衆議院

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第6号 平成25年5月28日(火曜日)

会議録本文へ
平成二十五年五月二十八日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 森  英介君

   理事 伊藤信太郎君 理事 塩崎 恭久君

   理事 鈴木 馨祐君 理事 高鳥 修一君

   理事 牧原 秀樹君 理事 古川 元久君

   理事 足立 康史君 理事 江田 康幸君

      青山 周平君    大久保三代君

      大島 理森君    川田  隆君

      菅家 一郎君    菅野さちこ君

      北川 知克君    佐々木 紀君

      佐藤  勉君    白石  徹君

      白須賀貴樹君    田中 良生君

      高木  毅君    武村 展英君

      中村 裕之君    額賀福志郎君

      細田 健一君    細田 博之君

      宮澤 博行君    宮下 一郎君

      簗  和生君    玄葉光一郎君

      後藤 祐一君    近藤 洋介君

      篠原  孝君    馬淵 澄夫君

      小熊 慎司君    木下 智彦君

      西田  譲君    斉藤 鉄夫君

      濱村  進君    柿沢 未途君

      椎名  毅君    笠井  亮君

      玉城デニー君

    …………………………………

   復興副大臣        谷  公一君

   経済産業副大臣      菅原 一秀君

   経済産業副大臣      赤羽 一嘉君

   内閣府副大臣       井上 信治君

   文部科学大臣政務官    丹羽 秀樹君

   文部科学大臣政務官    義家 弘介君

   経済産業大臣政務官    平  将明君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鎌形 浩史君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    草桶 左信君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           鬼澤 佳弘君

   政府参考人

   (文部科学省研究振興局長)            吉田 大輔君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            戸谷 一夫君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中西 宏典君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   梶原 成元君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            小林 正明君

   政府参考人

   (原子力規制庁次長)   森本 英香君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  櫻田 道夫君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  山本 哲也君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  大村 哲臣君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力地域安全総括官)       黒木 慶英君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  黒江 哲郎君

   参考人

   (東京電力株式会社代表執行役社長)        廣瀬 直己君

   衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長      仲川 勝裕君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十八日

 辞任         補欠選任

  菅野さちこ君     青山 周平君

  白石  徹君     武村 展英君

  高木  毅君     白須賀貴樹君

  近藤 洋介君     後藤 祐一君

  伊佐 進一君     濱村  進君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     菅野さちこ君

  白須賀貴樹君     高木  毅君

  武村 展英君     白石  徹君

  後藤 祐一君     近藤 洋介君

  濱村  進君     伊佐 進一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 原子力問題に関する件


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     ――――◇―――――

森委員長 これより会議を開きます。

 原子力問題に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官鎌形浩史君、消費者庁審議官草桶左信君、文部科学省大臣官房審議官鬼澤佳弘君、文部科学省研究振興局長吉田大輔君、文部科学省研究開発局長戸谷一夫君、経済産業省大臣官房審議官中西宏典君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長糟谷敏秀君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長梶原成元君、環境省水・大気環境局長小林正明君、原子力規制庁次長森本英香君、原子力規制庁審議官櫻田道夫君、原子力規制庁審議官山本哲也君、原子力規制庁審議官大村哲臣君、原子力規制庁原子力地域安全総括官黒木慶英君及び防衛省運用企画局長黒江哲郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、原子力問題に関して質問をさせていただきますが、今、原子力規制委員会からは、年次報告が、また国会事故調の報告を受けて講じた措置ということでも報告が出ようとしているところでございますので、この関連ということでも質問をさせていただきたいと思います。

 そういう中で、きょうは、廃炉工程や汚染水対策、さらには新規制基準、また原発の再稼働等について、私の方から質問をさせていただきたいと思っております。

 まず、福島の復興のためには、やはり福島第一原発の廃炉を安全に進めることが不可欠であると思われます。一方で、廃炉の完了には四十年かかるとされておりまして、長期にわたる大変な大事業でございます。さらに、現場では作業員が近づけないような線量の高い場所もまだ多く、使用済み燃料プール内の燃料や炉内に溶け落ちた燃料の取り出しに向けて課題が山積みでございます。これらの課題を整理した上で、一つ一つ課題を解決していって、着実に廃炉に向けたステップを進めていくことで、一日も早い廃炉を達成することが必要である。

 そこで、まず、福島第一原発の廃炉に向けた今後のロードマップについて現在どのようになっているのか、経済産業省にお伺いをいたします。

中西政府参考人 お答え申し上げます。

 現在のところ、福島第一の廃炉に向けました中長期的なロードマップのようなものをつくっておりまして、その中では、本年中に使用済み燃料プール内の燃料取り出しを開始することを当面の重要課題というような形で位置づけてございます。また、ロードマップの策定から十年以内には燃料デブリの取り出しの開始、さらには、三十年から四十年後の廃炉の完了というような形で目標を設定しているところでございます。

 さらに、このような廃炉をしっかりと進めていくという観点で、この二月に廃炉対策推進会議といったものを一応つくってございます。現在、一号機から四号機、かなり異なる状況にございますので、そういった状況を踏まえて、ロードマップの見直しといったものを六月中を目途に進めているところでございます。

江田(康)委員 今、経産省の方から、中長期ロードマップについての全体の取り組みについて御答弁がございました。

 溶融した燃料、燃料デブリでございますが、その扱いや放射性物質に汚染された瓦れきなど、福島第一原発の廃炉は、これまで人類が経験したことのない課題に直面しているわけであります。

 このような課題に対応するために、大学や研究機関等で研究開発を進めていくことに加えて、さらに、大学や研究機関の人材や知見を最大限活用していくべきだと考えます。また、研究開発を進めていくに当たっては、国内だけではなくて、国際機関、またアメリカやフランスなど海外の知見も幅広く取り入れて進めていかなければ、この問題の解決はできないと考えます。

 研究開発に関する国の取り組みを伺うとともに、東電のみに任せるようなことではなくて、やはり国が前面に出て、安全に万全を期しつつ作業を加速化していくことが必要であると思いますが、国としての廃炉に向けた姿勢について、見解をただしたいと思います。

中西政府参考人 お答え申し上げます。

 福島第一原子力発電所の廃炉につきましては、先生御指摘のように、これまでも例のないような大変な事故でございまして、いろいろな困難を伴うんだというふうに認識しております。

 そういった意味では、単に事業者任せにするというのではなくて、放射性物質の分析とか、遠隔操作ロボットに関するような開発あるいは実証といったものとか、研究開発拠点をちゃんと整備するといった形で、研究開発の推進という面から国が主導的な役割を果たしていきたいというふうに考えてございます。

 さらには、具体的にということでございますが、昨年度、二十四年度の補正予算には八百五十億円を計上させていただきまして、いろいろな研究開発の施設を整備するとか、あるいは、いろいろな遠隔ロボットの開発、燃料デブリの取り出しのための研究、そういったものでは二十五年度予算で八十七億を計上するといった形で、国としてもしっかりとした取り組みをやっているところでございます。

 また、それに加えまして、国内外の英知に基づきまして、しっかりとした形でこの廃炉を進めていかなくちゃいけない、まさに先生御指摘のとおりでございまして、国内のいろいろな大学、研究機関との協力、さらにはアメリカ、イギリス、フランスあるいは国際機関といったものとの協力もしっかりと進めながらやっていきたいと考えているところでございます。

江田(康)委員 きょうは経産省からお話をお聞きしているわけでございますが、この廃炉問題そしてまた汚染水対策というのに関して、大変重要な視点でございますので、政務にもお話をお伺いしたかったところでございますが、都合がつかないということで、今審議官の方から答弁をいただいているところでございます。

 引き続いて、汚染水問題について、これは福島第一原発の最大の課題の一つでございます。

 特に、地下水の流入による汚染水が毎日四百トンもふえ続けていることが問題であり、汚染水の増加を抑制することを目的として地下水バイパス計画が策定されております。

 しかし、先日、福島県の漁業関係者の方々に東京電力が説明をしたところ、地下水と汚染水の違い等についてまだ理解が得られていないということで、結論が先送りされたと聞いております。

 国として、くみ上げた地下水の安全性について、万が一にも汚染水が紛れ込まないような万全の対策を講じるとともに、地元住民への丁寧な説明によって理解を得ていく必要があると考えますけれども、経済産業省としてどのような対応をしていくのか、お伺いをいたします。

中西政府参考人 お答え申し上げます。

 地下水バイパスは、ふえ続けます汚染水の抑制策ということもありまして、山側から地下水の流入を抑制するために、建屋の手前で井戸を掘ってその水をくみ上げる、海にそれをバイパスさせるというものでございます。

 そちらのバイパスの稼働に向けまして、東京電力を中心といたしまして、地元の皆様にいろいろ説明をしてきているというふうには伺っておりましたところでございますけれども、やはり現時点では、地下水バイパスの必要性、環境への影響、あるいは地下水と汚染水の違いといったことにつきまして、必ずしも十分な理解が得られていないというような状況ではなかったかというふうに認識してございます。

 このような状況を踏まえまして、経産省といたしましても、地下水バイパスの稼働につきましては地元の皆様の理解を得るということが必要でございますので、いろいろな形の機会を捉まえまして、地元の皆さんに対してしっかりと説明を尽くしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

江田(康)委員 さらに続けますが、国は丁寧に関係者に説明されていくことを期待したいと思います。

 一方で、この汚染水の問題は抜本的な対策が必要になってきているわけであります。

 毎日四百トンのペースでふえ続ける。地上タンクにためられている。しかも、タンクにためられた水は、今のままでは汚染されているために、これはため続けざるを得ないわけであります。

 経産省が委員会を設置して、建屋の山側に遮水壁を設置すること、また汚染水からの放射性物質の除去などを含めて検討を開始されたと聞いておりますが、今後の抜本的な汚染水対策に関する方針についてお伺いをいたします。

中西政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、この汚染水の問題は極めて大きな問題でございます。

 そういった意味で、先月に、経産大臣が議長を務めます廃炉対策推進会議のもとに汚染水処理対策委員会というものを設けました。その中では、この四月に起きました汚染水漏えい事故に対します当面の対応というものと、汚染水問題全体を根本的に解決するような中長期的な対策を、政府、原子力規制委員会、東京電力、産業界といったものが一体となって対処するというようなことで、現在検討を進めてございます。

 既に、この会議は二回開催させていただいております。そういった中で、地下水抑制のためのいろいろな対策といったものについて議論をしておるところでございまして、新たな対策といたしまして、陸側に遮水壁を設置するということなど、地下水流入抑制策の議論が進められているところでございます。

 現在は、一応、五月中の取りまとめといったものを目途に鋭意検討を進めているところに至っているところでございます。

江田(康)委員 この問題は、大変重要な課題でございます。廃炉へ向けて着実に進めていかなければならない、その中において、こういうような汚染水の対策が喫緊の課題としてあるわけでございます。

 こういうようなことに関して、規制委員会、規制当局としても、廃炉に向けた各種作業の安全性の確保について、これはしっかりと取り組んでいかなければならないわけでございますけれども、現地の監視体制を含めて、規制委員会として今後どのように取り組んでいくおつもりか、お伺いをいたします。

田中政府特別補佐人 御承知のように、東京電力福島第一原子力発電所の状況というのは、現在でも相当のリスクがある状況であります。そこで、まず、私どもとしましては、廃炉の過程においての作業の安全を確保しつつ、できるだけ速やかにリスクを下げることが必要だというふうに認識しております。

 現在、規制委員会としては、原子炉等規制法に基づき東京電力から提出されました廃炉作業の安全性確保の基本となります実施計画について、外部専門家を含む検討会において、技術的な観点から随時検討を行ってきているところでございます。事業者についても、さまざまなリスク低減化の措置を、改善を求める一方、現地の監視体制も規制委員会として対応強化を図りつつあるところでございます。

江田(康)委員 規制委員会、これについてはしっかりと取り組んでいかれることを要望しておきます。

 さらに、次の課題としまして、新規制基準について、規制委員会を中心にお伺いさせていただきます。

 前回の質疑において、私は、新規制基準の基本的な考え方、これは深層防護に関するような考え方について明らかにしたところでございますけれども、今回の新規制基準がどのように安全確保につながるのか、国民にわかりやすく、具体的に掘り下げて議論をしなければならないと思っております。

 新規制基準においては、まず、通常運転時の安全性や一定の想定を置いた規模の自然災害に見舞われた際でも安全機能が維持されるような設計を求める、いわゆる設計基準が強化をされております。さらに、そうした設計上の安全機能が失われて重大事故が発生した場合でも放射性物質の大量放出を防ぐ、いわゆるシビアアクシデント対策が義務化されました。

 新規制基準の内容は、量も膨大でありまして、高度の専門性がありますので、一般の国民にはなかなかわかりにくい面もございます。しかし、国民の関心は、端的に、東日本大震災のような激甚な地震や津波が来ても、今回のような過酷な事故を防ぐことができるのかということでありまして、まず、この点に対してわかりやすい答えをする必要があります。

 そこで、まず、国会事故調においても福島第一原発でその弱さを厳しく指摘されております地震対策や津波対策について確認をしたい。

 今回の新規制基準においては、地震対策や津波対策について、今回のような炉心の著しい溶融といったような重大事故に至らないように、設計段階からきちんと対処すべきであると思いますけれども、これらの基準がどのように強化されて、また、それによって安全性がどのように向上しているか、これについて規制委員会の田中委員長から答弁を求めたいと思います。

田中政府特別補佐人 地震、津波対策については、より厳しい基準をつくると同時に、既設の発電所を新しい基準に適合させるということが重要だと認識しております。

 新しい規制基準でございますが、地震に対しては、発電所の設計の基本となる基準地震動の策定に当たっては、複数の活断層の連動を考慮するとか、それから敷地の下の地盤の状況、やわらかいところ、かたいところによって震動の伝わり方が違いますので、そういったものも考慮して、より厳しい評価を行うよう規定しておるところでございます。

 また、津波については、これまで歴史的に残っております最大を上回るようなレベルの津波を基準津波として想定し、基準津波への対策として、防潮堤等の津波防護対策、あるいは、施設に万が一水が入った場合でも、それに対する密封性、水の浸入を防ぐような設備の設置を求めているところでおります。

 こういった基準に対して、これまではバックチェック、行政指導で、事業者の判断に任されていたところでございますけれども、今回はバックフィット制度ということで、基準を完全に満たすことを求めておりますので、それについて厳格に今後評価していきたいと思っております。

江田(康)委員 重大事故対策についてもお伺いをいたします。

 予算委員会等で総理も安全神話からの脱却ということを答弁されておりますけれども、こうした地震や津波対策をどれだけ講じたとしても、設計上の想定を超えた災害の可能性はゼロではない。重大事故が起きたときの対策、いわゆるシビアアクシデント対策は必要不可欠でありまして、今回の法制化において義務化されたわけであります。

 今回の新基準において、特に、東電の第一原発において起きた炉心溶融また格納容器の破損といった重大事故に対してどのような対策が講じられているか、また、その対策によって放射性物質の放出はどの程度抑制されるのか、この点についてもわかりやすく説明を伺いたいと思います。

田中政府特別補佐人 今回の新基準では、まず、福島第一原発事故のように、設計上の想定を超えて複数の機器が同時に機能を喪失するような事故が発生した場合でも、あらかじめ配備してあります可搬型の設備によって、炉心の損傷を防止するための対策を求めています。

 具体的に申し上げますと、まず、福島第一原発事故のような状況が発生した場合に、原子炉内の圧力が高圧でも注水できるように、冷却できるような設備の作動状態を維持しつつ、速やかに原子炉の圧力を下げ、消防車等によって外部から注水を確実に行うということ、そのための資機材や人員の配置、あるいは設備対応訓練などを求めているところでございます。

 また、万一炉心損傷に至った場合でも、その外側の格納容器がございますが、これの閉じ込め性能を確保するということが大事であります。この機能を確保し、外部への放射性物質の漏えいを抑えるための対策を求めています。

 具体的には、格納容器の温度や圧力が上昇して格納容器が破損するような事態を防止するため、格納容器を冷やすスプレー注水や、圧力を下げるためのベント、圧力低下を確実に行うためのドライベントシステムというような設備、そういったことを求めています。

 さらに、最悪の事態で、格納容器の破損が起こった場合には、外部への放射性物質の放出を低減するための対策、意図的な航空機衝突等のテロへの対策など、さまざまな対策を求めているところであります。

 こういった対策を行うことによって、規制委員会としては、事故時、最悪のケースですが、セシウム137の放出量が百テラベクレルを超えるような事故の発生頻度が百万炉年に一回程度を超えないように抑制することを目標としております。この値は、国際的に見ても最高に厳しい基準レベルでございますし、福島の事故と照らし合わせると百分の一程度になっているということでございます。

 これまでの既存の施設についてもこういった基準がきちっと適合するように厳格に確認していくことによって、いわゆる重大事故に備えていきたいというふうに考えております。

江田(康)委員 今回の新規制基準は、今委員長の方からも申されましたように、施設の設置基準そしてまた重大事故対策等においても世界最高の厳しい基準であるということをわかりやすく説明していただいたところでございますけれども、ともかく、原子力分野は難解な技術的な事項が多くて、専門用語も多く並んでおります。専門家であればわかるわけでありますけれども、立地住民、一般の住民の方々においては、なかなか正確には理解できない部分が多々ございます。

 今回の新規制基準をもとにこれからなされるであろう原発の再稼働においても、新規制基準にのっとって、それをクリアした原発から政府は判断していくことになるわけでありますが、その判断において大変重要になるのが、やはり住民の皆様、国民の理解でございます。こういうことのために、きょうはこのように議論をさせていただいているところであります。

 規制委員会が、国民、住民の皆さんへわかりやすい説明をそういう判断の中においてはしていかなければならないと私は思うわけでございますけれども、これまで国会事故調でも指摘されているような、原発を推進するために安全性を宣伝したり地元住民の不安を払拭したりするための説明になってはならないわけであります。推進側から分離された独立性の高い規制当局として、みずからの判断についてきちんと説明をしていくことは重要であると思っておりますけれども、その点についての考えは、委員長、どうでしょうか。

田中政府特別補佐人 先生御指摘のとおりでございまして、我々は、規制の透明性を確保するために、一般の国民が理解しやすい言葉を使って、理解しやすい説明を行うということが大変重要だと思っています。

 これまでも、会議、会見等を全部オープンにしているわけですけれども、できるだけ専門用語を避けた説明をするということ、それから、できるだけわかりやすい資料を作成するというところで努力してきたところでございます。

 引き続き、こういった努力を続けていくと同時に、新規制基準とか各原発の審査結果等、原子力規制委員会の決定した事項につきましては、説明責任をきちっと果たしていきたいというふうに考えております。

江田(康)委員 しっかり努めていただきますように、よろしくお願いをいたします。

 続けて、原発の再稼働に関連して質問をさせていただきます。

 先ほども申しましたように、新規制基準が策定されて施行される七月以降、事業者から順次申請が行われるであろうと思いますが、再稼働に向けての申請への対応についてお伺いをさせていただきます。

 我が党公明党は、原発の再稼働については、改正された原子炉等規制法に基づく厳しい規制のもとで原子力規制委員会が新たに策定する厳格な規制基準を満たすことを大前提として、国民、住民の理解を得て判断していくことになると思っております。

 七月以降、再稼働の判断に当たっての大前提となる原子力規制委員会の審査が行われるわけでありますが、その判断の基準となる新規制基準は、これまでの議論でも具体的に明らかにしてきたとおり、かつてない厳格なものであって、その強化も多岐にわたるところがあると思います。

 そのため、実務を担うスタッフを含めた審査体制については、高度な専門性が問われるわけであります。また、多岐にわたる審査項目を的確に、かつ迅速に、効率的に審査していくためには、質が大変重要でありますとともに、量の面でも充実した体制が必要であると思っております。

 当面の体制として、プラント本体の設備の性能や運営体制を審査する三つのチームに、横断的に耐震や耐津波性能について審査するチームを加えて、総勢八十名程度を本庁で整備して、さらには、原子力安全基盤機構、いわゆるJNESについても五十名程度の支援体制を整備するということであると伺っておりますけれども、慎重かつ迅速な審査のためにはこれで十分な体制と言えるのか、もっと強化すべきではないかと思いますが、伺います。

田中政府特別補佐人 御指摘のように、今回の新規則は、シビアアクシデント対策の規制要求など非常に新しい要素が盛り込まれておりますので、その審査はかなり大変だというふうに思っております。

 これを念頭に、原子力規制庁の人的リソースを、現在持っておりますリソースを最大限そこに振り分けるということを検討して、今八十名程度を投入することを検討しています。このほかに、個別分野の高度な専門知識が必要でありますので、こういった面についてはJNESの技術的な能力を、あるいは人的なリソースも十分に活用するということで、今取り組んでおります。

 審査に要する期間については、事業者からの申請内容にも大きく左右されますけれども、一概に現段階で申し上げることは困難でありますが、事業者からの申請を踏まえ、できるだけ速やかに対応していきたいと思っております。

江田(康)委員 さらに続けますけれども、国会事故調も指摘している事業者のとりことならないためには、規制当局としての専門性を高め、また、事業者に依存せずとも独立して規制を行う体制が必要不可欠であります。

 このため、原子力規制委員会設置法の附則第六条第四項に定める原子力安全基盤機構、JNESの統合はもとより、同条第五項に定めておりますが、その他の関係団体の組織や業務のあり方についても検討して、規制当局として効率的かつ効果的な規制が行える体制を総合的に整備していく必要があると私は思うわけでございますが、この点について、規制委員会の田中委員長の見解をお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて、科学的、技術的見地からしっかりと規制を行っていくためには、原子力規制組織全体の専門性、機能の向上に取り組んでいくことが必要だと考えております。

 このため、科学的、技術的知見を持つ職員を擁するJNESの機能、専門性の活用も含め、今御指摘いただいた設置法附則第六条第四項及び第五項の趣旨も踏まえた原子力規制組織全体の専門性、機能の強化に向け、内閣官房と緊密に連携しながら検討していくことが必要かと思っております。

 また、こうした検討の中で、高度な安全研究の継続的な実施とか原子力規制人材の確保、育成ということは、今後、継続的、サステーナブルな原子力利用を支える上で大変重要でありますので、原子力規制委員会を支援していただく技術支援機関の役割についても議論をいただくことが重要だと考えております。よろしくお願い申し上げます。

江田(康)委員 やはり、規制当局として専門性を高めて、事業者に依存せずとも、独立して適切な規制を行える、この点が大変重要なわけでありまして、国会事故調からの指摘でもございます。これを実現していくために、今後、JNESとの統合や、そしてまた技術支援機関、総合的にそういう体制を図っていくということが、我々国会としても大変重要な視点ということで、しっかりとそれについて支援、協力してまいりたいとも思っております。

 次に、経産省に聞きます。

 こうした原子力規制委員会の審査をクリアした原発から、順次再稼働が判断されていくことにもなるわけであります。

 周辺住民などの理解を得ていくプロセスにおいては、先ほど触れた、安全神話の脱却のために、厳しい規制基準をクリアしたとしても、IAEAの深層防護の考え方に基づいて、オンサイトの対策が全て破られて重大事故が起こるリスクがゼロではないということ、その際には、避難を含め防災体制をきちんと構築していくことが必要不可欠であること、こういうことについてもきちんと説明して理解していただく必要があります。

 原発の必要性の説明のみならず、こうした正しい理解を促していく取り組みを事業者とともに行っていく必要があると思いますけれども、経済産業省の考えをお伺いいたします。

中西政府参考人 お答え申し上げます。

 今後、原子力発電所の再稼働ということにつきまして、まず原子力規制委員会によって安全性が確認される、そういう段階になりましたら、我々経済産業省の方、事業者任せにするのみならず、地元の自治体あるいはいろいろな関係者に誠実に説明を行うというような形で関係者の理解を得ていきたいと考えているところでございます。

 その際、先生御指摘のように、これまでいわゆる安全神話といったものを前提にいろいろな説明をしてきたことに対しましてのしっかりとした反省をするとともに、やはりどうしても客観的な事実と科学的な根拠といったものをうまく皆様に理解をいただきながら、先ほど御指摘がありましたように、防災対策といったものも含めまして、原子力に関するきめ細かな情報提供をしっかりとやっていきたいというふうに考えてございます。

江田(康)委員 新規制基準ができました七月からは、そうやって再稼働の判断がそれに沿ってなされることになるわけであります。そして、最終的にはやはり住民そして国民の理解というのが大変に重要であります。そういうような意味からも、きょうは確認をさせていただいたところでございます。

 最後に、最近報道されております高速増殖炉「もんじゅ」における問題について指摘をさせていただきます。

 「もんじゅ」における一万件にも及ぶ点検時期超過問題、点検漏れ問題については、日本原子力研究開発機構、JAEAは、原子力規制委員会から安全文化の劣化として厳しい指摘がなされて、トップの辞任という事態にまでなったわけであります。

 さらに、それに続けてこの二十三日には、茨城県東海村の加速器実験施設、J―PARCでは、研究員のずさんな対応で放射性物質が施設外に漏えいして三十人の研究員が被曝したという報道がございます。これは、重大な事故につながるようなことでもございました。

 こういう問題に対して、文部科学省の見解をお伺いいたします。

 やはり、こういう安全文化の劣化とか喪失というか、そういうことに関して、JAEAの安全文化の確立に向けた改革が必要不可欠であると思いますけれども、どのようにこれについて取り組んでいかれるおつもりか、文部科学省に最後にお聞きして、終わります。

丹羽大臣政務官 江田先生おっしゃるとおり、「もんじゅ」の機器の保守管理の不備につきましては、文部科学省としましても、原子力規制委員会の評価を重く受けとめまして、今月十六日に日本原子力研究開発機構、JAEAに対して是正措置を求めました。

 もう一方の指摘の、高エネルギー加速器研究機構、KEK及びJAEAで共同で設置しましたJ―PARCのうち、KEKが所有するハドロン施設において発生した放射性物質の漏えいにつきまして、私も昨日、下村大臣の指示で現地の方へ調査に行ってまいりまして、また、茨城県と東海村の方に謝罪の方もさせていただきましたが、やはり放射性物質を取り扱う施設の安全に対する意識の低さが招いたものであるというふうに考えております。

 これらに関しましてしかるべき措置を早急に講じますとともに、今後、JAEAに関しましては、組織体制、業務を抜本的に見直し、安全を最優先する組織に改めることが重要でもあると考えております。

 文部科学省といたしまして、今後、JAEAの改革に速やかに着手し、地元を初め国民の理解を得られるように、責任を持って対応していきたいと思います。

 以上です。

江田(康)委員 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

森委員長 次に、篠原孝君。

篠原委員 おはようございます。民主党の篠原です。

 初めて質問に立たせていただきます。質問したいことが山ほどありまして、きのうの夜も、事務方に通告したのを数えてみましたら十八問になっておりまして、四十分でとても質問を全部できないと思います。この審議、今国会でもあと二、三回行われると聞いておりますので、残りはそのときにさせていただくことにいたしまして、地震の問題それから原発事故収拾作業等を中心に質問させていただきたいと思います。

 資料を皆様方のお手元にお配りしてあります。見ながらちょっと聞いていただきたいと思います。

 地震というのがいつも問題になります。今、津波でもって福島第一原発はおかしくなったんだと言われておりますけれども、地震説も消えておりません。ほかの国をやはり見てみる必要があるんじゃないかと思います。

