衆議院

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第1号 平成25年5月16日(木曜日)

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平成二十五年五月十六日(木曜日)

    午前八時五十四分開議

 出席委員

  経済産業委員会

   委員長 富田 茂之君

   理事 石原 宏高君 理事 塩谷  立君

   理事 鈴木 淳司君 理事 宮下 一郎君

   理事 渡辺 博道君 理事 近藤 洋介君

   理事 今井 雅人君 理事 江田 康幸君

      秋元  司君    穴見 陽一君

      石崎  徹君    越智 隆雄君

      大見  正君    勝俣 孝明君

      佐々木 紀君    白石  徹君

      平  将明君    武村 展英君

      辻  清人君    冨樫 博之君

      根本 幸典君    福田 達夫君

      細田 健一君    宮崎 謙介君

      宮崎 政久君    八木 哲也君

      山田 美樹君    吉川 貴盛君

      枝野 幸男君    岸本 周平君

      馬淵 澄夫君    木下 智彦君

      重徳 和彦君    丸山 穂高君

      國重  徹君    井坂 信彦君

      三谷 英弘君    塩川 鉄也君

  内閣委員会

   委員長 平井たくや君

   理事 木原 誠二君 理事 関  芳弘君

   理事 西川 公也君 理事 平口  洋君

   理事 若井 康彦君 理事 松田  学君

   理事 高木美智代君

      青山 周平君    大岡 敏孝君

      鬼木  誠君    勝俣 孝明君

      川田  隆君    小松  裕君

      新谷 正義君    田所 嘉徳君

      田中 英之君    高木 宏壽君

      豊田真由子君    中谷 真一君

      中山 展宏君    福山  守君

      山際大志郎君    山田 美樹君

      吉川  赳君    荒井  聰君

      岡田 克也君    後藤 祐一君

      津村 啓介君    杉田 水脈君

      中丸  啓君    輿水 恵一君

      浜地 雅一君    大熊 利昭君

      赤嶺 政賢君    村上 史好君

  財務金融委員会

   委員長 金田 勝年君

   理事 逢沢 一郎君 理事 木原 誠二君

   理事 山本 幸三君 理事 安住  淳君

   理事 桜内 文城君 理事 上田  勇君

      安藤  裕君    小田原 潔君

      鬼木  誠君    小島 敏文君

      小林 鷹之君    田野瀬太道君

      田畑  毅君    竹下  亘君

      中山 展宏君    藤井比早之君

      松本 洋平君    山田 賢司君

      武正 公一君    古本伸一郎君

      前原 誠司君    松田  学君

      岡本 三成君    竹内  譲君

      小池 政就君    佐々木憲昭君

  消費者問題に関する特別委員会

   委員長 吉川 貴盛君

   理事 泉原 保二君 理事 大塚 高司君

   理事 永岡 桂子君 理事 西川 京子君

   理事 原田 憲治君 理事 郡  和子君

   理事 重徳 和彦君 理事 古屋 範子君

      秋本 真利君    穴見 陽一君

      鬼木  誠君    金子 恵美君

      小島 敏文君    田畑  毅君

      田畑 裕明君    武井 俊輔君

      豊田真由子君    比嘉奈津美君

      藤丸  敏君    藤原  崇君

      堀井  学君    堀内 詔子君

      宮崎 謙介君    宮崎 政久君

      務台 俊介君    生方 幸夫君

      篠原  孝君    若井 康彦君

      上西小百合君    伊佐 進一君

      浜地 雅一君    三谷 英弘君

      穀田 恵二君    小宮山泰子君

    …………………………………

   財務大臣         麻生 太郎君

   経済産業大臣       茂木 敏充君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            森 まさこ君

   国務大臣

   (社会保障・税一体改革担当)           甘利  明君

   国務大臣         稲田 朋美君

   財務副大臣        山口 俊一君

   内閣府大臣政務官     山際大志郎君

   財務大臣政務官      竹内  譲君

   経済産業大臣政務官    平  将明君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 杉本 和行君

   政府参考人

   (内閣官房消費税価格転嫁等対策準備室長)     齋藤 哲夫君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    菅久 修一君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 村中 健一君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 太田  充君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房参事官)           高橋  洋君

   政府参考人

   (経済産業省経済産業政策局長)          石黒 憲彦君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    鈴木 正徳君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    富田 健介君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           若林 陽介君

   内閣委員会専門員     雨宮 由卓君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

   経済産業委員会専門員   乾  敏一君

   衆議院調査局第三特別調査室長           石川 晴雄君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案(内閣提出第三六号)


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     ――――◇―――――

富田委員長 これより経済産業委員会内閣委員会財務金融委員会消費者問題に関する特別委員会連合審査会を開会いたします。

 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。

 内閣提出、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案を議題といたします。

 本案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付の資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。

 これより質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安藤裕君。

安藤委員 おはようございます。自由民主党の安藤裕でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 昨日、二十五年度予算も通りまして、いよいよ安倍内閣も本格的にアベノミクスが動かせるということになってまいりました。これから、与党も全力を挙げて日本のために仕事をしていきたいと思っております。

 早速ですが、質問に入らせていただきます。

 きょうは、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案について御質問をいたします。

 既に経済産業委員会の方でもかなり議論が尽くされているというふうに思っておりますけれども、きょうは、今までの委員会での議論を踏まえた上で、幾つか確認をさせていただきたいと思っております。

 まずは、事業者間の取引でのいわゆる減額や買いたたきなどについて聞いていきたいと思います。

 従来より、下請法でこういった行為は禁止をされていると思いますけれども、残念ながら、下請法自体が十分に機能しているとは言えない状況ではないかと思います。私自身も、税理士をしていたときに、発注元に泣かされる中小企業の声をよく聞いておりました。例えば、発注書を幾ら催促しても出てこない、あるいは、見積もりを何回もやり直して、それで合意して製品を納入したのに、その後値引きを要求される、そして、それをのまなくては代金を支払ってもらえない、そういった取引は、残念ながら、今でも日常的に発生していると思います。

 そこで、今回の特別措置法以前に、下請法の運用と、それから、こういった減額や買いたたきなどの取引の実態の把握について行政としてどのように取り組んでこられたのか、そのことについて、まず公正取引委員会の方にお尋ねをしたいと思います。

杉本政府特別補佐人 お答えさせていただきます。

 下請取引におきましては、親事業者の下請法違反行為により下請事業者が不利益を受けている場合でありましても、その取引の性格からいたしまして、下請事業者からの自発的な情報提供が期待しにくいという面がございます。

 このため、従来から、公正取引委員会では、親事業者及び下請事業者に対しまして定期的な書面調査を実施することにより、違反被疑事実の発見に努めてきているところでございます。平成二十三年度におきましては、親事業者三万八千、それから下請事業者二十一万三千、合計二十五万一千に対しまして書面調査を実施しているところでございます。

 公正取引委員会といたしましては、書面調査や下請事業者からの情報提供によりまして、親事業者の違反被疑事実に接した場合には迅速かつ適切に調査を行うことにしておりまして、平成二十三年度におきましては、十八件の勧告、四千三百二十六件の指導を行っているところでございます。

安藤委員 ありがとうございました。

 こういった取り組みの中で、今回は消費税の適正な転嫁という課題が新たに加わるわけでございます。

 そして、今回の特別措置法を入れることによって、どのように消費税の転嫁状況についての把握をしていこうとお考えか、それを稲田大臣にぜひお伺いしたいと思います。

稲田国務大臣 消費税率の引き上げに当たっては、仮に立場の弱い中小事業者が消費税の転嫁を拒否されるなどによって被害を受けたとしても、みずからその被害を申し出ていただくことがなかなか期待しにくいという面があります。

 そこで、今回の法案第十五条などによって、公正取引委員会だけでなくて、中小企業庁、また事業を所管する省庁にも調査の権限を付与いたしております。また、転嫁拒否等の被害者からの情報提供を受け身的に待つだけではなくて、書面調査を実施するなど、政府一丸となって積極的な情報収集に努めることといたしております。

 また、違反被疑事業者に対しては、十五条によって、各種資料の提出を求めたり、事情聴取、また、事業所に立ち入り、帳簿書類その他の物件の検査をさせることにいたしております。

安藤委員 ありがとうございます。

 こういったことはなかなか実態を把握するのが難しいと思いますし、御承知とは思いますが、表に出てきにくい問題だろうと思います。書面だけでもやはりなかなか出てこないと思いますし、やはり社長あるいは取引の担当者との直接のコミュニケーションをとっていかないと、実際にどういったやりとりがあって、どういった行動が行われているとかというのはなかなか把握できないと思います。

 これもやはり政府の方だけではなかなか手が足りないと思いますし、実態を把握する上では、例えばその中小企業と直接にかかわりを持っている税理士とか、そういった人たちもぜひとも活用していただいて、そうした情報の収集に努めていただきたいと思います。

 それから、これについてはもっと広報もしていただきたいと思うんですね。こういった下請法で禁止されている行為というものが、こういうことをしてはいけないということが、まだなかなか世間に知られていないのではないかということも思います。こういったことを知らずに行っているという方々も大勢おられると思うんですね。自分が社会に出てからずっとこういう環境だった、こういうことを行うのは当然だというふうな商慣習で育っている方も大勢おられると思います。

 しかし、こういった下請法に違反するような行為をなくしていくということが安心してビジネスができる環境整備につながると思いますので、ぜひとも、今回の特別措置法と、あわせて、旧来から存在する下請法の広報にも力を入れていただきたいと思っております。

 それから、次の質問に移りますけれども、価格表示の問題、この特別措置法の八条についてということですけれども、以前に経済産業委員会で、例えば次のような表示は適法なのか違法なのかについてお伺いしますという質問で、「一つ目に、三%還元セール。二つ目に、全商品三%値下げ。三つ目に、価格据え置きセール。それぞれについて、今回の特措法案では適法なのか違法なのか、答弁を求めます。」という質問に対して、政府参考人の方から、「これらでは消費税という文言は用いておりませんけれども、このような表現でありましても、それを含みます表示全体から見まして、事実上、消費税と関連づけて値引き等の宣伝を行っていると判断される場合もあろうかと思います。こういう場合には禁止されることになるというふうに考えております。」といった答弁がありました。

 しかし、その後、四月二十六日、麻生大臣も、こういったことではなくて、この法律の要点というのは、業者の企業努力による価格設定自体というものを制限するわけではない、具体的に言うと、消費税との関連がはっきりしない、単なる春の生活応援セールとかそういった表示とか、また消費税の引き上げ幅と一致するだけの三%値下げといった表示が行われるだけで禁止することは法律の解釈として無理がありますというふうな発言をされているわけです。

 こういったやりとりでは、今、事業者の中で大変に混乱が起きているのではないかと思いますし、どのような価格表示が禁止をされて、どのような表示であれば大丈夫なのか、今の時点での政府の見解を改めて森大臣にお伺いしたいと思います。

森国務大臣 安藤委員に御答弁いたします。

 本法案第八条の規定で禁止されている表示につきましては、経済産業委員会での御審議を踏まえまして、五月八日に、改めて政府としての考え方を文書として明らかにさせていただいたところでございます。

 その内容は、本法案第八条の規定は消費税分を値引きする等の宣伝や広告を禁止するものでありますから、例えば、消費税は転嫁しません、これは禁止されます。または、消費税率上昇分値引きしますとか、消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与しますなどの表示は禁止されることになります。

 一方、消費税といった文言を含まない表現については、宣伝や広告の表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ、原則として禁止される表示には該当しません。

 したがって、消費税との関連性がはっきりしない、春の生活応援セールや、たまたま消費税率の引き上げ幅と一致するだけの、三%値下げといった表示が行われているだけで、その文言だけでありますときには、このような宣伝等が禁止されることにはなりません。

安藤委員 ありがとうございます。

 この消費税の転嫁の問題というのは本当に難しい課題だと思います。

 消費税は今でも十分に転嫁できなくて、そして、さらに長く続く不況の中で、薄い利益をさらに削って消費税を納税しているという事業者の方が本当に大勢いるわけですね。

 そのときに、消費税の増税をきっかけとした値引き合戦、値引きセールというものが起きてしまったら、倒れていく中小企業が続出するのではないか。今そういうことが考えられる中で、ある程度強制力をもって消費税の増税というものを国民の総力を挙げて実行しなくてはならないということではないかと思いますし、そのためにこの法案が提案されているのだろうと思います。

 ぜひとも、この法律が適切に運用されて、立場の弱い事業者が不当に負担することのないように、政府にはその管理監督、指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次の質問に移ります。

 安倍内閣が発足してから五カ月ほどが経過をいたしました。安倍内閣も出だしは好調ですけれども、二十五年度予算も昨日やっと成立をしたばかりで、アベノミクスは今大変に期待をされていますけれども、これを期待に終わらせずに、実体経済に確実に反映させていくことが安倍内閣に求められていると思います。

 そこで、お伺いをしたいと思います。消費税の増税時期についてでございます。

 昨年の消費税の増税法案の附則第十八条には、消費税率の引き上げについては、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、その他、総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずると規定してあります。

 消費税は、最終的には消費者が負担をする税金です。したがって、この負担を求めるには、ある程度働く方々の給料が上がっている状態になっていなくてはならないと思います。給料が上がる前に消費増税だけが先行してしまったら、それだけ、消費が落ち込み、デフレからの脱却が遠のいてしまうという結果も招きかねません。

 政府としては、消費増税の是非についての判断を、いつ、どのような形で行う予定なのか、麻生副総理にお答えいただきたいと思います。

麻生国務大臣 今おっしゃったように、消費税を上げて、増税はしたけれども増収にはならなかった、あほみたいなことを前にやったことがあります。一九九七年、主税は所得税、法人税、消費税で四十一兆円、二%値上げしましたので、通常だったら五兆円ぐらい増収になるはずだったんですが、現実問題は、四兆円の減収、プラスマイナス九兆円の差が出たという、まことにこの種の話としては痛い現実があります。

 したがって、今回も同じ轍を踏むといえば全くあれがないわけで、来年の四月に上げるということは、三党合意でそういうことになっております。これは、民主党のときにこの法律は決まっておりますので。

 三党合意でやらせていただいたんですが、現実問題として、今話題になっております、値札を張りかえる等々の作業に時間がかかることを考えると、最低半年前というと本年の十月をめどということになります。

 三党合意のときには、附則十八条、これは長ったらしいことがいっぱい書いてありましたけれども、誰が書いたのか知りませんが、物すごくわかりにくく書いてあります。早い話、あれは景気が悪ければ上げないということが書いてあるわけです。

 何をもって景気の指標にするかということは、またいっぱい書いてありますけれども、あれ以外にもCPIとかいろいろ参考にしなければならない指標はいっぱいありますので、それを見た上で判断するというのがこの十月ということだろうと思います。

 したがって、それまでの間、一番目先の指標は、多分四―六の数字が一番確実な数字だと思いますので、四―六の数字を対象にすることになろうと思います。

 御存じのように、今年度の予算というものは、昨年の十二月に選挙が行われておりますので、予算編成が大幅に、約三カ月ぐらいずれまして、普通十二月に予算編成が終わるはずが、十二月に予算編成が始まるということになりましたものですから、大幅におくれて昨日通過ということになっております。

 この予算の執行が、現実問題、いわゆる需要というところで出てくるのはかなり先になりますので、四―六どころか、もっと後にずれ込んでくる確率が高いというときになりますと、その判断は、そこまでに景気が、株が一万五千円になっただけではなくて、その他のものが、需要が出てくるまでにはさらに時間を要する等々考えますが、景気が上がっていくであろうと思ってもらえない限りは、消費税の値上げをしても、それが結果としてなかなか増収にならない確率は考えておかねばならぬと思います。

 この判断時期につきましては、一応、半年前と思っておりますので、十月をめどと思っておりますけれども、それまでの間に景気がいかによくなっているかというのが、これから予算を執行するに当たっての一番の問題かな、そのように考えております。

    〔富田委員長退席、吉川委員長着席〕

安藤委員 ありがとうございます。

 大変に答えにくい質問だったと思いますけれども、本当にこれはぜひとも慎重に判断をしていただきまして、アベノミクスが成功していくのも、やはり消費税の増税時期というものが大きく影響してくると思います。また、日本経済の、力強い日本の再生の妨げにならないように、ぜひとも適切な判断をしていただきますようによろしくお願い申し上げたいと思います。

 最後に、今回の法案審議の中で、経済産業委員会で参考人として出席をされていた、日本チェーンストア協会の清水会長の御意見、本当にすばらしい御意見を述べておられましたので、ぜひとも、きょうのこの合同審査会の皆さんともこの御意見を共有しておきたいと思います。私は、今回の消費税の転嫁問題はこの御意見に集約をされていると思います。こういったことを意見として述べられています。

 それはいろいろ言い分はあります、大企業も中堅企業も中小零細も。だけれども、この消費税については、誇りを持ってこれを納めるんだというのが国民全体の意思であってしかるべきで、そのお手伝いを我々業界はやる。この転嫁問題で、ああだこうだとあげつらうことは私はできないと思います。翻って考えると、日本国というのは、世界の百九十三カ国の中で領土の広さは六十何番目ですよ。さきの大戦で海外領土を全部失って、こんな小さな島で一億二千万人がどうして食っていくのか。みんなが力を合わせて譲り合って、この国をどうするのかということを本当に真剣に考えないと、あの大戦で殺された四百万人の我々の仲間に申しわけない。この転嫁問題は、業者、国民の良識に任せる。大企業は、仕入れ価格が違う、決済条件が違う、配送費も違う。

