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   自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律案(内閣提出第五二号)の概要

 本案は、自動車運転による死傷事犯の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処をするため、悪質かつ危険な自動車の運転により人を死傷させた者に対する新たな罰則を創設するなど所要の罰則の整備を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 危険運転致死傷罪の規定の整備

1 通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処するものとし、現行の刑法の危険運転致死傷罪とともに本法律に規定するものとすること。

2 アルコール若しくは薬物又は政令で定める病気の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール等の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処するものとすること。

二 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪の新設

アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、十二年以下の懲役に処するものとすること。

三 過失運転致死傷罪

  現行の刑法の自動車運転過失致死傷罪を本法律の過失運転致死傷罪として規定するものとすること。

四 無免許運転による加重規定の新設

  本法律の罰則を犯した者が無免許運転をしたものであるときは、それぞれ、道路交通法の無免許運転罪との併合罪加重以上の重い法定刑とする罰則を新設するものとすること。

五 施行期日等

 1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。

 2 刑法第二百八条の二の危険運転致死傷罪及び第二百十一条第二項の自動車運転過失致死傷罪の規定を削除すること。

 3 その他所要の規定の整備を行うこと。

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