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   経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第1号)概要

 本件は、標記の協定の締結について、国会の承認を求めるものである。

 この協定は、我が国とオーストラリアとの間で、貿易及び投資の自由化及び円滑化、食料供給、エネルギー及び鉱物資源、政府調達等の分野における経済連携を強化するための法的枠組みについて定めるものであり、その主な内容は次のとおりである。

1 両締約国は、1994年のガット及びサービス貿易一般協定の規定に適合する自由貿易地域を設定すること。

2 一方の締約国は、他方の締約国の原産品について、附属書一の自国の表に従って、関税を撤廃し、又は引き下げること。

3 一方の締約国は、2の結果として、当該原産品の輸入の増加により国内産業に重大な損害又はそのおそれが発生した場合に、自国の国内産業に対する重大な損害を防止し、又は救済し、かつ、調整を容易にするために必要な最小限度の範囲において、当該原産品の関税の更なる引下げを停止する等の二国間セーフガード措置をとることができること。

4 締約国は、附属書1で特定された農産品(生鮮、冷蔵又は冷凍の牛肉)であって原産品であるものについて、附属書1に規定する条件(輸入数量の合計が各年につき一定の水準を超えた場合)の下においてのみ、原産品の関税を引き上げる特別なセーフガード措置をとることができること。

5 両締約国は、附属書1で特定された原産品(食糧用麦、牛肉、乳製品、砂糖)の取扱いについて、この協定の効力発生の日の後5年目の年又は両締約国が合意する他の年のいずれか早い年に市場アクセスの条件を改善する観点から見直しを行うほか、日本国が第三国との国際協定に基づいて当該第三国に対して与えた特恵的な市場アクセスの結果として当該原産品の日本国の市場における競争力に重大な変化がある場合には、オーストラリアの当該原産品に対して同等の待遇を与える観点から、当該第三国との国際協定の効力発生の日の後3箇月以内に見直しを開始すること。

6 輸入締約国は、輸出締約国から輸入される産品について、原則として、輸入者が輸入の際に関税上の特恵待遇(2に従って原産品について関税を適用することをいう。)を要求する等の条件が満たされる場合には、当該待遇を与えること。その要求は、輸出締約国の権限を与えられた機関等が発給する原産地証明書又は産品の輸入者、輸出者若しくは生産者が作成する原産地証明文書によって裏付けられるものとすること。

7 一方の締約国は、他方の締約国への重要な食料の輸出又は輸出のための販売についての禁止又は制限であって、1994年のガットにおいて、輸出締約国にとって不可欠の産品の危機的な不足を防止し、又は緩和するために一時的に課するものとして認められているいかなるものも導入し、又は維持しないよう努めるとともに、そのような輸出の禁止又は制限を採用する意図を有するときであっても、他方の締約国の食糧安全保障に及ぼし得る悪影響に妥当な考慮を払った上で、これを必要な範囲に限定するよう努めること。

8 各締約国は、エネルギー・鉱物資源物品の輸出又は輸出のための販売についての禁止又は制限であって、1994年のガットにおいて、輸出締約国にとって不可欠の産品の危機的な不足を防止し、又は緩和するために一時的に課するもの等として認められているいかなるものも導入し、又は維持しないよう努めるとともに、そのような輸出の禁止又は制限を採用する意図を有するときであっても、他方の締約国のエネルギー及び鉱物資源の安全保障に及ぼし得る悪影響に妥当な考慮を払った上で、これを必要な範囲に限定するよう努めること。

9 一方の締約国は、投資活動に関し、他方の締約国の投資家及び一方の締約国の区域内にある他方の締約国の投資家の投資財産であって、この協定の効力発生の日に存在しているもの又はその後に設立され、取得され、若しくは拡張されるものに対し、内国民待遇及び最恵国待遇を与えること。

10 両締約国は、この協定の効力発生の日の後5年目の年又は両締約国が合意する他の年のいずれか早い年に、投資環境の可能な改善のため第14章(投資)の規定の見直しを開始するとともに、この協定の効力発生の後にオーストラリアが他の二国間又は多数国間の国際協定であって、オーストラリアと他の当該国際協定の当事国の投資家との投資紛争解決のための仕組みを規定するものを締結した場合にも、当該国際協定の効力発生の日の後3箇月以内に、この協定の下に同等の仕組みを設立するため当該見直しを開始すること。

11 一方の締約国は、対象調達(物品、サービス又はその双方の政府調達であって、購入、借入れその他の方法、建設・運営・移転に係る契約、公共事業に関する特別の許可に係る契約等を通じて行う契約により行われること等の要件を満たすものをいう。)に関する措置について、他方の締約国の物品、サービス及び供給者に対し、内国民待遇を与えること。

 なお、協定の不可分の一部を成す附属書は、両締約国が実施する関税の撤廃及び引下げ等の対象品目、条件等について規定している。

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