衆議院

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第2号 平成25年11月14日(木曜日)

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平成二十五年十一月十四日(木曜日)

    午後一時五十分開議

 出席委員

   委員長 森  英介君

   理事 塩崎 恭久君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 鈴木 淳司君 理事 宮下 一郎君

   理事 山際大志郎君 理事 中川 正春君

   理事 足立 康史君 理事 江田 康幸君

      大岡 敏孝君    大島 理森君

      鬼木  誠君    川田  隆君

      菅家 一郎君    菅野さちこ君

      黄川田仁志君    北村 茂男君

      今野 智博君    佐々木 紀君

      齋藤  健君    白石  徹君

      新谷 正義君    中村 裕之君

      丹羽 秀樹君    比嘉奈津美君

      細田 健一君    細田 博之君

      宮内 秀樹君    宮澤 博行君

      簗  和生君    渡辺 孝一君

      荒井  聰君    生方 幸夫君

      辻元 清美君    馬淵 澄夫君

      西田  譲君    百瀬 智之君

      中野 洋昌君    椎名  毅君

      笠井  亮君    村上 史好君

    …………………………………

   経済産業副大臣      赤羽 一嘉君

   環境副大臣        井上 信治君

   経済産業大臣政務官    磯崎 仁彦君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 広瀬 行成君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           田中 正朗君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁汚染水特別対策監)       糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       塚原 太郎君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            小林 正明君

   政府参考人

   (原子力規制庁次長)   森本 英香君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  櫻田 道夫君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  山本 哲也君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力地域安全総括官)       黒木 慶英君

   参考人

   (東京電力株式会社代表執行役社長)        廣瀬 直己君

   衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長      仲川 勝裕君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十四日

 辞任         補欠選任

  うえの賢一郎君    大岡 敏孝君

  大久保三代君     今野 智博君

  額賀福志郎君     比嘉奈津美君

  細田 健一君     宮内 秀樹君

  小熊 慎司君     百瀬 智之君

同日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     鬼木  誠君

  今野 智博君     大久保三代君

  比嘉奈津美君     額賀福志郎君

  宮内 秀樹君     細田 健一君

  百瀬 智之君     小熊 慎司君

同日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     黄川田仁志君

同日

 辞任         補欠選任

  黄川田仁志君     うえの賢一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 原子力問題に関する件


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     ――――◇―――――

森委員長 これより会議を開きます。

 原子力問題に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として外務省大臣官房審議官広瀬行成君、文部科学省大臣官房審議官田中正朗君、資源エネルギー庁汚染水特別対策監糟谷敏秀君、環境省総合環境政策局環境保健部長塚原太郎君、環境省水・大気環境局長小林正明君、原子力規制庁次長森本英香君、原子力規制庁審議官櫻田道夫君、原子力規制庁審議官山本哲也君及び原子力規制庁原子力地域安全総括官黒木慶英君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木淳司君。

鈴木(淳)委員 自由民主党の鈴木淳司です。

 田中委員長、きょうは、大変お忙しい中、当委員会にお出かけ賜りまして、まことにありがとうございました。委員長、きょうは、夕刻には官邸での会議があると聞いておりますが、それまでの間、どうぞよろしくお願いをいたします。

 さて、原子力規制委員会が発足をしたのは昨年の九月の十九日でありました。あれから約一年二カ月になります。委員長の言葉をおかりすれば、まさに暗中模索の中からのスタートだったということでありますが、そうした中から、ことしには新たな規制基準を策定されて、七月から施行、今まさに新規制基準による適合性審査が行われているという状況でございます。

 去る九月十九日、一年後の委員長の所感の中で、ようやく最近になって原子力規制委員会のあり方が確立されてきつつあるという御認識をお持ちであるというふうに聞きました。何しろあれだけの過酷な事故を起こしてからの委員会の発足でありますので、この一年間、本当に大変な御労苦があったと思いますし、それにつきましては高く敬意を表したいと思いますが、この一年間を振り返って、改めて委員長の御所見をお伺いできればと思います。

田中政府特別補佐人 昨年九月に私ども原子力規制委員会が発足して、一年と二カ月ぐらいになります。この一年、まさに新たな規制組織として、国内外からの信頼回復に努めること、特に福島第一原子力発電所の事故によって国民から失われてしまった原子力安全規制行政に対する信頼をいかに回復するかということが最大の課題であると申し上げまして、そのために取り組んでまいりました。

 具体的には、まず、私どもの仕事を、透明性をしっかりと確保しつつ、科学的、技術的知見に基づいて中立公正な立場から規制を行っていくということで進めてまいりました。信頼の回復という観点から、私自身はまだ道半ばであるというふうに認識しておりますので、こういった取り組みを今後も続けてまいりたいと思います。

 具体的に行ってきたこの一年間の業務を振り返ってみますと、まず、新しい規制基準をつくるということが法的にも義務づけられておりまして、このために、本年七月八日に原子力プラントについての新たな規制基準を施行させていただきまして、その後、次々と再稼働申請、再審査ですね、適合審査というのがありまして、今、十四基について、ほぼ連日審査を進めているところでございます。

 それから、福島の事故を受けまして、原子力防災についても、事故の反省を踏まえた多くの議論を重ねて、原子力防災の基本となります原子力災害対策指針を策定して、発表させていただきました。

 これにつきましても、今後、これに基づいて、各都道府県あるいは立地自治体で防災計画、避難計画等の策定をしていただくことになり、今、それが順次進められていると認識しております。

 今後とも、そういった計画あるいは各地域での策定に当たりましては、私どもとしては、できるだけのサポートをしていきたい、御支援をしていきたいと思っております。

 また、福島第一原発の廃炉作業、これも大変な仕事でございます。御承知のように、汚染水対策を初め、間もなく始まろうとしています使用済み燃料の取り出し、あるいはサイト内作業環境の改善とか廃棄物とか、数え上げれば切りがないほど、今後次々と多くの課題があると思いますが、これにつきましても、規制という立場から、専門的、技術的な知見で御助力申し上げたいと思っております。

 こういった仕事を円滑に進める上でも、体制面の強化も非常に重要だということで、今国会で、午前中は参議院の環境委員会で、原子力安全基盤機構と原子力規制委員会の統合、規制庁への統合ということも認めていただきましたので、専門性と、私どもの持っている行政的なニーズというか任務をあわせて、きちっとした原子力行政に取り組んでいきたいと思います。

 いずれにしても、今後とも、ますます多くの課題が出てくると思いますが、規制委員会が中心になりまして、規制庁ともども全身全力をもって取り組んでまいりたいという覚悟でおります。

鈴木(淳)委員 今お話がありましたけれども、大変に厳しい新規制基準の中で、今、適合性審査が行われております。よくテレビのニュースでも拝見をします。こうした中で、もちろん頑張ってやっていただいていますが、ある面で、この新規制基準への適合をクリアすればもうこれで大丈夫だ、そうした形の、よもやないとは思いますが、事業者の側にそうした新たな安全神話が生まれる可能性はないのか、ここまでやったからという。それでは元も子もありませんね。

 ある面で、規制する側もされる側も、この機会に、新たな原子力規制の文化をつくっていく、安全文化をつくっていく、こういう強い決意の中で、新規制基準の達成はもとより、それにとどまらない安全性の追求ということに取り組まなきゃいけないと思うんですが、この適合性審査そのものがある面で新たな安全神話につながるおそれはないのか、それについての御所見をお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、新たな規制に適合することが次の安全神話につながるということは、絶対避けなければいけないことというふうに考えております。

 私どもが求めております新たな規制は、規制として、安全を確保する上で最低限の性能要求であります。事業者においては、この規制基準を超えてさらなる安全を追求していただきたいということを、審査の過程でも再三申し上げているところであります。

 と同時に、具体的には、制度的には、今回の規制の中ではバックフィット規制というのがございますので、新たな知見あるいは新たな経験が得られた段階で、適宜それを見直して事業者にバックフィットを求めていくというようなことで、決して安全神話にならないようにするということであります。

 と同時に、安全文化というものは、これは単なる技術的なものとか規制だけで確保できるのではなくて、やはり経営を含めた事業者の心構えというのも大変大事ですので、そういった点につきましては、機会を見つけて私の方からも適宜発信していきたい、そういうふうに考えております。

鈴木(淳)委員 今お話のありました、新たな安全文化の構築でありますが、それについてお尋ねしたいと思います。

 規制委員会のミッションは、一言で言えば、原子力利用における安全の確保を図る、そして同時に、原子力に対する確かな規制を通じて人と環境を守るということでありましょうけれども、しからば、その安全とは一体何をもって安全と言えるのか、そういう問題であります。

 格段に厳しい規制基準を設けようが、それをクリアしたからといって、決して安全ではない、リスクはゼロではない。こうした中で、従来は、ある面で、それと向き合うことを避けて、ここまで来たから大丈夫かと、思考停止。

 これ自身が安全神話であったかもしれませんけれども、これからは、その反省の上で、どこまでやってもリスクは存在する、そのリスクをどこまで低減させて、それを許容可能な水準までどうやって抑制できるのか。さらには、一〇〇%の絶対安全というものはあり得ない中で、社会が受ける便益との比較考量の中で、許容できるリスクというのは果たしてどの程度のもので、今後の原子力安全規制のあり方として、どのような考え方のもとに安全を確保していくのか。それを同時に国民の大多数が受容するための世論形成、社会的合意に至るまでの工程についてどのようにお考えか、お聞かせいただければありがたいです。

田中政府特別補佐人 原子力の安全規制と今おっしゃいますが、どちらかというと、リスクを低減する規制であるというふうに御理解いただいた方が正しいのかもしれません。

 そういう意味では、私どもも、リスクは決してゼロにならないのだという認識のもとに、残されているリスクをどうやって低減させるかという活動を、規制当局、事業者、両方の任務になりますけれども、双方が継続的に取り組むことが最も重要なことであるというふうに思っております。

 こうしたリスクはゼロではないという議論は、我が国ではこれまでなかなか表立ってできなかったんですが、今回の、私どもが発足に当たりまして、やはりそういう認識をきちっと持つことが、正しいというか、国際基準に照らしても、適当な規制ができるのだというもとで、安全目標というような議論も委員会の場で何回も議論させていただきました。

 具体的に申し上げますと、安全目標としては、現在のところ、最悪の事故、想定外と言ってもいい、そういう言葉は余り適当ではないんですが、そういった場合でも、セシウム137の放出量が百テラベクレルを超えるようなことのないようにする。具体的な装置としては、例えはドライベントシステムを設けるとか、そういうことも含めまして、そういうことを求めています。それから、発生頻度ですが、これも、百万炉年に一回程度。この値自身は、国際的な基準と照らしても、最も厳しいレベルにあります。

 これを我が国社会がどういうふうに受け入れていただけるか、私が申し上げることはなかなか難しいことでございますが、いろいろな機会を捉えまして、こういったことを丁寧に説明していきたい、そのように考えています。

鈴木(淳)委員 それでは次に、規制当局の機能強化と人材育成の方策についてお尋ねしたいと思います。

 これまでの日本の原子力行政の反省でありますが、規制する側とされる側の逆転、いわゆる事業者のとりこということでありますが、これから脱却するためには、何といっても、規制当局の機能の強化、そして、規制する側の人材の育成が必要であることは間違いないと思います。

 福島第一原発の汚染水問題、さらには廃炉に向けての工程、この対策を進めるために、今後ともさまざまな課題があろうと思いますけれども、こうした課題をできるだけオープンにして、世界の規制関係者と課題を共有しながら、この過程を通じて、ある面で海外の知見を得たり、さらには規制にかかわる海外の専門家との直接交流を行う、そうしたことが日本のある面での規制に対する信頼につながり、規制委員会の人材育成、人材の強化につながるのではないか、こういう指摘をする識者がありますけれども、これについてはどうお考えでありましょうか。

田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、今回の国会事故調査委員会の御指摘がありますように、規制当局の専門性が事業者より劣っているために、そのとりこになってしまったという御指摘がございます。

 専門性を高めるというのは、そう簡単なことではないんですけれども、今般の原子力安全基盤機構との統合によって専門性を高めるということは、大きな第一歩であろうと思います。と同時に、今御指摘のように、海外に向けて、海外との協力を積極的に図っていくということも大変重要であるというふうに考えています。

 発足当初から、アメリカとフランスとイギリスの規制のトップを、OBになりましたけれども、三人の方に、国際アドバイザーとして、私たちの新たな規制についての助言等をいただいております。また、現在、IAEAとか、そういった国際機関が主催する各種の原子力規制に関する国際会議にも積極的に出席して、そこでも御意見をいただいております。また、我が国以外、世界八カ国の規制トップ会合というようなものも年に二回ほどありまして、ことしはもう、昨年からですけれども、ほとんど福島事故の後の日本の規制がどうなるかということが世界の関心事でございますので、そういったことについても、きちっと私どもの考えを示して、いろいろな御意見をいただいているところであります。

 こういった取り組みをよりきちっと進めるために、主要な各国とは協定も結んで情報交換等も行っておりますが、これからも引き続き海外からの知見の取り込みを積極的に実施し、また、私どもからも、海外のそういったすぐれた知見、経験を学ぶために、人材をできる限りたくさん出して、教育を進めていきたいと思います。

鈴木(淳)委員 ぜひ、この機会に、まさに海外とのしっかりとした交流も含めて、人材強化に努めてほしいと思います。

 それでは次に、福島第一事故発生以来の膨大なデータの管理についてお尋ねをしたいと思います。

 事故発生と、その後の事故収束に向けた過程における、例えば放射線量の推移等、福島第一原発の事故にかかわる一連の膨大なデータというのは、実は、後世にとってもとても大事な資料であろうというふうに思うわけでありますけれども、こうしたデータをどこが責任を持って管理するのか、データの管理において規制委員会が果たし得る役目とは一体何か、これについて御見解をお聞かせください。

田中政府特別補佐人 御指摘の福島第一原子力事故に関するデータの蓄積は、大変重要な点であるというふうには認識しております。

 規制委員会としては、原子力事故調査や対策の検討、検証に用いました資料等については、行政文書としてしっかり管理すると同時に、原子力規制委員会のホームページでも積極的に公表を行っており、こうした取り組みは継続的に取り組んでいきたいと思います。

 ただ、今、全体の責任はどこが持つべきかということについては、必ずしも明確ではございませんが、関係の部局、あるいは、東京電力も含めてですけれども、それぞれの取り組み等において責任を有するところが、当面は、その所掌に応じてしっかりと管理、対応すべきものと思っております。

鈴木(淳)委員 それでは次に、モニタリングの結果に対する信頼性の確保についてお尋ねをしたいと思います。

 かつて、福島原発の視察に行った際に、漁協の関係者から、いわゆる東電のモニタリング結果に対する信頼性の確保のために、ぜひ国によるオーソライズということを求めたいという要請がありました。

 規制委員会は、モニタリング結果の一元管理をする中で、こうしたデータの信頼性を高めるためにどう取り組みをしようとされているのか、お聞かせください。

黒木政府参考人 お答えいたします。

 放射線モニタリングにつきましては、政府全体のいわゆる司令塔的機能を原子力規制委員会が担っております。したがいまして、東京電力を含め、各機関が実施したモニタリングの結果につきましては、原子力規制委員会として、取りまとめ、評価、解析を行い、一元的に公表いたしているところでございます。

