衆議院

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第4号 平成26年4月24日(木曜日)

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平成二十六年四月二十四日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 森  英介君

   理事 塩崎 恭久君 理事 鈴木 馨祐君

   理事 鈴木 淳司君 理事 宮下 一郎君

   理事 山際大志郎君 理事 中川 正春君

   理事 足立 康史君 理事 江田 康幸君

      青山 周平君   うえの賢一郎君

      大島 理森君    川田  隆君

      菅家 一郎君    菅野さちこ君

      北村 茂男君    佐々木 紀君

      齋藤  健君    白石  徹君

      新谷 正義君    津島  淳君

      中村 裕之君    額賀福志郎君

      細田 健一君    細田 博之君

      宮澤 博行君    八木 哲也君

      簗  和生君    渡辺 孝一君

      荒井  聰君    大島  敦君

      近藤 昭一君    小熊 慎司君

      木下 智彦君    西田  譲君

      中野 洋昌君    山内 康一君

      椎名  毅君    笠井  亮君

      小宮山泰子君

    …………………………………

   経済産業副大臣      赤羽 一嘉君

   文部科学大臣政務官    冨岡  勉君

   経済産業大臣政務官    磯崎 仁彦君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房原子力災害対策担当室長)

   (原子力規制庁放射線防護対策部長)        黒木 慶英君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           田中 正朗君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       半田 有通君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監)    糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      高橋 泰三君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   梶原 成元君

   政府参考人

   (原子力規制庁長官官房審議官)          山本 哲也君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力規制部長)          櫻田 道夫君

   参考人

   (東京電力株式会社代表執行役副社長)       山口  博君

   衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長      仲川 勝裕君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十四日

 辞任         補欠選任

  うえの賢一郎君    青山 周平君

  中村 裕之君     津島  淳君

  細田 健一君     八木 哲也君

  生方 幸夫君     大島  敦君

  辻元 清美君     近藤 昭一君

  玉城デニー君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     うえの賢一郎君

  津島  淳君     中村 裕之君

  八木 哲也君     細田 健一君

  大島  敦君     生方 幸夫君

  近藤 昭一君     辻元 清美君

  小宮山泰子君     玉城デニー君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 原子力問題に関する件


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     ――――◇―――――

森委員長 これより会議を開きます。

 原子力問題に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役副社長山口博君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣府大臣官房原子力災害対策担当室長黒木慶英君、文部科学省大臣官房審議官田中正朗君、厚生労働省労働基準局安全衛生部長半田有通君、資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監糟谷敏秀君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長高橋泰三君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長梶原成元君、原子力規制庁長官官房審議官山本哲也君、原子力規制庁原子力規制部長櫻田道夫君及び原子力規制庁放射線防護対策部長黒木慶英君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村裕之君。

中村(裕)委員 おはようございます。自由民主党の中村裕之でございます。

 本委員会で初めて質問の機会をいただきました。心から感謝を申し上げます。

 また、田中委員長におかれましては、一昨年の九月十九日発足以来、重要な役割を責任を持って取り組んでこられたことに、心から敬意を表したいと思います。

 そこで、初めに、規制委員会の役割について確認をさせていただきます。

 規制委員会が安全性の判断を下すことは、再稼働の最終判断に当たっての必要条件であるけれども、十分条件になるかは別問題だと、かつて規制委員会の方で表明をされたというふうに承知をしております。現在もその見解で間違いがないのか、田中規制委員長にお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 原子力規制委員会は、科学的、技術的見地から、原子力発電所の規制に必要な基準を策定し、原子力発電所がその基準に適合しているかどうかを確認することが役割になっております。現在、各原子力発電所の申請に基づいて、新規制基準への適合性を厳格に審査しているところでございます。

 一方、東京電力福島第一原発事故を踏まえると、今回の新規制基準に適合したとしても、それが絶対に安全であるということを意味することではございません。基本的には、事業者において、この規制基準を超えて、しっかりと安全を追求していただく姿勢が極めて重要であると考えております。

 以上でございます。

中村(裕)委員 おっしゃるとおりだと思いますね。基本的には事業者が安全をしっかりと確保することが大切であるということであり、また、科学的知見に基づいて基準を定め、その基準に対して審査を厳格に行っていくという姿勢であると思いますけれども、この必要条件か十分条件かというところが、専門家も含めていまだに議論になっているところであります。

 例えば、規制委員会が新基準をパブリックコメントに付したときに、これを守れば絶対安全だとは言い切れないのではないかという指摘があり、そのことによって、当初、新安全基準という名称にしていたものを新規制基準というふうに名称を改めたという経緯も伺っているところであります。

 この経緯からしても、十分条件とはやはり言えないんだろう、必要条件であるというふうに私は思うのでありますが、再度その点についてお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 先生御指摘のとおりでございまして、規制は、俗に、守るべき最低の要件を求めているものという意味では必要条件でありますが、かといって、それで十分安全を担保できるかということになりますと、それは少し違うというところでございます。

中村(裕)委員 明白な形にはなりませんでしたけれども、私は、原子力規制委員会の審査は、やはり必要条件であるべきだと思うんです。十分条件、必要十分条件まで審査をしているというふうに表明をしてしまいますと、その規制委員会の審査さえ通ればもう安全だと認められたということになってしまうと、新たな安全神話を築いてしまうことにつながりかねないということもありますし、事業者の責任がそのことによって薄れてしまってもそれはよくないことだというふうに思うわけでありまして、私は、あくまでも必要条件であるという姿勢が大事じゃないかと。十分条件まで規制委員会の方で担保をしなければならないということにはならないんだろうというふうに私の意見を述べさせていただきます。

 そこで、安全確保を第一義的に担う事業者がその責任をしっかりと担保していくということが必要だと考えるわけであります。

 私は、全国の電力事業者が相互に安全性を評価、監視する制度を確立していく必要がある、自社の施設だけではなくて、互いに、他社の原子力施設も安全性がきちんと確保されているかをチェックし合う、そうした仕組みが必要であるというふうに考えているわけでありまして、そうしたことによって最新の知見が安全確保に生かされていくだろうというふうに考えているところであります。

 そういった意味での実効性のある取り組みが必要だと考えますが、経済産業省の方にこのことに対する所見を伺いたいと思います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、福島第一原発事故を経験した反省といたしまして、規制を満たしさえすればいいといういわゆる安全神話とは決別をして、産業界が自主的かつ継続的に安全性向上の取り組みをしていく、不断にその高みを目指していくということが重要だと考えてございます。

 御指摘の事業者間の相互評価、いわゆるピアレビューとも申しますけれども、これはアメリカにおきましては原子力発電運転協会というところが取り組みをしておりまして、そうしたところを念頭に置きまして、一昨年、日本でも、原子力安全推進協会、JANSIと呼んでおりますけれども、ここが設立をされておりまして、具体的な手法を整備して実施していくこととなっております。

 経済産業省といたしましても、原子力リスクマネジメントの専門家から成るワーキンググループを設けまして検討を進めてきておりまして、諸外国の取り組み等を参考といたしまして、産業界が自主的に安全性を向上していく取り組みの重要性について御提言をいただいております。今、パブリックコメントに付しているところでございます。その中におきましては、御指摘の相互評価、ピアレビューの強化の必要性も盛り込まれておりますし、また、確率論的リスク評価の実施というようなことも盛り込まれております。

 安全性の向上には終わりはございませんので、私どもとしても、事業者の安全性向上の取り組みを促してまいりたいと考えてございます。

中村(裕)委員 ピアレビューということで、JANSIが設立をされていると。このことについて、相互に監視をし合うわけですけれども、同時に、電力事業者全体が参画をする保険というような、相互保険のような仕組みもできているということでありますから、それぞれが真剣に安全性を科学的知見から評価し合うということが実効性を持って機能することに期待をしたいというふうに思います。

 次に、規制委員会の審査について、効率性についてちょっとお伺いしたいと思います。

 原子力規制委員長は、当初、半年ぐらいは審査にかかるだろうというふうにおっしゃっていたわけでありますけれども、審査が始まって半年を経過し、一年後というのも見えてきている状況になった今も、一基も審査完了のめどが立っていないという状況にあります。

 規制委員会には、独立性ですとか公開性、透明性を求められるわけでありますけれども、私は、同時に効率性も求められると考えるわけであります。当初の見込みどおり半年程度で審査ができるように審査の円滑化が図られるべきと考えますけれども、その円滑化また審査期間の短縮に直結するような工夫や体制の強化等が必要だというふうに考えます。その具体策について、委員長にお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 先生御指摘のことについて、私も、審査の開始に当たって、最低でも半年ぐらいはかかるかもしれませんということを申し上げました。

 今般の審査については、シビアアクシデント対策の要求など、非常に新しい要素が含まれております。また、審査の進捗については、事業者の対応について、それに依存するところが非常に大きいところがありまして、今現在で申請がたくさん出ておりますけれども、それを、一つ一つ見通しについて申し上げることは極めて困難な状況にありますが、当委員会としても、鋭意努力して審査を進めていきたいと思っています。

 御承知のとおり、この中で、ようやく、九州電力川内原子力発電所一、二号機については、基本的な基準地震動とか基準津波を確定できるめどがつきましたので、ほかに重要な審査上の問題がないということが考えられるところから、申請書の補正と審査書類の作成の準備に入っているところでございます。事業者からの報告によりますと、今月中には補正申請、来月中には工認等の申請が出てくるということでございますので、そういったことを踏まえて、できるだけ速やかに審査を進めていきたいというふうに考えております。

 川内を先行させているというお話がございますけれども、今回の審査、補正申請とかいろいろなことにつきまして、新しい側面がございますので、これについては、これを一つの大きなモデルにしてつくることによって、他のプラントについても、今後、速やかに進めることができるものというふうに考えております。

中村(裕)委員 九電の川内がいよいよ審査書類の作成に入っているということで、四月、五月と書類が出されてきて、一つの先例ができるということでありますから、その意味では、これから従来よりは先が見える形になってくるのかなというふうに思いますけれども、やはり、審査が効率的に進んでいないという状況を耳にするわけです。

 それは、審査会合の中で、委員が一問質問すると、事業者が答える。その事業者の答えにまた別の委員が質問をするという、シャクトリムシのようなやりとりが繰り返されていて、いたずらに時間を費やしているのではないかという指摘があるわけでありまして、そうした点も、やはりもっと効率的な審査ができるような工夫というのが必要だと思いますので、その点についてはお願いをしておきたいというふうに思います。

 次に、外部の専門家の活用についてお伺いしたいと思います。

 米国のNRCの例を見ても、規制委員会に対して専門的見地から意見をするという専門委員会が常設をされております。ACRSという組織でありますけれども、NRCの決定に関して専門的見地から意見を表明するために設置をされているわけでありまして、これは、例えば原子力工学ですとか化学、材料化学、熱流体、伝熱、機械、電気等の専門家約十五名から構成をされているというふうに伺っております。既存の原子炉施設の危険性及び安全基準についての助言ですとか、NRCの意思決定に関して意見を表明する場を専門家に提供するために組織されている、そういう常設の委員会であります。安全性を審査する上で重要な組織だというふうに考えるわけであります。

 例えば、偏った審査がされていないかとか、専門的知見から見て古い知見が使われていないかとか、さまざまな意味から、我が国でも、こうしたアメリカの例に倣って、専門家の声を審査に生かす仕組みを検討すべきと考えますが、規制委員長、どのように考えますでしょうか。

田中政府特別補佐人 ACRSの話が出たわけですけれども、アメリカのACRSというのは、NRCという五人の委員会がありまして、そこに出る前に、NRCの事務局のところの審査に対してACRSからコメントをいただいて、それがNRCの委員会に上がってくるという仕組みになっております。それを受けてNRCの五人の委員で協議をして採択をするというのが理想的な姿だと私も思います。しかし、現在、我が国の実力はそこまでは到達していないというのが正直なところでございます。

 それで、独立した立場で、結局、今、科学的、技術的見地から、原子力発電所の基準適合性を審査して、みずから責任を持って判断するということが私どもの役割ということを、法的にもそういうふうに位置づけられておりますので、そういう方向でやっております。

 適合性審査の過程においては、担当委員の判断によって、必要に応じて外部専門家の意見も聴取しているところでございます。

 いずれにしても、当委員会としては、厳格に審査を進めてまいりたいというふうに思っています。

中村(裕)委員 委員長、実力が伴っていない、五人の委員の方が、委員長を先頭に厳格に審査を行っていくということであります。もちろん、それはもう誠実に、厳格にされているとは思いますけれども、やはり、外部の専門家も、その審査の状況に関して、一面に偏っていないかですとか、そういった指摘もあるわけでありまして、仮にどこか専門的な知見が抜けているような部分があれば、それは五人の方にとっても日本国にとっても不幸なことになりますので、やはり広く、さまざまな分野の専門家から意見を聴取する機会を設けるべきだというふうに私は思いますので、そうした検討をしていただくように御指摘を申し上げたいと思います。

 次に、規制委員会の今後の取り組みについてであります。

 規制委員会は安全審査を終了後にパブリックコメントや公聴会を行うという話が突然出てきたというふうに伺っております。

 これはちょっと私もおかしいなと思うところは、規制基準がパブリックコメントに付した内容ででき上がっていて、それに基づいて責任を持って審査をされているわけでありますから、その結果を再度パブリックコメントや公聴会に付すということではなくて、そういうことではなくて、むしろ、規制委員会が責任を持って国民や地元住民に説明責任を果たすというのが当然の流れではないかというふうに私は感じるわけであります。

 その点について、委員長、どうでしょうか。そのように思いますけれども、無駄な時間を経過させることにはならないでしょうか。

田中政府特別補佐人 先生も御案内のように、新しい規制基準をつくるときには、多くの専門家の御協力もいただきまして、基準の策定を行いました。その後、その基準に基づいて適合性審査を行っております。それは少し科学的、技術的な側面がございまして、そこについては、幾つか、いろいろな意見もございます。

 そういったこともありますので、今回、特に、新しい基準が導入されておりますので、これは私の考えとして、少し科学的、技術的な面に限ってパブリックの意見を求めたらどうだろうかということを御提案したものでございます。これについては、幾つかの社会からの御意見もありますけれども、基本的には、私は、そういうことを踏まえてきちっと最終的に判断をしていく、もちろん判断するのは私どもでございますけれども、そうすべきだと思います。

 また、その審査結果の説明責任については、これはしっかりと説明をしていきたいと思います。実は、地元で公聴会という、公聴会という言葉が適当でなかったようでございますけれども、地元は、立地地域については、やはり特別の、科学技術といってもいろいろな御意見があろうかと思いますので、そういった点についてきちっと対話方式でお聞きすることも大事ではないかということで御提案申し上げたんですが、その必要はないという多くの御意見をいただいていますので、判断の結果についてはきちっと説明責任を果たしていきたい、そのように思っております。

