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裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議

政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一 長期間の審判を要する事件等は、国民の関心が高く、社会への影響も大きい事件が多いことから、裁判員制度が創設された目的に鑑み、その除外決定は極めて例外的な措置であることなど、本法の趣旨の周知徹底に努めること。

二 審判に著しい長期間を要する事件等の対象事件からの除外決定は極めて例外的な措置であることに鑑み、除外の要否の検討を行う前提として、関係者の協力の下、公判前整理手続等において必要な審判期間及び公判期日等についての十分な検討を行うとともに、できる限り裁判員等選任手続の実施を図り、裁判員裁判を実施するために最大限の努力を尽くすことなど、本法の趣旨に沿った運用がなされるよう周知徹底に努めること。

三 本法の附則に基づく三年経過後の検討の場を設けるに当たっては、国民の視点からの見直しの議論が行われるよう、裁判員経験者、犯罪被害者等の意見が反映されることとなるように、十分に配慮すること。

四 裁判員裁判の円滑な実施を図るため、裁判員制度施行後の辞退率の上昇及び出席率の低下について十分な検討を加え、必要な措置を講じること。

五 事業者による特別な有給休暇制度の導入などの職場環境改善の促進、保育所・学童保育等を日常的に利用していない者がこれらの施設を利用することの確保等、できる限り国民が裁判員として裁判に参加できるような環境の構築に向けて、更に積極的に取り組むこと。

六 国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に訴訟手続を行う制度の在り方について、差し当たり刑事訴訟手続における国民参加の制度である裁判員制度が導入されたことに鑑み、国民の司法に対する理解・支持を更に深め、司法の国民的基盤をより強固なものとして確立するため、広範な視点に立って検討を行うこと。

七 本法の附則に基づく三年経過後の検討に当たっては、死刑事件についての裁判員制度の在り方、性犯罪についての対象事件からの除外などの犯罪被害者等の保護の在り方、否認事件への裁判員参加の在り方、裁判員等の守秘義務の在り方等、当委員会において議論となった個別の論点については、引き続き裁判員制度の運用を注視し、十分な検討を行うこと。

八 裁判員制度施行後における殺人罪及び強盗致死傷罪等の起訴率の低下と制度の影響との因果関係について、本法の附則に基づく検討までに検証を行うこと。

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