 そして、この清水会長自身、大型食品スーパーの経営者です。従業員が三万七千人もいる。

 だけれども、中小零細企業の方々と本当にお互いに力を合わせて、どちらかというと大は我慢して惻隠の情を持って、また中小零細の方は頑張って、この国をどうするか、自分たちの仕事をどう守るか、従業員をどう守るか、これに注力しなきゃいけない、かように思っています。

 少し省略をします。

 この転嫁問題は、もう言わずもがな、大企業は大企業でみずから自粛をして、少なくとも、消費税を対象にしたセール、これは私はみずから律するべきだと思います。

 そして、最後にこのように述べられています。

 どうぞ皆さん、国会議員、衆議院、参議院七百二十二名、与党、野党ありません、この日本国を五十年、百年、二百年先どうするか、この議論をやってください。それで、霞が関の世界一清潔で優秀な官僚に、国会の皆さんが決めた日本国のあるべき姿、グランドデザインを渡して、この実行方をやらせる、それに国民は総力を挙げて協力する。二百何十年前に、インディアンを追っ払ってアメリカ合衆国をつくって、あんな寄り合い世帯で、ウォール街の、これはちょっと言葉が悪いので省略しますが、あんなものの支配する自由とか、あんなものを日本で通用させちゃいけないし、しちゃいけないんですよ。

 このように言っておられます。これはまさに正論だと思います。

 私は、今、日本は大変な危機的な状況に陥っていると思いますけれども、この今だからこそ、本当の保守政治を取り戻して、二千年に及ぶ、世界で最も長い歴史を持つ日本の伝統的価値観や道徳心や倫理観を持って、日本の将来を考えるときだと思います。それによって、日本を取り戻す。このことが今の日本には本当に大事であるということを御指摘させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

吉川委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一でございます。本日は、このような機会をいただきましてありがとうございます。

 今回のこの法案につきましては、各委員会で委員の皆様に御議論いただきまして、また参考人質疑もさせていただいて、その中でも多くの論点がもう既に議論されております。

 本日は、非常に限られた時間でありますので、では、実際に現場で具体的にどういうことが起こっていくのかという具体例を考えながら、この法案の実効性について論証させていただきたいと思っております。

 例えば、今、ある商店で、一個百円でまんじゅうを売っています。一個百円で売っているということは、総額表示されているのが百円。つまり、本体価格は九十五円です。このまんじゅうが、例えば八%になった、そのときには総額表示で百三円になります。今までは一個百円、二個二百円、三個三百円、こういう値段で売っていたものが、これからは一個百三円、二個二百六円、こういうような値段になる。

 このときに、お店の方が実際にどういう対応をしていくのかということですが、その中で、この法案の第十条第一項、これは何かと申しますと、増税後の一定期間については必ずしも総額表示をしなくてもよい、つまり、百三円と書かなくてもよいということが認められております。

 では、そうなった場合に、このお店の方は具体的にどういう値段を表示しようとするのかということです。つまり、この十条一項で想定している表示は何になるかということなんです。本体価格の九十五円というものが表示されるであろうと想定しているのか、あるいは、もともとの百円という数字が果たして出ていいのかどうかというのが一点です。

 もう一点の質問は、一定期間の特例措置と申し上げました。この一定期間というのは、この第二項には、できるだけ速やかに最終的な税込み価格というものに変えていきなさいと、努力義務というのがあります。つまり、この特例が許されている期間というものは、できるだけ速やかにというような時間の制限がかかっております。

 そこで、この時間というのは一体どれぐらいを想定しているのか、この点について質問させていただければと思います。

太田政府参考人 お答えをさせていただきます。

 今般の法案では、法案の施行から平成二十九年三月末までの間におきまして、消費税の円滑な転嫁の確保、事業者による値札の張りかえなどの事務負担への配慮という観点から、消費者に誤認されないための対策を講じておりますれば、税込み価格を表示しなくてもよいということにいたしますとともに、消費者にも配慮する観点から、事業者は、できるだけ速やかに、税込み価格を表示するよう努めるというふうにさせていただいているところでございます。

 そこで、御質問いただきました具体例として、現在、総額で一個百円、本体価格、税抜き価格九十五円という御質問でいただきましたが、その商品につきまして、税率引き上げ後も本体価格九十五円というものをそのまま維持される場合において、値札やチラシ等々におきまして、来年四月になります前から、九十五円括弧税抜き、九十五円括弧本体価格、あるいは九十五円プラス税といった表示を行いますというやり方なり、あるいは、値札には本体価格、税抜き価格の九十五円とだけ表示した上で、商品の陳列棚や店内の目のつきやすい場所に明瞭に、表示価格は税抜きです、消費税八%は別途いただきますといった掲示を行う方法につきましても、総額表示の特例として認められることになるというふうに考えてございます。

 また、もう一点承った、期間の件でございますけれども、本法案の第十条第二項におきましては、平成二十九年三月末までの間におきましても、できるだけ速やかに、税込み価格を表示するよう努めなければならないというふうにしております。

 これは、事業者の方々が、例えば、通常の商品の入れかえのタイミングに合わせて値札の張りかえを行うということや、あるいは事務負担の状況に応じて計画的に値札の張りかえを行うことができますように柔軟な規定ぶりとしているところでございまして、それぞれの事業者の実情に応じまして、可能な範囲で速やかに税込み価格表示を行っていただくということを想定しているところでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 今の御答弁をお伺いしますと、まず一つあり得るのが九十五円、つまり税抜き価格というものを表示する可能性もある。また、百円という数字もあり得る。百円括弧さらに追加で三%いただきます括弧閉じという表示があり得る。当然、総額表示であります百三円という表示もあり得るということだったかと思います。今の話で申し上げると、消費者にとってはちょっとわかりにくい表示になる可能性もあります。

 その上で、あえてこの特例を事業者に対して認めていただいたわけでありますが、では、この実効性がどうかということです。どうしても、今の三つの数字を並べてしまうと、やはり一番値ごろ感のある一個百円というものに最終的には収れんしていく。十条一項があったとしても、やはり、総額表示、最後は百円にしましょうという圧力は相当のものじゃないかと思います。実際に、前回の消費税が値上げされた際には、結局消費税の転嫁はできませんでしたという事業者が全体の五割以上という結果も出ております。

 そこで、転嫁できるかどうかにとって大事になってくるのは、法の執行の部分だと思います。つまり、卸の方々が大規模小売業の方々から買いたたかれる行為であったりとか、あるいは、売れ残った部分を不当に、これは残ったから買ってくださいよと言われたりとか、こういった小売業者の優越的地位の濫用というものに対して、いかに公正取引委員会がきちんと勧告をして、公表をして、また罰則を科すことができるかということが大事だと思います。

 実は、これまでの審議でこういう数字が出てきております。これは杉本公正取引委員会委員長の御答弁ですが、平成二十年から二十四年までの五年間で、独禁法上の優越的地位の濫用、これによって排除措置命令あるいは課徴金命令を行った事件数というのはたったの十件と伺っております。また、先ほど申し上げた買いたたき、この買いたたきを理由として優越的地位の濫用となった例、これは独禁法で一件だけ、また下請法でも一件だけ、こういう参考人の質疑もございました。

 つまり、実際の運用の中で買いたたきと認定する、あるいは優越的地位の濫用というふうに認定するのは、実は非常に難しいんじゃないかという数字じゃないかと思います。

 そこで、お伺いしたいのは、この法案においてはきちっと実効性を担保できるのかどうかということについて御答弁いただきたいと思います。

杉本政府特別補佐人 お答えさせていただきたいと思います。

 独占禁止法による措置、優越的地位の濫用等につきましては、排除措置命令とか課徴金命令といった重い行政処分を課すものでございますので、その発動要件というのも非常に重畳的になっておりまして、法適用にも時間がかかるというようなことがございます。

 下請法につきましても、要件は独禁法よりは緩和されておりますけれども、対象者を限定する等の制約があるところでございます。

 したがいまして、本法案では、消費税の引き上げが累次にわたって起こるということを踏まえまして、より迅速かつ効果的に転嫁拒否行為を取り締まるということが必要だと思いますので、法律上の発動要件というものを形式的なものといたしまして、迅速な執行ができるようにする。

 それから、公正取引委員会だけではなく、中小企業庁、さらには事業を所管する主務大臣にも調査、指導権限を付与する、さらには、被害者の被害を回復する措置をとることができるようにする、下請取引や売買取引を含め広く取引一般を対象とした制度を設けるということにしてございまして、政府としては、こういった措置を通じまして、一丸となって転嫁拒否行動を迅速かつ効果的に取り締まるということで、全力を尽くしていく必要があると考えているところでございます。

伊佐委員 御答弁ありがとうございます。

 慎重な審査が必要なのでこういった状況になっておりますということだったと思います。これは本当に難しい問題だと思います。

 といいますのは、一方に強力な優越的な地位がある場合、そのときに、例えばその地位を使って卸の方々に買いたたきをかけた場合、この両者の関係の間で、例えば強い立場の方から弱い立場に対して、これは買いたたきじゃないよね、あるいは自由な交渉の結果ですよねというふうに念を押された場合、弱い立場としては、はい、そうでございますと恐らく言わざるを得ないような状況、これが実態じゃないかと私は思います。そういった点も実は少なからずありまして、具体的な事例になかなか発展していないということもあるんじゃないかと私は思っております。

 そういう意味で、もともと弱い立場の方々が、公正取引委員会であるとか、あるいは中小企業庁であるとか担当部局であるとか、ここに、買いたたきがありましたというふうに持っていくというのは、実は最終手段だと私は思います。もうこの力ある会社とのビジネスは御破算になってもいいという覚悟、あるいは、ほかの、例えば小売の方々から白い目で見られても仕方がない、それでもやるんだという覚悟がない限りは、なかなか案件を持って駆け込んでいくことは実は難しいんじゃないかと思います。

 そこで、再び杉本委員長に質問させていただきます。

 弱い立場にある卸の方々がこの高いハードルを乗り越えていく、この何らかの対処というのがあり得るのかどうかということについてお伺いしたいと思います。

杉本政府特別補佐人 消費税率の引き上げに当たりましては、委員がおっしゃいますように、立場の弱い中小企業者が消費税の転嫁を拒否されるなどによって被害を受けたとしても、みずからその事実を申し出ていただくことが期待しにくいという実態があると考えております。

 このため、転嫁拒否等の被害者からの情報提供を受け身的に待つだけではなく、書面調査を実施いたしまして政府一丸として情報収集に努めるだけではなく、先ほど申しましたように、公正取引委員会だけではなく、中小企業庁、それから主務大臣にも調査の権限を付与することとしているところでございます。

 さらには、本法案におきましては、申告者の保護に万全の措置を講ずることとしておりまして、実際に調査を行う際には、申告者が特定されないように注意して調査を行うほか、情報管理を徹底するなどして、弱い立場にある申告者の保護に万全を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 受け身で座して待つのではなくて、ぜひこちらの側から積極的に前に出ていくというような姿勢で取り組んでいただければと思っております。

 再び価格表示の話に戻ります。

 まず、総額表示の経緯についてですが、これはもう皆さん御案内のとおりですが、消費税導入時には内税でも外税でもどちらでもよかった、つまり、総額表示は義務化されておりませんでした。もともとこの消費税というのはフランスが本家本元で、フランス、本家本元では総額表示が義務づけられ、また、欧州、ヨーロッパ各国全て総額表示が義務づけられております。

 ところが、日本の場合は、消費税というものを導入した、ところが総額表示というものは当時導入しませんでした。それはなぜかというと、これが果たして日本の今のビジネスの商慣習に合うのかどうかという議論があった。つまり、なかなか消費税を価格に転嫁していくのは難しいんじゃないか、こういう不安が多かったわけです。そこで、結局、内税でも外税でもどちらでもいいという形に持っていかれました。

 ところが、平成十六年には総額表示というものが義務づけされました。ちょっと通告から一問飛ばさせていただきます。結局、その際に議論したのは、消費者の利便性というものを重視した。つまり、棚から物をとって、幾ら幾らと書いてある、ところが、レジに持っていったら財布のお金が足らなかった、こういうことがあるんじゃないかという、こうした消費者の利便性に配慮したというふうに言われております。

 それから十年たちました。ところが、いまだ大多数の事業者の方々というのは、依然として、やはり外税方式にしてほしいという思い、望みというのが強いと思います。やはり、なかなか価格転嫁させる自信がないんですというのが十年前と変わっていないところだと思います。

 もちろん、今回、消費者の意識という観点からしましても、外税方式になったら、納税者として幾ら払っているかというのが目に見えるわけです。しっかりと上乗せされて自分が払うわけです。そういう意味では、納税意識も高まる、そう言う方もいらっしゃいます。

 もちろん、各事業あるいは業態によって違うと思います。例えば、コインパーキングであったりとか、あるいは自動販売機であったりとか、ここは総額表示をせざるを得ないと思います。あるいは旅行業についてもそうです。

 そこで、こういうことをおっしゃる方がいます。最も効果的な転嫁対策は、原則は外税方式にしてしまいます、例外として、業種、業態ごとに総額表示にしましょう、こういう柔軟な対応をしてはどうか、こういう声も実はいただいておりますが、これに対してどのようにお考えか、竹内政務官にお伺いしたいと思います。

竹内大臣政務官 お答えいたします。

 平成十六年四月から実施されております総額表示の義務づけは、委員御指摘のとおり、消費者の利便性の観点から導入されたものでございますが、当時は、民間事業者の方々、日本経済団体連合会、全国法人会総連合、また全国間税会総連合会などの御提言や政府税調の答申などにおきましても、総額表示方式の導入を検討すべきとの指摘がなされていたものでございます。

 価格表示のあり方を検討するに当たりましては、消費者からの視点と事業者からの視点の両面からの検討が必要と考えております。

 税率の引き上げ時におきましては、総額表示義務を厳格に適用することは、事業者にとって、値札の張りかえなどに多大なコストがかかり、ひいては円滑な転嫁の確保も困難になることが考えられます。

 このため、本法案では、消費税率引き上げ前後の期間に限って、消費者に誤認されないための対策を講じていれば、税込み価格を表示しなくてもよいとするとともに、消費者にも配慮する観点から、できるだけ速やかに、税込み価格を表示するよう努めなければならないとする特例措置を設けたところでございます。

 本特例措置によりまして、価格転嫁の観点から、外税方式で価格表示を行いたい事業者は、消費者に誤認されないための対策を講じていれば外税表示も可能となるということでございます。

 なお、恐らく委員の御質問の本質は、商慣行の問題と密接に絡んでいるものと思われます。

 先ほどから御議論がありますように、買い手の業者がその強い立場を利用して、売り手、下請などに価格面での圧力を加えるケースがあると伺っております。これは、場合によっては、先ほどからありましたように下請法などで対処することになるわけでございますけれども、また、この商慣行の問題は社会全体の課題であるとも考えられるわけでございまして、そういう意味で、この転嫁の問題は、表示方式の変更だけでは解決がなかなか困難なのではないかというふうに私は考えておるところでございます。

伊佐委員 ありがとうございました。

 時間もなくなってまいりましたので、最後に、せっかく今中小企業庁の次長に来ていただいておりますので一問と、あと、大臣に最後、御決意をお伺いしたいと思います。

 経産省、中小企業庁にお伺いしたいのは、消費税が今回段階的に上がるということになった際に、事務作業がどれぐらい発生するかということです。

 パソコンとか、あるいはPOSレジと言われているようなレジを持っている方々、ここは数字をいじるだけです。五%を八%に入力し直す、あるいは一〇%に入力をし直すということで事足りるわけです。ところが、問題は小規模事業者の方々です。この方々、小規模になればなるほど、こんなレジは入っていない。つまり、自分たちの手計算で消費税の計算をされているという方々です。こうした小規模の方々の事務負担、これは、八%に上がって一〇%に上がるとなれば、非常に大きな負担になると思います。

 こうした事務負担に対して、政府として何か支援策のようなものがあるかということについて一点お伺いをしたい。

 最後は、大臣に御決意をお伺いしたいのは、今回一番大きな争点になりましたのが、市場の原理を優先するのか、自由な価格競争を優先するのか、あるいは、そうじゃなくて、消費税の価格への転嫁をしっかりと保護するために規制をかけるのか、このはざまの線引きの問題だったと思います。そこで非常にまだ曖昧なところもありまして、ガイドラインをできるだけ早期に策定してほしいというさまざまな委員の要望もあったと思います。

 このガイドラインの早期の策定も含めまして、今後の取り組みについて、大臣の御決意をあわせて伺いたいと思います。

富田政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員の御指摘をいただきました消費税引き上げに伴います小規模事業者の事務負担の軽減、これは大変重要な課題だと思っております。

 私どもといたしましては、こういった観点から、これまでハード、ソフトにわたる税制上の措置を手当てさせていただいたところでございます。

 具体的には、平成二十五年度の税制改正におきまして、新たに商業・サービス業・農林水産業活性化税制というものを創設させていただきました。この税制におきましては、これらの業種を営む中小企業、なかんずく小規模事業者の方々がパソコン、レジスターなどの器具、備品あるいは建物附属装置などを導入された場合に、取得価格の三〇%の特別償却、または七%の税額控除をお受けになれる、こういう制度でございます。

 他方、ちょっと時間が前後いたしますけれども、平成二十四年度の税制改正におきまして、中小企業投資促進税制の適用期限を平成二十五年度まで延長させていただいております。この税制におきましては、中小企業、小規模事業者の方々が会計ソフトあるいはPOSシステムなどのソフトウエアを導入された場合に、同じように取得価格の三〇%の特別償却、または七%の税額控除がお受けになれるという措置がございます。