中村(裕)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、今委員長は、科学的、技術的な見地からのパブリックコメントを求めたらどうだろうかというお話をされたわけでありますけれども、その意味でも、ACRS的な組織がきちんとあると、改めてそういうことをしなくてもよろしいということになるんだと思うんですよ。

 その辺をしっかり組織としてきちんと整えるというのが規制委員会の皆様の負担も軽減をすることになると思いますし、安全性を全体で担保することにつながると思いますので、ぜひそうした前向きな検討をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

森委員長 次に、中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 通告に従いまして質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 私は、まず一点目は避難計画について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 先日、鹿児島県の薩摩川内市に行ってまいりました。といいましても、今適合性の審査をやっております川内原発の関係ではなくて、ちょっと別の用事がありまして、甑島離島航路で新しい船が完成するということで、それの式典に参加をしてきたんですけれども、やはり、地元では非常に、この川内原発の再稼働、基準の適合性の審査、これについて大変大きな話題になっておりました。

 そして、私は薩摩川内港にも行ったんですけれども、改めて感じましたのは、川内原発の非常にすぐ近くにあるということを思いました。距離にして大体三、四キロぐらいだというふうにお伺いをしましたけれども、改めて、来てみると非常に近いな、こういうことも感じたわけでございます。

 福島第一原発の事故、これから得られた教訓というのは、やはり安全に絶対というものはない、安全神話を生んではならない、こういうことであったというふうに思います。

 常に最悪のケースを想定しないといけない、それでも対応できるようにしないといけない、万全の備えをする、こういうことが必要だ、こうした観点から、シビアアクシデントも含めて、これを想定した世界一厳しい基準を規制庁を中心につくったというわけである、こう承知をしておりますけれども、それでも、やはり何が起こるかわからない。シビアアクシデントが起こるかもしれない。

 こういうときの備えとして、やはり、ではこれに対してどう近隣の自治体が対応するか、どう避難をするか、こういう備えを万全にしておく必要があるのではないかなというふうに思います。

 政府としても、もちろん、こうした問題意識から、原子力災害対策指針を策定しまして、これに従って地元の自治体が防災計画をつくる、避難計画をつくる、こういう動きになっていると承知をしております。

 この避難計画でございますけれども、原発から五キロの圏内、これはPAZということで、予防的な措置を講じる。即時避難など、こういうことを準備する。三十キロ圏内というのはUPZということで、緊急的な措置を講じる。屋内退避あるいは避難、こういうことだと認識をしております。

 三十キロ圏内というのは大変に広うございます。例えば、私の地元の関西電力の管内で申し上げますと、福井県関連の原発のUPZは福井市から京都にまたがります。人口も五十万人以上いる。この人たちが避難をしたらどうすればいいのか。この受け入れの計画というのを、関西広域連合でガイドラインを考えていたり、こういう動きをしております。

 一言で避難計画と言いましても、これをつくるにはかなり大変な労力がかかっている、こういうお話もよく伺いますけれども、この避難計画の策定状況は現在どうなっているのか、これを政府にお伺いしたいというふうに思います。

黒木政府参考人 平成二十六年三月末現在で、地域防災計画につきましては、対象となる二十一道府県全てにおいて策定されておりまして、百三十五市町村のうち百二十三市町村において策定されております。

 また、住民の避難計画につきましては、同じく百三十五市町村のうち七十一市町村において策定がされております。それ以外の市町村でも、各地域で検討、具体化が進んでおりまして、福島地域を除く百二十二市町村の約八割近くについては、平成二十六年度の早い時期に、暫定的な避難計画や広域避難の指針なども含めまして、取り組みが進む見込みでございます。

 全体としては取り組みは進んでいると認識しておりますが、取り組みが進んでいない地域についても、引き続き支援を行い、原子力防災会議において進捗状況を確認してまいる所存でございます。

 以上でございます。

中野委員 避難計画については、百三十五市町村のうちの七十一と。暫定的にでき上がる市町村も今年度中には大分出てくるのではないか、こういうお話でありました。

 地域によりますけれども、やはり、かなりの人口を抱える地域もございます。どうやってつくればいいのかということで、大変に御苦労されている、こういう話も伺います。

 国は、指針を示すわけではありますけれども、その実施は、一義的には自治事務だ、地方自治体がやることだ、こうおっしゃる方もいらっしゃいますけれども、この計画をつくるのをやはり地域任せにするのではなくて、関連する自治体がしっかりと避難計画を策定できるように、政府としてもしっかり前面に出て後押しを引き続きしていく必要がある、このように考えますけれども、いかがでございましょうか。

黒木政府参考人 政府といたしましては、昨年九月に地域ごとに国のワーキングチームを設けまして、関係省庁を挙げて自治体の取り組みへの支援を行っているところでございます。

 昨年十月には、共通課題に対する対応方針を作成いたしまして、市町村ごとに策定する住民の避難計画の基本的な項目、入院患者等の避難のあり方や避難手段等を調整する地域ごとの仕組みの考え方あるいは先行事例、そういったものを自治体に対し提示しまして、これを踏まえた取り組みを求めているところでございます。

 避難計画を策定中の地域については、この対応方針を踏まえた取り組みを継続していただき、今後も各地域に設置しましたワーキングチーム、これは当然のことながら国の機関も入ったワーキングチームでございますが、関係省庁と連携してまさに具体的な課題解決の支援を実施していくことといたしております。

 これらの進捗状況につきましては、原子力防災会議、これは内閣総理大臣が議長となっております会議でございますけれども、原子力防災会議の決定に基づきまして、同会議またはその幹事会においてしっかりとフォローアップをするつもりでございます。

 以上でございます。

中野委員 しっかりと対応していただきたいと思います。

 さて、薩摩川内市といいますと、昨年話題になりましたのが、総合防災訓練を新しい形で行ったということがニュースになりました。

 私も地元に行って、当時の様子というのをお話を伺ったんですが、この訓練、事前に訓練の内容の詳細は示さない、状況に応じてそれぞれ各自が判断をして行動をする、こういう新しい実践的な総合訓練をした。

 これの結果によって、どういうことがうまくいったのか、何がうまくいかなかったのか、こういう知見を検討して、また必要があれば、引き続き国の方針に反映をしていく、こういう話も伺ったわけでございますけれども、実際に、どういう知見が得られて、それを踏まえて今後どのような訓練を行っていくのか、これについても方針を伺いたいというふうに思います。

黒木政府参考人 昨年十月に、九州電力株式会社川内原発を対象としまして、国、自治体、事業者が合同で原子力総合防災訓練を実施いたしました。

 訓練では、今御指摘のとおりでございますけれども、さまざまな新しい取り組みをいたしました。この訓練を通じまして、次のような今後の改善点が確認されたところであります。

 一つは、原子力災害対策指針に基づきます新しい基準による住民の避難の枠組みについては、自治体など関係者へのさらなる理解の浸透が必要であるということが一つ。また、渋滞など、住民が避難する上での障害を設定するといった、訓練の一層の高度化と申しましょうか、さまざまな条件づけと申しましょうか、そういったことを今後の訓練に取り入れていく必要があるということが一つ。また、避難所の状況や放射性物質の放出状況など、住民への適時適切な情報共有を行うためのさらなる工夫が必要であろうというふうなことが、大まかな三点でございますけれども、指摘されました。それ以外に、細かい情報共有の問題であるとか、情報伝達の問題とか、かなり多くの教訓を得た次第でございます。

 これらの改善点につきましては、今後、国や自治体の訓練の実施方法や計画、マニュアルに反映していくことにより、実効性や対応力の向上を図るつもりにしております。

 基本的には、訓練に関して申し上げれば、なるべく多くの改善点が抽出できるような、そういった訓練を今後続けてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

中野委員 訓練についてお話を伺いまして、私も、東日本大震災で大変痛感をいたしました、想定外だったという言葉はもう許されないなということを強く痛感した次第でございます。そうした意味でも、こうした避難の計画や訓練、こういう備えというものがやはり一番大事になってくるというふうに思いますので、引き続き、国としてもしっかりと後押しをしていただきたい、このように御要望申し上げます。

 続きまして、汚染水の対策について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 福島第一原発の汚染水の問題、政府においても、今までさまざまな措置を講じられてきているということは承知をしております。三つの大きな方針ということでお話も伺いました。

 一つ目は、汚染源を除去するということで、ALPSなどを設置して、汚染源をしっかりと除去していく。あるいは、汚染源に近づけないということで、地下水のバイパスをつくったり、あるいは遮水壁をつくったり、こういう取り組みもしておられる。そうしてもう一つ、三点目が、汚染水を漏らさないということでありますけれども、大変残念なことに、非常に汚染水の漏水、漏えいということで大変に事故が多くて、これが信頼を非常に損ねている、このように思っております。

 また、先日、四月の十四日でございますけれども、東京電力は、高濃度の汚染水、これを誤って本来移すべき先ではない建屋の方に移してしまった、こういう発表もしておられました。この報道については、弁というか、そういう操作をわざわざしないとそういうことにならないというふうに聞いておりまして、報道でも、事故なのかあるいは故意にやったのか、こういうことも報道されておられますけれども、本件について、事実関係はどうなっておって、発生原因を今のところどう考えておられるのか、これを確認したいというふうに思います。

糟谷政府参考人 福島第一原発の四号機の南側に、集中廃棄物処理施設という幾つかの建物がございます。その中に、事故の直後に設置をした仮設のポンプがありまして、四台ですけれども、これが動いていたということでございます。

 その結果、本来移送する予定のない建屋に高濃度の汚染水の移送がされていて、約二百三立米でありますけれども、それが流れ込んでいたということが、四月十三日に判明をしたというものでございます。

 これは、もともと、送っていないはずのところがふえていて、送っているところが本当は減るはずなのにふえているということから、調査をして判明したものでありまして、これはそれぞれ二つ分電盤がありまして、そのスイッチが入っていたために、ポンプが四台稼働していたというものであります。

 どういう事情でスイッチが入ってポンプが稼働したのか、この原因については、作業の関係者九十名余りについて今週ヒアリング調査を行っているというふうに聞いております。これがどういう原因であるか、どうして起こったのかということについて、予断を持たずに調査を行っているというふうに理解をしております。

 なお、これによりまして、本来送られるべきではない建屋に送られたことによって、その送られた汚染水の外部への漏えいはないというふうに考えております。

中野委員 現在調査中ということで、予断を持たずに、何が原因なのかということをしっかり調査していただきたいと思いますけれども、ことしに入って、二月にも事故がございました。これはどういう事故かというと、弁があいたままになっていて、それで汚染水が漏れていって、警報も鳴ったんだけれども、これが計器の故障ではないかということでそのまま放置を結果的にはされたと聞いております。ヒューマンエラーのような要因も大きいのではないかなと思っております。

 私は、汚染水の事故、過去にどのようなものがあったかというのを見てまいりましたけれども、昨年ですとかあるいは一昨年に起きた事故というのは、割合、タンクがあって、それの継ぎ目から汚染水が漏れた、こういうケースもありましたし、雨水をせきとめるようなところから、雨が降って、それが漏れたということもございましたし、あるいは、地下につくった貯水槽、これのシートが破れて漏れた、こういうこともございまして、これは基本的には、タンクのつくりが悪いとか、シートの構造が弱かったとか、構造が悪かったんじゃないか、こういう事故がどちらかというと多かったのではないかなというふうに思いますけれども、最近の事故を見ておりますと、構造が別に悪いわけじゃないんだけれども、何か、誤った操作がなされていたりであるとか、本来見つけられるものが見つけられなかったりであるとか、非常にヒューマンエラーの要因の事故も出てきたのではないかなというふうに思っております。

 私は、福島第一原発に行ったときも、真っ先に感じましたのが、タイベックの作業服を着て、全面マスクのこういう、視界も悪くなりまして、大変暑い、そんな中で作業をしている。作業環境がそもそも悪いな、悪いとは聞いておったけれども、自分で着てみると本当に悪いな、こういうことを痛感しまして、夏場に向かって非常に悪い環境になっていくだろうな、こういうことも考えております。

 現場の作業環境が悪いということは、恐らく規制庁の皆さんも認識はされておられると思いますし、改善を求めておられるというふうに思いますけれども、引き続きこういうヒューマンエラーのような事故が起きているわけでございますので、作業員の環境改善をしていかないと、やはりこういう事故はなくなっていかないんじゃないか、私はこういうふうに思っております。

 特に、線量をしっかり下げて、こういう重装備で作業しないように済む、これが非常に大事だというふうに思いますけれども、この作業環境をしっかり改善させていっていただきたい、こう御要望申し上げますけれども、対応についてお伺いをしたいというふうに思います。

糟谷政府参考人 御指摘のように、汚染水をめぐってさまざまなトラブルが相次いでおりまして、御心配をかけておりますことは、本当にじくじたる思いでございます。

 去年の九月に国が前面に出ていろいろな対策を進めてきまして、ハード面でのいろいろな対策は進んできておると考えております。したがって、ヒューマンエラーとか人的な問題があったり、あとは警報が鳴ったのに対応できなかった、何度か気づきの機会があったのにできなかった、そういう類いの問題がふえてきているということだというふうに考えております。

 御指摘の作業環境の問題も非常に重要だと思っておりまして、去年の秋以降、現地に政府として廃炉・汚染水対策現地事務所というのを設けまして、この事務所で現地の関係企業にヒアリングを行いまして、労働環境の改善に向けた要望を把握して、東電に対して労働環境の改善策に反映をしてくださいということを指導する、そんな取り組みをやってきております。

 去年の十一月には東電が、緊急安全対策として、さまざまな作業環境の改善策を打ち出して、これも具体的に今動いてはおります。

 その中でも、御指摘の、作業員の被曝線量を抑えるということが非常に大事な論点だということはおっしゃるとおりでありまして、現在、敷地内の除染を進めるとともに、作業に支障となる瓦れきを除去したり、それから作業エリアの遮蔽体を設置して作業員の方の被曝量が少なくなるように、それによって専門性の高い人材の方々がモチベーションを維持しながら安心して働ける労働環境を整備する、そういうことが必要だと考えておりまして、そういうことに取り組んでおるところであります。

 特に、敷地内の除染は、追加的な地下水の流入防止対策ということで、表面を遮水、舗装しようということも考えておりまして、それと同時に進めるということで、ダブルの効果も期待できるものですから、そういうことを着実に進めてまいりたいというふうに考えております。

中野委員 夏に向けてどんどん恐らくまた暑くなってまいりますので、しっかりと作業環境の改善を進めていただきたいと思います。

 最後に、田中委員長にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、先ほど申し上げたようなヒューマンエラーが原因となるような事故も出だしているというふうに思います。

 例えば、運輸部門では、平成十七年に、これは私の地元の尼崎でありますけれども、皆さん御記憶かもしれませんけれども、ちょうどあした、四月二十五日だったんですが、JR福知山線が脱線をした事故がちょうど平成十七年のあしたでございますけれども、四月二十五日にありました。

