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刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

政府及び最高裁判所は、本法が度重なるえん罪事件への反省を踏まえて重ねられた議論に基づくものであることに鑑み、その施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一 検察官及び検察事務官並びに司法警察職員は、取調べ等の録音・録画に係る記録媒体が供述が任意になされたものかどうか判断するための最も重要な証拠となり得ること及び取調べ等の録音・録画が取調べの適正な実施に資することに鑑み、刑事訴訟法第三百一条の二第四項の規定により被疑者の供述及びその状況を記録しておかなければならない場合以外の場合(被疑者以外の者の取調べに係る場合を含む。)であっても、取調べ等の録音・録画を、人的・物的負担、関係者のプライバシー等にも留意しつつ、できる限り行うように努めること。

二 保釈に係る判断に当たっては、被告人が公訴事実を認める旨の供述等をしないこと又は黙秘していることのほか、検察官請求証拠について刑事訴訟法第三百二十六条の同意をしないことについて、これらを過度に評価して、不当に不利益な扱いをすることとならないよう留意するなど、本法の趣旨に沿った運用がなされるよう周知に努めること。

三 再審が無 ( ) の救済のための制度であることを踏まえ、証拠開示の運用、刑事訴訟法第四百四十五条の事実の取調べの在り方をめぐる今国会の審議の状況の周知に努めること。

四 通信事業者等の立会いがないため同時進行的な外形的チェック機能が働かないことを踏まえ、特定電子計算機を用いる傍受の実施において、該当性判断のための傍受又は再生を行うに当たっては、通信の秘密及びプライバシーの保護に十分に留意して、厳正に実施すること。

五 適正に通信傍受が実施されていることについての説明責任を果たすため、客観的に通信傍受の実施状況を検証するための方法について検討すること。

六 捜査に必要な機器等の費用は捜査機関が負担することが基本であることに鑑み、通信傍受に必要な機器等の整備に係る通信事業者の負担軽減に十分な配慮を行うこと。

七 証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の実施に関し、検察官は、合意をするため必要な協議に際しては、自由な意見交換などの協議の機能を阻害しないとの観点をも踏まえつつ、日時、場所、協議の相手方及び協議の概要に係る記録を作成するとともに、当該合意に係る他人の刑事事件及び当該合意の当事者である被告人の事件の公判が終わるまでの間は、作成した記録を保管すること。

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