 他方、本法案に当たりましては、公明党から、円滑な転嫁対策を進めるため、税制上の支援措置等についても検討し、事務負担の軽減を図ることという御提言をいただいているところでございまして、私どもといたしまして、今後、中小企業、小規模事業者の事務負担の軽減について、さらに、どのような対応が可能かというようなことも含めて検討してまいりたい、このように考えてございます。

稲田国務大臣 公正で自由な競争が尊重されるべき社会においても、きちんと消費税を国民が支払い、そして中小事業者が消費税を転嫁できるようにするということは、社会正義の実現に資するものだと考えております。

 その上で、委員が御指摘の、この法の執行に当たっての実効性の確保、三条、八条、十条、十二条のガイドラインについては早急に策定してまいりたいと思っております。

伊佐委員 以上です。

 終わります。ありがとうございました。

吉川委員長 次に、馬淵澄夫君。

    〔吉川委員長退席、金田委員長着席〕

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 連合審査での機会をいただきました。

 この審議もいよいよ押し迫ってきたというふうに思っております。本日は、提案型の質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、きょうは、この法案の中の八条に定められています表示規制、すなわち消費者還元セールなどの禁止についてのお尋ねをさせていただきたいと思います。

 四月十二日の本会議で、趣旨説明の中で、森大臣は、消費税の転嫁を阻害する表示を規制する意義について、第一に、消費者に消費税が転嫁されていないような誤認を生じさせるおそれ、第二に、周辺の商店街の方々が追従を余儀なくされ、消費税相当額分を値引きせざるを得なくなるおそれ、第三に、納入業者に対して買いたたき等の転嫁拒否行為を誘発するおそれである、このように述べられました。八条の立法趣旨、意義をこう説明されたわけであります。

 もう繰り返し経産委員会では確認されていますが、私の質疑の中で改めて冒頭での確認です。この三つの意義ということで間違いございませんね。

森国務大臣 馬淵委員にお答えいたします。

 本法案第八条の趣旨は、委員御指摘のとおりで間違いございません。

馬淵委員 三つの意義、誤認防止、値下げ追従防止、そして買いたたき防止、これらが立法趣旨、意義であるということであります。

 そして、この八条の規制、いわゆる消費税還元セールの禁止などというものに関しましては、経産委員会でもたびたび憲法との関係も議論がなされました。

 これは、憲法二十一条一項で保障される表現の自由、あるいは二十二条一項の営業の自由を規制する側面があるとの論であります。いわゆる憲法論からのこうした規制に対する疑義がたびたび審議されました。また、経済上の実態論として、重要な販売促進オプション、これを縛るものではないかといった意見も多くございました。

 さて、そんな中、実態論に目を向けますと、一九九七年四月一日の消費税三%から五%へ二%引き上げた、この一年半後であります。消費の冷え込みが大変顕著である中、九八年十一月に、イトーヨーカドーなど大手スーパーが消費税還元セールを五日間ほど行いました。このときの大手スーパー各社の売上高は、推計で前年同期比三割―六割増と大幅な伸びを示したと言われています。これは、お手元の資料の一枚目、1に記しております。随分昔のことでありますが、このように、消費税還元セールというものが大々的になされた、そして売り上げが三割から六割ふえたということで、大変大きな数字を示したわけであります。

 実際に、日本チェーンストア協会の月別の販売推移、お手元の資料2を見ますと、平成十年、真ん中あたり、右の項ですが、「前年同月比」を見ますと、十一月の数字は一〇〇・五%、その前の月、十月は九七・七、十二月は九七・八%。十一月は五日間しか消費税還元セールがなされていないということを考えますと、やはりここでは消費の冷え込みに対して非常に効果的な販売促進オプションであったことが読み取れるかと思います。

 このように、消費税還元セールということ自体は、消費の冷え込みが予期されるという中では、事業者にとっては重要な販売促進オプションである。また、先ほど来申し上げるように、規制に対してさまざまな疑義があるという状況の中では、当然ながら、規制手段には必要性と合理性というものがその目的に対して問われるということであります。

 憲法との関係については、五月十日の経産委員会で三谷委員の質問がございました。その関連性につきまして、森大臣は、「本法案第八条各号の表示を規制することは、公共の福祉のため必要かつ合理的な制限であり、憲法に違反するものではないと考えております。」と答弁されています。

 そこで確認ですが、冒頭に答弁いただきました三つの意義という立法目的を達成するためには、八条の表示規制が必要かつ合理的であるという要件が求められるということでよろしいでしょうか。いかがでしょうか。

森国務大臣 御指摘のとおり、必要かつ合理的である必要があると思います。

馬淵委員 先ほど申し上げた誤認防止、あるいは追従セールの防止、あるいは買いたたきの防止、この三つの意義、これが規制の中で合理的かつ必要であることが当然ながら要件として求められる、このことの確認をさせていただきました。

 その上で、この意義と、規制の必要性と合理性の有無の議論をしたいと思います。

 今確認させていただいた表示規制の意義のうち、まず三つ目でありますが、買いたたき等の転嫁拒否行為の誘発、いわゆる買いたたきなどを防止するという意義、これに対しての表示規制という手段の関係について確認していきたいと思います。

 規制が必要かつ合理的であると言えるためには、消費税還元セール、これらのことが、納入業者に対する買いたたき等、いわゆる転嫁拒否の行為の誘発ということの因果関係としてなければならない、このように考えられます。

 この場合、では、本当に因果関係がどのような状況だったのかということでいいますと、先ほどもお示ししましたように、九八年十一月当時の消費税還元セール、果たして買いたたきがあったのかということであります。

 小売業者による納入業者に対する不当な買いたたき、これは独禁法上の優越的地位の濫用に当たります。還元セールが行われた九八年度、独禁法上の優越的地位の濫用事例について、法的措置及び警告件数は何件あったのか。公取、お答えいただけますでしょうか。

杉本政府特別補佐人 お答えさせていただきます。

 平成十年度に優越的地位の濫用に関してとりました法的措置は一件でありまして、そのうち明確に消費税に関連するものはございません。

 また、平成十年度に優越的地位の濫用に関して行った警告は二件でございますが、そのうち明確に消費税に関連するものはございません。

馬淵委員 買いたたきはなかったんですね、九八年度当時。少なくとも公取が把握するものはありませんでした。

 では、もう一方で、この消費税還元セール、大手小売スーパーの売り上げが、先ほど申し上げたように三割―六割伸びたんです。その中で、大手小売スーパーに納入する納入業者の売り上げ及び利益はどうだったのか。

 買いたたきがあれば、当然ながら、納入業者の売り上げは、上がらないか、もしくは下がる可能性がある。公取は買いたたきを把握していないということでありましたが、このように、納入業者の売り上げが上がらない、あるいは下がったという客観的なデータというのはありますでしょうか。

 これは経産省、事務方で結構です。

石黒政府参考人 お答えを申し上げます。

 納入業者につきまして、利益率は一般的に年次ベースで示されておりますので、委員御指摘の月次のデータを把握するというのは非常に困難でございます。

 そういうことで、結論といたしましては、把握できていないという状況でございます。

馬淵委員 ありがとうございます。

 客観データはないんです。私も確認しましたが、中小スーパーはこういった統計はとっておられません。さらに、小さな納入業者、こういったところは、それこそ細かなデータなどが外に出てくるような集約の方法もないということで、経産省自体が把握するような客観データはございません。

 したがって、消費税還元セールが納入業者に対する買いたたきを誘発するという因果関係を示す客観データはありません。

 さらに、二つ目の意義でありますが、先ほど申し上げたように、周辺の商店街がいわゆる追従セールを余儀なくされる、このおそれはどうなのかということについての議論をさせていただきたいと思います。

 先ほど申し上げたように、この意義が、果たして本来の八条規制の必要性、合理性というものとして十分に妥当かどうかということであります。

 経産省にまたお尋ねをしたいと思います。

 先ほど来申し上げている、九八年十一月、大手スーパー還元セールによる周辺の商店街の売り上げないし利益が下がったという客観データはございますでしょうか。

石黒政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員が配付されました二枚目の資料にございます大手スーパーマーケットに関します売上高、月次のデータはございますが、中小スーパーや商店街の売上高それから利益のデータにつきましては、業界団体、政府のいずれにおきましても、そのようなものを対象に絞った統計はございません。

馬淵委員 客観的なデータはないんですね。

 このように、追従セールを余儀なくされるおそれといったもののデータ、客観的なエビデンス、これは政府としては把握していないんです。

 三つの意義を森大臣はおっしゃいました。そのうち、買いたたき防止と追従セールの防止、この二点については、今の答弁で明らかなように、因果関係を明らかにすることはできません。客観的なデータはないんです。

 一方、経産委員会での審議、どのような議論がなされてきたか。これは、私も経産委員会の中でたびたび耳にしておりますが、いわゆる八条の中で禁止されている、買いたたき行為が行われることを懸念する声がございます、こういう答弁だったり、あるいは、地域の商店街の方々が追従を余儀なくされることを懸念する声といったものも聞かれる、これは消費者庁の事務方がお答えをされています。

 そこで、消費者担当大臣にお尋ねをしますが、これまでの答弁は、要するに、この三つの意義のうちの二つ目、三つ目、買いたたきもしくは追従セール、これらの因果関係を示す客観データはないんですが、懸念する声がある、だから規制する、こういう論理になっています。言いかえれば、現場の懸念する声、これが唯一の根拠なんですね。

 では、お尋ねしますが、この唯一の根拠である懸念する声について、安倍政権となった後、政府としてヒアリングを行われましたでしょうか。お答えください。

森国務大臣 そもそも論から申し上げますと、客観的データがないということでございますが、小さい業者につきましては、情報収集力、立証力、交渉力が劣りますから、大手さんのようにきちんとしたデータが出せないということは申し上げておきたいと思います。

 また、ヒアリングにつきましては、政府・与党としましては、これまで多数の事業者団体からヒアリングを行い、消費者庁も当該ヒアリングの場に出席してヒアリングを行ってきたところでございます。

馬淵委員 森大臣、ちゃんとお答えください。

 政府はヒアリングをされましたか。明確にお答えください。端的に。

森国務大臣 政府・与党の場でヒアリングをいたしましたけれども、同じ業者からまた別途、消費者庁だけでヒアリングをするというようなことは無駄でございますので、しておりません。

馬淵委員 政府は行っておられません。そして、与党ではされたということであります。二月、三月、PTでヒアリングをされた。しかし、現場のヒアリングではないですね。

 懸念する声というのがどのような形で得られたかということに対しては、これは水かけ論になるでしょう。しかし、私は、現場感覚と随分違うのではないかということを申し上げたいんです。本来ならば、政府がこうしたこともしっかりと確認していく作業が求められるのではないか。

 私は、こうやって質疑でただす中で、確認していないのかと問われてはいかぬですから、みずからも、私の事務所でもこうした実地調査をやっております。

 これは限られておりますが、連休中、戸越銀座商店街、大変商店主の皆さんに御迷惑をかけましたが、一軒一軒回りました。これでも三時間かけて四十何軒なんですが、その中で、消費税還元セール、これはどうですかということについて、決して誘導はしていませんよ、三十一軒の方々が反対で、どちらとも言えない、あるいはよくわからない、こういった方々が十軒。

 四十一軒、これに三時間かかりましたが、それでも、こういったいわゆる販促セールの手法を法律で規制することに対しては大変厳しい声があった。つまり、懸念する声があるとして、憲法上の権利と関係し、かつ小売という立場の販売促進を縛るだけの必要性、合理性があると言えるのかということが極めて重要な問題であるということを指摘させていただきたい。

 その上で、先ほど森大臣がおっしゃった一つ目の意義です。

 誤認を生じさせるおそれ、四月の本会議の趣旨説明の中では第一番目に掲げられましたが、これも確認させていただきたいんです。第八条の実質的な規制意義として、消費者に消費税が転嫁されていないような誤認を生じさせるおそれ、これは第一義的な趣旨ということでよろしゅうございますでしょうか。端的にお答えください。

森国務大臣 本法案第八条の趣旨は、委員の一番最初の質問にお答えしたとおり、三つございますけれども、消費者に消費税が転嫁されていないかのような誤認を生じさせることの防止を第一義的な趣旨と理解しております。

馬淵委員 ありがとうございました。明確な御答弁をありがとうございます。

 重ねて森大臣にお尋ねをいたします。

 第一義的な趣旨は、消費者に消費税が転嫁されていないかのような誤認を生じさせることの防止であるということを今御答弁いただきました。であるならば、消費者に消費税が転嫁されていないかのような誤認を生じさせることが、八条の一号から三号まであります、八条各号の表示行為を規制するための要件であるという認識でよろしいでしょうか。お答えください。

森国務大臣 表示の防止でございますので、実際に、誤認を生じさせるということが、個々の消費者に誤認を生じさせたかどうかということは必要とされておりませんが、本法案第八条の禁止行為には、消費者に消費税が転嫁されていないかのような誤認を生じさせるおそれがあるということが要件として含まれております。

馬淵委員 森大臣、重ねて確認です。

 今御答弁いただきました。誤認が第一義的意義、そして要件であるということでありますが、これは、一号、二号、三号、すなわち八条の要件であるということでよろしいですね。

森国務大臣 もう一度誤解のないように答弁しますけれども、本法案八条の要件は、消費税が転嫁されていないかのような誤認を生じさせるおそれがあるということが要件でございます。

馬淵委員 三つの意義の一番目、いわゆる誤認というのが第一義的意義であり、かつそれが八条の要件であるということを、森大臣から明確に御答弁いただきました。このように、消費者の誤認が規制要件であるということを、私は今、質疑の中で確認させていただいたわけであります。

 さて、こうした中で、実は経産委員会の中では、政府の御答弁が、大変申しわけないですが右顧左べん、これは私から見れば大変変遷があったのではないかというふうに思っております。答弁、発言がさまざまに変遷されました。どなたが何をおっしゃったかは、もうこの場では申し上げません。

 結果、そういう状況の中で、政府としては、五月八日、これはお手元の資料の4でお配りをしておりますが、「消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方」として、ペーパーをまとめられたわけです。関係省庁が全部名前を連ねてということであります。

 重要なことは、ここにいろいろ書いてありますが、真ん中あたりです。「消費税を意味することが客観的に明らかな場合でなければ、禁止される表示には該当しない。」このように明示をいただきました。すなわち、この八条という部分については、消費税との関連性の明示、これが実質上の規制要件だという認識であります。

 そして、五月十日の経産委員会では、森大臣が、これまでの答弁の言い方をわかりやすく修正したと、近藤理事の質問にもはっきりと答えられている。

 このような状況の中で、これまでの答弁の変遷、説明のわかりにくさというのは一体何だったのか。これはすなわち、先ほど申し上げたように、八条の趣旨、意義や要件、必要性、合理性が不明確であったからということに尽きると私は思います。

 この法案第八条一号というのは、繰り返しで恐縮ですが、取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示、これは、消費税はいただきません等を禁止するものであり、消費税との関連が明らかであり、かつ消費者に誤認を生じさせることも明らかであることから、規制する必要性、合理性があります。明確に誤認を生じるから。

 しかし、八条の二号、三号はどうでしょうか。実はここは曖昧なんですね。条文はここにはお出ししておりませんが、二号は、消費税との関連というのは全く法文上明記されていません。そして三号は、ポイント等の経済上の利益を提供する場合を想定しています。ここには消費税の関連というのがありますが、二号、三号ともに、あくまでも間接的な消費税との関連性にとどまっている。ゆえに、この規制の趣旨である消費税との関連性や消費者に誤認を生じさせるおそれとの関連性が不明確である、そこが解釈や説明の混乱の原因になっている。

 これについては、たびたび政府側は、先ほども御答弁がありましたが、成立すれば早期にガイドラインをつくるとおっしゃっていますが、それはそうじゃないんですね。本来ならば、できたときに、ガイドラインをつくりますではなくて、法文上に明確に行政の裁量というものをしっかりと規定していかなきゃならない。恣意的運用というのは、いわゆる事業者の自由裁量を狭めてしまって、逆に言うと、販売促進も含めて萎縮効果を生んでしまうんです。

 したがいまして、規制趣旨やこれまでの答弁を踏まえると、消費者の誤認、この部分の規制趣旨と関連性の薄い二号、三号については削除するのが筋ではないか、私はこのように考えます。

 お手元の資料には、お配りした5でございますが、私が個人的に修正案というものを考えました。

 今申し上げたように、第一の意義とは全く相入れないのが二号、三号である。だから、これは削除です。

 そして、二号、三号を残す場合。消費税との関連性の明示が必要だというのは、先ほどの政府のペーパーにありました。消費者の誤認という規制趣旨と消費者の誤認が規制要件となるとするこれまでの答弁を踏まえますと、二号、三号の規制要件として、6では、消費税の記載がある場合に、法文上二号、三号に明確にその記載を入れるということと、誤認要件を書くということが6の案二であります。7ですが、案三に関しては、規制対象を若干広げて、消費税との関連性が明示される場合には限定かつ誤認要件を追加する修正をここで提案いたします。

 このような状況で、消費税との関連が間接的な二号、三号については、やはりここは、本来の、森大臣の御答弁にもありましたように、この立法の意義に鑑みて何らかの修正が必ず必要である、このように思っております。それによって、本来であれば自由な裁量によって行う事業者の予見可能性も高まって、活動がより活発にできるということが保障されると思います。