 また、この平成十七年というのは、旅客機であるとか、いろいろな運輸部門でヒューマンエラーの関係の事故が非常に多く起きまして、やはり、個々の機器の安全を確認することも大事なんだけれども、安全管理のマネジメントの意識が現場あるいは会社にないと、そもそもこのエラーというのはなくならないね、こういう議論が起きまして、経営部門から現場まで含めてしっかり安全管理のマネジメントをしてもらわないと困る、こういう新しい制度を例えば導入した、私はこんな記憶もございます。

 この汚染水の問題、まだまだ作業自体はずっと続いていくわけでございますので、個々の機器がちゃんとしているかとか、タンクがどうかとか、そういうのも非常に大事ではあるんですけれども、単純なミスが非常に続いておりますので、この安全管理のマネジメントの体制の確立ということも含めてしっかりとやっていく必要があるというふうに思いますけれども、田中委員長はどうお考えか、お伺いをしたいというふうに思います。

田中政府特別補佐人 先生御指摘のとおりです。

 私も、結局、いろいろなトラブルが福島第一原子力発電所では起こるだろうということをずっと予測してまいりました。

 それを極力少なくするためには作業環境を改善することが最も大事であるということで、昨年十月下旬に広瀬社長においでいただきまして、まず、先ほど先生御指摘がありましたように、全面マスクのタイベックスーツ二つを二重重ねで着るような作業環境では、やはり視野も狭いし、会話も十分行き届かないということもあるので、要するに、被曝線量を防ぐような、そういう環境をまずつくっていただきたいと。

 それから、作業が終わった後、シャワーを浴びることもできないというような状況です。休むところもないというようなことでした。

 そういうことについて、まず、作業者が安心して誇りを持ってできるような作業環境をきちっとつくっていただきたいということで、昨年、すぐにそれを受けて、十一月初めにその計画をつくっていただきまして、今進んでいるということで、先日、三月に、さらに確認のためにおいでいただいて、その作業状況を確認させていただきました。

 いずれにしても、こういった作業ミスが起こるようなことは全くいけないことで、これによって、ミスにとどまらないで一番大きな深刻なことは、周辺の住民、特に福島県の方に大変心配をおかけするということになりますので、そういったことも含めて、ぜひそういったことについては引き続き私の方からもトップマネジメントとして要求をしていきたいと思います。

中野委員 しっかりと経営のトップからそういう安全意識を持っていただくということが一番大事だと思いますので、また委員長からも、トップマネジメントということで、引き続きしっかり監視というか、見ていただければと御要望を申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

森委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 先週に続いて、ちょうど質疑時間が憲法審査会と重なっていますので、御配慮いただきました。

 きょうは、幾つかの点を伺いたいと思うんですが、安倍政権が、原発を重要なベースロード電源と位置づけたエネルギー基本計画、これを閣議決定したことを受けて、去る四月の十五日、関西経済連合会と九州経済連合会から連名で、「原子力発電所の一刻も早い再稼働を求める」、こういう意見書を、政府、そして原子力規制委員会、さらには国会、当委員会に対しても宛てて出したということでありますが、田中委員長、原子力規制委員会としてこの意見書を受け取ったかどうか、その事実をまず確認したいと思います。

田中政府特別補佐人 事務的には受け取っておりますけれども、原子力発電所の再稼働は原子力規制委員会の所掌ではなくて、原子力発電所の再稼働に関する要望書については、受け取ってはおりますけれども、コメントは差し控えたいと思います。

笠井委員 これを見ますと、大飯、高浜、川内、玄海の各原発名を具体的に挙げて、早期の再稼働を求めております。

 国民の原発ゼロの願い、そして、三年を経た東電福島第一原発事故をめぐる深刻な現状を一顧だにせずに、ひたすら再稼働に向けて、政府、規制委員会、そして国会にまで圧力をかける、とんでもないものだと私は思うんです。

 その意見書の中で、田中委員長は今コメントしないとおっしゃったんですが、具体的にいろいろ書いてあるんですね。

 「現在、原子力規制委員会が進めている安全審査は、」安全審査と言っている、「産業界からみると、独立性と専門性を重視しすぎるあまり、限定された専門家に負荷が集中し、効率的で責任のある意思決定が迅速に行われているとは言い難い。」ここまではっきり名指しで批判をされて、そして、具体的には、「これまでの再稼働審査のプロセスの検証を行ない、」再稼働審査と言っているんですね、「審査の効率化に向けた改善を行なうこと。」ここまで要求をされているわけです。

 名指しでここまで言われて批判されて、再稼働審査と言われて、そして、そのプロセスを検証して効率的にもっと早くやれ、改善しろと言っているわけですけれども、当該の電力会社を含む関西、九州の経済界から規制委員会がこんなことまで言われている。どう思われますか。この指摘どおりにやろうということなのか。コメントしないというのでは済まされないと思うんですけれども、けしからぬとか、関係なく我々はやるんだとか、何かそういうことはないんですか。

田中政府特別補佐人 コメントを差し控えたいということは、その内容については、特にそういうことに左右されることなく、私どもの考えに沿ってきちっと適合性審査を進めていきたい、いくということでございます。

笠井委員 言われて批判されるということは、言われっ放しというような話ですね、一方では。

 では、果たしてそういうふうになっているかと、具体的に聞いていきたいと思うんです。

 この間の当委員会で、私は、原子力規制委員会の審査の中で、旧原子力安全・保安院などさえ行ってきたクロスチェック解析をしているか、繰り返しただしてまいりましたが、田中委員長は、累次にわたる御答弁の中で、別途の解析をしていると言われながら、クロスチェックとは最後まで明言せずに、個別については答弁を差し控えたいとか、解析も含めた有効性の評価を行っている、こういうふうに言われて、やっているのかやっていないのかというと、言を左右にされるということがあったんです。

 私は、そういうことの中で、規制庁に対して、委員長が言われた別途の解析というのは一体どういうことなんだということについてただしたところ、回答が文書でありまして、その中で、四月十一日付の原子力規制庁と書いた回答のペーパーでありますけれども、こうあります。

 今般の適合性審査で実施しているクロスチェック解析については、新規制基準における重大事故対策の有効性評価に関して実施しているものです。やっていると。また、原子力安全・保安院等が実施してきたクロスチェック解析については、設計基準事故等に係る解析を検証するために実施してきたものと承知しておりますと。今もやっているというふうに言っているんです、それをやっている。そういうことでいいんですか。委員長が言われたことと、ちょっとこう、ニュアンスをはっきり言われないんだけれども、そのことについて確認したいと思います。

田中政府特別補佐人 先生御指摘のように、事務方の方から御回答を差し上げたとおりでございます。

 先日も、クロスチェックというと、非常に、コンピューターを回して計算をすることだけというふうに捉えられがちですけれども、それも含めまして、必要な、特に重大事故対策については、そういうことだけでできるものではないので、その有効性ということ、これはややソフトウエア的なところがありますので、人の介在するところとか、機器をどういうふうに動かすかとか、そういったことも含めまして、クロスチェックをやっているということでございます。

笠井委員 私も、コンピューターだけで済ますなんて言っていないんですよ。ただ、それも含めてやっていると言われて、クロスチェックということをやっているとこの間言われなかった。なぜはっきり言わないのかという問題なんですね。やっています、しかし、それだけじゃなくて、こうなんですと言うならわかるんだけれども、クロスチェックをやっているんですかと言っても、そのことははっきり言われなかった。しかし、今、はっきり、やっているということについて言われました。

 では、伺っていきたいんですけれども、前回の当委員会で、私は、川内原発では重大事故が起きても水素爆発には至らないという九州電力の解析結果の信憑性が問われている問題について指摘をさせていただきました。規制委員会は九電の解析結果に間違いないと確信を持てるのかどうかをただしてまいりましたが、田中委員長は、その御答弁の中で、水素再結合装置によって、水素爆発対策の有効性について確認をしているというふうに言われました。電力会社による水素爆発は起きないという評価は妥当だということでありますが、では、水素再結合装置の効果というのはどの程度あるのか。

 昨年九月五日の適合性審査の会合に、九州電力は川内原発一、二号機の水素燃焼に関する資料を出しております。ジルコニウムと水の化学反応によって発生する水素量を記載した方程式がその中で紹介をされておりますが、これに基づけば、川内原発一、二号機のそれぞれで発生する水素の重量というのは、方程式で計算するとどれぐらいになるんでしょうか。

田中政府特別補佐人 炉心損傷、燃料の溶融の状況によって水素の発生量が違ってまいりますけれども、今回の福島事故のような、燃料が全て溶けるような事態になれば、五十キロとか六十キロというような大量の水素の発生があるものと思います。

 今回、川内の審査でどの程度の発生量を考えているかということについては、今ちょっと私も詳細なデータを持っておりませんので申し上げることはできないのですが、それについて、その発生量に対して、どれだけ水素再結合装置が必要か、その機能がきちっと有効に働くかどうかということについては、現在審査中でございます。

笠井委員 発生量がわからなくて、どうしてそういう話になるのかということなんですね。

 さっき、福島は五十キロ、六十キロというオーダーで言われたんだけれども、これはもっと多いんじゃないですか、方程式でやると。私が計算すると、六百六十キロぐらいになる。

 一方で、九電は、川内原発はそういうことで重量について書いていないんだけれども、玄海の方を見ると八百二十キログラムという数字が出ているんですね。この文書の中で九電自身が出しているんですよ。そのことをまず押さえなかったら、それに対してどうかということはわからないんだと思うんですよ。規制委員会としてつかんでいないのかという問題になります。

 同じ資料の中で、水素再結合装置の性能試験結果の説明があって、川内原発の一時間当たりの再結合率というのが一・二キログラムということで、原子炉一基当たり五つの装置を取りつけることになっております。この資料に出ている、水素濃度を解析するGOTHICコードというのを用いて九州電力が解析した結果によりますと、水素濃度のピークに至るまで約三時間ということになっていて、したがって、川内原発の再結合装置による水素の処理量というのは、一・二キログラム掛ける五つの装置掛ける三時間ということで、約十八キログラムというふうになると思うんですけれども、川内原発の水素発生重量自身が、私が計算しますと約六百六十キロなので、わずか二%にしかならないんですね。

 水素再結合装置の効果というのはわずかしかないんじゃないかと思うんだけれども、どうしてこれで水素爆轟が起きないというふうに言えるのかというところについて、規制委員会としてはどう見ているんでしょうか。

田中政府特別補佐人 大変申しわけありません。細かいことを私自身が十分に理解していないということで、今事務方からお聞きしたところによると、最大濃度が大体九・七%ぐらいになる、その濃度がふえるにつれて再結合の能力は高まってくるということですが、それを爆鳴気、四%ぐらいだと思いますけれども、そういったところに下げるためにきちっとそれが機能できるかどうかということについては、今現在も審査中でございますので、その結果によって、再結合装置の増設とか配置とか、そういったことも含めて検討されるものというふうに理解しております。

笠井委員 私は、きょう、このことを聞くと通告させていただいているので、ぜひその辺のところはしっかりとお願いしたいんですけれども、結局のところ、そのところはまだわからない、審査中だという話で、さらに必要があればという話なんだけれども、玄海の三号、四号では、水素再結合装置があっても一二・八%と。つまり、爆轟が起きる水素濃度一三%を下回っているというふうなことを言うんだけれども、それでもぎりぎりなんですね。

 九電が使っているコードの不確実性を考えたら、例えば玄海にしたって、一三%を超えることもあったら、そうしたら爆轟が起きないとは限らない。だから、きちんとクロスチェックして、解析して確認すべきじゃないかと思うんだけれども、今伺っていても、結局、説明の根拠というのは、いろいろ規制庁に聞いても、九州電力のやった解析の説明をしているだけなんですよね。それでいいのかということが問われてくる。

 つまり、規制委員会は厳しい立場に立って審査に臨むといいながら、原発で水素爆轟が起きる可能性があるかなしかを厳密に審査するために必要なはずの、先ほど冒頭にあったクロスチェックの解析も独自にきちっとやらずに、水素爆轟が起きないという電力会社の解析結果を認めるというふうになってくると、結果的には、冒頭に言った経済界や電力会社が言っている、再稼働に向けた圧力をかけている、それに対してきちっとチェックしていない、審査していない、言いなりになっちゃうということになるんじゃないか、そういう問題だと思うんですが、規制委員長、いかがですか。

田中政府特別補佐人 先生が御懸念のようなことはございませんで、きちっとそこは私どもとしても必要なチェックをして、それで必要な対策を求めていくというのが基本的な審査でありまして、その審査を今進めているところでございます。

笠井委員 では、この問題でもクロスチェックと同等に、委員長自身がお認めになった問題について、きちっと再結合装置についてもクロスチェック、独自の解析をやってチェックする、やっている、こういうことではっきり言われるんですか。

田中政府特別補佐人 水素の問題は重大事故を防ぐ上で大変大事なことですから、これについてはきちっとやっていますし、今後も引き続ききちっと慎重に検討していく予定でございます。

笠井委員 済みません。くどいようですけれども、この問題についても大事な問題なので、きちっと独自の解析コードを使ってチェックする、やっている、そしてきちっとやるんだということは確認できるんですか。もう一回、ちょっとはっきり言ってください。

田中政府特別補佐人 計算式だけでその全てを評価できるわけではございませんので、そういったことも含めまして、個別にさまざまな事象については評価をして、有効性をきちっと確認した上で許可をしていくことになるということです。

笠井委員 時間になったので終わりますが、本当に大事な問題、一つ一つが具体的に問われてくると思うんですよ。

 クロスチェック解析、きちんと一個一個全部やっていったら相応の時間と作業量が必要になって、審査に時間がかかる、遅くなる。あるいは、チェックで電力会社と異なる結果が出た場合には再稼働できなくなるとか、場合によっては運転許可取り消しというふうになる。そして、そういう問題になると、冒頭に言っているような経済界や財界圧力とは無関係と言いながら、結局、いろいろなことになってくるというのでおもんぱかることになって、それで審査の効率化を図っているとなってくる、つながってくると思うので、私は、財界がその迅速な意思決定の妨げになるよと懸念するような、まさにそういう独立性と専門性こそ逆に規制委員会としては徹底して重視すべきだ、そのことを求めて、きょうは終わります。

 ありがとうございます。

森委員長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 おはようございます。民主党の近藤昭一でございます。

 きょうは、この原子力問題調査特別委員会で質問の時間をいただきましたこと、関係の皆さんに感謝申し上げたいと思います。

 初めてこの委員会で質問をさせていただきます。重複しているところがもしかしたらあるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。ただ一方で、私が今本当に懸念を持ち、関心を持っていることについて、幾つか質問させていただきたいと思います。

 まず、東京電力の福島第一原子力発電所サイト内の土壌調査の現状についてということであります。

 私も、関係の部署に、この調査の状況についてどういうふうになっているのかということを、時に応じて尋ねてまいりました。少し前になるわけでありますが、そのときには、なかなか大変に事故の対応が、さまざまなところで予想もしないことが起きている、本当に原子力事故の対応の難しさということだと思いますが、さまざまなことが起きていて、なかなかそこに十分に手が回らないというようなこともあったんでしょうか、土壌調査の分析ができていない、こういうようなことだったわけであります。

