まなければいけないということはもちろんのことでございます。

 きょうは、無年金、低年金問題を制度的な面から捉えて議論をしてみたいと思います。これについて、一つは受給資格期間、それからもう一つは納付、この二つの制度についてです。

 今回提案されている受給資格期間の短縮、二十五年から十年。新たに低年金を発生させるという側面は否定できませんが、無年金対策としては一定の効果はあるというふうに思いますし、その点では評価しております。

 しかし、受給資格期間が二十五年から十年へと大きく改正されるにもかかわらず、納付の面では、この制度改正に合わせた対応は必ずしもされておりません。

 無年金者の中には、二十五年の受給資格期間には到達しないと考えて、保険料の支払いを早々にやめているという人もいらっしゃると思います。この中には、十年であれば受給資格期間を満たせると思う人もきっといらっしゃると思います。これでは、結果的には、こうした途中で諦めざるを得なかった人の国民年金の受給の機会を奪ってしまうということにもなります。

 そういう意味で、できる限り多くの人が受給資格を得られるようにするという観点からは、受給資格を今回短縮するのであれば、同時に、例えば年金確保支援法では三年に限りという限定つきで十年間の後納を認めていますが、受給資格を確保する手段も均等に提供するべきではないか、こう考えますが、納付面での対応についてのお考えを厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。

小宮山国務大臣 今回の受給資格期間の短縮につきましては、現に無年金者がいるという状態の中で、それをできるだけ救済すると同時に、納付した保険料をできるだけ給付に結びつけるという観点から実施をするものです。

 委員の御提案は、こうした措置とあわせて、年金確保支援法によって保険料を後納しても年金を受給できない、そういう人に対しても特別な保険料納付を認めて、受給期間を満たせるようにという御指摘かというふうに思います。

 ただ、こうした措置は、一度も保険料を納めていない人も含めて一気に受給権を得ることが可能になって、真面目に納めてきた人に不公平感を与えるといったような御意見もあります。保険料を適切に納付していただくということは、老後の所得保障だけじゃなくて、障害とか遺族に対する補償という意味でも非常に重要なので、まずは、とにかく納めていただくように丁寧に説明をしていくことかと思います。

 また、現在、保険料が免除された期間について、その後十年間追納が可能となっていますので、こうした制度も活用していただきたい。

 さらに、現在、保険料を前納できる期間の拡充に向けて準備を進めているほか、御審議いただいている法案では、国民年金保険料の免除申請などがおくれた人が未納に陥ることを回避するために、遡及して免除を承認する期間を延長する制度改正、これを盛り込んでいますので、こうしたさまざまな救済の仕組みの周知を図りまして、可能な限り給付に結びつくようにしていきたいと考えています。

西委員 受給できない人をふやすよりも、少しでも受給できる人をふやしていくというのが私は年金の趣旨だと思いますので、私の提案についても十分受け取っていただければというふうに思います。

 次に、自営業者の保険料の納付についてお伺いします。

 国民年金保険料の納付は、毎月納めるか、または半年、一年の前納という方法があります。現在の納付方法は、自営業者が保険料を納付する方法として本当に適切なのかということに少し疑問がございます。

 そもそも、商売には好不調の波があって、サラリーマンと違って、一定の給料が毎月入る、こういうことではありません。厚生労働省は、保険料が払えない場合は保険料の減免措置を利用すればよい、こういうふうに言っておりますが、この場合は、受け取る年金額は当然減ってしまいます。自営業者の実態を踏まえて、保険料を納付していただけるにはどうしたらよいか、この環境をもっと整える必要があるのではないか。減免措置、徴収強化ということだけではなくて、前納それから後納の制度に関して、もう少し時間的な幅を認めて、保険料納付にインセンティブが働くように工夫すべきではないか、こういうふうに思っております。

 自営業者の実態に合わせた納付のあり方について工夫の余地はないのかどうか、このことについてお伺いをしたいと思います。

小宮山国務大臣 国民年金保険料の納付については、被保険者それぞれの実情に合わせて、多段階免除ですとか前納制度、これを案内するなど、きめ細かに対策を進めているところです。

 先ほども申し上げましたように、現在でも、免除された期間について、その後十年間追納が可能になっている、また、保険料を前納できる期間の拡充に向けて準備を進めているというようなことがございますので、こうしたことを細かく、しっかりと周知を図ってやっていきたいというふうに考えています。

西委員 次に、後納についてです。

 このことについては、納付意欲を阻害するとか、また、高所得者、資産家だけがたくさん納めるために得になるとか、それから、年金収支のバランスが崩れる、利用者が多くない、さまざまな予想が言われております。前納に対しては、これは割引が、一年まとめて納めると安くなる、こういう制度があります。一方で、後納には、利子の分が加算をされていく、こういうことですね。

 さらに、先ほど述べたように、後ほどもう一回議論させていただきますけれども、前納制度を拡充して、加算制度で長く保険料を納めた人を有利にする一方で、後納の保険料について、例えば所得控除に制限を加えるなど、両者の間にさらにめり張りをつけることで納付意欲の阻害を防ぐということが考えられるのではないかというふうに思います。

 また、高所得者や資産家だけが得をする、こういうふうに言われていますが、保険料を納付した後に、不幸なことにすぐお亡くなりになる。保険そのものが、やはりあくまでもこれは制度上保険であって、我々の議論は平均的な議論をしているだけで、個々にとっては、損得というのはお互いの共助の一環の中での支払いということになるのではないか。そういう意味では、高所得者だけが得をするということでは必ずしもない。

 またさらに、年金収支のバランスが崩れるという見方と、逆に、その議論の一方で、利用者が少ないではないかと。どっちが正しいのか、なかなか決まった議論、確定した議論ではありません。年金の支払いが難しくなるほど無制限に後納を認めるべきだというふうに言っているわけではありません。

 年金確保支援法の当初の提案では、今は三年ということになっておりますが、時限はありませんでした。そこで、受給資格期間の短縮の機会に合わせて、年金確保支援法の時限をなくして、前納、後納制度にめり張りをつけて活用する、こういうことで一層無年金、低年金の対策を進めたい、こう進めたらいいというふうに私は思っておりますが、大臣のお考えをお聞かせください。

小宮山国務大臣 保険料の納付可能期間を二年から十年に延長する年金確保支援法案については、国会審議の中で、今委員がおっしゃったように、期限がなかったものから、保険料の納付インセンティブを阻害するおそれがあるといったような御意見があって、三年間の時限措置に修正をされまして、昨年八月に成立をしています。

 議員が御指摘のように、受給資格期間を二十五年から十年に短縮した上で、保険料の納付可能期間を恒久的に例えば十年に延長をするとした場合に、今、そういう阻害要因ではないとおっしゃいましたけれども、これまで保険料を真面目に納めてきた人に不公平感を与えるという御意見や、保険料を後からまとめて十年分納付することによって、これまで全く保険料を納めていない人にも年金を受給することを恒久的に認めるもので、納付のインセンティブを阻害するおそれがあるというような御意見も多いので、これは、御提案でございますので受けとめますが、やはり慎重な検討が必要かというふうに思っています。

西委員 できるだけ多くの人がまず年金の中で老後の生活の所得を確保するという観点を、私は、最重要の問題として受けとめるべきだと。

 こういう場合は入れない、こういうのはだめだということよりも、そこに一つの課題があって、そして、今言った給付つき税額控除も、私はまた後ほど申し上げますが、そういう観点での所得保障があって、そのベースとして、最後には生活保護、こういうさまざまな組み合わせをしていくのがこれからの課題だと私は思っておりますので、ぜひともこの辺についての御理解もお願いをしたいと思います。

 次に、定率加算について申し上げます。

 今ちょっと議論が始まっておりますが、年金への加算についてですね。

 低年金対策として、政府から、定額加算、六千円プラスアルファ、アルファというのは、定額加算と、免除期間の加算、この二つの種類の加算が提案されております。このうち、保険料を納付していない人も定額加算の対象になるということで、不公平ではないかという問題点が指摘をされております。

 年金への定率加算の導入を公明党は主張しておりますけれども、定率加算についての御意見を伺いたいと思います。

 また、今回は、低年金への加算の財源として、比較的高額な年金受給者の基礎年金の国庫負担部分を一部利用するということが提案されております。二つの加算についての是非は別として、私は、これを利用するということはあり得るというふうに思っております。

 基礎年金は、純粋な保険制度ではなくて、保険と社会的な給付のいわばハイブリッド型のような形になっております。そもそも、国庫負担部分というのは税金を財源にしているわけですから、全ての人が受けられるという論すらあるというふうに私は聞いております。それを、二十五年間以上保険料を払った者だけに限定して今まで支給してまいりました。保険料納付額に応じて支給しているわけですから、ある意味では、これは政策判断をしているということだと思います。

 定率加算については検討の対象となると前向きにお考えでしたら、この財源についても、どのように考えておられるかということもあわせてお伺いをしたいと思います。

小宮山国務大臣 さっき委員がおっしゃったように、高齢者になった、その生活の安定ということは年金を中心にとお考えのことは、私もまさにそのとおりだというふうに思います。

 その上で、今回の低所得者への年金加算、これは、保険料の納付意欲をできるだけ損なわないように配慮しながら、低所得者対策として一定の効果のある加算とするということで、定額加算と、言っていただいたように、過去の保険料免除期間に応じた加算の二つを組み合わせた制度を政府として提案しています。

 それに対して、御党から、基礎年金の額に一定率を加算する案、定率加算を御提案されているというふうに承知をしていますので、こういう考え方も大いにあるというふうに思います。

 また、クローバック、高所得者の年金調整についても御理解をいただいたということで、そこは感謝を申し上げ、また、そうしたことも財源として考えるということを政府としては提案いたしました。

 そのことも含めて、今三党で御協議をいただいていると思いますので、ぜひ、その中で御議論をいただいて、結論を出していただければというふうに思います。

西委員 まさに協議中のことです。高額所得者の件についても、私見ですので、私の考えですので、必ずしも党とはまた、別かもしれません。

 今度は、生活保護と年金のあり方についてお伺いしたいと思います。

 当委員会における議論を聞いていまして、大変懸念していることが一つあります。芸能人の親族の生活保護問題や低年金の定額加算問題などに影響されて、議論の方向が少し違うところに行っているんじゃないかというふうな心配をしています。

 確かに、生活保護の不正受給は問題であります。また、提案されている低年金への加算についても、公平さに問題があるのかなというふうに思っております。しかし、冒頭申し上げましたけれども、社会保障制度の大きな課題である無年金、低年金、低所得者、この皆さん方の問題をどうするのかという本筋を外してはいけない。特に、これだけ格差社会になり、また、今回、大きく消費税率がアップするというこの時期において、ここは大きな課題だと思っております。