 海洋モニタリングの信頼性向上につきましては、規制委員会のもとに海洋モニタリングに関する検討会を設けまして、外部有識者による海洋モニタリング評価を行っているほか、我が国の海洋モニタリングにつきまして国際的な信頼を高めるといった観点からの取り組みを、国際原子力機関、IAEAと連携して行っていくことといたしております。

 いずれにせよ、モニタリングの信頼性を高めるための取り組みを引き続き実施してまいる所存でございます。

 以上でございます。

鈴木(淳)委員 レギュラトリーサイエンス、規制科学という言葉があるそうです。福島第一原発の事故という大変過酷な経験、現実を経て、我が国がその後の混乱とまさに模索の中で懸命に取り組むことによって、原子力規制における新たな安全文化を構築することにつながった、こう言われるように、ぜひともこれからも頑張っていただきたい、そんな期待を込めて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

森委員長 次に、菅家一郎君。

菅家委員 自由民主党の菅家一郎でございます。

 発言の機会を与えていただき、心から御礼申し上げたいと存じます。

 福島第一原発事故の対応について、何点かお伺いしたいと存じます。

 まず、原子力規制委員会の、帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チームは、十一月十一日の会合で、東京電力福島第一原子力発電所の事故で避難を余儀なくされた住民の帰還を支援するための報告書である、帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方(案)が提示されたわけであります。

 住民が帰還するに当たっては、当該地域の空間線量率から推定される年間被曝線量が二十ミリシーベルトを下回ることは必須の条件であるとし、長期的目標として、個人が受ける追加被曝線量が年一ミリシーベルト以下になるよう目指すこと、住民の帰還に当たって、被曝線量については、空間線量率から推定される被曝線量ではなく、個人線量計等を用いて直接実測された個々人の被曝線量により評価することを基本とすべきである案が了承されたと伺っております。

 まず、この案の取り扱いについてどのように今後対応されるのか、お示しいただきたいと思います。

田中政府特別補佐人 本検討会は、原子力対策本部の会議におきまして、復興大臣から私の方に、避難している住民の皆さんが復帰するための方法について検討していただきたいということを受けまして、検討を進めているものでございます。

菅家委員 特に線量のはかり方、これについては、現在、二十四時間のうち、屋内に十六時間、屋外に八時間いると仮定して推計してきたわけでありますが、今後は、線量計を装着し、個人の行動に応じて実際の線量を測定すること、これが大きな見直しだ、このように私は思うわけであります。

 今までは、年間積算線量が一から二十ミリシーベルトを下回ることを目指して、いわゆる除染作業等を行って対策を講じてきたわけでありますが、今後は、個人線量計等を用いて直接実測された個々人の被曝線量だ、こういうことになるわけなんですね。ですから、今までの年間積算線量の基準が見直されるわけです。

 そういう意味で、今までの除染作業とかあるいは避難準備区域の線量の基準とか、こういったものが政策的に個人の生活の実態に合わせた線量に大きくかじを切るのかどうか、この辺のお考えをお示しいただきたいと思います。

田中政府特別補佐人 今まで、空間線量による対策というものは、極めて緊急の事態を想定した上で、全体的な方針として空間線量というのをある種の仮定を置いてやってきたんですが、実際に、この段階に、二年八カ月たちまして状況はある程度落ちついてまいりましたから、これはもう個人一人一人が受ける線量をきちっとモニタリングするということの方が大事であって、国際的にもそういうふうなことが求められております。

 単に線量をはかるということではなくて、私どもの報告書の中でありますように、測定結果に基づいて、一人一人、同じ家族でも線量は行動パターンによって随分違いますので、その原因とか、被曝量を低減するためにどのような生活をしたらいいのかとか、そのことによって心配があれば、そういったことについて、福島県医師会の協力も得て、医師会とか保健師さんとかいった方と気軽にきちっと相談ができるようにするとか、そういったこととあわせてそういった方策を進めていくということで、今、提言をまとめつつあります。

菅家委員 いわゆる年間積算量が一から二十ミリシーベルトを下回る、まずは、年間二十ミリシーベルトを下回ることが実は住民が帰還するに当たっての基準なんですね。ですから、二十ミリシーベルトというのはそんなに低い数字ではないし、今避難されている方が帰還するのに、安全、安心からすると、例えば十八にしても十九にしても、これはやはり非常に不安な環境にある。ただ、生活する実態は低いからいいんだということなんですけれども、私は、やはり住民の理解が得られるか心配です。

 先ほどの確認なんですけれども、一から二十ミリシーベルトの中で今まで基準を持って除染活動をしてきましたが、それは今までと同じなのか。個人線量に変わったならば、今までの除染の仕方は変わるのか。その点、ちょっとお考えをお示しいただきたいんですけれども。

田中政府特別補佐人 少し正しく御理解いただきたいと思うんですが、今、国の基準は、いわゆる現存被曝状況、二十ミリ以下から一ミリの間であれば、避難によって受けるいろいろなマイナス要因がございます。避難した後からでも、千人以上の方が避難生活の中で亡くなられたという報告もあるぐらい大変な問題があります。

 ですから、まず、私どもが今申し上げているのは、二十ミリシーベルト以下になるというのは必要条件である、十分条件ではありませんということを報告書の中で書かせていただいています。長期的には一ミリシーベルトを目指した努力をすべきだということですから、除染も含めてそういったことを続けていっていただきたいという考えであります。

菅家委員 では、確認なんですけれども、いわゆる空間線量といいますか、そういう今までの年間積算線量の基準を尊重して、当然一ミリシーベルトに持っていくための除染活動をするんだよと。今回見直しをして、まさに個人的な測定器をつけて、その実測値ではなくて、年間、今までと変わらない、除染的な作業も今までどおりだ、こういうふうに理解してよろしいのかどうかです。

井上副大臣 除染のことなので、私の方からもお答えをしたいと思っております。

 まず、大前提である、長期的な目標である年間一ミリシーベルト。田中委員長の答弁にもありましたが、これは空間線量ではなくて追加被曝線量であるということです。そして、この一ミリシーベルトは、除染だけではなくて、モニタリング結果の活用とか食品の出荷制限などを含めた総合的な対策を講じることによって目指すものと考えております。

 除染作業につきましては、適切な手法により実施をし、計画に基づく除染によって放射線量を下げられるところまで下げることとしております。

 その上で、仮に新たに汚染された地点があった場合などは、必要なフォローアップ除染を行うなど、個別に対応をしているところであります。

菅家委員 そうだとすれば、今、福島第一原子力発電所の立地する、例えば大熊町ではこういう意見も上がっているんですね。帰還促進を狙っているんじゃないかとか、あるいは危険なところに帰すつもりなんじゃないか、そんな報道もあって、こういう懸念の声も実は上がっているんですね。

 いわゆる二十ミリシーベルト以下なんだけれども、実態の生活は、実測として低いから大丈夫だということなんでしょうけれども、そのエリアが二十前後、十七、八のエリアで、やはり不安。外に長くいなきゃいいだろうとか、うちの中にいればいいだろうとか、そういうので大丈夫だというのに対する、やはり、長期避難者が帰還するのに一番の不安感だと思うんですね。

 やはり、その地域が安全な、それはどういう基準が安全かというのは非常に難しい概念だと思うんですけれども、一ミリシーベルト以下に除染していこうという今までの計画があったわけですから、そういう意味では、避難されている方の中には、今までどおり一ミリシーベルト以下を目指して除染作業をして、安全な地域をもって帰還してほしいという声も実はないわけじゃありませんが、これからそういう声を踏まえて、この計画でいくのか、やはりその辺は尊重する考えがあるのか。では、そこだけお聞きしたいと思います。

田中政府特別補佐人 若干繰り返しになりますけれども、二十ミリシーベルト以下は必要条件であって、実際に御帰還されるかどうかということは、いわゆる社会的なインフラとか、戻っても仕事がないと戻れないとか、その町のいろいろな御事情がありまして、例えば、川内村も帰還をすることを決めましたけれども、まだ全員戻れるような状況にはなっておりません。

 ですから、最終的には住民の方がそれを御判断されるものと思いますが、いわゆる放射線の問題だけで帰還の問題が図れるのではなくて、住民の方々もいろいろな御意見がございますので、そこは住民の方々の個々人の判断を尊重しながら、いろいろな意味で総合的に帰還できるように図っていくということが大事ではないかということで、そういう趣旨でまとめさせていただいていますので、ぜひ先生の御尽力もお願いしたいと思います。

菅家委員 それでは、こういった条件、見直しの条件の中で、やはり、ああ、いいですよと帰還する被災者も中にはいらっしゃると思うし、ああ、帰れてよかったと。もう一つは、やはりすごく不安だと。これは、戻らない被災者も恐らく現実的には出てくる可能性は僕は高いと思うんですね。

 その場合、支援のあり方というんですか、こういう条件でも戻る被災者と戻らない被災者がいるわけで、そういった意味での、被災者の生活支援を打ち切ったり、移住するような選択肢を奪うようなことになればいろいろな反発が強まると思うんですが、帰還する、帰還しない、そういう被災者に対する対応についてお考えをお示しいただきたいと思います。

磯崎大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。

 今週十一日、与党の方から、原発事故からの復興加速化について、政府の方に御提言をいただきました。菅家委員は、党の原発事故被害者の生活支援及び事故収束等に関する委員会で事務局次長ということで、この提言に深く関与されたということで、心から御礼を申し上げたいと思います。

 従来は、早期帰還を実現するためにどういう政策をとったらいいのか、こういうことが軸足として検討されてきたかと思いますけれども、いただいた提言の中では、早期帰還を実現するための支援策とともに、帰還よりも新しい生活を選びたい、そういう人々に対してどう判断材料を提示し、支援策を行っていくのか、こういった観点でも検討するべきだということで、重要な御指摘をいただいているわけでございます。

 また、一昨日、十二日でございますけれども、閣僚懇談会におきまして総理の方から、各閣僚に対しまして、政府として与党提言をしっかりと受けとめ、各閣僚は直ちに課題への対策について検討に着手するよう指示があったところでございます。

 与党からの提言を政府全体で真剣に受けとめまして、福島の復興加速に向けて、復興庁等としっかりと連携しながら、具体的な対策をこの面につきましてもとっていきたいというふうに思っております。

菅家委員 大変心強い御答弁をありがとうございます。第三次提言の実現に向けて、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 では、次に行きます。

 実は、あの原発事故が起きたときには、私は会津若松の市長をしていまして、大熊町などの避難民の方の受け入れをしてきました。現在もかなりの、数千人の方が仮設住宅、借り上げ住宅に避難生活をされておられますが、地下水の汚染水漏えい事故というのは非常に皆さんショックで、早期収束、早期帰還の期待が裏切られた、そんな思いの方がたくさんおられますし、農林漁業関係者も深刻な風評被害で苦しんでおられます。

 そこで、安倍総理が、汚染水問題は東電任せにせず、政府が前面に立って解決に当たる、このように表明されました。大変心強いメッセージ、地元福島県民は大いに期待しております。

 そこで、その具体的な今後の対策、対応についてお示しをいただきたいと思います。

磯崎大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。

 二年半前の事故直後から、汚染水問題につきましては、どうしても対応が後手後手に回るということで、東電任せでモグラたたきのような状況が続いていたというのが現実かと思います。

 我々としましては、政権交代後すぐに汚染水対策の取り組みを進めまして、四月には汚染水処理対策委員会を立ち上げて、五月には緊急対策や抜本対策をまとめて、早急に実行を指示してきたところでございます。

 ただ、やはりその後、七月に地下水の港湾への流出、あるいは八月にはタンクからの三百トンの汚染水の漏えい等がありまして、これまでの東電の対応では不十分ということで、東電任せではなくて国が前面に出る必要があるということを判断したわけでございます。

 この、国が前面に出るということにつきましては、汚染水問題の解決策を立案するということ、それから、事業者による対策の進捗管理を行う、さらには、国の財政措置によって事業を行うなど、さまざまな面があるわけでございますけれども、全てを東電任せにするのではなくて、国としてやるべきことはきちんとやっていくというのが我々の姿勢でございます。

 では、やるべきことは何かということにつきましては、具体的には、廃炉、汚染水問題の全体の進捗管理を行っていくこと、それから、技術的難易度が高くて国が前面に立って取り組むべき対策につきましては、予備費も活用しながら資金的な支援をしていく、それから、やはり国内外へ正確な情報を発信していく、こういうことが必要だというふうに思っております。

 政府が一丸となって取り組みを進めてまいるとともに、また、汚染水対策につきましては潜在的なリスクもあるわけでございますので、これもいろいろなところで答弁をさせていただいておりますが、予防的かつ重層的な対応策をとっていくということも国としての大きな役割である、そのように思っております。

菅家委員 どうかひとつ前向きに、積極的に取り組んでいただきたいとお願いを申し上げたいと思います。

 そこで、もう最後の御質問ですが、いわゆる原子力規制委員会原子力規制庁福島第一原子力規制事務所の役割なのでありますけれども、今、いろいろな問題、人為的ミス、トラブルが相次いでおりますから、この福島第一原子力規制事務所の役割は、ほかの、原子力発電所の一つという位置づけではなくて最重点事務所である、事故を防ぐ、そういう位置づけである、当然そうだと思いますが、ますます重点にすべきであろうと思うのであります。

 そして、やはり未然に防ぐ。後手後手じゃなくて、いろいろな課題を未然に防ぐためには、そのスタッフは、さまざまな、収束に向ける有為な人材、専門的な人材をさらに積極的に登用して、そして、今後ミスがないような対応に万全な組織で対応すべき、このように思いますとともに、今度は、事務所の組織的な位置づけ、権限、責任、これもさらに強化をして、現場での対応に万全に取り組む必要がある。

 そして、最後には、東京電力と連携を組む。いろいろな課題に、ともに知恵を出し合って、事務所のスタッフは高度な専門で、東電と連携を組んで、事故、ミスを一切起こさないという高い意識で臨んでいただきたい、このように思いますが、御見解をお示しいただきたいと思います。

田中政府特別補佐人 福島第一原子力発電所の規制は極めて重要であるという認識は、常々私も申し上げておりまして、できる限り、スタッフの強化、あるいは専門性を持った非常勤の方の御助力なんかをいただきながら努めておるところでございます。

 ただし、東京電力と一体になってということになりますと、これは規制委員会としての立場を失ってしまいますので、そこはおのずと限界があります。規制という立場で、私自身も経産大臣のもとにつくられている会議等々にも参加させていただいておりますので、できる限りの最善の努力は行っていきたいということをお約束したいと思います。

廣瀬参考人 お答え申し上げます。

 現在、福島第一に詰めていただいている保安検査官の方々は、常時七、八名の方がいらしていただいて、毎朝、私どもは、きょうはこういう仕事をする、こういう工事があるということの報告、それから毎夕、本社ともつないだテレビ会議にも参加というか傍聴していただいて、とにかく情報を共有するということに努めていただいております。

