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   情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)の概要

本案は、近年におけるサイバー犯罪その他の情報処理の高度化に伴う犯罪及び強制執行を妨害する犯罪の実情に鑑み、これらの犯罪に適切に対処するとともに、サイバー犯罪に関する条約を締結するため、所要の法整備を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 サイバー犯罪その他の情報処理の高度化に伴う犯罪に対処するための法整備

 1 人の電子計算機における実行の用に供する目的で、不正な指令を与える電磁的記録等を作成、提供する行為等を処罰する「不正指令電磁的記録作成等の罪」を新設すること。

 2 電気通信の送信によるわいせつな電磁的記録の頒布等を新たに処罰の対象とすること。

 3 電子計算機の差押えに当たり、電気通信回線で接続している記録媒体であって、当該電子計算機で作成・変更をした又は変更・消去ができる電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから当該電磁的記録を複写することができるものとすること。

 4 電磁的記録の保管者等に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録等させた上、当該記録媒体を差し押さえる「記録命令付差押え」を新設すること。

 5 検察官、司法警察員等は、差押え又は記録命令付差押えの必要がある場合に、電気通信事業者等に対し、業務上記録している通信履歴の電磁的記録を三十日を超えない期間(特に必要があり、延長する場合には、通じて六十日を超えない期間)消去しないよう、書面で要請できるものとすること。

二 強制執行妨害関係の罰則整備

 1 封印等が不法に取り除かれた後における目的財産に対する妨害行為、目的財産の現状の改変等による妨害行為、執行官等の関係者に対して行われる妨害行為、競売開始決定前に行われる競売手続の公正を害するような行為等の強制執行を妨害する行為を新たに処罰の対象とし、強制執行妨害罪等の法定刑を引き上げること。

 2 強制執行妨害行為等が報酬目的で又は組織的な犯罪として行われる場合に刑を加重すること。

三 施行期日

  この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行すること。

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