 生活保護と年金をめぐってさまざまな議論があり、それぞれの守備範囲を一度整理する必要があるのではないか。まさしく、社会保障全体の枠の中で整理する必要がある。生活保護は最後のセーフティーネットであって、その意味では、他の制度を充実させて生活保護の対象を減らしていく、こういうことが基本であると思います。さきの質問で年金への加算や前納、後納制度の活用を申し上げたのは、年金など既存の制度を整えて生活保護への依存度をできるだけ下げるべきである、こう考えているからでございます。

 生活保護と年金のあり方について、これも厚生労働大臣にお考えをお聞きしたいと思います。

小宮山国務大臣 これも、まさに委員がおっしゃるとおりだと私も思います。

 このたびの議論の中で、本当に最後のセーフティーネットとして生活保護がありますのに、必要な人が受けられなくなるという、足を引っ張るようなことがあっては決していけないというふうに思っています。ただ、その中で、国民の皆様の納得を得る制度にするためにどうしたらいいかということで、今、知恵を出さなきゃいけないときかと思っています。

 そういう中で、おっしゃったように、低年金、無年金対策として、年金確保法案で追納期間を延ばしたり、また、今回、短時間労働者に社会保険の適用を拡大したり、いろいろなことをしていますが、やはり年金と、それから、なるべく就労支援をしたいと思いますので、いえば最低賃金とそれから生活保護、これは今まで、仕組みが違う、制度が違うということで言ってきましたが、それではとても納得が得られないと思いますので、このたび、社会保障制度の低所得者対策の在り方に関する研究会というものを先月の末に立ち上げまして、その中で、年金の額、生活保護、そしてまた最低賃金もできれば含めて、そこのあり方について今検討を行っているところでございます。

西委員 まさしく、我が党が社会保障全体の枠組みの中で今回の議論をすべきだと申し上げたのは、一つは、そういうさまざまな要件の中で抜本的にやはり考え直していかなければいけない面がある、こういうことを申し上げているわけでございます。

 続いて、給付つきの税額控除について。

 今回の政府提案では、パズルでいうと、一つの大きなピースが欠けていると思います。それは、低所得者対策が法案として提案されていないということでございます。

 社会保障・税一体改革大綱では、低所得者対策として、年金の受給資格期間の短縮、低年金への加算、国民健康保険や介護保険の保険料の軽減措置の拡充、そして、消費税引き上げに伴う生活保護基準、各種手当への物価スライドなどを挙げております。低所得者対策の柱は、私は、総合合算制度とそれから給付つき税額控除、これも大いに活用する可能性がある、こう思っております。低所得者対策として給付つき税額控除を導入するため、人的控除等の所得控除方式を見直すとしていますので、所得税の改正を含む税制の抜本改革が必要というふうになってまいります。

 低所得者対策や税制の抜本改革を示して、初めて真の社会保障と税の一体改革というふうな内容になるのではないかと思いますが、このような提案が国民に示されていないというのは問題があるというふうに思います。

 先日の公聴会のときにもお話がありましたけれども、さまざまな給付つき税額控除のやり方があります。私は、前回は、カナダの例を引用しながら、消費税の逆進性対策としての給付つき税額控除、これを質問しました。消費税の逆進性対策としては、給付つき税額控除を採用するのか、軽減税率を採用するのか、議論がまだ分かれておりますが、きょうは、消費税の逆進性対策としてではなくて、低所得者問題への対策として議論をさせていただきたいと思います。

 イギリスでは、受給者に就労のための活動を課さない従来の公的扶助などのプログラムは廃止縮小されて、低所得者は、就労能力や時間に応じて、給付つき税額控除、求職者手当、雇用及び生活補助手当のいずれかから給付を受ける、こういうふうに変わっております。このうち、三番目の、所得を底上げする仕組みとして就労税額控除というのが導入されて、これが、働くより社会保障に依存した方がよいというモラルハザードを防いで、働くことへのインセンティブを与える、こういう役割を果たしているというふうに言われております。

 給付つき税額控除については、一般に、就労税額控除のほか、消費税逆進性対策税額控除、児童税額控除など、たくさんの種類があるというふうに言われております。給付つき税額控除は、所得や資産状況、家族構成、対象者の属性等に基づいて多様な活用が考えられます。

 低所得者対策における給付つき税額控除の役割や位置づけについてどのようにお考えなのか、これは財務大臣にお答えをいただきたいと思います。

五十嵐副大臣 済みません。担当の副大臣でございますので。

 先生がおっしゃるとおりでございます。

 一般的に、低所得者に配慮した再分配政策の一つということで我々も考えているわけですが、主な目的を、子育て支援にしている例、就労促進に充てている例、それから付加価値税の負担軽減、カナダのような例と三つありまして、その仕組みも、給付額について、まず税額から控除して、控除し切れない分を給付するというやり方、それから、低所得者に対しては給付を行い、中高所得者に対しては税額控除をするという、選択といいますか、そういう二種類の例、それから、普通には給付なんですけれども、所得がある程度高くなったら給付額を逓減していく、それに使うというやり方、三種類ぐらいの仕組みがあって、目的を幾つか組み合わせて使う例もあります。

 今、私どもとしては、どういう組み合わせでどういう仕組みにしたらいいかということを専門家委員会を中心に検討していただいて、私自身は、先生と同じように、イギリスが大変成功しているということから、就労促進のインセンティブを重点に研究をしていただきたいと言っておりまして、省内でも検討しているところでございます。

西委員 ありがとうございます。

 ややもすると、消費税の対策、逆進性対策に用いるというふうに思われている側面がありますので、もう少し膨らませて、先ほど申し上げましたように、年金からも、そして消費税のバックからも、そして最後に生活保護、こういうやはり多層のセーフティーネットが要るのではないかというのが私の主張の趣旨でございます。

 大臣、何か一言あればお願いします。

安住国務大臣 ありがとうございます。

 総合合算制度も、私もやはりそういう点では考えなければいけないときに来たと思いますし、御指摘のように、軽減税率の問題というのは、一方で、低所得者だけでなくて、高額な、お金持ちの方も例えば食料品を買ったら税率が安くなるわけですから、先生がおっしゃっているように、低所得者にターゲットを絞って、ちゃんとそこに対策をとっていくという視点でさまざま考えなきゃいけないということは、私ども、今五十嵐副大臣が申し上げましたように、そういうところは先生と考えが一致しておりますので、ぜひこの精度を上げていきたいと思っております。

西委員 先ほど申し上げましたように、さまざまな議論がありますから、うちの党の意見というわけではなくて、一つの方向性というふうに申し上げておきたいと思います。

 その次に、簡易な給付措置についてでございます。

 この間の質問の折に、安住大臣からも、また岡田副総理からも御答弁をいただきました。お二人の答弁から、臨時福祉給付金的なものを想定しているのかなということを印象として受けました。

 しかし、これをそのまま簡易な給付措置とするには、最終的に目指している給付つきの税額控除との間で少しギャップがあるというふうな感じも見受けられました。とりあえずの措置としての方向性はお示しになったんですが、給付つき税額控除との間のギャップを埋めるということになりますと、かなり、例えば一万円以上とか、対象者も結構広がるとか、こういうようなことも考えられるのではないかというふうに印象として伺いました。

 大臣は、簡易な給付措置の内容について、「各党の御意見も十分踏まえながら考えていきたい。まさしくそういったことこそ、これから各党で協議していただくところの一つの大きなテーマであるというふうに考えております。」こういうふうに答弁されましたけれども、まず、政府の方で、大臣の方で提案をいただくことがやはり大事かなと私は思います。

 政府は、そういう意味では、社会保障制度の、受給、所得分布など、さまざまなデータを持っているわけですので、この簡易な給付措置についてももう少し具体的な方向性というのが必要ではないか、必要となる予算額も含めて、たたき台となるべき案を複数やはり提示していただく必要があるのではないか、このように思っておりますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

安住国務大臣 簡素な給付措置の対象となるいわゆる低所得者の方の範囲については、実務上の対応可能性に配慮するとともに、社会保障各制度における低所得者の範囲との整合性を留意して決定するという基本的な考え方を示しておりますが、社会保障政策における低所得者向けの施策においては、保険料の負担軽減措置のように、住民税非課税世帯に対し所得に応じて段階的に軽減を行うもの、もう一つとして、生活保護のように、所得に加え一定の資産の状況も確認した上で給付を行うものなど、さまざまな基準がございます。

 消費税の導入、税率の引き上げ等に伴う激変緩和のため、老齢福祉年金等の受給者や所得の低い高齢者など真に手を差し伸べるべき方々に対し、これまで二回は一時金として臨時福祉給付金を支給してまいりました。

 そうしたこと等をそれぞれ踏まえて、私どもとしては、実務上の課題にも配慮しつつ、先生、給付の範囲、額というものは、だんだん狭めていって、しっかり提案をしていきたいというふうに思っております。

西委員 ありがとうございます。

 最後の質問になります。

 今まで、無年金、低年金、低所得者対策など、社会的弱者に関する質問をしてまいりました。

 最後に、ちょっと角度が変わるんですが、難病対策について質問をさせていただきます。ちょっと今までの議論にはなかったことですが。

 社会的な弱者の中で、もちろん、障害をお持ちの方、さまざまな方がいらっしゃるんですが、難病対策については、私は支援が大きくおくれていると思います。党内でも、さまざまな難病の皆さんの御意見を聞いて、今まで厚生労働大臣に申し入れをしたりしてまいりました。医療、福祉、就労等の支援が薄くて、そうした総合的な支援も緒についたばかりだというふうに思います。

 社会保障・税一体改革では、難病対策については引き続き検討するというふうにおっしゃっていただいておりますが、これを本格的に今後強化していくべきだ、こう思いますが、お考えをお聞かせいただきたい。また、いつその姿が示されていくのかということについても明確な御答弁をお願いしたいと思います。

小宮山国務大臣 今回の大綱では、難病の医療費助成の法制化も視野に入れて検討し、治療研究、医療体制、福祉サービス、就労支援などの総合的な施策の実施を目指すということを盛り込んでいます。

 これまで、難病対策については、平成二十二年四月に新たな難治性疾患対策の在り方検討チームを設置しまして、厚生科学審議会の疾病対策部会や同部会の難病対策委員会を昨年九月から合計九回開催しています。

 さらに、より技術的、専門的に検討するため、新たに二つのワーキンググループを設置して、今、抜本的な見直しの検討を精力的に行っているところです。

 今後も、難病の皆さんに寄り添いながら、この大綱の方針に沿いまして、抜本的な改革について、できるだけ早く結論が得られるように全力を挙げていきたいというふうに思います。

西委員 今こそ抜本的な対策をお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

中野委員長 これにて西君の質疑は終了いたしました。

 次に、高橋千鶴子さん。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、子ども・子育て新システムについて質問をします。

