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   国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。

一 法人農地取得事業の実施に当たっては、この制度が担い手不足や耕作放棄が深刻な地域の農業の活性化を目的としていることに鑑み、この目的から逸脱した全国展開を前提としないこと。また、本法に基づく対象地域を検討するに当たっては、当該地域の農業経営及び農地の利用状況等について慎重に検討すること。

二 株式会社の農地所有を認めるに当たっては、当該農地等が目的外使用、転売又は開発行為等により荒廃すること等のないよう十分に配慮すること。

三 株式会社の農地所有を認めた後、目的外使用等を理由に農地等の所有権を特定地方公共団体に移転するに当たっては、当該地方公共団体は住民の負担を軽減するよう努め、売買による場合においては適切な価格で取得するなど、当該地方公共団体の住民に必要以上の負担とならないよう配慮すること。

四 国家戦略特別区域自家用有償観光旅客等運送事業については、あくまでバス・タクシー等が極端に不足している地域における観光客等の移動の利便性の確保が目的であり、同制度の全国での実施や、いわゆる「ライドシェア」の導入は認めないこと。

五 自家用自動車による有償運送において、観光客等を対象にする場合には、運転者に第二種運転免許の取得者を充てるなど、安全の確保に万全を期すること。併せて、運転者や乗客が犯罪に巻き込まれないよう、タクシー事業者に準じた対策を講ずること。

六 過疎地等において移動手段の確保を図るに当たっては、自家用自動車による有償運送はあくまで特例であることに鑑み、バス・タクシー等の一般旅客自動車運送事業の振興や、それらへの公的補助、業務委託など、バス・タクシー等の活用についても併せて取り組むこと。

七 国家戦略特別区域自家用有償観光旅客等運送事業は、あくまで非営利を前提に特例として認められる点に鑑み、バス・タクシー等の既存の有償運送事業者で対応可能な場合にはこれを認めないこと。また、事業の実施に当たっては、バス・タクシー等の既存の有償運送事業者との協議を十分に行うべく努めること。さらに、自家用自動車による有償運送が、いわゆる白タク行為となることを防ぐ観点から、事実上の営利事業とならないよう万全の対策を講ずること。

八 国家戦略特別区域処方箋薬剤遠隔指導事業の実施に当たっては、薬剤師による服薬指導が対面を原則としていることに鑑み、あくまで離島や過疎地など、対面での服薬指導が困難な地域に限定し、これらの地域要件を外した全国展開を前提としないこと。

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