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不正競争防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 経済のグローバル化の進展に伴い、技術やノウハウ等の知的資産の価値がかつてなく高まる中、企業の競争力の源泉である営業秘密が適正に保護される必要性が高まっていることにかんがみ、政府は、本法施行において、以下の諸点について適切な措置を講じるべきである。

 

一 営業秘密侵害に対する刑事罰の強化に当たっては、その趣旨に関し、事業者、労働者双方に周知徹底を図るとともに、労働者の間に疑念や過度の萎縮が生じることのないよう、労働者の正当な行為や日常業務が処罰対象とならないことを指針等により明確に示すこと。また、企業内における営業秘密の取扱いについて、労使間の協議等により理解の促進が図られるよう努めること。さらに、今後の技術進歩や経済社会情勢の変化等を踏まえ、営業秘密の定義や保護の在り方について十分な検証を行い、必要に応じ見直しを行うこと。

 

二 国民生活の安心や安全を損なうような事件が次々と明らかとなる中で、労働者等による公益通報の重要性が増していることにかんがみ、公益通報者保護制度の趣旨を勘案しつつ、必要に応じて柔軟な法の運用に努めること。

 

三 中小企業や下請事業者の技術力が我が国産業の強みであることを踏まえ、これらの者の保有する営業秘密が不当に流出することのないよう、中小企業の実態に即した適切な措置を講じること。また、元請企業等の有力な取引先による営業秘密侵害に対しては、厳正に対処すること。

 

四 営業秘密侵害に係る刑事訴訟手続については、公開裁判を通じて営業秘密が公になるとの懸念から、被害者が告訴を躊躇していると見られることにかんがみ、関係各省庁間において、営業秘密保護のための特別の刑事訴訟手続の在り方等について、早急に検討を進め、適切な法的措置を講じること。

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