 昨夜、政府が既に総合こども園撤回を認めたとニュースが流れておりました。大臣、総合こども園は撤回するのでしょうか。認定こども園の拡充などが言われておりますけれども、もともと自民党政権時代につくったものだから余り影響ない、このようにお考えなのでしょうか。

小宮山国務大臣 今まさに三党で御協議いただいているので、私がここでどこまで踏み込むかというのは難しいところなんですが、総合こども園の、その総合こども園法を取り下げるということが新聞報道されていると思います。ただ、そこが狙いとしていた、親の働き方にかかわらず就学前の必要とする全ての子供に質の高い学校教育、保育をするということ、待機児童の解消をするということ、子育て家庭の養育を支援するというその目的を取り下げたわけでは全くございません。

 このねじれた国会の中で合意を得るために、これはずっと申し上げているように、認定こども園が先駆的な取り組みでございますので、それを今のままの認定こども園にしておくということではなくて、子供のためにしっかり取り組もうという各党の合意のもとに、それを拡充することによって、総合こども園法で目指したものとかなり近いところへ持っていけると私は考えていますので、何とか三党の合意が成り立つように期待をしているところでございます。

高橋(千)委員 多分、そんなふうにおっしゃるんだろうなと思っておりました。多分、既に新システムという言葉ではなくなるんであろうと指摘をしなければなりません。

 もともと新システム自体が、柱だけで中身がほとんど決まっていない、何を聞いてもこれからですという、政省令に白紙委任という建物でありました。私は、それ自体が問題だと指摘をしてきました。これがまた修正されて、我々、外野に置かれて、さあ、調いましたから採決ですと言われても、到底納得できるものではありません。

 ことし三月までに、三百二の自治体から意見書が採択されております。その後も、集計できていないものの、採択はふえ続けています。一番新しいのは、この委員会をやっている最中の六月八日、群馬県議会だということです。

 委員長にぜひ要望します。

 改めて、公聴会に公募があった保育関係者を招聘し、参考人質疑を行い、十分な質疑を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

中野委員長 理事会で協議いたします。

高橋(千)委員 お願いいたします。

 そこで、岡田副総理に伺います。

 子ども・子育て支援法案は、附則第一条において、施行期日について、消費税法案が施行する年の翌年四月一日までの間となっており、要するに、組み立てが、増税なかりせば新システム法なしというつくりになっております。

 それで、今言ったように、もう新システムではなくなるんだろうと思うんですけれども、増税とリンクさせる、増税で七千億円、この考え方は同じなんでしょうか。

岡田国務大臣 子ども・子育て支援策を充実するためには、財源が必要でございます。

 消費税の増税、所得税その他もございますが、そういった措置なくして実施をするということは、それは困難であるということです。

高橋(千)委員 要するに、増税がまず条件だという答弁だったかなと思います。

 ですから、やはりこれは、これまでも繰り返し指摘をしてきたことでありますけれども、小宮山大臣がよくおっしゃっていたことでもあります。OECD諸国と比べてもGDP比で子育て予算が極端に少ない、そういうことから出発した新システムだったわけですね。

 でも、もう子ども手当は挫折をし、増税が残っている。曲がりなりにも子育ての充実というのであれば、消費税増税に財源を求めるべきではないと思います。経済的に弱い子育て世代を直撃するだけではなく、負担はみんなに公平にさせるけれども、必ずしも受けられるサービスというのは公平ではありません、格差が生まれる、そういうことを指摘しなければなりません。

 さて、中身に入りたいと思います。

 六月四日、福島市で開催された地方公聴会で、全国認定こども園協会副代表理事の古渡一秀氏が、原発事故の影響で福島の子供たちが激減したことを数字で示しまして、福島の現在は日本の将来の姿だ、そう指摘をし、少子化の進行に歯どめがかからないことを訴え、幼稚園児は激減したのに保育所の充足率はほとんどが一〇〇%を超える、ミスマッチだと述べて、一日も早い制度改革をと強調されました。

 私は、思わず質問で、論理が飛躍していませんかと言いました。といいますのは、少子化だから新システム、何でですかということなんです。幼稚園はあいている、保育所は足りない、だから幼保一体化だというのであれば、物すごく、経営者の論理、現実的な話であって、保護者のニーズや子供の利益とは無縁の話だと思うんですね。

 大臣の認識を伺います。

小宮山国務大臣 御指摘の意見陳述は、急激な子供の数の減少あるいは地域の経済状況等の変化による幼児教育、保育のニーズの急激な変化に対し、幼稚園と保育所の制度が分立している状況ではニーズに的確に対応できないという趣旨だったというふうに認識をしています。

 今回の改革での幼保一体化、これは、幼児教育、保育について、全ての市町村で地域の需要を把握して、事業計画を策定して、それに基づいて提供体制を整備するということ、給付や施設を一体化して二重行政を解消すること、指定制の導入によって小規模保育などを含む多様な事業を財政支援の対象とすることを目指しています。

 こうした取り組みによりまして、全ての子供たちの育ちを公平に保障したいということでやっていることなので、御指摘のようなことは当たらないのではないかと思います。

高橋(千)委員 大臣が別に陳述者の意見を代弁する必要はないと思うんです。こういうことはあちこちで言われております。ですから、幼保一体化はそういう理屈ではないのだとおっしゃればいいんですよ。

小宮山国務大臣 これは、施設のため、経営者のためというのではなくて、幼保一体化は、子供たちのために、親の働き方とかにかかわらず全ての必要な就学前の子供に質のよい学校教育、保育をするということ、また待機児の解消をするということなど、そのための、就学前の、同じ子供たちを対象にした施設ですから、さまざまな施設、整備されているものが就学前の子供にふさわしいので、あいている施設があれば、それはそこが子供たちのために提供されればいいという、あくまで子供の視点で考えているということです。

高橋(千)委員 それがふさわしい条件を備えていくのであれば、私はそれはいいんだと思うんですよ。だけれども、何か、二重行政が問題で待機児が解消しないかのような、そういう議論が盛んにされてきた。そうじゃないだろうと。保育所が本当に必要で、保育所の充足が一〇〇%を超えていて足りないんだというのであれば、そのものをずばりやればいいじゃないかということを盛んに指摘してきたわけであります。

 一昨日の中央公聴会でも、震災で新システムが必要だという議論が非常に出ているんです。そう言われました。私は、全然それは違うと思います。逆に、保育の役割が本当に問われたのではないか、このように思うんですね。

 まず、保育所が一人も子供を死なせなかったということがよく言われます。私は、これを美談にしてはならないと思います。被災三県のうち、被災した保育所は七百二十二カ所です。うち、実は、保育中に亡くなった子供が宮城県で三名おります。保育外、お迎えが来て帰った子供や休んでいた子供の何と八十名も犠牲になっております。非常に痛ましいことだと思います。

 ことしの二月に、津波で全壊し、仮園舎に入っている陸前高田市の公立保育所を訪ねました。ここでは、実は三分の二の子供がお迎えが来て帰宅しているんですね。ですから、残った子供は全員助かっているんですけれども、残念ながら十名が犠牲になっております。普通に過ごしていることの大切さがわかったと言っていました。

 保育所には月一回の避難訓練が義務づけられておりますが、ここでは毎月二回やっています。仮園舎なので通園路が違いますので、本当に毎回毎回先生たちが避難路を確認して、民間の空き地を見つけてはお願いに行って、ここは保育所の避難場所ですという小さな看板を立てるんですね。本当に苦労をして頑張っている。それでも、毎回訓練のたびに課題を見つけるんだとおっしゃいました。常に張り詰めている気持ちが伝わってきました。

 その園長さんが述べたことは、命を助けられる定員にしてくださいという言葉でありました。小宮山大臣はこの声に応えられますか。

小宮山国務大臣 大震災のときに、本当に、保育園で保育士さんたちが、日ごろの訓練も生かして、大変な努力をされて子供たちの犠牲が出なかったということについては、内閣府でやっていたワーキングチームの中でも多くの御意見を伺うことができました。こういう質を保っていくということは、これは必然というか、必ずやらなければいけないことだと思っています。

 そのために、今回、消費税というところには御異論があるんだと思いますが、確実な恒久財源をしっかりと、今までよりはかなり、一%の中ですのでまだまだ足りないとおっしゃる向きはありますけれども、二・七兆のうち〇・七兆というのは、今までの考え方からしたらかなり子ども・子育てに力を入れていますので、その中で、職員の配置基準の改善ですとか、あるいは処遇の改善も含めて、質の改善を、優先順位をつけながらしっかりと取り組んでいって、子供にとっての最善の利益と言えるような、そういう状況にしていきたいというふうに考えています。

高橋(千)委員 配置基準を守っていても、もし子供たちが全員いたら助けられなかったと言っているということなんです。最低の基準だということを認識しなければなりません。それを、質を担保するとは言うけれども、今の認定こども園を参考にしたいということを大臣はこれまでも答えてきたはずだと思います。

 そこで、川端大臣にも伺いたいと思います。

 公立保育所の方がむしろ民間よりも定員管理が厳しいので非正規が多いよね、そういうことが指摘されていますね。どうでしょうか。

川端国務大臣 定員、これは財政的な問題ではない御質問ですか。

 それぞれ公立保育園の人件費を含む運営費等については、運営主体が地方自治体でございますので、そこの部分で運営をされるということでありますが、その所要額は、一般財源化、税源移譲を三位一体改革でされましたので、地方交付税で手当てする財源手当てを、地方財政措置は講じておりますけれども、定数の基準については、これは厚生労働省の基準に基づいて算定されるものというふうに承知をしております。

高橋(千)委員 では、今言った非正規の問題は把握されていますか。

川端国務大臣 正確に数字を把握しているかと言われれば、全部を承知しているわけではありませんが、実態として、定数の中で、それぞれの自治体の集中改革プランを含めて、いろいろな工夫の中でそういう部分が存在していることは事実だというのは承知をしております。

高橋(千)委員 やはり、中身をきちっと見ていきますと、質を担保するということはもちろん答弁されます。でも、現実はそうなんだ。しかも、公立がそうであるからこそ、これまでは、公私格差ということで、私立の保育園にも補助をしたりとか、そういう形でやってきましたけれども、しかし、公立が定員管理の厳しい中でなかなかふやせないんだ、非正規が多いんだということは、総務省自身が認めていることなんですね。そこから変えていかなければだめじゃないかということを指摘させていただきました。

 それで、質の確保とはどういうことなんでしょうか。

 今言ったように、歩けない子供、赤ちゃんを抱えて、やはり、保育士さんが、とてもじゃないが全員いたら助けられなかったということが現実の問題であります。

 また、新システムでは、子供が全員そろうのは、総合こども園であれば、幼児教育をしている四時間ですか、その時間だけなんですよね。そして、働き方によって、短い人も長い人もいる。つまり、顔ぶれがそのときによって、時間帯で違うわけです。そして、保育士さんのローテーション、これはもう既に、かなり細かい、パズルのような状態になっています。つまり、いつも、保育士さんと子供さんが常に向き合っている、同じ状態ではないわけですよね。