 それから、当然、ずっと免震重要棟にいらっしゃるわけでなく、パトロール等に出ていただいていますので、その過程でいろいろなことに気づかれたりというようなことについては、いろいろな御指示であるとか御指摘をいただいておりますので、それにしっかり応えていくということで、私どもとしては、とにかく情報を、何かあったらすぐに保安検査官の方にお上げして適切な指示を仰ぐとともに、それを我々としてすぐ行動に移していくというような形で、これからもしっかりやっていきたいというふうに思っております。

菅家委員 ぜひ、二度と後手後手にならないように、ミスを未然に防ぐということで、万全な体制で取り組んでいただくことをお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

森委員長 次に、中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 私、今回、原子力問題調査特別委員会へ初めて所属をさせていただきます。本委員会の設置の趣旨は、原子力の規制当局の動きをしっかりと国会が監視をする、チェックをする、こういう役割である、このように理解しておりますので、本委員会がその役割を果たせるように、しっかりと頑張ってまいります。どうかよろしくお願いいたします。

 では、早速質問に入らせていただきますけれども、まず、先ほども話題に上りました、十一日に規制委員会の方で示された、帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方の案、これについて幾つか質問をさせていただきます。

 この考え方によりますと、私の理解している限りでは、従来は、空間線量率の方から推計をされる年間積算線量、これの一ミリシーベルトを目指す、こういうことをやっておりましたけれども、今後は、個々人に着目して、個人が被曝をする線量、これの一ミリシーベルトをしっかりと長期的に目指していこうじゃないか、こういう打ち出しがされたもの、こう私は理解をしております。

 私も何度も福島県の方には伺いました。私、選挙区の方は兵庫ではありますけれども、復興に向けて福島に何度も参りまして、立ち入り制限区域の中で実際に除染の活動をされている、そういうところの現場も見てまいりましたし、空間線量の一ミリシーベルト、なかなかここに到達をしない、こういう住民の皆様の御意見も伺ってまいりました。

 私自身は、本来、被曝線量というのは、空間線量から推計をした値というのはあくまで推計値でありまして、安全サイドで計算はされているとは思うんですけれども、これはあくまで推計値。そういう意味では、本当に大事なのは、個々の方がどのくらい被曝をするのか、これが一番大事だとは思っておりまして、今回の措置、規制庁の考え方というのに反対をしているわけではないんですけれども、ただ、現場で、やはり受けとめ方がさまざまある、これも事実であるというふうに思います。何よりも、住民の皆様が本当にこのやり方で安心ができるのか、その安心をいかにしていただくか、これが大事だというふうに考えております。

 例えば、個人線量の場合、生活の仕方、どういうところを動かれるか、どういう区域に入られるか、あるいは家屋の状況、いろいろな状況で線量に大きくばらつきが出るのではないかというふうに思います。例えば、家屋の中に入っていれば安全かといいますと、今、いろいろな家屋でネズミが物すごく出ていて困っている、こんな話も伺ったりします。ネズミというのは、どぶとか、いわゆるああいうホットスポットのようなところもよく行きますし、ふんがいっぱいばらまかれていたり、家屋の中といってもいろいろな状況があるというふうに思います。

 ですので、住民の皆様に安心をしていただくためには、個々人の線量をしっかりと管理する、そして個別の状況に応じてしっかりと対応する、きめ細やかに対応する、こういうことをしないといけないと思います。

 帰還者の線量管理について、具体的にはやはり国がしっかりと責任を持ってこれをやるべきではないかと私は思うんですけれども、具体的な線量管理のあり方、どのようにやっていく予定であるのか、環境省の方に来ていただいていますので、これを質問したいと思います。

塚原政府参考人 お答えします。

 住民の被曝線量の把握、特に個人線量計を用いた測定は、実際に個々の住民の方々が受けた被曝線量をより正確に把握する上で非常に重要な課題と認識をしております。

 福島県では、国が交付金を拠出しました基金を活用して、平成二十三年度から、県内の市町村が実施をいたします、子供及び妊婦を対象とし、個人線量計を配付する事業に助成をしてきております。

 これらのデータは各市町村が管理をしておりますけれども、バッジ式線量計で得られた測定結果につきましては、福島県立医大が整備をすることとなっておりますデータベースに、健康管理調査の結果とあわせて保存をされまして、住民の方々の長期的な健康管理に活用されることになっております。

 一方、帰還に向けました対応といたしましては、国の事業といたしまして、避難指示が解除された区域に帰還する方々を対象に、個人線量計を配付いたしまして被曝線量を把握することとしておりまして、平成二十六年度の概算要求に盛り込んでいるところでございます。

中野委員 ありがとうございます。

 帰還される方の線量管理というのは非常に重要だというふうに思いますので、しっかりと責任を持ってやっていただきたい、こう要望させていただきます。

 また、もう一点、個人ごとに線量をはかるという形になりますけれども、例えば、私も線量をはかりましたけれども、地面に置くと非常に高線量ですけれども、割と高い位置だとそんなに線量は高くなかったりとかいたしました。例えば子供、大人より低い位置で活動したり、あるいは砂場に行ったりいたします。あるいは、子供もそうです、妊娠されている女性とかもそうですけれども、より放射線の影響について慎重にならないといけないような方はいらっしゃるというふうに思います。

 この提言を見る限りでは、割と一律に、個人一ミリシーベルトというような形をお見受けいたしまして、こうした子供に対する配慮、あるいは妊娠されている方とか、こういった方について、私はより慎重に配慮をしていくべきであるというふうに考えますけれども、これについて、原子力規制庁、どういった御意見か、お伺いしたいと思います。

森本政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の提言、まだこれから規制委員会でも御議論いただくということになっているんですけれども、それぞれの方の生活実態に合わせてやるということがポイントでございますので、今おっしゃったような観点も重要かと考えてございます。

 内閣官房で、二十三年十二月に、低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループというのがありまして、そこで子供や胎児への影響につきまして報告がなされてございます。少し引用させていただきますと、「小児期・思春期までは高線量被ばくによる発がんのリスクは成人と比較してより高い。」ものの、「低線量被ばくでは、年齢層の違いによる発がんリスクの差は明らかではない。」こういうふうにされてございます。

 されてございますけれども、最初に申し上げましたように、避難指示の解除に当たりましては、子供や妊婦さんも含めまして、個々の生活実態に応じたきめ細かな相談であるとか指導であるとか、さらに防護措置といったものが必要だというふうに考えてございます。

中野委員 ありがとうございます。

 また今後、提言を取りまとめていくと思いますので、しっかりとこうした観点も考えていただければというふうに思います。

 もう一点は、内部被曝について少しお伺いをしたいと思います。

 私、以前、福島県に行きまして、今流通をさせている農産品の放射性物質検査を行っている様子を拝見いたしました。風評被害も含めて、大変な御苦労、御努力をされている、こういう現場を見ました。

 現在、県内の方で、例えばホール・ボディー・カウンターで内部被曝の検査をしても、ほぼ全員が一ミリシーベルト以下、こういう結果がしっかり出ているわけでございます。流通しているものに関してはとにかく安全性というのをしっかり検査している、こういう認識をしております。

 私が福島に行ったときに、もともと福島の原発の現場で働かれていたような方からも少しお話を伺ったこともございまして、この内部被曝というもの、放射線管理区域では、飲食なども含めて、やはり非常に厳しく当時規制をされていた、こういう話も伺いました。そういうことを考えると、帰還をするに当たっても、やはり内部被曝のリスク、こういうものが非常に気になる、こういう御意見もいただいたところであります。

 住民の皆様が帰還をして、流通しているものは放射線の検査はしっかりやるわけでありますけれども、例えば自家栽培のようなものもあるでしょうし、いろいろな、そうした管理をしていないものに触れたり、あるいは口にしたり、こういう可能性もあるのではないか、こういうふうに懸念をしておりますけれども、今後、内部被曝についてどういった対策をとるか、どういった検査体制をとっていくおつもりか、原子力規制庁のお考えを伺いたいと思います。

森本政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の提言、まだ規制委員会でこれから御議論いただくことでありますけれども、基本的にはきめ細かな取り組み、個々人に沿った取り組みというのが重要だということでございます。そうした中で、今先生から御指摘のあった食品による内部被曝にも取り組んでいく必要があるというふうに考えてございます。

 規制委員会では、今後、住民の帰還に当たって、自家栽培、自家消費作物等の放射能濃度の測定を簡易に行うことが可能な仕組みを充実させるということが必要でないかといったことについて検討してございます。

 例えば、今の提言案の中にございます、相談員といった方がいらっしゃいますが、そういった方を通じてそういった自家消費作物等の放射線管理といったものを図っていくというのも一つの方法かと考えてございます。今後、さらに検討をさせていただきたいと思います。

中野委員 ありがとうございます。

 この内部被曝のリスク、これも今後しっかりと対応していっていただければと思いますけれども、私は非常に、原子力災害、今回いろいろな現場に携わらせていただきまして思いますのは、放射線のリスクに対する不安の声というのは、発災からもう三年近くたとうとしております、しかし現在、今なお払拭されていない、これが大きな課題であるなというふうに思います。

 これは、地元の住民の方、もちろん、東京電力に対する不信感、あるいは政府そのものに対しても不信感というものが根強くあるというふうに思うときも多々ございますし、結果として、住民の皆様にとってはいつまでたっても不安が払拭をされない、物すごいストレスを感じながら生活をされている、そういう現実を本当に目の当たりにいたします。

 やはり、住民の皆様の不安を払拭する、リスクコミュニケーションのあり方というか、こういうものを抜本的に見直していかないといけないのではないか、こういう思いがございます。例えば、いろいろなことがありますけれども、いろいろなアクシデントがあったときも、報道のされ方一つをとっても、非常に不安をあおるような形の部分がクローズアップをされてしまったりという部分もありますし、それを見てやはり皆様はすごく不安になる、こういうことがございます。もっと住民の皆様の身近なところで、皆様に寄り添っていけるような、そういったコミュニケーションのあり方、支援体制、こういうものを構築していけないと、安心して生活ができる、安心して戻っていける、こういう環境がなかなか整っていかないのではないか、こう思うんです。

 これは田中委員長の方に、今後の支援体制のあり方、どうやっていくべきか、どうお考えかというのをぜひお伺いしたいというふうに思います。

田中政府特別補佐人 今先生御指摘のリスクコミュニケーションは、大変大事なんですが、その方法はなかなか難しいということを私自身も、この規制委員会に来る前は地元で何十回となくいろいろな方とお話をさせていただきまして、身にしみております。

 大事なことは、やはり一人一人が、放射線に対する不安というのが、持ち方が違いますので、それにきちっと寄り添っていくということが大事になる。これはかなり手間暇はかかりますが、そういうことが大事だということと、顔とか名前とかを知っていただいて、ある種の人間としての信頼関係が必要になってきます。

 そういう意味で、今回提言させていただいていますように、個人の被曝線量を測定し、それを説明しながら、あなたはどうですよとかということを説明したり、どんな不安がありますかというのをお聞きして、どうしてもお医者さんの手助けが要るような場合はそういうところへ行くとか。それから、相談員と今私たちは呼んでいますけれども、さまざまな職種の方、区長さん、組長さん、そういった方にもなっていただいて、身近にそういった不安をぶつけていただけるような、そういうこと、専門家も常にそこに出入りしながらリスコミを図っていく。そんなことを繰り返さないとなかなかこの問題は解決しないだろうなというふうに思いまして、今、私どもの提言では、そういったことを含めて、そういったシステムをぜひ国として支援していただくようお願いしているところでございます。

中野委員 田中委員長、ありがとうございます。

 復興に向けて、やはり安心をしていただくという、これをどう確保するか、非常に大事な一歩になると思いますので、ぜひ力を入れて取り組んでいただければというふうに思います。

 少し話をかえまして、実は、今の国会でも法案審議中ですけれども、独立行政法人の原子力安全基盤機構、いわゆるJNES、これを解散させて規制庁の方に統合をする、この件について質問をさせていただきます。

 もともと規制庁自体は、独立性の高い原子力規制組織をつくる、こういう問題意識のもとに発足をいたしましたけれども、やはり規制当局と規制対象である電力会社、これがもともと余りにも距離が近過ぎて、それが弊害であった、こういう問題意識があったというふうに思います。

 ですので、この独立性を担保するためには、やはり規制庁としてしっかり人員として量も必要でしょうし、高い専門性というか質もしっかり確保する必要がある。こういう流れの中でJNESを廃止して統合をする、こういう流れになっていると理解をしておりますけれども、少し懸念をする点がありますので、質問をさせていただきます。

 一点目の量をどう確保するか、こういう点なんですけれども、現在のJNESは中途採用の職員も多いと聞いておりまして、五十歳以上の方がもう六割以上だ。私のいただいたデータでは、平成二十五年の四月一日の段階で、六十歳以上の方が全体の三分の一で百六十三人いらっしゃる。

 この人たちは五年たつとどんどん抜けていくわけでありますけれども、補充をしないといけない。しかし、原子力規制庁という組織は公務員ですので、普通の公務員としてどんどん採用していくわけですけれども、これをどういうふうにやっていくのかというのは一つの課題であるというふうに思います。

 そもそも、規制庁もJNESも合わせて数としては千人に満たない数でございますし、アメリカみたいに四千人のような大きな組織、これが必ずしも必要だとは思わないんですけれども、しかし、いずれにしても、高い専門的な知見を持っている人を公務員としてある程度の数をしっかりと確保していく、こういうことを今後やっていく必要があるわけですけれども、どのように行っていくつもりなのか、規制庁の御意見を伺いたいと思います。

森本政府参考人 お答え申し上げます。

 おっしゃるとおり、今回の統合で来られる方はかなり高齢の方がいらっしゃいますので、非常に専門性の高い実務経験のある方々でございますが、その方々が抜けた後どうするんだというのがございます。

 まず第一点には、その方々の持っている知見というものをできるだけ若い方に伝承していくという作業を、研修あるいは日々の業務の中で進めたいというふうに考えています。

 また、新しい人材の確保については幾つか考えてございまして、第一点は、新卒採用について、これまで力を入れるべく、来年度から採用試験の中に原子力工学分野というものを試験区分として新たに追加することを調整してございます。これによっていわゆる専門性のある方でやる気のある方をどんどん採っていきたい、これが一点目でございます。

 それから二点目は、実務経験の採用につきましては、これまでもメーカーとか電力会社などの現場経験の豊富な人を採用してきましたけれども、これに加えて、大学等の研究機関で研究業務に従事しているいわゆるポスドクの方、この方々についても募集対象に加えて募集したいと思ってございます。

 もう一つは、これらの採用される方がいわば、今後規制庁で働いていかれるに当たって、やる気がある職場というふうにするために、キャリアアップのメカニズムというのをやはりしっかりつくっていきたい。特にその際に国際性というのが重要だと思いますので、そういったところを高めていきたいと考えています。

