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文部科学省設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 

 政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。

一 本法により機能強化を図った上で、文化庁の組織が東京と京都に二分されることが予定されているが、文化庁が分割された後においても、本法により文化庁の所管とされる学校における芸術に関する教育の基準の設定に関する事務等を含めた全ての文化庁の所管事務が混乱することなく、円滑に執行されるよう、遅くとも平成三十三年度中とされる京都への本格移転に向け、文化庁を中心に関係行政機関が緊密な連携を図り、細部の検討にも遺漏がないよう万全の準備を行うこと。

二 本法による文化庁の機能強化・組織改革が、政府関係機関の地方への移転を契機とした行政の肥大化につながり、行政改革に逆行することのないよう、十分留意すること。

三 平成二十九年に改正された「文化芸術基本法」において、文化芸術と観光、まちづくり、国際交流等の施策との連携が定められたことを踏まえ、文化芸術の価値を中心に据えた施策の立案及びその実行のため、文化芸術関係予算の充実及び文化庁の更なる機能強化に努めること。

四 文化庁は、学校における芸術に関する教育の基準の設定に関する事務を行うに当たっては、これまでの文化芸術振興施策を通して培ってきた知見やネットワークを活用するとともに、学校の教育課程全体についての深い専門性を持って他の教科や総合的な学習の時間等と連携を深め、または芸術家の参加を得る等して、学校現場等におけるより開かれた文化芸術教育の推進に努めること。

五 本法により、博物館の更なる振興を図るため、その事務を文化庁に一元化することとしていることを踏まえ、博物館運営・施設整備や学芸員の育成・配置等に関する支援策を一層講じるとともに、博物館に対する財政的支援の更なる拡充に努めること。

六 文化庁が京都への本格移転に向け、予定しているその効果及び影響の検証結果については、文化庁の京都移転が、政府関係機関の地方への移転の先行事例であることを踏まえ、適宜国会へ報告すること。

七 本法の成立を契機として、国は、「文化芸術立国」の実現に向けて、文化芸術の担い手や関係団体に係る支援措置を強化するとともに、文化庁を中核として関係行政機関が一丸となって文化芸術政策を推進できるような体制の構築に努めること。

八 平成三十一年九月に京都で開催されるICOM(国際博物館会議)京都大会は、文化庁の京都への本格移転に向けた重要な会議であることを政府は深く認識し、ICOM関係者が京都において我が国の文化に触れる貴重な機会である同大会が成功するよう、文化庁を中心に関係行政機関を挙げて取り組むこと。

九 文化庁の京都への本格移転は、文化行政の機能強化の途上であり、芸術文化の自主性等を基本理念とする文化芸術基本法や我が国の文化財の継承・活用等を図る文化財保護法等の文化振興施策をさらに発展・充実させていくため、「文化省」の創設を見据え、引き続き文化行政に関する取組の在り方を検討すること。

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