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   都市農地の貸借の円滑化に関する法律案に対する附帯決議

 

 我が国の都市農業は、大消費地に新鮮な農産物を供給する機能に加え、防災、良好な景観の形成、国土・環境の保全、農作業体験及び学習の場の提供等、多様な機能を有しており、これを十分に発揮させるためには、都市農地を適正に保全するとともに、その有効な活用を図っていくことが不可欠である。

 よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。

                記

一 平成三十四年に現在生産緑地地区に指定されている土地の八割で指定後三十年が経過し、生産緑地の所有者は買取りの申出をすることができるようになることから、本法に基づく新たな貸借制度について速やかに農地所有者や農業関係者に周知を図ること。

二 都市農業においても農業従事者の高齢化や後継者不足が深刻化していることから、新規就農者の確保・育成を図ること。また、多様な主体による都市農業の振興を図るため、農業委員会等が農地の貸し手と借り手とのマッチングの役割を果たせるよう支援すること。

三 事業計画の認定に係る基準を定めるに当たっては、地域の実情に応じた多様な取組を行うことができるようにすること。

四 認定都市農地の適正な利用を確保するため、耕作の事業等について、市町村による必要な援助が行われるよう、指導及び助言を行うこと。

五 認定都市農地の適正な利用が行われていない場合に、農業委員会による調査や指導、市町村長による勧告、認定の取消し等の適切な措置が執られるとともに、都市農地の適正な利用の継続に向けて、市町村による賃借権等の設定に関するあっせん等の取組が行われるよう、指導及び助言を行うこと。

六 市民農園・農業体験農園は、都市において農作業体験を行うことができ、都市住民の需要も高い施設であることから、開設数の拡大等、一層の充実を図ること。

七 市街化区域内農地の保全を図るために、生産緑地地区の指定が促進されるよう支援すること。

八 本法の対象は生産緑地地区の区域内の農地に限定されているが、都市農業振興基本法においては、「都市農業」とは「市街地及びその周辺の地域において行われる農業」とされ、都市農業振興基本法に基づく都市農業振興基本計画における「都市農地」は生産緑地地区に限定されるものではないことから、政府は、生産緑地地区の区域内の農地以外も含めた都市農業の振興及び都市農地の保全に引き続き取り組むこと。その取組に当たっては、関係省庁の連携を強化して取り組むこと。

九 各種の農業支援策は、都市農業者のニーズも踏まえたものとすること。

 右決議する。

 

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