少年鑑別所法案(内閣提出第三九号)の概要
本案は、少年鑑別所の適正な管理運営を図るとともに、鑑別対象者の鑑別を適切に行うほか、在所者の人権を尊重しつつ、その者の状況に応じた適切な観護処遇を行い、並びに非行及び犯罪の防止に関する援助を適切に行うため、新たに少年鑑別所法を定め、少年鑑別所の管理運営に関する事項、鑑別対象者の鑑別の実施方法、在所者の権利義務の範囲、在所者による不服申立ての制度等についての所要の法整備を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 少年鑑別所の管理運営に関する事項
少年鑑別所の運営の透明性を確保するため、少年鑑別所視察委員会を設置するものとすること。
二 鑑別対象者の鑑別の実施方法
少年鑑別所が行う鑑別について、鑑別の実施方法、家庭裁判所等の求めによる鑑別等について定めるものとすること。
三 在所者の権利義務の範囲等
1 物品の給貸与、自弁物品の使用及び書籍等の閲覧の範囲・要件を明確化すること。
2 面会及び信書の発受について、許可要件を明確化するとともに、一定の範囲で保障するものとすること。
3 身体検査、手錠の使用、保護室への収容等の規律秩序の維持のための措置の要件を明確化すること。
四 在所者による不服申立ての制度の整備
1 自己に対する処遇全般について、法務大臣に対する救済の申出等の制度を創設すること。
2 在所者の相談に応じる相談員を設置するものとすること。
五 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、少年院法の施行の日から施行するものとすること。