 その中で、昨日そして本日も新聞の報道がございました。法案に消費税率引き上げとの関連を明示するものなどの文言を盛り込む方向で調整しているとの報道がされております。

 これは、私は一委員の立場ですから、あずかり知るところではありません。もちろん、国会でお決めいただくことでありますが、もしこのような形で消費税との関連が明示されるならば、いわゆる消費税関連明示要件が満たされる法案に変えられるのであれば、もう一つ重要なことがあります。誤認要件をしっかりと書き込まなければなりません。この法案修正の中で仮に誤認要件が入れられないということであるならば、8の資料に載せておりますが、国会の話であります、政府の話ではありませんが、これはぜひ附帯決議として決めていただくということを私は強く申し上げておきたいと思います。

 時間が参りましたが、この八条に関しては、単に早期にガイドラインをつくるということではありません。その意義、立法趣旨から、まず誤認を生じさせるおそれ、この誤認防止ということが第一義的な意義であるというところから、修正あるいは附帯決議というものを一刻も早く国会の場で審議し、確定いただくことを望んで、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

金田委員長 次に、古本伸一郎君。

古本委員 おはようございます。

 民主党の古本伸一郎でございます。

 連合審査の機会をいただきました。財務金融委員としての枠を理事の御配慮でいただきました。ありがとうございます。

 まず、森大臣、今、同僚委員の馬淵委員から修正の必要性についての御提起がありましたけれども、今のやりとりを仄聞しておりますと、その必要性ありと思うわけでありますが、いかがでしょうか。修正の必要性がありかなしか。

森国務大臣 現在の法案で十分だと思っておりますが、馬淵委員がおっしゃっていたことの中で、やはり、国民にわかりやすくすることは大事だということは私も共感いたします。

古本委員 ありがとうございました。

 続いて、下請の皆様、親会社から仕事をいただいている協力会社の皆様、あるいは仕入れに対して買いたたき、値引きの強制などを禁止するということが、実は真に必要な今回の議論ではなかったかというふうに承知しております。

 要すれば、みずから値決めをすることができない生産者、弱い立場の方、例えば具体的に言えば農家、漁家の方、こういった生産者の皆様がいわゆる値引きの要請あるいは強要を受けないようにするということが、第一義的な今回の議論の目的ではなかったかと思います。とりわけ農産品、あるいは水産物等々へのこういった影響が強く懸念されるところであります。

 したがって、きょうは農水省に来ていただいていると思いますが、今般の消費税率引き上げに先立って、こうした値引き交渉などが行われるとすれば、現時点でどういった対応を打っていくのか、方向性について伺います。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 消費税につきましては、円滑かつ適正に転嫁できるかどうかということが重要な課題であります。

 そういう中で、農林漁業者の場合、その約九割は免税事業者であると承知しておりますが、免税事業者といえども、その仕入れに含まれる消費税額は適正に転嫁していくことが必要であると考えております。

 このため、農林水産省といたしましても、この消費税円滑転嫁特措法案などを踏まえまして、公正取引委員会などの関係省庁と連携しつつ、消費税の転嫁が円滑に行われるように対処していく考えであります。

 具体的には、消費者、事業者に対する相談窓口の設置、転嫁拒否事案についての調査及び指導の実施とそのための転嫁対策調査官の設置、指導に従わない場合の公正取引委員会に対する措置請求、所管業界に対する広報活動や説明会の開催などにしっかりと取り組んでいく考えでございます。

古本委員 今は農水省の例でしたが、今度は逆に、値決めを許認可で行うという業種があります。公共料金等々だと思うんですが。平成元年の消費税の議論のとき、そして九年のとき、世の中が大変混乱した当時の記憶があるわけでありますが、具体的にはタクシーです。

 このタクシーについては、今は御案内のとおり認可制でありますけれども、そもそも、免税タクシー、つまり、今は一千万ですから、売り上げ一千万以下のタクシーが仮にあるならば、これは免税タクシーになります。したがって、付加価値部分については課税ができない、転嫁ができないということになります。平成元年のときにはどうしたか、九年のときにはどうしたか、実は議論が大変混乱したという記録が残っております。

 きょうは国交省がお越しだと思いますが、タクシーの料金について、方向感があればお聞かせ願いたいと思います。

若林政府参考人 お答えいたします。

 タクシー運賃への消費税の転嫁でございますけれども、先生御指摘のとおり、平成元年の消費税の導入時には、いわゆる免税事業者、個人タクシーと法人タクシーの間の運賃は同一といたしました。

 一方、平成九年の税率引き上げ時には、法人タクシーのみ税率の引き上げ分の運賃改定を行い、個人タクシーは改定を行わなかったという経緯がございます。

 その後、平成十四年以降の運賃改定、るるございましたが、その中におきましては、両者について、同額の運賃が設定できるような取り扱いとさせていただいておる次第でございます。

 今回の消費税の引き上げ分の転嫁に際しましては、現行の運賃制度、すなわち、地域ごとに運輸局が自動認可の運賃の幅を設定しております、その幅の中で事業者の皆さんが申請をなさいますが、その幅の中であれば自動的に認可をさせていただくといったような認可制度にも即しまして、どんな方法であれば利用者の理解が得やすくなるような適正な転嫁になるかという観点から、現在検討も進めさせていただいております。

 今後、関係省庁とも十分に調整させていただきながら、個人タクシーの運賃の取り扱いも含めて、転嫁のための運賃改定について、早急に結論を得るべく取り組んでまいりたいと存じます。

古本委員 要は、九年のときは、乗り場によっては、税金がかかっているタクシーとそうじゃないタクシーという段差が生じて大混乱になったわけですよ。ですから、十月に閣議決定という判断を迫られているという、先ほど麻生大臣からもありましたけれども、もうカウントダウンに入っているわけでありまして、この際、甘利担当大臣にお尋ねしたいと思います。

 一体改革担当と同時に、この転嫁問題の政府の本部長だと承知しておりますので、さまざまな業界、弱い立場の農家、漁家、そして許認可で縛られているタクシーの皆様、結果として、元年と九年は免税タクシーであるにもかかわらず引き上げた、そして九年のときは段差が生じた、今回はどうするかまだ決まっていないという状況では、過去の教訓を学んでいるとは思いにくいんです。

 その意味では、一刻も早く一元化する、消費税引き上げの前後で混乱が生じないようにきちんと一元化するということは極めて重要だと承知しておりますので、大臣の今後の日程感を、いつごろまでに結論を出されるのか伺いたいと思います。

    〔金田委員長退席、富田委員長着席〕

甘利国務大臣 消費税の引き上げに関しましては、各省ごとに相談窓口は設けております。内閣府には、総合相談窓口というようなものを設けます。そこで共通の電話やメールで相談を受けます。転嫁等、それ以外の相談もあるかもしれません。指導や是正が必要な場合は、所管官庁の方にすぐ内容を連絡して、個別具体的な対応に当たらせることにいたしております。

 免税事業者とそうでない事業者の件であります。一千万以下の事業者に関してです。

 ただ、免税事業者に関しましても、仕入れに係るところは消費税がかかってくるわけであります。つまり、要は、自分の利益に係るところまで一緒に乗っけて請求すると益税という問題になりますから、仕入れ分に限定して、それが価格に適切に乗るということが必要であります。難しいのは、今タクシーの話が出ましたが、全体に消費税がかかる事業者の料金とそうでない事業者の料金では、適正に転嫁していくと、その利益分に対する消費税の部分は価格差が出る、しかし価格を一緒にすると益税が生じるという問題があるわけであります。

 ここの部分は、国交省の方で、どういう料金体系にするか等々、いろいろと検討するというふうに思っております。一千万以下ですから、利益に係る、仕入れの部分はともかく、益税部分というのはそう大きな金額ではないと思いますけれども、そこをどう説明するかというのは国交省にしっかりと取り組んでいってもらいたいと思います。

 二段階にわたって消費税が引き上がります。できるだけタイムラグがないように、相談、指導体制を整えたいというふうに思っております。

古本委員 公共料金の中で、あと、例えば水道料金も、実はこれは国税の解釈によれば事業者の中に自治体も入るという前提でありまして、元年、九年のときは、水道料金というのはどういう対応になったんでしょうか。総務省。

村中政府参考人 お答え申し上げます。

 お話がございました平成九年、今ちょっと手元に元年の方を持っておりませんので、九年で申し上げます。

 消費税が三%から五%に引き上げられましたときの自治体の水道料金の改定状況でございますけれども、平成九年五月現在の調査によりますと、大半の団体では料金の改定、引き上げが行われておりましたが、料金を改定していない団体も一割弱あったというふうに把握しております。これらの団体におきましては、経営の効率化あるいは健全化に向けた内部努力を徹底すること等によりまして、料金改定を行わなかったものであるというふうに把握しているところでございます。

 このようなみずからの自発的な経営努力によります対応ということも、あながち全てこれはだめだと言うことはできないというふうに我々も考えておりまして、ただ、消費税というものは、その性格からして、最終的にはその税負担分を消費者に転嫁するということを予定している税でございますから、今回の消費税率の引き上げに当たりましても、この基本的な性格に鑑みまして、自治体の水道料金につきましても、円滑かつ適正な税負担分の転嫁が行われるということが基本になるべきだというふうに認識しているところでございます。

 したがいまして、総務省といたしましても、地方公共団体に対しましてその旨の周知をしてまいる所存でございます。

古本委員 甘利さん、今のやりとりを聞いていてもおわかりのとおり、この間の当委員会の議論の中心は、本来、社会保障目的であるからして、何人たりともこの税は納めなきゃならないんだ、当然、中間段階で負担しているわけですから。

 きょうはもう一々その議論は基礎ですからやりませんが、当の行政の一翼を担っている地公体にあって、経営努力といえば聞こえはいいんですけれども、必ずしも転嫁し切っていない自治体があるという話です、今の話ですと。民間にこんなことを言っているときに自治体でそういうことが起きているのは実はおかしいんです。

 ですから、データはいただきましたけれども、百四十一自治体が今現在この部分をきちんと転嫁したかどうかというのをトレースしていただくことを求めると同時に、またその資料もいただきたいと思いますが、委員長、資料のお取り計らいを求めます。

富田委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

古本委員 ありがとうございます。

 麻生さん、お待たせしました。

 大臣室に、けさ入られたかどうかちょっとわかりませんが、QUICKのボードがあろうかと思うんです、マーケットのボード。最初に麻生さんがごらんになる指標というのは大体どのあたりなんでしょうか。最初に、朝一番、気になる指標でございます。

麻生国務大臣 最初、QUICK、株価かな。

古本委員 やはりそうだと思いました。

 甘利さんはどうですか。

甘利国務大臣 私は、為替と株価。それから、前の大臣の経験から、WTI、油の価格が気になります。

古本委員 麻生さんは株、甘利さんは株並びにウエスト・テキサス・インターミディエート、原油をごらんになるというお話でした。

 私は、三年間の大変短い与党の経験でありましたが、実は藤井裕久先生にお仕えしました。大臣室に入られた藤井さんが必ず朝一番におっしゃったのは、けさ幾らだと言われました。僕は麻生さんと同じ感覚でした。てっきり、日経平均を言われているのか、円・ドルかなと思って答えたら、ばかかと言われました。十年物の利付国債が幾らかを毎朝毎晩、寝ている間も夢に出るぐらい考え続けていると言われていました。私は肝に銘じて今日に至ってございます。

 今、財務省のホームページによれば、五月一日現在の十年物利付が〇・五九ぐらいであったのが、きのう現在で〇・八五まで来ています。〇・一変動すれば、我が国の財政にどのぐらいの負担増になるんでしょうか。公債費の負担増です。麻生大臣。

麻生国務大臣 QUICK、あの例の速報盤の一番下。一番上、やはり上から私は見るものですから、常識的には上から見る、そう思っていますけれどもね。

 金利がそれだけというけれども、金利は、七%とか八%の時代から、今は一コンマ以下という時代、随分時代は違っていますから、藤井先生、一コンマを切ったときになってまでそうかね、今話を聞いて、藤井先生もそうかねと正直思いました。今の実感です。

 質問のあれで、単純計算しかしてありませんから、「平成二十五年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」というので、二十六年度以降長期金利が一%上がるという前提で、国債費は二十六年度で一兆円増加するという試算が出されておりますので、これに基づいて機械的に計算をしますと、長期金利が〇・一ということになった場合は、国債費は二十六年度で〇・一兆円前後上がるというように計算ができると存じます。

古本委員 公債費が上がっていくということは、結局、せっかくの税収が借金の返済に消えていくということですね。したがって、できるだけ財政再建に我々は取り組んでいくということで消費税の議論もあったんだろうと思うんです。

 もう時間が参りましたので、麻生さん、最後に確認です。というか、恐らく答弁を訂正なさった方がいいと思うので。

 先ほど、自民党の同僚議員の冒頭の御質問の中で、消費税をせっかくやっても税収が減ってしまった、元も子もないという御答弁がありましたが、これは相違ありませんか。

麻生国務大臣 増税をした結果減収になったというのでは意味がない、私はそう思っております。

古本委員 平成元年は、直間比率の見直しという言葉が政府税調ではまだ存在していました。もちろん、御党の与党税調の中にもありました。

 あのときは、所得税の減税をしたんです。法人税の減税もしたんです。何となれば、物品税の廃止まで行ったんです。したがって、三%の消費税増税をかけた一方で、ネットでプラマイ・ゼロになっちゃった。それに物品税の廃止をかけましたので、ネットで約二・八兆円の純減税だったんです。

 したがって、増収になるわけがないんです。平成九年、このときは、定率減税も含めて、先行減税までかけていますから、負担増になるわけがないんです。ネット減税ですから。

 したがって、歴史的に我が国が本当に純増税で消費税の問題に取り組んだのは、野田内閣総理大臣が初めてなんですよ。直間比率を見直して、所得税を先行減税できたら、こんな楽なことはないんです。被災地が大変苦しいときに、みんなで分かち合おうということで復興増税もかけたんです、私たちは。もちろん、皆さんも賛成してくださった。

 したがって、単純に、消費税の議論をするときに、この過去の歴史の経緯をきちんと踏まえた上で、どれだけの思いで万年野党だった私たちがこの問題から逃げずに取り組んだかということは、財金でも麻生さんに尋ねましたけれども、これはきちんと評価した上で御答弁していただかないと立つ瀬がないですよ。

 このことは、もう時間が来ていますから終わりますけれども、麻生さん、もう一度、感想といいますか、自分の理解は間違っていたとはっきり言ってください。ネット減税をかけたんですから、増収になるわけがないですよ。所得税の減税ができるのなら、こんなありがたいことはないですよ。むしろ、復興税の先行増税をしていたんですから。

麻生国務大臣 古本先生がおっしゃる意味はよくわかりますけれども、事実だけを申し上げておりますので、時間が限られた中で言うので、四十一兆円だったのが三十七兆円に下がったのは事実でしょう、あのとき三%を五%に上げた、その事実だけを私は申し上げさせていただきました。それに伴って、いろいろな付随したものが幾つもあったのはよく存じております。

 また、今、野田内閣においてネットでやった、大したもんだと。私どもも、正直申し上げて、あのところで一番評価するのは、世界じゅうで見て、上院、下院等々、両院で与野党が割れている中において、少なくとも日本においては、与野党が一緒になって、三党一緒で、消費増税という最も難しいものに与野党で賛成することになった。その与野党でまとめたところが、僕は野田さんの最も高く評価されるべきところだと思います。

古本委員 もう時間が来ていますけれども、麻生さん、最後に、本当にこれは申しわけない。

 では、十月は憂いなく閣議決定されますね。

麻生国務大臣 時間もないようですので、附則十八条をよくお読みください。

古本委員 終わります。ありがとうございました。

富田委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 日本維新の会の今井雅人でございます。

 きょうは、連合審査で質問の機会をいただきましてありがとうございます。

 私、余り人の足を引っ張るのは好きじゃありませんけれども、国会のあり方にもかかわる問題でございますので、最初に麻生大臣にちょっと質問をさせていただきたいと思います。

 この法案に関しましては、重要広範ということで、経済産業委員会でも大変時間をかけて審議して、それぞれの委員が本当に真摯にいろいろな問題点について議論を交わしてまいりました。参考人質疑も二度行ってまいったわけであります。

 その中で、先ほど安藤委員でしたか、御紹介されていましたけれども、四月の十九日、國重委員が質問された内容が大きな議論の争点になりました。

 もう一度読ませていただきますが、「一つ目に、三%還元セール。二つ目に、全商品三%値下げ。三つ目に、価格据え置きセール。それぞれについて、今回の特措法案では適法なのか違法なのか、答弁を求めます。」これに対して菅久政府参考人が、「今、御指摘いただきましたような、三%還元セール、それから全商品三%値下げ、それから価格据え置きセール、こういった宣伝等でございますけれども、これらでは消費税という文言は用いておりませんけれども、このような表現でありましても、それを含みます表示全体から見まして、事実上、消費税と関連づけて値引き等の宣伝を行っていると判断される場合もあろうかと思います。こういう場合には禁止されることになるというふうに考えております。」ここまではよかったんです。

 その次の質問で、「今言ったその三つに関して、マルかバツか三角というのが今の時点でわかるでしょうか。」という質問に対しまして、「基本的な考え方は先ほどのとおりだと考えておりますが、現時点で、マル、バツ、三角と言われれば、三角ということになろうかと思います」ということをおっしゃられたわけです。

 これで本当にいいんだろうかということが問題になってきたわけでありますが、二十六日の閣議後の記者会見で、麻生財務大臣が、消費税、税などの表現を使わなければ、広告全体の状況から、誰が見ても消費税を意味すると明らかな場合でない限りは禁止されないということをおっしゃられたわけであります。この発言は、内容はともかく、大変問題があると私は思っております。