 また、それをしっかりとこれから就職される方に見せることによって、新しい人材の確保を図っていきたいというふうに考えてございます。

中野委員 ありがとうございます。

 最後の質問でございますけれども、先ほどどう量を確保するかというお話をしましたので、最後に、どうやって原子力規制庁の職員の皆様の質を高めていくかという質問をさせていただきます。

 単に採用して実務を積ませていくだけでは、私は専門性の高い技術者が育っていくとは思いません。やはり質を高める努力、工夫、こういった取り組みが今まで以上に必要となるでしょうし、そうしていって初めて規制委員会というのが国民に信頼をされる組織になっていく、私はこう思いますけれども、この職員の質の担保、これからの向上、これをどうしていくおつもりか、これについて、最後、田中委員長にお伺いをしたいと思います。

田中政府特別補佐人 今回の原子力基盤機構との統合を機に、組織を改編しまして、人材の量と質、特に質のアップのための研修組織を、部門を新設いたします。と同時に、今、森本次長の方からもありましたように、国際機関とか海外の規制機関との交流、人的な交流も含めまして質のアップを図っていきたい、そのように思っています。

中野委員 以上で終わります。ありがとうございました。

森委員長 次に、中川正春君。

中川(正)委員 民主党の中川正春です。

 よろしくお願いします。

 田中委員長、ちょっと事前の通告はしていなくて恐縮なんですけれども、一番気になるところがありますのでお聞きをしたいと思うんです。率直に今の様子を話していただければありがたいんですけれども。

 しっかり国会に今出てきていただいていると思うんですね。時間的に、これは本当に今大事なお仕事をしていただいて、自分なりの知見と、それから、周辺のお話を聞いていただいて、いろいろな指示をしながらまとめていただかなきゃならない、そういう立場だと思うんですが、どうですか、国会に出てきていただいて答弁をする時間というのが、余りにも委員長を拘束し過ぎているんじゃないかなということですね。

 これは、皆さんの中でもそういう議論も出ていまして、一度御本人の話を聞いてみて、例えば、ここは主なる委員会になるんだと思うんですけれども、委員会によっては代理で、例えば副委員長とかなんとかというようなポストが決まっていれば、それで代理でというような話にもなるんだろうけれども、そんなルールづくりもひょっとして必要なんじゃないかなという気を回しているんですけれども、その辺、どうですか。現状をまずお話しいただければありがたいと思います。

田中政府特別補佐人 御配慮いただきまして、ありがとうございます。

 私は、原子力規制委員長の一つの大きな仕事は、やはり国会を通して、国会の皆さんにここでお話し申し上げることは国民に対しての発信にもなるということで、できるだけいろいろなやりくりをしながらというところも時にはありますけれども、そういうことで、一生懸命努めさせていただいておるところでございます。

中川(正)委員 大分遠慮をしていただいているなという思いです。また後ほど、オープンじゃなくて、しっかり情勢も聞かせていただければありがたいというふうに思います。

 私たちも真剣にそこはちょっと考えていかなきゃいけないのかなというふうにも思っていますので、そのことだけお伝えをしたいというふうに思います。

 その上で、少し質問をしていきたいんです。

 私も、さっきの話、空間線量、いわゆる追加線量から個人の被曝線量へ向いてという議論が前半ありましたけれども、そこについて、もう少ししっかりとした見解といいますか、それぞれの立場を詰めていきたいと思うんです。

 規制委員会、いわゆる検討会での提言というのは、空間線量率から個人線量計による実測値に切りかえるということで、これはIAEAでも指摘があったようにも私は思うんですが、個人個人の健康状態ということを中心にして、これでしっかり見ていかなければいけませんよ、こういうことだと思うんですね。

 そのことと、もう一方で、帰還困難区域の線引きであるとか、あるいは帰還の条件であるとか、あるいはまた除染の目標のいろいろな指標になっている部分というのは空間線量、追加線量であるわけですけれども、これとの関係ですね。

 個人被曝の部分がこうした基準へ向いて応用されて、その基準がその新しい個人被曝の数値をもって変えられてくるのではないだろうか。あるいは変えようとしているから、自民党の方から、それを応援する意味合いで、政府に対して同じような方向で助言があったのではないだろうかというような論調が、新聞にも見られますし、あるいは専門家の間でもそういう指摘がなされています。

 私は、これは違うんだろう。全く別な話で、やはり個人的な線量というのはそれなりに管理して、その管理の体制というのをどうしていくかということも含めて、これはこれで議論をしていくということ。そして、もう一方の、基準という部分については、これは空間線量でやっていかざるを得ないんじゃないかというふうに理解をしているんですけれども、そこのところは、委員長、どういうふうに判断されていますか。

田中政府特別補佐人 事故当初は、二十キロ圏は避難区域というような、そういう決め方をしましたけれども、先日、最終的に、川俣町の山木屋地区で最後になりましたけれども、三つの、今までやってきたやり方で、空間線量に基づく区域の見直しというのが図られました。それによって、二十ミリシーベルト以下のところは、今後、帰還できる町の状況を踏まえて、順次帰還をしていただくということになっております。

 そうなりますと、当然、お戻りにならない方もいるかもしれませんけれども、戻る方については、一人一人の個人線量というのをきちっとモニタリングして、それについて、きちっとその不安を解消するための努力をしていく必要があるということでございます。

 こういうやり方につきまして、区域の基準、見直しの基準、それから個人線量を実測、実効線量なんですけれども、これをはかるということについては、国際的にも、先日IAEAのミッションが来ましたけれども、ICRPあるいはIAEA、UNSCEAR、国連科学委員会、それからWHO、そういったところの勧告とも合っています、ですから、こういうことでやっていただきたいという御提言もいただいていますので、私は、こういうことで、ぜひ御理解をいただいていくことが大事ではないかというふうに思っております。

中川(正)委員 これまでも、個人線量というのは、それなりの対応をして、地方自治体も、とにかくカウンターを身につけて、それぞれ、そこに居住している皆さんの被曝線量というのをはかっていこうという体制はつくっていると思うんですが、それをどう管理していくか、あるいは、それをどう生かしていくかという部分が出てきて、この問題については一つの対策ということになるんだろうと思うんですね。

 そのことも含めて、これは政府のサイドだと思うんですが、政府のサイドがこれをどう進めていくかということと同時に、さっき申し上げたように、それはそれなんですよね。個人の健康管理をそれでしていくということは、これは正しいことだし、私はやるべきだというふうに思うんです。

 それはそれなんですが、そのことをもって、これまで空間線量で決めていた、いわゆる帰還困難区域だとか、居住制限区域だとか、避難指示解除準備区域、この線引きを、その新しい基準でもって、いわゆる個人被曝の、それをどういうふうに解析してどういうふうに求めていくかということは別にして、これまでの空間だけじゃなくて、あるいは空間じゃなくて、個人にとられたデータに基づいてこういう線引きの基準がなされていくということと同時に、それに付随する賠償の基準であるとか、あるいは帰還条件であるとかというような、そういう基準へ向いてそうしたものが使われていくのかいかないのかということ、あるいは、いくべきなのかそうでないのかということ、ここについてはっきりさせておかないと、いろいろな思惑が出てきますということなんです。

 今マスコミに出ている話を見ていても、大体、個人に置きかえて実測したらぐっとデータは下がるんだ、数値は下がるという可能性があって、下がるということは帰還がしやすくなるというか、そういうようなインセンティブになっていくけれども、もう一方で空間線量が高いということであるとすれば、それは一種のだましじゃないか、さらに不信感を住民の中に呼び込んでくるのではないかというふうな問題。こういうことがやはり指摘をされるでしょう。

 だから、それだけに、今の段階でこれをどう活用するかということについてははっきりさせておく方がいいですねというのが私の意図なんです。

 それについて、政府の方もそれをどう考えていくのか、そして、規制委員会の方も、どういうつもりで、どういう前提で今回の話をされたのかということを、もう少しはっきりと今の段階で言っておいていただきたい、こういう意図です。

田中政府特別補佐人 先ほども申し上げましたように、例えば、帰還困難区域というのは、戻って住んでいる住民がおりませんから、実測ができません。ですから、今帰還を準備している区域は、今の計算で空間線量の年間二十ミリシーベルト以下のところに戻る可能性があるということで、その場合にはきちっと個人の線量をはかってくださいということを申し上げています。

 ですから、これは私どもの所掌ではございませんけれども、帰還困難区域に戻れるというようなときには、今は帰還困難区域は五十ミリシーベルト以上になっていますけれども、二十ミリシーベルト以下にならない限りはそういうふうな状況には入らないということであります。

 では、二十ミリシーベルト以下なら何でもいいのかということではなくて、それは必要条件で、ちょっと繰り返しになりますけれども、やはり住民一人一人の判断と各自治体の判断が非常に大きな判断の材料になるだろうというふうに考えております。

赤羽副大臣 今、中川さんが言われたのは非常に大事な問題で、私も、今の経済産業副大臣を拝命してから毎週二日間、福島の被害地、現場に行かせていただいています。国会が始まると、さまざまな委員会に呼ばれて、なかなか現場に行けなくて大変苦慮しているので、冒頭の御指摘は大変いい御提案だ、こう思いますが、これは実は東京電力の社長にも同じことなので、本当に国会の良識として考えていただきたい。まあ、これはちょっと余談ですが。

 私は、やはりリスクコミュニケーションというのはすごく大事で、基準値は、年間線量二十ミリシーベルト以下で帰還、解除準備区域として定めている。この基準は基本的には変えるつもりはございませんし、そのことで決めている、前政権からも続いておりますけれども、賠償のスキームも、原則論は、基準を変えるということにはならないと思います。

 ただ、もちろん、発災当時の状況と、もう三年近くたった今、まさにこれから本格的な帰還を進めなければいけないというか、進めなければいけないというのはちょっと語弊がありますが、進むような状況になっているときに、状況は随分変わっている中で、さまざまな配慮がなければいけない。

 帰ったからといって、では精神的な賠償を打ち切るかといったら、なかなかそうも打ち切れない。また、家財、家に対する賠償も、この数年間で失われた部分の賠償といいますけれども、もともと古い家なので、そこの賠償をしてもなかなか、本当にそこに戻れない場合は、新しい家を買うことには大変距離がある。

 こういったことが今検討課題となっていて、そういった部分については審査委員会の方で検討が進められておりますので、前の仕組み自体を全く変えないということではありませんけれども、基本的な考え方、二十ミリシーベルト以下という、そこの基準はなかなか変えづらいんじゃないか。

 しかし、さはさりながら、先日も、田村市の住民集会に私も、三時間半ぐらい、四時間ぐらいかな、出席をしたんですが、二十ミリシーベルトで安全だといっても、それは理論上はそうだということなんだけれども、やはり当事者の皆さんはなかなかそれを受け入れがたい。一ミリというような話も前政権のときから出ているので、そのギャップをどう埋めるのか。二十ミリシーベルトだから帰れるよといったって、実際帰る当事者の皆さんにしてみれば、本当に自分の健康は大丈夫なのかどうかということで、個人の線量というアイデアというか考え方が出たのではないか。

 私は、健康の概念から、それは中川さんも御指摘のとおり、大変重要な観点だと思いますので、その辺をどう、このギャップを埋めていくのかが、これから我々政府としてやっていかなければいけない一番、大変大きなテーマなのではないかと考えております。

中川(正)委員 わかりました。ぜひ、そういう観点で議論を進めていただきたいと思います。

 さっきの話で、二十ミリシーベルトで基準を決めたよ、しかし、実測値はそれぞれ個々に直すとこういうことになっているんだということを表に出すだけでも、また違った効果といいますか意味合いが出てくるんだと思うので。個々に計測するということは、それは委員長が言われたとおり、実測値になるというふうに思います。そういう意味で、ぜひ進めていただきたいというふうに思います。

 それから、次に、汚染水の問題について移っていきたいというふうに思うんです。

 これは、平成二十三年の十月に東電から出された陸側の遮水壁の検討結果というのがあるんですね。その中で、上流部分へ向いて遮水壁をつくると地下水が下がる。下がることによって、今ある建屋の中の汚染水が逆に外に出てくるという可能性があって、そこのところが、答えが出ないというか解が出ないので、この上流の遮水壁に対してはコミットをすることについて逡巡していたというか、決断せずにそのままになっておったというふうな話が、この二十三年の十月に東電の方から報告書みたいな形で出ているんです。

 これは、現在どういうふうにそこのところは解釈されて、上流部分に遮水壁をつくるということは、そこが解決された上での話だと思うんですが、そこのところをどう克服していったかということをまずお話しいただきたいと思います。

廣瀬参考人 お答え申し上げます。

 まさに、汚染水処理の一つの大きな問題としまして、今、建屋に毎日四百トン近くの地下水が流れ込んでいるということ、それをどうやってとめるかということが最大の眼目の一つだと思っております。

 おっしゃるように、遮水壁、今考えられているのは凍土でやる方式でございますけれども、それをやりますと、かなりの効果があるのではないかというふうに言われているところでございます。したがって、水位は当然下がっていくわけですが、その段階において大事なことは、建物の中にたまってしまっている汚染水の水位と地下水の水位、今は地下水の方が高くなるから、中には入ってくるけれども外には出ないということになっておりますけれども、これを、こちらが下がるときに、こちらも抜いていかなければいけないということがございます。

 御存じのように、まず、地下水バイパスであるとか、あるいはサブドレーンから水を抜くとかということも含めて、にわかに一挙に下がりますと、それは対応できませんので、あわせて、建物の中にある汚染水をしっかり抜いていくということが必要だというふうに思っています。

 したがって、そのバランスが非常に、当然そのコントロールをしながらしなければいけないということでありまして、地下水の方が下になってしまうと外に出るという可能性がありますので、ゆめゆめ行かないように、行かないようにというふうにやっていかなければいけないと思っています。

 そういうための装置も今新たに開発しておりまして、そこのバランスをうまくとるような形で、実証実験も含めて、やっと今それができるようになってきたという段階でございます。

中川(正)委員 さっきの答弁は、それは技術的に既に確立されて可能になっている、そこをあわせて入れていきたいということでいいんですね。それと同時に、その水位というのはわかるんですか、中の水位というのは。わかるところまで、今、いわゆるロボットなりカメラなり入れて、あるいは何らかの形での計測器を入れて、わかるんですか。

廣瀬参考人 先ほど申しました装置については、間もなく、井戸を掘って、その水をコントロールする装置でございますけれども、それを今まさに実施しようとしているところでございます。

 それと、その水位については、毎日毎日、しっかりはかっておりまして、その出入りを見ております。当然、雨が降りますと、たくさん水が入ってきますし、そうしたことで、日々、コントロールをしております。

中川(正)委員 次に、これもきのうの報道なんですが、格納容器の破損箇所が二カ所確認されたということでありました。私も、新聞紙上で解説された中身しか見ていないんですけれども。

 結局、原子炉というのは、地震には耐えた、津波にやられたんだというのが定説であったんですが、この結果を見ていると、やはり地震によって破損されている、そこから漏水というか水が漏れているんだというふうにしか考えられないんだと思うんだけれども、ここのところはどういうふうに捉えたらいいんですか。これは委員長なんですか、わかっているところでいいですよ。

