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   医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一 今回の医療保険制度の運営に関する改正に続き、二〇二五年には団塊の世代が後期高齢者に移行することなどから、少子高齢社会の進展を見据えた取組を早期に開始し、医療保険制度の健全な運営に努めること。

二 個人番号カードによるオンライン資格確認が導入されることを踏まえ、個人番号カードの更なる普及拡大に向けて、セキュリティ対策の充実など、効果的な施策を検討するとともに、関係府省が連携して取り組むこと。

三 介護分野において、医療分野と比べて進んでいないデータ集積・分析の一層の推進を図ることにより、科学的根拠に裏付けられた介護サービスの提供に係る方法論を確立するとともに、その普及を図ること。

四 高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施において、市町村が配置する保健師等の医療専門職については、適切な人数及び処遇が確保されるよう、必要な支援を行うこと。

五 我が国の医療保険制度は内外無差別の原則を採っているとともに、外国人による医療保険の不適正利用の実態が十分に把握されていないことを踏まえ、健康保険の被扶養者等の国内居住要件の例外要件の設定等に当たっては、国籍による差別的な取扱いとならないようにすること。

六 被扶養者の国内居住要件の例外規定については、保険者が円滑に認定事務を行えるよう、具体的かつ明確に定めること。また、保険者が被扶養認定を行うに当たり、被扶養者の身分関係、生計維持要件を適切に確認するよう指導すること。

七 治療目的で来日する外国人が在留資格を留学等と偽って高額な保険給付を受けることのないよう、高額療養費等の申請があった際には、必要な調査等を徹底すること。

八 外国人のなりすまし受診対策を実施するに当たっては、被保険者証とともに在留カード等の本人確認書類が提示されないことのみをもって保険給付を否定する取扱いとはしない旨を医療機関に周知徹底すること。

九 年収がほぼ同じ夫婦の子について、保険者間でいずれの被扶養者とするかを調整する間、その子が無保険状態となって償還払いを強いられることのないよう、被扶養認定の具体的かつ明確な基準を策定すること。

十 社会保険診療報酬支払基金の組織見直しに当たっては、審査結果の不合理な差異の解消に向けて、適切に指導すること。また、社会保険診療報酬支払基金がレセプト事務点検作業の集約化を進めるに当たっては、職員の家庭の実情等に十分配慮すること。

十一 社会保険診療報酬支払基金の審査委員会及び審査事務局については、地域医療の特性を踏まえ、引き続き四十七都道府県に設置されるよう、必要な措置を講ずること。

十二 近年の後期高齢者支援金や介護納付金の総報酬割の導入等に伴い、健康保険組合等の財政負担が増加していることを踏まえ、財政状況が厳しい健康保険組合等に対する必要な支援を検討すること。

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