 そこで、現状についてお伺いをしていきたいと思います。

 今、サイト内の土壌を採取し、そしてそれを分析し、また、そこに対しての評価をどのようにしているか、お知らせをいただきたいと思います。

黒木政府参考人 東京電力福島第一原子力発電所サイト内における土壌中の放射性物質濃度につきましては、東京電力において測定し、公表していると承知しております。

 その公表資料によれば、試料採取日から分析及び公表に至るまでかなりの期間を要しているようでございます。分析が終わったものから、先月以降、順次公表されているものと承知しております。

 事業者においては、地元のニーズなども踏まえ、適切な対応が必要であると認識しております。

近藤(昭)委員 先月の末から再公表されているということでよろしいでしょうか。そうすると、私が尋ねたときにストップをしていたわけであります。そうすると、どのくらいそれがストップをしていたのか、お知らせいただきたいと思います。

黒木政府参考人 東京電力のホームページでは、平成二十五年八月二十一日以降、平成二十六年三月十九日まで、サイト内の土壌調査結果が公表されておりません。その後、三月十九日、二十五日、二十八日、四月十八日と、土壌調査結果が公表されている状況でございます。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 そうすると、昨年の八月からことしの三月まで、随分と長期間にわたって分析と評価がされていなかったということだと思います。これは本当に非常に、先ほども申し上げましたように、原子力サイトの事故の対応の難しさ、そして予想のつかないこと、そういうことに対して、こんなに長い期間にもわたってそうしたことがされていなかった、これは大きな問題だと思うんです。

 その後発表されたわけでありますが、その間に何か特筆すべきというか、注目すべき変化というか課題が出たのかどうか。どうでしょうか。

山本政府参考人 先ほどもお答えがありましたように、東京電力におきましては、敷地内の、さまざまな核種について、どの程度の放射性物質が含まれているか、定期的に調査しているところでございます。

 特に、こういう放射性物質の観点で重要なことは、まずは、敷地内で作業されている方の被曝低減という観点から、どれだけの放射性物質が含まれているかということをきちっと把握いたしまして、もちろん、高線量のところについては、長時間の作業は避けるであるとか、あるいは近づくことを禁止するとか、さまざまな被曝低減のための対策が講じられているところでございます。

 それで、これまでのデータによりますと、さまざまな核種、これは物理的には当然減衰してまいりますので、値は少しずつ小さくはなっているところでございますけれども、やはり作業環境の改善の観点から、敷地内の除染というものを計画的に進めていくことが非常に大事だろうと思っておりまして、建屋の周辺はまだ大変高うございますけれども、それ以外のところについては、できるだけ通常の法令基準程度に十分達するように、除染作業が今計画されて、進められている、こういう状況であるということを認識しております。

近藤(昭)委員 そうすると、公表がされた期間において、特に問題はなかった、こういう認識でおられるということだと思います。

 ただ、現場では、そうした作業をする人たちに対する配慮といいましょうか、対応としてやっていたのかもしれませんが、というか、調査がされていなかったわけでありますから、公表されていなかったということですよね。これは、分析と評価がなされていなかったということですよね。そういう認識でいいですか。

山本政府参考人 調査につきましては、一定期間ごとに複数回実施をされているというふうに認識しております。

 ただ、委員御指摘のように、この公表まで相当時間がかかったということについては、やはり課題があろうかと思っておりますので、分析が終わり次第、適時適切なタイミングで公表していくということは大事だろうというふうに考えております。

近藤(昭)委員 ちょっとよくわからないんですけれども、つまり、公表がされていなかっただけで、ちゃんと分析をしていたのか、この事実をちょっと確認したいと思います。

山本政府参考人 例えば、ガンマ線の分析、セシウムなどのものでございます、これらについても、平成二十五年においても、二月、あるいは三月、五月、七月といった頻度で実施をされておりました。

 ただし、この公表が、特に、二十五年三月以降、行われましたのが、二十六年三月になってから公表になったということで、公表のタイミングが少しおくれたのが少し課題であろうというふうに考えております。

近藤(昭)委員 ほかにも課題がありますので、次の質問に行きますけれども、分析、評価されていたなら速やかに発表すべきだと思いますし、分析はしたけれども評価はしていないとか、そういうことがあったら問題だと思います。そこはしっかりとまたチェックをしていただきたいと思います。

 そしてまた、サイト内でどのあたりから採取をしているかというところについて確認をしたいと思います。炉からどれぐらいの距離のところで採取をしているか、お知らせをいただきたいと思います。

山本政府参考人 これは、敷地内の複数箇所を対象にして実施をしてございます。

 例えば、これは敷地境界に近い場所だと思いますけれども、敷地境界の近傍にありますグラウンドでありますとか、あるいは野鳥の森と呼ばれている、これも敷地境界に近いところだと思います。それからあと、産業廃棄物の処分場、これは既存のものでございますけれども、そういったところの近傍であるとか、そういう敷地の分布を考慮いたしまして採取をしているという状況でございます。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 具体的に、それは距離でいうとどれぐらいのところでありましょうか。

山本政府参考人 まず、距離でございますけれども、発電所は広うございますので、二号機に煙突といいますかスタックがございますので、そこからの距離で申し上げますと、先ほど申し上げましたグラウンドについては、西北西の方向で約五百メートルの距離でございます。それから、野鳥の森については、真西で約五百メートル。それから、産廃処分場の近傍につきましては、南南西の距離約五百メートルということで、北から三カ所、敷地境界の近傍のあたりを調査しているという状況でございます。

近藤(昭)委員 時間が限られていますので、先ほど申し上げたように、次の質問に行きたいと思いますが、放射性を帯びた物質というのは、いろいろと風によって動いたりするわけで、私は、どれぐらいの距離をやるかとか箇所数というのは、もっともっといろいろと検討されていくべきだというふうに思っているんです。このことについては、また違うときにもお伺いをしたいと思いますが、そういう認識を持っているということであります。

 次の質問に行きたいんですが、実は、原発の再稼働に関していろいろなことが、今、政府も安全性を確認し、再稼働に向けて手続をしているということなんだと思いますけれども、自治体における避難計画とその受け入れ計画、つまり、避難計画、原子力サイトが立地する自治体、しかし、そこから避難をすると、その隣の市町村に避難したりするわけでありますから、そこの都市、その市町村がどのように受け入れの計画を持っているのか、受け入れに対してどういう準備をしているのか。

 まず、大体、これは新聞等々にも発表されているところはありますが、避難計画をつくるべき自治体でどれだけの自治体がつくっているのか、また、隣接する市町村で、その受け入れ計画をつくるべきところがどれぐらいつくっているのか、お知らせをいただきたいと思います。

黒木政府参考人 現在、住民の避難計画につきましては、百三十五市町村のうち七十一市町村で避難計画がつくられております。これは二十六年の三月末現在の数字でございます。

 それから、受け入れの方の計画については、ちょっと今のところ、私、手元に把握がございません。ちょっとここでは答弁ができませんで、申しわけございませんです。

近藤(昭)委員 実は先般、関係のところに、この受け入れ計画について、市町村がどのようにつくっているかということについては把握をしていない、こういう答弁でしたし、今も、お答えできないということだったわけであります。

 そうすると、大体、避難計画をつくるべき市町村、自治体の半分でしたね、今。半分しかつくっていないというか、できていない、できないんだと思います。

 いろいろとそれぞれの市町村によって状況は違うと思いますが、どのような事態にどういうふうに対応していくのか、その規模と申しましょうか、そのときの状況によって、どれだけの人が移動していくのか。立地をしている自治体の人口でいうと、私の調べたところでいうと、最少のところが約七万人の人がサイトの近く、三十キロ圏内ということでしょうか、七万人強。そして最大は、茨城県になるわけですが、約九十三万人。九十三万人と七万人。九十三万人の人たちがどのように避難をしていくのか、何十万という人たちがどのように避難をしていくのか。

 自治体としては、例えば、計画としてはできるかもしれないけれども、それは現実性があるのかどうか、あるいは、住民の被曝を避けるためには、より現実的なものを、きちっと実現できるものをつくっていかなくてはいけない。しかし、では、その実現できるものはどういう基準なのか、それがなかなかはっきりわからない。

 避難計画については自治体に任せているということだと思いますけれども、それで、今申し上げました受け入れの自治体については全く把握していない。これでは、まさしく、百三十五分の七十六でしたか、半分のところがつくっていたとして、しかしながら、その周りに現実的にきちっと避難ができるかどうか、これが把握できていないということだと思うんです。これについて、私は把握をすべきだ。把握をしても、それが現実的かどうかとまたさらなる問題があるわけでありますが、まず、受け入れるところの市町村が計画をつくっているかどうか、また、つくっているとしたら、どのようにしているのかというのを把握すべきだと思いますが、いかがでありましょう。

黒木政府参考人 現時点、そういった広域避難をする場合、例えば県外もございますけれども、そういったところに関しましては、どういう市町村が受け入れるかというところ、それからどの施設に収容するかということ、そういうことについては、それぞれ関係の道府県において調整が行われておりまして、七十一市町村のうち、そういった広域避難を要するような、県外ですけれども、約二十カ所、二十市町村ですか、ございますけれども、そこについては、そういった話で、一種、ひもつきのような状況というのはできております。その状況については全て把握できております。

 ただ、問題は、その具体的な受け入れ先において、現実的にはどういうふうな形での受け入れ計画にするかというのは、ちょっとそれは把握がないということでございまして、現実問題としてはそういうふうな状況にございます。

 したがいまして、大きな問題は、やはり受け入れ先でどういった形の生活をするかという問題、これもあります。それから、受け入れる前の段階では、当然、スクリーニングの話もございます。そういった総体をこれからきちんとまたつくっていかなきゃいけない面もございます。

 ただ、一つあるのは、やはり、このところの一つの活動というのは、基本的には避難元の自治体、それから避難先の自治体、それぞれにおいて協議されて進められるというのが現実でございまして、そこでいろいろな困難があった場合については、我々の方がそこにいわゆるワーキングチームという形で参加して解決を図るというふうな形にいたしております。

 なお、計画とはちょっとかわりますけれども、予算面からいえば、そういった避難先での所要の、例えば防護資機材とかそういうものが必要であるならば、それは避難元の自治体に対する交付金の方から手当てできるような形での運用を図っているところでございます。

近藤(昭)委員 いろいろとやっているんだというお答えで、そういう連携をしているんだと。

 しかし、どうもそれは、何か基準といいましょうか、私が聞いた、隣接する自治体の首長さんも、いや、実は、例えば、何らかそういう話し合いが持たれていても、どういうものをつくったらいいのか。例えば、これは、そのときの風の向きによってもう全然違ってくるわけですし、あるいは季節によっても違ってくる、時間によっても違ってくる。そうしたことに、ある種の基準といいましょうか、そういうものもないと思うんです。

 ですから、ある種の基準をつくっているのか、そして、そういうものに対してきちっと受け入れの計画が、その基準をきちっとクリアしたというか、基準を満たしたような計画ができているのかどうか、それは把握すべきだと思うんですが、基準のことと把握のことと、もう一度お答えをいただきたいと思います。

黒木政府参考人 まず、避難先をどこに設定するかということの基準でございますけれども、それについては、明示的な文書で示しておりませんけれども、今おおむね、各関係の道府県におきましてはUPZ圏外に設定するというふうなことにいたしております。

 問題は、UPZ圏外におきましても、場合によっては放射性物質が拡散しているということもないわけではないと思いますけれども、そういうことを考えた場合には、当然のことながら、当該施設について、どの程度、放射線量が、現実に空間線量があるか、そういったモニタリングをする必要というのがあると思います。そういったところについてもこれからも手当てしてまいりたいと考えております。

近藤(昭)委員 もう一度お伺いします。

 そうしたことを把握すべきだと思いますが、いかがでありましょうか。

黒木政府参考人 きちんと把握したいと思います。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 そこはきちっと把握をし、そして、そういう状況の中からいろいろと出てくる課題についてはしっかりと対応していただきたいと思います。

 そして、今のことで、田中委員長、通告をしておりませんが、ちょっと確認をしたいと思うんです。

 そうした避難計画については原子力規制委員会の所管とするところではないと。そこについてのチェックはどこがやるということでよろしいでしょうか。避難計画ができているとか、受け入れ計画が出てきているとか。

田中政府特別補佐人 御指摘のように、原子力規制委員会は、防災・避難計画については、指針はつくらせていただいておりますけれども、それに基づく具体的な計画の策定については、これは私どもの所掌ではないということになっております。

 ただ、今、黒木の方からもありましたように、内閣防災と一緒になりまして、そういった避難計画に役立つような、いろいろな、我々としてできることは最善を尽くして今後とも進めてまいりたいと思っております。

近藤(昭)委員 田中委員長、どうもありがとうございます。

 指針をつくり、現実的な防災等々については内閣府の方で対応していくということです。

 そうしますと、ちょっと確認をしたいんですが、原発の再稼働の条件というか、再稼働をする際の安全性、政府も、茂木大臣もおっしゃっているのは、原子力規制委員会によって安全性が確認された段階で、立地自治体等の関係の理解を得るため、事業者だけでなく国も説明をする、そして、理解を得て再稼働をするということなんだというような発言をされているわけであります。

 さて、この再稼働の条件について、その安全性というのは、再稼働について誰がどのように判断をするのか、教えていただきたいと思います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 原子力発電につきましては、いかなる事情よりも安全性を最優先にする、その考え方のもと、安全性につきましては、独立した原子力規制委員会が新しい規制基準のもとで判断していくことと考えてございます。

 原子力規制委員会によって新規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。その旨、エネルギー基本計画でも決定をしてございます。

近藤(昭)委員 閣議決定をされたエネルギー基本計画を見ると、前文のところにも、「政府及び原子力事業者は、いわゆる「安全神話」に陥り、十分な過酷事故への対応ができず、このような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省を一時たりとも放念してはならない。」安全神話に陥ったことに対する反省というものがあるわけであります。

 そして、今のは前書きのところになるわけでありますが、その後、二章の二節のところでありましょうか、今後の原子力の方向性というところがありますが、その中でも、「いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げる前提の下、原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。その際、国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう、取り組む。」と書いてあるわけです。

 また、四行ほど下に、また、万が一事故が起きた場合に、被害が大きくなるリスクを認識し、事故への対策を講じ、盤石なものとしておく必要がある、こういうふうに書いてあるわけであります。

 ただ、先ほど田中委員長もおっしゃっていましたように、また、この間、いろいろなところで記者会見等々でおっしゃっている原子力規制委員会また茂木大臣、いわゆる政府の側、その安全性を確認する、安全性を確認して再稼働をする。ただ、その安全性の一つとして、田中委員長はよく、規制委員会が判断するのは世界で最も進んだ厳しい基準に合致しているかどうかである、合致しているかどうかを判断する、こういうふうにおっしゃっているわけです。

