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義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 

政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

 

一 学校現場を取り巻く課題が複雑困難化し、教職員の長時間勤務が常態化している実態を踏まえ、教職員の働き方改革を実現するとともに教育の質を更に高めていく観点から、教職員定数の計画的な改善に努めること。また、いじめ対策や貧困による教育格差の解消など、学校が対応しなければならない新たな教育課題が増大している実態に鑑み、児童生徒に対するきめ細かで質の高い教育を実現するため、必要かつ十分な数の加配教職員が配置できるよう定数を確保すること。

 

二 教職員定数の計画的な改善に当たっては、小学校二年生以上においても、学級編制の標準を三十五人に引き下げるなど、平成二十三年の改正義務標準法附則第二項の趣旨の実現を期すべきこと。

 

三 特別支援教育の対象となる児童生徒数の増加や通常の学級における発達障害の可能性のある児童生徒への教育的な対応が求められている実態を踏まえ、特別支援教育に関する専門的な知識や技能を有する者を十分に確保するなど指導・支援体制の整備・充実に努めること。

 

四 近年その数が急増している定住外国人などの日本語指導が必要な外国人児童生徒等について、国際人権規約や児童の権利条約の趣旨を踏まえ、その希望に基づいて公立の小中学校等において受け入れ、日本語を理解し使用する能力に応じて特別な指導が確実になされるよう、指導教員等の養成・確保、指導体制の整備・充実に努めること。また、地域間格差が生じないよう、ICTの積極的な活用を促進するとともに、効果的な指導方法に関する情報共有等を図ること。

 

五 通級指導・日本語指導を必要とする児童生徒は、いわゆる小規模校を含む全国各地の学校に在籍していることに鑑み、教育の機会均等・全国的な水準確保と障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、全ての子供たちに必要な教育条件を充実させる観点から、本法施行後三年から五年を経過した段階で実態を把握し、必要な見直しを行うこと。

 

六 事務職員の職務に関する規定の見直しや共同学校事務室の制度化の意義について、地方公共団体に対し周知徹底すること。その際、事務職員が一定の責任を持って主体的、積極的に学校運営に参画することにより、学校の機能強化が図られる点について理解を得るよう努めること。また、事務職員が学校運営に関わる職としてその専門性を向上するための研修の企画・実施体制を充実するとともに、共同学校事務室の設置が事務職員の人員削減につながることのないよう、基本的に一校に一人以上の事務職員の配置を確保すること。

 

七 学校・家庭・地域が一体となって子供たちを育む観点から、学校運営協議会制度については、同制度の持つ意義や成果について周知するとともに、十分な教職員数の配置など財政措置も含めた方策を講ずることにより教員の更なる負担増を招くことのないよう留意すること。

 

八 地域住民等による学校との協働活動が推進され、各地域の子供たちがその活動を通じた学びを得ることができるよう、地域学校協働活動推進員をはじめとする人材の確保、地域住民等と学校との連携体制の整備に向けた好事例の収集・普及など財政上の措置を含めた必要な支援を行うこと。

 

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