山本政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘ありましたものは、東京電力が、昨日ときょうと、トーラス室という中にロボットを入れて、破損状況を今調査しているという状況でございます。

 確かに、格納容器の下部から、漏水といいますか水が出ているという状況が、データとして得られているところでございます。ですから、まずは、この流出経路とか、水がどこからどこへ行っているのか、こういったところをしっかり調べていくということが必要だと思っております。

 それから、破損の要因が地震ではないかということでございますけれども、これはまだ、よく調べてみる必要がございますが、これまでのいろいろなデータで検討している中では、炉心が損傷することによって、格納容器、さらには、もう少し言いますと圧力容器そのものでありますけれども、非常に高温高圧の状態になって破損したのではないかということが言われております。

 御指摘のような地震のところの影響もあるかどうかも含めて、この破損状況をよく調べた上で調査研究をしっかりやっていきたいというふうに考えているところでございます。

中川(正)委員 これは新聞紙上の話なんですけれども、ベント管が一カ所壊れた、そこから漏れているという報道と、それからもう一カ所はドレーン管で、これは容器の周辺から出てきている水を集めて外に出していくというドレーン管なんですが、ドレーン管そのものが壊れているというよりも、ドレーン管に水が集まってきているということは、圧力調整容器がどこかで破損していて、そこから漏れてきた水がドレーン管に出てきているというようなことを解説した記事だと思うんですね。

 だということは、これは、さっきの話でいくと、熱で壊れたのか、それとも地震で壊れたのか、こういうふうに、客観的に見ると、私も門外漢ですから印象でしかないんだけれども、これはやはり地震でしょう、熱でこういう状況になるということじゃないんでしょうというふうに感じるんですよね。

 そこのところ、委員長、これはどういうふうに突き詰めていくんですか。

山本政府参考人 この辺の詳細につきましては、今後の調査研究をやっていかなきゃいかぬと思っておりますが、先ほど申し上げました熱といいますのは、炉心が損傷いたしまして、炉心が溶融状態になり、それが原子炉の圧力容器を突き破って格納容器の下部まで達しているであろう、これは推定でそういうふうに見られております。

 そうしますと、相当の高温高圧状態に格納容器の下部がさらされることになりますので、それによる影響も十分考えなくちゃいけないだろうというふうに考えているところでございます。

中川(正)委員 いずれにしても、余り納得のできない、いわゆる図式からいって、格納容器の下部が溶けて、その下へ行って、この話と、今、損傷が見つかったところの距離感と、それから図面の中での指し示しを見ていると、どうも何か無理やり熱に持っていこうとしているんじゃないか、そういう感じがしまして、どうも信じられないなという気がします。

 ですから、これはもう一回しっかりと検証していく必要があるんだろうということだと思いますし、もし、これが地震だということになれば、またここに新しい安全基準みたいなものの見直しというのはしっかり入らないといけないんだろうというふうに思うんです。

 恐らく、損傷している部分というのはここだけじゃなくてほかにもあるんだろう。たまたまここはカメラを入れて今見つかったということで、こういうところで見つかったら、恐らくほかも相当同じようなことでやられている可能性があるんじゃないかということは懸念されるものですから、そこのところの、地震ということに対しての耐久性というものをもう一回しっかり見直していく、そういう観点も必要なんじゃないかというふうに、これによって私は印象を受けたんですが、委員長はどう思われますか。

田中政府特別補佐人 大変申しわけありませんが、詳細な、どこの、図面関係とか、配管がどういった種類の配管かというのをまだ把握しておりません。例えばケーブルを通す配管であれば、当然、溶融燃料のような千度を超えるようなものが行けば溶けてしまって穴があいてしまうとか、そういうことも考えられますし、先生御指摘のようなことも含めて、いろいろな原因をもう少しきちっと調査しなければいけないというふうに思います。

 もちろん、地震によってそういうことが起こったとすれば、当然、規制委の方でもそこのところについては十分配慮していかなきゃいけないというふうに思います。

中川(正)委員 こういうところも含めて、トータルで今四百トンの水が漏れているということだと思うんですけれども、最終的には、これをくみ上げて、タンクへ入れて、ろ過して、きれいにして、何とかしなきゃいけないというプロセスなんですが、これは最終的な解決にはならない、なっていないわけですよね。

 漏えい箇所を特定して、いかにとめていくか、あるいはそれを安定させていくような形の方策というか、これをいかに見出していくかということだと思うんですが、東電としては、そこについてどういう見通しを今持っておられますか。

廣瀬参考人 お答え申し上げます。

 まさに御指摘のとおり、日量四百トン入ってくるものをいかにとめるかということで、先ほどの御指摘ありましたような遮水壁も含めてですが、まず、その四百トンをいかに少なくするか、できればゼロにするということだと思います。

 そうしますと、いわゆる汚染水はふえないで、何十万トンの状態かはわかりませんけれども、今三十七万トンぐらいございますけれども、四十万トンか五十万トンかわかりませんが、その状態で仮にストップすることができれば、そこで一旦スタティックな状態になります。

 現在、タンクは八十万トンまでつくれる計画を今持っておりますので、まずはそこの中でできるだけそれをとどめるというんでしょうか、とめたいというふうなのが一つございます。

 そうなった場合には、何十万トンかわかりませんけれども、タンクの状態でたまっていくわけですが、次には、御存じのようにALPSという多核種除去装置で、ためなければいけない状態をなるべく安全な形でためていくということになっていくと思います。

 ただ、トリチウムは取れませんので、トリチウムの処理については、今現在、汚染水処理対策委員会等でも御議論いただいているところですし、また、そうした技術を今公募でやっていただいているところでございますので、そうした知見を使って、ぜひ、その解決策を見出していきたいというふうに考えているところでございます。

中川(正)委員 なかなか大変な取り組みになっていくんだろうと思うんですが、一つの目標といいますか、大体、これぐらいの期間までにはここまでのことはしなきゃいけないんだと、ある意味で、タンクが飽和状態になってきて、もうこれ以上タンクでというようなことが時間的に迫られているとすれば、それまでに、そうした漏えいしている箇所の特定をして、それに対して対策が打てるのかどうかというようなことも含めて、ある程度、時間的なロードマップみたいなものが必要なんだろうというふうに思うんですね。それを恐らくつくっておられるんだろうというふうに思うんですが、大ざっぱに説明をしてもらうと、いつまでに何をしようとしているんですか。

廣瀬参考人 全体の流れというのは、先ほど御説明したとおりでございます。

 現在、八十万トンのタンクをつくる計画でございますけれども、仮に、その四百トンの一日の流入量が全然減らせない、四百トンずつ相変わらずずっと行ってしまうという状態ですと、八十万トンに達するまでに約三年ぐらいございます。したがって、八十万トンしかつくれないという状態であれば、三年がある意味では一つの目安になると思います。

 一方で、先ほどからお話ししておりますように、地下水バイパスであるとかサブドレーン、あるいは凍土遮水壁等々で四百トンを少なくする、あるいはゼロにするという方策も一方でございますので、それの時期とそれから効果によっては、例えば、八十万トンまで行かないうちにスタティックな状態にできるということも理屈としては可能になるというふうに思っておりますので、その段階まで来れば、少し時間があって、研究も含めてですが、いろいろなことができるというふうに考えております。

中川(正)委員 三年間という一つの目安を今持っておられるということでありますが、これに対して、人とそれから資金というのを投入しながら対応していくんだというふうに思うんですけれども、今のスキームで三年間でそれをやろうとする場合に、東電の力、東電の持っている潜在力の中で、投資ということも含めて十分にできるのか、それとも、そこははっきり、国が前に出ていって、資金供与も含めて、ここまでのことはしてもらうということ、その前提でないとなかなかできませんよということなのか、そこの判断はどのようにされていますか。

廣瀬参考人 まずはタンクのお話でございますけれども、八十万トンまでのタンクをつくっていく資金というものについては、まだ時間はかかりますが、あらかた手当てができておりまして、それについては私どもでやっていけると思っております。

 御存じのように、凍土遮水壁であるとかにつきましては、国の方で予備費も含めていただいておりますので、それはそれで国の方のお金でやっていただくということになると思いますが、一方で、人の面については、その四百トンがどのぐらいに減らせるかということにひとえにかかっておりますけれども、基本的に、現在のオペレーションの延長でこの三年間をいくということであれば、今の状態でございますので、我々でやっていけるというふうに思っております。

 したがって、ポイントは、今回、汚染水処理対策委員会での御議論であるとか、あるいは公募による新たな技術であるとかということで、その四百トンを小さくしていく。あるいは、トリチウムをどういうふうに処理していくかということについては、国の力をおかりして、新たな研究開発も含めて、そこに期待したいというふうに思っております。

中川(正)委員 次に、いわゆる四百トンですが、八十万トンを海へ向いて流していくか、あるいは蒸発させていくのか、いろいろな手法はあるんだと思うんですが、最終的にこれは処分しなきゃいけないんだろうと思うんですね。

 東電としては、ALPSを使って、仮に、トリチウムを含めていろいろな処理ができるという前提で、海に向いて話を持っていこうとしているのか、それとも、今のALPSでそのまま、住民もあるいは周辺の理解も得て流していこうとしているのか、その辺の出口についての考え方を少しはっきりさせていただきたいと思います。

廣瀬参考人 ALPSで処理した後、すなわち、トリチウムが残った水の扱いにつきましては、先ほど来お話し申し上げておりますように、汚染水処理対策委員会での御議論であるとか、あるいは新たな技術の公募であるとかということを期待しておりまして、現在、安易な海洋への放水はしないという原則は全然変えておりません。

中川(正)委員 政府としては、ここについてはどういう方向で今進もうとしているんですか。

赤羽副大臣 今、御承知だと思いますけれども、IRIDを中心に、さまざまな国内外の技術提案を募集いたしております。その中には、トリチウムの分離技術ですとか、トリチウムの長期安定的貯蔵方法等についての幅広い技術提案も含まれているところでございます。これも検討しながら、今後、この汚染水の最終的な姿、処理方法、保管方法に関して、私が思うには、やはり地元の皆さんに十分御理解の得られる、御安心ができる形での決着をつけなければいけない。

 原則論は、今この段階では、廣瀬社長からのお話にもありましたように、汚染水の安易な海への放出は行わないという基本方針で、まだまだしっかり頑張りたい、こう思っております。

中川(正)委員 もう少し時間をかけて整理をしたい、そういう意味ですね。

 この点については、規制委員会は議論の対象にしていただいているんですか、どうなんですか。

田中政府特別補佐人 汚染水については、私どもとしては極めて大きな関心を持っておりまして、一口に汚染水と申し上げますけれども、一番気をつけなければいけないのは、原子炉建屋から直接漏れました、トレンチとかああいうところにたまっている高レベルのもの、それからもう一つは、原子炉、溶けた燃料の冷却に使っている、一部、セシウムは取り除いているわけですが、それのRO水というもの。それから、地下水なんかとか雨水から入ってきているものとで全然レベルが違うんですね。

 ALPSという装置は、基本的には、RO水というか、いろいろな核種が入っているものを処理する装置として開発されたもので、地下水とか雨水に入っている放射能というのは、核種も限られていますし、濃度も極めて低いものですから、もう少し簡単な方法でそういうものを取り除いて、いつまでもためるということよりは、ある一定の御理解は必要だと思いますけれども、基準以下に十分下げて、それで処理していくということが、多分、長い目で見ればそういうときが来るだろうというふうに思って、私どもとしては、その辺の準備はしておりますし、そういった御助言もさせていただいております。

中川(正)委員 そうしたあらゆる知見を結集しながら、これから対応を進めなきゃいけないだろうというふうに思うんですが、その中で二つポイントがあると思うんです。

 一つは、これからの廃炉に向けて、あるいはこの汚染水の対策も含めてかもしれませんが、そういうものに対して、いわゆる新機構、新しい機構をつくって、あるいは東電自体を分社化する、分けて、それで思い切った形でそれに対応できるような、いわゆるリスクヘッジというか、そこで会社としてのリスクを分離するというような体制をつくっていくと同時に、国がそれに対してどう関与をしていくかという、そういう全体の枠組みをここでひとつしっかり議論しておかなければいけないんじゃないか、こういうことだと思うんですね。

 私も、これは分社化すべきだというふうに思うんですが、これに対して、政府の方では、十月七日の参議院の経済産業委員会で茂木大臣からは、新たなそういった意味での法律をつくる必要はないと考えているという答弁があって、これは、このままの体制で、国がいわゆる補助的にというか、資金を部分部分でなし崩し的に供給する形でいこうじゃないかというふうな考え方だというふうに私は受けとめたんですけれども、そういうふうに答弁をされています。

 まず、政府の方に聞きたいんですが、これはそういうことなんですか。

赤羽副大臣 先般提案された与党の提案の中にも、東電のあり方、分社化も含めたあり方の御提案もありますし、その点はよく、結論的に言うと、ちゃんとした安定的な廃炉が進む、汚染水問題を克服できる方向に結論づければいいのではないか、こう思いますし、茂木大臣の答弁は、それは、今ちょっと、なし崩し的にというようなことでという趣旨ではなかったというふうに思います。

 私たちが今現場に行って思っているのは、やはり、どんな形にするにせよ、一番大事なのは現場で奮闘されている東電の社員の皆さん並びにその関係の現場の社員の皆さんであって、国会の場でとはいえ、安易な組織変更をやることが本当に現場の皆さんの士気を高めることになるのかどうかということも、私は現場に毎週行っていて大変思うことなので、そういったことも含めて、本当に、我々が決めて、その結論は全部現場にしわ寄せが行くようなことにはならないように、賢明な、結果として一番いい結果を導くことができるような体制を構築するべきだ、これが私の、私のというか経済産業省の今の考えだと思っております。

中川(正)委員 現場があるだけに、早くはっきりさせないといけないということだと思うんですが、逆だと思うんです。逆だと思う。なし崩し的にというのは一番悪いやり方だというふうに思うんです。

 そういう意味から、私は、東電の方も、一言言えば、それは反対もある、いろいろな考え方もあるということだと思うんだけれども、逆に、東電なりに、これは責任を持っていくとすれば、どういう形が一番いいのかということは、やはりはっきりさせるべきだというふうに思うんですね。そういう意味で答えていただきたいと思います。

廣瀬参考人 私も、現場を預かる側の立場としてやはり一番心配しているのは、現場がどういうふうに、この先三十年、四十年と言われている間、しっかりやっていけるかという視点から、ぜひ御議論いただきたいなというふうに考えております。

 先ほど、気持ちの面、モチベーションの面ということで赤羽副大臣からお話がありましたけれども、私は、ちょっとそれに加えて、また別の角度からお話し申し上げますと、一つは線量の問題があります。やはり、固定的なメンバーでいきますと、どうしてもだんだんだんだん線量がたまってまいります。もう既に、東電の社員の中でも、そうした現場ではしばらく働けないという人間が出てきておりますので。

