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   原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第三号)概要

 本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

 この協定は、我が国とインド共和国との間で、原子力の平和的利用に関する協力のための法的枠組みについて定めるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この協定の下での協力は、平和的非爆発目的に限って行い、また、この協定に基づいて移転された核物質等(以下「移転核物質等」という。)は、いかなる核爆発装置のためにも又はいかなる核爆発装置の研究若しくは開発のためにも使用してはならないこと。

二 この協定の下での協力は、それぞれの締約国政府と国際原子力機関との間の関係する協定に従って両国について適用される同機関の保障措置が適用されていることを要件として行うこととし、移転核物質等は、当該保障措置の適用を常に受けること。

三 各締約国政府は、この協定に基づいて移転された全ての核物質等についての計量管理制度を維持することとし、両締約国政府は、この協定の規定を実施し、及び運用するため、適当な当局を通じ、この協定の適用を受ける核物質及び核物質ではない資材であって国際原子力機関の保障措置下にあるものに関する情報、この協定の適用を受ける設備及び技術に関する情報並びにその他の関連する情報を交換すること。

四 各締約国政府は、自国の管轄内において使用中、貯蔵中若しくは輸送中であるか又は国際輸送中であるかを問わず、自国において効力を有する法令及び関係する国際条約、特に、核物質及び原子力施設の防護に関する条約に従い、移転核物質等の防護を確実にするための適切な措置がとられることを確保すること。

五 移転核物質等は、供給締約国政府の書面による事前の同意が得られる場合を除くほか、受領締約国政府の国の管轄の外(供給締約国政府の国の管轄内を除く。)に移転され、又は再移転されないこと。

六 この協定に基づいて移転されたウラン等は、同位元素ウラン二三五の濃縮度が二十パーセント未満である範囲で濃縮することができ、同位元素ウランの濃縮度が二十パーセント以上になる濃縮は、供給締約国政府の書面による同意が得られた場合に限り行うことができること。

七 各締約国政府は、この協定の有効期間の満了前に、他の締約国政府に対して、一年前に書面による通告を行うことによりこの協定を終了させる権利を有し、終了の通告を行う締約国政府は、終了を求める理由を示すこと。

 なお、協定の不可分の一部を成す附属書Aは核物質ではない資材及び設備とされるものを、附属書Bはインド共和国の管轄内にあるこの協定に基づいて移転された核物質等の再処理の条件をそれぞれ定めている。

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