 それで、アメリカには百四基の原発があるということになっております。ですけれども、この一ページ目のところを見ていただきたいんですが、全体のをつけた方がよかったかもしれませんけれども、西部地域、これだけしかないんです。ほとんどの原発はアメリカ合衆国の真ん中より右側にあるんです。ほとんどない。

 ということは、環太平洋火山帯、地震が起きるので原発が損傷してしまうんだ、だからそんなところには怖くて原発がつくれないということで、アメリカは意識的に避けてつくっていたんじゃないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

櫻田政府参考人 お答えは一般論になりますが、発電所の立地場所につきましては、発電所を設置する事業者が、電力の需要地の位置やその規模がどうなのか、あるいはどのような燃料を用いるかというような、さまざまな事項を考慮して決定するものというふうに考えられます。一概に、地震が多いかどうかということのみをもって立地が検討されているわけではないというふうに考えられるところでございます。

 いずれにいたしましても、アメリカにおきましても、地震の影響が原子力発電所に想定されるというような場合におきましては、耐震安全性があるかどうか厳格に確認した上で原子力発電所が設置されているものと理解してございます。

篠原委員 事実かどうかというのはわかりませんけれども、最初からちょっと私の予想したのと違いますね。

 これは、ちょっと一ページの地図を見てください。私が承知しているところでは、このハンボルトベイと上から四つ目のところに書いてあります。これは日本語的にはフンボルトだと思います。ここは今度の敦賀原発と同じで、活断層があって運転中止になっているんです。このバツというのは、中止になっている、閉鎖されているものです。これは活断層なんです。アメリカでは、やはり地震のことを相当意識されているんです。

 三ページ目をお開きいただきたいと思います。三ページ目に、地震がどれだけほかの国と比べて日本は多く起きているか。原発がいっぱいある先進国で日本の次に地震が起きているのは、アメリカの西海岸です。見ていただきたいんですが、だから日本とアメリカの西海岸だけを特記してあります。アメリカの地震地帯はこれだけなんです。

 それで、また一ページに戻ってください。地震地帯にあるのはディアブロキャニオンだけなんです。下から四つ目ですか、それだけなんです。ほかのところは、いっぱい計画されたんですが、NRCが地震多発地帯だからだめだと言って建てさせていないんです。そういうことをちゃんと把握してください。これから調べてではなくて、私だってそういうデータを入手できるんです。

 一ページの下にイギリスがあります。それから二ページ目、フランス、これをちょっと見ていただきたいんです。ほかの国についてはどうなんですか。ほかの国も当然それを意識していると思いますけれども、そもそも地震がそんなに多くないんです。

 三ページを見てください。全然違うんです。十年間ということでデータを気象庁にちょっと作成してもらいました。二〇一一年の三・一一は非常に多いので比較にならないので、もっと客観性を持たせるために、それ以前の十年間と、それも入った直近の十年間としました。

 左を見てください。「領域の面積比」というのは、広さで日本を一とした場合にしてあります。だから、フランスやイギリスはもっと低くなるわけです。図抜けて日本は地震が多いんです。アメリカの西海岸の比じゃないんです。火山も、活火山、世界の一割近くが日本にあるんです。

 そういったことから考えると、非常に慎重じゃなければいけないというのは、データからしてもう明らかなんです。それを、地震じゃない、地震は関係ないんだ、ほかの国も関係ないんだと。そんなことはないんです。ほかのヨーロッパの国はどうなっているんですか。

 済みません、それからもう一つ、ヨーロッパの国はほとんど内陸にあるんですね。川の水で冷やしているというのが多いんですよ。日本のように、すなわち、地震があって津波があるというのをわかり切っているのにもかかわらず、平気で海岸端にある国はないと思うんですが、この点についていかがでしょうか。

森本政府参考人 お答えいたします。

 海外の原子力規制機関のウエブ情報などによって当方が承知している限りでございますけれども、まず一つ、先ほど先生御指摘のように、アメリカの西海岸に立地している原子力発電所は、二サイト、四基でございます。

 また、欧州につきましては、イギリス、フランス、スウェーデン、フィンランドなどにおいて、海岸に立地している原子力発電所は存在してございます。二〇一一年の情報によりますれば、欧州各国で二十五サイト、六十基の原子力発電所が、いわゆる海岸に立地しているというふうに承知してございます。

篠原委員 それぞれの国の事情があって海岸につくっているところもあるんだろうと思いますけれども、活断層とか地震とかいうのも相当意識してやっているんですね。

 ですから、東電の社長さんが来ておられますけれども、二〇〇七年、柏崎刈羽が大変な目に遭ったわけです。非常に損傷が著しかった。そのときにアメリカの西海岸は恐れおののいたわけです、地震があったときにどうなるかと。そのときに、二〇〇七年のロサンゼルス・タイムズは、税金は原発よりも風力発電につぎ込めと言った。そんな状態だから、一つも原発はつくられていないんです。閉鎖されるばかりなんです。それをちゃんと認識しておいてください。

 日本は、それをきちんと精査をせずに、地震ではおかしくなっていないんだ、津波で起こっただけなんだ、それをずっと言っているんですね。もっと客観的にやっていただきたいと思う。

 それで田中委員長にお伺いしたいんですけれども、この点はやはり原子力規制委員会の大事な仕事でもあると思うんです。活断層問題もありますけれども、福島第一原発のような事故を二度と起こさないためにどうするかということを長期的に考えなければいけない。

 地震説もあるんですよね。地震で先にだめになっていたんじゃないかというようなことについての検討は、しているんでしょうか、していないんでしょうか。

田中政府特別補佐人 東京電力福島第一原子力発電所事故の継続的な事故分析は、私ども委員会の重要な所掌業務の一つであります。

 現在、そういったことの観点に基づいて、国会や政府事故調等でまとめられた結果等も検討しつつ、そこには、今御指摘のように、個別的にいろいろな事故の原因の認識についての差もございますので、そういったことを順次明確にすべく、規制委員会においても、事故調査検討委員会を設置しまして、今、継続的にその解明を行っているところでございます。

 今後、現場の状況を見ないとなかなかわからないというところもございますが、そういった現場に入るにつきましては、なかなか、肝心なところの線量が高いということもございますので、そういったことを踏まえながら、できるだけ速やかにそういったことについては明確にしていきたいというふうに考えています。

篠原委員 それでは、資料の一番後ろを見ていただきたいんですが、原発事故を想定した本というか警告した本、これを一まとめにまとめたものです。

 下から二つ目の「巨大地震が原発を襲う」、二〇〇七年九月に、船瀬俊介さんという、これは環境問題をいろいろやっているジャーナリストですけれども、この方が、チェルノブイリ事故も地震で起こったんじゃないかということで、それだけじゃないんですけれども、本を書いておられる。そして予告しているんですね、日本にも起こり得るんだということを。

 もちろん皆さん御存じだと思います、その下の広瀬隆さんは、直前に「原子炉時限爆弾」というのを書いている。広瀬さんは、地震が起きて、水を取り込むところが津波が来て砂で詰まって、そして冷却措置が働かなくなるんだと。そういう状態ではなかったですけれども、ともかく地震でおかしくなるというのはみんなわかるわけです。

 それから、いろいろなところで政府の委員にもなっておられますけれども、下から四番目です、石橋克彦先生は「原発震災」と言っておられる。地震でおかしくなるということを盛んに言われているんですよ。

 皆さんは余り精査されていないと思いますが、チェルノブイリの当初もあったんですよ、なぜ起こったかと。これは「ゴルゴ13」の話になっちゃったりしますけれども、それに気がついた地震学者、チャタエフという人ですけれども、チェルノブイリも地震でおかしくなったんだ、それで研究論文を発表し始めたら、旧ソ連時代ですけれども、消息不明になってしまったんです、わかりませんけれども。そのころ、政府もIAEAも地震説を抹殺しようとしているんです。なぜそうなるのかと僕は不思議なんですが、客観的にやっていただきたい。

 次に、では、どういうふうにほかの国が地震のことについて恐れおののいて、そして原発をつくらないようにしているかというところですね。

 チェルノブイリの原発の後、それからちょっとして、これがソ連崩壊の原因になったとも言われているんです、ゴルバチョフの全盛時代で。それで一九九一年に崩壊しているわけです。チェルノブイリは一九八六年です。

 コーカサス山脈の地震多発地帯というのがあるわけです。黒海に面したクラスノダールというところに、原発建設、やり始めていたんですが、すんでのところでそこは中止になっているんです。ほかにもこういうのはいっぱい事例があって、アルメニア共和国ですね、そこは民族運動もあって、それが反原発運動と結びついたりしていたせいもあります。一九八九年に二基とも停止しているんです。もうやめています。それから、増設予定だったのも当然だめになっています。あの辺のアゼルバイジャン、グルジア、それから白ロシアのミンスク、これはチェルノブイリの近くだから当たり前ですけれども、ウクライナのオデッサ、全部地震を恐れて原発をつくることをやめているんです、チェルノブイリの後。

 それを日本は、全くそういう反省もなしに、あちらの国で起こったことを日本でも起こるんじゃないか、先ほど三ページで示したとおり、地震の数が桁違いなんです、十倍、百倍なんです。だから、相当きちんと考えなくちゃいけないんですけれども。

 日本ではこのことを真っ先に検討しなければ、活断層のことも結構です、ほかのいろいろな津波のことを検討されるのも結構ですけれども、そもそも、地震と原発ということを考えて、地震の多発地帯、福井県なんというのは地震ばかり起きているわけです。私の地元の長野県もそうですけれども、そういうところはもう原発はだめだという結論を出していかなくちゃいけないし、そういうことをどんどん先に決めてやっていくべきだと思うんですが、そういうことについては、田中委員長、どのようにお考えでしょうか。

田中政府特別補佐人 原発を利用するかしないかということについて私はお答えする立場にありませんので、それについては回答は控えさせていただきますが、今回の基準では、東日本大震災等の知見を踏まえまして、三次元地下構造の詳細な把握とか、活断層の連動とか、それから、津波についても最大想定をする、それの対策をとるとか、そういったことを求めて、そういった地震や津波によって事故が誘発されないような対策を求めているところでございます。

篠原委員 私の経験を御紹介したいと思います。四ページをちょっと見ていただきたいんです。

 私はチェルノブイリに二度行ったことがあるんです。写真を見ていただきたいんですけれども、私だと識別できないですけれども、右側がいずれも私です。二〇〇五年の十一月にゲートの入り口だけ、このときは入れないんです。二〇一〇年の秋から入れるようになって、案内できるようになったんです。そして、二〇一一年の四月、私は国会議員ではあの石棺のところに近づいた一番最初の人間だと思いますけれども、ここに行っているんですよ。

 それで、私が出る必要もないところだったのかもしれませんけれども、土壌汚染の関係の学者のところへ出て、十五分間ぐらい下手な英語で説明して、いろいろ現状を聞かれたんですね。そのときにどう言ってきたか。地震で大丈夫なのか、あちらの国の人たちが心配しているわけです、日本は大丈夫なのか。

 僕はどうやって答えたかというと、いやいや、大変なんですよと。ウクライナなんというのは、モスクワの周辺、さっきの三ページのところを見ていただくとわかるんですけれども、マグニチュード五以上の地震なんかほとんど起きないんです。そういうところで、では、日本というのは地震はどの程度の頻度で起こるのかと言うので、例えて言うならば、昔、日本列島を不沈空母と言う人がいた、それと同じなんだと。黒海に浮かぶ大型遊覧船と同じように、日本は毎日ちょっとずつゆらゆら揺れているんだ、この辺と違うんだということを言いました。そうしたら、例がいいか悪いかは知りませんけれども、それは危険なところなんだなということを言っておりました。

 どうでもいいことですけれども、四ページを見ていただきたいです。これは二〇〇五年十一月八日の私のブログです。そこのところにちょっと線を引っ張っておきましたけれども、私はずっと原発のことを見ながらというか、本でですけれども、現場に足を踏み入れてというわけではないですけれども、環境問題にちょっと関心がありましたので、ずっと追っかけてきた。バードウオッチャーじゃなくて、原発ウオッチャーの一人なんです。ここを見ていただくとおり、僕は気がつきませんでしたけれども、日本にも世界にもチェルノブイリと同じことが起きてしまうんじゃないかと。

 だからぜひ見ておきたかったので、全然中に入れなかったんです、朝六時に起きて車を飛ばして行って、皆さん御一行は九時に出られるので朝飯も抜きで行って見てきたんです。その後、日本に起きてしまって、このときは農林水産副大臣で行ったんですが、またチェルノブイリに行くとは思いませんでした。

 地震についてはいろいろなところで指摘がもうあるんですよ。日本国内でも、二〇〇九年の六月、岡村行信産業技術研究所の活断層研究センター長が、例の八六九年の貞観地震、あれと同じのが起こるんだ、だから準備した方がいいということを言っていたわけです。

 そして、廣瀬社長は覚えておられるかもしれませんけれども、一〇年六月十七日、二号機で、そんなに大きな地震ではないんですけれども、それで電源喪失が起きているんです。よく知りませんけれども、メルトダウン一歩手前だったというふうにも言われております。地震の被害でおかしくなりかけたのは、さっき言いました二〇〇七年の中越沖地震のときの柏崎刈羽原発、いっぱい例があるんです。それを全然やっていないということなんです。

 一九六八年にドイツのヴェーゲナーという学者がプレートテクトニクス理論をやってから、いろいろなプレートが押し合って、そして山脈ができてきている。私の地元の長野県の北というのは、四つのプレートがぶつかり合っているんです。だから、二〇〇四年中越地震、二〇〇七年中越沖地震、二〇一一年長野県北部地震、みんな震度六程度の物すごい地震でした。これからずっと起こり得る。

 石橋先生も藤井先生も言っていますけれども、二十世紀の後半は、地学的に見ると本当に短い一瞬ですけれども、何も起こらなかった、地震も火山活動もなかった珍しい時期だ、これからは、百年、二百年、地球の歴史からすれば百年、二百年というのはあっという間ですけれども、地震活動期、火山活動期になるかもしれないと言われているんですね。

 そういうことを考えると、田中委員長は慎重に今、判断はできないんだよ、そういうお答えだったですけれども、私は、世界の他の国々と異なり、日本には原発適地は一つもない、これが結論だと思っています。このことをよく認識しておいていただきたいと思います。

 次に、原発事故収拾作業についてちょっと聞かせていただきます。

 これについては、私がしつこく表にしたのをちょっと見ていただきたいんです。せっかくの機会ですから見ていただきたいと思います。五ページからずっと四ページにわたって、事故対応、どういう対応をしているかというのを表にしました。

 チェルノブイリを皆さん余り御存じないかと思います。一九八六年にチェルノブイリの事故が起きた後、いっぱい本ができているんですよ、欧米でも。日本語訳されているのもいっぱいあります。それらを僕はちょこちょこ読んでいたんですが、福島原発の事故が起きましたので、ばあっともう一回読み直して、この表をつくり上げました。

 対応は、日本の方が非常にまずいんですね。五ページのところで関係するところは一番下、中心組織がどういうところかと。これは突発的だったんですけれども、日本では自衛隊が中心になりました。

 しかし、右側、チェルノブイリを見ていただきたいんですが、日本と違うなと。核戦争を想定していますから、その核戦争が起きたときにどう処置するか、核攻撃されたときにどうするかということを準備している軍、精鋭がいるわけです。その大将のピカロフさんという方はアフガニスタンに行っていたんです。一日で帰ってきます。そして彼が陣頭指揮をとり、被曝量も一番多くなって、被曝量が多くなると声がしわがれてくるんです、声が出なくなるんです。それまでこの方はやっているというんですね。

 次のページ、六ページを見ていただきたいんです。ここからよく見ていただきたいんですけれども、作業者がどういう人か、どういう作業をしているか、責任者はどうか、政府の対応がどうかというのを、ずっと線を引っ張ってあるところを中心に見ていただきたいと思います。

 ここからがぞっとするようなことになるわけですね。中心は軍隊、全国から動員した消防士とかそういう人。日本は東電の下請の作業員。正社員は少ないということ。

 「事故直後の作業」、これは日本はやる必要はないんですが、あちらは人海戦術で、カミカゼ作戦と呼ばれて、一人二分間ずつ、人海戦術をやっている。こんな危険なことをしているわけです。

 それから「原発現場の責任者」、これは語弊があるので書きませんが、日本側の三行目を見てください。撤退すると言ったか言わないかと。私の判断でこれは書いているんですが、ここは議論があるところなので、「この件は、事実不明」と書いてあります。客観性もそれに倣う。つまり、両方ともここは同じで、理解をする人たちが余り現場にきちんといない。チェルノブイリも同じなんです。

 「政府の責任者の対応」というのを見ていただきたいんですが、ここが段違いなんです。旧ソ連です。首相、それからリガチョフ第一書記、覚えておられますかね、ゴルバチョフのライバルでした。二人ともチェルノブイリ入りをすぐしているんです。シチェルビナ副首相は、すぐ翌日飛んでいっています。

 それから、傑作なのはなんて言ってはいけないんですけれども、シチェルビナとレガソフ、レガソフというのは、原発の研究所の副所長で辣腕の学者なんですが、上空から視察している。左側に、菅総理が現場に行ったことをいろいろ言われていますけれども、何か、トップに立つ人は上から見おろすのが好きなようで、両方ともすぐ上から見ています。

 それから、次に大事なのは、ここなんかは本当に日本はだめだなと思うんです。プリピャチ、五キロメートル離れたところに精鋭が集まった住宅があったんですが、日本と違いまして、全国各地から集められてきちんとした訓練を受けた人、若手ばかり、平均年齢が二十八歳だったそうです。左を見てください。「オフサイトセンターを大熊町から福島市に移す」と。

 これはおわかりになる方はおられますでしょうか。これは大したものでして、自民党の江渡議員が二〇〇四年に毎日新聞の記事を引用して、ジェー・シー・オー事故の後、これはよくないということで、オフサイトセンターが各地につくられたんです。ところが、二十キロメートル圏内にあるのが十一個ぐらいあって、そんなので大丈夫なのかと。EPZのゾーン内にあって、安全設備が問題になっちゃって、原発事故が起きたら使えなくなるんじゃないかと聞いているんです。

 それに対して当時の松永和夫原子力保安院長は、そんなことはないんだ、問題ないと。それだけだったらいいんですよ。毎日新聞の記事は国民に誤解を与えている、不安を与えている、けしからぬといって答弁しているんですよ。とんでもない難癖ですね。どうなったかというと、役に立たずに福島へ移っているわけです。

 しかし、ソ連では、その五キロ先のところで、司令塔で副首相、副首相は何人もいるんですね、放射線量が高いので副首相が入れかわり立ちかわり行って、その現場で陣頭指揮をとっているんです。この責任感の違い、危機管理がちゃんとしている国とそうじゃない国。

 その下の「原発関係者の責任のとり方」。レガソフという学者、先頭になっていた人、これは、IAEAの総会に行ったりして四時間の大報告をしたりする立派な人ですけれども、放射線量が物すごく高く、いっぱい被曝しているせいもあったと言われていますけれども、ちょうど二年後、自殺しています。苦悩があったんだろうと思います。それから、関係者を解任しています。党から除名されたりしています。

 別にやめればいいというわけじゃないんですけれども、日本国政府はこういうことをしていません。腹切り文化があって責任をとる国という江戸時代の侍の映画を見ている人たちは、不思議だなと思うんです。

 それから、大事なのは専門家、科学者の対応です。レガソフの話、二年後自殺したと申し上げました。次々に学者が現地入りしています。ピカロフ大将のことも書きました。ところが、私は全部チェックしているわけじゃないですけれども、原発推進をやってきた学者さんたち、テレビに出てだらだらした解説をされていましたけれども、現場に行って、そしてどうなっているということをちゃんとやられていたんでしょうか。

 次に大事なのが、右で言うと下から二行目です。原発を設計した人も、これはだめだった、原発は間違っていた、大変なことをしてしまったと。ソ連も、ああいう体制の国で、ウクライナになったりしますからちょっと変わったりするんですけれども、少なくともソ連では、原発を推進していた人たちは一斉に大反省をしている。日本では余り反省の言葉は聞かれない。

 そしてここで、東電の社長さんにも来ていただいていますが、一体、東電の中で、きちんとした訓練をして、こういうところにてきぱき対応できる人がどのくらいいるんでしょうか。非正規雇用者がふえている。私は、東京電力のような会社は、きちんとした人を社内で訓練して、その人たちに仕事をしていただいて、きちっと安全管理をしてほしい。それでもって電気料が高くなっても、日本国民は誰も文句を言わないはずです。

 人材育成についてどういう配慮をされておられますでしょうか。

廣瀬参考人 お答えいたします。東京電力の廣瀬でございます。

 私どもの原子力発電部門に属する人間につきましては、もちろんしかるべき人材育成をし、もともと、原子力の専門の学校を出て勉強したという人間も多うございますけれども、OJTも中心に、あるいはオフJTも中心に、もちろんしっかりやらせていただいているつもりでございます。

 ただ、今回こうした事故が起きたということについては当然反省すべき点もあって、特に、現場で、津波や地震が起きてから大変な状況の中で、非常に過酷な状況の中でいろいろやったというのはもちろんございますけれども、基本的に、一遍にたくさんのプラントが、ユニットが同時にああした被災をするということに対する例えばロジの問題であるとか、資材のしっかりとした整備の問題であるとか、あるいは、同時に起こる事故に対する訓練であるとか、そうしたものについて必ずしも、今から振り返って、不十分な点もあったということは否めないと思っておりますので、そうしたものについてまた改めて今回の事故からしっかり学んで、また、そうしたものを踏まえて今後ともしっかりやっていきたいというふうに考えております。

篠原委員 黒川委員長がこの委員会の冒頭のところで二十分お話しされたところにも出てきます。日本は、科学技術、エンジニアリング、製造業、そういったことでは世界に冠たる国だと。そのとおりなんです。世界はそう認識している。幾ら地震があって津波があったからといって、その日本で原発事故が起きてしまった。

 一九七九年、スリーマイル島の事故が起きたときはどう言われていたかというと、そのころからもう原発事故というのは盛んに言われていたんですが、そのときソ連はどう言っていたか。傑作なんです。アメリカは効率一点張りで、原発の作業員を長期労働させているからミスをして事故が起きたと。今度ソ連で起きたら、あそこは怠惰な国で管理がきちんとしていないから事故が起きたと。両方そう言い合って笑っているんです。ヨーロッパの国もそう思っていたんです。アメリカというところはいざとなるときちんとできない国だろう、ソ連もそうだろうと。

 ところが、列車を寸分のおくれもなく動かし続ける国、オリンピックをやったって時間がずれない、そういうきちんとした日本国で事故が起きた。これは大変だということで、きちんとした国民が多いと言われているドイツでメルケル首相も真っ青になった。そして、即刻原発廃止、原発をやめていく決断をするわけです。

 私はそれはなかなかの決断だとは思いますけれども、ちょっと誤解している面がある。現場の作業の程度、作業員の程度、これはちょっと生意気だとかと言われる可能性があるかもしれませんけれども、そういうところを余りきちんとしていなかったのではないかと思うんです。

 能力がある人たちがいるのに訓練もちゃんと受けさせない。そして、点検がそうですけれども、原発は総合産業ですから全部一社で抱え切れないというのはわかるんですけれども、あちこち渡り歩いてというので、臨時雇い、非正規雇用者みたいな人たちが周りに多過ぎる。これはやはり問題だと思うんです。私は、こういうのをきちんと資格を与えたりしたりするのが一つだと思うんです。

 それから、吉野環境委員長が来ておられますけれども、五月二十日に、委員長の計らいもありまして、我々環境委員会一同、福島第一原発を初めて視察いたしました。

 Jヴィレッジの仮設住宅から三千五百人が作業に通っている。チェルノブイリはどうだったかというと、スラブチチという、昔はプリピャチだったんですが、もう放射能がばんばん出ていておかしいので、チェルノブイリの東北東五十キロ離れたところに住宅団地をつくって、そこから電車で四十分ぐらいかかってチェルノブイリのところへ行き、そしてチェックして、出るときもチェックするわけですよ、そして月に二週間、一週間行って一週間休むか、二週間続けて行って二週間休むか、ともかく、放射線量が多くなってしまうので月の半分しか働かない。それでずっと尽きている。二十六年、七年たってもそういうことをしている。

 我が日本も、それはどのぐらいかわかりませんけれども、原発収束作業、廃炉作業等を考えたら、相当程度、ずっと仕事をしなくちゃならない人も要るわけです。近くに行ったら放射線量はばかにならないんです。五十キロ離れたところに特別の電車の線路も引き、住宅地もつくって収束作業をしている。それを、日本は何といういいかげんなやり方でやっているのか。これでは身が入らないのは当然じゃないかと思うんです。

 僕は、原発の作業員、原発の収束作業をしている人たちは相当優遇してかからなければいけないと思うんですけれども、経産副大臣、おいでになっております。この点について、資格の問題、作業員の問題、それから兵たんですね、日本国軍はそういうところをいつも手を抜くわけです。それと同じことをしているんです。その点についてどのようにお考えでしょうか。

菅原副大臣 昨日、私も福島第一原発の中に入ってまいりました。一日約三千人近い作業員の方が、懸命なる、廃炉に向けての除染そして瓦れきの除去、さまざまな対策をやっている現場を目の当たりにいたしまして、これは本当に、廃炉に向けてそれぞれの作業員一人一人がまさに命がけで、そしてそのモチベーションを維持しながらこの活動をしていくためには、仕事と同時に、住まいの環境や、一定のモチベーションを保つためにどう環境を改善していくかということを改めて現場で感じたところでありまして、篠原委員御指摘のとおり、この現場において、例えばプレハブのような住宅に関しても、シャワーですとかトイレ、非常に、共同で、外に行かなければならないといった状況がございます。こういったことについて、一月に茂木経産大臣が現場に赴き、東電の方にさまざまなこうした改善努力をすべく要請をしたところでありまして、ちょうどきのう私もそれを見てまいりまして、今後改築をする、こういった情報も得てきたところであります。

 今後、今のロードマップによりますと、廃炉に向けて長期化する可能性がございますので、こうしたことを含めますと、作業員の被曝の管理や作業の安全、そして、健康管理や就労の実態、労働条件、さまざまな点から、厳しい環境で頑張っている作業員の方々の労働環境の改善というものを進めていきたい、こういったことを改めて感じた次第でございます。

篠原委員 線量手帳を持って働いてもらっているというようなことを聞きますけれども、やはりきちっと管理をしていかなくちゃいけない。それは、何でもかんでも東電にというのはかわいそうだと思います。責任はあるんですけれども、その責任は自覚してもらわなくちゃいけないんですけれども、国も相当てこ入れしてやらなきゃいけないということで、全国のこういうことを考えたりしている心ある人たちあるいは精鋭が集まってちゃんと安心して仕事をできるようにしておかないと、収束作業もそうですし、廃炉作業もうまくいかないと思います。