 まず一つは、私たちは委員として、国会議員として、委員会の中で本当に真摯に議論をしてきたわけであります。であるとするならば、この委員会の場でしっかりとした答弁をいただくというのが本来の筋だと思います。しかも、この担当は森まさこ消費者担当大臣でございます。ですから、一番正しかったのは、森担当大臣が委員会の場に来られて、そこで御答弁をなさる、見解を述べられる、これであれば正式な手続だったと思います。

 閣内の、しかも所管でない大臣が委員会の外で先にその見解を述べられてしまったということに対して、私たち真剣にこの議論をしてきた委員の中では、これで本当にいいのかという、大変憤りを感じたわけでございますけれども、この点について、財務大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。

麻生国務大臣 四月二十六日の記者会見での発言というのは、これは定例記者会見の際に質問されたのにお答えしたものだと記憶をいたします。

 御存じかと思いますが、この規定を直接所管しているのは間違いなく森消費者相でありますけれども、消費税率の引き上げに関連する事項ということでもありまして、私どもの立場といたしますれば、転嫁対策本部の副本部長もしております。

 したがいまして、消費税の引き上げに関する事項であれば、消費税を所管する大臣として、記者や国民から問われれば、わかりやすく説明に努めるというのは、大臣に与えられた職務の一つだと考えております。

今井委員 そうおっしゃると思いましたけれども、よくこれは考えていただきたいんです。

 政府の代表として政府参考人が、現時点で三角であるということを委員会でお話しなさって、それから修正していないわけですね、その段階では。そこで、委員会の外の場で、いやいや、あれはマルなんだよということを麻生大臣はおっしゃったわけです。同じ政府の中で見解が変わっているわけです。それを、この委員会の場じゃない外の場でそういうふうにおっしゃるというのは私は問題だと思いますけれども、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 基本的には、原則はあの段階できちんとした形で出てきておりまして、原則はマルだったと思いますけれども。

 いずれにいたしましても、委員会に出て説明をすべきだと言われても、私は予算委員会にとられていますから、そんな簡単に出られないんですよ。ルールを御存じと思いますけれども、予算委員会が優先します、主催しておりますので。

 したがいまして、出てこいと言われましても、ちょっとなかなか出られる立場にはなかった、まずこれを御承知いただきたいと存じます。

今井委員 余りこれに時間をとられてもあれですが、こちらの場に出てきて発言をしていただきたかったということではなくて、それは所管は消費者庁であるので、私の方は発言を控えますということで、その場でお答えにならなければよかっただけの話であって、麻生大臣がお忙しいことはよくわかっておりますので、わざわざこの委員会に出てきていただいて答弁いただく必要があったということを申し上げているわけではないということだけは申し添えさせていただきたいと思います。

 次にもう移りたいと思います。

 今の点なんですけれども、今度は森消費者担当大臣にお伺いしたいと思うんです。

 先ほど私が読ませていただいた最初の政府参考人の答弁から、これは基本的にマルですというふうに、四月二十六日の委員会の場で、塩川委員が質問されたことに対する答弁でしたけれども、発言が変わられたということで、先日の委員会で民主党の近藤委員が、これは答弁を修正されたのではないかということを問いただしておられました。

 それに対して森国務大臣が御答弁なさっていますが、改めてもう一度お伺いしたいと思いますけれども、これは答弁を修正されたということでよろしいんでしょうか。

森国務大臣 今引用なさったのは、菅久審議官の、消費税という文言は用いていないが、このような表現を含む表示全体から見て、事実上、消費税と関連づけて値引き等の宣伝を行っていると判断される場合には禁止されることになる、そういう内容です。

 先ほどの麻生副総理の記者会見は、消費税や税などの表現を使わない場合には宣伝や広告全体の状況から、誰の目から見ても消費税を意味することが明らかであるような場合でなければ禁止される表示にはならないということで、私は、内容に変遷があったと思っておりませんが、言い方がわかりにくかったことは率直に認めて、前回も謝罪をいたしました。

 それで、御指摘の文書は、これまでの委員会の審議を踏まえ、政府部内で八条の規定で禁止される表示の考え方について整理し直したものであり、国民に対してわかりやすくするために、従前の消費者庁による答弁の言い方をわかりやすく修正をしたものでございます。

今井委員 近藤委員との質疑の中で少し押し問答になって、近藤委員は、答弁を修正したというふうに解釈したとおっしゃっていますが、森大臣の発言は、言い方を修正したということでありますので、内容は修正していないということをおっしゃりたいんだと思いますけれども、私は、少し観点が違うんです。

 もう一度申し上げますね。菅久政府参考人がおっしゃったことです。「基本的な考え方は先ほどのとおりだと考えておりますが、現時点で、マル、バツ、三角と言われれば、三角ということになろうかと思います」、この現時点ではという言葉が問題なんですよ。わかりますか。

 全体的に、総合的に判断して、例えば、どこか別の欄に消費税というのが書いてあったら、それは消費税の引き下げにかかわるものだというふうに認定することはあり得る問題だと思うんですね。

 しかし、この政府参考人の答弁は、現時点では三角なんですと。わかりますか。今の時点ではこれに対する政府見解は決まっていませんということをおっしゃっているわけです。

 ですから、修正されたとかされていないという問題ではなくて、この法案が、閣法が付託されて議論される、質疑されるこの段階において、こういうものに対しての政府の見解が決まっていなかったということをこの方はおっしゃっているんですよ。現時点では三角です、この言葉なんです。

 ですから、私は、この法案自体を出すに当たって、こういうことがしっかり議論されていない、これから考えますということを政府参考人はおっしゃっているというふうに捉えましたが、いかがでしょうか。

森国務大臣 それは、三角の持つ意味について見解の相違があったんだと思います。

 私は、マルかバツか三角かという問い自体がわかりやすいかどうかということには大変疑問を感じておりますが、委員からの質問でございますので、マル、バツ、三角と言われればということで三角と答えております。

 その前に、先ほど私が言った文脈で、消費税という文言は用いていないが、このような表現を含む表示全体から見て、事実上、消費税と関連づけて値引き等の宣伝を行っていると判断された場合には禁止、つまりバツと言っているわけでございまして、原則マルなんだけれども、全体から見て、値引き等の宣伝を行っていると判断されたらバツです、これは、私も金融庁では検査官をしておりましたけれども、表示に対する執行をするときのイロハでございます。

 原則は、その部分だけ取り出せばマルと言えますけれども、この表示の執行というのは、その部分だけ取り出して執行するということはございません。必ず全体を見て、その法の目的に照らして判断いたしますので、そういうことをちゃんと文章で言った後に、マルかバツか三角か答えてくださいと言われているから、それはマルですと言ったら、全体から見ても全てがマルというふうに誤解されてしまいますので、ちゃんと文章で説明した上で、原則マル、だけれども、全体から見てバツとなることもありますよという意味で三角と言ったのであって、政府としてこれについて見解が決まっていないとか、そういうことではないんだと思います。

 ただし、この答弁ぶりがわかりにくかったということに対しては、私はそれを率直に認めます。ですから、わかりやすく言い方を修正してお示ししたということで、どうぞ御理解をいただきたいと思います。

今井委員 言葉というのは非常に大事なんです。ですから、現時点ではという言葉はつまり、いろいろな角度から考えて、それはこれだけの条件では判断できませんという答弁なら今の説明で納得がいきます。ですが、この方がおっしゃったのは、現時点では決まっておりませんということをおっしゃった。こういうふうに時間軸でおっしゃっているわけです。(発言する者あり)いや、現時点では三角ですとおっしゃったわけです。ですから、時間軸でおっしゃっているわけですから、その段階では見解が決まっていなかったというふうに、この答弁ではそう理解せざるを得ないわけですね。

 私は何を心配しているかといいますと、これから実は何につながっていくかというと、これからつくるガイドラインにつながっていくわけです。

 つまり、今回、先ほどから皆さんがおっしゃっているみたいに、ちょこちょこぶれているような答弁があったわけですね。(発言する者あり)ちょっと黙っていてください。ガイドラインをこれからつくるときに、ではどういう考え方でやるんですか、そういうことを経済産業委員会ではずっと議論してきたわけですね。ところが、その軸が少しずつぶれるわけです。そうすると、質疑をしている我々としては、このガイドラインは本当に軸のあるものができるんだろうか、そういう疑問を抱かざるを得ないんですね。そのことを私は申し上げているんです。

 では、この現時点でという発言がこれは間違っていたということでよろしいんですか。

森国務大臣 現時点でというのは、この三%還元セールという言葉が示された、その現時点では、それしか示されていないので、それに付随して、どういう全体の表示がなされるかわからないので、原則としてマルですが、全体としてバツになる場合はある、つまり三角ですというふうに答えたのでありますが、今井委員が今違うように受け取ったということはよくわかりました。ですから、三角というものが何を意味するかということが委員の中で政府とも共有されていなかったと思います。

 ただ、三角かどうかというのは委員の方の質問でございますので、政府の方が、マル、バツ、三角というふうにこちらが積極的にお示ししたものでなくて、その中から選べと言われて選んだものでございますが、わかりにくかったことは率直に認めております。

 そして、委員が真剣にこのことについて御審議をいただいたことは本当に重く受けとめておりますので、この御審議を踏まえて政府の統一見解をしっかりお示しした、五月八日にお示しをしたということでございます。

今井委員 今、後ろでささやかれた、大変いいことをおっしゃっていました。こういうものの判断にはマルかバツしかないんです。三角というのはあり得ないんですね。(発言する者あり)法律用語でなきゃ、そういうことを答弁に使われるのもいかがなものかと思いますけれども。答弁で三角というように答えたということでありますが、水かけ論になりますので、この話はこれぐらいに終わらせていただきたいと思います。(発言する者あり)

富田委員長 御静粛に願います。質問が聞こえません。

今井委員 もう一点、先ほど馬淵委員が既に私がお伺いしようとしたことをお聞きいただいたので、繰り返し伺うことは避けようと思いますけれども、そもそも、この法案をつくるときには、前回の消費税の引き上げのときに、さまざま、こういう問題がありました、いろいろな懸念の声も上がっています、だからこういう措置をしなければいけないんですというような説明を我々は受けてきたわけです。

 しかし、この質疑の中で、きょうの馬淵委員もそうですし、実は前回の共産党の塩川委員の質疑のところでこの問題は発覚したわけでありますが、前回の景品表示法で、公取がいろいろ取り締まりをしたときの新聞記録はあるものの、法律としての時限が経過しているので何も当時の書類が残っておりませんという答弁をされたわけであります。

 では、前回そういう問題があったということは、一体どこでそのことをお調べになったんでしょうか。これはどちらがよろしいですか。稲田大臣の方がよろしいですか。

稲田国務大臣 きょうもどなたかの質問にもあったかと思いますが、平成九年当時に公取が把握して消費税と関連するものはなかった、けれども、声に出せない実感として、中小零細な事業者の方々の五割以上の方が消費税を転嫁できていないという声が調査として残っております。

今井委員 先ほど馬淵委員が質問されているとき、政府はそういうヒアリングを行っていないというふうに御答弁されましたね。しかも、そういう過去の証拠も残っていない、何となく周りでそんな声があるらしい、だからこれをちゃんと取り締まらなきゃいけないと。

 統制国家じゃないんですから、やはりちゃんとしたデータに基づいて、こういう必要性があるということを立証した上で法律をつくって、そして国会に提出するというのが政府の姿勢であるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

稲田国務大臣 もちろん、公正かつ自由な競争というのは保護していかなければならない。しかし、一方でそれが転嫁できていないという状況があって、懸念の声も多く寄せられております。

 そういった場合において、平成九年はガイドラインにおいて対応いたしましたが、今回は二度にわたって消費税が増税されることもあり、法律にして明確にしたところでございます。

今井委員 こういう法律をつくると副作用もあるんですね。これは、森大臣にお伺いした方がよろしいかもしません。

 これだけ曖昧な状態で、いずれガイドラインである程度の基準は出てくるとしても、事業者からすれば、こういうことを言ったらおとがめを食らうんじゃないだろうかとか、よくわからないなと。これは、税務署の税務判断でもこういうことがよく起きるというふうにお伺いしておりますけれども、一般の民間の人たちが自由に経済活動をしているときに、これは国から取り締まられるんじゃないだろうかとびくびくしながら、いろいろなセールスあるいは広告活動、情宣活動をしなきゃいけないということになりかねないということを大変懸念しておるんですけれども、この点について、いかがでしょうか。

森国務大臣 委員の御指摘のとおり、自由な経済活動に対する萎縮効果に対しては配慮をしなければならないと思います。

 景品表示法と今回の転嫁法というのは、そもそもの立法趣旨が違いますので、記録が三年間ということで、記録自体もありませんでしたけれども、執行も、景品表示法の場合には、それがうそであるということの裏づけまで調査をして行政処分いたしますので、単純に今回の、もう表示をしただけで禁止されるというものと比較することができませんので、この三年を過ぎたものが、仮に執行ケースが残っていたとしても、単純比較はできないということは申し上げておきます。

今井委員 時間が限られていますので、次の話に行きたいと思います。

 先日行われた参考人質疑の中で、参考人の一人が、今回六百人を増員して三年ぐらいの有期で雇うということでありますが、これが買いたたきだったかとか、こういうことを判定するのは非常に専門性が高くて、そういう臨時の方たちにできるかどうか、私としては非常に疑問です、そういう御意見があって、要するに、この法律の執行の実効性が、総枠は賛成だけれども本当にできるんだろうか、そういう声が上がっていたのを、大臣、御存じだと思いますけれども、そういう御指摘に対してはどうお考えでしょうか。

稲田国務大臣 本法案自体は大変意義のあるものだと思っておりますが、参考人の質疑の中でも、果たしてこの法の執行に当たって実効性があるのかどうなのか、取り締まれるのかどうなのかという点も御懸念がなされております。

 公正取引委員会としては、転嫁対策のために雇用する非常勤の職員についても、公正取引委員会の元職員、また類似の調査業務の経験のある方、法律や税務に明るい方、事業者間の取引実務に精通している方など、十分に選考して採用することといたしておりますし、また、これらの方々に対しても十分な研修を実行することによって、実効性のある法の執行を確保してまいりたいと思っております。

今井委員 いろいろまだ深掘りで聞きたいことがあるんですが、これはあしたもございますので、後の委員にお渡しするとして、最後に一点、麻生大臣にお伺いしたいんです。

 今回、参考人質疑が二回行われまして、私、その場で消費税引き上げに関しての軽減税率の考え方はいかがでしょうかということをお伺いしましたら、四人の方にお伺いしましたが、全員が反対です。

 理由は、税は簡素であるべきであって、これは何パー、これは何パーなんて、こんな複雑な税率を入れるべきではない、あるいは、どれを入れろ、これは入れるなということで、業界のいろいろな競争あるいは要請、陳情が起きて、これは大変混乱が起きるという意見がほとんどだったんですけれども、この点について麻生大臣の御見解を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。

麻生国務大臣 少なくとも、いわゆる軽減税率をやった場合は、区分はどうするとか、インボイスはどうするとか、難しいのがいっぱいあるのは多分よく御存じのところだと思いますが、一番の問題は、三党で合意していることですよ。(発言する者あり)こういうのは除外していただかないと、答弁に非常に影響が出ますので、ぜひよろしくお願いします。

 三党合意において、低所得者対策において、引き続き協議を行うとされたところなんだけれども、私どもとしては、それを聞こえませんと言える立場にありませんという点だけは御理解いただきたいと思います。

今井委員 低所得者対策は、軽減税率以外にもあるということを最後に申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

富田委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 日本維新の会の重徳和彦でございます。

 本日は、四月に一度、経済産業委員会におきまして質問をさせていただきましたが、同じテーマの消費税の適正な転嫁につきまして再度議論をさせていただきたいと思います。

 本法案につきましては、この実効性につきましてさまざまな角度で疑義も含めて述べられてきました。私も、これまで各委員と政府とのやりとりを聞いて、やはりしっくりこない部分が何点かございます。

 まず一つ目、基本的なところですが、これまで現場をよく知る委員の先生方あるいは参考人の皆様方から、あからさまに転嫁は拒否するよ、だめだよとはっきり言って転嫁を拒む、そういう事業者はそんなにいるとは思えないという意見が少なくありませんでした。ですから、単に安くしてくれとか、あるいは逆に、仕入れ先に値下げを申し出てきた場合には、どれだけ問い詰めても違法だと言えるような証拠が出てこないんじゃないかというような状況だと思います。

 そこで、少し逐条的に質問させていただきたいんですが、杉本公正取引委員長に御質問したいと思います。

 この法案の第三条一号におきまして、事業者が仕入れ先に対しまして、まず要件として、商品もしくは役務の対価の額を減じたり、あるいは商品もしくは役務に対し通常支払われる対価に比し低く定めたりしたかどうか、これは客観的に見てわかると思うんですが、消費税の転嫁を拒んでいるかどうかというのはなかなか判然としないのではないかと思います。

 具体的に、どんな情況証拠といいましょうか物証が出てくれば、消費税の転嫁を拒んだことになるのか、過去に事例などありましたら、そういうことも含めて具体的に例を挙げてお答えいただければと思います。

杉本政府特別補佐人 お答えさせていただきます。

 消費税の引き上げに際しましては、税率引き上げ後の取引価格から消費税率引き上げ分を減額して支払った場合、税率引き上げ前の取引価格に消費税率引き上げ分が上乗せされていない場合、こういった場合は違反の疑いがあるということになるんですが、そうした場合に、特定事業者から当該行為について特段の事情があるというその説得的な説明がない限り、本法案の三条に違反するということになるんじゃないかと考えております。