 そうすると、いざというときになかなかその態勢がとれないじゃないかということをやはりすごく想像して、それではとても新システムではだめだ、そういう声が上がってきた。これが被災地の実態なわけです。そういうことに対して応えていけますか。

小宮山国務大臣 やはり、おっしゃっている質の確保には、人員配置など一定の水準を満たすということ、それでまた、学校教育、保育の内容として、国が示す指針に沿った内容が行われることなどが必要だと思います。

 それで、確かに、いろいろな形態の子供が入ってくると、今度でいえば保育教諭といっていますけれども、先生方の顔ぶれが変わっていくということは事実だと思います。

 先日私が伺った埼玉の認定こども園でも、これまでの幼稚園で教えてきた幼稚園教諭、それから保育をしてきた保育士さんがそれぞれまざり合うことによって、それぞれの経験が生かされて、子供たちにいい保育、教育ができているというようなお話もございますので、なるべくそのよいところを生かして、補い合いながら、顔ぶれが違ってくることのマイナスが出ないように、そこはきめ細かな対応が必要かというふうに思っています。

高橋(千)委員 もちろん、幼児教育をされてきた方と保育をされてきた方たちが互いの経験を生かすというのは、それ自体は大変いいことだと思いますよ。そういうところに私も視察に行ったことがあります。

 ただ、現実に今やろうとしているのは、働き方に応じてと言っているんですから、顔ぶれがいろいろ変わったり、安定しないということがあるでしょうということ、そのシステム自体の問題を指摘しているわけであります。

 そこで、保育の必要度を決めると言います。この必要度を決める認定証、この期限はどうなるんでしょうか。介護保険でありますと、最初に、その認定が半年間ということだったので、目まぐるしくて大変問題になったわけです。これが、期限がどうなるかということです。

 それから、あなたは長時間、あるいは、あなたは短時間、こう決められたときに、しかし受け皿がなかった、希望するこども園に入れなかった場合、やむなく小規模保育所に預けました、でも、その方は、希望する園に予約して、あきが出たら入りたい、そういうときに、優先権があるでしょうか。あるいは、私は、希望するこども園に入りたいから、市町村があっせんしてくれたとしても拒否をして待ちたいです、そういうことが認められるでしょうか、優先されるでしょうか。

小宮山国務大臣 保育の必要性の認定は、一定の期間内に限って有効になります。具体的な有効期間については、今後、子ども・子育て会議などで関係者の御意見を伺いながら、制度の施行までに検討をしたいと思っています。

 その後、二点おっしゃいましたけれども、一点目の、その子についての保育の必要度というのが変化がないので、希望するこども園にあきが生じた場合の選考で優先されるということにはなりません。

 それからもう一点、保護者があっせんを断ったことをもって保育の必要性の認定が取り消されるということにはなりません。

高橋(千)委員 取り消されはしないけれども、優先はされないというお答えだったと思います。

 実は、これは、前に厚労省と少しやりとりをしたときに、要するに、こども園給付は既に受けていて、公費が入っているところにあなたは入ったんですから、そこは優先権は消滅しますよ、そういう説明だったわけです。

 そうすると、これはちょっと、保護者が選択できるよと幾ら言ったって、意味が違ってくるわけです、固定化されてしまう。そこにやはり格差が出てくるし、メニューというのは、幾ら言っても、それが選択できるだけの、実際のメニューと、また、それがかなう、いわゆる資金面ですとか、そういう条件が合って初めて言える話なんだということを改めて指摘したいと思います。

 それで、総合こども園ではなく認定こども園になるんじゃないかということが言われています。余り議論されていないんですけれども、認定こども園というのは、そもそも既に直接契約ですよね。それから、保育料は施設側が決められます。基準も、小学校でさえ三十人学級なのに、三十五人学級となっております。知事認可も認める中で、最低基準も自治体に委ねることができます。ある意味、新システムの先取りとは言えないでしょうか。

小宮山国務大臣 新システムの先取りだとおっしゃることと、認定こども園、特に幼保連携型のところが今の新システムの中の総合こども園の先駆的取り組みと私どもが申し上げていることは、表と裏から言っているので、それはそういうことだと思います。

高橋(千)委員 私にしてみれば先取りですが、大臣にしてみれば先駆的だとおっしゃいました。ただ、前段のところは否定をされませんでしたね。

 要するに、私たちが指摘をしている問題というのは既に起こっているわけですよね。それで、認定こども園に戻って拡充すればいいんじゃないかという単純な話ではないんじゃないかということなんです。問題を払拭するデータがないんですね、今言った問題については。

 つまり、大臣はよく、高く評価をされていますとおっしゃいます。保護者の方が八割、施設側が九割ですか、評価をしていると。しかし、それは、そういう一定の保育料を払っても、施設でこれまで待機していたけれども入ることができたとか、いろいろな人が確かに喜んでいるかもしれません。でも、現実に、入れなくて結局仕事をやめざるを得なかった人がどれほどいるのかとか、保育料がどのくらい高いのか、そういうデータが全くないんですね。教えてくださいと言ってもありませんでした。そういうこともきちんと、子供や保護者から見てどうなっているのか、調査をするべきではありませんか。

    〔委員長退席、松本(大)委員長代理着席〕

小宮山国務大臣 保育料につきましては、今の保育所で行っている応能負担と同じでございますので、高くなるということはありません。

高橋(千)委員 ですから、最初に聞いたじゃないですか、施設が決められると。

小宮山国務大臣 施設が決めますけれども、市町村が国が示した基準に従って判断をいたしますので、そんなに法外に高いものが出てくるということにはなりません。

高橋(千)委員 ですから、そういう懸念は法案が通るときから指摘をしているんです。それを払拭するデータを出してくださいと言っているんです。イエスかノーか。

小宮山国務大臣 データとおっしゃるのは、今までの認定こども園のデータですか。

 もちろん、今までの認定こども園制度にのっとって今やる方向で修正協議は行われていると聞いてはいますけれども、認定こども園を拡充してやろうとしておりますので、そういう中で、やはり、今度子ども・子育て会議のようなものをつくるということは皆さん合意していただける点だと思いますので、いろいろなチェック機能も含めまして、そこのところはきちんとした制度にできるというふうに考えています。

高橋(千)委員 負担がどうなっているかとか、入れない人たちがどうなっているかとか、そういうデータが一切なくて、評価しているというデータだけでいわゆる先駆的な取り組みなんですと言われるのでは、やはり懸念を払拭できないじゃないか。それを拡充すると言っている以上は、それがどういうものなのかというのをきちんと示してくださいと言っているだけなんです。

 小渕報告のことを馳委員がいつもおっしゃいますので、私もよく勉強させていただきましたけれども、二重行政の問題とか、やはり運営する側の議論なんです。ですから、私は何度も聞いているということです。

 そういう意味で、きょう、ちょっと参考に質問させていただきますが、今回、株式会社の問題も出てきているわけですけれども、あした、構造改革特区の評価委員会の教育部会で、株式会社立の学校について、方向性について意見書が出されるという報道がありました。

 全国に、大学五、高校二十一、小学校一、トータルで二十七校ある株式会社立の学校について、全国展開するには大きな課題があることが文部科学省の調査でも判明しました。

 最も多い高校で、不適切と見られた課題はどのようなものでしょうか。

高井副大臣 御指摘の構造改革特区による株式会社立学校の制度は、平成十六年の小泉政権のときに始まっておりまして、これまで、小学校一校、中学校一校、高校二十四校、大学七校が設置をされています。これらの株式会社立学校の状況については、我々の調査において、学校経営や教育活動が不適切な事例があるということが明らかになっております。

 とりわけ、最も数の多い高校では、そのほぼ全てが通信制高校でありまして、特区区域外の民間施設で試験等が実施されている事例、それから、そうした民間施設が学校の看板を掲げるなど、学校と混然一体となって運営されているという事例がございました。あと、添削レポートのほとんどが多岐選択、マークシートで行われているという事例、こうしたちょっと問題のある点が見られます。

 また、こうした学校の設置を認可した認定の地方公共団体、市町村の職員に高等学校の教育行政の経験がなく、やはり学校に十分な指導ができていないということなどの課題があると認識しております。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 学校の看板を掲げているんだけれども全然それが違いますよということや、スクーリングがないとか、添削がマークシート方式で解説もつかない、自宅で試験を受けられるということで、誰が答えたかわからないじゃないか、そういう実態が明らかになって、課題があるということになったわけです。やはりこういう調査をしなくちゃいけないんですよね。

 改めて、全国展開を見送って、学校教育に熱意のある企業ならやはり学校法人を目指すべきだと私は思いますが、どうでしょうか。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 構造改革特区の特例措置としての学校設置会社による学校設置事業につきましては、現在、御指摘のとおり、構造改革特区本部の評価・調査委員会において検討を行っているところでございます。

 その検討では、経営的に苦しい学校が多いこと、小・高校の八六%が学校法人化を考えていること、通信制高校で教育に課題があるなどの指摘がある一方、英語教育、IT、不登校などの教育の多様化や、生徒の地域行事への参加や世代間交流による地域の活性化、地元人材の雇用創出などの効果があることも確認されたところでございます。

 近く、評価・調査委員会において評価意見が取りまとめられる見込みと承知しており、政府としては、この評価意見を踏まえて適切に対応していく所存でございます。

 以上でございます。

高橋(千)委員 適切にとおっしゃいましたけれども、今指摘されたような、まさに、学校という看板をつけてはならない、不適切だという指摘に対しては、やはりきちんと評価を行って、拙速な結果を出さないということを強く指摘したいと思うんです。

 せっかく文科省が、学校法人を目指すのであればそこに支援をしたいということを言っているわけですね。やはり、私、保育でも同じことが言えるのではないかと思います。本当は、今の答弁、川端大臣が所管なんですけれども、ここでは答弁してはならないということだったので、大変残念ですが、ぜひこれは、聞いていただいたということで、お願いしたいと思います。

 保育への株式会社の参入は二〇〇〇年から既に行われているわけですけれども、その後も規制緩和を求める声は非常に強く、圧力も強かったです。今回も、制限つきとはいえ、株式配当を認める、こういうことが言われています。

 〇八年の十二月二十六日、規制改革会議第三次答申において、さまざまな要件や金額の制約が課せられている運営費の使途範囲について、「株式会社等の事業者から制限の撤廃・緩和が強く要望されている。」こういう指摘に対して、厚労省は何と答えていますか。

小宮山国務大臣 規制改革会議第三次答申での御指摘に対しましては、平成二十年十二月二十六日に、「保育所運営費は、国民の税を財源として、保育所の適切な運営に必要な経費に対して補助されており、適正な公金支出の観点から、その目的の範囲内でその使途が制限されるべきと考えている。」という厚生労働省の見解を公表いたしました。この考えは、今も変わっていません。