 時間がなくなりましたけれども、根本問題で田中委員長にちょっとお伺いしたいと思います。

 九ページを見ていただきたい。皆さんもごらんいただきたいんです。一番上、私が一番最初に見た、原発は危ないという本は、この室田武さんという方を皆さん御存じですか。この方はすばらしい人でして、「エネルギーとエントロピーの経済学」、エントロピーなどというのは、本のタイトルに出てきたのはこれが最初だったんじゃないかと思います。この後、彼は、「原子力の経済学」というのを書くんです。その次が「水土の経済学」、その次が「雑木林の経済学」。おわかりになりますか。石油文明だめ、原子力もだめ。水と土、雑木林、バイオマスとかそういった形での社会にしていかなくちゃいけないということを、経済学者ですけれども、京都大学の理学部を出てから大阪大学で経済学を学んで、アメリカに行き、戻ってきて一橋大学の経済学の先生になっていた人です。

 それで、彼はアメリカでスリーマイルを見てきているわけです。ここに書いてあるんです。福島県で発生し得る、彼は冒頭の前書きに書いているんですよ。ええと思って、僕は目を皿のようにしてこの本を読みました。それがきっかけで原発物を乱読しました。それで、いろいろ書いてあったのを引っ張り出すと、これだけいろいろな人が書いているんですね。

 どうでもいいことですけれども、この室田武さん、その後、勉強会とか一緒になりました槌田敦、劭という過激な兄弟、それから慶応大学の藤田祐幸さん、この人たちは交流を持ってというか勉強会を一緒にやったりして、これもどうでもいい話かもしれませんけれども、エントロピー学会という、本当の正真正銘の学会じゃないですけれども、運動体、田中委員長が御存じの方だったら、井野博満さんなんかもこのメンバーです。そこに、私は科学的な知識はないんですけれども入らせていただいて、勉強会にたまに参加したりしています。

 これだけの人たちが、原発事故は起こるんだよ、だからこれについて準備しなくちゃいけないよというのを言っているんです。これだけ警告がある。

 ただ、私は半信半疑で実のところこういった本を読んでいました、本当に起こるのかなと。広瀬さんなんというのはちょっと大げさに書く癖のある人ですから、だから、そうやって疑問を感じながら見ていましたけれども、ほとんど当たっているんです。

 こういうことについて、今じゃないですけれども、今まで原発の関係で田中委員長はこういう本とか目に触れられたりこういうことをお読みになったりしたら、どういうふうに感じておられたんでしょうか。それをちょっとお伺いしたい。

田中政府特別補佐人 私は原子力の世界においても半世紀ほどになりますけれども、この委員長を拝命する前から、一科学者として、安全神話のように事故は絶対起きないと考えることは、やはり、科学的な原則からいうと間違いであろうというふうに思っていました。

 特に、原子力というのは非常に可能性も大きいわけですけれども、潜在的なリスクも大きいものですから、そういったものについては、やはり、科学者は常に謙虚な姿勢で臨むべきであろうというふうに思っております。

 ここの方のいろいろな書物については、全部は目を通しておりませんけれども、幾つかは事前に拝見しております。

篠原委員 国民は非常に原子力規制委員会に期待していると思います。そして、アンケート調査しているわけじゃないですけれども、多分、なかなかよくやってくれているというふうに思っているはずです。今の感じできちっと原発を見守っていただくことをぜひお願いいたします。

 それから、またもう一回質問の機会をいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

森委員長 次に、小熊慎司君。

小熊委員 先日の委員会でも信頼と信認という言葉が出てきましたけれども、また原子力行政について、原子力研究開発機構の放射能漏れの報告が三十時間以上おくれたという、きょう東電の社長が来ていますけれども、東電だけじゃなくて、これはまさに原子力全体、いわゆる原子力村にかかわる、信頼がやはりされないということでして、本当に信じられないような組織状態になっているなというふうに思います。

 今、国民の信頼を得ていないこうした原子力行政について、もう一度立ち返ってみたいんですけれども、東電の社長にお伺いをいたします。

 今回の原発事故、またそれにかかわる汚染水の処理の問題でも、あり得ないことが起きましたと。これは、御承知のとおり、十年以上前のトラブル隠しのときにも、あり得ないことが起きましたという言葉を使っているんですね。そのときの二年間かけた福島県での検証の中で、当時の東電の社長は、情報を隠すことは罪だ、それだけじゃない、おくれること自体も罪なんだ、そうした意識のもとに企業体質の改善をしていきますと言って、十年たって、これなんですよ。全然変わっていないわけですよね。この十年間、何を努力してきたのか。

 そして、これから原発事故の処理もしていかなきゃいけない中で、到底信頼と信認というのは御社は得られないと思いますし、体質も改善されていないので、大変問題だと思うんですよ。そんな状況の中で、くすぶった原発に帰れといったって、福島県の人は帰らないですよ。この体質をこれからどうやっていくんですか。

廣瀬参考人 お答え申し上げます。

 二年前の大きな事故はもちろんでございますけれども、数カ月前に立て続いた、停電により使用済み燃料プールの冷却系がとまってしまったこと、あるいは汚染水が漏れてしまったことなどで、福島県、近隣の皆様、特にこれから帰還を計画、お考えされていた皆様に大変な御心配を改めましてまたおかけしたこと、大変申しわけなく思っているところでございます。

 いわゆる一連のトラブルにつきましては、大至急、社長を本部長とします、福島第一の信頼度を向上させるための緊急対策本部というのをつくりまして、早速、改めてなんですけれども、福島第一の施設の中を全部点検いたしました。

 やはりまだまだ野戦病院的な部分は残っておりましたので、そうしたものについて一つ一つ潰していくという作業を今やっているところでございまして、その進捗につきましても適時公表をさせていただき、少しでも心配をおかけしないように、これからも努めてまいる所存でございます。

 先生御指摘のように、十年前にもそうしたことがあって、今回もまた東京電力の信頼を大変著しく傷つけるという状況でございます。信頼を傷つけるのはすぐにできますけれども、それを回復するというのは本当に一朝一夕では済まないことだと思っております。

 とにかく、私どもが主体的に責任を担っていかなければいけないというのも事実でございますので、まずは、福島の廃炉に向けて一つ一つ作業を積み重ねて、その過程もつまびらかに、地域の皆様を中心に情報をお届けして、少しでも御心配いただかないように努めるとともに、賠償につきましても、個々の御事情をなるべく詳しくお聞きして、いわゆる親身、親切な賠償をこれからも続けるといった、こういう一つ一つの積み重ねをやっていく以外にないと思っております。

 そうしたことでも、当然長い時間がかかると思いますが、まずは、とにかく、事故を起こしてしまった事業者として、そうした対応を今後とも一つ一つ積み重ねて、少しでも信頼を回復していきたいというふうに考えておるところでございます。

小熊委員 もう十年前にもそういった言葉は聞いていて、何度も繰り返しているということの自覚と、今言ったことなんて、十年前に言っていて、直っていないんですよ。

 もはや私は、福島県民からすれば、これだけうそをつかれてきていますし、改善されていないので、これはもう本当に今後の再チャレンジなんということは到底認めがたいというのが多くの県民感情だと思います。今聞いた言葉も、それは原稿にすれば何の非もないような立派な弁明だとは思いますけれども、全てがむなしく聞こえるんですね。

 はっきり言えば、会社としてはもう成り立たないんじゃないかというふうに私は思いますよ。これまでの経過。そして、言ったことをやらない。さらにまた、隠す。隠さないまでも、おくれる、おくらせる。これは東電だけじゃなくて、今回の原子力研究機構のことでも明らかになりましたけれども、原子力にかかわること全体がそうした体質があるというのは大変な問題だというふうに思っています。

 これはやっていたってらちが明かないので、本当に繰り返して繰り返してうそをついたということの自覚を持って考えてほしいし、はっきり言えば、もう東電は福島県に要らないですよ。原発だけじゃなくて、私の地元の会津にも、猪苗代湖の水利権を一番持っているのが東電で、東電の水力発電が終わった後で、我々はやっと水道水を使えているんですよ。これだけ貢献して、その恩をあだで返すような、そうしたことを繰り返したという事実をしっかり受けとめて、はっきり言えば、もう解散してほしいぐらいですけれども、感情的には。

 次の質問に移りますけれども、こんな状況で起きた事故なんですよ、福島県において。何回も繰り返して、あり得ないことが起きましたなんて、十年前に聞いていて、またやっている。情報を隠しません、おくらせる。こうなると、今いわゆる再稼働についてのいろいろな方針が政府においては示されていますけれども、福島県においては、県民のほとんど、また県議会においても全ての政党が全基廃炉を言っています。事故の起きた原発だけではありません。もし仮に使えたとしても、全基廃炉と言っているんですね。これは福島県の総意だと思います。

 この件について、技術的に使えるかどうかは今後の検証なんでしょうけれども、それがあったとしても廃炉にしてくれと言っているのが福島県の全体の意思です。それを踏まえて、福島県内にある原子力発電所の全基廃炉についての見解を政府におただしいたします。

赤羽副大臣 今、小熊委員御指摘のように、一昨年十月、福島県議会で福島第一、第二原発の廃炉を求める請願が採択されました。また、一昨年十二月には、福島県が県内の原子力発電所については全て廃炉とすることを求める計画を決定しており、これも承知をしております。また、本年三月二十五日に、福島県議会で県内の原発の全基廃炉を求める意見書が採択されたことも当然承知をしているところでございます。

 これまでにない大事故を経験され、二年以上たった今なお十五万人以上の方々が不自由な避難生活を余儀なくされている現状を考えれば、このような請願、計画や意見書が提出されることは十分私どもも理解しているところでございます。

 ただ、原発の再稼働につきまして、ちょっと一般的な法律のたてつけについて申し上げさせていただきますと、改正原子炉等規制法に基づきまして、原子力規制委員会において原発の安全性の確認が行われ、この安全性が確認されれば事業者がみずからの判断により再稼働することが可能となる、法律上はそのような仕組みとなっております。

 ただし、現実には、福島県初め関係自治体の再稼働に向けた御理解が必要であると当然考えておるわけでございます。今回の福島県内の原発につきましては、東京電力におきまして、福島県、そして立地市町村も含めた地元の皆様のさまざまな要望、意見などを総合的に勘案しながら判断を行っていくものと考えておりますが、御指摘のあったような福島県の皆様の現在の心情を考えるときには、一般論で他の原発と同列に考えることは難しいものと認識をしております。

 以上です。

小熊委員 いや、その仕組みはわかっているんですよ。それで、今、最後にあったとおり、ほかの原発とは違うわけでしょう。もうこれは技術的な判断ではなくて政治決断ですよ。総合的な判断をするといったって、県民がノーと言っているんですから、もう判断できるんじゃないですか。

 では、今確認しますけれども、福島の原発はほかの原発とは違うスキームでちゃんと判断するということでいいんですね。

赤羽副大臣 ですから、先ほど申し上げましたように、まず、法律上のたてつけはそうはなっていないんです。しかしながら、総理も国会で答弁をしておりますが、先ほど私が答弁しましたように、今回の福島県の現状、また福島県民の皆様の心情を考慮すると、他の原発と同列に考えることは難しい、こう認識をしているということでございます。

小熊委員 法律をつくっているのは我々ですよ。

 では、法律を変える意思はありますか、その現状を踏まえて。

赤羽副大臣 福島の思いを受けとめながら総合的に判断を進めていかなければいけない、私はこう考えております。

小熊委員 それでは、それは副大臣は決断できない、まあ決断する立場にはないのかもしれないですけれども。

 答弁を整理すると、福島県内の原発は全て、しっかりと県民感情を考えて、ほかの原発とは違う判断のもとに、必要であれば法改正もして、全基廃炉という可能性も大いにあり得るということでいいんですか。

赤羽副大臣 そのようなことも否定するものではございません。

小熊委員 これは、ぜひ政府には早期に検討いただいて、今、福島県においては東電の信頼なんか全然ゼロですから、これをやはり回復していくのも一つの姿勢だと思うんです。

 使えるかもしれません、使える施設もあるかもしれないけれども、もう要らない。そこから福島県は再生をしていきたい。これはほとんどの県民が思っています。

 ぜひこれは早期に、もし福島県内の原発の全基廃炉をそういうふうに前向きに検討していただけるのであれば、その法律的なたてつけもしっかりしなきゃいけないので、これをしっかり立法化して、福島県のみならず、国民に向けてしっかりとその姿勢を示さないと、きょうは委員会の質疑ですから、政党のことを云々言う場ではありませんけれども、沖縄やTPPや福島県内の原発に関しては地方組織と党本部がねじれているというような指摘もあって、これは一政党の問題じゃなくて、結局政治とはそんなものかと政治の信頼にも波及することですから、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。

 次に移ります。

 子ども・被災者支援法の基本方針がなかなか示されないということは、非常にじくじたる思いではあるんです。

 まず、確認をさせていただくと、過日も規制委員会の方とも議論していたんですけれども、基準の見直しというのを規制庁、規制委員会のもとでやっているのは、防護のための基準をどうしていくかということであって、被災者支援法の一定基準のところを対象地域にしなきゃいけないわけですけれども、結局、その基準とはイコールではないということですね。委員会の議論、またその後の整理の中で私はお聞きして、そういうふうに認識しているんです。

 では、復興庁に聞きます。

 一定基準、これはいつ、どうやって決めるんですか。今、規制委員会でやっていることは参考になるということで、ほぼイコールではないということの認識でいいのかどうか、確認させていただきます。

谷副大臣 今、委員の方から御質問がございました。

 子ども・被災者支援法の支援対象地域に係る一定の基準、この検討に当たっては、放射性物質の影響という専門的な内容を含むため、専門的、科学的、技術的観点からの検討が必要ということで、御指摘のように、現在、線量水準に応じて講じるきめ細かな防護措置の具体化について、年内をめどに科学的、技術的見地から検討を行うこと、そういうふうにされているところであります。

 ただ、それにまつことなく、被災者支援については、御承知のとおり、三月十五日に被災者支援施策パッケージを発表させていただいたところであります。

 いずれにいたしましても、復興庁におきましては、原子力災害対策本部の検討の進展状況を見ながら、その知見も活用しつつ、できるだけ早く一定の基準について検討し、基本方針の策定に努めてまいりたいと考えているところであります。

小熊委員 防護の基準、これは何ミリシーベルトというのが一つ出るわけじゃないんですね。こういう場合はこう防護した方がいい、こういう場合はこうした方がいい、そういう形になるというふうに思うんですけれども、それは規制委員会か誰か、答えられますか。

 何ミリがどうなるというのは今はまだ調査中であるんでしょうけれども、何ミリという一つの数字だけじゃないですよね、防護の基準というのは、今見直しをかけているのは。多分、これはいろいろな段階を示していただけると思うんですけれども、そうした認識でよろしいですか、防護の基準というのは。

田中政府特別補佐人 御質問の趣旨に沿っているかどうか、少し確かなところはございませんけれども、私どもは、実際に、もちろん子供も含んでですけれども、被災者の被曝線量をきちっと測定し、それに基づいた健康管理をすべき、そういったことを基準も含めて今検討を進めているところでございます。

 これは、先日、復興大臣から私の方に依頼がありました。現在避難している方たちを含めて、どういうふうにもとに戻るというか復帰できるような道筋について、含めて検討するようにという御依頼がございましたので、そういった観点から、線量基準についても今検討しているところでございます。

小熊委員 その基準が、何ミリだとどう、何ミリだとどうと細かくなるんですか。何ミリ以上はこれで、何ミリ以下はこうだという一つの数字だけなんですか。幾つかの数字、一ミリがこう、五ミリがこう、十ミリがこう、十五ミリがこう、そんな基準の示し方になるんですか。そこを確認したいんです。

田中政府特別補佐人 防護の基準はもう既に決まっていますので、具体的には、そういったものを幾つも決めていくという考えではございません。

小熊委員 防護の基準というのは一ミリと二十ミリという数字がありますが、これはもう動かさないということですよね。一つの数字がありますけれども、一ミリと二十ミリという。

田中政府特別補佐人 長期的には年間一ミリシーベルト以下の被曝を目指す、このことは動かさないことであります。今、年間二十ミリシーベルト以下のところは、生活を継続しながら一ミリシーベルト以下を目指すということになっておりますので、その考え方は基本的に踏襲することになります。

小熊委員 今の委員長の一ミリということであれば、副大臣、これはどうですか。この一ミリという数字に対して、今の見解は持っていますか、支援法の対象地域として。

谷副大臣 ですから、先ほど御答弁させていただきましたように、専門的、科学的、技術的観点からそういったことをしっかり検討していただかなければならないということで、原子力規制委員会等の原子力災害対策本部に復興庁としてはお願いしているわけですから、その検討結果をしっかりと踏まえて、できる限り早く次のステップに進むようにしてまいりたいと思っております。

小熊委員 確かに、一ミリというと、西日本だって一ミリを超えているところがあって、ではそこは対象地域になるのかみたいな話になっちゃいますから、なかなか厳しい数字ではあるんです。

 ただ、今議論させていただいたように、規制委員会で検討しているのはほぼイコールの数字ではない。それをそのままイコールに使うのかもしれませんけれども、やっていることは防護のための対応として調査研究ですから、これはしっかり早期に判断を、決定を下さないと、パッケージでやっているといっても、子ども・被災者支援法はほとんど動いていないというのが、私も立法の賛同者の一人として、そういうふうにつくった人たちと今議論を重ねているところでありますので、これは早期にやっていただくこと。

 そのときに多分起きてくることは、対象地域を何ミリとして、一ミリ以外の数字が出てきたときには、これはいろいろな住民説明を含めて、しっかり受けとめていかなければいけないというふうに思いますよ。やはり、一ミリ以外の数字が出れば、一ミリちょっとのところは何で対象地域にならないんだとなってきますから。

 そういう意味では、立法に向けて、意見を聞くということが支援法にも入っているわけですから、これはしっかり早期に意見聴取会をやっていただきたい。原案ができてから回るということでしたけれども、そうではなくて、原案ができる前にしっかり意見聴取をお願いしたいというふうに思います。

 それもこれまでの委員会でも議論してきましたけれども、今政府はそういう方針にはなっておらないので、こうしたリスクコミュニケーションをしっかりとっていかないという前提がありますから、丁寧な説明と意見聴取をすることが重要だというふうにもう一度申し伝えさせていただきます。

 次に移ります。

 きのう開催されたというふうにお聞きをいたしましたけれども、いわゆる原発事故の指定廃棄物の、福島県のものではなくて各県にある指定廃棄物の最終処分場、これは前政権下で大変混乱したということで、新たに選定手順案を示されました。そのことについての話し合いが昨日、栃木県を皮切りに行われたというところでありますけれども、きのうの会議の詳細についてお伺いをいたします。

梶原政府参考人 お答えを申し上げます。

 昨日、栃木県で開きました指定廃棄物処理促進市町村長会議でございますが、これは第二回のものでございます。三月二十八日、実は宮城県を皮切りに、五県、宮城県、栃木県、千葉県、茨城県、群馬県で第一回を開いておりまして、今回、第二回の最初の会議を栃木県で開いたものでございます。

 昨日の栃木県の会議でございますけれども、まず、前回、四月五日の会議でいただきました御意見、また、その後文書等で各市町長、これは村がないものですから市、町からいただいた御意見に対して環境省の考え方をお示しするとともに、また、並行して、指定廃棄物の処理を促進するために科学技術的な有識者の会議を開いておりまして、実際に最終処分場の場所を選定していくに当たりまして、技術的にどういう形で進めればいいかということを検討してございます。そこで取りまとめられました選定の手順、選定に当たっていろいろなものを評価していくわけでございますが、その評価項目、評価基準の案について御説明を申し上げたところでございます。

 市町長の皆様方からは、さまざまな御意見をいただいております。特に、栃木県内で八千ベクレル以上の指定廃棄物を処理することが適当かどうかといった点についても御懸念を多く賜ったところでございます。

 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、こういった市町村長会議の場を通じまして、立地をしたいと考えております県、市町村長の方々と十分な意見交換を行いながら、丁寧に手順を踏みつつ、最終処分場の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

小熊委員 二回目というのは承知はしておりますが、だから、今回新たな手順案が示されて、それに対する見解というのはどんな意見がありましたか。

梶原政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、会議自体は全体として一時間十五分を予定して、結果としては一時間半ぐらいになったところでございますけれども、一応、その手順、基準については御説明申し上げたところでございますけれども、それ自体の意見交換は余り進んでおりません。

 その結果として、会議におきましては、最終的には、また後日、文書でいろいろな御質問、御意見があれば承りたいということでお願いをしておりまして、その結果を踏まえて、さらに今後会議を重ねてまいりたいというふうに考えております。

小熊委員 第一回目の会議のときには、そういった対象の県が、県内ではなくて県外に、福島に持っていった方がいいというような話も出たやに聞いております。

 そういう意味では、今の説明だと、今のところ余りまだ、これから意見が出てくるというふうには思いますけれども、新たな選定手順案が示されても、県外に持っていけ、福島県に持っていけという意見が出てしまうようではやはり理解が進んでいないということですから、そういった点をしっかり留意して、設置に向けて努力をいただきたいというふうに思います。

 今回通告していませんからやりませんけれども、福島県の中間貯蔵から持っていく最終処分場、これはやはり福島県民は、本当にできるのか、できたらいいけれども、できるのかということは懸念しているところでもありますし、現実的なのかなと。中間貯蔵でさえ、十トントラック二百万台もそこに運び込むことが本当に現実的に可能なのかということもちゃんと県民に示さなければならないということを、これは質問通告していませんので、申し伝えさせていただきます。

 先週の月曜日に、我々維新の中にも復興推進本部というのがありまして、その役員で福島県内の調査に行ったときに、二本松市での除染を調査してまいりました。そのとき言われたのは、やはり森林の除染をしなきゃ、これは下がらないよねという話をいっぱい聞いてきたんですね。

 森林の除染については方針が示されておりません。「森林除染の在り方に関する当面の整理について」というのを昨年九月に出して、早期に決めなきゃいけないと言っていて、まだ何も決まっていないというところでもありますので、この森林除染の方針、どういうふうにやっていくんだというのはいつ示されるのか。今いろいろな、除染をしながら知見を高めているということですけれども、いつまでにそれが明示されるのかをお聞きいたします。

小林政府参考人 森林除染につきまして、今先生から御指摘ございましたように、課題として進めているところでございます。

 御承知のとおり、平成二十四年度、二十五年度におきまして、住居等の生活圏に影響を及ぼす場所での除染をしっかりやるというのがまず大前提でございます。御承知のように、除染計画自体が場所によって進んでいるところ、おくれているところがございますので、これを促進するというのが大前提でございます。

 その上で、森林全体をどうするかというかねての課題につきまして、これは森林の除染と林業発展のための方策の検討をあわせて検討していくことが重要だというふうに考えております。

 そういう意味で、復興大臣と環境大臣とで除染・復興加速のためのタスクフォースというものを設けまして、この中の一つの大きな課題として、いろいろな議論をしているところでございます。

 地元の懸念の解消という意味では、特に、森林から新たに汚染が里の方へ出てくるという再汚染の懸念がございます。これについては、今までのデータでは余り流出がないというものを持っておりますが、これは検証作業を今年度もしっかりやっていくということを考えております。

 また、特に沢水、飲み水に出てこないかということは、地元の御要望を全部受けて、御要望があるところについては全てはかる、こういう姿勢でやっているところでございます。

 そういう意味で、今、いつにという明確なものが決まっているわけではございませんが、二十四年度、二十五年度計画実施の後、二十六年度どうしていくかというような課題がございますので、それに間に合うようにしっかり検討していきたいと考えているところでございます。

小熊委員 科学的には今のところは再汚染のあれは見受けられないということではありますけれども、今の実態というか認識としては、低線量のところは除染してもなかなか効果が出ない。では、何でだろう、やはり山から来るのかな、森林から来るのかなというふうに見ているのがほとんどの方々であります。あとは、影響がないといっても、心理的に、庭は除染したけれども山はやっていないよというのは、科学的エビデンスはないのかもしれないですけれども、心理的にはやはり気持ち悪いというのが感情です。

 そういう意味では、しっかりとしたリスクコミュニケーションをとっていかないと、いつまでたっても不安はなくならないし、森林除染してくれという要望はとどまりませんから、これはしっかりいろいろなデータをとりながら、早期にきちっとした丁寧な説明をしていっていただきたいというふうに思います。

 以上で終わります。

森委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 今、我が党の小熊議員からもさまざまなテーマについて質問させていただきましたが、私からは、前回、五月十六日のこの委員会に続いて、福島第一原発の耐震安全性等について質問をさせていただきます。

 その前に、ちょっと通告と順番が変わりますが、原子力の賠償責任法の話を、これも前回に続いてですが、最初に、若干時間をとって確認をさせていただきたいと思います。

 私がこの原賠法について何度もこの場で取り上げさせていただくのは、原発の安全の問題だけじゃないんですね。今も小熊議員から申し上げたような、福島の復興に本当に直接深く関係をしているんです。

 日本維新の会でも、復興本部で何度も足を運んで被災地の現場を視察してきておりますが、きのうは、東日本大震災の復興特別委員会の委員派遣で福島県に行ってまいりました。後藤田委員長を初め、きょうおいでの自民党の先生方、そして小熊議員、私。小熊議員と私は、この原子力特委の委員でもございますが、あわせて、復興特委の委員として福島の復興に今全力で取り組んでおります。

 きのう、いわき市と広野町に行ってまいりましたが、自民党が政権に復帰をしたけれども、全く改善していないですよ。いわき市も、結局、たくさんの福島県の被災者の方々がいわき市に避難をしてこられて生活をされている。しかし、彼らが戻られるのか戻られないのかが決まらないものですから、一体、税金を取ったらいいのかどうか、あるいは住民票をどうするのか、さまざまな問題が全部宙に浮いて、進まないんです。広野町も同じです。

 結局、福島の地域の将来ビジョンが決まらないものだから、福島の復興は、私の目から見れば、全く進んでいない、膠着したまま。昨年の十二月の総選挙で自由民主党が政権に戻ったことで、私たちはこれでもう一回大きく前に進むかなと見ておりましたが、全く変わっておりません。

 私が原賠法を取り上げるのはその文脈からでありまして、では、なぜ地域の将来ビジョンが一向に決まらないのか。これは、ほかの被災地と福島の違いは、福島第一原発があることです。

 この福島第一原発の収束に向けた取り組みについて、一体誰が責任を持ってこれを収束させ、そして廃炉をやり切るのかということについて、依然として、今の政府・与党は曖昧な立場を崩しておりません。もうちょっと言えば、これは一義的には東京電力の責任だと言って、きょう廣瀬社長もおいでいただいていますが、その後ろに隠れてやっている。今、それが現実でございます。

 予算委員会等テレビが入っている場では安倍総理や茂木大臣が格好よく、前に出るんだ、一歩前に出るんだ、国がもっとやる、こうおっしゃっていますが、委員会で、では何をやるんだと聞けば、研究開発をやります。研究開発をやるというのはそれは何ですかというのが私たちの思いで、こうしたことは今私が言っているだけじゃないんですね。

 この賠償の問題については、特に今回の事故を受けて、原子力損害賠償支援機構法が二十三年八月に成立をしております。この法律をつくりましたときに、法律の附則、これは法律の一部です、附則の六条で、「この法律の施行後できるだけ早期に」原賠法の改正をする、こう書いてある。この「できるだけ早期に」については、当時の附帯決議で、これは「一年を目途とする」んだ。もう一年を過ぎています。