 例えば、本体価格に八%を上乗せした額で支払うと契約していたにもかかわらず、商品が納入されて対価を支払う際に、税率引き上げ分の三%分の値引きを要求しまして、従来どおり五%分しか上乗せしない場合、これは本法案の三条第一号に違反することになるんじゃないかと考えております。

 また、例えばでございますが、原材料費の低減、こういった状況の変化がないにもかかわらず、消費税率の引き上げ前の取引価格に税率引き上げ分の三%を上乗せした価格よりも低い価格を決める、こういった場合も本法案の三条第一号に違反するといったことになると考えております。

重徳委員 ありがとうございます。

 今のお話を伺っておりましても、結果的にそういう状況が判明すればということでありますが、これはやはり相当高度な、ケース・バイ・ケースでしょうけれども、かなり微妙な判断が求められることでもあると思います。相当高度な調査能力のある方が、よっぽど力を尽くしていかなければ、個別案件に深入りをしていかなければ、なかなか難しいというふうにも思われるわけであります。

 また、別の見方をすれば、よっぽどのケースでなければなかなか取り締まれないという状況は、過去の消費税転嫁とは今は状況が多少違うかもしれませんが、こういった法律が整備されない状況における公取の活動状況を見ていても、通常のやり方ではなかなか難しい実態があるというふうに、今までの委員の議論の中でも指摘をされてきたところでありますので、今回の法律をもってどれほどの成果が上積みされていくのか、現状の法体系に比べてどれほどの成果が上積みされるのかということも、これはひとえに調査能力ということにかかってくるのではないかと考えております。

 もともと、六百人という優秀な人材を確保する、これをどうされるのかという点につきましては、たった今、今井委員の方から稲田大臣に御質問がございましたので、それは今私もお聞きしておりました。

 いずれにしても、ちょっとやってみなきゃわからない部分もございますし、BツーB、いわゆる業者と業者の間の取引の中に深く食い込んでいくスキルというか、ある種特殊能力かもしれません、そういったものがなければなかなか難しい。一方で、六百人という数、全国で六百人ですから、これが本当に十分かということについても、これまで各委員の審議の中でも指摘をされてきたところでございますので、この点につきましては指摘にとどめさせていただきたいと思います。

 次に、外税方式の特例について議論を移してまいりたいと思います。

 今、委員の皆様方のお手元に写真をお配りさせていただきました。

 私は、たまたま、ある商店街を歩いていて、ケーキ屋さんでカステラが売られておりましたので、ぶらぶらと物色をしておりました。これは、何の紛れもない話なのでありますけれども、抹茶カステラ五百二十五円、それからマロンカステラ五百円という非常に絶妙な値札のついた商品が二つ隣り合わせで並んでおりましたので、思わず写真を撮ってみたわけでございます。当然、今現状は内税、総額表示方式ですので、紛れもなく、五百二十五円の方が二十五円分高いんだよということは、誰の目から見ても明らかなわけでございます。

 今回の法案では、第十条一項で、外税方式を、限定期間、三年間だけとることもできるということでありまして、少し確認しましたところ、個々のお店ごとの判断であるのはもちろん、一つのお店の中で、商品が外税方式と総額方式と別々のものを同じ店の中に並べることを必ずしも禁じられていないということでございますので、これは本当に限界事例というか極論ではありますけれども、税抜きで五百円、税込みで五百二十五円、来年から五百四十円かもしれませんが、そういった商品が並ぶこともなきにしもあらずということでございます。

 商品が並ぶというのはさすがに極論といたしましても、この事例とは少し別に、仮に、二つのお店が全く同じ商品を販売していて、片や税抜き百九十八円、一九八、そして、片や税込み一九八という広告を出していましたら、どちらのお店に買い物に行きたくなる客が多いと思うかということを、一般消費者の立場から、森大臣に、お聞きするまでもないようなことなんですけれども、確認的にお聞きをしてみたいと思います。

森国務大臣 総額表示義務の特例に関する規定は財務大臣の所管でございますけれども、どのような価格表示を行うかについては、各事業者において、消費者との関係も踏まえて判断されるものと考えますが、一般論として、税込み価格の表示の方が消費者にとってわかりやすいのではないかと考えております。

 こうした消費者の利便性の観点から、平成十五年度税制改正において、それまで主流であった税抜き価格では、レジで請求されるまで最終的に幾ら支払えばいいのかわかりにくく、税抜き表示のお店と税込み表示のお店で価格の比較がしづらいといった御指摘を踏まえて、消費者向け価格表示については総額表示が義務づけられることとされ、平成十六年四月から実施されているものと承知しております。

重徳委員 既定のルールの趣旨についてお答えいただいて、私としては単に、税込み一九八の方が当然安いわけですから、普通、消費者は税込み一九八の方を選ぶだろうというふうにお答えいただけるものと思っていたんですが、そういうことも含めて今お答えいただいたんだと勝手に解釈をさせていただきます。済みません。

 そういうことですから、税抜きの価格で表示した場合であっても、税抜きであって、プラス税がかかるんだよということを明確にすれば、これは外税方式を使うこともできるという特例が今回定められているわけであります。

 この点につきまして、いろいろなお店に立ち入っては、どうですか、今回消費税が上がりましたらどう対応されますかという話を私も聞いて回っているわけなんです。

 これはもう当然なんですけれども、例えば、一九八で牛乳を売っていました、素直に三%分値上げして二百三円になると思うんですが、二百三円で売りますというのはなかなか抵抗がある、だけれども、一九八なりの金額を外税方式で、つまり税抜きで一九八というふうにやっても、それは、プラス税が加わるということもわかりやすく明記しなければならないのが今回のルールなわけであります。

 そういう意味では、お店の側からすれば、この外にさらに税がつけ加わるんだということは余り強調はしたくないものの、しかしながらうそは言っちゃいけない、うそにならない範囲で余り強調したくない、こんなような悩ましい状況が、今、小売店舗の皆様方の心境だと私は受けとめております。

 そこで、麻生大臣にお伺いいたしますが、今回の総額表示義務に関する特例、すなわち外税方式を例外的に行っていい、こういう制度につきまして、小売店舗がどのぐらいこの制度を活用するとお見込みでいらっしゃいますでしょうか。お答え願います。

麻生国務大臣 これは、重徳先生、定量的にどれくらいの店がやるだろうかというのを今私どものところでお答えすることは困難なんだと思っております。

 この二つの話は、本来は、消費者側ではなくて事業者側から話が来たと記憶をしております。

 例えば、アパレル業界で、全て商品に張って、その上にセロハンで薄く見えるようにしたものの中を全部張りかえるというのはとてもではありませんとか、商品がたくさん置いてあるビックカメラとかドン・キホーテとかいろいろありますけれども、そういったところのものを全部張りかえて、一年したらまた張りかえるなどというのは物すごくコストが上がります等々のお話を受けて、両方どちらでもいいということをしばらくやる方がいいのではないかということで、この話をさせていただきました。

 こういう判断をさせていただいたんですが、これは、最初にこれが出てくるときから話がありまして、そのときも、外税の方がいいという方もいらっしゃいましたし、内税の方がいいという方も、初めて三%が導入されるとき、そういう話がいっぱいあったんです。

 とにかく、ビールというものを外税でやったら誰が飲むんだ、この一言で決まりました、私の記憶では。確かに、ビールを外税でやられたら、とてもじゃないけれども飲む気がせぬなと、私もその話を聞いて。自民党の税調で、海外に長くいた者は、外税でいいじゃないですか、日本人は計算が早いからすぐできますよと言われて、ずっと外税をしつこく主張していたんですけれども、その一言でやめたと思って、引き下がったんです。

 どっちでもいいというのをしばらくやってみた方が、現実問題として事業者側にすごく負担がかかりますので、それで、正直申し上げて、今回は、ある程度混乱を招くのではないかという御意見がありますので、わかりやすくきちんと明示されるというのを条件にということを私どもの方から申し上げたという経緯であります。

    〔富田委員長退席、平井委員長着席〕

重徳委員 ある意味で、今の内税方式を続けながら消費税を上げることが混乱を招く。コストがかかる、手間がかかるという面も、もちろんそれはそれで理解をするところであります。

 特に、消費者目線から見ますと、お店によって扱いがばらばらになってしまう。あるいは、三年間の時限的な措置ですから、三年間でぴたりとどこのお店も切りかえるならともかく、三年以内のいろいろなタイミングで、外税から内税にもう一回戻すということがばらばらに行われることが想定されるわけですから、ここはぴしっと、本来はどっちの方式でいくのかということを定めるべきではなかったかというふうに私は考えております。

 特に、消費税はセンシティブな話なので仮の話でしかできませんけれども、本当に八%から一〇%、さらにそこからふえていくということが、有識者の中では、それはもっと引き上げなきゃだめなんだ、もたないんだということを真摯に主張されている方もいます。

 この間、竹内財務大臣政務官は、現時点でその点についてはお答えできる段階にはないというお言葉ではありましたが、逆にその可能性を否定もされなかったと私は受けとめております。そういう意味では、今後、恒久的に外税方式にしていくということも検討していく必要があるのではなかったかと私は考えております。

 そうでなければ、本当に中途半端に外税方式、このお店は外税、だけれども、一年間でまたもとに戻ったとか、今の写真のように、このお店はそうじゃないんですが、実際、今後、ばらばらな扱いがお店の中でもあり得るという話からすれば、やはり一律の外税、一律の内税、どちらかを堅持するべきではなかったかということも感じておるわけです。

 今回の例外的な外税方式の容認につきまして、改めて麻生大臣、どのように感じておられるか、お願いいたします。

麻生国務大臣 基本的には、消費者側の立場に立てば、やはり全部内税の方がわかりやすいとか、全部外税にした方がわかりやすいという点は私もよくわかるところなんですが、一番負担をこうむるのは、もちろんお金を払う消費者ではありましょうけれども、それを販売する側の立場に立ちますと、物すごく手間がかかって、コストだけが上がるわけですから、そういった意味では、事業者側の立場に立って考えれば、外税でも内税でもどちらでもいい、ただし、混乱が消費者に起きないようにしておくという条件だけ一つつけておきさえすれば、私は、しばらくの間というのは、ある程度落ちついていくところまでいって、みんなが外税になっていくかというと、なかなかなりにくいのかなと思います。

 そういった意味では、これまで結構内税でずっとやってきておりますので、現実問題として、ある程度、二、三年とは思いますけれども、ちょっとどれぐらいの時間でいくのかわかりませんし、八から一〇に本当にまた上げることになるとか、今言われましたように一二とか、二一とか二二とかいうような話に、ヨーロッパみたいになっていくというようなことになれば、発想がまた変わってくることも考えられるでしょうけれども、今の段階でどちらかとかいうことを申し上げるべきではないと思います。

 少なくとも、スタートいたしますときに混乱が起きないようにして、何となくあそこにうまいことやられたとかいうような話は避けねばならぬ、断固それを避ける努力は我々の方として最大限せねばならぬと思っております。

重徳委員 最後に、稲田大臣に確認をさせていただきたいことがあるんです。

 今の外税、内税も、麻生大臣も、消費者目線からすれば、どちらかに一本化するというのが一番便利だということはおっしゃっておるわけでございます。それから、再三言われている消費税還元セールの問題などなど、この法案の実効性といいましょうか、この法案がそもそも法律としてこういうことを定める必要があるかどうかということも、事前にはいろいろと政府内部でも検討がされたのではなかろうか。

 場合によっては、法律がなくてもいろいろやれることがあって、それによってさまざまな消費税転嫁にかかわる問題を解決する可能性もあるのではないかという議論が内部的にもあったかどうか、どんな議論があったか、この点について確認をさせてください。

稲田国務大臣 さまざまな議論があったと承知をいたしておりますが、それでも、やはり消費税を二度にわたって引き上げるに当たって、消費税の趣旨、きちんと国民が支払ってそれを社会保障として還元してもらうという消費税の趣旨と、またそのために円滑に転嫁をしなければならないという意味において、さまざまな要件、例えば、優越的地位の事業者はどういう場合かとか、禁止される行為は何であるか、また、公正取引委員会だけではなくて、中小企業庁や主管大臣もさまざまな措置がとれるということを明確にした法律をつくるということは、私は非常に意味があることであると思います。

 その上で、委員御指摘のように、この法の執行に当たっての実効性をきちんと確保する体制も整えていかなければならないと思っております。

重徳委員 質問を終わります。ありがとうございました。

平井委員長 次に、小池政就君。

小池(政)委員 みんなの党の小池政就です。

 きょうは、貴重な時間をいただきましてありがとうございます。

 ただ、時間が大変短いものですから、簡潔な答弁をいただきたいということと、また、麻生大臣にはいつもは財金の委員会の方で審議をさせていただいておりまして、きょうは時間が短いということで、申しわけありませんが、少しだけいつもより早口で答弁のほどをよろしくお願いいたします。

 今回の法案に関しましては、増税を前提としているという点については我が党の方針とは異なることでありますが、ただ、公正な転嫁を進めていくという法案の意義も理解できますし、また、今回は法案に関する審議ということですので、できる限りニュートラルに、設計について、こちらが持っております懸念を少し確認させていただきたいと思います。

 まず、価格の表示に関してなんですけれども、先ほども議論のありました特別措置に関してであります。

 意義としまして、ちょっと時間がないので確認をさせていただきますが、こちらは衆議院の調査局の資料になります。こちらでは、今回の特別措置につきましては、「今般の消費税率引上げでは、総額表示義務の導入後初めて行われる税率引上げであり、また、短期間に二回の引上げが予定されていることから、事業者の事務負担や転嫁の困難さが増大すること等への懸念から、外税表示を求める声もあがった。」ということがありまして、これに対応する措置ということでよろしいでしょうか。

麻生国務大臣 基本的にそうです。

小池(政)委員 簡潔な答弁、ありがとうございます。

 そうしますと、今の理由にありました、短期的に二回の引き上げが予定されているということでありますけれども、これが事業者の事務負担に当たるということであります。

 ただ、特別措置によっても、例えば外税にしても、結局、事務負担は最低二回かかるのではないかと思われます。総額表示が現状は原則ですから、それを外税にする、時限のときに外税をまた総額にするということになっていますし、また、今回の法案の時限を見ますと、二十九年三月末ということで、最長でも約三年ぐらいということでありますから、三年間で二回というのは短期間の負担ではないのでしょうか。

麻生国務大臣 八が一〇に上がるのには一年ということになっておりますので、三年に比べればさらに短いということだと思います。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 三年の中で短い期間の違いということで、負担ということは本当にそれほど大きな違いがあるのかということが少し思われるところなんです。

 ただ、もう一つの理由としまして、先ほど挙げました中で、転嫁の困難さが増大すること等への懸念というものが挙げられておりまして、むしろこちらに対する措置ではないのかなということを考えております。

 大臣、転嫁の困難さが増大するということは、具体的にどのようなことが想定されると思われるでしょうか。

麻生国務大臣 担当大臣に聞かれた方がよろしいと思いますけれども、基本的には、弱小業者が大手業者にいろいろな意味でという話を考慮して、私どもとして、この配慮に賛成させていただいた経緯です。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 具体的に、事業者から見れば、売り上げ等に関係するのではないかというような懸念もあると思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

麻生国務大臣 考えておかないかぬと思います。

平井委員長 指名されてから質問するように。

小池(政)委員 済みません、余りに答弁が早過ぎて、うっかり忘れました。

 麻生大臣は売り上げに関しても懸念があるということをおっしゃっておりましたが、だからこそ、今回の合同審査会でも、最初の方に、懸念として、今回の特別措置に対して、心配も殺到するんじゃないかということが与党の方の質問からもあり、これも確かに懸念されるところであると思います。

 麻生大臣は、先ほど売り上げに対しても懸念しなければならないとおっしゃっていましたが、それでは、特別措置を今回導入した場合、外税にした場合、それをまた総額表示にする際には、一気に五%価格が上がったような表示になってしまいますが、これは売り上げには影響しないんでしょうか。

麻生国務大臣 消費者の感性の問題だと思いますので、売り上げに直接関連するかどうか、これは何とも、今申し上げる段階にはありません。

小池(政)委員 確かにそのとおりかもしれませんが、売り上げに影響するということも否定できない。また、少なくとも消費者にとってみれば、価格表示の大きな変更でありますので、混乱を及ぼす可能性は非常に高いと思われます。

 次に、今回、法案におきましては、表示の方法に係る共同行為、いわゆるカルテルにつきましても規定がありまして、今回独禁法の除外対象となるということでありますけれども、こちらについては、例えばガソリン業界等の非常に競争の激しい小売業界においては、個々の業者ができるだけ安く売ろうという中で、カルテルによって共同的な行為がしっかりと決められたにもかかわらず、抜け駆けをする可能性もあると思うんですけれども、それに対する対応はどうされるんでしょうか。これは公正取引委員長にお願いします。

杉本政府特別補佐人 本法案におきましては、消費税率の引き上げに関する表示カルテルを容認しているわけでございますが、この表示カルテル、共同行為に参加するかどうかはあくまでも事業者の任意でございます。法律上参加を強制されるものではございません。

 したがいまして、事業者または事業者団体が共同行為を行うことを決定する際に、これにあわせて、共同行為を実効性のあるものとするために、共同行為の参加者間におきまして、共同行為に違反した者に対して合理的範囲内でペナルティーを科すという決定も可能だと思いますが、こうしたことにより共同行為の実効性を確保していくということになるのではないかと思っております。

