大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法案
(内閣出第49号)の概要
本案は、大規模な災害の被災地において、当該災害により借地上の建物が滅失した場合における借地権者の保護等を図るための借地借家に関する特別措置を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 特定大規模災害及びこれに対して適用すべき措置等の指定
大規模な火災、震災その他の災害であって、その被災地において借地権者の保護その他の借地借家に関する配慮をすることが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該災害を特定大規模災害として政令で指定するものとし、この政令においては、適用すべき措置及び地区を指定しなければならないものとすること。
二 借地上の建物が滅失した場合における借地権者の保護のための措置
1 借地権者は、一の政令の施行の日から起算して1年を経過する日までの間は、借地契約の解約等の申入れをすることができるものとし、この場合において、借地権は申入れがあった日から3月を経過することによって消滅するものとすること。
2 借地権者は、借地上に登記されている建物を所有していた場合には、一の政令の施行の日から起算して6月を経過する日までの間は、借地権を第三者に対抗することができるものとするとともに、一の政令の施行の日から起算して3年間は、滅失した建物を特定するために必要な事項等を掲示することにより借地権を第三者に対抗することができるものとすること。
三 被災地短期借地権
一の政令の施行の日から起算して2年を経過する日までの間は、存続期間を5年以下とするとともに、更新を認めない短期の借地権の設定を可能とする制度を創設するものとすること。
四 賃借権の目的である建物が滅失した場合における従前の建物の賃借人の保護を図るための措置
一の政令の施行の日から起算して3年を経過する日までの間は、従前の建物の賃貸人が新たに建物を築造して賃貸しようとするときは、従前の建物の賃貸人は、従前の建物の賃借人に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならないものとすること。
五 施行期日等
1 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。
2 罹災都市借地借家臨時処理法(昭和21年法律第13号)は、廃止するものとすること。