 きょうは文科省官房審議官がおいででございますが、これはどうなっているか。前回の委員会でも聞きましたが、これをもう一回やります。文科省、どうですか。

鬼澤政府参考人 お答えいたします。

 原子力損害賠償支援機構法附則第六条第一項におきましては「できるだけ早期に」、御指摘のように、今般の原子力事故の原因等の検証や原子力損害の賠償の実施状況を踏まえて、原子力損害賠償制度における国の責任のあり方等について検討を加え、これらの結果に基づき、「必要な措置を講ずるもの」とされております。

 これにつきましては、原子力損害賠償制度を考える上で大前提となります我が国エネルギー政策における原子力の位置づけ等の検討を踏まえる必要があること、また、被害者への賠償支払いが当面継続する見込みでございまして、損害賠償の全体像がいまだ明確になっていない状況にありますことから、必要な措置を講ずるための検討の途上にあるというふうに認識してございます。

 政府といたしましては、まずは、現行制度の枠組みのもとで被害者の方々に対する適切な賠償支払いを着実に実施していくことを最優先としつつ、同時に、現在進行中の福島の賠償の実情を踏まえながら、現行制度や賠償実務上の課題の抽出を行い、原子力損害賠償制度の見直しに資する情報の収集、整理など、関係省庁と連携して引き続き行ってまいりたいと考えております。

足立委員 全くだめですね。審議官、附則の六条、この「できるだけ早期に」というのは、原賠法の改正、これにかかっていますよね。ちょっと確認です。

鬼澤政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの点につきましては、国会での制定の議論の中で入った表現というふうに承知しておりますけれども、私どもとしては、まずは、現行の枠組みの中で被害者の方々に対する適切な賠償の支払いを着実に実施していくことを最優先しながら、先ほど申し上げましたけれども、福島の賠償の実情を踏まえること、また、課題の抽出を行うこと、賠償制度の見直しに資する情報の収集、整理などに関して、関係省庁と連携して検討してまいりたいというふうに考えてございます。

足立委員 審議官、もう同じことを繰り返さなくていいんです。これはかかっているんですか、かかっていないんですか。条文の読み方を確認させてください。簡潔に。

鬼澤政府参考人 失礼いたしました。

 「できるだけ早期に」という附則第六条一項の表現でございますけれども、条文の冒頭の方に掲げられていることから、私どもとしては、全体の文章にかかっているものと考えております。

足立委員 では、先ほど私が御紹介をしたこの衆議院の委員会での決議、これを今文科省は実施していない、こういうことですね。

鬼澤政府参考人 失礼いたします。

 先ほど申しましたとおり、この「できるだけ早期に」という中で、さまざまな条件、原子力損害賠償の実施状況、事故の原因等の検証、あるいは国の責任のあり方に関する制度の検討、こういったものを検討している途上にあるということで進めているところでございます。

足立委員 だから、「一年を目途とする」というのが国会の意思なんですよ。どうするんですか。

鬼澤政府参考人 お答えいたします。

 私どもとしては、国会の附帯決議ということも承知し、それを十分認識しながら努力を積み重ね、必要な準備あるいは論点の整理などを行っているというところでございます。

足立委員 審議官に言ってもちょっと仕方ないですが、きょうは政務をお願いしていましたが、ほかの委員会でとられているということで来られていません。先ほど申し上げたように、福島の復興、福島の地域の将来像、これが固まらないと復興は進まないんです。その根っこのところにあるのがこの原賠法の問題なんです。

 「できるだけ速やかに」、当時の衆議院の委員会は決議でこれは施行後「一年を目途」と言って、もうそれは過ぎているんです。もう過ぎているんだ、国会の意思に反してこれはおくれているんだということで、文科省が所管しているから文科省の仕事なんだけれども、文科省にできるかなという意見もありますが、所管をしているんだから、この国会の意思に沿ってしっかり行政を前に進めていく、それをぜひお願いをしておきたいと思います。

 ちょっと時間をとってしまいましたが、本題の原子力の耐震安全性、比較的ほかの原子力の再稼働の問題が今議論になっているけれども、そもそもこの福島第一原発、これは結構不安定な状況にあって、私は心配しているんです。きょうはその点を確認してまいります。

 まず最初に規制庁の方から、原子力施設の安全性の評価、これはどういう方法で行っているのか、簡潔で結構です、時間がないので、簡潔にそのポイントを御紹介ください。

櫻田政府参考人 お答えいたします。

 原子力施設の耐震安全性につきましては、施設に大きな影響を及ぼすおそれがある地震動を基準地震動として設定しまして、その地震によっても施設の安全上重要な機能が保持されるように設計するということを要求してございます。

足立委員 ありがとうございます。

 私が申し上げたように極めて簡潔におっしゃっていただきましたが、基準地震動Ssの御紹介だけお願いします、あわせて。

櫻田政府参考人 失礼いたしました。

 基準地震動と今申し上げましたのはいわゆるSsと呼ばれているものでございまして、敷地ごとに、どのような地震が襲ってくるかということをあらかじめいろいろ評価をいたしまして想定するものでございます。

足立委員 この基準地震動Ssというのは、ここにおいでの方は皆さんよく御存じだと思いますが、それぞれの原発において、その立地点の地震動を形にして、そして、それをモデルに入れて実際の施設の安全性をチェックしている、こういうものでございます。

 私、きょう取り上げるのは、二つ明らかにしていきたいと思うんです。

 一つは、今、私の地元、大阪、関西でも大飯原発の問題が議論になっています。この大飯原発、こういう再稼働を議論すると、原発を推進する立場の方々から、どうせ使用済み燃料がプールされているんだから、再稼働をしようと、していまいと、安全性に変わりはないんだという指摘がよくこれはなされます。この点について私は、これはそんなことはない、本当に少しでも安全性を確保しようと思うのであれば、もしその原発が新しい安全基準の観点から十分に安全が確保されていないとするのであれば、地域の安全を確保する観点から、再稼働は適当ではないと思っています。

 すなわち、燃料プールに使用済み燃料はあるけれども、この使用済み燃料があるがゆえに、再稼働する場合としない場合とでその原子力施設の安全性に違いは出てくるとこう思っていますが、この点について規制委員長の方から御紹介をお願いします。

田中政府特別補佐人 一般に、原子炉が稼働している場合には、例えば、大規模な地震などでそういった重大な事象が発生した場合には、まず、制御棒が挿入されまして、原子炉のいわゆる連鎖反応をとめることが大事であります。次に、とまった後でも、いわゆる崩壊熱という、核分裂生成物から熱が長期間出続けますので、これを長期にわたって除熱していく、冷温停止をした上で除熱して冷却していくということが大事であります。

 原子炉が停止している場合には、当然、その原子炉をとめるというそういう状況はありませんし、とまってからの時間にもよりますけれども、いわゆる崩壊熱という、その原子炉の中にあります熱は急速に落ちてきますので、そういった点で、停止していれば、その期間にもよりますけれども、いわゆるリスクというのは大分下がってきます。

 ただし、そうはいっても、使用済み燃料の中には大量の放射性物質がありますから、一定のリスクがあるということは、これも事実でございます。

 したがいまして、原子炉が稼働しているという場合には、原子炉停止後、限られた時間的制約のもとで原子炉の減圧とか冷却を実施する必要がありますが、停止中であれば、ある程度安定的な冷却をするために必要な措置をとるまでの時間的余裕が相対的に増加するということでございます。

足立委員 ありがとうございます。

 今、田中委員長から御紹介をいただいたように、この大飯原発、我々地元でもありますので、しっかりとこの安全性については、新しい安全基準が本当に原発の安全を確保する上で十分な基準になっているか、そして、大飯原発を初めとする、稼働している、あるいは稼働させていこうとしているそういう原発がその基準に照らして適合しているのか、徹底的にこれはこの国会でも監視をしていきたいと思っております。

 その際に、一部世間というかマスコミ等でも、あるいは原発を推進する立場から、どうせプールがあるから同じなんだという議論がありますが、今委員長がおっしゃっていただいたように、使用済み燃料が安定しているそういう状況に比べて、稼働させること、この二つは、やはり原発の安全を確保するという意味では大きな違いがあるということを改めて確認をさせていただきました。

 もう一つ私が確認しておきたいのは、福島第一です。

 福島第一の原子炉建屋の安全規制、これは廃炉に向けて今動いているわけですが、今もこれは原子力施設の安全規制に服している状態です。もう時間がないので私の方から申し上げますが、いわゆる特定原子力施設に指定されて安全管理を行っているというところで、枠組みは、一般の商用の原子炉と今の福島第一は、安全を確保するという意味で規制の体系は違います。

 ただ、今のこの福島第一は、そういう特定原子力施設の安全管理としてこれは十分に安全が確保されているのか、改めて田中委員長からお願いします。

田中政府特別補佐人 先ほども申し上げましたけれども、福島第一原発の状況は、さまざまなリスクが、他の普通の原発と比べますとリスクがある状況でございますので、そのリスクが顕在化しないように、廃止措置の中で安全が保てるように、特別の監視体制をしいて見ているところでございます。

足立委員 この福島第一については前回五月十六日にも確認をさせていただきましたが、東京電力が、福島第一については震度六強に耐えられる、こういう発表をしていて、これは五月にも確認させていただいて、田中委員長もそれを承知しているということですが、震度六強に耐えられるという東京電力のこの発表は、規制委員会としてその内容をしっかりと評価をした結果そうだということなのか、そしてそれで十分なのか、規制庁の方からお願いします。

山本政府参考人 お答えいたします。

 東京電力福島第一原子力発電所の原子炉建屋の耐震安全性につきましては、まず、旧原子力安全・保安院の時代におきまして、水素爆発などによる損傷の状況も保守的に考慮した上で評価を実施しております。その際には、東日本大震災と同程度の震度六強の地震が発生したとしても、十分な耐震性を有することが確認をされております。

 その後の状況につきましては、原子炉建屋、特に四号機などにつきましては、四半期に一度、定期的な健全性評価を行いまして、建屋が傾いていないとか、あるいは設計基準以上のコンクリート強度を有していること、こういったことの確認が行われて、その結果が公表されておるところでございます。

 規制委員会としましては、廃炉作業の安全確保の基本となる、先ほど御指摘はいただきましたが、特定原子力施設のもとの実施計画、この中で、耐震の安全性も含めて、外部専門家を含む検討会で確認を現在実施をしているところでございます。

 いずれにしましても、こういう技術的な観点からしっかりと確認を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。

足立委員 今、規制庁の方から御紹介がありましたが、この震度六強というのが、東日本大震災がほぼ震度六強であったということですから、あの規模の地震が起こっても大丈夫だということを今おっしゃられたわけですが、本当にそれ以上の地震はもう起こらないのか。

 田中委員長の方から改めて、福島第一は震度六強に耐えられるということですが、それで十分なのか。東日本大震災を経て、一体どういうレベルの安全をこの福島第一に求めていくのか。これはちょっと田中委員長の方からお願いします。

田中政府特別補佐人 先生御承知のように、今回の東日本大震災による地震動は、マグニチュード九という非常に、歴史的に見ても極めて大きなものでございまして、それによる地震動が福島第一の地域において震度六強ということですので、一応、それをベースにして今対応を考えております。

 震度六強をちょっと上回るものが来たらすぐ壊れるかというと、そういうことではないということだと思います。

足立委員 いわゆる震度六強ということですが、これは、福島第一原発の基準地震動Ssがほぼそれぐらいだということだと思うんです。この福島第一のいわゆる基準地震動Ssについては、東日本大震災の前からあるその基準に基づいて今安全性が評価されている、こういうふうに私は理解しています。

 この評価基準、福島第一におけるそのベースである基準地震動Ss、今の、東日本大震災以前から使われていた基準地震動、これを引き続き使い続けるということでいいんですか。

田中政府特別補佐人 震災前の基準地震動よりは、多分、今回の地震はそれを上回るような地震動が起きたということです。ですから、そういったものに対して耐えられるようなものという、今、そういう対応を求めています。

 そういうことですので、地震によって、電源系とか、いわゆる原子炉の冷却を行うための注水系については、発電機とかポンプとか、そういったものを多重的に準備しまして、地震や津波というようなものがさらに起こった場合でも、今回のような事態にならないように十分に対応をとらせていただいています。

足立委員 基準地震動Ssは東日本大震災以前からあるものである。これを見直すか見直さないか、確認させてください。

田中政府特別補佐人 そもそも基準地震動を設定するということは、新しい原子力発電所をつくるときの設計のベースになる値でございます。

 今回、福島第一につきましては、廃止措置を進めていくわけですが、その過程においてそういった強い地震が来ても大丈夫だということを確認するということで、言葉としてはSs、基準地震動というのを使っておりますけれども、基本的には、廃止措置中、大丈夫、安全が保てるような耐震の対策をするということでありますので、いわゆる通常のところの基準地震動とは少し意味が違うというふうに御理解いただければ幸いです。

足立委員 なかなか言葉が複雑ですが、私が申し上げたいのは、福島第一の安全性は本当に大丈夫かということなんですね。

 さっきおっしゃったように、そもそも、今福島第一は収束のプロセスにあって、廃炉に向けて取り組んでいる。これは、ほかの原発に比べても特別のリスクがあるわけですね。特別に注視をしていく必要がある。その際には、従前の、東日本大震災以前の頭から切りかえて、一段の注視をしていく必要がある。これをちょっと確認させてください。

田中政府特別補佐人 今先生御指摘のとおりでありまして、依然としてリスクが高い状態にありますので、最善の、最大の注意を払って、いろいろな意味で対応、監視、評価していきたいと思いますし、それに基づいて、東京電力の方にも必要な措置を求めていきたいというふうに思っています。

足立委員 ありがとうございます。

 最後に、きょう復興庁から谷副大臣においでいただいているのは、まさにこれをずっと聞いていただいて、この福島第一というのは、よく、復興を考えるとき、あるいは被災者の方々にお戻りをいただく、帰還をいただくという議論をするときに、大体、空間線量とか、要は線量の話ばかりをみんなしていますが、そもそも、福島第一のサイトは今も危険な状態にあるんですね。その危険な状態にある福島第一のサイト、このそばに、線量が下がったからといって被災者の方々を再び帰還させていいんですか。

 私はこの点をもう一回確認しておきたいんですよ。復興庁から、谷副大臣からその点をお願いします。

谷副大臣 福島第一原子力発電所のリスクにつきましては、先ほど来、田中委員長の御答弁のとおりだと思います。

 我々としては、原子力規制委員会において適切に判断されるものであり、法に従って、委員御指摘のとおり、特定原子力施設の規制に沿ってしっかりと対応をしていくものと認識しているところであります。

 いずれにいたしましても、原発事故からの復興のためには、線量が低下した区域については、除染、インフラ復旧を行って、帰還に向けた環境整備を進める、その一方で、長期にわたり避難をしていただく方には生活の拠点を整備する、あわせて現行法への対策に万全を期していく、そういう考え方で、それぞれの課題ごとにきめ細かな復興施策を講じてまいりたいと思っているところであります。

足立委員 もう時間が来ましたので終わりますが、谷副大臣らしくない、ほとんど私の質問にはお答えをいただいていないと思います。

 私はもうきょうはこれで終わりますが、原賠法の見直しというのは、国の責任が曖昧になっているのをしっかりと決めるという問題、それから、福島の復興に向けて、福島第一の安全性、リスクをどう評価して、そして地域の将来をどうしていくのか、これを徹底してこれからもこの委員会そして東日本震災復興特別委員会で追及をしてまいりたいと思います。

 ありがとうございました。

森委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 前回、五月十六日の当委員会で田中原子力規制委員会委員長は、現在も、つまり、現時点で生きている原子炉立地審査指針に照らすと、福島第一原発、これは結果的には適合していなかったと答弁されましたけれども、では、ほかの原発はどうかと。

 原子力規制庁の拡散シミュレーションの試算結果というのがありますけれども、これを見ますと、一週間の被曝線量が百ミリシーベルトを超える地点は原発から十キロを優に超える、そういうものが多数あります。例えば、柏崎刈羽原発では四十キロ、運転している大飯では三十キロを超えております。

 このシミュレーションの結果に照らすと、つまり、福島第一原発だけではなく、全国のほかの原発についても、現行の立地審査指針に照らすと立地は適合していない、不適合と言えるんじゃないでしょうか。いかがですか。

田中政府特別補佐人 そのシミュレーションですが、そのシミュレーションは、各地の原発で福島の事故と同じようなものが起きるということを前提とした、そういうシミュレーションです。

 今、新しい基準では、見直しでは、そういった事故が起こらないようにさまざまな手当てをするということを基本としていますので、今御指摘のシミュレーション結果で十キロとかということは、今回の規制基準では合わないというか、それに相当しないというふうに。

笠井委員 いや、それは新基準で、これからの話で、現行で今生きている立地指針からいえば福島第一原発は適合しないとおっしゃったわけですから、同じような事故が起こったときには、ほかだって適合すると言えないでしょうということを聞いているんです。今ですよ。

田中政府特別補佐人 今までの立地基準で置きました目安線量といいますのは、今先生御指摘の敷地境界での線量というのは、格納容器での閉じ込め性能は健全に保たれるというようなことも前提としておりました。

 しかし、今回の事故では、その肝心な格納容器が壊れてしまったということが起こっておりますので、まず、そういったことがないようにするということが最も大事な今回の規制の基準であります。

笠井委員 福島が適合していなかったら、誰が見たって、今のこの指針から見れば適合していないということになるんですよ。

 今おっしゃったことに関連して聞きますと、フィルターベントを使っても、この間議論しましたけれども、キセノンとかクリプトンなどの希ガスは除去できないわけです。

 前回の当委員会での私の質問に田中委員長は、「希ガスは、どこにも反応しないで、空気の流れとともにどこかに飛んでいく」、こう言われました。私、この答弁は、公衆被曝にはそれほど関与していないというふうに言っているのと同じで、これは見過ごせないというふうに思うんです。

 キセノン、クリプトンといった希ガスは空気の流れとともに飛んでいくというふうにおっしゃいますけれども、飛んでいく途中で、住民に放射線被曝を与えるおそれは一切ないということなのか。

 規制基準案のパブリックコメント、寄せられた意見を私も見ましたけれども、それに対して五月二十四日、規制委員会は、炉心損傷防止対策及び格納容器破損防止対策の有効性の評価に係る標準評価手法の中でということで、格納容器の性能目標値はセシウム137の放出量が百テラベクレルを下回っている旨を記載するというふうに公表されました。

 セシウムだけで希ガスを入れないというのは、なぜなんですか。

田中政府特別補佐人 セシウムを一つの代表核種にしたのは、セシウム137は半減期が三十年という長いものですから、一旦汚染されるとそれが長期に継続するということでございます。

 希ガスについては、防災指針の方で、仮にそれが出るような事態については、防災の方できちっと測定をして、しかるべき、住民の被曝防止のための対策をとることになっております。

笠井委員 いかにも影響が小さいみたいなことを言われるんですけれども、住民の放射線障害として、希ガスの場合は外部被曝、そして、沃素は内部被曝というのがやはり大きな問題になってくる。影響の仕方が異なるものであって、沃素の方がより重要だというのは、私、科学的に妥当性を欠いていると思うんです。

 そもそも、規制委員会がことし二月二十七日に全部改正しましたよね、原子力災害対策指針でありますけれども。これを見ましても、大気への放出の可能性がある放射性物質としては、気体状のクリプトンあるいはキセノン等の放射性希ガス、それから放射性沃素、気体中に浮遊する微粒子等があるということで明示をされていて、希ガスはその冒頭に書かれているわけですよ。

 では、ここでなぜこの希ガスを評価の対象としているというふうになっているんですか。

田中政府特別補佐人 希ガスについては、先ほどの繰り返しになりますけれども、決して被曝をしていいというようなことではなくて、そういった希ガスの放出が起こるような事態が来ましたら、それについてはきちっとモニタリングをして、しかるべき、例えば遮蔽のある屋内へ退避をするとか、そういった対策をとるようにしております。

笠井委員 確認しますけれども、原子力災害対策指針では、気体状のクリプトンやキセノン等の放射性希ガスを含めて、気体状または粒子状の物質を含んだ空気の一団、プルームとなって、「風下方向の広範囲に影響が及ぶ可能性がある。」というふうに述べているわけで、明記している以上は、重視しなくていいなどとは言えないと思うんですけれども、どういう影響があるかというふうには見ていらっしゃいますか。

田中政府特別補佐人 希ガスにつきましては、これは仮に吸い込んだとしましても、被曝線量は外部被曝ということで人体への影響というのは評価されることになっていますので、そういった意味において、決してそのことが評価しなくていいとか、そういうことを申し上げているわけではございません。

笠井委員 では、どういうふうな影響が出るというふうに逆におっしゃるのですか。

田中政府特別補佐人 これは一般的なガンマ線による外部被曝とかそういったことで、ほかのいわゆる被曝線量と同じで、非常に過度な被曝を受ければこれはそれなりの影響が出るということになろうかと思いますが、そういったことのないように防災対策をするということでございます。

笠井委員 対策をとるということとは別なんですね。空気の流れとともに飛んでいくというふうにこの間おっしゃったので、そういう問題として扱うというのはとんでもないということであります。

 新規制基準の案では、格納容器の破損を防ぐために、管理放出という名前で、百テラベクレルに抑えるという放射性物質の放出目標を定めております。しかし、事故の状況などによって、今申し上げた希ガスなども含めて百テラベクレルを超えることもあり得るんじゃないかと思うんですけれども、抑えられるという絶対の保証というのはあるんですか。

田中政府特別補佐人 百テラベクレルはあくまでもセシウム137について規定したもので、セシウム134もありますので、そのセシウムの放出量が百テラベクレル以下になるように事故対策をするという、いわゆる性能目標としてそれを定めております。

笠井委員 では、それ以外のものについてはどういう目標を立てることになっているのですか。

田中政府特別補佐人 それ以外の核種については、大体セシウムでこういった程度の対策をしておけばそれほど重篤な問題は起こらないというふうに判断して、これを基準にして決めておるわけです。

笠井委員 それで抑えられるということになるわけですね、大丈夫だ、それを超えることはないと。

田中政府特別補佐人 今は御質問の趣旨がもう一つよく理解できないんですが、量としてなのか、どういう意味で大丈夫だという意味なのか、ちょっとそこのところをもう一度お願いいたします。

笠井委員 量的にも、それから影響の上でもそうです。両方です。

田中政府特別補佐人 量的にというよりは、核種によっていろいろな影響がありますので、基本的に、セシウムに対して百テラベクレル以下の放出量になるようにしておけば、必要な対策は、それによって今御懸念のところは対応できるというふうに判断しています。

笠井委員 セシウムだけやっておけば安全上は大丈夫だという話に聞こえるわけですね。

 立地審査指針を規制基準に入れると、全国の原発が総退場になってしまう、技術的にも莫大なコストが必要となって、電力会社は大幅な電気料金値上げということもしなければとても原発を維持できなくなる、そうならないように、立地審査指針における敷地境界線量を基準から外したと思わざるを得ないわけでありまして、私、その点でも、再稼働ありき、原発推進のための規制基準だということになるということを指摘したいと思います。

 しかも伺いたいんですが、周辺住民の避難が前提になっています。この間もおっしゃいました。そうやってやって、このようにするんです、あとは、そうなったときは逃げていただくんですということなんですけれども、そこで、原子力災害対策指針に基づく地域防災計画について伺います。

 田中委員長は、去る二月十三日の記者会見で、規制基準と防災計画は法的にはつながっていないけれども、車の両輪、どちらかが不十分では問題がある、こう言われました。そういう考えを示されております。

 その地域防災計画の対象となる原発立地道県と隣接する合計二十一道府県、百三十六市町村ありますけれども、この防災計画の策定状況、県段階あるいは市町村段階がどうなっているか、報告してください。

黒木政府参考人 お答えします。

 市町村の地域防災計画、その中の原子力災害対策編と申しますが、その策定状況については、四月三十日現在でございますけれども、対象となる百三十六市町村のうち九十九市町村、七三%が策定済みでございます。残る三十七市町村、二七%が五月以降の策定を予定しております。

 以上であります。

笠井委員 県段階はどうですか。

黒木政府参考人 県段階では、二十一道府県のうち二十道府県において策定済みでございます。

 以上であります。

笠井委員 まだのところはどこですか。

黒木政府参考人 一県残っておりますが、福井県でございます。

 以上であります。

笠井委員 この策定期限は三月十八日だったわけです。今ありましたけれども、市町村段階で全体の二七%、三割近くがまだ終わっていないと。策定できていない市町村というのは、具体的にどこですか。

黒木政府参考人 市町村ごとの策定状況は道府県を通じて把握をしておりまして、道府県からは公開を前提として情報提供を受けていないため、個別の市町村名などについては、公表することを差し控えたいと思います。

 以上であります。

笠井委員 おかしいと思うんですよ。そもそも、市町村段階でできているところはそれぞれのところで公表しているわけですから、まだのところが言えないということ自体がおかしいと私は思うんです。

 では、立地自治体の住民にも明らかにしないということですか、国として、規制委員会として。

黒木政府参考人 済みません、質問をちょっと聞き取れませんでした。もう一度お願いします。

笠井委員 そもそも、市町村段階でできているところはそれぞれ公表するわけですよね。そうすると、まだのところを言えないということ自体がおかしいと思うんですよ。それで、立地自治体の住民にも明らかにしない。つまり、国会の場で伺っているわけですけれども、全国どこができている、できていないというのは本来わかるはずですけれども、道府県を通じて公開しないことを前提に聞いているので言えませんというのはどういう理屈ですか。

黒木政府参考人 当然のことながら、できていない立地市町村の住民はそれを承知していると思いますが、こういった形の調査自体は道府県を通じて行っておりますので、道府県との関係において答弁を差し控えたいということでございます。

 以上です。

笠井委員 公開しないことを前提に道府県から聞いているというのも変な話ですよね。それを全体として国会で聞いているのに、どことも言えないという話になります。

 では伺います。なぜいまだに策定が終わっていないところは終わっていないのか、つかんでいますか。

黒木政府参考人 現在、関係市町村二七%、地域防災計画が検討の途中でございます。

 その理由は、各地の事情により異なりますが、例えば、UPZの範囲が県境をまたぐ地域では広域避難等の調整をする必要がまだあること、あるいは、防災対策の重点区域が従前から拡大されまして三十キロ圏となったため、新たにUPZに含まれる市町村の一部でなお検討に時間を要していること等が考えられます。

 以上であります。

笠井委員 新基準案については、格納容器の破損を防ぐために、過酷事故が起きた場合には、フィルターベントも使って最大百テラベクレルに、セシウムと先ほどおっしゃいましたけれども、放射性物質を放出するというものでありますけれども、それを超える場合もあり得ると。前回のときにも、その規制基準のセシウム137の放出量が百テラを下回っていることというのは目標値だということもおっしゃったわけであります。その超えるという場合について、それでは避難してもらうんですと田中委員長はこの間はおっしゃいました。しかし、そもそも周辺住民に避難を強いるようなこと自体が、やはり私はとんでもないことになると思うんですよ。