高橋(千)委員 今も変わっていないということでありました。

 その後のところに、株式会社で配当が出るくらいだったらそれを職員の充実に回すことができるじゃないか、そういう指摘まで厚労省はしているわけです。私は、やはりその立場を貫くべきだと思います。サービスや規制の内容が、国民の生命、生活や労働者の労働条件など、密接にかかわるものである、だから、その上で、大半が国民に負担いただく税や社会保険料だからこそ慎重であるべきということを厚労省は答えているわけです。

 新システムは、規制改革会議の強い圧力の中で進めてきた保育制度改革でもある。要するに、規制の側と厚労省とのせめぎ合いということと国民の声ということ、そういうことがあった。ですから、本当の本質は保育そのものの解体ということが言われなければならないと思います。

 私は、仮に修正されたとしても、そこの根っこのところが問われていく、やはり公的保育の拡充こそが今求められているんだということを強く指摘して、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

松本(大)委員長代理 これにて高橋さんの質疑は終了いたしました。

 次に、中島隆利君。

中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。

 現在、民主、自民、公明、三党の修正協議が行われています。社民党は協議に参加していませんから、どのような協議が行われているかについては報道ベースでしかわかりません。こうやって質問に立っているのですが、大幅な変更がなされるかもしれません。政府案に対し質問することがどれほどの意味を持っているのか、大変疑問であります。

 委員会の審議途中で、その修正協議で協議の日数が結構かかると思いますし、この際、委員会審議のあり方について、委員長、おかわりでありますけれども、ぜひ委員会の中で十分検討していただきたいというふうに思います。

 さて、報道されているベースで、修正協議に関連し、質問をいたします。

 去る十一日の本委員会で、閣議決定された一体改革の大綱に盛り込まれている後期高齢者医療制度廃止法案の今国会提出、それから最低保障年金制度法案の来年の提出について、総理は、自民党が提唱する社会保障制度改革国民会議で胸襟を開いて議論をする、こういうふうに述べておられます。事実上の先送りであります。また、岡田大臣も、大綱に書かれた内容よりも優先するのが修正協議であることは間違いない、こういう趣旨の答弁をされています。

 ということは、マニフェストに盛り込まれた後期高齢者医療制度の廃止やあるいは最低保障年金制度への改革は、旗はおろさないかもしれませんが、棚上げして国民会議の議論に委ねられる、こういう理解でよろしいんでしょうか。

岡田国務大臣 基本的には、理解が違うと思います。

 後期高齢者医療制度それから年金の抜本改革について、名前はどういう名前になるかというのは各党で協議されていると思いますが、そういった別の場で議論をすることがどうして棚上げなのか、私には理解に苦しむところでございます。

中島(隆)委員 新年金制度導入問題あるいは後期高齢者医療問題についても、民主党内の議論では、政権交代の意義を喪失するのではないか、こういう意見も出ております。特に、二〇〇九年の総選挙を振り返りますと、後期高齢者の医療制度の廃止あるいは最低保障年金を実現することを国民に約束されまして、その選挙の中で政権交代が果たされたわけです。当時、岡田副総理も幹事長としてそのような立場で訴えられ、政権交代が今実現していると思うんです。

 ですから、こういう棚上げ、先送りであれば、やはり、公約したことがほごにされる、裏切ることになるのではないか、こういうふうに考えるんですが、そうは考えられませんか。

岡田国務大臣 ですから、そういう議論の場をつくって議論することがどうして棚上げなのかというふうにお聞きをしているわけです。

 社会保障制度というのは、政権がかわるたびに変わるというものではございません。なるべく多くの党が共通認識を持って制度改革をしていかなければなりません。加えて、今衆議院と参議院で、多数を構成している政党が異なります。そういう中で、やはり各党が協力して議論していくということが我々の理想を少しでも実現するための唯一の道である、そういうふうに私は考えているところでございます。

中島(隆)委員 その点については後段で質問したいと思うんですが、今回提案されているのは、社会保障と税の一体改革、一体改革ということであります。そういう中で先送りされるところに問題を感じているわけであります。

 次に、もう一つ、小宮山厚生労働大臣にお尋ねをいたします。

 子ども・子育て支援も修正協議の対象になっていると承知をいたしております。我々社民党は、今回の政府提案しております子ども・子育て新システムの制度設計については意見があります。

 全ての子供に良質な生育環境を保障し、子ども・子育て家庭を社会全体で支援する。この子ども・子育て家庭を社会で支援をしていく、こういう理念については非常に、部分的に今回の中で修正協議が行われているわけですが、ぜひこの理念は維持していただきたいというふうに思います。

 報道によりますと、修正協議では、総合こども園を、認定こども園を柱にした、文部科学省あるいは厚生労働省からの補助金については一本化するのではないかと伝えられています。認定こども園は、二〇〇六年十月から開始をされまして、認定件数二千件が目標とされていました。しかし、四月一日時点では、認定件数が九百十一件にとどまっています。目標の数の半分にまで達していません。

 今回、総合こども園を創設した場合には、保育所から総合こども園への移行だけで約二万件を見込んでいるわけでありますが、ここは大きな開きがあります。

 現行の認定こども園を柱にしたシステムで幼保一元化が期待どおりに進むのかどうか、この点について大臣にお尋ねいたします。

小宮山国務大臣 これは、再三お答えしているように、今三党で協議中でございますので、私が余りここで踏み込んだ発言をすべきではないというふうには思います。

 ただ、御心配の幼保一体化の目的が達成できないのではないかということは、私はそうは思いません。かなり達成できるというふうに思っています。

 だから、法形式ですとか、いろいろな仕組みがどう変わるかは別にしまして、狙いとしている、その幼保一体化をして、全ての必要な子供たちに質のよい学校教育、保育を提供するとか、待機児童を解消する、このようなことについては、その仕組み、法形式がどうなるかとか、それを担うシステムをどうするかとかいうことは手段であって目的ではございませんので、目的の部分は、今回、認定こども園を進化させ、そこを改善していくことでかなり達成をされるというふうに私は考えています。

中島(隆)委員 認定こども園が施行されて、実施状況が今申しましたとおりであります。しかし、この子ども・子育てシステム、ワーキングで三十一回も審議をされて、もう再三この中で答弁をされて、総合こども園がいいんだ、こういう法案を出されているわけで、この点について、やはり今後の協議の中でそういう理念は崩さない、こういうことですから、ぜひそういう姿勢は持っていただきたいと思います。

 今回、年金や医療制度の将来像が法案として示されないまま消費税増税の議論をしていること自体問題ではないかと指摘してきました。今度は、民主党が国民に約束してきた後期高齢者医療制度の廃止や、あるいは最低保障年金制度の創設が、事実上棚上げし、先送りされるわけであります。また、子ども・子育て支援の中心であった総合こども園の創設も変更されるということであります。これまで委員会で議論してきたことは一体何だったのかと首をひねらざるを得ません。

 このままだと、社会保障制度に関する多くの内容は社会保障制度国民会議に先送りされて、この委員会では消費税の増税だけを決めることになりかねません。一体改革とは言えないのではないか、こういうふうに考えます。

 社会保障の将来設計の多くを先送りするならば、その財源についても先送りをして同時決着をするのが筋ではないかと思いますが、大臣にお尋ねいたします。

岡田国務大臣 先ほど来、先送りということは、なぜ先送りとおっしゃるのかということを私はむしろ逆に聞いているわけであります。

 今回、七つの法案についてこの特別委員会で御審議をお願いしてまいりました。そのうちの、税関係は二本、子ども・子育てが三本、年金が二本であります。今、各党協議、この七本の法案について御協議いただいておりますが、それが何か、先送りされるとか、なくなるとか、そういうことは私は全く想定していないわけであります。議論した結果、内容的に変わることは当然あるというふうに思っておりますが、それが先に送られるということではございません。

 委員御指摘の、後期高齢者医療制度や年金の抜本改革については、これはそもそもこの七本の法案の外の話でありまして、今回の社会保障・税一体改革とは切り離されて、もう少し時間をかけながら議論するということでありますので、何か委員が先送り先送りと言っておられますが、そういうことではないということをはっきり申し上げておきたいと思います。

中島(隆)委員 先送りというのは、先ほど、子ども・子育て新システムの問題とか、あるいは年金、社会保障問題、多くの課題をこの国民会議の中で議論していこうという見直し、まあ、どういう見直しになるかわかりませんけれども、見直しになって法案が変わった場合は、これまで政府はずっと国民にこの一体改革の説明をされてきたと思うんですね、この前、今回の七法案を含めて。だから、その説明をされてきた国民との約束が、先送りして議論することによって、そしてまた、消費税だけを今国会で成立させるということは、やはりそういうことになるのではないかというふうに思うんです。

岡田国務大臣 先ほど言いましたように、この特別委員会で御議論をいただいているのは、七つの法案であります。そのうちの税関係、地方税、国税合わせて二本、その中に消費税も含まれているということでございます。

 ですから、委員、消費税だけここで決めるというふうにおっしゃいましたが、どういうことでそうおっしゃっているのか。我々は、七本の法案について、我々政府案として出したものを、それはそのままではなくて、中身が修正されることは当然あるというふうに思っておりますが、七本の法案のうちの消費税だけが可決されて、ほかは全部先送りされるというのは全く事実に反するということを申し上げておきたいと思います。

    〔松本(大)委員長代理退席、委員長着席〕

中島(隆)委員 時間がありませんから、次に、今回提案されている内容について、少し質問をいたします。

 短時間労働者への厚生年金、健康保険の適用について、パートなど短時間労働の処遇改善を進める上で、厚生年金や健康保険の適用を拡大する方向性は極めて正しいと思います。しかし、今回の法改正では、一週間の所定労働時間が二十時間以上の短時間労働者が約三十七万人いるわけでありますが、適用対象はわずか四十五万人にとどまっています。大変残念でありますが、恐らく、従業員の規模が五百一人以上の大企業に対象を限ったことが原因だと思います。

 同じ働き方をしながら、勤め先の企業の規模の大小によって制度の恩恵を受ける人、あるいは受けない人の差が生じることは、不公平な制度だと言わなければなりません。なぜ企業規模五百一名以上という制限を設けられたのか、この点について大臣にお尋ねいたします。

小宮山国務大臣 このこともお答えしますが、手短に。

 先ほど副総理からもお答えしましたように、七つの法案のうち、今回、五%の消費税を上げさせていただくことに対応するものとして、今おっしゃっていただいたパートの適用拡大も含めた年金機能強化法案と被用者年金の一元化法案、そして今御議論いただいている子ども・子育て新システム三法案、これはここで決めるんです、今、修正協議で。ですから、全く税だけ先行ということではございませんので、そこは誤解のないようにお願いをした上で、今、五百一人以上にしたことは、短時間労働者への社会保険の適用拡大について、非正規労働者へのセーフティーネットの拡充が必要だということは恐らく同意をしていただけると思います。先ほど三十七万とおっしゃいましたが、全体、三百七十万です。そのうちの四十五万を、今回しました。