 そうしますと、やはり、絶えず人をローテーションさせるようなバックアップといいますか、大きな組織の中からそこに部分的に切り出されているような形がせいぜいかと思っています。現在、千人の社員が、社員だけですけれども、千人の人間で今廃炉に当たっておりますけれども、それにしてもやはりローテーションは必要だというのがありますので、そうしたポイントで組織を考えないといけないだろうなというのが一つございます。

 それから、もう一つは、これから三十年、四十年にわたって廃炉をしていく各ステージで、必要とされる技術が大分変わってくるのではないかと思います。

 例えば、今は、もうとにかく喫緊の課題は汚染水でございます。汚染水ですと、水をどうやってとめるか、地下水の挙動をどういうふうに把握するかといったようなことが必要ですけれども、それは、むしろ、東京電力の中では、ダムの、水力発電所の経験を持った人間が一番得意な分野でございます。また、そのタンクですね。タンクのフランジ部分から水が漏れる等々については、むしろ、火力発電所に油のタンクがたくさんございまして、そこのメンテや建設をやっているのは火力の人間でございます。したがって、そうした人間を今福島に投入して、まさに汚染水や地下水の問題、あるいはタンクの問題についてやっております。

 それは、幸い東電は大きな会社でございますので、そうした人材が社内におって、そうした人材を、全社を挙げたリソースの投入によってある程度カバーができるということがあるんだと思います。ただ、これも、では、タンクと地下水の技術がずっと四十年間必要なのかというと、これはまた多分、恐らく違って、別のステージに行けば、ロボットの話かもしれないし、あるいは、本当にデブリの話になれば、もう少し核物質そのものの話になるかもしれません。

 そういう意味でいいますと、最初の被曝のお話と同じになるかもしれませんけれども、ある程度後ろに大きな構えがあって、その中から、必要に応じて、時宜に応じて人がやりくりできるというような体制というのは、やはりしっかり持っておきませんと、千人部分、あなたたちはこっちの仕事ねというふうにアサインしてしまって、三十年、四十年が回るのかなというのは、非常に危惧するところでございます。

中川(正)委員 もう一つの点というのは、国際社会。その地域の皆さんに理解を得ていく、さっきの、リスクコミュニケーションをとっていくということ、これはもう何よりも大事だというお話でした。そのとおりだというふうに思うんですが、もう一つは、国際社会があると思うんですね。

 私も、先般韓国に行って、日本の水産物が全部ストップされて、拒否されてということ。それだけじゃなくて、韓国でとれる水産物自体も需要がぐっと減ってしまっていて、非常に激しい風評被害の状況が出てきている。それがあるから、政治的には日本のものをとめなきゃいけないんだというのが向こうの言い分なんですが。

 そういうことに直面するにつけ、やはり、今の体制でやっていっても限界があるように私は思うんですね。日本でチェックする、日本の国内のチェック機構の中でチェックするということだけではなくて、国際的な目でチェックをするという体制が、ここに来たら必要なんではないかというふうに思うんです。

 さっきのお話だと、アドバイザリーとか、あるいはシンポジウムに行って意見交換していますよという、そういう話のレベルで説明されたんですけれども、例えば、今の規制委員会のメンバーの中にIAEAからのメンバーを入れるというふうなことであるとか、あるいはまた、我々、諮問委員会をつくっていかなきゃいけないわけですが、この諮問委員会の構成を全く国際的なものにしちゃって、そこからまとめた考え方を出してもらって、それに対して私たちがまた意見をしていくとかいうふうな、そういう外に見える形。

 国際的に、彼らも参加してもらって、意思決定の中に入ってもらっているんだよという体系をつくっていくということが、ここまで来ると必要なんではないかというふうに思うんですが、委員長、どう思われますか。

田中政府特別補佐人 御指摘のとおりでありまして、私どもの所掌しているところは、モニタリング、空間だけではなくて、海も含めまして、いろいろな地質もやっているわけです。

 先日、御案内のように、IAEAの方から来ていただきまして、船にも乗っていただきまして、海のサンプリングとか測定についても見ていただきました。

 一定程度の評価を得られておるわけですけれども、IAEAとしてのまとめた評価は今月中に出すのでもう少し公表を待つようにということですので、本日は申し上げられませんけれども、一定の信頼は得られています。

 と同時に、海のモニタリングだけではなくて、さまざまなモニタリングとかさまざまな取り組みについて、国際的な、実質的な協力を得る。これは、公務員法の規定で職員にはなっていただけませんけれども、かなり常駐するに近いような形で、国際的なベテランの方に来ていただいて我々をサポートしていただくということについてはぜひ探っていきたいと思いますし、各国規制機関の長とも九月のIAEAの総会の折にいろいろお話ししまして、そういうことであればぜひ私どももお手伝いしますということを約束していただいていますので、そういった方向をぜひ探っていきたいというふうに思います。

中川(正)委員 委員長、改めて申し上げますけれども、中に入って知見を出してもらうということ、これは一つの方法でもあるんですが、私が言っているのは、私たちの判断というのは、自分たちだけでやっているんじゃないよ、国際社会のそれなりの知見を持った人たちが一緒に加わって判断している、いわゆる国際的な判断なんだよというようなものを外に向かって見せる仕組みが要るということなんです。それを仕組みとしてはっきりしていくことによって、外に対して説明ができるんですね。そういう意味を申し上げております。

 委員長、さっきの話のように、諮問委員会をこれはつくっていかなきゃいけない。それについての中身は、鈴木筆頭もうなずいておっていただくので、ぜひ、国際的な、そうした意味合いも含めた中身の議論というのをまとめて、できれば今国会中に方向性だけでもつくり上げていきたい、こういうふうに思っていますので、しかるべく計らっていただきますように、お願いをします。

森委員長 ぜひ、与野党相談して、前向きに進めてください。

中川(正)委員 はい。

 ちょっと時間が余っているんですけれども、済みません、私の勝手で、もう一つ委員会を控えていまして、今、両方兼ねて走っているものですから、ここで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

森委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 通常国会に引き続いて、原子力特委で委員を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

 そして、この原子力特委については、通常国会から森英介委員長のもとで開催をしてきたわけですが、私としては、もっと早く開催をしたかったという思いはありました。福島第一原発での汚染水の問題等がいろいろと厳しい状況になる中で、やはり国会事故調を受けて設置されたこの委員会、閉会中であれ何であれ、とにかくこの委員会だけは速やかに開いて審査をする、そういうことが必要であるというふうに思ってまいりました。

 しかしながら、いろいろな御事情もあり、また、臨時国会が始まってからは大変多くの法案の処理があるということで、大変厳しい状況であることは承知します。

 そういった中で、鈴木筆頭理事を初め、本当に、与党の理事の先生方、また民主党の中川理事にはお骨折りをいただいて、きょう開催にこぎつけたこと、まことに感謝を申し上げたいと存じます。

 それから、きょう、先輩方の、鈴木理事あるいは中川理事の質疑、質問を聞いておりまして、大変同感だなと思うことも多々ございました。中川理事がおっしゃった諮問委員会の話は、理事会でも出ておる話でございますが、国会事故調の提言に沿って、ぜひこれは今この体制で実現をしていけたらなというふうに、私も力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。

 それから、鈴木筆頭が質問の中でおっしゃった、福島第一に係る膨大なデータがあるということは、私も実は、通常国会で関連する質問をさせていただいたことがございます。きょうは廣瀬社長もおいででございますが、東京電力がいろいろ一生懸命今対応していただいているのもわかりますが、一方で、当然、東京電力は、民間の事業者として、さまざまな訴訟の対象にもなるわけでございます。その当事者が果たして、鈴木筆頭がまさにおっしゃられたように、これは日本だけじゃなくて、世界の未来にとって、日本の未来にとって大変重要なデータが日々蓄積をされておるわけでございますので、私は、このデータの保存、文書の保存、これについては超党派でぜひ枠組みをつくっていく必要がある。

 先ほど、田中委員長の方からも、政府のつかさつかさで分掌していますから、経済産業省、あるいは規制委員会、さまざまな役所でしかるべきデータ、文書が保存されていますよという御答弁もありましたが、やはり、どこか一元的な、この福島第一についての関連文書、関連データは、東電任せにせず、ほとんどは東電が持っているわけでありまして、訴訟等の当事者である東京電力が世界の未来の遺産を管理するのはふさわしくない、私はこれだけは申し上げておきたいと思う。

 それから、実は、党としてではなくて、一人の政治家として、議員立法の案も実はまとめつつあります、そういうデータ、文書等の保存について。これは、ここで申し上げるのもなんですが、原子力特委の皆様方がおいででございますので、場をわきまえず恐縮でございますが、私案、そういったものもまた個々のそれぞれ委員の方にもお持ちをして、また御説明をさせていただきたい、こういうふうに考えております。

 それから、委員として、かわられた委員の方々もいらっしゃいますが、私は維新の会なので、原子力について、いろいろな立場が党内にもございます。一方で、委員長はよく承知していただいているんですけれども、家庭内にも争いがありまして、私は、二人とも、妻も含めて経済産業官僚だったものですから、私はやめて、大阪から政治を志した。今、妻はIAEAで世界の原発の安全をどう確保するかという仕事に関与をさせていただいていまして、維新が原発について反対基調であるときには、よく家庭争議にも発展をすることがございます。最近、維新はよくわからない状況になっているので、家庭的にはやりやすいんですが、党としてはしっかり対応を決めていかなあかんと思っています。

 実は、きょう、民主党の中川理事が質問している間、私、ちょっと席を外させていただいておりました。大変恐縮でしたが、維新の会の、原発輸出に関する党の方針を決する部会に、平沼国会議員団代表も含めてお出をいただいて討議をしておったものですから、ちょっと席を外させていただいた次第でございます。

 ちょっと前置きが長くなりましたが、いただいている時間、久しぶりの原子力特委でございますので、積み残し案件も含めて質問をさせていただきたいと存じます。

 まず最初なんですが、私、実は、きのうまでは、今、福島第一の状況あるいは福島第一の事故の収束に向けた、あるいは廃炉に向けた状況は、大変大きく、まあ、大きくというのは言葉が悪いですね、何とか一歩一歩前進をしているなと、外から、脇から拝見をしていて思っておりました。

 具体的には、ALPSの運転、これが何とか動き出している、まだ試運転でございますが動き出しているとか、あるいは、四号機の使用済み燃料の取り出しが始まった。働かれている方々の環境の整備にも、廣瀬社長のリーダーシップで、大変速いスピードで今、問題が発覚してから速やかに対応いただいている。また、復興についても、個人線量の問題、私は基本的には賛成でございます、線量の仕組みを見直される動きとなっていること。

 それから、私が与党の今の取り組みで一番ありがたいなと思っているのは、それが事実かどうかちょっとよくわかりませんが、福島の復興で、全員帰還という方針に修正が加えられつつある、こういうふうに報道では伺っております。

 私、実は、昨年の十二月に初当選をさせていただいた後、初質疑が予算委員会でございまして、三月の十三日に、NHKのテレビ入りの予算委員会で、安倍総理に僣越ながら御意見申し上げたのは、全員帰還方針は、やはりそれはやめた方がいいんじゃないかと。やはり、帰らない地域があるのもやむを得ないし、帰らない方々がいるのもやむを得ない、そういう前提で、早く決めること、早く決めてあげることの方が、被災者の方にとって、実はそれが被災者の方々のためにもなる面があるということを三月の予算委員会で申し上げ、安倍総理からも、そういう考え方はあるということで一定の御理解をいただいたのを今でもよく覚えていますが、それが三月ですから。

 今、十一月になって、新聞の見出しに、全員帰還方針を見直すということ、事実かどうかわかりませんが、それが紙面を躍るというような状況までやっと来た、半年以上たってでございますが、来たことに、個人的にも、一歩、二歩、三歩前進かなというところでございます。

 一方で、格納容器からの水漏れが見つかった。これはロボットによって見つかったという報道もございます。そんな報道に触れると、そういう前進しているなという気持ちがまた暗たんたる気分に、気持ちが揺れるわけでございます。

 ぜひ、最初に、田中委員長、大変お忙しい中、きょうもおいでをいただいています。まず、廃炉、汚染水の問題、こういった福島第一全体の収束の状況について、一体前進をしていると見ていいのか、目の前は闇なのか、この辺、率直なところ、委員長の現在の御認識を伺いたいと思います。

田中政府特別補佐人 委員からも既に御指摘がありましたように、汚染水対策に関しては、最終的に、放射性核種を取り除くALPSというのが、ようやくいろいろなトラブルを克服して動き出したということでございます。私の目から見ますと、その容量、能力はまだまだ足りないと思いますので、今後、増強して、できるだけ高いレベルの放射性汚染水は低レベルのものに変えていっていただくということが大事かと思います。

 また、四号機の燃料取り出しに関しましては、十二日に規制委員会より、設備の使用前の検査について終了証を出したところであります。今後、近々、東京電力において燃料の取り出し作業が開始されることになると思いますけれども、四号機の上の使用済み燃料というのは、大きな心配事の一つですから、これがきちっと安全に進むということは大きな前進だというふうに思います。

 それから、今月八日に、きょうもいらっしゃっていますけれども、廣瀬社長より、福島第一原子力の緊急安全対策が示されました。その以前に直接お会いして、幾つかの私からの懸念事項を示して、早急に取り組むようお願いしたところ、早急にこういった改善、安全対策が示されたということですので、これにつきましては、今後、私どもとしては、それができるだけ速やかに、実効性のあるものとして、目に見えるものとして進むものということを期待しているわけであります。

 その一方で、福島第一はまだまだリスクが高いという状況であります。今御指摘がありました、格納容器からの水漏れ箇所が見つかったということは、ある意味じゃ心配事ではなくて、多分、これまでも、格納容器のそういったところの水漏れが幾つかあるだろうと、それが、まだ二カ所だけですけれども、特定できた。

 今後、そういった調査をすることによって、どういったところから水が漏れているとかということがわかれば、それを防ぐことによって、いわゆる抜本的な汚染水対策に進むものというふうに捉えていただいた方がよろしいんじゃないかと思います。

 また、住民避難につきましては、個人線量を直接はかるということについて、御支持いただきまして、御理解いただきまして、大変ありがたいと思います。とにかく、私どもとしましては、住民の方が少しでも安全、安心を持って復帰していただくようにするということが前提でありますので、放射線だけでは決してそういうことにはつながらないということを報告書の中にも再三書かせていただいておりますので、そういったことも含めまして、ぜひ、御支援をいただいて、福島のいわゆる避難民の方が、避難されている方が、少しでも、一日でも早く帰りたいふるさとに戻れるようにしていただければというふうに思います。

 いずれにつきましても、サイト内外を含めまして、私ども、総力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

足立委員 ありがとうございます。

 同じ趣旨の御質問を廣瀬社長にもいたしたいと思っておりましたが、もうほかでも出ておるかもしれませんし、もし、福島第一の現状について、簡潔で結構ですが、特に今、ここで改めて廣瀬社長の方から補足いただけることがあればおっしゃっていただいて、特になければ結構でございますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

 それでは、早速中身に入っていきたいと存じます。

 トリチウムについて、一時、大変議論になったことがございまして、経済産業省等が主催等をしていただいている、いわゆる汚染水の問題のプロジェクトチームか何か、いろいろな場でも、トリチウムについて特に議論をするということがあったやに記憶をしております。