 それで、パブリックコメントとは別に、そういう場合があるということを立地自治体の住民に説明して既に理解を得ているということで、そういう認識で委員長はおられるんでしょうか。

田中政府特別補佐人 要するに、ある想定した事態以上のことが起きないということは、今、原子力規制の基本的な考え方とはちょっと異なるもので、私どもは、やはり事故は一定程度起こり得るということ、そのために、まず起こさないこと、起きたときに重大な事故に至らせないための対応をすること、それで、それを超えた場合にも、周辺の住民の方あるいは環境に大きな影響を与えないようにするというようなことで、さまざまな対応をさせていただいています。

笠井委員 対応しているというふうな説明でしょうけれども、それを超えるようなことがあって、こういうことも起こり得るんだ、そのときにはこんな事態になるけれども、では、とにかく大変なことになるから逃げてくださいねというこんな事態になるということ自体について立地自治体の住民にちゃんと説明をして、そして、それは仕方がないねというふうにちゃんと納得を得ているのかどうかということを聞いているんです。指針に基づいてこうやって具体的に防災計画でも言っているわけですから、やっていますかというふうに聞いているんです。

田中政府特別補佐人 基本的に防災計画は、各立地県あるいは自治体がつくりまして、それに基づいて住民に周知していただくものと思っています。

笠井委員 しかし、つくる前提というのは、指針があって、そして、そのもとで各自治体がつくるわけですよね。その前提は、原発があって事故が起こるとなった場合には、こういうことが起こり得る、そして抑える努力はするとおっしゃるわけだけれども、それをやってもそれを超えることがあるかもしれないけれども、それに備えてもやってくださいねというふうにやるのが規制委員会の当たり前の仕事じゃないんですか。それぞれ自治体が考えることですだなんて言ったら、本当に無責任な姿勢だと思いますよ。

 自治体は防災計画づくりに大変苦労していると先ほど答弁がありました。そして、現実に福島の避難者は大変な苦痛を強いられているわけであります。

 各地でも、地域防災計画の問題点としていろいろなことを言われています。住民の足は主に自家用車だ、一斉に逃げれば大渋滞になる。バスによる避難を考えても、実際にバスが確保できるかわからない。運転手に放射線量の高いときに行けとは、バス会社としては到底指示はできない、命令できない。誰が健康管理は保証するのか。逃げる手段がない。原発に向かわないと避難できない。あるいは、九電の玄海原発周辺では島が多いですけれども、船の定員以上は乗せられなくて、何隻必要かもわからない。海がしけたら避難は無理。それから、避難中の原発関連死、入院患者はどうするのか。関連死の五割以上は福島県民で、今既に起こっている事態でいえば、避難所での生活の肉体的、精神的疲労、避難所に移動する場合の肉体的、精神的な疲労の問題、病院の機能停止とかストレスの問題もあると言われているわけです。

 原発で大事故が起きればこういう事態が起こり得るから本当に各自治体も苦労して、なかなか防災計画をつくり終えることができないんじゃないんですか。その辺は委員長としてはどういう認識を持っていますか。

黒木政府参考人 原子力災害発生時の諸問題につきましては、まさに御指摘のとおりであります。さまざまな問題がそれぞれの地域にございます。

 その解決に当たるべく、都道府県、市町村、それから原子力委員会、内閣府、総力を挙げて今対応をしている最中でございます。

 以上です。

笠井委員 さっき一回質問し直したので、もう一問やります。

 新基準と防災計画は車の両輪と委員長はおっしゃったわけですよ、田中委員長。だったら、地域防災計画が立てられない現状では、再稼働なんか論外じゃないんですか。

田中政府特別補佐人 地域防災計画はできるだけ速やかに策定してもらうように、今、鋭意私どももできるだけの努力をして支援しているところでございます。

笠井委員 策定しようにもしようがないと言って苦労しているわけですよ。

 私は、最大の安全対策、防災対策ということでいえば、こんな状況で再稼働させるのじゃなくて、そのまま廃炉にして原発をなくすことだ、政治に必要なのはその決断だということを申し上げて、きょうは質問を終わります。

森委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前十一時四十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時八分開議

森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。高木毅君。

高木(毅)委員 自由民主党の高木毅でございます。

 きょうは、質問の時間をいただきまして、ありがとうございました。森委員長、理事の先生方に心から御礼を申し上げるところでございます。

 さて、一九七〇年、今から四十三年前になるわけでございますけれども、御案内のとおり、大阪で万博が開かれました。あのときのテーマというのが、人類の進歩と調和というものでございました。その始まった日、一九七〇年三月十四日でございますけれども、ちょうどその三月十四日に日本原電敦賀発電所一号機が営業運転を開始して、そしてその日に万博の会場に電気を送りました。

 まさに、人類の進歩と調和。進歩というのは、多分、戦後の高度経済成長、しかしそればかりではだめだ、いろいろなものとの調和が必要なんだということだったろうと思います。その最たるものが、多分環境だったのかもしれません。そこに敦賀から電気を送ったということです。

 さかのぼってさらに数年でありますけれども、私が小学校二年のときでございました。小学校の遠足で、敦賀の発電所というのは半島の先にございます、まさにそこへ、ポンポン蒸気というんでしょうか、ああいった小さな船で行きました。

 まだ工事中でございましたけれども、そこに行ったときに、小学校の引率の先生が、ここに原子力発電所をつくるんだ、これからこの地域は原子力発電で電気をつくって、それを関西、大阪の方に送って、そういったところの人たちの生活、あるいはまた、日本の産業と言ったか記憶はありませんけれども、そんなようなものを支えるんだということを言ったことはしっかり覚えています。やはり、しっかりと郷土愛というんでしょうか、誇りを持てということだったんだと思います。私たちは、その言葉を受けて、先ほどの万博の会場に初日に合わせて営業運転して電気を送ったということをずっと誇りに思っております。

 以来五十年、発電をしてから四十三年でありますけれども、まさに五十年、半世紀にわたってしっかりと、国と県、そしてまた立地の市、町と事業者が信頼関係を持って原子力行政を進めてきたというふうに思っておりますし、私ども、まさに子供のころからいわゆる原子力発電所というものをしょってきた、そういう思いで今いるところでございます。

 今回、新しく規制委員会というのができまして、きょうは先生と議論させていただきますけれども、どうも最近の規制委員会の姿を見ておりますと、たびたび党の会合等でもいろいろな議論が出ますけれども、これまで築いてきたまさに五十年の、先ほど申し上げた国、県、市、事業者の信頼というものを、何やら本当に、五十年かけてつくってきたものを壊されているような、ややもするとそんなような感想も実は持っているわけでございます。

 田中先生におかれましても、ずっと長い間原子力行政にかかわってきたわけでございます。もちろん、情に訴える気はありません。しっかりと科学的に安全を確保していただかないと、それこそ立地地域というものが困るわけでございます。

 敦賀一、二号、そして美浜に一、二、三号、大飯に四号、そして高浜にも四号、そしてまた「もんじゅ」というのもあるわけでございますが、ここまで、少し背景というんでしょうか、まさに私のしょっているものということで話をさせていただいたわけでございます。

 先ほど申し上げたとおり、情に訴える気は全くありません。しかし、この五十年かけて頑張ってきた立地地域というのはやはり厳然としてあるわけですから、ぜひきょうは田中委員長にそうした立地地域に対する思いというものを、どんなふうに考えられているのか、まず冒頭お聞きいたしたいというふうに思います。

田中政府特別補佐人 私は、もう原子力の世界に身を置いて約半世紀になりますが、一番最初は、大学を出て、昭和四十二年に日本原子力研究所に勤めまして、それは茨城県の東海村にございます。この間、私も、東海研究所の副所長、所長という経験をさせていただきまして、副所長時代には、一九九九年にジェー・シー・オー事故を目の当たりに経験しております。

 そういったことで、原子力全体として見れば、地域の方に非常に大きな御心配と御迷惑をかけたということもございます。そういう立場でいながら、やはり東海村、あるいは茨城県が原子力とともに、きちっと支えていただくことが大事だということで、そういう思いで御協力もさせてきていただいております。

 しかし、現在、私が原子力規制委員会の委員長を拝命しているわけですけれども、この原子力規制委員会は、やはり福島第一原子力発電所の事故を踏まえて設置された組織で、原子力の推進と規制というのをきちっと分離した判断をすることが大事だというふうに承知しておりまして、安全規制という立場では、科学的、技術的な立場から、客観的な、中立的な判断をさせていただくということを旨としております。

 立地地域、全国を振り返ってみますと、直に全部見ているわけではございませんけれども、福島の事故以来、原子力施設の安全性に対して、立地地域の方々はこれまで以上に原子力発電所についての心配をし、また安全性について強い関心を持っているものと理解しております。

 そういうことで、原子力規制委員会としましては、そういった心配を少しでも払拭できるように、使命を全うすることが結果的には立地地域の皆様の思いに応えることになるものだというふうに思っているところでございます。

高木(毅)委員 ありがとうございました。

 私が申し上げたいのは、原子力行政というものは、先ほどから何度も申し上げておりますけれども、やはり信頼なんですよね。やはり信頼がないと、これはどうにも進まないというふうに考えております。

 委員長に改めてお聞きしますけれども、そういった思いがもちろんあるわけですよね。御自分のお立場と、事業者そして立地の県、市、町との信頼関係はしっかりやっていこう、そういうお気持ちはもちろんお持ちでございますね。

田中政府特別補佐人 この福島の事故が起こって、今我が国の安全規制に対しての信頼というのは本当に地に落ちてしまったと思っています。それをいかに回復できるかというのが私どもに課せられた大きな使命だと思って、取り組んでいます。その中には、地元の方はもちろんですけれども、国全体、国民全体についての信頼、あるいはもっと広く言えば、国際的な信頼も得るように努力をすることが大事だというふうに思っています。

高木(毅)委員 そうした中で、お手元に今資料を、実は紙を二枚、御許可いただいて配付させていただいておりますが、一枚目は、敦賀二号の立地市長でございます河瀬市長からの意見書でございます。

 「記」の一番の方に、「現在も貴委員会の監理する事業者の調査が終了していないことを踏まえ、貴委員会としての結論を急ぐことなく、事業者の調査結果や国内外の多様な意見なども反映して、幅広い見地から慎重に審議していただきたい。」

 これはどういうことかといいますと、十五日にいわゆる評価会合で、敦賀二号の直下にある破砕帯は活断層だということが出たわけです。それを受けて、二十二日に規制委員会の方で、活断層であるということを追認したということなのでありますけれども、なぜ、地元のまさに市長が、市民を代表する者が、もちろんさっきから申し上げているとおり、規制委員会の結論を曲げようとか、そんな気は毛頭ありません。それはしっかりと安全を確認していただいて、危ないものは危ない、そうでないものはそうでないもの、これは科学的に出していただければ結構なのでありますけれども、ただ、市長は、事業者が六月いっぱいまで調査を続けているんだから、それを待ってくれるわけにはいかないのか、こういう意見書であります。にもかかわらず、先ほど申し上げたとおり、十五日の評価会合の結果を受けて、二十二日にはもう結論を出した。

 もう一枚、これは福井県知事のコメントでございますけれども、これにも同様のことがあります。先ほど来私が申し上げているとおり、まさに原発の安全と日本のエネルギー政策に影響を及ぼす重要課題であると。もう一々読みませんけれども、要するに、結論を出すには拙速であるし、もっといろいろな科学的検証をやるべきだ。

 そして、例えばこの間の委員会でも、たしか細田健一委員だったかと思いますけれども、十五日に結果が出ても、少し待つ、待てというような話もあったかと思うんです。残念ながら、田中委員長は前回の委員会で細田委員の質問に、事業者も調査を継続しているところだから、それを継続していただいていいという、事業者の対応を尊重する発言もあったかと思いますし、また、評価会合の評価書が委員会に上がってきた段階で委員会としてきちんと対応する、こういう答弁をしているわけでありますけれども、結局、きちっとした審議もせずに、まさに十五日に出た評価会合の報告というものを、審議を全くせずにと言っていいかと思います、追認してしまった。

 私は、やはりこういった地元の、まさに県民、市民を代表する方々の意見を無視して、そしてまた、権威ある国会の委員会で、前回の委員会で委員が指摘して、そしてそれに委員長は一定の答弁をなさっているわけですけれども、そういったことを全く無視して、結局、十五日の判断を二十二日にそのまま追認したということ、これは非常に問題ではないかなと思います。

 こういう発言をかいま見ますと、もしかすると、私は、田中委員長は待ってもいいと思っていたんじゃないかな、そういうことも実は思わないでもないんです。

 私が申し上げたいのは、評価会合というのは四チームございますが、座長的な立場は全て島崎先生がなさっているわけでありますけれども、どうも、その島崎先生がこういった議論を随分リードして、田中委員長の思わぬところに進んでいる嫌いもないことはないんじゃないかというふうにも思っておりまして、ぜひ田中委員長のリーダーシップをしっかりと発揮していただきたいというふうに思うのであります。

 質問は、先ほどの地元の首長、知事や市長の意見、そういったものを、正直言って無視した、そしてまた、たびたび申し上げますけれども、前回の委員会の細田委員の指摘というものに真摯に応えるというような答弁をしながら、それを全くせずに追認していった、この点についてどのようにお考えになっているか、委員長にお聞きしたいと思います。

田中政府特別補佐人 初めにちょっと御説明させていただきたいんですが、島崎委員だけの判断ではなくて、島崎委員とは随時、私もいろいろ御意見を伺って、専門家としてもいろいろなことを教わって、どういう状況かも御説明を承っておりますということをお断りしたいと思います。

 それから、今回の評価の結果ですけれども、有識者会合において、現在までこの半年、随分集中的に事業者からの意見のヒアリングも何度も行ってきました結果に基づいて、現状のデータに基づいて評価結果が出せるということで、結果的には、敦賀発電所二号炉原子炉建屋直下を通るD―1破砕帯については、後期更新世以降、四十万年以降の活動が否定できないものであるということで、耐震指針における耐震設計上考慮する活断層であるという旨判断されたものでございます。

 これを受けまして、原子力規制委員会としては、一応、今回の争点になりました年代の問題、年代が本当に後期更新世以降なのかどうか、それから、D―1破砕帯がいわゆるK断層というものとつながっているかどうか、こういった二点が非常に大きな争点になりましたので、それについては、改めて本委員会できちっと説明を受けた上で、その判断について妥当としたものでございます。

 こういうことでありますけれども、これまでのデータは全て、かつての原子力安全・保安院の方から指示が出されまして、事業者が自主的にデータをとったものでございます。私どもがとったというよりは、事業者から出されたデータに基づいて判断しているということでございます。

 したがいまして、今御指摘のように、事業者の方も、まだしばらくデータをもう少しきちっととるということをおっしゃっていますので、その結果、新たな知見が得られた場合においてはこれを見直すということもありますけれども、先ほど申し上げましたように、こういった追加調査のデータで後期更新世以降、四十万年以降の活動を否定するような客観的なデータをぜひそろえていただくことが必要であるというふうに思っております。

高木(毅)委員 私が申し上げているのは、安易に追認をしたのではないかということです。

 なぜそういったことを、知事だとか市長だとかもいろいろ出ていますし、前回の委員会でもそういう意見が出ている。そこで委員長は一定の、私は評価できる御答弁をしていただいたなと思っているんですけれども、にもかかわらず、十五日からそのまま二十二日、ろくな審議もせずと私は申し上げたいんですけれども、そのまま委員会としての判断に至ったという。

 だから、その評価会合から上がってきたものを委員会で十分審議したというふうに言えますか。

田中政府特別補佐人 有識者会合は島崎委員を座長とした四名の有識者、さらに、その結果についてはピアレビュー、十数人の専門家の意見も聞いて上がってきたものでございますので、その結果について、私たち委員会のメンバーで十分に審議するということは現実的には難しいということがあります。

 ただ、私自身も専門外ながらも、私どもとして、各委員が疑問に思うところについては十分に明らかにしていただいた、そういった議論をさせていただいたと思っておりますので、一応、委員会としては十分な審議をさせていただいたと思っています。

高木(毅)委員 ピアレビューの話はまた後ほどさせていただきますけれども、国会同意人事というのがあって、委員長初め五人の方々については私たちも同意人事をやっているわけでありますけれども、評価会合、島崎先生以外は決してそういうわけではないんですよね。私たちがやはり信頼するのは、私たちが国会同意人事で選ばせていただいた五人の方なんですよ。だから、大事なのは評価会合ではなくて委員会そのものなんです。

 実は、そもそも規制委員会がつくられるとき、あるいはその五人の委員を選ぶとき、私は党内でも、塩崎理事はよく御存じだと思いますけれども、この五人がこれからの私の住んでいる地域を左右する五人になるんです、この規制委員会の皆さん方がこれからの私たちの住む地域をどうしていくかということをつくるような人なんですよということをたびたび申し上げました。これはもう、知事でもなければ市長でもなければ、ましてや私ごときではないんだと。

 いいこともありました。悪いこともありました。この五十年の歴史というものは本当に重くて、言い過ぎかもしれませんが、その全てを私たちはこの五人の委員に委ねていると言っても決して過言ではないんです。それぐらいの思いで、今立地の皆さんは先生方を見ているわけです。

 ですから、冒頭、立地地域との信頼だとか、あるいは知事のコメントだとか市長のコメントだとかというのを出したというのはやはりその辺にあるので、もう一度お聞きいたしますけれども、その評価会合で上がってきたものを、委員長は追認とはおっしゃいませんけれども、私とすれば、何の会合もせずに、ただただ上がってきたからというだけで追認をしてしまったというのは非常に残念であります。その評価会合から上がってきたものを、私たちが信ずるところ、私たちが同意人事で選ばせていただいたところでしっかりと議論をしていただきたい。

 ちょっと失礼でありますけれども、必ずしも専門家ではないというようなことをおっしゃいましたけれども、規制委員会というのは専門性というものが最も問われているところなんですよ。その辺、ちょっと今の委員長の発言、どういう表現をしたかちょっと定かではありませんが、たしか専門家ではないというようなことをおっしゃったかと思いますけれども、この規制委員会というのはまさに専門性こそ問われているところでありますから、もう絶対にそういうことでは困ります。

 繰り返しますけれども、そういう思いで私たち、もちろん立地だけじゃありません、これはもう日本じゅうどこだって、この原子力発電というものをこれからどうやってやっていくのかと。例えば、環境の問題があります。あるいはまた、毎年毎年三・八兆円もの国富が油を余分に買うために出ていっています。もちろん、それは幾ら経済性や環境がよくたって、危ないものはだめです。ですから、私たちも、危ないものは危ないと言っていただきたいし、それから、危なくないものは危なくないと言っていただきたい。

 いずれにしても、私たち立地の人間は早く結論を出していただきたいし、そして誰もが納得する形で、先ほどから何度も申し上げているとおり、規制委員会の結論に言及しようなんという気はありません、その過程というものをしっかりやっていただかないと、繰り返しになりますけれども、国、県、市、町、あるいは事業者との信頼関係というものができずに、結局、原子力行政というのは行き詰まってしまう。そうすると、やはり一番右往左往して混乱するというのが立地の地域だというふうに思います。いみじくも市長も、混乱を招いたというような表現をしているわけであります。

 ぜひ委員長にはそういったようなことがあるんだということ、これは科学的に知見を持ってやっていただく立場の方ですから、私が申し上げていることとは必ずしもかみ合わないのかもしれない。しかし、立地の思いとはこういうものであるということだけはぜひ認識の上で、しっかりと評価をしていただきたいと思うのでありますけれども、いかがでございましょうか。

田中政府特別補佐人 まず、私は専門家ではないというふうに申し上げましたのは、いわゆる活断層とか何かを科学的に判断できるだけの専門家ではないという意味であります。別の意味で専門性は持っておりますが、それぞれ各委員とも、そういうことであろうかと思います。

 ただいま御指摘がありましたように、立地地域の重みというのは私自身も体にしみつくほどわかっているつもりでありますけれども、先ほど申し上げましたように、今この規制委員会に与えられた使命は何かということを考えたときに、今回のような結論も出るということをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。

高木(毅)委員 少し次に進ませていただきますけれども、この二十二日の判断の後に、評価会合の中にいらっしゃる、島崎座長のもとにいらっしゃる学者の方も、これは京大の先生でありますけれども、変動地形の専門家に偏っている、何らかの形で外部の方に入ってもらい、その分野のコメントをもらうなどすればよりよい評価になると、人選を含めた根本的な問題提起を行ったというふうにあります。

 先ほど、ピアレビューの話が出ました。確かに、多くの学者の話はお聞きいただいたかというふうに思います。ところが、私はいろいろな問題があると思うんですけれども、これまでかかわってきた方をその中に入れないということですよね。この評価会合の中にもそうでありますし、多分、ピアレビューの学者の中にもそういった方は入っていないんだろうというふうに思います。

 党の会合で、なぜ入れないんだと言ったら、入っていただくのは気の毒だというふうなことを役所の事務方からお聞きしました。それはどういうことかというと、これまで安全だとしてきたにもかかわらず、福島がああなったから、これから入ってもらうのは気の毒だ、そういう表現なのかなというふうに思います。

 もちろん、完全に解明されているわけではありませんが、基本的には、あの福島の事故というのは、地震が大きな要因ではなくて、ほとんどの要因が津波であるということでありますから、今は関係ないわけです。活断層の場合は、幅広くいろいろ入っていただければいいわけですよ。

 私が言わんとすることは、今の評価会合というのは日本の知恵の半分しか使っていない、あるいは三分の一しか使っていないと思いますよ。もっと幅広い方にいろいろな意見を聞くということをしていただかないと、偏った方の意見だけでは、先ほど来しつこいように申し上げますけれども、立地自治体としてはなかなか納得ができない。

 あるいはまた、外部レビューというのを事業者はやっております。これは確かに事業者の委託によってやっているわけでありますけれども、しかしこれは、世界的にそんなような形で幾らでも外部レビューというのはやっているようでありますから、そんなような方もいらっしゃいます。

 それから、また細田委員の話を出して恐縮でありますけれども、先回の委員会で資料の提供だけはありました。時間がなくて十分に議論はできなかったようでありますけれども、いろいろな先生がいろいろなことを言っているという資料が出たかと思います。

 その中で、その破砕帯を活断層だと断定しています、しかし、そういったものは、例えば地すべりや地震の揺れなどでもできますというようなことですとか、あるいはまた、地層がずれていると、全て活断層である、あるいは活断層の可能性を否定できないとしている、地層のずれは、活断層のほかにも、地すべりや地下の浸食による陥没など、いろいろな要因がある、こんなことを言っている首都大学の先生であったり京大の先生であったりもいらっしゃいます。

 そのほかにも、前回提出されていたかと思いますけれども、東北大学の先生なども、「有識者会合の構成は変動地形学の専門家に偏りすぎていて、地質情報の綿密な検討なしに「活断層」と決めつけているように見えます。」と書いてあります。

 それぞれに、いろいろな学者の方がいろいろなことをおっしゃっているわけですよね。なぜ、こういったような学者の先生方の意見を聞いていただけないのか、あるいは議論をしていただけないのか。

 本当に評価会合あるいは規制委員会の今回の判断が正しいということであれば、あちこちからいろいろな異論が出ているわけですから、しっかりと対峙して議論をして、論破していただきたいと思うんですよ。私は、論破していただければいいと思うんですよ。そうすれば、地元、立地地域は納得するんですよ。

 こっちの学者はこう言う、こっちの学者はこう言う。確かに雑誌だとか新聞しか私たちは情報がありませんけれども、しかし、地元の立地地域の住民にしてみると、そういうものしかないんですよ、判断材料が。毎日毎日、規制委員会と違うような情報がどんどん新聞に載る。新聞というのは、やはり相当権威のあるものだと思いますよ。そういったようなものがこういうことを書くものですから、納得できないという話になるんですよ。そうすると、規制委員会に対する信頼というものが生まれてこないんですよ。

 だから、私たち立地の人間というのはどうすればいいんだろう。さっきも言いましたけれども、右往左往して、いつまでたっても、ちょっと言葉は、語弊がありますけれども、蛇の生殺しみたいな格好になってしまうということなんです。

 どうでしょうか。今申し上げたいろいろな学者の先生がいらっしゃいますから、ここは本当にオープンにしっかりと、こういう異論を唱えている人たちと正々堂々とみんなの前で議論して、論破していただけないですか。どっちが論破になるか、わかりません。だけれども、はっきりさせていただきたいんですよ。委員長、いかがでしょうか。

田中政府特別補佐人 さまざまな意見があることは私も十分承知しております。

 私どもの評価会合は、会合はもう全てオープンになっていますし、資料は全てオープンになっています。その結果に基づいていろいろな議論が行われて、この結論にたどり着いています。

 ですから、今先生が挙げられたような専門家であれば、そういった、同じものを見て、同じような議論を見ていて、もしそこに疑問があるのであれば、私どもの方にきちっと言ってきていただければよろしいわけで、どこかで地層のずれはいろいろありますと言われましても、そのことを取り上げて議論するということはなかなか難しいわけです。

 このデータはそうではないとかそうだとかということをきちっと言うことが本当の科学者であって、全ての分野でそうですけれども、いろいろな意見をお持ちの方がおられます。活断層一つとってみても、そういう方もいるし、逆の方もたくさんおられます。そういう中で、私どもとしては、最大できることということで、四つの関連の学会から御推薦いただいた有識者によって検討を進めさせていただいてきたということでございます。

高木(毅)委員 今、それを見て、ちゃんと言ってくればいいという話でございました。

 先般も、多分、塩崎理事だったかと思いますけれども、コミュニケーションという話をしました。まさに、一方的ではなくて双方向でやるべきだというような話があったかというふうに思います。

 ですから、では、百歩譲って、公の場で議論をするということでないならば、そういった科学者の先生方がしっかりと規制委員会に対していろいろな、これはこうではないかと、もちろん科学的根拠に基づいてそういう話をすれば、当然、それに真摯にお答えをいただけると。

 実は、事業者からも二度にわたって公開質問状が出ていますけれども、それについて、私は、事業者だから何だからって、もうNPOでも何でもいいと思いますよ。とにかく、委員会にいろいろな質問をしたら、やはりちゃんと答えていただきたい。それがコミュニケーションだというふうに思いますし、信頼を醸成するんだと思います。そういったことでよろしいですね。

 では、科学者の方が先生のところにいろいろな質問をすればちゃんと答える、そしてまた、事業者が公開質問状を出したらそれにちゃんと答える、そういうふうにやっていただけるということですね。

田中政府特別補佐人 事業者も含めまして、私どもは別に誰からの質問を選択するとか制限しているわけではございません。事業者から公開質問状もいただいていますけれども、それについても、報告書の中あるいは議論の中でお答えしているというふうに判断しております。

 ただ、質問を出された方が、自分たちと同じ、自分たちが合意できるような回答がないと、それは独善だとか、そういうふうな意見もないことはないわけで、そういうことについては、私たちとしては、責任ある立場として、私たちの立場をきちっと堅持していくということも大事だというふうに思っております。