 なぜ四十五万に限ったかというと、これは、中小企業の企業経営への影響に配慮する必要があるという御意見が大変強くございましたので、その両方の立場を総合的に考慮して、現実的なスタートラインとして、五百一人以上で四十五万としたところです。

中島(隆)委員 企業は、非正規雇用やパート、有期雇用といった低賃金労働者を使いながら利益を生み出そうとしているわけでありますが、それに見合った責任をしっかりと果たすのが筋であります。保険料負担で大変だからという理屈をうのみにすべきではないというふうに思います。

 ここで、大臣にもう少し、この五百一名の基準を切った点、この点については若干問題があるというふうに思うんですが、法案の附則で、短時間労働者への厚生年金あるいは健康保険の適用拡大について、三年以内に対象を拡大することが明記をされています。

 そこで、お聞きしますが、この三年間で拡大される短時間労働者の対象をどのように考えておられるのか。三年間で、週二十時間以上働く全てのパート労働者に適用するお考えであれば、そのようにはっきりおっしゃった方がいいのではないかというふうに思うんですが、その点、お尋ねいたします。

小宮山国務大臣 今回提出した法案では、平成三十一年三月三十一日までの間に、短時間労働者に対する厚生年金と健康保険の適用範囲をさらに拡大するための法制上の措置を講ずるとしています。この法的措置を講ずるに当たりましては、この法案の施行の状況や短時間労働者の雇用環境、企業の置かれた状況などを考慮に入れて、その時点で適切に判断していくというふうに考えています。

 いずれにしましても、この適用拡大の点も含めまして、今与野党間で御議論をいただいていますので、その中でしっかりと結論を出していただきたいと思っています。

中島(隆)委員 もう一点お聞きをいたします。

 今回の適用拡大で、月額七万八千円、年収で九十四万円以上のパートの方を対象にしていますが、現在の九万八千円、年収で約百三十万円という標準報酬月額でありますが、下限が引き下げられることになるわけであります。

 この年収百三十万円をめぐって、現在でも就業調整が行われていることはよく知られていますが、今回、標準報酬月額がさらに下がって、年収九十四万円を境に調整が行われ、あるいは、結果的に女性の継続就労が阻まれることになるのではないか、こういう危惧もいたします。また、企業側からすると、保険料負担の増加を嫌って、事業主が賃金の引き下げに走ったり、あるいは一年未満の短期間の雇用契約に切りかえていく、こういう予想がされます。

 これに対し、厚生労働省はどのような手を講じようと考えておられるのか、お尋ねいたします。

小宮山国務大臣 月額賃金七・八万円の収入基準、これは、週二十時間から三十時間就業している短時間労働者のうち、第一号被保険者、国保の被保険者を収入額別に並べますと、おおよそ真ん中程度の額に相当します。

 御指摘のように、事業主の側から見ると、確かに、適用拡大に伴う保険料負担、これは人件費の増加要因でありますが、労働時間を適用基準以下に抑えながら労働者の数をふやすということ、これは人手不足が生じている現場では限界がありまして、人事管理の面からも非効率になると考えられます。また、一方で、短時間労働者に、十分な職業訓練を行って能力を高めた上で、より長い時間働いてもらう方が、企業現場の競争力向上を通じて、企業経営にもプラスの面がある。こうしたことを、適用拡大の労働者本人へのメリットとともに、事業主にもよく説明をして、御理解をいただきたいと考えています。

中島(隆)委員 時間も参りまして、法人税問題も質問を予定しておりましたが、次に回したいと思います。

 最後に、非正規労働者の問題、そしてまた、今申し上げました女性や若い人たちの雇用支援、大変重要な問題で、深刻な状況があります。ぜひ、これらの課題についても全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。

 以上、質問を終わりたいと思います。

中野委員長 これにて中島君の質疑は終了いたしました。

 次に、山内康一君。

山内委員 みんなの党の山内康一です。毎度お世話になっております。

 最初に、岡田副総理に、修正協議の進め方について質問をさせていただきたいと思います。

 今、三党で修正協議が行われております。修正協議のメンバーではない我が党は、どういう議論がなされているのか、新聞ベースでしか知る由もありませんが、その進め方について疑問がありますので、岡田副総理のお考えを聞きたいと思います。

 修正協議の担当者は、新聞報道ベースで見ますと、民主党の方は、前原政調会長が総括で、税は藤井税調会長、それから補佐が古本委員、それから、社会保障は細川律夫議員、長妻議員といったようなメンバーで実務者協議が進んでいる。他方、自民党の側の実務者協議は、報道によると、伊吹筆頭が総括として参加されている。それから、野田毅税調会長、町村先生、それから宮沢洋一先生、鴨下先生、加藤先生、こういったメンバーで実務者協議が進んでいると聞いております。

 何が言いたいかというと、自民党の側は、宮沢先生以外は、みんなこの委員会の委員をなさっております。それに対して、民主党の側は、ほとんどこの委員会の委員じゃない人が実務者協議をやられています。古本先生一人を除いて、民主党の実務者協議に出てくる人は、みんなこの委員会のメンバーじゃありません。

 きょうでもう百十四時間になるこの長い議論の中身をしっかり聞いた上で修正協議をなさった方が第三者的にはいいんじゃないかなと思いますし、例えば自民党の側の実務者協議の担当の実務者の皆さんは、少なくとも、我々野党、ほかの野党の質疑も聞いていただいているわけですし、中央公聴会、地方公聴会、参考人の質疑、そういうさまざまな議論を踏まえて実務者協議に参加していただいているものと期待しております。

 それに対して、民主党の実務者協議のメンバーは、古本さん以外は、みんな院内テレビでずっと見ているとはとても思えないようなお忙しい方ばかりですから、恐らくは、この委員会の審議、公聴会で話をしていただいた有識者の皆さん、地方公聴会の地元の経済界、保育園関係者、いろいろな人たちの意見をちゃんと踏まえて修正協議をやってもらっているんだろうかと非常に疑問を感じております。

 そういった意味では、国会審議の形骸化ということでそもそも修正協議には我々の党は反対しているんですけれども、少なくとも、自民党側の対応のように、この委員会の委員が実務者協議に入る、それが良識というか誠実な態度ではないかと思うんですが、この点について岡田副総理のお考えをお聞きしたいと思います。

岡田国務大臣 そこは、いろいろな御意見がある、難しいところだと思います。

 もちろん、ここでの議論の結果というのは、そういった協議者にはきちんと報告がなされて、キャッチボールがなされていますので、それが反映されていないということはございません。同時に、協議者の意見というのも、この委員会の場に、あるいは我々にも反映されて、そういったことも念頭に置きながら我々も答弁させていただいております。

 ですから、この委員会の委員でないからそういった交渉者といいますか協議者になってはいけないということでは必ずしもない、そこは考え方の問題だと思います。

山内委員 考え方の問題とおっしゃいましたし、難しいところとおっしゃいましたが、そんなに難しいこととは私には思えません。

 やはり本来は、実務者協議に参加するような専門性の高い議員がこの委員会の委員に選ばれた方が望ましいと思いますし、そうじゃないと、民主党の委員の皆さん、たくさんいらっしゃいますけれども、せっかくいい意見を言われている方も中にはいらっしゃいますが、そういう人たちの意見がきちんと実務者協議に反映できないということがあると思うんですね。ですから、民主党の皆さんも怒った方がいいと思いますよ。自分たちの意見をしっかり実務者協議に反映させてほしいということを皆さんも実は感じていらっしゃるんじゃないかと思います。

 ですから、今後、実務者協議がいつまで続くかは存じませんが、本来は三党でやるのは望ましくないと思いますが、仮に三党でやるにしても、この委員会のいろいろな質疑を生かした、実のある協議をやっていただきたいというふうに思います。

 続きまして、先日もお聞きしました消費税の転嫁Gメンについて、岡田副総理と公正取引委員会の委員長に同じ質問をさせていただきたいと思います。

 先日の質疑では、消費税の転嫁Gメンができても予算や人員は余りふやさない、行政の肥大化にはつながらないと岡田副総理はおっしゃったかと思います。私も、そのとき聞いて、なるほどなと思ってつい納得してしまったんですけれども、よく考えると、そんなに簡単じゃないんじゃないかなと家に帰って思いました。

 この前、民主党の委員の方が公正取引委員会の委員長さんに質問されていたときに、その質疑を聞いて思ったんですが、公取の方で本当にそんな、消費税の転嫁という非常に対象者が多くなる案件を扱えるのかなという疑問が私は湧いてまいりました。公取の職員は大体八百名ほどしかいらっしゃいません。この八百名の人たちが、企業の談合とかそういったものの摘発もやられている。それに加えて、消費税の転嫁の摘発という仕事まで入れると、とても今の人員じゃ足りないんじゃないかなと改めて思うようになりました。

 恐らく、多くの国民が公正取引委員会に期待している業務は、やはり大きな悪を追及してほしいんじゃないかなと。企業の談合とか、悪質でかつ規模の大きい犯罪を取り締まってほしいと思っている、その公取が、消費税の転嫁という、非常に対象が多くて、多分、件数も多くなる案件を追っかけるのはちょっと無理があるんじゃないかなと。極端なことを言うと、東京地検特捜部が万引きの取り締まりをやるような、そういうことになりかねない。もっと大きな問題を扱うべき人たちが非常に件数の多い案件を扱っていくというのは不合理なんじゃないかなと思うようになりました。

 この点について、岡田副総理と公取の委員長、それぞれの御見解をお聞きします。

竹島政府特別補佐人 いろいろ御理解いただいて、ありがとうございます。

 確かに、公正取引委員会は、独禁法と下請法という二つの法律を所管しておりまして、その厳正な執行が本旨であるというふうに思っております。

 ただ、この消費税の増税にかかわる転嫁の問題も大変大きな問題で、もしも、消費税の値上げは自分は受け入れない、その分、本体価格を見合って下げてくれというようなことを不当に要求するような場合は、これはまさに独禁法の問題になるわけでございまして、また、それが下請関係にあれば下請法違反になる。要するに、買いたたきということで優越的地位の濫用の問題になってまいりますので、本来の業務であるといえば本来の業務でもあるわけでございます。

