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(外務委員会)

   所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第一二号)概要

 本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、昭和三十四年に発効(昭和三十六年に一部改正)した現行の租税条約に代わる新たな条約であり、経済的、人的交流等に伴って発生する国際的な二重課税を回避することを目的とし、我が国とパキスタンとの間で課税権を調整するものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この条約が適用される租税は、日本国については所得税及び法人税、パキスタンについては所得税とすること。

二 一方の締約国の企業の事業利得については、当該企業が相手国内に恒久的施設を有する場合で、かつ、当該恒久的施設に帰せられる所得についてのみ相手国において課税されること。

三 一方の締約国の居住者である法人が相手国の居住者に支払う配当に対しては、当該相手国において課税することができるが、同配当に対しては、当該配当を支払う法人が居住者とされる一方の締約国においても、配当の受益者が当該配当を支払う法人の議決権のある株式の二十五パーセント以上を所有する法人である場合には当該配当額の七・五パーセント(ただし、同株式の所有が五十パーセント以上の法人の場合は当該配当額の五パーセント)、その他のすべての場合には当該配当額の十パーセントを超えない額の課税をすることができること。

四 一方の締約国内において生じ、相手国の居住者に支払われる利子に対しては、当該相手国において課税することができるが、同利子に対しては、当該利子が生じた一方の締約国においても、十パーセントを超えない額の課税をすることができること(ただし、特定の政府機関又は金融機関が受け取る利子は免税)。

五 一方の締約国内において生じ、相手国の居住者に支払われる著作権、特許権、商標権等の使用料に対しては、当該相手国において課税することができるが、同使用料に対しては、当該使用料が生じた一方の締約国においても、十パーセントを超えない額の課税をすることができること。

六 一方の締約国内において生じ、相手国の居住者に支払われる技術上の役務に対する料金に対しては、当該相手国において課税することができるが、同技術上の役務に対する料金に対しては、当該技術上の役務に対する料金が生じた一方の締約国においても、十パーセントを超えない額の課税をすることができること。

七 みなし外国税額控除を廃止すること。

なお、条約の不可分の一部を成す議定書は、事業利得の算出において恒久的施設の利得から控除することができない費用の内容、非永住者の所得に関しこの条約の特典を受けることができる範囲等について規定している。

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