高木(毅)委員 時間がないので、次に進みます。

 今回の結果をしっかりと説明していただきたい。説明責任というのはあるというふうに思います。国会の附帯決議にも書いてございます。

 地元にしっかりと説明していただきたいのでありますけれども、報道等によると、地域統括官が説明をするんだという話も聞きますが、そんなことはありませんね。

 これだけのことですから、委員長みずから行って説明していただくようにお願いします。いかがでしょうか。

田中政府特別補佐人 私自身が行くかどうかということについては、やはり少し慎重に検討させていただきたいと思います。

 これからもたくさんこういった地域が出てまいります。個別の状況に応じて適宜判断してまいりたいと思います。

高木(毅)委員 これからたくさんこんなような例が出ます。だけれども、これは第一発目です。やはり私はそれは非常に大事なことだと思います。

 これから日本の原子力行政がどうなるのか、みんな見ています。ぜひ委員長みずから行っていただきたいと心からお願いします。

 きょうは、赤羽副大臣、井上副大臣にお越しいただいております。ありがとうございます。

 役所の方には時々、特にJNESとの統合のことは聞くのでありますけれども、どうもはっきりしないので、きょうは無理やり、お忙しいところ井上副大臣に来ていただきました。

 JNESとの統合、もう一々言いませんが、いつやりますか、どのような道筋でやりますか、なぜ今までできないんですか。よろしくお願いします。

井上副大臣 原子力規制行政を進めていく中で、科学的、技術的知見を持つ職員を擁するJNESの機能、専門性を原子力規制委員会がどのように活用していくかは非常に重大な課題と認識をしております。その上で、立法府である国会において原子力規制委員会設置法が定められたわけでありますから、私ども行政府といたしましては、その設置法附則の規定に沿って、着実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 必要となる法制上の措置を速やかに講ずるため、設置法の附則第六条第四項及び第五項の趣旨を踏まえ、原子力規制組織全体の専門性、機能の強化につながる検討を進めていくことが大変重要だと考えており、原子力規制委員会と緊密に連携してまいりたいと考えております。

高木(毅)委員 これは答弁は要りませんけれども、委員長にお願いをします。

 これまでたびたび、三チームで安全審査をやっていくという話ですけれども、JNESの統合も含めて、とにかくスピード感を持って審査をやっていただきたいと思うんです。

 結果として、結論として、動かしていいという判断が出るものももちろんあるはずです。そうしたときに、時間がかかればかかるほど国益を損ねていると思います。動かせるものを早く動かした方がいい。それは、さっきから言っているように、CO2の問題もあるし、あるいはまた三・八兆円の油の買い増しもあるし、安定供給という面もあります。ですから、早くやらないと、結局やはり日本の国が損するんだと思います、結果、動かせるものは必ず出るわけですから。

 動かせないものも早く結論を出していただかないと、それは立地自治体は困るのでありますけれども、動かせるものを動かせると早く判断するというのは非常に大事なことだと思いますから、スピード感を持ってやっていただきたい、そのようにお願いします。

 それからもう一点は、審査対象が複数の施設で共通する部分があると思うんですね、安全審査をやるときに。そういったときは、代表する施設の審査結果を活用するというような方法で審査の効率化に取り組んでいただきたいと思いますが、この点、ちょっと答弁を。時間が過ぎて、申しわけありません。

田中政府特別補佐人 御指摘のとおり、私どもとしても、申請が出てきたら、できるだけ速やかに判断できるようにしたいと思います。

 これまではいろいろな段階で棒つなぎに審査をしてきたわけですけれども、これから、保安規定までもできるだけ並行的に審査を進める等して、時間的に短縮を図っていきたいと思います。

 ちょっと最後に、私、先ほど、後期更新世を四十万年と申し上げましたけれども、後期更新世は十二、三万年の誤りだそうですので、御訂正、よろしくお願いします。

高木(毅)委員 委員長、済みません。もうすぐ終わります。

 赤羽副大臣、済みません。発電所がとまりまして、要するに、例えば定検もなくて、地元経済、雇用は非常に大変な状況でございます。経産省として、今もしっかり対応いただいていると思いますけれども、今の現状、あるいは今後、そういったとまっている発電所のある地域に対する経産省としての取り組み、ぜひお願いをしたいと思います。

赤羽副大臣 これまでの我が国のエネルギー政策につきましては、福井県を含めた原発立地地域自治体の長年にわたる御協力と御理解に支えられてきたというふうに思っております。このことについて感謝を忘れてはならない、こう認識しております。

 また、今般の原発の運転停止長期化に伴う地域経済の悪影響というのは大変深刻なものであると憂慮もしております。平成二十五年度の本予算及び税制改正によりまして所要の措置を講じておりますので、簡単に申し上げておきたいと思います。

 一つは、立地地域への集客、地域産品の販路拡大等を通じて、雇用、経済の活性化を図るための広報活動への取り組みを支援する立地地域経済支援広報事業、これを五・七億円計上させていただいております。

 また、電源立地地域対策交付金の見直し交付金を、従前と同水準の交付を行うものとしております。そしてまた、この電源立地地域対策交付金によりまして、それぞれの自治体で特定目的で造成した基金の使途変更の必要性が言われておりますので、この使途変更の柔軟化も進めて、地域経済の活性化を支援してまいりたい、こう考えております。

 今後とも、立地地域の皆さんと意見交換を丁寧にしながら、さらなる対応が必要であれば、必要に応じてしっかりと検討してまいりたい、こう考えておりますので、御指導のほど、よろしくお願いいたします。

高木(毅)委員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。

 最後に、委員長へ一つお願いをさせていただきます。

 当特別委員会をつくるときに、私も議運の理事として多少なりともかかわらせていただきました。

 なお、この委員会には、例の国会事故調の提言でありますけれども、「この委員会は、最新の知見を持って安全問題に対応できるよう、事業者、行政機関から独立した、グローバルな視点を持った専門家からなる諮問機関を設ける。」ということが実は決められているわけでございます。

 ぜひ、委員長、理事の先生方には早くこの諮問機関をつくっていただくように、よろしくお願いしたいと思います。委員長、お願いいたします。

森委員長 当委員会における諮問機関の設置に関しましては、理事会で協議してまいりたいと考えております。

高木(毅)委員 どうもありがとうございました。

森委員長 次に、牧原秀樹君。

牧原委員 この特別委員会におきまして初めて質問の機会をいただきました。ありがとうございます。

 きょうは、この事故というものをやはり歴史の教訓にしなきゃいかぬという観点で、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 二〇一一年の三月十一日午後二時四十六分に立ち戻って、ちょうど今地震が起こった、こういうような想定でぜひ質問をさせていただきたいと思います。

 その地震が起こった後、津波が来て、全電源喪失ということが福島第一原発で起きたわけです。その段階での初動について、四つの報告書、政府、国会事故調、そして民間、東電とありますけれども、多くの報告書では、やはり初動にもう少しやりようがあったんじゃないか。特に、非常用復水器、ICと言われているものの弁が閉じるということを周知されていなかった、あるいは、三号機の高圧注水系、HPCIと言われているものが手動停止していたということが知られていなかった、こういうようなことも具体的には指摘がありますし、中には、総理が現地に行かれたのでベントがおくれたんじゃないかというようなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。

 単純な質問ですけれども、こういうようなミスが仮になくて、全電源が落ちても完璧にちゃんとやっていれば、この事故は果たして防ぐことができたのかどうか、ここについて規制委員長の御見解をお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 まさに仮定のことになりますので、そうできたかどうかということは私は申し上げることはできませんけれども、今回の新規制基準では、そういった教訓も踏まえまして、シビアアクシデント対策として、いろいろなさまざまな設計上の想定を超えるような、複数機器が同時に機能喪失するような事態が生じても、あらかじめ配備しておく可搬型の設備等々を使って炉心の損傷を防止する、そういうことができるような対策を求めております。

 具体的には、今もありましたけれども、原子炉内の圧力が高圧の場合には、速やかに原子炉の圧力を下げて、外部から注水できるように、消防車等の資機材とか人員の配置、そういったことを求めているところでございます。

 また、万が一それでも炉心が損傷した場合でも、格納容器まで壊れないようにということで、格納容器の閉じ込め機能を確保して、外部への放射性物質の漏えいを抑えるための対策というのも非常に重視しております。

 このため、格納容器がそういった状況になってきたときには、まず格納容器の圧力を下げるためのスプレー注水とか、あるいは、最後にはいわゆるフィルターベントを通して中の空気を抜くようなことも確実に行えるような施設の整備ということも求めております。

 加えまして、今回は、意図的な航空機衝突のテロへの対策とか、そういったことに対しても一定程度の対策がとれるような多重の対策を求めているところでございます。

 今後、こういった新しい基準が七月に施行されましたら、それに基づく申請についてはきちっとその適合性を確認していって、安全の確保に万全を尽くしたいと思っています。

牧原委員 「死の淵を見た男」という本も出ていまして、まさに現場では我々の想像を超えるような過酷な状況になっていたということが、ああいう本を通じるとよくわかります。

 特に、原子炉の中、停電が起こってしまうと真っ暗、その地下に潜っていって安全点検をされている中で津波で亡くなった方もいらっしゃいますし、そういう真っ暗な中で、しかも、どれだけ放射能が今出ている状況になっているかということもわからないまま作業しなきゃいけないということもあるし、当然、人間なのでミスすることもあるし、中には怖くて逃げちゃう人もいると思うんですね。

 そういうようなあらゆる状況を鑑みて安全対策を打たなきゃいけないというのが私は今回の現場の状況を見た一つの教訓だなと思いますので、ぜひそういうあらゆる事情を考慮していただきたい、このように思います。

 続きまして、きょうは東電の社長にお越しいただいています。

 二時四十六分に地震が起きました。相当大きい地震です。そのときに、一番の経営のトップであった会長そして社長は、一体どこにいて、そしてその後すぐどう対応をしたんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

廣瀬参考人 お答え申し上げます。

 二年前の三月十一日でございますけれども、当時の会長は、民間文化交流団の団長として、中国の要人あるいは日本大使館を訪問しておりまして、出張しておりました。また、当時の社長は、記念行事の視察のために関西に出ておりまして、いずれも不在でございました。もちろん、不在ではございましたけれども、携帯電話等々で通信手段はございましたので、それぞれ事故の状況は報告し、必要な指示は仰いでおりました。

 しかし、実際に私どもの本社に戻ってまいりましたのは、会長の方が翌十二日の十六時ごろ、それから社長の方は翌十二日の朝九時ごろということでございます。

牧原委員 会長の方は海外にいらっしゃったということですから、翌日の四時、つまり地震発生後一日以上たった後に本社に戻ってこられたというのは多少やむを得ない面があったと思いますが、国内にいた社長が翌日の朝になってじゃないと戻ってこなかった、そして、現実にその夜の間に大変な事態が進行しつつあったという状況であったわけであります。

 これについて、既に明らかにされていることによりますと、社長は、自衛隊の方に、もうとにかく緊急だということで輸送機を手配してもらって、愛知の小牧基地から飛び立って、そして、戻ってくる途中でUターンをさせられて、もう一度愛知県に戻ってということになったということでございます。

 一点、社長はその後どうやって東京に戻ってきたんですか。

廣瀬参考人 一度戻って、それから私どもの関係会社のヘリコプターを使って戻ったということでございます。

牧原委員 つまり、一度輸送機が愛知県に戻されて、結局、翌朝手配をして、またヘリコプターで東京に戻ってきたということですね。

 この点について、政府は、なぜ司令塔である東電の社長を一度Uターンさせたんですか。これは一体誰の判断でやったんですか。

黒江政府参考人 東日本大震災が発生しました直後の三月十一日の夜の件でございます。

 当時、総理官邸の緊急参集チームの協議の場におきまして、内閣危機管理監から、協議に出席しておりました当省の運用企画局長に対しまして、東京電力の社長の自衛隊機による名古屋小牧基地から東京までの輸送について打診がございました。この件につきましては、運用企画局の事態対処課長から、統合幕僚監部を通じまして、部隊に対して、速やかに輸送に着手できるようにという調整を開始いたしたところでございました。

 他方、この当時、事態対処課長から防衛大臣に対しまして本件の輸送について報告をしましたところ、限られた自衛隊の輸送能力につきましては、被災地の惨状に鑑み、被災者の支援等のための輸送を最優先すべきである、そういう指示を受けたということでございます。

 この指示に従いまして、事態対処課長は、被災者救援のための輸送を最優先するという観点から、輸送機に対して、名古屋に引き返すようにという指示をしたというのが事実関係でございます。

牧原委員 これは物すごく情けないことだと私は思っています。

 これは実は、その後の四月の二十六日になって、当時の官房長官だった枝野官房長官と北澤防衛大臣が記者会見で質問を受けて、要するに、車で戻ってくればいいじゃないか、それが当たり前じゃないか、こういうことを記者会見でおっしゃっているんですね。ところが、東電の社長は、さっき話があったように、結局車で帰れないでヘリコプターで帰ってきたわけですよ、翌日、ヘリをチャーターして。

 それは当然、あのとき東名高速が一部崩れて通行どめになっていたというのは、はっきり言って誰もが知っていた事態ですよ。それを、防衛大臣と官房長官が、車で戻ってくればいいじゃないかなんて言うのは、全く世の中の状況がわかっていなかったということなんじゃないですか。どうですか、その辺は。

黒江政府参考人 本件につきましては、当然のことながら、航空輸送に対するさまざまな需要といいますか、それが当日発生しておった、そういう中で生じた事態でございます。

 現実に、この日の小牧基地の輸送機C130につきましては、伊丹から花巻にDMATを輸送するでありますとか、あるいは福島に物資を輸送するといったようなさまざまな用務で離着陸を繰り返しておった中でございます。

 そういう中で、防衛大臣から、先ほど申し上げましたような、被災者支援等のための輸送を最優先すべきであるという指示があった。それを受けて、事態対処課長が引き返すという判断をしたということでございますので、そういうさまざまな被災者救援等のニーズが錯綜しておった中での判断だということをぜひ御理解いただきたいと思います。

牧原委員 そういうふうに防衛大臣とか官房長官が記者会見で答えたならまだわかるんですよ、輸送で必要だったと。しかし、官房長官記者会見に至っては全くそんなことは言っていなくて、そんなもの、民間人なんだから車で戻ってこいみたいな感じなわけですよね。

 つまり、恐らく、そのとき輸送の必要性があったというのは後から何となくつくられた事情で、大臣とすると、おまえ、俺の了解を得ないで何で飛ばしたんだとか、メンツとかそういう問題になっていたと思います。現実に、輸送機が名古屋にもう一回戻ってきたわけだから。そのまま、おろしてもっと東北の方に行けば、よっぽど利用価値があったんだと私は思いますよ。逆方向に戻すというのは全く理屈が立っていないんです。

 私は、これは本当に恥ずかしい事態だと思います。そのことをやはり教訓として、ぜひ東電とかも、一体、社長がどこにいるか、会長がどこにいるかわからないわけだから。それはほかの電力会社も同じです。ぜひ、こういう非常事態のときにどうやって戻るのかという手段については常に頭に入れて検討していただきたいし、そのことについて自衛隊を使わなきゃいけない場合だってあるんです。ぜひこういう体制をやはりしっかりつくらなきゃいけないと思います。

 続きまして、初動からの情報提供について申し上げます。

 私もこのときは一国民でいましたけれども、はっきり言って、ばらばらに記者会見がされて、そして、誰が何を言って、どのことが本当か全くわからない状況というのがあのときの国民の状況でありました。

 一九七九年の三月二十八日に、アメリカ・ペンシルベニア州のスリーマイル島で事故が起きました。これは、我々の重大事故の教訓です。

 そのときにアメリカはどうしたかというと、もうわずか二日目には、NRCの当時原子炉規制局長であったハロルド・デントン、その人が多分一番詳しいだろうということで、大統領の代理権限を持たされて、そして彼が一元的に、特に技術面で、完璧な記者会見をこなした。結果として、スリーマイル島の事故というのは一番大きかったのはデマだったわけですけれども、それがおさまっていったということがございます。その後、スリーマイル島の事故の人が、ありがとう、デントンさんと言うようなことがあったということは、アメリカが残している詳細なレポートに書かれているところでございます。

 今回は、保安院、そして官房長官、さらには東電、これがばらばらに発表を行った上、わからなくなると、それは保安院に聞いてくれとか、そして保安院の人は、何か翌日には、メルトダウンのことを言及したらあっという間に首が飛ばされてみたいな形で、大変混乱をいたしました。

 これは、今回の、いまだに風評被害が残っている一つの大きな原因になっているし、そのことで農産品等の被害、あるいは、福島の方の中には、もう将来結婚ができないかもといって、精神的にすごく苦しまれている方だっているんですよ。私は、情報の提供は、今回の原子力震災の後の最悪の失敗の一つだったとやはり思わなきゃいけないと思います。

 ぜひ、スリーマイル島の事故、そして今回の教訓を踏まえて、今後、このような事故はもうあってはならないですけれども、規制委員会としてはどのようにすべきか、例えば、誰が一元的に発信するのか、あるいは一元的には発信しないのか、その辺についてのお考えをお聞かせください。

田中政府特別補佐人 今御指摘のことについては十分反省を持って取り組むということで、まず、政府の対策本部ができますので、そこに私は副本部長として参加させていただいて、現地の状況というものを的確にいただいて、そこで科学的な、技術的な判断は総理の方に進言するということ、その後は、必要によっては、政府の判断として、国民に対する御説明をしていただく。その場合でも、私になるか、少なくとも委員、ないしは十分知識を持った者が常にサポートする体制を整えるということであります。

 もう一方では、そういった緊急事態が起きたときには、現地の例えば電力会社の本部の方に委員あるいは規制庁の幹部を送り込んで、そこから的確な情報を入手できるようにする、また、指示も必要があれば出す、そんな体制を今検討しておるところでございます。

牧原委員 アメリカと今回の日本との違いの一つは、やはり、発表している人がちゃんとわかった人かどうかというところなんですよね。どんなに頭がよくて、東工大出身だと威張ってみても、物すごい事故で、すごく細かいことを説明しなきゃいけないときに、一々わからなくて後ろからメモをもらって発表している姿を見たら、それは国民は信用しませんよ。こいつはどうせ直前でレクを受けて無理くりやっているんだろうとしか思わないから。

 だから、特に事故の場合は、さっきもありましたけれども、規制委の中でも一番やはりわかっている人が、完璧に、俺は日本で一番詳しいんだという自信を持って発表してもらわないと、これはどんなにサポートしても無理です。臨界という言葉を知らなかった人が、そんなことで細かい事故のことを説明しろと言ったって、できません。ぜひそういう体制を、ちょっとここは出しゃばっていただいてもいいですから、つくっていただきたいと思います。

 次に、避難についてです。

 現地、今人が立ち入れない地区に入りますと、特に浪江町の方ですけれども、何で間違った方向に逃がしてしまったんだという声がやはり多いんですね。このことはもう予算委員会等でも繰り返し質問があるところですけれども、改めてこの委員会として、なぜ一番放射線レベルの高いところに逃がしてしまったのか。

 そして、先ほど申し上げたように、そこに逃げて水なんか飲んだ人たちは、今一生懸命チェックを受けていますけれども、本当につらい思いをされています。将来、自分は出産しちゃいけないんじゃないかとか、この子は大丈夫だろうかとか。これは、大変多くの人の人生にかかわった重大なミスです。

 ですから、このことについて、再発防止策としてどのようにしていくべきか、このことを規制委員会にお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 今御指摘の点ですが、国会とか政府の事故調査委員会の報告書を踏まえますと、政府から避難とか屋内退避の指示が出されていましたけれども、情報網が途絶していたという状況がありまして、その指示が的確に、地方自治体等に緊密に連絡が届かなかったというようなことがあります。

 また、地方自治体や住民の自主的な行動を十分に政府の方でも把握できていなかったというようなことがあると指摘されています。

 さらに、SPEEDIによる計算結果など、防護措置を検討するために必要な情報も適切に活用できなかったということも指摘されています。

 私どもとしましては、こうした事故の教訓を踏まえて、今般策定しました原子力災害指針では、緊急事態には、放射性物質が外に出る前から、これはある判断基準がございますけれども、原子力施設周辺五キロ圏、PAZという領域になりますが、その住民については予防的な避難とか屋内退避をしていただく、そういう指針をつくらせていただいています。また、五キロ以上三十キロ圏、UPZという領域になりますけれども、ここにお住まいの方には、まず屋内退避をして、その上で、事態の進展に応じて、モニタリング等により放射線量率の状況を見た上で、順次避難を実施していくということでございます。

 これは、非常に慌てて避難したことによって、その避難に伴う、放射線による健康被害ということよりも、病人とか弱者がそういうことで命を落とされたというような事例も多々ありましたので、そういったことを防ぐ意味でも、こういった予防的な措置をきちっと確実にしていただこうということであります。

 その上で、SPEEDIのような情報については、避難経路、避難方向についても適切に参考にしていただくようにしていただきたいと思っております。

 避難指示の実施手順については、まず、第一義的には私ども原子力規制委員会が専門的、技術的な判断を行って、それを原子力災害対策本部、地方自治体を通じて住民に伝達するということでございます。

 これも、実際の事故という状況においては、そういった、地方からここ中央に来て、それを踏まえてまた指示を出してというような時間的余裕がない場合もございます。そういうことも念頭に置きまして、現在、各自治体あるいはそういうところで自主的に、私どもの地方事務所もございますので、そういうところで情報を、モニタリングするとかいろいろなシミュレーションの結果を踏まえて、避難ができるようなことについても準備をしていただいて、そういった訓練も今後していきたいと考えております。

 今回のような大きな地震が来た場合には連絡手段が途絶えてしまいますので、そういったことについては、衛星電話の配置とかそういったことで、通信手段が途絶えることのないようにも配慮しているところでございます。

牧原委員 ぜひそこは、もう今から綿密にやっておいていただきたいと思います。

 それから、言葉として、例えば、直ちに健康被害を生じないみたいな言葉がありましたけれども、では、十年後には生じるのか、二十年後には生じるのか、それとも五年後は直ちにじゃないのか、わからないんですよ、聞いても。そういうような言葉についても、今からちゃんと練っておいていただきたいと思います。

 正確な情報こそ大切であります。五年後に、食べちゃった人に被害が生じて、おい、生じたじゃないかと言っても、俺は、直ちに健康被害は生じないと言ったけれども、いずれは生じるとは言っていないぞみたいな変なことになりますから、やはり、そういう何か責任逃れができるような言葉じゃなくて、ちゃんとした正確な言葉を練っていただきたいと思います。

 最後になりますけれども、去年、東京電力が事実上国有化をされたということによりまして、廃炉ですけれども、このことはもう国が、国民が責任を負わざるを得ない、こういう状況になってしまったんだろうと私は思います。

 この廃炉について、私たちは一体どのぐらいつき合わなきゃいけないのか、つまり、どのぐらいに終わると見込んでいるのか。そして、一、二、三、四だけが今廃炉ということになって、五、六と福島第二の一、二、三、四はまだそういうふうになっていないわけですけれども、その一、二、三、四だけでも幾らぐらいかかると見込んでいるのか。これは東京電力でしょうか、お答えください。

廣瀬参考人 お答え申し上げます。

 ただいま福島第一の一から四号機までの廃炉作業を鋭意進めておりますけれども、何分、人類史上初めてというぐらいに大変な難しい作業がこれから続くということで、正確に何年ぐらいかかるだろうというのは持ち合わせておりませんけれども、スリーマイルアイランドのときの燃料取り出し等々を参考に、三十年以上あるいは四十年ぐらいというのが一般的に考えられている時間でございます。

 一方、費用につきましては、この三月三十一日、二十四年度の決算時点で、私どもが一号機から四号機までの廃炉費用として負債計上している金額は約九千五百億程度ということでございます。

牧原委員 以上で質問を終わりますが、私たち日本国民はこれだけ長い間かかわっていかなきゃいけないんだということについては、ぜひ正確な情報提供と啓蒙をお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

森委員長 次に、椎名毅君。

椎名委員 こんにちは、みんなの党の椎名毅でございます。

 本日は一般質疑四十分ということでお時間を頂戴いたしましたことを、大変感謝を申し上げたいというふうに思います。

 本日は、原子力発電所の再稼働と、それに伴う、地元の理解を得るプロセスという点に関して伺ってまいりたいと思います。

 その前に、先ごろ起きましたJ―PARCの事件について一点だけ伺わせていただければと思います。

 J―PARCハドロン実験施設、これは、KEKとJAEAが共同して運営しているという施設だと思いますけれども、こちらで放射性物質の漏えい事故が起きたわけでございます。

 五月二十三日の十一時五十五分に警報が鳴ったにもかかわらず、それを誤作動だと勘違いをして引き続き実験をしてしまったということで、幹部への報告それから国への報告というのが三十時間以上もおくれて、最終的に文科省及び規制庁への報告というのが、二十四日二十二時四十分ごろということになっているようでございます。

 JAEAを所管する文科省の丹羽政務官にいらっしゃっていただいておりますので伺いたいんですけれども、先日、私から、五月十六日にJAEAの鈴木理事長及び文部科学省に対して質疑をさせていただきました。「もんじゅ」の件で、安全文化の劣化ということについて指摘をさせていただいたところでございます。

 しかし、これに引き続きまして、JAEAとKEKで運営しているこのハドロン実験施設において結果論として放射性物質の漏えい事故が起きてしまうということ、さらには、こういった形で手続的にも報告がおくれるということで、地元自治体及び地元の住民に対して不安を与えてしまったということでございますけれども、こういった点につきまして、特に、JAEAの安全文化という観点から御所見を賜れればというふうに思います。

丹羽大臣政務官 椎名先生御承知のとおり、昨日、私も、J―PARCの方へ、現場の方を把握しに行ってまいりました。それと同時に、茨城県と東海村の方、知事と村長の方に謝罪をしてまいりました。

 今回の放射性物質の漏えい事故につきましてでございますが、事実経過に即して、私も、聞いた範囲で御回答させていただきたいと思います。

 まず、加速器ビームの調整に用いる電磁石電源のふぐあい等によって、最初の機器装置保護システムが発報いたしました。電源を再起動させた後に試運転を行い、異常が見られなかったので運転を再開したと聞いておりますが、まさしく今回のこういった経緯は、放射性物質を扱う認識の甘さであったのかなというふうに私は考えました。

 そこで、放射性物質が外部に流出したという排気ファンの件に関しましても、実験室内の空間線量が通常よりも高くなっていると十五時十五分と十七時三十分に認識していたにもかかわらず、法令上の規制値に達していないことから、排気ファンを稼働させても環境への影響は少ないと判断したそうです。

 これに関しましても、今、国民の皆様方の放射能に対する不安意識が非常に高まっている中でこういったことを行う認識の甘さというのは、まさしく、今回の事故の大きな原因でもあるかなというふうに思っております。

 そして、管理区域内の汚染の報告が遅くなった理由でございますが、管理区域内での汚染であること、もしくは作業者の被曝も想定内であると考え、法令報告には該当しないと判断し、また、隣接する核燃料サイクル工学研究所から、同研究所の敷地境界モニタリングの線量が一時的に増加しているとの連絡がございました。再度データを精査した結果、排気ファンを稼働させた時間と同研究所の敷地境界モニタリングの線量上昇の時間が合致しているということを確認しまして、ハドロン実験施設の管理区域外に放射性物質が漏えいした可能性があると判断し、その後、文部科学省、原子力規制庁、茨城県、東海村など関係機関への連絡を開始したため、報告が遅くなってしまったという報告をきのう受けたところでございます。