小池(政)委員 そうしますと、事業者間でそれは調整してくださいということになりますと、抜け駆けした者勝ちになる可能性というものも否定できないと思われます。カルテルが形骸化して、総額表示と、そうでない外税の表示方法が入り乱れる可能性というのもあり得るわけでありまして、それに対して、やはり消費者は非常に混乱する可能性がありまして、それについて政府はどのような対応というものを考えているのか、お聞かせいただけますでしょうか。

杉本政府特別補佐人 共同行為に参加するかどうかは、あくまでも事業者の任意でございますので、私ども公正取引委員会が、事業者に、表示カルテルを守るように強制することはできないものと考えております。

 仮に、事業者間、事業者団体間の合意である表示カルテルをめぐりまして、当事者間でトラブルが生じた場合には、最終的には、紛争処理手段によりまして、私法に基づいて解決されるものだと思っております。

 今回の場合は、価格表示のあり方につきましては、消費者の視点と事業者からの視点の両面からの検討の結果、こういう形になることでございますので、そこはきちんと理解されるようにしていくということにならざるを得ないと思っております。

小池(政)委員 そうしますと、決められた期間の中で当事者間でそこを調整してもらいたいということになりますと、表示についても混在する可能性がかなり高いと思われます。

 実際、ガソリンにつきましては、二〇〇四年四月一日に総額表示義務になってから、それを守らず、抜け駆けした例を公取が初めて警告した時期が、実は、一年と九カ月後の二〇〇五年十二月二十七日。公取がしっかり調査しても、これだけ時間がかかってしまっています。

 しかも、この間は、ガソリン一リットル当たり百十円から百二十円台という価格でありまして、先ほど甘利大臣がWTIの話をされたので、では、今は果たして幾らかということをお聞きしたかったんですが、こちらは、今、一リットル当たり百五十二円という形で、当時より非常に高い水準にあります。

 その中で、競争が激化していると思われる中で、今のような仕組みの中で今回表示カルテルを認めても、結局、価格表示というものが混在して、消費者も混乱して、正直者がばかを見るんじゃないかということを指摘させていただきます。

 最後に麻生大臣から、今のような状況についてどのような所見を持っていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 私、消費者というのは、意外と頭脳明晰だと思っています。

小池(政)委員 最後まで簡潔な答弁、ありがとうございました。

平井委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。

 内閣委員会から唯一質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 私も時間が短いので、どんどん質問に入らせていただきたいと思います。

 まず、この法案によって具体的に毎年どのぐらいの効果が、この法律のあるなしによって、転嫁に係る金額の差がどのぐらいあるのか、金額の見積もり、できれば、一年目、二年目、三年目もあるんでしょうか、いただければと思います。

稲田国務大臣 この法律の意義そして効果を毎年の金額であらわすというのはやや違うのかなと思いますが、政府として定量的にそれをお示しすることは困難ですが、例えば、転嫁カルテル、表示カルテルの適用除外制度については、平成元年当時、法律によって届け出件数が四千九百三十六件に達するとともに、同制度により消費税の円滑かつ適正な転嫁を行うことができたという意見がほとんどでございました。

 さらに、平成二十三年に日本商工会議所等が行った実態調査によりますと、消費税の転嫁が困難と考える中小事業者が多く存在しており、本法案によって、中小事業者による消費税の転嫁が円滑かつ適正に行われるようになるというふうに認識をいたしております。

大熊委員 一方で、投入する予算、国費はどのぐらいでしょうか。

齋藤政府参考人 お答えいたします。

 政府といたしましては、現在御審議中の法案を受けまして、転嫁対策にしっかり取り組むため、関係省庁において必要な人員、予算面の手当てを行うこととしております。

 お尋ねの予算面につきましては、平成二十五年度予算におきまして、関係省庁が転嫁対策等に係る広報、相談、調査等のために必要な予算を計上しているところであります。

 例えば、主なものを申し上げますと、公正取引委員会におきましては、事業者に対する広報等、転嫁拒否等に対する相談体制の整備、調査等の枠組みの整備等のための経費として四・三億円、中小企業庁におきましては、例えば中小企業、小規模事業者等が消費税を円滑に転嫁できるよう消費税の転嫁状況に対する監視、検査体制を強化するための経費として十九・八億円を計上しているというふうに承知しております。

大熊委員 少なくとも、合わせて二十五億ぐらいのお金が入るんですが、でもその効果はわからない。しかも、定量的に評価するのが難しいというならまだしも、先ほど、定量的に評価する意味がないとおっしゃったんでしょうか、そういうものではないというふうな答弁、これはおかしいと思いますが、改めて、大臣、お願いいたします。

稲田国務大臣 私が先ほど答弁いたしましたのは、金額で毎年毎年というふうに定量的に効果を算定するという法律ではないのではないかという趣旨で申し上げました。

大熊委員 この法律の名前は、適正な転嫁の確保と書いてあるんです。金額そのものじゃないですか。それはおかしいのではないでしょうか。

稲田国務大臣 この法案の趣旨は、消費税が二度にわたって増税されるに当たって、中小事業者が消費税を円滑に転嫁できないという事態を防ぐために成立させる法案であるというふうに認識をいたしております。

大熊委員 改めて申し上げますが、かかる固定費、お金ははっきりしている、効果の方は金額的にはわからない、これはおかしいというふうに指摘をさせていただいて、次に参ります。あと数分でございます。

 この法案の効果のうち、既存の独禁法、下請法等で法的にあるいは実効的にカバーできない点、これは何でしょうか。独禁法で、いわゆる優越的地位の濫用の適用で、転嫁させないケースの取り締まり、これはほとんどない、全くないというふうに承知しているんです。もう一度申しますと、この法律の効果のうち既存の法律ではカバーできないもの、この点は何でしょうか。

稲田国務大臣 この法案の一つの大きな特徴としては、対象となる事業者や禁止される行為が明確化されている、そしてまた、公正取引委員会だけでなくて、中小企業庁や各省大臣も対策、是正の措置をとることができるということだと思っております。

 独禁法は、排除措置命令や課徴金納付命令といった重い行政処分を課す一方、要件が抽象的であり、法適用に時間がかかる上、課徴金は国庫に納付され、被害者の救済にはつながりません。さらに、排除措置命令等は公正取引委員会だけが行っております。その点に比べて、冒頭に私が申し上げた点などが違っているのではないかと思っております。

大熊委員 大臣お話しのとおり、いろいろな省で対応できるということは、表現は悪いですが、ばらばらに対応し得る、そういうことになりませんか。

稲田国務大臣 そうではなくて、公正取引委員会だけでなく、中小企業庁また各省でも取り組みます。そして、禁止されている行為や手段などについて法律の中で明確化されておりますし、政府部内での取り扱いについてもガイドラインを策定する、そういうことにいたしております。

大熊委員 根拠法がそれぞれ別々で、役所も別々ということは、これはばらばらというふうに通常は意味するんじゃないでしょうか。

稲田国務大臣 私はそのようには思いません。

大熊委員 どうしてでしょうか。

稲田国務大臣 根拠条文というか根拠法は、この法律に根拠がありますし、今言いましたように、この法律で定められていることについて、政府部内、統一的なガイドラインも作成することにいたしておりますので、ばらばらになるというよりも、むしろ、公正取引委員会だけでなくて、中小企業庁、各省も含めて、政府一丸となって対策を講じるということでございます。

大熊委員 そうしますと、一元的に対応する、そういうことでよろしいんでしょうか。それと、そのガイドラインは、いろいろな法律を合わせて、そのいろいろな法律に基づいて一元的なガイドラインになる、こういう理解でよろしいんでしょうか。

稲田国務大臣 それは、この法律、今成立をお願いしております消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法に書かれているところの禁止行為ですとか国が講ずる措置、そして公正取引委員会、主務大臣、中小企業庁長官などがとり得る手段について、統一的なガイドラインを作成するということでございます。

大熊委員 それが、私の理解では、あるいは一般的な、普通の人の理解では、ばらばらなのではないかというふうに考えるところなんです。

 もうあと数分でございまして、森大臣がいらっしゃるので、ちょっと最後の質問に飛ばさせていただきます。

 これまでも何回か議論が出ています、セールのときの、消費税還元セール等の表示の禁止のところの関係なんですが、例えば、新年度の三%セール実施中!、これだけですと、先ほどの議論ですと、三角なしのマル、バツでいうとこれはマル、こういう理解でよろしいでしょうか。

森国務大臣 原則マルでございまして、あとは表示の全体を見た上で禁止される場合もあるというふうに御答弁させていただきます。

大熊委員 新年度の三%セール実施中と書いて、例えば、括弧消費税還元セールという表示は法律で禁止されております、こういう立て看板を、あるいはチラシでやった場合、消費者は当然、法律で禁止されていますと書いても、これは三%引いてくれるんだな、こういうふうに思うわけなんです。

 これは、マル、バツ、三角なしでいうとどうなんでしょうか。

森国務大臣 マル、バツというのは、執行する瞬間にマルとバツを決めるものであって、事前にマル、バツだけで判断できないこと、法律の解釈では原則と例外があることは一般論でございます。

 原則で申しますと、新年度の三%セール実施中と書いて、括弧消費税還元セールという表示は法律で禁止されています、わざわざこういう表示をする方がいるかどうかはわかりませんけれども、このように書いても、御指摘の表示だけでは消費税分を値引きするということを表示したというふうに理解できませんので、この表示が原則として禁止されることはないと思いますが、全体表示を見た上で判断するということは申し上げておきたいと思います。

大熊委員 申し上げたように、これが全体表示なんですよ。

 あと一分なので、続けて、民間事業者さんというのは、私も議員になる前はずっと民間で働いておりましたが、抜け道、悪い言い方をするといろいろ工夫をするわけで、悪い方の考え方かもしれませんが、消費税還元セールと銘打つと法律違反だ、勧告を受けるという理解をしているんですが、例えば日本で初めて勧告を受けるというスーパー、これは夕方のニュースになりますよね。宣伝効果が抜群に出てくるわけなんですよ、勧告を受けることによって。

 これは党内の議論でもあった。捨て身の作戦ですよ。肉を削って骨を削って、どっちかわかりませんが、捨て身の作戦。これは、やると思いますよ、デフレ不況がもし続いていれば。勧告を受けたって、幾らの罰金になるかわかりませんが、それでも、それ以上に売り上げはふえますから。これはどうなんでしょうか。

森国務大臣 違法であると認識しながら宣伝のためにわざわざその行為を行うということは、法律に違反するものとして行政庁から勧告を受け、さらに事業者名が公表されるということでございますので、私は、この制度自体で事業者一般に対して相当の抑止効果があるものというふうに考えておりまして、また、他の事業者が消費税の転嫁を阻害する表示を行うことを未然に防止することに資するものであると考えております。

 そもそも、本法案の八条の規定は、事業者が消費税に関連するような形で消費税の転嫁を阻害する安売りの宣伝等を行うことを禁止するというものでありますので、そこの趣旨をよく理解いただいて、また、違法でない形で、事業者の個々の営業努力によって価格設定をすること自体は制限しているものではございませんので、そのことをしっかりと周知してまいりたいと思います。

 また、法律に違反した事業者名を公表することで、消費者に対して当該事業者が法令を遵守していないということが明らかになりますので、消費者がその後、そのような事業者の商品やサービスを選択するかということについては疑問に思うところでございます。

大熊委員 時間が参りましたので終わりますが、この法律はほとんど意味がない、定量的にもわからない、意味がないということで、私はわかりましたので、終わりにさせていただきます。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 消費税の転嫁がこれほど問題になるのは消費税を増税しようとするからでありまして、我々は、前提となっております消費税増税そのものに反対でございます。増税しなければこういう法案は必要ないというふうに思うんですね。

 経産省中小企業庁が、これまで三回、消費税の転嫁問題で調査をやっております。九七年、二〇〇二年、二〇一一年の三回ですが、転嫁できないと答えた企業は、回を重ねるごとに増加しております。

 一番新しい二〇一一年の調査によりますと、消費税を増税されたら転嫁できないと答えた企業は、売上高三千万円以下では六六・七%もあります。売り上げ三千万から二億円のところは五六・七%、売り上げ二億円を超える企業でも四四%が転嫁できない、こういうふうに答えているわけであります。

 そこで、麻生大臣にお聞きしますけれども、事業者というのは転嫁できても転嫁できなくても消費税の納税義務を負っているということだと思いますが、いかがですか。

麻生国務大臣 事業者が物を売ったりする等々の商売をして、転嫁の責任を事業者が負うということになっております。

佐々木(憲)委員 これが消費税の一つの特徴であります。納税義務を負うのは事業者でありまして、それは極めて事業者にとっては過酷な税金であります。

 中小商店の場合に限ってお聞きしますけれども、商店が消費税を転嫁できないというその理由はどこにあると見ていますか。経産大臣。

    〔平井委員長退席、富田委員長着席〕

茂木国務大臣 先ほど佐々木委員に言及していただいた三つの調査、一番新しい平成二十三年八月の調査によりますと、小売業が転嫁できない理由として大きく二つ挙げておりまして、一番大きなのが景気の低迷で五一・二%、その次が事業者間の競争ということで四七・三%、こういう回答が多かったと承知をいたしております。

佐々木(憲)委員 消費税の増税分を上乗せしても、どうしてもお客さんが逃げていく、そういう状況のもとで、転嫁をすれば売り上げが減る。転嫁をしなければ、自分が納税義務を負っていますから、負担せざるを得ない、身銭を切る。そういう意味で、どっちにしても大変な事態なんです。

 四月十二日の本会議で安倍総理は、小売業者が個々の商品等にどのような小売価格を設定するかはその自主性に委ねられるところですが、みずからの小売価格を維持するために消費税の転嫁拒否等の行為を行った場合には、厳正に対処する必要があると考えています、こういう答弁がありました。

 事業者が、客が減るから増税分の値上げができないと経営判断をした場合、それは転嫁拒否行為に当たるのかどうか。この点、お答えいただきたいと思います。

茂木国務大臣 まず、先ほど、消費税を転嫁しにくい理由として、景気の低迷それから事業者間の競争ということを申し上げたんですが、これはあくまで全国レベルのアンケートの結果でありまして、景気がいい商店街でも、商店街がうまくいっていないところがあるんですよ、愛知あたりで。逆に、景気が悪いところでも、長崎あたりでいいところがあるんです。大型店が周りにあっても売れているところもあるということで、個々の状況によって違うということは御理解いただけると思います。

 その上で、本法案につきましては、消費税の引き上げの際に消費税の転嫁を阻害する行為などを是正するために、事業者間の取引において、買い手側が商品の価格を決定する際に消費税分を転嫁せずに買いたたいたり、価格を決めた後で消費税分を減額することなどを違反行為といたしております。

 すなわち、中小の商店が消費者に対して販売する場合、全ての商品の価格を据え置くということになりますと、転嫁を通じて消費者に負担を求めるという消費税の性格に照らして望ましいとは言えないと思いますが、当然、お店によっていろいろな販売の戦略、セールスの戦略というのがありまして、あるものを高くしたり、あるものをぐっと値引きしたりということは、個々のお店によって商売としてやられるわけでありますから、個々の商品の価格を据え置いて販売すること自体は本法案における転嫁拒否行為とはならない、このように承知をいたしております。

佐々木(憲)委員 結局、簡単に言うと、事業者間の場合に転嫁拒否行為という問題が焦点になるけれども、中小商店の場合はそれとはまた違う、別の扱いになる、こういうことだと思うんです。

 具体的な事例として、きょうは、路線バス、乗り合いバスの問題について取り上げたいと思います。

 国交省に確認したいんですけれども、例えば、乗り合いバスの事業者について、八九年の消費税導入のとき、それから九七年の五%への増税のとき、それぞれ、全事業者のうちどれだけの事業者が運賃改定で転嫁を行うことができたのか、それを答えていただきたいと思います。

若林政府参考人 お答え申し上げます。

 乗り合いバス事業につきまして、平成元年の最初の消費税導入時におきましては、全三百七十事業者のうち百八十九事業者、五一・一%でございます。また、平成九年の消費税率改定時には、全四百四事業者のうち百二十三事業者、三〇・四%が運賃改定を行っているところでございます。

佐々木(憲)委員 今紹介のように、平成元年には五一%、平成九年に五%に上げたときは三〇%の事業者しか消費税を転嫁できなかった。

 どういう理由かといえば、これは国交省の資料によりますけれども、輸送人員が減少を続ける中で、乗り合いバス事業者が運行する四分の三の系統が赤字系統である、事業者全体としても四分の三が赤字事業者となっている、しかも、毎年、稚内から鹿児島までの直線距離を超える約二千キロメートルの路線が完全に廃止されている、そういう状況なわけです。つまり、地方の足は今どんどん破綻に追い込まれているわけであります。

 そういう中で消費税が増税された場合、非常に経営上危機に陥るというのはこれまでの事例でありまして、なかなか転嫁はできないし、かといって利益を減らして負担するということもできない、これが実態だと思うんです。

 今回の消費税率の引き上げに際して、日本バス協会は消費税の転嫁についてどういう要望を上げているか、紹介していただきたい。

若林政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年七月より本年にかけてでございますけれども、日本バス協会の会長より提出されました要望書におきましては、消費税率の改定に関しまして、まず、バスの事業の公共性を考慮した軽減税率の設定とその適用、それから、ICカードのシステム改修の助成と迅速で簡易な運賃改定手続ルールの作成、独禁法の特例による一斉転嫁の配慮について要望がなされているところでございます。

