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国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。

一 国家戦略特別区域の新規指定及び国家戦略特別区域における追加の規制改革事項の決定に至る過程の透明性・公正性を確保すること。

二 国家戦略特別区域諮問会議の中立性を確保する観点から、民間議員等が私的な利益の実現を図って議論を誘導し、又は利益相反行為に当たる発言を行うことを防止するため、民間企業の役員等を務め又は大量の株式を保有する議員が、会議に付議される事項について直接の利害関係を有するときは、審議及び議決に参加させないことができるものとすること。

また、各国家戦略特別区域において特定事業を実施すると見込まれる者を公募する場合には、十分な募集期間を設けるなど、手続の公正性・公平性の確保に留意すること。

三 現在国家戦略特別区域に指定されている十区域の評価結果を踏まえ、個々の事業の進捗状況や規制改革メニューの活用が不十分であるなど、評価が著しく低い区域に対しては、指定の在り方を含め、PDCAサイクルによる進捗管理を厳格に行うこと。また、可能な限り定量的な評価を行うため、国家戦略特別区域計画に予め数値目標を定め、その達成度を測るなど、国民に対してわかりやすい形で評価を行うよう努めること。

四 国家戦略特別区域小規模保育事業の実施に当たっては、満三歳以上の子どもの保育に関し、同年齢の子どもとの触れ合いの中で協調性や社会性を育む重要な段階であることに配慮するとともに、限られた空間の中で活動量の異なる異年齢の子どもが集団で保育を受けることになることに鑑み、安全管理対策に万全を期すこと。

五 新たに国家戦略特別区域限定保育士事業の指定試験機関となる法人について、試験実施機関としての適格性・公正性の確保に万全を期すること。また、政府は、待機児童問題の解消に不可欠な保育士の更なる確保に向け、保育士の処遇の改善をはじめとして、いわゆる「潜在保育士」の再就職支援のための取組を一層強化すること。

六 国家戦略特別区域農業支援外国人受入事業の実施に当たっては、外国人材に対する人権侵害行為を防止すること、日本人農業労働者と同程度の賃金水準を維持すること、労働時間や休日、休暇等の適切な就労環境を確保すること、特定機関等による不当な利益追求を防止すること等、事業運営の適正化を確保するため、適正受入管理協議会を核に、特定機関及び農業経営体等に対する監督及び指導を徹底すること。

また、本事業の全国展開については、国内全産業における賃金や就労環境の低下につながらないよう見極めるとともに、地域社会や日本人就農者に与える影響等について慎重に検討した上で判断すること。

七 我が国の成長戦略、第四次産業革命を牽引する、自動車の自動運転及び小型無人機の遠隔操作等の高度な産業技術の社会実装を世界に先駆けて実現するため、迅速かつ集中的に実証実験を行うことができるよう、日本版レギュラトリー・サンドボックス制度を速やかに創設すること。

なお、実証実験に際しては、地域の住民等の理解の下、その安全の確保に万全を期すること。

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