 中で作業をされていらっしゃる方々の被曝につきましても、まず、事故当時、施設内にいた研究者五十五名の被曝の有無について検査を行い、昨日二十七日には、KEK、高エネルギー加速器研究機構及び日本原子力研究開発機構の職員に対して、被曝事故への対応状況、対応方針等を説明し、情報の共有を図ったところでございます。

 今回の原子力研究施設については、まず第一に、安全性確保のための方策に万全を期することが重要であります。放射性物質を取り扱う施設の安全管理を行う者の安全に対する意識の低さ、安全管理体制の不備が招いたまさに事故だと考えております。

 その上で文部科学省といたしまして、大臣の指示を受けまして、KEK及びJAEAに対し、規制対象全ての施設に対しまして安全体制緊急総点検の指示を文部科学大臣の名前で文書を発送して、報告を求めるようにさせていただいております。

 また、JAEAに関しましては、今後、安全最優先の組織にするとともに、組織体制、業務、これらを抜本的に見直すために、下村文部科学大臣を本部長とする原子力機構改革本部を文部科学省の中に設置して、改革案を検討してまいる所存でございます。

 いずれにいたしましても、文部科学省といたしまして、地元の住民の皆様また国民の皆様方に、早急にこの信頼回復に努めるように、これからもしっかりと対応していきたいと思います。

椎名委員 ありがとうございます。

 五月十六日に「もんじゅ」の件でJAEAの方それから文部科学省の方に聞いたときも同じようなことをおっしゃっていたような気がしますが、要は、安全文化というところにやはり難があるというところでございます、一生懸命頑張って気をつけるようにしますというぐらいのことしかもしかしたら言えないのかもしれないんですけれども、本当に、今まさに日本じゅうが放射性物質の漏えいといったところについてセンシティブになっているところであるので、まさに、原子力それから放射性物質を扱うプロフェッショナルの方々には、自分たちのプロフェッショナルの感覚だけではなくて、国民の目線におりてきてほしいと思うんですね。

 今回のJAEAそれからKEKが運営しているこのハドロン実験施設で内部被曝された方々というのは、大体一・六、七ミリシーベルトぐらいということだそうですけれども、公衆の被曝上限、ICRPの基準でいうと一年間で一ミリシーベルトということで、それは超えているわけでございます。

 しかし、例えば原子力事業者の方々の法定上限と比べると圧倒的に低いということで、プロから見るとそんな大した量では確かにないのかもしれませんけれども、とはいえ、やはり一般人が一年間に被曝する上限は超えているというレベル感に達する程度の放射性物質の漏えいであるということなので、やはりそのあたりは、一般人の目線にぜひおりてきてほしいなというのはお願いしたいところでございます。

 通告はしていなかったんですけれども、済みません、田中委員長にも御所見をいただければというふうに思うんです。

 一応、このJ―PARCの施設自体は、基本的には炉等規制法ではなくて放射線障害防止法の規制対象になっているところだと思いますが、原子力規制委員会設置法でも、基本的には放射線障害防止法に関する部分というのは所管事務になっていると思いますので、ぜひ伺えればと思います。

 こういった施設について、どうやって安全性を高めていくための規制というのを規制庁としてそれから規制委員会としてやっていきたいというふうに考えていらっしゃるでしょうか。

田中政府特別補佐人 放射線障害防止法に該当するような施設は全国で八千カ所ぐらいございます。したがいまして、ほとんどの大学とか研究機関、医療機関では、そういった施設を所有していろいろな方が携わっておりますので、一般に言う原子力事業者とは全く違った、人種と言ったらおかしいですけれども、そういう方、研究者がおります。

 今回も、ハドロン実験施設でやられていた方は、素粒子とか原子核というような基礎物理学をやるような方たちでございまして、どうしてもそういう方たち、自分の研究を優先させて、そういった安全についての認識が少しおろそかになりがちなところがございます。

 これはなかなか大変なんですが、世界的に見ても、こういった放射線による事故、人的な事故も含めまして全くないわけでございませんので、そういったことについては、文部科学省等とも御協力いただきまして、基本的に放射線、放射性物質を扱う場合の心構え、安全に対する考え方というのがぜひ定着するように、努力していきたいと思います。

椎名委員 ありがとうございます。

 意気込みは本当に買いたいのでぜひ頑張っていただきたいんですけれども、もう少し、一点だけ委員長に伺いたいんです。

 今回、結局のところ、管理区域より外に放射性物質が漏れたということだったと思います。これはあくまでも結果論なのかなというふうに思いますけれども、とはいえ、こういうふうに研究施設から放射性物質が漏れたような場合について、例えば原子力災害対策特別措置法とか地域防災計画の原子力災害対策編とかそういったところで、放射性物質が漏れたときにどうこうというところについて原子炉の場合は規制されているわけですけれども、こういった研究施設から漏れた場合について、こういった地域防災計画のようなところに盛り込んでいくというようなことというのはできないものなんでしょうか。

田中政府特別補佐人 今回のJ―PARCという施設は、世界でも最大級の、非常に強力な陽子のビームを発生させ、たくさんの放射能が発生するという意味では、桁違いに大きいところがございます。

 ただ、こういった加速器施設といいますのは、大体今まで、何かトラブルが起こればとまってしまう。だから、事故が拡大するということはございません。

 今回も、建物の中にあったものをある意味では意図的に外に出してしまったという若干人的なミスがございますので、必ずしも今御指摘のようなところまでの対策はとる必要はないのかもしれませんけれども、決してこういうことを二度と起こしてはいけませんので、そういった点での指導はきちっとしていきたい、そういうふうに思っております。

椎名委員 わかりました。どうもありがとうございます。

 今後、文部科学省に対しての質疑はございませんので、丹羽政務官、どうぞお帰りになって結構でございます。

 引き続いて、再稼働について、地元の理解を得るプロセスについて伺ってまいりたいというふうに思っております。

 茂木経済産業大臣なんかに質疑を行っていますと、必ずその再稼働のプロセスの中で、法的に、読み上げます、「一般論として申し上げると、原発の再稼働においては、改正原子炉等規制法に基づきまして、原子力規制委員会において原発の安全性の確認が行われることになっております。」「規制委員会により安全性が確認されれば、事業者がみずからの判断により再稼働することが可能となる法律の仕組みになっております。ただし、現実には、立地自治体等関係者の再稼働に向けた御理解というのが大切だ、そのように考えております。」これが茂木経済産業大臣の、平成二十五年四月五日の予算委員会、長妻先生の質疑に対する御回答でございます。

 こういった中で、今後、再稼働に向けて各事業者が動き始めることになると思います。七月十八日という日を予定日としておりますけれども、この日に新安全基準、これが規則として施行される。この日から、具体的にバックフィットの工事の許認可の申請というのが恐らく行われてくるだろうということでございます。こういった過程の中で、地元の立地自治体等関係者の再稼働に向けた御理解というのをどういうふうに定義し、どのようにそれをとっていくのかということが大きな問題になると思います。

 そこでまず前提としてですけれども、比較対象として伺いたいんですが、昨年六月十六日の大飯原発三号機、四号機の再稼働決定、こちらについては、野田総理がみずからの責任で最終的な意思決定を記者会見という形で行ったというふうに思います。

 まず、この野田総理の決定といったものを含めまして、大飯原発を再稼働するに当たって、どういった法的根拠に基づいてどういった手続がとられたのか、経済産業省の参考人の方に伺えればと思います。

糟谷政府参考人 東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、定期検査後の原子力発電所の再稼働に際しましては、原子力安全・保安院による安全性の確認について疑問を呈する声も多く、国民、住民の方々に十分な理解が得られているとは言いがたい状況にある、こういう認識のもと、政府の方針といたしまして、欧州の取り組みに倣いましてストレステストの導入というものを決定をし、このストレステストを確認をした上で原子力再起動の可否を政治的に判断をすることとしたというものでございます。

 これは、具体的には、平成二十三年七月十一日の、三大臣、すなわち官房長官、経済産業大臣、原発担当大臣の連名の文書を発出をいたしまして、行政指導によりこういう手続を求めたところでございます。

 それで、お尋ねの大飯原発の三号、四号につきましては、平成二十三年の十月から十一月にかけまして、事業者によるいわゆるストレステストの評価結果が保安院に提出をされました。この結果を原子力安全・保安院が翌平成二十四年の二月に評価をいたしまして、その保安院の評価結果の妥当性について、原子力安全委員会が同三月二十三日に確認をされたというところであります。

 その後、総理を含む四大臣会合を合計六回開催いたしまして、大飯原発三号、四号機の再起動の安全性と必要性の確認を行いまして、この後、立地自治体の理解を得る必要があるという方針のもと、関係自治体にさまざまなレベルで御説明を行いました。福井県、おおい町などの御理解が得られたことから、同年六月十六日、野田総理を含む四大臣として大飯三号、四号機の再起動について総合的な判断を行った、こういうクロノロジーでございます。

椎名委員 ありがとうございます。

 ここの大飯原発の再稼働に関しましても、ストレステストという安全性評価と、それから、その後の政治決断という二つのプロセスを経ているんだと思います。それで、政治決断という中でも、地元自治体、おおい町の町長それから福井県の県知事といったところからの同意と、それから、最終的には総理の判断というところだと思います。

 これに対して、今後、七月以降、新安全基準が施行された後、原発の再稼働のプロセスがスタートするわけでございますけれども、この中で規制委員会が安全性についてオーケーを出した後、茂木先生の言葉をもう一回繰り返しますが、立地自治体等関係者の再稼働に向けた御理解というのを、どのように定義をして、どういうふうにとっていくのか。この大飯原発の再稼働のプロセスとの比較で教えていただけると大変幸いでございます。

糟谷政府参考人 大飯原発の再起動の際に、先ほど御答弁申し上げましたような手続がとられました背景には、二つの事情がございます。

 第一に、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえた新たな規制基準や体制が確立しておらなかったということ、第二に、原発の活用に関する政府のスタンスがその時点で明確にはなっておらなかったということでございます。

 こういうことを受けまして、大飯原発の安全性及び必要性について、関係閣僚会合を実施し、判断を行ったものであります。

 一方、新規制が施行された後の原発の再起動につきましては、原発の安全性につきましては、国会の判断として設立をされた原子力規制委員会の専門的、独立的な判断に委ね、第二に、エネルギー安定供給、エネルギーコスト低減も含め、責任あるエネルギー政策を構築するという観点から、安全と認められた原発の再稼働を進めるという方針を現政権として明らかにしているところでありまして、現時点で、大飯原発の再起動のときのような、閣僚会議等を開催することは予定をしておらないところでございます。

 地元の理解についてでありますけれども、原子力規制委員会によりその安全性が確認をされれば、法律上は、事業者がみずからの判断により再起動、再稼働することが可能になるという、そういう仕組みになっております。

 ただ、現実には、立地自治体等関係者の再起動に向けた御理解が非常に重要であるというふうに考えております。

 こうした観点から、政府としても、事業者任せにするのではなく、関係者の御理解、御協力を得るために最大限取り組んでいく考えでございます。

 その際、どの範囲でという御質問がございましたけれども、御理解を得る地元自治体の範囲等につきましては、それぞれの発電所ごとにそれを取り巻く事情というのはさまざまでありまして、あらかじめ一律にお示しできるものではないというふうに考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 せっかく平政務官にいらっしゃっていただいておりますので、まさに政治決断として、大飯原発で言うところの二段階目の政治判断というものをするのかしないのかというところだと思います。

 今の事務方の答弁を踏まえると、基本的には、政治決断というのはしないで淡々とやっていくということなんですけれども、地元の御理解をと言っていることの中には、政府が最終的な、政府がというより、再稼働をしますという宣言を政治が最終的にしてほしいというような声もあろうかというふうに思いますが、ぜひ、平先生の御所見を賜れればと思います。

平大臣政務官 まず、椎名先生が茂木大臣の答弁を引用されましたけれども、もうまさにそのとおりであると思います。

 そして、民主党政権下で三大臣、四大臣の政治決断を経て再稼働となりましたが、今はもう仕組みが変わっておりますので、独立性の高い原子力規制委員会が高い専門性を持って安全であると判断をすれば、それは、事業者が判断をしてやっていくということになろうかと思います。

 ただ、先ほど糟谷部長からも答弁があったように、だからといって事業者任せにすることはせずに、安全と判断された以上は、政府も一緒になって地元の皆様の御理解を得られるように努力を図っていくということでございますので、前政権のような政治決断というものは、そのプロセスに入っていないというふうに認識をしております。

椎名委員 ありがとうございます。

 としますと、政治決断はないということなんですね。

 では、そうしますと、地元からの同意というプロセスにつきましては、前回の大飯原発につきましては、立地町であるおおい町の町長、それから、立地県である福井県の県知事からそれぞれ同意というものを取りつけたということになっております。その範囲というのについてはなかなか言いづらいということでございましたけれども、具体的には、最低限、やはり立地町の町長それから立地県の県知事といったところから同意を求めるというプロセスをとるという理解でよろしいんでしょうか。

糟谷政府参考人 原子力発電所の立地する自治体、市町村それから県の役割というのは非常に重要でありまして、この立地自治体に対して十分に御説明をし御理解を得るというのは、最低限のことだと考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 それを超えて同意を取りつけるというところについては、基本的に事業者任せという理解でよろしいんでしょうか。

糟谷政府参考人 事業者任せにはせず、経済産業省としても、前面に立って、いろいろと関係者の方々の御理解がいただけるように御説明等を行ってまいります。

椎名委員 済みません、私が伺いたかったのは、範囲の指定という意味について、事業者任せという理解でよろしいんでしょうかということです。

糟谷政府参考人 範囲については、あらかじめ一律に申し上げることができませんけれども、それぞれの原子力発電所を取り巻く事情に即しまして、国としても、御説明すべきところに対して御説明をするということで取り組んでまいります。

椎名委員 再稼働が予定されております例えば玄海原発、こちらのUPZに相当するところについては、壱岐島という島があるわけでございます。三十キロ圏の中にそういう島があります。私、きのう、四国電力の伊方原発の視察に行ってきましたけれども、伊方原発から三十キロ圏内は、山口県の八島という島があります。ここは幸いにして基本的には人は住んでいないということでございます。これを三十キロから五十キロに延ばすと、大分県の大分市の一部までは含まれることになろうかというふうに思われています。

 実際どこまで同意をとるかというのは本当に難しい話でありますけれども、これを曖昧なままに任せておくと、結構いろいろ大きな問題があるのではないかというふうに思います。

 さらに言うと、曖昧なままに任せておき、政府も一緒になって事業者と御理解をいただくためにという表現に、かなり曖昧な、怪しいことがあるのかなというふうに思っています。

 私が何を怪しんでいるかということでございますけれども、正確に言うと、平成二十三年の九月三十日に出た最終報告書、原子力発電に係るシンポジウム等についての第三者調査委員会というものがございまして、ここで調査されている内容というのは何かということでございますが、それぞれ伊方、玄海等の原子力発電所でプルサーマルの設計変更をするに当たって、まさに地元立地自治体の御理解を得るために催されたシンポジウムというものにつきまして、保安院が主導となってそれぞれ、サクラを入れろ、それから発言をしろ、そして賛成多数の雰囲気をつくろうみたいなようなことを指導していたというようなことについての報告書でございます。

 政府主導で地元の御理解を得るという手続の中では、やはりこういった事態が今まで起きてきたわけでございます。今後もこれと同じことが起きるというふうに申し上げているつもりは毛頭ございませんけれども、こういったことが今まで起きてきたわけです。

 こういったことによって、政府主導で地元の御理解を得るプロセスというところについては、どうも国民全員がそれを信用できているかというと、甚だ疑問じゃないかなというふうに私は思っているわけでございます。

 そういった中で、具体的にどういったプロセスをすることを検討しているのか、教えていただければというふうに思います。

糟谷政府参考人 まず、過去の説明会におきまして、いろいろ関係者を動員するとか、いわゆるやらせといったような問題があったということについては、政府として、厳に戒め、二度とこういうことを行ってはいけないというふうに考えております。

 資源エネルギー庁としましても、やらせの問題が明らかになった後、政府の説明会などについての行動規範というのを、外部の専門家の方に委員として入っていただいて策定をいたしまして、二度とそのような国民の皆様の信頼を損なうようなことがないように、身を正して臨んでまいるということでございます。

 それで、今後、地方自治体の御理解を得るためにどのようなことをやっていくかという御質問でありますけれども、まず、現在どういうことをやっておるかということからちょっとお話をしたいと思います。

 現在、立地地域とのコミュニケーションにつきまして、さまざまな機会を捉えて、政務、事務のさまざまなレベルで、各自治体の方々それから地元の住民の方々と対話を行っております。

 国からは、原子力規制委員会が進める新規制基準策定の動きについて情報提供を行ったり、あと、安全性が確認された原発については再稼働するという現政権の考え方、方針をお伝えしたりということをやっております。

 また、原発が停止していることに伴って、立地地域の経済とか雇用面、さまざまな問題が生じておりますが、これを把握して、必要な政策支援を行うというようなことに努力をしております。

 また、立地地域のニーズに対応しまして、放射線等についてのさまざまな理解の促進のための情報提供ですとか風評被害の防止のための情報提供、こういったことも行っております。

 それから事業者においても、それぞれ原子力発電所の安全性向上のための取り組みとか運転状況等について定期的に情報提供を行うなど、地元の住民の皆様の御理解を得るために努力をしていると承知をしております。

 再起動に向けての理解活動というのは、あくまで原子力規制委員会において安全性が確認されるということがスタートになるわけでありますが、そういう事態になった原子力発電所につきましては、地元の住民の皆様に御理解をいただくために一体どういう形の情報提供が必要か、このあたりも把握をした上で、適切な情報提供を適切な形でできるように、地元の自治体などとも御意見をお伺いしながら、具体的に、それぞれの地点に即して対応してまいりたいと考えておるところでございます。

椎名委員 ありがとうございます。

 プルサーマルのときのシンポジウムにおけるやらせ、サクラというところについての反省というのは十分うかがい知れるところではございますが、やはり、行政による情報の提供というのはどうしても一方通行だなというふうに聞いていてちょっと思う次第でございます。

 ぜひ、役所の方々及びできれば政務官にも、お時間があればですけれども、一つ記事を御紹介しますので、読んでいただければというふうに思います。

 「復興」六号、ボリューム四、ナンバー二、二〇一三年三月というところに載っている、「浪江町における「復興」検討過程から見えること 〜復興の再定義、ガバナンス、原子力災害の受け止め方〜」ということで、福島県浪江町役場復興推進課主幹玉川啓様という方が記載した記事なんです。これは、浪江町の中で復興計画をつくるに際して住民とどのようにコンセンサスビルディングを行っていったかという、意思決定のその同意形成過程について説明をした記事でございます。

 基本的には、これはあくまでも復興計画のつくり方というところで、原子力発電所の再稼働に関する同意という意味でいうと全然違う話だとは思います。しかし、行政からの一方的なお仕着せではなく、住民を巻き込んで、委員会スタイルでガチンコで住民と意見を闘わせることによってコンセンサスを形成していくというこういったプロセスを浪江町は復興計画を策定する際にとったわけでございますが、こういったコンセンサスビルディングの過程というものについては、非常に参考になるだろうというふうに思います。

 事業者と立地自治体の地方自治体の役職員、それから住民、そして政府の関係者、こういった方々が、お仕着せのでき上がったものを下賜するような形ではなくて、ガチンコで意見を闘わせ合ってコンセンサスビルディングをしていくという、非常に時間のかかることだとは思いますけれども、結果論として、最終的には、コンセンサスができ上がった後からは速いと思います。非効率の効率と私自身は表現したいと思いますが、手間はかかるかもしれませんけれども、最終的に非常に効率的な同意の形成プロセスだというふうに私自身は考えます。

 ぜひこういったプロセスなんかも参考にしていただいて、一方的な行政による情報のお仕着せではなくて、同意の形成というものをしていただきたいなというふうに思います。

 ここまでの議論を聞いて、政務官の御意見を賜れれば大変幸いでございます。

平大臣政務官 まず、議員から御紹介いただいた記事は読んでみたいと思います。

 確かに、コンセンサスビルディングで丁寧に議論をしてビジョンを共有するというのは大事だと思いますが、これは多分、復興のまずビジョンからつくるという話だと思うんですね。一方で、原発の再稼働は、まず安全性が確認をされ、手続にのっとって再稼働するかしないかということでありますので、ビジョンをつくるプロセスとは若干違うのかなというふうに思います。

 また、多分委員は、その自治体の範囲を標準化して、恣意的という言葉は使っちゃいけないですね、こちらが選ぶのではなくて標準化をしろという御指摘かと思いますが、これは糟谷部長からも繰り返し答弁をさせていただいておりますが、その地域によって、地理的要件、またさまざまな状況も違うものですから、決して我々は一方的に情報を出すということではなくて、地域に合った情報の提供、地域に合ったステークホルダーに説明をしていくという態度で臨んでまいりたいと思います。

 特に、やらせ問題などのそのような不祥事も一回あったことですから、それを肝に銘じて説明してまいりたいと思いますので、また我々の答弁と違うことが万が一でもあったらぜひ御指摘をいただきたい、そのように思います。

椎名委員 どうもありがとうございます。ぜひ頑張っていただきたいなというふうに思います。

 私自身が標準化をした方がいいと思っている最大の理由は、結局、政府としては、あくまでも安全性は純科学的に決められるべきものだというふうにおっしゃり、そして地元の自治体と事業者に基本的には責任を寄せたい、事業者としては、地元自治体それから政府が責任をとってほしい、地元自治体としては、国が最終判断してほしい、こういう形で責任を寄せ合っていて、誰が最終的な責任をとるか見えづらいというのが、要するに、法の範囲の外で行われている意思決定の中で起きることだというふうに思います。

 ですので、責任の範囲そして権限分掌をしっかりして、誰が最終責任をとるのかというのを明確化するためにも、標準化して法的に決めていった方がいいだろうというのが私自身の考えているところではあります。

 政務官がおっしゃるとおり、物事にはよしあしがございまして、適時適切に判断するためには柔軟にできた方がいいというのは、十分理解するところでございます。要するに、消極的なセクト主義というか、責任をとらないための便法としてこれを使わないでいただきたいというのは、くれぐれもお願いしたいところでございます。

 時間もなくなってきてしまいましたが、原子力災害の防災について、時間の許す限り、最終的に伺ってまいりたいと思います。

 原子力災害というのは、四月五日の予算委員会で我が党の柿沢議員からも指摘をさせていただいたところでございますし、先ほどの質疑でもありましたところでございますが、避難計画それから防災計画といったところと、それから安全性というのが両輪となって再稼働というところに動いていかなければならないというところだというふうに思っています。

 それで、先ほどの質疑の中では、地域防災計画の原子力災害対策編について約七三%が整備済みであるというような御答弁もございました。こういった中で、現在、地域防災計画を策定するために政府としてどういったことをしているのか、それから地方自治体にどういったことを促しているのか、こういったところについて委員長から教えていただければというふうに思います。

黒木政府参考人 現状でございますが、現在、原子力規制委員会の原子力災害対策指針、これに基づいて地域の防災計画がつくられます。

 そのいわゆる第二次改定の作業に入っているところでありまして、本指針の改定におきましては、緊急時のモニタリング等のあり方、それから安定沃素剤の配付、服用について、これについて指針を示す方向で今作業をしておりまして、具体的に申し上げますと、四月十日から五月九日までの一カ月間に一応パブリックコメントを実施しております。

 この間、約三百五十件の御意見をいただいているところでありまして、現在、いただいた御意見を精査中でありまして、できる限り早く改定を行いたいと思っております。

 以上であります。

椎名委員 済みません、その質問は飛ばしたんです。その次の質問を聞いたつもりだったんですが、ごめんなさい。

 今、原子力災害対策指針のアップデート状況、それから、パブリックコメントに関する反映状況といったところについて教えていただきまして、ありがとうございます。

 それで、引き続きもう一回伺いたいんですけれども、各地それぞれ原子力災害について地域防災計画を策定しているということだと思います。七三%の地方自治体が整備をしているというのが先ほどの御答弁でありました。

 そんな中で、私自身が国会事故調で調査をしているときに、さまざまな自治体の地域防災計画原子力災害対策編というのを見させていただきました。福島県の、富岡町の、それから楢葉町の、いろいろ見させていただきましたが、やはり県のものと町のものというのはほぼイコールというか、ほとんど同じと言ってしまっても過言ではないというか、大は小を兼ねるというか、要するに、自発的な取り組みとして防災計画を自分たちの地域の実情に合った形でつくっているとはちょっと思えなかったというのが正直なところなわけでございます。

 そういった中で、自治体やその地域住民の自発的な防災計画の策定に向けて、政府として、住民に働きかけ、それから地方自治体に対する働きかけ、事業者に対する働きかけ、どういったことを行っているかということを伺えればと思います。

黒木政府参考人 一番大きな問題は、住民の皆様にどれだけきちんとした情報提供をできるか、そのフィードバックがどうかという話だと思います。

 それについては、広域避難計画との調整を行う協議会を開催したりワーキンググループをやったり、あるいは、求めに応じまして我々自身が市町村に出向きましていろいろなお話をする、いろいろな形での情報提供、フィードバックを行っております。

 今後恐らく一番大事なのは、訓練になります。訓練の段階で、御指摘のとおり、一種金太郎あめみたいな状況かもしれませんが、それにいろいろな個性が出てきます。そこをきちんきちんと我々の方も確認しながら、まさにツールとして使えるような計画にしていくというふうな心づもりでおります。

 以上です。

椎名委員 どうもありがとうございました。

 時間も来てしまいましたので終わりますが、住民の同意の取りつけ方、それから防災計画における住民の自発的な参加というのは、結構難しいところではあると思いますけれども、住民が主体となってこういったところをつくっていかないと、そして住民が主体となって再稼働の同意等をしていかないと、民主主義の原則といいますか、最終的には地域のことは地域で決めるということなんだと思いますし、ぜひ、住民が主導して物事を進めていけるような体制をつくっていっていただければというふうに思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございます。

森委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党の玉城デニーです。

 きょうは、原子力問題に関する特別委員会で、茨城県東海村、J―PARCにおける放射性物質漏れ事故について二十分間質問をさせていただきたいと思います。前の委員の皆さんの質問と若干かぶるところもあるかと思いますが、ぜひ真摯に御答弁をいただきたいと思います。

 去る五月二十三日、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構、JAEAと高エネルギー加速器研究機構、KEKが共同で事業を行っている大強度陽子加速器施設、J―PARC内の原子核素粒子(ハドロン)実験施設で実験中に事故が発生し、放射性物質が外部に漏れるという緊急事態が発生いたしました。この件について、文科省、関係機関にただしたいと思います。

 今回のこの事態はどのようなことが原因で起きた事故か、また、事故発生後はどのような状況の経過があり、どのような対応をとられたのか、まず、その全体像をしっかりお聞きしたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 まず、事故の発端でございますけれども、御指摘のJ―PARCのハドロン実験施設におきまして、加速器で加速いたしました陽子ビームを標的である金に照射し、素粒子を発生させる実験を行っていたところでございます。