 二つちょっと確認したいことがあって、一つは、トリチウムというのは、やはりこれはいかんともしがたいものなのか。

 実は、私の手元に、これは、経産省か規制庁かが公募をしているものに対する十月二十三日付の提案書の一つがございますが、提案の件名は、トリチウムの分離、除去技術、こうなっているわけでございます。この紙はアメリカの会社だったと存じますが、世界からトリチウムについてこういう諸提案があることについて、やはり、通常よく一般に言われているように、それは提案はあるが分離することは理屈上無理なんだということなのか、あるいは、ちょっとそれは提案を見てみないとわからないのか、この辺、いかがでしょうか。

赤羽副大臣 この提案は、まだ詳細はこれから検討でございますので、見てみなければわからないわけでございます。

 ただ、国内外の英知を結集するということで、IRIDを中心にこういったアクションを起こし、これだけ多くの御提案があり、その中に、今、足立委員おっしゃっていただきましたが、トリチウムの分離技術ですとか、トリチウムの長期安定的貯蔵方法等についての幅広い技術の提案も含まれておりますので、我々は、その提案を検討しながら、先ほど中川委員から全く同じ質問を受けたので同じ答弁になりますが、最終的には、この件については、地元の皆さんに本当に十分な御理解をいただいて、また、安心をいただく結論を導かなければいけない、こう考えております。

 と申しますのは、前段で、ちょっと別な話ですが、私も、毎週二日、現場に行っておりますが、避難指示解除の基準も年間二十ミリシーベルト以下ということであります。そのことを達している地域も十分ありますが、なかなか当事者の皆さんにおいては、前政権時代から一ミリシーベルトという数値がすごく、一定の基準としてあるものですから、その辺のリスクコミュニケーションをどうしていくのか。理論的には大丈夫だと言っても、なかなか当事者は受け入れがたいというのが現実でありますので、そのギャップをどう丁寧に埋めていくのかということが、やはり私は、このことに当たる基本的な考えでなければいけない、こう考えております。

足立委員 赤羽副大臣、ありがとうございます。

 今おっしゃっていただいた中に、もしかしたら、汚染水の処理水の海洋放出の話も含まれていたかもしれませんが、今、このトリチウムの分離については、技術的に検討が続くということと理解をしましたが、当面、ALPSが稼働しても、その処理水はトリチウムを含んでいるわけでございます。

 以前、田中委員長が、正確ではないですが、私が記憶しているところでは、トリチウムを含んでいるかどうか、どういう言及があったかわかりませんが、いずれにせよ、処理水あるいは汚染水、処理水を希釈して海洋に放出することも視野に入れた御発言があったと記憶しております。その処理水等の海洋放出に関する現時点でのお考えを田中委員長からお聞かせいただけますでしょうか。

田中政府特別補佐人 今、経産副大臣からもありましたように、トリチウムも含めまして、できるだけ除去していくということについては、ぜひ、それに努めていただきたいと思いますが、正直言いまして、私も、トリチウムについては、昔、大分扱ったことがありますけれども、このトリチウム水を除去するというのは、少量であればともかく、大量の水の中からわずかのトリチウムを除去するというのは大変なことであります。例えば、二兆ベクレルというとんでもない値ですけれども、量にすると三十cc以下、それぐらいの水にしかなりませんので、そんなものを分離しようと思うと大変なことになりますので、そういったことを個人的に思っております。

 とはいうものの、規制側として考えますと、やはり、トリチウムについても、これまでも、各原子力発電所を含めましていろいろなところで、定常的に動いているときでも相当量海洋等に放出されております。これは国内外を含めてそうであります。その放出基準というのも大体国際的に決められておりますし、それを踏襲して我が国でも基準がありますので、いつまでも汚染水をタンクにためておくということのリスクと、きちっとそういう処理をして基準レベル以下になったものを海洋に放出するのと、どちらがリスクが低いのかということを勘案したときには、やはり放出という選択肢も、事業者の方からの申請がなければ、私の方から放出してくださいということは申し上げませんけれども、そういうことも検討したいということを申し上げた次第であります。

足立委員 本当に、専門家としての御経験も踏まえた御答弁で、ありがとうございます。

 今、田中委員長の方から、申請がないとという話がございましたが、廣瀬社長、東電としてまだこの件については非常に言及しにくいことかもしれませんが、今、田中委員長が、選択肢として、トリチウムを含んだ処理水の海洋放出について、タンクにためておくこととの、メリット、デメリットというか、リスクを勘案して、いずれ判断も必要だろうという趣旨の御答弁をいただきましたが、東京電力として、廣瀬社長として、今その点についてどういう御見解をお持ちか、お教えください。

廣瀬参考人 これは、先ほどの中川先生にも同じことをお答え申し上げましたけれども、私どもとしましては、とにかく、日々ふえ続ける、建物に入ってくる地下水を何とか少なくして、より安全な形で保管するということで、ALPSをとにかく急いでやるということはございますけれども、そのALPSを含む、汚染水、水については、今まさに汚染水処理対策委員会でも御議論いただいているところですし、新しい技術の公募というのも控えているところでございますので、私どもとしては、そうしたことに期待したいということで、これまでの考え方と何ら変えるつもりはございません。

足立委員 大変失礼しました。先ほどちょっとおりませんでしたので、重複しておったとすれば恐縮でございます。

 それでは、トリチウムあるいは汚染水の話は以上にしまして、次に、しばらく規制委員長のお手を煩わすテーマではないかもしれませんが、経産省から赤羽副大臣また磯崎政務官にもおいでをいただいていますし、文科省からも参考人においでをいただいていますので、ちょっと予算の話を確認させていただきたいと存じます。

 これは大変重要な問題だと思っていまして、もうこれも、私が先ほど申し上げた予算委員会、三月あるいは五月ごろから、政府からは、経済産業大臣のみならず、総理も含めて、東電任せにしない、前面に立つんだ、こういう御答弁がたびたび繰り返されてきたところでございますが、私は、本当に前面に出ていただきたい、こういう思いから再三質問をしてきた経緯がございます。

 ただ、結局、ある時点までは、やはり一義的には東京電力の問題であるということで、国は、政府・与党は、東京電力の後ろに隠れていたと言われても仕方がないような状況が続いた。また、予算についても、当面の汚染水対策費用として決定された四百七十億円について、これも私の理解では研究開発費だ。研究開発というたてつけがなければ、財務省との関係で予算がどうしても執行することができない、予算措置を講じることができないということがあったと承知をしています。

 実は、先般、ちょっと日付は忘れましたが、経済産業委員会で閉会中審査の折に、経済産業大臣に、この旨、これは研究開発費でしょう、こういうことを申し上げたら、茂木大臣の方から、いや、足立さん、具体的に見てください、この予算が研究開発ですか、実際に事業に使うんですよということで、違うんだという御答弁が経済産業大臣からあったわけでございますが、この四百七十億円は実証事業を含む研究開発費なのか、研究開発費以外の費目が入っているのか、経済産業省の方から改めて御答弁をお願いします。

磯崎大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。

 国が前面に出るということで、国がやることというのは幾つかあるかと思いますけれども、その中の一つが財政的な支援ということで、どういう項目について国が財政的な支援を行うかということにつきましては、これはいろいろなところで答弁等もさせていただいているかと思いますが、やはり技術的に難易度が高く、国が前面に立って取り組む必要がある、そういうところに対して国が出ていくということでございます。

 そういった意味では、今、足立委員の方からお話がございましたように、大きくは二つの項目、凍土方式の陸側の遮水壁、これが事業費全体で三百二十億円ということでございますし、もう一つが多性能の多核種除去設備、これが事業費で百五十億円ということで、合わせて四百七十億円という規模でございます。やはり、こういった項目については、なかなか技術的に難易度が高いということで、そこに対して国が対応していくということでございます。

 そういった意味では、なかなかまだ技術開発も進んでいないということでございますので、それに対してはお金を出していくということでございますが、今御指摘いただいたように、茂木大臣が答弁をされておりますように、これは技術開発をしてそこで終わりということではなくて、それがやはり、例えば遮水壁として実際に水をとめる、あるいは除去をしていくということからすれば、これは具体的な効果を有するという意味ではまさに整備実証事業ということになりますので、単なる研究開発でそこで終わりということではなくて、実証という内容を含んだ事業ということでお考えいただければ結構かと思います。

足立委員 政務官から今御答弁をいただきましたが、私はちょっと明快じゃなかったかなと。いわゆる実証事業というのは、私も役人でしたから、常識的にはそれはそういう実証事業も含めて我々はいわゆる研究開発費と呼んできた。

 ただ、予備費についても、産業技術実用化開発事業費補助金という名称がついています。これはいわゆる研究開発費じゃないんですか。いわゆる研究開発費ですよね。もう一度、イエスかノーか。

磯崎大臣政務官 お答えします。

 これはいわゆる項目としては研究開発という名目の予算の支出ということかと思います。

足立委員 名目が研究開発であれば研究開発ですね。私が申し上げているのは、その整理が、実際にお金がどう使われるかということではないんです。もちろん、これまで私が申し上げているいわゆる研究開発費というのは、その中には実証事業費も含まれ、一定の効果を実際に発揮したものも、それはあるでしょう。しかし、大事なことは、国と東電の役割分担の線引きの問題なんですから。この線引きにおいて国はいわゆる研究開発費という枠の中から外には出ていない、そういうことですね。

磯崎大臣政務官 お答えいたします。

 国と東京電力とがどういう役割分担をするかということかと思いますが、基本的には、その考え方としては、東京電力は炉の設置者ということでございますので、やはり実施主体としての責任というものは東京電力にあるという基本的な考え方はあろうかと思います。

 ただ、やはり、今のこういう状況を見る中では、国が前面に出ていかなければいけないという中で、国がどこまでやっていけるかということにつきましては、非常に技術的に難しい、そういうところについては、やはり国が前面に出なければいけないということでの整理というふうに考えております。

足立委員 だから、予算措置については、きょう、先ほど磯崎政務官の方から、国が前面に出るということの意味として、幾つかある役割の中の一つとして国の財政措置ということを挙げられました。この国の財政措置というのは研究開発費に限られる、こういうことですね。改めて。

磯崎大臣政務官 お答えをいたします。

 例えば、既存に確立した技術がある、これを実施していくということになりますと、そこは実施主体としての東京電力が、既にある確立した技術ということでございますので、それを実施していくというのは東京電力の役割だろう。

 ただ、まだまだ確立していない技術がある、そういったことになると、それはやはり研究開発という名目でそれを実施に移していくということになろうかと思いますので、現段階におきましては、項目としては研究開発という項目になるということかと思います。

足立委員 済みません、これぐらいにしておきますが、これは大変重要な問題でして、今与党の方から、自民党かな、公明党も含めてかもしれませんが、復興あるいは福島第一の収束に向けた大変意義深い内容を含む御提言が政府に対して出ていると承知をしています。それが年内あるいは来年度に向けていろいろ政府内でも御議論があることと存じますが、経済産業省の現時点での認識として、あるいは、与党の提案を受けた政府、国あるいは経済産業省の認識として、例えば来年度予算編成において、今政務官がおっしゃった研究開発費という名目ではない予算措置を福島第一の廃炉事業に充てていく可能性はありますか。

赤羽副大臣 結論として、この前の集中審議のときに私も座っておりました、大臣の答弁で相当踏み込んで、足立さんも少し驚かれて、喜ばれていたと思うんですけれども、足立さんは一貫して国が前面に出て頑張れと、応援演説だと思って心地よくいつも聞いておりますが、では逆に、何というか、野方図に、タンクみたいなものを増設するのに国が全部予算を使っていいのかというと、これもなかなか逆の意味で納得をされないと私は思います。

 どこかで線を引いていかなければいけないんだけれども、我々、大臣も私も同じ思いでいますが、結局、わかりやすく言えば、この汚染水問題は絶対に解決しなきゃいけない、そのために、東京電力ができなければ国がやらなきゃいけない。別に後ろに立っているつもりはないんですよ。

 だから、凍土式のあれだって、研究開発という名前で予算計上されているけれども、あれが研究開発なのかどうかというのは、茂木さんも多分情熱が余って踏み込んだと思うけれども、それは、どう考えるかなんというのは、私はどうでも、どうでもいいと言うとこれもちょっと語弊があるけれども、そういうものじゃなくて、大事なことをやるということだと思いますよ。

 私は、ちょっとこれは付言して言いますと、九月三日の基本方針があって何が変わったかというと、いつも金目の話しかされなくて私は非常に不満なんだけれども、現地の事務所を立ち上げたんです。常駐メンバーは、経済産業省だけじゃなくて、国土交通省初め農林水産省、水産庁、ずっと全部が張りついてくれて。そして、何でそんなことをやったかといいますと、それまでは、おっしゃるように国がやや後ろにいた、だから、何かが起こったときに、常に東電から報告を受ける形だったんです。これはそんなにタイムラグはないんですけれども、報告を受けたことで、やれ、どうしようかということでモグラたたきみたいな話になっていた。

 だから、現地に駐在をして、第一原発の中で起こるあらゆる事象、予兆は全て報告しろ、そして同時に政府と東電が共有する、そしてその解決策は、一義的には当然、どうするかということは東電が考えなけりゃいけないけれども、これは現実、全部東電ができるかどうかというのはわからないわけですね。

 私も、現地の調整会議というのを主宰させてもらって、毎月一回、いつも五時間ぐらいやるんですけれども、全部の項目でやるようにしています。そういったことも、余り人には知られていないかもしれないけれども、国が前面に出ているということになると思いますし、そこで出た問題をどうクリアするか。

 東電だって、マンパワーの問題、金目の問題、私は、東電は予算的にはまだできると思います。九千六百億円の引き当て以外に、九月十九日、安倍総理が現地に行かれて、十年間かけて一兆円の支出枠を用意するということで、できるうちは、やはり東電が頑張らなきゃいけない。できるうちから国が手を差し伸べるという、ちょっと荒っぽい言い方だけれども、そうじゃなくて、徹底的にやるけれどもやれないという項目については、私はそこは、国としては絶対にやらなければいけないのであって、それは研究開発とは認められないから手は出せませんなんということは、私は賢明じゃないと思います。

 しかし、そこは何かルールを決めないと、何でもかんでもいいのかというと、またそれは足立さんの趣旨に戻ると思うんだけれども、そこは役割分担をはっきりさせつつ、同じ気持ちでこの問題に立ち向かわなきゃいけないという、足立さんの趣旨のとおりに我々は向かっているというふうに思っております。

足立委員 赤羽副大臣、ありがとうございます。

 おっしゃる趣旨はわからぬではないですが、ただ、やはりこれは国が、予算というのは全ての前提ですから。事務所をつくられた、これは敬意を表しますが、やはり予算措置が重要なんです。

