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   地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

一 国際的に認められた知見を踏まえ、産業革命以前と比べた世界の平均気温の上昇幅を二度未満に抑えるには世界における温室効果ガス排出量の大幅な削減が必要であることを認識し、二〇五〇年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減するとの目標を全ての国と共有するよう努めるとともに、二〇五〇年までに八○パーセントの温室効果ガスの排出削減を目指すという長期的展望に立って積極的に地球温暖化対策を実施すること。

二 地球温暖化対策の推進に当たっては、以下の各点に配慮すること。

 1 地球温暖化対策は、社会経済活動その他の活動による温室効果ガスの排出をできる限り抑制することその他の温室効果ガスの排出の抑制等に関する行動が新たな生活様式の確立等を通じて積極的に行われることによって、豊かな国民生活及び産業の国際競争力が確保された経済の持続的な成長を実現しつつ、温室効果ガスの排出量を削減し、並びに温室効果ガスの吸収作用を保全し、及び強化することができる社会が構築されることを旨として、行われなければならないこと。

2 地球温暖化対策は、地球温暖化を防止することが人類共通の課題であること及び我が国の経済社会が国際的な密接な相互依存関係の中で営まれていることに鑑み、我が国に蓄積された知識、技術、経験等を生かして、及び国際社会において我が国の占める地位に応じて、国際的協調の下に積極的に推進されなければならないこと。

3 地球温暖化対策は、地球温暖化の防止に資する技術の開発その他の研究開発及びその成果の普及が重要であることに鑑み、これらの研究開発及びその成果の普及が図られるよう、行われなければならないこと。

4 地球温暖化対策の推進に当たっては、地球温暖化の防止に資する産業の発展及びこれによる就業の機会の増大を図ること。

5 地球温暖化対策の推進に当たっては、エネルギーに関する施策との連携を図ること。

6 地球温暖化対策の推進に当たっては、経済活動及び国民生活に及ぼす効果及び影響について事業者及び国民の理解を得つつ、適切な財政運営に配慮すること。

三 東日本大震災の教訓を踏まえ、省エネルギー基準の強化、省エネルギー機器の普及など、あらゆる政策手段を活用し、省エネルギー対策を一層加速して進めるとともに、再生可能エネルギーの飛躍的な普及拡大を図ること。

四 地球温暖化対策に関する国際的動向及び最新の科学的知見に照らし、国内の地球温暖化対策に関する政府の方針及び地球温暖化対策計画を不断に見直すこと。

五 地球温暖化対策の推進を図るためには国民の理解及び協力を得ることが不可欠であることに鑑み、地球温暖化の防止に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実のために必要な施策を講ずること。また、地球温暖化対策に関する政策形成に国民の意見を反映し、並びに政策形成過程の公正性及び透明性を確保するため、国民への情報の速やかな公開を徹底するとともに、政策形成に係る議論への国民の参加の機会を十分に確保すること。

六 地球温暖化対策に関する基本原則、温室効果ガス排出量の削減に関する長期的な目標、その達成のための基本的施策等を規定する基本法制について早急に検討を行うこと。

七 温室効果ガス排出量の削減に関する中期的な目標については、再生可能エネルギーの最大限の導入及び省エネルギーの最大限の推進を図ることを前提に、我が国の社会経済情勢を踏まえつつ、二〇二〇年の野心的な目標を早急に設定すること。

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