少年院法案(内閣提出第三八号)の概要
本案は、少年院の適正な管理運営を図るとともに、在院者の人権を尊重しつつ、その特性に応じた適切な矯正教育その他の在院者の健全な育成に資する処遇を行うことにより、在院者の改善更生及び円滑な社会復帰を図るため、現行の少年院法を全面的に見直して新たに少年院法を定め、少年院の管理運営に関する事項、矯正教育の基本となる事項、在院者の権利義務の範囲、在院者による不服申立ての制度等についての所要の法整備を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 少年院の管理運営に関する事項
少年院の運営の透明性を確保するため、少年院視察委員会を設置するものとすること。
二 矯正教育の基本となる事項
1 少年院の種類及び処遇課程の見直し・再編を行うこと。
2 矯正教育の目的、内容及び実施方法等を明確化すること。
三 在院者の権利義務の範囲等
1 物品の給貸与、自弁物品の使用及び書籍等の閲覧の範囲・要件を明確化すること。
2 面会及び信書の発受について、許可要件を明確化するとともに、一定の範囲で保障するものとすること。
3 身体検査、手錠の使用、保護室への収容等の規律秩序の維持のための措置の要件を明確化すること。
四 在院者による不服申立ての制度の整備
1 自己に対する処遇全般について、法務大臣に対する救済の申出の制度を創設すること。
2 在院者の相談に応じる相談員を設置するものとすること。
五 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。