 先ほどもお聞きしましたが、つまり、基準に合致しているかどうかということを判断し、それは安全を保証するものではないというような言い方をされているわけでありますが、もう一度確認をしたいと思います、その安全性ということについて。

田中政府特別補佐人 言葉で言いますと、安全性を確認しているのではなくて、福島第一事故の教訓を踏まえて、かつ、国際的なさまざまな基準を踏まえまして、特に今回の場合は外的な要因でございます、地震、津波、火山、そういったものを踏まえて、十分にそれに耐えられるような規制基準を要求しております。

 それで、それに合致しているかどうか、それがきちっと守られるかどうかということについての適合性審査をしているところでございます。それは、ちょっと雑駁な言い方になるので余り私は好きではないんですが、世界で最高水準のという言い方でよく言われるんですが、そういう意味で、さまざまな意味で、そういうレベルのものの我々の判断について、今度はそれについて、政府だけではなくて、多分事業者、それから住民、特に住民の方たち、そういったステークホルダーの方たちがこれでいいということで初めて再稼働に結びつくものというふうに私は判断しております。

近藤(昭)委員 田中委員長、ありがとうございます。

 私もこれまでの、環境委員会に所属をしておりましたときに原子力規制委員会設置法なんかも議論したわけですが、まさしく委員長がおっしゃるように、万が一というものを想定していくわけですから、そうすると安全ということは言い切れないわけでありまして、万が一を想定しながら、より厳しい基準を持っていく。そして、万が一の事故のときには、被曝を避けるために避難計画をつくっていく。まさしく委員長がおっしゃったように、その厳しい基準をつくる、そしてその基準に合致しているかどうかを判断するのだということだ。

 しかし、その後、万が一があるわけでありますから、もう一つ、今委員長もおっしゃった、自治体の理解を得ながら、ここなんですが、そこについては、万が一の事故が起きたときに被曝を避けるために逃げる、避難をする、そのことについては再稼働の条件にはなっていないわけでありますよね。

 しかしながら、今委員長もおっしゃった、委員会としては安全を保証するものではないし、基準を判断するということであって、安全性を担保するわけではない、こうおっしゃっているわけであります。そして、政府自身も、政府の答弁書の中でも新規制基準と地域防災計画は関係ないと言っておられて、いろいろなところで質問をすると、自治体の理解を得ながら、そして、理解を得るについては国も支援をしていく、こういう言い方をされるわけです。

 そうすると、規制委員会は基準に合致しているかどうか、そして、残念ながら万が一があるということも想定しながら、そして、万が一のときには避難をしなくてはいけない、しかし、避難するときの計画がどのように現実的に担保されているか、これが非常に曖昧だと思うんですね。

 ここは、私は、そうした事故を最終的に避けるためには原発をなくすしかないと思うんですが、今、政府が考えている中で、万が一を想定しながら、しかし、被曝を避けるということで考えると、その避難計画をきちっと現実的にしていくというのが政府の考え方の中で起こるべきことだと思うんですが、なぜきちっとそのことが再稼働の条件にならないのか、そして、政府は先ほど、これから把握するとおっしゃっていたけれども、受け入れのところについてのきちっとした対応をいまだもってしていないのか、いかがでありましょう。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 原子力発電所につきましては、いかなる事情よりも安全性を最優先するということでございます。規制委員会の新しい規制基準のもとで判断していくということでございます。

 当然のことながら、再稼働に当たりましては、地元の立地自治体の理解を得るということが重要でございますので、事業者はもとより、国としてもしっかり説明していきたいと思います。また、避難計画、お話がございましたけれども、これは経済産業省といたしましても、その充実に向けて、自治体の策定に対して支援を行ってまいりたいと考えてございます。

近藤(昭)委員 ですから、そうすると、地元の理解を得てというところが非常に曖昧だと思うんです。その地元の理解を得てというようなことはどういうふうに判断をするのか。そこはどうでありましょうか。非常に大事なところだと思うんですよ。

 今は、自治体、それぞれいろいろな意見があるわけだと思いますが、でも、やはり多くの方が、避難計画をきちっと条件にすべきだ、そして、その避難計画はきちっと現実的なものであるべきだと。今おっしゃったのは、地元の理解を得るべく努力をしていく。では、地元の理解を得たときに、誰がどう最終的に再稼働を判断するのか。その再稼働を判断するときに安全ということは使えないんだと思いますが、そこをもう一度お聞かせいただきたいと思います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 原子力発電所の安全性につきましては、繰り返しになりますけれども、独立した原子力規制委員会が世界で最も厳しい規制基準のもとに判断をしていく、その判断を尊重して再稼働を進めるということでございます。

 法令上につきましては、規制委員会により新規制基準への適合性が確認された後であれば、事業者みずからの判断で再稼働ができる法令上の仕組みにはなっておりますけれども、政府としては、地元の御理解を得るべく、最大限の説明をしてまいりたいと考えてございます。

近藤(昭)委員 質問時間が終わりましたが、今も、つまり、理解を得るべく努力をしていく、そういう言葉、私は、やはり、そういう非常に曖昧な状況の中では、ある種、責任を誰がきちっととるという仕組みがない中では、再稼働をさせるべきではないと思います。

 以上です。

森委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 きょうは、田中委員長に加えて、冨岡政務官、磯崎政務官、毎度恐縮でございます。私も何度かこの特別委員会で質問に立たせていただいていますが、最近は冨岡政務官と磯崎政務官がいないと何か落ちつきませんので、きょうも何とぞよろしくお願い申し上げます。それから、山口副社長、お忙しいところ本当にありがとうございます。

 きょうは、二点、私の立場から、どうしてもお時間を頂戴して確認しておきたいことがあります。

 一点は、ちょっと後段にさせていただくと思いますが、賠償責任の話。先般も御答弁をいただきました。

 今、近藤委員の方から、避難計画に係る政府の考えが曖昧じゃないか、こういう指摘がありました。確かにそういう面があるように思います。賠償責任についても同じような問題があると思っていまして、大きく、規制基準を満たすこと、それから損害賠償の枠組みがちゃんとしていること、それから避難計画がしっかりしていること、やはりこれは三つそろっていくべきものであると私は思っています。

 その曖昧さについては、できるだけこの原子力問題調査特別委員会の場で明らかにしていきたいということで、先般も、規制委員長にあわせて冨岡政務官、磯崎政務官にも御答弁いただいたわけですが、若干時間がぎりぎりでしたので、大事な問題ですので、改めて賠償責任の問題について、これは冨岡政務官ですが、何が見直されたのか、それで十分なのか、今後どうするのか、このあたりを再度、同じことになるかもしれませんが、大変恐縮ですが、改めて整理をして御答弁をいただきたいと思います。

 また、磯崎政務官には、賠償責任は文科省だということになりますので、賠償責任以外の検討事項。いろいろ言われております。例えば、原子力事故が万が一起こった場合の地域再生の問題についての国の権限と責任においては本当にどうするんだという問題。これは繰り返しになりますが、新機構法の附則六条で見直すと書かれていることについてであります。

 損害賠償の枠組みについては、本質的には、電力事業者にとっても大変大きなテーマかと思います。

 もちろん、再稼働に当たっては、まあいいよと。そうですね、経営、経済の観点からいえば、別に、再稼働をするに当たっては、何か経営的に、その損害賠償の枠組みが見直されていなければ再稼働できないというような、そういう経営になるはずもありませんので、それを問うつもりはありません。

 むしろ、今この段階で東京電力山口副社長にそれを伺うのも酷かもしれませんが、国の政策としてまずどうかということがあるかもしれませんが、経営として、仮に将来、新設が視野に入ってきたときに、現在の損害賠償の枠組みで、損害賠償の枠組みと私が申し上げているのは、要は官民の役割分担でありますので、国の権限と責任ということは、裏返せばそれが電力事業者の事業環境になるわけでありますので、それをどう見ていらっしゃるかということをぜひ、ちょっと後ほど御答弁をいただきたいと思っていますので、心づもりをお願いしたいと思います。

 その前に一点だけ、前段でどうしても私も確認をしておきたいことがあります。

 実は、もう一年近くたつわけでありますが、敦賀二号機ですね。これは田中委員長にもいろいろ御答弁を、去年の六月二十一日にこの委員会の場で、新しい規制基準が施行される直前に当たっていたわけで、私も相当気持ちが入っていまして、これから新しい規制基準が立ち上がっていくこのときに、やはりこの点を明らかにしておきたいということで、敦賀二号機の活断層の問題を取り上げさせていただいたわけであります。当時、経産省は平政務官にお越しをいただいて、十往復ぐらい、お時間をとって、嫌われたかもしれませんが、やらせていただいたことがございました。

 これは規制委員長、ぜひ、細かいことかもしれませんが、大事なことだと私は思っていますので、敦賀二号機の、五月二十二日の二号機直下の破砕帯の活断層認定みたいなところに始まる経緯、大事なところで結構ですので、規制委員長の方から、どういう経緯で今に至っているか、今どうなっているか、御説明いただければと思います。

田中政府特別補佐人 御説明申し上げます。

 敦賀発電所については、先生御指摘のように、一昨年から検討を始めまして、現地調査等も始めまして、昨年五月に、二号炉直下の破砕帯について、当時までの知見によれば、耐震設計上考慮する活断層であるという、活断層に該当するとの評価書を取りまとめさせていただきました。

 その後、七月末に事業者から追加報告が出されました。これは、五月の取りまとめのときに、新たな知見が出れば再度検討するということを付記しておりましたので、そのことに基づいて事業者から出てきたものであります。

 それにつきましては、その後、事務局による審査、事実確認等を経て、昨年十二月になりましたけれども、評価の見直しの要否を検討するため、再度有識者会合を開催する方針を当委員会で私どもが決定し、ことしに入りましたけれども、一月に現地調査を行いました。この現地調査には、有識者に加えて、ピアレビュー会合のメンバーにも希望者には参加していただいております。

 本年四月十四日の追加調査会合では、一月に行った現地調査を踏まえ、有識者の先生方にコメントをいただいたところでございます。

 会合では、事業者の評価に対する疑問点、あるいは追加で確認したいデータ等について御意見が提示されたものと聞いております。実際、私も少しユーチューブで眺めております。有識者のコメントを整理した上で、次回以降事業者から回答をいただいて、議論を深めていく予定でおります。

 いずれにしましても、これは非常に大事なことですので、評価の見直しの要否については、科学的にきちっと議論を行って有識者会合としての見解をまとめていただき、その上でピアレビュー会合できちっとその見解について評価をしていただき、最終的に当委員会でその判断をしていきたいというふうに考えております。

足立委員 ありがとうございます。

 今御紹介いただきましたように、大事なことですから時間をかけてやるのは当然かと思いますが、今、先ほどもるるあった再稼働に向けての審査についても、やはり予見可能性を持ちたいというのが民間事業者の当然の思いでありますので、それが半年なのか一年なのか、いろいろ議論が先ほども各委員からあったところでございますが、もちろん、この活断層の認定についても、私は、見直しの要否について、いつまでもずっとそのボールを規制委員会が握り続けているというのも何か若干腑に落ちないというか、いかがなものかなということもあります。

 規制委員長、これは見直しの要否を、有識者会合がまずその見解をつくられるということでしょうが、規制委員会として、いつごろその見直しの要否についての判断をされるか、見通しがあれば教えてください。時期のめどについて、見通しがあれば教えてください。

田中政府特別補佐人 先日の会合で事業者から出されましたデータにつきまして、やはり有識者の目で見ると幾つかの疑問点があって、それについて、確認のためのデータの提出等を求めております。ですから、それの出方によって結論の出る時期が決まってくると思いますので、今直ちにここでいつごろということを申し上げることは私の立場からはできない、御容赦願いたいと思います。

足立委員 それからもう一つ、これも繰り返しになりますが、先ほど規制委員長の方から、昨年の五月二十二日の認定の際、新たな知見が出れば再度検討すると。これは当時、付記をされていた。

 私は、当時、去年の六月二十一日の質疑、この委員会においても同じことを伺ったかもしれませんが、新たな知見が出れば再度検討するというのは、科学的な、規制委員会の使命、先ほどもずっとおっしゃっていました。そのお立場からすると、これは別に、付記するも何も、付記があろうとなかろうと当然のことであるし、付記するのであれば、全ての御判断について、新たな知見が出ても、その新たな知見を無視することは科学的ではないと思いますから、私は、これはごく当たり前のことを当たり前に付記してあるだけである、こう理解していますが、よろしいでしょうか。

田中政府特別補佐人 原則的にはそのとおりでございます。

 ですから、事業者の方が私どもの判断について納得するかどうかということですけれども、敦賀二号炉につきましては、事業者の方がそのことをよしとしませんで、新たな知見、データを提出してきておりますので、それについてはきちっと私どもとしても真摯に対応させていただいているということでございます。

足立委員 田中委員長、質問を続けますので恐縮でございますが、今、事業者が納得をしなかったからというお話でありました。一方で、新たな知見が出れば再度検討するというこの付記については、規制委員会としての判断に一定の留保をやはりつけたかったんだ、すごくありていに言うと自信がなかったんだ、こういう見方をされても仕方ない。なぜならば、当たり前のことをあえて書いてあるからです。

 ちょっと酷というか失礼な質問かもしれませんが、何とぞ、こういう場ですので、御容赦いただいて。

 この五月二十二日に黒だと認定をした、その際に、新たな知見が出れば再度検討すると付記をされた。これは、規制委員会の認定の判断にやはり若干の課題があったから付記されたのか、単に、その対象である日本原電が納得していないから付記されたのか、どっちですか。

田中政府特別補佐人 昨年五月に判断したときには、それまでのデータに基づいて、自信を持って判断させていただいております。

 ですから、新たなデータというのは、それまでに出てきたデータ以外で、結論を覆すようなことがあるかどうかというところがポイントになると思います。今のところ、それが出ているかどうかということについて審議中ということになっております。

足立委員 田中委員長、今おっしゃられたように、自信を持ってということでありますが、私は、これも先般やったのでもうやりませんが、事業者が納得するということは非常に難しいと思っているんですね。営利企業が大きな損を出すということについて、みずからそれを納得するというのは、よほどの科学的判断についての認識についての共有がなければなりませんし、それについて、仮に電力事業者がそれを共有していたとしても、それを対外的に、納得しましたと言う必要は彼らには、経営上、ないわけですね。それを、納得しましたと言った途端に、それは、株価であれ何であれ、経営が毀損するわけですから。そんな発言をすることは、理屈上、考えられないので。

 私はこの問題、これは昨年の六月にやりましたから、もうこれ以上、平政務官とやった同じことを磯崎政務官とやるつもりはありませんが、これはやはり、こういう構造であれば、幾ら活断層の認定をしても、自信を持ってしても、事業者は承服しない。データをとにかく出します、出しますと。それに対して規制委員会が、データを出してきたら見てやるよと。まあいいですよ、それは。新たな知見があるかどうか。