 その際、装置の誤作動によりまして、短時間に想定以上のビームが標的に照射されまして、その標的が高温となり、ビーム照射によって生じた放射性物質が蒸発して、一部がハドロン実験施設内に漏えいをいたしました。

 このことによりまして、管理区域内で作業をしていた者が被曝すると同時に、この過程の中でハドロン実験施設の排風ファンを回して施設外に排気をした結果、同施設外に放射性物質が漏えいをする、こういう事態になりました。

 この点について、施設側でも当初の認識に甘さがありまして、このため関係機関への通報がおくれ、翌五月二十四日の夜になって関係機関への通報が行われたというような形になっております。

 なお、現状ではその漏えいは既に停止をしておりまして、現在では周辺のモニタリングポストでの値も平常化をしておりまして、拡大のおそれはないものと承知をしております。

玉城委員 では、少し細かい点になるかもしれないんですが、具体的に事実を確認するという意味で質問をさせていただきたいと思います。

 報道資料によると、陽子ビームの異常によって異常警報が鳴動したとあります。この陽子ビームが誤作動した原因は判明しているんでしょうか。

吉田政府参考人 陽子ビーム装置のふぐあいの問題でございますけれども、これは、誤作動と申しますか、機器保護システムが作動した結果でございます。

 現時点では、このふぐあいの原因については、加速器の電磁石電源に対します過電圧、電圧が過剰にかかったというようなことが原因でビームの絞り込みがうまく作動せずに、想定以上のビームが照射されたのではないかというふうに推測をされております。

 しかしながら、この正確な原因につきましては、加速器内部を点検しなければ判明しないという事情がございますので、今後、そのJ―PARCセンターにおきまして早急に綿密な調査をされるものと考えております。

玉城委員 そういうふうに、専門的にやはりその内部で保護システムが働いて、結果的にはこの陽子ビームが誤作動して停止をさせられたということですね。

 しかし、この異常から再開についてなんですが、保護システムによって一旦停止した警報装置をリセットして、再びビーム運転をしたわけですよね。つまり、この時点では何でとまったのかわからなかった。しかし、その後何らかの判断があってまたビーム運転を再開したんですね。このことによってガンマ線量が増大し、つまり、最初の異常に異常が重なって、結果的にその事態を招いていってしまったわけです。

 これは、最初の異常からこの次の、一旦とめたのにまたさらに異常が発生してしまうという経緯の中で、どのような安全確認を行ったのかということをお聞かせいただきたいと思います。

吉田政府参考人 この事故の経緯につきましては、先ほど、ビーム装置の検証とあわせて、事実経過につきましては今後そのJ―PARCセンターにおきまして検証が行われるというふうに承知しておりますので、あくまでも、現時点での理解というふうにお受けとめいただければと思います。

 五月二十三日の十一時五十五分に陽子ビーム装置の機器保護システムが作動し、ビーム停止ということになりました。その際、運転責任者であります加速器シフトリーダー、これは回り持ちでその責任者という形になっておりますけれども、このシフトリーダーが故障の疑いのある電源の担当者へ連絡し、状況を確認させております。

 電源担当者は、電源のこのふぐあいの正確な原因が特定できなかったものの、電源の警報を解除し電源を再起動させたところ、異常なく運転ができたということ、それから、並行してこの電源担当者は、加速器の運転で重要な真空ダクトと呼ばれるものについての作動についても通常の運転と比較して異常が見受けられなかったため、加速器シフトリーダーに異常なしという報告をしております。

 加速器シフトリーダーは、電源担当者の報告並びにその加速器の運転を監視する中央制御棟での異常警報が発報されていないということを確認した上で、正常であると判断し、運転を再開をしたと聞いております。

 ただ、この際、電源とは別の場所にありますビーム実験装置において放射性物質が発生している状況についてはきちんと確認をしていなかったというところに問題があったように思います。

玉城委員 今のお話を聞きますと、つまり、機器を動かすということに関しては確認の手順をとって問題ないということだったんですが、その間にどういう状況にあり、放射性物質が漏れているというふうなことなども含めると、この細かい伝達といいますか、報告、連絡が行われていなかったというところに、まず、その安全確認の落ち度があるのではないかというふうに感じた次第なんですが。

 さて、その後、再び運転をいたしまして、今度はそのことによってガンマ線の線量が約十倍に上がるということになり、結果的に、そのビーム運転を再開した後、実験施設内では放射線の空間線量が上昇したことがわかったため、再びまたビーム運転を停止をし、排気ファンを回したというふうな手順になっていると思います。排気ファンを回し、その結果として放射性物質を実験施設外へ放出するという事態を引き起こしてしまったわけですね。ここが、実は一番大きなといいますか、核心的な部分だというふうに思います。

 この排気ファンを作動する指示は誰によってどのようになされたのか、お聞かせください。

吉田政府参考人 先生御指摘のように、一旦ビーム装置が停止をした後、再開をしております。その後、二十三日の十三時三十分ごろ、その施設内の線量が上昇しているというデータが出てきております。これを受けまして、この施設におきましては、十五時十五分ごろに排気ファンを作動させておるわけですけれども、そのときの経緯はこのようなものでございます。

 そのときは、現場の技師から、実験施設内のエリアモニター、これは線量計のことでございますけれども、この動作健全性を確認するため、排気ファンを回して排気することを提案をしております。

 このときに、ビームの発生装置責任者と運転シフト員は協議をいたしまして、先ほど御指摘のように、施設内における空間線量は上昇しているものの、この施設に適用されている限度値よりも低いということから、放出する放射能濃度は十分に低く、環境には影響を与えないと判断したことから、ファンを運転することとしております。

 その後、一旦ファンの稼働をとめまして、その後、十七時三十分ごろにファンをもう一度稼働をさせております。

 この際には、実験施設の運転シフト員などが、放射線取扱主任者、これはその施設では安全ディビジョン長と申しておりますけれども、この者と協議をいたしまして、実験室内の空間線量が法令上の規制値に達していないことなどから環境への影響は少ないと考え、実験室内の空間線量を下げるため、排風ファンを運転することとしたというふうに聞いておりますが、このときのその判断につきましては、私どもとしては、極めて不適切だったというふうに考えております。

玉城委員 現場では、話し合いが行われ協議が行われた結果、空間線量は低いということの判断でファンを回しましたということになっているわけですね。しかし、結果的にそれが、やはり外部に漏れ、被曝をさせてしまうという重大な事故につながっていくわけです。

 聞くところによりますと、この排気ファンというのは、いわゆる空調設備であって、もし建物内で放射性物質が空間に漏れた場合、それをベントする、ベントするといいますか、排気するための専用の排気設備ではないということになっているわけですね。

 正規の排気設備ではないこの排気ファンに放射性物質を吸着するフィルターが未装着であったことは事前に確認されていたんでしょうか。なぜ、専用機能を有する排気設備を必要としていなかったんでしょうか。お聞かせください。

吉田政府参考人 J―PARCのような加速器施設におきましては、一般論でございますけれども、運転時に発生する放射性物質については、低レベルであること、それから、施設の運転を停止すれば放射性物質がふえることはないということがございまして、原子炉などと比べますと、安全性という面ではまだ高い施設だというふうに捉えられます。

 この施設は、今申し上げましたような加速器施設の性格に応じまして、基本的に放射性物質が漏えいしないという前提で建設をされております。したがいまして、そこに設置されております排風ファンというのは、先生御指摘のように、あくまでも換気用のものでございまして、放射性物質を外部に排出しないためのフィルターはつけていなかったということでございます。

 しかしながら、今回のような事故が発生した際に、放射性物質を施設外に放出した、そういうことによって周辺地域に不安を与えたということは不適切でありまして、その排気を行うにつきましては、より慎重な判断をすべきだったというふうに考えております。

玉城委員 申しわけありません、田中委員長に通告はしていないんですが、答えられる範囲でちょっと確認をさせていただきたいと思います。

 放射線障害防止法がありまして、先ほど田中委員長のお話で、全国で八千カ所余り、いわゆる実験施設などそういうところがありますということを聞いたんです。この放射線障害防止法の、使用の許可の基準というものがあります。第三条第一項は、この施設を許可する際の申請について書いてありますが、その申請の許可基準が第六条に書いてあります。この第六条の一号には、使用施設の位置、構造、設備などについて、原子力規制委員会規則で定めるものに適合すればそれを許可するというふうな、その手順が示されているわけですね。

 田中委員長は、実際に放射能漏れを起こしたこの施設は、その基準にその申請当時適合している、そして現在も適合しているものであるというふうに認識をしていらっしゃいますか。見解をお聞かせください。

田中政府特別補佐人 一般に、先ほど文部科学省の方からお答えがありましたように、こういった加速器施設の場合には、いわゆる放射線は出ますけれども、放射能は出ない、放射性物質は出ないということを前提として、いわゆるそういった空気の汚染は生じないという、そういう判断をされてこの施設は許可されたものだと理解しています。

 ただし、今回の事態を踏まえますと、これは今後詳細な原因調査が行われて、その報告を私どもが受け取った時点で、それでいいのかどうかということにつきましては今後検討させていただいて、場合によっては、施設の、具体的に言えば換気システムを変えていただくとか、そういうことも含めて検討する必要があるかなというふうに、今お伺いしていて思った次第です。

玉城委員 ありがとうございます。

 事前に通告できなかったものですからこの場で確認をさせていただきましたが、確かに、その改善についても、この放射線障害防止法の中ではしっかりとそれが示されているということもつけ加えておきたいと思います。

 さて、少し時間がなくなってきましたので、自治体や国への通告がおくれたことも質問をさせていただいたんですが、これは経緯をなぞるだけにしておきたいと思います。

 今回の事態が発生してから原子力規制庁や茨城県に通告するまで約一日半の時間を要していますが、県と原子力開発機構との安全協定では、直ちに通告する取り決めとなっております。このことに関しては、県、村から大変厳しい遺憾の意と申しますか、こんなことでいいのかということで報道でも取り上げられていることは、もう御承知と申しますか、そのことはしっかりと受けとめていらっしゃることと思います。

 私がきょう質問をさせていただいてさまざまな事実関係を確認させていただいたのは、安全管理に対する根本的な安全意識の問題、これがどこにあるのかということを、こういう専門的な施設で、放射能は出ない施設であるはずで許可をしたと先ほど田中委員長がおっしゃったその施設であっても、やはり、実験の誤作動によっては放射性物質が空間に出る、つまり、被曝をする危険を伴うということが明らかになったのではないかと思うんですね。

 今回の放射性物質漏れ事故により、事故当時、現場では職員や大学院生らが設備に出入りをしていたため、その皆さんの検査を行ったところ、二十八日現在は三十人、さらにまたその数はふえたときょうのニュースでも伺っておりますが、〇・一ミリシーベルトから最大で一・七ミリシーベルト被曝したことが確認されています。

 年間一ミリシーベルトというのが一般の人たちが生活をする場合の基準であるというふうに見てみますとそう多くはないかもしれませんが、明らかに被曝をしたという事実がここで出てきているわけですね。しかも、研究に携わっている方々が被曝をしている状況ではなくて、一般の大学院生や施設に出入りをしていた人たち、正当なといいますか、フィルターがついていない排気ファンの作動によって外部に漏れ、施設内にいた、その周辺にいた方々が被曝をしたということは明らかになったわけであります。

 実験施設で過酷な事故は発生しない、先ほど委員長は放射能は漏れないというふうにおっしゃいましたが、その見識で運営されていたこの施設であるならば、今回の事故はまさに想定外ということで片づけられてしまうのではないかということを私は危惧するわけであります。

 福島第一原発の事故の教訓は、災害に対して未然の措置を講じていなかった想定外の認識に対するヒューマンエラーに大きな原因があるとされています。今回の事故についても、安全管理に対する意識づけの徹底不足や、組織体制の連携運営についてやはり重大な欠落があるのではないかと、私はそのように疑いを持たざるを得ないわけですね。

 この件を踏まえた今後のあり方について、まず文科省そして規制委員長から、それぞれ見解を伺いたいと思います。

戸谷政府参考人 今回のJ―PARCの件、さらには、つい最近ございました「もんじゅ」の機器の保守管理の不備等々につきましては、放射性物質を取り扱う施設の安全管理を行う者の安全に対する意識の低さ、あるいは安全管理体制の不備が招いたものと考えられ、地元を初め、国民の皆様の原子力研究施設の安全性への信頼を傷つけることになってしまいましたことにつきましては、大変申しわけなく思っております。

 文部科学省におきましては、研究施設の立地地域の住民の方々あるいは国民の皆様への信頼を回復するためにも、やはり、安全管理の徹底といったものが最重要であるというふうに認識をいたしております。

 今回のことを契機といたしまして、高エネルギー加速器研究機構及び日本原子力研究開発機構が保有をいたします、原子炉等規制法あるいは放射線障害防止法の規制対象の全ての施設に関しまして、安全管理体制や緊急時に実施すべき事項、手順等の再確認を行う安全体制緊急総点検を両機関に現在要請し、その報告を求めることといたしております。

 いずれにいたしましても、安全の確保といったものが最重要でございまして、文部科学省といたしましても、今後とも、両所管法人が保有する原子力関係の施設に関しましては、安全管理の徹底を求めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

田中政府特別補佐人 ちょっと御説明しておきたいことが一つあります。

 実際に被曝をした方たちは、一般の方ではなくて、学生たちも含めて皆放射線従事者で、年間の被曝量の限度は二十ミリシーベルトということになっております。ですから、外に放射能を、漏れたというよりは漏らしたと言った方が今回の場合はいいんですけれども、それによる一般の方の被曝はほとんど無視できる程度であろうというふうに評価されていると承知しております。

 「もんじゅ」の方はいわゆる原子力施設、それから、今回のハドロン施設で実際に携わってきた人たちは、先ほど申し上げましたけれども、非常にさまざまな研究分野の人たちが、放射性物質とか放射線を扱って、加速器を使って研究開発等をやっております。そういうところについてどうしても、また原子力施設とは違うような、研究者にありがちな自分勝手なところが悪く言うとありまして、安全に対する備えが少しおろそかになるというところがございますので、そういった点については、今回の教訓をきちっと踏まえて今後対応させていただくようしたいと思っております。

玉城委員 ありがとうございました。

 やはり、物質・生命科学研究、原子核・素粒子物理学の高度な研究施設であるからこそ、安全基準はより一段と高めるよう徹底していただくことをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。

 ニフェーデービタン。

森委員長 次に、玄葉光一郎君。

玄葉委員 玄葉光一郎です。

 まず、この委員会でもたびたび質問に出ていたと承知しておりますけれども、福島第一原発の廃炉プロセスに関する国の関与のあり方であります。

 先般もこの場で申し上げましたけれども、この廃炉プロセスは国家の威信をかけた戦いであります。同時に、復興の大前提はこの廃炉プロセスの安定化かつ加速化されたプロセスにあるわけでありますけれども、どうも経産省あるいは政府、これまでよりも腰が引けているのではないかというのが私の印象でありますけれども、この国の関与はどうなっていますか。

平大臣政務官 お答え申し上げます。

 福島第一原発の廃炉については、単に事業者任せにするのではなく、国としても廃炉に向けて全力で取り組んでいくことが必要であると考えています。

 そのためには、まず、放射性物質の分析、遠隔操作ロボット等に関する開発、実証や研究開発拠点の整備等の研究開発の推進について、国が主導的な役割を果たしていくということでございます。

 加えまして、福島第一原発の廃炉に向けた国としての基本的な計画として中長期ロードマップを策定し、その進捗状況を確認していくことも重要な国の役割であると考えております。

 こうした中、本年二月に経済産業大臣を議長とする廃炉対策推進会議を設置し、現在、一号機から四号機まで号機ごとに異なる状況を精査し、燃料デブリ取り出しスケジュールをできる限り前倒しするなど、六月中を目途に中長期ロードマップを見直していくこととしています。また、汚染水の処理対策についても、先月、廃炉対策推進会議の下に汚染水処理対策委員会を設置して、対応をしているところでございます。

 さらには、海外の知見を活用しなければいけません。国が主導して、世界に開かれた形で、かつ海外の専門家の知見、経験を生かしながら廃炉を進めることが重要であると考えております。この観点から、先月、IAEAのレビューミッションを受け入れたところでございます。

玄葉委員 この程度の国の関与で、先ほど出ておりましたけれども、廃炉に少なくとも三十年から四十年かかる、この程度の体制でやっていくんですか、今後三、四十年。

平大臣政務官 民主党政権下で、廃炉に向けたロードマップを作成されたと思います。そして、未曽有の事故でございますから、デブリの分析、またその取り出し方、そういったことでまだ不確定な部分がたくさんあるわけであります。

 繰り返しになりますが、中長期のロードマップを六月中を目途につくってまいります。

 そして、東京電力に対しましては、原子力損害賠償支援機構による賠償支援のスキームなどもございますので、こういったことを活用しながら、特に研究開発分野で国の役割を果たしていくということになろうと思います。

玄葉委員 ですから、この程度で三、四十年やっていくつもりだ、こういうことですよね。だから、本当にそれで大丈夫なのかということなんです。

 民主党政権のときも、細野さんが中心になって、かなり関与していたと思います。それでも、私は野に下ってずっと歩いておりますけれども、あるいは東電の関係者、技術者などと話をしておりますけれども、率直に言って、今の国の関与の仕方では心もとないというのが私の強い思いであります。

 ですから、まず、廃炉のための組織というのを東電に任せておいてよいのかどうか。当然、東電の技術とかノウハウとか人員というのは活用しなければならないのは言うまでもないことなわけでありますけれども、例えば、この間の汚染水の処理の問題を見ても、福島県民の県民感情というのはどういう状況に今なっているかというと、東電が悪い、もちろんそうはなるんだけれども、どうも国はいつも東電のせいにばかりしているんじゃないか、こういうのが今の県民感情ですよ。

 確かに、ネズミの停電があっても汚染水の処理問題があっても、東電が悪い、政府もそう言うわけですね。そういう関係でこれからもあり続けて、廃炉プロセスが果たして本当に安定化した、かつ加速化されたプロセスで進むとお考えですか。

平大臣政務官 全て東電任せにするということではありません。福島の方のそういったお気持ちもしっかりと配慮しながら、まずは東京電力の廃炉対策推進会議というものも設置をいたしましたし、汚染水処理対策委員会もつくったところでございます。

 今後、中長期的なロードマップが出てくる中で、実際にそれをさらに加速していく。第一義的には事業者である東京電力が対応することになりますが、そういった中で役割分担というものをしっかりと、東電と国が、経産省が意思疎通をして取り組んでいくということでございます。

玄葉委員 何回言っても同じことなので、これはちょっと持ち帰って大臣と相談してほしいんですが、廃炉の組織体を国が出資するような形でつくるということをどこかでやはり考えなきゃいけないんじゃないかという思いがあるんですね。

 これは全くの例えばでありますけれども、日本原燃という会社があります。これは電力会社が出資をしている会社です。もちろん国は出資していませんが、廃炉のノウハウがあるわけです。つまり、電力会社と国が両方出資して、廃炉をきちっと進めていく組織というものをつくっていくようなことを考えていかないと、安定化したプロセスで廃炉が進むのかどうか。

 先ほどもここで東電の社長さんが、廃炉の費用の見積もりを九千五百億円程度だ、こういうふうに言うわけですね。でも、それで済むかどうかわからないし、この間のネズミの停電一つとったって、まだ仮設だったわけですよ。財源がいつも気になるのが経営者です。幾ら実質国有化されたといったって、気になるんですね。

 だから、抜本的に国の関与のあり方を見直す。会議体じゃなくて、廃炉のための組織をきちっとつくる、国が関与して。そういうことを、どうせ答えられないと失礼ながら思いますから、持ち帰って、大臣と関係者ときちっと相談してください。

平大臣政務官 東電の廃炉の積立金の話もありましたけれども、今委員おっしゃったとおり、まだわからないんですね、誰もやったことのない作業をこれから進めていくということですから。その中で金目の話が出てくれば、当然、今のスキームの中でも回せますし、金融からローンを受けるというやり方もあると思います。

 ただ、今御提案をいただきましたので、正直、私、その廃炉の組織体のイメージが湧きませんので、具体的な御提案をいただければ勉強させていただきたい、そのように思います。

玄葉委員 それでは、担当者を私の部屋によこしていただければと思います。(平大臣政務官「はい」と呼ぶ)

 その上で、今度はリスコミの話を簡単にお答えいただければと思うんです。

 一つは、食品安全分野におけるリスコミ、リスクコミュニケーションであります。

 これは風評被害と大いにかかわり合いがある話でありまして、特に、飲料水そして食品、十ベクレルと百ベクレル、このことの持つ意味というのが残念ながら普及しないんですね。つまり、これは、生涯この最大値の食品あるいは飲料水を食べ続けても、あるいは飲み続けても大丈夫である、そういう基準なはずなんですけれども、残念ながら、福島県民もまだ十分理解をしていませんし、福島県以外の方々にもしっかり理解をしてもらわないと、風評被害はなくならないんですね。

 この普及についてはどう考えていますか。

草桶政府参考人 先生御指摘のとおりの問題意識を私どもも持っております。

 ことしの二月になりますけれども、消費者庁で消費者の意識調査というのを行いました。その結果でありますが、基準値の性格につきまして、生涯食べ続けても安全な、十分に小さなレベルであるということを理解していると答えた人は三割にとどまっております。その他、産地を気にする方が七割おられまして、その理由というのは、やはり放射能を避けたいというふうに答えているというようなこともあります。

 そういったこともありまして、私ども、リスコミが非常に重要という結果だというふうに受けとめております。

 これまでもリスコミをたくさんやってきておりますけれども、そういったこともありますので、今年度につきましては、これまでの取り組みに加えまして、特に、地域の特性に沿った情報提供の機会を設けることを目的としまして、新たに、対面で情報提供ができる専門家、我々はコミュニケーターと言っていますけれども、これの養成研修を計画しております。

 この取り組みを通じまして、研修を受けたコミュニケーターが地域において、特に子育て世代向けのミニ集会でありますとか意見交換会を通じまして参集者の疑問や不安に答え、消費者理解の増進を期していきたいというふうに考えております。

玄葉委員 これはメディアともよく連携をしていただければと思うんです。もちろん表現の自由を侵すわけにはいかないわけでありますが、ただ、やはりメディアの影響というのは非常に大きいので、政府御自身がそれぞれ努力をするだけではなくて、メディアに対して正しくまず理解をしてもらうということをもう一回やってもらう必要があるというふうに思います。

 食品安全分野以外で今非常に問題になっているのは、いわゆる公衆被曝に関しての線量基準の考え方というものをしっかりと整理する必要があるというふうに思っているんです。

 低線量被曝、これに関して、どういう影響が出るかということについて、二年たったわけでありますけれども、その時々でベストを尽くしてきたと私は思っていますけれども、改めて、今福島県の、特に避難をされていた方々がこれから戻ろうというときに、この線量基準に対する考え方がしっかりと整理されていないといけないというふうに思うんです。

 このことについて、年内に線量基準の考え方を出す、その際には原子力規制委員会から専門的な知見をいただくのであるということだったかと思いますけれども、その後の検討状況はどうなっていますか。

森本政府参考人 御指摘の点でございますけれども、それは、本年三月七日の復興推進会議、原子力災害対策本部の合同会合で、いわゆる避難指示の解除に向けた、線量水準に応じて講じるきめ細かな防護措置の具体化ということで、原子力災害対策本部でしっかり議論をして、年内を目途に見解を示すという方途で決定されたものと承知しております。また、原子力規制委員会は、そのメンバーとして、科学的、技術的な見地から役割を果たすということでございます。

 その状況でございますけれども、現在、原子力災害対策本部の関係省庁、具体的に申し上げれば、復興庁、あるいは生活支援チーム、環境省、そしてまた原子力規制委員会でございますが、そこの担当者が集まってまだ議論をしているところでございます。

 現状では、御指摘の具体的な検討手順、進行状況について、今まだ具体的なことを申し上げられる状況にはございませんけれども、年内を目途に一定の見解を示すということで頑張ってまいりたいと考えてございます。

玄葉委員 これは、できるだけ早目に出してほしいんです。それによって、場合によっては除染の作業の見直しも含めて考えていかなければならないわけですね。ですから、県から要請を受けて、やりますと政府がお答えになって、かなり時間がたってきていますので、急いでください。

 もう一言いただけますか。

森本政府参考人 もとより、私どもも福島の現状について認識してございます。関係省庁、しっかり頑張ってやってまいりたいと考えてございます。

玄葉委員 もう一点、双葉郡の子供たちの教育の問題についてお聞かせをいただきたいというふうに思っています。

 双葉郡の子供たち、小学生、中学生、広野町という町と川内村という村は、それぞれの村、町で学校を再開しました。御承知だと思います。それ以外の町は避難先で学校を再開している、そういう状況なんですけれども、復興のポイントの一つは教育だと思うんですね。この双葉郡の子供たちの教育をどうするかということです。

 今、地元の関係者たちが話し合って、双葉郡の小学生、中学生に中高一貫の学校を受け皿として用意すべきではないか、こういう議論が起きているというふうに聞いています。これは、いわき市に立地場所を選ぶにしても、双葉郡内に選ぶにしても、大事なのは、魅力のある学校をつくれるかどうかということだと思うんです。もちろん、子供たちの視点が基本であります。

 そのときに、きょう私が申し上げたいのは、普通は、小学生、中学生あるいは高校生の教育ということになると、あるいは学校ということになると、県あるいは市町村が中心になるんだけれども、今回の双葉郡のケースは国がやはり強く関与した方がよろしいと私は考えているんです。その点について、いかがでありましょうか。

義家大臣政務官 御指摘の点でございますが、双葉郡の教育復興につきましては、双葉郡八町村が国、県、大学等の関係機関の協力も得つつ、双葉郡の今後の教育のあり方について中長期的視点から協議を行う、委員御指摘の福島県双葉郡教育復興に関する協議会を設置しまして、その協議会において現在議論を行っているところでございます。

 協議会は昨年十二月からこれまでに六回開催しておりまして、その協議会の中で、今具体的にお示しになった中高一貫校の開校、あるいはカリキュラム内容を含めて双葉郡の教育復興全般についての議論を重ねているところでございまして、六月中に教育復興のビジョンを取りまとめる予定であります。

 文部科学省といたしましては、協議会からの教育復興ビジョンが示され次第、必要な支援については当然検討してまいりたいと思っておりますが、議論の中でさまざまな意見も出ています。その意見も逐一目を通して、しっかりと連動して、そしてバックアップをして進めてまいると思っております。

玄葉委員 もう時間になりましたので終わりますけれども、具体的に申し上げますけれども、今回の事案の特殊性を考えると、例えば、選択肢の一つとして、やはり、福島大学の附属の中学校、高校にするとか、あるいは国立の中学校、高校にするとか、そのくらいの関与があってしかるべきだろうというふうに私は思うんですね。

 最後にその点だけお答えいただけますか。

義家大臣政務官 お答えいたします。

 まさに、この会議、福島大学の関係者も入っているところでありますけれども、それは、あらゆる方策も含めて、まさに子供たちは未来そのものでありますから、あらゆる可能性も含めて、文部科学省としてバックアップしてまいりたいと思っております。

玄葉委員 終わります。

森委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四十分散会


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