独立行政法人原子力安全基盤機構の解散に関する法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一 独立行政法人原子力安全基盤機構(以下「機構」という。)の職員を原子力規制委員会へ採用する際の具体的な手続について明らかにするとともに、「できる限り一体として原子力規制委員会職員とするよう努める」ことと定めた本法の規定に鑑み、原子力規制委員会への採用を希望する機構職員については可能な限り採用すること。
二 機構を統合した後の原子力規制委員会の体制づくりや機構から採用した職員の配置に際しては、機構出身者の能力を最大限に生かせるよう十分配慮すること。
三 原子力規制委員会に採用される機構の職員に支給される人事院規則で定める特別の手当の検討に当たっては、当該職員の高い知見や技術力を適正に勘案しつつ、国家公務員である原子力規制委員会職員になったことにより収入等に大きく影響が及ばないような給与体系となるよう十分配慮すること。
四 原子力規制委員会への採用を希望しない機構職員に対しては、再就職の支援等に最大限配慮すること。
五 機構職員が有する原子力安全規制行政に係る知見や技術を、原子力規制庁の若手職員等に引き継ぐための体制を構築するとともに、原子力安全規制行政の将来を見据えた人材の育成に努めること。
六 原子力規制委員会の有する科学的知見や専門的技術の一層の向上に努めることにより、事業者の監視・監督機能の一層の適正化を図ること。
七 原子力規制委員会が発足されてから一年以上が経過しているにもかかわらず、同委員会設置法に規定されている原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会及び放射線審議会が未だに設置されていない現状に鑑み、早期に設置すること。
八 原子力規制委員会の研究調査機能の強化に努めるとともに、関連する大学や研究調査機関との連携を深め、原子力安全規制のための技術の向上に努めること。
九 海外の最新の知見や技術を取り入れるため、外国人有識者の活用並びに諸外国の原子力関係機関との意見交換及び情報共有を一層推進すること。また、これまで機構が行ってきた海外の技術支援機関等との協力等を、原子力規制委員会が引き続き行えるよう体制整備を図ること。
十 原子力に係る高い知見や技術を有する民間の人材を積極的に採用するなど、原子力規制委員会の一層の体制強化に努めること。