犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律及び総合法律支援法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)の概要
本案は、刑事被告事件の手続への参加に伴う被害者参加人の経済的負担を軽減するため、公判期日等に出席した被害者参加人に対し国が旅費等を支給する制度を創設するとともに、これに関する事務を日本司法支援センターに行わせることとするほか、裁判所に対する被害者参加弁護士の選定の請求に係る資力要件の緩和を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律の一部改正
1 公判期日等に出席した被害者参加人に対する旅費等支給制度の創設
㈠ 被害者参加人が公判期日又は公判準備に出席した場合には、法務大臣は、当該被害者参加人に対し、旅費、日当及び宿泊料(以下「被害者参加旅費等」という。)を支給するものとすること。
㈡ 被害者参加旅費等の支給を受けようとする被害者参加人は、所定の請求書に法務省令で定める被害者参加旅費等の算定に必要な資料を添えて、これを、裁判所を経由して、法務大臣に提出しなければならないものとすること。
㈢ 裁判所は、㈡により請求書及び資料を受け取ったときは、当該被害者参加人が公判期日又は公判準備に出席したことを証明する書面を添えて、これらを法務大臣に送付しなければならないものとすること。
㈣ 被害者参加旅費等の支給に係る法務大臣の権限に係る事務は、日本司法支援センターに行わせるものとすること。
2 被害者参加弁護士の選定の請求に係る資力要件の緩和
被害者参加人が、裁判所に対し、被害者参加弁護士を選定することを請求することができる要件について、その資力から計算上控除すべき療養費等の額を三月分から六月分に増額するとともに、これにより算出された額と比較すべき基準額も増額するものとすること。
二 総合法律支援法の一部改正
日本司法支援センターは、一1㈣の権限に係る事務を行うものとすること。
三 施行期日
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。