 そこで、御指摘のとおり、大変対象が広いわけでございますので、公正取引委員会は八百人しかおりませんので、それだけで全部対応はできませんが、なるべく効率的に仕事をするということを心がけると同時に、各省の御協力も得て、それから、これからの話でございますが、できれば商工会議所、商工会等々の団体のお力、御協力もいただいて、それで情報の掘り起こしということもやっていきたい。やはり効率的という場合には、消費税の転嫁にかかわって何をやれば独禁法違反ないしは下請法違反になるかということについてはきちっとガイドラインを示して、予防のためにはよく周知徹底を図る。

 それから、Gメンを含め、いろいろな関係団体、各省からの御協力をいただいて、ここでこういう事案がある、本人は申告できないけれどもこういうことがあるよということを教えていただいて、それについて我々が効率的な調査をする。

 それからさらに、買いたたきに当たるような行為、現行法でも対応が十分可能だとは思っておりますが、民主党の方のワーキングチームの御提言の中にも、さらに何か新たな立法措置というものは考えられないのかということを宿題としていただいておりまして、政府の中間整理でもそのようになっておりますので、これは今、具体的なアイデアはまだ出ておりませんが、もうしばらくお時間をいただいて、単なる人海作戦ではなくて、いい手段を考えることができればそれを考えていきたい、そういうことでございます。

岡田国務大臣 今、公取委員長が話をしたとおりなんですが、一つ加えさせていただきますと、やはりそういう人員を時限的にふやすということは十分考えられることだと思います。今まで類似の業務に携わってきた、例えば退職者とかそういった方々などに時限的にこの職務についていただくというような形で一時的にふやす、定員の外で雇用するということは、当然考えられることだと思っております。

山内委員 やはり心配なままです。八百人の公取の職員で、審査部門はわずか四百五十人、総務部とかいろいろ管理部門があろうかと思います。それで四十七都道府県をもし見るとすると、一県当たり何人だろうと。現在の業務もあるわけですから、非常に心配になりますので、時限的に人をふやす、そういう手もあろうかと思いますが、本当にフィージブルなのかどうか、もう一度しっかり検討していただきたいと思います。

 次の質問に行きますが、ちょっと時間がなさそうなので、三番を飛ばしまして、四番の、国税庁と日本年金機構の法人数データの差異についてということで質問させていただきます。

 この件、岡田副総理でも厚労大臣でも、あるいは役所の方でも結構ですが、ちょっと細かいデータについてお尋ねをします。

 国税庁が把握している法人の数が二百七十万社を超える、それから厚生年金加入法人が百七十五万事業所、その差が、八十万法人ほどが漏れになっているということで、我が党の浅尾議員は前々から歳入庁をつくれと言ってきたわけですけれども、歳入庁をつくるかどうかは別の問題として、そもそもこのギャップが存在すること自体やはり問題じゃないかと率直に思います。

 なぜこれまで、この国税庁と厚労省のデータ、こんなにもギャップがあって、それが放置されてきているのか、それから、では今後どうやっていくのかということについてお尋ねをしたいと思います。

小宮山国務大臣 今委員がおっしゃいました、国税庁が把握している申告法人数およそ二百七十三万と日本年金機構の適用事業所数およそ百七十五万に差があるということは事実です。ただ、厚生年金が適用とならない休業中の法人ですとかペーパーカンパニーなども含まれるため、単純に比較をすることができない部分もあるかと考えています。

 ただ、未適用になっている事業所に適用対策を進めるということは大変重要なので、これまでも、雇用保険の適用事業所データを活用するなどによりまして未適用事業所の把握を行って、把握した事業所に対する加入指導に取り組んできました。

 さらに、今年度末には、新たに、法務省の保有する法人登記簿情報を一括して入手できるようにして、その後、その情報を活用して、まだ把握できていない法人を把握して適用を進めることにしていますので、こうした取り組みを一層進めていきたいというふうに考えています。

山内委員 法人登記のデータを使うといったような新しい試みも始まっているようですけれども、それがどの程度効果があるとお考えでしょうか。実際に、これまでのところ効果は上がっているんでしょうか。

岡田国務大臣 今まで、日本年金機構の方は、雇用保険の適用事業所のデータを活用するなどしてきたわけであります。今年度末には、新たに、法務省の保有する法人登記簿情報を一括して入手できるようにするということであります。

 確かに、実は国税庁の方もこの法務省のデータを使ってやってきたということですから、なぜ年金機構がそれをもっと早くできなかったかと問われれば、私はそれはかなり問題があったと言わざるを得ないというふうに思います。しかし、遅まきながらではありますが、そのデータをきちんと一括して入手できるような体制ができるということでありますので、その差というものの中で、説明できない差というものは埋まっていくということを期待しているところでございます。

山内委員 ありがとうございました。

 次に、岡田副総理に、たびたび済みませんが、基礎年金部分の税負担の議論についてお尋ねしたいと思います。

 以前に、岡田副総理初め超党派の議員で年金制度を抜本的に考える会という会をつくられて、勉強会を開かれていたと思います。私も実は何度もその勉強会に参加させていただきまして、そのときの提言を久しぶりに読み返してみたんですけれども、一言で一番重要なポイントを言うと、基礎年金部分は全額税負担にしましょうという案だったと思います。

 このころと今と、岡田副総理、お考えは変わられているんでしょうか、あるいは、この提言の内容というのは今の政府の案に反映されているんでしょうか。お尋ねします。

岡田国務大臣 委員御指摘の提言というのは、自民党の野田先生や河野太郎先生、それから民主党では私や枝野議員や古川議員で議論をしてつくり上げたものでございます。そこは確かに、基礎年金部分は税方式ということを言っております。

 今、我々の党として提案しております最低保障年金というのは、この最低保障の部分は税なんですけれども、しかし、基本的には、所得比例年金というのがあって、そこは保険料、そこで足らざる部分について税による最低保障年金で補うということですから、かなり組み立て方は違います。

 その結果、どういう問題がそれぞれ生じているかといえば、恐らく、最低保障年金の方は、やはり所得の捕捉をきちんとしないといけない、それがどこまできちんとできるかという問題がある。それから、全額税方式の方は、逆に言うと保険料を払わなくてももらえるということになりますから、そこでモラルハザードが発生する。それぞれそういう問題点を抱えているということだと思います。

山内委員 わかりました。ということで、次の質問に行きたいと思います。

 ちょっともとに戻りますが、三番の質問を岡田副総理にお尋ねしたいと思います。

 参考人質疑で参考人の方の意見を聞きまして、非常におもしろいと思ったのが、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの五十嵐敬喜さんの参考人質疑が非常におもしろかったんです。

 五十嵐氏によると、消費税増税は必要である、日本の国債がまだ信用されているのは、消費税増税の余地が大きいからまだ日本の国債に対する信用があるんだということをおっしゃっていました。五十嵐さんが懸念されていたのは、問題は、消費税を増税するところはいいけれども、増税した後、その増収分を無駄遣いしてしまったら今度こそ日本の国債に対する信用はなくなってしまう、だから、増税するのはいいけれども、増税して、それを財政再建にちゃんと回しなさいということをおっしゃっていました。

 確かに、増税で収入がふえると、また何か違うことに使おうという欲求というか、そういう要望はいろいろなところから出てくると思います。福祉なのか公共事業なのか教育なのかわかりませんが、とにかく、収入がふえると、新しい使い道を、どんどん提案が出てきてしまって、結局財政再建にお金が回らないというような懸念があるんじゃないかと思いますが、仮に増税が達成された後、その増収分がきちんと財政再建に回るように、支出をふやさないようにするための方策というのがあれば、お尋ねしたいと思います。

岡田国務大臣 非常にいい御指摘だと思うんですね。

 我々は、五%消費税を引き上げたその使い道として、一%は子ども・子育てなど新しいことに使わせていただく、残りの四%は現在の制度の安定化ということで、そういう考え方に立っているわけであります。しかし、委員御指摘のように、消費税を引き上げて増収になった分をほかに使うということになれば、それは結局、我々の目指している二〇一五年プライマリー赤字半減という目標は達成できないということになります。

 したがって、お約束したとおりの、一%は社会保障制度の充実に、四%は安定にという基本的考え方を変えず、同時に、行政改革などをしっかり進める中で、財政再建の現在のスケジュールを変えることなくしっかりと実現していかなければいけない、そういうふうに考えております。

山内委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

中野委員長 これにて山内君の質疑は終了いたしました。

 次に、渡辺義彦君。

渡辺(義)委員 新党きづなの渡辺義彦でございます。

 再び質問の機会をいただきましたこと、大変感謝申し上げております。本当に、連日、また長時間にわたってひな壇にお座りの皆さんには、御苦労さまと申し上げておきます。

 私も、きょう昼から三つ目の委員会でございまして、私の前でどんな質問があったかということはちょっとわかっておりませんので、もしかして重なった質問になったときは御寛容いただきますように、よろしくお願いを申し上げます。

 まず、現在行われております修正協議のことについて少しお伺いをしたいのですが、新聞等々では、これは撤回したであるとかいろいろなことが掲載されておるわけでございますが、今の状況というか見通しというか、その辺のところをお教えいただけたらと思うんです。副総理、お願いを申し上げます。

岡田国務大臣 今、民主党、自由民主党、公明党、三党間で政党間協議を行っているということは承知しておりますが、これはまさしく、まだ途中ですし、政党としてやっておられる話ですので、政府とはちょっと違う立場、したがって、私がその内容について何かこの国会の場でお話しする立場にはないということでございます。

渡辺(義)委員 予想どおりの御答弁でございました。

 ここまで、長い時間をかけてずっと議論を各委員させていただいてきたわけでございますけれども、この三党の修正案が合意された、また、合意しなかった、その辺のところで、例えば合意されたとして、今後のこの委員会の進め方というんですか、我々新党きづなとしては、三党で御協議されておられますが、その内容等々は、今まで審議した内容とは変わる可能性が大きいわけでありますから、会期も二十一日まででございますし、そこで、合意したからえいやと決めちゃうというようなことがまさかないだろうかというところで、その辺のことをお聞かせいただけたらと思います。

中野委員長 これは政府が答弁する内容ではなく、国会で、各党代表が集まっております理事会で協議をしながら、今後の対応を進めてまいります。

渡辺(義)委員 わかりました。

 それでは、今の委員会名は、社会保障と税の一体改革に関する特別委員会。私が以前御党に所属させていただいているときの記憶では、税と社会保障の抜本改革調査会とか、税が前に来ておったという記憶でございます。これは間違いございません。

 当然、この名称にお変えになったというか、お使いになっておられるというのは、社会保障の充実のために消費税を中心に増税をしたい、そういう議論ということで理解させていただいてよろしゅうございますでしょうか。

岡田国務大臣 どちらが先かというのは、何か特別の意味があるわけではないと思いますが、やはり我々、社会保障制度を充実する、あるいは安定させる、そのために消費税の五%引き上げをお願いしている、そういうことからいえば、素直に社会保障と税の一体改革といったことの方が、より内容を示しているというふうに思います。

