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災害対策基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、東日本大震災の教訓を生かした災害対策基本法の第一段の改正となる本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期するべきである。

 

一 過去の災害からの教訓の伝承及び防災に関する教育の実施については、多様な主体による取組を推進するため、国による財政上の措置を含め、可能な限りの支援を行うこと。特に学校教育においては、災害発生時に児童・生徒が自ら適切な行動をとれるよう、自然災害及び避難等に関する正しい知識の習得並びに訓練の実施等に関し配慮すること。

 

一 地理空間情報の活用については、都道府県及び市町村が十分に活用できるものとするため、情報の内容、共有及び利用方法等に留意してシステムを構築するなど、真に災害対策に有用な、実効性のあるものとするとともに、NPOやボランティアなど、災害に関与する団体及び個人を含め、広く国民に対する情報提供にも活用すること。

 

一 応援の要求、広域一時滞在及び物資・資材の供給など、国及び都道府県による関与が充実強化されたものについては、適時適切な応援、被災住民の受入れ及び物資等の供給がなされるよう、その仕組みを十全に機能させること。

 

一 円滑な応援の受入れ及び他者への応援については、災害発生時の初動対応において極めて重要であることから、都道府県及び市町村による広域的な協定の締結及び訓練の実施等が促進されるよう、国としても積極的に取り組むこと。

 

一 救援物資等を被災地に確実に供給するためには、現在の国及び地方の指定公共機関である運送事業者だけでは運送の対象となる物資が限定されるなど、不十分なことが懸念されることから、指定公共機関の拡大を含め、運送事業者の指定の在り方について検討すること。

 

一 国、都道府県及び市町村の防災会議の委員の任命については、女性、障がい者及び高齢者など、社会及び地域の実情に応じて多様な主体の参画が確保されるよう、今後とも制度及び運用の改善に努めること。

 

一 今回の改正では、災害応急対策責任者や災害予防責任者など、国や地方の公的立場にある者の役割が強化されたが、東日本大震災では、NPOやボランティアなどが大きな役割を果たしたことから、災害の予防、災害からの復旧及び復興など、災害全般においてかかる主体の果たす役割についても、引き続き検討を進めること。

 

一 これからの災害対策基本法改正に向けて、避難や減災など災害に対する基本的考え方をはじめ、防災会議や災害対策本部など組織の在り方、大規模災害発生時の災害緊急事態の布告の内容やその手続、さらに災害からの復興の進め方に至るまで、現行法のあらゆる問題点について迅速に検討を進め、必要な法案を策定し、提出すること。

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