 私がこのテーマにこだわるのは、結局、福島第一の収束というのは、これは世界も注目をしている国家的プロジェクト、課題ですね。もうそれ自体が一大課題なわけです。そのときに、東京電力という一つの事業体の経営の判断、これは、福島の収束という観点からいえばバイアスになります。必ずバイアスになります。また、もし、財政当局との関係で、国が出すとすれば研究開発名目なんだというラインが、今あるわけですけれども、あると、それは研究開発バイアスがかかるだろう。福島第一のためなら何でもいいというわけではないが、何でもいいぐらいのことで福島第一はやったらいいと私はずっと思っているんです。

 だからこそ、東電という経営との線引きが要るだろうし、さらに言えば、原賠法等のいろいろな、原子力事業に係る国と東京電力、あるいは国と電力事業者一般との線引きが改めて必要だという趣旨で私は申し上げているわけでございます。

 赤羽副大臣からいえば、もし東電にできなければやるんだということですから、それは私の質問に即していえば、来年度予算で、もし必要があれば研究開発名目ではない予算を福島第一に充てる可能性があると私は勝手に受け取りましたけれども、大事なことは、その御決意に加えて、そもそも、原子力事業に係る国と電力事業者との役割の線引きについての見直しを早くした方がいい、こう訴えてきたわけでございます。

 通告を申し上げている、ちょっと事務方も、これはわかりにくい質問だということでなかなかやりとりが続いたんですけれども、今申し上げたような、福島第一にどういう予算措置を講じるかという話と、支援機構法の附則に基づいて、賠償の枠組みもそうですが、それ以外も含めて、要すれば、原子力事業を推進する体制、原子力事業一般を推進するに当たって、国と電力事業者はどういう役割分担をするのかということについて見直すことになっています。これは法律に、見直すよということが書いてあります。その御検討と、それから、福島第一にどういうお金を入れるかというのは、関係あるんですか、ないんですか。これが質問なんです。

 何でこんな問いが出てくるかというと、もし関係があるんだったら、当然、財政当局はそもそもどういう線引きをこれからつくるんだという議論が終わるまでは福島について踏み込めませんよね、影響があるんだったら。もしそれが切り離されていれば、福島は福島で判断するんだ。通常の原子力事業に係る国と電力事業者との役割の線引きに即して福島第一を処理していくのであれば、それは引っ張られるわけです。そこにリンクがありますか、ないんですか、どっちですか。

赤羽副大臣 これは非常に言葉が難しいんですけれども、当面の福島の現実をどう解決するかには、財務省がどう考えているか知りませんけれども、原賠法の見直し等々とリンクをさせるという気分はなく取り組んでいます。

 しかし、原賠法見直しに当たっては、日本全体の原子力発電をどうするかという、エネルギー政策全般がどうなるかとか、実際に今回の福島第一原発でどれだけの賠償についての費用がかかったかということは、やはり一つの参考にはなると私は思います。参考にはなるけれども、しかし、そのことがパンドラの箱をあけてしまうから余り踏み込めないみたいなことはするべきではない、こう考えています。

 先ほど思ったんです、ちょっと済みません。東電任せですとやはり東電の経営バイアスがかかるということは、全くそうだと思いまして、私は、現地調整会議の基本のルールとして最初に宣言させてもらったのは、規制庁の指摘はマストだ、オブリゲーションでやらなきゃだめだと。今までは、私の感覚でいくと、大変だから、規制庁からこう指摘されていてもいろいろやらなきゃいけないことがいっぱいあるから、検討項目で終わっていたけれども、そこはやはり経営バイアスがかかっていると指摘される余地があるので、全部そこはクリアにする。そのクリアにするための具体的な工程を次の会議までに出してくれ、そこについて、東電単独でできなければ、まさに国が全力で取り組もう、そういった原則を持って臨んでいますので、そういったバイアスはなるべくかからないように取り組んでいきたい。それをつけ加えさせていただきます。

足立委員 ありがとうございます。

 今、別に言葉尻を捉えるわけではありませんが、赤羽副大臣の方から、そういうリンクをさせるような気分ではない、気分としてはリンクしていないぞとか、なるべくバイアスがかからないようにということでした。だから、政治家というか副大臣なり大臣なり政務官なりの皆様方の気持ちはあっても、私は、仕組みとして早くこれを整えなければ福島第一の収束に必ずバイアスがかかっている、早く整えてほしい、こう申し上げてきたわけでございます。

 だからこそ、支援機構法案を審議された、私はまだ議員ではありませんでしたが、そのときの東日本大震災復興特別委員会での審議で附帯決議がついて、施行の後一年をめどに、私が今申し上げている役割分担の見直しは決するんだ、これが国会の意思だったんですよ。当時の国会の意思は、支援機構法の施行後一年をめどにそれを決するんだと。なぜそれを急いだかといえば、福島第一に影響があるからですよ。だから早くしてくれということを私はここに立つたびに申し上げてきたわけですが、その支援機構法の附則に規定している原子力賠償責任法等の見直しの検討状況は今どうなっていますか。

田中政府参考人 お答えいたします。

 原子力損害の賠償につきましては、現在の福島原発事故の被害者の方々に対する迅速な賠償の支払いのために、まずは賠償の適切な実施を最優先にすることが重要と考えてございます。

 原子力損害賠償制度や原子力損害賠償支援機構制度の見直しにつきましては、先ほど赤羽副大臣からも御答弁がございましたように、我が国エネルギー政策における原子力の位置づけなどの検討、それから、まだ現在、福島の賠償も進行中でございまして、その実情等を踏まえながら総合的に検討を進めている、そういう状況でございます。

足立委員 これは何度か聞いていますが、一向に答弁が変わらないんですね。検討しているんです、ずっと。

 だから、私が今申し上げたように、福島第一に影響しますよ、これは。影響しますよじゃない、影響してきたんだ。その結果が今の福島第一の状況ですよ。必ずこの福島第一の収束作業にはお金がかかるんです。そのお金については東京電力の経営バイアスと、国の予算措置については研究開発バイアスがかかっているんです。それが今の福島第一の事態を招いているんだという大変な責任を、民主党政権の時代もございますが、今この政府・与党、今の政府には私は責任があると思っているんです。

 切りがありませんのでこの話もやめないといけませんが、もうちょっと何とかなりませんか、御答弁。

田中政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘いただきました福島第一原発の廃炉にかかわる経費分担の話もございますけれども、私ども原子力損害賠償を担当しております文科省といたしましては、これ自身は損害賠償とは性格を異にするものというふうに考えてございますので、現在の原賠法のあり方そのものに影響を及ぼすものではないというふうに考えてございます。

 いずれにしましても、我々の方は、現在、福島の被害者の方々に対する賠償を円滑に進める、あるいは迅速に進めるということで、原子力損害賠償紛争審査会も、年内にできるだけ、さまざまな地元の方々の御意見も踏まえて、追加の指針等を検討している、そういう状況でございます。

足立委員 賠償は文科省なんですね。原賠法の所管が文科省になっている。だから今、文部科学省の参考人の方が御答弁をいただいた。

 ただ、そもそも原子力事業そのもの、日本においてエネルギー政策をつかさどり、そして、原子力事業そのものをどうしていくんだ、原子力事業を本当に推進していくのかどうするのか、あるいは、推進していくのであれ、フェードアウトしていくのであれ、いずれにせよ、国と事業者との役割分担については見直すことになっている。その責任がある役所は経産省なので、経済産業省からも同趣旨でこの見直しの作業、検討状況、見通しをお伺いしたいと思います。

磯崎大臣政務官 お答え申し上げます。

 文科省と同じような答弁になるかもしれませんが、まさに足立委員お話しされましたように、附則の六条には見直しの条項がございます。また、衆参両院におきまして、附帯決議で、一年ないし二年、できるだけ早期にというのは、そういう決議もされている状況でございます。

 ただ、先ほど赤羽副大臣の方からも話がありましたように、やはり、この制度の見直しにつきましては、我が国において、エネルギー政策において原子力というのはどういうふうに位置づけるか、これが明確になるということも一つ重要な要素というふうに思っておりますし、もう一つは、福島の賠償の実情、これもやはり非常に大きな影響を与えるというふうに思っておりますので、それを踏まえながら検討するという答弁でお願いしたいというふうに思っております。

足立委員 そこまでが現状だと思いますが、繰り返しになりますけれども、これは重大な問題だ、この話を早く仕切らないと、誰かが仕切らないと、福島第一にはずっとバイアスがかかり続けるんだということをぜひ改めて御認識いただきたいと存じます。

 私、こういう話を申し上げるのは、原発を早くゼロにしたいからじゃないんです。実は私、常任委員会は厚生労働委員会でございます。社会保障制度のあり方について今もけんけんがくがくの議論をしていますが、日本の財政、日本の経済、これを見ると、国富をとにかく守らぬといかぬのですね。日本の国富をとにかく守り、そして拡大をしていく以外に日本の繁栄はないんです。

 だから、私は、党内でも、再稼働は安全を前提に当然賛成ですし、当面は原子力事業は必要だ、むしろ不可欠だと思っているんです。だから、先ほど中川理事が御質問されたときにちょっと席を外していた、原子力協定の党内審査においても、反対派の風に押されながらも、とにかくこれは当然賛成だ、原子力協定は速やかにまとめていくべきだという話を、論陣を張ってきたわけでございます。

 ぜひ御理解をいただきたいのは、当面、原子力事業を維持するためにも、早くこの線引きの話をやってほしい。

 私、実は、経済産業省の先輩でもあられる澤昭裕先輩というのがいらっしゃって、元経済産業官僚で、今は研究者としてテレビ等でも活躍されていますが、彼がウェッジの最新の十月二十八日の記事で論陣を張られているわけです。

 一言で申し上げると、日本にとって原子力エネルギーは必要だ、だけれども、今のままではもう廃れていくぞ、そう書いてはいませんが、私がその意味をとると。このままの、今おっしゃっているような、赤羽副大臣の熱意、お考え、気持ちはよくわかります、しかし、制度として、今のままずるずるいったら、日本から原子力事業は本当にフェードアウトしちゃいますよ、日本維新の会が公約に掲げているように。日本維新の会は、このままでいくとフェードアウトしちゃいますよと言っているんです。だから、澤先輩は、「日本にとって原子力エネルギーがエネルギー安全保障」のみならず、「経済成長、温暖化対策等の観点から「特別に」必要」だと。原子力事業は普通の政策よりももっと重要なんだということに関する政治的、行政的再確認をしなければ立ち行かないんだという論陣を張っておられます。

 私は大賛成でありまして、本当に、安倍政権が原子力にしばらく頼るんだということであれば、それが成長のためにも必要だということなのであれば、私は、今、きょう私が申し上げた、国と事業者との役割分担の見直しについては、速やかに、国の一定のコミットメントを早く決めて、それを発表すべきだというふうに申し上げます。

 先ほど社会保障に言及しましたが、日本の富が海外に流出すればどうなるか。大変粗っぽく申し上げれば、今、赤字国債が山のように積み上がっている、その保有者が、日本人が保有できなくなるんですね。必ず、国富がこのまま流出を続ければ、日本は財政的に立ち行かなくなって破綻をする、そういうリスクがあるということを、社会保障をつぶさに見ている立場から痛感しているわけでございます。

 だから、ぜひ政府・与党の皆様方、これは、私は、党内でもいろいろ言われていますが、政府・与党の今のポジションよりももっともっと確かな推進策を講じるべきだ、こういうふうに申し上げているわけでございます。

 今、原子力協定の話を申し上げましたが、CSC条約という国際条約があって、これはもう時間もありませんので質問を急ぐと、福島第一には世界の英知を集めると言っている、福島第一に世界の英知を集める上でも、このCSC条約は速やかに批准の作業を急ぐべきだ、こういうふうに思いますが、政府の見解はいかがですか。

赤羽副大臣 このCSCの件につきましては、大変長い期間の懸案でありました。国内外というか、外国の知恵を総動員していただくというふうにお願いしておきながらCSCの条約に加盟しないというのは私は余りにも道理が通らないということで、外国の担当のエネルギー省の大臣、副大臣にお会いする中で、何としても責任を持って約束をするということで、今回、CSCに加盟をするといったことは政府として決めたわけでございます。

 CSCの締結に関して、国会提出の具体的な時期、条約の内容に関する加盟国との調整等々はこれからもうすぐにでも始めていきたい、具体的に進めていきたいという状況でございます。

足立委員 今おっしゃったとおり、このCSC条約は福島第一のためにも必要だ、こう考えています。

 これは、批准するためには国内法の整備が必要になりますが、原賠法の改正は必要ですか。外務省でも文科省でも結構です。

田中政府参考人 お答えいたします。

 CSC条約への対応につきましては、条約の条文の規定の趣旨等について、関係省庁と連携して、現在、精査をするという段階でございまして、その後、関係国との協議を行いまして、その内容の理解を確実なものにしていくということが必要だと考えてございます。

 その過程で、現行の原子力損害賠償制度との関連において措置が必要だということが明らかになりました場合につきましては、関係省庁連携のもとに適切に手当てをしてまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

足立委員 きょうは、私は、福島第一の収束に向けた経営バイアスと研究開発バイアスということを申し上げましたが、実は、今申し上げているこのCSCの話はもう一つの問題なんですね。福島第一に世界の英知を集めるためにも、CSC条約を早く批准する必要がある。

 ところが、今、文科省の参考人の方は、国内法の整備に当たって原賠法の見直しが必要かどうかについては精査をしているということでありますが、可能性があるわけです。原賠法をさわらないといけない可能性があるわけです。

 ところが、今、先ほど赤羽副大臣がパンドラの箱とおっしゃったと思いますが、原賠法はある意味でパンドラの箱だという認識が政府にあるんです。だから、福島第一のためにCSC条約の批准が必要、CSC条約の批准のためには原賠法をさわる必要がある。それは技術的な若干の見直しであるけれども、国会を通さないといけない。すると、きょう議論になった、そもそも原子力事業に係る国と事業者の役割分担の見直しに飛び火をする可能性が大変大きいということで、恐らく、政府においては大変慎重にこの点の作業を進められておられると承知をしています。

 もう時間が来ましたので終わりますが、私の意見は、福島第一のためには、余り慎重さを期するだけでなくて、しっかりと、私がきょう御討議させていただいた内容を各党にも説明して、日本維新の会が賛成できるように私は努力しますので、ぜひ、これは慎重さが必要なんじゃなくて、今、福島第一の収束のためには大胆に御決断をしていただく必要がある、こう申し上げます。

 赤羽副大臣、最後にお願いします。

赤羽副大臣 今回のCSCの加盟に伴う原賠法のところをいじる部分と、足立さんがかねてから言われているそもそも論のことというのは、多分違う箇所だと思います。

 そもそも論についても、所管ではないとはいえ、まさに御指摘のとおり、経済産業省としても責任を持って検討しなければいけないと思いますが、そのことが原因としてCSCの加盟がおくれるようなことというのは、安倍総理の本意でもないですし、今の政府の本意でもないですから、私は、この点については責任を持って具体的な決着をつけなければ、これは対外的に全く筋が通らない、こう思っておりますので、結論は必ず出します。

足立委員 ありがとうございます。

 私も、日本維新の会の原子力特委の理事として力を尽くしてまいりますので、ぜひ御尽力をお願い申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

森委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十九分散会


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