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気候変動適応法案に対する附帯決議

 

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 

一 気候変動対策として、緩和策の最大限の実施により気候変動影響を最小化させることが重要であることから、脱炭素社会の実現に向けた緩和策の一層の徹底を図りつつ、気候変動適応に関する施策を総合的に策定し、推進すること。

 

二 気候変動の影響についての知見がいまだ不十分な分野について、国際機関や他国の機関との人事交流・情報交換等を密に行うこと等によって、調査研究を推進させ、より充実した気候変動の影響評価を行うこと。また、気候変動及び多様な分野における気候変動影響の情報の収集を推進するよう努めること。

 

三 気候変動の影響のあらわれ方は、人口、都市・産業構造、気候風土等の影響を受ける側の社会の様態によって大きく異なると考えられることから、気候変動の影響に対する脆弱性や曝露を評価するための指標や手法の開発に当たっては、地域の実情に応じた気候変動適応の推進の重要性に十分留意しつつ進めること。

 

四 多様な分野における科学的知見に基づき気候変動適応を推進するため、適応の情報基盤の充実に向け、関係府省庁との連携や関係する調査研究等機関の連携を図ることはもとより、これら以外の事業者や地方公共団体に対しても気候変動及びその影響の観測・監視データの提供を求め、気候変動等に関する情報を一元的に集約し、わかりやすく提供すること。

 

五 適応策の効率的かつ効果的な実施を確保するため、その必要性、代替可能性、費用対効果等について市民等にも開かれた評価の場を構築することを検討すること。

 

六 地域の実情に応じた気候変動適応の推進の重要性に鑑み、絶対的に不足している気候変動の研究者及び気候変動の行政事務に携わる職員の育成策を講じていくこと。また、地方公共団体による地域気候変動適応計画の策定を促進するため、環境省及び国立環境研究所の体制を十分に確保するとともに、特に、地域気候変動適応センターとして想定される大学における研究者等を継続的に確保していくため、必要な施策を講じること。さらに、同計画の策定状況を的確に把握し、公表するとともに、策定状況等を踏まえ、地域の適応への取組に対して適切な支援を行うこと。

 

七 我が国が世界有数の温室効果ガス排出国である現状に鑑み、地球規模の気候変動に対応していくため、途上国に対して気候変動適応の技術・資金等に係る必要な支援を行っていくこと。

 

 

 

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