佐々木(憲)委員 最初におっしゃった軽減税率の適用ということは、強い要望としてこれまでも出されておりまして、平成二十三年度事業報告書の中にもそれが書かれているわけです。

 国交省が政府税調に出した資料、ここにありますけれども、これによりますと、乗り合いバスの場合、利用者の大幅な逸走が懸念されるため、逸走というのはお客さんがいなくなるということです、運賃値上げによる消費税の転嫁は事実上困難、その影響について、運賃改定を行っても利用者の逸走により相殺され、十分な増収につながっていない、マイカーや自転車、徒歩への移行やバスによる出控えなどが逸走の主な理由、こういうふうにしておりまして、国交省自身が転嫁は難しいというふうに答えているわけでございます。

 そこで、稲田大臣、この特別措置法案の中では、このような転嫁ができないバス会社に対して、法律上どのような措置をとっているんでしょうか。

稲田国務大臣 本法案は、いわば強い立場にある特定事業者を対象に、弱い立場にある中小事業者に対して転嫁拒否をする場合等を取り締まっておりますので、今委員御指摘のような場合については適用がないと思います。

佐々木(憲)委員 実態的にこんな非常に厳しい状況にあるにもかかわらず、法案の中に対応措置がないというのが非常に問題だと思います。

 昨年二月の予算委員会で、私はこの問題を取り上げましたが、当時の国土交通大臣はこういうふうに答弁しています。一昨年のことになりますが、十二月の政府税制調査会において、運賃改定による税率引き上げ分の転嫁は困難である旨の懸念を表明しております。国土交通省としても、転嫁に際してどのような問題があるのか、事業者の実態を十分に把握し、また関係行政機関と密接な連携をとりつつ、徹底した対策を講じてまいります、こういう答弁であったわけであります。

 安倍内閣としては、徹底した対策ということになりますと、どのような対策を講ずることになっているのか、具体的な説明をいただきたいと思います。

茂木国務大臣 先ほども、消費税を転嫁しにくい一番の理由として、景気の低迷という話をさせていただきました。

 安倍内閣の最優先課題は、経済の再生そして景気の回復を、三本の矢を同時に力強く射込むことによって達成していく。大胆な金融緩和、機動的な財政運営、民間投資を喚起する成長戦略、既に動き出しております。これによりまして、まず景気の底上げをしていく、このことが個々の事業にとっても、また業界にとっても必要なことなんだと思います。

 先生とは消費税に対する基本的なスタンスが違っておりますので、なかなかかみ合わない部分はあるんですけれども、例えば商店街もバス事業も消費税の影響はあります。しかし、それ以上に商店街の構造的な問題、バス事業の構造的な問題を改善しないと、消費税が何%であるということで全て今の状態が維持できる、このようには考えておりません。

佐々木(憲)委員 確かに私は根本的な考えが違いまして、経済を再生させるという場合に何が必要か、それは国民の消費をどう拡大するかが基本であって、消費税を増税したら全体が活性化するかのような発想には我々は立っておりません。

 昨年の予算委員会ではこういう答弁があったんです。税率五%というのは世界の中で三つぐらいしかない、転嫁の問題はあると思いますけれども、あらゆる国が克服しているテーマであります、こういうふうな答弁だったんです。

 では、ほかの国の状況を、乗り合いバスの関連でお聞きします。

 例えば、OECD諸国では、EU指令において旅客運賃は軽減税率の対象としている。バス協会の要望にも軽減税率の要望がありますが、ヨーロッパではこれが実行されているわけであります。

 そこで、イギリス、フランス、ドイツ、デンマークと日本の比較をしたいんですけれども、それぞれの国の基本税率と実際の税率を紹介していただきたいと思います。

山口副大臣 私の方からお答えをさせていただきます。

 今御質問の件でありますが、イギリス、フランス、ドイツ、デンマークにおける付加価値税、これを御紹介いたしたいと思います。

 イギリスが標準税率は二〇%、フランスが一九・六%、ドイツが一九%、デンマークは二五%というふうになっておるわけで、また、乗り合いバスの運賃に適用される付加価値税の税率、これは国によって一定の輸送距離以下である等の条件はありますが、一般的なケースとして、イギリスは〇%、フランスは七%、ドイツは七%、そしてデンマークは非課税というふうなことでございます。

佐々木(憲)委員 今紹介がありましたように、世界は税率が高い、ヨーロッパの基本税率が高いという紹介はいろいろあるんですけれども、例えば、日本が五%から一〇%にする、その一〇%は丸々乗り合いバスの事業者にかかるわけであります。ところが、ほかの国は、イギリス〇%、フランス七%、ドイツ七%、デンマーク非課税。日本より全部低いんですよ。

 これは、日本の地域のバス路線を守る、そういう立場からいうと、特別な手だてが必要ではないか。こういう状況を踏まえますと、やはり、日本の乗り合いバスなど地域の経済の一番ベースになるところをしっかりと支える、そういう税制も検討するということが必要だと思うんですけれども、麻生大臣、そういうおつもりは全くありませんか。

麻生国務大臣 検討に値するとは思いますけれども、今お答えできる段階にはございません。

佐々木(憲)委員 えらいまたあっさりとした、冷たい答弁でありました。

 日本も、生活関連ですとか生活必需品、そういうものに対しては特別に、私は全体の増税に反対ですけれども、現在の消費税だってそこは下げるべきだと思っているんですよ。税金はちゃんと、お金のあるところ、内部留保がたくさんあるところ、利益のあるところから払ってもらうというのが本来の筋である、こういうふうに考えるわけです。

 今、燃料代も上がっている、あるいは施設費用に消費税率一〇%がさらに加わると、これはバスの料金だけではなくて、事業全体の負担がふえるわけであります。

 八割近い事業者が赤字である、そういうときに、これを何も配慮せず、非常に冷たい態度で一律に一〇%だ、これは余りにも過酷だと言わざるを得ないわけでございます。(発言する者あり)そうだという声がありますけれども、軽減税率を仮に導入しても、こういう客観状況を考えますと、路線バスの廃止を促進するだけです。

 ですから、消費税の引き上げなどということはこの際断念する、そういうことが求められているというふうに思うわけです。我々としては、このような消費税増税、血も涙もないやり方については中止すべきである、撤回すべきである、改めてこのことを主張して、終わりたいと思います。

富田委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。

 四月十二日の本会議では、消費税増税を前提としてその準備を進めようとする法案の提出に疑問を呈させていただくとともに、価格転嫁問題は、増税が実行されるか否かにかかわらず、現在でも問題があるのに、時限立法である上、罰則規定のない内容であることについて質問させていただきました。

 本日も引き続き、罰則規定がない中での対応や調査方法などについて質問させていただきたいと思います。

 さて、罰則規定を設けない中でどのような対処ができ、またその実効性があるのかということであります。本法案では、被害を受けた事業者がその事実を政府に申し出たことを理由として取引を停止するなどの報復行為を禁止しているが、具体的にはどのような対処が行われるのか、まずお聞かせいただければと思います。

稲田国務大臣 まず、本法案は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のために、既存の独禁法や下請法に比べて、法律上の要件を形式的なものにして迅速な執行ができるようにしております。また、公正取引委員会だけでなく、中小企業庁や事業を所管する大臣にも調査、指導権限を与えております。被害の回復を措置することができるようにしたり、下請取引や売買取引を含め、広く取引一般を対象にいたしております。

 そして、今委員がお尋ねの、転嫁拒否等の行為に対する罰則がないという点でございますけれども、罰則はありませんが、被害者が多数の場合、また被害が大きい場合、違反を繰り返す蓋然性が高い場合など、消費税の円滑かつ適正な転嫁を阻害する重大な事実がある場合には、公正取引委員会において、違反事業者に対し、違反行為の取りやめ、また転嫁を拒否した消費税分を支払うなど、不利益の原状回復措置などを講ずるよう勧告し、またその旨公表することにいたしております。

 政府としては、これらの措置を通じて、関係省庁が一丸となって転嫁拒否行為を迅速かつ効果的に取り締まることができると考えております。

小宮山委員 名前の公表ということかと思いますし、またそこに行くまでの時間差があるということ、きょうの質疑の中でも触れられておりましたが、八条関係の広告や店舗での表示については、抜け穴的に、違反とならない方法をとり得る可能性も高いかと思います。

 もちろん、この点では実効性に問題が持たれるかと思いますし、また、先ほども指摘があったんですけれども、企業努力によって覚悟を決めて実施したセール、そういったことによって、前回の引き上げのときには、消費税還元セールといって売り上げが伸びたりとかさまざまな現実もありました。そういったところで、覚悟を決めてセールをすることによって私は消費税が上がったにもかかわらず頑張っているんだ、実際にはそういった、勲章とは言いませんけれども、宣伝になるのではないかということも危惧しております。

 森大臣は、十日の経産委員会で、それまでの委員会審議においての消費者庁政府参考人答弁で、法案の八条で禁止されている表示の考え方の説明があやふやだったと感じていると答弁されております。また、「消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方」により、三%還元セールや全品値下げといったものは、消費税という言葉がないから禁止されないことが示された。政府内での共通見解を文書で示されております。

 やはり、こういったことを考えていきますと、大変曖昧な中でこの法案があるということ、それによって、場合によっては、還元セールができるところはいいですけれども、できない小売店など、そういったところは大変な不利益をこうむるのではないかということを心配しております。つまり、法案の目的と逆の結果を招いてしまう可能性というものを危惧しております。

 この点に関しましてどのような御見解があるか、これを防ぐためにどうされるのか、御意見を伺いたいと思います。

森国務大臣 まず、企業努力によって覚悟を決めて実施するセールということでございますが、そのことまでも禁止しているものではございません。消費税還元セールという文言を持っていた場合に禁止されるものでございます。その場合には勧告等の処分をしていくということでございます。

 あやふやなままではいけないのではないかという御指摘でございますけれども、現在、ガイドラインの策定に向けて、事業者等のヒアリングを実施しましてそこを明確にしてまいりますし、また、相談窓口等を設けてしっかりと対応させていただきたいと思っております。

小宮山委員 あやふやなままではいけないんだと思います。また、現実もありますし。

 それでは、現実はどういうふうに調査されるのか。これから調査していくことになるんですけれども、こういった現実という世界は、価格転嫁に係る減額を求める側、求められる、または強要される側、それとともにセールの表示などで利用する側という三つの面がこの法案では見え隠れすると思っております。

 実際の調査の実施などにおいて、最もマンパワーのあるのが中小企業庁だと思っております。特に、不利益な立場に置かれる側となりやすい中小企業の立場に立って取り組むことが求められていると考えます。これは、消費税増税の有無にかかわらず、通常の業務としてもしっかりしていただきたいと思うところでございます。

 公正取引委員会、中小企業庁のほか、個別の業種を所管する主務大臣にも調査及び指導権限が付与されることとなる法案であります。このため、各省庁も調査主体となり得るが、申告者が特定されないように注意して調査を行ったり、情報管理を徹底するなど、ノウハウの共有や調査方法の研修、法律解釈についての共通認識などにばらつきが生じてしまってはいけないとも思っておりますし、ここは統一する必要があると思っております。

 調査経験のある公取、中小企業庁と、セールの表示を担当することとなる消費者庁より、ノウハウの共有の方法についてお聞かせいただきたいと思います。

森国務大臣 表示方法の明確化ということについては、現在既に、事業者や業界団体に対して具体的な表示例に関するヒアリングを行って、事例を収集しているところでございます。

 引き続き、事業者の意見を十分に聞いた上で、具体的な事例を含めたガイドラインを策定し、またそれを適切に執行に生かしてまいりたいと思います。

稲田国務大臣 委員御指摘のとおり、十五条において、公正取引委員会、主務大臣また中小企業庁長官が取り締まりの報告や検査などを行う権限がございます。

 そのため、公正取引委員会では、調査、指導等に関する事務処理マニュアルを作成し、公正取引委員会だけでなく、関係省庁の職員に対しても当該マニュアルを示すとともに、関係省庁の研修会に講師を派遣したり、調査に関する相談に対応したり、指導の結果を共有したりすることといたしております。

 さらに、公正取引委員会を含め関係省庁は、広く事業者一般に対し本法案の運用に関する考え方を示し、違反行為の未然防止に資するため、ガイドラインを作成、公表することといたしております。

 これらの取り組みを通じて、関係府省間でのノウハウの共有及び執行の統一を図ってまいりたいと思っております。

小宮山委員 経産省、中小企業庁の方にもこの点を伺いたいと思います。答弁することになっていたかと思いますが。

平大臣政務官 済みません、こちらの通告を経産省の方は受けておりませんが、今両大臣から答弁があったとおりでございますので、しっかりと共有してやってまいりたいと考えております。

小宮山委員 中小企業庁は、現在も、下請代金支払遅延等防止法に基づき、全国で六十名体制で消費税分の価格転嫁に係る減額行為を含む違反行為について取り締まりを実施されていますし、これに加えて、転嫁対策の調査Gメンを新たに全国で四百七十四名配置し、体制強化をされます。

 これについてはしっかりと通告をしておりましたので、大丈夫ですね。体制のことでございますので、答弁いただけるということでしたので、よろしくお願いいたします。

平大臣政務官 失礼いたしました。今、ノウハウの共有のところでの質問というふうに思いましたので。体制についてはお答えをさせていただきます。

 今御指摘されたとおり、経済産業省は、下請代金支払遅延防止法に基づいて、消費税分の価格転嫁を認めない等の違反行為に対して、全国六十名体制で厳正な取り締まりを既に実施中でございます。

 また、今般の消費税引き上げは二段階にわたる実施であるということ、規制対象が広範であることに鑑みまして、今まで以上に十分な監視、取り締まり体制の整備をしてまいります。

 体制としては、今の六十名に加えて、消費税の転嫁拒否の監視、取り締まりに特化したいわゆる転嫁対策調査官を四百七十四名新規に採用いたしまして、本年度中に全国へ配置する予定であります。

 中小ビジネスの現場また中小事業者のメンタリティーを考えれば、待ちの体制とか受け身の姿勢というわけにはいかないと思っております。そのため、転嫁対策調査官は、中小企業、小規模事業者に対する電話での聞き取りや戸別訪問等を積極的に行う予定でございます。

 加えて、転嫁拒否の未然防止の観点から、本法案成立後、可能な限り速やかに、公正取引委員会と連携し、大規模な書面調査も実施を予定しております。

 具体的には、平成二十五年度において、業種、地域、企業規模等を勘案し、大規模事業者への牽制効果も念頭に置きつつ、中小企業、小規模事業者十五万社を抽出して調査を行う予定になっております。

小宮山委員 ほかのときかもしれないですけれども、他人事ではなく、質問も含めて、しっかりと共有していただきたいなと思います。そういう意味で、ノウハウの共有という意味においては今少々心配をいたしたところであります。

 さて、政府として、この法案があることによって、では、どれだけきちんと価格転嫁をしなくてはいけないんだということ。今までの下請法から相当拡充されて、さまざまな業種にわたるものであります。この周知徹底のための取り組み、全体像について御答弁をお願いしたいと思います。

杉本政府特別補佐人 本法案の周知徹底に関しましては、本法案についてのガイドラインの作成、そういったものを各省庁で共有していくということが一点ございますし、事業者向けのパンフレットを作成いたしまして、各所管省庁の事業団体を通じまして広範にパンフレットを配布していくこと、さらには、説明会を開催いたしまして、事業者団体主催の説明会へも講師を派遣していく、こういったことにより、本法案の内容については周知徹底を図っていくこととしております。

山際大臣政務官 お答えいたします。

 今、各省からお答えいたしましたとおり、それぞれに広報も徹底していくということでございますが、御心配のように、情報がしっかり共有できるように、内閣といたしましても、既に準備室もつくっておりますが、情報を共有しながらしっかり広報を徹底してまいりたいと考えてございます。

小宮山委員 下請法に伴う調査は毎年二十五万件程度実施されておりまして、四千件ほどの行政指導を行っております。しかし、この中では、消費税に特化したものが見受けられるとは聞いておりません。

 そうやって考えますと、では、今までのノウハウは何なのか。そういう意味では、実際に、消費税の価格転嫁ということでの取り締まり、行政指導というのは余り実例はない、多くはないということを考えますと、先ほどからしっかりととおっしゃっていますが、本当にそのノウハウというのが現実に存在するのかも、正直言って心配なところでございます。

 過去の導入時や税率の変更時には、安定財源を目指して、税収の直間比率を改めていくという目的もあって、減税も行われました。住宅ローン減税の拡充自体はいいことと考えますが、それで十分ではありません。ましてや、中小企業、小規模事業者などがレジスターを初めとする器具や備品などを取得した場合には、取得価格の三〇%の特別償却または七%の税額控除が平成二十五年度税制改正に盛り込まれているといったこともおまけ的な内容でしかなく、基本的に純粋な大増税になる内容であります。

 さきの参考人質疑において、全国中小企業団体中央会からは、消費税導入時や五%への税率変更時と比べて大きく異なる点として四点、税率一〇%への大幅な引き上げであること、二回にわたる引き上げであること、減税が実施されないこと、消費税の総額表示義務づけ後初の引き上げであることなどが指摘されております。

 震災復興増税も行っている中での大増税であり、その大増税の実施を前提にする本法案の審議に疑問を改めて呈するとともに、増税を行わないことこそが最も大きな経済対策であるということを重ねて申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

富田委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。

 これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会

     ――――◇―――――

  〔参照〕

 消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案

は経済産業委員会議録第八号に掲載


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