 規制委員長、今、日本原電が出してきている新たなデータ、これは規制委員長が直接全てごらんになっているわけではなくて、システムの中で仕事をしていただいているのは承知していますが、現時点での、もし、日本原電がこれが新たな知見だと出してきている内容について、その内容について、それが新たな知見であるかどうかについての心証が今の時点であれば教えてください。

田中政府特別補佐人 大変申しわけありませんが、私が、新たな知見かどうかということについては承知しておりません。

 要するに、破砕帯がありまして、それが原子炉建屋に続いているかどうか、いわゆるD―1破砕帯、K断層という、そこが俗に言う二つの争点になっておりまして、それが続いているかどうかというところが争点だということは承知しておりますけれども、そのことについて、それを確認できるようなデータが出たかどうかというところまでは、残念ながら、申しわけありませんが、私は確認しておりません。

足立委員 幾つかの質問に丁寧にお答えをいただいて、本当にありがとうございます。

 ちょっと時間がまた、いつものごとく、なくなってきているんですが、今のお話を申し上げたのは、やはり私は政治家ですから、いろいろな方といろいろ議論をしますが、繰り返し、当時も申し上げましたが、私は、再稼働をとめたいんだとかそういう政治勢力ではありません。ただ、やはり、あれだけの福島の事故があった。規制基準も、規制委員長は、雑駁で、世界で最高レベルと言うのは私は好きでない、こうおっしゃいました。私も同感でありまして、非常に雑駁な言い方で流布しているわけでありますが。

 いずれにせよ、そうやって新しい仕組みで今原子力政策は動いているわけでありますので、再稼働するのであれば、普通の、庶民的というか、一般的、国民的感覚でいえば、新しい基準のもとで活断層認定され、廃炉が決定しというものがあっても普通はいいんじゃないか。いや、別に、ないならないでいいですよ。でも、明らかに黒認定をされたものが、私が先ほど申し述べたようなメカニズムで繰り延べされていくことについての違和感を私は指摘しているわけであります。

 ぜひちょっとこれは経済産業省にお聞きをしたいんですが、私は、経済産業省、資源エネルギー庁が廃炉の環境整備を進めてこられていることは承知をしています。しかし、それで十分かなと。先ほど申し上げたように、大変な資産が負債に変わるわけでありますので、私は、何らかの廃炉促進の仕組みのような、端的に言うと、廃炉促進法のような政策枠組みがいずれ要るんじゃないか。それは、電力産業、電気事業者とのマーケットという意味でも、まあ、会計の見直しそのものがそうであったということかもしれませんが、それで十分だと御認識か。

 これは、私の、廃炉促進の枠組みをつくるべきじゃないかというある種の提案でございますが、いや、それはもう終わっているんだということか、引き続き検討余地があるとお考えか、ぜひ、事務方でも政務官でも、お願いします。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 廃炉の促進というお話でございますけれども、もちろん、個別の原発の廃炉につきましては、それぞれの事業者、それぞれの号機ごとに判断していくものと考えてございます。

 震災以降、いろいろな規制制度の変更がございまして、私ども、廃炉会計制度の見直しを行っております。解体引当金の未引き当て額を運転終了時に一括費用処理するのを変えて、運転終了後も十年間で積み立てるようにしたとか、あるいは原子力発電設備におきまして、格納容器、使用済み燃料プール等、廃炉作業上に必要な設備については引き継き減価償却を続けるようにするということでございます。

 このことによりまして、廃炉によりまして財務面での負担というのが一時期に電力会社に発生するということにつきまして、相当な影響の緩和をしておりまして、その財務的な影響を恐れて廃炉の判断をちゅうちょする蓋然性は大分低下したと考えてございます。

 なお、もちろん、今後、廃炉はふえていくと見込まれていますし、安全性を確保しながら新しい規制基準にも対応する、あるいは技術、人材を維持するということが原子力事業者に求められておりますので、そのための必要な課題があれば、引き続き検討していきたいと考えております。

足立委員 そのための課題は、現時点ではないかなということでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 今後どういう状況になりますかというのは、例えば再稼働の状況等々の動きも見ながら、これを見きわめていく必要があると考えてございます。

足立委員 ありがとうございます。

 済みません、冒頭申し上げた話でございます。大事な問題であれば先にやればよかったんですが、ちょっと時間があと六分ぐらいですが、ぜひ、二、三分。三分だと入らないんですけれども、東電にもお越しいただいているので、ぜひ二分ぐらいでというか、済みません。

 私が伺いたいことは先ほど申し上げたとおりですが、見直し作業について、何が既に見直され、後、これから何が見直されるのか、それで、現時点で十分なのか、これをぜひお願いします。冨岡政務官と磯崎政務官に。

冨岡大臣政務官 ありがとうございます。足立委員の御質問に答えたいと思います。

 質問の趣旨は、現在、原発事故が起こって、その損害賠償にかかわる国の権限と責任、それから本当に問題があるのかないのか、そういうことだろうと思います。

 改めてちょっとお答えしたいんですが、原子力損害賠償法は、御存じのように、原子力事業者が無過失でも全ての損害賠償責任を負うとともに、賠償を行うための措置として、一万キロワットを超える原子炉については一千二百億円の損害賠償措置を講ずることを原子力事業者に義務づけております。

 これに加え、原子力事業者が原子力損害賠償責任を負う額が一千二百億円を超え、かつ必要があると認められるときには、政府は必要な援助を行うものとするとされており、具体的には、原子力事業者からの申し込みに基づき、原子力損害賠償支援機構が原子力事業者に対して、損害賠償の履行に充てるための資金交付などの資金援助を行うことができることとされています。

 再稼働後は、原子力事故を起こさないように、事業者においてしっかり安全対策が講じられることが大前提であると思っておりますが、万が一原子力事故が発生した場合には、こうした現行の原子力損害賠償法等の制度のもとで賠償の迅速かつ適切な実施がなされることになっており、国としても果たすべき役割を果たしていきたいと思っております。

 以上、現行の状態を考えれば、再稼働をやっても、この制度のもとで十分対応できるものと考えております。

足立委員 磯崎政務官にも先ほどお願いしましたが、まず、冨岡政務官、今おっしゃっていただいた、今再稼働し、万が一事故が起これば今の法律が適用される、これは当たり前のことですね。それで十分だ、こうおっしゃった。

 一方で、先ほど申し上げた支援機構法の附則六条には見直すと書いてある。そうすると、十分であればもう見直す必要はない。新たな状況、新たな知見が発生すればもちろん見直すわけですが、文科省としては、今、現時点ではこれで十分だと思っておられるのであれば、現時点では見直す必要はない、その規定は既に終わっていると。再度、そこだけもう一度お願いします。

冨岡大臣政務官 趣旨としては、現時点では十分対応できており、必要があれば、関係省庁とも話し合いながらその都度やっていこう、そういうふうに考えております。

足立委員 尊敬する冨岡政務官に再度の質問で恐縮ですが、必要があればですが、これは必要があるかどうかを判断するのは文科省ですから、どう認識されていますか。

冨岡大臣政務官 やはり、被害に遭われた方たちのお話をADR等で今は十分に聞いておるつもりでございますけれども、いろいろな問題が発生した場合には、現行ではそれほどいろいろな問題は上がってきていないというふうに思っておりますので、経済産業省、その他の省庁の方々と今後も十分に議論をしながら対応していきたいと考えております。

足立委員 必要性は認識されていないということで承知をしました。

 磯崎政務官、時間がないんですけれども、前回もお答えをいただいて、比較的、ちょっと損害賠償の枠組み以外のところはまだまだいろいろ課題があるというような感じでしたが、繰り返しになりますけれども、同じことで、現時点で十分であると認識されているか。十分であれば、現時点ではさらなる見直しは必要ない、そうなりますが、どうでしょうか。そこだけ。

磯崎大臣政務官 いろいろな局面があると思います。

 まず、賠償につきましては、先ほど冨岡政務官の方から話がありましたように、今の原賠法の中で、一千二百億円を超えるところについては、原賠機構法という相互扶助の仕組みをつくって、やはり、今後、原発事故が万一発生するというのは、東京電力だけではなくて、ほかの原子力事業者にもあり得るということでございますので、こういう相互扶助の仕組みを使って、その中で賠償の仕組みを回していくということですので、それで回っていくというふうには思っております。

 ただ、そのほかの仕組み等々につきましては、例えば、昨年の十二月に、「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」ということの中で、いろいろなことが言われております。

 例えば、廃炉・汚染水問題につきましては、国が前面に出ていくということをもう言っておりますので、それがどういった内容なのかということについてとか、あるいは、先ほど、福島の再生ということにつきましては、これは、経済的な面とか、雇用とか、労働環境とか、労働環境というか経済的な面がありますので、それについてどういう復興を行っていくかということにつきましては、今まさに我々、例えば福島再生加速化交付金等々を含めて、いろいろな予算上の措置あるいは法的な措置をとってきているということでございますので、これからも不足があればきちんとした対応をしていくというのが、今の基本的な考え方でございます。

足立委員 時間配分は私の責任ですので、これで終わりますが、引き続きこれはやらせていただくし、それから、山口副社長、本当に申しわけありませんでした。本来、これは、新設に関心を一番寄せているかもしれない電力会社にお越しをいただきたいと思っていますが、まだ、きょうはちょっとそれが実現しませんでしたので、きょうは私の思いをお聞きいただいたということで、何とぞ御理解をいただければと思います。

 ありがとうございました。

森委員長 次に、山内康一君。

山内委員 みんなの党の山内康一です。

 原子力規制委員会の公開されている議事録を読んで、疑問に思ったことについて質問をさせていただきたいと思います。

 ことしの四月十六日に開かれました第四回の原子力規制委員会の議事録を読むと、原子力委員の大島委員から重要な問題提起がなされております。原子炉安全専門審査会と核燃料安全専門審査会、二つの審査会がスタートするに当たって、助言機関としての審査会の役割が余り明確に法律で示されておりません、国会の審議でも、この法的根拠のある二つの専門審査会の役割は余り議論がなされていなかったと指摘されております。

 他方、アメリカのNRC、フランスの諮問委員会グループ、GPEと言うそうなんですけれども、あるいはドイツの原子炉安全委員会、RSKと言うそうですが、こういった助言機関というのは、どういう役割を果たすのか、TORをきちんと明示しているということが言われております。

 TORというのはタームズ・オブ・レファレンスのことだと思うんですが、委員会の業務の範囲をきっちり定めているというのが諸外国の例です。それに対して、日本の今回始まる二つの審査会は極めて大ざっぱな規定しか書かれていない、そういった指摘を大島委員がされています。

 裏を返すと、原子力規制委員会自体が非常に大きな裁量が与えられていることでもありますが、この二つの法的根拠のある安全専門審査会、きちんと役割を明確にしないといい仕事はできないんじゃないか、業務の範囲をきっちり詰めていくことが必要ではないかと思うんですが、それについて、田中委員長なり規制庁のお考えを聞きたいと思います。

田中政府特別補佐人 原子炉安全専門審査会及び核燃料安全専門審査会というのは、旧原子力安全委員会のもとに設置されておりまして、安全審査の可否についてまで、そこで審査をしてまいりました。しかし、そのことが今回の福島第一原子力発電所の事故につながったということまでは申し上げませんけれども、若干、そういった調査報告もあります。

 その中で、私ども、三条委員会として原子力規制委員会が設置されました。そこに、この両審査会の設置も八条委員会として設けることは法律上決められておりますけれども、審査の判断についてはこの審査会に委ねてはいけない、原子力規制委員会がきちっとやりなさいということでした。

 ですから、私どもとしてこの審査会をどういうふうに有効に生かすかということについては、再三にわたって委員会の中で大分議論をさせていただきました。その結果、発足も少しおくれたということは大変申しわけなく思っておりますけれども、私どもは日々の仕事で大変今忙しいと言うと語弊がありますけれども、追われているところがございますので、この両審査会には、できるだけ幅広い専門家の方に御協力いただいて、我が国の原子力利用の安全を確保する上でどういった点について学んでいかなければいけないかということを国際的、国内的視野から助言をいただくということを当面の仕事としております。

 今後、その状況に応じて、この両審査会の委員の先生方にはいろいろなことをお願いして、有効に活用させていただきたい、そのように思っています。

山内委員 原子力規制委員会という、審査会の上にある皆さんの委員会が重要だというのはよくわかるんですが、やはり、役割分担とか業務の範囲がしっかり決まっていないと、何をしていいのかわからないということもあるんじゃないかなという気がいたします。

 それに絡めて次の質問に行きますが、さらにこの議事録を読んでいると、大島委員は、法的根拠のある二つの専門審査会ができるけれども、それとは別に、法的根拠が明確でない検討会や有識者会議がたくさん設けられているということを指摘しております。

 法的根拠のない検討会や有識者会合、別にそれ自体は悪いとは言いませんが、説明責任の観点からいうと、より法的根拠のあるものに大きな役割を担ってもらう方が自然じゃないかなと私なんかは思います。

 ちょっと私は、ホームページを見ながら数えてみました、規制庁にあるそういう検討チーム。発電用軽水型原子炉の新規制基準に関する検討チームとか緊急被ばく医療に関する検討チームとか、それから、帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム、ずらっと、ちょっと数えただけで三十三ありました。三十三の検討チームあるいは有識者会合といったものがある。

 その一部はもう既に役割を終えているのかもしれませんが、全部の議事録を見る気も起きないぐらいたくさん検討会があるという状況。これは外から見てもわかりにくいですし、当事者の皆さんも、本当に田中委員長はこの三十三を全部御自身で言えるかというと、多分なかなか一つ一つについて把握されているのか、ちょっと公務多忙の中、大丈夫かなと思うぐらい、心配になってしまうぐらいたくさんいろいろな検討会が設けられております。

 原子力規制委員会、規制庁というのは、スタッフの人数もそんなに物すごく多いわけじゃないのは、もう皆さん御承知のとおりだと思います。そういった意味では、こういう乱立ぎみの検討チーム、ちょっと一昔前の民主党政権時代もそういう批判がありました。官邸にいろいろな会合をつくり過ぎだという批判もありました。必要なものも当然ありますが、それにつけても、三十三もあって、さらに今度新たに二つの専門審査会ができた。これはちょっと整理していかないとわけがわからなくなってしまうんじゃないか、あるいは業務の効率の面からも問題じゃないかと思うんですけれども、それについてどのようにお考えでしょうか。

田中政府特別補佐人 私も正確に数えたことはございませんけれども、基本的に、必要なそういった専門部会あるいはワーキンググループの活動については、大体把握しているつもりであります。

 それで、決して乱立したわけではありませんで、必要に応じて必要な検討を行うためにつくらせていただきましたし、その任務が終われば、大体そこは、解散というところまでは持っていっていないところもございますけれども、実質的には活動を停止しております。