渡辺(義)委員 あくまで社会保障の充実が主で増税が従であると私も理解しておりますが、今議論させていただいております最低保障年金制度のこととか後期高齢者医療制度、年金、医療等々の問題とか、社会保障の枠組みの中に、子育てというものを優先課題にして総合こども園などの問題を、政府や与党民主党は前の選挙で公約ともしておられたわけです。

 この社会保障のグランドデザインに関する重要な施策を、もしかしたら棚上げされたり、断念、撤回ということも予想されるわけでありますけれども、増税のことがどうも先に立って、社会保障部分の改革案の方の明示がしっかり国民に伝わっていないという部分においては、消費税が八%、一〇%と増税されるということしか国民は御理解されていないと思うんです。

 国民に対して、公約に反する、公約違反というか不履行というか、増税ありきだけで、税だけ先行させるのは、一体改革と呼ぶにはちょっとおかしいんじゃないかと私は思うんですが、副総理の御見解を。

岡田国務大臣 我々、この特別委員会に七本の法案の審議をお願いして、約一カ月間御審議いただいているわけです。七本は、税法、地方税、国税で二本、それから子ども・子育てで三本、年金で二本であります。その七本について今各党間で協議していただいていますが、中身の修正はあると思いますけれども、それが途中で棚上げになったり、なくなったりするというふうには考えていないわけでございます。ですから、税だけ取って社会保障が置き去りになるということは全くございません。

 想定していた、例えば厚生年金の適用範囲の拡大とか、それから二十五年を十年にすることとか、被用者年金の一元化とか、あるいは子ども・子育てについても、名前は変わるかもしれませんが、しかし、今の認定こども園の考え方をさらに進めて、省庁間の垣根を取り除き、そして財政的にしっかりしたものを入れる、そういう基本的な考え方は変わらないというふうに私は考えております。

 委員御指摘の、後期高齢者医療制度の廃止の問題とか、あるいは年金の抜本改革の問題については、そもそもこの七本の外の話、社会保障・税一体改革とは一応分けて考えてきた問題でありますので、そういった問題についても各党間でよくこれから御議論いただくということで、別に棚上げしたわけではございませんし、もとに戻りまして、七本の法案についてしっかり議論をして、多少といいますか、中身の修正はあるにしても、ここできちんと結論を出していただくということでございますから、税だけ成立する、消費税の引き上げだけが決まるというようなことは全くございません。

渡辺(義)委員 御党のお話をしてはあれなのかもしれませんけれども、御党の中でもやはり、税の方が先走っているんじゃないかということで、公約されている部分も実行されていないんじゃないか、かなり野党の方に譲歩しているんじゃないかというような議論も行われているわけであります。

 私は、先行きの安定感というものを国民の皆さんはお求めになっておられると思うんです、増税云々の先にあるもの。ですから、社会保障のあるべき姿というものを見せてから、また提示してから、国民の思いとか民意に反するものでない、急いで結論を出すために命がけでこの法案を通そうということではなしに、国のかじ取りを託されたお立場の総理がまず行うことは、増税後の形をもっと明確にお見せいただくことじゃないのかなと私は思うんです。

 最近の世論調査によりますと、今までは増税もやむなしという数字の方が高かったというような感想を私は持っておりましたけれども、最近のアンケートでは、やはり増税反対やなという方の方が多いやにそのデータでは提示されております。

 それはなぜかというと、社会保障の部分、増税された後、一体自分たちの老後はどうなるんだとか子育てに関してどうなるんだというところの議論をまだ今されている途中の中で、明示、はっきりどう決まるのかわからないというところで増税のことだけが進んでいくということで、やはりそれなら増税には賛成できないなという世論だと自分は思うんですけれども、その辺の感想はいかがでございますか。

岡田国務大臣 繰り返しになりますが、この特別委員会、七本の法案をお願いしていたわけです。その中の五本というのは、現在の社会保障制度を改革するというものであります。協議しておりますので、中身は少し変わると思います。しかし、基本的に、その七本の法案について、これを修正した上で成立させるということでありますので、そして、中身は先ほどちょっと申し上げたような中身になりますから、全体像が見えないとか、そういうことはないということであります。

 そこは、むしろ、委員もずっとこの百時間の審議に携わってこられましたのでよく御承知のはずであります。税だけが上がるというようなことは全くございません。まだまだ説明が足らないかもしれませんが、具体的に、七本の法案が成立したときに、それは国民の皆さんにもしっかり御理解をいただけるものだというふうに考えております。

渡辺(義)委員 もっと丁寧に国民に伝わるようにしていただきたいという要望でございます。

 それでは、小宮山大臣に御質問させていただきます。

 前回、総合こども園のことについては、長く携わっておられて、一生懸命エールを送らせていただいたという気持ちでございましたが、どうも新聞紙上では、撤回の方向でも仕方がないかな的な御発言、これは新聞に載っていることでありますので、その真意のほどをお話しいただけたらと思います。

小宮山国務大臣 子ども・子育て支援の関連法案についても今三党で御協議いただいている最中ですので、私が余りいろいろ申し述べるべきではないと思いますが、先ほどから申し上げているように、各党一致しているのは、子育て施策をしっかり充実させたいということ、また、質の高い幼児期の学校教育、保育を全ての子供にしたいということ、ここは共通でございます。

 これは、総合こども園法という形はとらないとしましても、認定こども園を拡充させて、狙っていたところになるべく近づけることによりまして、目的としているものはそう変わらずに実現ができると私は思っておりますので、名前が変わるから全部取り下げみたいなイメージがあるのは間違っているというふうに思います。

渡辺(義)委員 児童手当のときも、児童手当を復活させるが、これは進化であって廃止ではないとおっしゃいました。認定こども園も、このままで、進化であって見送りではない、そのようにお考えということでございますね。

小宮山国務大臣 今回、総合こども園法と名づけましたけれども、途中までは総合施設という言い方をしていたんですけれども、そうすると子供に身近でないので総合こども園という名前をつけました。

 また、いろいろな仕組みも、私どもが考えてこれがいいという仕組みをつくったわけですが、ねじれ国会のもとで、やはり各党の同意をいただかないとこれは成立をいたしませんので、そういう意味では、変わっていく部分はあると思いますが、先ほど申し上げたように、今回の子ども・子育て関連法案で狙いとしていたことを変えたわけではございませんので、そこはしっかりと御理解いただけるように説明をしていきたいと思っています。

渡辺(義)委員 待機児童の解消のために総合こども園が必要と本委員会でもずっと答弁されてきたわけでございますので、待機児童の解消は増税のために切り捨てたなどと思われないように、しっかり御説明をいただきたいと思っております。

 それでは、次の質問に移ります。

 余り時間がございませんが、増税と国民生活についてということでお聞きをさせていただきます。

 この改革案で国民の生活はどうよくなるのかというか、私、前回も申しましたけれども、公共料金も上がるし、景気も悪いし、失業率も高いし、職についても非正規雇用で条件は悪いし、円高、デフレだ、普通に働いて生活できるという基本の基本が今なかなか難しいような状況だと私は思っているんです、低所得者の方を見れば。

 そういう中で、こういう増税で負担増になるという厳しい生活の中で、国民生活に大きな影響を及ぼすわけですが、その痛みの部分をどう救うか、支援するかという部分では、政府としてはどうお考えになっておられますでしょうか。

安住国務大臣 いろいろな角度からの見方はあると思いますけれども、一方で、冷静に考えれば、今の行政サービスの大半の部分というのは赤字国債で賄っている。社会保障も、実は、充実強化ということもありますけれども、私ども財政当局から見れば、簡単に言えば、孫子に借金をして今の世代のサービスを賄っている状態をこのまま続けていくということが、それでは健全なのかということも一つ考えなければならないと思います。

 ですから、そういうことを勘案すれば、負担面だけを強調される方も結構おられるんですけれども、やはり社会保障の充実と、それから、今そういう点では、次世代にツケ回しをしている部分について、やはり、今を生きる世代で、全世代で負担をしながら、年金、医療、介護を、少しでも足らず前を補っていこうという考え方もあってしかるべきだと私は思うんですね。

 そういうことがないからこそ、将来に不安を持って、お金を使わなくなったり、それがまた消費に影響したりという悪い循環にならないようにするのがやはりもう一つ政府の大きな仕事であるということを申し上げたいと思います。

渡辺(義)委員 ですから、その中身、そうならないようにどうされるかという部分で具体的にお聞きしたかったのですが。

 時間がございませんので、源泉徴収制度についてちょっと御質問させていただきます。

 前回、徴収、徴税のことを申し上げました。もっとしっかり徴収してくださいよというようなお話をさせていただいたんですが、我が国は、給与所得者が納税者の大半でございます。そのおかげで徴税率も大変高いんだと思っております。私は、納税意識の向上等々を考えると確定申告もいいんじゃないかなと思っておるんですけれども、民主党さんも、過去には、「徴税側の都合のみを優先させてきた源泉徴収制度・年末調整制度などの各種徴税制度の改革を進めます。」ということをうたっておられます。また、御支援いただいておられます連合さんも、申告納税制度とか源泉徴収制度の選択制はいかがですかというようなことも申し述べられております。

 確かに、サラリーマンの方というのは、必要経費等々をもっと拡大してあげて、お商売されていますといろいろな経費で落とせるという部分もございますけれども、サラリーマンの皆さんも控除という部分はございますけれども、もっと消費も拡大する、サラリーマンの皆さんにも希望の光が起こるように、源泉徴収の経費をもっと認めてあげる、そういう枠の拡大等々をお考えにはなっておられませんでしょうか。

五十嵐副大臣 委員も御存じのとおりですけれども、日本では、どの働き方をされている方もしっかり実は納税をいただいている、こう思っております。

 その上で、給与所得者には給与所得控除というのが、今御指摘もされましたけれども、ございまして、大体、マクロ的に見ますと、総収入の三割ぐらい控除をされているでしょうか。そして、いわゆるサラリーマンの必要経費といいますか、その部分を実額で調査をすると、二十二年時点で、私の記憶では大体五・二%ぐらいですから、そういう意味ではカバーされているというふうに思います。

 その上で、しかし、人によってはかなり特定支出が多い方もいらっしゃいますから、このたび、給与所得控除額の半分を超える部分については実額で控除するのを認めよ、そういう手直しをいたしておりますので、これからもさまざまな観点から、不公正のないように、適正な課税が行われるように見直しはしていきたいと思います。

渡辺(義)委員 時間が来てしまいましたが、現在、申告すれば還付される税もあるのに、申告されていない方もたくさんおいでになると思うんです。そういう意味では、申告主義ではなしに、還付請求する側の手続がもっとわかりやすい、簡素になるような、行政側の方からもっと告知をしてあげる、案内してあげるというような、そういうことを推し進めていただけたらと思います。

 時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

中野委員長 これにて渡辺君の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時一分散会


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