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文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

 

一 文化財保護行政においては、文化財の保存と活用の双方が共に重要な柱であり、文化財の次世代への継承という目的を達成する上で不可欠になることを踏まえ、国及び地方公共団体は、文化財に係る施策を推進するに当たっては、保存と活用の均衡がとれたものとなるよう、十分に留意すること。

二 文化財の保存及び活用が適切に行われるためには、文化財に係る専門的知見を有する人材の育成及び配置が重要であることを踏まえ、専門人材の育成及び配置について、国及び地方公共団体がより積極的な取組を行うこと。

三 文化財の確実な継承のためには、適切な周期による修理及び修理に必要な原材料・用具の確保が必要であることを踏まえ、国及び地方公共団体は、文化財継承のための十分な支援を行うこと。また、文化財の修理においては、国が必要な予算を安定的に確保し、計画的な修理の実施が行われるよう努めること。

四 重要文化財等の保存活用計画のうち、文化庁長官の認定を受けたものに認められる「美術工芸品に係る相続税の納税猶予の特例」については、美術工芸品の一般公開を目的とせずに節税等の目的で濫用されることがないよう、運用に十分に留意すること。

五 本法律案による罰則の見直しについて、文化財の毀損等の行為に対して被害の現状に応じた実効性のある抑止力が整備されるよう、十分に周知徹底をするとともに、文化財保護法における罰則の在り方等について、不断の検討を行うこと。

六 地方公共団体の長が文化財の保護に関する事務を担当する場合に当たっては、文化財の本質的な価値が毀損されないよう十分に留意するとともに、地方文化財保護審議会の役割の明確化及び機能強化、文化財保存活用地域計画の作成並びに文化財保護法第百八十三条の九に規定する協議会の設置が図られるよう、国の指針等においてその方向性を示すこと。

七 文化財保護の推進は我が国の観光基盤の拡充等に資することに鑑み、国際観光旅客税法(平成三十年法律第十六号)により創設される「国際観光旅客税」について、文化財を保存しつつ活用する取組の財源としても活用できるよう検討を行うなど、文化財保護の財源の更なる拡充に努めること。

 

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