 そもそもが、原子炉安全専門審査会とか核燃料安全専門審査会というものと、例えば避難住民の安全、安心のこととかそういったことが、必ずしも同じような方たちができるようなことではなくて、相当幅広い分野の方の協力が必要でありますので、それは適宜、私どもだけでは足りないところについては、そういった御協力を仰いで、今後ともそういう形で進めたいと思っております。

 確かに、法的な位置づけがあるところにつくるべきだということで、旧安全委員会のときには、その両審査会のもとに、さまざまな基準をつくるためのワーキンググループを、まさに、私も承知しておりませんけれども、無数というほどつくってまいりました。そういうことが必ずしもいいのかどうかというところについては今後検討させていただきたいと思いますので、そういった御指摘も、大島委員の指摘も直接私も聞いておりますし、今後、これから検討していきたいと思っております。

山内委員 今、無数のということをおっしゃいました。検討会の検討会が必要なんじゃないかというぐらい数がたくさんありますが、この大島委員の発言の後、委員長は、さらっと次の話題に移られていまして、その委員会の場では何ら対策を打ち出されていないわけですけれども、やはり、ちょっと多過ぎる気がしますし、先週私が質問しました核のテロ対策、核セキュリティーに関する検討会の話題ですね、できたのはいいけれども、一年たっても二回しかやっていない、そういう検討会もありました。本来であれば、もっと頻繁にやってもいいんじゃないかと思いますけれども、そういうところもなかなか開けていないというのは、多過ぎて対応できていないという面もあるんじゃないかなというふうにちょっと心配をいたします。

 ぜひとも、整理統合を含めて、そして外から見てわかりやすいように、この検討会のあり方もちゃんと検討していただきたいということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

 次に、田中委員長というか原子力規制委員会の方で、よく世界最高水準という言葉を使われておりまして、原子力市民委員会という民間の専門家の方が集まって「原発ゼロ社会への道」という報告書を出されているんですけれども、その中で、その世界最高水準ということに関する批判が出てまいります。そこでは、福島原発事故の教訓と反省をもとに作成された新規制基準においても、必ずしも世界最高水準とは言えないんじゃないかという批判がなされております。

 安全基準のあり方、あるいは、例えば航空機の衝突に対しても頑健な原子炉格納容器など幾つか重要な設備が新基準に入っていないという批判をされております。これを考えると、欧州の基準などと比べて、必ずしも世界最高水準ではないという批判もあります。さらには、その原子力市民委員会の指摘によると、規制委員長自身が世界最高水準とみずから公言すること自体問題じゃないかと。「原子力施設の規制及び運営に携わるすべての組織・個人に求められている安全文化の醸成・堅持に反している。」という批判があります。

 要するに、世界最高水準の安全だ安全だと言うこと自体、新しい安全神話をつくっている、そういう批判だと思うんですけれども、そういった民間の有識者の皆さんからの批判に対してどのようにお考えでしょうか。御意見を伺いたいと思います。

田中政府特別補佐人 もともと、先ほどもお答え申し上げましたけれども、新たにつくりました規制基準というのは、これまでさまざまな事故調査で明らかになりました福島第一原子力発電所事故の教訓を十分に踏まえるということであります。

 例えば、外的事象については厳しく見ていく。それから、内的な重大事故、シビアアクシデントについても、そういった事象についてきちっと取り込んで、それに対する対応をするといったようなことであります。IAEAでも、そういったいろいろな規制基準になるような指針を出しておりますし、NRCとかフランスのASNとかでも出しております。

 そういったものを踏まえながら、新たな基準をつくらせていただきまして、私が申し上げたのは、ようやく世界のレベルとほぼ肩を並べられるものができてきていると。ただし、我が国の自然条件は諸外国と比べると相当厳しい。その厳しい条件にも対応できるようにしているから、最高レベルに近いと言えます水準、レベルだということを申し上げたところが、その言葉がひとり歩きしちゃっているというところがあって、やや言葉だけになってしまっているということが、必ずしも私は釈然としないところはございます。

 そういうことで、別に、安全神話であるとか、そういったこととは全く関係がありません。

 安全の追求というのは、基本的にはやはり継続的で終わりのない努力事項だと思います。これは、規制はもちろんそうでありますし、事業者の方にもそのことを求めておりまして、一昨日もJANSIのトップと会いまして、やはり、事業者自身がそういった努力をぜひしていただきたい、目指すところは一緒でしょうということで、ぜひ協力しましょうということで、今後ともそういった意見交換は積極的にやりましょうという合意をいただいているところでございます。

 そういう意味で、先生御指摘のように、安全神話をつくるとか、そういったことについては毛頭考えておりませんし、いろいろな御意見があることも十分承知した上で、今、我々としては謙虚に取り組んでいるところでございます。

山内委員 では、世界最高水準というのが勝手にひとり歩きしている、マスコミなどが流布しているのであって、田中委員長自身はそう考えていないという理解でよろしいんでしょうか。要するに、世界最高水準ではないということで理解していいんでしょうか。ちょっと、もう一度確認をしたいと思います。

田中政府特別補佐人 先ほどの繰り返しになりますけれども、世界最高水準という言葉だけで決められるようなことではなくて、一つ一つ中身で決めていくべきものだと思っております。そういう意味で、一つ一つの中身については、相当高いレベルの、最高レベルの要求になっているということでございますが、だからといって、これで完全であるということではありません。

 よく市民の方は、コアキャッチャーがないだろうと。それは、新しい炉についてはコアキャッチャーを入れるとかということはあります。それから、先ほど御指摘がありました核テロ対策がないだろうということですが、今回は、仮にそういった航空機落下があった場合でも、原子炉を安全にとめられるように、第二制御室と俗に呼んでおりますけれども、そういったものの設置も要求事項として求めておりますので、そういう意味で、かなりのレベルに達しているということは間違いなく申し上げられると思います。

山内委員 安倍総理が世界に向けて、世界一安全な核技術とおっしゃっていますが、実はそういうことではないんだなというふうに理解しておりますので、ぜひ政府に対しても、余り世界一安全とか言わない方がいいですよということを提言されることをお勧めして、質疑を終わりたいと思います。

 以上です。

森委員長 次に、椎名毅君。

椎名委員 おはようございます。結いの党の椎名毅でございます。

 本日は十五分、質疑時間をいただきました。早速入ってまいりたいと思います。

 先ほど来、何名かの先生方が、新規制基準が世界最高水準なのかどうかみたいな話をされていましたが、それに恐らく関連するだろうと思いますけれども、具体的に行われております九電の川内原発再稼働に向けての適合性審査、こちらの進捗状況を含めて伺ってまいりたいというふうに思います。

 本年の二月十九日に規制庁から出されました「原子力発電所の新規制基準適合性審査の今後の進め方について」という書類、これによると、基準地震動及び基準津波高が確定し、かつ、他に重大な審査上の問題がない原子力発電所については、審査書案の作成のステージに入るというような提案がなされていて、この提案に従って、川内原発一、二号機については、基準地震動及び基準津波高が確定しそうだということで、優先的に適合審査に入っていく、そういう話だというふうに私自身は理解をしています。

 報道されるベースですけれども、あと事務方の方に伺った限りですけれども、川内原発の基準地震動というのは六百二十ガルというふうにされていて、基準津波高が、これが事務方の方に聞いた数字とちょっと違うんですけれども、報道ベースだと五・二メートル、事務方の方に聞いたら四・九四とおっしゃっていましたけれども、こういう数字が決まっているということだというふうに思います。

 この基準地震動というのは、まさにこれを基準に考えて、これに対して耐震性を備えていくという意味で、最もベースになる数字かなというふうには思います。

 しかし、今までの原発においては、例えば、女川も、柏崎刈羽も、それから福島第一もだと思いますけれども、定めた基準地震動をここ十数年の中で複数回超えている。何とか建物が耐震性を備えていたから大丈夫だったというにすぎないわけで、基準地震動を超えていることが何回もあるということも散見されています。さらには、新潟中越地震とか東日本大震災とかでは、最大加速度数千ガルというようなことが観測されたりもしているわけです。

 やはり、そういった現実に見えている数字と比べて、今回のこの基準地震動六百二十ガルというのはいささか小さいんじゃないか、それで本当に大丈夫なのかという不安があるやには聞いております。

 そこでちょっと伺いたいんですけれども、そもそもなんですが、新規制基準において、まず基準地震動というのをどういう考え方に基づいて定めているのかというのと、川内原発においてこの六百二十ガルというのがどう考えられているのかというところについて伺いたいと思います。

櫻田政府参考人 お答えいたします。

 基準地震動の策定の仕方ということでございますが、まず、基準地震動を策定するためには、いろいろ調査をするということがありまして、敷地内外の地質調査を行うなどの調査をしていただく、それから、最新の科学的知見に基づいて、活断層から発生する地震、あるいはプレート境界から発生する地震、さまざまな地震の様式がございますが、こういったことを検討した上で、どういう震源でどのくらいの地震が起こるかということを想定した上で、その震源から敷地までの距離というのはそれぞれ異なるものがありますので、その距離の中で地震波が減衰するとか、逆に敷地の近くの地下の構造によっては地震波が増幅するとか、そういうようなこともございますので、そういったことを考慮した上で、発電所において想定されるその最大の地震動がどうなるかということで策定するという話になってございます。

 御指摘のように、過去に定めた基準地震動を超えるような地震動が何回か観測されているということもございましたので、新規制基準におきましては、それまでしっかりと見ていなかった地下の構造をちゃんと調べて解析するというようなことでありますとか、断層の長さの設定の仕方についても、複数の活断層が近傍にあるときには連動をしっかり考慮しなさいとか、そういったことで今までよりも厳しく判定をするようにということを求めているところでございます。

 御指摘の川内原子力発電所につきましては、これはまだ審査中ということではございますが、事業者は、地震の特性を考慮して最大加速度六百二十ガル、もう一つは五百四十ガルというのもございまして、二種類の基準地震動は策定しているということでございますが、それでよろしいのかということについて今検討しているというところでございます。

椎名委員 ありがとうございます。

 では、よその国はどうしているのかという話ですけれども、よその国では、基本的には頻度に関しての基準があるというふうに私自身は理解をしています。例えば、ヨーロッパなんかですと発生頻度が一万年に一回という基準、それからアメリカだと十万年に一回という基準、この頻度に関する基準で十万年に一回起きる規模の地震というのはどのくらいの加速度なのかというところからスタートをして、そして、それを基準地震動と考えた上で、それを超える耐震設計をするとか、そういう発想になっているんだというふうに思います。

 さらにちょっと伺いたいんですけれども、こういう頻度基準を設けていない理由というのを教えていただけますか。

櫻田政府参考人 御指摘の頻度基準というのは、いわゆる確率的な評価ということだと思います。

 私どものその基準の中でも、確率的な評価を行って、これを参考にして判定するというようなことはやってございますが、実は、何万年に一回の地震が、地震動はこのくらいだということを計算する過程においても、今申し上げたような、どこの震源でどのくらいの規模のものが起きるかというデータをもとにして計算をするということになってございます。

 今、参考にするということにはしてございますが、先ほど申し上げましたように、そもそも、最も大きなものというのはどのくらいになるのかということをまずやはり考えるところからスタートすべきだという考え方で、先ほど申し上げたような形の地震動の定め方を求めているということでございます。

椎名委員 ちょっと、正直よくわからないんですけれども、そういう発想というのは、稼働させるためにどのくらいの地震動を想定してというふうに批判をされるのも、正直やむないかなというふうには思います。

 旧原子力安全・保安院がつくった通称ストレステストの要領の中に、一応、二次評価としてこういう評価手法を採用していくべきではなかろうかという提案自体はなされていたんだというふうに思うんです。頻度基準というのを採用することが技術的に難しいというのはもちろんわかるんですけれども、やはり現実に過去設定した基準地震動を超えた原発が何個もある。しかも、何万年に一回とかいう話ではなくて、この十数年のうちに複数回超えている。さらには、先ほども申し上げましたけれども、柏崎刈羽のときの、新潟中越地震とかであれば、最大加速度千ガルを超えたという、数千ガルを超えているにもかかわらず、例えば基準地震動は四百とか三百とかそういう設定をされているということで、本当に大丈夫なのか、やはりそういう不安があると思うんですね。

 科学的コミュニケーションというのは、ただあることをそのまま国民に対して表示するわけではなくて、やはりそれなりに理由をつけて、それにさらに意味づけをして、わかりやすいように表示していくということも大事かというふうに思うんですね。やはり、十万年に一回の地震ということを基準に耐震性設計をしたけれども、今回、こういうもっと大きな地震が来てしまったと言えば、しようがないなという納得はできるんだろうというふうに思うんですね。そういう説明の仕方ができずに、このエリアで起きる地震が最大このぐらいだと想定したと言うと、必ず想定外の地震というのが起きるわけですね。そうだとすると、結局やはり同じことにならないかというふうに私自身は思います。

 ちょっと時間もないので、次に参ります。津波も聞こうと思いましたが、一個飛ばして、桜島の破局的噴火、それから火砕流の話をちょっと伺いたいというふうに思います。

 川内原発の近く、近くというほど近いわけではないですけれども、桜島という比較的活動をしている火山があるわけですけれども、この破局的噴火というものが起きた際に、火砕流の危険というのがあり得るわけですね。

 この火砕流の危険というものについて、川内原発の再稼働について、そもそも、まず新規制基準の中でこの火砕流の危険性をどのように考慮しているのかということと、それから川内原発の再稼働に向けてどういった考慮がなされているのかということについて教えていただければと思います。

田中政府特別補佐人 まず、今回の指針では、火山に対する審査というのを一つの課題にしております。火砕流はかなり短時間で参りますので、これが直接押し寄せて、そこに人が存在できないような状況が来る場合には、そういうことが予測されるような場合には、これは発電所は立地不適当という判断をしております。

 火山が爆発しても、火山灰が降ったりいろいろなことが起こります。それについては、火山灰でいうと三十センチぐらい、これはほとんど歴史的にそんなに普通は積もったことはないということなんですけれども、そういったものについては、それに対していろいろな重要機器とか構造物が耐えられるかどうかということの評価をした上で、審査の上で、それに適合している場合には認めるということでございます。

 桜島を初めとしたあの一帯は、大きな火山が歴史的に起こっております。いわゆる破局的噴火というのは、火山の歴史からいうと大体九万年ぐらいに一回ぐらい起こるんだそうです。大体、これはほとんどそういうことの繰り返しだというふうに聞いております。今あそこで一番大きいのは姶良火山、あそこが起こってから三万年ぐらいたっているということでございます。そういうことを踏まえて、今回は川内原発を認めております。

 ただし、そういった破局的噴火が起こるときには、マグマの大きな移動、膨張等があって、今のGPSで見ていると、相当明確にその兆候が見えるということでございます。ですから、そういったときには、即座に判断して原子炉をとめ、使用済み燃料の始末をするというような、そういうことも含めて今審査中でございます。

