(経済産業委員会)
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十三回国会閣法第七二号)要旨
本案は、平成二十一年に成立した私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)の一部を改正する法律の附則第二十条第一項に明記された、審判手続を全面にわたって見直す規定についての検討結果及び同法案に係る衆議院及び参議院の経済産業委員会の附帯決議を踏まえ、公正取引委員会が行う審判制度を廃止するとともに、公正取引委員会が排除措置命令等の行政処分を行おうとする際の意見聴取のための手続を整備する等の措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 審判制度の廃止
独占禁止法違反に対する排除措置命令等の行政処分について、公正取引委員会が行う審判制度を廃止すること。
二 排除措置命令等に係る訴訟手続及び意見聴取手続の整備
1 審判制度廃止に伴い、公正取引委員会の行政処分に係る抗告訴訟については、東京地方裁判所の専属管轄とするとともに、同裁判所においては、三人又は五人の裁判官の合議体により審理及び裁判を行うこととすること。また、その控訴審である東京高等裁判所においては、五人の裁判官の合議体により審理及び裁判をできることとすること。
2 排除措置命令等に係る意見聴取手続について、その主宰者、予定される排除措置命令の内容等の説明、証拠の閲覧・謄写に係る規定等の整備を行うこと。
三 施行期日等
1 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、この法律の施行に伴う所要の経過措置等について規定すること。
2 公正取引委員会が事件について必要な調査を行う手続について、我が国における他の行政手続との整合性を確保しつつ、事件関係人が十分な防御を行うことを確保する観点から検討を行い、この法律の公布後一年を目途に結論を得て、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとすること。
3 中小企業庁設置法その他の関係法律について所要の規定の整備を行うこと。