椎名委員 ありがとうございます。

 一応、シミュレーションのレベルでは、火砕流が川内原発のところに届く可能性があるだろうと指摘はされているというふうに聞いていますけれども、今おっしゃっていただいたように、破局的噴火の頻度という意味でいうと、大体九万年に一回起きる、さらに三万年前に起きた、恐らく六万年ぐらい大丈夫だろう、その中で新しい破局的噴火というものが起きてしまえば、それはそれで仕方がないかなというふうにやはり思うんだというふうに思うんですね。

 そういう意味で申し上げますと、先ほどの話と基本的には共通するんだと思うんですけれども、やはり、確率論的なリスク評価を参考目標値として置くのではなくて、基準の設定、それから審査基準の策定の中に盛り込んでいくということの重要性というのは、私自身はすごく思っております。

 やはり、確率論的なリスク評価を採用することのよしあしというのは、なかなか技術的に難しい部分があるというふうには理解をしております。

 しかし、科学的なコミュニケーションと先ほど申し上げましたが、やはり、国民に対して説明をするという意味でも、えいやと決めた六百二十ガルとか、火砕流についてはシミュレーションはあるけれども来ないと思ったとか、そういう説明の仕方だとなかなか難しいわけで、きちんと確率で、これから六万年恐らく来ないだろうと思う、さらに言うと、もし仮に来たとしてもモニタリングできちんとチェックをしている、だからここは大丈夫なんだという説明をすると、それは全然違うんだというふうに思うんですね。それを基準の中に取り込んでいくということを、ぜひ私自身はお願いとして申し上げたいというふうに思います。

 恐らく時間になってしまったというふうに思いますので、質問したいことは山ほどありますけれども、ここでとりあえずやめさせていただきたいと思います。

 本日はどうもありがとうございました。

森委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。本日はよろしくお願いいたします。

 さて、最近、新聞記事を見ますと、原子力問題に関してはさまざま気になる記事がございます。その一つにはやはり、今、規制庁の方が、再稼働第一号となる公算が大きいと言われております川内原発についての記事であります。

 これは二十三日の朝日新聞の紙面にありましたが、九電の幹部、OBに取材をしたところ、九電と地元建設業は三十年以上のつき合いがあった、これによって、十三カ月ごとの定期検査の際は、核燃料の交換や追加工事など、一基ごとに数十億円から百億円の費用がかかる、そのうち二割の金は地元に落ちるようにしていたと明かされたということ。

 また、現在も川内原発では、再稼働に向けて、九電社員約三百人、協力会社約千五百人が働き、玄海原発とともに約三千四百億円の安全対策工事を進めているという記事でもあります。

 これの締めくくりは、「原発事故を受けた「原発停止」が、地元の「原発依存」をかえって浮かび上がらせた。」という記事であります。

 また、同日ではございますが、日経にございました。原子力規制委員会は二十二日、電力会社や原発関連メーカーでつくる原子力安全推進協会との意見交換で、もっと原発産業は情報発信をというような記事が載っておりました。

 そういった中で、福島第一原発事故からもう三年はたっています。しかし、いまだに、下水汚泥であったり、さまざまな後の後遺症が残っているということでもありまして、内閣府の請求は十五億円のみということで、東電の除染費千八百億円の肩がわりをいまだにしていて、また、請求は十五億円のみということ。

 それに対比すると、環境省は、これまでに書類が上がったものについては、きちんと六百六十二億円を東電側に請求して、既に三百六十二億円は返還をされているという記事もあります。大変、税金の使われ道としては、こういったものに関してはしっかりと見ていかなければならないし、情報公開もされなければいけない。その使途というものも明確にされるべきであると考えております。

 この点に関しますと、現実的には、我が地元においてもさまざまありましたけれども、また気になる記事としまして、汚染木くずの不法投棄問題というのがございました。これは、四月四日の東京新聞の紙面でありました。また、そのほかの記事にもございましたが、「汚染木くず不法投棄 ブローカーがもうかる仕組み」として取り上げておりまして、福島原発事故で放射性セシウムに汚染された木くずの一部が不正なルートで全国に渡り、滋賀県琵琶湖畔に不法投棄された疑いで滋賀県警による捜査が行われているという記事であります。

 先般、水循環基本法を通させていただきました。やはり、琵琶湖の水質維持ということも考えますと、こんなところにこんな不法投棄をされちゃ困るなという思いもありまして、大変この問題には興味を持ったところであります。

 福島県内では、事故後、製材の過程で排出される樹皮などの木くずの処理については、製材業者が処分業者に費用を払った後、東電に賠償請求する仕組みとなっており、記事によりますと、東電からの入金までの時間、事務手続の負担、そもそも引き取り手を見つけることが困難などで窮していたところ、無償の処理話を持ちかけ、事務を代行する契約が結ばれ、五千トンを処理する費用として東電に四億円を請求し、受け取ったとされています。通常の処理費用は、高くても一トン当たり五万円程度とされておりますので、割高で話を持ちかけたブローカーのもうけ分を上乗せして支払った形になったようであります。

 このような不適切な取引というのは、やはり正規の処理がされず、結果、不法投棄などにつながって、第三者を含めて多くの方の不安というものが助長され、安全も脅かされる、また損なわれるということにつながっていくのではないか、今後、同様の事例が多く発生するのではないかと危惧をしているところでございます。

 この点に関しまして、不適切な汚染廃棄物処理の拡大を可能にしてしまっているこの現状、東京電力としてどのように現実を捉えて対策を講じていくのか、お考えをお聞かせください。

山口参考人 お答え申し上げます。

 まず、当社の福島第一原子力発電所の事故によりまして、福島県を中心として被害を受けられた皆様、さらには広く社会の皆様に、今なお大変な御迷惑と御心配、そして御苦労をおかけしておりますことを心よりおわび申し上げます。

 当社の事故に伴いまして発生いたしました廃棄物の処理につきましては、放射性物質汚染対処特措法によりまして処理することになっているキログラム当たり八千ベクレルを超えるもの以外は、ほかの廃棄物と同様に、廃棄物処理法に基づきまして、排出事業者様が対応されているものと認識してございます。

 当社といたしましては、当社の事故に起因して発生しました廃棄物の処分費用について、必要かつ合理的な範囲で賠償をさせていただいております。また、排出事業者様に対しましても、廃棄物処理法に基づく適切な処理のお願いや役割等の説明を今後も丁寧に行ってまいりたい、かように考えている次第でございます。

 以上でございます。

小宮山委員 あわせまして、廃棄物行政をつかさどっております環境省からも、現状の把握、そして環境省として、今後、このような案件はなかなか業者を見つけづらいという、一般の産業廃棄物とはやはり違う特質を持っております、この点に関しましてどのようにしていかれるのか、お聞かせください。

梶原政府参考人 お答え申し上げます。

 本件滋賀県の事案につきましては、いわゆる一キログラム当たり八千ベクレル以下の廃棄物でございます。しかしながら、こういった濃度であっても、廃棄物の不法投棄というものにつきましては、環境保全上、極めて大きな課題であるというふうに考えておるところでございます。

 それで、産業廃棄物の不法投棄の実態につきましては、毎年、都道府県等の協力を得て把握をしておるところでございますけれども、平成二十四年度、これが一番新しいデータでございますが、平成十年のピーク時のおよそ五分の一以下になっておりまして、現在、百八十七件が報告をされているところでございます。

 それで、今回の滋賀県の事案との関連が実は疑われるといったような案件も二件、山梨県の方から報告をされているところでございます。幸いに、滋賀県につきましても撤去、処理が終了し、また、山梨県の案件につきましても一件の処理が終了しておりまして、また、もう一件につきましても、立ち入り等の制限を加えた上で、排出事業者の特定を進めるべく、報告聴取等の対応をやっているところでございます。

 このような廃棄物の処理の適正を進めるためには、私ども、滋賀県のケースもそうだったわけでございますけれども、実際に県の方々と相談いたしまして、業者の紹介をさせていただくとか、あるいは、そもそも八千ベクレル以下のものについては通常の処理ができるんですといったようなことを御説明するといったようなことのほかに、これまで、廃棄物処理法の累次の改正で罰則の強化、あるいは、いわゆるマニフェストと言われる、処理に従って追っかけていけるような処理システムの導入等で、その対策、未然防止等を図っているところでございます。

 今後とも、各都道府県さらには警察等とも協力の上で、そういったような監視活動の強化、あるいは早期発見による未然防止、あるいは被害の拡大防止といったようなところに努めてまいりたい、このように考えております。

小宮山委員 これは環境省にもそうですが、東電にもきちんと、被害の拡大、二度とこのようなことが起きないように、適正な処理ができる企業というものに関してのガイドラインなり、またその実績等も、関係する企業ということでありますけれども、やはり、こういったものも情報公開なりをしていかなければならない事態になっているのかということでありますので、御検討いただくようお願いいたします。

 さて、また、さらに気になっている記事というものは、やはり凍土壁、凍土の遮水壁計画についてであります。

 強いて見れば、土を凍らすという意味では、巨大冷凍庫を人工的に土の中につくるという壮大な計画なのかなと。トンネルにおいては過去に事例があるということでありますが、その二倍規模ということでもあります。技術的なものというのもまだ大変不安視されているところでもあります。

 また、別の観点で見ますと、福島第一原発事故の原因については、政府事故調、民間事故調そして国会事故調によって報告書も出されました。しかし、どれにおいても原因は、現場検証もできない、またメルトダウンした原子炉の内部もおろか、検証もできないということが続いていることによって、相変わらず原因の特定ができないという現実がございます。

 また、今後いつになるのかわかりませんけれども、その原因を調べられるという時期も、発表もされませんし、恐らく推定されることも、されないんですかね、していただきたいと思いますけれども、それができるころというのは相当な年数がたっていることは、現実に皆さん共通の認識だと思います。

 津波そのものによる施設破損、地震そのものによる破損、また冷却水の循環などに必要な電源の喪失など、さまざまな考察が行われているところでもあります。

 私自身は原発については素人でありますが、そもそも、発電所というものでありますが、今の原発を動かしているのも、どのような電源がどこから来ているのか、大変不思議に思ったところであります。

 そして、今までさまざまな、電気料金に、私どもはこの春から、消費税も含めまして個人や家庭にも大変負担を強いている現実が起きているわけですが、原発の消費電力の供給源について、事故前、そして事故後も含めまして、どのように供給され、そして現在はどのぐらいの消費電力になっているのか、電力消費量はどのぐらいのワット数になっているのか、お聞かせいただければと思います。

山口参考人 お答え申し上げます。

 まず、事故の前でございますが、当社の系統から供給された電力でございますし、事故の後、現在におきましても、当社の系統から供給された電力で賄っているということでございます。

 現状におきまして、福島第一原子力発電所の年間の電力の使用量は〇・八億キロワットアワーという数字でございます。

 以上でございます。

小宮山委員 〇・八億キロワットアワーとぱっとおっしゃられると、ぴんとこないですけれども、恐らく、ドイツとかの電力使用量だと五千億キロワットとかだと思いますので、小さい電気量ではないというふうに推察されます。ありがとうございます。

 今後、やはりこういったことも含めて、これが東電の持ち物になりますけれども、やはり東北電力から電力を引いているとも推測されます。それでよろしいですか。

山口参考人 お答え申し上げます。

 福島の電力の供給は、当社の設備を使って供給しているということでございます。

小宮山委員 東電の中で処理をされているということであります。こういった処理費用等、さまざまなものが加味されて、電力料というものは私たちに請求をされるということでよろしいんだと思います。

 さて、その中で、やはり汚染水の問題は日々深刻な状況が報道されてきております。その中で、凍土による計画というものがありますが、これの建設費用、また運転費用と消費電力についてどのような検討がされたのか、また、ハード面でどのぐらいの費用がかかったのか、まずお聞かせいただけますでしょうか。

赤羽副大臣 まず、廃炉・汚染水対策について、私も現地対策本部長として、できるだけ現場に足を運んで仕事をさせていただいておりますし、昨年九月から政府の現地事務所も立ち上げて、常駐の職員も十七名配置して、国も前面に出て対策をとっているというところでございます。

 その中で、大事なことは、地下水、これは建屋に入れない、汚染源に近づけない、建屋への地下水の流入を防止して新たな汚染水の発生を抑制することというのは大変大事だということが、これはもうどなたが考えても大きな命題でございまして、このことにつきましては、汚染水処理対策委員会におきまして、建屋への地下水流入量を抑制する観点から最善の方法は何かという専門家による議論を行っていただきました。

 具体的には、三つの方法で、一つはこの凍土式の遮水壁、二つ目は粘土式の遮水壁、そして三つ目は、深い溝を掘って地下水をくみ上げて地下水をとめる方法、この三つの方法につきまして、遮水効果、工期、費用、他工事への影響などを評価し、どの方法が適切かを議論していただいたわけでございます。

 昨年五月に、凍土式の遮水壁が、他の方法に比べまして遮水効果が高い、また、二つ目には工期が短い、そして三つ目、これは大変大事なんですが、施工エリアが最も小さくて雨水の影響が小さい、また他の工事への影響が最も少ないということから、凍土方式が一番適切とされたわけでございます。

 この事業計画につきましては、汚染水処理対策委員会のもとに陸側の遮水壁タスクフォースを設置いたしまして、ここには、土木関係、また水位の管理関係、凍結工法の専門家の参画を得まして、設計施工計画に対し技術的な観点から指導助言及び進捗管理を行っているところでございます。

 この凍土壁に係る費用につきましては、これは初めてのチャレンジでもありますし、技術的な難度が高く、国が前面に立って取り組むという観点から、平成二十五年度の予備費及び補正予算を合わせて三百十九億円を措置したところでございます。

 これは初めての試みで、そんなに簡単なことじゃないということは承知をしておりますので、このことについては万全の対策を進めるということと同時に、重層的また予防的に、他の工法も検討しながら、この地下水の流入も抑制するということに最大限の力を注いでいきたい、こう考えております。

小宮山委員 副大臣、ありがとうございます。ぜひ情報公開もしっかりとしていただきたい。

 私、病気の問題であったり難病の子等、さまざますると、本当に苦しい中です。しかし、治療するにも電力は使います。そういった中で、大変苦しい中で生きている方もいる。そして、国がこれだけの、三百二十億円の国費も費やすということ、この点に関してはぜひ実現をしていただければ、もっとやっていただければと思います。

 さて、時間になりましたので、もっと聞きたいところではございますが、以前、議運の中におきまして、田中委員長に、当時はまだ国会承認の前でございましたので、今、福島第一原発の後、事故は収束したと言えるのかと言いましたら、収束したとは言えないと言われた。その意味では、大変大きな変革がこの原子力規制委員会においての大きなターニングポイントになるのではないかという部分は、私自身は田中委員長に期待したところでございます。

 本当に、三年、一たび事故が起きれば多大な影響がございます。IAEAが掲げる五層の多重防護のうち、日本ではまだまだ足りない部分もございます。安全神話ではなく、今回また安全願望によって、また経済的なものも加味しての安全願望によって、二度と福島第一原発で起きた過ちが起こらないような慎重な判断をしていただくことを心から期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

森委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十二分散会


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